JP2008048310A - 照明付き音響再生装置および音響再生システム - Google Patents
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Abstract
【課題】低騒音型の音響再生装置に照明素子を具備させて、照明器具としても用いることができるようにする。
【解決手段】1個のスピーカユニット16と、スピーカユニット16の振動板の前後から出る音が加算可能なように、スピーカユニット16をバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段を備える。スピーカユニット16の周囲に複数個の照明素子14を配するように、かつ、スピーカユニット16からの音波放射方向と、複数個の照明素子14による光照射方向とが互いに異なるように複数個の照明素子14を保持する照明素子保持手段12を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】1個のスピーカユニット16と、スピーカユニット16の振動板の前後から出る音が加算可能なように、スピーカユニット16をバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段を備える。スピーカユニット16の周囲に複数個の照明素子14を配するように、かつ、スピーカユニット16からの音波放射方向と、複数個の照明素子14による光照射方向とが互いに異なるように複数個の照明素子14を保持する照明素子保持手段12を設ける。
【選択図】図1
Description
この発明は、照明付き音響再生装置および照明付き音響再生装置を用いた音響再生システムに関する。
最近は、ホームシアターシステムと呼ばれる映像音響再生システムが普及しつつあり、マルチチャンネルサラウンド音声方式、例えば5.1チャンネル方式により、迫力のある映像および音響再生ができるようになっている。
5.1チャンネル方式の音響再生システムでは、リスナの前方(以下フロントという)、リスナの正面(以下センターという)、リスナの後方(以下リアという)、低域専用と、4種類のスピーカが必要で、低域専用のスピーカであるサブウーハは、本来、100Hz以下の帯域をモノラルで受け持っている。その他のスピーカは、100Hzから20kHzを受け持つ。
従来の音響再生システムでは、例えば15リットル程度のスピーカボックスが利用されていたフロント左右チャンネル用のスピーカは、1リットル前後の小さなボックスに変わり、サテライトスピーカとも呼ばれている。当然低域は出ないので、それを補助するためにサブウーハと呼ばれる低域専用のスピーカが1個追加されている。このように、サブウーハ以外のスピーカを小型のボックスとした場合には、サブウーハに供給する音声信号のクロスオーバ周波数は、150Hzと、前記の100Hzよりも若干高めになっていることも多いが、かなり低い周波数であることには変わりはない。
このような配置のスピーカシステムで、5.1チャンネルの音声信号を再生すると、当然のことであるが充分な低音が再生される。しかも、低域専用に再生側も特別にチャンネルを設けているので、映画などのソースでは従来にないほどの重低音が部屋中に響きわたり、迫力のある臨場感を得ることができる。
しかしながら、家が小さな日本の家屋では、マルチチャンネルサラウンド音声を音響再生するための複数個(5.1チャンネルの場合であれば、6個)のスピーカを配置するスペースを確保することができないという問題と、外部への音漏れによる騒音の問題がある。
すなわち、通常の5.1チャンネルのスピーカ構成では、例えばDVDの映像音響鑑賞において、迫力ある音を再生するためには、90dB程度以上の音量を必要とする。したがって、リスナがマルチチャンネルサラウンドの効果を良好に得ようとした場合には、外部への騒音の問題を考慮する必要が生じる。
この時、一般に、高域の音は遮音が容易で、壁とかドア1枚でかなりの音を減衰させることが可能である。しかしながら、例えば100Hz以下のような低域の音の場合には、遮音は簡単にできず、家が小さな日本の家屋では、この低域の音を遮るほど部屋の広さがとれないことが多い。特にサブウーハが受け持つ50Hz、40Hzといった低音は、響き、かなりの範囲に音が伝播されることになる。
このため、サブウーハから音が再生されたときに、隣の部屋はもちろん、上下の部屋まで音が届いて迷惑をかけるおそれがある。特に低い帯域の音ほど遮音が難しく、サブウーハは、日本の住宅事情では大きな問題であり、せっかくの5.1チャンネルの音響再生システムも、充分使いきることが出来ない現状がある。
この問題点を解決するため、特許文献1(特開平5−95591号公報)には、中高音は小型スピーカ(スピーカユニットがスピーカボックスに収納されるタイプ)で音響再生し、低音域は低音用ヘッドホンや骨伝導で、リスナの耳の近傍で音響再生するようにした音響再生システムが提案されている。
この特許文献1の技術によれば、低音はヘッドホンや骨伝導でリスナの耳の近傍で音響再生されるので、リスナには大音量に聴こえても、隣家には伝わらないようにすることができる。
上記の特許文献は、次の通りである。
特開平5−95591号公報
しかしながら、上記の特許文献1の発明では、低域の音を耳の近傍で再生するものであっても、スピーカではなく、ヘッドホンや骨伝導を利用した振動体とされている。スピーカ以外の振動体で、スピーカと同等の低域感を得ることは、個人差もあるが、一般的に受け入れられるほど素直な感覚ではないと思われる。また、リスナはヘッドホンや骨伝導用のヘッドセットを装着しなければならず、煩わしいという問題もある。
さらには、特許文献1の発明では、低域の音に関する騒音の問題は軽減されるが、多数個のスピーカを狭いスペースに配置しなければならないという問題は、特許文献1の発明では解決されていない。
この点にかんがみ、出願人は、先に、特願2006−24302(平成18年2月1日出願)として、スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置するようにする保持すると共に、スピーカユニットで音響再生したときに、リスナが他のスピーカ装置から音声が放音されたように聴取するように入力音声信号を仮想音源処理して、前記スピーカユニットに供給するようにした音響再生システムを提供した。
この先に提案した発明においては、スピーカユニットは、リスナの耳の近傍に保持されるように構成されているので、リスナには大音量に聴こえるようにすることができる。
そして、そのスピーカユニットはバッフル板に取り付けられていないため、音響再生された音声は、スピーカユニットの振動板の前後から放音される。スピーカユニットの振動板の前と後から出てくる音は、互いに反対の位相(逆位相)となるので、外部に伝播する音は互いに打ち消し合って、減衰される。特に低域ほど、この減衰が大きく、隣家に伝播される音声、特に低域音声は著しく軽減される。
さらに、先に提案した発明においては、このスピーカユニットにより、例えばマルチチャンネルサラウンド音声のフロントチャンネルの音声やリアチャンネルの音声が、仮想音源処理されて供給されて、それらのフロントチャンネルやリアチャンネルの音声が、音響再生される。このため、フロントチャンネル用スピーカやリアチャンネル用スピーカを設ける必要が無くなるという効果を奏する。
以上のように、先に提案した音響再生システムに用いるスピーカは、スピーカボックスが不要であり、スピーカユニットは、いわば裸の状態で使用することになる。そして、この裸のスピーカユニットをリスナの耳の近傍に配置するという構成になる。このため、例えばスピーカユニットをスタンド形の保持具で保持して、例えば机の上に載置して使用する態様が考えられる。
一方、机の上には、照明用の電気スタンドを載置することが多々ある。そこで、電気スタンドと、先に提案した音響再生システムにおける裸スピーカユニットを保持するスタンドとを兼用することが考えられる。
この場合に、スピーカユニットによる音波放射方向は、リスナの耳の方向であるので、照明用の照明素子による光照射方向が等しい場合には、光がリスナの顔を照射することしかできないという問題がある。
この発明は、以上の点にかんがみ、先に提案した音響再生システム用のスピーカユニットの保持具であって、照明器具としての用途としても上述のような問題を生じない照明付き音響再生装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明による照明付き音響再生装置は、
1個のスピーカユニットと、
前記スピーカユニットの振動板の前後から出る音が加算可能なように、前記スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段と、
複数個の照明素子と、
前記スピーカユニットの周囲に前記複数個の照明素子を配するように、かつ、前記スピーカユニットからの音波放射方向と、前記複数個の照明素子による光照射方向とが互いに異なるように前記複数個の照明素子を保持する照明素子保持手段と、
を備えることを特徴とする。
1個のスピーカユニットと、
前記スピーカユニットの振動板の前後から出る音が加算可能なように、前記スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段と、
複数個の照明素子と、
前記スピーカユニットの周囲に前記複数個の照明素子を配するように、かつ、前記スピーカユニットからの音波放射方向と、前記複数個の照明素子による光照射方向とが互いに異なるように前記複数個の照明素子を保持する照明素子保持手段と、
を備えることを特徴とする。
この発明によれば、いわゆる裸のスピーカユニットの周囲に複数個の照明素子を配するようにすることにより、照明付の音響再生装置を簡単に構成することができる。
しかも、この発明においては、スピーカユニットからの音波放射方向と、複数個の照明素子による光照射方向とは、互いに異なるようにされているので、スピーカユニットからの音波放射方向がリスナの耳の方法であっても、照明素子による光照射方向をリスナの顔以外の所定の方向に向けることができる。
この発明によれば、いわゆる裸のスピーカユニットの周囲に複数個の照明素子を配すると共に、スピーカユニットからの音波放射方向と、複数個の照明素子による光照射方向とは、互いに異なるようにされているので、照明と音響の要素が矛盾せずに共用できる照明付の音響再生装置を簡単に構成することができる。
以下に、この発明による照明付き音響再生装置の実施形態、および、この照明付き音響再生装置の実施形態を用いた音響再生システムの実施形態を、図を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、照明付き音響再生装置の第1の実施形態の概観を示すもので、この第1の実施形態は、照明付き音響再生装置を、例えば机の上に載置して用いるスタンド形にした場合である。
図1は、照明付き音響再生装置の第1の実施形態の概観を示すもので、この第1の実施形態は、照明付き音響再生装置を、例えば机の上に載置して用いるスタンド形にした場合である。
この第1の実施形態の照明付き音響再生装置10は、リング状の照明素子保持部11が、スタンドアーム部12に取り付けられている。スタンドアーム部12は、スタンド台13から植立されるように、スタンド台13に固定されて取り付けられている。
リング状の照明素子保持部11のリング中心線に対して垂直な方向の平面であるリング状平面11aには、所定角度間隔で、複数個の照明素子、この例では、LED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)14が取り付けられている。図1の例では、10個のLED14が取り付けられているが、これは一例であり、より多数個のLEDを用いても勿論よい。この例の場合、この複数個のLED14は、例えば白色光で発光し、当該複数個のLED14による光照射方向は、リング状平面11aに垂直な、リング中心線に沿う方向となっている。
なお、複数個のLED14の電気的な接続方法としては、直列接続にしてもよいし、並列接続にしてもよい。あるいは、設けるLED14の数に応じて、直列接続と並列接続とを併用してもよい。要は、設けるLED14の数に応じて、適切な接続方法を用いて配設する。
スタンドアーム部12は、周知の電気スタンドなどと同様に、そのネック部12a近傍において、前後左右など任意の方向に、フレキシブルに屈曲させることができる構造となっている。このスタンドアーム部12のネック部12aにおけるフレキシブルな屈曲変移可能な構造により、複数個のLED14による光照射方向を、任意の方向に調節することができる。
そして、この実施形態では、照明素子保持部11のリング状部分の内側の空間15内に、スピーカユニット16が配置されており、後述するように、この空間15内において、所定の回転軸を中心に回転可能な状態で、照明素子保持部11に対して取り付けられている。
この場合、スピーカユニット16は、例えば円形コーン型のスピーカユニットが用いられるが、いわゆる裸の状態で取り付けられている。すなわち、スピーカユニット16は、この例では、当該スピーカユニット16の振動板16aの前後から出る音が互いに加算可能なように、バッフル板に取り付けることなく、照明素子保持部11に対して取り付けられている。
そして、この例においては、スピーカユニット16は、このスピーカユニット16の外縁フレーム16b上の2点であって、当該2点を結ぶとスピーカユニット16の円形コーンの中心点を通る2点の位置において、回転軸17a,17bに対して取り付けられている。
回転軸17aおよび17bは、スピーカユニット15が、空間15内においてこの回転軸17a,17bを中心に回転可能な状態となるように、照明素子保持部11に対して取り付けられている。この場合、スピーカユニット15の円形コーン振動板16aの中心位置と、照明素子保持部11のリング状部の中心位置とは、一致するようにされて、スピーカユニット15が空間15内において回転軸17a,17bを中心に回転可能な状態となるように構成されている。
この場合、スピーカユニット15の照明素子保持部11に対する回転に関しては、図示は省略するが、周知の制動機構が採用されている。このため、ユーザがスピーカユニット15を所定の力以上の力で、回転させると、スピーカユニット15は、回転をすることができ、ユーザが手を離せば、その位置で、スピーカユニット15の照明素子保持部11に対する回転角位置は停止する。
また、スピーカユニット15の照明素子保持部11に対する回転は、所定微小角度ずつ係止させるようにフリクション付き回転とするようにしてもよい。また、例えば回転軸17aまたは17bの一方または両方を、例えば、ねじによる締め付けおよび締め付け解除によって回転停止および回転可能とする機構とするようにしても良い。
図2(A)は、図1のA−A線で、照明素子保持部11を破断した状態であって、かつ、スピーカユニット16を、照明素子保持部11のリング状平面11a(光照射方向)に対して90度回転し、スピーカユニット16からの音波放射方向を光照射方向に対して90度異ならせた状態を示す、実施形態の照明付き音響再生装置10の一部を示すものである。この図2(A)は、照明付き音響再生装置10を横から見た図である。また、図2(B)は、この実施形態の照明付き音響再生装置10を真上から見た図である。
なお、図2において、矢印LDは光照射方向を示し、矢印SDは音波放射方向をそれぞれ示している。
スタンド台13は、この実施形態の照明付き音響再生装置10が転倒しないような大きさおよび重みを持つように構成されている。そして、スタンド台13の内部には、スピーカユニット16に供給する音声信号を外部から受信する受信部および音声信号の出力回路や照明素子の点灯制御回路などの電子回路部が設けられている。そして、電子回路部の音声信号の出力回路とスピーカユニット16との接続リード線がスタンドアーム部12内に設けられている。同様に、電子回路部の照明素子の点灯制御回路と10個のLED14との接続リード線がスタンドアーム部12内に設けられている。
また、この実施形態では、照明付き音響再生装置10の電源としては、電池(バッテリー)が用いられる。そして、この実施形態では、スタンド台13の所定位置には、電源ボタン18が設けられている。この電源ボタン18は、この例ではノンロック式の押しボタンスイッチで構成されており、ユーザが、この電源ボタン18を押下するごとに、照明付き音響再生装置10の電源の状態(オン状態またはオフ状態)がその直前の状態とは逆の状態に切り換えられるように構成されている。
さらに、この実施形態では、スタンド台13の所定位置には、人体センサー19が設けられている。この人体センサー19としては、この例では焦電型赤外線センサーが用いられ、人体から発せられる熱線(赤外線)を検知する。そして、この実施形態の照明付き音響再生装置10は、電源がオン状態において、人体センサー19が人体を検出しなくなったときには、自動的に電源をオフ状態にするようにする。
これにより、電源ボタン18を押下操作して電源をオフ状態にしなくても、ユーザ(リスナ)が照明付き音響再生装置10から離れたときには、照明付き音響再生装置10は、自動的に電源オフとなって、後述する音響再生を停止し、LED14は消灯するようになっている。
なお、人体センサー19は、スタンド台13ではなく、スタンドアーム12の所定位置や照明素子保持部11の所定位置に設けるようにしても良い。
この実施形態の照明付き音響再生装置10は、後述するように、リスナの左耳用と、リスナの右耳用との2種類として使用する必要がある。そのため、スタンド台13には、照明付き音響再生装置10を左耳用とするか、右耳用とするかを切り換える用途切換スイッチ20が設けられる。
図3に、この実施形態の照明付き音響再生装置10の電子回路部の構成例を示す。この電子回路部は、電源部30と、音声信号処理部40と、照明制御部50とから構成されている。
まず、電源部30について説明する。図3に示すように、バッテリー31からの電圧は、スイッチ回路32を通じて電源回路33に供給される。電源回路33は、音声信号処理部40や照明制御部40などの各部に供給する電源電圧を生成して、その生成した電源電圧をそれらの各部に供給する。
スイッチ回路32は、スイッチ制御信号生成部34からのスイッチ制御信号によりオン・オフされ、スイッチ回路32がオフのときには、バッテリー31からの電圧は電源回路33には供給されず、照明付き音響再生装置10は、電源オフ状態になり、また、スイッチ回路32がオンのときには、バッテリー31からの電圧が電源回路33に供給されて、照明付き音響再生装置10は、電源オン状態になる。
スイッチ制御信号生成部34には、電源ボタン18の押下操作の信号が供給されている。スイッチ制御信号生成部34は、電源ボタン18が押下されたことを、その押下操作の信号により検知すると、スイッチ回路32の状態を、その直前の状態とは逆の状態に切り換える。したがって、ユーザは、電源がオフ状態のときに電源ボタン18を押下操作することで電源オン状態に移行させることができ、また、電源がオン状態のときに電源ボタン18を押下操作することで電源オフ状態に移行させることができる。
また、スイッチ制御信号生成部34には、人体センサー19からの人体検出出力が供給されている。そして、スイッチ制御信号生成部34は、人体センサー19からの人体検出出力が、人体を検出していないことを示しているときには、スイッチ回路32を強制的にオフにするように制御する。したがって、スイッチ回路32がオンで、電源がオン状態のときに、人体センサー19からの人体検出出力が、人体を検出していることを示す状態から人体を検出していないことを示す状態に変化したときには、スイッチ回路32はオフとされて、電源がオフ状態に変移する。つまり、電源がオン状態であるときに、ユーザが照明付き音響再生装置10から離れて、人体センサー19が人体を検出しない状態になると、電源オン状態であった照明付き音響再生装置10は、自動的にオフ状態になる。
次に、音声信号処理部40について説明する。この実施形態では、音声信号処理部4は、ユーザ操作に応じて電源部30により装置10が電源オンの状態にされると、その処理動作を開始し、電源オフの状態にされると、その処理動作を停止する。
この実施形態の照明付き音響再生装置10の音声信号処理部40では、照明付き音響再生装置10とは別個の音声再生出力装置からの音声情報を無線通信により受信し、その受信した音声情報から、用途切換スイッチ20の切換に応じた左耳用または右耳用の音声信号を抽出して、スピーカユニット16に供給するようにする処理を行なう。
すなわち、音声信号処理部40は、無線アンテナ41を備え、この無線アンテナ41を通じて取得した音声情報を無線受信部42で受信する。無線受信部42は、受信した音声情報を音声信号出力回路43に供給する。この場合、受信した音声情報は、左耳用の音声信号と右耳用の音声信号とを多重化したものである。ここで、後述するように、左耳用の音声信号および右耳用の音声信号は、それぞれ、後述するように、頭部伝達関数を用いて仮想音源処理された音声信号である。
音声信号出力回路43は、無線受信部42からの左耳用の音声信号と右耳用の音声信号との多重化信号をデ・マルチプレックス部431で受ける。デ・マルチプレックス部431は、多重化信号を左耳用の音声信号VLと右耳用の音声信号VRとに分離し、セレクタ432に供給する。
セレクタ432には、選択信号形成部433からの選択信号SELが供給され、セレクタ432からは、選択信号SELに応じて、左耳用の音声信号VLと右耳用の音声信号VRの一方の音声信号が選択されて出力される。
選択信号形成部433には、用途切換スイッチ20が接続されており、選択信号形成部433は、用途切換スイッチ20が左耳用側に切り換えられているときには、選択信号SELとして、セレクタ432から左耳用の音声信号VLを出力するように選択制御する信号を出力する。また、選択信号形成部433は、用途切換スイッチ20が右耳用側に切り換えられているときには、選択信号SELとして、セレクタ432から右耳用の音声信号VRを出力するように選択制御する信号を出力する。
そして、セレクタ432からの音声信号がアンプ434を通じてスピーカユニット16に供給される。
次に、照明制御部50について説明する。この照明制御部50も、ユーザ操作に応じて電源部30により装置10が電源オンの状態にされると、処理動作を開始して、LED点灯制御回路51がLED群14Gを構成する複数個のLED14をすべて点灯するように制御する。そして、電源部30により装置10が電源オフの状態にされると、LED点灯制御回路51は処理動作を停止し、LED群14Gを構成する複数個のLED14はすべて消灯する。
次に、この第1の実施形態の照明付き音響再生装置10を用いた音響再生システムについて説明する。
図4は、この第1の実施形態の照明付き音響再生装置10を用いた音響再生システムの概要を説明するための図であり、リスナ51が音楽を聴きながら、本や書類52を読むようにする場合である。
図4に示すように、この例の音響再生システムにおいては、照明付き音響再生装置10は、リスナ51の左耳51Lおよび右耳51Rのそれぞれに対して、1個ずつ設けられる。この場合、リスナ51の左耳51Lの近傍に配置される左耳用の照明付き音響再生装置10に対しては、ユーザは、用途切換スイッチ20により左耳用に切り換え設定し、また、リスナ51の右耳51Lの近傍に配置される右耳用の照明付き音響再生装置10に対しては、ユーザは、用途切換スイッチ20を右耳用に切り換え設定する。
そして、リスナ51の左耳51Lの近傍に配置される左耳用の照明付き音響再生装置10は、LED群14Gによる光照射方向が、本や書類52の方向を向くように設置すると共に、そのスピーカユニット16の音波放射方向が左耳を向くように、スピーカユニット16を照明素子保持部11に対して回転させるようにする。この場合に、この左耳用照明付き音響再生装置10のスピーカユニット16と左耳との距離dが、スピーカユニット16から放音された音、特に低域の音がリスナ51の左耳にそれほど減衰されることなく伝達される距離、例えばd=20センチメートル程度とされるように、リスナ51に対して設置される。また、同様に、リスナ51の右耳51Lの近傍に配置される右耳用の照明付き音響再生装置10は、LED群14Gによる光照射方向が、本や書類52の方向を向くように設置すると共に、そのスピーカユニット16の音波放射方向が右耳を向くように、スピーカユニット16を照明素子保持部11に対して回転させるようにする。この場合に、この右耳用照明付き音響再生装置10のスピーカユニット16と右耳との距離dが、スピーカユニット16から放音された音、特に低域の音がリスナ51の右耳にそれほど減衰されることなく伝達される距離、例えばd=20センチメートル程度とされるように、リスナ51に対して設置される。
前記距離dは、20センチメートルに限られるものではなく、20〜60センチメートル程度であっても良い。
さらに、この実施形態では、リスナ51の左右の耳の近傍において、2個のスピーカユニット16が、それらの振動板がそれぞれ、左右の耳に対向して、リスナ51の頭部を挟んで配置される。
そして、この実施形態の音響再生システムにおいては、照明付き音響再生装置10に対して、無線により音声信号を供給する音声再生送出装置100を設ける。この音声再生送出装置100は、例えば5.1チャンネルの音声信号が記録された光ディスクなどのメディア(記録媒体)に再生するメディア再生部101を備えると共に、無線送信回路102を備える。
そして、音声再生送出装置100では、メディア再生部101でメディアに記録された音声信号を読み出し、後述するように、5.1チャンネルの音声信号をデコード再生し、そのデコード再生した音声信号について頭部伝達関数を用いた仮想音源処理を施して左右の耳用の音声信号を生成する。そして、生成した左右の耳用の音声信号を多重化して、無線送信回路102を通じて送信アンテナ103を通じて、左右の照明付き音響再生装置10に供給するようにする。
この例の場合、リスナ51の両耳の近傍の左右の2個のスピーカユニット16には、LFE(Low Frequency Effect)チャンネル(低域専用)の低域音声信号は共通に供給され、これら2個のスピーカユニット16から同相でLFEチャンネルの低域音が放音されるようにされる。
また、フロント左右2チャンネルの音声信号、センターチャンネルの音声信号、リア左右2チャンネルの音声信号は、後述するいわゆる仮想音源処理して、左耳用および右耳用の音声信号を生成し、その左耳用および右耳用の仮想音源処理された音声信号が左右のスピーカユニット16に供給されるようにされる。
[実施形態におけるスピーカユニット16での音響再生]
図5は、この実施形態における2個のスピーカユニット16と、それによる音響再生される各チャンネルを説明するための図である。すなわち、この実施形態では、実スピーカとしては、実線で示すように、リスナ51の両耳の近傍に設けられる2個のスピーカユニット16のみである。
図5は、この実施形態における2個のスピーカユニット16と、それによる音響再生される各チャンネルを説明するための図である。すなわち、この実施形態では、実スピーカとしては、実線で示すように、リスナ51の両耳の近傍に設けられる2個のスピーカユニット16のみである。
センターチャンネル用のスピーカ1C、フロント左右2チャンネル用のスピーカ1FLおよび1FR、リア左右2チャンネル用のスピーカ1RLおよび1RRは、図5において破線で示すように、実体としては設けられない。そして、それらのチャンネル用のスピーカに供給される音声信号が仮想音源処理されて、スピーカ16に供給され、それらのチャンネル用のスピーカが、それぞれ、点線で示す位置にあるかの如く、リスナ51が聴取できるように音響再生される。
なお、センターチャンネルの音声信号は、フロント左右2チャンネルの音声信号に加算され、その後、当該センターチャンネルの音声信号が合成されたフロント左右2チャンネルの音声信号が仮想音源処理されることにより、仮想的に、図5において点線で示すスピーカ1Cの位置から放音されるようにリスナ51が聴取できるようにされている。
[第1の実施形態の音声再生送出装置100の構成例]
図6は、この第1の実施形態の音声再生送出装置100の構成例を示すブロック図である。この第1の実施形態における音声再生送出装置100は、前述したメディア再生部101および無線送信回路102に加えて、音声信号処理部300と、マイクロコンピュータからなる制御部200とを備える。
図6は、この第1の実施形態の音声再生送出装置100の構成例を示すブロック図である。この第1の実施形態における音声再生送出装置100は、前述したメディア再生部101および無線送信回路102に加えて、音声信号処理部300と、マイクロコンピュータからなる制御部200とを備える。
この第1の実施形態における制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201に対して、システムバス202を通じて、ソフトウエアプログラムなどが格納されているROM(Read Only Memory)203、ワークエリア用のRAM(Random Access Memory)204、複数個の入出力ポート205〜208、ユーザ操作インターフェース部210、頭部リア伝達関数記憶部211、頭部フロント伝達関数記憶部212などが接続されて構成されている。なお、ユーザ操作インターフェース部210は、音声再生送出装置100に対して直接的に設けられるキー操作部などの他、リモートコマンダとリモコン受信部とで構成されるものを含むものである。
メディア再生部101で、メディア、例えば光ディスク53から取り出された音声信号は、5.1チャンネルデコード部301に供給される。5.1チャンネルデコード部301では、メディア再生部101からの音声信号を受けて、チャンネルデコード処理をして、フロント左右チャンネルの音声信号L,Rと、センターチャンネルの音声信号Cと、リア左右チャンネルの音声信号RL,RRと、低域音声信号LFEを出力する。
5.1チャンネルデコード部301からのリア左右2チャンネルの音声信号RLおよびRRは、仮想音源処理部を構成するリア伝達関数畳み込み回路310に供給される。
また、5.1チャンネルデコード部301からのフロント左チャンネルの音声信号Lと、センターチャンネルの音声信号Cとは、合成部302で合成され、その合成出力音声信号(L+C)が、仮想音源処理部を構成するフロント伝達関数畳み込み回路320に供給される。また、5.1チャンネルデコード部301からのフロント右チャンネルの音声信号Rと、センターチャンネルの音声信号Cとは、合成部303で合成され、その合成出力音声信号(R+C)が、フロント伝達関数畳み込み回路320に供給される。
リア伝達関数畳み込み回路310は、例えばデジタルフィルタを用いて、予め、頭部リア伝達関数記憶部111に用意されている頭部リア伝達関数を、5.1チャンネルデコード部301からのリア左右2チャンネルの音声信号RLとRRに対して、畳み込むようにする。
このため、リア伝達関数畳み込み回路310では、その入力音声信号がデジタル信号ではないときにはデジタル信号に変換され、頭部リア伝達関数が畳み込まれた後、アナログ信号に戻されて出力される。
頭部リア伝達関数は、この例では、次のようにして測定されて求められ、頭部リア伝達関数記憶部211に格納される。図7は、頭部リア伝達関数の測定方法を説明するための図である。
すなわち、図7に示すように、リスナ51の左右両耳の近傍に、左チャンネル測定用マイクロホン61および右チャンネル測定用マイクロホン62を設置する。次に、リスナ51の後方の、通常、リア左チャンネル用スピーカを配置するような場所に、当該リア左チャンネル用スピーカ4RLを配置する。そして、このリア左チャンネル用スピーカ4RLで、例えばインパルスを音響再生したときの放音音声を、それぞれのマイクロホン41,42で収音し、その収音した音声信号から、リアスピーカ4RLからの左右の耳までの伝達関数(リア左チャンネルについての頭部リア伝達関数)を測定する。
同様にして、リア右チャンネル用スピーカ4RRで、例えばインパルスを音響再生したときの放音音声を、それぞれのマイクロホン61,62で収音し、その収音した音声信号から、リアスピーカ4RRからの左右の耳までの伝達関数(リア右チャンネルについての頭部リア伝達関数)を測定する。
なお、頭部リア伝達関数は、リアスピーカ4RLおよび4RRを、例えば、リスナ51の後方中央から左右に30度で、2mの位置にスピーカを置いたときに、各スピーカから耳までの伝達関数を測定し、得た伝達関数とすると良い。
伝達関数について更に補足する。例えば図7の左後方から左耳に来る伝達関数を伝達関数Aとする。次に耳の近傍にあるスピーカ16からマイク61までの伝達関数を測定し得た伝達関数を伝達関数Bとする。そして、伝達関数Bに、ある伝達関数Xを掛けると伝達関数Aになる様な伝達関数Xを求め、近傍のスピーカ16に送り込まれる信号音に、求めた伝達関数Xを畳み込めば、そのときにスピーカ16から放音される音は、あたかも左後方2mから来たように感じる訳である。
ただし、必ずしも伝達関数Xを求めればよい訳ではなく、場合により伝達関数Aだけでもよいこともある。なお、以上の説明は、伝達関数の1つを代表して記述したが、図7にも示されるように、伝達関数は、実際には複数あることは言うまでもない。
以上のようにして測定された頭部リア伝達関数が頭部リア伝達関数記憶部111に記憶され、リア伝達関数畳み込み回路310に、入出力ポート208を通じて供給されて、リア伝達関数畳み込み回路310において畳み込まれる。これにより、このリア伝達関数畳み込み回路310からの音声信号RL*およびRR*を、両耳近傍に配置したスピーカ16に供給して音響再生したときには、リスナ4は、あたかも、後方の左右のリアスピーカ4RLおよび4RRから音声が放音されたように、再生音声を聴取する。
このときの仮想音源処理されたリア左右チャンネルの音声信号RL*およびRR*のレベルは、スピーカ4RLおよび4RRに供給する場合の信号レベルよりも、低いレベルでよい。スピーカ16は、リスナ51の耳の近傍にあるからである。
この明細書では、上述の頭部伝達関数畳み込みにより、仮想的なスピーカ位置から音声が放音されるように聴取されることから、以上の処理を仮想音源処理と呼ぶものである。
以上のようにして、リア伝達関数畳み込み回路310からの仮想音源処理がなされた音声信号RL*およびRR*は、合成部311および312に供給される。合成部311および312には、5.1チャンネルデコード部302からの低域音声信号LFEが供給される。そして、この合成部311および312の出力音声信号が、アンプ313および314を通じて、音声出力端子315および316に導出される。
これら音声出力端子は、リスナ4の耳の近傍に配置されているスピーカ11SW1および11SW2に接続されている。したがって、スピーカ11SW1および11SW2は、サブウーハとして、低域音声信号LFEを音響再生すると共に、仮想音源処理されたリア左右チャンネルの音声信号RL*およびRR*を音響再生する。
フロント伝達関数畳み込み回路320は、リア伝達関数畳み込み回路310と同様の構成を備えるもので、例えばデジタルフィルタを用いて、予め、頭部フロント伝達関数記憶部112に用意されている頭部フロント伝達関数を、合成部302および303からの音声信号に対して、畳み込むようにする。
このため、フロント伝達関数畳み込み回路320では、その入力音声信号がデジタル信号ではないときにはデジタル信号に変換され、頭部フロント伝達関数が畳み込まれた後、アナログ信号に戻されて出力される。
頭部フロント伝達関数は、この例では、次のようにして測定されて求められ、頭部フロント伝達関数記憶部212に格納される。図8は、頭部フロント伝達関数の測定方法を説明するための図である。
すなわち、図8に示すように、リスナ4の左右両耳の近傍に、左チャンネル測定用マイクロホン61および右チャンネル測定用マイクロホン62を設置する。次に、リスナ51の前方の、通常、フロント左チャンネル用スピーカを配置するような場所に、当該フロント左チャンネル用スピーカ4FLを配置する。そして、このフロント左チャンネル用スピーカ4FLで、例えばインパルスを音響再生したときの放音音声を、それぞれのマイクロホン61,62で収音し、その収音した音声信号から、フロントスピーカ4FLからの左右の耳までの伝達関数(フロント左チャンネルについての頭部フロント伝達関数)を測定する。
同様にして、フロント右チャンネル用スピーカ4FRで、例えばインパルスを音響再生したときの放音音声を、それぞれのマイクロホン61,62で収音し、その収音した音声信号から、フロントスピーカ4FRからの左右の耳までの伝達関数(フロント右チャンネルについての頭部フロント伝達関数)を測定する。
なお、頭部フロント伝達関数は、フロントスピーカ4FLおよび4FRを、例えば、リスナ51の前方中央から左右に30度で、2mの位置にスピーカを置いたときに、各スピーカから耳までの伝達関数を測定し、得た伝達関数とすると良い。
伝達関数について更に補足する。例えば図8の左前方から左耳に来る伝達関数を伝達関数Aとする。次に、耳の近傍にあるスピーカ16からマイクロホン61までの伝達関数を測定し得た伝達関数を伝達関数Bとする。さらに、伝達関数Bに、ある伝達関数Xを掛けると伝達関数Aになる様な伝達関数Xを求め、近傍のスピーカ16に送り込まれる信号音に、求めた伝達関数Xを畳み込めば、そのときにスピーカ16から放音される音は、あたかも左前方2mから来たように感じる訳である。
ただし、必ずしも伝達関数Xを求めればよい訳ではなく、場合により伝達関数Aだけでもよいこともある。なお、以上の説明は、伝達関数の1つを代表して記述したが、図8にも示されるように、伝達関数は、実際には複数あることは言うまでもない。
以上のようにして測定された頭部フロント伝達関数が頭部フロント伝達関数記憶部212に記憶され、フロント伝達関数畳み込み回路320に、入出力ポート209を通じて供給されて、フロント伝達関数畳み込み回路320において畳み込まれる。これにより、このフロント伝達関数畳み込み回路320からは、仮想音源処理されたフロント左チャンネルの音声信号FL*にセンターチャンネルの音声信号Cが合成されたものと、仮想音源処理されたフロント右チャンネルの音声信号FR*にセンターチャンネルの音声信号Cが合成されたものとが得られる。
このフロント伝達関数畳み込み回路320からの音声信号(FL*+C)および(FR*+C)を、両耳近傍に配置したスピーカ16に供給して音響再生したときには、リスナ51は、あたかも、前方の左右のフロントスピーカ4FLおよび4FRから音声が放音されたように、再生音声を聴取すると共に、センターチャンネル音声を中央に設置されたスピーカから放音されたように聴取する。
このときの音声信号(FL*+C)および(FR*+C)のレベルは、スピーカ4RLおよび4RRに供給する場合の信号レベルよりも、低いレベルでよい。スピーカ16は、リスナ51の耳の近傍にあるからである。
以上のようにして、仮想音源処理がなされたフロント伝達関数畳み込み回路320からの音声信号(FL*+C)および(FR*+C)は、合成部321および322に供給される。合成部321および322には、5.1チャンネルデコード部302からの低域音声信号LFEが供給される。
この合成部321および322の出力音声信号が、リスナ51の耳の近傍に配置されているスピーカ16に供給されて、低域音声信号LFEを音響再生すると共に、仮想音源処理された音声信号(FL*+C)および(FR*+C)を音響再生する。
以上のようにしてフロント伝達関数畳み込み回路320からの仮想音源処理された、センターチャンネルの音声信号が合成されているフロント左チャンネルの音声信号は、合成部321において、5.1チャンネルデコード部302からの低域音声信号LFEと合成された後、合成回路331に供給されて、リア伝達関数畳み込み回路310からの仮想音源処理されたリア左チャンネルの音声信号と合成される。そして、この合成回路331からの左耳用の合成音声信号VLが、無線送信回路102に供給される。
同様にして、フロント伝達関数畳み込み回路320からの仮想音源処理された、センターチャンネルの音声信号が合成されているフロント右チャンネルの音声信号は、合成部322において、5.1チャンネルデコード部302からの低域音声信号LFEと合成された後、合成回路332に供給されて、リア伝達関数畳み込み回路310からの仮想音源処理されたリア右チャンネルの音声信号と合成される。そして、この合成回路332からの右耳用の合成音声信号VRが、無線送信回路102に供給される。
無線送信回路102は、左耳用の合成音声信号VLと右耳用の合成音声信号VRとを周波数多重、時分割多重などの多重化手法により多重化して、無線により、照明付き音響再生装置10に供給する。
照明付き音響再生装置10のそれぞれでは、前述したように、音声信号出力回路43におけるデ・マルチプレックス部431およびセレクタ432において、ユーザの用途切換スイッチ20による切換設定に応じた左耳用の合成音声信号VLまたは右耳用の合成音声信号VRのいずれかを選択して、出力する。
したがって、左右の耳の近傍に配された2個のスピーカ16は、サブウーハとして、低域音声信号LFEを音響再生すると共に、仮想音源処理されたフロント音声信号(FL*+C)および(FR*+C)、また、仮想音源処理されたリア音声信号RL*およびRR*を音響再生する。
以上のようにして、この第1の実施形態においては、リスナ51の両耳の近傍のスピーカ16のみによって、大音量で、臨場感のあるマルチチャンネル音声を楽しむことができると共に、周囲への音の漏れを大幅に減少させることができ、また、音響再生システムの省エネルギー化が実現できる。
そして、この実施形態の照明付き音響再生装置では、音波放射方向と、光照射方向とを異ならせる構造としたので、スピーカユニット16をリスナ51の両耳近傍において、両耳の方向が音波放射方向となるように構成しても、光照射方向を希望する方向とすることができて、非常に便利である。
また、この実施形態では、スピーカユニット16をボックスに収納せずにリスナ51の耳の近傍に配置するようにしたことにより、重低音が隣接した部屋に漏れるのを大幅に減衰させることができる。また、前述したように、サブウーハ用のチャンネル以外のフロントチャンネルやリア左右チャンネルの音声も仮想音源処理して、このスピーカ16により、放音するようにしたので、その音声信号レベルを低くすることができるようにしたことにより、低音のみでなく、周囲への音の漏れのレベルをさらに低くすることができる。このため、例えば深夜のDVD鑑賞でも他者を気にせずに、十分な音量で楽しむことができる。
また、スピーカユニット16は、リスナの耳の近傍に配置するものであるので、音声信号出力パワーは極端な場合、従来の場合の1/100程度にすることができ、省エネルギー化ができ、また、ハードウエア(出力アンプ)のコストを大幅に引き下げることができる。さらに、音声出力パワーは、小さなパワーで済むことで、スピーカは大きなストロークを必要としない薄く、軽い、安価なスピーカを用いることができるという利点もある。また、音声出力パワーが小さくなることにより、発熱が減り、電源などの装置の小型化も出来るため、電池駆動も可能で、椅子等のデザインの中に埋め込むことが出来る。
また、上述の実施形態では、照明素子としてLED14を用いているので、発熱が少なく、また、消費電力も少ない。
したがって、トータルで照明付き音響再生装置の省エネルギー化が実現でき、かつ、鑑賞する人の満足度を落とさず、周りへの騒音も減らす音響再生装置を提供できるメリットがある。
通常の防音窓においても、5kHzで45dB減衰できる性能があっても、1kHzでは36dB、100Hzでは20dBまで落ちてくる。まして、50Hz以下では、さらに減衰量は少なくなるため、この実施形態によるサブウーハの防音効果は著しく、部屋の防音工事までして、映像音響再生を楽しむことを考えると、その節約できる費用効果は非常に大きなものがある。
なお、特に、低域の音の減衰を確かめるために、無響室において、サブウーハ用とされる例えば17センチメートルの口径のスピーカユニットからの音を、そのスピーカユニットから距離dだけ離れた位置のマイクロホンで収音して、その音圧レベルの周波数特性を測定したところ、図9に示すようなものとなった。この場合、スピーカユニットは、ボックスに収納したり、バッフル板に取り付けたりされてはいない。
図9における4個の周波数特性曲線は、同図に示すように、前記スピーカユニットとマイクロホンとの距離dが、それぞれd=10センチメートル、d=20センチメートル、d=40センチメートル、d=80センチメートルの時のものである。
この図9から、スピーカユニットをボックスに入れない構成にすると、1kHz以下の音はかなり減衰することが分かり、特に低域の音になるほどその減衰量が大きいことが確かめられた。
[第2の実施形態]
上述の第1の実施形態の照明付き音響再生装置は、机の上において、リスナの両耳の近傍にスピーカユニットを配置することができるようにした場合の例である。第2の実施形態は、これに対して、ダイニングキッチンにおいて、食事用テーブル71の近傍に配置して、食事をしながら、音響再生を楽しむ場合の例である。
上述の第1の実施形態の照明付き音響再生装置は、机の上において、リスナの両耳の近傍にスピーカユニットを配置することができるようにした場合の例である。第2の実施形態は、これに対して、ダイニングキッチンにおいて、食事用テーブル71の近傍に配置して、食事をしながら、音響再生を楽しむ場合の例である。
図10は、この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aを用いた音響再生システムの構成例を説明するための図である。また、図11は、第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aの照明素子保持部11と、スピーカユニット16との部分を説明するための図である。
この例の音響再生システムは、2個の照明付き音響再生装置10Aと、解析制御装置100Aとからなる。この例では、2個の照明付き音響再生装置10Aと、解析制御装置100Aとの間では、無線通信を行うことができるように構成されているが、この第2の実施形態では、照明付き音響再生装置10Aと、解析制御装置100Aとの間では、双方向通信ができるように構成されている。
そして、解析制御装置100Aでは、後述するように、左耳用および右耳用の音声信号を生成して、2個の照明付き音響再生装置10Aに無線通信により供給する機能を備えると共に、解析制御装置100Aでは、照明素子の明るさおよび/または発光色を制御する照明制御信号を生成して、2個の照明付き音響再生装置10Aに無線通信により供給する機能を備える。
また、照明付き音響再生装置10Aは、照明素子保持部11に、人体センサー84が設けられると共に、カメラを構成するイメージセンサー83が設けられている。そして、この実施形態では、照明付き音響再生装置10Aは、イメージセンサー83で撮影した画像情報を、例えば無線で、解析制御装置100Aに供給するように構成されてする。
そして、この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aでは、照明素子保持部11と、この照明素子保持部11に対して回転自在に取り付けられるスピーカユニット16の部分の構成は、第1の実施形態と同様であるが、照明素子の保持部11を支持するスタンドアーム部分が第1の実施形態の場合と異なる。
すなわち、この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aは、床に載置されるもので、スタンドアーム部81は、第1の実施形態のスタンドアーム部12よりも長さが長く、かつ、第1の実施形態の場合よりも頑健に構成されている。そして、スタンド台82も、スタンドアーム部81に対応して、頑健な構造とされている。
そして、図10に示すように、照明付き音響再生装置10Aは、食事用テーブル71の両側に配置されるが、このとき、食事用テーブル71の上に並べられた皿72に盛られた料理を、LED14の群により光照射するように配置される。そして、スピーカユニット16は、このLED14の群による光照射方向とは異なる方向であって、食事用テーブル71に着いて食事をしながら、音楽を楽しむリスナ51の両耳の方向が音波放射方向となるように、照明素子保持部11に対して回転されて設置される。
この第2の実施形態では、複数個のLED14としては、赤、青、緑を発光色とするLED14が、多数個、照明素子保持部11に配置されており、いろいろな色で、光照射できるように構成されている。
そして、この実施形態では、照明付き音響再生装置10Aは、照明素子保持部11に設けられるイメージセンサー83イメージセンサー83で撮影した食事用テーブル71の上の画像情報を、無線で解析制御装置100Aに供給するようにする。
解析制御装置100Aは、このイメージセンサー83の撮像画像情報を解析して、照明の色調や輝度を最適に制御する照明制御信号を生成して、無線により、照明付き音響再生装置10Aに送る。
照明付き音響再生装置10Aは、解析制御装置100Aからの照明制御信号を受信して、その受信した照明制御信号により、複数個の赤、青、緑の発光色のLED14の発光および輝度を制御して、これらのLED14の群による全体としての発光色(色調)および輝度を制御するようにする。
なお、第1の実施形態と同様に、スタンド台82の内部には、スピーカユニット16に供給する音声信号を外部から受信する受信部および音声信号の出力回路や照明素子の点灯制御回路などの電子回路部が設けられている。
また、スタンド台82には、第1の実施形態と同様に、当該照明付き音響再生装置10Aを左耳用とするか、右耳用とするかを設定切換するための用途切換スイッチ20が設けられていると共に、電源スイッチ18が設けられている。
[照明付き音響再生装置10Aの電子回路部の構成例]
図12に、この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aの電子回路部の構成例を示す。この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aの電子回路部は、CPU401と、この装置10Aにおける種々の処理ソフトウエアプログラムが記憶されているROM402と、ワークエリア用RAM403とからなるマイクロコンピュータを備えている。そして、このマイクロコンピュータのシステムバスに対して、無線送受信部404、音声信号出力部405、LED駆動制御回路406、カメラ回路部407、I/Oポート408および409が接続されている。
図12に、この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aの電子回路部の構成例を示す。この第2の実施形態の照明付き音響再生装置10Aの電子回路部は、CPU401と、この装置10Aにおける種々の処理ソフトウエアプログラムが記憶されているROM402と、ワークエリア用RAM403とからなるマイクロコンピュータを備えている。そして、このマイクロコンピュータのシステムバスに対して、無線送受信部404、音声信号出力部405、LED駆動制御回路406、カメラ回路部407、I/Oポート408および409が接続されている。
そして、I/Oポート408は、人体センサー82からの人体検出出力をシステムバスに取り込む。また、I/Oポート409は、電源部410に接続されており、人体検出出力を電源部410に供給する。電源部410は、前述した第1の実施形態の照明付き音響再生装置10における電源部30と同様の構成を備え、電源スイッチ18の押下操作に応じて電源をオン・オフすると共に、人体センサー19により、人体を検出しなくなったときに、照明付き音響再生装置10Aが電源オンであるときには、自動的に電源オフの状態にする。
音声信号出力部405は、前述した第1の実施形態の照明付き音響再生装置10における音声信号処理部40の音声信号出力回路43と同様の構成を備え、無線送受信部404を通じて解析制御装置100Aから受けた多重化音声信号から、用途切換スイッチ20の設定に応じて、左耳用の音声信号VLまたは右耳用音声信号VRのいずれかを選択し、その選択した音声信号をスピーカユニット16に供給する。
LED駆動制御部406は、無線送受信部404を通じて解析制御装置100Aから受けた照明制御信号を用いて、LED群14Gの各LED14を駆動制御する。この場合、前述したように、LED群14Gは、赤、青、緑の複数個のLEDからなり、LED駆動制御部406は、それら3色の複数個のLEDのうちの、いずれの発光色のLEDを、どの程度の輝度で光らすかを制御して、LED群14G全体としての発光色および輝度を制御するものである。
カメラ回路部407は、イメージセンサー83からの撮像画像情報について所定の処理を行って、システムバスに出力する。このカメラ回路部407からの撮像画像情報は、無線送受信部404により、解析制御部100Aに無線で送られる。この例の場合には、食事用テーブル71上に並べられた料理およびリスナ51を含む撮像画像情報が、解析制御部100Aに送られるものである。
[解析制御装置100Aの構成例]
図13に、解析制御装置100Aの構成例を示す。
図13に、解析制御装置100Aの構成例を示す。
この第2の実施形態の解析制御装置100Aは、CPU501と、この装置100Aにおける種々の処理ソフトウエアプログラムが記憶されているROM502と、ワークエリア用RAM503とからなるマイクロコンピュータを備えている。そして、このマイクロコンピュータのシステムバスに対して、ディスクドライブ504、音響データ生成部505、照明制御信号生成部506、無線送受信部507、画像解析処理部508、時計回路部509が接続されている。
ディスクドライブ504は、前述した第1の実施形態における音声再生送出装置100におけるメディア再生部101に相当し、メディア、例えば光ディスク53から音声信号を取り出す。取り出された音声信号は、音響データ生成部505に供給される。
音響データ生成部505は、前述した第1の実施形態における音声再生送出装置100における音声信号処理部300(図6参照)の構成を備えるもので、左耳用の音声信号VLと、右耳用の音声信号VRとを生成する。生成された左耳用の音声信号VLおよび右耳用の音声信号VRは、CPU501の制御に従って、無線送受信部507で、多重化されて照明付き音響再生装置10Aに無線で送信される。
画像解析処理部508は、無線送受信部507で受信した照明付き音響再生装置10Aからの撮像画像情報を受けて、画像解析を実行する。画像解析処理部508は、例えば料理が、肉料理か魚料理か野菜料理かなどを、予め登録されている料理画像などと比較対照することにより解析し、その画像解析結果を照明制御信号生成部506に供給する。
照明制御信号生成部506は、前記の画像解析結果に応じて、最適な照明の色調や輝度を認識し、それに応じた照明制御信号を生成する。生成された照明制御信号は、無線送受信部507を通じて照明付き音響再生装置10Aに送られる。
また、照明制御信号生成部506は、時計回路部509からの時刻情報から、現在時点が、朝、昼、夜のいずれであるかを認識し、照明制御信号の生成に、この現在時点が朝、昼、夜のいずれであるかを反映させるようにする。
さらに、画像解析処理部508では、画像解析により、リスナ51と、照明付き音響再生装置10Aのスピーカユニット16との距離を検出し、その検出した距離情報を音響データ生成部505に供給する。この例の音響データ生成部505では、この距離情報を用いて、仮想音源処理における頭部伝達関数として適切なものを選択するようにする。すなわち、この例では、図6に示した頭部リア伝達関数記憶部211および頭部フロント伝達関数記憶部212に対応する、音響データ生成部505の記憶部には、リスナ51とスピーカユニット16との間の距離に応じた頭部伝達関数が格納されており、音響データ生成部505は、画像解析処理部508からの距離情報により、最適な頭部伝達関数を選択するようにする。
これにより、この実施形態の音響データ生成部505では、耳近傍では音が感じられないような周波数特性、位相特性を含めた制御がなされた左耳用および右耳用の音声信号が生成される。
[その他の実施形態および変形例]
上述の実施形態の照明付き音響再生装置では、スピーカユニット16には、低域専用チャンネルの音声信号LFEと仮想音源処理された他のチャンネルの音声信号を供給するようにした。そして、仮想音源処理された他のチャンネルの音声信号をスピーカユニット16に供給する構成とする場合においては、上述の実施形態では、低域専用チャンネルの音声信号LFE以外のすべての他のチャンネルの音声信号を仮想音源処理してスピーカユニット16に供給するようにしたが、例えばリア左右2チャンネルの音声信号のみを仮想音源処理して、フロント左右2チャンネルやセンターチャンネルの音声信号は、他のスピーカで音響再生するようにしてもよい。また、フロント左右2チャンネルの音声信号のみ、あるいは、フロント左右2チャンネルおよびセンターチャンネルの音声信号を仮想音源処理して、リア左右2チャンネルの音声信号は、他のスピーカで音響再生するようにしてもよい。
上述の実施形態の照明付き音響再生装置では、スピーカユニット16には、低域専用チャンネルの音声信号LFEと仮想音源処理された他のチャンネルの音声信号を供給するようにした。そして、仮想音源処理された他のチャンネルの音声信号をスピーカユニット16に供給する構成とする場合においては、上述の実施形態では、低域専用チャンネルの音声信号LFE以外のすべての他のチャンネルの音声信号を仮想音源処理してスピーカユニット16に供給するようにしたが、例えばリア左右2チャンネルの音声信号のみを仮想音源処理して、フロント左右2チャンネルやセンターチャンネルの音声信号は、他のスピーカで音響再生するようにしてもよい。また、フロント左右2チャンネルの音声信号のみ、あるいは、フロント左右2チャンネルおよびセンターチャンネルの音声信号を仮想音源処理して、リア左右2チャンネルの音声信号は、他のスピーカで音響再生するようにしてもよい。
また、照明付き音響再生装置のスピーカユニット16には、低域専用チャンネルの音声信号LFEのみを供給するようにして、他のチャンネルは、その他のスピーカで再生するようにしてもよい。
また、照明付き音響再生装置のスピーカユニット16で再生する音声信号としては、上述のようなマルチチャンネル音声信号に限られるものではなく、ステレオ左右2チャンネルの一方であるようにしても、勿論よい。その場合には、音声再生送出装置100では、左右2チャンネルの音声信号を多重化して照明付き音響再生装置に送る。照明付き音響再生装置では、デ・マルチプレックス部431で多重化されている左右2チャンネルの信号を分離し、セレクタ432で、ユーザ選択に応じて分離されて左右2チャンネルのいずれかを選択してスピーカユニット16に供給するようにすればよい。
また、このように、照明付き音響再生装置で、左右2チャンネルのステレオ音声信号をさせするようにする例の場合には、左右の2個の照明付き音響再生装置で、モノラル再生することを考慮するようにしてもよい。
その場合には、照明付き音響再生装置10のスタンド台13の用途切換スイッチ20には、図14に示すように、左チャンネル切換ポジションLと、右チャンネル切換ポジションRと、モノラルポジションNとの3切換ポジションを設ける。そして、照明付き音響再生装置10の音声信号処理部4では、図15に示すように、選択信号形成部433では、用途切換スイッチ20の3切換ポジションの切換位置に応じた選択をするようにする。この場合には、セレクタ432からは、左チャンネル切換ポジションLのときには、左チャンネルの音声信号を選択し、右チャンネル切換ポジションRのときには、左チャンネルの音声信号を選択し、モノラルポジションNのときには、左チャンネルの音声信号と右チャンネルの音声信号とを加算した音声信号を選択するようにする。
なお、この例の場合の左チャンネルの音声信号、右チャンネルの音声信号およびモノラルの音声信号による音像の定位位置も、前方の所定位置になるように、頭部伝達関数を用いた仮想音源処理を、左チャンネルの音声信号、右チャンネルの音声信号およびモノラルの音声信号に対して施すようにするとさらに良いが、仮想音源しない左右2チャンネルの音声信号を用いるようにしても良い。
なお、上述の実施の形態で、照明付き音響再生装置10は、仮想音源処理された音声信号を再生するようにした場合には、2個を用いるようにするが、1台の照明付き音響再生装置10での使用も可能である。特に、前述した図14および図15で説明した照明付き音響再生装置10の場合には、モノラル再生が考慮されるので、照明付き音響再生装置10を1台で使用される場合も生じるものである。
また、上述の実施形態では、音声再生送出装置100や解析制御装置100Aは、照明付き音響再生装置とは、別個の構成としたが、左耳用および右耳用の2個の照明付き音響再生装置の一方に、音声再生送出装置100や解析制御装置100Aを内蔵する構成であってもよい。
また、上述の照明付き音響再生装置の実施形態は、すべてスタンドタイプの構成であったが、天井からつるすようにする構成であっても良い。特に、第2の実施形態の場合のダイニングキッチンに設置するタイプの場合には、天井からつるすタイプの構成とすると良い。
また、照明付き音響再生装置と音声再生送出装置100や解析制御装置100Aとは、無線により接続して、送受するのではなく、接続ケーブルを介して接続するようにしても良いことはいうまでもない。
また、上述の実施形態では、音と照明とは、それぞれ独立して制御するようにしたが、例えば音の強弱に応じて照明の色調や輝度を変更したりするなどして、音に関連して照明を制御するようにしてもよい。
また、再生音楽のジャンルなどにより、照明の色調や輝度を変更するようにしても良い。その場合において、音楽情報が記録されているメディアにジャンル情報が記録されている場合には、そのジャンル情報を用いて、照明制御信号を生成すればよく、ジャンル情報が記憶されていない場合には、ユーザがジャンル指定することができるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、照明素子保持部11は、スタンドアーム部に固定で、スピーカユニット16を照明素子保持部11に対して回転することができるようにしたが、予め、照明素子保持部11とスピーカユニット16とを、光照射方向と音波放射方向とが互いに所定角度だけ異ならせて固定させた構成であってもよい。
また、照明素子保持部11およびスピーカユニット16を、それぞれ独立して、回転させることができるように構成しても、勿論よい。
また、上述の実施形態では、照明付き音響再生装置は、バッテリー駆動としたが、商用交流電源を用いても、勿論よい。また、音声再生送出装置100や解析制御装置100Aの電源も、バッテリーと商用交流電源のいずれを用いてもよい。
なお、上述の実施形態では、スピーカユニットでは、仮想音源処理されたチャンネルの音声信号を再生することを想定したので、2個の照明付き音響再生装置を用いた音響再生システムの構成としたが、仮想音源処理をしない音声信号のみをスピーカユニットで再生するようにする場合には、照明付き音響再生装置は、2個設ける必要は無く、1個でよい。
なお、照明素子としては、LEDを用いたが、LED以外の照明素子を用いるようにしても良いことは言うまでもない。
なお、スピーカユニットは、その振動板に加わる音波による外力を、ボイスコイルを通じて検出することで、マイクロホンとして機能させるようにすることもできる。そして、上述のように、この実施形態のスピーカユニット16は、リスナの近傍に配置されるので、リスナの発した声による音波を、その振動板で受けることが可能である。このことを利用して、実施形態の照明付き音響再生装置を、例えばいわゆるハンズフリーの電話システムの送受話器として用いるようにすることもできる。
10,10A…照明付き音響再生装置、11…照明素子保持部、12…スタンドアーム部、14…LED、16…スピーカユニット、17a,17b…回転軸、100…音声再生送出装置、100A…解析制御装置
Claims (9)
- 1個のスピーカユニットと、
前記スピーカユニットの振動板の前後から出る音が加算可能なように、前記スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段と、
複数個の照明素子と、
前記スピーカユニットの周囲に前記複数個の照明素子を配するように、かつ、前記スピーカユニットからの音波放射方向と、前記複数個の照明素子による光照射方向とが互いに異なるように前記複数個の照明素子を保持する照明素子保持手段と、
を備えることを特徴とする照明付き音響再生装置。 - 請求項1に記載の照明付き音響再生装置において、
前記スピーカユニット保持手段は、前記スピーカユニットからの音波放射方向を変更可能な状態で前記スピーカユニットを保持する
ことを特徴とする照明付き音響再生装置。 - 請求項1に記載の照明付き音響再生装置において、
前記照明素子保持手段は、前記複数個の照明素子による光照射方向を変更可能な状態で前記複数個の照明素子を保持する
ことを特徴とする照明付き音響再生装置。 - 請求項1に記載の照明付き音響再生装置において、
前記スピーカユニット保持手段は、前記スピーカユニットからの音波放射方向を変更可能な状態で前記スピーカユニットを保持すると共に、
前記照明素子保持手段は、前記複数個の照明素子による光照射方向を変更可能な状態で前記複数個の照明素子を保持する
ことを特徴とする照明付き音響再生装置。 - 請求項1に記載の照明付き音響再生装置において、
外部からの音声信号を受信して、前記スピーカユニットに供給する手段を備える
ことを特徴とする照明付き音響再生装置。 - 請求項1に記載の照明付き音響再生装置において、
無線により外部からの音声信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した音声信号から、ユーザの設定に応じて左耳用または右耳用のいずれかの音声信号を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された音声信号を前記スピーカユニット供給する手段と
を備えることを特徴とする照明付き音響再生装置。 - 請求項1に記載の照明付き音響再生装置において、
前記スピーカユニットに供給される音声信号は、仮想音源処理された音声信号である
ことを特徴とする照明付き音響再生装置。 - リスナの左右の耳用として設けられる2個の照明付き音響再生装置と、前記照明付き音響再生装置と接続される音声再生出力装置とからなり、
前記照明付き音響再生装置のそれぞれは、
1個のスピーカユニットと、
前記スピーカユニットの振動板の前後から出る音が加算可能なように、前記スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段と、
複数個の照明素子と、
前記スピーカユニットの周囲に前記複数個の照明素子を配するように、かつ、前記スピーカユニットからの音波放射方向と、前記複数個の照明素子による光照射方向とが互いに異なるように前記複数個の照明素子を保持する照明素子保持手段と、
前記解析制御装置と無線通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段により受信した音声信号から、ユーザの設定に応じて左耳用または右耳用のいずれかの音声信号を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された音声信号を前記スピーカユニット供給する手段と
を備え、
前記音声再生出力装置は、
仮想音源処理を用いて左耳用および右耳用の音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記音声信号生成手段で生成された前記左耳用および右耳用の音声信号を多重して、前記照明付き音響再生装置に送信するための第2の無線通信手段と、
を備えることを特徴とする音響再生システム。 - リスナの左右の耳用として設けられる2個の照明付き音響再生装置と、前記照明付き音響再生装置と接続される解析制御装置とからなり、
前記照明付き音響再生装置のそれぞれは、
1個のスピーカユニットと、
前記スピーカユニットの振動板の前後から出る音が加算可能なように、前記スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置することが可能なように保持するスピーカユニット保持手段と、
複数個の照明素子と、
前記スピーカユニットの周囲に前記複数個の照明素子を配するように、かつ、前記スピーカユニットからの音波放射方向と、前記複数個の照明素子による光照射方向とが互いに異なるように前記複数個の照明素子を保持する照明素子保持手段と、
前記解析制御装置と無線通信を行う第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段により受信した音声信号から、ユーザの設定に応じて左耳用または右耳用のいずれかの音声信号を選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された音声信号を前記スピーカユニット供給する手段と、
撮像素子と、
を備えると共に、前記撮像素子の撮像出力を、前記第1の通信手段を通じて前記解析制御装置に送るようにし、
前記解析制御装置は、
仮想音源処理を用いて左耳用および右耳用の音声信号を生成する音声信号生成手段と、
前記音声信号生成手段で生成された前記左耳用および右耳用の音声信号を多重して、前記照明付き音響再生装置に送信するための第2の無線通信手段と、
前記第2の通信手段を通じて受信した前記撮像出力を解析して、その解析結果に基づいて、前記照明付き音響再生装置の前記複数個の照明素子による明るさおよび/または発光色を制御する照明制御信号を生成すると共に、生成した前記照明制御信号を、前記第2の通信手段を通じて前記照明付き音響再生装置に送る手段と、
を備え、
前記照明付き音響再生装置は、前記通信手段を通じて受信した前記照明制御信号により前記複数個の照明素子を制御する
ことを特徴とする音響再生システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006223867A JP2008048310A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | 照明付き音響再生装置および音響再生システム |
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JP2006223867A JP2008048310A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | 照明付き音響再生装置および音響再生システム |
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JP2008048310A true JP2008048310A (ja) | 2008-02-28 |
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Family Applications (1)
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JP2006223867A Pending JP2008048310A (ja) | 2006-08-21 | 2006-08-21 | 照明付き音響再生装置および音響再生システム |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010124251A (ja) * | 2008-11-19 | 2010-06-03 | Kenwood Corp | オーディオ装置、音響再生方法 |
JP2012132579A (ja) * | 2010-12-20 | 2012-07-12 | Panasonic Corp | 給湯機 |
JP2012156610A (ja) * | 2011-01-24 | 2012-08-16 | Yamaha Corp | 信号処理装置 |
JP2012238971A (ja) * | 2011-05-10 | 2012-12-06 | Onkyo Corp | 受信装置 |
WO2017043671A1 (ko) * | 2015-09-07 | 2017-03-16 | 주식회사 엔젤럭스 | 스피커 일체형 led 조명장치 |
KR101829259B1 (ko) * | 2016-10-24 | 2018-03-29 | 정영복 | 조명장치 겸용 스피커 |
JP7627573B2 (ja) | 2021-02-10 | 2025-02-06 | キヤノン電子株式会社 | 照明付スピーカー |
-
2006
- 2006-08-21 JP JP2006223867A patent/JP2008048310A/ja active Pending
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