JP2008162418A - 摩擦状態推定装置、自動車および摩擦状態推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定すること。
【解決手段】摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。したがって、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
【選択図】図2
【解決手段】摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。したがって、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定装置、それを備えた自動車および摩擦状態推定方法に関する。
従来、自動車の制動力制御において、車輪と路面との間における路面摩擦係数のピークを検出する技術が用いられている。
例えば、特許文献1に開示されたABS(Antilock Brake System)制御手法においては、路面摩擦係数μとスリップ率Sとの関係(μ−S特性)を基に、路面摩擦係数μのピークを与えると考えられるスリップ率(目標スリップ率)を設定し、スリップ率Sが目標スリップ率となるか否かを検出することによって、路面摩擦係数μのピークを推定している。
特開平9−058445号公報
例えば、特許文献1に開示されたABS(Antilock Brake System)制御手法においては、路面摩擦係数μとスリップ率Sとの関係(μ−S特性)を基に、路面摩擦係数μのピークを与えると考えられるスリップ率(目標スリップ率)を設定し、スリップ率Sが目標スリップ率となるか否かを検出することによって、路面摩擦係数μのピークを推定している。
しかしながら、車輪と路面との間における路面摩擦係数μのピークを検出する従来の手法においては、制動摩擦係数μを算出する際に車輪と路面との間に働く制動力が算入されるが、この制動力の推定精度が十分でない上、スリップ率Sを介して路面摩擦係数μのピークを推定しているため、正確に路面摩擦係数μのピークを推定することが困難である。
即ち、従来の技術においては、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することが困難であった。
本発明の課題は、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することである。
即ち、従来の技術においては、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することが困難であった。
本発明の課題は、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することである。
以上の課題を解決するため、本発明に係る摩擦状態推定装置は、
タイヤと一体に回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに押し当てられて摩擦を発生するブレーキパッド、および、ブレーキパッドにブレーキディスクへ押し当てるための圧力を印加するピストンを有するブレーキキャリパと、締結部を介してブレーキキャリパを支持するナックルと、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出手段と、前記物理量検出手段によって検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定手段とを備えることを特徴としている。
タイヤと一体に回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに押し当てられて摩擦を発生するブレーキパッド、および、ブレーキパッドにブレーキディスクへ押し当てるための圧力を印加するピストンを有するブレーキキャリパと、締結部を介してブレーキキャリパを支持するナックルと、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出手段と、前記物理量検出手段によって検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る自動車は、
車体と、タイヤと一体に回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに押し当てられて摩擦を発生するブレーキパッド、および、ブレーキパッドにブレーキディスクへ押し当てるための圧力を印加するピストンを有するブレーキキャリパと、締結部を介してブレーキキャリパを支持するナックルと、前記ナックルを支持し、車体を懸架するサスペンションと、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出手段と、前記物理量検出手段によって検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定手段と、前記摩擦状態推定手段によって推定された摩擦状態を参照して、制動制御を行う制動制御手段とを備えることを特徴としている。
車体と、タイヤと一体に回転するブレーキディスクと、ブレーキディスクに押し当てられて摩擦を発生するブレーキパッド、および、ブレーキパッドにブレーキディスクへ押し当てるための圧力を印加するピストンを有するブレーキキャリパと、締結部を介してブレーキキャリパを支持するナックルと、前記ナックルを支持し、車体を懸架するサスペンションと、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出手段と、前記物理量検出手段によって検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定手段と、前記摩擦状態推定手段によって推定された摩擦状態を参照して、制動制御を行う制動制御手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る摩擦状態推定方法は、
タイヤと一体に回転するブレーキディスクに、ブレーキキャリパに備えられたピストンによって圧力を印加することによりブレーキパッドを押し当て、車輪の回転を減速させる制動ステップと、前記制動ステップにおいて、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ブレーキキャリパを支持しているナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出ステップと、前記物理量検出ステップにおいて検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定ステップとを含むことを特徴としている。
タイヤと一体に回転するブレーキディスクに、ブレーキキャリパに備えられたピストンによって圧力を印加することによりブレーキパッドを押し当て、車輪の回転を減速させる制動ステップと、前記制動ステップにおいて、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ブレーキキャリパを支持しているナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出ステップと、前記物理量検出ステップにおいて検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定ステップとを含むことを特徴としている。
本発明に係る摩擦状態推定装置によれば、摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
したがって、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
また、本発明に係る自動車によれば、摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。また、制動制御手段が、このように推定された摩擦状態を参照して制動制御を行うため、タイヤと路面との摩擦力を有効に活用して制動制御を行うことが可能な自動車とできる。
したがって、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。また、制動制御手段が、このように推定された摩擦状態を参照して制動制御を行うため、タイヤと路面との摩擦力を有効に活用して制動制御を行うことが可能な自動車とできる。
さらに、本発明に係る自動車によれば、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出し、検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定するので、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することが可能な摩擦状態推定方法とできる。
以下、図を参照して本発明を適用した自動車の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1Aの構成を示す概略図である。
図1において、自動車1Aは、車速パルス発生器2と、車輪角速度センサ3と、ブレーキペダル4と、マスタシリンダ5と、リザーバ6と、ブレーキキャリパ7Aと、マスタ圧センサ8aと、キャリパ圧センサ8bと、ABS油圧ユニット9と、油圧配管10と、ブレーキディスク11と、タイヤ12と、ABS制御部100とを備えている。なお、ここでは、自動車1Aが備える車輪のうち、左前輪を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1Aの構成を示す概略図である。
図1において、自動車1Aは、車速パルス発生器2と、車輪角速度センサ3と、ブレーキペダル4と、マスタシリンダ5と、リザーバ6と、ブレーキキャリパ7Aと、マスタ圧センサ8aと、キャリパ圧センサ8bと、ABS油圧ユニット9と、油圧配管10と、ブレーキディスク11と、タイヤ12と、ABS制御部100とを備えている。なお、ここでは、自動車1Aが備える車輪のうち、左前輪を例に挙げて説明する。
車速パルス発生器2は、車輪の回転に応じた周期でパルス信号を発生し、発生したパルス信号を車輪角速度センサ3に出力する。
車輪角速度センサ3は、車速パルス発生器2から入力されたパルス信号から車輪の回転角速度を算出し、算出した車輪角速度をABS制御部100に出力する。
ブレーキペダル4は、マスタシリンダ5のピストンに連結されており、運転者による踏力をマスタシリンダ5に伝達する。
車輪角速度センサ3は、車速パルス発生器2から入力されたパルス信号から車輪の回転角速度を算出し、算出した車輪角速度をABS制御部100に出力する。
ブレーキペダル4は、マスタシリンダ5のピストンに連結されており、運転者による踏力をマスタシリンダ5に伝達する。
マスタシリンダ5は、ブレーキペダル4への踏力を油圧に変換する油圧シリンダであり、ブレーキペダル4の踏力によって発生された油圧を、油圧配管10を介してブレーキキャリパ7Aに出力する。
リザーバ6は、ブレーキ系統に供給されるブレーキフルードを備蓄するタンクである。
ブレーキキャリパ7Aは、ブレーキディスク11に押し当てられるブレーキパッドと、油圧室内に備えられ、ブレーキパッドを油圧によって押し当てるピストンとを有しており、油圧配管10を介して油圧室内のピストンに油圧が伝達されると、ピストンがブレーキパッドをブレーキディスク11に押し当て、その摩擦により制動力が発生する。
リザーバ6は、ブレーキ系統に供給されるブレーキフルードを備蓄するタンクである。
ブレーキキャリパ7Aは、ブレーキディスク11に押し当てられるブレーキパッドと、油圧室内に備えられ、ブレーキパッドを油圧によって押し当てるピストンとを有しており、油圧配管10を介して油圧室内のピストンに油圧が伝達されると、ピストンがブレーキパッドをブレーキディスク11に押し当て、その摩擦により制動力が発生する。
マスタ圧センサ8aは、ブレーキペダル4が踏み込まれることによりマスタシリンダ5に発生している油圧(マスタ圧)を検出し、検出結果をABS制御部100に出力する。
キャリパ圧センサ8bは、ABS油圧ユニット9からブレーキキャリパ7Aに加えられる油圧(キャリパ圧)を検出し、検出結果をABS制御部100に出力する。
ABS油圧ユニット9は、ABS制御部100によって入力されるABS制御信号に応じて、キャリパ圧を制御する油圧制御バルブを開閉させ、ブレーキキャリパ7Aがブレーキディスク11にブレーキパッドを押し当てる際の油圧を変化させる。
キャリパ圧センサ8bは、ABS油圧ユニット9からブレーキキャリパ7Aに加えられる油圧(キャリパ圧)を検出し、検出結果をABS制御部100に出力する。
ABS油圧ユニット9は、ABS制御部100によって入力されるABS制御信号に応じて、キャリパ圧を制御する油圧制御バルブを開閉させ、ブレーキキャリパ7Aがブレーキディスク11にブレーキパッドを押し当てる際の油圧を変化させる。
油圧配管10は、ABS油圧ユニット9とブレーキキャリパ7Aのピストンとを連結しており、ABS油圧ユニット9からブレーキキャリパ7Aに油圧を伝達する油圧経路を構成している。
ブレーキディスク11は、タイヤ12と一体的に回転する円盤状の部材であり、ブレーキキャリパ7Aのブレーキパッドが押し当てられることにより、ブレーキパッドとの間で摩擦を発生する。
ブレーキディスク11は、タイヤ12と一体的に回転する円盤状の部材であり、ブレーキキャリパ7Aのブレーキパッドが押し当てられることにより、ブレーキパッドとの間で摩擦を発生する。
ABS制御部100は、車両状態を示す各種情報(車輪角速度センサ3から出力される車輪角速度、マスタ圧センサ8aから出力されるマスタシリンダ5の油圧、あるいは、キャリパ圧センサ8bから出力されるブレーキキャリパ7Aの油圧等)の入力を受け、後述する最大制動摩擦係数推定処理を実行することにより最大制動摩擦係数を推定すると共に、推定した最大制動摩擦係数に基づいて、ABS制動の制御を行う。なお、ABS制御部100は、ECU(Electronic Control Unit)にプログラムを組み込むことにより実現される。
(ABS制御部100の演算機能ブロック)
図2は、ABS制御部100における最大制動摩擦係数の推定を行う演算機能ブロックを示す図である。
図2において、ABS制御部100は、車輪角加速度演算部101と、ブレーキトルク演算部102と、勾配推定部103と、制動力推定部104と、最大制動力推定部105と、最大制動摩擦係数推定部106とを備えている。
車輪角加速度演算部101は、車輪角速度センサ2から入力される車輪角速度ω[rad/s]の変化率、即ち、車輪角加速度[rad/s2]を、1サンプル時間前の車輪角速度と新たに検出された車輪角速度との差をサンプル時間で除算する次式(1)によって算出する。
図2は、ABS制御部100における最大制動摩擦係数の推定を行う演算機能ブロックを示す図である。
図2において、ABS制御部100は、車輪角加速度演算部101と、ブレーキトルク演算部102と、勾配推定部103と、制動力推定部104と、最大制動力推定部105と、最大制動摩擦係数推定部106とを備えている。
車輪角加速度演算部101は、車輪角速度センサ2から入力される車輪角速度ω[rad/s]の変化率、即ち、車輪角加速度[rad/s2]を、1サンプル時間前の車輪角速度と新たに検出された車輪角速度との差をサンプル時間で除算する次式(1)によって算出する。
ブレーキトルク演算部102は、キャリパ圧センサ8bから入力されるブレーキキャリパ7Aの油圧に基づいて、次式(2)に従い、車輪に加えられるブレーキトルクTbを算出する。
ただし、BEF:ブレーキ効力係数、p:液圧、A:シリンダ面積、rd:ブレーキ有効半径、rt:タイヤ有効半径である。
ここで、ブレーキトルク演算部102は、ブレーキキャリパ7Aの油圧(キャリパ圧)を用いてブレーキトルクTbを算出するものとしたが、マスタシリンダ5に発生している圧力(マスタ圧)からキャリパ圧を推定し、この推定値を液圧pとして用いることで、ブレーキトルクTbを算出することができる。
ここで、ブレーキトルク演算部102は、ブレーキキャリパ7Aの油圧(キャリパ圧)を用いてブレーキトルクTbを算出するものとしたが、マスタシリンダ5に発生している圧力(マスタ圧)からキャリパ圧を推定し、この推定値を液圧pとして用いることで、ブレーキトルクTbを算出することができる。
このとき、ABSが作動する状況下においては、キャリパ圧は車輪の安定/不安定状態によって減圧、増圧が繰り返されることから、マスタ圧とは一致しないこととなる。そのため、ABS油圧ユニット9内部に備えられた油圧制御バルブの開閉時間からキャリパ圧を推定し、(2)式のp(液圧)として算入することにより、ブレーキトルクTbを算出する。
勾配推定部103は、車輪角加速度をキャリパ圧で割った値(ゲイン:Li)を、次式(3)によって算出する。
勾配推定部103は、車輪角加速度をキャリパ圧で割った値(ゲイン:Li)を、次式(3)によって算出する。
このLiは、ブレーキ圧力(キャリパ圧)の上昇に伴い車輪角加速度が比例して減速することに基づき、その減速度合いの変化を検出するために用いられるゲインである。
即ち、ゲインLiは、μ−S特性の制動摩擦係数μのピーク(制動力ピーク)を越えない安定領域では緩やかな勾配(L1)を示し、ピークを越えて車輪ロックが発生し易くなる不安定領域では急勾配(L2)となることから、Liの変化から車輪ロック傾向を検出する。
制動力推定部104は、車輪角加速度およびブレーキトルクを用いて、タイヤが発生する制動力Fxを推定する。
即ち、車輪についての運動方程式を解くと、
即ち、ゲインLiは、μ−S特性の制動摩擦係数μのピーク(制動力ピーク)を越えない安定領域では緩やかな勾配(L1)を示し、ピークを越えて車輪ロックが発生し易くなる不安定領域では急勾配(L2)となることから、Liの変化から車輪ロック傾向を検出する。
制動力推定部104は、車輪角加速度およびブレーキトルクを用いて、タイヤが発生する制動力Fxを推定する。
即ち、車輪についての運動方程式を解くと、
したがって、制動力推定部104は、車輪角加速度およびブレーキトルクの入力を受けて、(5)式に従い制動力Fxを推定する。
最大制動力推定部105は、勾配推定部103によって算出されたゲインLiが安定領域の値から不安定領域の値に変化したことを検出することにより、制動力のピークを推定する。
即ち、(5)式に(3)式を代入し、定数項をα、βとおくと、
Fx=αLip+βTb (6)
と表せることから、(6)式の両辺を時間微分すると、
最大制動力推定部105は、勾配推定部103によって算出されたゲインLiが安定領域の値から不安定領域の値に変化したことを検出することにより、制動力のピークを推定する。
即ち、(5)式に(3)式を代入し、定数項をα、βとおくと、
Fx=αLip+βTb (6)
と表せることから、(6)式の両辺を時間微分すると、
この(7)式における右辺第2項は、運転者がブレーキペダル4を踏み込み、キャリパ圧が増すと、車輪ロック傾向の有無によらず値が増加することとなる。そのため、制動力Fxのピーク値を求める上では、右辺第1項の変化に着目することが有効であると考えられる。
そこで、最大制動力推定部105は、制動力Fxのピークを検出する際、制動力Fx全体の変化率によってピークを検出することに代えて、(7)式の右辺第1項におけるゲインLiが安定領域の値L1であるか、あるいは、不安定領域の値L2であるかを常時判定し、ゲインLiがL1からL2に変化したことを検出したときに、制動力Fxのピークであると判定する。このとき、最大制動力推定部105は、ゲインLiがL1からL2に変化したときのキャリパ圧pおよびブレーキトルクTbを用いて、(6)式に従い、制動力Fxを推定する。
そこで、最大制動力推定部105は、制動力Fxのピークを検出する際、制動力Fx全体の変化率によってピークを検出することに代えて、(7)式の右辺第1項におけるゲインLiが安定領域の値L1であるか、あるいは、不安定領域の値L2であるかを常時判定し、ゲインLiがL1からL2に変化したことを検出したときに、制動力Fxのピークであると判定する。このとき、最大制動力推定部105は、ゲインLiがL1からL2に変化したときのキャリパ圧pおよびブレーキトルクTbを用いて、(6)式に従い、制動力Fxを推定する。
最大制動摩擦係数推定部106は、最大制動力推定部105によって推定された制動力Fxを輪荷重Wで除すことにより、最大制動摩擦係数μを推定する。
ここで、輪荷重Wは、静止状態の輪荷重と制動時の車体に発生するモーメントのつりあいから、次式(8)の関係を有する。
2・ΔWL=mgH (8)
ただし、ΔWは前2輪の荷重の増加分(後2輪の荷重の減少分)であり、前後方向の車体加速度に比例する。また、mは車両質量、gは重力加速度、Lはホイールベース、Hは車両重心高である。
また、制動時の各車輪の輪荷重は、車両静止時の各車輪の輪荷重をW0とすると、
前輪:Wf=W0+ΔW/2
後輪:Wr=W0−ΔW/2 (9)
と表される。
これら(6)〜(9)式より、次式(10)に従って、最大制動摩擦係数推定部106は、最大制動摩擦係数μを算出する。
μ=Fx/W (10)
ここで、輪荷重Wは、静止状態の輪荷重と制動時の車体に発生するモーメントのつりあいから、次式(8)の関係を有する。
2・ΔWL=mgH (8)
ただし、ΔWは前2輪の荷重の増加分(後2輪の荷重の減少分)であり、前後方向の車体加速度に比例する。また、mは車両質量、gは重力加速度、Lはホイールベース、Hは車両重心高である。
また、制動時の各車輪の輪荷重は、車両静止時の各車輪の輪荷重をW0とすると、
前輪:Wf=W0+ΔW/2
後輪:Wr=W0−ΔW/2 (9)
と表される。
これら(6)〜(9)式より、次式(10)に従って、最大制動摩擦係数推定部106は、最大制動摩擦係数μを算出する。
μ=Fx/W (10)
(制御フローチャート)
次に、ABS制御部100が実行する最大制動摩擦係数推定処理について説明する。
図3は、ABS制御部100が実行する最大制動摩擦係数推定処理を示すフローチャートである。最大制動摩擦係数推定処理は、自動車1Aのイグニションオンと共に開始される。
図3において、最大制動摩擦係数推定処理が開始されると、ABS制御部100は、車輪角加速度演算部101によって、車速パルス信号から車輪角加速度を算出する(ステップS1)。
次に、ABS制御部100が実行する最大制動摩擦係数推定処理について説明する。
図3は、ABS制御部100が実行する最大制動摩擦係数推定処理を示すフローチャートである。最大制動摩擦係数推定処理は、自動車1Aのイグニションオンと共に開始される。
図3において、最大制動摩擦係数推定処理が開始されると、ABS制御部100は、車輪角加速度演算部101によって、車速パルス信号から車輪角加速度を算出する(ステップS1)。
次に、ABS制御部100は、ブレーキトルク演算部102によって、キャリパ圧からブレーキトルクTbを算出する(ステップS2)。
続いて、ABS制御部100は、制動力推定部104によって、車輪角加速度およびブレーキトルクから制動力Fxを算出し(ステップS3)、勾配推定部103によって、ゲインLiを算出する(ステップS4)。
続いて、ABS制御部100は、制動力推定部104によって、車輪角加速度およびブレーキトルクから制動力Fxを算出し(ステップS3)、勾配推定部103によって、ゲインLiを算出する(ステップS4)。
そして、ABS制御部100は、最大制動力推定部105によって、ゲインLiを安定領域の値L1および不安定領域の値L2と比較演算し(ステップS5)、ゲインLiの値が安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変化したか否かの判定を行う(ステップS6)。
ステップS6において、ゲインLiの値が安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変化していないと判定した場合、ABS制御部100は、ステップS4の処理に移行する。
ステップS6において、ゲインLiの値が安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変化していないと判定した場合、ABS制御部100は、ステップS4の処理に移行する。
一方、ステップS6において、ゲインLiの値が安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変化したと判定した場合、ABS制御部100は、最大制動力推定部105によって、このときのキャリパ圧pおよびブレーキトルクTbから最大制動力Fxを推定する(ステップS7)。
そして、ABS制御部100は、最大制動摩擦係数推定部106によって、最大制動力Fxを輪荷重Wで除し、最大制動摩擦係数μを推定する(ステップS8)。
そして、ABS制御部100は、最大制動摩擦係数推定部106によって、最大制動力Fxを輪荷重Wで除し、最大制動摩擦係数μを推定する(ステップS8)。
ステップS8の後、ABS制御部100は、イグニションオフとされるまで最大制動摩擦係数推定処理を繰り返す。
なお、ステップS6において、自動車1Aの減速度として異常な値となる車輪角加速度の閾値を設定し、車輪角加速度が、その閾値を超えている場合(異常な減速度に該当する場合)に、ゲインLiの値が安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変化したか否かの判定を行うよう判定条件を付加することができる。この場合、安定領域において誤判定が発生する頻度を低減することができる。
なお、ステップS6において、自動車1Aの減速度として異常な値となる車輪角加速度の閾値を設定し、車輪角加速度が、その閾値を超えている場合(異常な減速度に該当する場合)に、ゲインLiの値が安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変化したか否かの判定を行うよう判定条件を付加することができる。この場合、安定領域において誤判定が発生する頻度を低減することができる。
(動作)
次に、自動車1Aの動作を説明する。
自動車1Aがイグニションオン状態とされると、最大制動摩擦係数推定処理が開始され、自動車1Aの運転中は、常時、最大制動摩擦係数推定処理が実行される。
そして、自動車1Aの運転者がブレーキペダル4を踏み込むと、マスタ圧が上昇し、油圧配管10を介してブレーキキャリパ7Aに油圧が伝達される。
すると、ブレーキキャリパ7Aのブレーキパッドがブレーキディスク11に押し当てられ、その摩擦により車輪の回転速度が減少していく。
次に、自動車1Aの動作を説明する。
自動車1Aがイグニションオン状態とされると、最大制動摩擦係数推定処理が開始され、自動車1Aの運転中は、常時、最大制動摩擦係数推定処理が実行される。
そして、自動車1Aの運転者がブレーキペダル4を踏み込むと、マスタ圧が上昇し、油圧配管10を介してブレーキキャリパ7Aに油圧が伝達される。
すると、ブレーキキャリパ7Aのブレーキパッドがブレーキディスク11に押し当てられ、その摩擦により車輪の回転速度が減少していく。
このとき、ABS制御部100では、車輪角速度およびキャリパ圧の入力を受けて、車輪角加速度およびブレーキトルクを算出し、これらを基に制動力を推定する。
そして、ABS制御部100は、車輪角加速度とキャリパ圧の比(ゲインLi)を算出し、ゲインLiが安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変動したと判定すると、そのときのキャリパ圧およびブレーキトルクから制動力のピークを推定する。
そして、ABS制御部100は、車輪角加速度とキャリパ圧の比(ゲインLi)を算出し、ゲインLiが安定領域の値L1から不安定領域の値L2に変動したと判定すると、そのときのキャリパ圧およびブレーキトルクから制動力のピークを推定する。
ここで、ゲインLiは、車輪角加速度をキャリパ圧で除した値であり、車輪が安定な状態と不安定な状態とで明瞭に特徴(傾きの変化)が表れるものである。
さらに、ABS制御部100は、ピークとして推定した制動力を輪荷重で除すことにより、最大制動摩擦係数を推定する。
この後、自動車1Aは、推定した最大制動摩擦係数を目標値としてABS制御を行う。
さらに、ABS制御部100は、ピークとして推定した制動力を輪荷重で除すことにより、最大制動摩擦係数を推定する。
この後、自動車1Aは、推定した最大制動摩擦係数を目標値としてABS制御を行う。
本実施形態においては、キャリパ圧をキャリパ圧センサ8bによって検出しているため、安定領域から不安定領域に移行した直前のキャリパ圧の絶対値を用いて、ABS制御において許容される最大のキャリパ圧を容易に決定することができる。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Aは、車輪角加速度とキャリパ圧との比の変動に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Aは、車輪角加速度とキャリパ圧との比の変動に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係が適確に反映される指標によって車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することができる。
即ち、本実施形態に係る自動車1Aにおいては、ブレーキ圧の上昇に伴い車輪の角加速度が減少することを1次近似(ゲインLi)で表すこととした。
即ち、本実施形態に係る自動車1Aにおいては、ブレーキ圧の上昇に伴い車輪の角加速度が減少することを1次近似(ゲインLi)で表すこととした。
図4は、μ−S特性を示す模式図である。
図4において、制動摩擦係数がピークを越えない範囲(安定領域)では、車輪角加速度は緩やかに減少し、ピーク以降の範囲(不安定領域)では急激に減少するものである。
この車輪角加速度とブレーキ圧(キャリパ圧)との関係を図示すると、図5のようになる。
図4において、制動摩擦係数がピークを越えない範囲(安定領域)では、車輪角加速度は緩やかに減少し、ピーク以降の範囲(不安定領域)では急激に減少するものである。
この車輪角加速度とブレーキ圧(キャリパ圧)との関係を図示すると、図5のようになる。
図5は、ブレーキ圧と車輪角加速度との関係を示す図である。
図5においては、運転者が制動を開始し、ブレーキ圧が上昇するに伴い車輪角加速度が減速していく過程を表しており、安定領域の圧力上昇では角加速度が閾値(例えば50[rad/s2])を越えない範囲で緩い減速度となる。制動初期から1.5[Mpa]近傍までの制動では、ゲインL1は緩やかな傾きとなり、L1=15[(rad/s2)/Mpa]程度である。さらに圧力上昇が継続されると、閾値近傍以上から車輪角加速度は急減少を開始し不安定傾向が強くなり、最終的には車輪ロックとなる。この時のゲインL2はL2=500[(rad/s2)/Mpa]程度である。なお、検出データに対して、10Hz程度のローパスフィルター処理によりノイズ除去している。実時間処理において10ms程度の遅れを発生するが、制動力ピーク推定への影響は小さい。
図5においては、運転者が制動を開始し、ブレーキ圧が上昇するに伴い車輪角加速度が減速していく過程を表しており、安定領域の圧力上昇では角加速度が閾値(例えば50[rad/s2])を越えない範囲で緩い減速度となる。制動初期から1.5[Mpa]近傍までの制動では、ゲインL1は緩やかな傾きとなり、L1=15[(rad/s2)/Mpa]程度である。さらに圧力上昇が継続されると、閾値近傍以上から車輪角加速度は急減少を開始し不安定傾向が強くなり、最終的には車輪ロックとなる。この時のゲインL2はL2=500[(rad/s2)/Mpa]程度である。なお、検出データに対して、10Hz程度のローパスフィルター処理によりノイズ除去している。実時間処理において10ms程度の遅れを発生するが、制動力ピーク推定への影響は小さい。
図6は、本実施形態における自動車1Aの制動力Fx、車輪角加速度dω/dtおよびブレーキトルクTbの制動時における時間変化の一例を示す図である。
図6において、t=2.6〜2.7[s]付近で車輪のロック傾向が発生しており、以後もブレーキトルクTbは時間と共に増加している。一方、車輪角加速度dω/dtおよび制動力Fxはt=2.7[s]の後、急激に減少している。
図6において、t=2.6〜2.7[s]付近で車輪のロック傾向が発生しており、以後もブレーキトルクTbは時間と共に増加している。一方、車輪角加速度dω/dtおよび制動力Fxはt=2.7[s]の後、急激に減少している。
本実施形態における自動車1Aは、キャリパ圧と車輪角加速度の比(ゲインLi)によって、制動操作によって車輪に加えられる力(キャリパ圧)と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態(車輪角加速度の急激な減少)との関係を適確に反映させて、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することを可能としている。
また、本実施形態においては、車輪が不安定状態となったときのキャリパ圧が把握できるため、以後のABS制御において、ピークとなる制動力を発生すると考えられるキャリパ圧の制御目標値を容易に把握することができ、ABS制御を効果的に行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、車輪が不安定状態となったときのキャリパ圧が把握できるため、以後のABS制御において、ピークとなる制動力を発生すると考えられるキャリパ圧の制御目標値を容易に把握することができ、ABS制御を効果的に行うことが可能となる。
なお、本実施形態においては、車速パルス発生器2、車輪角速度センサ3、キャリパ圧センサ8bおよび車輪角加速度演算部101が物理量検出手段を構成し、ABS制御部100が摩擦状態推定手段を構成し、車速パルス発生器2、車輪角速度センサ3および車輪角加速度演算部101が角加速度検出手段を構成し、キャリパ圧センサ8bがキャリパ圧検出手段を構成し、ABS制御部100が制動制御手段を構成している。
(第1実施形態の効果)
(1)摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係を示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
(1)摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係を示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
(2)角加速度検出手段によって車輪の回転角加速度が検出され、キャリパ圧検出手段によってピストンがブレーキパッドに印加する圧力が検出され、物理量検出手段は、車輪の回転角加速度とキャリパ圧検出手段が検出した圧力との比を検出し、摩擦状態推定手段が、この比を基に車輪と路面との間における摩擦状態を推定するので、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係が適確に反映される指標によって、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することが可能となる。
(3)物理量検出手段は、車輪の回転角加速度と圧力との比を一次近似した勾配として順次検出し、摩擦状態推定手段は、この勾配の値が減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定するので、このピークを明確に判定することができる。
(4)摩擦状態推定手段は、車輪の回転角加速度が設定された閾値を超えている場合に、車輪と路面との制動力におけるピークの判定を行うので、確実に不安定状態となった場合にのみ、制動力のピーク検出が行われる処理とすることができる。
(4)摩擦状態推定手段は、車輪の回転角加速度が設定された閾値を超えている場合に、車輪と路面との制動力におけるピークの判定を行うので、確実に不安定状態となった場合にのみ、制動力のピーク検出が行われる処理とすることができる。
(5)摩擦状態推定手段が、ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係を示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。また、制動制御手段が、このように推定された摩擦状態を参照して制動制御を行うため、タイヤと路面との摩擦力を有効に活用して制動制御を行うことが可能な自動車とできる。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。また、制動制御手段が、このように推定された摩擦状態を参照して制動制御を行うため、タイヤと路面との摩擦力を有効に活用して制動制御を行うことが可能な自動車とできる。
(6)ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係を示す物理量を検出し、検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定するので、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定できる摩擦状態推定方法とできる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
(構成)
図7は、本実施形態に係る自動車1Bの構成を示す概略図である。
図7において、自動車1Bの構成は、第1実施形態に係る自動車1Aに対し、ブレーキキャリパ7Bの構造およびABS制御部200における制御方法が異なるものである。
したがって、以下の説明において、第1実施形態と同様の部分については、第1実施形態における説明を参照することとし、異なる部分を主として説明する。
ブレーキキャリパ7Bは、ブレーキディスク11に押し当てられるブレーキパッドと、油圧室内に備えられ、ブレーキパッドを油圧によって押し当てるピストンとを有しており、油圧配管10を介して油圧室内のピストンに油圧が伝達されると、ピストンがブレーキパッドをブレーキディスク11に押し当て、その摩擦により制動力が発生する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
(構成)
図7は、本実施形態に係る自動車1Bの構成を示す概略図である。
図7において、自動車1Bの構成は、第1実施形態に係る自動車1Aに対し、ブレーキキャリパ7Bの構造およびABS制御部200における制御方法が異なるものである。
したがって、以下の説明において、第1実施形態と同様の部分については、第1実施形態における説明を参照することとし、異なる部分を主として説明する。
ブレーキキャリパ7Bは、ブレーキディスク11に押し当てられるブレーキパッドと、油圧室内に備えられ、ブレーキパッドを油圧によって押し当てるピストンとを有しており、油圧配管10を介して油圧室内のピストンに油圧が伝達されると、ピストンがブレーキパッドをブレーキディスク11に押し当て、その摩擦により制動力が発生する。
また、ブレーキキャリパ7Bには、ブレーキディスク11とブレーキパッドの摩擦により制動機構に生ずる歪みを検出するためのセンサが設置されている。
図8は、自動車1Bの制動機構の構成を示す概略図である。
図8において、自動車1Bの制動機構は、ナックル301と、ナックルとブレーキキャリパ7Bとの締結部302A,302Bと、締結部302Bに設置された応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dと、ブレーキキャリパ7Bと、ブレーキディスク11とを備えている。
これらのうち、ナックル301は、ハブを介して車輪を支持すると共に、サスペンションアームを介して車体に連結されており、締結部302A,302Bを介してブレーキキャリパ7Bを支持している。
図8は、自動車1Bの制動機構の構成を示す概略図である。
図8において、自動車1Bの制動機構は、ナックル301と、ナックルとブレーキキャリパ7Bとの締結部302A,302Bと、締結部302Bに設置された応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dと、ブレーキキャリパ7Bと、ブレーキディスク11とを備えている。
これらのうち、ナックル301は、ハブを介して車輪を支持すると共に、サスペンションアームを介して車体に連結されており、締結部302A,302Bを介してブレーキキャリパ7Bを支持している。
締結部302A,302Bは、図8の側面図において、ブレーキキャリパ7Bの車軸側上端部および下端部に形成された2箇所のボルト部と、ナックル301から外方に伸びる上下2本の腕に形成され、ブレーキキャリパ7Bのボルト部をそれぞれ挿通する挿通孔と、ブレーキキャリパ7Bの挿通孔に挿通されたナックル301のボルト部それぞれに螺嵌されるナットとによって構成される。このような構成によってナックル301とブレーキキャリパ7Bとが締結されており、ブレーキキャリパ7Bのブレーキパッドがブレーキディスクに押し当てられると、締結部302A,302Bには、その摩擦による僅かな歪みが生じることとなる。
応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dは、それぞれ歪みゲージによって構成されており、締結部302Bにおける歪みを検出可能な位置に設置されている。なお、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dを締結部302Aに設置することも可能である。
応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dは、それぞれ歪みゲージによって構成されており、締結部302Bにおける歪みを検出可能な位置に設置されている。なお、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dを締結部302Aに設置することも可能である。
図9は、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dの具体的設置方法の一例を示す図である。
図9において、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dは、締結部302B側の腕、即ち、ナックル301の上下2本の腕のうち下側の腕(以下、「センサ設置腕」と言う。)に設置されており、応力センサ303A,303Bが直交した状態でセンサ設置腕の上面に貼付されていると共に、応力センサ303C,303Dが直交した状態で、センサ設置腕の下面に貼付されている。
図9において、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dは、締結部302B側の腕、即ち、ナックル301の上下2本の腕のうち下側の腕(以下、「センサ設置腕」と言う。)に設置されており、応力センサ303A,303Bが直交した状態でセンサ設置腕の上面に貼付されていると共に、応力センサ303C,303Dが直交した状態で、センサ設置腕の下面に貼付されている。
この応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dによって検出された歪み量は、不図示のストレインアンプにより増幅され、増幅された電圧値σがABS制御部200に出力される。
なお、ABS制御部200において、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dから入力された電圧値は、例えば、図10に示す関係に従って、ブレーキトルクとして検出できるようにゲイン補正される。このとき、歪み量(電圧値σ)とブレーキトルクとの関係は、台上試験における計測器の読み取り値、例えばロードセルなどを用いて予め計測された値を参照して規定することができる。なお、本実施形態においては、歪み量にゲインKiを乗じることでブレーキトルクTbに換算されるものとして説明する。
なお、ABS制御部200において、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dから入力された電圧値は、例えば、図10に示す関係に従って、ブレーキトルクとして検出できるようにゲイン補正される。このとき、歪み量(電圧値σ)とブレーキトルクとの関係は、台上試験における計測器の読み取り値、例えばロードセルなどを用いて予め計測された値を参照して規定することができる。なお、本実施形態においては、歪み量にゲインKiを乗じることでブレーキトルクTbに換算されるものとして説明する。
また、このようなブレーキトルクの検出過程において、歪みゲージ(応力センサ303A,303Bおよび303C,303D)の取付け角度は検出精度に影響を及ぼすため角度補正が行われる。このとき、制動力が発生した時のブレーキキャリパ7Bの回転モーメント方向が、ブレーキディスク11の回転方向と同じ方向であり、ナックル締結部に発生する応力としては捻りトルクを検出するよう歪みゲージを貼り付けることで、所望のモーメント量をブレーキトルクとして検出することが可能となる。
本実施形態においては、締結部302A,302Bが略円筒形状となっており、90度の角度で交差する2枚の歪みゲージを1組として、円筒面上で表裏の関係にある位置に対称に貼付している。このような設置方法とすることで、捻りトルクを検出することが容易となり、温度補償も含めた構成とできる。
なお、ナックル301に円筒形状部位が存在しない場合は、ブレーキキャリパ7B側の締結部で円筒形となっている部位において同様のゲージ構成とし、所望の捻りトルクを検出することが可能である。
なお、ナックル301に円筒形状部位が存在しない場合は、ブレーキキャリパ7B側の締結部で円筒形となっている部位において同様のゲージ構成とし、所望の捻りトルクを検出することが可能である。
図7に戻り、ABS制御部200は、車両状態を示す各種情報(車輪角速度センサ3から出力される車輪角速度、マスタ圧センサ8aから出力されるマスタシリンダ5の油圧、キャリパ圧センサ8bから出力されるブレーキキャリパ7Aの油圧、あるいは、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dによって検出された歪み量(電圧値σ)等)の入力を受け、後述する最大制動摩擦係数推定処理を実行することにより最大制動摩擦係数を推定すると共に、推定した最大制動摩擦係数に基づいて、ABS制動の制御を行う。なお、ABS制御部200は、ECU(Electronic Control Unit)にプログラムを組み込むことにより実現される。
(ABS制御部200の演算機能ブロック)
図11は、ABS制御部200における最大制動摩擦係数の推定を行う演算機能ブロックを示す図である。
図11において、ABS制御部200は、車輪角加速度演算部201と、ブレーキトルク演算部202と、勾配推定部203a,203bと、制動力推定部204と、最大制動力推定部205と、最大制動摩擦係数推定部206とを備えている。
車輪角加速度演算部201は、車輪角速度センサ2から入力される車輪角速度ω[rad/s]の変化率、即ち、車輪角加速度[rad/s2]を、1サンプル時間前の車輪角速度と新たに検出された車輪角速度との差を単位時間で除算する次式(11)によって算出する。
図11は、ABS制御部200における最大制動摩擦係数の推定を行う演算機能ブロックを示す図である。
図11において、ABS制御部200は、車輪角加速度演算部201と、ブレーキトルク演算部202と、勾配推定部203a,203bと、制動力推定部204と、最大制動力推定部205と、最大制動摩擦係数推定部206とを備えている。
車輪角加速度演算部201は、車輪角速度センサ2から入力される車輪角速度ω[rad/s]の変化率、即ち、車輪角加速度[rad/s2]を、1サンプル時間前の車輪角速度と新たに検出された車輪角速度との差を単位時間で除算する次式(11)によって算出する。
ブレーキトルク演算部202は、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dから入力される歪み量(電圧値)σにゲインKiを乗じ、ブレーキトルクTbを算出する。ここで算出されるブレーキトルクTbは、キャリパ圧あるいはマスタ圧から算出する場合に比べ、タイヤと路面との間に作用する力の影響をより直接的に測定した値に基づくものであるため、算出した値がより正確なものとなる。
勾配推定部203aは、ブレーキトルク演算部202から入力されるブレーキトルクTbを、1サンプル時間前のブレーキトルクTb(t)と新たに検出されたブレーキトルクTb(t+Δt)との差(勾配)をサンプル時間で除算する次式(12)によって算出する。
勾配推定部203aは、ブレーキトルク演算部202から入力されるブレーキトルクTbを、1サンプル時間前のブレーキトルクTb(t)と新たに検出されたブレーキトルクTb(t+Δt)との差(勾配)をサンプル時間で除算する次式(12)によって算出する。
このように算出される差分値により、時系列でのブレーキトルクTbの勾配変動を検出できるので、この勾配を次式(13)のように定義する。
図12は、ブレーキトルクTbの変動を示す模式図である。
図12に示すように、ブレーキトルクTbは、ブレーキ4が踏み込まれ、キャリパ圧が増すと、安定領域ではほぼ一定の傾きで増加していくと共に、不安定傾向が生じると徐々に傾きが減少し、不安定領域では、急激に減少するという特徴を有している。
そこで、ブレーキトルクTbの勾配Kiが(14)式のような関係を有することに鑑みて、勾配推定部203aは、新たに算出されたブレーキトルクTbの勾配を直前の算出値と比較演算する。
図12に示すように、ブレーキトルクTbは、ブレーキ4が踏み込まれ、キャリパ圧が増すと、安定領域ではほぼ一定の傾きで増加していくと共に、不安定傾向が生じると徐々に傾きが減少し、不安定領域では、急激に減少するという特徴を有している。
そこで、ブレーキトルクTbの勾配Kiが(14)式のような関係を有することに鑑みて、勾配推定部203aは、新たに算出されたブレーキトルクTbの勾配を直前の算出値と比較演算する。
勾配推定部203bは、車輪角加速度をキャリパ圧で割った値(ゲイン:Li)を、次式(13)によって算出する。
このLiは、ブレーキ圧力(キャリパ圧)の上昇に伴い車輪角加速度が比例して減速することに基づき、その減速度合いの変化を検出するために用いられるゲインである。
制動力推定部204は、車輪角加速度およびブレーキトルクの入力を受けて、次式(16)に従い制動力Fxを推定する。
制動力推定部204は、車輪角加速度およびブレーキトルクの入力を受けて、次式(16)に従い制動力Fxを推定する。
ここで、本実施形態におけるブレーキトルクTbの値は、上述のように、キャリパ圧あるいはマスタ圧から算出する場合に比べ、タイヤと路面との間に作用する力の影響をより直接的に測定した値に基づくものであるため、算出した値がより正確なものとなっており、そのため、ここで算出される制動力Fxの絶対値もより信頼性が高いものとなっている。
最大制動力推定部205は、勾配推定部203aによって算出されたブレーキトルクの勾配と、勾配推定部203bによって算出されたゲインLiとに基づいて、次式(17)の関係を基に、制動力のピークを推定する。なお、(17)式におけるα,βの定義は、第1実施形態における(6)式と同様である。
最大制動力推定部205は、勾配推定部203aによって算出されたブレーキトルクの勾配と、勾配推定部203bによって算出されたゲインLiとに基づいて、次式(17)の関係を基に、制動力のピークを推定する。なお、(17)式におけるα,βの定義は、第1実施形態における(6)式と同様である。
即ち、(17)式の右辺第1項のゲインLiおよび右辺第2項のブレーキトルクTbの勾配(即ち、Ki)は、安定領域から不安定領域への移行に伴い、それぞれ有意な変化を示すため、最大制動力推定部205は、制動力Fxのピークを検出する際、制動力Fx全体の変化率によってピークを検出することに代えて、(17)式の右辺におけるゲインLiおよびブレーキトルクTbの勾配Kiが、安定領域の値であるか、あるいは、不安定領域の値であるかを常時判定し、ゲインLiがL1からL2に変化したこと、あるいは、勾配KiがK1からK2に変化したことを検出したときに、制動力Fxのピークであると判定する。このとき、最大制動力推定部205は、ゲインLiがL1からL2に変化したとき、あるいは、勾配KiがK1からK2に変化したときのキャリパ圧pおよびブレーキトルクTbを用いて、第1実施形態と同様に、(6)式に従い、制動力Fxを推定する。
なお、安定領域から不安定領域に移行したことの検出条件は、ゲインLiおよびブレーキトルクTbの勾配Kiの両方が安定領域の値から不安定領域の値に変化すること(論理積)およびゲインLiおよびブレーキトルクTbの勾配Kiのいずれかが安定領域の値から不安定領域の値に変化すること(論理和)のいずれかとすることが可能である。
最大制動摩擦係数推定部206は、次式(18)に従って、最大制動力推定部205によって推定された制動力Fxを輪荷重Wで除すことにより、最大制動摩擦係数μを推定する。
μ=Fx/W (18)
ここで、本実施形態において推定される制動力Fxは、上述の通り、信頼性の高い値となるため、ここで推定される最大制動摩擦係数μも信頼性の高いものとなっている。
最大制動摩擦係数推定部206は、次式(18)に従って、最大制動力推定部205によって推定された制動力Fxを輪荷重Wで除すことにより、最大制動摩擦係数μを推定する。
μ=Fx/W (18)
ここで、本実施形態において推定される制動力Fxは、上述の通り、信頼性の高い値となるため、ここで推定される最大制動摩擦係数μも信頼性の高いものとなっている。
(制御フローチャート)
次に、ABS制御部200が実行する最大制動摩擦係数推定処理について説明する。
図13は、ABS制御部200が実行する最大制動摩擦係数推定処理を示すフローチャートである。最大制動摩擦係数推定処理は、自動車1Bのイグニションオンと共に開始される。
図13において、最大制動摩擦係数推定処理が開始されると、ABS制御部200は、車輪角加速度演算部201によって、車速パルス信号から車輪角加速度を算出する(ステップS101)。
次に、ABS制御部200が実行する最大制動摩擦係数推定処理について説明する。
図13は、ABS制御部200が実行する最大制動摩擦係数推定処理を示すフローチャートである。最大制動摩擦係数推定処理は、自動車1Bのイグニションオンと共に開始される。
図13において、最大制動摩擦係数推定処理が開始されると、ABS制御部200は、車輪角加速度演算部201によって、車速パルス信号から車輪角加速度を算出する(ステップS101)。
次に、ABS制御部200は、ブレーキトルク演算部202によって、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dから歪み量を取得し(ステップS102)、取得した歪み量からブレーキトルクTbを算出する(ステップS103)。
続いて、ABS制御部200は、制動力推定部204によって、車輪角加速度およびブレーキトルクから制動力Fxを算出し(ステップS104)、勾配推定部203aによってブレーキトルクの勾配Kiを、勾配推定部203bによってゲインLiを算出する(ステップS105)。
続いて、ABS制御部200は、制動力推定部204によって、車輪角加速度およびブレーキトルクから制動力Fxを算出し(ステップS104)、勾配推定部203aによってブレーキトルクの勾配Kiを、勾配推定部203bによってゲインLiを算出する(ステップS105)。
そして、ABS制御部200は、最大制動力推定部205によって、勾配KiおよびゲインLiをそれぞれ安定領域の値K1,L1および不安定領域の値K2,L2と比較演算し(ステップS106)、勾配KiあるいはゲインLiの値が安定領域の値K1,L1から不安定領域の値K2,L2に変化したか否かの判定を行う(ステップS107)。
ステップS107において、勾配KiおよびゲインLiの値がいずれも安定領域の値K1,L1から不安定領域の値K2,L2に変化していないと判定した場合、ABS制御部200は、ステップS105の処理に移行する。
ステップS107において、勾配KiおよびゲインLiの値がいずれも安定領域の値K1,L1から不安定領域の値K2,L2に変化していないと判定した場合、ABS制御部200は、ステップS105の処理に移行する。
一方、ステップS107において、勾配KiあるいはゲインLiの値のいずれかが安定領域の値K1,L1から不安定領域の値K2,L2に変化したと判定した場合、ABS制御部200は、最大制動力推定部205によって、このときのキャリパ圧pおよびブレーキトルクTbから最大制動力Fxを推定する(ステップS108)。
そして、ABS制御部200は、最大制動摩擦係数推定部206によって、最大制動力Fxを輪荷重Wで除し、最大制動摩擦係数μを推定する(ステップS109)。
ステップS109の後、ABS制御部200は、イグニションオフとされるまで最大制動摩擦係数推定処理を繰り返す。
そして、ABS制御部200は、最大制動摩擦係数推定部206によって、最大制動力Fxを輪荷重Wで除し、最大制動摩擦係数μを推定する(ステップS109)。
ステップS109の後、ABS制御部200は、イグニションオフとされるまで最大制動摩擦係数推定処理を繰り返す。
(動作)
次に、自動車1Bの動作を説明する。
自動車1Bがイグニションオン状態とされると、最大制動摩擦係数推定処理が開始され、自動車1Bの運転中は、常時、最大制動摩擦係数推定処理が実行される。
そして、自動車1Bの運転者がブレーキペダル4を踏み込むと、マスタ圧が上昇し、油圧配管10を介してブレーキキャリパ7Bに油圧が伝達される。
すると、ブレーキキャリパ7Bのブレーキパッドがブレーキディスク11に押し当てられ、その摩擦によりブレーキキャリパ7Bの締結部302A,302Bに歪みが生じると共に、車輪の回転速度が減少していく。
次に、自動車1Bの動作を説明する。
自動車1Bがイグニションオン状態とされると、最大制動摩擦係数推定処理が開始され、自動車1Bの運転中は、常時、最大制動摩擦係数推定処理が実行される。
そして、自動車1Bの運転者がブレーキペダル4を踏み込むと、マスタ圧が上昇し、油圧配管10を介してブレーキキャリパ7Bに油圧が伝達される。
すると、ブレーキキャリパ7Bのブレーキパッドがブレーキディスク11に押し当てられ、その摩擦によりブレーキキャリパ7Bの締結部302A,302Bに歪みが生じると共に、車輪の回転速度が減少していく。
このとき、応力センサ303A,303Bおよび303C,303Dによって締結部302B(センサ設置腕)に生じた歪み量が検出される。
すると、ABS制御部200では、検出された歪み量と車輪角速度の入力を受けて、車輪角加速度およびブレーキトルクを算出し、これらを基に制動力を推定する。
ここで、本実施形態におけるブレーキトルクの値は、上述の通り、タイヤと路面との間に作用する力の影響をより直接的に測定した値に基づくものであり、このブレーキトルクを用いて算出される制動力Fxの絶対値もより信頼性が高いものとなっている。
すると、ABS制御部200では、検出された歪み量と車輪角速度の入力を受けて、車輪角加速度およびブレーキトルクを算出し、これらを基に制動力を推定する。
ここで、本実施形態におけるブレーキトルクの値は、上述の通り、タイヤと路面との間に作用する力の影響をより直接的に測定した値に基づくものであり、このブレーキトルクを用いて算出される制動力Fxの絶対値もより信頼性が高いものとなっている。
また、ABS制御部200は、キャリパ圧の入力を受けて、車輪角加速度とキャリパ圧の比(ゲインLi)を算出すると共に、ブレーキトルクの勾配Kiを算出する。
そして、ABS制御部200は、勾配KiあるいはゲインLiの値が安定領域の値K1,L1から不安定領域の値K2,L2に変化したと判定すると、そのときのキャリパ圧およびブレーキトルクから制動力のピークを推定する。
そして、ABS制御部200は、勾配KiあるいはゲインLiの値が安定領域の値K1,L1から不安定領域の値K2,L2に変化したと判定すると、そのときのキャリパ圧およびブレーキトルクから制動力のピークを推定する。
ここで、ゲインLiは、車輪角加速度をキャリパ圧で除した値であり、車輪が安定な状態と不安定な状態とで明瞭に特徴(傾きの変化)が表れるものである。
また、勾配Kiは、ブレーキトルクの変化率であり、車輪が安定な状態ではほぼ一定であり、不安定傾向を生じると、大きく傾き(勾配)が変化するものである。
さらに、ABS制御部200は、ピークとして推定した制動力を輪荷重で除すことにより、最大制動摩擦係数を推定する。
また、勾配Kiは、ブレーキトルクの変化率であり、車輪が安定な状態ではほぼ一定であり、不安定傾向を生じると、大きく傾き(勾配)が変化するものである。
さらに、ABS制御部200は、ピークとして推定した制動力を輪荷重で除すことにより、最大制動摩擦係数を推定する。
この後、自動車1Bは、推定した最大制動摩擦係数を目標値としてABS制御を行う。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Bは、車輪角加速度とキャリパ圧との比の変動、および、制動時にキャリパとナックルとの締結部に生じる歪み量を基に算出したブレーキトルクの変動と基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
このキャリパとナックルとの締結部に生じる歪み量は、タイヤと路面との間に作用する力の影響をより直接的に表すものであるため、キャリパ圧あるいはマスタ圧からブレーキトルクを算出する場合に比べ、より正確な値を取得することができる。
以上のように、本実施形態に係る自動車1Bは、車輪角加速度とキャリパ圧との比の変動、および、制動時にキャリパとナックルとの締結部に生じる歪み量を基に算出したブレーキトルクの変動と基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
このキャリパとナックルとの締結部に生じる歪み量は、タイヤと路面との間に作用する力の影響をより直接的に表すものであるため、キャリパ圧あるいはマスタ圧からブレーキトルクを算出する場合に比べ、より正確な値を取得することができる。
したがって、制動操作によって車輪と路面とに生じる実際の摩擦がより直接的に反映される指標を要素として車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することができる。
即ち、本実施形態に係る自動車1Bにおいては、制動時にキャリパに発生するモーメントの動的な変動から得たブレーキトルクを用いて、制動力ピークを高い精度で推定している。
即ち、本実施形態に係る自動車1Bにおいては、制動時にキャリパに発生するモーメントの動的な変動から得たブレーキトルクを用いて、制動力ピークを高い精度で推定している。
図14は、本実施形態における自動車1Bの制動力Fx、車輪角加速度dω/dtおよびブレーキトルクTbの制動時における時間変化の一例を示す図である。
図14において、t=2.6〜2.7[s]付近で車輪のロック傾向が発生しており、このとき、ブレーキトルクTbは従前の増加傾向から傾きが0の状態となっていると共に、以後、減少する状態となる。また、車輪角加速度dω/dtおよび制動力Fxは車輪ロック傾向の発生に従いt=2.7[s]の後、急激に減少している。
図14において、t=2.6〜2.7[s]付近で車輪のロック傾向が発生しており、このとき、ブレーキトルクTbは従前の増加傾向から傾きが0の状態となっていると共に、以後、減少する状態となる。また、車輪角加速度dω/dtおよび制動力Fxは車輪ロック傾向の発生に従いt=2.7[s]の後、急激に減少している。
キャリパ圧(あるいはマスタ圧)からブレーキトルクを推定する場合、車輪がロック傾向を生じ、制動力が減少する状況下においても、運転者がブレーキペダルを踏み込むことによりブレーキトルクの推定値が増加し、その乖離によって、制動力のピーク値や最大制動摩擦係数の推定値に誤差が生じる。これに対し、本実施形態のように、制動時にキャリパ(締結部)に発生するモーメントからブレーキトルクを算出する場合、車輪ロック傾向の発生によって制動力が減少する状態を適確に反映したブレーキトルクを求めることができ、車輪と路面との間における摩擦状態を正確に推定することが出来ると共に、制動力あるいは制動摩擦係数の正確な値を推定することができる。
なお、本実施形態においては、応力センサ303A〜303Dおよびブレーキトルク演算部202が物理量検出手段を構成し、ABS制御部200が摩擦状態推定手段を構成し、応力センサ303A〜303Dが歪み検出手段を構成している。
なお、本実施形態においては、応力センサ303A〜303Dおよびブレーキトルク演算部202が物理量検出手段を構成し、ABS制御部200が摩擦状態推定手段を構成し、応力センサ303A〜303Dが歪み検出手段を構成している。
(第2実施形態の効果)
(1)摩擦状態推定手段が、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪と路面とに生じる実際の摩擦がより直接的に反映される指標を要素として車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
(2)物理量検出手段は、ブレーキトルクの勾配を順次検出し、摩擦状態推定手段は、この勾配の値が減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定するので、このピークを明確に判定することができる。
(1)摩擦状態推定手段が、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪と路面とに生じる実際の摩擦がより直接的に反映される指標を要素として車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。
(2)物理量検出手段は、ブレーキトルクの勾配を順次検出し、摩擦状態推定手段は、この勾配の値が減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定するので、このピークを明確に判定することができる。
(3)摩擦状態推定手段は、前記物理量検出手段によって検出された車輪の回転角加速度と該圧力との比を一次近似した勾配およびブレーキトルクの勾配をそれぞれ直前の検出値と比較し、制動時において、これら勾配の少なくともいずれかが減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定するので、このピークを明確に、かつ、確実に判定することができる。
また、複数の情報から摩擦力が推定され、これに基づいて制駆動力が推定されるため、車両の状態に関わらず制駆動力あるいは車輪と路面との摩擦状態を検出することができ、検出精度を向上することができる。
また、複数の情報から摩擦力が推定され、これに基づいて制駆動力が推定されるため、車両の状態に関わらず制駆動力あるいは車輪と路面との摩擦状態を検出することができ、検出精度を向上することができる。
(4)摩擦状態推定手段が、物理量検出手段によって検出されたブレーキトルクを要素として制動力を算出するので、制動力を正確に推定することができる。
(5)摩擦状態推定手段が、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。また、制動制御手段が、このように推定された摩擦状態を参照して制動制御を行うため、タイヤと路面との摩擦力を有効に活用して制動制御を行うことが可能な自動車とできる。
(5)摩擦状態推定手段が、ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みを示す物理量に基づいて、車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定する。
したがって、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定することができる。また、制動制御手段が、このように推定された摩擦状態を参照して制動制御を行うため、タイヤと路面との摩擦力を有効に活用して制動制御を行うことが可能な自動車とできる。
(6)ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みを示す物理量を検出し、検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定するので、制動操作によって車輪に加えられる力と、路面との摩擦に基づいて生じる車輪の回転状態との関係を適確に反映させて車輪の摩擦状態を判定できるため、車輪と路面との間における摩擦状態をより正確に推定できる摩擦状態推定方法とできる。
(応用例)
第2実施形態においては、車輪角加速度をキャリパ圧で割ったゲインLiとブレーキトルクの勾配Kiとを参照し、これらの変動から車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定することとしたが、本応用例においては、ブレーキトルクの勾配Kiのみを参照して車輪の摩擦状態を判定する。
即ち、車輪が安定状態の間はブレーキトルクの勾配Kiが一定の値であるのに対し、車輪ロック傾向が生じると勾配Kiが減少していくことを利用し、制動時における勾配Kiの減少を検出して、車輪が安定状態から不安定状態へと遷移しているものと判定する。
この場合、より簡単な構成で車輪の摩擦状態を推定することができる。
第2実施形態においては、車輪角加速度をキャリパ圧で割ったゲインLiとブレーキトルクの勾配Kiとを参照し、これらの変動から車輪の摩擦状態(安定/不安定)を判定することとしたが、本応用例においては、ブレーキトルクの勾配Kiのみを参照して車輪の摩擦状態を判定する。
即ち、車輪が安定状態の間はブレーキトルクの勾配Kiが一定の値であるのに対し、車輪ロック傾向が生じると勾配Kiが減少していくことを利用し、制動時における勾配Kiの減少を検出して、車輪が安定状態から不安定状態へと遷移しているものと判定する。
この場合、より簡単な構成で車輪の摩擦状態を推定することができる。
1A,1B 自動車、2 車速パルス発生器、3 車輪角速度センサ、4 ブレーキペダル、5 マスタシリンダ、6 リザーバ、7A,7B ブレーキキャリパ、8a マスタ圧センサ、8b キャリパ圧センサ、9 ABS油圧ユニット、10 油圧配管、11 ブレーキディスク、12 タイヤ、100,200 ABS制御部、101,201 車輪角加速度演算部、102,202 ブレーキトルク演算部、103,203a,203b 勾配推定部、104,204 制動力推定部、105,205 最大制動力推定部、106,206 最大制動摩擦係数推定部、301 ナックル、302A,302B 締結部、303A〜303D 応力センサ
Claims (10)
- タイヤと一体に回転するブレーキディスクと、
ブレーキディスクに押し当てられて摩擦を発生するブレーキパッド、および、ブレーキパッドにブレーキディスクへ押し当てるための圧力を印加するピストンを有するブレーキキャリパと、
締結部を介してブレーキキャリパを支持するナックルと、
前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段によって検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定手段と、
を備えることを特徴とする摩擦状態推定装置。 - 前記物理量検出手段は、
車輪の回転角加速度を検出する角加速度検出手段と、
前記ピストンがブレーキパッドに印加する圧力を検出するキャリパ圧検出手段とを備え、
前記物理量として、車輪の回転角加速度と該圧力との比を検出することを特徴とする請求項1記載の摩擦状態推定装置。 - 前記物理量検出手段は、前記車輪の回転角加速度と圧力との比を一次近似した勾配として前記物理量を順次検出し、
前記摩擦状態推定手段は、前記物理量検出手段によって検出された前記勾配を直前の検出値と比較し、制動時において、前記勾配の値が減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定することを特徴とする請求項2記載の摩擦状態推定装置。 - 前記摩擦状態推定手段は、車輪の回転角加速度が設定された閾値を超えているか否か判定し、車輪の回転角加速度が設定された閾値を超えている場合に、前記物理量検出手段によって検出された前記勾配の値を直前の検出値と比較し、制動時において、前記勾配の値が減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定することを特徴とする請求項3記載の摩擦状態推定装置。
- 前記物理量検出手段は、
前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部における歪みを検出する歪み検出手段を備え、
前記物理量として、前記締結部における歪みから推定したブレーキトルクを検出することを特徴とする請求項1記載の摩擦状態推定装置。 - 前記物理量検出手段は、前記ブレーキトルクの勾配を前記物理量として順次検出し、
前記摩擦状態推定手段は、前記物理量検出手段によって検出された前記ブレーキトルクの勾配を直前の検出値と比較し、制動時において、前記物理量検出手段によって検出されたブレーキトルクの勾配の値が減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定することを特徴とする請求項5記載の摩擦状態推定装置。 - 前記物理量検出手段は、
車輪の回転角加速度を検出する角加速度検出手段と、
前記ピストンがブレーキパッドに印加する圧力を検出するキャリパ圧検出手段と、
前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部における歪みを検出する歪み検出手段を備え、
前記物理量として、車輪の回転角加速度と該圧力との比を一次近似した勾配および前記締結部における歪みから推定したブレーキトルクの勾配を順次検出し、
前記摩擦状態推定手段は、前記物理量検出手段によって検出された車輪の回転角加速度と該圧力との比を一次近似した勾配および前記ブレーキトルクの勾配をそれぞれ直前の検出値と比較し、制動時において、これら勾配の少なくともいずれかが減少したときに、車輪と路面との制動力におけるピークであると判定することを特徴とする請求項1記載の摩擦状態推定装置。 - 前記摩擦状態推定手段は、前記物理量検出手段によって検出されたブレーキトルクを要素として制動力を算出することを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の摩擦状態推定装置。
- 車体と、
タイヤと一体に回転するブレーキディスクと、
ブレーキディスクに押し当てられて摩擦を発生するブレーキパッド、および、ブレーキパッドにブレーキディスクへ押し当てるための圧力を印加するピストンを有するブレーキキャリパと、
締結部を介してブレーキキャリパを支持するナックルと、
前記ナックルを支持し、車体を懸架するサスペンションと、
前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、前記ナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出手段と、
前記物理量検出手段によって検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定手段と、
前記摩擦状態推定手段によって推定された摩擦状態を参照して、制動制御を行う制動制御手段と、
を備えることを特徴とする自動車。 - タイヤと一体に回転するブレーキディスクに、ブレーキキャリパに備えられたピストンによって圧力を印加することによりブレーキパッドを押し当て、車輪の回転を減速させる制動ステップと、
前記制動ステップにおいて、前記ブレーキパッドに印加される圧力と車輪の回転状態との関係、あるいは、ブレーキキャリパを支持しているナックルとブレーキキャリパとの締結部に生じる歪みの少なくとも何れかを示す物理量を検出する物理量検出ステップと、
前記物理量検出ステップにおいて検出された物理量に基づいて、車輪と路面との間における摩擦状態を推定する摩擦状態推定ステップと、
を含むことを特徴とする摩擦状態推定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006354456A JP2008162418A (ja) | 2006-12-28 | 2006-12-28 | 摩擦状態推定装置、自動車および摩擦状態推定方法 |
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ID=39692475
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JP (1) | JP2008162418A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015506161A (ja) * | 2011-12-05 | 2015-02-26 | ルノー エス.ア.エス. | ブレーキの監督 |
WO2020110200A1 (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 三菱電機株式会社 | 油圧ブレーキ及びエレベーター |
-
2006
- 2006-12-28 JP JP2006354456A patent/JP2008162418A/ja active Pending
Cited By (4)
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JPWO2020110200A1 (ja) * | 2018-11-27 | 2021-04-30 | 三菱電機株式会社 | 油圧ブレーキ及びエレベーター |
JP7004087B2 (ja) | 2018-11-27 | 2022-01-21 | 三菱電機株式会社 | 油圧ブレーキ及びエレベーター |
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