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JP2008176902A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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JP2008176902A
JP2008176902A JP2007224592A JP2007224592A JP2008176902A JP 2008176902 A JP2008176902 A JP 2008176902A JP 2007224592 A JP2007224592 A JP 2007224592A JP 2007224592 A JP2007224592 A JP 2007224592A JP 2008176902 A JP2008176902 A JP 2008176902A
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Hiroshi Uchiyama
浩 内山
Hisayuki Yamatsu
久行 山津
Norihiro Tanabe
典宏 田部
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

【課題】簡易な構成により安定的に情報の記録又は再生を行い得るようにする。
【解決手段】光情報記録媒体120は、有機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層121に対して、光情報記録再生装置20により記録光ビームL22cが目標位置に集光され高温化されることにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成して屈折率の差異により反射率が高い記録マークRMを形成し、また当該記録マークRMにおいて反射した充分な光量でなる戻り光ビームL23を検出させることにより、当該記録マークRMの有無により表される情報を安定的に読み出させることができる。
【選択図】図12

Description

本発明は光情報記録媒体に関し、例えば光ビームを用いて情報が記録され、また当該光ビームを用いて当該情報が再生される光情報記録媒体に適用して好適なものである。
従来、光情報記録媒体としては、円盤状の光ディスクが広く普及しており、一般にCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びBlu−ray Disc(登録商標、以下BDと呼ぶ)等が用いられている。
一方、かかる光ディスクに対応した光ディスク装置では、音楽コンテンツや映像コンテンツ等の各種コンテンツ、或いはコンピュータ用の各種データ等のような種々の情報を当該光ディスクに記録するようになされている。特に近年では、映像の高精細化や音楽の高音質化等により情報量が増大し、また1枚の光ディスクに記録するコンテンツ数の増加が要求されているため、当該光ディスクのさらなる大容量化が求められている。
そこで、光ディスクを大容量化する手法の一つとして、2系統の光ビームを干渉させて記録媒体内に微小なホログラムを形成することにより、情報を記録するようになされたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−78834公報(第1図)
しかしながら、かかる光ディスクを用いる光ディスク装置は、回転され振動する光ディスクの情報を記録したい箇所に2種類の光ビームの焦点位置を同時に合わせるといった高度な制御が必要となり、その構成が複雑になってしまうため安定した情報の記録又は再生が困難であるという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成により安定的に情報の記録又は再生を行い得る光情報記録媒体を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明の光情報記録媒体においては、光重合性、光架橋性又はその両方の性質を有する樹脂からなり、所定の初期化光が照射され上記樹脂が硬化された後、情報の記録時に、所定の記録光が集光され当該記録光の焦点近傍における温度が上昇することにより記録マークとしての空洞を形成し、情報の再生時に所定の読出光の照射に応じた戻り光を基に当該情報を再生させる記録層を設けるようにした。
光情報記録媒体は、記録光が集光された際に空洞による記録マークを形成することにより、当該記録マークに読出光が照射された際に樹脂と空洞とにおける屈折率の差異により当該読出光を反射し、当該読出光が反射されたか否かを基に高品質な再生信号を得ることができる。
本発明によれば、記録光が集光された際に空洞による記録マークを形成することにより、当該記録マークに読出光が照射された際に樹脂と空洞とにおける屈折率の差異により当該読出光を反射し、当該読出光が反射されたか否かを基に高品質な再生信号を得ることができ、かくして簡易な構成により安定的に情報の記録又は再生を行い得る光情報記録媒体を実現できる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)光情報記録再生装置の構成
図1において第1の実施の形態による光情報記録再生装置1は、全体として光情報記録媒体100に対して光を照射することにより情報を記録し、また当該情報を再生するようになされている。
光情報記録再生装置1は、CPU(Central Processing Unit)構成でなる制御部2により全体を統括制御するようになされており、図示しないROM(Read Only Memory)から基本プログラムや情報記録プログラム、情報再生プログラム等の各種プログラムを読み出し、これらを図示しないRAM(Random Access Memory)に展開することにより、情報記録処理や情報再生処理等の各種処理を実行するようになされている。
制御部2は、初期化光源3を制御することにより、当該初期化光源3から例えば波長532[nm]の初期化光L1を出射させ、当該初期化光L1をテーブル4上に固定された板状の光情報記録媒体100に対して照射させるようになされている。
因みに初期化光源3としては、固体レーザや半導体レーザ等の高い光パワーを照射し得る光源が用いられるようになされている。
また初期化光源3は、図示しない駆動部を有しており、制御部2の制御により、x方向(図中の右方向)及びy方向(図の手前方向)に自在に移動し、光情報記録媒体100に対して適切な位置から初期化光L1を一様に照射し得るようになされている。
一方、制御部2は、光ピックアップ5を制御することにより、当該光ピックアップ5から光情報記録媒体100に対して光を照射させ、また当該光情報記録媒体100から戻ってきた光を受光するようになされている。
光ピックアップ5は、制御部2の制御に基づき、レーザダイオードでなる記録再生光源10から例えば波長532[nm]の光ビームL2を出射させ、当該光ビームL2をコリメータレンズ11により発散光から平行光に変換した上でビームスプリッタ12に入射させるようになされている。
因みに記録再生光源10は、制御部2の制御に従い、光ビームL2の光量を調整し得るようになされている。
ビームスプリッタ12は、反射透過面12Sにより光ビームL2の一部を透過させ、対物レンズ13へ入射させる。対物レンズ13は、光ビームL2を集光することにより、光情報記録媒体100内に合焦させるようになされている。
また対物レンズ13は、光情報記録媒体100から戻り光ビームL3が戻ってきた場合、当該戻り光ビームL3を平行光に変換し、ビームスプリッタ12へ入射させる。このときビームスプリッタ12は、戻り光ビームL3の一部を反射透過面12Sにより反射し、集光レンズ14へ入射させる。
集光レンズ14は、戻り光ビームL3を集光して受光素子15の受光面に合焦させる。これに応じて受光素子15は、戻り光ビームL3の光量を検出し、当該光量に応じた検出信号を生成して制御部2へ送出する。これにより制御部2は、検出信号を基に戻り光ビームL3の検出状態を認識し得るようになされている。
ところで光ピックアップ5は、図示しない駆動部が設けられており、制御部2の制御により、x方向、y方向及びz方向の3軸方向に自在に移動し得るようになされている。実際上、制御部2は、当該光ピックアップ5の位置を制御することにより、光ビームL2の焦点位置を所望の位置に合わせ得るようになされている。
このように光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100に対して初期化光L1を照射し得ると共に、光情報記録媒体100内の任意の箇所に対して光ビームL2を集光し、また当該光情報記録媒体100から戻ってくる戻り光ビームL3を検出し得るようになされている。
(1−2)光情報記録媒体の構成
図2(A)及び(B)に示すように、光情報記録媒体100は、平板状に形成され情報を記録するための記録層101を平板状の基板102及び103により両面から挟んだような構成を有している。
記録層101は、光重合型フォトポリマでなり、その内部にモノマ及びオリゴマが均一に分散している。この記録層101は、光が照射されると、照射箇所においてモノマ及びオリゴマが重合する(すなわち光重合する)ことによりポリマ化し、これに伴い屈折率が変化するといった性質を有している。また記録層101は、光の照射によりポリマ同士の間に「橋架け」を行い分子量を増加させる、いわゆる光架橋が生じることにより、さらに屈折率が変化する場合もある。
因みに記録層101を構成する光重合型フォトポリマは、2種類の光を干渉させたときに生じる干渉縞をホログラムとして記録する、いわゆるホログラムメディアとして用いられることもある。この場合、光重合型フォトポリマには、干渉縞における光強度の大きい箇所における屈折率及び反射率を変化させることにより、当該干渉縞を情報として記録することができる。
実際上、記録層101の一部或いは大部分を構成する光重合型又は光架橋型或いはその両方の性質を有する樹脂(以下、これを光反応型樹脂と呼ぶ)は、例えばラジカル重合化合物と光重合開始剤より構成され、あるいはカチオン重合化合物とカチオン発生形光重合開始剤より構成されている。またこの光反応型樹脂及び光重合開始剤、このうち特に光重合開始剤は、その材料が適切に選定されることにより、光重合を生じやすい波長を所望の波長に調整することも可能である。
基板102及び103は、いずれもガラス板でなり、上述した光ビームL2及び戻り光ビームL3を充分に透過するようになされている。因みに基板102及び103は、x方向の長さdx及びy方向の長さdyがそれぞれ約30〜80[mm]程度の正方形又は長方形状となっており、z方向の厚さt2及びt3が約1[mm]となっている。
また記録層101は、材料の性質上比較的柔らかく、基板102及び103に挟まれることにより、当該基板102及び103と同様にx方向の長さdx及びy方向の長さdyがそれぞれ約30〜80[mm]程度、z方向の厚さt1が約0.3〜1.0[mm]の薄い正方形板状又は長方形板状に形成されている。
このように光情報記録媒体100は、光重合型フォトポリマでなる記録層101を透明な基板102及び103により挟んでおり、全体として薄い板状に構成されている。
(1−3)情報の記録及び再生
次に、光情報記録再生装置1による光情報記録媒体100に対する情報の記録、及び当該光情報記録媒体100からの情報の再生について説明する。
実際上、光情報記録再生装置1は、大きく分けて、光情報記録媒体100の初期化(図3(A))、当該光情報記録媒体100に対する情報の記録(図3(B))、及び当該光情報記録媒体100からの情報の再生(図3(C))といった3段階の処理を行い得るようになされている。
(1−3−1)光情報記録媒体の初期化
光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100に情報を記録する前準備として、当該光情報記録媒体100全体又はその一部を初期化するようになされている。この場合、光情報記録再生装置1は、図3(A)に示したように、初期化光源3から初期化光L1を光情報記録媒体100の片面側から照射することにより、記録層101の初期化(プリキュア)を行う。
このとき記録層101では、初期化光L1が照射された部分において光重合反応又は光架橋反応或いはその両方の反応(以下、これらをまとめて光反応と呼ぶ)が生じることにより、内部でモノマが重合しポリマ化するため、初期化光の照射前と比較して屈折率が変化する。
因みに記録層101は、初期化光L1が照射された部分においてほぼ均一に光反応が生じるため、屈折率が一様となる。すなわち光情報記録媒体100は、例えば光を照射したときの戻り光の光量と符号「0」又は「1」とを対応付ける場合、この段階では光情報記録媒体100のいずれの箇所においても一様の符号「0」(又は符号「1」)となるため、情報が一切記録されていないことになる。従って光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100をプリフォーマットすることにもなる。
なお初期化光源3は、光情報記録媒体100と同等の面積に渡って同時に初期化光L1を照射する以外にも、例えば比較的小さい面積に対して初期化光L1を照射する小型の初期化光源を用いて光情報記録媒体100の一部のみを初期化し、或いは当該小型の初期化光源を当該光情報記録媒体100に対して適宜移動させることにより、記録層101の全体を初期化する等しても良い。
因みに光情報記録再生装置1においては、初期化光L1をレンズ等により集光して記録層101に照射することも考えられるが、均一な初期化を図るべく、初期化光L1を平行光のまま当該記録層101に照射することが望ましい。また初期化光源3としては、高圧水銀灯(例えば主波長成分365[nm])、高圧メタハラ灯、固体レーザや半導体レーザ等の高い光パワーを照射し得る光源を用いることが可能である。
(1−3−2)情報の記録
光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100に対して情報を記録する際、図3(B)に示したように、記録用の光ビームL2(以下、これを記録光ビームL2cと呼ぶ)を記録層101内に集光する。この場合、光情報記録再生装置1は、光ピックアップ5(図1)のx方向、y方向及びz方向の位置を制御することにより、記録光ビームL2c(図3(B))を記録層101内の目標とする位置(以下、これを目標位置と呼ぶ)に合焦させる。
このとき記録層101内の目標位置では、記録光ビームL2cが集光されることにより温度が局所的に上昇し、フォトポリマが変質する。
ここで、初期化により光重合が完了した光情報記録媒体100内における温度変化のシミュレーションを行ったところ、図4に示すような温度分布特性が得られた。
このシミュレーションでは、フォトポリマの熱伝導率が0.20[W/mK]、温度拡散率が7.4x10−8[m/sec]、波長532[nm]における吸収係数が2x10−4であるものとし、また対物レンズ13のNA(Numerical Aperture:開口数)を0.5、記録光ビームL2cの波長を532[nm]、光パワーを500[mW]として、室温25[℃]において当該記録光ビームL2cを1[μsec]の間照射した場合における、目標位置を中心としたz方向に関する温度分布を算出した。
この図4から、光情報記録媒体100内では、記録光ビームL2cが照射されることにより、目標位置を中心とした約4[μm]の局所的な範囲で、温度が約180[℃]を超える高温に達することがわかる。記録層101を構成するフォトポリマは、ガラス転移点が約100[℃]〜120[℃]付近にあると想定されるため、当該目標位置近傍の温度は、当該ガラス転移点を確実に超えており、何らかの状態変化が生じていると考えられる。この場合、温度の上昇に加えて、記録光ビームL2cが光として照射されていることが起因している可能性も考えられる。
また、記録層101に有機金属化合物または無機金属化合物が含まれる場合、光情報記録媒体100内では、集光時の熱により当該有機金属化合物または無機金属化合物により焦点近傍の温度を効率よく上昇させるとも想定される。または、記録層101内において、有機金属化合物若しくは無機金属化合物が変質して金属化合物を生成し、当該金属化合物が焦点近傍の温度を効率よく上昇させるとも想定される。
さらに、光情報記録媒体100内において、記録層101を構成する材料が記録光ビームL2cによる光化学反応又は光化学反応及び熱化学反応の双方により変質し、空洞を生じたとも考えられる。このとき光情報記録媒体100内では、有機金属化合物、無機金属化合物または生成された金属化合物により、当該光化学反応又は熱化学反応が促進されるとも想定される。
いずれの場合においても、光情報記録媒体100内の目標位置付近に形成された空洞は、周囲の材料(すなわち記録層101を構成する材料)と屈折率が異なるため、その境界面における光の反射率が高められることとなる。
この結果、図3(B)に示したように、目標位置付近にフォトポリマが変質してなる記録マークRMが形成される。因みに、この記録マークRMは、目視では確認することが困難であった。
実際上、光情報記録再生装置1は、例えば2値化された情報が値「1」の時には記録マークRMを記録し、反対に当該情報が値「0」の時には記録マークRMを記録しないよう対応付けることにより、光情報記録媒体100に対して情報の記録を行うことができる。
(1−3−3)情報の再生
光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100から情報を読み出す際、図3(C)に示したように、読出用の光ビームL2(以下、これを読出光ビームL2dと呼ぶ)を記録層101内に集光する。この場合、光情報記録再生装置1は、情報を記録する場合と同様、光ピックアップ5(図1)のx方向、y方向及びz方向の位置を制御することにより、読出光ビームL2d(図3(B))を記録層101内の目標位置に合焦させる。
光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100から戻り光ビームL3(以下、これを再生光とも呼ぶ)が戻ってきた場合、対物レンズ13及びビームスプリッタ12等を介して当該戻り光ビームL3を受光素子15により検出する。
ここで受光素子15は、光情報記録媒体100の目標位置に記録マークRMが記録されていなかった場合、すなわち目標位置が初期化されたままの状態であった場合、図5(A)に示すように、非常に微弱な戻り光ビームL3を検出した。因みに図5(A)〜(C)では、戻り光ビームL3が強い部分を白く、弱い部分を黒く示している。
これに対して受光素子15は、光情報記録媒体100の目標位置に記録マークRMが記録されていた場合、図5(B)に示すように、非常に強い輝度の戻り光ビームL3を検出することができた。
因みに図5(B)は、光情報記録媒体100を初期化する際、初期化光L1の波長を532[nm]、光パワー密度を2[mW/cm]、初期化時間を30[min]とした上で、情報の記録及び再生に用いた光ビームL2の波長を同様に532[nm]、対物レンズ13のNAを0.5として、記録光ビームL2cの光パワーを450[mW]、記録時間を1[sec]とし、読出光ビームL2dの光パワーを50[μW]としたときの受光結果を表している。
因みに、受光素子15により検出された記録マークRMからの戻り光ビームL3は、光情報記録媒体100に一般的なμ(マイクロ)ホログラムが形成された場合に検出し得る再生光と比較して、強い輝度を有している。
このように光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100を初期化した上で、目標位置に対する情報の記録操作を行うことにより、当該目標位置における反射率の向上という形で情報が記録され、また当該目標位置に対して情報の再生操作を行うことにより、記録された情報を再生し得ることが確認できた。
この場合、光情報記録媒体100では、記録層101を構成するフォトポリマのうち記録光ビームL2cが集光されて局所的に温度上昇した部分(すなわち目標位置付近)が変質し、その屈折率が変化した結果、反射率が向上した(すなわち記録マークRMが形成された)ものと考えられる。
ここで、読出光ビームL2dが記録マークRMにより反射されてなる戻り光ビームL3の光強度の分布をx方向、y方向及びz方向についてそれぞれ測定したところ、図6(A)及び(B)に示すような結果が得られた。ここで特性曲線Sx、Sy及びSzは、目標位置を中心に読出光ビームL2dの焦点をそれぞれx方向、y方向及びz方向に関して変位させたときに、受光素子15により得られた信号強度(すなわち光強度)の分布を示している。
この場合、光情報記録再生装置1は、記録層101の厚さt1が0.3[mm]でなる光情報記録媒体100に対して、図5(A)の場合とレーザ光により初期化した後、当該記録層101と基板102との境界面からz方向に0.1[mm]となる位置を目標位置として、対物レンズ13のNAを0.4とし、記録光ビームL2cの波長を532[nm]、光パワー90[mW]、記録時間3[sec]として記録マークRMを記録した。また光情報記録再生装置1は、読出光ビームL2dの波長を532[nm]、光パワーを7[μW]とした。
図6(A)及び(B)の分布特性から、記録マークRMは、全体的に楕円体に近似した形状に形成されており、xy平面における直径が約1[μm]、z方向に関する高さが約10[μm]程度となっていることがわかる。
実際上、光情報記録再生装置1は、戻り光ビームL3の信号強度を基に、例えば当該信号強度が高く目標位置に記録マークRMが記録されていることを検出した場合に当該目標位置に記録された情報が値「1」であると認識し、当該信号強度が低く当該目標位置に当該記録マークRMが記録されていないことを検出した場合に当該目標位置に記録された情報が値「0」であると認識することにより、光情報記録媒体100に記録されている情報を読み出すことができる。
因みに、記録層101において光重合型フォトポリマが変質して反射率が変化する部分、すなわち記録マークRMを形成する部分は、記録光ビームL2cの焦点付近に局在することになる。従って光情報記録再生装置1は、対物レンズ13による回折限界の性能が得られる場合、当該対物レンズ13の開口数(NA)を大きくするほど、当該記録マークRMを小さく形成することができ、記録層101における記録密度を向上させることができる。
一方、実験的に、初期化光源3としてレーザに代えてLED(Light Emitting Diode)を用いた場合、図5(C)に示すように、比較的弱い戻り光ビームL3を検出することができた。この図5(C)は、光情報記録媒体100を初期化する際に初期化光源3として緑色のLEDを使用し、光パワー密度を2[mW/cm]、初期化時間を60[min]とした上で、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dを図5(B)の場合と同様にしたときの受光結果を表している。
この場合、図5(C)からも明らかなように、戻り光ビームL3の強度が弱くSNR(Signal to Noise Ratio)が悪くなるという結果が得られた。
また、光情報記録再生装置1において、光情報記録媒体100の初期化を行わず、情報を記録する際に記録光ビームL2cを目標位置に集光して照射することによりモノマを光重合させてポリマ化し、さらに当該記録光ビームL2cにより高温化し変質させて記録マークRMを形成する、といった手法も考えられるが、記録条件が時間的・空間的に変化するため、安定した情報の記録が困難となることが予想される。
このように第1の実施の形態による光情報記録媒体100では、レーザ光を用いて初期化処理が行われた場合に、記録光ビームL2cが合焦された箇所における反射率の変化が最も顕著に現れることが確認された。
(1−3−4)多層記録の再生
次に、図5(B)に示した場合と同様の初期化処理を行った光情報記録媒体100に対して、目標位置のz方向の位置を段階的に変化させることにより、記録マークRMが3次元方向に並ぶ多層記録(いわゆる体積型記録)を行い、このときの各記録マークRMからの戻り光ビームL3(すなわち再生光)を測定した。
具体的には、まず光情報記録再生装置1によって、光ピックアップ5のx方向、y方向及びz方向における位置を変化させることにより記録層101内の目標位置を3次元方向に変化させながら、10層に渡って記録マークRMを層状に記録した。この場合、各層(以下、それぞれをマーク記録層と呼ぶ)におけるxy平面上の記録マークRMの間隔を5[μm]、マーク記録層同士の間隔を30[μm]とした。
次に、光情報記録再生装置1によって、光情報記録媒体100の各マーク記録層に読出光ビームL2dをそれぞれ合焦させるよう照射し、戻り光ビームL3を検出した。このときの1層目(基板102に最も近い側)、3層目、5層目、7層目及び9層目における戻り光ビームL3の検出結果を、図7(A)、(B)、(C)、図8(A)及び(B)にそれぞれ示す。
因みに図7(A)〜(C)並びに図8(A)及び(B)では、縦軸方向に信号強度を示し、横軸方向にx方向の位置を示しており、各マーク記録層において読出光ビームL2dの焦点位置をx方向に移動させたときの信号強度の測定結果をそれぞれ表している。
これらの図7(A)〜(C)並びに図8(A)及び(B)から明らかなように、光情報記録媒体100における1層目から10層目までのいずれのマーク記録層についても、記録マークRMが形成された箇所と当該信号マークRMが形成されていない箇所(初期化されただけの箇所)との信号強度の差が顕著に現れている。
すなわち光情報記録再生装置1は、多層記録により少なくとも10層に渡ってマーク記録層を構成した場合において、各層に記録された記録マークRMを必要充分な信号強度の戻り光ビームL3として検出することにより良好な再生信号を得ることができ、各記録マークRMの有無、すなわち情報として値「0」又は値「1」のいずれが記録されているかを高い精度で読み出すことができる。
(1−4)動作及び効果
以上の構成において、第1の実施の形態による光情報記録再生装置1は、光重合型フォトポリマでなる記録層101を有する光情報記録媒体100に対して、まず初期化光源3から初期化光L1を全体的に又は部分的に照射することにより予め初期化処理を行う。
次に光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100における記録層101内の目標位置に対して比較的強い光強度でなる記録光ビームL2cを集光することにより記録マークRMを記録し、その後当該目標位置に対して比較的弱い光強度でなる読出光ビームL2dを集光し、当該記録マークRMにおいて反射された充分な光量でなる戻り光ビームL3を受光する。
従って光情報記録再生装置1は、初期化光L1を照射して光情報記録媒体100の記録層101を予め初期化することにより、記録マークRMを確実に記録し得ると共に、当該記録マークRMを正しく読み出すことができる。
この場合、光情報記録再生装置1は、初期化処理として光重合型フォトポリマでなる記録層101に光反応、すなわち光重合反応又は光架橋反応或いはその両方の反応を生じさせることにより、記録マークRMの形成に適した状態とすることができ、いわば「情報記録の下地をつくる」ことができる。
また光情報記録再生装置1は、記録層101の目標位置に対して記録光ビームL2cを集光し、当該目標位置近傍を非常に高温化させることにより、又は当該高温化に加えて光を照射していることにより、光重合型フォトポリマを変質させることができ(図4)、この結果、光の反射率が高い記録マークRMを形成し、情報として記録することができる。
このため光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100に対して読出光ビームL2dを照射した場合、記録マークRMからは、当該記録マークRMが形成されていない箇所、すなわち初期化されたままの箇所と比較して、極めて強い戻り光ビームL3を検出することができる。これを換言すれば、光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100からSNRが極めて高い再生信号を得ることができ、情報を精度良く安定的に再生することができる。
さらに光情報記録再生装置1は、光情報記録媒体100に対してマーク記録層を多層に渡って構成した場合にも、各層から記録マークRMの有無を明確に認識し得るような十分なSNRの再生信号を得ることができる(図7及び図8)。
この場合、光情報記録再生装置1は、記録光ビームL2cの焦点位置をz方向(図1)に段階的に変位させることにより、記録層101内に複数のマーク記録層を構成する、いわゆる体積型記録を行うことができる。従って、光情報記録媒体100の記録層101については、マーク記録用の物理的な層を予め形成しておく必要がなく、z方向(図2)に関しても光重合型フォトポリマが一様に存在していれば良いため、例えば金属製のスタンパから信号を転写した樹脂と反射膜とでなる記録層を物理的に積層させるような場合と比較して、容易に製造することができる。
ところで、一般に光重合型フォトポリマ内にホログラムを形成する光情報記録再生装置は、いわゆるポジ型μホログラムの記録を行う場合、特に初期化等の処理を行わず、情報を記録する箇所(すなわち目標位置)に対して局所的に光の干渉縞を形成することにより、当該干渉縞における光強度の強い部分のみで光反応を生じさせ、当該干渉縞をホログラムとして記録することになる。
このポジ型μホログラムの場合、光情報記録再生装置は、情報を再生する際、読出光を照射した際にホログラムから再生光が戻り、それ以外の箇所からは再生光が生じないことを基に、情報として値「0」又は値「1」のいずれが記録されているかを認識することができる。
また、いわゆるネガ型μホログラムの場合、光情報記録再生装置は、光重合型フォトポリマ内の情報記録領域全体に渡って光の干渉縞を形成し、当該干渉縞を記録することにより初期化を行った上で、情報を記録する箇所(すなわち目標位置)に対して局所的に光を集光することにより、当該目標位置における光重合型フォトポリマの温度を上昇させ、変質させることにより局所的にホログラムを破壊することになる。
このネガ型μホログラムの場合、光情報記録再生装置は、情報を再生する際、読出光を照射した際にホログラムから再生光が戻り、ホログラムを破壊した箇所からは再生光が殆ど戻らないことを基に、情報として値「0」又は値「1」のいずれが記録されているかを認識することができる。
これに対して光情報記録再生装置1は、ホログラムを用いる場合と比較して、光の干渉縞を正確に生成するための極めて高精度なサーボ制御が不要となり、構成を簡易化することができる。またホログラムを用いる場合には、情報の値「0」又は値「1」を正しく判別するために、光情報記録媒体における光に対する感度を高精度に調整する必要があるものの、本願発明の場合はこのような調整が不要となり、光情報記録媒体100を比較的容易に製造することができる。
また本発明による情報の記録及び再生は、光情報記録媒体に対する初期化処理を行う点でポジ型μホログラムとは明確に異なり、高精度のサーボ制御が不要となり構成を簡易化できる点で当該ポジ型μホログラムよりも有利である。
さらにネガ型μホログラムと比較した場合、一様に光反応を生じさせる、いわゆるプリキュアを行う点と、記録光を照射し情報を記録した箇所から再生光が戻らないのではなく強い再生光が戻る点とで大きく異なっており、特に初期化処理の際に高度な制御等が要求されるホログラムを形成する必要がなく、また当該初期化の際と記録又は再生の際とで異なる波長の光を用いることができる点で、当該ネガ型μホログラムよりも有利である。
例えば、初期化光源3として記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dと同様の波長でなるレーザ光を出射する緑色レーザや青色レーザ等を用いる場合、一般に高出力化が困難であることから、広面積の初期化には長時間を要する可能性が高い。これに比べて本発明の光情報記録再生装置1では、記録層101が反応する波長の範囲において、高出力が可能なレーザを初期化光源3として用いることができるので、広面積の初期化を比較的短い時間で完了することができる。
ところで、2光子吸収を利用した体積記録を行う手法も提案されているが、安定した記録を行い得る記録媒体が未だ開発途上であり、またフェムト秒レーザのような単パルスハイパワーレーザが必要となってしまい、光情報記録再生装置の構成が複雑化してしまうといった問題がある。
これに対して本願発明の光情報記録再生装置1は、半導体レーザ等を用いることにより複雑化することなく一般的な光ディスク装置に類似した構成とすることができ、また光情報記録媒体100を用いて安定した記録マークRMの記録及び再生を実際に確認することができた。
また、いわゆるボリュームホログラムによる情報記録では、多重記録が進んだ場合にメディアノイズの発生を抑えることが難しく、また主に用いられているフォトポリマメディア(記録媒体)の扱いが難しいといった問題があり、さらに多画素からなる空間変調器やイメージセンサ等を用いる必要があるために光情報記録再生装置の構成が複雑になるという問題もあるが、本願発明による光情報記録再生装置1では、原理的にこれらの問題が生じることがない。
以上の構成によれば、第1の実施の形態による光情報記録再生装置1は、光重合型フォトポリマでなる記録層101を有する光情報記録媒体100に対して予め初期化処理を行い、当該記録層101内の目標位置に対して比較的強い光強度でなる記録光ビームL2cを集光し高温化することにより記録マークRMを記録し、その後当該目標位置に対して比較的弱い光強度でなる読出光ビームL2dを集光し、当該記録マークRMにおいて反射された充分な光量でなる戻り光ビームL3を受光することにより、記録マークRMを確実に記録し得ると共に、当該記録マークRMを安定的に読み出すことができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)光情報記録再生装置の構成
図1との対応部分に同一符号を付した図9において、第2の実施の形態による光情報記録再生装置20は、制御部2(図1)と対応する制御部21により全体を統括制御するようになされている。
また光情報記録再生装置20は、記録再生光源10及び対物レンズ13を有する光ピックアップ5に代えて、記録再生光源22及び対物レンズ23を有する光ピックアップ25が設けられている点、及び初期化光源3が省略されている点が異なるものの、他は光情報記録再生装置1(図1)と同様に構成されている。
(2−2)光情報記録媒体の構成
一方、第2の実施の形態では、光情報記録媒体100に代えて光情報記録媒体120を用いるようになされている。この光情報記録媒体120は、図10(A)〜(C)に示すように、基板122及び123の間にスペーサ124を挟み、当該スペーサ124内に設けられた内部空間124Aに記録層121を形成することにより、全体としてフォトポリマメディアとして機能するようになされている。
基板122及び123は、第1の実施の形態における基板102及び103と同様にガラス基板でなり、光を高い割合で透過させるようになされている。また基板122及び123は、x方向の長さdx及びy方向の長さdyがそれぞれ約30〜80[mm]程度、厚さt22及びt23が約1.1[mm]でなる正方形板状又は長方形板状に構成されている。
またスペーサ124は、基板122及び123に合わせてx方向の長さdx及びy方向の長さdyがそれぞれ約30〜80[mm]程度でなり、厚さt21が約0.5[mm]のPET(Polyethylene Terephthalate)樹脂でなる。またスペーサ124は、図10(A)に示したように、内部において長方形状の断面がz方向に貫通するような、すなわち直方体状にくりぬかれた内部空間124Aを有している。
記録層121は、基板122及び123の間にスペーサ124が挟まれた状態で内部空間124Aに後述する液状材料M1が展開され、図11に示す初期化装置80において、初期化光源81から照射される初期化光L21により初期化されるようになされている。因みに初期化光源81としては、初期化光源3と同様、高圧水銀灯、高圧メタハラ灯、固体レーザや半導体レーザ等の高い光パワーを照射し得る光源を用いることが可能である。
記録層121には、有機、あるいは無機金属化合物含有の光反応型樹脂が均一に分散している。この記録層121は、初期化前の段階では、光が照射されると、照射箇所において光反応樹脂が重合または架橋、あるいは両方の反応が進む(すなわち光反応する)ことにより分子量が増加し、また硬化し、これに伴い屈折率が変化するといった性質(以下、これを光反応性と呼ぶ)を有している。
具体的に記録層121は、アクリル酸エステルモノマ(p−クミルフェノールエチレンオキシド付加アクリル酸エステル)とウレタン2官能アクリレートオリゴマを40:60(重量比)、モノマ及びオリゴマに対する重量比2[%]の有機金属化合物であり光重合開始剤でもある(ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(チバ・スペシャルティ・ケミカルズIRGACURE(登録商標)−784、以下これをIrg−784と呼ぶ)が暗室化において混合脱泡され(以下、これを液状材料M1と呼ぶ)、スペーサ124の内部空間124Aに展開されて基板122及び123の間に挟み込まれた上で、高圧水銀灯でなる初期化光源81により初期化光L21(波長365[nm]においてパワー密度30mW/cm)が60[min]照射されることにより光硬化されている。
この初期化処理において記録層121は、全体的に光反応が生じることにより、第1の実施の形態における初期化(プリキュア)処理と同様に、内部で樹脂が光反応し、内部空間124Aの形状に基づく薄い正方形板状又は長方形板状に形成される。
この結果、記録層121は、初期化光の照射前と比較して、屈折率が全体的に変化することになる。因みに記録層121は、光硬化された状態においてほぼ透明となり、照射される光を高い割合で透過させるようになされている。
このように光情報記録媒体120は、全体として薄板状に構成されると共に光をほぼ透過するように構成され、初期化処理により記録層121内部の樹脂が重合又は架橋或いはその両方をし、さらに当該記録層121内に少量の有機金属化合物が含まれるようになされている。
(2−3)情報の記録及び再生
次に、第2の実施の形態における光情報記録媒体120に対する情報の記録、及び当該光情報記録媒体120からの情報の再生について説明する。
光情報記録再生装置20は、光情報記録媒体120に対して情報を記録する際、図12(A)に示すように、記録再生光源22(図9)からの記録光ビームL22cを記録層121内に集光する。この場合、光情報記録再生装置20は、光ピックアップ25(図9)のx方向、y方向及びz方向の位置を制御することにより、記録光ビームL22c(図12(A))を記録層121内の目標とする位置(すなわち目標位置)に合焦させる。
具体的に光情報記録再生装置20は、記録層121の表面から深さ100[μm]となる位置を目標位置とし、記録再生光源22から波長402[nm]、光パワー20[mW]のレーザ光でなる記録光ビームL22cを射出し、これをNA(Numerical Aperture)=0.35の対物レンズ23により集光し、照射時間を1[sec]として目標位置に対して照射した。
また光情報記録再生装置20は、情報を再生する際、図12(B)に示すように、記録再生光源22から記録光ビームL22cと同波長でなり光パワーが200[μW]でなる読出光ビームL22dを出射し、対物レンズ23により記録層121内の記録マークRMに集光させる。
このとき読出光ビームL22dは、記録マークRMにより反射され、戻り光ビームL23となる。光情報記録再生装置20は、対物レンズ23及びビームスプリッタ12等を介して当該戻り光ビームL23をCCD(Charge Coupled Device)でなる受光素子15により検出する。
受光素子15は、図13(A)に示すように、第1の実施の形態(図5(A))と同様に強い輝度でなる戻り光ビームL23を検出することができた。
これは、記録層121内の目標位置近傍では、記録光ビームL22cが集光されることにより局所的に温度が上昇していたため、有機金属化合物が熱反応又は熱反応及び光反応の双方により空洞が生じているものと考えられる。
すなわち記録層121では、有機金属化合物を含有する樹脂のうち、記録光ビームL22cが集光されて局所的に高温化した部分に空洞ができ、記録層121の材料とこの空洞とにおける屈折率の差異により反射率が向上したものと推察される。
ここで、記録層121に複数の記録マークRMを形成し、その断面を走査型顕微鏡により撮影したSEM(Scanning Electron Microscope)像を図14に示す。この図14から、記録マークRMは球ないし回転楕円体に近い形状の空洞でなることがわかる。
さらに各記録マークRMの界面は、顕著な凹凸が無く滑らかであることから屈折率が急峻に変化することが予想され、これにより非常に高い反射率を有することも予想される。
かくして記録層121内の目標位置近傍は、空洞でなる記録マークRMが形成され、情報が記録されたことになる。因みに、この記録マークRMは、目視では確認することが困難であった。
一方、記録マークRMを記録しなかった箇所(すなわち未記録部分)からは、図13(B)に示すように非常に微弱な戻り光ビームL23を検出した。すなわち光情報記録再生装置20は、第1の実施の形態と同様に、光情報記録媒体120から情報を再生する際、記録マークRMの有無に応じて戻り光ビームL23の検出強度が大きく異なることがわかる。
このことは、例えば光情報記録再生装置20が符号「0」又は「1」を記録マークRMの有無と対応付けることにより光情報記録媒体120に情報を記録し得ると共に、その情報を再生した場合に、そのときの目標位置に記録マークRMが記録されているか否か、すなわち情報として符号「0」又は「1」のいずれが記録されているかを高い精度で判別し得ることを表している。
このように光情報記録媒体120は、有機金属化合物が配合されると共に予め光硬化された記録層121に対し、光情報記録再生装置20により記録光ビームL22cが集光され高温化されることにより、空洞でなる記録マークRMを形成する情報記録を行わせることができる。また光情報記録媒体120は、光情報記録再生装置20により当該記録マークRMに読出光ビームL22dが照射されることにより、強い輝度でなる戻り光ビームL23を検出させる情報再生を行わせることができる。
(2−4)多層記録の再生
次に、光情報記録媒体120に対して、第1の実施の形態と同様に、目標位置のz方向の位置を段階的に変化させることにより、空洞でなる記録マークRMが3次元方向に並ぶ多層記録(すなわち体積型記録)を行い、このときの各記録マークRMからの戻り光ビームL3(すなわち再生光)を測定した。
具体的には、まず光情報記録再生装置20によって、光ピックアップ25のx方向、y方向及びz方向における位置を変化させることにより記録層121内の目標位置を3次元方向に変化させながら、12層に渡って記録マークRMを層状に記録した。この場合、各マーク記録層におけるxy平面上の記録マークRMの間隔を3[μm]、マーク記録層同士の間隔を22.5[μm]とした。
次に、光情報記録再生装置20によって、光情報記録媒体120の各マーク記録層に読出光ビームL22dをそれぞれ合焦させるよう照射し、戻り光ビームL23を検出した。具体的には、光情報記録媒体120への情報の記録及び再生に用いた記録光ビームL22c及び読出光ビームL22dの波長を405[nm]とし、記録光ビームL22cの光パワーを10[mW]、記録時間を2〜5[sec]とし、また読出光ビームL22dの光パワーを1[mW]として、さらに対物レンズ23のNAを0.35とした。
このときの2層目(基板102に近い側)、5層目、8層目及び11層目における戻り光ビームL23の検出結果を、図15(A)及び(B)並びに図16(A)及び(B)にそれぞれ示す。
因みに図15(A)及び(B)並びに図16(A)及び(B)では、図7及び図8と同様、縦軸方向に信号強度を示し、横軸方向にx方向の位置を示しており、各マーク記録層において読出光ビームL22dの焦点位置をx方向に移動させたときの信号強度の測定結果をそれぞれ表している。
これらの図15(A)及び(B)並びに図16(A)及び(B)から明らかなように、光情報記録媒体120における1層目から12層目までのいずれのマーク記録層についても、記録マークRMが形成された箇所と当該信号マークRMが形成されていない箇所(初期化されただけの箇所)との信号強度の差が顕著に現れている。
すなわち光情報記録媒体120は、光情報記録再生装置20により少なくとも12層に渡ってマーク記録層が多層記録された場合において、各層に記録された記録マークRMを必要充分な信号強度の戻り光ビームL23として検出させることにより良好な再生信号を生成させることができ、各記録マークRMの有無、すなわち情報として値「0」又は値「1」のいずれが記録されているかを高い精度で読み出させることができる。
(2−5)動作及び効果
以上の構成において、第2の実施の形態による光情報記録再生装置20は、光情報記録媒体120における有機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層121に対して、記録再生光源22から出射した記録光ビームL22cを目標位置に集光し高温化することにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成して反射率を高め、記録マークRMを形成する。
また光情報記録再生装置20は、記録層121内の記録マークRMに対して比較的弱い光強度でなる読出光ビームL22dを集光し、記録マークRMにより反射された強い輝度でなる戻り光ビームL23を受光する。
従って光情報記録媒体120は、記録層121が予め光硬化されていることにより、光反応が予め完了された状態で記録マークRMの形成を行うことができる。
また光情報記録媒体120は、記録層121を構成する樹脂に有機金属化合物が含まれていることにより、初期化されたままの箇所では光の反射率を低く抑えると共に、記録光ビームL22cが集光され局所的に温度上昇して変質し、空洞を形成することにより、反射率が高い記録マークRMを形成することができる。
このとき光情報記録媒体120は、記録層121における光反応が完了していることから、光反応の割合の変化やフォトンモードの生起等に起因する熱伝導率の変化を生じることが無く、目標位置の近傍における温度を確実に上昇させることができる。
これにより光情報記録媒体120は、記録層121の目標位置近傍における温度を、当該記録層121を構成する樹脂の沸点以上とし得るため、空洞を生じさせて記録マークRMを確実に形成することができる。
このため光情報記録媒体120は、情報再生時に光情報記録再生装置20から読出光ビームL22dが照射された場合、記録マークRMの形成箇所から、当該記録マークRMが形成されていない箇所と比較して極めて強い戻り光ビームL23を検出させることができる。これを換言すれば、光情報記録媒体120は、第1の実施の形態における光情報記録媒体100と同様、光情報記録再生装置20によりSNRが極めて高い再生信号を生成させることができ、情報を精度良く安定的に再生させることができる。
さらに光情報記録媒体120は、少なくとも12層に渡ってマーク記録層が多層記録された場合であっても、図15(A)及び(B)並びに図16(A)及び(B)に示したように、各層に記録された記録マークRMの有無を光情報記録再生装置20に高い精度で読み出させることができる。
また、2系統の光ビームを干渉させて記録媒体内に微小なホログラムを形成する、いわゆるポジ型μホログラム記録再生装置では、構成の複雑さ故、特に記録再生時の温度、湿度環境に大きな制限があり、既に普及しているCDメディア、DVDメディアやBDメディア等と同等な扱いが出来ないという制約があった。これに対して本発明による光情報記録媒体120では、かかる光ディスク装置よりも光情報記録再生装置20の構成を格段に簡易化することができるので、記録再生時の制約を大幅に低減でき、また安定的に情報の記録又は再生を行うことができる。
以上の構成によれば、第2の実施の形態による光情報記録媒体120は、有機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層121に対して、光情報記録再生装置20により記録光ビームL22cが目標位置に集光され高温化されることにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成して反射率を高めた記録マークRMを形成し、また当該記録マークRMにおいて反射した充分な光量でなる戻り光ビームL23を検出させることにより、当該記録マークRMの有無により表される情報を安定的に読み出させることができる。
(3)第3の実施の形態
(3−1)光情報記録再生装置の構成
図1との対応部分に同一符号を付した図17において、第3の実施の形態による光情報記録再生装置30は、制御部2(図1)と対応する制御部31により全体を統括制御するようになされている。
また光情報記録再生装置30は、記録再生光源10及び対物レンズ13を有する光ピックアップ5に代えて、記録再生光源32及び対物レンズ33を有する光ピックアップ35が設けられている点、及び初期化光源3が省略されている点が異なるものの、他は光情報記録再生装置1(図1)と同様に構成されている。
(3−2)光情報記録媒体の構成
一方、第3の実施の形態では、光情報記録媒体100に代えて光情報記録媒体130を用いるようになされている。この光情報記録媒体130は、図18(A)及び(B)に示すように、基板132上に記録層131が設けられ、全体としてフォトポリマメディアとして機能するようになされている。
基板132は、第1の実施の形態における基板102及び103と同様にガラス基板でなり、光を高い割合で透過させるようになされている。また基板132は、x方向の長さdx及びy方向の長さdyがそれぞれ約30〜80[mm]程度、厚さt32が約0.6[mm]でなる正方形板状又は長方形板状に構成されている。
記録層131は、その製造段階において、基板132上に後述する液状材料M2が展開され、第2の実施の形態と同様の初期化装置80(図11)により、初期化光源81から照射される初期化光L31によって初期化されるようになされている。
具体的に記録層131は、紫外線硬化樹脂(ソニーケミカル06A32X-5)に有機金属化合物として重量比1[%]の有機金属化合物であるIrg−784が暗室下で混合脱泡され(以下、これを液状材料M2と呼ぶ)、さらに基板132上に厚さt31が約500[μm]となるよう展開された後、高圧水銀灯でなる初期化光源81により初期化光L31(波長365[nm]においてパワー密度300[mW/cm])が20[sec]照射されることにより光硬化されている。
この初期化処理において記録層131は、全体的に光反応が生じることにより、第1の実施の形態における初期化(プリキュア)処理と同様に、内部で樹脂が重合又は架橋或いはその両方をする。この結果、記録層131は、初期化光の照射前と比較して、屈折率が全体的に変化することになる。因みに記録層131は、光硬化された状態においてほぼ透明となり、照射される光を高い割合で透過させるようになされている。
このように光情報記録媒体130は、第2の実施の形態における光情報記録媒体120と同様、全体として薄板状に構成されると共に光をほぼ透過するように構成され、初期化処理により記録層131内部の樹脂が光反応し、さらに当該記録層131内に少量の有機金属化合物が含まれるようになされている。
(3−3)情報の記録及び再生
次に、第3の実施の形態における光情報記録媒体130に対する情報の記録、及び当該光情報記録媒体130からの情報の再生について説明する。
光情報記録再生装置30は、光情報記録媒体130に対して情報を記録する際、図19Aに示すように、記録再生光源32(図17)からの記録光ビームL32cを記録層131内に集光する。この場合、光情報記録再生装置1は、光ピックアップ35(図17)のx方向、y方向及びz方向の位置を制御することにより、記録光ビームL32c(図19(A))を記録層131内の目標とする位置(すなわち目標位置)に合焦させる。
具体的に光情報記録再生装置30は、記録層131の表面から深さ100[μm]となる位置を目標位置とし、記録再生光源32から波長402[nm]、光パワー20[mW]のレーザ光でなる記録光ビームL32cを射出し、これをNA=0.35の対物レンズ33により集光し、照射時間を1[sec]として目標位置に対して照射した。
また光情報記録再生装置30は、情報を再生する際、記録再生光源32から記録光ビームL32cと同波長でなり光パワーが3[mW]でなる読出光ビームL32dを出射し、対物レンズ33により記録層131内の記録マークRMに集光させた。
このとき読出光ビームL32dは、記録マークRMにより反射され、戻り光ビームL33となる。光情報記録再生装置30は、対物レンズ33及びビームスプリッタ12等を介して当該戻り光ビームL33を受光素子15により検出する。
受光素子15は、図20(A)に示すように、第1の実施の形態(図5(A))及び第2の実施の形態(図13(A))と同様に、強い輝度でなる戻り光ビームL33を検出することができた。
これは、記録層131内の目標位置近傍において、記録層121と同様、記録光ビームL32cが集光されることにより局所的に温度が上昇した部分に空洞ができ、記録層131の材料とこの空洞とにおける屈折率の差異により反射率が向上したものと推察される。
かくして記録層131内の目標位置近傍は、第2の実施の形態と同様、空洞でなりその周囲と比較して反射率が局所的に高い記録マークRMが形成され、情報が記録されたことになる。因みに、この記録マークRMは、目視では確認することが困難であった。
一方、記録マークRMを記録しなかった箇所(すなわち未記録部分)からは、図20(B)に示すように非常に輝度が低い戻り光ビームL33を検出した。すなわち光情報記録再生装置30は、第1及び第2の実施の形態と同様に、光情報記録媒体130から情報を再生する際、記録マークRMの有無に応じて戻り光ビームL33の検出強度が大きく異なることがわかる。
このように光情報記録再生装置30は、光情報記録媒体130を用い、有機金属化合物が配合されると共に予め光硬化された記録層131に対して記録光ビームL32cを集光し高温化することにより、目標位置の近傍に空洞を形成させて記録マークRMを形成する情報記録を行うことができる。また光情報記録再生装置30は、当該記録マークRMに読出光ビームL32dを照射することにより、強い輝度でなる戻り光ビームL33を検出する情報再生を行うことができる。
(3−4)他の光情報記録媒体との比較
次に、光情報記録媒体130との比較用に、光情報記録再生装置30において、光情報記録媒体140を用いて情報の記録及び再生を行った。この光情報記録媒体140は、基板132上に記録層141が設けられ、全体としてフォトポリマとして機能するようになされている。
記録層141は、紫外線硬化樹脂(ソニーケミカル06A32X-5)が暗室下で混合脱泡され(以下、これを液状材料M3と呼ぶ)、さらに基板132上に厚さt31が約500[μm]となるよう展開された後、高圧水銀灯でなる初期化光源81により初期化光L31(波長365[nm]においてパワー密度300[mW/cm])が20[sec]照射されることにより光硬化されている。
この記録層141は、紫外線硬化樹脂の中に紫外線の波長に感知する光重合開始剤が含まれており、上記条件にて速やかに光硬化した。尚、記録層141に含まれる光重合開始剤には、有機金属化合物あるいは無機金属化合物は含有されていない。
次に、光情報記録再生装置30により、かかる光情報記録媒体140を用いて、上述した光情報記録媒体130の場合と同様の情報の記録及び再生を行った。
すなわち光情報記録再生装置30は、記録層141の表面から深さ100[μm]となる位置を目標位置とし、記録再生光源32から波長402[nm]、光パワー20[mW]のレーザ光でなる記録光ビームL32cを射出し、これをNA=0.35の対物レンズ33により集光し、照射時間を1[sec]として目標位置に対して照射した。
また光情報記録再生装置30は、情報を再生する際、記録再生光源32から記録光ビームL32cと同波長でなり光パワーが3[mW]でなる読出光ビームL32dを出射し、対物レンズ33により記録層141内の目標位置に集光させた。
しかしながら、この場合、受光素子15による受光結果を図21(A)に示すように、目標位置からは微弱な戻り光ビームL33を得ることとなった。また、目標位置以外の箇所、すなわち記録光ビームL32cを集光した箇所以外の箇所からも、図21(B)に示すように、微弱な戻り光ビームL33を得ることとなった。
かかる受光結果より、光情報記録媒体140には、有効な記録マークRMが形成されていないことが判明した。
すなわち、光情報記録媒体130及び140を比較すると、記録マークRMの形成は、有機金属化合物又は無機金属化合物が含まれる樹脂が記録光ビームL32cの熱により変質したことに起因していると考えられる。
このため、記録層141に有機金属化合物又は無機金属化合物が含まれない光情報記録媒体140は、光情報記録再生装置30に対する情報の記録媒体としては有効に機能し得ないといえる。
(3−5)動作及び効果
以上の構成において、第3の実施の形態による光情報記録再生装置30は、光情報記録媒体130における有機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層131に対して、記録再生光源32から出射した記録光ビームL32cを目標位置に集光し高温化することにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成して反射率を高め、記録マークRMを形成する。
また光情報記録再生装置30は、光情報記録媒体130の記録層131における目標位置に対して比較的弱い光強度でなる読出光ビームL32dを集光し、当該記録マークRMにより反射された強い輝度でなる戻り光ビームL33を受光する。
従って光情報記録媒体130は、第2の実施の形態における光情報記録媒体120と同様、記録層131が予め光硬化されていることにより、光反応が予め完了された状態で記録マークRMの形成を行うことができる。
また光情報記録媒体130は、光情報記録媒体120と同様、記録層131を構成する樹脂に有機金属化合物が含まれていることにより、初期化されたままの箇所では光の反射率を低く抑えると共に、記録光ビームL32cが集光され局所的に温度上昇して変質し、空洞を形成することにより、反射率が高い記録マークRMを形成することができる。
このとき光情報記録媒体120は、記録層121における光反応が完了していることから、光反応の割合の変化やフォトンモードの生起等に起因する熱伝導率の変化を生じることが無く、目標位置の近傍における温度を確実に上昇させることができる。
これにより光情報記録媒体130は、記録層131の目標位置近傍における温度を、当該記録層121を構成する樹脂の沸点以上とし得るため、空洞を生じさせて記録マークRMを確実に形成することができる。
このため光情報記録媒体120は、情報再生時に光情報記録再生装置20から読出光ビームL22dが照射された場合、記録マークRMの形成箇所から、当該記録マークRMが形成されていない箇所と比較して極めて強い戻り光ビームL23を検出させることができる。これを換言すれば、光情報記録媒体120は、第1の実施の形態における光情報記録媒体100と同様、光情報記録再生装置20によりSNRが極めて高い再生信号を生成させることができ、情報を精度良く安定的に再生させることができる。
また比較用の光情報記録媒体140を用いた場合、有機金属化合物或いは無機金属化合物が含まれない記録層141に有効な記録マークRMが形成されなかったことから、有機金属化合物又は無機金属化合物に対し記録光ビームL32cを集光することによる温度上昇又は熱破壊が記録マークRMの形成に確実に起因していることも判明した。
以上の構成によれば、第3の実施の形態による光情報記録媒体130は、有機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層131に対して、光情報記録再生装置30により記録光ビームL32cが目標位置に集光され高温化されることにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成して反射率を高めた記録マークRMを形成し、また当該記録マークRMにおいて反射した充分な光量でなる戻り光ビームL33を検出させることにより、当該記録マークRMの有無により表される情報を安定的に読み出させることができる。
(4)第4の実施の形態
(4−1)光情報記録再生装置の構成
第4の実施の形態では、第2の実施の形態と同様に光情報記録再生装置20を用いるため、その説明は省略する。
(4−2)光情報記録媒体の構成
一方、第4の実施の形態では、光情報記録媒体120に代えて光情報記録媒体150を用いるようになされている。この光情報記録媒体150は、基板122及び123の間にスペーサ124を挟み、当該スペーサ124内に設けられた内部空間124Aに記録層151を形成することにより、全体としてフォトポリマメディアとして機能するようになされている。
記録層151は、その製造段階において、基板122及び123の間にスペーサ124が挟まれた状態で内部空間124Aに後述する液状材料M4が展開され、図11に示した初期化装置80において、初期化光源81から照射される初期化光L51により初期化されるようになされている。
この記録層151は、第2の実施の形態における記録層121と同様、有機、あるいは無機金属化合物含有の光反応型樹脂が均一に分散している。この記録層151は、初期化前の段階では、光が照射されると、照射箇所において光反応樹脂が光反応することにより分子量が増加し、また硬化し、これに伴い屈折率が変化するといった性質を有している。
具体的に記録層151は、無機金属化合物としてアクリル酸エステルモノマ(p−クミルフェノールエチレンオキシド付加アクリル酸エステル)とウレタン2官能アクリレートオリゴマを40:60(重量比)、モノマ及びオリゴマに対する重量比1[%]の1−ヒドロキシ−1−シクロヘキシルフェニルケトン(Irg−184)と同重量比1[%]の粒径20[nm]以下のTiO/HPtCl(モル比10:1)を暗室下混合脱泡され、(以下、これを液状材料M4と呼ぶ)、スペーサ124の内部空間124Aに展開されて基板122及び123の間に挟み込まれた上で、高圧水銀灯でなる初期化光源81により初期化光L51(波長365[nm]においてパワー密度300mW/cm)が20[sec]照射されることにより光硬化されている。
この初期化処理において記録層151は、全体的に光反応が生じることにより、第1の実施の形態における初期化(プリキュア)処理と同様に、内部で樹脂が重合又は架橋或いはその両方をする。この結果、記録層151は、初期化光の照射前と比較して、屈折率が全体的に変化することになる。因みに記録層151は、光硬化された状態においてほぼ透明となり、照射される光を高い割合で透過させるようになされている。
このように光情報記録媒体150は、第2の実施の形態における光情報記録媒体120と一部類似した構成を有しており、全体として薄板状に構成されると共に光をほぼ透過するように構成され、初期化処理により記録層151内部の樹脂が光反応し、さらに当該記録層151内に少量の無機金属化合物が含まれるようになされている。
(4−3)情報の記録及び再生
次に、第4の実施の形態における光情報記録媒体150に対する情報の記録、及び当該光情報記録媒体150からの情報の再生について説明する。
因みに光情報記録媒体150は、第2の実施の形態における光情報記録媒体120と同様、その製造時に光硬化されることにより、第1の実施の形態における初期化処理が既に施されていることになるため、当該初期化処理が改めて行われる必要はない。
光情報記録再生装置20は、光情報記録媒体150に対して情報を記録する際、図12(A)に示したように、記録再生光源22(図9)からの記録光ビームL52cを記録層151内に集光する。この場合、光情報記録再生装置1は、光ピックアップ25(図9)のx方向、y方向及びz方向の位置を制御することにより、記録光ビームL52c(図12(A))を記録層151内の目標とする位置(すなわち目標位置)に合焦させる。
具体的に光情報記録再生装置20は、記録層151の表面から深さ100[μm]となる位置を目標位置とし、記録再生光源22から波長402[nm]、光パワー20[mW]のレーザ光でなる記録光ビームL52cを射出し、これをNA=0.35の対物レンズ23により集光し、照射時間を2[sec]として目標位置に対して照射した。
また光情報記録再生装置20は、情報を再生する際、記録再生光源22から記録光ビームL52cと同波長でなり光パワーが600[μW]でなる読出光ビームL52dを出射し、対物レンズ23により記録層151内の記録マークRMに集光させた。
このとき読出光ビームL52dは、記録マークRMにより反射され、戻り光ビームL53となる。光情報記録再生装置20は、対物レンズ23及びビームスプリッタ12等を介して当該戻り光ビームL53を受光素子15により検出する。
受光素子15は、図22(A)に示すように、第1の実施の形態(図5(A))や第2の実施の形態(図13(A))と同様に、強い輝度でなる戻り光ビームL53を検出することができた。
一方、記録マークRMを記録しなかった箇所(すなわち未記録部分)からは、図22(B)に示すように非常に輝度が低い戻り光ビームL33を検出した。すなわち光情報記録再生装置20は、第1〜第3の実施の形態と同様に、光情報記録媒体150から情報を再生する際、記録マークRMの有無に応じて戻り光ビームL53の検出強度が大きく異なることがわかる。
このように光情報記録再生装置20は、光情報記録媒体150を用い、無機金属化合物が配合されると共に予め光硬化された記録層151に対して記録光ビームL32cを集光し高温化することにより、第1〜第3の実施の形態と同様に、目標位置の近傍に空洞を形成させて記録マークRMを形成する情報記録を行うことができる。また光情報記録再生装置20は、光情報記録媒体150の記録マークRMに読出光ビームL52dを照射することにより、強い輝度でなる戻り光ビームL53を検出する情報再生を行うことができる。
(4−4)動作及び効果
以上の構成において、第4の実施の形態による光情報記録再生装置20は、光情報記録媒体150における無機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層151に対して、記録再生光源22から出射した記録光ビームL52cを目標位置に集光し高温化することにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成させて反射率を高め、記録マークRMを形成する。
また光情報記録再生装置20は、記録層151内の記録マークRMに対して比較的弱い光強度でなる読出光ビームL52dを集光し、記録マークRMにより反射された強い輝度でなる戻り光ビームL53を受光する。
従って光情報記録媒体150は、光情報記録媒体120と同様に、記録層151が予め光硬化されていることにより、光反応が予め完了された状態で記録マークRMの形成を行うことができ、記録光ビームL52cが当該記録層151の目標位置に集光された際、無機金属化合物を確実に熱破壊されるため、空洞を形成させて光の反射率を局所的に高めること、すなわち記録マークRMを形成することができる。
このため光情報記録媒体150は、光情報記録再生装置20により読出光ビームL22dが照射された場合、記録マークRMの形成箇所から、当該記録マークRMが形成されていない箇所と比較して極めて強い戻り光ビームL53を検出させることができる。これを換言すれば、光情報記録媒体150は、第1〜第3の実施の形態と同様、光情報記録再生装置20によりSNRが極めて高い再生信号を生成させることができ、情報を精度良く安定的に再生させることができる。
以上の構成によれば、第4の実施の形態による光情報記録媒体150は、第2及び第3の実施の形態と同様、無機金属化合物が配合され予め光硬化された記録層151に対して、光情報記録再生装置20により記録光ビームL52cが目標位置に集光され高温化されることにより、当該目標位置の近傍に空洞を形成して反射率を高めた記録マークRMを形成し、また当該記録マークRMにおいて反射した充分な光量でなる戻り光ビームL53を検出させることにより、当該記録マークRMの有無により表される情報を安定的に読み出させることができる。
(5)他の実施の形態
なお上述した実施の形態においては、光情報記録媒体120、130及び150の記録層121、131及び151を有機金属、無機金属あるいはその両方を含むラジカル重合化合物と光重合開始剤を含む光重合型樹脂により構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該記録層121、131及び151を他の化合物により構成するようにしても良い。
因みに、記録層121、131及び151を構成する光重合型樹脂の構成材料としては、一般的には光重合可能な化合物が考えられるが、これ以外にもバインダポリマやオリゴマ、光重合を行うための開始剤、さらには必要に応じて増感色素を加える等しても良い。
光重合可能な化合物の例としては、主にアクリル酸、アクリル酸エステル、アクリル酸アミドの誘導体やスチレンやビニルナフタレンの誘導体等、ラジカル重合反応に用いられるモノマがある。また、ウレタン構造物にアクリルモノマを持つ化合物についても適用することができる。
また上述したモノマとして、水素原子の代わりにハロゲン原子に置き換わった誘導体を用いるようにしても良い。
一方、必要に応じて添加されるバインダ成分としては、エチレングリコール、グリセリンとその誘導体や多価のアルコール類、フタル酸エステルとその誘導体やナフタレンジカルボン酸エステルとその誘導体、リン酸エステルとその誘導体、脂肪酸ジエステルとその誘導体のような、可塑剤として用いることが可能な化合物が挙げられる。
また、開始剤系における光重合開始剤としては、上述した実施の形態において示した(ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(チバ・スペシャリティ・ケミカルズIrg−784)以外に、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのラジカル重合に用いる有機化合物などが挙げられる。なお、このとき用いられる光重合開始剤としては、情報の記録後に、後処理により適宜分解される化合物が望ましい。
さらに増感色素としては、シアニン系、クマリン系、キノリン系色素などが挙げられる。
さらに上述した第1の実施の形態においては、初期化処理(図3(A))において平行光でなる初期化光L1を光情報記録媒体100に照射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば拡散光や収束光でなる初期化光L1を光情報記録媒体100に照射するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態における初期化光源81についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光情報記録媒体100の初期化処理を行うための初期化光L1、当該光情報記録媒体100に情報を記録するための記録光ビームL2c、及び当該光情報記録媒体100から情報を再生するための読出光ビームL2dをいずれも波長532[nm]に統一するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dの波長を統一する一方で初期化光L1の波長を両者と異なるようにし、或いは初期化光L1、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dの波長を互いに異なるようにしても良い。
この場合、初期化光L1としては、記録層101を構成する光重合フォトポリマにおける光化学反応の感度に適した波長であり、記録光ビームL2cとしては、物質の熱伝導により温度を上昇させるような波長又は吸収されやすいような波長であり、読出光ビームL2dとしては、最も高い解像度が得られるような波長であることが望ましい。このとき、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dの波長等に応じて対物レンズ13(図1)のNA等についても適宜調整すれば良く、さらには情報の記録時と再生時とで記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dにそれぞれ最適化された2つの対物レンズを切り換えて用いるようにしても良い。
また、記録層101を構成する光重合フォトポリマに関しては、初期化光L1、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dのそれぞれの波長との組み合わせにおいて最も良好な特性が得られるよう、その成分等を適宜調整すれば良い。
さらに第2〜第4の実施の形態においては、記録再生光源22及び32から出射される記録光ビームL22c、L32c及びL52c並びに読出光ビームL22d、L32d及びL52dの波長を402[nm]とする以外にも、他の波長とするようにしても良く、要は記録層121、131及び151内における目標位置の近傍の温度を効率良く上昇することにより空洞を適切に形成できれば良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光情報記録媒体100の基板102側の面から初期化光L1、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dをそれぞれ照射するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば初期化光L1を基板103側の面から照射するようにする等、各光又は光ビームをそれぞれどちらの面から照射するようにしても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した第1の実施の形態においては、記録層101の厚さt1(図2)を約0.3[mm]としたときに、マーク記録層内における記録マークRM同士の間隔を3[μm]とし、マーク記録層同士の間隔を約15[μm]として17層重ねるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば記録層101の厚さt1を約1.0[mm]とし、マーク記録層内における記録マークRM同士の間隔を5[μm]とし、マーク記録層同士の間隔を約20[μm]として50層重ねる等、記録層101の厚さt1、当該記録層101内に形成される記録マークRMの大きさや光重合型フォトポリマの各種光学特性、或いは対物レンズ13の光学的特性等に応じて、それぞれの値を適宜調整するようにしても良い。
さらに上述した第2〜第4の実施の形態においては、記録層121、131及び151内に記録マークRMを1つ形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の実施の形態と同様、目標位置をxy平面内で適宜変化させることにより記録マークRMが平面状に配列されたマーク記録層を形成し、さらに当該目標位置のz方向の位置(すなわち表面からの深さ)を段階的に変更することにより当該記録マークRMを多層に形成するようにしても良い。この場合、記録層121、131及び151の厚さt21及びt31については、形成する層数等に合わせて適宜調整すればよい。
さらに上述した第1の実施の形態においては、光情報記録媒体100をテーブル4に固定し、光ピックアップ5をx方向、y方向及びz方向に変位させることにより、記録層101内における任意の位置を目標位置として記録マークRMを形成し得るようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば光情報記録媒体100をCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等のような光ディスクとして構成し、当該光ディスクを回転駆動すると共に光ピックアップ5をx方向及びz方向に変位させて情報の記録及び再生を行うようにしても良い。この場合、例えば基板102と記録層101との境界面などに溝状やピットによるトラックを形成してトラッキング制御やフォーカス制御等を行えば良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、光情報記録媒体100の記録層101を一辺約30〜80[mm]、厚さt1を約0.3〜1.0[mm]の正方形板状又は長方形板状に形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の任意の寸法とするようにし、或いは様々な寸法でなる直方体状や円盤状等、種々の形状としても良い。この場合、z方向の厚さt1に関しては、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2dの透過率等を考慮した上で定めることが望ましい。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
これに応じて基板102及び103の形状については、正方形板状又は長方形板状に限らず、記録層101に合わせた種々の形状であれば良い。また当該基板102及び103の材料については、ガラスに限らず、例えばポリカーボネイト等でも良く、要は初期化光L1、記録光ビームL2c及び読出光ビームL2d並びに戻り光ビームL3を高い透過率で透過させれば良い。さらには、記録層101単体で所望の強度が得られる場合等に、光情報記録媒体100から当該基板102及び103を省略しても良い。第2〜第4の実施の形態についても同様である。
さらに上述した実施の形態においては、記録層としての記録層121、131又は151によって光情報記録媒体としての光情報記録媒体120、130又は150を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる記録層によって光情報記録媒体を構成するようにしても良い。
本発明は、例えば映像コンテンツや音声コンテンツ等のような大容量の情報を光ディスク等の記録媒体に記録し又は再生する光ディスク装置等でも利用できる。
第1の実施の形態による光情報記録再生装置の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による光情報記録媒体の構成を示す略線図である。 第1の実施の形態による光情報記録媒体の初期化、情報の記録及び再生の説明に供する略線図である。 記録光の集光時における光情報記録媒体内の温度分布を示す略線図である。 第1の実施の形態による戻り光の受光の様子を示す略線図である。 戻り光の信号強度分布を示す略線図である。 各層における戻り光の信号強度分布(1)を示す略線図である。 各層における戻り光の信号強度分布(2)を示す略線図である。 第2の実施の形態による光情報記録再生装置の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による光情報記録媒体の構成を示す略線図である。 初期化装置の構成を示す略線図である。 第2の実施の形態による情報の記録及び再生の説明に供する略線図である。 第2の実施の形態による戻り光の受光の様子を示す略線図である。 記録マークの断面SEM像を示す写真である。 第2の実施の形態による各層における戻り光の信号強度分布(1)を示す略線図である。 第2の実施の形態による各層における戻り光の信号強度分布(2)を示す略線図である。 第3の実施の形態による光情報記録再生装置の構成を示す略線図である。 第3の実施の形態による光情報記録媒体の構成を示す略線図である。 第3の実施の形態による情報の記録及び再生の説明に供する略線図である。 第3の実施の形態による戻り光の受光の様子を示す略線図である。 比較用の光情報記録媒体からの戻り光の受光の様子を示す略線図である。 第4の実施の形態による戻り光の受光の様子を示す略線図である。
符号の説明
1、20、30……光情報記録再生装置、2、21、31……制御部、3、81……初期化光源、5……光ピックアップ、10、22、32……記録再生光源、13、23、33……対物レンズ、15……受光素子、100、120、130、140、150……光情報記録媒体、101、121、131、141、151……記録層、102、103、122、123、132……基板、124……スペーサ、L1、L21、L31、L51……初期化光、L2c、L22c、L32c、L52c……記録光ビーム、L2d、L22d、L32d、L52d……読出光ビーム、L3、L23、L33、L53……戻り光ビーム、RM……記録マーク。

Claims (5)

  1. 光重合性、光架橋性又はその両方の性質を有する樹脂からなり、所定の初期化光が照射され上記樹脂が硬化された後、情報の記録時に、所定の記録光が集光され当該記録光の焦点近傍における温度が上昇することにより記録マークとしての空洞を形成し、上記情報の再生時に所定の読出光の照射に応じた戻り光を基に当該情報を再生させる記録層
    を具えることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 上記記録層は、
    上記樹脂内に有機金属化合物、無機金属化合物又はその両方を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 上記記録層は、
    上記情報の記録時に上記記録光が集光された際、上記有機金属化合物、上記無機金属化合物若しくはその両方を介して光化学反応又は光化学反応及び熱化学反応の両方を生じることにより上記空洞を形成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体。
  4. 上記記録層は、
    上記初期化光により上記有機金属化合物、上記無機金属化合物若しくはその両方が変質して金属化合物が生成され、上記情報の記録時に上記記録光が集光された際、上記金属化合物を介して光化学反応又は光化学反応及び熱化学反応の両方を生じることにより上記空洞を形成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光情報記録媒体。
  5. 上記記録層は、
    上記記録光の集光位置が3次元方向に変化され上記情報が記録されることにより、複数の上記空洞が3次元方向に並ぶよう形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
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