JP2008141875A - 走行装置及び駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両に対する外乱があった場合でも、車両の走行安定性低下を抑制しつつ、予定した車両の旋回性能を発揮すること。
【解決手段】走行装置100は、車両1に搭載されて車両1を走行させる。走行装置100は、4個の駆動輪を備えており、それぞれの駆動輪の駆動力を独立して変更することができる。各駆動輪の回転速度が、車両1の旋回半径に基づいて決定される目標回転速度となるように、駆動制御装置30によって、各駆動輪へ付与される動力が調整される。
【選択図】 図1−1
【解決手段】走行装置100は、車両1に搭載されて車両1を走行させる。走行装置100は、4個の駆動輪を備えており、それぞれの駆動輪の駆動力を独立して変更することができる。各駆動輪の回転速度が、車両1の旋回半径に基づいて決定される目標回転速度となるように、駆動制御装置30によって、各駆動輪へ付与される動力が調整される。
【選択図】 図1−1
Description
この発明は、少なくとも2個の駆動輪の駆動力を独立して変更できる走行装置に関する。
乗用車やトラック、バス等といった車両の旋回性能を向上させることは、車両の走行性能の向上にとって重要である。近年においては、車両の旋回中に駆動輪の駆動力を制御することによって、車両の旋回性能を向上させる技術が実用化されている。例えば、特許文献1には、車輪のスリップを検出したときに、スリップの発生した車輪又はスリップの発生した車輪と対になっている車輪のトルクを低減させることにより、ヨーレートセンサやすべり角センサ等を用いることなく、車両の旋回制御を実行する技術が開示されている。
しかし、特許文献1に開示されている技術では、スリップの発生によって車輪のトルクを低減させた場合、他の車輪、例えば、トルクを低減させた車輪と対になっている車輪が通過している路面の摩擦状態によっては、アンダーステアやオーバーステアを発生させるおそれがある。その結果、ドライバビリティに影響を与えたり、車両の操縦安定性に影響を与えたりして、予定した旋回性能を発揮できないおそれがある。
このように、特許文献1に開示された技術は、路面の摩擦状態変化のような車両に対する外乱が発生すると、車両の安定性を低下させるおそれがある。そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両に対する外乱があった場合でも、車両の走行安定性低下を抑制しつつ、車両の旋回性能を確保できる走行装置及び駆動制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、車両の姿勢は駆動輪の回転速度によって決定されることに着目し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る走行装置は、複数の駆動輪を備えるとともに、車両に搭載されて前記車両を走行させるものであり、少なくとも2個の前記駆動輪に対しては、独立して駆動力を変更でき、かつ、駆動力を変更可能な前記駆動輪の回転速度が、前記車両を走行させる際の目標回転速度となるように、前記駆動輪へ動力が付与されることを特徴とする。
この走行装置は、駆動輪の実際の回転速度が、車両を走行させる際に駆動輪が目標とする目標回転速度となるように、各駆動輪へ動力を付与する。これによって、車両の駆動輪が通過する路面の状況に依存しないで駆動輪を制御することができるので、車両に対する外乱があった場合でも、車両の走行安定性低下を抑制しつつ、車両の旋回性能を確保することが可能になる。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記目標回転速度は、前記車両の走行半径に基づいて設定することが好ましい。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記車両の走行半径は、前記車両が備える操舵輪の操舵角、及び前記車両の走行速度に基づいて設定することが好ましい。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記目標回転速度は、それぞれの前記駆動輪に対して設定してもよい。このようにすれば、制御の精度がより向上する。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記目標回転速度は、一対の前記駆動輪の回転速度差としてもよい。このようにすれば、制御に用いるパラメータを少なくすることができるので、制御の負荷を軽減できる。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪においては、前記目標回転速度を同一としてもよい。このようにすれば、目標回転速度が共通になるので、制御における演算の負荷を軽減できる。また、いわゆるニュートラルステアとなるように車両の旋回姿勢を制御することになるので、車両の運転者に与える曲がらない違和感や曲がり過ぎる違和感を抑制できる。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記目標回転速度は、前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪において、最も小さい値に合わせることが好ましい。このようにすれば、いわゆるニュートラルステアとなるように車両の旋回姿勢を制御することになるので、車両の運転者に与える曲がらない違和感や曲がり過ぎる違和感を抑制できる。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な出力を上回る場合には、前記動力発生手段によって駆動される駆動輪の回転速度を低減するとともに、回転速度を減じた前記駆動輪と同じ低減割合で、他の駆動輪の回転速度を低減するようにしてもよい。これによって、各駆動輪の回転速度が同じ割合で低減され、各駆動輪間における回転速度比を維持できるので、車両の旋回姿勢が乱れることによる旋回性能の悪化を抑制できる。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記走行装置は、前記駆動輪の回転速度の低下に応じて、前記車両の操舵輪の操舵角を変更する、操舵角変更手段を備えてもよい。これによって、駆動輪の回転速度を低減することによる車両の旋回半径の変化を抑制できるので、旋回性の変化を抑えることができる。
次の本発明に係る走行装置のように、前記走行装置において、前記駆動輪の動力発生手段は、それぞれの前記駆動輪に対して設けられ、それぞれの前記駆動輪を個別に駆動する電動機とすることが好ましい。このようにすれば、駆動輪毎に駆動力を変更可能な走行装置を簡易に構成することができる
次の本発明に係る駆動制御装置は、複数の駆動輪を備えるとともに、少なくとも2個の駆動輪は独立して駆動力を変更でき、かつ車両に搭載されて前記車両を走行させる走行装置の制御に用いるものであり、前記車両を走行させる際に、前記駆動輪が目標とする目標回転速度を演算する目標回転速度算出部と、前記駆動輪の回転速度が、前記目標回転速度となるように、前記駆動輪へ付与する動力を決定する出力決定部と、前記出力決定部により決定された動力で、前記駆動輪を駆動する出力制御部と、を含むことを特徴とする。
この駆動制御装置は、駆動輪の実際の回転速度が、車両を走行させる際に駆動輪が目標とする目標回転速度となるように、各駆動輪へ付与する動力を決定し、その動力で各駆動輪を駆動する。これによって、車両の駆動輪が通過する路面の状況に依存しないで駆動輪を制御することができるので、車両に対する外乱があった場合でも、車両の走行安定性低下を抑制しつつ、車両の旋回性能を確保することが可能になる。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記目標回転速度算出部は、前記車両の走行半径に基づいて前記目標回転速度を演算することが好ましい。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記目標回転速度算出部は、前記車両が備える操舵輪の操舵角、及び前記車両の走行速度に基づいて前記車両の走行半径を演算することが好ましい。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記目標回転速度算出部は、それぞれの前記駆動輪に対して前記目標回転速度を演算してもよい。このようにすれば、制御の精度がより向上する。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記目標回転速度算出部は、一対の前記駆動輪の回転速度差を前記目標回転速度としてもよい。このようにすれば、制御に用いるパラメータを少なくすることができるので、制御の負荷を軽減できる。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記目標回転速度算出部は、前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪においては、前記目標回転速度を同一とするようにしてもよい。このようにすれば、目標回転速度が共通になるので、制御における演算の負荷を軽減できる。また、いわゆるニュートラルステアとなるように車両の旋回姿勢を制御することになるので、車両の運転者に与える曲がらない違和感や曲がり過ぎる違和感を抑制できる。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記目標回転速度算出部は、前記目標回転速度を、前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪において、最も小さい値に合わせることが好ましい。このようにすれば、いわゆるニュートラルステアとなるように車両の旋回姿勢を制御することになるので、車両の運転者に与える曲がらない違和感や曲がり過ぎる違和感を抑制できる。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な出力を上回る場合には、前記目標回転速度算出部は、前記動力発生手段によって駆動される駆動輪の回転速度を低減するとともに、回転速度を減じた前記駆動輪と同じ低減割合で、他の駆動輪の回転速度を低減するようにしてもよい。これによって、各駆動輪の回転速度が同じ割合で低減され、各駆動輪間における回転速度比を維持できるので、車両の旋回姿勢が乱れることによる旋回性能の悪化を抑制できる。
次の本発明に係る駆動制御装置のように、前記駆動制御装置において、前記駆動輪の回転速度の低下に応じて、前記車両の操舵輪の操舵角を変更する量を演算するとともに、演算された操舵角となるように前記車両の操舵輪を操舵する操舵角制御部を備えるようにしてもよい。これによって、駆動輪の回転速度を低減することによる車両の旋回半径の変化を抑制できるので、旋回性の変化を抑えることができる。
この発明に係る走行装置及び駆動制御装置は、車両に対する外乱があった場合でも、車両の走行安定性低下を抑制しつつ、車両の旋回性能を確保できる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、電動機を動力発生手段とした、いわゆる電気自動車に本発明を適用した場合を説明するが、本発明の適用対象はこれに限られるものではなく、複数の駆動輪を備えるとともに、少なくとも2個の駆動輪の間で駆動力が変更できるものであればよい。また、動力発生手段は電動機に限られるものではなく、例えば、内燃機関のような熱機関を用いてもよい。
駆動力を変更できる少なくとも2個の駆動輪は、車両の左右一対の駆動輪であってもよく、この場合には、前輪の左右一対の駆動輪、又は後輪の左右一対の駆動輪のうち少なくとも一方で、駆動力を変更可能であればよい。また、左右一対の駆動輪を3組以上備える車両においては、そのうちの少なくとも一組の駆動輪間において駆動力を変更可能であればよい。さらに、左右前輪のうちの一輪と、左右後輪のうちの一輪との間で、駆動力を変更できる構成であってもよい。なお、本発明は、旋回性能を確保するものなので、駆動力を変更できる少なくとも2個の駆動輪は、少なくとも車両の左右一対の駆動輪とすることが好ましい。
(実施形態1)
実施形態1は、車両に搭載される走行装置が備える少なくとも2個の駆動輪は、それぞれの駆動力を独立して変更でき、かつ、前記駆動輪の実際の回転速度を、前記車両を走行させる際に前記駆動輪が目標とする目標回転速度とするように、前記駆動輪に動力が付与される点に特徴がある。ここで、目標回転速度は、例えば、車両の旋回半径や車両の速度、あるいは操舵輪の操舵角といった車両の走行条件に基づいて決定される。
実施形態1は、車両に搭載される走行装置が備える少なくとも2個の駆動輪は、それぞれの駆動力を独立して変更でき、かつ、前記駆動輪の実際の回転速度を、前記車両を走行させる際に前記駆動輪が目標とする目標回転速度とするように、前記駆動輪に動力が付与される点に特徴がある。ここで、目標回転速度は、例えば、車両の旋回半径や車両の速度、あるいは操舵輪の操舵角といった車両の走行条件に基づいて決定される。
図1−1は、実施形態1に係る走行装置を備える車両の構成を示す概略図である。ここで、左右の区別は、車両1の前進する方向(図1の矢印X方向)を基準とする。すなわち、「左」とは、車両1の前進する方向に向かって左側をいい、「右」とは、車両1の前進する方向に向かって右側をいう。また、車両1が前進する方向を前とし、車両1が後進する方向、すなわち前進する方向とは反対の方向を後とする。
図1−1に示す車両1は、電動機を動力発生手段とする走行装置100を備える。走行装置100は、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l、右側後輪3rを駆動輪とする。したがって、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l、右側後輪3rは、車両1の駆動輪となる。この実施形態において、動力発生手段は、左側前輪2lを駆動する左前側電動機10lと、右側前輪2rを駆動する右前側電動機10rと、左側後輪3lを駆動する左後側電動機11lと、右側後輪3rを駆動する右後側電動機11rとを含む。そして、ECU(Electronic Control Unit)50、及びECU50に組み込まれる駆動制御装置30が、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rの出力を制御することによって、各駆動輪の駆動力が制御される。この実施形態においては、アクセル開度センサ42によって検出されるアクセル5の開度に基づき、ECU50及び駆動制御装置30が、走行装置100の総駆動力F、及び左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l、右側後輪3r各輪の駆動力が制御される。
この走行装置100において、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l及び右側後輪3rは、それぞれ異なる電動機で駆動される。このように、車両1は、走行装置100が備える4個の車輪すべてが駆動輪となる。本実施形態において、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rは、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l及び右側後輪3rのホイール内に配置される、いわゆるインホイール形式の構成となっている。そして、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rは、直接左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l及び右側後輪3rを駆動する。
なお、電動機と車輪との間に減速機構を設け、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rの回転数を減速して、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l及び右側後輪3rに伝達してもよい。一般に、電動機は小型化するとトルクが低下するが、減速機構を設けることによって電動機のトルクを増加させることができる。したがって、減速機構を用いれば、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rを小型化することができる。
左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rは、左前側レゾルバ40l、右前側レゾルバ40r、左後側レゾルバ41l及び右後側レゾルバ41rによって回転角度や回転速度が検出される。左前側レゾルバ40l、右前側レゾルバ40r、左後側レゾルバ41l及び右後側レゾルバ41rの出力は、ECU50や駆動制御装置30に取り込まれて、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rの制御に用いられる。
また、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l、右側後輪3rの回転速度は、それぞれ、左側前輪回転速度センサ44l、右側前輪回転速度センサ44r、左側後輪回転速度センサ45l、右側後輪回転速度センサ45rによって検出される。そして、左側前輪回転速度センサ44l、右側前輪回転速度センサ44r、左側後輪回転速度センサ45l及び右側後輪回転速度センサ45rの出力は、ECU50に取り込まれ、走行装置100の駆動制御に用いられる。
左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rは、インバータ6に接続されている。インバータ6には、例えばニッケル−水素電池や鉛蓄電池等の車載電源7が接続されており、車載電源7からの電力は、必要に応じてインバータ6を介して左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rへ供給される。
左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rの出力は、ECU50や駆動制御装置30からの指令によってインバータ6を制御することで制御される。なお、この実施形態においては、各駆動輪の駆動力をそれぞれ独立に制御するため、1台のインバータで1台の電動機を制御する。このように、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rを制御するため、インバータ6は、それぞれの電動機に対応した4台のインバータで構成される。
左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rが走行装置100の動力発生手段として用いられる場合、車載電源7の電力がインバータ6を介して供給される。また、例えば車両1の減速時には、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rが発電機として機能して回生発電を行い、これによって回収したエネルギーを車載電源7に蓄える。これは、ブレーキ信号やアクセルオフ等の信号に基づいて、ECU50がインバータ6を制御することにより実現される。
走行装置100の左側前輪2l及び右側前輪2rは、ハンドル4によって操舵され、車両1の操舵輪としても機能する。左側前輪2l及び右側前輪2rは、操舵角センサ43によって検出される。ハンドル4からの入力は、操舵用減速装置8を介して左側前輪2l及び右側前輪2rに伝えられ、これらを操舵する。左側前輪2l及び右側前輪2rを操舵することにより、車両1の進行方向を変更する。本実施形態に係る走行装置100が備える操舵用減速装置8は、コントローラ8Cによって制御されるアクチュエータ8Aによって、減速比を変更することができる。これによって、ハンドル4の操作量が一定の状態で、走行装置100の操舵輪である左側前輪2l及び右側前輪2rの操舵角度を変更することもできる。操舵用減速装置8は、例えば、ハンドル4と左側前輪2l及び右側前輪2rとの間に設けられる遊星歯車式の減速装置の減速比を変更するように構成される。次に、本実施形態に係る走行装置の他の例を説明する。
図1−2、図1−3は、実施形態1に係る走行装置の他の例を示す概略図である。図1−2に示す車両1aが搭載する走行装置100aは、左前側電動機10l、右前側電動機10rによってそれぞれ駆動される左側前輪2l、右側前輪2rを駆動輪とし、左側後輪3l及び右側後輪3rを従動輪としている。すなわち、走行装置100aは、いわゆるFF(Front Wheel Front Drive)方式である。この走行装置100aにおいては、少なくとも2個の駆動輪、すなわち、左前側電動機10l、右前側電動機10rによって、一対の左右の駆動輪である左側前輪2l及び右側前輪2rの駆動力をそれぞれ独立に変更できる。
図1−3に示す車両1bが搭載する走行装置100bは、左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l及び右側後輪3rを駆動輪とする。そして、走行装置100bは、左側前輪2l及び右側前輪2rを前輪駆動用電動機13fで駆動し、左側後輪3l及び右側後輪3rを後輪駆動用電動機13rで駆動する。走行装置100bにおいて、前輪駆動用電動機13fの発生する動力は、前輪用差動ギヤ12fを介して左側前輪2l及び右側前輪2rに伝達され、後輪駆動用電動機13rの発生する動力は、後輪用差動ギヤ12rを介して左側後輪3l及び右側後輪3rに伝達される。そして、走行装置100bを搭載する車両1bの旋回時において、内外輪の回転速度差は、前輪用差動ギヤ12f及び後輪用差動ギヤ12rによって吸収される。
この走行装置100bにおいては、少なくとも2個の駆動輪、すなわち、左側前輪2l又は右側前輪2rのいずれか一方と、左側後輪3l又は右側後輪3rのいずれか一方との間で、独立に駆動力を変更できる。すなわち、この走行装置100bでは、車両1の前側における駆動輪と、後側における駆動輪との間で、独立して駆動力を変更できる。このような走行装置100bに対しても、本実施形態に係る駆動制御を適用することができる。例えば、旋回方向外側に位置する前後の駆動輪に対して目標とする回転速度を設定し、その回転速度となるように、旋回方向外側に位置する前後の駆動輪の回転速度を制御する。そして、旋回方向内側に位置する前後の駆動輪は、前輪用差動ギヤ12f及び後輪用差動ギヤ12rによって、車両1bの旋回半径に応じた回転速度に調整される。次に、本実施形態に係る駆動制御を説明する。
図2は、実施形態1に係る駆動制御を説明するための模式図である。図3−1〜図3−3は、実施形態1に係る車両が備える各車輪の関係を説明するための模式図である。本実施形態に係る駆動制御は、少なくとも2個の駆動輪の駆動力を独立して制御できる走行装置100において、車両1の運転条件に基づいて、駆動輪が目標とする回転速度を設定し、前記目標とする回転速度となるような動力を前記駆動輪に付与して、前記駆動輪を駆動する。
本実施形態では、車両1の走行姿勢は、車両1が搭載する走行装置100の各駆動輪の回転速度に依存することに着目し、走行装置100の駆動輪の目標とする目標回転速度を演算し、駆動輪の実際の回転速度が、演算した目標回転速度になるように、すなわち、駆動輪の実際の回転速度と、演算した目標回転速度との差が0になるように、駆動輪へ付与する動力をフィードバック制御する。これによって、ヨーセンサやスリップ角センサ等を用いなくとも、車両1の旋回性能を確保しつつ、車両1の走行姿勢変化を抑制して、安定して車両を走行させることができる。また、路面の摩擦状態変化のような、車両1に対する外乱が発生しても、車両1の走行安定性低下を抑制しつつ、車両1の旋回性能を確保できる。
図2は、本実施形態に係る車両1が左旋回している状態を示している。図2に示す実線は、車両1の旋回中における車両1の重心Gの旋回軌跡である。一点鎖線foは前外輪2oの旋回軌跡であり、一点鎖線roは後外輪3oの旋回軌跡であり、二点鎖線fiは前内輪2iの旋回軌跡であり、二点鎖線riは後内輪3iの旋回軌跡である。また、車両1の重心Gの旋回半径(以下車両重心旋回半径という)はρ、前外輪2oの旋回半径(以下前外輪旋回半径という)はρfo、後外輪3oの旋回半径(以下後外輪旋回半径という)はρro、前内輪2iの旋回半径(以下前内輪旋回半径という)はρfi、後内輪3iの旋回半径(以下後内輪旋回半径という)はρriである。βは、車両1の重心G周りにおける車両1のすべり角(以下すべり角という)である。
ここで、図1−1に示す車両1の駆動輪と、図2に示す車両1の駆動輪との関係は、左側前輪2lが前外輪2oに対応し、左側後輪3lが後外輪3oに対応し、右側前輪2rが前内輪2iに対応し、右側後輪3rが後内輪3iに対応する。この対応関係は、車両1の旋回方向によって内輪と外輪との関係が反対となり、車両1が右旋回する場合には、左側前輪2lが前内輪2iに対応し、左側後輪3lが後内輪3iに対応し、右側前輪2rが前外輪2oに対応し、右側後輪3rが後外輪3oに対応する。なお、本実施形態において、図1−1に示す左側前輪2l、右側前輪2r、左側後輪3l及び右側後輪3rは、いずれも車両1の駆動輪なので、前外輪2o、後外輪3o、前内輪2i及び後内輪3iは、いずれも車両1の駆動輪である。
図3−1〜図3−3中のGは車両1の重心、hは車両1の重心高さ、Dfは前輪のトレッド幅、Drは後輪のトレッド幅を表す。また、Lは、左側及び右側前輪2l、2rの車軸(前輪側車軸)Zfと、左側及び右側後輪3l、3rの車軸(後輪側車軸)Zrとの距離(前後車軸軸間距離)、Lfは重心Gと前輪側車軸Zfとの水平距離、Lrは重心Gと後輪側車軸Zrとの水平距離を表す。
車両重心旋回半径ρは、式(1)で求めることができ、車両1のすべり角βは、式(2)で求めることができる。前外輪旋回半径ρfo、後外輪旋回半径ρro、前内輪旋回半径ρfi、後内輪旋回半径ρriは、車両重心旋回半径ρ及びすべり角βを用いて、それぞれ式(3)〜式(6)で求めることができる。また、前外輪2oの旋回周速度(以下前外輪旋回周速度という)Vfo、後外輪3oの旋回周速度(以下後外輪旋回周速度という)Vro、前内輪2iの旋回周速度(以下前内輪旋回周速度という)Vfi、後内輪3iの旋回周速度(以下後内輪旋回周速度という)Vroは、それぞれ式(7)〜(10)で求めることができる。そして、前外輪2oの旋回角速度(以下前外輪旋回角速度という)ωfo、後外輪3oの旋回角速度(以下後外輪旋回角速度という)ωro、前内輪2iの旋回角速度(以下前内輪旋回角速度という)はωfi、後内輪3iの旋回角速度(以下後内輪旋回角速度という)ωriは、それぞれ式(11)〜(14)で求めることができる。そして、前外輪旋回角速度ωfo、後外輪旋回角速度ωro、前内輪旋回角速度ωfi、後内輪旋回角速度ωriが、各駆動輪の目標回転速度となる。すなわち、前外輪2oの目標回転速度(前外輪目標回転速度)はωfo、後外輪3oの目標回転速度(後外輪回転速度)はωro、前内輪2iの目標回転速度(前内輪目標回転速度)はωfi、後内輪3iの目標回転速度(後内輪目標回転速度)はωriとなる。
なお、目標回転速度は、一対の駆動輪の回転速度差を用いてもよい。例えば、車両1の前側内外輪回転速度差Δωfや、後側内外輪回転速度差Δωrを用いてもよい。ここで、前側内外輪回転速度差Δωfは、ωfo(前外輪旋回角速度)−ωfi(前内輪旋回角速度)であり、後側内外輪回転速度差Δωrは、ωro(後外輪旋回角速度)−ωri(後内輪旋回角速度)である。このようにすれば、制御に用いるパラメータを少なくすることができるので、制御の負荷を軽減できる。
ここで、Vは車両1の速度(必要に応じて車両速度という)であり、例えば、車両1が備える車輪の速度(車輪の周速度)のうち、最も低いものを用いる。また、mは車両1の質量、Rfoは前外輪2oの荷重半径、Rroは後外輪3oの荷重半径、Rfiは前内輪2iの荷重半径、Rriは後内輪3iの荷重半径である。Kfは車両1の前輪のコーナーリングフォース(横力)、Krは車両1の後輪のコーナーリングフォースである。コーナーリングフォースは、通常、車両1の前輪及び後輪の荷重でほぼ決定されるとともに、操舵角δに対して変化する。そして、本実施形態において、コーナーリングフォースは、操舵角δに対して線形から弱い非線形で変化する領域が用いられる。
上述したように、本実施形態では、車両1の駆動輪の実際の回転速度が、式(1)〜式(14)に基づいて演算した、前記駆動輪の目標回転速度になるように、各駆動輪へ動力を付与する。これによって、ヨーセンサやスリップ角センサ等を用いなくとも、車両1の走行姿勢変化を抑制して、安定して車両を走行させることができるとともに、車両1の旋回性能も確保できる。その結果、車両1の駆動輪のうち少なくとも一輪がスリップしたりスタックしたりした場合の駆動制御において、車両1の旋回時、跨ぎ路走行時等における車両1の姿勢を、運転者の意図するものとすることができるので、ドライバビリティが向上する。また、車両1の内輪差に応じて前後の内輪へ付与する動力を低減して、前後の内輪の駆動力を減じるため、特に大操舵角の旋回中に車両1の内輪がスリップやスタックした場合に、車両1の旋回軌跡を維持するように駆動力を配分することができる。次に、本実施形態に係る駆動制御を実現するための駆動制御装置について説明する。
図4は、実施形態1に係る駆動制御装置の構成例を示す説明図である。図4に示すように、駆動制御装置30は、ECU50に組み込まれて構成されている。ECU50は、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)50pと、記憶部50mと、入力ポート55及び出力ポート56と、入力インターフェース57及び出力インターフェース58とから構成される。
なお、ECU50とは別個に、この実施形態に係る駆動制御装置30を用意し、これをECU50に接続してもよい。そして、この実施形態に係る駆動制御を実現するにあたっては、ECU50が備える走行装置100等に対する制御機能を、前記駆動制御装置30が利用できるように構成してもよい。
駆動制御装置30は、制御条件判定部31と、目標回転速度演算部32と、出力決定部33と、出力制御部34とを含んで構成される。これらが、この実施形態に係る駆動制御を実行する部分となる。この実施形態において、駆動制御装置30は、ECU50を構成するCPU50pの一部として構成される。
駆動制御装置30の制御条件判定部31と、目標回転速度演算部32と、出力決定部33と、出力制御部34とは、バス541、バス542、及び入力ポート55及び出力ポート56を介して接続される。これにより、駆動制御装置30を構成する制御条件判定部31と目標回転速度演算部32と、出力決定部33と、出力制御部34とは、相互に制御データをやり取りしたり、一方に命令を出したりできるように構成される。また、CPU50pが備える駆動制御装置30と、記憶部50mとは、バス543を介して接続される。これによって、駆動制御装置30は、ECU50が有する走行装置100の運転制御データを取得し、これを利用することができる。また、駆動制御装置30は、この実施形態に係る駆動制御を、ECU50が予め備えている運転制御ルーチンに割り込ませたりすることができる。
入力ポート55には、入力インターフェース57が接続されている。入力インターフェース57には、左前側レゾルバ40l、右前側レゾルバ40r、左後側レゾルバ41l、右後側レゾルバ41r、アクセル開度センサ42、操舵角センサ43、左側前輪回転速度センサ44l、右側前輪回転速度センサ44r、左側後輪回転速度センサ45l、右側後輪回転速度センサ45r等の、走行装置100の駆動制御に必要な情報を取得するセンサ類が接続されている。これらのセンサ類から出力される信号は、入力インターフェース57内のA/Dコンバータ57aやディジタル入力バッファ57dにより、CPU50pが利用できる信号に変換されて入力ポート55へ送られる。これにより、CPU50pは、走行装置100の運転制御や、この実施形態に係る駆動制御に必要な情報を取得することができる。
出力ポート56には、出力インターフェース58が接続されている。出力インターフェース58には、本実施形態に係る駆動制御に必要な制御対象が接続されている。この実施形態では、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rを制御するためのインバータ6、及びアクチュエータ8Aを制御するコントローラ8Cが、出力インターフェース58に接続されている。出力インターフェース58は、制御回路581、582等を備えており、CPU50pで演算された制御信号に基づき、前記制御対象を動作させる。このような構成により、前記センサ類からの出力信号に基づき、ECU50のCPU50pは、左前側電動機10l、右前側電動機10r、左後側電動機11l及び右後側電動機11rの駆動力を制御することができる。
記憶部50mには、この実施形態に係る駆動制御の処理手順を含むコンピュータプログラムや制御マップ、あるいはこの実施形態に係る駆動制御に用いるデータ等が格納されている。ここで、記憶部50mは、RAM(Random Access Memory)のような揮発性のメモリ、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
上記コンピュータプログラムは、CPU50pへ既に記録されているコンピュータプログラムと組み合わせによって、この実施形態に係る駆動制御の処理手順を実現できるものであってもよい。また、この駆動制御装置30は、前記コンピュータプログラムの代わりに専用のハードウェアを用いて、制御条件判定部31、目標回転速度演算部32、出力決定部33及び出力制御部34の機能を実現するものであってもよい。次に、この実施形態に係る駆動制御を説明する。次の説明では、適宜図1−1〜図4を参照されたい。
図5は、実施形態1に係る駆動制御の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係る駆動制御は、ステップS101〜ステップS109を含んでおり、RETURNに到達したらSTARTへ戻るようになっている。そして、STARTからRETURNに到達したら、制御を1回終了したとカウントする。本実施形態に係る駆動制御を実行するにあたり、ステップS101において、駆動制御装置30の制御条件判定部31は、車両1が旋回中であるか否かを判定する。
本実施形態に係る駆動制御は、上述したように、車両1の車両重心旋回半径ρ、前外輪旋回半径ρfo、後内輪旋回半径ρri等に基づいて各駆動輪の目標とする回転速度を求めるので、車両1が非旋回である場合には、本実施形態に係る駆動制御は実行されない。車両1が旋回中であるか否かは、例えば、操舵角センサ43から取得される車両1の操舵輪の操舵角δの大きさから判定することができる。例えば、判定時における操舵角δ_nが0でない場合、あるいは操舵角δ_nが所定の角度よりも大きい場合には、車両1は旋回中であると判定することができる。
ステップS101でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部31が、車両1は旋回中でないと判定した場合、本実施形態に係る駆動制御を実行せずSTARTに戻り、制御条件判定部31は、車両1の走行状態の監視を継続する。ステップS101でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部31が、車両1は旋回中であると判定した場合、制御条件判定部31は、ステップS101の判定時における操舵角δ_nと、前回の判定時における操舵角δ_lとを比較する。
ステップS102でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部31が、δ_n=δ_lでないと判定した場合、車両1は旋回中であり、かつ、車両1の旋回半径が変化する、過渡状態であると判定できる。この場合、車両1の各駆動輪の回転速度が、上記式(1)〜(14)を用いて演算した車両1の各駆動輪の目標回転速度となるように、車両1の各駆動輪へ付与する動力を制御する。
車両1の各駆動輪の目標回転速度を演算するにあたり、ステップS103において、駆動制御装置30の目標回転速度演算部32は、演算に用いる車両1の操舵角δを、ステップS101の判定時における操舵角δ_nとする。次に、ステップS104において、目標回転速度演算部32は、車両1のセンサ類から、目標回転速度の演算に必要な情報を取得する。そして、目標回転速度演算部32は、上記式(1)〜(6)を用いて各駆動輪の旋回半径ρfo、ρfi、ρro、ρriを演算し、また、各駆動輪の実際の回転速度ω_n(ω_nfo、ω_nfi、ω_nro、ω_nri)を演算する。そして、ステップS105において、目標回転速度演算部32は、ステップS104で演算した各駆動輪の旋回半径、及び式(7)〜式(14)を用いて、各駆動輪の目標回転速度ω(ωfo、ωfi、ωro、ωri)を演算する。
次に、ステップS106において、駆動制御装置30の出力決定部33は、ステップS104で演算された各駆動輪の実際の回転速度ω_nと、ステップS105で演算された各駆動輪の目標回転速度ωとの偏差(以下回転速度偏差という)Δω(=|ω_n−ω|)を演算する。なお、本実施形態において、回転速度偏差は、ω_nとωとの差の絶対値で表す。そして、ステップS107において、出力決定部33は、ステップS106で演算した、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるように、各駆動輪へ付与する動力を演算する。すなわち、各駆動輪を駆動する動力発生手段(本実施形態では電動機)の出力を演算する。
本実施形態においては、ステップS106で演算した各駆動輪の回転速度偏差Δωに基づいて、すなわち、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるような各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値Iを、出力決定部33が演算する。各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値Iは、各駆動輪の駆動力に比例するので、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるような駆動電流値Iで、前記電動機を駆動すれば、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になる。したがって、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるような駆動電流値Iを演算すれば、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるような各駆動輪の動力(駆動力)を演算することになる。ステップS108において、駆動制御装置30の出力制御部34は、ステップS107において演算された、各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値Iで、各駆動輪を駆動する。これによって、各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるように各駆動輪へ動力が与えられ、各駆動輪は目標回転速度で駆動される。
ステップS102でYesと判定された場合、すなわち、制御条件判定部31が、δ_n=δ_lであると判定した場合、車両1は旋回中であり、かつ、車両1の旋回半径は変化しない、定常状態であると判定できる。この場合、ステップS109において、目標回転速度演算部32は、車両1のセンサ類から取得した情報に基づき、各駆動輪の実際の回転速度ω_nを演算する。なお、車両1の旋回半径が変化していないため、目標回転速度ωは、前回の判定時における値を用いる。
ステップS106において、出力決定部33は、ステップS109で演算された各駆動輪の実際の回転速度ω_nと、前回のステップS105で演算された各駆動輪の目標回転速度ωとの回転速度偏差Δωを演算する。そして、ステップS107において、出力決定部33は、ステップS106で演算した各駆動輪の回転速度偏差Δωが0になるような各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値Iを演算し、ステップS108において、出力制御部34は、ステップS107において演算された、各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値Iで、各駆動輪を駆動する。
(変形例)
図6は、実施形態1の変形例に係る駆動制御を説明するための模式図である。本変形例に係る駆動制御は、上述した実施形態1に係る駆動制御において、車両1の旋回姿勢がいわゆるニュートラルステアの状態となるように、すなわち、すべり角βが0となるようにする点が異なる。このため、本変形例では、車両1の同一側面側における駆動輪の目標回転速度を同一とする。これによって、車両1の旋回状態をニュートラルステアに近づけるとともに、車両1の運転者に良好な旋回フィーリングを与えることができる。ここで、ニュートラルステアとは、車両1の旋回半径の接線方向に対して、車両1の進行方向が向いている状態で車両1が旋回することをいう。
図6は、実施形態1の変形例に係る駆動制御を説明するための模式図である。本変形例に係る駆動制御は、上述した実施形態1に係る駆動制御において、車両1の旋回姿勢がいわゆるニュートラルステアの状態となるように、すなわち、すべり角βが0となるようにする点が異なる。このため、本変形例では、車両1の同一側面側における駆動輪の目標回転速度を同一とする。これによって、車両1の旋回状態をニュートラルステアに近づけるとともに、車両1の運転者に良好な旋回フィーリングを与えることができる。ここで、ニュートラルステアとは、車両1の旋回半径の接線方向に対して、車両1の進行方向が向いている状態で車両1が旋回することをいう。
式(2)に示すように、車両1のすべり角βは、車両1の速度、操舵角δ、車両1の諸元から決定される値なので、通常0はならない。ここで、車両1の同一側面側において、アンダーステアとなる場合はω_f>ω_rであり、オーバーステアとなる場合はω_f<ω_rとなる。すなわち、アンダーステアとなる場合には、前駆動輪の横力余裕が後駆動輪の横力余裕よりも小さく、オーバーステアとなる場合には、後駆動輪の横力余裕が前駆動輪の横力余裕よりも小さい。なお、fは車両1の前輪を意味し、rは車両1の後輪を意味する。
そこで、本変形例では、式(11)〜式(14)によって求められる、旋回時における角速度を、車両1の同一側面側、すなわち内輪側、あるいは外輪側で同一とする。より具体的には、車両1の同一側面側においては、式(11)〜式(14)で求まる目標回転速度ωのうち小さい方を各駆動輪の目標回転速度とする。これによって、車両1の旋回状態をニュートラルステアに近づけることができる。また、各駆動輪の横力余裕を最大限に回復できる方向に目標を設定するため、車両1の安全マージンをより拡大できる。
ここで、通常の車両においては、Df/2とDr/2とは、車両1の旋回半径に対して無視できる程度に小さいため、車両1の外輪の旋回半径(外輪旋回半径)ρo、及び車両1の内輪の旋回半径(内輪旋回半径)ρiを求める際には、例えば、Df/2とDr/2の平均値D/2(=(Df+Dr)/4)を用いてもよい。この場合、外輪旋回半径ρoは(ρ+H/2)となり、内輪旋回半径ρiは、(ρ−H/2)となる。ここで、ρは、式(1)で求められる車両重心旋回半径である。このようにすれば、内輪旋回半径ρi等を求める際の演算を簡略化できるため、計算負荷を低減できる。
本実施形態及びその変形例では、ヨーセンサやスリップ角センサ等の車両の走行姿勢や走行状態を検出するセンサを用いないで、車両の旋回制御を実行する例を説明した。しかし、ヨーセンサやスリップ角センサ等の車両の走行姿勢や走行状態を検出するセンサを用いて車両の旋回制御を実行する場合にも、本実施形態及びその変形例を適用することができる。この場合、本実施形態及びその変形例に係る駆動制御は、バックアップ用として用い、例えば、車両の走行姿勢や走行状態を検出するセンサのフェールが検出されたときに、本実施形態及びその変形例に係る駆動制御を用いて車両の旋回制御を実行する。これにより、信頼性が向上する。
以上、本実施形態及びその変形例では、駆動輪の回転速度は、車両が走行しようとしている軌跡を表すことから、車両の姿勢は駆動輪の回転速度によって決定されることに着目した。そして、少なくとも2個の駆動輪の駆動力はそれぞれ独立して変更でき、かつ、前記駆動輪の実際の回転速度が、前記車両を走行させる際に前記駆動輪が目標とする目標回転速度となるように、前記駆動輪に動力が付与される。なお、目標回転速度は、例えば、前記車両の旋回半径や前記車両の速度といった車両の走行条件に基づいて決定される。このように、走行時における車両の姿勢や挙動に影響の大きい駆動輪の回転速度が目標回転速度となるように制御するので、路面の摩擦状態変化のような外乱が生じても、車両の姿勢変化や挙動変化を最小限に抑制できる。その結果車両の走行安定性低下を抑制しつつ、予定した車両の旋回性能を発揮できる。
各駆動輪の駆動力が目標の駆動力となるような駆動制御では、ヨーセンサやスリップ角センサ等の車両の走行姿勢や走行状態を検出するセンサがない場合、目標とする車両の姿勢とするための駆動力を決定することは極めて困難であり、車両に対する外乱が発生した場合には、車両の安定性を低下させてしまうことがある。これは、車両の走行姿勢や走行状態を検出するセンサがないため、駆動輪の駆動力を変更した結果、車両の姿勢がどのようになっているかを把握できず、その結果、車両の姿勢が不安定になるからである。
しかし、本実施形態及びその変形例では、各駆動輪の回転速度と車両速度と操舵角とに基づき、走行時における車両の姿勢や挙動に影響の大きい駆動輪の回転速度が目標回転速度となるように、駆動輪に付与する動力をフィードバック制御する。これによって、ヨーセンサやスリップ角センサ等のような車両の走行姿勢や走行状態を検出するセンサを用いなくとも、車両の旋回性能を向上できるとともに、外乱に対する安定性を向上できる。このように、本実施形態及びその変形例では、車両へ既に搭載されているセンサ類を利用することができ、ヨーセンサやスリップ角センサ等のような高価なセンサ類が不要になるので、製造コストを低減できるという利点もある。なお、実施形態1の構成は、以下の実施形態においても適宜適用することができる。
(実施形態2)
実施形態2は、駆動輪の回転速度が目標回転速度となるように、各駆動輪へ動力を付与する点は実施形態1と同様であるが、駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、当該動力発生手段の限界を超える場合には、当該動力発生手段で発生可能な出力の範囲内で実現可能な回転速度に減じて駆動輪を駆動するとともに、他の駆動輪は、回転速度を減じた駆動輪と同じ低減割合割合で、回転速度を低減する点が異なる。なお、本実施形態に係る駆動制御は、図1−1に示す、実施形態1に係る車両1が備える走行装置100等に適用することができる。次においては、図1−1に示す車両1、及び車両1が備える走行装置100を例として説明する。
実施形態2は、駆動輪の回転速度が目標回転速度となるように、各駆動輪へ動力を付与する点は実施形態1と同様であるが、駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、当該動力発生手段の限界を超える場合には、当該動力発生手段で発生可能な出力の範囲内で実現可能な回転速度に減じて駆動輪を駆動するとともに、他の駆動輪は、回転速度を減じた駆動輪と同じ低減割合割合で、回転速度を低減する点が異なる。なお、本実施形態に係る駆動制御は、図1−1に示す、実施形態1に係る車両1が備える走行装置100等に適用することができる。次においては、図1−1に示す車両1、及び車両1が備える走行装置100を例として説明する。
図7は、実施形態2に係る駆動制御を説明するための模式図である。図8は、動力発生手段の一例である電動機の等出力線を示す模式図である。図7は、車両1の旋回中に、内輪と外輪とが、それぞれ摩擦係数の異なる路面上を通過する状態を示している。車両1の外輪、すなわち前外輪2o及び後外輪3oが通過する路面は低摩擦係数路面であり、車両1の内輪、すなわち前内輪2i及び後内輪3iが通過する路面よりも摩擦係数が低い。図7に示す状態は、例えば、路面の外側に砂が浮いて低摩擦係数路面を形成しており、車両1の前外輪2o及び後外輪3oは前記砂の上を通過するが、前内輪2i及び後内輪3iは砂の浮いていない舗装路面上を通過するような状態である。
このような場合、低摩擦係数路面SL上を通過する車両1の前外輪2o及び後外輪3oの目標回転速度ωを実現するためには、低摩擦係数路面SLよりも摩擦係数の高い路面上を通過する車両1の前内輪2i及び後内輪3iよりも小さい動力で足りる。一方、低摩擦係数路面SLよりも摩擦係数の高い路面上を通過する車両1の前内輪2i及び後内輪3iの目標回転速度ωを実現するためには、低摩擦係数路面SL上を通過する車両1の前外輪2o及び後外輪3oよりも大きな動力が必要である。これは、摩擦係数がより高い路面上を通過する車両1の駆動輪で、車両1の速度を維持するための駆動力と、旋回に必用なモーメントとを発生させる必用があるからである。
ここで、車両1の各駆動輪を駆動する動力発生手段(本実施形態では図1−1に示す走行装置100が備える電動機)が発生可能な出力には限界があり、式(11)〜式(14)で求めた各駆動輪の目標回転速度を実現できるとは限らない。本実施形態では、車両1の前内輪2iを駆動する電動機の発生する出力が、当該電動機に要求される出力を上回っている。この場合、本実施形態では、車両1の駆動輪を駆動する電動機が発生可能な出力の範囲内で、車両1の各駆動輪の目標回転速度を同じ割合で低減する。これによって、車両1の速度は減速するが、各駆動輪の回転速度が同じ割合で低減され、各駆動輪間における回転速度比を維持できるので、車両1はそれまでの旋回姿勢を維持したまま、安定して旋回することができる。例えば、車両1をニュートラルステアで旋回させるときには、車両1の駆動輪が異なる摩擦係数の路面を通過する場合であっても、ニュートラルステアを維持できる。
図8に示すように、前内輪2iの目標回転速度がωfiであるとする。図8に示す実線は、前内輪2iを駆動する電動機の等出力線であり、トルクと回転速度とが異なっても、等出力線上であれば前記電動機の発生する出力は等しい。目標回転速度がωfiのとき、車両1の質量、速度、操舵角から決定される、前内輪2iを駆動するために必要な駆動トルクは、T_lとなる。しかし、図8に示す等出力線から分かるように、前内輪2iを駆動する電動機は、目標回転速度ωfiにおいては、駆動トルクT_lを発生することはできない。すなわち、前内輪2iを駆動する電動機の発生可能な出力を超えてしまっている。
ここで、図8に示す等出力線から、前記駆動トルクT_lを発生できる回転速度は、ωfi_cであることが分かる。このため、前内輪2iを駆動する電動機が、前記駆動トルクT_lを発生できる回転速度は、ωfi_cとなる。本実施形態では、前記駆動トルクT_lを発生できる回転速度ωfi_cを、前内輪2iを駆動する電動機の目標回転速度(修正目標回転速度という)とする。そして、当初の目標回転速度ωfiと、修正目標回転速度ωfi_cとから、目標回転速度補正係数αを求める。ここで、目標回転速度補正係数αは、修正目標回転速度ωfi_cを当初の目標回転速度ωfiで除した値であり、α=ωfi_c/ωfiとなる。この関係から分かるように、α<1である。
前内輪2iの目標回転速度をωfi_cに修正したら、後内輪3iの目標回転速度ωri、前外輪2oの目標回転速度ωfo、後外輪3oの目標回転速度ωroも、前内輪2iの目標回転速度を修正したのと同じ割合で減じる。すなわち、後内輪3iの目標回転速度ωri、前外輪2oの目標回転速度ωfo、後外輪3oの目標回転速度ωroそれぞれに、上記目標回転速度補正値αを乗じて、後内輪3iの修正目標回転速度α×ωri、前外輪2oの修正目標回転速度α×ωfo、後外輪3oの修正目標回転速度α×ωroとする。そして、前内輪2iの回転速度がωfi_cに、後内輪3iの回転速度がα×ωriに、前外輪2oの回転速度がα×ωfoに、後外輪3oの回転速度がα×ωroになるように、それぞれの駆動輪を駆動する電動機が発生する動力を制御する。次に、実施形態2に係る駆動制御の手順例を説明する。
図9は、実施形態2に係る駆動制御の手順を示すフローチャートである。実施形態2に係る駆動制御は、図4に示した実施形態1に係る駆動制御装置30によって実現できる。実施形態2に係る駆動制御を実行するにあたり、ステップS201において、図4に示す駆動制御装置30の制御条件判定部31は、図1−1に示す車両1が備える走行装置100の駆動制御を実行しているか否かを判定する。例えば、車両1の旋回中や低摩擦係数路面SLを車両1が走行している場合には、走行装置100の駆動制御を実行していると判定する。
ステップS201でNoと判定された場合、すなわち、制御条件判定部31が、走行装置100の駆動制御を実行していないと判定した場合、本実施形態に係る駆動制御を実行せずSTARTに戻り、制御条件判定部31は、車両1の走行状態の監視を継続する。
ステップS201でYesと判定された場合、すなわち、車両1が備える走行装置100の駆動制御を実行していると制御条件判定部31が判定した場合、ステップS202において、制御条件判定部31は、走行装置100が備える電動機のうち、出力が限界に達しているものがあるか否かを判定する。例えば、図1−1に示す走行装置100が備える各駆動輪の電動機に対する要求出力W_dが、前記電動機の最大出力W_maxを超えているものがあるか否かによって判定する。
ステップS202でNoと判定された場合、すなわち、走行装置100が備える電動機のうち、出力が限界に達しているものはないと制御条件判定部31が判定した場合、本実施形態に係る駆動制御を実行せずSTARTに戻り、制御条件判定部31は、車両1の走行状態の監視を継続する。
ステップS202でYesと判定された場合、すなわち、走行装置100が備える電動機のうち、出力が限界に達しているものがあると制御条件判定部31が判定した場合、ステップS203で、図4に示す駆動制御装置30の目標回転速度演算部32は、上述した手順により、出力が限界に達している電動機が駆動する駆動輪の修正目標回転速度を設定する。すなわち、目標回転速度演算部32は、電動機の等出力線から、電動機に要求される駆動トルクを発生できる回転速度を、修正目標回転速度として設定する。
電動機の等出力線は、例えば、図4に示すECU50の記憶部50mに修正目標回転速度設定マップとして格納しておき、修正目標回転速度を設定する際には、目標回転速度演算部32が、電動機に要求される駆動トルクを前記修正目標回転速度設定マップに与えて、対応する修正目標回転速度を取得する。ここで、ステップS202において、要求出力W_dが、電動機の最大出力W_maxを超えているものが複数あると判定された場合は、要求出力の最も大きい電動機に対して、当該電動機に要求される駆動トルクを発生できる回転速度を修正目標回転速度として設定する。
次に、ステップS204において、目標回転速度演算部32は、当初の目標回転速度と、ステップS203で設定された修正目標回転速度とから、目標回転速度補正係数αを演算する。そして、ステップS205において、目標回転速度演算部32は、演算した目標回転速度補正係数を用いて、他の駆動輪、すなわち、電動機に要求される駆動トルクに基づいて修正目標回転速度を設定した駆動輪以外の駆動輪の修正目標回転速度を演算する。すなわち、現在設定されている他の駆動輪の目標回転速度に、ステップS204で演算された目標回転速度補正係数を乗じて、他の駆動輪の修正目標回転速度とする。
次に、ステップS206において、図4に示す駆動制御装置30が備える出力決定部33は、車両1に搭載される走行装置100が備える各駆動輪の回転速度が、ステップS203、ステップS205で設定された修正目標回転速度になるように、前記各駆動輪へ付与する動力を演算する。より具体的には、各駆動輪の実際の回転速度と、ステップS203、ステップS205で設定された修正目標回転速度との回転速度偏差が0になるような、各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値を演算する。そして、ステップS207において、図4に示す駆動制御装置30が備える出力制御部34は、ステップS206で演算された各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値で、各駆動輪を駆動する。
以上、実施形態2では、駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な出力を上回る場合には、前記動力発生手段によって駆動される駆動輪の回転速度を低減するとともに、同じ回転速度の低減割合で、他の駆動輪の回転速度を低減する。これによって、例えば、車両の内側における駆動輪と外側における駆動輪との間で、路面の摩擦状態が異なる場合でも、車両は旋回姿勢を維持したまま、安定して旋回することができる。なお、実施形態2の構成は、以下の実施形態においても適宜適用することができる。
(実施形態3)
実施形態3は、実施形態2とほぼ同様であるが、駆動輪の動力発生手段に対して要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な最大出力を超える場合には、各駆動輪の回転速度を同じ割合で低減するとともに、車両の操舵角を修正することにより、車両の速度低下に対する車両の旋回半径の変化を抑制する点が異なる。他の構成は、実施形態2と同様である。なお、本実施形態に係る駆動制御は、図1−1に示す、実施形態1に係る車両1が備える走行装置100等に適用することができる。次においては、図1−1に示す車両1、及び車両1が備える走行装置100を例として説明する。
実施形態3は、実施形態2とほぼ同様であるが、駆動輪の動力発生手段に対して要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な最大出力を超える場合には、各駆動輪の回転速度を同じ割合で低減するとともに、車両の操舵角を修正することにより、車両の速度低下に対する車両の旋回半径の変化を抑制する点が異なる。他の構成は、実施形態2と同様である。なお、本実施形態に係る駆動制御は、図1−1に示す、実施形態1に係る車両1が備える走行装置100等に適用することができる。次においては、図1−1に示す車両1、及び車両1が備える走行装置100を例として説明する。
式(1)によって決定される車両重心旋回半径ρは車両速度Vの関数であり、車両速度Vが変化すると変化することが分かる。アンダーステアの場合、LfKf−LrKr<0であり、車両速度Vの低下にともなって、操舵角δが同一であれば、車両重心旋回半径ρは大きくなる。一方、オーバーステアの場合、LfKf−LrKr>0であり、車両速度Vの低下にともなって、操舵角δが同一であれば、車両重心旋回半径ρは小さくなる。
上述した実施形態2に係る駆動制御では、各駆動輪の回転速度を同じ割合で低減することにより車両1の姿勢を維持したまま旋回が可能であるが、上述したように、車両1の速度の低下とともに車両重心旋回半径ρが変化する結果、車両1の操舵角δが同一であれば、車両1の旋回半径が変化する。この場合、車両1の旋回半径が変化してしまい、走行装置100が備える動力発生手段の出力が限界に達しているため、車両1の旋回半径の変化分を修正することができない。
本実施形態では、これを回避するために、車両1の操舵輪(左側前輪2l及び右側前輪2r)の操舵角を変更して、式(1)で決定される車両重心旋回半径ρが、車両1の速度が低下しても変化しないようにして、車両1の旋回半径の変化を抑制する。ここで、車両1の操舵輪の操舵角は、図1−1に示す、車両1が搭載する走行装置100が備える操舵用減速装置8によって、ハンドル4の操作量を一定としたまま変更することができる。
車両速度Vが低下する前後において車両1の旋回半径を一定にするには、式(15)によって演算される、車両速度Vが低下した後の車両重心旋回半径ρ'と、式(1)によって求めた、車両速度Vが低下する前の車両重心旋回半径ρとが等しいとする。そして、ρ'=ρとした式を、車両速度Vが低下した後の操舵角(以下修正操舵角という)δ'について整理した式(16)によって、修正操舵角δ'を演算し、車両1の操舵角を修正操舵角δ'に制御する。これによって、車両速度Vの低下による車両1の旋回半径の変化を抑制することができる。次に、本実施形態に係る駆動制御の手順を説明する。
図10は、実施形態3に係る駆動制御を実現する駆動制御装置の構成例を示す説明図である。図11は、実施形態3に係る駆動制御の手順を示すフローチャートである。まず、実施形態3に係る駆動制御を実現する駆動制御装置30aを説明する。この駆動制御装置30aは、図4に示す、実施形態1に係る駆動制御装置30に、車両1の操舵輪の操舵角を制御する、操舵角制御部35を追加したものであり、他の構成は、実施形態1に係る駆動制御装置30と同様である。そして、図10に示す、実施形態3に係る駆動制御装置30aも、図4に示す実施形態1に係る駆動制御装置30と同様に、ECU50内に組み込まれる。
実施形態3に係る駆動制御のステップS301〜ステップS306は、実施形態2に係るステップS201〜ステップS206と同様なので、説明を省略する。ステップS306において、各駆動輪へ付与する動力が演算されたら、図10に示す駆動制御装置30aの操舵角制御部35は、ステップS307において、減速後の操舵角、すなわち修正操舵角δ'を演算する。なお、ステップS306では、本実施形態では、各駆動輪の実際の回転速度と、修正目標回転速度との回転速度偏差が0になるような、各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値が演算される。
ステップS307においては、式(16)に、現在の車両速度Vと操舵角δと、ステップS304で演算した目標回転速度補正係数αとが与えられ、修正操舵角δ'が演算される。修正操舵角δ'が演算されたら、ステップS308において、駆動制御装置30aの出力制御部34は、ステップS306で演算された各駆動輪を駆動する電動機の駆動電流値で、各駆動輪を駆動する。同時に、ステップS308において、操舵角制御部35は、車両1の操舵角を、ステップS307で演算された修正操舵角δ'に制御する。これによって、車両速度Vの減速前後において、車両1の旋回半径の変化を抑制することができる。
以上、実施形態3では、駆動輪の動力発生手段に対して要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な最大出力を超える場合には、各駆動輪の回転速度を同じ割合で低減するとともに、車両の操舵角を修正する。これによって、車両の速度低下に対する車両の旋回半径の変化を抑制することができるので、ドライバビリティが向上する。
以上のように、本発明に係る走行装置及び駆動制御装置は、車両の旋回性能を向上させることに有用であり、特に、少なくとも2個の駆動輪の駆動力を独立して変更できるものに適している。
1、1a、1b 車両
2l 左側前輪
2r 右側前輪
2i 前内輪
2o 前外輪
3l 左側後輪
3r 右側後輪
3i 後内輪
3o 後外輪
4 ハンドル
5 アクセル
6 インバータ
7 車載電源
8 操舵用減速装置
10l 左前側電動機
10r 右前側電動機
11l 左後側電動機
11r 右後側電動機
30、30a 駆動制御装置
31 制御条件判定部
32 目標回転速度演算部
33 出力決定部
34 出力制御部
35 操舵角制御部
40l 左前側レゾルバ
40r 右前側レゾルバ
41l 左後側レゾルバ
41r 右後側レゾルバ
42 アクセル開度センサ
43 操舵角センサ
44l 左側前輪回転速度センサ
44r 右側前輪回転速度センサ
45l 左側後輪回転速度センサ
45r 右側後輪回転速度センサ
50 ECU
100、100a、100b 走行装置
2l 左側前輪
2r 右側前輪
2i 前内輪
2o 前外輪
3l 左側後輪
3r 右側後輪
3i 後内輪
3o 後外輪
4 ハンドル
5 アクセル
6 インバータ
7 車載電源
8 操舵用減速装置
10l 左前側電動機
10r 右前側電動機
11l 左後側電動機
11r 右後側電動機
30、30a 駆動制御装置
31 制御条件判定部
32 目標回転速度演算部
33 出力決定部
34 出力制御部
35 操舵角制御部
40l 左前側レゾルバ
40r 右前側レゾルバ
41l 左後側レゾルバ
41r 右後側レゾルバ
42 アクセル開度センサ
43 操舵角センサ
44l 左側前輪回転速度センサ
44r 右側前輪回転速度センサ
45l 左側後輪回転速度センサ
45r 右側後輪回転速度センサ
50 ECU
100、100a、100b 走行装置
Claims (19)
- 複数の駆動輪を備えるとともに、車両に搭載されて前記車両を走行させるものであり、
少なくとも2個の前記駆動輪に対しては、独立して駆動力を変更でき、かつ、駆動力を変更可能な前記駆動輪の回転速度が、前記車両を走行させる際の目標回転速度となるように、前記駆動輪へ動力が付与されることを特徴とする走行装置。 - 前記目標回転速度は、前記車両の走行半径に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の走行装置。
- 前記車両の走行半径は、前記車両が備える操舵輪の操舵角、及び前記車両の走行速度に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の走行装置。
- 前記目標回転速度は、それぞれの前記駆動輪に対して設定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行装置。
- 前記目標回転速度は、一対の前記駆動輪の回転速度差であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行装置。
- 前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪においては、前記目標回転速度を同一とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の走行装置。
- 前記目標回転速度は、前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪において、最も小さい値に合わせることを特徴とする請求項6に記載の走行装置。
- 前記駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な出力を上回る場合には、
前記動力発生手段によって駆動される駆動輪の回転速度を低減するとともに、回転速度を減じた前記駆動輪と同じ低減割合で、他の駆動輪の回転速度を低減することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の走行装置。 - 前記走行装置は、
前記駆動輪の回転速度の低下に応じて、前記車両の操舵輪の操舵角を変更する、操舵角変更手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の走行装置。 - 前記駆動輪の動力発生手段は、それぞれの前記駆動輪に対して設けられ、それぞれの前記駆動輪を個別に駆動する電動機であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の走行装置。
- 複数の駆動輪を備えるとともに、少なくとも2個の駆動輪は独立して駆動力を変更でき、かつ車両に搭載されて前記車両を走行させる走行装置の制御に用いるものであり、
前記車両を走行させる際に、前記駆動輪が目標とする目標回転速度を演算する目標回転速度算出部と、
前記駆動輪の回転速度が、前記目標回転速度となるように、前記駆動輪へ付与する動力を決定する出力決定部と、
前記出力決定部により決定された動力で、前記駆動輪を駆動する出力制御部と、
を含むことを特徴とする駆動制御装置。 - 前記目標回転速度算出部は、
前記車両の走行半径に基づいて前記目標回転速度を演算することを特徴とする請求項11に記載の駆動制御装置。 - 前記目標回転速度算出部は、
前記車両が備える操舵輪の操舵角、及び前記車両の走行速度に基づいて前記車両の走行半径を演算することを特徴とする請求項12に記載の駆動制御装置。 - 前記目標回転速度算出部は、
それぞれの前記駆動輪に対して前記目標回転速度を演算することを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の駆動制御装置。 - 前記目標回転速度算出部は、
一対の前記駆動輪の回転速度差を前記目標回転速度とすることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の駆動制御装置。 - 前記目標回転速度算出部は、
前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪においては、前記目標回転速度を同一とすることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1項に記載の駆動制御装置。 - 前記目標回転速度算出部は、
前記目標回転速度を、前記車両の同一側面側に配置された複数の前記駆動輪において、最も小さい値に合わせることを特徴とする請求項16に記載の駆動制御装置。 - 前記駆動輪を駆動する動力発生手段に要求される出力が、前記動力発生手段の発生可能な出力を上回る場合には、
前記目標回転速度算出部は、
前記動力発生手段によって駆動される駆動輪の回転速度を低減するとともに、回転速度を減じた前記駆動輪と同じ低減割合で、他の駆動輪の回転速度を低減することを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の駆動制御装置。 - 前記駆動輪の回転速度の低下に応じて、前記車両の操舵輪の操舵角を変更する量を演算するとともに、
演算された操舵角となるように前記車両の操舵輪を操舵する操舵角制御部を備えることを特徴とする請求項18に記載の駆動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006326038A JP2008141875A (ja) | 2006-12-01 | 2006-12-01 | 走行装置及び駆動制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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