JP2008201905A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐リフロー性の向上、すなわち半導体素子周りの剥離発生を防止しうる半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置を提供する。
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。また、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて形成されている半導体装置である。
(A)エポキシ樹脂。
(B)上記(A)成分であるエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.5〜0.7当量となる量のフェノール樹脂。
(C)下記一般式(1)で示される融点が80〜160℃の範囲であるトリス(アルキルフェニル)ホスフィン。
(D)無機質充填剤。
【選択図】なし
【解決手段】下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。また、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて形成されている半導体装置である。
(A)エポキシ樹脂。
(B)上記(A)成分であるエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.5〜0.7当量となる量のフェノール樹脂。
(C)下記一般式(1)で示される融点が80〜160℃の範囲であるトリス(アルキルフェニル)ホスフィン。
(D)無機質充填剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、高温時での耐リフロー性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置に関するものである。
従来から、トランジスター,IC,LSI等の半導体素子は、外部環境からの保護の観点および半導体素子のハンドリングを簡易にする観点から、プラスチックパッケージ、例えば熱硬化性エポキシ樹脂組成物を用いて封止され半導体装置化されている。そして、上記封止に用いる熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、半田付け工程などの急激な温度上昇(200℃以上)にもとづく線膨張率の差により応力が発生し、その結果、半導体素子とエポキシ樹脂組成物硬化体とが剥離してしまうことが問題点となっている。そして、この耐半田性に優れるものとして、エポキシ樹脂と特定のフェノール樹脂硬化剤の系において、トリス(アルキルフェニル)ホスフィンを硬化促進剤として用いた半導体封止用樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照)。
特開平7−278261号公報
しかし、この種のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止すると、上記半田付け工程時に、半導体素子周りのダイパッド表面において、封止樹脂とダイパッド間に剥離が生じるという新たな欠点が生じ、その改善が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐リフロー性の向上、すなわち半導体素子周りの剥離発生を防止しうる半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置の提供をその目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、下記の(A)〜(D)成分を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物を第一の要旨とする。
(A)エポキシ樹脂。
(B)上記(A)成分であるエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.5〜0.7当量となる量のフェノール樹脂。
(C)下記一般式(1)で示される融点が80〜160℃の範囲であるトリス(アルキルフェニル)ホスフィン。
(A)エポキシ樹脂。
(B)上記(A)成分であるエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.5〜0.7当量となる量のフェノール樹脂。
(C)下記一般式(1)で示される融点が80〜160℃の範囲であるトリス(アルキルフェニル)ホスフィン。
(D)無機質充填剤。
そして、本発明は、上記半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を樹脂封止してなる半導体装置を第二の要旨とする。
すなわち、従来より、熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、成形時における樹脂の硬化反応を速めるため硬化促進剤が配合され、この硬化促進剤としては、一般的に、アミン系、イミダゾール系化合物が広く使われてきた。本発明者らは、耐リフロー性に関して優れた封止材料となり得るエポキシ樹脂組成物を得るために、前記提示に係るトリス(アルキルフェニル)ホスフィンに着目し、さらに研究を重ねた。その結果、エポキシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤との系において、フェノール性水酸基/エポキシ基の当量比を、通常の使用最適範囲(1.0を最適当量比としてその前後0.2を含む範囲)から大きく外れた0.5〜0.7の範囲に設定すると、耐リフロー性の大幅な向上を実現できるエポキシ樹脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
このように、本発明は、エポキシ樹脂と、エポキシ基1当量あたりフェノール樹脂性水酸基当量が0.5〜0.7当量となる量のフェノール樹脂と、特定のトリス(アルキルフェニル)ホスフィンおよび無機質充填剤とを含有してなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物である。このため、耐リフロー性に優れるにようになる。そして、それによって樹脂封止された半導体装置は高い信頼性を奏するようになる。
また、本発明において、上記(A)成分であるエポキシ樹脂がスルフィド結合を有するエポキシ樹脂であると、リードフレームへの接着性の向上により一層優れるようになる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物(以下、「エポキシ樹脂組成物」という)は、エポキシ樹脂(A成分)と、特定の配合量のフェノール樹脂(B成分)と、特定のトリス(アルキルフェニル)ホスフィン(C成分)と、無機質充填剤(D成分)とを用いて得られるものであって、通常、粉末状もしくはこれを打錠したタブレット状になっている。
上記エポキシ樹脂(A成分)としては、特に限定されるものではなく1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物が用いられる。例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド系のエポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらエポキシ樹脂の中でも、スルフィド系のエポキシ樹脂や低級アルキル基をフェニル環に付加した低吸湿型のエポキシ樹脂を用いることが信頼性の点から好ましく、このようなエポキシ樹脂としては、エポキシ当量150〜250、軟化点もしくは融点が50〜130℃のものが特に好ましい。
上記エポキシ樹脂(A成分)とともに用いられるフェノール樹脂(B成分)は、上記エポキシ樹脂の硬化剤としての作用を奏するものであり、特に1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー,オリゴマー,ポリマー全般をいう。例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビフェニル型ノボラック樹脂、トリフェニルメタン型、ナフタトールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、フェノールアラルキル樹脂やビフェニルアラルキル樹脂のような低吸湿性のものを用いることが信頼性の点から好ましい。
上記エポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)との配合割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量あたり、フェノール樹脂中の水酸基当量が0.5〜0.7当量である。より好ましくは0.55〜0.65当量である。すなわち、上記下限値未満であると、ガラス転移温度の大幅な低下が生じて吸湿性が高くなり、リフロー時の水蒸気でダイパッド剥離が生じやすくなり、逆に、上記上限値を超えると、硬化時の収縮応力で素子周りのダイパッド剥離が生じやすくなるからである。
上記A成分およびB成分とともに用いられる上記特定のトリス(アルキルフェニル)ホスフィン(C成分)は、硬化促進剤として作用するものであり、下記一般式(1)で表される。この硬化促進剤であるトリス(アルキルフェニル)ホスフィン(C成分)の融点は、80〜160℃の範囲であり、より好ましくは100〜150℃の範囲である。例えば、上記一般式(1)において、アルキル基としてのメチル基がオルト位の場合には融点が123〜125℃、メタ位の場合には融点が101〜102℃、パラ位の場合には融点が146℃である。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。この特定の硬化促進剤(C成分)を、フェノール性水酸基/エポキシ基の当量比0.5〜0.7の範囲で用いることにより、耐リフロー性に優れたエポキシ樹脂組成物が得られる。
上記特定の硬化促進剤(C成分)の含有量は、上記フェノール樹脂(B成分)100重量部(以下「部」と略す)に対して1〜20部の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、2〜15部である。すなわち、上記下限値未満では、目的とするエポキシ樹脂(A成分)とフェノール樹脂(B成分)の硬化反応が進み難いため、目的とする耐リフロー性に必要な物性を得ることが困難となり、上記上限値を超えると硬化反応が速すぎて成形性を損なう傾向がみられるからである。
上記A〜C成分とともに用いられる上記無機質充填剤(D成分)としては、特に限定されるものではなく、従来公知の各種充填剤が用いられる。例えば、溶融シリカ粉末や結晶性シリカ粉末等のシリカ粉末、アルミナ粉末、タルク、石英ガラス粉末、カーボンブラック等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらの無機質充填剤は破砕状、球状、あるいは摩砕処理したもの等いずれのものでも使用可能である。なかでも、得られる硬化物の線膨張係数の低減できるという点から、上記シリカ粉末を用いることが好ましく、上記シリカ粉末のなかでも高充填性および流動性という点から球状溶融シリカ粉末を用いることが特に好ましい。また、平均粒径が5〜40μmの範囲のものを用いることが流動性を良好にする点から好ましい。
上記無機質充填剤(D成分)の平均粒径の測定は、母集団から任意の測定試料を取り出し、市販のレーザー式の粒度分布測定装置を用いて、レーザー光が横断する細管に、無機質充填剤を水に分散させたものを通過させて、光の遮断状況から求める方法で測定することが行われる。
そして、上記無機質充填剤(D成分)の含有量は、エポキシ樹脂組成物全体の70〜95重量%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは85〜92重量%の範囲である。すなわち、上記下限値未満では、エポキシ樹脂組成物の粘度が低くなりすぎて成形時の外観不良が発生し、上記上限値を超えると流動性が低下し、ワイヤー流れや未充填が発生する傾向がみられるからである。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物では、上記A〜D成分に加えてシランカップリング剤、難燃剤、難燃助剤、離型剤、イオントラップ剤、カーボンブラック等の顔料や着色料、低応力化剤、粘着付与剤等の他の添加剤を適宜配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記シランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく各種シランカップリング剤を用いることができ、なかでも2個以上のアルコキシ基を有するものが好適に用いられる。具体的には、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン等があげられる。これらは、単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。なかでも、接着性の向上の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記難燃剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ノボラック型ブロム化エポキシ樹脂、金属水酸化物等があげられる。さらに上記難燃助剤としては、例えば、三酸化アンチモンや五酸化二アンチモン等が用いられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物があげられ、例えば、カルナバワックスやポリエチレン系ワックス等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記イオントラップ剤としては、イオントラップ能力を有する公知の化合物全てが使用でき、例えば、ハイドロタルサイト系、水酸化ビスマス等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記低応力化剤としては、例えば、アクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴムや、シリコーン化合物等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、上記A〜D成分および必要に応じて、他の添加剤の各成分を常法に準じて適宜配合した後、熱ロールやニーダー等の混練機にかけ加熱状態で溶融混合し、これを室温に冷却した後、公知の手段によって粉砕し、必要に応じて打錠するという一連の工程により目的とするエポキシ樹脂組成物を製造することができる。
このようなエポキシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止方法は、特に限定するものではなく、通常のトランスファー成形等の公知のモールド方法により行うことができ、半導体装置化することができる。このようにして得られる半導体装置としては、ICやLSI等の半導体装置等があげられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立って下記に示す各成分を準備した。
〔エポキシ樹脂(A成分)〕
スルフィド系エポキシ樹脂(エポキシ当量244、融点113℃)
スルフィド系エポキシ樹脂(エポキシ当量244、融点113℃)
〔フェノール樹脂(B成分)〕
フェノールアラルキル型フェノール樹脂(水酸基当量170、融点62℃)
フェノールアラルキル型フェノール樹脂(水酸基当量170、融点62℃)
〔硬化促進剤a1(C成分)〕
前記一般式(1)で表されるリン系トリス(メチルフェニル)ホスフィン(融点146℃)
前記一般式(1)で表されるリン系トリス(メチルフェニル)ホスフィン(融点146℃)
〔硬化促進剤a2(C成分)〕
前記一般式(1)で表されるリン系トリス(o−メチルフェニル)ホスフィン(融点123〜125℃)
前記一般式(1)で表されるリン系トリス(o−メチルフェニル)ホスフィン(融点123〜125℃)
〔硬化促進剤a3(C成分)〕
前記一般式(1)で表されるリン系トリス(m−メチルフェニル)ホスフィン(融点101〜102℃)
前記一般式(1)で表されるリン系トリス(m−メチルフェニル)ホスフィン(融点101〜102℃)
〔硬化促進剤b(比較例用)〕
2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−S−トリアジン(軟化点250℃)
2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)−エチル−S−トリアジン(軟化点250℃)
〔硬化促進剤c(比較例用)〕
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(融点50℃)
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(融点50℃)
〔無機質充填剤(D成分)〕
球状溶融シリカ粉末(平均粒径13μm)
球状溶融シリカ粉末(平均粒径13μm)
〔顔料〕
カーボンブラック
カーボンブラック
〔難燃剤〕
水酸化マグネシウム
水酸化マグネシウム
〔シランカップリング剤〕
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
〔離型剤〕
酸化ポリエチレンワックス
酸化ポリエチレンワックス
〔実施例1〜5、比較例1〜6〕
まず、フェノール樹脂と硬化促進剤とを下記表1および表2に示す割合において予め180℃にて溶融混合を行い、冷却したのち粉砕を行い、粉末状にしておく。その後、下記表1および表2に示す残りの原料と予め溶融混合をしておいた混合物を、同表に示す割合で配合し、ミキサーにて充分混合したのち、2軸混連機を用い、140℃で2分間溶融混練を行った。つぎに、この溶融物を冷却したのち粉砕することにより目的とする粉末状エポキシ樹脂組成物を作製した。
まず、フェノール樹脂と硬化促進剤とを下記表1および表2に示す割合において予め180℃にて溶融混合を行い、冷却したのち粉砕を行い、粉末状にしておく。その後、下記表1および表2に示す残りの原料と予め溶融混合をしておいた混合物を、同表に示す割合で配合し、ミキサーにて充分混合したのち、2軸混連機を用い、140℃で2分間溶融混練を行った。つぎに、この溶融物を冷却したのち粉砕することにより目的とする粉末状エポキシ樹脂組成物を作製した。
このようにして得られたエポキシ樹脂組成物を用い、LQFP−144(ダイパッドサイズ:20mm×20mm×厚み1.4mm、Ni−Pd/Auメッキの銅製フレーム)をTOWA社製の自動成形機(CPS−40L)により成形(条件:175℃×90秒)し、175℃×5時間で後硬化することにより半導体装置を得た。
〔耐リフロー性〕
上記得られた半導体装置を用いて、高温高湿層にて72時間吸湿(85℃×85%RH)させ、その後3条件(260℃×10秒、260℃×30秒、270℃×10秒)のリフローを行い、高速フーリエ変換型超音波顕微鏡(C−SAM D6000、日本バーンズ社製)を用い、半導体装置内部の素子周りの剥離状態、すなわち、封止樹脂と半導体素子との剥離状態および封止樹脂とダイパッド間との剥離状態を観察した。そして、半導体素子周りのダイパッド部に剥離が見られない場合を「◎」、一辺のみに剥離が見られる場合を「○」、二辺または三辺に剥離が見られ、外周の1/2までの剥離が見られる場合を「△」、二辺または三辺に剥離が見られ、外周の1/2を越え3/4までの剥離が見られる場合を「×」、四辺全てに剥離が見られる場合を「××」として、評価した。これらの結果を下記表3に示す。
上記得られた半導体装置を用いて、高温高湿層にて72時間吸湿(85℃×85%RH)させ、その後3条件(260℃×10秒、260℃×30秒、270℃×10秒)のリフローを行い、高速フーリエ変換型超音波顕微鏡(C−SAM D6000、日本バーンズ社製)を用い、半導体装置内部の素子周りの剥離状態、すなわち、封止樹脂と半導体素子との剥離状態および封止樹脂とダイパッド間との剥離状態を観察した。そして、半導体素子周りのダイパッド部に剥離が見られない場合を「◎」、一辺のみに剥離が見られる場合を「○」、二辺または三辺に剥離が見られ、外周の1/2までの剥離が見られる場合を「△」、二辺または三辺に剥離が見られ、外周の1/2を越え3/4までの剥離が見られる場合を「×」、四辺全てに剥離が見られる場合を「××」として、評価した。これらの結果を下記表3に示す。
上記の結果から、ほぼ全ての実施例品において、耐リフロー性において、ほぼ◎もしくは○の評価となり、良好な結果が得られた。実施例1および3においてのみ、260℃×30秒の条件(条件2)下でリフローを行ったものは、わずかに低い評価のものとなったが、本発明の半導体装置の材料として充分に使用できるものである。
これに対して、本発明に係るフェノール性水酸基/エポキシ基の当量比0.5〜0.7の範囲内にない比較例1および2では、リフロー時間が長くなったり(条件2)またはリフロー温度が高くなったりすると(条件3)、耐リフロー性に劣る結果となった。また、本発明に係る上記当量比0.5〜0.7の範囲内にあるが、硬化促進剤a1〜a3(C成分)を用いない比較例3および6では、上記条件2および3における耐リフロー性にさらに劣るようになる。このことから、硬化促進剤a1〜a3(C成分)を用いない系において、フェノール性水酸基/エポキシ基の当量比0.5〜0.7の範囲内に設定したとしても、優れた耐リフロー性は得られないことがわかる。
そして、上記比較例3と同じ硬化促進剤bを用いた比較例4および比較例5を、上記比較例3とともに検討すると、フェノール性水酸基/エポキシ基の当量比が1に近づくにつれ、耐リフロー性が若干改善する結果となった。これは、従来から公知のように、未反応の官能基の残存量が少なくなり、良好な硬化状態となるためである。これに対し、本発明に係る全実施例品は、硬化状態の良好な上記当量比が1である比較例5よりも、耐リフロー性が大幅に向上している。
以上の結果から明らかなように、良好な硬化状態でも、本発明に係る硬化促進剤(C成分)以外の硬化促進剤を用いた場合には、耐リフロー性の大幅な向上が認められず、また、本発明に係る硬化促進剤(C成分)を用いたとしても、フェノール性水酸基/エポキシ基の当量比が0.5〜0.7の範囲内になければ、同様に耐リフロー性の大幅な向上が認められないことがわかる。すなわち、硬化促進剤として特定のトリス(アルキルフェニル)ホスフィンを用い、フェノール性水酸基/エポキシ基の当量比が0.5〜0.7の範囲に設定されている本発明のエポキシ樹脂組成物は、耐リフロー性に非常に優れ、高い信頼性を有しているものである。
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