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JP2008167508A - アクチュエータ及びアクチュエータ製造方法 - Google Patents

アクチュエータ及びアクチュエータ製造方法 Download PDF

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JP2008167508A
JP2008167508A JP2006350776A JP2006350776A JP2008167508A JP 2008167508 A JP2008167508 A JP 2008167508A JP 2006350776 A JP2006350776 A JP 2006350776A JP 2006350776 A JP2006350776 A JP 2006350776A JP 2008167508 A JP2008167508 A JP 2008167508A
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Japan
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layer
signal line
drive arm
substrate
actuator
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Application number
JP2006350776A
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English (en)
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Ryutaro Maeda
龍太郎 前田
Ryuichi Kondo
龍一 近藤
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Taiyo Yuden Co Ltd
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Priority to JP2006350776A priority Critical patent/JP2008167508A/ja
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Abstract

【課題】新規な構造を有するアクチュエータを提供する。
【解決手段】本願のアクチュエータは、圧電体層の上下に電極層を有し、一端又は両端が基板に支持されている駆動アームと、信号線とを有する。そして、駆動アームが、基板と一部の層を共有しており、信号線が、駆動アームとねじれの関係になるように駆動アーム上に架橋されているものである。このように駆動アームが基板と一部の層を共有するような構成となれば、弾性層として機能するだけではなく、基板に支持部を別途形成するより強度を高くすることができる。さらに、信号線は、駆動アームより上に形成されるので、圧電体層の形成の影響がほとんど無くなり、信号線に適切な材料(例えばAuやAlなど)を用いることができるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気式微少機械装置(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)におけるアクチュエータ及びその製造方法に関する。
例えば、特開2000−149750号公報には、マイクロマシンスイッチのオフ時のアイソレーション特性を向上させるための技術が開示されている。具体的には、互いに近接配置された少なくとも2本の分布定数線路のそれぞれと先端部が対向するように各分布定数線路の上方に配置されかつ導電体を含む可動子と、静電力により可動子を変位させて各分布定数線路に接触させる駆動手段とを備え、可動子の少なくとも1つの先端部の面積は、この先端部と対向する分布定数線路の先端部の面積よりも小さい。
また、特開2005−302711号公報には、アクチュエータ及びこれを用いたスイッチの駆動速度の高速化および低駆動電圧化のための技術が開示されている。具体的には、少なくとも表面が絶縁化された基板と、この基板に少なくとも1カ所が支持された駆動アームと、基板および駆動アームにそれぞれ対向する位置に設けられた静電用電極と、この静電用電極に電圧を印加する第1の電圧印加手段とを備え、駆動アームに対してさらに圧電体層の上下面に電極を有する圧電駆動電極を設け、この圧電駆動電極に電圧を印加する第2の電圧印加手段を設けた構成としたものである。
さらに、特開2003−217421号公報には、高周波信号の切り替えを行うマイクロマシンスイッチにおいて、スイッチ機構の構成が簡単で且つ高周波信号を効率良く遮断することで、低消費電力且つ高信頼性を実現するための技術が開示されている。より具体的には、基板上に形成された信号線路導体と、高周波信号の通過を遮断する駆動短絡機構と、制御信号を与えることにより駆動短絡機構を変位させる駆動手段である圧電体とを備え、圧電体に制御信号として電圧を印加することで、信号線路導体と接地導体とが駆動短絡機構底面の導電層を介して短絡し、高周波信号を効率良く遮断することができるというものである。
特開2000−149750号公報 特開2005−302711号公報 特開2003−217421号公報
上で述べたいずれの従来技術も、信号線は基板上に接して形成されている。また、いずれも少なくとも一端が基板上に新たに形成された支持部によって支持されているアーム部を用いている。さらに、特開2000−149750号公報以外は圧電体を用いており、当該圧電帯の層は、信号線の層より上に設けられている。
このような従来技術では、基板上に新たに形成された支持部によってアームが支持されるので、その強度に問題が生じやすい。また、基板上に信号線を形成する場合には、信号線自体の形成は問題がないが、圧電体の層を形成する際には非常に高温となるため、信号線の材料が制限的になるという問題がある。すなわち、信号線の特性が悪くなる可能性がある。または、製造プロセスを工夫する必要がある。
従って、本発明の目的は、アームの支持部分の強度を向上させる新規な構造を有するアクチュエータを提供することである。
また、本発明の他の目的は、信号線に適切な材料を用いることが可能となる新規な構造を有するアクチュエータを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、上記のような新規な構造を有するアクチュエータの製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様に係るアクチュエータは、圧電体層の上下に電極層を有し、一端又は両端が基板に支持されている駆動アームと、信号線とを有する。そして、駆動アームが、基板と一部の層を共有しており、信号線が、駆動アームとねじれの関係になるように駆動アーム上に架橋されているものである。
このように駆動アームが基板と一部の層を共有するような構成となれば、弾性層として機能するだけではなく、基板に支持部を別途形成するより強度を高くすることができる。さらに、信号線は、駆動アームより上に形成されるので、圧電体層の形成の影響がほとんど無くなり、信号線に適切な材料(例えばAuやAlなど)を用いることができるようになる。
また、駆動アームが、電極層に印加される電圧によって圧電体層に従って信号線に近接するように駆動されるようにしてもよい。なお、信号線と圧電体層の上面の電極層との間に静電気力が働く場合もある。
さらに、グランド線が信号線に平行又は実質的に平行に架橋されるようにしてもよい。このようにすれば、信号線の信号特性が改善される。
また、駆動アームにおける圧電体層の上面の電極層が、信号線と近接する部分とそれ以外の部分とに切断されており、駆動アームにおける圧電体層の下面の電極層と信号線とでシャント型スイッチが構成されるようにしてもよい。下面の電極層において信号線と近接する部分と信号線とでコンデンサが構成され、駆動アームが信号線と離れていればコンデンサの容量が小さくなって、信号が信号線を通過するためスイッチがONとなり、駆動アームが信号線に近接すると、コンデンサの容量が大きくなって、信号線の信号がグランドに流れてしまいスイッチがOFFとなる。
本発明の第2の態様に係るアクチュエータは、圧電体層の上下に電極層を有し、両端が基板に支持されている駆動アームと、信号線とを有する。そして、駆動アームが、基板の穴を一部を覆っており、信号線が、駆動アームとねじれの関係になるように駆動アーム上に架橋されているものである。
このように駆動アームの両端が基板に支持されているため強度を高くすることができる。さらに、信号線は、駆動アームより上に形成されるので、圧電体層の形成の影響がほとんど無くなり、信号線に適切な材料を用いることができるようになる。
本発明の第3の態様に係るアクチュエータ製造方法は、基板上に下部電極層と圧電層と上部電極層とを形成するステップと、下部電極層と圧電体層と上部電極層と基板の一部の層とを有する駆動アーム部を上側からのエッチングによって形成するエッチング・ステップと、エッチング後、上部に犠牲層を形成するステップと、駆動アーム部とねじれの関係となるように犠牲層の上に信号線を形成するステップと、基板の下側から、駆動アーム部における、基板の一部の層を残し且つ駆動アーム部を上下に駆動可能なように穴を形成するステップと、犠牲層を除去するステップとを含む。
このようにすれば、上で述べたような構造のアクチュエータを製造することができる。また、基板の穴を下側から形成し、駆動アームが基板の一部の層を有するようになるため、基板の一部の層が弾性層として機能し、さらに駆動アームの支持強度が高くなる。さらに、犠牲層を用いて信号線が既に形成されている駆動アーム上に架橋されるので、駆動アームに含まれる圧電体層形成の影響をほとんど無くすることができ、信号線に適切な材料を用いることができるようになる。
また、エッチング・ステップが、駆動アーム部の上部電極層及び圧電層のうち信号線に近接する部分とそれ以外の部分に切断するステップを含むようにしてもよい。このようにすれば、適切に駆動アームを信号線に近接させて、例えばシャント型スイッチとして機能させることができるようになる。
また、基板上に、下部電極層を形成する前に、絶縁層を形成するステップをさらに含むようにしてもよい。表面が導電性の基板(例えばSi)を用いる場合には、絶縁層を生成して電気的に絶縁するものである。
本発明に係るアクチュエータ及びアクチュエータ製造方法は、様々な態様にて実施可能であり、以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明によれば、アームの支持部分の強度を向上させる新規な構造を有するアクチュエータが実現される。
また、本発明の他の側面によれば、信号線に適切な材料を用いることが可能となる新規な構造を有するアクチュエータが実現される。
さらに、本発明の他の側面によれば、上記のような新規な構造を有するアクチュエータの製造方法を実現することができる。
図1に本発明の一実施の形態に係るアクチュエータの斜視概要図を示す。例えばSiの基板1の表面は、SiO2の絶縁層が形成されている。そして、その上には、例えばPt/Tiによるグランド2a及び2bが形成されている。このグランド2a及び2bの層は、基板1に設けられている穴5上に架橋されており且つ以下で述べる駆動アーム4にも含まれている。グランド2a及び2bは、駆動アーム4上に架橋される信号線3に対するコプレナー構造を形成するように、信号線3と平行に突出した部分が設けられている。駆動アーム4は、グランド2a及び2bの下に基板1の一部の層と、グランド2a及び2bの層と、当該グランド2a及び2bの上にPZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層と、上部電極層とを含む。基板1の一部の層は、弾性層として機能する。そして、駆動アーム4は、コンデンサ部4cと、コンデンサ部4cとヒンジ部4eを介して接続される第1のカンチレバー4aと、同じくコンデンサ部4cとヒンジ部4dを介して接続される第2のカンチレバー4bとを有しており、基板1の穴5を架橋するように設けられている。コンデンサ部4cは、信号線3とでコンデンサを構成する。コンデンサ部4cは、第1及び第2のカンチレバー4a及び4bと同様の層構成を有するが、ヒンジ部4e及び4dにおいて圧電層と上部電極層とが切断されている。ヒンジ部4e及び4dにおいては、圧電層の下の下部電極層(=グランド2a及び2b)及び基板1の一部の層には穴が形成されているが、これはヒンジの機能を有効に果たすためである。
信号線3は、例えばAuで構成され、駆動アーム4と垂直方向でねじれの関係になるよう駆動アーム4のコンデンサ部4c及び穴5の上に架橋されている。通常状態では、コンデンサ部4cの上部電極層と信号線3との間は5μm程度の距離離れている。
図2(a)及び(b)に、図1に示したアクチュエータの駆動アーム4方向の概略断面図を示す。図2(a)は、定常状態を表している。駆動アーム4は、弾性層として機能する基板1の一部の層1a、1b及び1cと、グランド層2a、2b及び2cと、PZTである圧電体層6a、6b及び6cと、上部電極層8a、8b及び8cとを有する。基板1の一部の層1a、1b及び1cとグランド層2a、2b及び2cとは、基板1の表面に形成された絶縁層で接している。また、駆動アーム4は、基板1の一部の層1aと、グランド層2aと、圧電体層6aと、上部電極層8aとで構成される第1のカンチレバー4aと、基板1の一部の層1bと、グランド層2bと、圧電体層6bと、上部電極層8bとで構成される第2のカンチレバー4bと、基板1の一部の層1cと、グランド層2cと、圧電体層6cと、上部電極層8cとで構成されるコンデンサ部4cとに分けられる。第1のカンチレバー4aとコンデンサ部4cとは、基板1の一部の層1a及びグランド層2aと、基板1の一部の層1c及びグランド層2cとの間に形成されているヒンジ部4eで接続されている。すなわち、圧電体層及び上部電極層は切断されている。同様に、第2のカンチレバー4bとコンデンサ部4cとは、基板1の一部の層1b及びグランド層2bと、基板1の一部の層1c及びグランド層2cとの間に形成されているヒンジ部4dで接続されている。ここでも、圧電体層及び上部電極層は切断されている。信号線3とコンデンサ部4cの上部電極層8cとの距離Lは、およそ5μmである。また、圧電体層6a、6b及び6cの厚さは、およそ1μmである。この状態では、信号線3に信号がそのまま流れる。すなわち、アクチュエータをスイッチとすると、ONの状態である。
ここで、駆動アーム4を駆動させる場合には、グランド層2a及び2bを接地する又はそれらに負電圧を印加し、上部電極層8a及び8bに正電圧を印加する。そうすると、図2(a)に示すように、圧電体層6a及び6bに、駆動アーム4の、基板1における支持部方向(水平方向)に、縮む力が生じる。また、グランド層2a及び2bを接地する又はそれらに負電圧を印加しているので、グランド層2cについても負電圧が印加されたことになり、圧電体層6cを介して対向する上部電極層8cにも正電圧が励起される。ここで、信号線3に負電圧を印加する。そうすると、静電力(引力)が、コンデンサ部4cの上部電極層8cと、信号線3との間に発生する。
上部電極層8a及び8bとグランド層2a及び2bとの間に印加する電圧と、信号線3に印加する負電圧とを適切に調整することによって、図2(b)のように、信号線3とコンデンサ部4cの上部電極層8cとの距離がnmレベルまで近接するようにすることができる。なお、PZTの圧電体層6cは誘電体として機能するので、コンデンサ部4cの容量(具体的には、信号線3とグランド層2cとの間の容量)は増加して、信号線3が交流的に接地される形となる。すなわち、信号線3には信号は流れず、スイッチの状態はOFFとなる。また、ヒンジ部4d及び4eによって、適切な形でコンデンサ部4cが信号線3に近接するようになる。
図2(b)から図2(a)に戻す場合には、印加した電圧を元に戻せばよい。そうすると、基板1の一部の層1a及び1bの弾性力によって元の状態に戻る。
以上のような動作を行うことによって、アクチュエータは、シャント型スイッチとして機能するようになる。なお、駆動アーム4における第1のカンチレバー4aの付け根及び第2のカンチレバー4bの付け根は、全てが積層して形成されたわけではなく、基板1の一部の層を共有しているため、全て積層して支持部を形成する場合に比して強度は強くなる。また、この基板1の一部の層については、弾性層としても機能しており、部材が有効利用されている。さらに、信号線にはAuやAlといった低抵抗で融点の低い材料を用いることができる。以下の製造方法の説明において詳しく述べるが、圧電体層6の影響を受けないように構成できるため、Pt/Tiなどの融点が高いが抵抗も高い素材を用いずに、信号線として適切な材料を選択して用いることができる。
次に、図3乃至図9を用いて図1及び図2に示したようなアクチュエータの製造方法を説明する。なお、左側に示す断面図Aは、図1において点線Aで切断した面を示し、右側に示す断面図Bは、図1において点線Bで切断した面を示す。
図3(a)に示すように、表面にSi層101、当該表面のSi層101より下にSiO2層102、そしてSiO2層102の下にSi層103が形成されているSOI(Silicon On Insulator)ウエハを用いる。そして、図3(b)に示すように、水又は酸素雰囲気中で、SOIウエアの上下面の表面を熱酸化させてSiO2層104及び105を形成する。このSiO2層104は、図1に示した、基板1の表面の絶縁層である。その後、図3(c)に示すように、スパッタによって圧電体層の下部電極層となるPt/Ti層106をSiO2層104の上に形成する。
そして、図3(d)に示すように、SOIウエアを回転させ、PZTゾルゲルの成膜を1μm程度行って、PZT圧電体層107をPt/Ti層106の上に形成する。この際700℃程度の熱を加えることとなるので、Pt/Ti層106には融点の高い材料を用いなければならない。次に、図3(e)に示すように、再度スパッタによって圧電体層の上部電極となるPt/Ti層108をPZT圧電体層107の上に形成する。ここまでは、断面図A及び断面図B共に変わりない。
次に、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図4(a)に示すように、Pt/Ti層108及びPZT圧電体層107をエッチングするためのレジスト層109を形成する。断面図Aでは、第1及び第2のカンチレバー4a及び4bと、コンデンサ部4cとを切断するため、2つの溝110a及び100bが形成される。一方、断面図Bでは、第1のカンチレバー4aの部分のみを残すように、一カ所のみレジスト層109が形成される。
そして、図4(b)に示すように、エッチングでレジスト層109が形成されていない部分のPt/Ti層108及びPZT圧電体層107が削られ、その後レジスト層109が除去される。次に、下部電極層であるPt/Ti層106と、SiO2層104と、Si層101と、SiO2層102とを加工するために、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図4(c)に示すように、レジスト層111を形成する。なお、断面図Aでは、上部全面にレジスト層111が形成されるが、断面図Bでは、第1のカンチレバー4aを分離するために、溝112a及び112bとが形成される。
その後、図4(d)に示すように、エッチングで、レジスト層111が形成されていない部分のPt/Ti層106と、SiO2層104と、Si層101と、SiO2層102とが削られ、その後レジスト層111が除去される。図4(d)の段階まで進むと、第1及び第2のカンチレバー4a及び4bと、コンデンサ部4cの基本形状が完成したことになる。すなわち、図5に示すように、グランド2a及び2bと、第1及び第2のカンチレバー4a及び4bと、コンデンサ部4cは、ほぼ完成している。但し、穴5はまだ形成されていない。なお、ヒンジ部4d及び4eについてはここでは説明を省略している。このヒンジ部4d及び4eを形成するためには、図4(c)の段階で断面図Aにもレジストが形成されない部分が適切に形成される必要がある。
次に、Auの信号線3を形成する前段階として、図4(e)に示すように、溝110a及び110bと、溝112a及び112bとに埋め込み用レジスト113を塗布する。そして、信号線3を架橋させるために、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図6(a)に示すように、犠牲層114を形成する。犠牲層114は、図1に示した距離Lを実現するための厚みを有する。その後、図6(b)に示すように、犠牲層114の上に、スパッタで、Au層115を形成する。Au層115のうちAu層115aのみが信号線として用いられる。他の犠牲層114の上に形成されたAu層115は不要である。従って、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図6(c)に示すように、Au層115aの上部にのみレジスト層116を形成する。そして、エッチングにより、図6(d)に示すように、不要なAu層115を除去する。例えば、残ったAu層115aの上部のレジストを仮に除去すると、図7に示すような状態となる。「仮」としたように、実際にはレジスト層116が上部に乗っているので、Au層115aが見えるわけではない。
次に、裏面のSiO2層105の下に、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図8(a)に示すように、レジスト層117を形成する。そして、下部からエッチングを行って、図8(b)に示すように、レジスト層117が形成されていない部分における、SiO2層105、Si層103と、SiO2層102とを削り取る。
削り取った後は、裏から見ると、例えば図9に示すように、窪みの底に、駆動アーム4とその周りに埋め込み用レジスト113とが見える状態であるが、まだ穴5は形成できていない状態になる。
その後、埋め込み用レジスト113と、犠牲層114と、レジスト層116と、レジスト層117とを除去し、超臨界乾燥を実施すると、図8(c)に示すように、完成する。すなわち、断面図Aでは、信号線3が架橋され、基板1のSiO2層104及びSi層101とを基板1と駆動アーム4とが共有し、駆動アーム4の支持部分120は、積層した部分はあっても、基本的には基板1そのものであるから、強度も従前の積み上げ式のものより高くなっている。さらに、信号線3にはAu(Alでも可)という信号線に適した材料を用いることができる。これは、高温が必要なPZT圧電体層107を形成した後に別途形成できるためである。断面図Bでは、穴5が形成され、駆動アーム4が上下に駆動可能となっているのが分かる。
以上述べたような製造プロセスを実施することによって、図1及び図2で示したようなアクチュエータを製造することができる。なお、上で述べた各層は、特に触れなかった場合にはnmレベルの厚さとなる。
なお、図1及び図2の形状は一例であって、例えば図10に示すような構造に変形することも可能である。図10は、上面図である。具体的には、基板21の上には圧電体層の下部電極層となるグランド22が形成されており、グランド22には接続のための電極22aが形成されている。なお、同じハッチングは同じ層を示している。さらにグランド22の上には、圧電体層の上部電極層24fが形成されており、駆動アーム24は、第1のカンチレバー24aと、第2のカンチレバー24bと、ヒンジ部24d及び24eと、コンデンサ部24c(図10では信号線23によって隠れている)とを有する。なお、上部電極層24fには、接続のための電極24gが設けられ、また多少形状が異なるが、基本的には図1と同様である。一方、信号線23は、駆動アーム24と穴25とを架橋するように形成されているが、左右には信号線23と同様に、駆動アーム24と穴25とを架橋するようにグランド線26及び27が形成されている。このように、信号線23とほぼ同じ形状でコプレナー構造を構成するようなグランド線26及び27を設けることによって、信号線23における信号特性が良くなることが分かっている。
以上のような構成を採用することによって、従来存在していたアクチュエータよりも、強度を高くすることができ、さらに信号線に適切な材料を採用することも可能となる。さらに、これまで通常用いられてきた製造プロセスをそのまま応用して製造することができる。
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で述べた駆動アームは、支持部が2カ所ある構造であったが、第1のカンチレバー又は第2のカンチレバーのみを用いるような構造とすることも可能である。
また、細かい構造は、全て同じでなければならないわけではない。ヒンジ部の構造は、他のヒンジ構造を採用することも可能である。
本発明の一実施の形態に係るアクチュエータの斜視概要図である。 (a)及び(b)は、アクチュエータの動作を説明するための断面概要図である。 (a)乃至(e)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 (a)乃至(e)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 図4(d)の段階の斜視概要図である。 (a)乃至(d)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 図6(d)の段階の仮想的な斜視概要図である。 (a)乃至(c)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 図8(b)の段階の斜視概要図である。 他の実施の形態を説明するための図である。
符号の説明
1 基板 2a,2b グランド
3 信号線 4 駆動アーム
4a 第1のカンチレバー
4b 第2のカンチレバー
4c コンデンサ部
4d,4e ヒンジ部
5 穴

Claims (8)

  1. 圧電体層の上下に電極層を有し、一端又は両端が基板に支持されている駆動アームと、
    信号線と、
    を有し、
    前記駆動アームが、前記基板と一部の層を共有しており、
    前記信号線が、前記駆動アームとねじれの関係になるように前記駆動アーム上に架橋されている
    アクチュエータ。
  2. 前記駆動アームが、前記電極層に印加される電圧によって前記圧電体層に従って前記信号線に近接するように駆動される
    請求項1記載のアクチュエータ。
  3. グランド線が前記信号線に平行又は実質的に平行に架橋されている
    請求項1記載のアクチュエータ。
  4. 前記駆動アームにおける前記圧電体層の上面の電極層が、前記信号線と近接する部分とそれ以外の部分とに切断されており、
    前記駆動アームにおける前記圧電体層の下面の電極層と前記信号線とでシャント型スイッチが構成される
    請求項1記載のアクチュエータ。
  5. 圧電体層の上下に電極層を有し、両端が基板に支持されている駆動アームと、
    信号線と、
    を有し、
    前記駆動アームが、前記基板の穴を一部を覆っており、
    前記信号線が、前記駆動アームとねじれの関係になるように前記駆動アーム上に架橋されている
    アクチュエータ。
  6. 基板上に下部電極層と圧電層と上部電極層とを形成するステップと、
    前記下部電極層と前記圧電体層と前記上部電極層と前記基板の一部の層とを有する駆動アーム部を上側からのエッチングによって形成するエッチング・ステップと、
    前記エッチング後、上部に犠牲層を形成するステップと、
    前記駆動アーム部とねじれの関係となるように前記犠牲層の上に信号線を形成するステップと、
    前記基板の下側から、前記駆動アーム部における、前記基板の一部の層を残し且つ前記駆動アーム部を上下に駆動可能なように穴を形成するステップと、
    前記犠牲層を除去するステップと、
    を含む、アクチュエータ製造方法。
  7. 前記エッチング・ステップが、
    前記駆動アーム部の前記上部電極層及び前記圧電層のうち前記信号線に近接する部分とそれ以外の部分に切断するステップ
    を含む請求項6記載のアクチュエータ製造方法。
  8. 前記基板上に、前記下部電極層を形成する前に、絶縁層を形成するステップ
    をさらに含む請求項6記載のアクチュエータ製造方法。
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