JP2008199266A - 電気音響変換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電音響部品のさらなる小型化を可能とし、前気室の共鳴周波数より低周波の音を減衰させることなく効果的に発生させることができる電気音響変換器を提供する。
【解決手段】圧電振動板30を含む圧電音響部品20を回路基板10に表面実装してなる電気音響変換器であって、圧電音響部品20の放音孔28は回路基板10と対面しないケースの面に形成され、開放孔29は回路基板と対面するケースの面に形成され、開放孔29と対応する回路基板10の部位に貫通孔13が形成される。圧電振動板を前気室の共鳴周波数より低い共振周波数付近で作動させることで、前気室の共鳴周波数で鳴動させた場合より大きな音圧を得ることができ、かつ放音孔28から放出される音が開放孔29から放出される音により減衰されるのを防止できる。
【選択図】 図2
【解決手段】圧電振動板30を含む圧電音響部品20を回路基板10に表面実装してなる電気音響変換器であって、圧電音響部品20の放音孔28は回路基板10と対面しないケースの面に形成され、開放孔29は回路基板と対面するケースの面に形成され、開放孔29と対応する回路基板10の部位に貫通孔13が形成される。圧電振動板を前気室の共鳴周波数より低い共振周波数付近で作動させることで、前気室の共鳴周波数で鳴動させた場合より大きな音圧を得ることができ、かつ放音孔28から放出される音が開放孔29から放出される音により減衰されるのを防止できる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、圧電ブザーや圧電サウンダなどの圧電音響部品を回路基板に表面実装してなる電気音響変換器に関するものである。
従来、ブザーやサウンダなどの圧電音響部品は、電子機器、家電製品、携帯電話機などにおいて、警報音や動作音を発生する発音部品として広く用いられている。この種の圧電音響部品は、ケースの内部に取り付けられた圧電振動板を備えており、この振動板で仕切られたケースの一方の部屋(前気室)に音を出す放音孔を形成し、他方の部屋(後気室)に周波数特性調整用の開放孔(または漏洩孔)を形成した構造となっている。
近年、機器の小型化、電子部品の高集積化に伴い、圧電音響部品を回路基板に表面実装することが一般的に行われている。圧電音響部品を回路基板に表面実装した場合、ケースの裏面側に設けられる開放孔が回路基板で閉じられないようにするため、開放孔をケースの側壁に形成したものがある。
図7,図8は特許文献1に示された表面実装型の圧電音響部品Aの一例である。圧電音響部品Aのケース1はケース本体1aとカバー1bとで構成され、ケース1の内部には圧電振動板2が収容され、この圧電振動板2によってケース1の内部が前気室3と後気室4とに仕切られている。カバー1bには前気室3に通じる放音孔5が形成され、ケース本体1aの底面近傍の側壁には後気室4に通じる開放孔6が形成されている。さらに、ケース本体1aの対向する2辺の側壁には、回路基板と接続するための外部接続用端子電極7,8が形成されている。このような圧電音響部品Aを回路基板Bに表面実装した場合、開放孔6が回路基板で閉じられないので、開放孔6による周波数特性の調整効果を発揮することができる。
図9は、上記圧電音響部品Aを回路基板Bに表面実装し、圧電音響部品Aから音を発生させた状態を示す。図9において、領域S1は放音孔5から放出される音波領域を示し、領域S2は開放孔6から放出される音波領域を示し、領域S3は両音波の干渉領域である。圧電振動板2をある周波数で振動させると、放音孔5から発生する音と開放孔6から発生する音とが互いに逆位相となるため、両者の音が同一時間で重なり合い、互いに打ち消しあって音を減衰させるという問題がある。この現象は、前気室3の共鳴周波数(例えば4kHz)より低周波領域、例えば1〜3kHz付近において顕著に現れる。
圧電音響部品は、振動板を振動させ、前気室の共鳴(ヘルムホルツの共鳴)を利用して音を発生させる。前気室の共鳴周波数は、前気室の面積と高さ、放音孔の面積と長さ等によって決定されるが、一般にブザー等の単一の作動音を発生する圧電音響部品の場合、前気室の共鳴周波数を人間の耳に最も聞こえやすい4kHz付近に設定することが多い。しかし、製品によっては4kHzより低周波(例えば2〜3kHz付近)の音を発生させたい場合があり、その場合には前気室の共鳴周波数を低くしなければならない。前気室の共鳴周波数を低くするには、前気室の体積を大きくする必要があり、圧電音響部品が大型になるという問題がある。
図9の(a)は比較的大型の圧電音響部品Aの例を示したものであるが、図9の(b)のように製品サイズが小さくなると、放音孔5と開放孔6とが近接してくるため、互いの音が打ち消し合う領域S3が広くなり、肝心の放音孔5から発生する音が大きく減衰してしまう。このように放音孔と開放孔との距離と音圧減少との関係は、距離が短くなるほどその影響が顕著になる。また、圧電音響部品のサイズが小さくなると、振動板の面積も小さくなり、音圧も低下してしまう。このような理由から、ブザーとして一般的に要求される80dB以上の音圧を得るには、従来では圧電音響部品の小型化に限界があった。また、圧電音響部品の実際の音圧性能は、実装環境によって影響を受け、一般には公称性能より劣るという問題があった。すなわち、開放孔を圧電音響部品の底面近傍の側面に形成した場合には、回路基板に実装したとき、開放孔が回路基板の表面近くに開口しているため、圧電音響部品の近傍に別の表面実装部品が存在すると、開放孔からの空気の出入りが邪魔されるからである。
特開2000−310990号公報
そこで、本発明の目的は、圧電音響部品のさらなる小型化を可能とし、前気室の共鳴周波数より低周波の音を減衰させることなく効果的に発生させることができる電気音響変換器を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1実施形態は、電極間に交番信号を印加することにより屈曲振動する圧電振動板と、上記圧電振動板を収納し、上記圧電振動板によって内部空間が前気室と後気室とに区画されたケースと、上記ケースの前気室と外部とを連通する放音孔と、上記ケースの後気室と外部とを連通する開放孔と、を備えた圧電音響部品を回路基板に表面実装してなる電気音響変換器において、上記放音孔は上記回路基板と対面しないケースの面に形成され、上記開放孔は上記回路基板と対面するケースの面に形成され、上記開放孔と対応する回路基板の部位に貫通孔が形成され、上記圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、上記開放孔を設けたケースの面は回路基板に実質的に密着しており、上記圧電振動板の共振周波数f1 は上記前気室の共鳴周波数f0 より低く設定され、上記圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させることを特徴とする電気音響変換器を提供する。
本発明の第2実施形態は、電極間に交番信号を印加することにより屈曲振動する圧電振動板と、上記圧電振動板を収納し、上記圧電振動板によって内部空間が前気室と後気室とに区画されたケースと、上記ケースの前気室と外部とを連通する放音孔と、上記ケースの後気室と外部とを連通する開放孔と、を備えた圧電音響部品を回路基板に表面実装してなる電気音響変換器において、上記放音孔は上記回路基板と対面するケースの面に形成され、上記開放孔は上記回路基板と対面しないケースの面に形成され、上記放音孔と対応する回路基板の部位に貫通孔が形成され、上記圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、上記放音孔を設けたケースの面は回路基板に実質的に密着しており、上記圧電振動板の共振周波数f1 は上記前気室の共鳴周波数f0 より低く設定され、上記圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させることを特徴とする電気音響変換器を提供する。
本発明では、放音孔と開放孔とを回路基板の同一面側に開口させるのではなく、異なる面に開口させ、しかも前気室の共鳴周波数より低い周波数で圧電振動板を駆動している。従来の場合には、圧電振動板を前気室の共鳴周波数以下の周波数で駆動すると、放音孔から発生する音と開放孔から発生する音とが互いに逆位相となるため、両者の音が打ち消しあって音を減衰させるという問題がある。これに対し、本発明では、放音孔と開放孔とが回路基板の異なる面に開口しているため、回路基板が遮音壁の役割を果たし、干渉現象を防止できる。その結果、放音孔単体の音圧特性を得ることができる。放音孔単体の音圧特性は、振動板の共振周波数付近で最大の音圧を得ることができる。この音圧は放音孔と開放孔とを回路基板の同一面側に開口させた場合の総合音圧よりも優れており、しかも前気室の共鳴周波数より低周波であるため、電子機器の動作音などとして好適な音を発生できる。さらに、前気室の共鳴周波数より低周波でかつ大きな音圧を発生させることができるので、圧電音響部品のさらなる小型化が可能になる。開放孔は対向する回路基板の貫通孔を介して開放されているので、圧電音響部品の近傍に別の部品が表面実装されていても、その部品によって開放孔の性能が影響を受けない。そのため、圧電音響部品の実際の音圧性能として公称性能に近い性能を得ることができる。
本発明では、圧電振動板の共振周波数f1 が前気室の共鳴周波数より低く設定され、圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させる。前気室の共鳴周波数は、上述のように前気室の面積と高さ、放音孔の面積と長さによって設定される。前気室の共鳴周波数は、一般に人間の耳に聞こえやすい4kHz付近に設定されるが、これより低い共鳴周波数とするには、前気室の容積つまりケースを大きくする必要が生じ、圧電音響部品の小型化を損なう。これに対し、圧電振動板の共振周波数f1 はその大きさと厚みなどによって設定されるが、共鳴周波数より低くすること(例えば2〜3kHz付近)は、小型化を損なわずに実現できる。したがって、圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させれば、本発明の作用効果を達成することができる。
本発明では、圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させるが、好ましくは次式で規定される周波数fd で作動させるのがよい。
0.9f1 ≦fd ≦1.1f1
圧電振動板はその共振周波数f1 の近傍では大きな音圧を得ることができるが、それから外れると、音圧が大きく低下する。共振周波数f1 の0.9倍〜1.1倍の範囲であれば、最大音圧付近の音圧を得ることができる。
0.9f1 ≦fd ≦1.1f1
圧電振動板はその共振周波数f1 の近傍では大きな音圧を得ることができるが、それから外れると、音圧が大きく低下する。共振周波数f1 の0.9倍〜1.1倍の範囲であれば、最大音圧付近の音圧を得ることができる。
本発明の第1実施形態では、開放孔を回路基板と対面するケースの面に形成し、開放孔と対応する回路基板の部位に貫通孔を形成し、圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、放音孔を設けたケースの面を回路基板に実質的に密着させたが、第2実施形態では、放音孔を回路基板と対面するケースの面に形成し、放音孔と対応する回路基板の部位に貫通孔を形成し、圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、放音孔を設けたケースの面を回路基板に実質的に密着させてある。この場合も、第1実施形態と同様に、放音孔から放出される音と開放孔から放出される音とが回路基板によって遮蔽されるので、両者の音の干渉現象を防止でき、放音孔単体の音圧特性を得ることができる。
本発明の第1実施形態によれば、圧電音響部品を回路基板に表面実装した電気音響変換器において、放音孔を回路基板と対面しないケースの面に形成し、開放孔を回路基板と対面するケースの面に形成し、開放孔と回路基板の貫通孔とを対応させたので、放音孔から発生する音と開放孔から発生する音との干渉現象を確実に防止できる。そのため、放音孔単体の音圧特性を得ることができる。圧電振動板を前気室の共鳴周波数より低い圧電振動板の共振周波数付近で作動させると、その放音孔単体の音圧特性は放音孔と開放孔とを同一面に開口させた場合の総合音圧よりも優れており、低周波で音圧特性の優れた電気音響変換器を得ることができる。また、圧電音響部品を小型化しても、放音孔から発生する音が開放孔から発生する音により減衰せず、しかも圧電振動板から大きな音圧が得られるので、圧電音響部品のさらなる小型化が可能となる。
本発明の第2実施形態によれば、放音孔を回路基板と対面するケースの面に形成し、放音孔と対応する回路基板の部位に貫通孔を形成し、圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、放音孔を設けたケースの面を回路基板に実質的に密着させたので、第1実施形態と同様に、放音孔から放出される音と開放孔から放出される音との干渉現象を回路基板によって防止でき、放音孔単体の音圧特性を得ることができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例に基づいて説明する。
図1,図2は本発明の第1の実施形態である電気音響変換器を示す。この電気音響変換器は、回路基板10と、その上に表面実装された圧電音響部品20とで構成されている。この圧電音響部品20は、ブザーやサウンダなどのように単一周波数の音を発生させる用途に適したものであり、その構造は公知の圧電音響部品とほぼ同様である。すなわち、直方体形状のケース21と、このケース21の内部に収容された圧電振動板30とを含み、ケース21は凹型のケース本体22と平板状のカバー23とで構成されている。圧電振動板30としては、金属板に圧電体を貼り付けた構造でもよいし、圧電体のみで構成したものでもよく、交番電圧(交流電圧または矩形波電圧)を印加することにより屈曲振動し、音波を発生するものであればよい。ケース本体22の対向する2辺の底部には外部接続端子24,25が設けられ、ケース本体22の内部に設けられた段部上には圧電振動板30が載置され、図示しない封止材によって封止固定されている。圧電振動板30の各電極はそれぞれ公知の方法で外部接続端子24,25と接続されている。圧電振動板30によってケース21の内部は前気室26と後気室27とに仕切られ、ケース21の側壁上縁部には前気室26と外部とを連通する放音孔28が形成され、ケース21の底面(実装面)には後気室27と外部とを連通する開放孔29が形成されている。この実施例では放音孔28をケース本体22とカバー23との境界部、つまりケース21の側壁に形成したが、カバー23(ケース21の天面)に形成してもよいことは勿論である。
回路基板10には、圧電音響部品20の外部接続端子24,25と対応したパッド電極11,12が設けられており、これらパッド電極11,12の間の領域には、開放孔29と対応した貫通孔13が設けられている。この貫通孔13は開放孔29の口径より大きな口径を有し、圧電音響部品20を表面実装する際に多少の位置ずれがあっても、開放孔29が貫通孔13の範囲内に入るように設計されている。パッド電極11,12と外部接続端子24,25とがそれぞれはんだ14によって接続され、圧電音響部品20は回路基板10に表面実装されている。その結果、圧電音響部品20の底面は回路基板10の上面に実質的に密着し、開放孔29から放出された音が回路基板10の上面側に漏れるのを防止している。
上記のように放音孔28からの音は回路基板10の上面側に放出され、開放孔29からの音は貫通孔13を介して回路基板10の下面側に放出されるので、両者の音は互いに干渉せず、個別の音圧特性を得ることができる。特に、圧電振動板30をその共振周波数(基本周波数)で駆動した場合、後述するように放音孔単体の音圧特性は、放音孔と開放孔とを合わせた総合特性より音圧が高くなるので、音圧性能が向上するという利点がある。しかも、圧電振動板30の共振周波数は前気室の共鳴周波数より低くできるので、従来のような前気室の共鳴周波数を用いた電気音響変換器より低周波化できる。また、音圧性能が実装環境の影響を受けにくいので、実装状態で公称性能に近い性能を得ることが可能になる。
圧電音響部品20の小型化が進むと、回路基板10に逆向きで実装してしまうトラブルが発生することがある。上記実施例では、放音孔28を直方体形状のケース21の一辺の側壁上端部に形成し、開放孔29を放音孔28を設けた側壁と対向する側壁寄りで、かつ底壁の中心部から一方に偏った位置に形成してある。そして、外部接続端子24,25を放音孔28を設けた側壁と直交する側壁の中央位置に形成してある。そのため、回路基板10に逆向きに実装した場合には、貫通孔13と開放孔29とが対応しないので、実装ミスを簡単に判別できる。このように圧電音響部品20に方向性を持たせることで、放音孔28を回路基板10の一定方向に開口させることができ、所望の音圧性能を常に得ることができる。また、放音孔28がケース21の側壁部に形成されている、換言すればケース21の天面に放音孔28が形成されていないので、圧電音響部品20をピックアップして実装する際、吸着パッドがケース21の天面を確実に吸着でき、吸引負圧が振動板に作用して振動板を破損するという不具合を防止できる。
ここで、本発明の効果を確認するために、図3に示すような圧電音響部品20’を用いて音圧特性を測定した。この圧電音響部品20’は、開放孔29’の位置および形状が図1,図2に示す圧電音響部品20と異なるだけで、その他の構造は同一であるため、重複説明を省略する。開放孔29’は、放音孔28を設けた側壁と対向する側壁の底辺に沿って、底面側と側面側との2方向に開口した矩形状の孔である。
図4は上記圧電音響部品20’を回路基板10に表面実装し、その音圧特性をマイクロホン40を用いて測定した幾つかの例を示す。ここで、圧電音響部品20’の大きさは12mm×12mm×3mmであり、回路基板10の大きさは100mm×100mmであり、圧電音響部品20’を回路基板10の中央部に表面実装した。マイクロホン40は回路基板10から100mm離れた位置に配置した。
図4の(a)は放音孔28および開放孔29’の両方からの音(総合特性)を回路基板10の表面側に配置されたマイクロホン40で測定したものであり、回路基板10には貫通孔が設けられていない。図4の(b)は開放孔29’と対向する回路基板10の位置に貫通孔13を設け、放音孔28からの音(放音孔特性)だけを回路基板10の表面側に配置されたマイクロホン40で測定したものである。なお、開放孔29’の側面は封止物41で封止されており、開放孔29’らの音は回路基板10の裏面側にのみ放出される。図4の(c)は、図4の(b)とは逆に、マイクロホン40を回路基板10の裏面側に配置し、開放孔29’からの音(開放孔特性)だけをマイクロホン40で測定したものである。
図5は、図4の(a)〜(c)における測定結果を周波数−音圧特性図に表したものである。図5の太実線は総合特性、図5の細線は放音孔特性、図5の一点鎖線は開放孔特性を示す。図5から明らかなように、前気室の共鳴周波数f0 (約4.4kHz)では、3つの音圧特性が共に比較的高い音圧レベル(約79dB)を得ることができるが、ブザーとして一般に要求される80dBには達していない。一方、前気室の共鳴周波数f0 より低周波側では、開放孔特性が大きく低下しており、総合特性も干渉現象によって低下しているのに対し、放音孔特性は総合特性より高い音圧レベルを維持している。特に振動板の共振周波数f1 (約2.7kHz)付近では、放音孔特性は前気室の共鳴周波数f0 での音圧レベルより高い最大音圧レベル(約83dB)が得られている。なお、印加電圧の周波数fd が0.9f1 ≦fd ≦1.1f1 (但し、f1 は振動板の共振周波数)の範囲であれば、放音孔特性は80dB以上の大きな音圧が得られており、ブザーとして望ましい音圧レベルである。このように放音孔特性を用い、かつ振動板をその共振周波数f1 近傍で駆動すると、前気室の共鳴周波数f0 より低周波で、高い音圧が得られることが実証された。
図6は本発明の第2実施例を示す。第1実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。この実施例では、圧電音響部品20をその放音孔28を設けたケース21の面を回路基板10に向けて表面実装したものである。具体的には、放音孔28を回路基板10と対面するケース21の面に形成し、開放孔29を回路基板10と対面しないケース21の面に形成してある。放音孔28と対応する回路基板10の部位に貫通孔13が形成され、圧電音響部品20を回路基板10に表面実装した状態で、放音孔28を設けたケース21の面は回路基板10に実質的に密着している。なお、貫通孔13は放音孔28より開口面積の大きな孔とするのがよい。
この実施例の場合も、第1実施例と同様に、圧電振動板の共振周波数f1 を前気室の共鳴周波数f0 より低く設定し、圧電振動板をその共振周波数f1 近傍の周波数で作動させる。放音孔28と開放孔29とが回路基板10の異なる面に開口しているため、回路基板10が遮音壁の役割を果たし、両孔28,29からの音の干渉現象を防止できる。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。上記実施例では、圧電音響部品のケースを直方体形状としたが、円筒形状としてもよい。また、第1実施例では放音孔をケースの側壁に開口させたが、回路基板と対面しないケースの面であればよく、例えば天面(カバー)に設けてもよい。第2実施例では、開放孔をケースのコーナ部に設けたが、回路基板と対面しないケースの面であれば、どの面に形成してもよい。
10 回路基板
11,12 電極パッド
13 貫通孔
20 圧電音響部品
21 ケース
24,25 外部接続端子
26 前気室
27 後気室
28 放音孔
29 開放孔
11,12 電極パッド
13 貫通孔
20 圧電音響部品
21 ケース
24,25 外部接続端子
26 前気室
27 後気室
28 放音孔
29 開放孔
Claims (2)
- 電極間に交番信号を印加することにより屈曲振動する圧電振動板と、上記圧電振動板を収納し、上記圧電振動板によって内部空間が前気室と後気室とに区画されたケースと、上記ケースの前気室と外部とを連通する放音孔と、上記ケースの後気室と外部とを連通する開放孔と、を備えた圧電音響部品を回路基板に表面実装してなる電気音響変換器において、
上記放音孔は上記回路基板と対面しないケースの面に形成され、
上記開放孔は上記回路基板と対面するケースの面に形成され、
上記開放孔と対応する回路基板の部位に貫通孔が形成され、
上記圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、上記開放孔を設けたケースの面は回路基板に実質的に密着しており、
上記圧電振動板の共振周波数f1 は上記前気室の共鳴周波数f0 より低く設定され、上記圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させることを特徴とする電気音響変換器。 - 電極間に交番信号を印加することにより屈曲振動する圧電振動板と、上記圧電振動板を収納し、上記圧電振動板によって内部空間が前気室と後気室とに区画されたケースと、上記ケースの前気室と外部とを連通する放音孔と、上記ケースの後気室と外部とを連通する開放孔と、を備えた圧電音響部品を回路基板に表面実装してなる電気音響変換器において、
上記放音孔は上記回路基板と対面するケースの面に形成され、
上記開放孔は上記回路基板と対面しないケースの面に形成され、
上記放音孔と対応する回路基板の部位に貫通孔が形成され、
上記圧電音響部品を回路基板に表面実装した状態で、上記放音孔を設けたケースの面は回路基板に実質的に密着しており、
上記圧電振動板の共振周波数f1 は上記前気室の共鳴周波数f0 より低く設定され、上記圧電振動板を共振周波数f1 近傍の周波数で作動させることを特徴とする電気音響変換器。
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