[go: up one dir, main page]

JP2008090118A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体 Download PDF

Info

Publication number
JP2008090118A
JP2008090118A JP2006272680A JP2006272680A JP2008090118A JP 2008090118 A JP2008090118 A JP 2008090118A JP 2006272680 A JP2006272680 A JP 2006272680A JP 2006272680 A JP2006272680 A JP 2006272680A JP 2008090118 A JP2008090118 A JP 2008090118A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin
protective layer
electrophotographic
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006272680A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Fujita
俊行 藤田
Hirofumi Hayata
裕文 早田
Masahiko Kurachi
雅彦 倉地
Kunihiro Ogura
都宏 小倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2006272680A priority Critical patent/JP2008090118A/ja
Publication of JP2008090118A publication Critical patent/JP2008090118A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】保護層の膜強度が十分で、電気特性が良好であり、且つ画像流れ、黒ポチのない電子写真感光体を提供すること。
【解決手段】導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体において、該保護層が少なくとも重合開始剤、ウレタンアクリレートオリゴマー及び疎水化度が40%以上の金属酸化物より硬化して形成されることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
従来、電子写真感光体に用いられていた熱可塑性樹脂は、高温高湿環境において十分な転写性が得られなかったり、電子写真感光体に傷が入りハーフトーンなど中間調画像にムラが生じたりすることが多かった。この課題に対する解決策として保護層を設置した電子写真感光体による改善が試みられ、電子写真感光体の表面硬度を上げるために架橋反応による高強度化の検討が行われていた(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら硬化反応が十分に進まず、架橋反応の起こらない部位で画像流れを生じる問題があった。
この課題に対し、硬化する樹脂としてウレタン化合物を用いることで膜強度の向上及び画像流れの改善が見られてはいるものの電気特性が悪化してしまい、膜強度、画像流れ、電気特性を両立させることは極めて困難であった。更に、電気特性を改善するためにウレタンアクリレートオリゴマーに加えてフィラーを混合させることも検討されているものの(例えば、特許文献2参照。)、ウレタンアクリレートオリゴマーとの分散性が悪く黒ポチが発生するといった問題があった。一方、フィラーとして40%以上疎水化されたアルミナまたは酸化チタンを保護層に用いる技術(例えば、特許文献3参照。)が知られているが、これによって膜強度までの改良がなされたものではない。
特開平8−179541号公報 特開2005−338222号公報 特開2004−138919号公報
本発明の目的は、保護層の膜強度が十分で、電気特性が良好であり、且つ画像流れ、黒ポチのない電子写真感光体を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体において、該保護層が少なくとも重合開始剤、ウレタンアクリレートオリゴマー及び疎水化度が40%以上の金属酸化物より硬化して形成されることを特徴とする電子写真感光体。
2.前記金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
3.前記酸化チタンの粒径が10〜100nmであることを特徴とする前記2に記載の電子写真感光体。
4.前記ウレタンアクリレートオリゴマーの分子量が400〜3500であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
本発明は、導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体において、保護層の硬化にばらつきがなく速やかに硬化でき、且つ電気特性が良好であり、更に黒ポチがなく、画像流れのないハーフトーンを得ることができる電子写真感光体の提供を可能にした。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体(以後、単に感光体ともいう)において、該保護層が少なくとも重合開始剤、ウレタンアクリレートオリゴマー及び疎水化度が40%以上の金属酸化物より硬化して形成されることを特徴とする。
本発明者は、十分な転写性を得、耐傷性、電気特性、画像流れ、黒ポチを両立するために、ウレタンアクリレートオリゴマーと疎水化処理された金属酸化物を組み合わせることを見出した。ウレタンアクリレートオリゴマーは分子量が大きく、硬化させる際に同一分子内の官能基が互いに立体障害を受けないため反応が容易に進行し、硬化膜の強度を向上させること、また未反応残基が少ないため画像流れに対して有利であると考えられる。しかし、硬化時に湿度の影響を受けたり、誘電率がウレタン以外のモノマーよりも低いことから電気特性は不利になる。このため電気特性を改善するには、金属酸化物の添加が有利であると考えられる。
金属酸化物としては、疎水化処理された酸化チタンが特に効果的である。酸化チタンは、導電性粒子であるため硬化膜中の電荷の流れを向上させ、保護層の電気特性を向上させることができると考えられる。更に、高温高湿下において画像流れの原因と考えられている空気中の水分に対して疎水処理された酸化チタンは画像流れを向上させることができる。従って、ウレタンアクリレートオリゴマーと疎水化された金属酸化物を組み合わせ、感光体保護層を形成させることで膜強度を向上させ、且つ電気特性の向上が達成される。更に、硬度、電気特性だけでなく分散性が向上することで、黒ポチの発生を抑えることができ、疎水化処理によって表面への水分の吸着を抑え、中間調画像では画像流れのないハーフトーンを与えることが可能である。
本発明の用いられる酸化チタンの平均一次粒径は10〜100nmの範囲であり、粒径が小さい場合は耐摩耗性が十分でなく、また粒径が大きい場合には書き込み光を散乱させるため好ましくない。
本発明においては、疎水化処理された金属酸化物の疎水化度は40〜80%である。
疎水化度が40%未満のものを用いると、保護層中でバインダーと金属酸化物との接着性が不十分となって所望の耐摩耗性が得られず、またトナー外添剤のフィルミング抑制効果も十分に発揮されないことが確認された。また、疎水化度は大きくても構わず上限はないが、80%以下であれば保護層内での無機微粒子の保持性が良好に保たれ、且つ感光体の静電特性に影響しないので好ましい。
疎水化度を40〜80%に調整するには、厳密には金属酸化物の表面積に基づいて処理剤の添加量を決定することによって行われる。該表面積は、例えば、BET比表面積で表され、表面を被覆可能な量で処理を行えばよい。
具体的な疎水化の処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤を挙げることができ、各々乾式処理方法、湿式処理方法により適宜添加量を調整して表面処理することが可能である。
本発明に用いられるウレタンアクリレートオリゴマーの例として、アクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマーが挙げられる。アクリロイルオキシ基を有するウレタンオリゴマーは、例えば、ポリイソシアネートにアクリロイルオキシ基を有するポリオールを反応させることで得られる。ポリイソシアネート材料及びポリオール材料としては一般的なものが使用可能であるが、感光体の表面層に含有されるために経時で着色しないものが好ましい。ポリイソシアネート材料の一例を例示化合物A〜Cに、ポリオール材料の一例を例示化合物D〜Fに示すがこれらに限定されるわけではない。
Figure 2008090118
また、アクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、酸基を有する化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、メタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を2個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。また、塗膜の表面平滑性の観点から塗工液の粘度が高くない方が好ましく、ラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマー自身の70℃における粘度が50000mPa・s以下のもの、より望ましくは30000mPa・s以下のものが有効に使用できる。
ラジカル重合性官能基を有するウレタンアクリレートオリゴマーとしては、以下のものが挙げられるが、これらの化合物に限定されるものではない。
U−4HA(新中村化学製):アクリル官能基数4、粘度20000/25℃(mPa・s/℃)
U−6HA(新中村化学製):アクリル官能基数6、粘度40000/50℃(mPa・s/℃)
U−15HA(新中村化学製):アクリル官能基数15、粘度45000/40℃(mPa・s/℃)
KAYARAD DPHA−40H(日本化薬製):アクリル官能基数2、粘度40000±10000/25℃(mPa・s/℃)
KAYARAD UX−8101(日本化薬製):アクリル官能基数2、粘度20000±10000/70℃(mPa・s/℃)。
本発明の用いられるウレタンアクリレートオリゴマーの分子量は400〜3500であり、更に好ましくは500〜1500である。
また、耐摩耗性、表面平滑性及び電気特性等の電子写真特性のバランスからラジカル重合性官能基を有するウレタンアクリレートオリゴマーの成分割合は、保護層に含まれる全固形分に対し10〜80質量%、更に好ましくは20〜70質量%である。
重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。
また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し0.5〜40質量部、好ましくは1〜20質量部である。
本発明に用いる保護層において、各種の滑剤粒子を加えることができる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層中のフッ素原子含有樹脂粒子の割合は好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜60質量%の範囲である。樹脂の分子量や粒子の粒径は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
本発明においては、前記保護層中に耐候性を向上させる目的で酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。
重合開始剤が分解可能な任意の光を照射して、硬化して形成する。保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
本発明の電子写真感光体の感光層の構成は、同一層中に電荷発生物質と電荷輸送物質双方を含有する単層型、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に積層した積層型のいずれかである。導電層と感光層の中間にはバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。同感光層上に本発明に係る保護層を設けることで本発明の目的は達成される。
これらの中間層、感光層、保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などを用いることができる。
以下に積層型の感光体について説明する。
積層型の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層したものと、逆に電荷輸送層及び電荷発生層の順に積層したものがある。
(導電性支持体)
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
(中間層)
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ下引層を設けることもできる。下引層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。下引層の膜厚は好ましくは0.1〜15μmである。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
(電荷発生層)
電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を単独、もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。バインダー樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂などが望ましい。
バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。このような樹脂分散形態の電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、主として電荷輸送物質と本発明に用いるバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料とを塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物などが挙げられる。
これらは0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ、塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。また、これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
また、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中、ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし抑制する性質を有する物質である。
電荷輸送層の膜厚は好ましくは5〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、本発明を実施例によって詳しく説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
実施例1
〔電子写真感光体1の作製〕
(導電性支持体)
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、十点表面粗さRz=1.5(μm)、直径60mm、長さ362mmの導電性支持体を用意した。
(中間層)
ポリアミド樹脂(アミランCM−8000:東レ社製) 60g
メタノール 1600ml
1−ブタノール 400ml
上記成分を混合溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布液を直径60mm、上記導電性支持体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
チタニルフタロシアニン 60g
シリコーン樹脂溶液(KR5240、15質量%キシレン−ブタノール溶液:信越化学社製) 700g
2−ブタノン 2000ml
上記成分を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。チタニルフタロシアニンのCu−Kα特性X線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角2θの最大ピークが27.2°に認められた。
(電荷輸送層)
電荷輸送物質:4−メトキシ−4′−(4−メチル−α−フェニルスチリル)トリフェニルアミン 200g
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)
300g
酸化防止剤(サノールLS2626:三共社製) 1.7g
THF 2000ml
上記成分を混合溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
(保護層)
金属酸化物は以下の条件で処理したものを用いた。
ヘキサメチルジシラザン4.0gをアルコール/水(10/1)溶媒100gに溶解した溶液に、酸化チタン(一次粒径40nm)100gを混合し、メディア分散する。該メディア分散を一昼夜行った後、酸化チタンをメディア分散液から取り出し、2時間乾燥させ、ヘキサメチルジシラザンで表面処理された酸化チタン(疎水化度:85%)を得た。
ウレタンアクリレートオリゴマー:E4858(ダイセルサイテック社製)
5g
重合開始剤:Irgacure379(チバスペシャリティケミカルズ社製)
0.25g
金属酸化物:酸化チタン(ヘキサメチルジシラザン処理、数平均一次粒径40nm、疎水化度:85%) 4.0g
n−プロパノール 20ml
上記成分を混合溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上にリングコータ法で塗布し、Xenon社製パルス紫外線照射装置RC−500Bを用いて、積算光量が10J/cm2になるように保護層を光硬化し、110℃で30分乾燥後、膜厚2μmの電子写真感光体1を作製した。
〔電子写真感光体2〜10の作製〕
電子写真感光体1の作製において、保護層の重合開始剤、ウレタンアクリレートオリゴマー、金属酸化物及びその表面処理剤を表のように変更し、それ以外は同様にして電子写真感光体2〜10を作製した。なお、電子写真感光体9については金属酸化物を用いずに感光体を作製した。
(疎水化度の測定)
金属酸化物0.2gを三角フラスコの水50mlに添加する。メタノールをビュレットから滴定する。この際、フラスコ内の溶液はマグネチックスターラで常時撹拌する。金属酸化物の沈降終了は、全量が液体中に懸濁することによって確認され、疎水化度は沈降終了時点に達した際のメタノール、及び水の液状混合物中のメタノールの百分率として表される。
Figure 2008090118
Irgacure184:チバスペシャリティケミカルズ社製
E5129:ダイセルサイテック社製
E1290K:ダイセルサイテック社製
UV−6300B:日本合成化学社製
UV−7000B:日本合成化学社製。
〔電子写真感光体の評価〕
作製した感光体について、下記のように評価した。
(膜強度)
膜強度の評価は、Fischer Instrumens社製のフィッシャースコープ(登録商標)H100Cにてビッカース圧子(四角錐圧子、角度136°)を設置し、押し込み速度0.4mN/sec、押し込み加重2mN、保持時間5秒、測定環境20℃、65%RHにてユニバーサル硬さ(HU)を測定した。
(画像流れ)
電子写真感光体をセイコーエプソン社製レーザープリンターLP1500C(レーザー露光・反転現像・中間転写ベルト・ブレードクリーニングプロセスを有する4サイクル中間転写システム)を評価が行えるように改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、初期帯電電位を−450Vに設定し、高温、高湿環境(38℃、80%RH)でA4フルカラー画像を80枚焼き出す前後に黒化率7%の文字画像をA4でプリントを行い、下記基準でハーフトーン画像を目視にて評価した。
○:80枚焼き出し後にも画像流れなしで良好
△:80枚焼き出し後に、画像流れ発生
×:80枚焼き出し前に、画像流れ発生。
(露光後の電位)
電気特性の指標として露光後の電位を測定した。評価はジェンテック社製CYNTHIA59を用いて、20℃、65%RHの条件下、暗所でスコロトロン帯電器により感光体を表面電位が−500Vになるように帯電させ、33msec後に強度148μW/cm2の白色露光を行い、感光体表面上の露光後の電位を測定した。
(黒ポチ)
黒ポチの評価は、画像解析装置「オムニコン3000形」(島津製作所社製)を用いて黒ポチの粒径と個数を測定し、黒ポチの粒径と個数を測定し、0.1mm以上の黒ポチが100cm2当たり何個あるかで判定した。黒ポチ評価の判定基準は下記に示す通りである。
◎:0.1mm以上の黒ポチが1個/100cm2以下:良好
○:0.1mm以上の黒ポチが2〜3個/100cm2:実用上問題がないレベル
×:0.1mm以上の黒ポチが4個/100cm2以上:実用上問題あり。
Figure 2008090118
表2より、本発明の電子写真感光体は膜強度は十分であり、しかも比較の電子写真感光体と比較して、電気特性は良好であり、且つ画像流れ、黒ポチの評価も良好であることが分かる。

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体において、該保護層が少なくとも重合開始剤、ウレタンアクリレートオリゴマー及び疎水化度が40%以上の金属酸化物より硬化して形成されることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記金属酸化物が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記酸化チタンの粒径が10〜100nmであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ウレタンアクリレートオリゴマーの分子量が400〜3500であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
JP2006272680A 2006-10-04 2006-10-04 電子写真感光体 Pending JP2008090118A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006272680A JP2008090118A (ja) 2006-10-04 2006-10-04 電子写真感光体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006272680A JP2008090118A (ja) 2006-10-04 2006-10-04 電子写真感光体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008090118A true JP2008090118A (ja) 2008-04-17

Family

ID=39374306

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006272680A Pending JP2008090118A (ja) 2006-10-04 2006-10-04 電子写真感光体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008090118A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086413A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2012008440A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体
JP2012013750A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012128324A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びにそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US8679711B2 (en) 2010-06-28 2014-03-25 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Electrophotographic photoreceptor
US20150185642A1 (en) * 2013-03-15 2015-07-02 Lexmark International, Inc. Overcoat Formulation for Long-Life Electrophotographic Photoconductors and Method for Making the Same
JP2015132640A (ja) * 2014-01-09 2015-07-23 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 有機感光体、電子写真装置、及びプロセスカート
US9594317B2 (en) 2014-01-09 2017-03-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Organic photoreceptor, and electrophotographic cartridge and electrophotographic imaging apparatus including the same
US11003102B2 (en) 2019-03-15 2021-05-11 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic image forming apparatus and process cartridge
JP7500673B2 (ja) 2021-10-08 2024-06-17 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009086413A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2012008440A (ja) * 2010-06-28 2012-01-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真感光体
US8679711B2 (en) 2010-06-28 2014-03-25 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Electrophotographic photoreceptor
JP2012013750A (ja) * 2010-06-29 2012-01-19 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012128324A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びにそれを用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US20150185642A1 (en) * 2013-03-15 2015-07-02 Lexmark International, Inc. Overcoat Formulation for Long-Life Electrophotographic Photoconductors and Method for Making the Same
US20150185640A1 (en) * 2013-03-15 2015-07-02 Lexmark International, Inc. Overcoat Formulation for Long-Life Electrophotographic Photoconductors and Method for Making the Same
US9448497B2 (en) * 2013-03-15 2016-09-20 Lexmark International, Inc. Overcoat formulation for long-life electrophotographic photoconductors and method for making the same
JP2015132640A (ja) * 2014-01-09 2015-07-23 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 有機感光体、電子写真装置、及びプロセスカート
US9594317B2 (en) 2014-01-09 2017-03-14 Samsung Electronics Co., Ltd. Organic photoreceptor, and electrophotographic cartridge and electrophotographic imaging apparatus including the same
US11003102B2 (en) 2019-03-15 2021-05-11 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic image forming apparatus and process cartridge
JP7500673B2 (ja) 2021-10-08 2024-06-17 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008090118A (ja) 電子写真感光体
US20050287452A1 (en) Photoconductor, image forming process, image forming apparatus, and process cartridge
EP1172701B1 (en) Electrophotographic photosensitive member, and process cartridge and electrophotographic apparatus having the electrophotographic photosensitive member
EP2549332A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, image forming method and apparatus, and process cartridge
EP2565715B1 (en) Photoreceptor, coating liquid for forming outermost layer of photoreceptor, and image forming method and apparatus, and process cartridge using the photoreceptor
US9766560B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, image forming apparatus using the same, and image forming method
US10324387B2 (en) Electrophotographic photoreceptor and electrophotographic image forming device
JP4401599B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4745542B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4605126B2 (ja) 電子写真感光体
JP5644562B2 (ja) 有機感光体の製造方法
JP5098537B2 (ja) 電子写真感光体
JP7690951B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
JP4687623B2 (ja) 電子写真感光体
US10234776B2 (en) Electrophotographic photoreceptor
JP4919029B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法
JP5056196B2 (ja) 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP6631267B2 (ja) 電子写真感光体
US20240329550A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge, and image-forming apparatus
US12372889B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge, and image forming apparatus
JP4174384B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
US20240134296A1 (en) Electrophotographic Photoreceptor, Electrophotographic Photoreceptor Cartridge, and Image Forming Apparatus
WO2022210315A1 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ及び画像形成装置
US11181838B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic photoreceptor cartridge and image forming apparatus
JP2013088489A (ja) 電子写真有機感光体の製造方法