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JP2008139504A - 定着方法、定着液、トナー、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着方法、定着液、トナー、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2008139504A
JP2008139504A JP2006324751A JP2006324751A JP2008139504A JP 2008139504 A JP2008139504 A JP 2008139504A JP 2006324751 A JP2006324751 A JP 2006324751A JP 2006324751 A JP2006324751 A JP 2006324751A JP 2008139504 A JP2008139504 A JP 2008139504A
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fixing
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JP2006324751A
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English (en)
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Tsutomu Sugimoto
強 杉本
Yasuo Katano
泰男 片野
Tsuneo Kurotori
恒夫 黒鳥
Takuma Nakamura
琢磨 中村
Tomoyasu Hirasawa
友康 平澤
Yuji Yamashita
裕士 山下
Akihiro Koban
昭宏 小番
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】主に水を溶媒として用いる定着液によりトナーを記録媒体に定着させる定着方法において、定着液の塗布量を少量化し、かつ高速で定着することが可能な定着方法、さらに、上記定着方法に用いる定着液及びトナー、並びに上記定着方法を用いる定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】主に水を溶媒とし、トナーを軟化させる軟化剤を含む定着液を用いて記録媒体にトナーを定着させる定着方法において、軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上であることを特徴する定着方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、トナーの定着方法、それに用いる定着液及びトナー、並びにそれを用いる定着装置及び画像形成装置に関する。
プリンター、ファクシミリ、複写装置等に用いられる画像形成装置は、画像情報に基づいて、紙、布、OHP用シート等の記録媒体に、文字、記号等の画像を記録するものである。
このような記録装置には種々の方式があるが、電子写真方式の画像形成装置が普通紙に高精細な画像を高速で記録することができる点から広くオフィスで使用されている。この電子写真方式の画像形成装置では、定着速度、定着画像品質等の点から、記録媒体上のトナーを加熱溶融し、加圧することで定着させる熱定着方式が広く普及している。しかしながら、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、トナーの加熱のために消費されており、環境問題の観点から低消費電力(省エネ)の定着装置が望まれている。
そこで、定着液でトナーを溶解又は膨潤させ、乾燥させることでトナーを定着させる方法(例えば、特許文献1乃至4参照)が提案されている。この定着方式では、熱定着方式のように、トナーを溶融させるための加熱処理が不要であることから、消費電力が低く、省エネ対策として優れた定着方式である。
しかしながら、上記の従来技術では、定着液中の有機化合物が、臭気(不快臭や刺激臭)を発生する問題がある。
上記課題を解決することを目的として、定着液の構成材料に臭気を含まないものを用いることが提案されている(例えば、特許文献5参照)
主に水を溶媒として使用し、かつ定着液中の軟化剤として臭気の少ないものを使用することにより、前記課題を解決することができる。
しかしながら、溶媒として水を使用することにより、定着液の紙に対する塗布量が多い場合、紙が吸水することによるたわみ、カール等が生じるといった問題がある。また、前記定着液を使用する場合、定着液がトナーを軟化するのに充分な応答性が無いと、プリント速度の高速化に対応できないといった問題がある。
特開昭59−119364号公報 特公平3−45830号公報 特許第3290513号公報 特開2000−122391号公報 特開2006−133306号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑みてなされたものであり、臭気の発生が少なく、トナーを高速かつ少量で定着することが可能な定着方法を提供することを目的とする。また、上記定着方法に用いる定着液及びトナー、並びに上記定着方法を用いる定着装置及び画像形成装置の提供を目的とする。
本発明の目的を達成する手段としては、以下の手段が挙げられる。
<1>主に水を溶媒とし、トナーを軟化させる軟化剤を含む定着液を用いて記録媒体にトナーを定着させる定着方式において、軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上であることを特徴する定着方法である。
<2>前期トナーの樹脂として、少なくともポリエステル樹脂を用いることを特徴とする<1>に記載の定着方法である。
<3>前記トナーの体積平均粒径が3乃至9μmであることを特徴とする<1>又は<2>に記載の定着方法である。
<4>前記トナー単体の吸熱ショルダーの値が50℃以上70℃未満であることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか一つに記載の定着方法である。
<5>前記軟化剤単体の軟化剤重量辺りの軟化剤融解吸熱量をQ1(J/g)、前記トナーと3wt%の濃度で混合した際の軟化剤重量あたりの軟化剤融解吸熱量をQ2(J/g)とした際に、Q2/Q1<0.1であることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか一つに記載の定着方法である。
<6><1>乃至<5>のいずれか一つに記載の定着方法に用いる定着液において、軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上である軟化剤を用いたことを特徴とする定着液である。
<7><1>乃至<5>のいずれか一つに記載の定着方法に用いるトナーにおいて、軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上であることを特徴とするトナーである。
<8><1>乃至<5>のいずれか一つに記載の定着方法を用いる定着装置であって、少なくとも定着液塗布ユニット及び加圧ローラを有することを特徴とする定着装置である。
<9>少なくとも、感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置及び除電装置が設けられた複数の画像形成ユニットと、<8>に記載の定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、定着液として主に水を含み、かつ定着液中に軟化剤が溶解状態で存在し、かつ軟化剤とトナーが充分な相溶性を有し、トナーの軟化が充分生じることにより、臭気の発生が少なく、トナーを高速かつ少量で定着させることが可能なトナーの定着方法、定着液、トナー、定着装置及び画像形成装置を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
<トナーの定着方法>
本発明のトナーの定着方法は、トナーに対して定着液中に含まれる軟化剤を3wt%加えた際に、トナー樹脂由来の吸熱ショルダーの値が、軟化剤を添加しない場合に対して30℃以上低下することが好ましい。前記条件を満たすトナーと軟化剤を用いることで、軟化剤が少量の場合でもトナーと軟化剤の相溶性が充分であるため、トナーを充分軟化させることが可能となり、定着液塗布量の低減による紙のたわみ、カールの防止、及び定着速度の高速化への対応が可能となる。
また、軟化剤単体のDSC測定を行なった際の軟化剤重量あたりの融解吸熱量をQ1(J/g)、軟化剤と樹脂を3wt%で混合したものに対しての軟化剤重量あたりの融解吸熱量をQ2(J/g)とした際に、Q2/Q1<0.1であることが好ましい。Q2/Q1が前記範囲にあることで、トナーで軟化剤が樹脂と充分相溶することで軟化剤を充分吸収し、軟化剤のブリードを抑制させることができる。
―吸熱ショルダー、融解吸熱量の測定―
前記トナーの吸熱ショルダー、融解吸熱量の測定としては、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、試料(トナー及び軟化剤)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、−50℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。その後、再び−50℃まで冷却した後、再度昇温速度10℃/minで加熱し、DSC曲線を計測する。この2回目の昇温によるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、トナー樹脂に由来する吸熱ピークの解析を行い、吸熱量変化が生じる点であるトナーの吸熱ショルダーTtを求める。また、同様にして、軟化剤の融解ピークに対しても、システム内の解析プログラムを用いることで、軟化剤の融解吸熱量Q1(J/g)を求める。次にトナーに対して、定着液中に含まれる軟化剤を3重量%の濃度で添加し、乳鉢で擂り潰し混合し『トナー・軟化剤混合物』を得る。前記『トナー・軟化剤混合物』に対して同様のDSC測定を行い、同じく2回目の昇温によるトナー樹脂由来の吸熱開始点である吸熱ショルダー値Tn、軟化剤の融解吸熱量Q2(J/g)を得る。
前記Tt、Tnから算出される軟化剤と樹脂が相溶化することによる吸熱ショルダー値の変化幅をΔT(=Tt−Tn)とする。
ΔTが30以上である場合、軟化剤によりトナーの軟化は充分であり、添加量が少量の場合においてもトナーの軟化は充分生じているため、定着液の塗布量の少量化、高速化への対応が可能となる。
なお、同一のDSC曲線上に吸熱ショルダーが数点得られる場合には、トナー構成材料のDSC測定を行い、主成分である樹脂由来の吸熱ショルダーを同定した上で、同様の測定を行なえばよい。
前記トナー単体の吸熱ショルダー値Ttとしては50℃以上70℃未満が好ましい。前記樹脂の吸熱ショルダー値が前記範囲にあることで、トナー保存時、現像機内での温度変動による影響を受けることが少なく、軟化剤の添加量の少量化を両立させることができる。
(トナー粒径)
本発明のトナーの粒径は、体積平均粒径が3乃至9μmであることが好ましい。3μmよりも小さい場合には、感光体との付着力が大きくなり、一次転写性が不十分になる場合があり、逆に9μmより大きい場合には、トナー重量に対するトナーの表面積が小さくなるため、軟化剤の吸収が速やかに行なわれず、定着速度の高速化への対応が困難になることがある。
トナー粒径は次の測定方法(コールターカウンター法)により測定する。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして50μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
(樹脂)
トナーに含まれる樹脂としては、軟化剤と充分な相溶性を有するものであれば、特に限定されず、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂等汎用の樹脂の中から適宜必要に応じて任意に選択することができる。
なかでも、ポリエステル樹脂が、主たる記録媒体である紙との親和性が高く、定着性が良好であることから好ましい。またポリエステル樹脂は軟化剤として用いられる脂肪族エステル化合物と、類似した分子構造を有するため、相溶性が高く、その点に関しても好適に用いられる。
ポリエステル樹脂を構成するモノマーとしては、以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
ポリエステル系重合体を形成する酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のべンゼンジカルボン酸類又はその無水物、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸等の不飽和二塩基酸、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物等の不飽和二塩基酸無水物、などがあげられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
(その他の成分)
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。該含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、前記無機微粒子のBET法による比表面積としては、20〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<定着液>
本発明の定着液としては以下の溶媒、軟化剤が好適に用いられる。
(溶媒)
本発明において、定着液の溶媒としては、主成分として水を含有することが好ましい。これにより、臭気を減少させることができる。水は、揮発性有機化合物(VOC)に非該当であり、オフィス環境に対して極めて有利である。しかし、軟化剤の水に対する溶解度は、一般に低いため水中で可溶な状態で保持する必要がある。このような方法としては、HLB値が5〜16程度の界面活性剤を水に添加し、軟化剤を添加した後、加熱しながら長時間攪拌する方法が挙げられる。HLB値が5〜16程度の界面活性剤としては、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル類等が挙げられる。
また、溶媒として、水と水溶性の溶媒との混合溶媒を用いることもできる。この場合も、両親媒性有機化合物、水溶性ポリマー、シリカゲルのような親水性材料に軟化剤を一旦取り込んだ後に、軟化剤を可溶な状態に保持することが好ましい。水溶性の溶媒としては、エタノール、イソプロパノール等が挙げられる。
本発明において、軟化剤の良溶媒としては、一般的に疎水性溶媒が挙げられる。このような溶媒としては、シリコーンオイル類、オレフィン系溶剤、パラフィン系溶剤、フッ素系溶剤等が挙げられ、る。シリコーンオイル類としては、粘度が1〜10mPa・s程度のポリジメチルシロキサン、メチルシクロシロキサンの4量体、5量体等が適する。パラフィン系としては、n−デカン、n−ドデカン、n−ウンデカン等が適する。フッ素系溶剤としては、ハイドロフルオロエーテル等が適する。また、溶媒は、適度な揮発性を有することが望ましく、沸点が50℃以上150℃以下であることが望ましい。
溶媒中の軟化剤の含有量は、0.5重量%以上50重量%以下程度であることが好ましく、1重量%以上10重量%以下がさらに好ましい。軟化剤の含有量が0.5重量%より小さいと、トナーを溶解又は膨潤させる効果が不十分となり、50重量%より大きいと、長時間に亘り、トナーの流動性を低下させることができず、定着トナー層が粘着性を有する可能性がある。
本発明において、軟化剤の臭気指数は、10以下であることが好ましい。これにより、通常のオフィス環境では不快感が無くなる。脂肪族エステル及び溶媒が不快臭や刺激臭を有していると、オフィス環境等での使用に適さない。特に、脂肪族エステルは、トナーが定着した後もトナー中に残留しているため、不快臭や刺激臭を有することは使用上好ましくない。なお、精度が高く、オフィス環境等における実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10log(臭わなくなるまでの希釈倍率))を臭気の指標として用いている。
また、溶媒が不快臭や刺激臭を帯びていると、定着時に装置から臭気が発生する。溶媒は、定着液中の含有量が多いため、臭気指数は、7以下であることが好ましく、3以下であることがさらに好ましい。
(軟化剤)
本発明において、定着液中に含まれる軟化剤はトナーに対して先に述べた充分な相溶性を有するものであれば、特に限定されず任意のものを用いることができる。中でも脂肪族エステルが多くのトナーに対して充分な相溶性を有することから好ましい。 脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、コハク酸ジエチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。
また、本発明において、軟化剤としては、流動性を有する液体の他に、ゲル状の液体やワックスのような半固体でも構わない。
<定着装置>
次に、本発明の定着液を実際に使用する場合の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態が適用される画像形成装置の一例であり、複写機やプリンターとして利用されるカラー電子写真のタンデム方式の画像形成装置を示す。また、図2は、図1の画像形成装置の一部を示す。
図1に示すように、画像形成部には、トナー像担持体として中間転写ベルト1が設けられている。この中間転写ベルト1は、3つの支持ローラ2、3及び4に張架されており、時計方向に回転するよう構成されている。この中間転写ベルト1の搬送方向には、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像形成ユニット5BK、5Y、5M及び5Cが配列されている。これら画像形成ユニットの上方には不図示の露光装置が配置されている。例えば、複写機の場合、スキャナーで原稿の画像情報を読み込み、この画像情報に応じて、感光体ドラム6上に静電潜像を書き込むための光Lが露光装置により照射される(図2参照)。
中間転写ベルト1の支持ローラ4に対向する位置には、二次転写装置7が設けられている。二次転写装置7は、二つの支持ローラ8及び9の間に張架された二次転写ベルト10で構成されている。なお、二次転写装置7としては、転写ベルト以外に転写ローラを用いた構成としてもよい。また、中間転写ベルト1の支持ローラ2に対向する位置には、ベルトクリーニング装置11が配置されている。ベルトクリーニング装置11は、中間転写ベルト1上に残留するトナーを除去するために配置されている。
記録媒体(記録紙)12は、一対の給紙ローラ13で二次転写部へ導かれ、トナー像を記録基体12に転写する際には、二次転写ベルト10を中間転写ベルト1に押し当てて転写を行う。
次に、画像形成ユニットについて説明する。図2に示すように、画像形成ユニットには、感光体ドラム6の周辺に、帯電装置14、現像装置15、クリーニング装置16及び除電装置17が配置されている。また、感光体6に対して、中間転写ベルト1を介して対向する位置に、一次転写装置18が設けられている。
帯電装置14は、帯電ローラを採用した接触帯電方式であり、感光体ドラム6に接触して電圧を印加することにより、感光体ドラム6の表面を一様に帯電する。この帯電装置14としては、非接触のスコロトロン帯電等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
現像装置15は、現像剤中のトナーを感光体ドラム6上の潜像に付着させ、可視像化させる。ここで、各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、後述する定着液により溶解又は膨潤するように形成されている。なお、現像装置15には、不図示の攪拌部と現像部が構成されており、現像に使用されなかった現像剤は、攪拌部に戻され、再利用される。攪拌部のトナー濃度は、トナー濃度センサーで検出され、濃度が一定になるように制御されている。
一次転写装置18は、感光体ドラム6上で可視像化されたトナーを中間転写ベルト1に転写する。ここでは、一次転写装置18としては、転写ローラ方式を採用しており、中間転写ベルト1を挟んで感光体ドラム6に押し当てるように配置されている。一次転写装置18としては、この他に導電性ブラシ形状のもの、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
クリーニング装置16は、感光体ドラム6上の不要なトナーを除去する。クリーニング装置16としては、先端が感光体ドラム6に押し当てられるように構成されたブレードを用いることができる。ここで、回収されたトナーは、不図示の回収スクリューやトナーリサイクル装置で現像装置15に回収され、再利用することができる。
除電装置17は、ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム6の表面電位を初期化する。
次に、定着液をトナーに付与する方法について説明する。図3に示すように、定着液26は、定着液溜め27に貯留され、定着液付与手段である塗布ローラ24及び汲み上げワイヤーバーローラ25により、定着液26が汲み上げられて、ローラ上の凹凸の凹部に定着液26がほぼ瞬時に入り込み、拡散することで薄層化した状態を作り出し、押さえ加圧ローラ23が加圧することにより、記録媒体12上のトナーに供給される。ここで、紙等の記録媒体12は、上述の画像形成プロセスでトナーが付着されたものである。なお、塗布ローラ24は、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等の耐溶剤性に優れる部材が好ましい。なお、塗布ローラの他に、エアースプレー、インクジェットノズル等の液滴飛翔手段により、定着液をトナーに付与しても構わない。
また、塗布工程後に、一対の加圧ローラ(ハードローラ)22を付設することで、トナーの表面の平滑化による光沢付与や記録媒体22の繊維内への押し込みによる定着性向上を図ることができる。
本実施例は、本発明を例示したものに過ぎず、これら実施例により本発明は限定されない。
<実施例1>
(トナーの作成)
ビーカー内にトナーバインダー樹脂としてポリエステル樹脂A(Tg60℃、重量平均分子量8,500)の酢酸エチル/MEK溶液240部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃にてロボミックス(特殊機化社製)で10000rpmで攪拌し、均一に溶解、分散させた。ビーカー内にイオン交換水706 部、樹脂微粒子分散液をトナー成分の重量に対し固形分で0.5重量%、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業社製スーパタイト10)294 部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部を入れ均一に溶解した。次いでロボミックスで乳化時回転数を10000rpmで設定し、攪拌しながら、上記トナー材料溶液を投入し10 分間攪拌した。ついでこの混合液を攪拌棒および温度計付のフラスコに移し、40℃まで昇温して減圧下で溶剤を完全に除去した。その後、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、母体トナー粒子を得た。
さらに、得られた母体着色粒子100重量部に対して、一次粒径10nmの疎水性シリカ1.5重量部と一次粒子径20nmの酸化チタン1.0重量部と平均粒径100nmのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)疎水化処理のシリカ微粒子1.0重量部をヘンシェルミキサーにて混合しトナー1を得た。
(定着液の作成)
ラウリン酸エチル10重量%、水(溶媒)85重量%及びショ糖ラウリン酸エステル(界面活性剤;HLB値=16)5重量%を混合攪拌して、透明な定着液1を作製した。
(吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定)
得られたトナー試料(トナー及び軟化剤)約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、−50℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測する。その後、再び−50℃まで冷却した後、再度昇温速度10℃/minで加熱し、DSC曲線を計測する。この2回目の昇温によるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、トナー樹脂に由来する吸熱ピークの解析を行い、吸熱量変化が生じる点であるトナーの吸熱ショルダーTtを求める。また、同様にして、軟化剤の融解ピークに対しても、システム内の解析プログラムを用いることで、軟化剤の融解吸熱量Q1(J/g)を求める。次にトナーに対して、定着液中に含まれるラウリン酸エチルを3重量%の濃度で添加し、乳鉢で擂り潰し混合し『トナー・軟化剤混合物』を得る。前記『トナー・軟化剤混合物』に対して同様のDSC測定を行い、同じく2回目の昇温による吸熱ショルダー値Tn、軟化剤の融解吸熱量Q2を得る。
前記Tt、Tnから算出される軟化剤による吸熱ショルダー値の変化幅ΔT(=Tt−Tn)、Q2/Q1を算出した。結果を表2に示す。
(トナー粒径の測定)
トナー粒径は次の測定方法コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)により測定した。 電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、トナー1を5mg加え、試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、アパーチャーとして50μmアパーチャーを用いて、測定を行い、トナー体積平均粒径(Dv)を求めた。結果を表1に示す。
(定着評価)
プリンターLaserJet3500(HP社製)の定着部を加熱せずに、A4サイズのPPC用紙上にトナー付着量0.45mg/cm2の未定着ベタ画像を形成した。作成した未定着ベタ画像に対して定着材を0.1gスプレー塗布し、5秒後、20秒後の画像の表面をウエスで擦り、ウエスへのトナー付着の有無で定着度合いを判定した。 以下の基準をもって、定着性の評価を行なった。結果を表2に示す。また定着液の塗布量が少量であるため、紙のたわみ、カールは生じなかった。
◎・・・画像残存率90%以上
○・・・画像残存率80%以上90%未満
△・・・画像残存率60%以上80%未満
×・・・画像残存率60%未満
<実施例2>
実施例1中の(トナーの作成)において、トナーバインダー用樹脂としてスチレン-アクリル共重合体A(Tg60℃)を用いた以外は同様にして、トナー2を得た。実施例1と同様に、吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定、粒径の測定、定着評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例3>
実施例1中の(トナーの作成)において、トナーバインダー用樹脂としてポリエステル樹脂B(Tg80℃)を用いた以外は同様にして、トナー2を得た。実施例1と同様に、吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定、粒径の測定、定着評価を行った。結果を表2に示す。
<実施例4>
実施例1中の(トナーの作成)において、ロボミックスの乳化時回転数を6,000rpmとし、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を0.3部とした以外は同様にして、トナー4を得た。実施例1と同様に、吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定、粒径の測定、定着評価を行った。結果を表2に示す。
<参考例1>
実施例1中の(トナーの作成)において、トナーバインダー用樹脂としてポリエステル樹脂C(Tg65℃)を用いた以外は同様にして、トナー2を得た。実施例1と同様に、吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定、粒径の測定、定着評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例1>
実施例1中の(トナーの作成)において、トナーバインダー用樹脂としてスチレンアクリル共重合体B(Tg65℃)を用いた以外は同様にして、トナー5を得た。実施例1と同様に、吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定、粒径の測定、定着評価を行った。結果を表2に示す。
<比較例2>
トナーとしては実施例1で作成したトナー1を用い、実施例1中の(定着液の作成)において、ラウリン酸エチルの代わりにポリエチレングリコール(重量平均分子量3,000)を使用した以外は同様にして、吸熱ショルダー、吸熱量変化の測定、粒径の測定、定着評価を行った。結果を表2に示す。
表1に実施例1乃至4、参考例1、比較例1,2で使用したトナー樹脂、軟化剤、トナー体積平均粒径、定着剤中における軟化剤の濃度を示す。
Figure 2008139504
Figure 2008139504
以下、結果に関して説明する。
実施例1のトナーは、使用した樹脂と軟化剤の相溶性が充分であり、かつトナー吸熱ショルダー値Tt、Q2/Q1、トナー粒径が適切であったため、今回の評価で使用した少量の軟化剤でも、紙と強固に接着し、また優れた定着応答性を示した。
実施例2では、使用した樹脂と軟化剤の相溶性が充分であるものの、樹脂としてポリエステルを使用しなかったため、定着応答性が実施例1と比較してやや低下するものの、少量の軟化剤でも、紙と強固に接着し、また優れた定着応答性を示した。
実施例3では、使用した樹脂と軟化剤の相溶性が充分であるものの、トナーの吸熱ショルダー値が80℃と若干高温であるため、定着応答性が実施例1と比較してやや低下するものの、少量の軟化剤でも、紙と強固に接着し、また優れた定着応答性を示した。
実施例4では、使用した樹脂と軟化剤の相溶性が充分であるものの、トナーの粒径が9μmとやや大きいため、定着応答性が実施例1と比較してやや低下するものの、少量の軟化剤でも、紙と強固に接着し、また優れた定着応答性を示した。
参考例1では、実施例1に対してやや相溶性の劣るポリエステル樹脂Bを用いたことによって定着応答性、定着性いずれも許容範囲ではあるものの、やや劣る結果となった。
比較例1では、トナー樹脂と軟化剤の相溶性が低いため、今回行なった少量の軟化剤の塗布量では、定着応答性、定着性いずれも劣る結果となった。改善手段としては、定着液の塗布量を増加することが挙げられるが、その場合、紙のカール、たわみといった問題が生じることが容易に類推される。
比較例2では、比較例1と同様にトナー樹脂と軟化剤の相溶性が低いため、今回行なった少量の軟化剤の塗布量では、定着応答性、定着性いずれも劣る結果となった。比較例2程度の相溶性であると、定着液の塗布量を増加させても、定着性の改善を行なうことが困難であると類推される。
以上により、本発明のトナーの定着方法、その定着方法に用いる定着液及びトナーを用いることで、主に水を溶媒とした定着液を用いた場合においても、紙のカール、たわみを生じさせることなく、充分な定着強度が得られ、かつ速やかに軟化剤と樹脂が相溶化するため、プリント速度の高速化に対しても適応することが可能となる。また、本発明の定着方法を用いる定着装置及び画像形成装置によって、紙などの記録媒体のたわみがなく、カールが防止されて、定着速度が高速な画像形成が可能となる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施形態が適用される画像形成装置を示す図である。 図1の画像形成装置の画像形成ユニットを示す図である。 本発明の定着液をトナーに付与する方法を示す図である。
符号の説明
1 中間転写ベルト
2、3、4、8、9 支持ローラ
5BK、5Y、5M、5C 画像形成ユニット
6 感光体ドラム
7 二次転写装置
10 二次転写ベルト
11 ベルトクリーニング装置
12 記録媒体(記録紙)
13 給紙ローラ
14 帯電装置
15 現像装置
16 クリーニング装置
17 除電装置
18 一次転写装置
22 加圧ローラ
23 押さえ加圧ローラ
24 塗布ローラ
25 汲み上げワイヤーバーローラ
26 定着液
27 定着液溜め

Claims (9)

  1. 主に水を溶媒とし、トナーを軟化させる軟化剤を含む定着液を用いて記録媒体にトナーを定着させる定着方法において、前記軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上であることを特徴する定着方法。
  2. 前記トナーの樹脂として、少なくともポリエステル樹脂を用いることを特徴とする請求項1記載の定着方法。
  3. 前記トナーの体積平均粒径が3乃至9μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着方法。
  4. 前記トナー単体の吸熱ショルダーの値が50℃以上70℃未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着方法。
  5. 前記軟化剤単体の軟化剤重量辺りの軟化剤融解吸熱量をQ1(J/g)、前記トナーと3wt%の濃度で混合した際の軟化剤重量あたりの軟化剤融解吸熱量をQ2(J/g)とした際に、Q2/Q1<0.1であることを特徴とする請求項記載1乃至4のいずれか一項に記載の定着方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の定着方法に用いる定着液において、軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上である軟化剤を用いたことを特徴とする定着液。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の定着方法に用いるトナーにおいて、軟化剤をトナー重量に対して3重量%で添加してDSC測定を行なった際に、トナーの吸熱ショルダーのシフト幅ΔTが30℃以上であることを特徴とするトナー。
  8. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の定着方法を用いる定着装置であって、少なくとも定着液塗布ユニット及び加圧ローラを有することを特徴とする定着装置。
  9. 少なくとも、感光体、帯電装置、現像装置、クリーニング装置及び除電装置が設けられた複数の画像形成ユニットと、請求項8に記載の定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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