[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態に係る携帯電話機を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯電話機の構成を示すブロック図である。
同図において、図示しない基地局から送信された無線信号は、アンテナ11で受信されたのちアンテナ共用器(DUP)12を介して受信回路(RX)13に入力される。受信回路13は、前記受信された無線信号を周波数シンセサイザ(SYN)14から出力された局部発振信号とミキシングして中間周波信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。そして、このダウンコンバートされた中間周波信号を直交復調して受信ベースバンド信号を出力する。なお、前記周波数シンセサイザ14から発生される局部発振信号の周波数は、マイクロコンピュータ(CPU;Central Processing Unit)等から成る制御ユニット23から出力される制御信号SYCによって指示される。
受信感度検出回路41は、前記受信回路13で生成された中間周波信号より、或いは前記受信ベースバンド信号より、当該無線信号の受信電界強度を示す信号である受信信号強度表示信号RSSI(Receiving Signal Strength Indicator)を検出する。
また、前記制御ユニット23は、当該無線信号におけるSNIR(Signal to Noise Ratio;SN比)を算出する。このSNIRはC/Iとも称され、一般にAT(端末側)からAN(網側)へ通知するDRC(Data Rate Control ;ATが要求する下り信号の通信速度であり、ANによって決定される)の決定の際に用いられる。なお、図2は、EVDOシステム Rev.Aにおける前記SNIR(C/I)対前記DRCの対応をとった一例を示す図である。前記SNIR(C/I)と前記DRCとの対応関係は、例えば同図に示すようになっているものとする。
なお、前記RSSI及び前記SNIRは共に、後述する電波感度の状態チェック(図7に示すフローチャート参照)に用いられるパラメータである。
ところで、前記受信ベースバンド信号はCDMA信号処理ユニット16に入力される。このCDMA信号処理ユニット16はRAKE受信機を備える。RAKE受信機では、前記受信ベースバンド信号に含まれる複数のパスがそれぞれ拡散符号により逆拡散処理される。そして、この逆拡散処理された各パスの信号が位相を調停されたのち合成される。かくして、所定の伝送フォーマットの受信パケットデータが得られる。この受信パケットデータは圧縮伸長処理ユニット(以後コンパンダと称する)17に入力される。
前記コンパンダ17は、前記CDMA信号処理ユニット16から出力された受信パケットデータを多重分離部によりメディアごとに分離する。そして、この分離されたメディアごとのデータに対しそれぞれ復号処理を行う。例えば、通話モードにおいては、受信パケットデータに含まれている通話音声等のオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。
また、本第1実施形態に係る携帯電話機はいわゆるテレビ電話機能を有するが、テレビ電話のように、受信パケットデータにビデオデータが含まれていれば、前記コンパンダ17は、該ビデオデータをビデオコーデックにより復号する。
前記復号処理により得られたディジタルオーディオ信号は、PCM符号処理ユニット(以後PCMコーデックと称する)18に供給される。PCMコーデック18は、コンパンダ17から出力されたディジタルオーディオ信号をPCM復号してアナログオーディオ信号を出力する。このアナログオーディオ信号は、受話増幅器19にて増幅されたのちスピーカ20より出力される。
なお、オーディオ再生モードが設定されている場合には、制御ユニット23は記憶ユニット24から該当するオーディオコンテンツを読み出し、このオーディオコンテンツを復号処理したのち前記PCMコーデック18及び受話増幅器19を介してスピーカ20から拡声出力する。
ところで、前記コンパンダ17により復号されて生成した画像データは、制御ユニット23に入力される。制御ユニット23は、前記コンパンダ17から出力された画像データを、ビデオRAMを介してディスプレイ28に表示する。なお、制御ユニット23は、受信された画像データばかりでなく、後述するカメラ33により撮像された画像データについてもビデオRAMを介してディスプレイ28に表示する。
また、前記コンパンダ17は、受信パケットが電子メールの場合には、この電子メールを制御ユニット23に供給する。制御ユニット23は、前記電子メールを記憶ユニット24に保存する。そして、入力デバイス27の操作状態に応じて、記憶ユニット24から前記電子メールを読み出し、この電子メールをディスプレイ28に表示する。
一方、通話モードにおいて、マイクロホン21に入力された話者の音声信号は、送話増幅器22により適正レベルまで増幅されたのち、PCMコーデック18によりPCM符号化処理が施されてディジタルオーディオ信号となり、コンパンダ17に入力される。また、後述するカメラ33から出力される画像データは、制御ユニット23によりディジタル化されてコンパンダ17に入力される。なお、制御ユニット23において作成された電子メールも、制御ユニット23からコンパンダ17に入力される。
ここで、前記カメラ33は撮像を行う為のカメラである。本第1実施形態に係る携帯電話機では、テレビ電話における表示映像としての画像データは、前記カメラ33による撮像で取得する。
前記コンパンダ17は、PCMコーデック18から出力されたディジタルオーディオ信号より入力音声のエネルギ量を検出し、この検出結果に基づいて送信データレートを決定する。そして、前記ディジタルオーディオ信号を前記送信データレートに応じたフォーマットの信号に符号化し、これによりオーディオデータを生成する。また、制御ユニット23等から出力された画像データを、所定のビットレートで符号化(エンコード処理)する。そして、これらのオーディオデータ及び画像データを多重分離部で所定の伝送フォーマットに従いパケット化し、この送信パケットデータをCDMA信号処理ユニット16へ出力する。なお、制御ユニット23から電子メールが出力された場合にも、この電子メールを前記送信パケットデータに多重化する。
CDMA信号処理ユニット16は、前記コンパンダ17から出力された送信パケットデータに対し、送信チャネルに割り当てられた拡散符号を用いてスペクトラム拡散処理を施す。そして、その出力信号を送信回路(TX)15へ出力する。送信回路15は、前記スペクトラム拡散された信号をQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式等のディジタル変調方式を使用して変調する。そして、この変調により生成された送信信号を、周波数シンセサイザ14から発生される局部発振信号と合成して無線信号に周波数変換する。そして、制御ユニット23により指示される送信電力レベルとなるように前記無線信号を高周波増幅する。この増幅された無線信号は、アンテナ共用器12を介してアンテナ11に供給され、このアンテナ11から図示しない基地局へ向けて送信される。
電源回路26は、バッテリ25の出力をもとに所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に供給する。バッテリ25は充電回路29により充電される。
また、詳しくは図7に示すフローチャートを参照して後述するが、本第1実施形態に係る携帯電話機においては、前記制御ユニット23は、前記RSSIまたは前記SNIR、または双方に基づいて電波感度の状態をチェックし、且つ該チェック結果に基づいて、テレビ電話機能の利用時等における前記コンパンダ17による画像データのエンコード処理の際のエンコードルールの設定変更を行う。具体的には、以下の通りである。
まず、前記制御ユニット23は、前記RSSIまたは前記SNIR、または双方から、所定の算出式により電波感度指数を算出する。そして、該電波感度指数が所定の閾値を超えたか否かを判定する。なお、この電波感度指数の値が低いほど、前記電波感度は良好であるとする。
ここで、前記制御ユニット23は、前記電波感度指数が前記所定の閾値を超えていないと判定した場合、前記コンパンダ17によって前記画像データをエンコード処理する際のエンコードルールを、初期設定ビットレート(高ビットレート)のエンコードルールに設定する(エンコードルールの変更を行わない)。
一方、前記制御ユニット23は、前記電波感度指数が前記所定の閾値を超えていると判定した場合、前記コンパンダ17によって前記画像データをエンコード処理する際のエンコードルールを、初期設定ビットレートよりも低ビットレートのエンコードルールに設定する(エンコードルールの変更を行う)。
つまり、本第1実施形態に係る携帯電話機においては、前記制御ユニット23は、前記RSSI及び前記SNIRに基づいて、前記コンパンダ17によるエンコード処理の際のエンコードルール(ビットレート)を決定する。
以下、本第1実施形態に係る携帯電話機の外観の一例を、図3及び図4を参照して説明する。
ここで、図3は、携帯電話機1を約180度開いた時の外観図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は側面図である。また、図4は携帯電話機1を閉じた時の外観図であり、図4(A)は正面図、図4(B)は側面図である。ここで、携帯電話機1においては、上筐体部2Aと下筐体部2Bとが、ヒンジ部2Cを介して接続されている。
前記上筐体部2Aは、LCD等から成る前記ディスプレイ28、受信した音声を発声するレシーバとしての前記スピーカ20、携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ3a,3c、前記カメラ33、LCD等から成るサブディスプレイ28a、及び静電タッチパッド4を有している。ここで、前記サブディスプレイ28aと前記静電タッチパッド4とは、上筐体部2Aの同一の面上に備えられている。同様に、前記スピーカ20と、前記ディスプレイ28と、前記カメラ33とは、前記筐体部2Aの同一の面上に備えられている。
前記下筐体部2Bは、数字、文字、携帯電話機1の操作等を入力するためのキー5A、サイドキー5B、集音するためのマイクロホン(図4(A)においては送話口を指し示している)21、及び携帯電話機1の状態を検知するための磁気センサ3b、3dを有している。なお、図4に示す前記キー5A及び前記サイドキー5Bは、図1に示す前記入力デバイス27に対応する。
なお、前記上筐体部2A及び前記下筐体部2Bに設けられている磁気センサ3a乃至3dは、これらセンサ同士が所定の距離内まで近接した状態となると検出信号を出力する。ここで、前記各センサ3a乃至3dのうち、磁気センサ3aと磁気センサ3bとから成る対は、上筐体部2Aと下筐体部2Bとが重なり合っているか否かを検出する為の対である。
以下、前記ディスプレイ28の表示例、及び前記キー5Aの配置例を説明する。ここで、図5(A)は前記ディスプレイ28の表示例、図5(B)は前記キー5Aの配置例を示す図である。
図5(A)に示すように、前記ディスプレイ28には、一番上の行(以降、上ピクト行と称する)には、現在のアンテナ11の電波感度のレベル(前記RSSIまたは前記SNIR、または双方に基づいて前記制御ユニット23により算出される)を示すアンテナピクト51と、携帯電話機1の現在の電池残量を示す電池ピクト52と、現在の時刻を表示する時刻表示53と、BT(Bluetooth(登録商標))の起動中に表示されるBTアイコン54と、例えばMusic Player(以降、MPと称する)が起動されているときに表示されるミュージックアイコン55とが表示されている。
ここで、前記BTアイコン54は、BTの接続中は青色でアイコンの背景が表示(図の楕円の中が青色)され、サーバ動作(BT接続待ち状態)の際には白色で表示(図の楕円の中が白色)される。そして、BT接続がなされていないとき(BTリンクが切断されたときも含む)は消灯するよう制御される。
また、前記ミュージックアイコン55は、前述のとおりMPが起動されているときに表示されるが、バックグラウンドミュージック(以降、BGMと称する)として再生されている時にも表示されており、それ以外のときは消灯するよう前記制御ユニット23に制御される。
ところで、前記ディスプレイ28の一番下の行(以降、下ピクト行と称する)には、当該時点において、ソフトキー左64、確定キー65(十字キー67の中心部)、ソフトキー右66が押圧操作された場合に実行される機能の簡単な説明が、左下ピクト56、中下ピクト57、右下ピクト58として示されている。ここで、前記ソフトキー左64については前記左下ピクト56、前記確定キー65については前記中下ピクト57、前記ソフトキー右66については前記右下ピクト58がそれぞれ対応している。
たとえば、図5(A)に示す表示が前記ディスプレイ28に為されている場合、前記ソフトキー左64が押圧操作されると、“戻る”という機能が実行され、前記確定キー65が押圧操作されると、同図においては図示されていないが、現在フォーカスが当たっている機能が選択される。また、前記ソフトキー右66が押圧操作されると、“サブメニュー”が前記ディスプレイ28に表示される。
ところで、図5(B)に示すように、前記下筐体部2Bは、前記キー5Aとして、数字キー61、「*」キー62、「#」キー63、ソフトキー左64、確定キー65、ソフトキー右66、十字キー67、メールキー68、ブラウザキー69、通話キー70、電源キー71、及びクリアキー72を有する。
ここで、前記数字キー61は、数字のほかに、かな文字、記号文字、アルファベット等が割り当てられており、例えば、「1」のキーには、数字「1」、「あ」「い」「う」「え」「お」のかな文字、及び「.」「@」の記号が割り当てられており、「2」のキーには、数字「2」、「か」「き」「く」「け」「こ」のかな文字、及び「A」「B」「C」「a」「b」「c」などのアルファベットが割り当てられている。
そして、前記「*」キー62には「*」が割り当てられている。また、この「*」キー62は、文字入力状態において記号一覧、絵文字一覧を呼び出す為のキーでもある。前記「#」キー63には「#」が割り当てられている。また、この「#」キー63は、文字入力状態において、数字キー61による文字入力のトグルを逆にする為のキーでもある。
前記十字キー67は、上キーと、下キーと、左キーと、右キーと、確定キー65とを有する。すなわち、前記十字キー67は、カーソル等を上下左右方向に移動する為のキーである。また、前記確定キー65は、さまざまな機能を確定する為のキーである。前記メールキー68は、メールの送受信機能を呼び出す為のキーである。また、前記ブラウザキー69は、Web等に接続する為のキーである。
前記通話キー70は、主に電話を受ける際や、通常の発信をする際に用いるキーである。前記電源キー71は、主に電源のON/OFF、終話操作、及び機能や編集等の終了操作の為のキーである。さらに、前記クリアキー72は、主として、機能や編集等をクリアする為、及び文字入力の際に文字を消去する為のキーである。また、前記ディスプレイ28が待受画面を表示している時に、前記クリアキー72が押圧操作されると、前記ディスプレイ28にはメモ帳が呼び出されて表示される。
以下、本第1実施形態に係る携帯電話機の前記制御ユニット23による動作制御について、図6及び図7に示すフローチャートを参照して説明する。図6は、テレビ電話機能利用時における画像データの処理に関連する動作制御を簡略的に示すフローチャートである。図7は、本第1実施形態に特有の動作制御である“エンコードルール設定変更”の一連の動作制御を示すフローチャートである。
まず、テレビ電話における送信画像として用いられる画像データを、前記カメラ33によって取得する(ステップS1)。続いて、前記カメラ33から出力される画像データをディジタル化した後、前記コンパンダ17に入力し、前記コンパンダ17によって前記画像データを所定のビットレートにて送信できるようにエンコード処理する(ステップS2)。
なお、詳しくは図7に示すフローチャートを参照して説明するが、本第1実施形態に係る携帯電話機においては、ステップS2のエンコード処理を行う前に、電波感度の状態チェック結果に基づいて、適宜前記ステップS2のエンコード処理における“エンコードルールの設定変更(ビットレートの設定変更)”を行う(ステップS10)。
ところで、前記ステップS2における処理を終えた後は、前記画像データに対して図1を参照して説明した各種処理を施し、前記アンテナ共用器12を介して前記アンテナ11から図示しない基地局へ向けて送信する(ステップS3)。その後、前記ステップS1へ戻る。
以下、前記制御ユニット23による“エンコードルールの設定変更”の一連の動作制御(前記ステップS10のサブルーチン)を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図7に示すフローチャートにおける動作制御は、図6に示すフローチャートにおける動作制御とは独立して行われる。
まず、前記受信感度検出回路41によって検出された前記RSSIを受信し、当該受信信号における前記SNIRを算出する(ステップS101)。続いて、前記RSSIまたは前記SNIR、または双方に基づいて、前記電波感度の状態をチェックする(ステップS102)。具体的には、前記ステップS102においては、前記RSSIまたは前記SNIR、または双方から、所定の算出式により電波感度指数を算出する。
そして、前記ステップS102において電波感度指数を算出した後、該電波感度指数が所定の閾値を超えたか否かを判定する(ステップS103)。このステップS103において、前記電波感度指数が前記所定の閾値を超えていないと判定した場合は、前記ステップS2における前記コンパンダ17による前記画像データのエンコード処理の際のエンコードルールを、初期設定ビットレートのエンコードルールに設定する(ステップS104)。換言すれば、このステップS104においてはエンコードルールの設定変更を行わない。その後、前記ステップS101へ戻る。
一方、前記ステップS103において、前記電波感度指数が閾値を超えていると判定した場合は、前記ステップS2における前記コンパンダ17による前記画像データのエンコード処理の際のエンコードルールを、前記初期設定ビットレートよりも低ビットレートのエンコードルールに設定する(ステップS105)。その後、前記ステップS101へ戻る。
以上説明したように、本第1実施形態によれば、電波状態の悪い環境下においてもスムーズに短時間で画像データの送信を行うことができる携帯端末装置を提供することができる。
したがって、本第1実施形態に係る携帯端末装置によれば、電波状態の悪い環境下においてデータ容量の大きい画像データの送信を行う場合、例えばテレビ電話機能を利用する場合であっても、当該画像データを受信する側の端末装置において、受信画像データの表示更新がスムーズに為される。つまり、当該画像データを受信する側の端末装置における、受信画像データの表示更新遅延を防ぐことができる。これにより、受信する側の端末装置のユーザーが、受信画像データの表示更新に対してストレスを感じることを防ぐことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る携帯電話機について説明する。なお、前記第1実施形態と本第2実施形態との主な相違点は、前記第1実施形態においては“エンコードルールの設定変更”において設定することができるビットレートが2段階(初期設定ビットレート及び低ビットレート)であったのに対して、本第2実施形態においては“エンコードルールの設定変更”において設定することができるビットレートが3段階(初期設定ビットレート、中ビットレート、及び低ビットレート)である点である。ここでは、前記相違点を中心に、本第2実施形態に係る携帯電話機を説明する。
以下、本第2実施形態に係る携帯電話機における前記制御ユニット23による“エンコードルールの設定変更”の一連の動作制御を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。なお、前記第1実施形態において図7を参照して説明した動作制御と同様の動作制御を行うステップに関しては同様のステップ番号を付して説明を省略する。
前記ステップS102において前記RSSIまたは前記SNIR、または双方から、所定の算出式により電波感度指数を算出した後、該電波感度指数が第1閾値を超えたか否かを判定する(ステップS203)。
前記ステップS203において、前記電波感度指数が前記第1閾値を超えていないと判定した場合は、前記ステップS2における前記コンパンダ17による前記画像データのエンコード処理の際のエンコードルールを、初期設定ビットレートのエンコードルールに設定する(ステップS204)。換言すれば、このステップS204においてはエンコードルールの設定変更を行わない。その後、前記ステップS101へ戻る。
一方、前記ステップS203において、前記電波感度指数が前記第1閾値を超えていると判定した場合は、前記電波感度指数が第2閾値を超えているか否かを判定する(ステップS205)。ここで、前記第2閾値は、前記第1閾値よりも大きい値であるとする。
前記ステップS205において、前記電波感度指数が前記第2閾値を超えていないと判定した場合は、前記ステップS2における前記コンパンダ17による前記画像データのエンコード処理の際のエンコードルールを、初期設定ビットレートよりも低いビットレートである“中ビットレート”のエンコードルールに設定する(ステップS206)。その後、前記ステップS101へ戻る。
ところで、前記ステップS205において、前記電波感度指数が前記第2閾値を超えたと判定した場合は、前記ステップS2における前記コンパンダ17による前記画像データのエンコード処理の際のエンコードルールを、前記中ビットレートよりも低いビットレートである“低ビットレート”のエンコードルールに設定(エンコードルールの変更を行う)する(ステップS207)。その後、前記ステップS101へ戻る。
以上説明したように、本第2実施形態によれば、電波状態の悪い環境下においてもスムーズに短時間で画像データの送信を行うことができ、且つ前記第1実施形態に係る携帯端末装置に比べてより細かなエンコードルールの設定を行うことができる携帯端末装置を提供することができる。
したがって、本第2実施形態に係る携帯端末装置によれば、電波状態の悪い環境下においてデータ容量の大きい画像データの送信を行う場合、例えばテレビ電話機能を利用する場合であっても、当該画像データを受信する側の端末装置において、受信画像データの表示更新がスムーズに為される。つまり、当該画像データを受信する側の端末装置における、受信画像データの表示更新遅延を防ぐことができる。これにより、受信する側の端末装置のユーザーが、受信画像データの表示更新に対してストレスを感じることを防ぐことができる。なお、前記第1実施形態に係る携帯端末装置に比べて、エンコードルールの設定をより細かく行うことができるので、当該画像データを受信する側の端末装置における画像データの表示更新も、より最適な表示更新レートで行われる。
なお、上述したように前記電波状態指数を前記第1閾値または前記第2閾値と比較することでエンコードルールの決定をするのではなく、単純に前記RSSIや前記DRC(又は前記SNIR)に対応させてエンコードルールを決定しても勿論よい。この場合、前記RSSIや前記DRCと、エンコードルールにおけるビットレートとの関係は、例えば図9に示すように設定すればよい。なお、図9に示す前記RSSIや前記DRCの具体的な数値はあくまでも一例であって、それらの数値に限られないことは勿論である。
以上、第1実施形態及び第2実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形及び応用が可能なことは勿論である。
例えば、前記第1実施形態及び前記第2実施形態においては、前記電波感度指数が前記所定の閾値を超えたか否かを判断基準として、上述したエンコードルールの設定を行ったが、前記電波感度指数が所定の閾値を“所定時間以上”超えていたか否かを判断基準として、上述したエンコードルールの設定を行っても勿論よい。
このようにすることで、前記電波感度指数が前記所定の閾値を“瞬間的に(僅かな時間だけ)”超えた場合、すなわちエンコードルールの変更を必要としない場合に、無駄にエンコードルールの変更が為されることを防ぐことができる。
なお、前記第1実施形態においては“エンコードルールの設定変更”において設定することができるビットレートを2段階、前記第2実施形態においては“エンコードルールの設定変更”において設定することができるビットレートを3段階(通常の高ビットレート、中ビットレート、及び低ビットレート)としたが、“エンコードルールの設定変更”において設定することができるビットレートを4段階以上にしても良いことは勿論である。
さらに、上述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
1…携帯電話機、 2A…上筐体部、 2B…下筐体部、 2C…ヒンジ部、 2B…下筐体部、 3a,3b,3c,3d…磁気センサ、 4…静電タッチパッド、 5A…キー、 5B…サイドキー、 11…アンテナ、 12…アンテナ共用器、 13…受信回路、 14…周波数シンセサイザ、 15…送信回路、 16…CDMA信号処理ユニット、 17…圧縮伸長処理ユニット、 18…PCM符号処理ユニット、 19…受話増幅器、 20…スピーカ、 21…マイクロホン、 22…送話増幅器、 23…制御ユニット、 28…ディスプレイ、 33…カメラ、 41…受信感度検出回路、 56…左下ピクト、 57…中下ピクト、 58…右下ピクト、 61…数字キー、 62…「*」キー、 63…「#」キー、 64…ソフトキー左、 65…確定キー、 66…ソフトキー右、 67…十字キー、 68…メールキー、 69…ブラウザキー、 70…通話キー、 71…電源キー、 72…クリアキー。