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JP2008069576A - 地下水熱交換システム、および地下水熱交換システムの施工方法ならびに地下水熱交換方法 - Google Patents

地下水熱交換システム、および地下水熱交換システムの施工方法ならびに地下水熱交換方法 Download PDF

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JP2008069576A
JP2008069576A JP2006249746A JP2006249746A JP2008069576A JP 2008069576 A JP2008069576 A JP 2008069576A JP 2006249746 A JP2006249746 A JP 2006249746A JP 2006249746 A JP2006249746 A JP 2006249746A JP 2008069576 A JP2008069576 A JP 2008069576A
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water
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heat exchange
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Hiroaki Ebina
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Abstract

【課題】 従来型縦型井戸によるものや広い敷地を必要とする水平井戸によるものの欠点を解消し、一段と効率的に地下水の地熱を利用可能とする新たな技術を提供する。
【解決手段】 下端がわに通水領域部21の形成された単筒型ケーシング2を、地下帯水層WBまで鉛直状に打設し、通水領域部21筒内を管内上部空間22と管内下端部空間23と分離する隔壁体31を配し、管内下端部空間23に開口する注入パイプ3を地上がわがわ開口から導入すると共に、同地上がわ開口から管内上部空間22の地下水Wを汲み上げ可能な水中ポンプ41を組み込んだ揚水パイプ4を導入し、それら揚水パイプ4および注入パイプ3の地上がわ各端部間を、熱交換器5の組み込まれた連結パイプ51で外部から隔絶状に接続してなる地下水熱交換システム1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、地下水の利用に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に汲み上げた地下水の地熱だけを利用した後、再び地下水系に戻すという地下水用の熱交換システムを施設する分野は勿論のこと、その製造および設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
地下水の汲み上げによる散水消雪は、運搬排雪を必要とせず、人手を要せずとも昼夜を問わず自動的に融雪できるという優れた特徴をもっているが、地下水の減少による周辺地盤の沈下という潜在的リスクを有しており、近年では殆ど採用されなくなってきているが、地下水熱利用の道が全く閉ざされてしまった訳ではなく、一旦汲み上げた地下水がもつ地熱を消雪などに有効利用した後に、そのまま元の地下水系に循環させる技術が開発され、広く実用化されるようになってきている。
(従来の技術)
そうした循環型の地熱利用システムには、例えば特開平6−228928号公報「冷却還元液を蘇生・融雪地熱液とする循環地中装置」発明として提案されているもののように、地下水系中に達するよう打ち込まれ、下端寄りの外周壁面に吸い込み口となる地熱液収集ストレーナを設け、上端寄りの外周壁面に吐出口となる融雪冷却還元液還元ストレーナを設けた地熱収集ケーシング中に略同心状に配され、同地熱収集ケーシング下端付近まで延伸された断熱ケーシング内に、融雪地熱液循環配管の吸い込み端に接続された地下水汲み上げ用のポンプを内蔵し、該地熱収集ケーシングの上端付近に融雪地熱液循環配管の吐出端を接続し、地熱液収集ストレーナと融雪冷却還元液還元ストレーナとの間に、地熱収集ケーシング中の還元液と地熱液とを分離する分断パッカーを設けたものとし、吸い上げた地下水に蓄積された地熱だけを利用し、その後に汲み上げた地下水の全量を元の地下水系に循環させるようにしたものや、特開2000−265411号公報に開示されている「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明のように、薄い帯水層に沿って水平井戸となるよう揚水井および注入井を打設し、当該揚水井の吐出がわに揚水管の、水中ポンプを装備した吸い込みがわを接続すると共に、同揚水井揚水管の吐出がわを舗装体内に埋設した放熱パイプ入口に接続し、該放熱パイプの出口を注入井に接続させた注入管に接続してなり、揚水井から汲み上げた地下水を大気に触れさせること無く放熱パイプ中に流動、通過させ、その地熱だけを消雪に利用した後、注入井を通じて元の地下水系に還元可能としたもの等が散見される。
しかし、前者の「冷却還元液を蘇生・融雪地熱液とする循環地中装置」発明は、地熱収集ケーシング内に配した融雪地熱液循環配管の吐出端と、地下水汲み上げ用のポンプとの間にあって仕切りとなる断熱ケーシングを設けたものとなっているが、融雪地熱液循環配管から吐出する還元液が、地熱を十分に吸収して暖められる前に再び地熱液としてポンプに吸い上げられ、融雪地熱液循環配管に供給されることとなってしまい、しかも融雪冷却還元液還元ストレーナを通じて地下水系中に放出する還元液が、暖かい地下水中に流入してしまうと、その温度差によって対流を発生して下方の地熱液収集ストレーナから吸い込まれてポンプの吸い込み口がわとなる断熱ケーシング下端開口から流入し、周辺の地下水温度よりも低い地下水を吸引してしまい、効率的な熱交換ができないという欠点を有するものであり、また、後者の「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明は、揚水井および注入井の二ヶ所に帯水層に達する水平井戸を設けなければならず、それに伴い施工に要する敷地も広くなって消雪施設の全体が大型化し、最終的に施工費の高騰化を招くことになるなどの欠点もあり、専ら薄い帯水層に限定された地域への採用ならばいざ知らず、十分な厚みをもつ帯水層に対しては垂直井戸を採用、施工するのが望ましいと言えるものであった。
(1)特開平6−228928号公報 (2)特開2000−265411号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある「冷却還元液を蘇生・融雪地熱液とする循環地中装置」は、鉛直状に打設した地熱収集ケーシング内のポンプの吸い込み口が、融雪地熱液循環配管の吐出端よりも下方の地下水を汲み上げるよう設定されているため、熱交換を終えて地下帯水層中に還元されたばかりの還元水が地熱液として再度汲み上げられてしまい、同一地下水系中の周辺地下水よりも低い熱量の地熱液を循環することとなって、効果的な消雪効果を得ることが出来ないという欠点を有するものであり、後者の「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」は、揚水井および注入井の双方を、鉛直井戸よりも広い敷地を必要とする水平井戸としたものであり、十分な広さの土地を確保することが困難な場所には施工できず、何よりも十分な厚みをもつ帯水層に対しては不向きであるという欠点を有しており、より効率的な地下水熱交換システムの開発が望まれる。
(発明の目的)
そこで、この発明は、地熱を利用した後に地下水系に還元された地下水が、そのまま再び汲み上げられてしまう従来型の垂直井戸の欠点を解消し、さらにかなり広い敷地を必要とする水平井戸の欠点をも解消し、一段と効率的に地下水の地熱を利用可能とする新たな技術の達成ができないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の地下水熱交換システム、および新規な地下水熱交換システムの施工方法ならびにそれらによる新規な地下水熱交換方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の地下水熱交換システムは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部の形成された単筒型ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング内における通水領域部の上下方向中途適所には、管内上部空間と管内下端部空間とを密閉状に分離可能とする隔壁体を配した上、該隔壁体を上下に貫通状として管内下端部空間に開口するようにした注入パイプを当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から導入すると共に、同単筒型ケーシングの地上がわ開口から管内上部空間で通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを導入し、それら揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとした構成を要旨とする地下水熱交換システムである。
この基本的な構成からなる地下水熱交換システムを、表現を変えて示すと、
下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部の形成された単筒型ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング内における通水領域部の上下方向中途適所には、管内上部空間と管内下端部空間とを密閉状に分離可能とする隔壁体を配した上、該隔壁体を上下に貫通状として管内下端部空間に開口するようにした注入パイプを当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から導入すると共に、同単筒型ケーシングの地上がわ開口から管内上部空間で通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを導入し、それら揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続するようにし、水中ポンプによって汲み上げた管内上部空間に相当する地下帯水層中上層付近の地下水が、揚水パイプを介して熱交換器に供給され、熱交換を終えた地下水は、注入パイプを通じて管内下端部空間に相当する地下帯水層中下層付近に還元されるよう設定してなるものとした構成からなる地下水熱交換システムとなる。
これをより具体的なものとして示すと、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部の形成された単筒型ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング内における通水領域部の上下方向中途適所には、管内上部空間と管内下端部空間とを密閉状に分離可能とする隔壁体を配した上、該隔壁体の平面形中央を上下に貫通状とするよう、同隔壁体とは適宜間隔を置いた管内上部空間内適所で平行状に配する支持枠体を介して管内下端部空間に開口するようにした注入パイプを当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から導入すると共に、当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から管内上部空間で通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを導入し、それら揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとした構成からなる地下水熱交換システムとなる。
(関連する発明1)
上記した地下水熱交換システムに関連し、この発明には、その設置に関する地下水熱交換システム施工方法も包含している。
即ち、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部を形成し、該通水領域部の上下方向中途適所の内周壁に対し、環状体でその中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を密閉状に固着すると共に、当該通水領域部より上方となる外周壁面の適所には環状遮水帯を装着してなる単筒型ケーシングを、その通水領域部全域が地下帯水層中に到達する最適深さまで略鉛直状に打設するようにした単筒型ケーシング打設行程を行うと共に、上下を反転させた錐台状とした接合環の平面形中央を上下に貫通状に一体化した注入パイプを、当該単筒型ケーシングの上端がわから挿入し、必要に応じてその中途適所を同単筒型ケーシング内周壁適所に密着状としたまま上下通水可能とする一個または複数個の支持枠体を介して同心状に配設した上、予め通水領域部の所定深さ位置に設けた固定用座金の装着座面に対し、当該接合環の接合座面を上方から嵌合、密着して単筒型ケーシング内を管内上部空間と管内下端部空間とに分離すると同時に、注入パイプの吐出端を管内下端部空間に開口させるようにした隔壁体形成行程を行った後、当該単筒型ケーシングの上端がわから導入した揚水パイプ下端の水中ポンプを管内上部空間内の地下帯水層中に没する適所に配するようにした水中ポンプ設置行程を行う一方、地上適所における熱交換器接続行程により、前記揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間に、熱交換器の組み込まれた連結パイプを配置、接続し、揚水パイプから注入パイプまでが外部から隔絶状に連通するようにした構成からなる、前記までのこの発明の基本をなす地下水熱交換システムの施工方法である。
(関連する発明2)
更に、この発明には、上記地下水熱交換システムの施工方法に加え、それによる地下水熱交換方法も包含しており、通水領域部が地下帯水層中に達するよう略鉛直状に打設した単筒型ケーシングの、当該通水領域部の中、隔壁体によって上下に分離した管内上部空間が臨むこととなる地下帯水層上位の地下水を、管内上部空間に配した揚水パイプの水中ポンプによって汲み上げるようにした帯水層上層水の汲み上げ行程を行い、当該揚水パイプを通じて汲み上げた地下水を連結パイプを介して熱交換器に供給して地熱を放出させるようにした熱交換行程を実施した上、熱交換を終えた地下水を、連結パイプを介した注入パイプを通じて当該単筒型ケーシング内の管内下端部空間にまで強制誘導し、当該地下帯水層で、先の揚水層よりも下位となる地下水中に注水、還元するようにした帯水層下層水への還元行程を行う一連の工程を、連続的または断続的に繰り返すようにした構成からなる、この発明の地下水熱交換システムによる地下水熱交換方法がそれである。
以上のとおり、この発明の地下水熱交換システムによれば、水中ポンプおよび揚水パイプを介して単筒型ケーシングの隔壁体より上がわとなる管内上部空間に流入した地下水を汲み上げ、連結パイプを通じて単筒型ケーシング外部に設けられた熱交換器に供給し、地熱を利用することが可能となった後、地熱を利用して放熱した地下水は、連結パイプから注入パイプへと、外部との隔絶状態を維持したまま強制送水されて単筒型ケーシングの管内下端部空間に送り込まれた上、通水領域部を通じて単筒型ケーシング外部の地下帯水層中の揚水域よりも下位層部分に強制的に流出、還元するようにしてあり、その際、地下帯水層中に還元してしまった放熱地下水は、吸熱利用されてしまっていて本来の地下水よりもかなり低温となってしまっているため、その温度差によって地下帯水層中の下位層部分に留まったまま、それよりも上位層部分で温度が高い本来の地下帯水層中には混流し難くなると同時に、当該単筒型ケーシングの管内上部空間がわへの上昇も隔壁体による断絶構造としてあることから、還元、復流した放熱地下水がそのまま水中ポンプによる流入してしまう現象は確実に抑止でき、従来型の垂直井戸によるものの地下水温度の低下という欠点を普く解消し得て、格段に効率的な地熱利用の実現が可能になるるという秀れた特徴が得られるものである。
加えて、垂直型の単筒型ケーシングは、限られた比較的狭い敷地に打設することができるため、広い敷地を必要とする水平型の筒型ケーシングに比べて地上施設を実質的に小型化することが可能となり、しかも水平型筒型ケーシングに比べて設置作業も遥かに容易なことから製造および設置を比較的低価格帯に抑えられ、しかも単筒型ケーシングによるものであってその内部に各構成部位が合理的な配置構造となるようにしてあってメンテナンスも容易となり、全体として大幅な経費の節減を実現化することができるという利点が得られるものとなっている。
さらに、単筒型ケーシング中に導入した注入パイプの隔壁体より上がわとなる中途適所が、管内上部空間内壁に接合させた上下通水可能な一個または複数個の支持枠体を介して同心状に支持されるようにしたものでは、注入パイプ吐出口を単筒型ケーシング内の中心に鉛直下向きに配し、同単筒型ケーシング通水領域部を通じて地下帯水層中に略均質且つ分散状に還元、放出することができ、単筒型ケーシング外がわの一部に塊状となって還元されてしまうのを確実に防止して満遍なく拡散されるようにしてあり、還元、復流後の比較的早期の中に、本来の地下帯水層中に混合状となってしまうような悪現象を回避し、元々の地下水温度の低下やムラを殆ど解消することができるという効果を発揮することになる。
そして、隔壁体を、単筒型ケーシングの内周壁適所に固着された環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を設け、当該固定用座金の装着座面に対して、先端を切除し、上下を反転させた錐台状からなり、その上端中央に注入パイプの下向き下端が接続され、同注入パイプの吐出口を下端中央に貫通状に開口させてなる接合環の外周錐状面に形成された接合座面を、上方から下向きに密閉、嵌合状に組み合わせたものは、単筒型ケーシングを地中に打設した後に、同単筒型ケーシングの上端開口から挿入した注入パイプの吐出口を、深部所望深さ位置の単筒型ケーシング中心に自然に鉛直状下向き姿勢に確り固定することが可能になると共に、遠隔的操作によって密閉状態に閉鎖することができるものとなり、施工作業性を向上するという大きな効果を得ることができる。
また、注入パイプは、その管内上部空間内に配置され、支持枠体の直上となる中途部を単筒型ケーシングの内がわ周壁に近接させるよう折曲し、同単筒型ケーシングの内周壁に沿って上端まで延伸させてなるものとしてあり、支持枠体の上方に配置される水中ポンプの収容空間を拡大することができ、その結果、単筒型ケーシングの小径化を実現、可能としてボーリング工事の負担を軽減し、より経済的な施工を実現化できるものとなるとなっている。
単筒型ケーシングが、打設箇所の上部地層とその下の地下帯水層との境界付近となる外周壁面に、掘削穴内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする環状遮水帯を装着されてなるものとしたものでは、単筒型ケーシングの外周壁面と掘削穴内周壁との間の隙間を埋めて密閉状に閉鎖し、地上付近に露出する単筒型ケーシング上端外周付近やその周辺から、地下帯水層の水が漏出してしまうのを阻止して略完璧な揚水および注水還元システムを実現化することができる外、熱交換器を、舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプに設定したものでは、地下帯水層から汲み上げた揚水中に蓄えられている地下水熱を効率良くロードヒーティングに利用可能とするようにして、地下水系の水量を一切減少させずに地下水熱だけを取り出して利用するものとしており、環境に優しく効果的な消雪や凍結防止などに役立てることができるという秀れた特徴を有するものとなる。
一方、この発明の地下水熱交換システム施工方法によると、単筒型ケーシング打設行程によって単筒型ケーシングの地下帯水層中の適所となる深さ相当箇所の内周壁に環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を密閉状に固着すると共に、必要に応じて同単筒型ケーシングの外周壁面に環状遮水帯を装着し、該単筒型ケーシングを地下の所定深さ位置にある帯水層中に達するよう略鉛直状に打設するようにしてあり、先に単筒型ケーシングのみを打設してしまい、その後に注入パイプおよび揚水パイプの配管作業を行うよう作業を進め、ボーリングマシンやアースオーガなどの建設機械を用いた鉛直穴の掘削作業と、単筒型ケーシングの打込み作業とを従来型のプレボーリング工法によって効率的に行えるようにすることができ、しかも、注入パイプの配管、位置決め作業を簡単且つ確実に行うことを可能とし、その後に揚水パイプを導入、設置するようにして注入パイプならびに揚水パイプの夫々の位置決め作業を適切且つ確実に行えるようになり、施工に際しての精度や作業性を高めることができるという効果が得られる。
さらに、熱交換器接続行程によって揚水パイプおよび注入パイプ夫々の地上付近に導出された各端部間に連結パイプを介して熱交換器を接続し、汲み上げた地下水中に蓄積されている地熱だけを取り出し、消雪用の熱媒体または給湯用または発電用の熱エネルギー源などとして有効利用した後、汲み上げたときと全く変らない量の地下水を、揚水箇所と同一箇所の単筒型ケーシング通水領域部が臨む所定位置の地下帯水層中に還元、復流するするようにして地下水の減少による地盤沈下を確実に防止し、環境に優しい熱源として多用途に利用可能となるという大きな特徴が得られることとなる。
さらにまた、この発明の地下水熱交換システムを利用した地下水熱交換方法によれば、地下帯水層中の上位層部分にある本来からの暖かい地下水を優先的且つ確実に汲み上げることを可能とし、旧来型の井戸によって汲み上げられた同量の地下水に比較してより大きな熱エネルギーを獲得することができ、しかも熱交換を終えた後、注入パイプを通じて単筒型ケーシング管内下端部空間に強制的に戻された放熱地下水は、熱交換器等によって吸熱利用されたり各パイプを通じて自然放熱してしまっていて周囲の地下水よりもかなり低温となり、本来からの暖かい地下水に比較すれば比重が大きくなっていて、揚水がわとなる地下帯水層中の上位層部分に混流してしまう現象は極力回避されると共に、単筒型ケーシング管内においても、隔壁体の存在もさることながら、この比重差によっても水中ポンプのある管内上部空間がわへの上昇、混流が確実に阻止され、本来の地熱がより効率的に熱交換可能になるというかってない秀れた効果を発揮するものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
単筒型ケーシングは、地下帯水層に達して管内上部空間およびその下方に位置する管内下端部空間の地中配置、形状を維持すると共に、土砂の浸入を阻止し、注入パイプや揚水パイプおよび隔壁体などの装着対象となるものであって、当該地下水熱交換システムの井戸部分の実質的本体を形成するという機能を果たすものであり、先に掘削した鉛直穴に打ち込むもの、または掘削と同時に地中に打ち込んで行くものなど、何れによるものでもよく、複数本に分断された筒体を継ぎ足しながら打ち込むようにしたものや、比較的浅い地層に帯水層がある場合に、1本の単体型筒体を継ぎ足さずに打ち込むものなどとすることが可能であり、地下帯水層に面する下端がわ所定範囲に渡る周壁に、比較的小さな複数の小孔やスリットを穿設したもの、またはメッシュ状の網目孔が形成されたもの、あるいは壁面開口の外周に金属網やコイル状のワイヤーや針金などを密に捲着してなるフィルターを装着したものなど様々な形態からなるものの何れかの通水領域部が形成されたものとしなければならず、また、地下帯水層中に配置される適所内周壁に、隔壁体の一部を形成する固定用座金を設けたものとすべきであり、さらに、上部地層とその下の地下帯水層との境界付近となる外周壁面に、掘削穴内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする環状遮水帯を装着したものとするのが望ましく、より具体的には、配管用炭素鋼鋼管、またはその黒管、または亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管、鉄筋を有するコンクリート製管などから形成したものとすることができる。
通水領域部は、地中の帯水層に到達させた単筒型ケーシングの周壁部分を通じて通水可能とすると共に、水中ポンプの動作や揚水パイプ、熱交換器、注入パイプなどへの導水および熱伝達などを正常に保つよう、土砂などの異物が吸上げ地下水中に混入するのを阻止するという機能を果たし、隔壁体によって分離された管内上部空間と管内下端部空間とに跨る単筒型ケーシング周壁範囲に亘って形成されたものとしなければならず、換言するならば、隔壁体内蔵部位に相当する単筒型ケーシング周壁部分を除く、管内上部空間および管内下端部空間に相当する単筒型ケーシング周壁の夫々に、所望の流量を確保出来るよう形成したものとしなければならないということができ、前述したように単筒型ケーシングの地下帯水層に面する箇所の周壁に、比較的小さな複数の小孔やスリットを穿設したもの、またはメッシュ状の網目孔が形成されたもの、あるいは壁面開口の以外に金属網やコイル状のワイヤー、針金などを捲着してなるフィルターを装着したものなど様々な形態からなるものとすることが可能である。
環状遮水帯は、ボーリング穴内周壁と単筒型ケーシングの適宜深さ位置の外周壁面との間に充填状となり、地下水が地上に流出してしまうのを阻止する機能を果たすものであり、より具体的には、単筒型ケーシングの外周壁面に巻着される帯状、リング状、紐状などの防水性および弾性を有した遮水パッカーであり、さらに具体的には、吸水性ポリマーおよびSBR(スチレン・ブタジエンゴム)系合成ゴムからなる吸収膨張性材料製であって、後述する実施例に示すように、例えばOKS応用計測サービス株式会社製の「ナイスシール」(商品名)を用いることができる。
隔壁体は、単筒型ケーシングの内部を、揚水パイプの水中ポンプを収容する管内上部空間と、注入パイプの吐出端を開口する管内下端部空間とに区画し、揚水パイプの水中ポンプが、注入パイプを通じて還元する熱交換済みの放熱地下水を再度吸い上げてしまうのを防止可能とするという機能を果たし、管内上部空間と管内下端部空間との間に密閉性を確保するものとしなければならず、単筒型ケーシングの内周壁に一体に形成され、同単筒型ケーシングの中心付近であって管内下端部空間がわに面する適所に、注入パイプの吐出端を配置させたものとしなければならず、より具体的には、後述する実施例にも示すように、単筒型ケーシングの内周壁適所に固着された環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を設け、当該固定用座金の装着座面に対し、上下を反転させた錐台状からなり、その上端中央に注入パイプの下向き下端が接続され、同注入パイプの吐出口を下端中央に貫通状に開口させてなる接合環の外周錐状面に形成された接合座面を、上方から下向きに密閉、嵌合状に接合させるよう組み合わされてなるものとすることができる。
固定用座金は、単筒型ケーシングの地下帯水層中に配置される内周壁の適所であり、隔壁体を設けるべき箇所に、注入パイプの吐出端を一体化させた接合環を密閉、嵌合状に装着可能とし、隔壁体の一部を形成すると共に、単筒型ケーシングの内部空間を管内上部空間と管内下端部空間とに分離可能とする機能を果たすものとなり、単筒型ケーシングの適所内周壁に、密閉接合状に一体化されたものとしなければならず、環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成したものとすべきであり、より具体的には、熔接、蝋付けなどによって一体化可能な鉄鋼製、ステンレス鋼製などの金属製、または接着剤や溶剤などを用いて接着可能な塩化ビニル製などの合成樹脂製のものなどとすることが可能であって、装着座面を密閉状の接合が容易な平滑面状に形成したものの外、密閉状に歯合または嵌合可能な段差形状や凹凸形状などに形成したものとすることができる。
接合環は、注入パイプの下向き下端が接続され、同注入パイプの吐出口を下端中央に貫通状に開口させると共に、その外周壁面を固定用座金の装着座面に密閉状に接合可能とするよう嵌合、装着され、隔壁体の一部を形成すると共に、単筒型ケーシングの内部空間を管内上部空間と管内下端部空間とに分離可能とする機能を果たすものとなり、先端を切除し、上下を反転させた錐台状からなり、その上端中央に注入パイプの吐出口を接続し、下端中央に貫通状に開口させたものとしなければならず、接合座面を、固定用座金の装着座面に密閉状に接合可能な平滑面状、または密閉状に歯合または嵌合可能な段差形状や凹凸形状などに形成し、さらに、固定用座金の装着座面と、それに接合される外周壁面との間に密閉性を高めるシール材を充填したものとすることが可能である。
注入パイプは、熱交換器から排出された熱交換済みの地下水を単筒型ケーシングの管内下端部空間に還元可能とするよう誘導する機能を果たすものであり、その下端がわが単筒型ケーシング上端から内部を通り、隔壁体を貫通するか、またはその吐出口を隔壁体の下部に開口するよう装着されたものとする一方、単筒型ケーシング上端から外部に導出された導出端がわに熱交換器の吐出端を接続したものとしなければならず、揚水パイプを通じて水中ポンプが汲み上げ、熱交換器に供給する地下水量と同量の熱交換済みの放熱地下水を、揚水源地下帯水層中に還元できる程度の流水量を確保できる口径に設定され、しかも水中ポンプによって強制的に供給される水圧にも十分に耐える強度を有するものとすべきであり、より具体的には、配管用炭素鋼鋼管またはその黒管、亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管からなるものとするのが望ましい。
また、同注入パイプは、後述する実施例にも示すように、その吐出端の下向き下端を、上下を反転させた錐台状からなる接合環の上端中央から下端中央に貫通状となし、吐出口を下向き開口状とし、該接合環の外周錐状面に形成された接合座面を、単筒型ケーシングの内周壁適所に固着された環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金の装着座面に対して上方から下向きに密閉、嵌合状に接合させるよう、組み合わせて隔壁体を一体化形成したものとすることが可能であり、固定用座金の装着座面に対する接合環の接合座面の接力は、注入パイプおよび接合環の自重ならびに配管強度によって得るものとすることができる外、単筒型ケーシング2の上端にフランジ部を設け、該フランジ部用の封止蓋に注入パイプの中途部を貫通状に結合し、封止蓋の単筒型ケーシング2上端に対する結合力によって固定用座金と接合環との接合力を得るものなど、様々な接合維持構造によって得ることができ、また、管内上部空間内に配置され、支持枠体の直上となる注入パイプ中途部を単筒型ケーシングの内がわ周壁に近接させるよう折曲し、水中ポンプの収容空間を確保するよう、該単筒型ケーシングの内周壁に沿って上端まで延伸させてなるものとすることが可能である。
支持枠体は、単筒型ケーシングの上端がわから導入した注入パイプの中途適所を、流水条件を悪化させることなく、同単筒型ケーシングの中心付近に保持可能とする機能を果たし、注入パイプ外周壁面の中途適所を十分な強度で単筒型ケーシングの内周壁に固定状に支持可能なものとしなければならず、後述する実施例にも示すように、注入パイプ外周壁面に熔接や蝋付け、接着などによって一体化され、その外周がわが単筒型ケーシングの内周壁に緩嵌状、または接合状に装着可能とする寸法、形状に設定され、注入パイプを十分に支持できる強度を有するものとすべきであり、適所に一個だけか、その複数個を当該注入パイプの所定長さ寸法置き毎に設けたものとするなど、必要に応じて自在に設定することができる。
揚水パイプは、単筒型ケーシングの管内上部空間に流入する地下水を地上付近まで汲み上げ可能とする機能を果たすものであり、その吸込み下端には、管内上部空間に流入した地下水中に没する深さに配するようにした水中ポンプを接続し、単筒型ケーシング管内上部空間を通じて地上付近に導出される吐出端には、熱交換器の吸水端が接続されたものとしなければならず、効率的な熱交換に必要な量の地下水を汲み上げできる程度の流量を確保できる寸法、形状の配管としなければならず、水中ポンプによって強制的に吸い上げられる水圧にも十分に耐える強度に設定し、例えば配管用炭素鋼鋼管またはその黒管、亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管からなるものとすることができる。
水中ポンプは、単筒型ケーシングの管内上部空間に流入する地下水に、地上付近まで汲み上げ可能とする程度の圧力を発生し、揚水パイプを通じて汲み上げ可能とする機能を果たすものであり、地下水中に没して目的の熱交換に必要となる量の地下水を効率的に汲み上げ可能な揚程に設定されたものとしなければならず、メンテナンス性や耐久強度を考慮すると、ステンレス製など防錆に優れた素材製のものであって、土砂などの異物進入によるかじりを生じ難いものを選択すべきであり、例えば渦巻きポンプ、ディフューザポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイヤフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、渦流ポンプ、気泡ポンプ、ジェットポンプなど様々なものの中から適宜選択することができる。
連結パイプは、揚水パイプの吐出端と熱交換器の給水端とを断熱状態を確保して水密状に接続し、また、熱交換器の排水端と注入パイプの地上がわ端とを水密状に接続するという機能を果たし、水中ポンプによって発生される水圧に十分に耐える配管強度と、適した水流量を確保可能な口径とに設定されたものとしなければならず、特に揚水パイプの吐出端と熱交換器の給水端とを繋ぐ範囲は、地中への埋設や、断熱材の装着などによって十分な断熱性を確保したものとすべきであり、熱交換器の排水端と注入パイプの地上がわ端とを接続する範囲も、同様に断熱性を高めたものとすれば、地下水系への熱的影響を軽減することが可能となり、それら接続端の何れか適所に開閉バルブを介在させ、制御操作性やメンテナンス性を高めたものとすることが可能である。
熱交換器は、地下帯水層から汲み上げられた地下水に蓄積された地熱を伝熱、放熱させて所望の熱交換を行い、汲み上げ供給されたのと同量の地下水を注入パイプに向けて排出可能とする機能を果たし、例えば後述する実施例に示すように、舗装路面下に敷設された消雪用ロードヒーティングの放熱パイプとしたものの外、ヒートポンプユニットを設けタモのとし、地下水熱源を消雪用ロードヒーティングや住宅用冷暖房、または発電用など様々な用途に利用可能なものとすることができる。
地下帯水層は、地下水系の存在箇所であり、対象となるものは、地下数メートルの比較的浅い深度にあるものから数百メートルにおよぶ大深度にあるものまでを含むものであるということができ、千メートル以上の超深度にあるものを対象とする場合も想定することが可能である。
単筒型ケーシング打設行程は、単筒型ケーシングの地下帯水層中の適所となる深さ相当箇所の内周壁に環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を密閉状に固着すると共に、必要に応じて同単筒型ケーシングの外周壁面適所に環状遮水帯を装着した後、ロータリー工法やエアハンマー工法などのプレボーリング工法によって地下帯水層に達する井戸穴を鉛直状に掘削し、該井戸穴中に単筒型ケーシングを打設するものとし、一本の単筒型ケーシングを打ち込むか、複数本の単筒型ケーシングを継ぎ足しながら打ち込むかの何れかに拘わらず、所定深さに配される内周壁適所に固定用座金を熔接、蝋付け、接着または接着などの、ケーシング素材に最も適する結合構造によって一体化したものとすべきであり、該単筒型ケーシングの固定用座金が固着された箇所を帯水層中に配置させるよう打ち込むことが必要である。
隔壁体形成行程は、上下を反転させた錐台状からなる接合環の上端中央から下端中央に貫通状に一体化させた注入パイプを、当該単筒型ケーシングの上端がわから導入すると同時に、必要に応じてその中途適所を、同単筒型ケーシング内壁に接合させた上下通水可能な一個または複数個の支持枠体を介して同心状に支持させ、適宜深さ位置に設けられた固定用座金の装着座面に対し、接合環の外周錐状面に形成された接合座面を上方から下向きに密閉、嵌合状に装着し、単筒型ケーシング中を管内上部空間と管内下端部空間とに密閉状に分離すると同時に、注入パイプの吐出端を管内下端部空間に開口させるようにするものであり、必要に応じて固定用座金の装着座面と、接合環の接合座面との間にシール材を充填し、より確実に密閉可能なものとすることが可能である。
水中ポンプ設置行程は、当該単筒型ケーシングの上端がわから導入した揚水パイプ下端の水中ポンプを管内上部空間中の地下帯水層中に没する適所に配したものとし、注入パイプの支持枠体よりも上方となる中途箇所が、単筒型ケーシングの内側周壁に近接するよう折曲したものの場合には、該注入パイプの折曲箇所よりも上がわとなる適所に水中ポンプを配置させるように設定してなるものとすることが可能となる。
熱交換器接続行程は、揚水パイプおよび注入パイプの地上付近に導出した各端部間に連結パイプを介して熱交換器を接続するものであり、より具体的には、熱交換器を舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプとすることができる外、ヒートポンプユニットを設けものを、地下水熱源を消雪用ロードヒーティングや住宅用冷暖房、または発電用など様々な用途に利用可能なものとすることができ、必要に応じてそれらの配管をバルブを介して切り替え接続可能とするよう施工することも可能である。
地下水熱交換方法は、その帯水層上層水の汲み上げ行程により、地下の所定深さ位置にある帯水層中に略鉛直状に打設した単筒型ケーシングの、地下帯水層中に臨む通水領域部を通じ、隔壁体によって上下に分離された管内上部空間に流入する該帯水層中上層付近の地下水を水中ポンプによって汲み上げ、続く熱交換行程によって揚水パイプ、連結パイプを通じて汲み上げた地下水を熱交換器に供給し、消雪やその他の目的に供するよう地熱を放出させ、その後、帯水層下層水への還元行程にて熱交換器から排出された地下水を、連結パイプ、注入パイプを通じて単筒型ケーシングの管内下端部空間に強制的に送り込んで当該地下帯水層中下位層付近の地下水中に還元,復流させるという、それら各行程を所定時間に渡って連続的または断続的に繰り返すよう設定するようにしたものであり、地下水熱利用の必要な季節または日々の時間帯などに応じて自在に起動、停止させるよう制御するものとすることも可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の断面化された地下水熱交換システムの正面図、および図2の支持枠体の平面図に図示される事例は、下端がわ所定範囲に渡る肉厚方向に通水可能な通水領域部21の形成された単筒型ケーシング2を、その通水領域部21が地下帯水層WB中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング2内における通水領域部21の上下方向中途適所には、管内上部空間22と管内下端部空間23とを密閉状に分離可能とする隔壁体31を配した上、該隔壁体31を上下に貫通して管内下端部空間23に開口するようにした注入パイプ3を当該単筒型ケーシング2の地上がわがわ開口から導入すると共に、同単筒型ケーシング2の地上がわ開口から管内上部空間22で通水領域部21を通じて流入する地下水Wを汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプ41を組み込んだ揚水パイプ4を導入し、それら揚水パイプ4および注入パイプ3の地上がわ各端部間を、熱交換器5の組み込まれた連結パイプ51で外部から隔絶状に接続してなる、この発明の地下水熱交換システムにおける代表的な一実施例を示すものである。
当該地下水熱交換システム1は。、基本的に前述のとおり、地下帯水層WBに達するよう鉛直状に打設された単筒型ケーシング2と、同単筒型ケーシング2に内蔵され、地上付近に導出された注入パイプ3と揚水パイプ4との端部間に接続された熱交換器5の組み込まれた連結パイプ51とからなり、以下には、本発明の地下水熱交換システム施工方法に基づく施工手順に従い、その構造について説示することにする。
単筒型ケーシング打設行程は、消雪対象となる舗装路面下に敷設された熱交換器であるロードヒーティング用の放熱パイプ5に近接した適所地上面より、地下帯水層WBに達する直径Dが193.7mmの掘削穴BHを、地下水系の深さに応じて地下数メートルないし数十メートル程度、鉛直穴状に掘削した後に、地下帯水層WB中に達する深さまで単筒型ケーシング2を打設し、必要な場合には、深度に応じて複数本の単筒型ケーシング2を継ぎ足して連続する同心鉛直円筒状のものとするよう設置する。
当該単筒型ケーシング2は、外径が165.2mm、内径DIが、155.2mmの配管用炭素鋼鋼管またはステンレス鋼管製であって、地下帯水層WB中に達する先端がわの周壁、所定上下範囲に亘って複数のスリット孔を穿孔した通水領域部21が形成され、地下帯水層WBと地表がわの地層GSとの境界付近に相当する外周壁面に、OKS応用計測サービス株式会社製の「ナイスシール」(商品名)を用いた吸水膨張性を有する環状遮水帯24を水平状に捲着し、また、地下帯水層WB中に配置される内周壁適所には、外周壁面を単筒型ケーシング2の内周壁に接合可能な円筒面状に形成された環状体からなり、その中央に鉛直漏斗型、上下貫通状の装着座面33が形成された固定用座金32を配し、接合部分同士を熔接によって密閉状に固着したものとしている。
続いて行う隔壁体形成行程では、揚水パイプ4より先に、注入パイプ3を単筒型ケーシング2の深部まで導入しておく必要があり、注入パイプ3は単筒型ケーシング2内に導入する前段階において、該注入パイプ3の吐出端に、錐台状の上下を反転させ、錐状の外周壁面を当該固定用座金32の装着座面33に一致する形状、寸法に設定された接合環34の上端面中央が同心状に接続され、図1中に波線で示すように、その吐出口を同接合環34の下端面中央に貫通状に開口させたものとし、さらに、該接合環34より上方であって単筒型ケーシング2中に装着されたとき、地下帯水層WBの上層がわとなる範囲中に配置される注入パイプ3中途範囲の適所に一個の支持枠体6を同心状に固着すると共に、該支持枠体6直上の注入パイプ3中途部分を単筒型ケーシング2内周壁付近に誘導するよう折曲し、同単筒型ケーシング2上端まで鉛直状に導出可能とするようクランク状に形成したものとしてある。
支持枠体6は、図2中に示すように、単筒型ケーシング2の内径DI(155.2mm)より僅かに小さな外径DS(150mm)に設定された円環枠状の外枠部61を有し、その内がわに、注入パイプ3中途部を中心に配置させるよう、固着状に支持可能とする複数本の輻部62,62,……が一体形成されている。
固定用座金32と支持枠体6とを組み込み、鉛直下向き姿勢とした注入パイプ3は、その下向きの吐出端がわを単筒型ケーシング2上端開口から地下帯水層WB中に到達するよう降下させ、吐出端に固着された接合環34の接合座面35を、単筒型ケーシング2内周壁に固着済みの固定用座金32の装着座面33に同心状且つ水密状に面接合させるよう装着し、それら固定用座金32と接合環34との組み合わせによって単筒型ケーシング2内の空間を、地下帯水層WBの上層がわ範囲に通水可能な管内上部空間22、およびそれよりも下層がわとなる帯水層WB範囲に通水可能な管内下端部空間23とに区画する隔壁体31を形成し、注入パイプ3吐出口が、単筒型ケーシング2の中心に下向き開口状に固定されることとなり、それと同時に支持枠体6が、管内上部空間22の単筒型ケーシング2内周壁に対して嵌合状となって注入パイプ3中途部の支持枠体6装着部分を、単筒型ケーシング2の中心に配置させるよう固定、支持するものとなる。
水中ポンプ設置行程は、先に注入パイプ3が装着された単筒型ケーシング2内に揚水パイプ4の吸込み端がわを下向き姿勢に装着することにあり、装着の前段階において該揚水パイプ4の下向き姿勢とした吸込み端に、水中ポンプ41を接続しておき、当該単筒型ケーシング2管内上部空間22の支持枠体6より上がわであってクランク状に折曲され、同単筒型ケーシング2内周壁に沿って上向き延伸状となるよう配管されている注入パイプ3中途部から外れた鉛直状空間に沿って揚水パイプ4を降下させ、その下端の水中ポンプ41を地下帯水層WBから流入した地下水W中に没する深さまで到達させて適宜吊り下げ状に固定したものとする。
熱交換器接続行程では、以上のようにして配管された揚水パイプ4の吐出端に、開閉バルブ42を介在させ、熱交換器であるロードヒーティング用放熱パイプ5の連結パイプ51の給水端を接続し、同放熱パイプ5の吐出がわとなる連結パイプ51の排水端には注入パイプ3の吸込み端を接続し、地下帯水層WBとの間に閉鎖された地下水Wの循環型配管路を外部から隔絶状に形成したものとする。
当該地下水熱交換システムは、図3の断面化された一部に変更を加えた地下水熱交換システムの正面図に示すように、単筒型ケーシング2の管内上部空間22内に配された注入パイプ3中途部の上下に適宜間隔を隔てた複数適所の夫々に支持枠体6,6を装着したものとすることが可能である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の地下水熱交換システム1は、この発明に包含される地下水熱交換システム施工方法により、効率的に設置することが可能であり、その単筒型ケーシング打設行程では、プレボーリング工法によって地中に穿設された掘削穴BHに対し、鉛直姿勢に打ち込まれる単筒型ケーシング2の、地下帯水層WBよりも僅か上がわとなる深さ位置に相当する外周壁面に環状遮水帯24を捲着しておくことにより、該環状遮水帯24が、打設後に地下水Wを吸収し、該単筒型ケーシング2外周壁面と地中壁との隙間を密閉し、地上への地下水Wの漏水を確実に阻止するものとなる。
また、単筒型ケーシング2の内周壁に設けられた固定用座金32と、注入パイプ3の吐出端に設けられた接合環34とからなる隔壁体31は、単筒型ケーシング2の打設作業と、注入パイプ3の装着作業とを分割して行えるようにし、夫々の作業効率を高めると共に、単筒型ケーシング2の打設作業に従来型のプレボーリング工法をそのまま利用できるものとし、打設作業による注入パイプ3の変形や破損を防止するものとなり、しかも注入パイプ3の装着によって自動的に隔壁体31が形成され、単筒型ケーシング2内を、管内上部空間22と管内下端部空間23とに分離することが可能である。
隔壁体形成行程にあっては、隔壁体31が、単筒型ケーシング2の地下帯水層WB中の適所となる深さ相当箇所の内周壁に密閉状に熔接された環状体からなり、その中央に鉛直漏斗状の装着座面33を形成した固定用座金32と、上下を反転させて外周壁面を接合座面35とした錐台状からなり、注入パイプ3の鉛直下向き状姿勢とした吐出端を、上端中央から下端中央に貫通状に一体化させた接合環34とから形成され、固定用座金32の装着座面33に接合環34の接合座面35を装着、組み合わせることにより、注入パイプ3の吐出口が単筒型ケーシング2管内下端部空間23の中央に配置するよう自動的に誘導、位置決めされるものとなり、該注入パイプ3吐出口から水中ポンプ41の供給圧力を受けて放出される地下水Wが、単筒型ケーシング2の下端周壁から通水領域部21を通じて略均質な圧力をもって排出され、地下帯水層WBへの冷却による影響を最小限度に留めることが可能となる。
注入パイプ3は、管内上部空間22に位置する中途適所を支持枠体6によって単筒型ケーシング2内周壁に同心状に案内、支持され、単筒型ケーシング2に対して同注入パイプ3吐出端を同心状に固定可能とし、吐出圧力を受ける注入パイプ3吐出端を隔壁体31に安定的に固定させることができ、固定用座金32と接合環34との接合部分に隙間が発生するのを阻止し、管内下端部空間2から管内上部空間22への漏水の発生を確実に防止することができ、図3中に示すように、複数枚の支持枠体6,6を所定間隔置き毎に設けたものでは、大深度に設置された注入パイプ3の同心状姿勢を安定的に支持可能となって隔壁体31における注入パイプ3吐出端の傾斜、およびそれに起因する漏水を確実に阻止可能となる。
さらに、管内上部空間22内に配置され、支持枠体6の直上となる注入パイプ3中途部を、単筒型ケーシング2の内がわ周壁に近接させるよう折曲したものとし、水中ポンプ設置行程において装着される水中ポンプ41の収容空間を広く確保でき、相対的に単筒型ケーシング2の口径を一段と小型化することが可能となる。
熱交換器接続行程において、熱交換器を舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプ5に設定してあり、地下水Wの汲み上げを原因とする地盤沈下や周辺水源の枯渇、地下水Wの汚染などという環境破壊を未然に防ぎ、地下熱だけを効率的に取り出して経済的な消雪および消氷を実現可能とすることが可能となり、さらに図示しないヒートポンプを設置したものでは、ロードヒーティングに留まらず、建築物の給湯システムや発電システム用の熱源として有効利用可能なものとすることができる。
この発明の地下水熱交換システム1は、この発明に包含される地下水熱交換方法を実施可能とするものであり、以下ではその熱交換方法に基づく消雪方法の手順に従い、その作用について述べて行くこととする。
図1中に示す地下水熱交換システム1は、積雪や路面凍結などが発生する気象条件のときに、開閉バルブ42を開放し、水中ポンプ41を起動させて帯水層上層水の汲み上げ行程を実行すると、地下の所定深さ位置にある帯水層WB中に略鉛直状に打設された単筒型ケーシング2の、地下帯水層WB中に臨む通水領域部21を通じ、隔壁体31によって上下に分離した中の管内上部空間22に、同図1中に白抜き矢印で示されるように、流入する当該帯水層WB中上位層付近の地下水Wを、揚水パイプ4を通じて連続的に汲み上げることとなり、この際、支持枠体6は、図2中に示すように、単筒型ケーシング2内周壁に接触状となっている外枠部61と、各輻部62,62,……との間に流通部分を開口し、地下水Wを上下に流動自在なものとなっている。
続く熱交換行程では、揚水パイプ4と連結パイプ51とを通じて汲み上げた地下水Wを、熱交換器であるロードヒーティング用の放熱パイプ5に供給し、該放熱パイプ5を通過する過程において、舗装路面上の積雪や結氷に地熱を伝達して融雪または融氷機能を発揮するものとなり、放熱パイプ5から排出された地下水Wは、その全量が地下帯水層下位層部分への還元行程により、連結パイプ51と注入パイプ3とを通じて単筒型ケーシング2の管内下端部空間23に衛生な状態を保ったまま注入され、該地下帯水層WB中の下位層付近の地下水W中に還元、復流させることとなる。
このように帯水層下層水への還元行程によって地下帯水層WB中、下位層付近に還元された放熱地下水Wは、消雪の際の放熱などによって低温化されてしまい、地下帯水層WB中の本来の暖かい地下水Wよりも当然に比重が大きくなっており、注入、還元されても管内上部空間22がわに上昇することはなく、しかも放熱地下水Wの降下によって発生する対流により、管内上部空間22の周囲には地熱を十分に蓄えた地下水Wがわが誘導されて水中ポンプ41に吸い込まれるという現象を生ずる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の地下水熱交換システム1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1中に示したとおり、管内上部空間22内に配置された注入パイプ3中途部の支持枠体6の直上となる箇所を単筒型ケーシング2の内がわ周壁に近接させるよう折曲し、そのまま同単筒型ケーシング2の内周壁に沿って上端まで延伸させ、水中ポンプ41の収容スペースを大きく設定可能としてあり、単筒型ケーシング2の口径を拡大せずに、注入パイプ3の吐出端を管内下端部空間23まで延長し、水中ポンプ41を管内上部空間22に配置、収容可能とするものであり、注入パイプ3の吐出端が水中ポンプ41よって上がわに配置されるようにした従来型の井戸に比較して地熱の熱交換効率を高めることができ、比較的小口径の単筒型ケーシング2を用いた高性能の消雪装置を実現化することができるという効果が得られる。
加えて、水中ポンプ41が、単筒型ケーシング2の上端開口に近い管内上部空間22に配されるようにしたものとなっており、当該地下水熱交換システム1の部品の中で最もメンテナンス頻度の高い水中ポンプ41を簡単且つ迅速に取り外して点検、整備することができるようにしてあり、しかも取り外しの際には、開閉バルブ42を閉じることにより、汲み上げた地下水Wの漏出を最小限度に留めることができ、地下水系の保護と維持費用の削減とに秀れた効果を発揮するものとなっている。
さらに、水中ポンプ41を取り外した状態のときに注入パイプ3を引き上げれば、隔壁体31の接合環34が固定用座金32から簡単に離脱、引き抜くことが可能となり、単筒型ケーシング2内の洗浄やメンテナンスを効率的に行うことができ、維持経費の節減と地下水熱交換システム1自体の長寿命化を可能とすることから、経済性に秀れたものとなる上、自然環境にも優しいシステムとして長期に亘る利用が可能となるという大きな利点が得られる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の地下水熱交換システム、および地下水熱交換システムの施工方法ならびにそれによる地下水熱交換方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの冷却還元液を蘇生・融雪地熱液とする循環地中装置に比較して地熱の熱交換効率を大幅に向上させることができ、遥かに経済的なものとすることができる上、薄い帯水層を利用した無散水消雪施設の水平井戸に比較して施設の小型化を図ることができ、施工に際しても従来型のプレボーリング工法をそのまま利用でき、長年に亘って積み上げられてきたボーリング技術とその経験とを十分に活かすことができることから、掘削業界や地下水業界をはじめ、消雪設備業界や地下水熱利用を目指すエネルギー業界はもとよりのこと、降雪地帯の一般市民においても高い評価がなされ、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の地下水熱交換システム、および地下水熱交換システム施工方法、ならびにそれらを利用した地下水熱交換方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
地下水熱交換システムの一実施例を断面化して示す正面図である。 単筒型ケーシングに装着された支持枠体を示す平面図である。 一部に変更を加えた地下水熱交換システムを断面化して示す正面図である。
符号の説明
1 地下水熱交換システム
2 単筒型ケーシング
21 同 通水領域部
22 同 管内上部空間
23 同 管内下端部空間
24 同 環状遮水帯
DI 同 単筒型ケーシングの内径
3 注入パイプ
31 同 隔壁体
32 同 固定用座金
33 同 装着座面
34 同 接合環
35 同 接合座面
4 揚水パイプ
41 同 水中ポンプ
42 同 開閉バルブ
5 ロードヒーティング用の放熱パイプ(熱交換器)
51 同 連結パイプ
6 支持枠体
61 同 外枠部
62 同 輻部
DS 同 支持枠体の外径
GL 地上面
GS 地表がわの地層
WB 地下帯水層
W 同 地下水
BH 掘削穴
D 同 掘削穴の直径

Claims (9)

  1. 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部の形成された単筒型ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング内における通水領域部の上下方向中途適所には、管内上部空間と管内下端部空間とを密閉状に分離可能とする隔壁体を配した上、該隔壁体を上下に貫通状として管内下端部空間に開口するようにした注入パイプを当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から導入すると共に、同単筒型ケーシングの地上がわ開口から管内上部空間で通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを導入し、それら揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとしたことを特徴とする地下水熱交換システム。
  2. 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部の形成された単筒型ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング内における通水領域部の上下方向中途適所には、管内上部空間と管内下端部空間とを密閉状に分離可能とする隔壁体を配した上、該隔壁体を上下に貫通状として管内下端部空間に開口するようにした注入パイプを当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から導入すると共に、同単筒型ケーシングの地上がわ開口から管内上部空間で通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを導入し、それら揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続するようにし、水中ポンプによって汲み上げた管内上部空間に相当する地下帯水層中上層付近の地下水が、揚水パイプを介して熱交換器に供給され、熱交換を終えた地下水は、注入パイプを通じて管内下端部空間に相当する地下帯水層中下層付近に還元されるよう設定してなるものとしたことを特徴とする地下水熱交換システム。
  3. 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部の形成された単筒型ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設する一方、当該単筒型ケーシング内における通水領域部の上下方向中途適所には、管内上部空間と管内下端部空間とを密閉状に分離可能とする隔壁体を配した上、該隔壁体の平面形中央を上下に貫通状とするよう、同隔壁体とは適宜間隔を置いた管内上部空間内適所で平行状に配する支持枠体を介して管内下端部空間に開口するようにした注入パイプを当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から導入すると共に、当該単筒型ケーシングの地上がわ開口から管内上部空間で通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを導入し、それら揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとしたことを特徴とする地下水熱交換システム。
  4. 隔壁体は、単筒型ケーシングの内周壁適所に密着状とする環状体であって、その中央に鉛直方向漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を設け、該固定用座金の装着座面に対し、先端を切除して上下を反転させた錐台状となし、その上端中央に注入パイプの下端が接続され、同注入パイプの吐出口を下端中央に貫通状に開口してなる接合環で、その外周錐状面に形成した接合座面が上方から下向きに密閉、嵌合状に接合されるよう組み合わせてなるものとした、前記請求項1ないし3何れか一項記載の地下水熱交換システム。
  5. 注入パイプは、支持枠体の直上辺りの中途部から上位部分を単筒型ケーシング内周壁の何れかがわに接近して偏心するよう折曲、配置してなるものとし、同偏心箇所のその余の部分に水中ポンプの収容空間を確保するようにした、前記請求項1ないし4何れか一項記載の地下水熱交換システム。
  6. 上部地層とその下の地下帯水層との境界付近となる単筒型ケーシング外周壁面には、掘削穴内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする環状遮水帯を装着してなるものとした、前記請求項1ないし5何れか一項記載の地下水熱交換システム。
  7. 熱交換器は、舗装路面下に敷設するロードヒーティング用の放熱パイプとしてなるものとした、前記請求項1ないし6何れか一項記載の地下水熱交換システム。
  8. 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部を形成し、該通水領域部の上下方向中途適所の内周壁に対し、環状体でその中央に鉛直漏斗状の装着座面を形成した固定用座金を密閉状に固着すると共に、当該通水領域部より上方となる外周壁面の適所には環状遮水帯を装着してなる単筒型ケーシングを、その通水領域部全域が地下帯水層中に到達する最適深さまで略鉛直状に打設するようにした単筒型ケーシング打設行程を行うと共に、上下を反転させた錐台状とした接合環の平面形中央を上下に貫通状に一体化した注入パイプを、当該単筒型ケーシングの上端がわから挿入し、必要に応じてその中途適所を同単筒型ケーシング内周壁適所に密着状としたまま上下通水可能とする一個または複数個の支持枠体を介して同心状に配設した上、予め通水領域部の所定深さ位置に設けた固定用座金の装着座面に対し、当該接合環の接合座面を上方から嵌合、密着して単筒型ケーシング内を管内上部空間と管内下端部空間とに分離すると同時に、注入パイプの吐出端を管内下端部空間に開口させるようにした隔壁体形成行程を行った後、当該単筒型ケーシングの上端がわから導入した揚水パイプ下端の水中ポンプを管内上部空間内の地下帯水層中に没する適所に配するようにした水中ポンプ設置行程を行う一方、地上適所における熱交換器接続行程により、前記揚水パイプおよび注入パイプの地上がわ各端部間に、熱交換器の組み込まれた連結パイプを配置、接続し、揚水パイプから注入パイプまでが外部から隔絶状に連通するようにしたことを特徴とする、請求項1ないし7何れか一項記載の地下水熱交換システムの施工方法。
  9. 通水領域部が地下帯水層中に達するよう略鉛直状に打設した単筒型ケーシングの、当該通水領域部の中、隔壁体によって上下に分離した管内上部空間が臨むこととなる地下帯水層上位の地下水を、管内上部空間に配した揚水パイプの水中ポンプによって汲み上げるようにした帯水層上層水の汲み上げ行程を行い、当該揚水パイプを通じて汲み上げた地下水を連結パイプを介して熱交換器に供給して地熱を放出させるようにした熱交換行程を実施した上、熱交換を終えた地下水を、連結パイプを介した注入パイプを通じて当該単筒型ケーシング内の管内下端部空間にまで強制誘導し、当該地下帯水層で、先の揚水層よりも下位となる地下水中に注水、還元するようにした帯水層下層水への還元行程を行う一連の工程を、連続的または断続的に繰り返すようにしたことを特徴とする、請求項1ないし7何れか一項記載の地下水熱交換システムによる地下水熱交換方法。
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