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JP2008207406A - ガスバリア性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリア性フィルム及びその製造方法 Download PDF

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JP2008207406A JP2007044760A JP2007044760A JP2008207406A JP 2008207406 A JP2008207406 A JP 2008207406A JP 2007044760 A JP2007044760 A JP 2007044760A JP 2007044760 A JP2007044760 A JP 2007044760A JP 2008207406 A JP2008207406 A JP 2008207406A
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Abstract


【課題】
透明性、ガスバリア性のみならず、防湿性にも優れたフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系またはウレタンアクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層が形成されていることを特徴とするガスバリア性フィルム。或いは、さらに重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩溶液が塗工され、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩が重合することにより得られる層が設けられていることを特徴とするガスバリア性フィルム。そのフィルムの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機薄膜の層を有し、かつ透明性を有し、酸素、水蒸気等のガスバリア性、特に高湿度下でのガスバリア性に優れた包装材料に好適なガスバリア性フィルム及びその製造方法に関する。
近年、酸素あるいは水蒸気等に対するバリア性材料として、フィルム基材に酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機酸化物を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相成長法等で形成してなる透明ガスバリア性フィルムが注目されている。そして、かかる透明ガスバリア性フィルムは、一般には透明性、剛性に優れる二軸延伸ポリエステルフィルムからなる基材面に無機酸化物を蒸着したフィルムであるので、そのままでは蒸着層が使用時の摩擦等に弱く、包装用フィルムとして使用する場合、後加工の印刷やラミネート時、又内容物の充填時に、擦れや伸びにより無機酸化物にクラックが入りガスバリア性が低下することがある。
一方、ガスバリア性を有するポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体を二軸延伸フィルム基材に積層する方法(例えば、特許文献1)、あるいはポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物を二軸延伸フィルム基材に被覆する方法(例えば、特許文献2)が提案されている。しかしながら、ポリビニルアルコールを積 層してなるガスバリア性フィルムは、高湿度下での酸素バリア性が低下し、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との組成物は、エステル化を十分に進行させて、フィルムのガスバリア性を高めるためには高温で長時間の加熱が必要である。そして、これらは酸素ガスバリア性は発現するものの防湿性については十分とはいえない状況である。
特開昭60−157830号公報(特許請求の範囲) 特許第3203287号公報(請求項1)
そこで本発明は、無機薄膜の層を有し、透明性、ガスバリア性のみならず、防湿性にも優れたフィルムを提供することを目的とするものである。
本発明は、基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系またはウレタンアクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層が形成されていることを特徴とするガスバリア性フィルムに関する。
本発明は、また基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系又はウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層が形成され、さらに重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩溶液を塗工された後、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合することにより得られる層が設けられていることを特徴とするガスバリア性フィルムに関する。
さらに本発明は、基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系又はウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層を形成し、さらに重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物とを含む溶液を塗工し、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を形成させた後、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合することを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法に関する。
本発明によれば、基材にSiNやSiONなどの無機薄膜層が形成され、透明性に優れ、且つガスバリア性に優れたガスバリア性フィルムを得ることができる。
基材層
本発明に用いられる基材層は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいは紙等の有機質材料からなり、その形状も、シート又はフィルム状物、トレー、カップ、中空体等の形状を有するものを例示することができる。
熱硬化性樹脂としては、種々公知の熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド等を例示することができる。熱可塑性樹脂としては、種々公知の熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体もしくはその鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、フッ素樹脂あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。これら熱可塑性樹脂からなる基材層はガスバリア性フィルムの用途に応じて、単層であっても、二種以上の熱可塑性樹脂からなる積層フィルムであってもよい。
また、基材層の表面に、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニアルコール共重合体、アクリル樹脂、ウレタン系樹脂等がコーティングされていてもよい。
また、これら基材層は、ガスバリア性フィルムとの接着性を改良するために、その表面を、例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。
アンダーコート層
基材層の無機薄膜層を積層する面には、上記の表面活性化処理を行い、又は行うことなく、エポキシ(メタ)アクリレート系又はウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層が設けられる。
用いられるエポキシ(メタ)アクリルレート系の化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラク型エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等のエポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られる化合物、更にはこれらの化合物をカルボン酸またはその無水物と反応させて得られる酸変性エポキシ(メタ)アクリレートが例示される。これらのエポキシ(メタ)アクリレート系の化合物は、光重合開始剤及び必要に応じて他の光重合あるいは熱反応性モノマーからなる希釈剤と共に、基材層の表面に塗布され、その後紫外線等を照射して架橋反応によりアンダーコート層が形成される。
また、ウレタン系(メタ)アクリレートは、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものから構成される。
用いられる層の形成に使用するポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。具体的なポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどが例示でき、また、具体的なポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどがある。アクリレートを構成する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどがある。
これらのエポキシ(メタ)アクリレート系の化合物、ウレタン(メタ)アクリレート系の化合物は、必要に応じて、併用される。また、これらを重合させる方法としては、公知の種々の方法、具体的には電離性放射線の照射又は加熱などによる方法があげられる。
これらを紫外線で硬化して使用する場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。 本発明では、エポキシ(メタ)アクリレート系の化合物とウレタン(メタ)アクリレート系の化合物は、併用することも行われる。
また、これらのエポキシ(メタ)アクリレート系の化合物やウレタン(メタ)アクリレート系の化合物は、(メタ)アクリル系モノマーで希釈することが行われる。
このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)
アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示でされる。
無機薄膜層
基材層の表面にエポキシ(メタ)アクリレート系又はウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層が形成されている。
無機薄膜層としては、アルミニウム、亜鉛若しくはシリカ等の無機化合物あるいはその酸化物、その他の無機薄膜層が用いられ、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウム、インジウムなどの酸化物、窒化物、弗化物、或いは酸窒化物などそれらの複合物等が例示される。
無機薄膜層を形成する方法としては、公知の方法を利用することができる。例えば、スパッタやCVD法により成膜を行う方法がある。これらの無機薄膜層は、基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系またはウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を介して形成される。
これらの結合反応を迅速に行うには、その無機原子や化合物が化学的に活性な分子種もしくは原子種であることが望ましい。
本発明の無機薄膜層としては、無機窒化物が好適であり、中でも珪窒化物(SiN等)、珪酸化窒化物(SiON等)が特に好適である。
無機薄膜層の成膜法は特に限定されず、真空蒸着法、化学気相成長法、物理気相蒸着法、化学気相蒸着法(CVD法)、ゾルゲル法などがある。中でも、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、物理気相蒸着法(PVD)、プラズマCVD法などの減圧下での製膜が望ましい。これにより、窒化珪素や酸化窒化珪素などの珪素を含有する化学的に活性な分子種が速やかに反応することにより、無機薄膜層の表面の平滑性が改良され、孔を少なくすることができるものと予想される。
無機薄膜層の厚さは、通常0.1〜1000nm、中でも1〜500nm程度である。
本発明のガスバリアフィルムは、上記の基材、アンダーコート層及び無機薄膜層に限られることなく、それ以外の層を追加して用いることも行われる。他の層は必要に応じて複数の層であってもよい。但し、品質管理や製造コストの観点から層の上限は10層程度である。また、透明な無機薄膜層は、基材のアンダーコート層に接して形成されていることが好ましい。さらに、無機薄膜層はその表面を予め表面改質処理をしておくことが望ましい。表面改質処理には、例えばプラズマ処理、コロナ処理等があり、酸素ガス、窒素ガス、不活性ガス、大気等を用いることにより、表面の濡れ性を向上させることができる。
他の層としては、シランカップリング剤からなる層、不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体からなるポリマーを含む層、またはゾル−ゲル法によって形成される層が例示される。ゾル−ゲル法によって形成される層の場合は、その層は1層に限られず、2層以上のフィルムでもよい。
ゾル−ゲル法では、水溶性高分子と、(a)1種以上のアルコキシドまたは/およびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくともいずれか1つを含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤が利用される。ここでアルコキシドとは、金属等のアルコキシドである、テトラエトキシシラン〔Si(OC254 〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C373 〕などの一般式、M(OR)n (M:Si、Ti、Ai、Zr等の金属等, R:CH3 、C25 等のアルキル基)で表せるものである。なかでもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
また、他の層としては、重合度が20未満の不飽和カルボン酸とその多価金属塩などの誘導体からなるポリマーを含む層が好適である。
重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物とその多価金属塩などの誘導体は、一般にこれら化合物を含む溶液状態で透明な基材フィルムにコートし、その後、コート液の不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を、配合されるラジカル開始剤、紫外線等により重合させて透明性樹脂層とすることが望ましい。
不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合させることにより得られる層
本発明においては、無機薄膜の層上において、更に、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合させることにより得られる層を設けることにより、更にガスバリア性に優れたフィルム層が得られる。以下にその製造方法を説明する。
不飽和カルボン酸化合物
本発明に用いられる不飽和カルボン酸化合物は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−エチレン性不飽和基を有するカルボン酸化合物であり、重合度が20未満、好ましくは単量体若しくは10以下の重合体である。重合度が20を越える重合体(高分子化合物)は、後述の多価金属化合物との塩を重合して得られる層は、高湿度下でのガスバリア性が改良されない虞がある。
これら不飽和カルボン酸化合物の中でも単量体が多価金属化合物で完全に中和された塩が形成し易く、当該塩を重合して得られる層のガスバリア性に優れるので好ましい。
多価金属化合物
本発明に係わる多価金属化合物は、具体的には、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)等の二価以上の金属、これら金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、硫酸塩若しくは亜硫酸塩等である。これら金属化合物の中でも、二価の金属化合物が好ましく、特には酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛等が好ましい。これら二価の金属化合物を用いた場合は、前記不飽和カルボン酸との塩を重合して得られる層の高湿度下でのガスバリア性が特に優れている。これらは、少なくとも1種が使用され、1種のみの使用であっても、2種以上を併用してもよい。
不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩
本発明に係わる不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩は、前記重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物との塩である。これら不飽和カルボン酸化合物多価金属塩は一種でも二種以上の混合物であってもよい。かかる不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の中でも、特に(メタ)アクリル酸亜鉛が得られるガスバリア性フィルムの耐熱水性に優れるので好ましい。
不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合させることにより得られる層の製造方法
無機薄膜の層上に、重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩溶液を塗工した後、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合させることにガスバリア性に優れた層が得られる。
このガスバリア性に優れた層は、基材層に重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物とを含む溶液を塗工し、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を形成させた後、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合することによっても得られる。
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液を調整する方法としては、予め前記不飽和カルボン酸と前記多価金属化合物とを反応させて、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩とした後、当該不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を水等の溶媒に溶かして溶液としてもよいし、直接溶媒に前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物を溶かして多価金属塩の溶液としてもよい。
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法として、直接溶媒に前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物を溶かす場合、即ち、前記不飽和カルボン酸化合物と前記多価金属化合物とを含む溶液を用いる場合は、前記不飽和カルボン酸化合物に対して、0.3化学当量を越える量の前記多価金属化合物を添加することが好ましい。多価金属化合物の添加量が0.3化学当量以下の混合溶液を用いた場合は、遊離のカルボン酸基の含有量が多いガスバリア性フィルムとなり、結果として、ガスバリア性が低いフィルムとなる虞がある。また、多価金属化合物の添加量の上限はとくに限定はされないが、多価金属化合物の添加量が1化学当量を越えると未反応の多価金属化合物が多くなるので、通常、5化学当量以下、好ましくは2化学当量以下で十分である。
また、不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物との混合溶液を用いる場合は、通常、不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物とを溶媒に溶かしている間に、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩が形成されるが、多価金属塩の形成を確実にするために、1分以上混合しておくことが好ましい。
不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩の溶液を調整するために用いる溶媒は、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール若しくはアセトン、メチルエチルケトン等の有機溶媒あるいはそれらの混合溶媒が挙げられるが、水が最も好ましい。
無機薄膜の層に不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩の溶液を塗工する方法としては、当該溶液を基材層表面に塗布する方法、当該溶液に基材層を浸漬する方法、当該溶液を基材層表面に噴霧する方法等種々公知の塗工方法を採り得る。
無機薄膜の層に不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩の溶液を塗布する方法としては、例えば、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式等のグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーター等のリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーター等種々公知の塗工機を用いて、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液中(固形分)の量で0.05〜10g/m、好ましくは0.1〜5g/mとなるよう塗布すればよい。
不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を溶解する際若しくは不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物とを溶解する際には、本発明の目的を損なわない範囲で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エチレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール・ジ(メタ)アクリレート、PEG#200・ジ(メタ)アクリレート、PEG#400・ジ(メタ)アクリレート、PEG#600・ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール・ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオール・ジ(メタ)アクリレートなどのグリコール類のアクリル酸二価エステル、その他の不飽和カルボン酸(ジ)エステル化合物酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物等の単量体あるいは低分子量の化合物、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、澱粉、アラビアガム、メチルセルロース等の水溶性重合体、アクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン等の高分子量の化合物等を添加してもよい。
また、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を溶解する際若しくは不飽和カルボン酸化合物と多価金属化合物とを溶解する際には、本発明の目的を損なわない範囲で、滑剤、スリップ剤、アンチ・ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料、無機また有機の充填剤等の各種添加剤を添加しておいてもよいし、基材層との濡れ性を改良するために、各種界面活性剤等を添加しておいてもよい。
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の溶液を重合するには、種々の公知の方法、具体的には電離性放射線の照射又は加熱などによる方法があげられる。
電離放射線を使用する場合は、波長領域が0.0001〜800nmの範囲のエネルギー線であれば特に限定されないが、かかるエネルギー線としては、α線、β線、γ線、X線、可視光線、紫外線、電子線等が上げられる。これらの電離放射線の中でも、波長領域が400〜800nmの範囲の可視光線、50〜400nmの範囲の紫外線および0.01〜0.002nmの範囲の電子線が、取り扱いが容易で、装置も普及しているので好ましい。
電離放射線として可視光線および紫外線を用いる場合は、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩と多価金属塩の混合溶液に光重合開始剤を添加することが必要となる。光重合開始剤としては、公知のものを使用することができ、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;ダロキュアー 1173)、1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 184)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー819)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 2959)、α―ヒドロキシケトン、アシルホスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン及び2,4,6−トリメチルベンゾフェノンの混合物(ランベルティ・ケミカル・スペシャルティ社製 商品名;エサキュアー KT046)、エサキュアー KT55(ランベルティー・ケミカルスペシャルティ)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(ラムソン・ファイア・ケミカル社製 商品名;スピードキュアTPO)の商品名で製造・販売されているラジカル重合開始剤を挙げることができる。さらに、重合度又は重合速度を向上させるため重合促進剤を添加することができ、例えば、N、N-ジメチルアミノ-エチル-(メタ)アクリレート、N-(メタ)アクリロイル-モルフォリン等が挙げられる。
不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を重合させる際は、溶液が水等の溶媒を含んだ状態で重合させてもよいし、一部乾燥させた後に重合させてもよいが、溶液を塗布後直ぐに重合させた場合は、金属塩が重合する際に溶媒の蒸発が多いためか、得られる共重合体層が白化する場合がある。一方、溶媒(水分)が少なくなるとともに、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩が結晶として析出する場合があり、かかる状態で重合を行うと得られる共重合体層の形成が不十分になり、共重合体層が白化を起こしたりしてガスバリア性が安定しない虞がある。したがって、塗布した不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を重合させる際には、適度な水分を含んだ状態で重合することが好ましい。
また、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を溶媒の存在下で電離放射線を照射する際の温度は、溶媒が沸騰する温度でない限りとくに限定はされないが、通常、60℃以下、とくに常温〜50℃の範囲で行うことが好ましい。電離放射線を照射する際の温度を高くし過ぎると、溶媒の蒸発が速くなり、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の結晶が析出し易くなり、一方、温度が低すぎる場合は、不飽和カルボン酸化合物多価金属塩を重合させた後に溶媒を乾燥する時間が長くなり、ガスバリア性フィルムの製造ライン等を長くする必要がある。
熱処理
上記の重合によって得られたガスバリ性に優れた層は、更に熱処理することによってガスバリア性能を更に向上させることができる。
熱処理は、ガスバリア性フィルムを通常60〜350℃、好ましくは100〜300、さらに好ましくは150〜250℃の温度範囲で行うことが望ましく、不活性ガス雰囲気下とすることが望ましい。また、圧力は特に限定されず、加圧下、減圧下、常圧下のいずれでもよい。加熱処理時間は、通常30秒から90分程度であり、中でも1分から70分が好適であり、特に5分から60分が好適である。
本発明においては、重合された層を引き続き連続的に熱処理してもよく、またフィルムを一旦常温にもどした後に、熱処理に供してもよい。通常は重合により層を形成する工程と熱処理の工程を連続させることが製造効率上望ましい。
熱処理に供される層は、重合によりフィルムの構造が確定しているものと推定される。これを更に熱処理することにより、脱水およびフィルムの構造が部分的な再配置によってより安定化された層となり、ガスバリア性がより安定するものと推定される。
本発明のガスバリア性に優れたフィルムは、基材層の形状により、また用途に応じ、積層フィルム、積層シート、トレー、カップ、中空体(ボトル)等の種々の形状を取り得る。
本発明の製造方法により得られるガスバリア性フィルムは、その少なくとも片面に、熱融着層を積層することにより、ヒートシール可能な包装用フィルムとして好適な積層フィルムが得られる。かかる熱融着層としては、通常熱融着層として公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体等のポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体あるいはその金属塩、EVAとポリオレフィンとの組成物等から得られる層である。
中でも、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン等のエチレン系重合体から得られる熱融着層が低温ヒートシール性、ヒートシール強度に優れるので好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の評価方法により求めた。
<評価方法>
(1)水蒸気透過度[g/(m・day)]:
厚さ50ミクロン(μm)の線状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製 商品名:T.U.X. FCS)の片面に、ウレタン系接着剤(ポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケラックA310):12重量部、イソシアネート系硬化剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケネートA3):1重量部及び酢酸エチル(関東化学社製):7重量部)を塗布・乾燥後、得られたガスバリア性フィルムの金属薄膜面を貼り合わせ(ドライラミネート)、多層フィルムを得た。
その多層フィルムを2枚重ね合わせ、3方をヒートシールして(線状低密度ポリエチレンフィルム面)袋状にした後、内容物として塩化カルシウムを入れ、もう1方をヒートシールにより、表面積が0.01mになるように袋を作成し、これを温度40℃、湿度90%RHの条件で7日間放置し、その重量差で水蒸気透過度を測定した。
(2)酸素透過度[ml/m/day・MPa]
厚さ50ミクロン(μm)の線状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ社製 商品名:T.U.X. FCS)の片面に、ウレタン系接着剤(ポリウレタン系接着剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケラックA310):12重量部、イソシアネート系硬化剤(三井武田ケミカル社製 商品名:タケネートA3):1重量部及び酢酸エチル(関東化学社製):7重量部)を塗布・乾燥後、得られたガスバリア性フィルムの金属薄膜面を貼り合わせ(ドライラミネート)、多層フィルムを得た。
その多層フィルムをモコン社製 OX−TRAN2/20を用い、JIS K 7126に準じ、温度20℃、湿度90%RHの条件で酸素透過度を測定した。
(3)光線透過率(%)
HazeMeter(日本電色工業社製
NDH−300A)を使用して、ガスバリア性フィルム1枚の光線透過率をJIS K 7105に準拠して測定した。
実施例1
厚さ125ミクロン(μm)の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートからなる基材の平滑面に、エポキシアクリレート(エポキシアクリレート系UV硬化塗材(日本化工塗料社製 商品名;FA−18)を酢酸エチルで希釈し、メイヤーバーを用いて1.2g/m(固形分)になるように塗布し、100℃、15秒間乾燥した。続いて、コート面にUV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:250mW/cm、積算光量:117mJ/cmの条件で紫外線を照射してアンダーコート層の重合を行った。次にそのアンダーコート面に、CAT−CVDにより、厚さ50ナノメートルの無機薄膜層(SiON)を設けた。なお、製膜条件は、SiH流量 14sccm、NH流量30sccm、H流量350sscm、酸素/ヘリウム混合ガス(ヘリウム95%)流量300sccm、ガス圧力35Pa、触媒体温度1800℃、基材温度50℃である。
得られたガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度、酸素透過度及び全光線透過度を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、エポキシアクリレートのアンダーコート層を設けない以外は同様に行った。結果を表1に示す。
実施例2、比較例2
実施例1、比較例1において、製膜条件を、SiH流量22sccm、NH流量50sccm、H流量400sscm、触媒体温度1800℃、基材温度50℃とする以外は、同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 2008207406
実施例3
溶液(イ)の作製
アクリル酸亜鉛(アクリル酸のZn塩)水溶液(浅田化学社製、濃度30重量%(アクリル酸成分:20重量%、Zn成分10重量%)と、メチルアルコールで25重量%に希釈した光重合開始剤〔1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 商品名;イルガキュアー 2959)〕及び界面活性剤(花王社製 商品名;エマルゲン120)をモル分率でそれぞれ98.5%、1.2%、0.3%となるように混合し、アクリル酸Zn塩溶液を作製した。これに、シリル基変性PVA(クラレ社製 商品名:R1130)の10%水溶液を、アクリル酸亜鉛とシリル基変性PVAの固形分比が87.5%、12.5%になるように混合し、溶液(イ)を作製した。
実施例1と同様の方法で得たガスバリア性積層フィルムの無機薄膜層の上に、上記の溶液(イ)を、メイヤーバーで塗布量が固形分で3.5g/mになるように塗布し、塗工面を上にしてステンレス板に固定し、紫外線照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、照度:180mW/cm2、積算光量:180mJ/cmの条件で紫外線を照射して重合し、ガスバリア性積層フィルムを得た。更に、これををオーブン中で200℃、60分間熱処理した。
得られたガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度は、0.01[g/(m・day)]未満であった。
参考例1
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製 商品名;エンブレットS−50)からなる基材のコロナ処理面に、エポキシアクリレート(エポキシアクリレート系UV硬化塗材(日本化工塗料社製 商品名;FA−18)を酢酸エチルで希釈し、メイヤーバーを用いて1.2g/m(固形分)になるように塗布し、100℃、15秒間乾燥した。続いて、コート面にUV照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、UV強度:250mW/cm、積算光量:117mJ/cmの条件で紫外線を照射してアンダーコート層の重合を行った。次にその上にCAT−CVDにより厚さ50ナノメータ(nm)のSiN膜を形成させガスバリア性フィルムを得た。
実施例 4
参考例1で得たガスバリア性積層フィルムの無機薄膜層の上をコロナ処理した後に、上記の溶液(イ)を、メイヤーバーで塗布量が固形分で2.3g/mになるように塗布し、塗工面を上にしてステンレス板に固定し、紫外線照射装置(アイグラフィック社製 EYE GRANDAGE 型式ECS 301G1)を用いて、照度:180mW/cm2、積算光量:180mJ/cmの条件で紫外線を照射して重合し、ガスバリア性積層フィルムを得た。更に、これをオーブン中で200℃、60分間熱処理した。
得られたガスバリア性積層フィルムの水蒸気透過度は、0.01[g/(m・day)]未満であった。
実施例 5
溶液(ロ)の作製
テトラメトキシシラン〔Si(OCH〕3.8gに0.1N塩酸を43g加え60分間撹拌した。この溶液をポリビニルアルコール(クラレ社製 商品名;PVA117、重合度;1700、鹸化度;98.5モル%)を水とイソプロピルアルコールの混合液(水:IPA=9:1)で加熱溶解した3%溶液とを、重量比率で1:1になるように混合し、溶液(ロ)を作製した。
参考例1で得たガスバリア性フィルムの無機膜面上をコロナ処理した後に、溶液(ロ)をメイヤーバーを用いて塗布量が固形分で0.5g/mになるように塗布し、熱風乾燥機を使用して温度110℃、時間30秒の条件で乾燥した。更に、これをオーブン中で200℃、60分熱処理した。
得られたガスバリア性フィルムの水蒸気透過度は、0.01[g/(m・day)]未満であった。
本発明の不飽和カルボン酸化合物多価金属塩の重合体からなるバリア層を有するガスバリア性フィルムは、耐酸素透過性(ガスバリア性)に優れているので、その特徴を活かして、包装材料、特に高いガスバリア性が要求される内容物の食品包装材料を始め、医療用途、工業用途等さまざまな包装材料としても好適に使用し得る。
さらに、本発明のバリアフィルムを利用することにより、液晶表示素子、有機EL等の素子、面状発光体、光ディバイス、太陽電池等の用途のバリア性フィルムとして利用することができる。

Claims (10)

  1. 基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系またはウレタンアクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層が形成されていることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  2. 基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系又はウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層が形成され、さらに重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩溶液が塗工され、不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩が重合することにより得られる層が設けられていることを特徴とするガスバリア性フィルム。
  3. 基材層にエポキシ(メタ)アクリレート系又はウレタン(メタ)アクリレート系のアンダーコート層を介して、無機薄膜層を形成し、さらに重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物及び多価金属塩化合物を含む溶液を塗工して不飽和カルボン酸の多価金属塩を形成した後、又は重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を含む溶液を塗工した後、不飽和カルボン酸の多価金属塩を重合させることを特徴とするガスバリア性フィルムの製造方法。
  4. 不飽和カルボン酸化合物の多価金属塩を重合させた後、さらに熱処理することを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  5. 不飽和カルボン酸化合物が、不飽和カルボン酸の単量体若しくは重合度が10以下の重合体である請求項3又は4に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  6. 多価金属化合物が、重合度が20未満の不飽和カルボン酸化合物に対し0.3化学当量を越えて含んでなる請求項3に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  7. 不飽和カルボン酸化合物が、(メタ)アクリル酸である請求項2に記載のガスバリア性フィルム。
  8. 不飽和カルボン酸化合物が、(メタ)アクリル酸である請求項3〜6のいずれかに記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
  9. 無機薄膜層が、SiN又はSiONの薄膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア性フィルム。
  10. 無機薄膜層が、SiN又はSiONの薄膜であることを特徴とする請求項3に記載のガスバリア性フィルムの製造方法。
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