JP2008130986A - 電気施設の耐雷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐雷変圧器を設置した電気施設において、その耐雷変圧器の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器が破壊した場合でも、雷電流による負荷機器への波及を抑制する。
【解決手段】 入力巻線25と出力巻線26との間に配された鉄心27およびその鉄心27と少なくとも出力巻線26との間に配された静電遮蔽板28が筐体34に格納された耐雷変圧器24を入力電源線22と負荷機器23との間に設けた電気施設の耐雷方法であって、耐雷変圧器24を構築物21の内部で絶縁部材41を介して設置すると共に、静電遮蔽板28と負荷機器23を接地する絶縁電線44とは別の絶縁電線42で耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地する。
【選択図】 図1
【解決手段】 入力巻線25と出力巻線26との間に配された鉄心27およびその鉄心27と少なくとも出力巻線26との間に配された静電遮蔽板28が筐体34に格納された耐雷変圧器24を入力電源線22と負荷機器23との間に設けた電気施設の耐雷方法であって、耐雷変圧器24を構築物21の内部で絶縁部材41を介して設置すると共に、静電遮蔽板28と負荷機器23を接地する絶縁電線44とは別の絶縁電線42で耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、構築物内で耐雷変圧器を入力電源線と負荷機器との間に設置された電気施設、例えば無線中継所や高度情報化ビル、ハイテク工場などを含む全ての電気施設において、耐雷変圧器の絶縁強度を超えた雷サージから負荷機器を保護する電気施設の耐雷方法に関する。
例えば、無線中継所や高度情報化ビル、ハイテク工場などを含む全ての電気施設においては、半導体システム等の負荷機器を雷サージから保護する耐雷対策が必要である。この耐雷対策は、雷サージに弱い半導体システム等の負荷機器に対して雷撃による影響をできる限り与えないようにするエネルギー処理対策で、構築物内で入力電源線と負荷機器との間に耐雷変圧器を設置するようにしている。
図6は、電気施設の構築物1内で入力電源線2と負荷機器3との間に耐雷変圧器4を設置した耐雷対策例を示す。同図に示すように構築物1外部の柱上変圧器(図示せず)からの低圧電力を構築物1内部の複数の負荷機器3に供給する入力電源線2とそれら負荷機器3との間に耐雷変圧器4を設置している。
この耐雷変圧器4は、入力巻線5(一次巻線)と、出力巻線6(二次巻線)と、それら入力巻線5と出力巻線6間に介在した鉄心7とで主要部が構成され、例示した耐雷変圧器4では、鉄心7と出力巻線6との間に静電遮蔽板8が配置されている。また、入力巻線5の入力側電源端子9間、および出力巻線6の出力側電源端子10間には線間避雷器11,12が設けられている。
この耐雷変圧器4による耐雷対策では、耐雷変圧器4の鉄心7および静電遮蔽板8の筐体接地を負荷機器3の主接地13に接続するようにしている。この負荷機器3の主接地13では、耐雷変圧器4の筐体14から延びる絶縁電線18を構築物1の近傍に打設された接地極19に接続している。
なお、この耐雷変圧器4は、構築物1の内部で金属製筐体14を床に直置きするようにして設置されるのが通常である。また、図中の符号15,16は、低圧受電設備である受電箱と開閉器盤であり、受電箱15は構築物1の外部で入力電源線2に介挿され、開閉器盤16は構築物1の内部で入力電源線2に介挿されている。これら受電箱15および開閉器盤16は、通常、D種接地されている。
図6に示す耐雷変圧器4による耐雷対策以外にも、特許文献1に開示された耐雷変圧器による耐雷対策がある。この耐雷対策では、負荷機器に接続する入力電源線と負荷機器の間に、入力巻線と出力巻線の各々に互いに絶縁され独立した静電遮蔽板を有する耐雷変圧器を設け、この耐雷変圧器の出力巻線側の静電遮蔽板を負荷機器の主接地に接続する一方、入力巻線側の静電遮蔽板を入力電源線のゼロ電位線に接続するようにしている。これにより、耐雷変圧器の入力側と出力側の電位が分離され、その耐雷変圧器の入力側からの雷電流が、その出力側に接続された負荷機器に流れるルートを遮断することができる。
特許第2764008号公報
ところで、前述した耐雷変圧器による耐雷対策のいずれにおいても、例えば図6に示す耐雷変圧器4が設置された電気施設に非常に大きな落雷があった場合、その構築物1の内部に設置された耐雷変圧器4に非常に大きな過電圧が加わってその耐雷変圧器4の絶縁強度を超え、耐雷変圧器4が稀に破損することがある。
この場合、耐雷変圧器4の入力電源端子9から耐雷変圧器4の筐体14に放電する。ここで、耐雷変圧器4が構築物1の床17に直置きされていることから、その構築物1の床17に埋設された鉄筋(図示せず)などを通って雷電流が負荷機器3に流れることがある(図中A矢印参照)。
また、耐雷変圧器4の筐体14が負荷機器3の主接地13に接続されていることから、その負荷機器3の主接地13に雷電流が流れることになる(図中B矢印参照)。通常、負荷機器3は複数存在し、それら複数の負荷機器3間は接地線のみならず電源線や信号線で接続されており、雷電流が負荷機器3の主接地13に流れた場合、負荷機器3間に電位差が発生して負荷機器3に被害が発生するという問題があった。
これに対して、放電耐量の大きな対地間避雷器を耐雷変圧器4の入力側に設置する対策方法が一般的であるが、その対地間避雷器を通過した雷電流が大地を介して負荷機器3に侵入し被害を与えるおそれがある。また、この対地間避雷器が破損した場合には耐雷変圧器4を保護する手段がなくなることになる。例えば、無人施設では対地間避雷器の復旧までに時間がかかり、その間に次の落雷が発生する可能性もあり、さらに被害発生の危険性が伴うことになる。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、耐雷変圧器を設置した電気施設において、その耐雷変圧器の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器が破壊した場合でも、雷電流による負荷機器への波及を抑制し得る電気施設の耐雷方法を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、入力巻線と出力巻線との間に配された鉄心およびその鉄心と少なくとも出力巻線との間に配された静電遮蔽板が筐体に格納された耐雷変圧器を入力電源線と負荷機器との間に設けた電気施設の耐雷方法であって、耐雷変圧器を構築物内部で絶縁部材を介して設置すると共に、静電遮蔽板と負荷機器とを接地する絶縁電線とは別の絶縁電線で耐雷変圧器の鉄心および筐体とを接地したことを特徴とする。
なお、「鉄心と少なくとも出力巻線との間に配された静電遮蔽板」としたのは、耐雷変圧器の構成において、鉄心と出力巻線との間に配された静電遮蔽板のみならず、鉄心と入力巻線との間に配された静電遮蔽板も含むことを意味する。
本発明では、耐雷変圧器の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器が破壊した場合、耐雷変圧器の入力電源端子から耐雷変圧器の筐体に放電したとしても、耐雷変圧器を構築物内部で絶縁部材を介して設置したことにより、その絶縁部材で雷電流が構築物の鉄筋などを通って負荷機器に流れることを阻止することができる。
また、静電遮蔽板と負荷機器を接地する絶縁電線とは別の絶縁電線で耐雷変圧器の鉄心および筐体を接地したことにより、筐体に放電した雷電流を耐雷変圧器の鉄心および筐体を接地した絶縁電線に流し、その雷電流が静電遮蔽板と負荷機器を接地する絶縁電線に流れることを抑制する。
前述の構成において、静電遮蔽板と負荷機器を接地する絶縁電線とは別の絶縁電線で耐雷変圧器の鉄心および筐体を接地する場合、静電遮蔽板を負荷機器の主接地に接続すると共に、鉄心および筐体の接地極を負荷機器の接地極とは独立して設ける方法、あるいは、静電遮蔽板を負荷機器の主接地に接続すると共に、鉄心および筐体を負荷機器の主接地にその接地極付近で接続する方法のいずれかを選択すればよい。
鉄心および筐体の接地極を負荷機器の接地極とは独立して設ける場合には、既設された負荷機器の接地極とは別に鉄心および筐体の接地極を新たに設ける必要があるが、静電遮蔽板を負荷機器の主接地に接続すると共に、鉄心および筐体を負荷機器の主接地にその接地極付近で接続すれば、既設された負荷機器の接地極を利用することができ、新たな接地極を設ける必要はない。
また、前述の構成において、鉄心および筐体を接地する絶縁電線を管路内で配線することが望ましい。このようにすれば、新設された負荷機器に対してその負荷機器の接地を、鉄心および筐体を接地する絶縁電線に誤って接続することを未然に防止できる。
さらに、前述の構成において、耐雷変圧器の入力側で入力電源線に介挿された低圧受電設備の筐体を大地に対して絶縁させることが望ましい。このようにすれば、低圧受電設備での放電を防止することができ、雷電流が耐雷変圧器および負荷機器に流れることを阻止できる。
本発明によれば、耐雷変圧器の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器が破壊した場合、耐雷変圧器の入力電源端子から耐雷変圧器の筐体に放電したとしても、耐雷変圧器を構築物内部で絶縁部材を介して設置したことにより、その絶縁部材で雷電流が構築物の鉄筋などを通って負荷機器に流れることを阻止することができる。
また、静電遮蔽板と負荷機器を接地する絶縁電線とは別の絶縁電線で耐雷変圧器の鉄心および筐体を接地したことにより、筐体に放電した雷電流を耐雷変圧器の鉄心および筐体を接地した絶縁電線に流し、その雷電流が静電遮蔽板と負荷機器を接地する絶縁電線に流れることを抑制する。
その結果、耐雷変圧器の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器が破壊した場合でも、雷電流による負荷機器への波及を抑制することができ、耐雷変圧器の絶縁強度を超える雷サージに対して負荷機器を確実に保護することができてその実用的価値は大きい。
本発明に係る電気施設の耐雷方法の各実施形態を図1〜図5に示して説明する。以下の各実施形態では、例えば、無線中継所や高度情報化ビル、ハイテク工場などを含む全ての電気施設において、半導体システム等の負荷機器23を雷サージから保護するため、構築物21内で入力電源線22と負荷機器23との間に耐雷変圧器24を設置した耐雷対策例を詳述する。
図1〜図5に示す各実施形態は、電気施設としての構築物21の内部に半導体システム等の複数の負荷機器23が設置され、構築物21の外部の柱上変圧器(図示せず)からの低圧電力を各負荷機器23に供給する入力電源線22とそれら負荷機器23との間に耐雷変圧器24を設置した構成を具備する。
この耐雷変圧器24は、入力巻線25(一次巻線)と、出力巻線26(二次巻線)と、それら入力巻線25と出力巻線26間に介在した鉄心27とで主要部が構成され、鉄心27と出力巻線26との間に静電遮蔽板28(シールド板)が配置されている。なお、耐雷変圧器24としては、鉄心27と出力巻線26との間に配された静電遮蔽板28のみならず、鉄心27と入力巻線25との間に配された静電遮蔽板38を有する構成についても適用可能である。
また、入力巻線25の入力側電源端子29間、および出力巻線26の出力側電源端子30間には線間避雷器31,32が設けられている。前述した入力巻線25、出力巻線26、鉄心27、静電遮蔽板28および線間避雷器31,32からなる内部構成部品は金属製筐体34に格納されている。
さらに、図中の符号35,36は、低圧受電設備である受電箱と開閉器盤であり、受電箱35は構築物21の外部で入力電源線22に介挿され、開閉器盤36は構築物21の内部で入力電源線22に介挿されている。
図1〜図5の各実施形態では、耐雷変圧器24を構築物21の内部で絶縁部材41を介して設置している。従来の耐雷変圧器4の場合(図6参照)、構築物1の内部で金属製筐体14を床17に直置きしていたのに対して、本発明の実施形態における耐雷変圧器24の場合、構築物21の床37に絶縁部材41を配設し、その絶縁部材41の上に耐雷変圧器24の金属製筐体34を載置する。
この絶縁部材41としては、木材の他、ゴム素材、ポリアセタール(POM)やフッ素樹脂(PTFE)に代表される絶縁性高分子材料などを使用することが可能である。なお、図では、耐雷変圧器24の金属製筐体34の隅部に絶縁部材41を介在させた場合を例示しているが、これに限らず、その金属製筐体34の底面全面に絶縁部材を介在させるようにしてもよい。
この絶縁部材41による耐雷変圧器24の耐雷対策では、耐雷変圧器24の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器24が破壊した場合、耐雷変圧器24の入力電源端子29から耐雷変圧器24の筐体34に放電したとしても、耐雷変圧器24を構築物21の内部で絶縁部材41を介して設置したことにより、耐雷変圧器24が構築物21の床37からフローティングされていることから、絶縁部材41で雷電流が構築物21の鉄筋(図示せず)などを通って負荷機器23に流れることを阻止することができる。
また、図1〜図5の各実施形態では、耐雷変圧器24の出力巻線26側の静電遮蔽板28と負荷機器23とを接地する絶縁電線44とは別の絶縁電線42で耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34とを接地している。ここで、前述の絶縁電線42,44としては、ビニル絶縁電線の他、ポリエチレン絶縁電線、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース電力ケーブル等、絶縁被覆を有する非導電性の電線が使用可能であり、裸線を非導電性電線管内に配線したものも含む。図1〜図5の各実施形態では、以下のような各種の接地構造としている。
図1に示す第一の実施形態では、耐雷変圧器24の出力巻線26側の静電遮蔽板28を負荷機器23の主接地33に接続する。なお、この静電遮蔽板28は、耐雷変圧器24の金属製筐体34とは電気的に接続されていない。一方、この負荷機器23の主接地33とは別に、耐雷変圧器24の鉄心27を筐体接地46に接続するようにしている。耐雷変圧器24の静電遮蔽板28と負荷機器23の主接地33における絶縁電線44は、構築物21の近傍で接地極45に接続され、耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34の接地における絶縁電線42は、構築物21の近傍で接地極43に接続される。
この時、負荷機器23の主接地33における接地極45と鉄心27および筐体34の接地における接地極43とは、例えば180°反対方向に離隔して打設することが好ましい。また、接地極43,45は、外部からの雷電流の影響を抑制するために構築物21の近傍に設けられているが、特に、接地極45については、外部からの雷電流の影響をより確実に抑制するため、理想的には構築物21の内部に設けることが望ましい。これは、図3および図4に示す実施形態についても同様である。
この実施形態のように、負荷機器23の主接地33とは別に、耐雷変圧器24の鉄心27を筐体接地46に接続するようにしたことにより、耐雷変圧器24の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器24が破壊した場合、耐雷変圧器24の入力電源端子29から耐雷変圧器24の筐体34に放電したとしても、筐体34に放電した雷電流を耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地した絶縁電線42に流し、その雷電流が静電遮蔽板28と負荷機器23を接地する絶縁電線44に流れることを抑制でき、負荷機器23の保護が図れる。
なお、この実施形態では、鉄心27および筐体34の接地極43を負荷機器23の接地極45とは独立して設けている。つまり、耐雷変圧器24の耐雷対策をとるに際して、構築物21が既存のもので負荷機器23の主接地33が既に設けられている場合、既設された負荷機器23の接地極33とは別に鉄心27および筐体34の接地極43を新たに設けることになる。この鉄心27および筐体34の接地極43を新設することが容易な場合には、前述した図1の実施形態が好適であるが、鉄心27および筐体34の接地極43を新設することが困難な場合には、図2に示す第二の実施形態が望ましい。
図2に示す第二の実施形態では、耐雷変圧器24の出力巻線26側の静電遮蔽板28を負荷機器23の主接地33に接続する。なお、この静電遮蔽板28は、耐雷変圧器24の金属製筐体34とは電気的に接続されていない。一方、耐雷変圧器24の鉄心27を筐体34に接続し、その筐体接地47を負荷機器23の主接地33にその接地極45付近で接続する。耐雷変圧器24の静電遮蔽板28と負荷機器23の主接地33における絶縁電線44は、構築物21の近傍で接地極45に接続され、耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34の接地における絶縁電線42は、負荷機器23の主接地33の接地極45付近でその絶縁電線44に接続される。
このようにすれば、前述したように耐雷変圧器24の耐雷対策をとるに際して、構築物21が既存のもので負荷機器23の主接地33が既に設けられている場合、既設された負荷機器23の接地極33を利用することができ、新たな接地極を設ける必要はない。なお、既設の接地極45は、外部からの雷電流の影響を抑制するために構築物21の近傍に設けられているが、外部からの雷電流の影響をより確実に抑制するため、理想的には構築物21の内部に設けることが望ましい。これは、図5に示す実施形態についても同様である。
この実施形態の場合も、負荷機器23の主接地33とは別に、耐雷変圧器24の鉄心27を筐体34に接続し、その筐体接地47を負荷機器23の主接地33にその接地極45付近で接続したことにより、耐雷変圧器24の絶縁強度を超える雷サージにより耐雷変圧器24が破壊した場合、耐雷変圧器24の入力電源端子29から耐雷変圧器24の筐体34に放電したとしても、筐体34に放電した雷電流を耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地した絶縁電線42に流し、その雷電流が静電遮蔽板28と負荷機器23を接地する絶縁電線44に流れることを抑制でき、負荷機器23の保護が図れる。
図3に示す第三の実施形態は、出力巻線26側のみならず、入力巻線25側にも静電遮蔽板38(シールド板)を有する耐雷変圧器24の場合を例示する。このような耐雷変圧器24が設置されている場合、耐雷対策の一つとして、入力巻線25側の静電遮蔽板38を入力電源線22のゼロ電位線に接続することも有効である。これにより、耐雷変圧器24の入力側と出力側の電位が分離され、その耐雷変圧器24の入力側からの雷電流が、その出力側に接続された負荷機器23に流れるルートを遮断することができる。
なお、この実施形態は、図1に示す第一の実施形態における耐雷対策に、入力巻線25側の静電遮蔽板38を入力電源線22のゼロ電位線に接続する耐雷対策を付加したものであるが、図2に示す第二の実施形態の耐雷対策にも付加することができる。なお、図1の第一の実施形態および図2の第二の実施形態における耐雷対策についての構成および作用効果は、図3の第三の実施形態でも同様であるため、その重複説明は省略する。
また、図4および図5は本発明の第四および第五の実施形態で、図4に示す第四の実施形態は図1の第一の実施形態に適用した例であり、図5に示す第五の実施形態は図2の第二の実施形態に適用した例である。
これら図4および図5の第四および第五の実施形態では、耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地する絶縁電線42を管路48,49内で配線する。この耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地する絶縁電線42が挿通された管路48,49としては、絶縁電線42を保護する目的から、例えば合成樹脂製の可撓電線管の他、ビニル電線管などを使用することが可能である。可撓性を有する管路48,49とすれば、絶縁電線42の引き回しが容易となる。
このように、耐雷変圧器24の鉄心27および筐体34を接地する絶縁電線42を管路48,49内で配線すれば、構築物21内で負荷機器23を新設するに際してその負荷機器23の接地を行う作業において、鉄心27および筐体34を接地する絶縁電線42に、新設の負荷機器23の接地線を誤って接続することを未然に防止でき、作業上での安全性を確保することができる。
さらに、図1〜図5に示す各実施形態において、耐雷変圧器24の入力電源線22には、構築物21の外部に低圧受電設備としての受電箱35が介挿され、構築物21の内部に低圧受電設備としての開閉器盤36が介挿されている。従来の耐雷対策においては(図6参照)、これら受電箱15および開閉器盤16を筐体接地(D種接地)させているのに対して、各実施形態では、これら受電箱35および開閉器盤36の筐体を大地に対して絶縁させている。つまり、受電箱35および開閉器盤36の筐体を絶縁性材料で構成する。その絶縁性材料としては、FRPの他、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂などが好適である。
このように、低圧受電設備である受電箱35および開閉器盤36の筐体を大地に対して絶縁させるようにすれば、受電箱35あるいは開閉器盤36での放電を防止することができ、雷電流が耐雷変圧器24および負荷機器23に流れることを阻止できる。
つまり、従来のように受電箱15あるいは開閉器盤16を筐体接地した場合であると(図6参照)、雷サージにより受電箱15あるいは開閉器盤16に非常に大きな過電圧が加わると、その内部部品から筐体へ放電し、この放電により入力電源線2に雷電流が流れる。また、受電箱15あるいは開閉器盤16の筐体への放電ばかりでなく、その筐体接地から入力電源線2への放電によっても入力電源線2に雷電流が流れることになる。この雷電流により耐雷変圧器4が破壊すれば、雷電流が負荷機器3に流入して被害を及ぼすことになる。
そこで、図1〜図5の実施形態のように、受電箱35および開閉器盤36の筐体を大地に対して絶縁させることにより、受電箱35あるいは開閉器盤36での放電を防止することができ、入力電源線22に過大な雷電流が流れることもなくなるので、その雷電流が耐雷変圧器24および負荷機器23に流入することを阻止できる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
21 構築物
22 入力電源線
23 負荷機器
24 耐雷変圧器
25 入力巻線
26 出力巻線
27 鉄心
28 静電遮蔽板
33 主接地
34 筐体
35 受電箱(低圧受電設備)
36 開閉器盤(低圧受電設備)
41 絶縁部材
42,44 絶縁電線
43,45 接地極
48,49 管路
22 入力電源線
23 負荷機器
24 耐雷変圧器
25 入力巻線
26 出力巻線
27 鉄心
28 静電遮蔽板
33 主接地
34 筐体
35 受電箱(低圧受電設備)
36 開閉器盤(低圧受電設備)
41 絶縁部材
42,44 絶縁電線
43,45 接地極
48,49 管路
Claims (5)
- 入力巻線と出力巻線との間に配された鉄心およびその鉄心と少なくとも出力巻線との間に配された静電遮蔽板が筐体に格納された耐雷変圧器を入力電源線と負荷機器との間に設けた電気施設の耐雷方法であって、前記耐雷変圧器を構築物内部で絶縁部材を介して設置すると共に、前記静電遮蔽板と負荷機器を接地する絶縁電線とは別の絶縁電線で耐雷変圧器の鉄心および筐体を接地したことを特徴とする電気施設の耐雷方法。
- 前記静電遮蔽板を負荷機器の主接地に接続すると共に、鉄心および筐体の接地極を負荷機器の接地極とは独立して設けた請求項1に記載の電気施設の耐雷方法。
- 前記静電遮蔽板を負荷機器の主接地に接続すると共に、鉄心および筐体を負荷機器の主接地にその接地極付近で接続した請求項1に記載の電気施設の耐雷方法。
- 前記鉄心および筐体を接地する絶縁電線を管路内で配線した請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気施設の耐雷方法。
- 前記耐雷変圧器の入力側で入力電源線に介挿された低圧受電設備の筐体を大地に対して絶縁させた請求項1〜4のいずれか一項に記載の電気施設の耐雷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006317359A JP2008130986A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電気施設の耐雷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006317359A JP2008130986A (ja) | 2006-11-24 | 2006-11-24 | 電気施設の耐雷方法 |
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JP2008130986A true JP2008130986A (ja) | 2008-06-05 |
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KR101436512B1 (ko) | 2014-02-27 | 2014-09-02 | 주식회사 그라운드 | 서지방호장치 |
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-
2006
- 2006-11-24 JP JP2006317359A patent/JP2008130986A/ja active Pending
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