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JP2008096516A - カラーフィルター、および、カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

カラーフィルター、および、カラーフィルターの製造方法 Download PDF

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JP2008096516A JP2006275388A JP2006275388A JP2008096516A JP 2008096516 A JP2008096516 A JP 2008096516A JP 2006275388 A JP2006275388 A JP 2006275388A JP 2006275388 A JP2006275388 A JP 2006275388A JP 2008096516 A JP2008096516 A JP 2008096516A
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JP2006275388A
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Shigeki Hatori
茂喜 羽鳥
Masato Idegami
正人 井手上
Kenya Miyoshi
建也 三好
Takashi Sawada
高志 澤田
Nobuyuki Omokawa
信之 面川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、インクジェット法により高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能なカラーフィルター、および、その製造方法を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基材、および、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板と、上記開口部内に形成された着色層と、上記着色層および上記遮光部を覆うように形成され、下記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層と、上記撥液層上であり、かつ、上記遮光部上にインクジェット法によって形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするカラーフィルターを提供することにより上記課題を解決するものである。
SiX(4−n) (I)
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルター、および、その製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶表示装置の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶表示装置の市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶表示装置は大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
一般的な液晶表示装置は、カラーフィルターと液晶駆動側基板とを対向させ、両者の間に液晶化合物を封入することによって薄い液晶層を形成し、液晶駆動側基板により液晶層内の液晶配列を電気的に制御してカラーフィルターの透過光または反射光の量を選択的に変化させることによって表示を行うものである。
このような液晶表示装置には、スタティック駆動方式、単純マトリックス方式、アクティブマトリックス方式など種々の駆動方式があるが、近年、パーソナルコンピューターや携帯情報端末などのフラットディスプレーとして、アクティブマトリックス方式又は単純マトリックス方式の液晶パネルを用いたカラー液晶表示装置が急速に普及してきている。
ところで、このような液晶表示装置においては、色ムラやコントラストムラといった表示ムラを防止し、均一な表示、高速応答性、高コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能をカラー液晶表示装置に付与するために、上記液晶層の厚みに相当するセルギャップを一定に、かつ、均一に維持する必要がある。
このようなセルギャップを維持する方法としては、例えば、上記液晶層中にスペーサーとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子のビーズをランダムに多数散在させる方法が知られている。このような方法は、位置を問わず上記液晶層中にビーズをランダムに散在させることにより上記セルギャップを維持できるため、液晶表示装置の製造工程を簡略できるという利点を有することから、現在、広く用いられるに至っている。しかしながら、このような方法により上記セルギャップを維持した場合、カラーフィルターの全面にビーズが散布されることになるため、画像表示に寄与する領域にもビーズが散布されてしまうという欠点がある。このため、上記スペーサーが無色透明な場合、遮光状態では輝点となり、また上記スペーサーが黒色の場合、透過状態で黒点となってしまうという問題があった。
このような問題に対し、特許文献1にはインクジェット法を用いてビーズを含有するスペーサー部形成用塗工液を所望の位置に塗布することにより、ビーズを含有するスペーサー部を形成する方法が開示されている。このようなインクジェット法は、予め決められた位置にビーズを塗布することができる点において有用である。しかしながら、一般的に、このようなインクジェット法でスペーサーを形成すると、スペーサー部形成用塗工液が濡れ拡がり、上記ビーズが形成される位置を高精度で制御することができないという問題点があった。
このようなことから、上記インクジェット法では表示品質に優れたカラーフィルターを得ることが困難であるという問題点があった。
特開2001-83524号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、インクジェット法により高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能なカラーフィルター、および、その製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材、および、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板と、上記開口部内に形成された着色層と、上記着色層上に形成され、下記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層と、上記撥液層上であり、かつ、上記遮光部上にインクジェット法によって形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするカラーフィルターを提供する。
SiX(4−n) (I)
上記式(I)において、Yは疎水性を示す置換基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは1〜3までの整数を示す。
本発明のカラーフィルターは、上記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層を有することにより、インクジェット法によって上記撥液層に上記スペーサー部を形成する際に、塗工液が濡れ拡がること等によって形成位置の精度が低下することを防止することができる。
このため、本発明によればインクジェット法により高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能なカラーフィルターを得ることができる。
また、本発明においては上記撥液層が上記式(I)で表されるシラン化合物からなることにより、上記撥液層の表面を親液化することが容易になる。このため、例えば、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する際に、上記撥液層上に撥液層に対する密着性に優れた配向層を形成することが容易になるという利点も有する。
本発明においては、上記式(I)におけるYが、フッ素を含有しない疎水性の置換基であることが好ましい。上記Yがこのような置換基であることにより撥液性のコントロールが容易になるからである。
また本発明においては、上記式(I)におけるYが、アルキル基であることが好ましい。アルキル基は優れた疎水性を示すことから、上記Yとしてアルキル基が用いられていることにより、インクジェット法によって上記撥液層に上記スペーサー部を形成する際に、形成位置の精度が低下することをさらに防止することができるからである。
本発明においては、上記撥液層と上記着色層との間に透明電極層が形成されていてもよい。
なお、本発明においては、上記撥液層が上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであるため、上記透明電極層が上記撥液層と上記着色層との間に形成される場合であっても、上記撥液層の存在によって上記透明電極層の性能が損なわれることはない。
また本発明においては、上記撥液層と上記着色層との間にオーバーコート層が形成されていてもよい。このようなオーバーコート層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルター作製する際に、上記着色層上に、平面性に優れた撥液層を形成することが容易になるからである。
さらに、本発明においては、上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面が親液性を示すことが好ましい。これにより、例えば、上記撥液層上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層を形成した場合に、撥液層と配向層との密着性を向上することができるからである。
また、上記課題を解決するために本発明は、基材、および、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に着色層を形成する着色層形成工程と、上記着色層形成工程によって形成された着色層上に下記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層を形成する撥液層形成工程と、上記撥液層上であり、かつ、上記遮光部上に、インクジェット法によってビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部を形成するスペーサー部形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
SiX(4−n) (I)
上記式(I)において、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは1〜3までの整数を示す。
本発明によれば、上記撥液層形成工程によって形成される撥液層が、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであることにより、上記スペーサー部形成工程において上記撥液層上にスペーサー部を形成する際に、塗工液が濡れ拡がることによってスペーサー部の形成位置の精度が低下することを防止することができる。
このため、本発明によればインクジェット法により高い位置精度でスペーサー部が形成されたカラーフィルターを製造することができる。
本発明においては、上記式(I)におけるYが、フッ素を含有しない疎水性の置換基であることが好ましい。上記Yがこのような置換基であることにより撥液性のコントロールが容易になるからである。
また本発明においては、上記式(I)におけるYが、アルキル基であることが好ましい。アルキル基は優れた疎水性を示すことから、上記Yとしてアルキル基が用いられていることにより、上記スペーサー部形成工程において上記撥液層に上記スペーサー部を形成する際に、塗工液が濡れ拡がることによって形成位置の精度が低下することをさらに防止することができるからである。
さらに本発明のカラーフィルターの製造方法は、上記スペーサー部形成工程後に実施され、上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面を親液化する親液化工程を有することが好ましい。このような親液化工程を有することにより、本発明によって製造されるカラーフィルターは上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面が親液性を示すものになるため、例えば、上記撥液層上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層を形成した場合に、撥液層と配向層との密着性を向上することができるという利点を有するからである。
本発明は、インクジェット法により高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能なカラーフィルターを得ることができるという効果を奏する。
上述したように、本発明はカラーフィルター、および、その製造方法に関するものである。
以下、本発明のカラーフィルター、および、カラーフィルターの製造方法について順に説明する。
A.カラーフィルター
まず、本発明のカラーフィルターについて説明する。本発明のカラーフィルターは、基材、および、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板と、上記開口部内に形成された着色層と、上記着色層上に形成され、上記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層と、上記撥液層上であり、かつ、上記遮光部上にインクジェット法によって形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルターについて図を参照しながら説明する。図1は本発明のカラーフィルターの一例を示す概略図である。図1に例示するように本発明のカラーフィルター10は、基材1a、および、上記基材1a上に形成され、開口部を備える遮光部1bを有するカラーフィルター用基板1と、上記遮光部1bが備える上記開口部内に形成された着色層2と、上記着色層2および上記遮光部1bを覆うように形成された撥液層3と、上記撥液層3であり、かつ、上記遮光部1b上に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部4と、を有するものである。また、上記撥液層3上に形成されたスペーサー部4は、インクジェット法により形成されたものである。
このような例において、本発明のカラーフィルター10は、上記撥液層3が上記式(I)で表されるシラン化合物からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記撥液層が上記式(I)で表されるシラン化合物からなることにより、インクジェット法によって上記撥液層に上記スペーサー部を形成する際に、形成位置の精度が低下することを防止することができる。このため、本発明によればインクジェット法により高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能なカラーフィルターを得ることができる。
ここで、上記撥液層が上記式(I)で表されるシラン化合物からなることにより、インクジェット法によって上記撥液層に上記スペーサー部を形成する際に、形成位置の精度が低下することを防止できるのは、次のような理由に基づくものと考えられる。
まず、第1に上記撥液層が上記シラン化合物からなることにより、上記撥液層の表面を、上記スペーサー部を形成する際に用いられるスペーサー部形成用塗工液に対する撥液性を備えるものにすることができる。このため、上記スペーサー部形成用塗工液が上記撥液層の表面に滴下された際に、これが濡れ拡がることを抑制することができるからである。
第2に、上述したように上記撥液層の表面を、上記スペーサー部を形成する際に用いられるスペーサー部形成用塗工液に対する撥液性を備えるものにすることができることにより、上記撥液層の表面に滴下されたスペーサー部形成用塗工液を乾燥させる過程において、その液滴の径を小径化させることができるからである。
また、上記式(I)で表されるシラン化合物は、上記Yで表される疎水性を示す置換基を有することから、通常は撥液性を示すが、活性放射線等を照射することによって上記疎水性を示す官能基を離脱させ、水酸基に置換すると、全体として親液性を示すようになるという性質を有する。このような性質を利用することにより、上記スペーサー部を形成した後、上記撥液層の表面を親液化すること可能になるため、例えば、上記撥液層上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層を形成する際に、上記撥液層の表面を親液化することによって、形成される配向層を上記撥液層との密着性に優れたものにできるという利点も有する。
本発明のカラーフィルターは、少なくともカラーフィルター用基板、着色層、撥液層、および、スペーサー部を有するものである。
以下、本発明のカラーフィルターに用いられる各構成について詳細に説明する。
1.撥液層
まず、本発明に用いられる撥液層について説明する。本発明に用いられる撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものである。本発明のカラーフィルターは、このようなシラン化合物からなる撥液層を有することにより、インクジェット法によって高い位置精度でスペーサー部を形成することが可能になるのである。
以下、このような撥液層について詳細に説明する。
本発明に用いられる撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであるが、ここで、本発明における「シラン化合物からなる」とは、上記式(I)で表されるシラン化合物単体からなる態様と、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなる態様とを含むものとする。
本発明に用いられる撥液層としては、上記式(I)で表されるシラン化合物単体からなる態様と、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなる態様とのいずれの態様であっても好適に用いることができるが、なかでも後者の態様であることが好ましい。本発明に用いられる撥液層が、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなることにより、上記撥液層上にインクジェット法によってスペーサー部を形成することが容易になるからである。
なお、本発明に用いられる撥液層として、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなるものを用いる場合、上記加水分解縮合物としては、上記シラン化合物が加水分解縮合してなるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明に用いられる上記加水分解縮合物は、単一のシラン化合物が加水分解縮合してなる単加水分解縮合物であってもよく、または、2種類以上のシラン化合物が共加水分解縮合してなる共加水分解縮合物であってもよい。
本発明に用いられる上記シラン化合物としては特に限定されるものではなく、上記式(I)を満たすものの中から、上記撥液層に所望の撥液性を付与できるものを任意に選択して用いることができる。このようなシラン化合物としては、例えば、上記Yがアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基であるものを挙げることができる。なかでも本発明に用いられるシラン化合物は、上記式(I)中のYが、フッ素を含有しない疎水性の置換基であるものであることが好ましい。その理由は次の通りである。
すなわち、本発明のカラーフィルターは液晶表示装置に好適に用いられるものであるところ、上記撥液層にフッ素が含まれると撥液層の表面張力が極端に小さくなるため、目的とする撥液性が低い場合に、撥液性を目的の範囲にコントロールすることが困難になることが懸念される。この点、上記シラン化合物として、上記Yがフッ素を含有しない疎水性の置換基であるシラン化合物を用いることにより、上記撥液層にフッ素が含有されなくなるため、このような問題がなくなるからである。
なお、本発明における上記「撥液性」とは、本発明のカラーフィルターを製造する際に、インクジェット法によって上記撥液層上に吐出されるスペーサー部形成用塗工液に対する撥液性を意味する。
上記式(I)で表されるシラン化合物であって、上記Yがフッ素を含有しない疎水性の置換基であるシラン化合物としては、例えば、上記Yが、アルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基である化合物等を挙げることができる。本発明においてはこのような置換基を有するシラン化合物のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも上記Yがアルキル基であるシラン化合物を用いることが好ましい。アルキル基は優れた疎水性を示すことから、上記Yとしてアルキル基を有するシラン化合物を用いることにより、インクジェット法によって上記撥液層に上記スペーサー部を形成する際に、塗工液が濡れ拡がることによって形成位置の精度が低下することをさらに防止することができるからである。
ここで、本発明における上記「アルキル基」には、飽和炭化水素鎖のみならず、二重結合または三重結合を含む不飽和炭化水素鎖も含むものとする。
上記アルキル基としては、本発明に用いられる撥液層の表面に所望の撥液性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。したがって、本発明における上記アルキル基としては、飽和炭化水素鎖からなるものであってもよく、または、不溶和炭化水素鎖からなるものであってもよい。また、上記アルキル基は直鎖状のものであってもよく、または、分岐鎖状のものであってもよい。なかでも本発明においては上記アルキル基として飽和炭化水素鎖からなるものを用いることが好ましい。
また、上記飽和炭化水素鎖を構成する炭素数については、本発明に用いられる撥液層の表面に所望の撥液性を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記炭素数が1〜18の範囲内であることが好ましく、特に2〜14の範囲内であることが好ましく、さらに3〜10の範囲内であることが好ましい。
なお、上記式(I)におけるXはアルコキシル基またはハロゲンを示すものであるが、上記アルコキシル基の例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を挙げることができる。
本発明に用いられるシラン化合物の具体例としては、例えば、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン;エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン;n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン;n−ヘキシルトリクロルシラン、n−へキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−へキシルトリイソプロポキシシラン、n−へキシルトリt−ブトキシシラン;n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン;n−オクタデシルトリクロルシラン、n−オクタデシルトリブロムシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、n−オクタデシルトリイソプロポキシシラン、n−オクタデシルトリt−ブトキシシラン;フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラン;テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン;ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン;ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン;フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン;トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブトキシヒドロシラン;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン;トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン;γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン;β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン;および、これらの部分加水分解物;および、これらの混合物を挙げることができる。
本発明においては、上記シラン化合物のなかでもアルキルアルコキシシランを好適に用いることができる。
また、本発明に用いられるシラン化合物は、1種類のみであってもよく、または、2種類以上であってもよい。
さらに、本発明に用いられる撥液層には上記シラン化合物あるいは上記シラン化合物の加水分解縮合物以外の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、本発明に用いられる撥液層に所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて任意の添加剤を用いることができる。
なお、本発明に用いられる撥液層の厚みとしては、平滑な表面を得られる範囲内であれば特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて適宜決定すればよいが、通常、5nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、なかでも15nm〜60nmの範囲内であることが好ましい。
2.スペーサー部
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。本発明に用いられるスペーサー部は、上記撥液層上であり、かつ、後述するカラーフィルター用基板が備える遮光部上にインクジェット法により形成されたものである。また、本発明に用いられるスペーサー部は、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する際に、セルギャップを所望の範囲内に調整する機能を有するものである。
以下、このようなスペーサー部について詳細に説明する。
まず、上記スペーサー部に用いられるビーズについて説明する。上記スペーサー部に用いられるビーズとしては、所望の強度を有する材料からなり、本発明に用いられるスペーサー部の高さを所定の範囲にできる程度の大きさを有するものであれば特に限定されるものではない。このようなビーズとしては、例えば、ガラス、シリカ、金属酸化物(MgO、Al)などの無機化合物の多孔質体や非多孔質体、中空体等からなるものや、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル、ナイロン、シリコーン樹脂などのプラスチック類からなるもの等、一般的なカラーフィルター用のビーズを用いることができる。
また、本発明に用いられるビーズは、スペーサー部中に含有される樹脂との接着性を良好なものとするため、表面処理が施されたものであってもよい。
本発明に用いられるビーズの形状についても、スペーサー部を所望の高さに形成できる形状であれば特に限定されるものではない。このような形状としては、例えば、棒状、または、球状等の一般的なカラーフィルター用のビーズと同様の形状を挙げることができる。なかでも本発明に用いられるビーズは球状の形状を有することが好ましい。球状のビーズを用いることにより、上記ビーズが隔壁部内に配置される方向によって、スペーサー部の高さが変化することがないため、高さが均一な複数のスペーサー部を形成することが容易になるからである。
本発明に用いられるビーズとして球状のビーズを用いる場合、その直径としては所望の高さのスペーサー部を形成できる範囲であれば特に限定されないが、通常、1.0μm〜8.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも2.5μm〜5.5μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に用いられるスペーサー部は、大きさが異なる複数のビーズが用いられたものであってもよい。大きさが異なる複数のビーズが用いられる態様としては、各スペーサー部に大きさの異なる複数のビーズが含有されている態様であってもよく、または、それぞれ大きさの異なるビーズを含有するスペーサー部が複数用いられた態様であってもよい。
さらに本発明に用いられる各スペーサー部に含有されるビーズの数は、通常、1個〜25個の範囲内であることが好ましく、なかでも3個〜15個の範囲内であることが好ましく、さらには5個〜10個の範囲内であることが好ましい。
次に、本発明におけるスペーサー部に用いられる樹脂について説明する。上記樹脂としては、上記ビーズを固定することが可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、硬化性樹脂が好ましく用いられる。このような硬化性樹脂としては、例えば、光を照射することにより硬化する光硬化性樹脂、加熱することにより硬化する熱硬化性樹脂を挙げることができる。本発明に用いられる樹脂の具体例としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
本発明に用いられる樹脂は、1種類のみであってもよく、または、複数の樹脂が混合されて用いられていてもよい。
さらに本発明に用いられるスペーサー部における樹脂の含有量としては、上記ビーズを所望の強度で固定できる範囲内であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記スペーサー部の固形分中に75質量%〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも85質量%〜90質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、上記ビーズを強固に固定することができ、例えば、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する際に、ビーズが脱着してしまうことを防止できるからである。
本発明に用いられるスペーサー部の高さは、本発明のカラーフィルターが用いられる液晶表示装置の表示方式等に応じて所定の規格に合致するように適宜決定されるが、通常、1.0μm〜8μmの範囲内であることが好ましく、さらには2μm〜6μmの範囲内であることが好ましい。
なお、本発明に用いられるスペーサー部は、透明なものであってもよく、また着色されているものであってもよい。
3.カラーフィルター用基板
次に、本発明に用いられるカラーフィルター用基板について説明する。本発明に用いられるカラーフィルター用基板は、基材と、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するものである。
以下、このようなカラーフィルター用基板について詳細に説明する。
(1)遮光部
まず、上記遮光部について説明する。本発明に用いられる遮光部は後述する基材上に形成され、開口部を有するものである。
本発明に用いられる上記遮光部としては、通常、同一の形状を有する開口部が等間隔で規則的に形成されたものが用いられる。ここで、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて任意に決定することができる。
このような上記遮光部としては、所望の遮光性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、遮光材料および樹脂から構成されるもの、または、金属材料からなるものが用いられる。
上記遮光部が遮光材料および樹脂から構成されるものである場合、上記遮光材料としては、一般的にカラーフィルターに用いられる樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような遮光材料としては、例えば、カーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等を挙げることができる。
また、上記樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。
一方、上記遮光部が金属材料からなるものである場合、上記金属材料としては、所望の遮光性を有する金属であれば特に限定されないが、一般的にはクロム材料が用いられる。
また、上記遮光部には撥液性を有する撥液性材料が含有されてもいてもよい。このような撥液性材料が含有されることにより、上記遮光部に撥液性を付与することができるため、例えば、上記遮光部の開口部内に着色層を形成する際に、混色が生じることを防止できる等の利点を有するからである。
(2)基材
次に、上記基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、上記遮光部を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来、カラーフィルターに用いられているもの等を用いることができる。このような基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基材、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基材等を挙げることができる。なかでも本発明において無機基材を用いることが好ましく、無機材料のなかでもガラス基材を用いることが好ましい。さらには、上記ガラス基材のなかでも無アルカリタイプのガラス基材を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基材は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、本発明のカラーフィルターをアクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用に好適に用いられるものにできるからである。
上記基材は、透明な基材であってもよく、または、反射性の基材や白色に着色したものであってもよいが、本発明においては通常透明なものが用いられる。
また、上記基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施されたものであってもよい。このような表面処理としては例えば表面を親液性とするために、酸素ガスを導入ガスとしてプラズマ等を照射する処理を挙げることができる。
4.着色層
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、上記カラーフィルター用基板の遮光部が備える開口部内に形成されるものである。また、本発明に用いられる着色層は、本発明のカラーフィルターに所定の色を発現する機能を付与するものである。
本発明に用いられる着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および、青(B)の3色で形成される。また上記着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
なお、本発明に用いられる着色層の具体的態様については、一般的なカラーフィルターに用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
5.その他の構成
本発明のカラーフィルターは、少なくとも上記カラーフィルター用基板、着色層、撥液層、および、スペーサー部を有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであってもよい。このような他の構成としては、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて、所望の機能を有する構成を用いることができる。なかでも本発明に好適に用いられる上記他の構成としては、上記撥液層と上記着色層との間に形成される透明電極層、および、オーバーコート層を挙げることができる。
以下、このような透明電極層およびオーバーコート層について順に説明する。
(1)透明電極層
まず、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層は、上記撥液層と上記着色層との間に形成されるものである。このような透明電極層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を製造する工程を簡略化することができるという利点を有する。また、このような透明電極層が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターをIPS方式以外の液晶表示装置に好適に用いられるものにできる。
本発明のカラーフィルターが上記透明電極層を有する場合について図を参照しながら説明する。図2は本発明のカラーフィルターが上記透明電極層を有する場合の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明のカラーフィルター10’は、上記撥液層3と上記着色層2との間に、透明電極層5が形成されているものであってもよい。
本発明に用いられる透明電極層としては、透明性および導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、通常、金属酸化物の薄膜が用いられる。このような金属酸化物としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫等が挙げることができる。
なお、上述したように本発明に用いられる撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであるが、このようなシラン化合物は、上記透明電極層に用いられる金属酸化物と良好な密着性を示すものである。したがって、本発明のカラーフィルターは、上記透明電極層が形成されている場合に、上記透明電極層と上記撥液層との密着性に優れるという利点を有する。
また、上記透明電極層が形成されている場合、当該透明電極層上に上記撥液層が形成されることになる。したがって、通常であれば、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作成した場合に、上記撥液層の存在によって上記透明電極層の電極としての機能が十分に発揮されなくなることが懸念される。しかしながら、本発明に用いられる撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるため、通常、多孔質状になるものである。このため、上記撥液層中には微細な孔が多数存在し、上記透明電極層が上記撥液層によって完全に遮蔽されてしまうことを防止できる。
このようなことから、本発明においては、上記透明電極層上に上記撥液層が形成される場合であっても、上記撥液層の存在によって上記透明電極層の電極としての機能が十分に発揮されなくなることを防止できる。
(2)オーバーコート層
次に、本発明に用いられるオーバーコート層について説明する。本発明に用いられるオーバーコート層は、上記撥液層と上記着色層との間に形成されるものである。本発明に用いられるオーバーコート層は、上記着色層が形成されたカラーフィルター用基板の表面を平坦化し、上記着色層上に、平面性に優れた撥液層を形成することを容易にする機能を有するものである。また、上記オーバーコート層は、上記着色層の劣化を防止するという機能も有するものである。
本発明のカラーフィルターが上記オーバーコート層を有する場合について図を参照しながら説明する。図3は本発明のカラーフィルターが上記オーバーコート層を有する場合の一例を示す概略図である。図3に例示するように本発明のカラーフィルター10’’は、上記撥液層3と上記着色層2との間に、オーバーコート層6が形成されていてもよいものである。
また、図3に例示するように、本発明のカラーフィルター10’’がオーバーコート層6と透明電極層5とを併有する場合は、通常、上記着色層2上に、オーバーコート層6、透明電極層5、および、撥液層3がこの順で積層されることになる。
本発明に用いられるオーバーコート層としては、可視光に対して透過性を有する樹脂を含有し、上記着色層と上記遮光部との間の段差等を平坦化することが可能な層であれば特に限定されるものではない。このようなオーバーコート層としては、一般的なカラーフィルターに用いられるオーバーコート層と同様とすることができる。具体的には、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等からなる層が挙げられる。
6.その他
本発明のカラーフィルターは、上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面が親液性を示すことが好ましい。これにより、例えば、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製するに当たって、上記撥液層上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層を形成した場合に、上記撥液層と上記配向層との密着性を向上することができるからである。
ここで、本発明における、「親液性を示す」とは、純水に対する接触角が60°以下であることを意味するものとする。
上述したように本発明のカラーフィルターは、上記撥液層が上記式(I)で表されるシラン化合物からなることにより撥液層を撥液性に優れたものにできるという利点を有するものであるが、それのみではなく、容易に表面を親液化できるという利点を有するものである。
これは、上記式(I)で表されるシラン化合物は、活性放射線等により上記式(I)中のYで表される置換基が分解し、水酸基となるという性質を有することに基づくものである。
このように、本発明に用いられる撥液層は、表面の性質を撥液性から親液性に容易に転じることができるため、上記スペーサー部を形成する際には高い形成位置精度を発現でき、本発明のカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する際には、表面の性質を親液性に転ずることにより、密着性に優れた配向層等を形成できるという利点を有するものである。
なお、上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面が親液性を示す場合、親液性を示す表面部位を構成するシラン化合物は、上記式(I)における置換基Yが離脱し、水酸基に置換されているのが通常である。
したがって、このような場合において上記撥液層が上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであることは、上記スペーサー部の下部に存在する撥液層の構成材料を分析することにより確認することができる。
7.カラーフィルターの製造方法
本発明のカラーフィルターを製造する方法としては、上記構成を有するカラーフィルターを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、後述する「B.カラーフィルターの製造方法」の項において説明する方法を用いることができる。
B.カラーフィルターの製造方法
次に、本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルターの製造方法は、基材、および、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に着色層を形成する着色層形成工程と、上記着色層形成工程によって形成された着色層上に上記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層を形成する撥液層形成工程と、上記撥液層上であり、かつ、上記遮光部上に、インクジェット法によってビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部を形成するスペーサー部形成工程とを有することを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルターの製造方法について図を参照しながら説明する。図4は本発明のカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。図4に例示するように、本発明のカラーフィルターの製造方法は、基材1aおよび上記基材1a上に形成され、開口部を備える遮光部1bを有するカラーフィルター用基板1を用い(図4(a))、上記カラーフィルター用基板1が備える遮光部1bの開口部内に着色層2を形成する着色層形成工程と(図4(b))、上記着色層形成工程によって形成された着色層2、および、上記遮光部1bを覆うように撥液層3を形成する撥液層形成工程と(図4(c))、上記撥液層3上であり、かつ、上記遮光部1b上に、インクジェット法によってビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部4を形成するスペーサー部形成工程(図4(d))と、を有するものである。
このような例において、本発明のカラーフィルターの製造方法は、上記撥液層形成工程において形成される撥液層3が、上記式(I)で表されるシラン化合物からなることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記撥液層形成工程によって形成される撥液層が、上記式(I)で表されるシラン化合物からなることにより、上記スペーサー部形成工程において、上記撥液層上にスペーサー部を形成する際に、塗工液が濡れ拡がることによってスペーサー部の形成位置の精度が低下することを防止することができる。
このため、本発明によればインクジェット法により高い位置精度でスペーサー部が形成されたカラーフィルターを製造することができる。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、少なくとも上記着色層形成工程と、上記撥液層形成工程と、上記スペーサー部形成工程とを有するものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.撥液層形成工程
まず、本発明に用いられる撥液層形成工程について説明する。本工程は、後述する着色層形成工程によって形成される着色層上に、上記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層を形成する工程である。本発明においては、本工程によって形成される撥液層が上記シラン化合物からなることにより、後述するスペーサー部形成工程において、インクジェット法により高い位置精度でスペーサー部を形成することができるのである。
以下、このような撥液層形成工程について詳細に説明する。
本工程において形成される撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであるが、このような撥液層の態様としては、上記式(I)で表されるシラン化合物単体からなる態様であってもよく、またな、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなる態様であってもよい。なかでも本工程において形成される撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなる態様であることが好ましい。本工程において、このような態様の撥液層を形成することにより、後述するスペーサー部形成工程において、上記撥液層上にスペーサー部を形成することが容易になるからである。
本工程において上記シラン化合物の加水分解縮合物からなる撥液層を形成する方法としては、上記式(I)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物からなり、所望の撥液性を備える撥液層を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。なかでも本発明においては、上記シラン化合物が溶媒に溶解された撥液層形成用塗工液を用い、上記着色層上にこれを塗工した後、これを焼成して上記シラン化合物を加水分解縮合することによって撥液層を形成する方法が好適に用いられる。
このような方法において、上記撥液層形成用塗工液を上記着色層上に塗布する方法としては、所望の厚みで均一な塗膜を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布法等を挙げることができる。
また、上記撥液層形成用塗工液の塗膜の乾燥方法は、例えば、加熱乾燥方法、減圧乾燥方法、ギャップ乾燥方法等、一般的に用いられる乾燥方法を用いることができる。また、本工程に用いられるにおける乾燥方法は、単一の方法に限られず、例えば塗膜中に残留する溶媒量に応じて順次乾燥方式を変化させる等の態様により、複数の乾燥方式を採用してもよい。
また、上記撥液層形成用層を焼成する温度については、上記シラン化合物を加水分解縮合することができる温度であれば特に限定されるものではないが、通常、20℃〜300℃の範囲内とされる。
また、上記撥液層形成用塗工液に用いられる溶媒としては、上記シラン化合物を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されるものではない。このような溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトンなどのケトン類、および、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
また、本工程においてはこれらの溶媒を単体で用いてもよく、あるいは、混合して用いてもよい。
なお、上記撥液層形成用塗工液に用いられるシラン化合物については、上記「A.カラーフィルターの項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
2.スペーサー部形成工程
次に、本発明に用いられるスペーサー部形成工程について説明する。本工程は、上記撥液層形成工程によって形成された撥液層上であり、かつ、後述するカラーフィルター用基板が備える遮光部上に、インクジェット法によってビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部を形成する工程である。本工程においては、上記撥液層上に上記スペーサー部を形成することにより、上記撥液層の撥液性の作用により塗工液が撥液層表面に濡れ拡がることを防止でき、その結果として高い位置精度でスペーサー部を形成することができる。
ここで、上記インクジェット法とは、上記ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部形成用塗工液を、インクジェットヘッドを用いて所定の位置に吐出することによりスペーサー部を形成する方法を意味するものである。
以下、このようなスペーサー部形成工程について説明する。
本工程において、上記スペーサー部を形成するために用いられるスペーサー部形成用塗工液としては、インクジェット法により塗布することが可能なものであって、硬化した後スペーサーとして用いることが可能なものであれば特に限定されるものではない。このようなスペーサー部形成用塗工液としては、通常、上記樹脂およびビーズが、溶媒に溶解または分散されたものが用いられる。
上記溶媒としては、本工程において上記撥液層上にスペーサー部形成用塗工液を吐出した際に、濡れ拡がりを所望の程度に抑制でき、所定の位置にスペーサー部を形成できるものであれば特に限定されるものではない。ここで、上記撥液層形成工程によって形成される撥液層は、上記式(I)で表されるシラン化合物からなり、上記式(I)中のYは疎水性を示す置換基であることから、本工程に用いられる溶媒は親水性を示すものであることが好ましい。このような溶媒の具体例としては、例えば、ジエチレングリコールジアセテート、マロン酸ジメチル、グリコールトリアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられ、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。本発明においては、上記の中でも特に、上記主溶剤としてジエチレングリコールジアセテート、マロン酸ジメチル、グリコールトリアセテートを用いることが好ましい。
なお、上記スペーサー部形成用塗工液に用いられるビーズおよび樹脂については、上記「A.カラーフィルター」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程はインクジェット法によりスペーサー部を形成するものであることから、上記スペーサー部形成用塗工液は、インクジェットヘッドを用いて上記撥液層上に吐出されることになる。ここで、本工程に用いられるインクジェットヘッドとしては、所望量のスペーサー部形成用塗工液を吐出できるものであれば特に限定されるものではない。このようなインクジェットヘッドとしては、例えば、帯電した塗工液を連続的に吐出し、磁場によって吐出量を制御する吐出方式のもの、圧電素子を用いて間欠的に塗工液を吐出する吐出方式のもの、または、塗工液を加熱しその発泡現象を利用して間欠的に吐出する吐出方式のもの等の一般的なインクジェットヘッドを用いることができる。
本工程において、上記撥液層上に吐出されるスペーサー部形成用塗工液の量は、上記スペーサー部形成用塗工液の具体的な組成に応じて、所定の高さのスペーサー部を形成できる範囲で適宜調整される。
なお、本工程においては、通常、上記撥液層上に吐出されたスペーサー部形成用塗工液を乾燥した後、さらに高温で焼成することによってスペーサー部を形成することが好ましい。
3.着色層形成工程
次に、本発明に用いられる着色層形成工程について説明する。本工程は、基材、および、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に着色層を形成する工程である。
本工程において上記開口部内に着色層を形成する方法としては、所望の厚みの着色層を混色無く形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、インクジェット法やフォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
ここで、上記インクジェット法およびフォトリソグラフィー法については、一般的にカラーフィルターの着色層を形成する方法として公知の方法と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、本工程に用いられるカラーフィルター用基板については、上記「A.カラーフィルター」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
4.その他の工程
本発明のカラーフィルターの製造方法は、上記着色層形成工程、上記撥液層形成工程、および、上記スペーサー部形成工程以外に他の工程を有してもよい。このような他の工程としては、本発明により製造されるカラーフィルターに所望の機能を付与できるものであれば特に限定されるものではない。なかでも本発明に好適に用いられる上記他の工程の例としては、上記スペーサー部形成工程後に実施され、上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面を親液化する親液化工程、上記撥液層形成工程前に実施され、上記着色層形成工程によって形成される着色層上に透明電極層を形成する透明電極層形成工程、および、上記撥液層形成工程前に実施され、上記着色層形成工程によって形成される着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程を挙げることができる。
以下、本発明に用いられるこれらの工程について順に説明する。
(1)親液化工程
まず、本発明に用いられる親液化工程について説明する。本工程は上記スペーサー部形成工程後に実施され、上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面を親液化する工程である。このような親液化工程を有することにより、本発明によって製造されるカラーフィルターは上記撥液層の上記スペーサー部が形成されていない表面が親液性を示すものになる。このため、例えば、本発明により製造されるカラーフィルターを用いて液晶表示装置を作製する工程において、上記撥液層上に液晶材料に対して配向規制力を有する配向層を形成する場合に、撥液層と配向層との密着性を向上することができるという利点を有する。
ここで、本工程における「親液化」とは、上記撥液層の表面に親液性を付与すること意味するものである。なお、本発明における「親液性」については上記「A.カラーフィルター」の項において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本工程において、上記撥液層を親液化する方法としては、上記撥液層の表面に所望に親液性を付与できる方法であれば特に限定されるものではない。ここで、本発明においては、上記撥液層形成工程により形成される撥液層が、上記式(I)で表されるシラン化合物からなるものであるため、上記式(I)中のYで表される官能基を分解除去し、水酸基に置換することで親液性を付与することができる。したがって、本発明に用いられる親液化方法としては、上記式(I)中のYで表される官能基を分解除去し、水酸基に置換できる方法を用いることが好ましい。このような方法としては、例えば、上記撥液層に波長が100nm〜600nmの電磁波を照射する方法等を挙げることができる。このような方法によれば非接触で連続的に、上記撥液層の表面を親液化できるからである。
(2)透明電極層形成工程
次に、本発明に用いられる透明電極層形成工程について説明する。本工程は上記撥液層形成工程前に実施され、上記着色層形成工程によって形成される着色層上に透明電極層を形成する工程である。
本工程において、透明電極層を形成する方法としては、所望の材料からなる透明電極層を均一な膜厚で形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、CVD法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の、一般的に液晶表示装置に用いられる透明電極を形成する際に用いられる方法として公知の方法を用いることができる。
(3)オーバーコート層形成工程
次に、本発明に用いられるオーバーコート層形成工程について説明する。本工程は、上記撥液層形成工程前に実施され、上記着色層形成工程によって形成される着色層上にオーバーコート層を形成する工程である。
本工程において上記オーバーコート層を形成する方法については、一般的に液晶表示装置用のカラーフィルターに用いられるオーバーコート層を形成する際に用いられる方法と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
1.実施例1
(着色層形成工程)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成された幅65μmの遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内に着色層を形成した。
(撥液層形成工程)
上記カラーフィルター用基板の遮光部と、上記着色層とを覆うように、以下の組成の撥液層形成用塗工液Aをスピンナーで塗布した後、120℃で2分間乾燥した。次いで、このカラーフィルター用基板を180℃で10分間加熱することにより膜厚0.04μmの撥液層を形成した。基板を冷却後、形成された撥液層の表面の純水に対する接触角を測ると76°であった。
<撥液層形成用塗工液A>
以下の材料を24時間常温にて攪拌した後、PGMEAで1質量%に希釈した。
・n−ヘキシルトリメトキシシラン(LS−3130 信越化学工業(株)製)
17.0質量%
・テトラメトキシシラン(TSL8114 GE東芝シリコーン(株)製)
56.3質量%
・5mM塩酸 26.7質量%
(スペーサー部形成工程)
上記65μm幅の遮光部領域上の撥液層上に以下の組成を有するビーズ含有スペーサー部形成用塗工液をインクジェットを用いて100μmおきに1滴(15pl)ずつ塗布し、ホットプレートで60℃、10分乾燥させ、その後オーブンにて230℃、30分熱した。
<ビーズ含有スペーサー部形成用塗工液>
・熱硬化型樹脂(アクリル樹脂(主成分グリシジルメタクリレート)) 5.0質量%
・希釈溶剤(ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合液) 94.0質量%
・ビーズ(ミクロパール 積水化学社製:平均粒径3.5μm) 1.0質量%
2.実施例2
撥液層形成用塗工液Aを以下の組成の撥液層形成用塗工液Bに換えたこと以外は、実施例1と同様の方法でカラーフィルターを作製した。
<撥液層形成用塗工液Bの準備>
以下の材料を24時間常温にて攪拌した後、PGMEAで1質量%に希釈した。
・n−デシルトリメトキシシラン(LS−5258 信越化学工業(株)製)
56.3質量%
・テトラメトキシシラン(TSL8114 GE東芝シリコーン(株)製)
17.0質量%
・5mM塩酸 26.7質量%
3.比較例1
実施例1で用意したガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成された幅65μmの遮光部と、上記遮光層により区画された開口部に形成された着色層とを有するカラーフィルタ用基板の遮光部上に、実施例1と同様にビーズ含有スペーサー部形成用塗工液を用いてスペーサー部を形成した。
4.実施例3
実施例1で作製したカラーフィルターの撥液層の表面に真空紫外光を60秒間照射することにより、上記撥液層の表面を親液化した。この撥液層上の接触角を純水で測ると12°であった。
次いで、上記親液化された撥液層上に、JSR(株)製配向膜形成用塗工液(商品名 AL-1254)をスピンコートし、90℃で3分間乾燥したのち、230℃で30分間加熱した。これにより、上記撥液層上に膜厚が0.06μmの均一な配向膜を形成することができた。
5.評価
上記実施例および比較例において作製したカラーフィルターについて、撥液層の撥液性、および、スペーサー部の形状等を評価した。その結果を、表1に示す。
Figure 2008096516
実施例1および2ではスペーサー部の樹脂径が遮光層の幅より十分に小さくなり、高い位置精度でスペーサー部を形成することができた。一方、比較例では撥液層が形成されていないために、ビーズ含有スペーサー部形成用塗工液が濡れ広がり、スペーサー部の樹脂径が遮光層上から上記遮光層により区画された開口部上まではみ出すことにより、輝点不良となる原因となった。
本発明のカラーフィルターの一例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの他の例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの他の例を示す概略図である。 本発明のカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。概略図である。
符号の説明
1 … カラーフィルター用基板
1a … 基材
1b … 遮光部
2 … 着色層
3 … 撥液層
4 … スペーサー部
5 … 透明電極層
6 … オーバーコート層
10,10’,10’’ … カラーフィルター

Claims (10)

  1. 基材、および、前記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板と、前記開口部内に形成された着色層と、前記着色層上に形成され、下記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層と、前記撥液層上であり、かつ、前記遮光部上にインクジェット法によって形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とする、カラーフィルター。
    SiX(4−n) (I)
    (ここで、Yは疎水性を示す置換基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは1〜3までの整数である。)
  2. 前記式(I)におけるYが、フッ素を含有しない疎水性の置換基であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター。
  3. 前記式(I)におけるYが、アルキル基であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のカラーフィルター。
  4. 前記撥液層と前記着色層との間に透明電極層が形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルター。
  5. 前記撥液層と前記着色層との間にオーバーコート層が形成されていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルター。
  6. 前記撥液層の前記スペーサー部が形成されていない表面が親液性を示すことを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルター。
  7. 基材、および、前記基材上に形成され、開口部を備える遮光部を有するカラーフィルター用基板を用い、前記開口部内に着色層を形成する着色層形成工程と、
    前記着色層形成工程によって形成された着色層上に下記式(I)で表されるシラン化合物からなる撥液層を形成する撥液層形成工程と、
    前記撥液層上であり、かつ、前記遮光部上に、インクジェット法によってビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部を形成するスペーサー部形成工程と、を有することを特徴とする、カラーフィルターの製造方法。
    SiX(4−n) (I)
    (ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基またはエポキシ基を示し、Xはアルコキシル基またはハロゲンを示す。nは1〜3までの整数である。)
  8. 前記式(I)におけるYが、フッ素を含有しない疎水性の置換基であることを特徴とする、請求項7に記載のカラーフィルターの製造方法。
  9. 前記式(I)におけるYが、アルキル基であることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載のカラーフィルターの製造方法。
  10. 前記スペーサー部形成工程後に実施され、前記撥液層の前記スペーサー部が形成されていない表面を親液化する親液化工程を有することを特徴とする、請求項7から請求項9までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
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