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JP2008103670A - 有機薄膜受光素子、有機薄膜受光素子の製造方法、有機薄膜受発光素子、有機薄膜受発光素子の製造方法、及び脈拍センサ - Google Patents

有機薄膜受光素子、有機薄膜受光素子の製造方法、有機薄膜受発光素子、有機薄膜受発光素子の製造方法、及び脈拍センサ Download PDF

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Kinya Kumazawa
金也 熊沢
Jun Okada
順 岡田
Hirosumi Ogawa
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Abstract

【課題】微弱光を低電圧で検出可能にする。
【解決手段】有機薄膜受光素子1は、基板2と、基板2表面上に形成され、紫外線,可視光線,及び近赤外線のうちのいずれかの光に対して透過性を有する陽極3と、陽極3の表面上に形成された光導電性有機半導体層4と、光導電性有機半導体層4の表面上に形成された陰極5とを備え、光導電性有機半導体層4は、光導電性有機半導体と、外部から電圧が印加されていない状態においても光導電性有機半導体層4内部に電場を発生する強誘電性高分子樹脂材料により形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超微弱光を検出する有機薄膜受光素子及びその製造方法、この有機薄膜受光素子を利用した有機薄膜受発光素子及びその製造方法と脈拍センサに関する。
近年、人体の動脈や静脈に特定波長の光を照射し、その光の透過光を生体情報として検出することによって、動脈流や静脈流内のヘモグロビン変化量を検出する試みや、人体から発せられるバイオフォトン(生体発光)を生体情報として検出する研究がなされている。これら生体情報としての光は、その発光強度が10−7〜10−15[W/cm]程度と極めて微弱な光であるために、光電子倍増管(フォトマルチプライヤー),アンプ,フォトンカウンター等を組合せた微弱光検出システムにより検出されている。
ところが、光電子倍増管を利用して微弱光を検出することには、実用上次のような問題点がある。第1に、光電子倍増管を利用して微弱光を検出する場合、1,500〜2,000[V]程度の高電圧を印加する必要があるために、検出システムを被験者に携帯させたり(ウェアラブル化)、検出システムをステアリング等の車室内に設けたりすることが安全上及び付帯設備の点から難しい。第2に、光電子倍増管は真空管を利用するために振動や衝撃に弱く、破損しやすい。第3に、光電子倍増管は薄膜固体素子と比較して大きいことから、車室内等の狭い空間や3次元曲面形状を有する部品(例えば、先ほどのステアリング)へのレイアウトが困難である。
このような背景から、近年、光導電性有機半導体層と電極の界面でのキャリヤトラップを積極的に利用した新しい原理に基づく「光電流倍増現象」が見出され、この光電流倍増現象を利用した有機薄膜受光素子の報告がなされている(非特許文献1,2、特許文献1,2参照)。そしてこの有機薄膜受光素子の性能は、印加電圧数十[V]で10−5[W/cm]程度の光強度の微弱光を検出できるレベルに至っている。
上記有機薄膜受光素子における微弱光検出は、概ね、次のようなメカニズムで発現すると考えられている。すなわち、直流電源により陽極と陰極の間に電圧印加された状態で陽極側から微弱光が入射すると、光キャリヤ(電子,正孔)が生成され、光キャリヤのうちの正孔は、電界下で陰極側へ輸送されるが、その一部は光導電性有機半導体層と陰極の界面近傍に存在する界面準位に捕捉されて蓄積される。その結果、光導電性有機半導体層と陰極の界面に電界が集中し、陰極から電子が大量にトンネル注入されて光電流倍増現象が発現する。
しかしながら、上記光検出子は、光導電性有機半導体層が有機顔料の真空蒸着膜により形成されているために、(1)均一な膜質を確保することができず、ピンホールが発生しやすい、(2)大面積化が困難、(3)真空プロセスが必要となるために低コスト化が困難等の問題を有する。そこで、このような問題を解決するために、最近、光導電性有機半導体を樹脂に分散させた樹脂分散型光検出子が提案されている(特許文献3参照)。
Appl. Phys. Lett., 64, 2546 (1994) 未来材料,第2巻9号第34頁 特開2002−190616号公報 特開2003−282934号公報 特開2002−076430号公報
しかしながら、上記従来の有機薄膜受光素子は、数十[V]の印加電圧で10−5[W/cm]程度の強度の微弱光を検出することができるものの、強度が10−7〜10−15[W/cm]程度の超微弱光を低電圧で検出することはできない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低電圧、且つ、高感度に超微弱光を検出可能な有機薄膜受光素子及びその製造方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、低電圧、且つ、高感度に超微弱光を検出可能な有機薄膜受発光素子及びその製造方法を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、低電圧、且つ、高感度に脈拍を検出可能な脈拍センサを提供することにある。
本発明では、有機薄膜受光素子を構成する光導電性有機半導体層が、陽極と陰極間に電圧が印加されていない状態において電場を発生する内部電場発生体を含有する。
本発明によれば、内部電場によって光誘起電流を倍増させることができるので、強度が10−7〜10−15[W/cm]程度の超微弱光を低電圧、且つ、高感度に検出することができる。
本願発明の発明者らは、精力的な研究を重ねてきた結果、外部から電圧が印加されていない状態においても電場を発生する内部電場発生体(自発分極を有する材料)を光導電性有機半導体層内部に含有させることにより、光強度が10−7〜10−15[W/cm]程度の超微弱光を低電圧で検出できることを見出した。本明細書中において「内部電場発生体」とは、図1(a)に示すように、外部から電圧を印加していない状態、即ち、外部電場Eeが0であるにもかかわらず、光導電性有機半導体層4a内部において一定方向の内部電場Eiを形成する物質4bを意味し、分子構造中のある分子同士の間に電気的な力である双極子(ダイポール)を発生させ、その向きを積極的に揃えた状態を意味する。内部電場発生体が光導電性有機半導体層に含有されていると、内部電場Eiが形成されている状態でさらに外部電場Eeが印加された場合、光導電性有機半導体層の全電場Eは、図1(b)に示すように内部電場Eiと外部電場Eeの和で与えられることになる。なお、上記図1(a),(b)には、個々の双極子は表記せず、ドメイン状の領域(分子集合体)で双極子が形成されるとして矢印(→)で分子集合体を表記した。
内部電場発生体としては強誘電性高分子樹脂材料を用いることが望ましい。具体的には、強誘電性高分子樹脂材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF),ポリフッ化ビニリデン共重合体,又はこれらの複合体を例示することができる。複合体の具体的例としては、ポリフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン,ポリフッ化ビニリデン−4フッ化エチレン等を例示することができる。ポリフッ化ビニリデン−3フッ化エチレンにより内部磁場発生体を形成する場合、ポリフッ化ビニリデンを60〜90[モル%]、3フッ化エチレンを40〜10[モル%]の割合で共重合すると、例えば、可視光線領域(波長380nm〜波長780nm)での光透過率が大きく、且つ、大きな電気双極子を有する樹脂体を形成することができる。これらの物質が内部電場発生体として機能するメカニズムは現段階では明らかではないが、強誘電性高分子ポリフッ化ビニリデンでは、水素原子Hが正、フッ素原子Fが負に帯電するために、フッ素原子Fから水素原子Hに向かう双極子が形成される。このため、この双極子が一定方向に揃うことにより、内部電場発生体として機能すると考えられる。
本明細書中において「光導電性有機半導体」とは、光照射により導電率が向上する有機半導体を意味する。具体的には、光導電性有機半導体としては、トリフェニルアミン誘導体,ベンジジン誘導体,フタロシアニン誘導体,メロシアニン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体,ピラゾリン誘導体,スチリスアミン誘導体等のp型有機半導体や、オキサジアゾール誘導体,トリアゾール誘導体,シロール誘導体,ペリレン誘導体,ナフタレン誘導体,及びフラーレン誘導体からなる誘導体群の中から選択された一つの誘導体又は選択された一つの誘導体を含む混合物等のn型有機半導体を例示することができる。また、「光導電性(photoconduction)」とは、半導体や絶縁体に充分に短波長の光を照射すると、物質内部の伝導電子(キャリヤ)が増加する現象、またそれによって起こる電気伝導率が増加するなどの現象を言う。さて、より大きな光電流倍増現象を発現させるためには、p型半導体、n型半導体のいずれでも基本的に適用可能であるが、光導電性有機半導体のバンド構造からn型有機半導体を用いることがより好ましい。n型有機半導体を用いることにより、陰極との間で形成される電位障壁の高さと厚さを電圧印加(外部電場)で制御し、陰極からの電子トンネル注入を促進させることができる。
次に、光導電性有機半導体層内部に内部電場Eiが発現すると微弱光を低電圧で検出可能となる理由を図2を用いて説明する。図2は、内部電場Eiが存在する場合(本願発明)と存在しない場合(従来素子)それぞれの場合について、陽極と陰極間に電圧が印加された際に発生する外部電場Eeと微弱光(例えば波長490nmの微弱光)の入射により発現する光誘起電流Jの関係を測定した結果を示す。なお、光誘起電流Jは内部電場Eiが存在しない場合を10として規格化した。また光導電性有機半導体層は強誘電性高分子ポリフッ化ビニリデンにペリレン微粒子30[wet%]を含有させることにより形成した。
図2から明らかなように、内部電場Eiが存在しない場合、光導電性有機半導体層の全電場Eは外部電場Eeと等しく、外部電場Eeの増加と共に光誘起電流Jは緩やかに増加するが、外部電場Ee=10[V/cm]付近から光誘起電流Jが急激に増大する。これは、外部電場Ee=10[V/cm]付近において電子のトンネル効果が顕著に現れるためと考えられる。一方、内部電場Eiが存在する場合には、光導電性有機半導体層の全電場Eは内部電場Eiと外部電場Eeの総和になるために、外部電場Eeだけの場合に比べ1桁程小さい外部電場Ee=10[V/cm]付近から光誘起電流Jが急激に増大する。
従って、微弱光の入射によって発生する光誘起電流Jは、同じ外部電場Eeで比較した場合、内部電場Eiが存在することにより2桁から数桁大きい値を示す。すなわち、内部電場Eiが存在する場合、入射光が微弱光であっても、従来の有機薄膜受光素子に比べ、2桁から数桁程、光誘起電流Jを倍増させることができる。なお、図2から読み取れるように、内部電場Eiが存在する場合には、従来の有機薄膜受光素子が外部電場Eeで得ていた光誘起電流Jを1桁小さな外部電場Eeで達成することになる。このように、内部電場Eiと外部から印加される外部電場Eeの和により、微弱光を低電圧で倍増することができる。
上記内部電場Eiの大きさは、内部電場発生体を構成する分子の電荷Qの偏りに大きく依存するので、分極(ポーリング)処理を施し、双極子を強制的に一定方向に揃える等、熱的,電磁界的,及び光学的に電荷Qの偏りを積極的に形成することにより、変化させることができる。より具体的には、光導電性有機半導体層のガラス転移点以上の温度に保った状態下で陽極と陰極間に高電圧を一定時間印加した後、光導電性有機半導体層を急冷(例えば、液体窒素温度)し、電圧の印加を止めることにより、光導電性有機半導体層の厚み方向(電極に対し垂直方向)に、双極子の向きを配列固定させることができる。
この一定方向に配列固定された双極子は、半ば、半永久的に自発分極を保持した状態を保つことができる。また、電極を設けなくても、光導電性有機半導体層内に、電子のトラップされた状態を積極的に作り上げ、空間電荷を形成させることにより双極子を配列させることもできる。具体的には、常温下でコロナ放電処理、又は電子線やX線を照射するといった処理によっても同様な効果を発現させることができる。
内部電場発生体を強誘電性高分子樹脂材料と強誘電性無機材料とから構成された系とすることにより、強誘電性高分子樹脂材料単体の場合に比べ、内部電場Eiをより大きくすることができる。強誘電性高分子樹脂材料と強誘電性無機材料とから構成される系としては、強誘電性高分子樹脂材料中に適量の強誘電性無機材料を分散させたものや、強誘電性高分子樹脂材料の薄膜層と強誘電性無機材料の薄膜層を多層膜化したもの等を例示することができる。具体的には、強誘電性高分子樹脂材料としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)、強誘電性無機物質材料としてチタン酸バリウム(BaTiO)の微粒子を例示することができる。
この場合、透明電極(ITO)付ガラス基板の透明電極面にポリフッ化ビニリデン(PVDF)と、数十nm〜数μmサイズのチタン酸バリウム(BaTiO)微粒子を適量(例えば、数wet%)含有させた溶液を用意し、それを塗布してフィルムを作成する。その後、同フィルムのもう一方の面に、陰極として金(Au)蒸着膜を数十nm厚となるように形成したサンドイッチ型の系を作製する。その後、このサンドイッチ型の系に対し分極処理を施して両電極面に垂直に配列するような双極子を形成することができる。このような系とすることにより、その内部電場Eiとしては、概ね10〜10V/cm程度発現可能となる。なお、強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機物質との組合せの系においては、使用する強誘電性無機物質の種類や形状、サイズ、さらに両者の含有比率等が内部電場Eiの大きさに影響を及ぼすので十分な留意が必要である。
強誘電性無機材料としては、結晶構造中に正イオンと負イオンを有し、電気双極子が形成されるものであれば特に限定されないが、PZT,PbTiO、BaTiO等、ABOと表記されるペロブスカイト型の結晶構造を有する材料を用いることが好ましい。また、強誘電性高分子樹脂材料と強誘電性無機材料との組合せの系においては、使用する強誘電性無機材料の種類や形状(微粒子、薄膜等),大きさ,さらには両者の含有比率等を適宜設定することにより、狙いとする内部電場形成能を得ることができる。
〔有機薄膜受光素子の構成〕
次に、上記知見に基づき想到された、本発明の実施形態となる有機薄膜受光素子の構成について説明する。なお、本発明の実施形態となる有機薄膜受光素子は、光電装置,エレクトロクロミック素子等の調光装置,太陽電池等の光起電力装置等に適用することができる。特に、本発明の実施形態となる有機薄膜受光素子は、車両の運転者の血液中のヘモグロビンの吸光度変化や人体から放出されるバイオフォトン(生物発光)と言った近赤外線領域の微弱光を検出する生体情報検出装置に適用することができる。また、本発明の実施形態となる有機薄膜受光素子は、車両のステアリング内部に埋め込まれ、運転者の素手から微弱光を検出する生体情報検出装置に適用することができる。
本発明の実施形態となる有機薄膜受光素子1は、図3に示すように、基板2と、基板2表面上に形成され、紫外線,可視光線,及び近赤外線のうちのいずれかの光に対して透過性を有する陽極3と、陽極3の表面上に形成された光導電性有機半導体層4と、光導電性有機半導体層4の表面上に形成された陰極5とを備え、直流電源6により陽極3と陰極5間に電圧を印加した状態において陽極3側から光が入射されるのに応じて光導電性有機半導体層4において光誘起電流が発生する構成となっている。
上記有機薄膜受光素子1では、光導電性有機半導体層4は、図4に示すように、光導電性有機半導体4aと、外部から電圧が印加されていない状態においても光導電性有機半導体層4内部に電場Eiを発生する強誘電性高分子樹脂材料4bにより形成されている。なお、本実施形態では、有機薄膜受光素子1は、基板2を介して光導電性有機半導体層4に光を入射させる構成であるとしたが、図5に示すように、陰極5を透明又は半透明の材料により形成し、陰極5側から光導電性有機半導体層4に光を入射させてもよい。また図6に示すように、光導電性有機半導体層4に強誘電性無機材料4cを含有させてもよい。
上記陽極3を形成する材料としては、ITO(酸化インジウム錫),SnO(酸化錫),ZnO(酸化亜鉛),FTO(フッ素ドープ酸化錫)等の無機系酸化物、又は導電性高分子(ポリピロールやPEDOT/PSS、カーボンナノチューブ分散体等)を例示することができる。また、両電極のいずれか一方、望ましくは陰極5は島状粒子形態を取りやすいAu,Ag,Pd,Pt等の材料により形成することが好ましい。これは、光電流倍増現象の主たる発現機構は、光導電性有機半導体層4と陰極5の界面近傍に存在する構造的トラップに、キャリヤである電子が捕捉されて蓄積され、その結果、光導電性有機半導体層4と陰極5の界面に電界が集中し、陰極5から電子が大量にトンネル注入されることに基づくが、この構造的トラップを積極的に形成させるためには、InやAl等の濡れ性の大きな材料ではなく、島状粒子形態を取りやすいAu,Ag,Pd,Pt等の材料により陰極5を形成することが望ましいためである。
光導電性有機半導体層4と陰極5の界面に構造的トラップを形成させるための薄膜系製法としては、陰極5の材料を島状薄膜化できる方法であれば特に限定されることはなく、真空蒸着法,電子ビーム蒸着法,分子線エピタキシー法,クラスターイオンビーム法,イオンプレーティング法等の各種物理蒸着法(PVD)法や、ゾル・ゲル法,メッキ法,電気化学的方法,LB法等の各種の湿式薄膜形成法を適用することができる。
基板2及び陽極3を介して光導電性有機半導体層4に光を入射する場合、空気と基材2の界面、基材2と陽極3の界面、及び陽極3と光有機半導体層4の界面において、できるだけ光損失(反射、散乱等)を生じさせることなく、光導電性有機半導体層4に光を導くことが望ましい。そのためには、各界面での屈折率差を小さくすると共に、狙いとする微弱光に対する透過率が大きい材料を適用することが必要である。
基板2を形成する材料としては、狙いとする光の波長域で光透過率が大きいものを用いることが望ましく、いずれの波長域でも光透過率が大きい材料としては、石英ガラスやポリエチレンテレフタレート等を例示することができる。また、陰極5を介して光導電性有機半導体層4に光が入射する場合も各界面での光損失を極力小さくする必要があり、特に陰極5の材料選択には注意を払う必要がある。このような陰極5用の材料としては、無機透明電極材ではITOやZnOを、また有機透明電極材ではPEDOT/PSS等を挙げることができる。
〔有機薄膜受光素子の製造方法〕
上記有機薄膜受光素子1を製造する際は、始めに、石英ガラス等の基板2表面上にITO薄膜等の陽極3を形成する。次に、溶媒で溶かした強誘電性高分子樹脂であるPVDFと光導電性有機半導体であるペリレン微粒子数十[wet%]を混合分散,攪拌した後、スピンコート法等の湿式薄膜形成法により分散液を陽極3面上へ塗布,乾燥させることにより陽極3表面上に数百[nm]厚の光導電性有機半導体層4を形成する。そして最後に、真空蒸着法により光導電性有機半導体層4表面上に数十[Å]厚のAu薄膜を陰極5として形成する。なお、上記湿式薄膜形成法としては、使用する溶液系の種類や作製する素子の大きさ(面積)等を考慮し、各種公知の方法(スピンコート法,キャスティング法,ディップ法,バーコート法やグラビア印刷,スクリーン印刷、インクジェット法等の印刷技術)を適用することができる。
〔応用例〕
上記有機薄膜受光素子1は例えば受発光素子に適用することができる。以下、上記有機薄膜受光素子1を受発光素子に適用する場合の有機薄膜受光素子1の好ましい実施の形態について説明する。一般に受発光素子は、高輝度の光(波長λ)を発光素子から被験体に照射し、被験体からの反射光を受光素子で検出するように構成されている。このような受発光素子では、被験体が均一な不透明体である場合は光学測定上の問題が生じることはないが、被験体が透明体である場合には光学測定上の問題が生じる。
具体的には、例えば人体の動脈血や蛍光物質が混在しているもの等、被験体が透明、且つ、複数の構成材料からなる複合体又は混合体である、構成材料や組成が傾斜構造や特異な組成分布を有する、又は構成材料がナノ微細構造(光の干渉や散乱・回折等が発現する)を有する材料である場合には、たとえ発光素子から高輝度な光を照射したとしても、その光が被験体において必ずしも強く反射されるとは限らない。このため、被験体が透明体である場合には、反射光成分に他の波長の光が重畳されることによって、狙いとする波長域の光のみを高感度で受光することができなくなる。
本発明者らは、鋭意検討してきた結果、図7に示すように、光が入射される側の電極(図7に示す例では陽極3)と光導電性有機半導体層4の界面にπ共役系有機分子の超薄膜層を特定波長吸収層7として設けることにより、特定波長の光のみを受光し、さらには特定波長吸収層7の層厚を制御することにより光誘起電流を増倍可能であるということを知見した。すなわち特定波長吸収層7は、発光素子から出射される光のスペクトル(図8参照,ピーク波長λmax)と同等のスペクトルを持つ反射光のみを光導電性有機半導体層4側に透過し、反射光以外の波長域の光を吸収(フィルタリング)するものである。このような有機薄膜受光素子1によれば、反射光成分に他の波長の光が重畳されていたとしても、狙いとする波長域の光のみを高感度で検出することができる。
このようなフィルタ機能を発現させる方法として、複数の光学フィルタを組合せる方法が考えられるが、この方法を用いた場合には、(1)複数の光学フィルタの組合せによる光透過率の低下(被験体からの反射光が光学フィルタによって減衰し、受光素子への光強度が小さくなる),(2)光学フィルタ装着による受光素子の厚みや容量の増大,(3)光学フィルタを作製、装着することによるプロセス工数の増大,(4)プロセス工数の増大に伴うコストアップ等の問題が生じる。
上記特定波長吸収層7の形成方法は、ナノオーダの厚さの層を形成できれば特に限定されることはなく、真空蒸着や電子ビーム等の物理蒸着法を用いてπ共役系有機分子を蒸着するようにしても良いし、π共役系有機分子を溶媒希釈した溶液にし、その溶液をラングミュア・ブロジェット(LB)法,キャスティング法,スピンコート法,ディップ法等の各種ウェット法でその溶液を塗布するようにしてもよい。
π共役系有機分子とはπ結合を有する有機分子のことを意味する。π結合とはエチレン,アセチレン,ベンゼン,C60等の分子に見られる二重結合や三重結合が併せ持つ、分子の外側に大きく広がって非局在化している電子が作る化学結合を意味する。p結合に関与する電子(p電子)は、分子間に広がって存在できることにより、分子同士の相互作用を媒介し、電荷輸送能や磁性,光学機能等、多彩で有用な物性,機能の発現をもたらすことができ、前述したような特異な吸収スペクトルを有するものが多い。
特定波長吸収層7として利用可能なπ共役系有機分子としては、発光素子から出射される光のスペクトルと同等のスペクトルを持つ反射光のみを光導電性有機半導体層4側に透過し、反射光以外の波長域の光を吸収するような吸収スペクトルを有するものであれば特に限定されず、フタロシアニン系,ナフタロシアニン系,クロロフィル系,メロシアニン系、アントラキノン系,キナクリドン系等の有機分子を例示することができる。但し、光導電性有機半導体層4側に透過させる光の波長域(以下、窓領域と表記)の制御性,特定吸収層7を形成する際の容易さ、特定吸収層7の長期安定性及び耐久性の点から、π共役系有機分子としては、フタロシアニン系,ナフタロシアニン系,クロロフィル系の有機分子を用いることが好ましい。
フタロシアニン系の有機分子は図9に示すような分子構造を有し、分子中央に金属原子Mを配している。ここで、金属原子Mの位置に金属が配位していないものを無金属フタロシアニン、各種金属が配位しているものを金属フタロシアニンと称する。この金属原子Mの種類を変えることにより、吸収スペクトルにおける窓領域を比較的任意に制御することができる。金属原子Mとしては、Cu,Zn,Ni,Pb,Pt,TiO,VO等を例示することができる。
図10,11はそれぞれ、銅フタロシアニン(CuPc)薄膜と無金属フタロシアン(HPc)薄膜の吸収スペクトルを示す。銅フタロシアニン薄膜の吸収スペクトルでは波長480〜560[nm]の波長領域(窓領域)において光の吸収率が小さくなるのに対して、無金属フタロシアニン薄膜の吸収スペクトルでは波長450〜550[nm]の波長領域(窓領域)において光の吸収率が小さくなる。このようにフタロシアニン薄膜では金属原子Mの種類を変化させることにより、不必要な特定波長の光を吸収させ、反射光として必要な波長の光を光導電性有機半導体層4側へ効率よく入射させることができる。
図12は、特定波長吸収層7として銅フタロシアニン薄膜を用い、銅フタロシアニン薄膜の厚さdの変化に伴う光誘起電流Jの変化をプロットした図を示す。図中の縦軸は、特定波長吸収層7を形成しなかった時の光誘起電流Jを1.0として規格化されている。図から明らかなように、光誘起電流Jは、特定波長吸収層7の厚さdが厚くなるのに伴い増大し、特定波長吸収層7の厚さdが3〜5[nm]程で約2倍になり極大を示す。また特定波長吸収層7の厚さdがさらに増大すると、光誘起電流Jは徐々に低下し、厚さ13[nm]付近において当初レベル(特定波長吸収層が無しの場合)の光誘起電流値となる。そして特定波長吸収層7の厚さdがさらに増大して20[nm]付近になると、当初レベルの70%程度に低下する。
この原因は明らかではないが、銅フタロシアニン薄膜の厚さが増大すると、銅フタロシアニン薄膜の広範な波長域での光吸収がより顕著となり、スペクトルの窓領域から入射する光キャリヤが減じられるので、発生する光キャリヤ数も低下したと考えられる。以上のことから、特定波長吸収層7の厚さdをナノオーダレベルで制御することにより、光誘起電流Jを最大にできることが明らかになった。但し、特定波長吸収層7の厚さdは、使用するπ共役系有機分子の種類や、光導電性有機半導体層4の厚さとの相対的な関係により異なるため、必ずしも一義的には決定できない。
[実施例]
以下、本発明に係る有機薄膜受光素子を実施例に基づいて具体的に説明する。
〔実施例1〕
実施例1では、始めに、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF,呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中に光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陽極としてのITO膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりITO膜表面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚500[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。そして最後に、真空蒸着法により光導電性有機半導体層上にAu薄膜(膜厚200[nm])を陰極として形成し、実施例1の有機薄膜受光素子を得た。
〔実施例2〕
実施例2では、実施例1の有機薄膜受光素子をクライオスタット内にセットし、真空度10−3[Torr],温度80[℃],印加電場10[V/cm]で2時間保持した。その後、クライオスタット内に液体窒素を導入して有機薄膜受光素子を急冷し、電場の印加を停止することにより分極処理を行い、実施例2の有機薄膜受光素子を得た。
〔実施例3〕
実施例3では、ペリレン顔料の代わりにオキサジアゾール顔料(高純度化学製、平均粒径32[nm])を40[wet%]混合した以外は実施例2と同じ処理を行うことにより実施例3の有機薄膜受光素子を得た。
〔実施例4〕
実施例4では、始めに、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF,呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中に光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陰極としてのAu薄膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりAu薄膜面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚500[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。そして最後に、スパッタ法により光導電性有機半導体層上にITO薄膜(膜厚200[nm])を陽極として形成し、実施例4の有機薄膜受光素子を得た。
〔実施例5〕
実施例5では、始めに、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF,呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中に光導電性有機半導体としてオキサジアゾール顔料(高純度化学製、平均粒径32[nm])を40[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陰極としてのAu薄膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりAu薄膜面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚500[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。次に、スパッタ法により光導電性有機半導体層上にITO薄膜(膜厚200[nm])を陽極として形成した。次に、有機薄膜受光素子をクライオスタット内にセットし、真空度10−3[Torr],温度80[℃],印加電場10[V/cm]で2時間保持した。その後、クライオスタットに液体窒素を導入して有機薄膜受光素子を急冷し、電場の印加を停止することにより分極処理を行い、実施例5の有機薄膜受光素子を得た。
〔実施例6〕
実施例6では、始めに、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF,呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中に、光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%],無機強誘電性材料としてBaTiO微粒子を10[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陽極としてのITO膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりITO膜表面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚700[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。次に、真空蒸着法により光導電性有機半導体層上にAu薄膜(膜厚200[nm])を陰極として形成した。次に、有機薄膜受光素子をクライオスタット内にセットし、真空度10−3[Torr],温度80[℃],印加電場10[V/cm]で2時間保持した。その後、クライオスタットに液体窒素を導入して有機薄膜受光素子を急冷し、電場の印加を停止することにより、分極処理をおこない、実施例6の有機薄膜受光素子を得た。
〔比較例1〕
比較例1では、始めに、ポリカーボネート(三菱化学製)と溶媒キシレンとからなる溶液中に光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陽極としてのITO膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりITO膜表面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚500[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。そして最後に、真空蒸着法により光導電性有機半導体層上にAu薄膜(膜厚200[nm])を陰極として形成し、比較例1の有機薄膜受光素子を得た。
〔比較例2〕
比較例2では、始めに、ポリカーボネート(三菱化学製)と溶媒キシレンとからなる溶液中に光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陰極としてのAu薄膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりAu薄膜面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚500[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。そして最後に、スパッタ法により光導電性有機半導体層上にITO薄膜(膜厚200[nm])を陽極として形成し、比較例2の有機薄膜受光素子を得た。
〔比較例3〕
比較例3では、始めに、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF,呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中に、光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%],無機強誘電性材料としてBaTiO微粒子を10[wet%]混合することにより分散液を調製した。次に、陽極としてのITO膜(膜厚100[nm])付きの石英ガラスを用意し、スピンコート法によりITO膜表面上に分散液を塗布,乾燥させて膜厚700[nm]の光導電性有機半導体層を形成した。そして最後に、光導電性有機半導体層上にAu薄膜(膜厚200[nm])を陰極として真空蒸着法により形成し、比較例3の有機薄膜受光素子を得た。
〔内部電場の測定〕
上記実施例1〜6及び比較例1〜3の有機薄膜受光素子それぞれについて、暗状態での陽極と陰極間の開放端電圧Vocを測定し、測定された開放端電圧Vocから内部電場Eiを算出した。算出結果を以下の表1に示す。
〔光誘起電流の測定〕
上記実施例1〜6及び比較例1〜3の有機薄膜受光素子それぞれに外部電場10[V/cm〕を印加し、光透過性を有する電極側から単色光(波長λ:670[nm])を照射した際の光誘起電流Jを測定した。測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2008103670
〔検討〕
表1から明らかなように、実施例1〜6の有機薄膜受光素子における開放端電圧Voc及び光誘起電流Jは、比較例1〜3の有機薄膜受光素子における開放端電圧Voc及び光誘起電流Jと比較して大きい値を示す。また、実施例1〜6の有機薄膜受光素子における内部電場は、比較例1〜3の有機薄膜受光素子における内部電場と比較して大きい値を示す。このことから、外部から電圧が印加されていない状態においても電場を発生する内部電場発生体を光導電性有機半導体層内部に含有させることにより、微弱光を低電圧で検出できることが知見される。
〔有機薄膜受発光素子の構成〕
次に、上記知見に基づき想到された、本発明の実施形態となる有機薄膜受発光素子の構成について説明する。
本発明の実施形態となる有機薄膜受発光素子10は、図13に示すように、上記有機薄膜受光素子1と、有機薄膜発光素子11と、有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子12とが被検体14との対向面側に配置された樹脂フィルム等のフレキシブル基板12とを備える。図13に示す例では、フレキシブル基板12の同一面内に有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子11を配置したが、フレキシブル基板12が光透過性を有するものである場合、図14に示すように有機薄膜受光素子1を反対面内に配置するようにしてもよい。図13,図14に示す例では、有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子11を一組として例示したが、特にこれに限定されることはなく、1つの有機薄膜受光素子1と複数の有機薄膜発光素子11の組み合わせでもよいし、逆に複数の有機薄膜受光素子1と1つの有機薄膜発光素子11の組み合わせでもよい。
このような有機薄膜受発光素子10によれば、血液中のヘモグロビンの吸光度変化や人体から放出されるバイオフォトン(生物発光)と言った微弱光を検出する生体情報検出装置、より具体的には脈拍センサー等を実現できる。特に有機薄膜受発光素子10を曲面形状を有するステアリングの表皮に配置することにより、ドライバーの素手からの微弱光を低電圧、且つ、高精度に検出できる脈拍センサーを実現できる。
この有機薄膜受発光素子10を製造する際は、始めに、ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリイミド(PI)等のフレキシブル基板12の一方又は両方の表面に第1の電極層を形成し、その上に有機薄膜発光素子11であれば有機発光層を、有機薄膜受光素子1であれば光導電性有機半導体層を形成する。そして形成された両層の表面上に第2の電極層を形成した後、防湿と保護を兼ねた樹脂組成物を印刷等でコートしたり、カバーレイフィルムで貼り付けることにより有機薄膜受発光素子10を製造することができる。
有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子12共に湿度や酸素による劣化を防止するため、一連の製造工程は不活性ガス中で実施することが好ましい。有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子12を印刷プロセスにより形成する場合には、有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子12を大面積で形成できるので、低コスト化が可能である。また有機薄膜受光素子1と有機薄膜発光素子12はフレキシブル素子であるので、曲面形状体や複雑な3次元形状体へも配置することができる。
[実施例]
以下、本発明に係る有機薄膜受発光素子を実施例に基づいて具体的に説明する。
〔実施例7〕
実施例7では、始めに、陽極としての透明電極ITO(膜厚100[nm])付きの厚さ250[μm]のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材として用意した。そして以下に示す方法により有機薄膜受光素子と有機薄膜発光素子を形成することにより、実施例7の有機薄膜受発光素子を得た。
(1)有機薄膜受光素子
始めに、陽極表面上に特定波長吸収層として銅フタロシアニン(CuPc)薄膜を真空蒸着法で5[nm]厚に形成した。次に、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF、呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中に光導電性有機半導体としてペリレン顔料(高純度化学製,平均粒径20[nm])を20[wet%]混合した分散液を特定波長吸収層表面上にスピンコート法により塗布・乾燥させて膜厚500[nm]の光導電性有機半導体層4を形成した。そして、光導電性有機半導体層4上に真空蒸着法により陰極としてAu薄膜(膜厚200[nm])を形成することにより有機薄膜受光素子を形成した。
(2)有機薄膜発光素子
始めに、陽極表面上に、ポリフェニレンビニレン(PPV)をスピンコート法で100nm厚に形成した。そして陰極としてAg/Mg薄膜を真空蒸着法により形成することにより有機薄膜発光素子を形成した。
〔実施例8〕
実施例8では、特定波長吸収層として厚さ5[nm]の無金属フタロシアニン(HPc)薄膜を形成した以外は実施例7と同じ処理を行うことにより、実施例8の有機薄膜受発光素子を得た。
〔実施例9〕
実施例9では、特定波長吸収層として厚さ3[nm]のニッケルフタロシアニン(NiPc)薄膜を形成した点とペリレンの含有量を30[wet%]とした点以外は実施例7と同じ処理を行うことにより、実施例9の有機薄膜受発光素子を得た。
〔実施例10〕
実施例10では、特定波長吸収層として厚さ8[nm]のナフタロシアニン(CuPc)薄膜を形成した以外は実施例7と同じ処理を行うことにより、実施例10の有機薄膜受発光素子を得た。
〔実施例11〕
実施例11では、特定波長吸収層として厚さ6[nm]のナフタロシアニン(CuPc)薄膜を形成した点とペリレンの含有量を15[wet%]とした点以外は実施例7と同じ処理を行うことにより、実施例11の有機薄膜受発光素子を得た。
〔比較例4〕
比較例4では、特定波長吸収層を形成しなかった以外は実施例7と同じ処理を行うことにより、比較例4の有機薄膜受発光素子を得た。
〔比較例5〕
比較例5では、強誘電性高分子樹脂ポリフッ化ビニリデン(PVDF、呉羽製)と溶媒テトラヒドロフラン(THF)とからなる溶液中にオキサジアゾール顔料(高純度化学製、平均粒径32[nm])を15[wet%]混合した以外は比較例4と同じ処理を行うことにより、比較例5の有機薄膜受発光素子を得た。
〔評価〕
実施例7〜11及び比較例1,2の有機薄膜受発光素子それぞれについて、(1)有機薄膜発光素子から出射される光のスペクトルピーク波長、(2)有機薄膜受光素子の最大受光感度スペクトルピーク波長、(3)有機薄膜発光素子から発光輝度1000[cd/m]で被験体(アルミニウム板)へ出射された際の有機薄膜受光素子における光誘起電流(特定波長吸収層が設けられていない時の光誘起電流を1.0として)を計測した。なお、光誘起電流は、有機薄膜受光素子に外部電場を10[V/cm]印加した状態で光透過性を有する基材側から照射することにより評価した。評価結果を以下の表2に示す。
Figure 2008103670
〔検討〕
表2から明らかなように、実施例7〜11の有機薄膜受光素子における光誘起電流Jは、比較例4,5の有機薄膜受光素子における光誘起電流Jと比較して大きい値を示す。このことから、光が入射される側の電極と光導電性有機半導体層の界面に特定波長吸収層を設け、さらには特定波長吸収層の層厚を制御することにより、特定波長の光のみを受光し、さらには光誘起電流を増倍可能であるということが知見される。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。このように、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
光導電性有機半導体層内部の電場を説明するための模式図である。 内部電場が存在する場合と存在しない場合それぞれの場合について、陽極と陰極間に電圧が印加された際に発生する外部電場と微弱光の入射により発現する光誘起電流の関係を測定した結果を示す。 本発明の実施形態となる有機薄膜受光素子の構成を示す断面図である。 図3に示す光導電性有機半導体層の内部構成を示す模式図である。 図3に示す有機薄膜受光素子の応用例の構成を示す断面図である。 図4に示す光導電性有機半導体層の応用例の内部構成を示す模式図である。 図3に示す有機薄膜受光素子の応用例の構成を示す断面図である。 発光素子から出射される発光スペクトルの一例を示す波形図である。 フタロシアニン系の有機分子の分子構造を示す図である。 銅フタロシアニン薄膜の吸収スペクトルを示す波形図である。 無金属フタロシアン薄膜の吸収スペクトルを示す波形図である。 銅フタロシアニン薄膜の厚さの変化に伴う光誘起電流の変化を示す図である。 本発明の実施形態となる有機薄膜受発光素子の構成を示す模式図である。 図13に示す有機薄膜受発光素子の応用例の構成を示す模式図である。
符号の説明
1:有機薄膜受光素子
2:基板
3:陽極
4:光導電性有機半導体層
4a:光導電性有機半導体
4b:強誘電性高分子樹脂材料
5:陰極
6:直流電源
7:特定波長吸収層

Claims (19)

  1. 陽極と陰極により挟持された光導電性有機半導体層を備え、陽極と陰極の少なくとも一方が紫外線、可視光線、及び近赤外線のうちのいずれかの光に対し透過性を有し、陽極と陰極間に電圧を印加した状態で前記いずれかの光が照射されるのに応じて前記光導電性有機半導体層において光誘起電流を発生する有機薄膜受光素子であって、前記光導電性有機半導体層が陽極と陰極間に電圧が印加されていない状態において電場を発生する内部電場発生体を含有することを特徴とする有機薄膜受光素子。
  2. 請求項1に記載の有機薄膜受光素子において、光が照射される側に位置する前記陽極又は前記陰極と前記光導電性有機半導体層の界面に特定波長の光を吸収する吸収層を備えることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  3. 請求項2に記載の有機薄膜受光素子において、前記光吸収層がπ共役系有機分子を含むことを特徴とする有機薄膜受光素子。
  4. 請求項3に記載の有機薄膜受光素子において、前記π共役系有機分子はフタロシアニン系及びナフタロシアニン系からなる群の中から選択される少なくとも一種の有機分子であることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  5. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子において、前記内部電場発生体が強誘電性高分子材料により形成されていることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  6. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子において、前記内部電場発生体が強誘電性高分子材料と強誘電性無機材料により形成されていることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の有機薄膜受光素子において、前記強誘電性高分子材料及び/又は前記強誘電性無機材料の電気双極子が分極処理により電極面に対し垂直に向くように調製されていることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  8. 請求項5乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子において、前記強誘電性高分子材料はポリフッ化ビニリデン若しくはポリフッ化ビニリデン共重合体、又はこれらの複合体であることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  9. 請求項5乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子において、前記光導電性有機半導体層は強誘電性高分子材料を光導電性有機半導体材料に分散させることにより形成されたものであることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  10. 請求項6乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子において、前記強誘電性無機材料はペロブスカイト型の結晶構造を有する材料であることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子において、前記光導電性有機半導体層はオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、シロール誘導体、ペリリン誘導体、ナフタレン誘導体、及びフラーレン誘導体からなる誘導体群の中から選択された一つの誘導体又は選択された一つの誘導体を含む混合物であることを特徴とする有機薄膜受光素子。
  12. 請求項1乃至請求項11のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子の製造方法であって、基板上に第1の電極層を形成する工程と、湿式成形法により第1の電極層上に光導電性有機半導体層を形成する工程と、光導電性有機半導体層上に第2の電極層を形成する工程とを有することを特徴とする有機薄膜受光素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載の有機薄膜受光素子の製造方法であって、第1の電極層上に特定波長の光を吸収する吸収層を形成する工程を有し、前記光導電性有機半導体層を吸収層上に形成することを特徴とする有機薄膜受光素子の製造方法。
  14. 請求項1乃至請求項11のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子と、紫外線、可視光線、及び近赤外線のうちのいずれかの光を発光する有機薄膜発光素子と、有機薄膜受光素子と有機薄膜発光素子が配置されるフレキシブル基板とを備え、前記有機薄膜発光素子は被験体に光を照射し、前記有機薄膜受光素子は被験体からの反射光を受光することを特徴とする有機薄膜受発光素子。
  15. 請求項14に記載の有機薄膜受発光素子において、前記有機薄膜発光素子は、前記吸収層が光を吸収する波長領域外の波長領域にピーク位置を有するスペクトル光を発光することを特徴とする有機薄膜受発光素子。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の有機薄膜受発光素子において、前記有機薄膜発光素子は、第1及び第2の電極により挟持された有機発光層を備える有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする有機薄膜受発光素子。
  17. 請求項16に記載の有機薄膜受発光素子の製造方法であって、前記フレキシブル基板上に少なくとも2つの電極を形成する工程と、前記電極上に前記光導電性有機半導体層と前記有機発光層を形成する工程と、光導電性有機半導体層と有機発光層の表面上に電極を形成する工程とを有することを特徴とする有機薄膜受発光素子の製造方法。
  18. 請求項1乃至請求項11のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受光素子を利用して人体の皮膚から脈拍を検出することを特徴とする脈拍センサ。
  19. 請求項14乃至請求項16のうち、いずれか1項に記載の有機薄膜受発光素子を利用して人体の皮膚から脈拍を検出することを特徴とする脈拍センサ。
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