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JP2008081960A - 波浪防護構造物 - Google Patents

波浪防護構造物 Download PDF

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JP2008081960A
JP2008081960A JP2006260892A JP2006260892A JP2008081960A JP 2008081960 A JP2008081960 A JP 2008081960A JP 2006260892 A JP2006260892 A JP 2006260892A JP 2006260892 A JP2006260892 A JP 2006260892A JP 2008081960 A JP2008081960 A JP 2008081960A
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JP2006260892A
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Kazumitsu Takanashi
和光 高梨
Masanori Tsuchiya
雅徳 土屋
Kazuo Endo
和雄 遠藤
Munehisa Fujita
宗久 藤田
Yasukatsu Sasaki
康勝 佐々木
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Abstract

【課題】護岸や堤防の耐震補強工事と併せて、当該護岸や堤防の上に新たに波浪防護体を構築することができ、低コストで護岸や堤防の耐震強化と波浪災害対策を行うことができる波浪防護構造物を提供することを目的としている。
【解決手段】護岸A又は堤防の中に下部2aが埋設されて上部2bが護岸A又は堤防の上方に突出する連続壁体2が、間隔をあけて複数並列に設けられ、連続壁体2,2間のうちの少なくとも上部2b,2b間に、硬化材又は改良材からなる中詰材3が中詰めされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、海岸や湾岸、湖岸、河岸等にある護岸又は堤防に築造される波浪防護構造物に関する。
地震が発生すると、地震に遅れて海岸に津波が襲来する場合があり、また、津波が河川を遡上して河岸まで至ることがある。一方、海岸沿いに築造された防浪堤や河岸に築造された河川堤防などの中には、弱い基礎地盤の上に構築されたものがあり、このような防浪堤や河川堤防は、地震時にすべりや沈下を起こし、所定の堤高を保てなくなる場合がある。このように、防浪堤や河川堤防の堤高が低くなったところに津波が襲来すると、津波は防浪堤や河川堤防を容易に乗り越えて後背地に被害を及ぼすことになる。
また、護岸においても上記した防浪堤等の場合と同様であり、地震時に側方流動や基礎地盤の液状化などにより護岸が崩壊することで、津波被害を防ぐことができないおそれがある。
そこで、近年、防浪堤や河川堤防などの堤防を耐震補強する技術が提案されている。例えば、既設の堤防の中に補強用板状体を2列平行に埋設することで、堤防の耐震性能を向上させる技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
一方、締切掘削工事を行う際に構築される土留めの技術分野では、従来から、地盤内に連続壁体を2列平行に設けてこれらの連続壁体間(二重締切り内)の土を薬液注入などで改良する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−321826号公報 特開昭57−155421号公報
しかしながら、上記した従来の堤防の耐震補強技術では、堤防の耐震性能を向上させることができるものの、堤防の高さが足りない場合には、耐震補強の工事とは別に、堤防の頂上に新たに津波対策用の構造物を構築しなければならない。このように、耐震補強工事と津波対策用の構造物の建設とを別々に行うと、全体のコストが高くなるとともに全体の工期が長くなる。
また、上記した土留めの技術は、地盤の耐震性能を向上させるという思想のものではない。仮に、上記した土留めを堤防に構築することで、結果として堤防の耐震性能を向上させることができたとしても、上記した従来の堤防の耐震補強技術と同様に、堤防の高さが足りない場合には、耐震補強の工事とは別に津波対策用の構造物を構築しなければならない。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、護岸や堤防の耐震補強工事と併せて、当該護岸や堤防の上に新たに波浪防護体を構築することができ、低コストで護岸や堤防の耐震強化と波浪災害対策を行うことができる波浪防護構造物を提供することを目的としている。
本発明に係る波浪防護構造物は、護岸又は堤防の中に下部が埋設されて上部が前記護岸又は堤防の上方に突出する連続壁体が、間隔をあけて複数並列に設けられ、該連続壁体間の少なくとも前記上部間には、硬化材又は改良材からなる中詰材が中詰めされていることを特徴としている。
このような特徴により、護岸又は堤防は、その中に埋設された連続壁体の下部により耐震性能が向上する。また、護岸又は堤防の上方に突出した連続壁体の上部とそれらの間に中詰めされた硬化材又は改良材からなる中詰材とからなる部分が、新たな波浪防護体となる。
また、本発明は、前記複数の連続壁体が連結部材で連結されていることを特徴とする波浪防護構造物であってもよい。
これにより、複数の連続壁体の間隔が一定に保持される。
また、本発明は、前記複数の連続壁体のうちの少なくとも1つの連続壁体が、他の連続壁体よりも上端が低くなっていることを特徴とする波浪防護構造物であってもよい。
これにより、波浪を防護するのに必要な高さを確保しつつ、少なくとも1つの連続壁体の高さ寸法を小さくすることができる。よって、全ての連続壁体を同じ高さに設定した場合と比較して経済的になる。波浪を防護するためには、所望の高さが確保されていることを要するが、波浪を受ける部分のうち上側の部分に作用する圧力は通常小さいため、上側の部分の構造を軽量化しても十分に波浪を防護することができる。
さらに、本発明は、前記中詰材は、前記連続壁体間の前記下部間のうちの少なくとも一部にも中詰めされていることを特徴とする波浪防護構造物であってもよい。
これにより、下部間に中詰めされた中詰材によって、護岸や堤防の耐震性能が向上する。
本発明に係る波浪防護構造物によれば、護岸や堤防の耐震補強工事と併せて、当該護岸や堤防の上に新たに波浪防護体を構築することができるため、低コストで護岸や堤防の耐震強化と波浪災害対策を行うことができる。
以下、本発明に係る波浪防護構造物の第1から第4の実施の形態について、図面に基いて説明する。なお、本発明でいう「波浪」とは、地震により発生する地震津波の他に、高潮(風津波、暴風津波)や山津波(土石流)、さらには河川の増水(洪水)も含むものとする。
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態における波浪防護構造物1について説明する。
図1は第1の実施の形態における波浪防護構造物1の断面図であり、図2は第1の実施の形態における波浪防護構造物1の平面図である。
図1、図2に示すように、波浪防護構造物1は、海岸や湾岸、湖岸、河岸等にある既設の護岸Aに設けられる構造物である。波浪防護構造物1の概略構成は、間隔をあけて並列に2列設けられた連続壁体2,2と、2列の連続壁体2,2間に中詰めされた中詰材3と、2列の連続壁体2,2を連結するタイロッド4(連結部材)と、が備えられた構成からなる。
連続壁体2は、例えば鋼矢板等の複数の矢板10…を連結して構成される壁体である。この連続壁体2は、略鉛直に立設されており、その下部2aが護岸Aの中に埋設され、その上部2bが護岸Aの上方に突出されている。連続壁体2の下端は、水底B(例えば海底や河底等)よりも深い位置まで達しており、連続壁体2の上端は、予想される災害時の波浪Xの高さ(例えば、津波高さ)よりも高くなっている。また、連続壁体2は、護岸Aの延在方向に沿って延在されており、2列の連続壁体2,2は、所定の間隔をあけて平行に配置されている。
中詰材3は、連続壁体2,2の上部2b,2b間にのみ中詰めされており、具体的には、連続壁体2,2間にある護岸Aの地表面から連続壁体2,2の上端位置までの範囲に中詰めされている。この中詰材3としては、公知の改良材や硬化材を用いることができる。例えば、コンクリートやモルタル等のセメント系硬化材やその他の硬化材を中詰材3として用いてもよい。或いは、盛土材にセメント等の硬化材を混合して改良した改良土(改良材)を中詰材3として用いてもよい。また、連続壁体2,2間に盛土を中詰めした後に薬液注入して改良して中詰材3としてもよい。さらに、砂利や砕石などの改良材を中詰材3として用いてもよい。
タイロッド4は、連続壁体2の延在方向に直交する方向に延在する棒状の鋼材であって、一方の連続壁体2、中詰材3及び他方の連続壁体2を貫通して設けられている。連続壁体2,2の外側面から突出したタイロッド4の両端部は、定着具5,5により定着されている。具体的には、H型鋼などの鋼材からなる腹起し材6…が、連続壁体2,2の外側面に沿って水平に配置されている。この腹起し材6…は、各連続壁体2,2の外側面にそれぞれ上下2段に配置されている。そして、タイロッド4は、上下2段の腹起し材6,6の間を通るようにして設けられており、定着具5,5は、上下2段の腹起し材6,6の間に架け渡されるようにして配置され、それらの腹起し材6,6に定着されている。なお、タイロッド4…は、連続壁体2の延在方向に所定間隔をあけて複数設けられている。
次に、上記した構成からなる波浪防護構造物1の施工方法について説明する。
まず、既設の護岸Aの地表面に複数の矢板10…を護岸Aの延在方向(図1での紙面直交方向)に沿って並列に2列打設し、2重の連続壁体2,2を構築する。矢板10…を打設する方法は、公知の方法を採用することができ、例えば、ハンマ(油圧ハンマ等)による打撃打込み工法や、バイブロハンマによる振動打込み工法や、オーガ機によるオーガ併用圧入工法や、油圧圧入機による圧入工法等を採用することができる。また、このとき、矢板10…の下端が所定深さまで達するとともに、矢板10…の上端が所定の高さで止まるように打設し、連設された複数の矢板10…の上端を揃える。
次に、2列の連続壁体2,2をタイロッド4により連結した後、2列の連続壁体2,2間に中詰材3を充填する。具体的には、連続壁体2,2の外側面に図示せぬブラケット(受け材)を溶接し、このブラケットに腹起し材6…を載せて腹起し材6…を配置する。続いて、2列の連続壁体2,2にタイロッド4を貫通させて、タイロッド4の両端に定着具5,5をそれぞれ取り付け、これらの定着具5,5を腹起し材6…にそれぞれ定着させる。その後、2列の連続壁体2,2間に中詰材3を充填する。
上記した構成からなる波浪防護構造物1によれば、既設の護岸Aは、その中に埋設された連続壁体2,2の下部2a,2aにより耐震性能が向上する。また、護岸Aの上方に突出した連続壁体2,2の上部2b,2bとそれらの間に中詰めされた中詰材3(硬化材又は改良材等)とからなる部分が、新たな波浪防護体20となる。このように、既設の護岸Aの耐震補強工事と併せて、当該護岸Aの上に波浪防護体20を新設することができ、低コストで護岸Aの耐震強化と波浪災害対策を行うことができる。
また、上記した構成からなる波浪防護構造物1によれば、2列の連続壁体2,2がタイロッド4で連結されているため、2列の連続壁体2,2の上部2b,2bが開く(互いに離れる方向に動く)ことが防止されて、2列の連続壁体2,2の間隔が一定に保持される。これにより、高品質の波浪防護構造物1を提供することができる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態における波浪防護構造物100について説明する。なお、上記した第1の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図3は第2の実施の形態における波浪防護構造物100の断面図である。
図3に示すように、波浪防護構造物100を構成する2列の連続壁体102,102は、第1の実施の形態と同様に、図2に示す矢板10…を連結してなる構成からなり、その下部102aが護岸Aの中に埋設され、その上部102bが護岸Aの上方に突出されている。また、連続壁体102は、第1の実施の形態と同様に、護岸Aの延在方向に沿って延在されており、2列の連続壁体102,102は、所定の間隔をあけて平行に配置されている。
2列の連続壁体102,102の下端は、水底Bよりも深い位置までそれぞれ達している。一方、2列の連続壁体102,102の上端は、波浪Hが押し寄せてくる岸壁側(図3における左側)にある一方の連続壁体102Aと内陸側(図3における右側)にある他方の連続壁体102Bとでその高さ位置が異なっている。具体的には、2列の連続壁体102,102のうち、岸壁側にある一方の連続壁体102Aの上端は、予想される災害時の波浪Xの高さよりも高くなっているが、内陸側にある他方の連続壁体102Bの上端は、予想される災害時の波浪Xの高さよりも低くなっている。つまり、内陸側にある他方の連続壁体102Bは、岸壁側にある一方の連続壁体102Aよりも上端が低くなっている。
2列の連続壁体102,102の間には、第1の実施の形態における中詰材3と同様の中詰材103が中詰めされている。この中詰材103は、連続壁体102,102の上部102b,102b間だけでなく、下部102a,102a間にも中詰めされている。具体的には、中詰材103は、護岸A内の所定深さ位置(例えば、水底Bよりも深い位置)から低い方の連続壁体(他方の連続壁体102B)の上端位置までの範囲に中詰めされている。
なお、この中詰材103は、連続壁体102,102の上部102b,102b間に中詰めされる中詰材103と、下部102a,102a間に中詰めされる中詰材103とが異なるものであってもよい。例えば、連続壁体102,102の上部102b,102b間においては、セメント系硬化材やその他の硬化材、或いは、盛土材にセメント等の硬化材を混合して改良した改良土(改良材)、或いは、砂利や砕石などの改良材等からなる中詰材103を連続壁体102,102間に充填する。一方、下部102a,102a間においては、下部102a,102a間にある護岸Aの地盤を薬液注入等で地盤改良することで連続壁体102,102間に中詰材103を形成する。これにより、上部102b,102b間と下部102a,102a間とで、種類の異なる中詰材103が中詰めされる。
また、上記した中詰材103の中詰め範囲は上記した範囲だけでなく、例えば、下部102a,102a間の上層部分だけに中詰めしてもよく、或いは、下部102a,102a間の下層部分若しくは中層部分にだけに中詰めしてもよく、さらには、下部102a,102a間の全体に亘って中詰材103を中詰めすることもできる。
上記した構成からなる波浪防護構造物100によれば、上記した第1の実施の形態と同様の作用、効果を奏することができる。
さらに、他方の連続壁体102Bが、一方の連続壁体102Aよりも上端が低くなっているため、一方の連続壁体102Aによって波浪を防護するのに必要な高さ(護岸A上に建てられる波浪防護体120の高さ)を確保しつつ、他方の連続壁体102Bの高さ寸法を小さくすることができる。よって、2列の連続壁体102,102を同じ高さ(波浪を防護するのに必要な高さ)に設定した場合と比較して経済的になる。波浪を防護するためには、所望の高さが確保されていることを要するが、波浪を受ける波浪防護体120のうち上側の部分に作用する圧力は通常小さいため、上側の部分の構造を軽量化しても十分に波浪を防護することができる。
また、上記した構成からなる波浪防護構造物100によれば、中詰材103が連続壁体102,102間の下部102a,102a間にも中詰めされているため、下部102a,102a間に中詰めされた中詰材103によって護岸Aの耐震性能が向上する。このように中詰材103が耐震強化に寄与するため、中詰材103で耐震強化された分、連続壁体102,102を軽量化することができる。これによって、コストダウンを図ることができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態における波浪防護構造物200について説明する。なお、上記した第1、第2の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は第3の実施の形態における波浪防護構造物200の断面図である。
図4に示すように、波浪防護構造物200は、基礎地盤Gの上に築造された既設の堤防A´の延在方向(図4での紙面直交方向)に沿って設けられる構造物である。なお、本発明でいう「堤防」は、防浪堤や河川堤防のほか、フィルダムなども含むものとする。
波浪防護構造物200を構成する2列の連続壁体202,202は、第1、第2の実施の形態と同様に、図2に示す矢板10…を連結してなる構成からなり、その下部202aが堤防A´の中に埋設され、その上部202bが堤防A´の上方に突出されている。連続壁体202の下部202aは、堤防A´を鉛直に貫通してその下の基礎地盤G内にまで延在し、連続壁体202の下端は基礎地盤G内に達している。つまり、連続壁体202の下端は基礎地盤G内に埋設されている。連続壁体202の上端は、第1の実施の形態と同様に、予想される災害時の波浪Xの高さよりも高くなっている。また、連続壁体202は、堤防A´の延在方向に沿って延在されており、2列の連続壁体202,202は、所定の間隔をあけて平行に配置されている。
2列の連続壁体202,202の間には、第1の実施の形態と同様に、中詰材3が中詰めされている。つまり、連続壁体202,202の上部202b,202b間にのみ中詰材3が中詰めされており、具体的には、連続壁体202,202間にある堤防A´の頂上面から連続壁体202,202の上端位置までの範囲に中詰めされている。
次に、上記した構成からなる波浪防護構造物200の施工方法について説明する。
まず、既設の堤防A´の頂上面に複数の矢板10…を堤防A´に沿って並列に2列打設し、2重の連続壁体202,202を構築する。矢板10…を打設する方法は、第1の実施の形態と同様である。また、このとき、矢板10…の下端が基礎地盤Gまで達するとともに、矢板10…の上端が所定の高さで止まるように打設し、連設された複数の矢板10…の上端を揃える。
次に、第1の実施の形態と同様に、2列の連続壁体202,202をタイロッド4により連結した後、2列の連続壁体202,202間に中詰材3を充填する。
上記した構成からなる波浪防護構造物200によれば、既設の堤防A´は、その中に埋設された連続壁体202,202の下部202a,202aにより耐震性能が向上する。また、堤防A´の上方に突出した連続壁体202,202の上部202b,202bとそれらの間に中詰めされた中詰材3(硬化材又は改良材等)とからなる部分が、新たな波浪防護体220となる。このように、既設の堤防A´の耐震補強工事と併せて、当該堤防A´の上に波浪防護体220を新設することができ、低コストで堤防A´の耐震強化と波浪災害対策を行うことができる。
また、上記した構成からなる波浪防護構造物200によれば、第1、第2の実施の形態と同様に、2列の連続壁体202,202がタイロッド4で連結されているため、2列の連続壁体202,202の上部202b,202bが開くことが防止されて、2列の連続壁体202,202の間隔が一定に保持される。これにより、高品質の波浪防護構造物200を提供することができる。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態における波浪防護構造物300について説明する。なお、上記した第1、第2、第3の実施の形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5は第4の実施の形態における波浪防護構造物300の断面図である。
図5に示すように、波浪防護構造物300を構成する2列の連続壁体302,302は、第1、第2、第3の実施の形態と同様に、図2に示す矢板10…を連結してなる構成からなり、その下部302aが堤防A´の中に埋設されてその下の基礎地盤Gまで延在されており、その上部302bが堤防A´上方に突出されている。また、連続壁体302は、第1、第2、第3の実施の形態と同様に、堤防A´の延在方向に沿って延在されており、2列の連続壁体302,302は、所定の間隔をあけて平行に配置されている。
2列の連続壁体302,302の下端は、第3の実施の形態と同様に、堤防A´の下の基礎地盤Gまでそれぞれ達している。一方、2列の連続壁体302,302の上端は、第2の実施の形態と同様に、波浪Hが押し寄せてくる岸壁側(図5における左側)にある一方の連続壁体302Aと内陸側(図5における右側)にある他方の連続壁体302Bとでその高さ位置が異なっている。つまり、内陸側にある他方の連続壁体302Bは、岸壁側にある一方の連続壁体302Aよりも上端が低くなっている。
2列の連続壁体302,302の間には、第1、第2、第3の実施の形態における中詰材3,103と同様の中詰材303が中詰めされている。この中詰材303は、連続壁体302,302の上部302b,302b間だけでなく、下部302a,302a間にも中詰めされている。具体的には、中詰材303は、連続壁体302,302の上部302b,302b間のうちの堤防A´の頂上面から低い方の連続壁体(他方の連続壁体302B)の上端位置までの範囲と、連続壁体302,302の下部302a,302a間のうちの堤防A´内の範囲Eの全範囲とに中詰めされている。つまり、中詰材303は、基礎地盤Gの地表面(堤防A´の底面)から他方の連続壁体302Bの上端位置までの範囲に中詰めされている。
なお、この中詰材303は、第2の実施の形態と同様に、連続壁体302,302の上部302b,302b間に中詰めされる中詰材303と、下部302a,302a間に中詰めされる中詰材303とが異なるものであってもよい。また、上記した中詰材303の中詰め範囲は上記した範囲だけでなく、連続壁体302,302の下部302a,302a間に中詰めされる中詰材303は、堤防A´内の範囲Eのうちの一部にだけ中詰めされていてもよい。例えば、堤防A´内の範囲Eの上層部分だけに中詰めしてもよく、或いは、堤防A´内の範囲Eの下層部分若しくは中層部分にだけに中詰めしてもよい。さらに、連続壁体302,302の下部302a,302a間のうち、基礎地盤G内の範囲に中詰材303を中詰めしてもよく、また、下部302a,302a間の全体に亘って中詰材303を中詰めすることもできる。
上記した構成からなる波浪防護構造物300によれば、上記した第3の実施の形態と同様の作用、効果を奏することができる。
さらに、他方の連続壁体302Bが、一方の連続壁体302Aよりも上端が低くなっているため、一方の連続壁体302Aによって波浪を防護するのに必要な高さ(堤防A´上に建てられる波浪防護体320の高さ)を確保しつつ、他方の連続壁体302Bの高さ寸法を小さくすることができる。よって、2列の連続壁体302,302を同じ高さ(波浪を防護するのに必要な高さ)に設定した場合と比較して経済的になる。
また、上記した構成からなる波浪防護構造物300によれば、中詰材303が連続壁体302,302間の下部302a,302a間にも中詰めされているため、下部302a,302a間に中詰めされた中詰材303によって堤防A´の耐震性能が向上する。このように中詰材303が耐震強化に寄与するため、中詰材303で耐震強化された分、連続壁体302,302を軽量化することができ、コストダウンを図ることができる。
以上、本発明に係る波浪防護構造物の第1から第4の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記した第1から第4の実施の形態では、既設の護岸Aや堤防A´に対して波浪防護構造物1,100,200,300が構築されているが、本発明は、護岸や堤防を新設する際に、本願発明に係る波浪防護構造物を同時に構築してもよい。
また、上記した第1から第4の実施の形態では、連続壁体2,102,202,302が護岸Aや堤防A´の延在方向に沿って延在されているが、本発明は、連続壁体が護岸や堤防と平行に延在されている必要はない。例えば、連続壁体を護岸や堤防に対して斜めに延在させてもよく、或いは、屈曲したり湾曲したりする護岸や堤防に対して連続壁体を直線的に延在させてもよい。さらに、本発明に係る連続壁体は、直線的に延在するものに限らず、屈曲して延在する連続壁体であってもよく、或いは、湾曲状に延在する連続壁体であってもよい。
また、上記した第1から第4の実施の形態では、連続壁体2,102,202,302は2列設けられているが、本発明は、連続壁体が3列以上であってもよい。また、連続壁体が3列以上設けられた場合、複数の連続壁体のうちの少なくとも1つの連続壁体の上端を、他の連続壁体の上端よりも低くしてもよく、例えば、3列以上の連続壁体のうちの1つだけを他の連続壁体よりも上端を低くしてもよく、或いは、3列以上の連続壁体のうちの1つだけを残して他の全ての連続壁体の上端を低くしてもよい。
また、上記した第2、第4の実施の形態では、波浪Hが押し寄せてくる側(図3、図5における左側)の連続壁体102A,302Aの上端が高く、内陸側(図3、図5における右側)の連続壁体102B,302Bの上端が低くなっているが、本発明は、波浪が押し寄せてくる側の連続壁体の上端が低く、内陸側の連続壁体の上端が高くなっていてもよい。さらに、連続壁体が3列以上設けられている場合には、中間に位置する連続壁体の上端を高くして両側(波浪が押し寄せてくる側及び内陸側)の連続壁体の上端を低くしてもよく、或いは、中間に位置する連続壁体の上端を低くして両側の連続壁体の上端を高くしてもよい。
また、上記した第1,第2の実施の形態では、連続壁体2の下端が水底Bよりも深い位置まで達しているが、本発明は、連続壁体の下端が水底と同じ位置或いは水底よりも浅い位置で止まっていてもよい。
また、上記した第3,第4の実施の形態では、連続壁体202,302の下端が基礎地盤Gまで達しているが、本発明は、連続壁体の下端が基礎地盤の手前で止まっていてもよい。つまり、連続壁体の下端が堤防内に埋設されていてもよい。
また、上記した第1から第4の実施の形態では、連続壁体2が、鋼矢板等の複数の矢板10…を連結して構成されるものであるが、本発明に係る連続壁体は上記した構成に限定されるものではなく、例えば、コンクリート矢板や鋼管矢板を連結してなる壁体であってもよく、或いは、プレキャストコンクリート造又は現場打ちコンクリート造の壁体やソイルセメントからなる壁体であってもよく、さらに、コンクリートやソイルセメントの中にH型鋼等の鋼材を埋設させた構造の壁体であってもよい。
また、上記した第1から第4の実施の形態では、2列の連続壁体2,102,202,302間がタイロッド4によって連結されているが、本発明は、タイロッド4(連結部材)が備えられていない構成であってもよい。例えば、護岸や堤防から突出した連続壁体の高さが低い場合には、複数の連続壁体同士を連結させなくても、連続壁体間の間隔が十分に保持される場合がある。
また、上記した第2、第4の実施の形態では、一方の連続壁体102A,302Aよりも他方の連続壁体102B,302Bの上端が低くなっており、且つ、中詰材103,303が連続壁体102,302の下部102a,302a間にも中詰めされている構成となっているが、本発明は、一方の連続壁体よりも他方の連続壁体の上端が低くなっており、且つ、第1、第3の実施の形態のように、中詰材が連続壁体の上部間にのみ中詰めされている構成であってもよく、或いは、第1、第3の実施の形態のように、複数の連続壁体の上端高さが同じであり、且つ、中詰材が連続壁体の下部間にも中詰めされている構成であってもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施の形態を説明するための波浪防護構造物の断面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための波浪防護構造物の平面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための波浪防護構造物の断面図である。 本発明の第3の実施の形態を説明するための波浪防護構造物の断面図である。 本発明の第4の実施の形態を説明するための波浪防護構造物の断面図である。
符号の説明
1 波浪防護構造物
2、102、202、302 連続壁体
2a、102a、202a、302a 連続壁体の下部
2b、102b、202b、302b 連続壁体の上部
3、103、303 中詰材
4 タイロッド(連結部材)
A 護岸
A´ 堤防

Claims (4)

  1. 護岸又は堤防の中に下部が埋設されて上部が前記護岸又は堤防の上方に突出する連続壁体が、間隔をあけて複数並列に設けられ、該連続壁体間のうちの少なくとも前記上部間には、硬化材又は改良材からなる中詰材が中詰めされていることを特徴とする波浪防護構造物。
  2. 請求項1記載の波浪防護構造物において、
    前記複数の連続壁体が連結部材で連結されていることを特徴とする波浪防護構造物。
  3. 請求項1または2記載の波浪防護構造物において、
    前記複数の連続壁体のうちの少なくとも1つの連続壁体は、他の連続壁体よりも上端が低くなっていることを特徴とする波浪防護構造物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の波浪防護構造物において、
    前記中詰材は、前記連続壁体間の前記下部間のうちの少なくとも一部にも中詰めされていることを特徴とする波浪防護構造物。
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