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JP2008153626A - 光導電体および放射線検出器並びに放射線撮像パネル - Google Patents

光導電体および放射線検出器並びに放射線撮像パネル Download PDF

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JP2008153626A JP2007282071A JP2007282071A JP2008153626A JP 2008153626 A JP2008153626 A JP 2008153626A JP 2007282071 A JP2007282071 A JP 2007282071A JP 2007282071 A JP2007282071 A JP 2007282071A JP 2008153626 A JP2008153626 A JP 2008153626A
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重徳 祐谷
Katsuhiro Koda
勝博 幸田
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Abstract

【課題】放射線撮像パネルを構成する光導電体を、感度低下に起因するゴーストやコントラスト変化が実質上ないものとする。
【解決手段】放射線検出器を構成する放射線により電荷を発生する光導電体において、光導電体をBi12MO20(ただし、M はGe,Si,Ti中の少なくとも1種である)からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上であるもの、あるいは、Bi12MO20(ただし、M はGe,Si,Ti中の少なくとも1種である)からなり、波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下であるものとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、X線などの放射線撮像装置に適用して好適な放射線撮像パネルに関し、詳しくは、放射線撮像パネルを構成する光導電体に関するものである。
従来より、医療用X線撮影において、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線に感応する光導電体を感光体として用い、この光導電体にX線により形成された静電潜像を、光或いは多数の電極で読み取って記録するX線撮像パネルが知られている。これらは、周知の撮影法であるTV撮像管による間接撮影法と比較して高解像度である点で優れている。
上述したX線撮像パネルは、この撮像パネル内に設けられた電荷生成層にX線を照射することによって、X線エネルギーに相当する電荷を生成し、生成した電荷を電気信号として読み出すようにしたものであって、上記光導電体は電荷生成層として機能する。従来より、この光導電体としてはアモルファスセレンが使用されているが、アモルファスセレンは一般にX線吸収率が低いために光導電体の厚みを厚く(例えば500μm以上)形成する必要がある。
しかし、膜厚を厚くすると読取速度が低下するとともに、潜像形成後少なくとも読出しを開始してから終了するまでの間、光導電体に高圧を印加するため暗電流が増加し、暗電流による電荷が潜像電荷に加算され、低線量域でのコントラストを低下させるという問題がある。また、高圧を印加するためにデバイスを劣化させやすく、耐久性が低下したり、電気ノイズを発生しやすくなる。さらに、光導電体は通常蒸着法によって形成されるため、上述したような厚みとなるまで光導電体を成長させるには相当な時間がかかり、またその管理も大変である。このことは結局のところ製造コストの上昇となり、X線撮像パネルのコストアップを招来することになる。
また、アモルファスセレンは毒性があるうえ、ガラス転移点が43℃程度であって、それ以上の温度域では準安定状態となって結晶化が進行するため、特性の経時変化が著しい。このため、使用時及び保管時に特別な管理が必要であるという問題がある。
このような問題からセレン以外の光導電体の材料が検討されている。例えば、特許文献1および2には、光導電体を構成する物質として、組成式BiMO(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種であり、xは10≦x≦14の条件を満たす数であり、yは上記Mおよびxにより化学量論的な酸素原子数を表す。)で表される酸化ビスマス系複合酸化物(シレナイト)が記載されている。また、非特許文献1には単結晶のBi12SiO20からなる光導電体が、非特許文献2には単結晶のBi12GeO20およびBi12SiO20が記載されている。この酸化ビスマス系複合酸化物によればX線の電荷変換効率を改善することが期待できる。
また、特許文献3には、Bi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である。)を用いた粒子塗布膜や焼結膜を使用した放射線撮像パネルが提案されており、光導電体を多結晶体とすれば、発生電荷の収集効率が向上し、電気ノイズを小さくすることができ、感度を向上させることが可能であることが記載されている。
特開平11−237478号公報 特開2000−249769号公報 J.Appl.Phys.,Vol.44,No.6,June 1973, p.2652〜p.2658 phys.stat.sol.(a)96, p.199〜p.210(1986) 特開2005−274257号公報
放射線撮像パネルの画像形成能においては、上記のように収集電荷効率アップによる感度の向上はもちろん必要であるが、繰返し撮影時の画像安定性も極めて重要である。特に医療診断用X線画像においては、繰返し撮影において、虚像(ゴースト)や濃淡諧調コントラスト変化が生じると、誤診断の原因ともなるためにこれらを抑制することが重要である。
画像のゴーストやコントラスト変化をもたらすのは、放射線の繰返し照射による放射線検出素子からの信号低下、あるいは放射線照射後に残信号を生じることが原因となっている。これは放射線検出素子を構成する光導電体において、放射線照射による発生電流が変化したり、照射時以外の電流が変化することを意味している。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、放射線撮像パネルのゴーストやコントラスト変化を実質上なくすことが可能な、放射線検出器とそれを構成する光導電体さらに放射線撮像パネルを提供することを目的とするものである。
本発明の光導電体は、放射線検出器を構成する放射線により電荷を発生する光導電体において、該光導電体がBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である)からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の光導電体は、放射線検出器を構成する放射線により電荷を発生する光導電体において、該光導電体がBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である。以下、この記載は省略する。)からなり、波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下であることを特徴とするものである。
前記光導電体は多結晶であることが好ましい。多結晶とは、一般に方位が異なる単結晶が集合した固体を意味し、ここにいう多結晶体も方位が異なる個々には単結晶である結晶粒が緻密に集合し、互いの結晶同士が自ら接合ないし結合している状態の固体を意味する。
前記光導電体は、B,Al,Ga,In,P,As,Sbの少なくとも1種を固溶させたものであってもよい。前記B,Al,Ga,In,P,As,Sbの固溶量は、Bi12MO20のM=1に対して0.02〜0.4であることが好ましい。前記光導電体は、水熱合成法により、あるいは液相法で形成された粒子から製造することができる。
本発明の放射線検出器は、Bi12MO20からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上である光導電体、あるいは波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下である光導電体の両側に電極が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の放射線撮像パネルは、光導電体に電界を印加して発生電荷を読み出すと共に発生電荷を蓄積するコンデンサーを平面状に複数個並べ、前記電荷を読み出す電子回路が一体となった放射線撮像パネルにおいて、前記光導電体がBi12MO20からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上である光導電体、あるいは波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下である光導電体であることを特徴とするものである。
本発明の放射線撮像パネルは、光導電体に電界を印加して発生させた電荷を電荷蓄積層に静電潜像として蓄積し、前記電荷を光照射により読み出す放射線撮像パネルにおいて、前記光導電体がBi12MO20からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上である光導電体、あるいは波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下である光導電体であることを特徴とするものである。
本発明の光導電体は、放射線検出器を構成する放射線により電荷を発生する光導電体において、該光導電体がBi12MO20からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上であるので、あるいは、該光導電体がBi12MO20からなり、波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下であるので、繰返し撮影において、ゴーストや濃淡諧調コントラスト変化を抑制することができる。また、収集電荷効率もよく良好な感度を維持することが可能である。
従って、本発明の放射線撮像パネルを医療診断用として用いる場合には、繰返し撮影におけるゴーストや濃淡諧調コントラスト変化に起因する誤診断を軽減することが可能である。
本発明の光導電体のBi12MO20は、3.15〜3.25eVのバンドギャップを持つ化合物であり、波長380〜390nmに光学吸収端を有している。一方で、この化合物は薄い黄色を呈しており、可視青色域に光学吸収を示すことが知られている(J.Appl.Phys.,Vol.42, 1971, p493-494 )。
また、化合物のBi/M組成比率が大きい場合はより濃い黄色を呈することが報告されており、結晶構造中のMサイトに存在するBi元素(アンチサイトBi)が黄色着色の原因とされている(Mater.Res.Bull., Vol.31, 1996, p389-396)。従ってこのアンチサイトBi欠陥は、可視青色域の光学波長(400〜500nm)に相当する2.5〜3eVのバンド間準位を形成する。
この結晶欠陥に基づくバンド間準位の濃度が少ないものが、本発明の光導電体である。放射線はバンドギャップや可視光に相当するエネルギーよりはるかに高い光量子エネルギーを有しており、光導電体に放射線が照射されると、価電子帯の電子は伝導帯に励起されて電子・正孔対を形成する。バンド間準位の詳細は明らかではないが、ドナーサイトであれば、放射線により同様に伝導帯に励起された伝導電子と局在化した正孔となり、アクセプターサイトであれば深い電子トラップとなる。
局在化した正孔あるいはトラップされた電子は空間電荷となり、放射線の吸収と電子・正孔対の形成は放射線の照射面側で多く生じるため、照射方向への内部電界が放射線照射により変化することとなる。このため電界により伝導して極板に到達する電子と正孔の量が変化すると考えられる。
すなわち、放射線の高線量照射や繰返し照射により収集電流が変化するため、同一放射線量率での電流若しくは同一放射線量での総発生電荷(電流を積分)も変化することになる。そして、放射線撮像パネルにおいては、個々の放射線検出器を1画素として平面状に並べ、個々の放射線検出器からの電流若しくは電荷により、濃淡画像を形成するため、個々の放射線検出器において、放射線の高線量照射や繰返し照射により収集電流が変化し、ゴーストやコントラスト変化の原因となる。
以上より、本発明の光導電体は、アンチサイトBiの結晶欠陥に基づくバンド間準位の濃度が少ないものが望ましく、それは青色域での光学吸収が小さいことと等価である。
光学反射において拡散反射率と光学吸収の関係は、Kubelka-Munkの法則により以下の式(1)で与えられる。
Figure 2008153626
(ここで、Rは拡散反射率、Iは拡散反射光強度、I0は入射光強度、αは線吸収係数、S’は散乱係数である。)
散乱係数は、試料表面の粗さや試料内部における空隙などの散乱要因により異なり、定量化は困難であるが、光の波長に対する変化は小さく一定値とすることができる。従って、反射光を分光分析することで、光の波長による線吸収係数の変化を知ることができる。
ここで問題としているアンチサイトBiの結晶欠陥に基づくバンド間準位は2.5〜3eVであり、光学波長としては400〜500nmに相当する。光学反射スペクトルにおいて、この波長域外(例えば光学吸収端である390nm以下や、600nm以上)の反射率は、この欠陥による吸収に基づくものでは無く、主として試料の散乱係数の効果によっている。その他の光学吸収をもたらす結晶欠陥としては、酸素欠陥や不純物準位をあげることができる。例えば酸素欠陥では可視域全体に光学吸収する場合があり、不純物準位ではある特定の波長に吸収を示す。これら散乱係数や他の結晶欠陥の反射率に及ぼす影響を無視し、アンチサイトBiによる欠陥を定量化する方法としては、400〜500nmの吸収域以上の波長における反射率で規格化した相対反射率にするとよい。従って、600nmの拡散反射率に対する450nmの拡散反射率は、異なる散乱係数を有する試料の比較において相対的なアンチサイトBi欠陥の濃度とすることができる。
本発明の光導電体はBi12MO20からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上であることを特徴とする。ここで、拡散反射とは正反射以外の角度で散乱された反射光も含んだものであり、正反射強度をIa、正反射以外の散乱光強度をIbとすると、拡散反射率は(Ia+Ib)/I0I(Iは拡散反射光強度、I0は入射光強度)で定義される。Ia+Ibは任意の角度での反射光の総和であるので、積分球を備えた分光器で測定することができる。波長450nmの拡散反射率が75%よりも小さいと、アンチサイトBiの結晶欠陥に基づくバンド間準位の濃度が大きくなり、青色域での光学吸収が大きくなって、繰返し撮影における感度変化率を低く抑えることは困難となり、ゴーストや濃淡諧調コントラスト変化を抑制することが難しくなる。波長450nmの拡散反射率が高いほどバンド間準位の濃度が小さくなるため好適である。
光の透過率と光学吸収の関係は、Lambert-Beerの法則により以下の式(2)で与えられる。
Figure 2008153626
(ここで、Iは透過光強度、I0は入射光強度、αは線吸収係数、Sは内部散乱係数、tは厚さ、nは屈折率である。)
内部散乱係数は試料内部における空隙、また複屈折を生じる結晶の場合、多結晶体では散乱要因となるため定量化は困難である。また、内部散乱係数が大きい場合は、透過光強度が著しく減衰するために測定精度に問題がある。
一方で、本発明の光導電体はBi12MO20からなり、この材料の結晶系は立方晶で複屈折は生じない。従って、内部散乱要因となる空隙の無い透明多結晶膜や、単結晶膜においては、内部散乱係数はゼロとみなすことができる。従って、試料表面を光学鏡面とすることにより、測定された透過率と試料厚さから、光導電体が本来持っている線吸収係数を求めることができる。ここで問題としているアンチサイトBiの結晶欠陥に基づく吸収波長域は400〜500nmであるため、その中心波長である450nmの線吸収係数はアンチサイトBi欠陥の濃度と相関関係にある。
本発明の光導電体は、波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下であることを特徴とする。なお、この線吸収係数の算出は、前述の(2)式に従い、波長450nmにおける屈折率は文献よりn=2.73とした(J.Appl.Phys., Vol.42, 1971, p493-494)。線吸収係数が10cm-1よりも大きいと、アンチサイトBiの結晶欠陥に基づくバンド間準位の濃度が大きくなり、青色域での光学吸収が大きくなって、繰返し撮影における感度変化率を低く抑えることは困難となり、ゴーストや濃淡諧調コントラスト変化を抑制することが難しくなる。波長450nmの線吸収係数が小さいほどバンド間準位の濃度が小さくなるため好適である。
本発明の光導電体は、水熱合成法で得ることができる。水熱合成法は、高温高圧下の水溶液中で結晶成長させる手法であり、一例としてJ.Crystal Growth(Vol.128, 1993, p871-875)や米国特許5322591号明細書をあげることができる。
詳細には、オートクレーブに原料と種晶を置き、水溶液に溶解した原料を種晶上に析出させることにより膜形状とすることができる。原料としては、予め合成したBi12MO20の粉末或いは塊状の形状のものを用いることができ、またGeO2、SiO2あるいはTiO2を、Bi23とBi/Mのモル比率で11〜13に混合したものを原料として用いることもできる。
種晶は、Bi12MO20の単結晶や多結晶を用いることができる。多結晶の場合は、焼結させた単体の他に、基板上にCVD法やPVD法で製膜したBi12MO20、あるいはスクリーン印刷法やドクターブレード法でBi12MO20粒子を膜状に形成し、これを焼結させたものを用いてもよい。このとき用いる基板には、高温高圧下の水溶液と反応を生じない任意の材質が使用可能であり、一例としては、アルミナ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素および貴金属(Au、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os)、貴金属の合金等を好ましくあげることができる。なお、基板に貴金属や貴金属の合金以外を用いた場合には、基板上へもBi12MO20の核生成と成長が認められたり、基板の溶出が認められたりする場合があるため、種晶をコーティングした基板部分以外は、貴金属あるいは貴金属の合金をコーティングしておくことが好ましい。
原料を溶解する水溶液としては、アルカリ性のものが好ましく一例としては、LiOH,NaOH,KOHあるいはアンモニア水溶液を上げることができる。水溶液の濃度は2〜6規定程度が好ましく、さらには4〜5規定が好ましい。
成長条件は、原料部分を300〜500℃、種晶への析出部分を原料部分より0〜50℃低くすることにより水熱合成膜が得られる。原料部分の温度が高いほど、また種晶との温度差が大きいほど製膜速度は大きくなるが、得られた膜の緻密性が劣る傾向がある。好ましくは原料部分を380〜420℃、種晶への析出部分を原料部分より5〜10℃低くすることにより、より緻密な膜を得ることができる。
オートクレーブは、高温高圧下に耐えられる強度を持ち、内壁は水溶液と反応を生じない任意の材質が使用可能であり、一例としては、ステンレス鋼の内壁にPtやAgの貴金属を内張りしたものが用いられる。また、原料部分と種晶部分の温度差による水溶液の対流を抑制する為、中間部分にバッフル(多孔板)を設けることが好ましい。
本発明の光導電体は、予めBi12MO20粒子を形成しておき、これを原料として多結晶の光導電体を得ることができるが、このとき使用するBi12MO20粒子は液相法で合成した物を用いることが好ましい。液相合成法は、水溶液中で粒子形成させる手法であり、一例としてSolid State Ionics (Vol.32/33, 1989, p678-690)をあげることができる。
この粒子形成法は、pH11以上のアルカリ性の水溶液中で、Bi及びM成分を溶解させた原料溶液を混合し、液中にBi12MO20粒子を析出させる。室温で析出したBi12MO20粒子はアモルファスであるが、混合時及び混合後に50℃以上の温度で保持することにより結晶性の粒子とすることもできる。得られた液相法のBi12MO20粒子を焼結させることにより、多結晶体の光導電体とすることができる。
詳細には、アルカリ性の水溶液を析出媒体として用意する。アルカリ性水溶液としては、LiOH,NaOH,KOHあるいはCsOH水溶液を上げることができ、好ましいアルカリ濃度は1〜2規定である。Bi原料溶液としては酸化ビスマス(Bi23)あるいは硝酸ビスマス(Bi(NO3)3・5H2O)を硝酸溶液に溶解させたものを好ましく用いることができる。また、M元素原料溶液としては、Siの場合は珪酸塩の水溶液若しくはトリエトキシシラン(Si(OC25)4)等のアルコキシドのアルカリ性水溶液を使用することができ、Geの場合は酸化ゲルマニウム(GeO2)を硝酸溶液に溶解させたものやトリエトキシゲルマニウム(Ge(OC25)4)等のアルコキシドのアルカリ性水溶液を使用することができる。またTi原料溶液としては、テトライソプロポキシチタン(Ti(OC37)4)等のアルコキシドのアルカリ性水溶液を使用することができる。
アルカリ性溶液への原料溶液の混合は、個別の原料溶液を同時に注入してもよいし、M原料溶液が酸性の場合は予めBi原料液とM原料溶液を所定の濃度で混合しておき、析出媒体であるアルカリ性溶液に注入混合しても良い。またM原料溶液がアルカリ性の場合は、予めM原料溶液を析出媒体であるアルカリ性溶液に混合しておき、その中にBi原料液を注入してもよい。混合する温度は室温でよいが、結晶性の粒子を得る場合は注入後に50℃以上、好ましくは70〜80℃の温度で数時間保持することが好ましい。
混合後に析出した粒子を回収する際には、アルカリ金属成分を除去するため純水によりデカンテーション若しくはろ過を行う。その後、回収された粒子は通常の方法で乾燥させる。
得られた粒子を用いて多結晶の光伝導体を製造する方法としては、プレスすることで膜状に成形した後に焼結させることで得ることができる。膜状に成形する方法としてはグリーンシート法等を用いることが可能で、また焼結密度を向上させるために焼結時に1軸加圧下で行うホットプレス焼結法や静水圧加圧下で行うHIP(Hot Isostatic Press)法等を適宜公知の方法を組合せて行うことが可能である。
粒子から直接膜状の光伝導体を得る方法として、エアロゾルデポジション法も適用することが可能である。この方法は粒子原料をキャリアガスと混合してエアロゾル化し、ノズルを通して基板に噴射して被膜を形成する方法であり、高温の粒子焼結工程を用いずに膜状の多結晶体を得るプロセス手法である。
本発明の光導電体は、Bi12MO20の結晶中において3価または5価のイオンとなる元素を固溶することが好ましい。ここで、固溶とはBi12MO20が結晶構造を変えずに、固溶元素がイオン状態となって結晶中に存在することであり、前述のアンチサイトBi欠陥の濃度を低減させる効果がある。具体的な固溶元素としては、B,Al,Ga,In,P,As,Sbを好ましく上げることができ、これらの元素を単独であるいは適宜組み合わせて固溶させたものであってもよい。
アンチサイトBi欠陥濃度の低減をより効果的にするためには、Bi12MO20においてM元素に対して置換固溶させることが好ましい。置換固溶量はBi12MO20のM=1に対して0.02〜0.4であることが好ましい。固容量が0.02よりも小さい場合には、置換固溶の効果が乏しく、固溶量が0.4を超えると、そもそも単相のBi12MO20化合物を得ることが困難になる。なお、置換固溶の効果をより高めるには固容量は0.05以上であることがより好ましく、また、固溶量が0.15より大きくなると、イオン半径の差によっては結晶の格子歪が大きくなり結晶性が悪くなって、アンチサイトBi以外の欠陥が生成しやすくなり、かえって放射線検出特性が低下することになるため、固容量は0.15以下とすることがより好ましい。
この場合の光導電体の製造方法は、前述の水熱合成法によるものや、あるいは液相法による粒子を多結晶化したものであってもよいし、それ以外の方法によることも可能である。
水熱合成法の場合は、前述の手法に準拠し、原料を追加することにより得ることができる。原料は、上記B,Al,Ga,In,P,As,Sbの所定の元素、少なくとも1種を固溶させたBi12MO20の粉末或いは塊状の形状のものを用いることができる。液相法による粒子形成ではBiとM元素の原料溶液に加えて、B,Al,Ga,In,P,As,Sbの所定の元素、少なくとも1種を含む溶液を別途作製し、所定の量をアルカリ液中に注入することにより得ることができる。またM元素の原料溶液に、B,Al,Ga,In,P,As,Sbの元素を予め所定の濃度で混合しておくことによっても可能である。
水熱合成法以外の方法で直接膜状の光導電体を製造する方法としては、溶融凝固法、ゾルゲル法、化学液相法、CVD法、PVD法等を上げることができる。また、液相法による粒子でなくとも、より簡便な固相反応法により粒子を合成し、焼結することにより膜状の光導電体を製造することができる。
固相反応法による粒子の合成は、適宜公知の方法により行うことができ、固体原料を所定のモル比率で混合し、焼成し、粉砕することにより得られる。固体原料としては、GeO2、SiO2、TiO2と、Bi23、B23、Al23、Ga23、In23、P25、As25、Sb25等の酸化物を用いることができる。固溶はMに対して置換固溶させたものが好ましく、置換固溶量は0.02〜0.4の範囲が好ましく、さらには0.05〜0.15の範囲が好ましい。例えばAlを0.1固溶させた場合のモル組成は、Bi:M:Al=12:0.9:0.1である。Biは、Bi/(M+固溶元素)のモル比率で11.5〜12.5とすることが好ましい。混合物は必要に応じて造粒し、50〜200Mpa程度の1軸圧力若しくは静水圧で加圧成形する。焼成温度は700〜850℃、好ましくは800℃であり、保持時間は2〜10時間、好ましくは5時間である。なお、得られた焼成体は単相のBi12MO20であることが望ましく、不純物相が認められるときは、粉砕と成形、及び焼成を繰り返すことにより、単相とすることができる。
得られた単相の焼成体は、ボールミル等で粉砕することにより、所定の元素が固溶された単相のBi12MO20粒子を形成する。その後は、液相法による粒子と同様の方法により、多結晶の光導電体を得ることができる。
前述で作製した光導電体を用いた放射線検出器を図1に示す。図1に示す放射線検出器1は、光導電体2の両面に電極3が形成されたものである。図1に示す放射線検出器は、電極3の面に照射された放射線を光導電体2によって検出する。光導電体2の厚さは、検出する放射線の種類により適宜決めることができ、例えば医療診断用X線であれば、50〜500μmの厚さが好ましい。電極3の種類は、例えばITO(インジウム錫酸化物)や、AuあるいはPtなどの導電材料からなる。印加電界は、0.1〜20V/μmであり、好ましくは、2〜10V/μmである。
本発明の光導電体は、放射線の照射により発生した電荷を蓄積し、その蓄積した電荷を薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)などの電気的スイッチを1画素ずつON・OFFすることにより読み取る方式(以下、TFT方式という)の放射線撮像パネルや、光の照射により電荷を発生する半導体材料を利用した放射線画像検出器により読み取る、いわゆる光読取方式の放射線撮像パネルにも用いることができる。
まず、前者のTFT方式の放射線撮像パネルについて説明する。この放射線撮像パネルは、図2に示すように放射線検出部10とアクティブマトリックスアレイ基板(以下AMA基板)20が接合された構造となっている。図3に示すように放射線検出部10は大きく分けて放射線入射側から順に、バイアス電圧印加用の共通電極13と、検出対象の放射線に感応して電子−正孔対であるキャリアを生成する光導電体14と、キャリア収集用の検出電極17とが積層形成された構成となっている。共通電極の上層には放射線検出部支持体12を有していてもよい。
光導電体14は本発明のBi12MO20からなる光導電体である。共通電極13や検出電極17は、例えばITO(インジウム錫酸化物)や、AuあるいはPtなどの導電材料からなる。バイアス電圧の極性に応じて、正孔注入阻止層、電子注入阻止層が共通電極13や検出電極17に付設されていてもよい。
AMA基板20の各部の構成について簡単に説明する。AMA基板20は図4に示すように、画素相当分の放射線検出部15の各々に対して電荷蓄積容量であるコンデンサ21とスイッチング素子としてTFT22とが各1個ずつ設けられている。支持体12においては、必要画素に応じて縦1000〜3000×横1000〜3000程度のマトリックス構成で画素相当分の放射線検出部15が2次元配列されており、また、AMA基板20においても、画素数と同じ数のコンデンサ21およびTFT22が、同様のマトリックス構成で2次元配列されている。光導電体で発生した電荷はコンデンサ21に蓄積され、光読取方式に対応して静電潜像となる。本発明のTFT方式においては、放射線で発生した静電潜像は電荷蓄積容量に保持される。
AMA基板20におけるコンデンサ21およびTFT22の具体的構成は、図3に示す通りである。すなわち、AMA基板支持体23は絶縁体であり、その表面に形成されたコンデンサ21の接地側電極21aとTFT22のゲート電極22aの上に絶縁膜24を介してコンデンサ21の接続側電極21bとTFT22のソース電極22bおよびドレイン電極22cが積層形成されているのに加え、最表面側が保護用の絶縁膜25で覆われた状態となっている。また接続側電極21bとソース電極22bはひとつに繋がっており同時形成されている。コンデンサ21の容量絶縁膜およびTFT22のゲート絶縁膜の両方を構成している絶縁膜24としては、例えば、プラズマSiN膜が用いられる。このAMA基板20は、液晶表示用基板の作製に用いられるような薄膜形成技術や微細加工技術を用いて製造される。
続いて放射線検出部10とAMA基板20の接合について説明する。検出電極17とコンデンサ21の接続側電極21bを位置合わせした状態で、両基板10、20を銀粒子などの導電性粒子を含み厚み方向のみに導電性を有する異方導電性フィルム(ACF)を間にして加熱・加圧接着して貼り合わせることで、両基板10、20が機械的に合体されると同時に、検出電極17と接続側電極21bが介在導体部16によって電気的に接続される。
さらに、AMA基板20には、読み出し駆動回路26とゲート駆動回路27とが設けられている。読み出し駆動回路26は、図4に示すように、列が同一のTFT22のドレイン電極を結ぶ縦(Y)方向の読み出し配線(読み出しアドレス線)28に接続されており、ゲート駆動回路27は行が同一のTFT22のゲート電極を結ぶ横(X)方向の読み出し線(ゲートアドレス線)29に接続されている。なお、図示しないが、読み出し駆動回路26内では、1本の読み出し配線28に対してプリアンプ(電荷−電圧変換器)が1個それぞれ接続されている。このように、AMA基板20には、読み出し駆動回路26とゲート駆動回路27とが接続されている。ただし、AMA基板20内に読み出し駆動回路26とゲート駆動回路27とを一体成型し、集積化を図ったものも用いられる。
なお、上述の放射線検出器10とAMA基板20とを接合合体させた放射線撮像装置による放射線検出動作については例えば特開平11-287862号などに記載されている。
次ぎに、後者の光読取方式に用いられる放射線撮像パネルを例にとって説明する。図5は本発明の光導電体を有する放射線撮像パネルの一実施の形態を示す断面図を示すものである。
この放射線撮像パネル30は、後述する記録用の放射線L1に対して透過性を有する第1の導電層31、この導電層31を透過した放射線L1の照射を受けることにより導電性を呈する記録用放射線導電層32、導電層31に帯電される電荷(潜像極性電荷;例えば負電荷)に対しては略絶縁体として作用し、かつ、電荷と逆極性の電荷(輸送極性電荷;上述の例においては正電荷)に対しては略導電体として作用する電荷輸送層33、後述する読取用の読取光L2の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電体34、読取光L2に対して透過性を有する第2の導電層35を、この順に積層してなるものである。
ここで、導電層31および35としては、例えば、透明ガラス板上に導電性物質を一様に塗布したもの(ネサ皮膜等)が適当である。電荷輸送層33としては、導電層31に帯電される負電荷の移動度と、その逆極性となる正電荷の移動度の差が大きい程良く、ポリN−ビニルカルバゾール(PVK)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1'−ビフェニル〕−4,4'−ジアミン(TPD)やディスコティック液晶等の有機系化合物、或いはTPDのポリマー(ポリカーボネート、ポリスチレン、PVK)分散物,Clを10〜200ppmドープしたa−Se等の半導体物質が適当である。特に、有機系化合物(PVK,TPD、ディスコティック液晶等)は光不感性を有するため好ましく、また、誘電率が一般に小さいため電荷輸送層33と読取用光導電体34の容量が小さくなり読み取り時の信号取り出し効率を大きくすることができる。
読取用光導電体34には、a−Se,Se−Te,Se−As−Te,無金属フタロシアニン,金属フタロシアニン,MgPc(Magnesium phtalocyanine),VoPc(phaseII of Vanadyl phthalocyanine),CuPc(Cupper phtalocyanine)等のうち少なくとも1つを主成分とする光導電性物質が好適である。
記録用放射線導電層32には、本発明の光導電体を使用する。すなわち、本発明の光導電体は記録用放射線導電層である。
続いて、静電潜像を読み取るために光を用いる方式について簡単に説明する。図6は放射線撮像パネル30を用いた記録読取システム(静電潜像記録装置と静電潜像読取装置を一体にしたもの)の概略構成図を示すものである。この記録読取システムは、放射線撮像パネル30、記録用照射手段90、電源50、電流検出手段70、読取用露光手段92並びに接続手段S1、S2とからなり、静電潜像記録装置部分は放射線撮像パネル30、電源50、記録用照射手段90、接続手段S1とからなり、静電潜像読取装置部分は放射線撮像パネル30、電流検出手段70、接続手段S2とからなる。
放射線撮像パネル30の導電層31は接続手段S1を介して電源50の負極に接続されるとともに、接続手段S2の一端にも接続されている。接続手段S2の他端の一方は電流検出手段70に接続され、放射線撮像パネル30の導電層35、電源50の正極並びに接続手段S2の他端の他方は接地されている。電流検出手段70はオペアンプからなる検出アンプ70aと帰還抵抗70bとからなり、いわゆる電流電圧変換回路を構成している。
導電層31の上面には被写体39が配設されており、被写体39は放射線L1に対して透過性を有する部分39aと透過性を有しない遮断部(遮光部)39bが存在する。記録用照射手段90は放射線L1を被写体39に一様に曝射するものであり、読取用露光手段92は赤外線レーザ光やLED、EL等の読取光L2を図6中の矢印方向へ走査露光するものであり、読取光L2は細径に収束されたビーム形状をしていることが望ましい。
以下、上記構成の記録読取システムにおける静電潜像記録過程について電荷モデル(図7)を参照しながら説明する。図6において接続手段S2を開放状態(接地、電流検出手段70の何れにも接続させない)にして、接続手段S1をオンし導電層31と導電層35との間に電源50による直流電圧Edを印加し、電源50から負の電荷を導電層31に、正の電荷を導電層35に帯電させる(図7(A)参照)。これにより、放射線撮像パネル10には導電層31と35との間に平行な電場が形成される。
次に記録用照射手段90から放射線L1を被写体39に向けて一様に曝射する。放射線L1は被写体39の透過部39aを透過し、さらに導電層31をも透過する。放射線導電層32はこの透過した放射線L1を受け導電性を呈するようになる。これは放射線L1の線量に応じて可変の抵抗値を示す可変抵抗器として作用することで理解され、抵抗値は放射線L1によって電子(負電荷)とホール(正電荷)の電荷対が生じることに依存し、被写体39を透過した放射線L1の線量が少なければ大きな抵抗値を示すものである(図7(B)参照)。なお、放射線L1によって生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表している。
放射線導電層32中に生じた正電荷は放射線導電層32中を導電層31に向かって高速に移動し、導電層31と放射線導電層32との界面で導電層31に帯電している負電荷と電荷再結合して消滅する(図7(C),(D)を参照)。一方、放射線導電層32中に生じた負電荷は放射線導電層32中を電荷転送層33に向かって移動する。電荷転送層33は導電層31に帯電した電荷と同じ極性の電荷(本例では負電荷)に対して絶縁体として作用するものであるから、放射線導電層32中を移動してきた負電荷は放射線導電層32と電荷転送層33との界面で停止し、この界面に蓄積されることになる(図7(C),(D)を参照)。蓄積される電荷量は放射線導電層32中に生じる負電荷の量、即ち、放射線L1の被写体39を透過した線量によって定まるものである。
一方、放射線L1は被写体39の遮光部39bを透過しないから、放射線撮像パネル30の遮光部39bの下部にあたる部分は何ら変化を生じない(図7(B)〜(D)を参照)。このようにして、被写体39に放射線L1を曝射することにより、被写体像に応じた電荷を放射線導電層32と電荷転送層33との界面に蓄積することができるようになる。なお、この蓄積せしめられた電荷による被写体像を静電潜像という。
次に静電潜像読取過程について電荷モデル(図8)を参照しつつ説明する。接続手段S1を開放し電源供給を停止すると共に、S2を一旦接地側に接続し、静電潜像が記録された放射線撮像パネル30の導電層31および35を同電位に帯電させて電荷の再配列を行った後に(図8(A)参照)、接続手段S2を電流検出手段70側に接続する。
読取用露光手段92により読取光L2を放射線撮像パネル30の導電層35側に走査露光すると、読取光L2は導電層35を透過し、この透過した読取光L2が照射された光導電体34は走査露光に応じて導電性を呈するようになる。これは上記放射線導電層32が放射線L1の照射を受けて正負の電荷対が生じることにより導電性を呈するのと同様に、読取光L2の照射を受けて正負の電荷対が生じることに依存するものである(図8(B)参照)。なお、記録過程と同様に、読取光L2によって生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表している。
電荷輸送層33は正電荷に対しては導電体として作用するものであるから、光導電体34に生じた正電荷は蓄積電荷に引きつけられるように電荷輸送層33の中を急速に移動し、放射線導電層32と電荷輸送層33との界面で蓄積電荷と電荷再結合をし消滅する(図8(C)参照)。一方、光導電体34に生じた負電荷は導電層35の正電荷と電荷再結合をし消滅する(図8(C)参照)。光導電体34は読取光L2により十分な光量でもって走査露光されており、放射線導電層32と電荷輸送層33との界面に蓄積されている蓄積電荷、即ち静電潜像が全て電荷再結合により消滅せしめられる。このように、放射線撮像パネル30に蓄積されていた電荷が消滅するということは、放射線撮像パネル30に電荷の移動による電流Iが流れたことを意味するものであり、この状態は放射線撮像パネル30を電流量が蓄積電荷量に依存する電流源で表した図8(D)のような等価回路でもって示すことができる。
このように、読取光L2を走査露光しながら、放射線撮像パネル30から流れ出す電流を検出することにより、走査露光された各部(画素に対応する)の蓄積電荷量を順次読み取ることができ、これにより静電潜像を読み取ることができる。なお、本放射線検出部動作については特開2000-105297号等に記載されている。
以下に本発明の光導電体の実施例を示す。
(実施例1)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末をモル比6:1となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12SiO20を得た。このBi12SiO20を乳鉢で粗く粉砕後、酸化ジルコニウムボールを用いてエタノール中、ボールミルで粉砕し、平均粒子径2μmの粉末を得た。この粉末にバインダとして4wt%のポリビニルブチラール(PVB)と、可塑剤として0.5wt%のフタル酸ジオクチルを加え、さらにエタノールと混合して粘度を60ポイズのスラリーとした。
酸化アルミニウム基板(厚さ0.4mm、純度:95%)の片面にAuを0.1μm厚さで被覆し、Auを被覆していない面に、上述のスラリーをドクターブレード法を用いて塗工厚さ約25μmで塗布した。乾燥させた後、600℃で2時間脱バインダー処理を行い、更に850℃で2時間焼結を行って、シード層付き基板とした。シード層のBi12SiO20膜の厚さは約10μmであった。
水熱合成法の原料として前述のスラリーに用いたBi12SiO20粉末を使用し、白金でできた筒に入れ、さらに4規定に調整したNaOH水溶液を筒の8割の高さになるまで入れた。同じ白金でできた筒の蓋に、上記で作製したシード層付き酸化アルミニウム板を白金でできたワイヤーでつるし、ゆっくりとBi12SiO20多結晶膜付き酸化アルミニウム板が筒の溶液の上側に全部つかるように挿入し蓋を閉じた。この筒をオートクレーブ中に挿入し、上側が390℃、下側は400℃に保たれるようにヒータのコントローラを調整した。この状態で20日間保った。水熱合成により成長したBi12SiO20多結晶の膜厚は約300μmであった。
得られた試料は円盤式研磨機を用いて、シード層付き基板を除去した。先ず酸化アルミニウム基板側から研磨し、酸化アルミニウム基板、Au、シード層のBi12SiO20を除去し、水熱合成膜を露出させると共に表面粗さを0.1μm以下にした。更に反対側の水熱合成膜も研磨し、総厚さ200μmの放射線検出用の光導電体とした。
(実施例2)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.90:0.05となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Si0.9Al0.120を得た。この粉末を水熱合成法の原料に用いた以外は、実施例1と同様にして放射線検出用の光導電体を得た。
(実施例3)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)とメタ珪酸カリウム(K2SiO3)を硝酸に溶解させることにより、Bi濃度1.2mol/l、Si濃度0.11mol/lの1規定の硝酸水溶液を原料溶液として準備した。別途、1規定のKOH水溶液を準備しておき、撹拌しているKOH水溶液500ml中に原料溶液100mlを毎分10mlの速度で滴下した。その後撹拌した状態で80℃に昇温し5時間保持した後に室温に冷却した。pH8以下になるまでデカンテーションの後、沈殿物をろ過し乾燥することで白色粉末を得た。粉末はX線回折によりBi12SiO20単相と同定され、平均粒子径は5μmであった。
得られた粉末をポリプロピレン袋に密閉し、200MPa圧力で静水圧加圧により成形体とした後、820℃で2時間焼結を行った。焼結試料は、実施例1と同様に研磨を施して、総厚さ200μmの放射線検出用の光導電体を得た。
(実施例4)
実施例3と同様にして作製した粉末を同様に成形体とした後、上下方向に100MPaの面圧力、810℃でホットプレス焼結を行った。焼結試料は、実施例1と同様に研磨を施して、総厚さ200μmの放射線検出用の光導電体とした。
(実施例5)
実施例3において、原料溶液にメタ珪酸カリウムに変えて純度5Nの酸化ゲルマニウム(GeO2)を溶解して、Bi濃度1.2mol/l、Ge濃度0.11mol/lの1規定の硝酸水溶液を原料溶液とした以外は同様の方法で白色粉末を得た。得られた粉末を実施例4と同様のホットプレス焼結を100MPaの面圧力、830℃で行った。焼結試料は、実施例1と同様に研磨を施して、総厚さ200μmの放射線検出用の光導電体を得た。
(実施例6)
実施例5において、純度5Nの水酸化アルミニウム(Al(OH)3)を溶解することにより、Bi濃度1.2mol/l、Ge濃度0.1mol/l、Al濃度0.01mol/l、の1規定の硝酸水溶液を原料溶液とした以外は同様の方法で光導電体を得た。
(実施例7)
実施例2で用いた水熱合成用の原料粉末であるBi12Si0.9Al0.120を用いて、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例8)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.98:0.01となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Si0.98Al0.0220を得た。これを原料粉末に用いた以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例9)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.60:0.20となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行った。X線回折によると、JCPDS番号370485のシレナイト化合物に相当する回折線以外の異相の回折線が認められたため、粉砕後、同条件で仮焼を繰り返すことにより、単相のBi12Si0.6Al0.420を得た。これを原料粉末に用いた以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例10)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの燐酸トリエチル(PO(OC25)3)をモル比6:0.90:0.10となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Si0.900.1020を得た。これを原料粉末に用いた以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例11)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの酸化ガリウム(Ga23)をモル比6:0.90:0.05となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Si0.90Ga0.1020を得た。これを原料粉末に用いた以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例12)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの酸化アンチモン(Sb25)をモル比6:0.90:0.05となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Si0.90Sb0.1020を得た。これを原料粉末に用いた以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例13)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ゲルマニウム(GeO2)、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.90:0.05となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Ge0.90Al0.1020を得た。これを原料粉末に用い、850℃で2時間焼結を行った以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(実施例14)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化チタン(TiO2)、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.90:0.05となるように配合し、ボールミル混合後、750℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12Ti0.90Al0.1020を得た。これを原料粉末に用い、780℃で2時間焼結を行った以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例1)
実施例1で用いた水熱合成用の原料粉末であるBi12SiO20を用いて、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例2)
実施例1で用いた水熱合成用の原料粉末であるBi12SiO20を用いて、実施例4と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例3)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ケイ素(SiO2)粉末、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.50:0.25となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行った。X線回折で確認したところ、シレナイト化合物に相当する回折線以外の異相の回折線が認められたため、粉砕後、同条件で仮焼を2回繰り返すことにより、単相のBi12Si0.5Al0.520を得た。これを原料粉末に用いた以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例4)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ゲルマニウム(GeO2)をモル比6:1となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12GeO20を得た。これを原料粉末に用い、850℃で2時間焼結を行った以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例5)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化ゲルマニウム(GeO2)、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.50:0.25となるように配合し、ボールミル混合後、800℃で5時間の仮焼成を行った。X線回折で確認したところ、シレナイト化合物に相当する回折線以外の異相の回折線が認められたため、粉砕後、同条件で仮焼を2回繰り返すことにより、単相のBi12Ge0.5Al0.520を得た。これを原料粉末に用い、850℃で2時間焼結を行った以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例6)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化チタン(TiO2)をモル比6:1となるように配合し、ボールミル混合後、750℃で5時間の仮焼成を行って固相反応により単相のBi12TiO20を得た。これを原料粉末に用い、780℃で2時間焼結を行った以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例7)
純度5Nの酸化ビスマス(Bi23)粉末と純度5Nの酸化チタン(TiO2)、及び純度5Nの酸化アルミニウム(Al23)粉末をモル比6:0.50:0.25となるように配合し、ボールミル混合後、750℃で5時間の仮焼成を行った。X線回折で確認したところ、シレナイト化合物に相当する回折線以外の異相の回折線が認められたため、粉砕後、仮焼温度を780℃に変更して仮焼を2回繰り返すことにより、単相のBi12Ti0.5Al0.520を得た。これを原料粉末に用い、820℃で2時間焼結を行った以外は、実施例3と同様の方法で光導電体を得た。
(比較例8)
チョコラルスキー法で作製したBi12SiO20単結晶を、(100)面方位でカット及び研磨し、厚さ200μmの光導電体とした。
(比較例9)
チョコラルスキー法で作製したBi12GeO20単結晶を、(100)面方位でカット及び研磨し、厚さ200μmの光導電体とした。
(比較例10)
チョコラルスキー法で作製したBi12TiO20単結晶を、(100)面方位でカット及び研磨し、厚さ200μmの光導電体とした。
実施例1〜比較例10の光導電体を試料として拡散反射率、線吸収係数、感度、感度変化率を以下のような方法により測定あるいは算出した。
(拡散反射率)
光学測定はダブルビーム光学系を有する日立U3310型を用いて、透過吸収と拡散反射を測定した。拡散反射分光測定は上記分光器に反射光積分球をセットし、参照光反射板に硫酸Ba、試料側に硫酸Ba上に試料を置いた。波長600nmの拡散反射率に対する波長450nmの拡散反射率を求めた。
ここで、一例として実施例1および比較例2の拡散反射スペクトルを図9に示す。実施例1において、波長550nmより低波長側で反射率は徐々に低下し、385nm以下で略一定の反射率となっている。600nmの拡散反射率は90.6%であり、波長450nmの拡散反射率は69.0%である。従って波長600nmの拡散反射率に対する波長450nmの拡散反射率は、76.2%である。なお、波長550nm以上は約90%と略一定の反射率となっており、これは参照物質である硫酸Baの拡散反射強度に対する試料の拡散反射強度となっている。また、波長385nm以下では試料表面の乱反射により18%の一定の反射率が得られている。
また比較例2においても、波長550nmより低波長側で反射率は徐々に低下するが、低下の程度は実施例1より大きい。600nmの拡散反射率は89.7%であり、波長450nmの拡散反射率は59.4%である。従って、波長600nmの拡散反射率に対する波長450nmの拡散反射率は66.2%である。
(線吸収係数)
透過吸収分光測定から波長450nmにおける線吸収係数を求めた。450nmの屈折率は文献値の2.73を用い、450nmにおける吸収率から、前述の式(2)を用いて線吸収係数を計算した。なお、散乱光は認められなかったので、内部散乱係数はゼロとした。
ここで、一例として実施例1および比較例2の透過スペクトルを図10に示す。実施例1において、波長550nmより低波長側で透過率は徐々に低下し、385nm以下でゼロとなっている。波長450nmの透過率は51.0%であり、前述の式(2)と試料厚さ200μmより、波長450nmにおける線吸収係数は9.5(/cm)である。なお、波長550nm以上は約65%と略一定の透過率となっており、前述の文献による屈折率分散を適用し線吸収係数を計算すると、0.5(/cm)以下であった。また波長385nm以下はBi12SiO20の光学吸収端以下であり、透過率はゼロとなる。
また比較例2においても、波長550nmより低波長側で透過率は徐々に低下するが、低下の程度は実施例1より大きい。波長450nmの透過率は43.9%であり、前述の式(2)より、波長450nmにおける線吸収係数は17.0(/cm)である。
(感度評価)
実施例、比較例の光導電体に、電極として上下面に60nmのAuを10Φmm蒸着により設け、X線照射試料とした。電圧を500V印加し、1mR(ミリレントゲン)相当のX線(タングステン菅球、70kV電圧、21mmのAlフィルター)を70ミリ秒間で露光した。この時に電極間に流れた光電流を電流増幅器で電圧に変換し、デジタルオシロスコープで測定した。得られた電流・時間波形より、X線照射時間の範囲において積分し、サンプルの面積当たりの収集電荷量を感度とした。
(感度変化率)
上記感度評価で用いたX線照射試料に対し、電圧を500V印加し、300mR相当のX線(タングステン菅球、80kV電圧、Alフィルター無し)を700ミリ秒間で露光し、15秒間隔で合計10回露光した。この時に電極間に流れた光電流を電流増幅器で電圧に変換し、デジタルオシロスコープで測定した。得られた電流・時間波形より、1回目のX線照射時間の範囲において積分した収集電荷量に対する10回目の収集電荷量を感度変化率とした。
結果を表1に示す。なお、表中線吸収係数のデ−タが無いものは、透過光測定において散乱光が認められたため、線吸収係数を算出しなかった。
Figure 2008153626
表1から明らかなように、波長600nmの拡散反射率に対する波長450nmの拡散反射率が75%以上、若しくは線吸収係数が10cm-1以下の放射線検出用光導電体においては、X線の繰返し照射時の感度変化率が90%以上であり、医療用のX線撮像パネルに用いるとゴーストやコントラスト変動の無い画像を形成することが可能で、撮影位置決め等で動画が必要な時も、残像の少ない動画像が得られる。
また実施例は多結晶体であり、内部に空隙や粒界の様な欠陥構造を有しているにも関わらず、比較例8〜10の単結晶体と同等、若しくはそれ以上のX線検出感度と、実用に耐えうる良好な感度変化率を有しているため、大面積のX線撮像パネルであっても安価に製造することが可能となり、産業上の価値は高い。
放射線検出器の一実施の形態を示す断面図 TFTにおける放射線検出部とAMA基板の合体状態を示す概略模式図 放射線検出部の画素分を示す概略断面図 AMA基板の等価回路を示す電気回路図 本発明の光導電体を有する放射線撮像パネルの一実施の形態を示す断面図 放射線撮像パネルを用いた記録読取システムの概略構成図 記録読取システムにおける静電潜像記録過程を電荷モデルにより示した図 記録読取システムにおける静電潜像読取過程を電荷モデルにより示した図 実施例1および比較例2の拡散反射スペクトル 実施例1および比較例2の透過スペクトル
符号の説明
1 放射線検出器
2 光導電体
3 電極
10 放射線検出部
20 AMA基板
14 光導電体
30 放射線撮像パネル
31 導電層
32 記録用放射線導電層
33 電荷輸送層
34 記録用光導電体
35 導電層
70 電流検出手段

Claims (10)

  1. 放射線検出器を構成する放射線により電荷を発生する光導電体において、該光導電体がBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である)からなり、波長450nmの拡散反射率が波長600nmの拡散反射率の75%以上であることを特徴とする光導電体。
  2. 放射線検出器を構成する放射線により電荷を発生する光導電体において、該光導電体がBi12MO20(ただし、MはGe,Si,Ti中の少なくとも1種である)からなり、波長450nmにおける線吸収係数が10cm-1以下であることを特徴とする光導電体。
  3. 前記光導電体が多結晶であることを特徴とする請求項1または2記載の光導電体。
  4. 前記光導電体が、B,Al,Ga,In,P,As,Sbの少なくとも1種を固溶させたものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の光導電体。
  5. 前記B,Al,Ga,In,P,As,Sbの固溶量が、Bi12MO20のM=1に対して0.02〜0.4であることを特徴とする請求項4記載の光導電体。
  6. 請求項1〜5いずれか1項記載の光導電体を、水熱合成により製造することを特徴とする光導電体の製造方法。
  7. 請求項1〜5いずれか1項記載の光導電体を、液相法で形成された粒子から製造することを特徴とする光導電体の製造方法。
  8. 請求項1〜5いずれか1項記載の光導電体の両側に電極が設けられていることを特徴とする放射線検出器。
  9. 光導電体に電界を印加して発生電荷を読み出すと共に発生電荷を蓄積するコンデンサーを平面状に複数個並べ、前記電荷を読み出す電子回路が一体となった放射線撮像パネルにおいて、
    前記光導電体が請求項1〜5いずれか1項記載の光導電体であることを特徴とする放射線撮像パネル。
  10. 光導電体に電界を印加して発生させた電荷を電荷蓄積層に静電潜像として蓄積し、前記電荷を光照射により読み出す放射線撮像パネルにおいて、
    前記光導電体が請求項1〜5いずれか1項記載の光導電体であることを特徴とする放射線撮像パネル。
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