JP2008138873A - ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ころと内輪または軸、およびころと外輪の接触面圧を低減して、振動や騒音の抑制および転動疲労寿命の延長を図ることができ、ころと内輪または軸、およびころと外輪の潤滑を円滑に行えるころ軸受を提供する。
【解決手段】 ころ軸受は、一対の円環部7およびこれら円環部7間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部8を有し隣合う柱部8間がそれぞれポケット3aとなるリング状の保持器3と、この保持器3の各ポケット3aに保持された複数のころ2とを備え、これら複数のころ2が、内輪または軸6の外周面からなる内輪側周面6a、および外輪1の内周面1aに転接し、外輪1がハウジング5の内周に嵌合する。保持器3の円環部7を、その内周面および外周面が内輪側周面6aおよび外輪1の内周面1aに滑り接触して滑り軸受として機能させる。外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路11,12,13を、ハウジング5および外輪1に設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】 ころ軸受は、一対の円環部7およびこれら円環部7間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部8を有し隣合う柱部8間がそれぞれポケット3aとなるリング状の保持器3と、この保持器3の各ポケット3aに保持された複数のころ2とを備え、これら複数のころ2が、内輪または軸6の外周面からなる内輪側周面6a、および外輪1の内周面1aに転接し、外輪1がハウジング5の内周に嵌合する。保持器3の円環部7を、その内周面および外周面が内輪側周面6aおよび外輪1の内周面1aに滑り接触して滑り軸受として機能させる。外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路11,12,13を、ハウジング5および外輪1に設ける。
【選択図】 図1
Description
この発明は、特に自動車用エンジンのクランク軸やカムシャフトの支持部、あるいはコンロッドとクランク軸およびピストンとの連結部等のような変動荷重を受ける箇所に使用するに適したころ軸受に関する。
図22は自動車用エンジンのクランク軸およびコンロッドを示している。クランク軸20は、回転中心軸20aと、バランスウェイト20bと、クランクピン20cとで構成され、回転中心軸20aが軸受22により回転自在に支持されている。コンロッド21は、両端の大径端部21aおよび小径端部21bにそれぞれピン挿入穴21cが形成されており、大径端部21aのピン挿入穴21cには前記クランクピン20cがコンロッド21に対して軸受23を介して回転自在に挿入され、小径端部21bのピン挿入穴21cにはピストンピン(図示せず)が軸受(図示せず)を介してコンロッド21に対して回転自在に挿入されている。
上記クランク軸20の支持部に用いられる軸受22や、コンロッド21とクランク軸20の連結部に用いられる軸受23は、ピストンの爆発的な往復運動に伴う変動荷重を受ける。このため、上記軸受としてころ軸受または針状ころ軸受が使用される場合、振動や騒音が大きいという問題がある。また、軸受の長寿命化が望まれる。これらの問題は、カムシャフトを支持する軸受についても言える。
このような問題に対する従来技術として、転がり軸受のアウターレースの外周面とシャフト穴内周面との間にオイルフィルム部を形成して騒音の防止を図ったものがある(特許文献1)。
また、クランク軸の主支承装置の製造および組立を容易にするために、クランク軸支持用軸受を、外輪に当たるハーフシェルが分割され、それがスリットの設けられた弾性的リングで取り囲んだ構造とした従来技術がある(特許文献2)。
特開平6−229415号公報
特表2002−525533号公報
特許文献1に記載の軸受は、アウターレースの外周面とシャフト孔内周面との間に均一間隔の間隙を形成し、その間隙に潤滑油を充填してオイルフィルムとしたものである。この構成は、オイルフィルムのクッション作用は得られるものの、潤滑油自体でラジアル方向の軸荷重を支持するという作用はあまり得られない。このため、クランク軸の支持部や、コンロッドとクランク軸の連結部等の変動荷重を受ける箇所に使用した場合、振動や騒音の低減を十分に達成することはできない。また、軸受の長寿命化の達成は困難である。
この発明の目的は、ころと内輪または軸、およびころと外輪の接触面圧を低減して、振動や騒音の抑制および転動疲労寿命の延長を図ることができ、ころと内輪または軸、およびころと外輪の潤滑を円滑に行えるころ軸受を提供することである。
この発明の他の目的は、外部から軸受内部に潤滑油を供給する油路を設ける場合に、油路を単純な構成にして、製作コストの低減を図ることである。
この発明の他の目的は、外部から軸受内部に潤滑油を供給する油路を設ける場合に、油路を単純な構成にして、製作コストの低減を図ることである。
この発明のころ軸受は、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接し、前記外輪がハウジングの内周に嵌合するころ軸受において、前記保持器の円環部を、その内周面および外周面が前記内輪側周面および前記外輪の内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路を前記ハウジングおよび外輪に設けたことを特徴とする。
この構成とすると、保持器の円環部が、内輪または軸、および外輪に対する滑り軸受として機能するため、保持器により軸荷重の一部を負担することができる。そのため、ころと内輪または軸、およびころと外輪の接触面圧を低減することができる。接触面圧が低下することで、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能である。また、保持器の円環部と内輪または軸との接触部、および保持器の円環部と外輪との接触部に油膜が形成されるため、この油膜のスクイズフィルムダンパの作用で振動および騒音を低減することができる。
保持器の両端部を内輪または軸、および外輪に対して滑り接触する円環部としたことにより、軸受空間が狭くなり、軸受内部の潤滑油が不足するおそれがある。これに対しては、油路を介して軸受内部に潤滑油を強制的に導入することで、軸受内部の潤滑油不足を防ぐことができる。これにより、ころと内輪または軸、およびころと外輪の潤滑を円滑に行える。
保持器円環部が滑り軸受として機能する構成としたため、保持器円環部と内輪または軸、および外輪との隙間が狭くなり、軸受の側方から軸受内部に潤滑油を供給することは困難である。しかし、この発明の構成によれば、ハウジングおよび外輪に設けた油路により、軸受の径方向から軸受内部に潤滑油を無理なく供給することができる。
保持器円環部が滑り軸受として機能する構成としたため、保持器円環部と内輪または軸、および外輪との隙間が狭くなり、軸受の側方から軸受内部に潤滑油を供給することは困難である。しかし、この発明の構成によれば、ハウジングおよび外輪に設けた油路により、軸受の径方向から軸受内部に潤滑油を無理なく供給することができる。
前記油路は、外部から供給される潤滑油を軸受内部における前記ころの軸方向両端近傍に導くものとすることができる。
軸受内部におけるころの軸方向両端近傍は、ころと内輪または軸との接触部、ころと外輪との接触部、保持器円環部と内輪または軸との接触部、および保持器円環部と外輪との接触部に近い位置にあるため、これらの接触部に潤滑油を円滑に供給することができる。
軸受内部におけるころの軸方向両端近傍は、ころと内輪または軸との接触部、ころと外輪との接触部、保持器円環部と内輪または軸との接触部、および保持器円環部と外輪との接触部に近い位置にあるため、これらの接触部に潤滑油を円滑に供給することができる。
前記保持器および外輪の軸方向外側に、前記保持器の軸方向移動を制限する止め輪を、前記ハウジングの内周に嵌合させて設けると良い。
自動車用エンジンに用いられる軸受は、変動荷重を受けることにより、ころが横滑りして保持器が軸方向に移動しやすい。保持器が軸方向に大きく移動すると、ころを外輪、および内輪または軸の軌道面内に保持できなくなる。上記止め輪を設けると、保持器が軸方向に大きく移動することが防止され、常にころを外輪、および内輪または軸の軌道面内に保持することが可能となる。
自動車用エンジンに用いられる軸受は、変動荷重を受けることにより、ころが横滑りして保持器が軸方向に移動しやすい。保持器が軸方向に大きく移動すると、ころを外輪、および内輪または軸の軌道面内に保持できなくなる。上記止め輪を設けると、保持器が軸方向に大きく移動することが防止され、常にころを外輪、および内輪または軸の軌道面内に保持することが可能となる。
前記保持器の円環部の内周面および外周面に、油膜形成能力を高める手段を設けるのが良い。その場合、油膜形成能力を高める手段は、前記保持器の円環部の内周面および外周面に付与され、軸方向に垂直な断面が、円弧状、三角形状、若しくは長方形状等の波形となる断面形状、または前記保持器の円環部の内周面および外周面に分散して設けたディンプル若しくは突起とすることができる。
滑り軸受として機能する面である保持器円環部の内周面および外周面に油膜形成能力を高める手段を設けると、保持器円環部の外周面と外輪の内周面との間、および保持器円環部の内周面と内輪側周面との間に形成される潤滑油の油膜が安定する。その安定した油膜によって外力を支持することにより、ころと外輪、およびころと内輪または軸の接触面圧を軽減することが可能になる。
前記油路は、外部と前記ハウジングの内周とを結ぶ第1油路を有し、この第1油路を前記ハウジングの1箇所に設けた構成とすることができる。
その場合、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、軸方向の長さが前記ころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さが前記ころの直径以上である第2油路を設け、前記外輪の円周方向複数箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設けるとよい。
あるいは、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、軸方向の長さが前記ころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さが前記ころの直径程度である第2油路を設け、前記外輪の円周方向1箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設けてもよい。
上記いずれについても、前記外輪の内周面に、前記第3油路に繋がる円周溝を設けるのが好ましい。
その場合、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、軸方向の長さが前記ころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さが前記ころの直径以上である第2油路を設け、前記外輪の円周方向複数箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設けるとよい。
あるいは、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、軸方向の長さが前記ころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さが前記ころの直径程度である第2油路を設け、前記外輪の円周方向1箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設けてもよい。
上記いずれについても、前記外輪の内周面に、前記第3油路に繋がる円周溝を設けるのが好ましい。
第1油路をハウジングの1箇所に設けた構成であると、外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路を単純化でき、製作コストを低減できる。
第2油路を、軸方向の長さがころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころの直径以上とし、外輪の円周方向複数箇所に、第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設ければ、軸受内部に潤滑油を効率良く供給することができる。
第2油路を、軸方向の長さがころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころの直径程度とし、外輪の円周方向1箇所に、第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設ければ、単純な油路構成でありながら、軸受内部への潤滑油の供給が行える。
外輪の内周面に第3油路に繋がる円周溝を設ければ、軸受内部に導入された潤滑油が円周方向に均一に供給され、ころと内輪または軸との接触部の潤滑油不足を解決できる。
第2油路を、軸方向の長さがころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころの直径以上とし、外輪の円周方向複数箇所に、第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設ければ、軸受内部に潤滑油を効率良く供給することができる。
第2油路を、軸方向の長さがころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころの直径程度とし、外輪の円周方向1箇所に、第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設ければ、単純な油路構成でありながら、軸受内部への潤滑油の供給が行える。
外輪の内周面に第3油路に繋がる円周溝を設ければ、軸受内部に導入された潤滑油が円周方向に均一に供給され、ころと内輪または軸との接触部の潤滑油不足を解決できる。
また、前記油路は、外部と前記ハウジングの内周とを結ぶ第1油路を有し、この第1油路を前記ハウジングの1箇所に設けた構成とした場合に、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さが前記ころの直径以上である第2油路を設け、前記外輪の円周方向複数箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面における前記ころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設けるとよい。
あるいは、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さが前記ころの直径程度である第2油路を設け、前記外輪の円周方向1箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面における前記ころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設けてもよい。
上記いずれについても、前記第3油路の軸受内部側の開口端に、外面の断面形状が円弧状である面取りを施し、その円弧の曲率中心は外輪側に位置し、面取り部分の外面と外輪軌道面とが滑らかに連続するのが好ましい。
あるいは、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さが前記ころの直径程度である第2油路を設け、前記外輪の円周方向1箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面における前記ころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設けてもよい。
上記いずれについても、前記第3油路の軸受内部側の開口端に、外面の断面形状が円弧状である面取りを施し、その円弧の曲率中心は外輪側に位置し、面取り部分の外面と外輪軌道面とが滑らかに連続するのが好ましい。
第2油路を円周方向に沿う溝状とすれば、第2油路の軸方向の幅が狭いため、加工が容易である。
第2油路の円周方向の長さをころの直径以上とし、外輪の円周方向複数箇所に、第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面におけるころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設ければ、外輪軌道面に潤滑油を効率良く供給することができる。
第2油路の円周方向の長さをころの直径程度とし、外輪の円周方向1箇所に、第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面におけるころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設ければ、単純な油路構成でありながら、外輪軌道面への潤滑油の供給が行える。
これらの構成では、第3油路の軸受内部側の開口が外輪軌道面に位置するため、この開口をころが通過する際に、開口の周囲にエッジロードが発生する可能性がある。しかし、第3油路の軸受内部側の開口端に面取りを施して、その面取り部分の外面と外輪軌道面とが連続面として繋がっているようにすれば、上記エッジロードの発生をなくすことができる。
第2油路の円周方向の長さをころの直径以上とし、外輪の円周方向複数箇所に、第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面におけるころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設ければ、外輪軌道面に潤滑油を効率良く供給することができる。
第2油路の円周方向の長さをころの直径程度とし、外輪の円周方向1箇所に、第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面におけるころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設ければ、単純な油路構成でありながら、外輪軌道面への潤滑油の供給が行える。
これらの構成では、第3油路の軸受内部側の開口が外輪軌道面に位置するため、この開口をころが通過する際に、開口の周囲にエッジロードが発生する可能性がある。しかし、第3油路の軸受内部側の開口端に面取りを施して、その面取り部分の外面と外輪軌道面とが連続面として繋がっているようにすれば、上記エッジロードの発生をなくすことができる。
この発明において、前記保持器および外輪のいずれかまたは両方を、円周方向に並ぶ2個の分割体に分割することができる。
保持器や外輪を2個の分割体に分割すると、軸受の組立が容易になる。
保持器や外輪を2個の分割体に分割すると、軸受の組立が容易になる。
この発明のころ軸受は、一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接し、前記外輪がハウジングの内周に嵌合するころ軸受において、前記保持器の円環部を、その内周面および外周面が前記内輪側周面および前記外輪の内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路を前記ハウジングおよび外輪に設けたため、ころと内輪または軸、およびころと外輪の接触面圧を低減して、振動や騒音の抑制および転動疲労寿命の延長を図ることができ、また、ころと内輪または軸、およびころと外輪の潤滑を円滑に行える。
前記油路を、外部から供給される潤滑油を軸受内部における前記ころの軸方向両端近傍に導くものとした場合は、ころと内輪または軸との接触部、ころと外輪との接触部、保持器円環部と内輪または軸との接触部、および保持器円環部と外輪との接触部に、潤滑油を円滑に供給することができる。
前記油路は、外部と前記ハウジングの内周とを結ぶ第1油路を有し、この第1油路を前記ハウジングの1箇所に設けた場合は、油路が単純な構成となり、製作コストの低減を図れる。
前記油路を、外部から供給される潤滑油を軸受内部における前記ころの軸方向両端近傍に導くものとした場合は、ころと内輪または軸との接触部、ころと外輪との接触部、保持器円環部と内輪または軸との接触部、および保持器円環部と外輪との接触部に、潤滑油を円滑に供給することができる。
前記油路は、外部と前記ハウジングの内周とを結ぶ第1油路を有し、この第1油路を前記ハウジングの1箇所に設けた場合は、油路が単純な構成となり、製作コストの低減を図れる。
この発明の実施形態を図1〜図6と共に説明する。図1は、図2のI−O−I断面図である。このころ軸受は、外輪1と、この外輪1の内周面からなる外輪軌道面1aに転接する複数のころ2と、リング状の保持器3と、外輪1の軸方向両側に配置した一対の止め輪4,4とを有する。保持器3は円周方向に並ぶ複数のポケット3aを有し、各ポケット3aにころ2が保持されている。外輪1および止め輪4,4の外周には、ハウジング5が嵌合している。内輪は無く、この軸受が支持する軸6の外周面からなる内輪側周面6aにころ2が転接している。
保持器3は、軸方向両側の円環部7と、両円環部7を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部8とからなり、隣合う柱部8間が、ころ2を保持するポケット3aとなっている。図1、図4、および図4の部分拡大図である図5に示すように、この実施形態では、保持器円環部7の内周面および外周面は、軸6の内輪側周面6aおよび外輪1の内周面1aにそれぞれ沿う平滑面として形成されている。
保持器3が上記形状であることにより、保持器円環部7の内周面と内輪側周面6aとの間の隙間、および保持器円環部7の外周面と外輪内周面1aとの間の隙間に潤滑油が保持される。軸受内部への潤滑油の供給方法については、後で説明する。このように保持された潤滑油の油膜を介して、保持器3と軸6、および保持器3と外輪1とが互いに滑り接触する。このため、保持器円環部7の内周面は、軸6と円滑に回転自在でラジアル方向の荷重を支持することのできる滑り軸受として機能する。同様に、保持器円環部7の外周面は、外輪1と円滑に回転自在でラジアル方向の荷重を支持することのできる滑り軸受として機能する。すなわち、保持器3は、複数のころ2を等間隔に保持する役割と、ころ2と共に軸荷重の一部を負担する役割とを担っている。
止め輪4は、外輪1よりも内径が小さいリング状の部材であり、その内周端が保持器3の軸方向外側に位置している。保持器3が軸方向の中立位置にあるとき、保持器3の両端面と両止め輪4,4の軸方向内側の側面との間に若干の隙間sが存在する。このため、保持器3は、軸方向両側へ隙間sの範囲内で移動可能であるが、それ以上の移動は止め輪4により制限されている。
潤滑油は図示しない潤滑油供給手段により外部から供給されるが、その潤滑油を軸受内部に導入するための油路は、外部とハウジング5の内周側とを結ぶ第1油路11と、外輪1の外周面に軸方向に形成され、中央部が前記第1油路11と繋がる第2油路12と、外輪1を径方向に貫通して、前記第2油路12の両端と軸受内部とを結ぶ軸方向2箇所の第3油路13とからなる。この実施形態では、これら各油路11,12,13は円周方向の2箇所に設けられている。第3油路13の軸受内部側の出口部分には、円周溝14が外輪1の内周に設けられている。第3油路13の軸受内部側の出口は、ころ2の軸方向両端より軸方向外側で、かつ近傍とされている。円周溝14に対向する保持器円環部7の外周面には、環状の切欠き15が設けられている。
図6に示すように、軸受の組立性を向上させるために、外輪1および保持器3は、それぞれ円周方向に並ぶ2個の外輪分割体11,12、および保持器分割体31,32に分割されている。
このころ軸受は、例えば図22に示すクランク軸20支持用の軸受22や、コンロッド21とクランク軸20の連結部の軸受23に適用される。軸受22に適用する場合、軸6はクランク軸20の回転中心軸20aである。また、軸受23に適用する場合、軸6はクランク軸20のクランクピン20cであり、外輪1はコンロッド21の大径端部21aである。このころ軸受は、上記軸受22,23の他に、コンロッド21の小径端部21bとピストンピン(図示せず)との連結部の軸受や、カムシャフト支持部の軸受にも適用することもできる。さらに、これら以外の変動荷重を受ける箇所の軸受として適用することができる。外輪1および保持器3が円周方向に2分割されているため、組立性が良好である。
上記構成のころ軸受は、保持器3の円環部7が軸6および外輪1に対して滑り軸受として機能してラジアル方向の荷重を支持するため、ころ2と軸6との接触面圧、およびころ2と外輪1との接触面圧を低減することができる。接触面圧が低下することで、転動疲労に対する軸受寿命の延長が可能となる。また、保持器円環部7と軸6との間の隙間、および保持器円環部7と外輪1との間の隙間に形成される油膜のスクイズフィルムダンパの作用によって、ころ2と軸6との接触部、およびころ2と外輪1との接触部で生じる振動や騒音を低減することができる。
また、止め輪4により保持器3の軸方向移動が制限されているため、変動荷重を受けた場合でも、ころ2の横滑りにより保持器3が軸方向に大きく移動することを防止できる。このため、常にころ2を外輪1および軸6の軌道面内に保持できる。
このころ軸受の使用時には、潤滑油供給手段(図示せず)により軸受内部に潤滑油が供給される。潤滑油は、第1油路11、第2油路12、および第3油路13を順に通り、円周溝14および切欠き15からなる空間部に導かれる。この空間部は、ころ2の軸方向両端の近傍に位置する。円周溝14および切欠き15が設けられているため、第2油路13から軸受内部に導入された潤滑油が、円周方向に均一に供給される。そして、ころ2と軸6との接触部、ころ2と外輪1との接触部、保持器円環部7と軸6との接触部、および保持器円環部7と外輪1との接触部に送られて、これら接触部を潤滑する。潤滑油が導入されるころ2の軸方向両端近傍は、上記各接触部に近い位置にあるため、各接触部に潤滑油を円滑に供給することができる。
前記円周溝14を設けるのは、上述した潤滑油を円周方向に供給するという機能的な面の他に、第3油路13の加工を、外輪1の内周面に加工痕を残さずに、容易かつ低コストで行うという目的がある。したがって、円周溝14が無くても、軸受内部に導入された潤滑油が十分に円周方向に拡散される構造であり、かつ外輪1の内周面に加工痕を残さず第3油路13を加工することができるのであれば、円周溝14は設けなくても良い。
円周溝14および切欠き15を設けない構成とした場合、保持器柱部8の外周面における円環部近傍部分を円環部7の外周面と同一の平滑面とし、この円環部近傍部分を、潤滑油の油膜を介して外輪1の内周面1aに滑り接触させて滑り軸受として機能させることができる。このように、保持器柱部8の外周面における円環部近傍部分も滑り軸受として機能させれば、ころ2と外輪1との接触面圧をさらに低減することができる。
また、この実施形態では、第1〜第3油路11,12,13を円周方向2箇所に設けているが、これらの油路を円周方向1箇所または3箇所以上に設けてもよい。
図7〜図9は上記実施形態のものとは円環部7の内外周面の軸方向に垂直な断面形状が異なる保持器3を示す。図7は円弧を連ねてなる波形の断面形状としたものである。図8は三角形状の凹凸となる波形の断面形状としたものである。図9は長方形状の凹凸となる波形状断面形状としたものである。
保持器円環部7の内周面および外周面を図7〜図9のいずれの断面形状にした場合でも、保持器円環部7と軸6、あるいは保持器円環部7と外輪1が相対運動する時、保持器円環部7の内周面と内輪側周面6aとの間、および保持器円環部7の外周面と外輪内周面1aとの間に油膜形成を促進することができる。このため、安定した油膜を得ることができ、その安定した油膜を介して保持器3が軸荷重の一部を支持することにより、ころ2と軸6との接触面圧、およびころ2と外輪1との接触面圧を低減することが可能になる。
保持器円環部7の内周面および外周面での油膜形成能力を高める手段としては、上記図7〜図9のように表面を波形となる断面形状とする代わりに、表面にディンプル若しくは突起を分散して設けたものとしても良い(図示省略)。
図10〜図12は異なる実施形態を示す。図10は、図11のX−O−X断面図である。この実施形態は、外部とハウジング5の内周とを結ぶ第1油路11を軸方向2箇所に設け、この第1油路11と、外輪1を径方向に貫通する第3油路13とを直接連通させたものである。この構成とすると、前記実施形態に設けられている第2油路12を省略することができる。他は前記実施形態と同じ構成であり、同一構成箇所には同一符号を付して示してある。
図13〜図15はさらに異なる実施形態を示す。図13は、図14のXIII−XIII断面図である。この実施形態の油路も、前記各実施形態と同様、外部とハウジング5の内周とを結ぶ第1油路11と、外輪1の外周面に形成され、前記第1油路11に繋がる第2油路12と、この第2油路12と軸受内部とを結ぶ第3油路13とでなる。
この実施形態では、第1油路11は、ハウジング5の軸方向中央部の1箇所に設けられている。第2油路12は、軸方向の長さがころ2の長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころ2の直径以上である。第2油路12の軸方向両端は、ころ2の軸方向両端の外側近傍に位置する。第2油路12の円周方向の長さは、例えばころ2の直径の7倍程度とする。すなわち、第2油路12は、円筒状である外輪1の表面の一部を切り欠いたものであり、展開した形状が長方形をしている。そして、この第2油路12と軸受内部とを結ぶように、外輪1の円周方向複数箇所に第3油路13が設けられている。図例では、第2油路12の軸方向両端部で、かつ円周方向両端部および円周方向中央部である計6箇所に、軸受内部と結ぶ第3油路13が設けられている。軸方向両端部の各第3油路13の軸受内部側の出口部分には、それぞれ各第3油路13に繋がる円周溝14が外輪1の内周に設けられている。この実施形態のころ軸受は、前記各実施形態と異なり、止め輪4が無く、外輪1の内周側軸方向両端に設けたつば1bにより、保持器3の軸方向移動が制限されている。
この実施形態では、第1油路11は、ハウジング5の軸方向中央部の1箇所に設けられている。第2油路12は、軸方向の長さがころ2の長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころ2の直径以上である。第2油路12の軸方向両端は、ころ2の軸方向両端の外側近傍に位置する。第2油路12の円周方向の長さは、例えばころ2の直径の7倍程度とする。すなわち、第2油路12は、円筒状である外輪1の表面の一部を切り欠いたものであり、展開した形状が長方形をしている。そして、この第2油路12と軸受内部とを結ぶように、外輪1の円周方向複数箇所に第3油路13が設けられている。図例では、第2油路12の軸方向両端部で、かつ円周方向両端部および円周方向中央部である計6箇所に、軸受内部と結ぶ第3油路13が設けられている。軸方向両端部の各第3油路13の軸受内部側の出口部分には、それぞれ各第3油路13に繋がる円周溝14が外輪1の内周に設けられている。この実施形態のころ軸受は、前記各実施形態と異なり、止め輪4が無く、外輪1の内周側軸方向両端に設けたつば1bにより、保持器3の軸方向移動が制限されている。
このように、第1油路11をハウジング5の1箇所に設けた構成であると、外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路を単純化でき、製作コストを低減できる。第2油路12を、軸方向の長さがころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころの直径以上とされ、外輪1の円周方向複数箇所に、第2油路12と軸受内部とを結ぶ第3油路13が設けられているため、軸受内部に潤滑油を効率良く供給することができる。また、外輪1の内周面に第3油路に繋がる円周溝14が設けられているため、軸受内部に導入された潤滑油が円周方向に均一に供給され、ころ2と軸6との接触部の潤滑油不足を解決できる。なお、円周溝14が無くても上記接触部の潤滑が十分に行われる場合は、円周溝14は設けなくてもよい。第3油路13は、図例のように、ころ2の軸方向両端近傍の両方の位置に設けてもよく、あるいは片方の位置にだけ設けてもよい。また、図例では、円周方向の3箇所に設けられているが、2箇所であっても4箇所以上であってのよい。
図16および図17は、図13〜図15の実施形態の油路に代えて、第2油路12を、軸方向の長さがころ2の長さよりも長く、かつ円周方向の長さがころ2の直径程度とし、外輪1の円周方向1箇所に、第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路13を設けたものである。軸方向については、ころ2の軸方向両端近傍の両方の位置に第3油路13を設けてもよく、あるいは片方の位置にだけ第3油路13を設けてもよい。図16のXIII−O−XIII断面図は図13と同一であるため、省略してある。この油路構成によれば、第2油路12の円周方向長さが短くて、第2油路12が軸方向に沿う溝状であるため、第2油路12の加工が容易となり、製作コストをさらに低減できる。第3油路13が1箇所だけであっても、軸受内部に潤滑油を十分供給することができる。
図18〜図20はさらに異なる実施形態を示す。図18は、図20のXVIII−XVIII断面図である。この実施形態の油路も、前記各実施形態と同様、外部とハウジング5の内周とを結ぶ第1油路11と、外輪1の外周面に形成され、前記第1油路11に繋がる第2油路12と、この第2油路12と軸受内部とを結ぶ第3油路13とでなる。
この実施形態では、第1油路11は、ハウジング5の軸方向中央部の1箇所に設けられている。第2油路12は、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さがころ2の直径以上である。例えば、第2油路12の円周方向の長さはころ2の直径の7倍程度とする。そして、この第2油路12と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面1aにおけるころ2の長さ方向ほぼ中央に位置するように、外輪1の円周方向複数箇所に第3油路13が設けられている。図例では、第2油路12の円周方向両端部および円周方向中央部の計3箇所に、軸受内部と結ぶ第3油路13が設けられている。円周方向中央部の第3油路13は、第1油路11と同軸上に位置する。
図19の拡大図に示すように、第3油路13の軸受内部側の開口端には、外面Raの断面形状が円弧状である面取りRが施されている。この面取りRの円弧の曲率中心ROは外輪1内に位置し、面取り部分の外面Raと外輪軌道面1aとが滑らかに連続している
この実施形態では、第1油路11は、ハウジング5の軸方向中央部の1箇所に設けられている。第2油路12は、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さがころ2の直径以上である。例えば、第2油路12の円周方向の長さはころ2の直径の7倍程度とする。そして、この第2油路12と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面1aにおけるころ2の長さ方向ほぼ中央に位置するように、外輪1の円周方向複数箇所に第3油路13が設けられている。図例では、第2油路12の円周方向両端部および円周方向中央部の計3箇所に、軸受内部と結ぶ第3油路13が設けられている。円周方向中央部の第3油路13は、第1油路11と同軸上に位置する。
図19の拡大図に示すように、第3油路13の軸受内部側の開口端には、外面Raの断面形状が円弧状である面取りRが施されている。この面取りRの円弧の曲率中心ROは外輪1内に位置し、面取り部分の外面Raと外輪軌道面1aとが滑らかに連続している
前記同様、第1油路11をハウジング5の1箇所に設けた構成であるため、外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路を単純化でき、製作コストを低減できる。さらに、第2油路12を円周方向に沿う溝状であり、第2油路12の軸方向の幅が狭いため、加工が容易であり、より一層製作コストを低減できる。
第2油路12の円周方向の長さをころ2の直径以上であり、外輪1の円周方向複数箇所に、第2油路12と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面1aにおけるころ2の長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路13が設けられているため、外輪軌道面1aに潤滑油を効率良く供給することができる。
第3油路13の軸受内部側の開口が外輪軌道面に位置するため、この開口をころ2が通過する際に、開口の周囲にエッジロードが発生する可能性がある。しかし、第3油路13の軸受内部側の開口端に面取りRを施して、その面取り部分の外面Raと外輪軌道面1aとが滑らかに連続しているため、上記エッジロードの発生をなくすことができる。
第2油路12の円周方向の長さをころ2の直径以上であり、外輪1の円周方向複数箇所に、第2油路12と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面1aにおけるころ2の長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路13が設けられているため、外輪軌道面1aに潤滑油を効率良く供給することができる。
第3油路13の軸受内部側の開口が外輪軌道面に位置するため、この開口をころ2が通過する際に、開口の周囲にエッジロードが発生する可能性がある。しかし、第3油路13の軸受内部側の開口端に面取りRを施して、その面取り部分の外面Raと外輪軌道面1aとが滑らかに連続しているため、上記エッジロードの発生をなくすことができる。
図21は、図18〜図20の実施形態の油路に代えて、第2油路12の円周方向の長さをころ2の直径程度とし、外輪1の円周方向1箇所に、前記第2油路12と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面1aにおけるころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路13を設けたものである。第3油路13は、第1油路11と同軸上に位置する。図21のXVIII−O−XVIII断面図は図18と同一であるため、省略してある。この油路構成によれば、第2油路12は、円周方向長さが短く、外輪1の外周面に設けられた単なる凹部とされており、図18〜図20の実施形態以上に油路が単純化されている。しかし、単純な油路構成でありながら、外輪軌道面1aへの潤滑油の供給は良好に行える。
上記各実施形態では、第2油路12が外輪1の外周面に設けられているが、第2油路12をハウジング5の内周面に設けてもよい。
上記各実施形態では、内輪が無く、ころ2が軸6に直接に接触する構成のころ軸受を例示しているが、この発明は、内輪を有するころ軸受にも適用できる。その場合も、上記各実施形態と同様な作用効果が得られる。
上記各実施形態では、内輪が無く、ころ2が軸6に直接に接触する構成のころ軸受を例示しているが、この発明は、内輪を有するころ軸受にも適用できる。その場合も、上記各実施形態と同様な作用効果が得られる。
1…外輪
11,12…外輪分割体
1a…外輪の内周面
2…ころ
3…保持器
31,32…保持器分割体
3a…ポケット
4…止め輪
5…ハウジング
6…軸
6a…内輪側周面
7…円環部
8…柱部
11…第1油路
12…第2油路
13…第3油路
R…面取り
Ra…面取り部分の外面
11,12…外輪分割体
1a…外輪の内周面
2…ころ
3…保持器
31,32…保持器分割体
3a…ポケット
4…止め輪
5…ハウジング
6…軸
6a…内輪側周面
7…円環部
8…柱部
11…第1油路
12…第2油路
13…第3油路
R…面取り
Ra…面取り部分の外面
Claims (13)
- 一対の円環部およびこれら円環部間を繋ぐ円周方向複数箇所の柱部を有し隣合う柱部間がそれぞれポケットとなるリング状の保持器と、この保持器の前記各ポケットに保持された複数のころとを備え、これら複数のころが、内輪または軸の外周面からなる内輪側周面、および外輪の内周面に転接し、前記外輪がハウジングの内周に嵌合するころ軸受において、
前記保持器の円環部を、その内周面および外周面が前記内輪側周面および前記外輪の内周面に滑り接触して滑り軸受として機能するものとし、
外部から供給される潤滑油を軸受内部に導く油路を前記ハウジングおよび外輪に設けたことを特徴とするころ軸受。 - 請求項1において、前記油路は、外部から供給される潤滑油を軸受内部における前記ころの軸方向両端近傍に導くものであるころ軸受。
- 請求項1または請求項2において、前記保持器および外輪の軸方向外側に、前記保持器の軸方向移動を制限する止め輪を、前記ハウジングの内周に嵌合させて設けたころ軸受。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記保持器の円環部の内周面および外周面に、油膜形成能力を高める手段を設けたころ軸受。
- 請求項4において、前記油膜形成能力を高める手段が、前記保持器の円環部の内周面および外周面に付与され、軸方向に垂直な断面が、円弧状、三角形状、若しくは長方形状等の波形となる断面形状、または前記保持器の円環部の内周面および外周面に分散して設けたディンプル若しくは突起であるころ軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記油路は、外部と前記ハウジングの内周とを結ぶ第1油路を有し、この第1油路を前記ハウジングの1箇所に設けたころ軸受。
- 請求項6において、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、軸方向の長さが前記ころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さが前記ころの直径以上である第2油路を設け、前記外輪の円周方向複数箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設けたころ軸受。
- 請求項6において、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、軸方向の長さが前記ころの長さよりも長く、かつ円周方向の長さが前記ころの直径程度である第2油路を設け、前記外輪の円周方向1箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結ぶ第3油路を設けたころ軸受。
- 請求項7または請求項8において、前記外輪の内周面に、前記第3油路に繋がる円周溝を設けたころ軸受。
- 請求項6において、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さが前記ころの直径以上である第2油路を設け、前記外輪の円周方向複数箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面における前記ころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設けたころ軸受。
- 請求項6において、前記ハウジングの内周面または前記外輪の外周面に、前記第1油路に繋がり、円周方向に沿う溝状で、かつ円周方向の長さが前記ころの直径程度である第2油路を設け、前記外輪の円周方向1箇所に、前記第2油路と軸受内部とを結び、軸受内部側の開口が、外輪軌道面における前記ころの長さ方向ほぼ中央に位置する第3油路を設けたころ軸受。
- 請求項10または請求項11において、前記第3油路の軸受内部側の開口端に、外面の断面形状が円弧状である面取りを施し、その円弧の曲率中心は外輪側に位置し、面取り部分の外面と外輪軌道面とが滑らかに連続するころ軸受。
- 請求項1ないし請求項12のいずれか1項において、前記保持器および外輪のいずれかまたは両方を、円周方向に並ぶ2個の分割体に分割したころ軸受。
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