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JP2008133904A - 樹脂製スラスト軸受 - Google Patents

樹脂製スラスト軸受 Download PDF

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JP2008133904A JP2006320662A JP2006320662A JP2008133904A JP 2008133904 A JP2008133904 A JP 2008133904A JP 2006320662 A JP2006320662 A JP 2006320662A JP 2006320662 A JP2006320662 A JP 2006320662A JP 2008133904 A JP2008133904 A JP 2008133904A
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Abstract

【課題】より確実な摩擦抵抗の低減を図ると共に、製作性が向上される樹脂製スラスト軸受を提供する。
【解決手段】軸の段差面と、軸が挿入されるハウジングの軸穴の段差面との間に装着され、軸を支える樹脂製スラスト軸受1であって、軸の段差面に摺接する摺動面と、軸の段差面との間に隙間を形成する凹部12と、摺動面と凹部12との間に設けられ、軸の段差面との間の隙間を軸の回転方向に摺動面に近づくにしたがって狭くするように傾斜して、軸の段差面との間に楔状隙間を形成する傾斜面13と、を備え、軸とハウジングとの相対回転により、楔状隙間内に生じる潤滑油の流れによって、樹脂製スラスト軸受1が軸の段差面から離れる向きに作用する動圧が発生し、該動圧の発生により、軸の段差面と摺動面との間に潤滑油膜が形成される樹脂製スラスト軸受1において、軸荷重を受けたときに、傾斜面13の傾斜角度が潤滑油膜の形成に適した角度となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、軸方向の荷重を受けて軸を支持するスラスト軸受に関し、特に、自動車用自動変速機のトルクコンバータやパワートレイン内部で使用される樹脂製のスラスト軸受に関するものである。
自動車用オートマチックトランスミッションの内部には、可動時の摺動抵抗を低減させるため、各種摺動板が使用されるが、最も広く用いられているものとして金属製ニードルベアリングが挙げられる。しかし、金属製ニードルベアリングは金属部材間の摺動抵抗を低減させる部品としては優れているものの、軸方向の省スペースを図るには限界がある。また、材料・製造コストが高いことから、低コストでの提供が困難である。
そこで、金属製ニードルベアリングの代替品として用いられているのが、材料費が安く、かつ、加工性に優れた樹脂製のスラスト軸受である。樹脂製スラスト軸受は、低コストはもちろん、軽量化を図ることも可能である。しかし、樹脂製スラスト軸受は、金属製ニードルベアリングと比べて摩擦抵抗が大きいため、低摩擦抵抗が要求される場合には、楔効果によって動圧を発生させる溝形状を摺動面に形成し、摺動面の面圧を低下させて軸受摺動面に適度な潤滑油膜を形成する必要がある。
動圧を効果的に生じさせる形状としては、例えば、図9及び図10に示すような傾斜面を備えた段差形状が一般的に知られている。図9は、従来技術に係る樹脂製スラスト軸受の正面図であり、図10は、図9のCC断面図である。
従来技術に係る樹脂製スラスト軸受100は、摺動相手との間に隙間を形成する溝101と、摺動相手との隙間を摺動相手である軸の回転方向に向かって徐々に小さくする傾斜面102と、摺動相手に摺接する摺動面103とが、摺動相手である軸の回転方向に順次繰り返し形成された構成となっている。
このような段差形状により、樹脂製スラスト軸受100の端面と摺動相手との間に、軸の回転方向に向かって狭くなっていく楔状の空間が形成される。そして、軸の回転によって生じる楔状空間内の潤滑油の流れにより、樹脂製スラスト軸受100が摺動相手から離れる向きに作用する動圧が発生する。
この動圧の発生により、摺動面103の面圧が低下し、摺動面103と摺動相手との間に適度な潤滑油膜を形成することが可能となる。その結果、摺動相手との摩擦抵抗を低減することができる。
なお、関連する技術としては、以下の文献に開示されたものがある。
実開平3−123118号公報 特開平10−68413号公報 特開平6−300028号公報 実開平2−66718号公報 特開2001−221232号公報 WO2002/077473 特開2004−293684号公報
しかしながら、傾斜面102の傾斜角度βが大きいと、動圧を効果的に発生させることができず、摺動面103に潤滑油膜を形成することができなくなってしまう。したがって、傾斜面103の傾斜角度は、ある程度の微小な角度に設定することが望まれるが、そのような微小な角度設定は、その製作が非常に困難となり、高い精度が要求されることになる。
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、より確実に潤滑状態を形成することができると共に、製作性が向上される樹脂製スラスト軸受を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明における樹脂製スラスト軸受は、
軸に同心に形成された大径部と小径部との間の段差面と、前記軸が挿入されるハウジングの軸穴に同心に形成された大径部と小径部との間の段差面との間に装着され、前記軸を支える樹脂製スラスト軸受であって、
前記軸の段差面に摺接する摺動面と、
前記軸の段差面との間に隙間を形成する凹部と、
前記摺動面と前記凹部との間に設けられ、前記軸の段差面との間の隙間を前記軸の回転方向に前記摺動面に近づくにしたがって狭くするように傾斜して、前記軸の段差面との間に楔状隙間を形成する傾斜面と、を備え、
前記軸と前記ハウジングとの相対回転により、前記楔状隙間内に生じる潤滑油の流れによって、樹脂製スラスト軸受が前記軸の段差面から離れる向きに作用する動圧が発生し、
該動圧の発生により、前記軸の段差面と前記摺動面との間に潤滑油膜が形成される樹脂製スラスト軸受において、
軸荷重を受けたときに、前記傾斜面の傾斜角度が前記潤滑油膜の形成に適した角度となることを特徴とする。
このように、軸荷重を受けると傾斜面の傾斜角度が潤滑油膜の形成に適した角度となるため、使用時においてより確実に潤滑状態を形成することができる。また、使用時に傾斜面の傾斜角度が潤滑油膜の形成に適した角度となればよいので、製作時には潤滑油膜の形成に適した角度でなくてよい。したがって、製作時に潤滑油膜の形成に適した傾斜面の形成に必要な製作精度が要求されなくなり、製作が容易になる。
前記樹脂製スラスト軸受は、
軸方向に突出した凸部を備え、
該凸部と前記凹部とが周方向に交互に複数形成された周方向に波状にうねった形状を有しており、
軸荷重によって前記軸の段差面に押し付けられた前記凸部の先端面が前記摺動面を形成するとともに、
軸荷重によって軸方向に縮んでそのうねりが小さくなったときに、前記傾斜面の傾斜角度が前記潤滑油膜の形成に適した角度となるようにしてもよい。
このように、周方向に波状にうねった形状が軸荷重によって軸方向に縮んだときに傾斜面の傾斜角度が潤滑油膜の形成に適した角度となるので、使用時においてより確実な潤滑油膜の形成が図れる。また、傾斜面を軸方向に縮む前の傾斜角度で形成すればよいので、理想的な傾斜形状の形成に必要な製作精度が要求されなくなり、製作が容易となる。
前記摺動面に適度な潤滑油膜を形成するのに適した角度が、0°より大で5°以下であるのもよい。
以上説明したように、本発明により、より確実に潤滑状態を形成することができるとともに、製作性が向上される。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1〜図5を参照して、本発明の実施例に係る樹脂製スラスト軸受について説明する。図1は本実施例にかかる樹脂製スラスト軸受の構成を示す図であり、(a)は軸方向からみた正面図、(b)は斜視図、(c)は側面図である。図2は、図1(a)のAA断面図であり、(a)は本実施例に係る樹脂製スラスト軸受に軸荷重が作用していない状態、(b)は軸荷重が作用した状態の断面図を示している。図3は、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の装着状態を示す模式的断面図である。図4は、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の具体的な使用態様を示す模試的断面図である。図5は、図3のBB断面図であり、軸の回転により動圧が発生する様子を示している。
<樹脂製スラスト軸受の構成及び概要>
まず、図1を参照して、本発明の実施例に係る樹脂製スラスト軸受の構成について説明する。
図1に示すように、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1は、樹脂材からなる円環状部材であり、周方向に波打つようにうねった形状を呈している。
詳細には、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1は、軸方向に突出した凸部11と、凸部11とは逆方向に窪んだ凹部12とが交互に形成された構成となっている。そして、凸部11と凹部12との間には、後述するように、樹脂製スラスト軸受1の使用時において動圧を発生させる傾斜面13が形成されている。
本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1は、型成形によって製作され、その材料としては、例えば、ナイロン系樹脂、PEEK等が挙げられるが、弾性力を有する樹脂材であれば適宜採用することができる。
<樹脂製スラスト軸受の装着時>
図2〜図4を参照して、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の使用時の様子について説明する。
図3に示すように、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1は、ハウジング2に設けられた軸穴21の段差部22と、該軸穴21に挿入される軸3の段差部32との間に装着され、軸3を支える。
詳細には、軸穴21に同心に形成された大径部21aと小径部21bとの間の段差面22aと、軸3に同心に形成された大径部31aと小径部31bとの間の段差面32aとによって軸方向に挟まれ、軸3による軸方向の荷重を受けることになる。そして、樹脂製スラスト軸受1と段差部22、32との間の隙間には、摩擦抵抗を低減させるために潤滑油が充填されている。
ここで、図4を参照して、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1の具体的な使用態様について説明する。図4は、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1を、自動車用自動変速機のトルクコンバータ内部やパワートレイン内部に設けられるハウジング121とソレノイドバルブ130の組み付け機構に適用した例を示す。
ここで、このソレノイドバルブ130は、油圧経路中に配置されて油圧経路の導通制御を行うバルブである。ソレノイドバルブ130は、外筒131内に収納されるコイル132に所定の電流が流通されると、その際に発生する電磁力によってニードル133が軸方向に変位する。そして、その変位を利用して油圧通路122、123間を連通する作動油通路134が導通または遮断される。
例えば、油圧通路123側に高圧、油圧通路122に低圧の作動油が供給されている場合には、コイル132に所定電流を流通させて作動油通路134を導通させると、油圧通路123から油圧通路122へ向けて、その差圧とオリフィス135の径とに応じた流量の作動油が流通する。この際、ソレノイドバルブ130は、その軸方向に、作動油がオリフィス135を流通する際の流通抵抗に相当する応力を受けることになる。
一方、コイル132に流通する電流を適当に切り換えて作動油通路134を遮断すると、作動油の流通が阻止され、油圧通路123に発生している油圧が直接ボール弁136やニードル133を介してソレノイドバルブ130に伝達される。したがって、この場合ソレノイドバルブ130には、油圧通路123、122間の差圧がその軸方向に作用することになる。
つまり、本実施例のソレノイドバルブ130においては、作動油通路134を導通または遮断するたびに、その軸方向に加わる油圧が大きく変動することになる。このため、ソレノイドバルブ130とハウジング121との組み付け機構には、組み付け作業が容易であることと共に、かかる軸方向の応力変動に対して十分な安定性を確保し得る構成であることが要求される。
ここで、ハウジング121とソレノイドバルブ130との間には、作動油に対するシール性を確保すべくOリング137、138を配置し、ソレノイドバルブ130の抜けを防止する機構としてはCリング139を用いている。
この場合においてCリング139は、図4に示すようにハウジング121に設けられた溝121aとソレノイドバルブ130の外筒131に設けられたフランジ131aとの間に挟持されており、ソレノイドバルブ130に作用する軸方向の応力を安定して受けとめることができる。この際、ハウジング121の段差部22´と外筒131の段差部32´との間に装着されている本実施例の樹脂製スラスト軸受1は、ソレノイドバルブ130を図4中上方へ付勢して、Cリング139の挟持力を確保すべく作用している。
また、この場合の使用環境としては、環境温度が−40℃〜140℃(瞬間最大温度160℃)、潤滑油の供給油量が毎分300cc以上、そして、最大軸受荷重が3000N以下が想定される。
次に、図2を参照して、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1が軸荷重Lによって変形するときの様子について説明する。
軸方向の荷重(軸荷重)Lが作用していない状態(すなわち、樹脂製スラスト軸受1の製作時)においては、樹脂製スラスト軸受1のうねり高さ(軸方向の高さ)は、H1とな
っている。
軸3から軸荷重Lを受けると、樹脂製スラスト軸受1は軸方向に弾性的に圧縮され、うねり高さがH1からH2に縮む。このとき傾斜面13の傾斜角度α2は、使用時において軸3の段差面32aと樹脂製スラスト軸受1との間に動圧を発生させ、段差面32aとの摺動面に潤滑油膜を形成するのに適した角度(0°より大で5°以下)となる。
しがたって、軸荷重Lが作用していない状態における傾斜面13の傾斜角度α1は、軸荷重L作用時の傾斜角度α2よりも当然大きくなるため、製作段階においては、高い製作精度が要求される微小な傾斜角度α2よりも角度の大きな傾斜角度α1で傾斜面13を形成すればよいことになる。
なお、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1の製作時において、軸荷重が作用していない状態における傾斜面の角度等の寸法設定(樹脂製スラスト軸受1の軸方向の厚さt、うねり高さH1等)は、樹脂製スラスト軸受の仕様や使用環境、選定される材料の種類等によって適宜設定される。すなわち、軸荷重が作用して軸方向に圧縮されたときに、最終的に傾斜面13の傾斜角度が微小角度α2となるように設定されればよい。
次に、図5を参照して、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1の傾斜面13による動圧発生の様子について説明する。
図5に示すように、樹脂製スラスト軸受1は軸荷重によって軸方向に圧縮されることにより、凸部11の先端部分が軸3の段差面32aに押し付けられ摺動面11aが形成される。そして、樹脂製スラスト軸受1の傾斜面13は、軸3の段差面32aとの間に楔状の隙間を形成する。このときの傾斜面13の傾斜角度は、段差面32aと摺動面11aとの間に潤滑油膜を形成するのに適した角度(0°より大で5°以下)となっている。
この楔状隙間は、樹脂製スラスト軸受1の傾斜面13と、ハウジング2の大径部21aの内周面と、軸3の小径部31bの外周面と、軸3の段差面32aとによって形成されており、軸3の回転方向(R方向)に向かうにしたがって軸方向の幅が狭くなる空間となっている。
軸3がハウジング2に対してR方向に回転すると、樹脂製スラスト軸受1と段差部22、32との間に充填された潤滑油の一部には、軸3の回転に引きずられてR方向に向かう流れFが発生する。
傾斜面13と段差面32aとの間の楔状隙間は、軸3の回転方向(R方向)に向かうにしたがって狭くなっているため、潤滑油はより狭い空間に向かって流れていくことになる。そうすると、楔状隙間の先端付近(摺動面11aとの境目付近)では、流入してくる潤滑油によって局所的に圧力が高くなり、その結果、樹脂製スラスト軸受1が軸3の段差面32aから離れる向きに作用する動圧Pが発生する(楔効果)。
この動圧Pにより、段差面32aと摺動面11aとの間の面圧が低下し、段差面32aと摺動面11aとの間に潤滑油が入り込み易くなる。その結果、段差面32aと摺動面11aとの間には潤滑油による油膜が形成され、段差面32aと摺動面11aとの間の摺動抵抗が低減されることになる。
<傾斜角度を0°より大で5°以下とする理由>
ここで、傾斜面の傾斜角度を0°より大で5°以下とした場合に適度な油膜の形成が可能となることを、図6〜図8に示した解析結果に基いて説明する。
図6は、この解析に用いた傾斜形状の概略構成を示す模式図である。図7は、傾斜面の周方向の長さを5mmとしたときの、傾斜面の高さ(hi−ho)と傾斜面の傾き(m)との関係を示す図表であり、図8は、傾斜面の周方向の長さ(B1)と潤滑油膜の厚さとの関係を示す図表である。
図8に示す結果から、mが10までの場合には、ある程度の油膜厚さを確保することができているが、mが100の場合には、急激に油膜厚さが低下していることがわかる。したがって、摺動面を適度な潤滑状態とするためには、傾斜角度を0°より大で5°以下に設定しなければならないことがわかる。
<本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の優れた点>
本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1によれば、軸方向の圧縮されたときに傾斜面13の傾斜角度が摺動面11aに潤滑油膜を形成するのに適した微小な傾斜角度(0°より大で5°以下)となるように構成されているので、樹脂製スラスト軸受1の製作段階において、傾斜面13の傾斜角度を高度な製作精度が要求される微小な傾斜角度に形成する必要がなくなり、製作性が向上される。
すなわち、製作時(軸荷重非作用時)の傾斜面13の傾斜角度α1は、使用時(軸荷重作用時)の傾斜角度α2よりも大きく設定できるので、製作が容易となる。
また、型成形によって製作される樹脂製スラスト軸受においては、予め型成形によって、傾斜面13を摺動面11aに潤滑油膜を形成するのに適した微小な傾斜角度である0°より大で5°以下の角度に成形することは非常に困難であるが、本実施例に係る樹脂製スラスト軸受1によれば、係る微小な傾斜角度の傾斜面13を(軸荷重作用時において)備える樹脂製スラスト軸受1を型成形によって容易に製作することが可能となる。
また、使用時において樹脂製スラスト軸受1が軸方向に圧縮されたときに、傾斜面13の傾斜角度が摺動面11aに潤滑油膜を形成するのに適した傾斜角度となるので、摺動面11aにより確実に潤滑油膜を形成することができ、より確実な摩擦抵抗の低減を図ることができる。
本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の構成図。 本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の軸荷重の作用・非作用時の様子を示す図。 本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の装着状態を示す断面図。 本実施例に係る樹脂製スラスト軸受の具体的な使用態様を示す模試的断面図。 動圧の発生の様子を示す図。 解析に用いた傾斜形状の模式図。 傾斜面の高さと傾きとの関係を示す図表。 傾斜角度と潤滑油膜の厚さとの関係を示す図表。 従来技術に係る樹脂製スラスト軸受の正面図。 従来技術に係る樹脂製スラスト軸受の断面図。
符号の説明
1 樹脂製スラスト軸受
11 凸部
11a 摺動面
12 凹部
13 傾斜面
2 ハウジング
21 軸穴
22 段差部
22a 段差面
3 軸
32 段差部
32a 段差面

Claims (3)

  1. 軸に同心に形成された大径部と小径部との間の段差面と、前記軸が挿入されるハウジングの軸穴に同心に形成された大径部と小径部との間の段差面との間に装着され、前記軸を支える樹脂製スラスト軸受であって、
    前記軸の段差面に摺接する摺動面と、
    前記軸の段差面との間に隙間を形成する凹部と、
    前記摺動面と前記凹部との間に設けられ、前記軸の段差面との間の隙間を前記軸の回転方向に前記摺動面に近づくにしたがって狭くするように傾斜して、前記軸の段差面との間に楔状隙間を形成する傾斜面と、を備え、
    前記軸と前記ハウジングとの相対回転により、前記楔状隙間内に生じる潤滑油の流れによって、樹脂製スラスト軸受が前記軸の段差面から離れる向きに作用する動圧が発生し、
    該動圧の発生により、前記軸の段差面と前記摺動面との間に潤滑油膜が形成される樹脂製スラスト軸受において、
    軸荷重を受けたときに、前記傾斜面の傾斜角度が前記潤滑油膜の形成に適した角度となることを特徴とする樹脂製スラスト軸受。
  2. 前記樹脂製スラスト軸受は、
    軸方向に突出した凸部を備え、
    該凸部と前記凹部とが周方向に交互に複数形成された周方向に波状にうねった形状を有しており、
    軸荷重によって前記軸の段差面に押し付けられた前記凸部の先端面が前記摺動面を形成するとともに、
    軸荷重によって軸方向に縮んでそのうねりが小さくなったときに、前記傾斜面の傾斜角度が前記潤滑油膜の形成に適した角度となることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製スラスト軸受。
  3. 前記摺動面に適度な潤滑油膜を形成するのに適した角度が、0°より大で5°以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製スラスト軸受。
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