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JP2008139138A - 電気化学ノイズ測定方法 - Google Patents

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JP2008139138A JP2006325250A JP2006325250A JP2008139138A JP 2008139138 A JP2008139138 A JP 2008139138A JP 2006325250 A JP2006325250 A JP 2006325250A JP 2006325250 A JP2006325250 A JP 2006325250A JP 2008139138 A JP2008139138 A JP 2008139138A
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Hiroyuki Inoue
博之 井上
Masazumi Miyazawa
正純 宮澤
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Mitsubishi Chemical Corp
Osaka Metropolitan University
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Mitsubishi Chemical Corp
Osaka Prefecture University PUC
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Abstract

【課題】平行に並べた3本の電極を溶液に接触又は浸漬させた3電極系で、電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定してノイズ抵抗Rnを求める電気化学ノイズ測定法において、電極反応にかかる分極抵抗Rをより正確に測定する。
【解決手段】平行に並べた3本の電極を溶液11に接触又は浸漬させた3電極系で、電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定してノイズ抵抗Rnを求める電気化学ノイズ測定法において、
中央の1本の電極23からそれに隣り合う両端の2本の電極21,22までの距離Dを等しくしつつ変化させて、それぞれの距離Dにおける電極間の上記電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定して、それぞれの両端の2本の電極21及び22の間の中心線間距離Lにおけるノイズ抵抗Rnを求め、
上記中心線間距離Lと上記ノイズ抵抗Rnとを近似させて式(1)を求め、上記中心線間距離LをL=0に外挿することで分極抵抗Rを求める、電気化学ノイズ測定方法を用いる。
【選択図】図2

Description

この発明は、電気化学ノイズ測定方法に関し、特に、電極の分極抵抗と電極間の溶液抵抗の測定方法に関する。
近年、腐食の発生や腐食の進行を検出し解析する方法として、電気化学ノイズ測定方法が用いられている。これは、同じ材質である2つの電極を同一の水、溶液又はその他の環境に曝した際に発生する微弱な電位差と電流とを測定することで、電極近傍の物性を調べるものである。具体的な測定方法としては、例えば、特許文献1に記載のように、3つの電極を用い、そのうちの1つの電極と、あとの2つの電極との間でそれぞれ電位差と電流を測定して腐食反応の分極抵抗を測定する方法が挙げられる。
特開2001−208713号公報
しかしながら、3電極系電気化学ノイズ測定法でノイズ抵抗として測定される系全体の抵抗は、例えば図9のように、電極1の酸化還元反応の分極抵抗3と電気二重層キャパシタ4とによる抵抗だけではなく、電極同士の間の溶液5の溶液抵抗6も含んでしまっているため、溶液抵抗6が大きいと分極抵抗3が検出しにくくなり、電極表面の反応を正確に捉えるには不十分であった。系に外部電流を流すことなくノイズ測定法で溶液抵抗6のみを直接に測定することもできないため、測定される系全体の抵抗から溶液抵抗6の分を除算して分極抵抗3を算出することも難しかった。
そこでこの発明は、平行に並べた3本の電極を溶液に接触又は浸漬させた3電極系で、電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定してノイズ抵抗Rnを求める電気化学ノイズ測定法において、電極反応にかかる分極抵抗Rをより正確に測定することを目的とする。
この発明は、平行に並べた3本の電極を溶液に接触又は浸漬させた3電極系で、電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定してノイズ抵抗Rnを求める電気化学ノイズ測定法において、
中央の1本の電極からそれに隣り合う両端の2本の電極までの距離Dを等しくしつつ変化させて、
一方の端にある電極と前記中央の1本の電極との間の電気化学的電位ノイズΔEと、前記両端の2本の電極間の電気化学的電流ノイズΔIとを測定して、それぞれの距離Dに対応する前記両端の2本の中心線間距離Lにおけるノイズ抵抗Rnを求め、
上記距離Lと上記ノイズ抵抗Rnとの関係を、溶液抵抗S(L)によりモデル化した式(1)又は(1’)を求め、前記中心線間距離LをL=0に外挿した値である分極抵抗Rを求める、電気化学ノイズ測定方法により、上記の課題を解決したのである。
Rn=S(L)+R …………(1)
(1/Rn)=S(L)+(1/R) …………(1’)
この発明によると、水や溶液等に曝されている電極の分極抵抗を求めることができ、この分極抵抗から、金属電極表面の状態を知るための情報を得ることができる。また、合わせて電気化学系の溶液抵抗を求めることができる。
以下、この発明について詳細に説明する。
この発明は、平行に並べた3本の電極を溶液に接触又は浸漬させた3電極系で、電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定してノイズ抵抗Rnを求める電気化学ノイズ測定法において、分極抵抗Rを求める電気化学ノイズ測定方法である。
まず、測定を行う電極系について説明する。上記の3本の電極21〜23は、上記溶液11中における分極抵抗を測定する対象となる同一の金属材料からなるものであり、少なくとも溶液に接触している部分の面積及び形状が同一であることが必要であり、各々の電極の状態を等しくするため、図1(a)及び図1(b)のように、電極の大きさ及び形状が同一であると好ましい。この電極同士の間に発生する電気化学的電流ノイズΔIと電気化学的電位ノイズΔEとを測定する。なお、図1(b)は図1(a)の電極を下から見た図である。
上記の電気化学的電流ノイズΔI及び電気化学的電位ノイズΔEの具体的な測定方法としては、この3本の電極のうち、両端の2本の電極21及び22間の電気化学的電流ノイズΔIを測定する電流測定手段24を設け、一方の端にある電極22と中央の1本の電極23との間の電気化学的電位ノイズΔEを測定する電圧測定手段25を設け、図1(a)のような配線構成にしてこれらの測定手段により測定する方法が挙げられる。
ここで用いる電流測定手段24としては、例えば、抵抗値及びインピーダンスがゼロに近い電流計である無抵抗電流計が挙げられ、電圧測定手段25としては、例えば、抵抗値及び入力インピーダンスが非常に大きい電圧計が挙げられる。また、これらの測定手段は、微弱な変化である電気化学的ノイズを測定するため、高感度であると好ましい。さらに、電気化学的ノイズ以外の周波数の低い変化をカットするためのバンドパスフィルターを設けておくとより好ましい。
これらの測定手段により、電位及び電流の変化を、連続的に記録する。この電位及び電流の変化を解析し、0.01〜10Hz程度の周波数に相当する変化を抽出し、特に好ましくは1Hz前後の周波数に相当する変化をそれぞれ電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIとして求める。これらの値から、下記式(2)により、ノイズ抵抗Rnを算出する。このノイズ抵抗Rnは、系の電極面近傍における分極抵抗Rと、拡散層である溶液部分の溶液抵抗S(L)とを合わせた腐食抵抗である。
Rn=ΔE/ΔI …………(2)
上記のようなノイズ抵抗Rnの測定を、図1に記載の、上記中央の1本の電極からそれに隣り合う両端の2本の電極までの距離Dを等しくしつつ、この両端の電極の中心線同士の距離である中心線間距離Lを複数回変えて行う。この中心線間距離Lとノイズ抵抗Rnとの複数の対について、下記式(1)の近似を行って分極抵抗Rを求める。なお、この分極抵抗Rは、電極2つ分の分極抵抗の和であり、S(L)は中心線間距離Lの関数である溶液抵抗であり、一般的な第一種電極系においてはLの二次関数である下記式(3)に近似することができる。
Rn=S(L)+R …………(1)
Rn=a×L+R …………(3)
ここで、近似を行う方法としては、例えば、中心線間距離Lとノイズ抵抗Rnとについて複数回測定して、複数対の測定データセットを得て、これを式(3)に代入した式を複数用意し、aを仮定してRpをそれぞれ計算し、Rpのばらつきが最小値になるまで計算する方法などが挙げられる。具体的な求め方の例としては、まず、n組の中心線間距離Lとノイズ抵抗Rnの対(L,Rn)について、式(3)に代入してn個の下記式群(4)を得る。
[数1]
Rn=a×L +R
Rn=a×L +R
・ …………(4)

Rn=a×L +R
このそれぞれの式で求められるRをRpnとし、下記式(5)によりRn’を求める。
(Rp1+Rp2+・・・・+Rpn)/n=Rn’ …………(5)
このRn’を、上記式群(4)のいずれかに代入して定数aを求め、求めた値をaの仮定値とする。これを繰り返し、a及びRを求めることができる。
また別の近似式として、下記式(1’)の近似式に基づいてRn及びRのそれぞれの逆数について、Lの一次関数である下記式(3’)で近似することも出来る。
(1/Rn)=S(L)+(1/R) …………(1’)
(1/Rn)=a×L+(1/R) …………(3’)
[数2]
(1/Rn)=a×L+(1/R
(1/Rn)=a×L+(1/R
・ …………(4’)

(1/Rn)=a×L+(1/R
この場合も同様に、それぞれの式で求められるRをRpnとし、上記式(5)によりRn’を求め、式群(4’)のいずれかに代入して定数aを求めることができる。
ここで分極抵抗Rとは、腐食抵抗のうち、中心線間距離Lに無関係な抵抗成分であるので、電極系のうちの電極表面近傍における電極反応等に由来する抵抗成分である。
この発明にかかる方法を行う装置の例を図2に示す。解析すべき電極反応を起こしうる、又は溶液抵抗を調べる対象である溶液11に、同一材質で、出来る限り同一の大きさ及び形状である平板状の電極21〜23を、電極21と電極23、及び電極22と電極23とのそれぞれの電極の間の距離Dを等しくして、それぞれが平行となるように浸漬させる。また、電極21〜23の位置は、それぞれの電極の間の距離Dがお互いに等しいままで変化させることができる。
電極21と電極22とは、抵抗値及びインピーダンスがゼロに近い電流測定手段24である無抵抗電流計で繋いで、この間に生じた電気化学的電流aを測定する。電極21と電極23とは、各々の電極間で反応が進行しすぎないようにして電気化学的電位差bを測定するため、抵抗値及び入力インピーダンスが非常に大きい電圧測定手段25である電圧計で繋いで、この電極間の電気化学的電位差bを測定する。ただし、上記の無抵抗電流計と電圧計とは、電気化学的ノイズを測定するため、高感度であるのが好ましい。
上記の電気化学的電流a及び電気化学的電位差bは、電気化学的ノイズだけではなく、各電極表面の腐食の進行程度に応じたカップリング電流Imeanや、反応以外による変動も含んでいる。そのため、電気化学的ノイズを取り出すために抽出を行う必要がある。抽出する方法としては、例えば、図2に示すように、データをコンピュータ40へ送る前に解析手段であるバンドパスフィルター26、27を通して、予め電気化学的電流ノイズΔI及び電気化学的電位ノイズΔEを抽出しておく方法がある。バンドパスフィルター26,27を使用する場合、これらのバンドパスフィルターにより、その低周波数領域、特に1Hz以下の周波数領域、好ましくは0.01〜1Hz程度の周波数領域における変動を抽出すると、上記の電気化学的電流aから電気化学的電流ノイズΔIを得ることが出来、上記の電気化学的電位差bから電気化学的電位ノイズΔEを得ることが出来る。また、上記のバンドパスフィルターを通さなければ、上記の電気化学的電流aからカップリング電流Imeanを得ることができ、上記の電気化学的電位差bから電位差Vmeanを得ることができる。さらに、これらは、コンピュータ40で認識できるデータとするために、コンバータ30により変換しておくことが望ましい。
図3は、電圧及び電流の測定データ信号をコンピュータ40に入力するまでの処理回路をアナログ回路によって構成したときの一例である。この場合、先ず、電流データ、即ち、上記第1の電極21と第2の電極22間の電気化学的電流aは、同図(a)にみられるように、電流測定手段24によって測定され、バンドパスフィルター26によって1Hz程度以下の周波数成分を抽出され、次に、信号の2乗平均を求めるRMS回路→求めた信号を直流に変換するDC回路→直流に変換された信号を対数に変換するLOG回路からなるコンバータ(以下、「対数コンバータ」という。)31によって対数変換され、さらに、アナログ/デジタルコンバータ(以下、「A/Dコンバータ」という。)33によってデジタル変換された後、上記コンピュータ40に電気化学的電流ノイズΔIとして入力される。一方、電気化学的電流aのデータを、バンドパスフィルター26を通さずに対数コンバータ31とA/Dコンバータ33とに通して、コンピュータ40にカップリング電流Imeanとして入力することもできる。
次に、電圧データ、すなわち、上記第1の電極21と第3の電極23間の電気化学的電位差bは、同図(b)に見られるように、まず、電圧測定手段25によって測定される。この信号から、バンドパスフィルター27によって0.01Hz以上、1Hz程度以下の周波数成分を抽出された上で、上記の電流データと同様に対数コンバータ32によって対数変換され、さらに、A/Dコンバータ34によってデジタル変換された後、上記コンピュータ40に電気化学的電位ノイズΔEとして入力される。一方、電気化学的電位差bのデータを、バンドパスフィルター27を通さずに対数コンバータ32とA/Dコンバータ34とに通して、コンピュータ40に電位差Vmeanとして入力することも出来る。
一方、図4(a)、(b)は、上記図3(a)、(b)のアナログ回路構成に対応してデータ処理回路をデジタル回路で構成したときの一例で、図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しており、上記デジタル回路構成によっても同様な作用が得られる。なお、図2に記載のコンバータ30内は、図3に記載のアナログ回路を用いた場合を示したものであり、図4に記載のデジタル回路を用いた場合では、対数コンバータ31と32が省略されることになる。
なお、電気化学的電流ノイズΔIのデータを求める際には、上記のように解析手段としてバンドパスフィルターを用いる方法のほかに、上記カップリング電流Imeanのデータを、直接コンピュータ40を解析手段として演算処理し、その標準偏差を求めることによっても得ることができる。また同様に、電気化学的電位ノイズΔEのデータを求める際には、電極21、23間の電位差Vmeanのデータを直接コンピュータ40で演算処理し、その標準偏差を求めることによっても得ることができる。電気化学的電流a及び電気化学的電位差bと、これらから解析される電気化学的電流ノイズΔI及び電気化学的電位ノイズΔEとは、図5のような関係にある。
また、上記電気化学センサを構成するコンピュータ40に入力された電気化学的電流ノイズΔIと電気化学的電位ノイズΔEとのデータ、又は、上記カップリング電流Imeanと電位差Vmeanとのデータは、時系列順に記録手段50に記録される。この記録手段50は、これらのデータを保存するための保存性媒体だけではなく、計算手段60でデータを扱うための一時的な記録手段である半導体メモリー等も含む。
上記記録手段50に記録された各々のデータは、計算手段60で解析される。上記のバンドパスフィルター26、27を用いなかった場合、カップリング電流Imean及び電位差Vmeanを計算手段60により解析して、電気化学的電流ノイズΔI及び電気化学的電位ノイズΔEを算出してもよい。計算手段60において算出した場合も、あらかじめバンドパスフィルター26及び27を用いて抽出した場合のどちらも、この計算手段60で、電気化学的電流ノイズΔI及び電気化学的電位ノイズΔEの、それぞれの微小変化ΔI及びΔEから、オームの法則による上記式(2)に従って算出する算出工程により、ノイズ抵抗Rnを求める。なお、この計算の際には、時系列を合わせておくことが必要である。この算出されたノイズ抵抗Rnは、記録手段50に時系列順に記録する。
このように算出されたノイズ抵抗Rnは、時間軸に対して平均化することで、測定を行った中心線間距離Lの値に対応したノイズ抵抗Rnの値を得ることができる。このようにして得られた中心線間距離Lとノイズ抵抗Rnとのデータ対を、中心線間距離Lを変えて複数対求める。なお、中心線間距離Lは、入力手段100から人の手で記録手段50に入力する方法の他、設定された中心線間距離Lを自動的に検知するセンサを設けて自動入力させる方法でもよい。また、ノイズ抵抗Rnの算出が終わったら、自動的に電極を動かして中心線間距離Lを変えて次の測定を行うようにすると、この発明にかかる測定方法が簡便に行える。
また、このように中心線間距離Lを変えて測定を行う代わりに、図6のように予め5個以上の電極を溶液中に浸漬させておき、これらのうち、測定を行う電極を変更することで、中心線間距離Lが異なる条件(図中L1,L2,L3。いずれも中心の電極とそれから等距離にある電極とを使用する。)での測定を行うようにすると、予め定めておいた中心線間距離Lでの測定を速やかに切り替えて行うことができ、より効率よく測定を行える。
複数対の中心線間距離L及びノイズ抵抗Rnが測定されて記録手段50に記録されたら、入力手段100からの測定者の指示により、又は自動的に、上記式(3)により式(1)の近似を行い、ノイズ抵抗Rnの上記中心線間距離LをL=0に外挿した値である分極抵抗Rを算出する。この値は、拡散層である溶液部分の溶液を除いた、1電極が有する電極表面近傍の反応等に由来する分極抵抗の倍に相当する。
これらの算出した値を、出力手段90に送り、CRTや液晶等であるディスプレイ91の画面上やプリンタ92のプリントアウトに出力表示する。また、ノイズ抵抗Rn、電気化学的電流ノイズΔI、電気化学的電位ノイズΔE、カップリング電流Imean、電位差Vmeanなどの測定データを出力させて、より詳細な解析に用いてもよい。
以下、実施例を用いてこの発明をより具体的に説明する。
[二次関数近似]
(実施例1)
幅Wが2.0mm、高さHが30.0mm、厚さTが2mmであるSPCC(JIS G 3141に従う。)製の電極21〜23の、溶液11(エタノール(和光純薬工業(株)製:特級試薬):98.38wt%、蒸留水:1.61wt%、HCl(和光純薬工業(株)製:1級試薬):0.0064wt%)中における分極抵抗Rを、図1に記載の装置を用いて測定した。なお、それぞれの電極の端子部は絶縁体で絶縁して溶液とは接しないようにしている。また、電流測定手段24及び電圧測定手段25としてはソーラトロン社製:1280Bを用いた。
両端の電極21及び22の間の中心線間距離Lを、5mm、6mm、10mm、14mmと変化させて各々60分間に亘って電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定して平均化して、得られたΔE及びΔIの平均値から算出したノイズ抵抗Rnの値を表1に示し、図7のグラフにプロットした。このプロットを上記式(3)で表現されるLの二次関数と判断する。これらを上記式(4)のように代入して上記式(5)を得て、Rnの上記中心線間距離LをL=0に外挿した値として近似したところ、分極抵抗Rが1162Ω・cmと算出された。
Figure 2008139138
なお、本来、分極抵抗R及びノイズ抵抗Rnの単位は「Ω」であるが、見かけ上「Ω・m」とする。電極の腐食反応の速度は単位面積あたりのアノード電流値に比例することから測定される電流値は測定不可能な面積上の電流であるために単位が「A/m」となり、それから算出されるRn(=ΔE/ΔI)を見かけ上「Ωm」として扱う。ただし、この単位では値が小さくなるため、表記上「Ωm」を10000倍した値となる「Ω・cm」で表す。以下、同様である。
(実施例2)
実施例1の溶液の替わりに、エタノール:98.38wt%、蒸留水1.61wt%、HCl:0.013wt%である溶液を用いて、分極抵抗Rを同様に測定した。同様に上記式(4)で表現されるLの二次関数と判断して最小二乗法により近似したところ、分極抵抗Rが958Ω・cmと算出された。
(実施例3)
実施例1の溶液の替わりに、エタノール:98.33wt%、蒸留水1.61wt%、HCl:0.064wt%である溶液を用いて、分極抵抗Rを同様に測定した。同様に上記式(4)で表現されるLの二次関数と判断して最小二乗法により近似したところ、分極抵抗Rが634Ω・cmと算出された。
(実施例4)
実施例1の溶液の替わりに、エタノール:98.26wt%、蒸留水1.61wt%、HCl:0.13wt%である溶液を用いて、分極抵抗Rを同様に測定した。同様に上記式(4)で表現されるLの二次関数と判断して最小二乗法により近似したところ、分極抵抗Rが459Ω・cmと算出された。
[逆数関数近似]
(実施例5)
実施例1で得られた、中心線間距離LごとのRnの値について、逆数(1/Rn)を計算した。この値を表2に示す。横軸に中心線間距離L、縦軸に(1/Rn)をとった図8のグラフにプロットした。このプロットを、(1/Rn)が式(3’)で表現されるLの一次関数と判断して、最小二乗法により近似し、L=0に外挿した切片の逆数として分極抵抗Rが1567Ω・cmと算出された。
Figure 2008139138
(実施例6)
実施例2で得られた、中心線間距離LごとのRnの値について、実施例5と同様に逆数(1/Rn)を算出し、表2に示す値を図8のグラフにプロットした。同様に、上記式(3’)で表現されるLの一次関数と判断して最小二乗法により近似したところ、分極抵抗Rが906Ω・cmと算出された。
(実施例7)
実施例3で得られた、中心線間距離LごとのRnの値について、実施例5と同様に逆数(1/Rn)を算出し、表2に示す値を図8のグラフにプロットした。同様に、上記式(3’)で表現されるLの一次関数と判断して最小二乗法により近似したところ、分極抵抗Rが555Ω・cmと算出された。
(実施例8)
実施例4で得られた、中心線間距離LごとのRnの値について、実施例5と同様に逆数(1/Rn)を算出し、表2に示す値を図8のグラフにプロットした。同様に、上記式(3’)で表現されるLの一次関数と判断して最小二乗法により近似したところ、分極抵抗Rが427Ω・cmと算出された。
この発明にかかる測定方法を行う電極の配置概念図 この発明にかかる測定方法を行う電気化学測定装置の構造例を示すブロック図 図1の電気化学測定装置の回路をアナログ回路で構成したときの例を示すブロック図 図1の電気化学測定装置の回路をデジタル回路で構成したときの例を示すブロック図 電気化学的電流ノイズと電気化学的電位ノイズの概念図 5個以上の電極による中心線間距離Lを変えた測定の概念図 実施例におけるノイズ抵抗と電極間距離の二次関数相関関係を示すグラフ 実施例におけるノイズ抵抗と電極間距離の逆関数相関関係を示すグラフ 2電極系における溶液抵抗と分極抵抗及び電気二重層キャパシタの概念図
符号の説明
1 電極
2 電気二重層
3 分極抵抗
4 電気二重層キャパシタ
5 溶液
6 溶液抵抗
11 溶液
21 第1の電極
22 第2の電極
23 第3の電極
24 電流測定手段(無抵抗電流計)
25 電圧測定手段(電圧計)
26、27 バンドパスフィルター
30 コンバータ
31、32 対数コンバータ
33、34 A/Dコンバータ
40 コンピュータ
50 記録手段
60 計算手段
90 出力手段
91 ディスプレイ
92 プリンタ
100 入力手段

Claims (3)

  1. 平行に並べた3本の電極を溶液に接触又は浸漬させた3電極系で、電気化学的電位ノイズΔE及び電気化学的電流ノイズΔIを測定してノイズ抵抗Rnを求める電気化学ノイズ測定法において、
    中央の1本の電極からそれに隣り合う両端の2本の電極までの距離Dを等しくしつつ変化させて、
    一方の端にある電極と前記中央の1本の電極との間の電気化学的電位ノイズΔEと、前記両端の2本の電極間の電気化学的電流ノイズΔIとを測定して、それぞれの距離Dに対応する前記両端の2本の電極の中心線間距離Lにおけるノイズ抵抗Rnを求め、
    上記距離Lと上記ノイズ抵抗Rnとの関係を、溶液抵抗S(L)によりモデル化した式(1)又は(1’)を求め、前記中心線間距離LをL=0に外挿した値である分極抵抗Rを求める、電気化学ノイズ測定方法。
    Rn=S(L)+R ……(1)
    (1/Rn)=S(L)+(1/R) ……(1’)
  2. 上記分極抵抗Rと上記ノイズ抵抗Rnとから、又は上記式(1)の定数から、その上記ノイズ抵抗Rnを測定した際の距離Lにおける溶液抵抗S(L)を求める、請求項1に記載の電気化学ノイズ測定方法。
  3. 上記の中央の1本の電極と、それに隣り合う両端の2本の電極のうちの一本との間に、電気化学的電位ノイズΔEを測定する電圧測定手段を設け、
    上記両端の2本の電極の間に、電気化学的電流ノイズΔIを測定する電流測定手段を設けて、
    上記電流測定手段及び上記電圧測定手段により測定された上記電気化学的電位ノイズΔE及び上記電気化学的電流ノイズΔIから、式(2)により上記ノイズ抵抗Rnを算出する算出工程を有する、請求項1又は2に記載の電気化学ノイズ測定方法。
    Rn=ΔE/ΔI …………(2)
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