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JP2008193897A - 多能性幹細胞増殖促進剤 - Google Patents

多能性幹細胞増殖促進剤 Download PDF

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JP2008193897A JP2005120842A JP2005120842A JP2008193897A JP 2008193897 A JP2008193897 A JP 2008193897A JP 2005120842 A JP2005120842 A JP 2005120842A JP 2005120842 A JP2005120842 A JP 2005120842A JP 2008193897 A JP2008193897 A JP 2008193897A
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visfatin
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Nobuya Yamanaka
伸弥 山中
Mirei Murakami
未玲 村上
Masako Nishizawa
雅子 西澤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Sumitomo Pharma Co Ltd
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Nara Institute of Science and Technology NUC
Sumitomo Dainippon Pharma Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 多能性幹細胞の増殖促進剤を提供する。
【解決手段】 ビスファチンまたはビスファチン遺伝子を有効成分として含有する多能性幹細胞の増殖促進剤、ビスファチンを成分として含有する多能性幹細胞用培養液または培養キット、ならびに前記培養液または培養キットを用いることを特徴とする多能性幹細胞の培養方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、多能性幹細胞の増殖促進剤に関する。
胚性幹細胞(ES細胞)は着床前の胚盤胞内に存在する内部細胞塊(inner cell mass)に由来する多能性幹細胞であり、1981年にマウスにおいて初めて樹立された(非特許文献1を参照)。ES細胞は培養下で多分化能および正常染色体型を保持したまま無限に増殖することができる。胚盤胞の中に注入することによって、胚発生に加わりキメラ動物を作ることができる。1987年に初めてノックアウトマウスが作成されて以来(非特許文献2を参照)、現在までに数多くのノックアウトマウスが作製され、その遺伝子産物の機能が詳細に解析されている。
これまでにマウスES細胞は発生工学的な道具として利用されてきたが、1998年にヒトES細胞の樹立が報告されたことにより(非特許文献3を参照)、再生医学的な応用が期待され始めた。将来的にヒトES細胞から血液細胞、神経細胞、心筋細胞などへの分化が可能になれば、細胞移植治療により、現在治療法の無い疾患治療が可能になると考えられる。このような期待はES細胞の持つあらゆる体細胞に分化する能力(分化全能性)および未分化状態を維持したまま無限に増殖する能力(自己複製能)によるものである。
このように再生医療の研究および臨床応用においてES細胞の重要性はますます大きくなりつつあるが、現在のところその培養には、血清もしくはフィーダー細胞の存在が必須である。すなわちマウスES細胞は、細胞数が多いときはLIFを添加した無血清培地によりフィーダー細胞を用いずに維持することができる。しかし低密度では血清もしくはフィーダー細胞が必須である。またヒトES細胞の培養においても血清およびフィーダー細胞が必須である。さらにマウスES細胞と異なりヒトES細胞ではLIFは無効である。ヒトES細胞を臨床応用する場合、安全性等の観点から、動物血清やフィーダー細胞を用いずに培養することが不可欠である。そのため、無血清培地においてES細胞の増殖を維持する因子の同定が望まれている状況にある。
ビスファチン(Visfatin)は別名PBEF(Pre-B cell colony-enhancing factor)とも呼ばれるタンパク質であり、これまでの研究において、B細胞前駆細胞の分化・増殖刺激因子であることが報告されている(特許文献1および非特許文献4を参照)。また最近になって、ビスファチンはインスリンレセプターに結合して血中グルコース濃度を下げるという、インスリンミミックな作用を有することが明らかとなった(非特許文献5を参照)。しかしながら、ES細胞や胚発生との関連性については何ら明らかにされていない。
特表平8-505373号公報 Evans, M. J. and Kaufman, M. H. Nature, 292 (5819): p154-156 (1981) Hooper, M. et al., Nature, 326 (6110): p292-295(1987) Thomson, J. A. et al., Science, 282 (5391): p1145-1147(1998) Samal, B. et al., Mol. Cell. Biol., Feb;14(2):p1431-1437(1994) Fukuhara A. et al., Science, vol.307,p426-430(2005)
本発明の目的は、ビスファチンまたはビスファチン遺伝子を有効成分として含有する多能性幹細胞の増殖促進剤を提供することにある。また本発明の別の目的は、ビスファチンを含有する多能性幹細胞用の培養液や培養キット、またはこれらを用いた多能性幹細胞の培養方法を提供することにある。
本発明者らはES細胞におけるビスファチン遺伝子の発現を解析したところ、ビスファチン遺伝子は未分化ES細胞において高発現しているのに対して、分化することによりその発現が大幅に減少することが明らかとなった。
次に本発明者らはビスファチンの生体内での機能を解析するため、そのノックアウトマウスを作製した。ヘテロ変異マウスは正常に発生し、生殖能力も有していたが、糖代謝能に異常が見られた。一方、ヘテロ変異マウス同士の交配からはホモ変異マウスは誕生しなかった。胎児解析の結果、ホモ変異マウスは着床直後に致死となることがわかった。ビスファチンをホモ欠損した胚盤胞を培養したところ、通常であれば内部細胞塊が形成され、この内部細胞塊からES細胞コロニーが形成されるところ、ビスファチン欠損胚盤胞はin vitroで培養しても内部細胞塊及びそれに続くES細胞が増殖できなかった。この結果より、多能性幹細胞の増殖にはビスファチンが必須であることが明らかとなった。
さらに本発明者らは、インスリンを含まない無血清培地、インスリンを含む無血清培地、および血清培地を用いて、ビスファチン遺伝子ヘテロノックアウトES細胞(ビスファチンへテロKO-ES細胞)を培養した。その結果、血清培地中では野生型ES細胞とビスファチンへテロKO-ES細胞の増殖速度に差は認められなかったが、インスリンを含む無血清培地およびインスリンを含まない無血清培地においては、野生型ES細胞と比較してビスファチンへテロKO-ES細胞の増殖速度が低下しており、その低下の程度は、インスリンを含まない無血清培地において顕著であることが分かった。以上の結果よりビスファチンはES細胞の増殖を維持する因子であることが明らかとなった。
本発明のビスファチンは、ES細胞等の多能性幹細胞の増殖促進剤として用いることができる。ビスファチンは多能性幹細胞自身が発現(産生)している因子あるため、特に有用である。
本発明はこのような知見に基づき完成するに至ったものである。
すなわち本発明は、
(1) ビスファチンまたはビスファチン遺伝子を有効成分として含有する多能性幹細胞の増殖促進剤、
(2) 多能性幹細胞が胚性幹細胞である、前記(1)記載の増殖促進剤、
(3) ビスファチンを成分として含有する多能性幹細胞用培養液または培養キット、
(4) 多能性幹細胞が胚性幹細胞である、前記(3)記載の培養液または培養キット、
(5) 前記(3)または(4)記載の培養液または培養キットを用いることを特徴とする、多能性幹細胞の培養方法、
(6) ビスファチンまたはビスファチン遺伝子の、多能性幹細胞の増殖促進剤としての使用、および
(7) 多能性幹細胞が胚性幹細胞である、前記(6)記載の使用、に関する。
本発明のビスファチンおよびビスファチン遺伝子は、ES細胞等の多能性幹細胞の増殖促進剤として有用である。とりわけ本発明の増殖促進剤を無血清培地(無血清培養液)に添加することにより、血清非存在下でも多能性幹細胞の培養が可能となるため、再生医療におけるES細胞の研究および臨床応用において有効に用いられる。
以下、本明細書において、アミノ酸、(ポリ)ペプチド、(ポリ)ヌクレオチドなどの略号による表示は、IUPAC−IUBの規定〔IUPAC-IUB Communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138: 9 (1984)〕、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン」(日本国特許庁編)、および当該分野における慣用記号に従う。
本発明において「ビスファチン(ビスファチンタンパク質)」とは、多能性幹細胞増殖促進活性が保持される限り、特に限定されないが、具体的には以下の(a)〜(j):
(a) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列、
(b) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、付加もしくは置換されたアミノ酸配列、
(c) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、そのアミノ末端から26個のアミノ酸を欠失したアミノ酸配列、
(d) 前記(c)のアミノ酸配列において、そのアミノ末端にメチオニンが付加されたアミノ酸配列、
(e) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列、
(f) 配列番号1で示される塩基配列における第18番目のヌクレオチドから第1493番目までのヌクレオチドで示される塩基配列を有するDNAによりコードされるアミノ酸配列、
(g) 配列番号3で示される塩基配列における第96番目のヌクレオチドから第1571番目までのヌクレオチドで示される塩基配列を有するDNAによりコードされるアミノ酸配列、
(h) 前記(f)または(g)に記載のDNAと80%以上の配列同一性を有する塩基配列を有するDNAによりコードされるアミノ酸配列、
(i) 前記(f)または(g)に記載のDNAに対し相補性を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAによりコードされるアミノ酸配列、および
(j) 前記(a)〜(i)のいずれかのアミノ酸配列の部分アミノ酸配列、
のいずれかのアミノ酸配列からなり、かつ多能性幹細胞の増殖促進活性を有するタンパク質が例示される。
ここで配列番号:2で示されるアミノ酸配列は、ヒト・ビスファチンのアミノ酸配列であり、文献(Mol. Cell. Biol., Feb;14(2):p1431-1437(1994))やGenBanc Acc.No.U02020 において公知の配列である。また配列番号:4で示されるアミノ酸配列は、マウス・ビスファチンのアミノ酸配列であり、GenBank Acc.No. AF234625において公知の配列である。
前記(b)における「アミノ酸の欠失、付加もしくは置換」や前記(e)及び(h)にある「80%以上の配列同一性」には、例えば、配列番号2または4で示されるアミノ酸配列を有するタンパク質が細胞内で受けるプロセシング、該タンパク質が由来する生物の種差、個体差、組織間の差異等により天然に生じる変異や、人為的なアミノ酸の変異等が含まれる。
前記(b)における「アミノ酸の欠失、付加もしくは置換」(以下、総じてアミノ酸の改変と記すこともある。)を人為的に行う場合の手法としては、例えば、配列番号2または4で示されるアミノ酸配列をコードするDNAに対して慣用の部位特異的変異導入を施し、その後このDNAを常法により発現させる手法が挙げられる。ここで部位特異的変異導入法としては、例えば、アンバー変異を利用する方法(ギャップド・デュプレックス法、Nucleic Acids Res., 12,9441-9456(1984))、変異導入用プライマーを用いたPCRによる方法等が挙げられる。
前記で改変されるアミノ酸の数については、少なくとも1残基、具体的には1若しくは数個、又はそれ以上である。かかる改変の数は、当該タンパク質の多能性幹細胞増殖促進活性を見出すことのできる範囲であれば良い。
また前記欠失、付加又は置換のうち、特にアミノ酸の置換に係る改変が好ましい。当該置換は、疎水性、電荷、pK、立体構造上における特徴等の類似した性質を有するアミノ酸への置換がより好ましい。このような置換としては、例えば、(1)グリシン、アラニン;(2)バリン、イソロイシン、ロイシン;(3)アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、(4)セリン、スレオニン;(5)リジン、アルギニン;(6)フェニルアラニン、チロシンのグループ内での置換が挙げられる。
前記(e)及び(h)において「配列同一性」とは、2つのDNA又は2つのタンパク質間の配列同一性または相同性をいう。前記「配列同一性」は、比較対象の配列の領域にわたって、最適な状態にアラインメントされた2つの配列を比較することにより決定される。ここで、比較対象のDNA又はタンパク質は、2つの配列の最適なアラインメントにおいて、付加又は欠失(例えばギャップ等)を有していてもよい。このような配列同一性に関しては、例えば、Vector NTIを用いて、ClustalWアルゴリズム(Nucleic Acid Res.,22(22):4673-4680(1994)を利用してアラインメントを作成することにより算出することができる。尚、配列同一性は、配列解析ソフト、具体的にはVector NTI、GENETYX-MACや公共のデータベースで提供される解析ツールを用いて測定される。前記公共データベースは、例えば、ホームページアドレスhttp://www.ddbj.nig.ac.jpにおいて、一般的に利用可能である。
前記配列同一性は、80%以上であればよいが、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
前記(i)における「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする」に関して、ここで実施されるハイブリダイゼーションは、例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリングハーバー・ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載される通常の方法に準じて行うことができる。また「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、6×SSC(1.5M NaCl、0.15M クエン酸三ナトリウムを含む溶液を10×SSCとする)、50%フォルムアミドを含む溶液中で45℃にてハイブリッドを形成させた後、2×SSCで50℃にて洗浄するような条件(Molecular Biology, John Wiley & Sons, N. Y. (1989), 6.3.1-6.3.6)等を挙げることができる。洗浄ステップにおける塩濃度は、例えば、2×SSC、50℃の条件(低ストリンジェンシーな条件)〜0.2×SSC、50℃の条件(高ストリンジェンシーな条件)から選択することができる。洗浄ステップにおける温度は、例えば、室温(低ストリンジェンシーな条件)〜65℃(高ストリンジェンシーな条件)から選択することができる。また、塩濃度と温度の両方を変えることもできる。
前記(j)における「部分アミノ酸配列」とは、前記(a)〜(i)のいずれかのアミノ酸配列、好ましくは前記(a)のアミノ酸配列における15〜100残基、好ましくは15〜50残基の部分アミノ酸配列を示し、当該アミノ酸配列からなるペプチドフラグメントが多能性幹細胞の増殖促進活性を有する限り、特に限定されない。
以上に示された本発明のビスファチンは、ヒト、マウスのみならず、如何なる種由来であっても良く、具体的にはヒト、マウス、ラット、サル、マーモセット、ウシ、ウマ等の哺乳動物由来のビスファチンが例示される。
本発明において「ビスファチン遺伝子」とは、ビスファチンをコードする遺伝子を指す。具体的には前記(a)〜(j)のいずれかのアミノ酸配列からなり、かつ多能性幹細胞の増殖促進活性を有するタンパク質をコードする遺伝子が示される。
より具体的には以下の(A)〜(K):
(A) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列、
(B) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1もしくは複数のアミノ酸が欠失、付加もしくは置換されたアミノ酸配列をコードする塩基配列、
(C) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列において、そのアミノ末端から26個のアミノ酸を欠失したアミノ酸配列をコードする塩基配列、
(D) 前記(C)のアミノ酸配列において、そのアミノ末端にメチオニンが付加されたアミノ酸配列をコードする塩基配列、
(E) 配列番号2または配列番号4で示されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードする塩基配列、
(F) 配列番号1または配列番号3で示される塩基配列、
(G) 配列番号1で示される塩基配列における第18番目のヌクレオチドから第1493番目までのヌクレオチドで示される塩基配列、
(H) 配列番号3で示される塩基配列における第96番目のヌクレオチドから第1571番目までのヌクレオチドで示される塩基配列、
(I) 前記(G)または(H)に記載の塩基配列を有するDNAと80%以上の配列同一性を有する塩基配列、
(J) 前記(G)または(H)に記載の塩基配列を有するDNAに対し相補性を有するDNAと、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAの塩基配列、および
(K) 前記(A)〜(J)のいずれかの塩基配列の部分塩基配列、
のいずれかの塩基配列からなり、かつ当該塩基配列によりコードされるタンパク質が多能性幹細胞の増殖促進活性を有するタンパク質である、そのようなタンパク質をコードする遺伝子が例示される。
以下、本発明のビスファチン遺伝子およびビスファチンの調製方法について説明する。
ビスファチン遺伝子は、通常の遺伝子工学的方法(例えば、Sambrook J., Frisch E. F., Maniatis T.著、モレキュラークローニング第2版(Molecular Cloning 2nd edition)、コールドスプリングハーバー・ラボラトリー発行(Cold Spring Harbor Laboratory press)等に記載されている方法)に準じて取得する。具体的には、配列番号1に示されるヒト・ビスファチン遺伝子の場合、例えばヒト腹腔内脂肪組織由来のcDNAライブラリーを鋳型とし、配列番号1記載の塩基配列の適当な部分をプライマーに用いたPCRを行うことによりクローニングすることができる。また配列番号3に示されるマウス・ビスファチン遺伝子の場合、例えばマウス肝臓由来のcDNAライブラリーを鋳型とし、配列番号3記載の塩基配列の適当な部分をプライマーに用いたPCRを行うことによりクローニングすることができる。
ビスファチンタンパク質は、前記ビスファチン遺伝子を用いることにより、通常の遺伝子工学的方法に準じて製造・取得する。
例えば、ビスファチン遺伝子が宿主細胞中で発現できるような発現ベクターを作製し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、さらに形質転換された宿主細胞(形質転換体)を培養することで得られる培養物からビスファチンタンパク質を取得することができる。上記ビスファチン遺伝子発現ベクターとしては、例えば、宿主細胞中で複製可能な遺伝情報を含み、自立的に増殖できるものであって、宿主細胞からの単離・精製が容易であり、宿主細胞中で機能可能なプロモーターを有し、検出可能なマーカーをもつ発現ベクターに、本発明のビスファチンをコードする遺伝子が挿入されたものを挙げることができる。発現ベクターは用いる宿主や目的等に応じて適宜選択することができ、プラスミド、ファージベクター、ウイルスベクター等が挙げられる。
例えば、宿主が大腸菌の場合、ベクターとしては、pUC118、pUC119、pBR322、pCR3、pET11a等のプラスミドベクター、λZAPII、λgt11などのファージベクターが挙げられる。宿主が酵母の場合、ベクターとしては、pYES2、pYEUra3などが挙げられる。宿主が昆虫細胞の場合には、pAcSGHisNT-Aなどが挙げられる。宿主が動物細胞の場合には、pCEP4、pKCR、pCDM8、pGL2、pcDNA3.1、pRc/RSV、pRc/CMV、pcDL-SRα296 などのプラスミドベクターや、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクターなどのウイルスベクターが挙げられる。これらは当業者に入手可能なベクターである。
前記ベクターは、発現誘導可能なプロモーター、シグナル配列をコードする遺伝子、選択用マーカー遺伝子、ターミネーターなどの因子を適宜有していても良い。
また、単離精製が容易になるように、チオレドキシン、Hisタグ、あるいはGST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)等との融合タンパク質として発現する配列が付加されていても良い。この場合、宿主細胞内で機能する適切なプロモーター(lac、tac、trc、trp、CMV、SV40初期プロモーターなど)を有するGST融合タンパクベクター(pGEX4Tなど)や、Myc、Hisなどのタグ配列を有するベクター(pcDNA3.1/Myc-Hisなど)、さらにはチオレドキシンおよびHisタグとの融合タンパク質を発現するベクター(pET32a)などを用いることができる。
前記で作製されたビスファチン遺伝子発現ベクターで宿主を形質転換することにより、当該発現ベクターを含有する形質転換体(形質転換細胞)を作製することができる。
ここで用いられる宿主としては、大腸菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。大腸菌としては、E.coli K-12系統のHB101株、C600株、JM109株、DH5α株、AD494(DE3)株などが挙げられる。また酵母としては、サッカロミセス・セルビジエなどが挙げられる。動物細胞としては、L929細胞、BALB/c3T3細胞、C127細胞、CHO細胞、COS細胞、Vero細胞、Hela細胞、293-EBNA細胞などが挙げられる。昆虫細胞としてはsf9などが挙げられる。
宿主細胞への発現ベクターの導入方法としては、前記宿主細胞に適合した通常の導入方法を用いれば良い。具体的にはリン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、エレクトロポレーション法、遺伝子導入用リピッド(Lipofectamine、Lipofectin; Gibco-BRL社)を用いる方法、ウイルスベクターを用いる方法などが挙げられる。導入後、選択マーカーを含む通常の培地にて培養することにより、前記発現ベクターが宿主細胞中に導入された形質転換体を選択することができる。
形質転換体の培養は、微生物培養、酵母、昆虫細胞もしくは哺乳動物細胞の培養に使用される通常の方法によって行うことができる。例えば大腸菌の場合、適当な炭素源、窒素源およびビタミン等の微量栄養物を適宜含む培地中で培養を行う。培養方法としては、固体培養、液体培養のいずれの方法でもよく、好ましくは、通気撹拌培養法等の液体培養を挙げることができる。
前記形質転換体を好適な条件下で培養し続けることにより、ビスファチンタンパクを製造することができる。得られたタンパク質は、一般的な生化学的精製手段により、さらに単離・精製することができる。ここで精製手段としては、塩析、イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等が挙げられる。またビスファチンタンパク質を、前述のチオレドキシンやHisタグ、GST等との融合タンパク質として発現させた場合は、これら融合タンパク質やタグの性質を利用した精製法により単離・精製することができる。
以下に代表例として、ヒトビスファチンの発現及び精製の具体例を示す。
1)哺乳動物細胞での発現及び精製
前記のように作製したヒト・ビスファチンタンパク(配列番号2)を発現する発現ベクターで、COS-1等の哺乳動物細胞を形質転換する。この形質転換体を、抗生物質含有OPTI-MEM培地(GIBCO製)等で培養することにより培地中にヒト・ビスファチンを分泌させる。形質転換後2日目〜8日目程度の細胞培養上清を集める。培養上清を限外ろ過膜にてろ過し、順次DEAEsepharose、ANX-Sepharose、Octyl-Sepharose、Mono-Qカラム(すべてアマシャムファルマシア製)に供することにより、ヒトビスファチンタンパクの精製を行う。
2)大腸菌での発現及び精製
ヒト・ビスファチンタンパク(配列番号2)のアミノ酸番号27番から491番で示されるアミノ酸配列のアミノ末端にメチオニンが付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質を産生させるために、この部分をコードする遺伝子をpET11a(ノバジェン製)等の大腸菌用発現ベクターにクローニングする。次に、該発現プラスミドで大腸菌(DE3株:ノバジェン社等)を形質転換する。得られた形質転換体を、37℃でO.D.600が0.6になるまで培養し、終濃度1mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(以下、IPTGと記す。)を添加し、さらに一晩培養する。次いで、遠心分離操作により集菌し、菌体を100mMトリス−塩酸(pH7.6)、5mMエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(以下、EDTA・2Naと記す。)、5mMジチオスレイトール(以下、DTTと記す。)および1mMフェニルメチルスルホニルフルオライド(以下、PMSFと記す。)を含むバッファー(以下、バッファーAと記す。)に懸濁して、超音波処理(氷冷下、5分間×3回)により菌体を破砕し、この破砕液を12,000×g、15分間、4℃で遠心分離し、沈殿(以下、封入体画分と記す。)を回収する。
該封入体画分に、2M尿素を含むバッファーAを添加し、懸濁して、超音波処理(氷冷下、5分間×1回)を行う。前記の超音波処理後の溶液を12,000×g、15分間、4℃で遠心分離し、得られた沈殿に、4M尿素を含むバッファーAを添加して懸濁、超音波処理、遠心分離するという操作を前記と同様に行う。さらに、得られた沈殿に、6M尿素を含むバッファーAを添加して懸濁、超音波処理、遠心分離するという操作を前記と同様に行う。得られた沈殿を20mMトリス−塩酸(pH8.5)、2mM DTTおよび8M尿素を含むバッファーに懸濁し、該懸濁液を12,000×g、15分間、4℃で遠心分離し、上清を分取する。得られた上清を、HiLoad Superdex 200pg(ファルマシア製)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーに供する(流速;1.0ml/分、検出波長;280nm)。45分から55分の間に溶出されるピーク画分を集めてセントリコン(グレースジャパン製、分画分子量30,000)で濃縮し、次に、モノQ HR10/10イオン交換カラム(ファルマシア製)を用いたクロマトグラフィー(流速1.0ml/分、0〜1M NaClグラディエント、検出波長;280nm)に供する。約100〜約200mM NaClで溶出される画分を集めて、セントリコン(グレースジャパン製、分画分子量30,000)で1mg蛋白質/mlになるように濃縮する。
得られた蛋白質画分に、該画分の容量の1/3量の100mMトリス−塩酸(pH8.5)をゆるやかに攪拌しながら添加する。さらに、室温で一晩、緩やかに攪拌を続けた。次いで、18,000×g、20分間、4℃で遠心分離して上清を回収し、該上清に、その容量の7倍量の2M尿素、20mMトリス−塩酸(pH8.5)、4mM還元型グルタチオンおよび0.4mM酸化型グルタチオンを含むバッファーを加えて緩やかに攪拌する。得られた溶液を分画分子量が25,000の透析チューブに入れ、該溶液量の1000倍量の2M尿素、20mMトリス−塩酸(pH8.5)、4mM還元型グルタチオンおよび0.4mM酸化型グルタチオンを含むバッファーに対して、4℃で8〜16時間透析する。次に、透析チューブ内液量の1000倍量の20mMトリス−塩酸(pH8.5)、4mM還元型グルタチオンおよび0.4mM酸化型グルタチオンを含むバッファーに対して、4℃で8〜16時間透析する。さらに、透析チューブ内液量の1000倍量の20mMトリス−塩酸(pH8.5)、1mM還元型グルタチオンおよび0.1mM酸化型グルタチオンを含むバッファーに対して、4℃で8〜16時間透析する。このようにしてヒト・ビスファチンを大腸菌から得ることができる。
以上に示したビスファチン遺伝子のクローニング、発現ベクター調製、形質転換体の作製およびビスファチンタンパクの発現・精製の詳細についてはWO02/010772号公報等を参照されたい。
本発明において「多能性幹細胞」とは、ES細胞に代表される未分化・多能性を維持する細胞を指す。本ES細胞は体細胞から核初期化されて生じたES細胞であっても良い。またES細胞以外では、始原生殖細胞に由来するEmbryonic Germ Cell(EG cell)、精巣から単離されたmutipotent germline stem cell (mGS cell)、骨髄から単離されるMultipotent adult progenitor cell (MAPC)などが挙げられる。これら多能性幹細胞の由来は、ヒト、サル、ラット、マウス、マーモセット等の如何なる由来であっても良い。
本発明においてビスファチンまたはビスファチン遺伝子が有する「多能性幹細胞の増殖促進活性」とは、ビスファチン非存在下、またはビスファチン遺伝子非導入下での多能性幹細胞の増殖に比して、ビスファチンを培地へ添加した場合、またはビスファチン遺伝子を細胞へトランスフェクションした場合に当該増殖が促進される、そのような活性を意味する。
本発明においてビスファチンまたはビスファチン遺伝子が有する多能性幹細胞の増殖促進活性は、例えば以下のようにして測定することができる。
まずビスファチン(またはその候補物質)の場合は、ビスファチン(またはその候補物質)を1ng/ml〜10μg/ml程度の濃度で添加した無血清培地において多能性幹細胞を培養し、細胞増殖促進活性を測定することにより調べることができる。その際、コントロールとしてビスファチン無添加の無血清培地においても同様の多能性幹細胞の培養を行い(陰性コントロール細胞)、この陰性コントロール細胞との比較を行うことが好ましい。陰性コントロール細胞に比してビスファチン(またはその候補物質)を添加した場合に細胞増殖が促進された場合、用いたビスファチン(またはその候補物質)は細胞増殖促進活性を有すると判断する。
さらに好ましくは、血清培地を用いて同様の多能性幹細胞の培養を行い(陽性コントロール細胞)、この陽性コントロール細胞との比較を行う。ビスファチン添加無血清培地で培養した細胞において、陽性コントロール細胞に比して、その10%程度以上の増殖が維持され、かつ細胞が多能性を維持していた場合、用いたビスファチン(またはその候補物質)は細胞増殖促進活性を有すると判断する。ここで多能性維持の評価は、Oct3/4やECAT遺伝子群などのマーカー遺伝子の発現をノザンブロット、RT-PCR、ウェスタンブロット、免疫染色で解析することに簡易的に評価できる。また細胞をブラストシストに微少注入しキメラマウスが誕生するかを検討することにより確定することができる。
前記測定において用いる無血清培地としては、血清を含まない培地であれば、如何なる無血清培地であっても良い。また成長因子やサイトカインなどを含んでいても良い。当該無血清培地は、ビスファチン非存在下では多能性幹細胞(測定に用いる多能性幹細胞)の増殖が正常に維持されないような無血清培地である。
測定に用いる多能性幹細胞としてはES細胞が好ましい。具体的にはRF8細胞(Meiner,V. et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,93: 14041-14046(1996))、JI細胞(Li,E. et al.,Cell,69:915-926(1992))、CGR8細胞(Nichols,J. et al., Development,110:1341-1348(1990))、MG1.19細胞(Gassmann,M. et al., Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,92:1292-1296(1995))や、市販されているマウスES細胞 129SV(No.R-CMTI-1-15, R-CMTI-1A)、マウスES細胞 C57/BL6(No.R-CMTI-2A)、マウスES細胞DBA-1(No.R-CMTI-3A)(以上大日本製薬)等のES細胞が挙げられる。またヒトES細胞としては、KhES-1、KhES-2あるいは KhES-3(以上、京大再生研付属幹細胞医学研究センター)などが挙げられ、またサルES細胞としてはカニクイザルES細胞(旭テクノグラス)が挙げられる。
次にビスファチン遺伝子(またはその候補遺伝子)の場合は、発現ベクターに組み込んだビスファチン遺伝子(またはその候補遺伝子)を多能性幹細胞にトランスフェクトして作製した形質転換体を無血清培地において培養し、細胞増殖が促進されるか否かを測定することにより行うことができる。
その際、コントロールとしてビスファチン遺伝子非導入の細胞を無血清培地において培養し(陰性コントロール細胞)、この陰性コントロール細胞との比較を行うことが好ましい。陰性コントロール細胞に比してビスファチン遺伝子(またはその候補物質)をトランスフェクトした場合に細胞増殖が促進された場合、用いたビスファチン遺伝子(またはその候補物質)は細胞増殖促進活性を有すると判断する。
さらに好ましくは、血清培地を用いて多能性幹細胞の培養を行い(陽性コントロール細胞)、この陽性コントロール細胞との比較を行う。ビスファチン遺伝子導入細胞において、陽性コントロール細胞に比して、その10%程度以上の増殖が維持され、かつ細胞が多能性を維持していた場合、用いたビスファチン遺伝子(またはその候補物質)は細胞増殖促進活性を有すると判断する。ここで多能性維持の評価は、Oct3/4やECAT遺伝子群などのマーカー遺伝子の発現をノザンブロット、RT-PCR、ウェスタンブロット、免疫染色で解析することに簡易的に評価できる。また細胞をブラストシストに微少注入しキメラマウスが誕生するかを検討することにより確定することができる。
多能性幹細胞への遺伝子トランスフェクションは通常知られた手法にて行うことができる。具体的には、例えばマイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、DEAE-デキストラン法、遺伝子導入用リピッド(Lipofectamine、Lipofectin; Gibco-BRL社)を用いる方法、またはウイルスベクターを用いる方法(ウイルスベクターを感染させる方法)などである。
測定に用いるES細胞や無血清培地については、前記ビスファチンの場合と同じである。
以上に挙げた測定法の他、実施例4及び5に記載したようなビスファチン遺伝子へテロノックアウトES細胞を用いた手法によっても、細胞増殖促進活性を測定することができる。
本発明のビスファチンを有効成分とする多能性幹細胞の増殖促進剤は、そのまま、もしくは公知の薬学的に許容される担体(賦形剤、希釈剤、増量剤、結合剤、滑沢剤、流動助剤、崩壊剤、界面活性剤等などが含まれる)や慣用の添加剤、安定化剤などと混合して試薬組成物または医薬組成物として調製することができる。当該組成物は、許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤、緩衝剤等に有効成分であるビスファチンを配合、溶解等することにより製造することができる。
本発明のビスファチンの培地(培養液)への添加量は、1ng/ml〜10μg/ml程度の濃度が挙げられる。好ましくは0.1μg/ml〜10μg/ml程度の濃度が挙げられる。
本発明のビスファチンの適用対象である多能性幹細胞は、具体的にはES細胞が挙げられる。本ES細胞は体細胞から核初期化されて生じたES細胞であっても良い。またES細胞以外では、始原生殖細胞に由来するEmbryonic Germ Cell(EG cell)、精巣から単離されたmutipotent germline stem cell (mGS cell)、骨髄から単離されるMultipotent adult progenitor cell (MAPC)などが挙げられる。これら多能性幹細胞の由来は、ヒト、サル、ラット、マウス、マーモセット等の如何なる由来であっても良い。
ビスファチンを添加する無血清培地としては、血清を含まずかつ研究や臨床応用において実用的な培地であれば、如何なる無血清培地であっても良い。また成長因子やサイトカインなどを含んでいても良い。
本発明のビスファチンは、あらかじめ培地(培養液)に添加し、多能性幹細胞の培養液として調整した後に、これを細胞に添加して細胞培養を行っても良く、また無血清培地と細胞とを接触させた後に、本発明のビスファチンを培地に添加しても良い。
本発明のビスファチンは、単独で包装されていても良く、多能性幹細胞培養用キットの1成分として包含されていれも良い。キットの場合、ビスファチン以外のキット中の成分としては、無血清培地に同時に加えられる他の因子−例えばBMP4やLIF等を例示することができる。
本発明のビスファチン遺伝子を有効成分とする多能性幹細胞の増殖促進剤は、哺乳動物細胞である多能性幹細胞で発現するような発現ベクターに組み込んだ形態で用いられる。当該ビスファチン遺伝子(ビスファチン遺伝子発現ベクター)はそのまま、もしくは通常慣用される安定化剤、緩衝液、溶媒などを用いて製剤化され得る。
前記ビスファチン遺伝子は化学的に修飾されていても良い。当該化学修飾体としては、例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホトリエステル、アルキルホスホナート、アルキルホスホアミデートなどの、細胞内への移行性または細胞内での安定性を高め得る誘導体("Antisense RNA and DNA" WILEY-LISS刊、1992年、pp.1-50、J. Med. Chem. 36:1923-1937, 1993)が含まれる。これらは常法に従い合成することができる。
細胞へのトランスフェクションは、非ウイルス的導入法とウイルス的導入法のいずれも用いることができる。
非ウイルス的導入法としては、例えばマイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、DEAE-デキストラン法、遺伝子導入用リピッド(Lipofectamine、Lipofectin; Gibco-BRL社)を用いる方法などが挙げられる。組換えウイルスを用いる方法としては、例えばレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルスなどのウイルスベクターを用いた方法が挙げられる。
本発明のビスファチン遺伝子の細胞へ導入量は、通常のトランスフェクションに用いられる当業者に知られた量を用いることができる。また適用対象である多能性幹細胞は、前記ビスファチン添加の場合と同じである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
ES細胞およびマウス各組織におけるVisfatin遺伝子の発現解析
未分化マウスES細胞RF8(129/SvJae系マウス由来)に90 ng/mlのレチノイン酸を添加し、血清培地(DMEM(ナカライ)、107 Unit のLIF(ケミコン社)、1.0%のL-グルタミン(Invitorogen社)、0.5 %のペニスリンストレプトマイシン(Invitorogen社)、0.2 %の2-メルカプトエタノール(Invitorogen社)、1.0 %のMEM非必須アミノ酸溶液(Invitorogen社)、14.8 %のFCS(Biowest社))で6日間培養することによりES細胞を分化させた。この分化ES細胞をTRIzol(GIBCO BRL)で処理し、クロロホルム抽出、エタノール沈殿を行い、30μLのDEPC処理水に懸濁して totalRNAを取得した。また、B6系統マウスから摘出した各組織もTRIzol(GIBCO BRL)処理を行い、同様に試薬に添付のプロトコールに従ってtotalRNAを取得した。抽出された全RNA(溶解物)をUVスペクトロメータ(260nm、280nm)で吸光度測定することにより定量した。
逆転写反応はREVERTRA ACEα(東洋紡社製)を使用して実施し、得られたcDNAを鋳型として、マウスVisfatin遺伝子(配列番号3)の発現量を反映してDNA断片の増幅が認められる条件で、RT−PCRを行うことにより、各々のES細胞および組織におけるマウスVisfatin遺伝子の発現の有無及びその発現量を確認した。
この際に用いたPCR法は、プライマーGE-U8(配列番号5;TTCCTACTTTGAATGCCGTGAA)及びプライマーAntiL-15Sal1(配列番号6; GCTGTCGACTGGAACAGAATAGCCTGGAA)の一対のプライマーを用い、ExTaq (Takara社製, Japan)で反応を行った。当該PCRは、DNA変性(94℃、1分間)に続き、30サイクルの変性(94℃、10秒間)−アニーリング(55℃、30秒間)−伸長(68℃、1分間)、さらに最終伸長(68℃、5分間)の条件で行った。なおポジティブコントロールとして NAT1遺伝子(Yamanaka, S. et al., Embo J., 19, 5533-5541(2000))についても同様の反応を行った。
結果を図1に示す。マウスVisfatin遺伝子は、未分化ES細胞において高発現しているのに対して、分化させたES細胞ではその発現が大幅に減少していた。また、マウス組織においては、褐色脂肪、腸間膜脂肪、精巣周囲脂肪、腎臓、筋肉において高い発現が認められた。
VisfatinヘテロKO ES細胞の増殖速度
特開2004-154135の実施例1から4に記載の方法に従って、マウスVisfatin遺伝子(配列番号3)のアミノ酸配列をコードするゲノム遺伝子の一部を欠失する相同的組換えES細胞(Visfatin遺伝子ヘテロノックアウトES細胞)#8−7及び#8−8を取得した。
#8−7、#8−8、および野生型ES細胞RF8の1クローンの合計3クローンを、それぞれ2.5x104個づつ24ウエルプレート(Gibco社製)にまきこんで、インスリンを含まないN2培地(F12-GMEM(Invitrogen)、N2 mixture(100 μg/mlのApo-transferin(Sigma社)、50 μg/mlのBSA(Gibco社)、6 ng/mlのProgesterone(Sigma社)、16 μg/mlのPutrescine(Sigma社)、30nMのSodiumSelenite(Sigma社))、10ng/ml のhumanBMP4(R&D社)、103 Unit のLIF(ケミコン社)、1.0 %のL-グルタミン(Invitorogen社)、0.5%のペニスリンストレプトマイシン(Invitorogen社)、0.2 %の2-メルカプトエタノール(Invitorogen社))、インスリンを含むN2培地(上記培地にInsulin(Sigma社)を25 μg/ml加えた培地)、または血清培地(DMEM(ナカライ)、107 Unit のLIF(ケミコン社)、1.0%のL-グルタミン(Invitorogen社)、0.5 %のペニスリンストレプトマイシン(Invitorogen社)、0.2 %の2-メルカプトエタノール(Invitorogen社)、1.0 %のMEM非必須アミノ酸溶液(Invitorogen社)、14.8 %のFCS(Biowest社))を用いて6日間培養し、2日おきに増殖速度を測定した。
その結果、図2に示すように、血清培地中では、野生型ES細胞と#8−7、#8−8ES細胞の増殖速度に差は認められなかったが、インスリンを含むN2培地およびインスリンを含まないN2培地中においては、野生型ES細胞と比較して#8−7、#8−8ES細胞の増殖速度が低下しており、その低下の程度は、インスリンを含まないN2培地において顕著であった。以上の結果よりVisfatinはES細胞の増殖促進に関与していることが示された。
Visfatin KOマウスの胚解析
Visfatin ヘテロ変異(KO)マウスを交配させて、受精後3.5日目の胚盤胞(ブラストシスト)をメス子宮より取り出し、ゲラチンコートを施した4 well Dish(NUNC 社製)に移し、ES培地(DMEM(ナカライ)、107 Unit のLIF(ケミコン社)、1.0%のL-グルタミン(Invitorogen社)、0.5 %のペニスリンスストレプトマイシン(Invitorogen社)、0.2 %の2-メルカプトエタノール(Invitorogen社)、1.0 %のMEM非必須アミノ酸溶液(Invitorogen社)、14.8 %のFCS(Biowest社))で培養を行った。培養は6日間行った。結果を図3に示す。
野生型マウスの場合、培養を開始して2日目位に内部細胞塊がDishの底に接着した。培養開始後3日目くらいから、顕微鏡下でブラストシスト由来の細胞の増殖が認められ、その2日目には内部細胞塊の増殖が中央部分に観察された。内部細胞塊を囲む様に栄養外胚葉の増殖が観察された。一方、Visfatinをホモ欠損したブラストシストを同様の条件で培養しても、内部細胞塊も栄養外胚葉も共に増殖が認められなかった。この結果より、胚(多能性幹細胞)の増殖にはビスファチンが必須であることが明らかとなった。
Visfatin遺伝子導入によるES細胞増殖速度の回復
1)pCAG-IRES-puroの作製
pCX-EGFPをNdeI/EcoRIで処理し、CAGプロモーター部分を切り出したものをpIRES puro(clontech社)のNdeI/EcoRIサイトに挿入して作製した。
2)マウスVisfatinORFを含むプラスミドの作製
マウスVisfatin cDNA全長をコードする配列を増幅するためにマウス肝臓由来のcDNAライブラリー(clontech社)を用いてPCRを行った。得られた断片を、PCR2.1(Invitrogen社)にTA cloning法を用いて組み込んだ。PCR条件は、RF8 ES細胞のRNA (1μg)を鋳型にしてOligo dT primerによって増幅させたRT産物を鋳型にした。プライマーとしては、STMO-mou-S-ORF-1 (配列番号7;ATGAATGCTGCGGCAGAAGCCGAGTT)およびSTMO-mou-AS-770 (配列番号8;TGGTCTTTCCCCCAAGCCGTTATGGT)を使用した。PCRの伸張反応にはKOD プラス(Takara)を使用した。PCRは、DNA変性(94℃、10秒間)に続き、35サイクルの変性(94℃、2秒間)−アニーリング(55℃、2秒間)−伸長(68℃、1分30秒間)、さらに最終伸長(68℃、5分間)の条件で行った。
3)pCAG-visfatin-IRES-puroの作製
前記PCR2.1からEcoRIを用いてVisfatin cDNA ORFを切り出して、pCAG-IRES-puroをEcoRIで処理したものに組み込んだ。
4)pCAG-visfatin-IRES-puroのES細胞への導入
実施例2に準じて#8−7、#8−8、および野生型ES細胞RF8の1クローンの合計3クローンをそれぞれ2000個づつ10cm dish(Gibco社製)にまく。次に前記3)で作製した発現プラスミドpCAG-Visfatin-IRES-puroを、1dish当たり20μgづつ、エレクトロポーレーションにより細胞へ導入する。
具体的には細胞をトリプシンで処理した後、ES培地で中和し、シングルセルになるまでよくピペッティングする。これを800 rpmで5 分間、室温で遠心した後、上清を捨てて800 μlのPBSを加える。この細胞懸濁液に20 μgのDNA(pCAG-Visfatin-IRES-puro)をよく混合し、すぐにキュベットにサンプルをうつし、Bio Rad社の装置ジーンパルサーII 型番1052105を用いて、Volts;;0.25kV, CAP;0.5,uF x1000 の条件でエレクトロポレーションを行う。
エレクトロポーレーション後、2日目から細胞を最終濃度2 μg/mLのピューロマイシンを含む血清培地で10日間培養することで、Visfatin発現プラスミドが導入された細胞を選択する。このようにして取得したVisfatinヘテロKO-ES細胞にVisfatin発現プラスミドを戻しいれたES細胞、VisfatinヘテロKO-ES細胞、および野生型ES細胞について、実施例2に準じてそれぞれ2.5x104個づつ24ウエルプレート(Gibco社製)にまく。その後インスリンを含まないN2培地、インスリンを含むN2培地、および血清培地でぞれぞれ細胞の培養を行う。6日間細胞を培養し、2日おきに増殖速度を測定する。
その結果、血清培地中においてはいずれの細胞の増殖速度にも差はないが、インスリンを含むN2培地およびインスリンを含まないN2培地においては、VisfatinヘテロKO-ES細胞にVisfatin発現プラスミドを戻しいれたES細胞の増殖速度は、VisfatinヘテロKO-ES細胞の増殖速度よりも有意に増加し、野生型ES細胞の増殖速度に近づく。
Visfatin添加によるES細胞増殖速度の回復
実施例2に準じて#8−7、#8−8、および野生型ES細胞RF8の1クローンの合計3クローンをそれぞれ2.5x104個づつ24ウエルプレート(Gibco社製)にまきこむ。インスリンを含まないN2培地およびインスリンを含むN2培地に、WO2002/10772号公報の実施例1から3に記載の方法に従って調製したマウスVisfatinタンパク質(配列番号4)を、終濃度0.1、1、および10μg/mLで添加すること以外は実施例2に記載した方法と同様にして、細胞の培養を行う。6日間細胞を培養し、2日おきに増殖速度を測定する。
インスリンを含むN2培地、インスリンを含まないN2培地のいずれの培地にマウスVisfatinを添加した場合にも、マウスVisfatinを添加しない場合と比較して細胞増殖速度が増加し、野生型ES細胞の増殖速度に近づく。
本発明により、ビスファチンまたはビスファチン遺伝子を有効成分として含有する多能性幹細胞の増殖促進剤が提供される。本発明の増殖促進剤を無血清培地(無血清培養液)に添加することにより、血清非存在下でも多能性幹細胞の培養が可能となる。よって本発明の増殖促進剤は再生医療におけるES細胞の研究および臨床応用において有効に用いられる。
ES細胞およびマウス各組織におけるビスファチン遺伝子の発現をRT-PCRで解析した結果を示す図である。「Visfatin」はビスファチン遺伝子の解析結果を示し、「NAT1」はポジティブコントロールであるNAT1の解析結果を示す。各々RT-PCRによる増幅サイクルを30回繰り返した。レーン左から、逆転写酵素を除いたネガティブコントロール(RT-)、未分化ES細胞(Undifferentiated ES)、分化ES細胞(differentiated ES)、卵巣(ovary)、精巣(Testis)、肺(lung)、心臓(heart)、肝臓(liver)、腎臓(kidney)、脳(brain)、脾臓(spleen)、胸腺(thymus)、小腸(intestine)、皮膚(skin)、筋肉(muscle)、腸間膜脂肪、褐色脂肪、MG1.19細胞、肝臓(liver)、及び精巣周囲脂肪での発現結果を、それぞれ示す。 ビスファチン遺伝子へテロノックアウトES細胞(#8-7および#8-8)の増殖速度を調べた結果を示すグラフである。比較のため野生型ES細胞RF8についても同様の実験を行った。図中、A)は血清培地、B)はインスリンを含まないN2培地、C)はインスリンを含むN2培地で細胞を培養した時の細胞数の変化を示している。 ビスファチンへテロKOマウスを交配させて得られた受精後3.5日目のブラストシストの培養結果を示す顕微鏡写真である。培養1日目、3日目及び5日目の結果を示した。比較のために野生型マウスについても同様の実験を行った。上図:ビスファチンホモ欠損ブラストシストの結果。下図:野生型マウスの結果。
配列番号:5に記載の塩基配列は遺伝子増幅のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:6に記載の塩基配列は遺伝子増幅のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:7に記載の塩基配列は遺伝子増幅のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマーである。
配列番号:8に記載の塩基配列は遺伝子増幅のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマーである。

Claims (5)

  1. ビスファチンまたはビスファチン遺伝子を有効成分として含有する多能性幹細胞の増殖促進剤。
  2. 多能性幹細胞が胚性幹細胞である、請求項1記載の増殖促進剤。
  3. ビスファチンを成分として含有する多能性幹細胞用培養液または培養キット。
  4. 多能性幹細胞が胚性幹細胞である、請求項3記載の培養液または培養キット。
  5. 請求項3または4記載の培養液または培養キットを用いることを特徴とする、多能性幹細胞の培養方法。





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