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JP2008047855A - 電界効果型トランジスタ - Google Patents

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JP2008047855A JP2007009871A JP2007009871A JP2008047855A JP 2008047855 A JP2008047855 A JP 2008047855A JP 2007009871 A JP2007009871 A JP 2007009871A JP 2007009871 A JP2007009871 A JP 2007009871A JP 2008047855 A JP2008047855 A JP 2008047855A
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Abstract

【課題】塗布形成が可能な有機電極であって、酸を含まず、電極表面の凹凸の小さなFET用有機電極を得る。
【解決手段】ソース電極および/またはドレイン電極が共役系重合体とカーボンナノチューブを有する重合体コンポジットで形成されており、共役系重合体中にカーボンナノチューブを0.01〜3重量%含む重合体コンポジットで半導体層が形成されている電界効果型トランジスタ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電極および半導体層を、カーボンナノチューブと共役系重合体を有する重合体コンポジットで形成した電界効果型トランジスタに関する。
現在工業的に使用されている電界効果型トランジスタ(以下、FET素子という)は、シリコンやゲルマニウム等の無機半導体を用いており、回路パターンを形成するのに、フォトリソグラフィーや真空蒸着等の製造コストのかかるプロセスが何段階もわたって必要であった。このような製造方法を採用してきた半導体産業では、製造コスト削減や、表示装置における大面積化の要請が高まっている。しかし、製造装置の制約から無機半導体での低コスト化や大面積化が困難である。
このため、成形性に優れた有機材料を用いたFET素子が提案されており、例えば半導体材料にポリチオフェン系の高分子半導体を用いる方法が知られている。(特許文献1参照)。この有機材料は溶剤に溶かして、インクジェット技術やスクリーン印刷技術、キャスト塗布技術、あるいはスピンコート塗布技術等を使用することができるので、従来の真空蒸着法を用いずに膜形成することができる。
有機材料を用いたFET素子の検討は、これまで半導体材料に関するものが主であり、金属の電極と組み合わせているものが多かった。しかし最近では電極にも有機材料、例えばポリチオフェン系の導電性高分子を用いるものが示されており、FET駆動時のしきい値電圧を小さくできることが知られている(特許文献2、3参照)。
一方で、カーボンナノチューブ(以下、CNTという)は凝集体の形状になっているため、CNTの均一分散処理を施さないと不均一で、導電性の低い膜しか得られない。そこでCNTの凝集を解き均一分散する方法として、バンドル状のCNTを共役系重合体の溶液中で超音波照射する方法が知られており、シート抵抗の小さな半導体膜が得られることが示されている(特許文献4参照)。
さらに、超音波照射によって均一分散にしたCNTを共役系重合体中に微量分散し、得られた重合体コンポジットを、電界効果型トランジスタの半導体層として用い、良好なトランジスタ特性が得られることが知られている(特許文献5参照)。
また、レジストなどの感光性成分とCNTとからなる感光性材料を塗布し、CNT膜をパターニングする方法も知られている(特許文献6参照)。該材料で形成されたCNT膜は導電性を示すが、バインダーとなる樹脂が絶縁物であるため、CNTのもつ導電性を充分発揮できていなかった。
特開2004−83650号公報(第40〜42段落) 特開2006−49577号公報(実施例1) 特開2005−251809号公報(実施例1) 特開2004−2156号公報(請求項1、実施例1) 特開2004−266272号公報(請求項2、6、7) 特開2006−69848号公報(請求項1〜7)
これまでに提案されている有機材料を用いたFET素子の電極材料については、塗布形成が可能であるが、共役系高分子に酸を混合した導電性材料を用いていられているため、電極表面の凹凸が大きく膜厚制御が難しいという問題や、素子形成後に、酸が有機半導体層に拡散してFET特性が変化しやすいという問題があった。本発明の目的は、塗布形成が可能で、電極表面の凹凸が小さく、かつ酸成分を含まない有機材料で電極が形成されたFET素子を提供することにある。
さらに本発明は、電極を簡便にパターン形成でき、かつFET特性を損ねずにFET素子を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明は下記の構成からなる。
(1)ソース電極および/またはドレイン電極が共役系重合体とカーボンナノチューブを有する重合体コンポジットで形成されており、共役系重合体中にカーボンナノチューブを0.01〜3重量%含む重合体コンポジットで半導体層が形成されている電界効果型トランジスタ。
(2)ソース電極および/またはドレイン電極に用いられる重合体コンポジットが、共役系重合体に対して10重量%以上、10000重量%以下のカーボンナノチューブを有する上記(1)記載の電界効果型トランジスタ。
本発明によれば、塗布形成による低コスト化が可能で、酸成分を含まず、高導電性で、膜の均一性が良好で、膜表面が平滑な電極を得ることができる。さらに、電極形成のための重合体コンポジットが光架橋性の側鎖を有する共役系重合体を有しているため、ソース電極やドレイン電極などの電極パターンを簡便なフォトリソグラフィー法によって形成することができる。
本発明のFET素子は、ソース電極および/またはドレイン電極が共役系重合体とCNTを有する重合体コンポジットで形成されており、共役系重合体中にCNTを0.01〜3重量%含む重合体コンポジットで半導体層が形成されている。
本発明の電極、半導体層に用いられる共役系重合体とCNTを有する重合体コンポジットは、溶媒中に溶解することができ、この重合体コンポジット溶液を基板やフィルム上に塗布することで簡便に電極膜や半導体層を形成することができる。
本発明の電極は、共役系重合体とCNTを有する重合体コンポジットからなる。CNTを用いることで低抵抗な電極膜が形成でき、また、半導体層に有機材料を用いた場合には電極/半導体層間の接触抵抗を低減できるという効果もある。共役系重合体はCNTの分散性を向上させる効果があり、またCNTと同様に、半導体層に有機材料を用いた場合の電極/半導体層間の接触抵抗低減にも効果がある。これらの効果によりFET素子の駆動時のしきい値電圧を低減することもできる。また酸成分を含まないのでFET特性が経時的に安定である。
電極に用いる重合体コンポジット中のCNTの重量比は、良好なFET特性が得られる範囲であれば何れの比率でも用いることができるが、中でも10重量%以上、10000重量%以下で用いることが好ましい。一般に共役系重合体は酸などのドーパントが無い状態では比抵抗が大きく電極材料には適さないが、共役系重合体中にCNTを10重量%以上添加することによって比抵抗を飛躍的に小さくすることができ、電極材料として使用することが可能になる。10重量%以下では半導体層に用いる重合体コンポジットとの組成が近いため良好なトランジスタ特性が得にくくなる。一方10000重量%よりも多い場合は、CNTが凝集した形状になる可能性が高く、均一な電極を形成しにくい。より好ましくは、50重量%以上、1000重量%以下である。
電極を形成する膜は、溶媒中に、所定量の共役系重合体とCNTを含む重合体コンポジット溶液を塗布して形成することができる。重合体コンポジット溶液を塗布して得られる電極は、共役系重合体に対するCNTの重量比が10〜30重量%の場合、電極中のCNTは共役系重合体のマトリクスの中に均一に分散した形状をとっている。30重量%以上の場合には、網目状に絡み合ったCNTの間に共役系重合体が存在する形状をしている。何れの場合も、重合体コンポジット内のCNTの向きは基板面とほぼ平行で、かつ基板平面内にはランダムな方向で、基板に付着している。このような形態にすることによってCNTが緻密に絡んだ膜を形成することができ、高い導電性が得られる。
さらに上記の重合体コンポジットを用いると表面が平滑な膜を形成できるので、この電極の上に設けられる半導体層または絶縁層は、電極表面の凹凸の影響を受けずに均一な膜を形成することができる。トランジスタの電極や半導体層の厚みは10〜100nmで形成することが一般的であり、凹凸の大きさは、表面粗さRaを指標とするとRaが10nmであることが好ましい。本発明の電極はRaが10nm以下のものを簡便に形成することができる。なお、本発明において上記の表面粗さRaは、JISのB−0601−1994に準じて測定する。得られた測定値に基づいて粗さ曲線を作成し、粗さ曲線からその平均線の方向に長さlだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値とする。
本発明の電極に用いる重合体コンポジットは、共役系重合体とCNTから構成されるが、両者は単なる混合体ではなく、共役系重合体がCNTの少なくとも一部、あるいは全部を被覆した状態であると考えられる。共役系重合体がCNTを被覆できるのはそれぞれの共役系構造に由来するπ電子雲が重なることによって相互作用が生じるためと推測される。CNTが共役系重合体で被覆されているか否かは、被覆されたCNTの反射色が被覆されていないCNTの色から共役系重合体の色に近づくことで判別できる。定量的には元素分析やX線光電子分光法(XPS)などによって付着物の存在とCNTに対する付着物の重量比を同定することができる。また、CNTに付着させる共役系重合体は、共役系重合体であれば、分子量、分子量分布や構造に関わらず用いることができる。
一方、CNTを均一分散するための他の有機材料として、界面活性剤や糖、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸メチルなどの絶縁性材料があるが、これらの材料はCNT膜と半導体層との界面に挿入されると、接触抵抗が大きくなり、CNTを電極に用いた効果を充分発揮することができない。
従来知られているポリチオフェン系の導電性高分子(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の混合体)をソース電極、ドレイン電極に用いた場合には、この導電性高分子中に含まれている酸が、FET素子形成後に酸が周囲の半導体層や絶縁層に経時的に拡散し、FET特性が変化してしまうという問題があった。しかし、上述のCNTを用いた電極では酸を含まないので、FET特性の経時的変化が小さい。
本発明の電極は比抵抗が1×10〜1×10−2Ωcm程度と低抵抗であるので、下地に金属薄膜などを積層せずに用いることができる。また、CNT膜は可視光の透過率が50%以上ある薄膜であっても、電極として充分用いることのできる表面抵抗値を示すので、透明導電膜として用いることができる。したがって、FET素子の基板を透明のガラスあるいは透明のフィルムを用いた場合、透明なFET素子を作製することが可能である。
本発明のFET素子の半導体層においては、共役系重合体中にCNTを0.01〜3重量%含む重合体コンポジットを用いる。半導体性を示す有機材料として共役系の発達した化合物であれば用いることができ、低分子量、あるいは高分子量のいずれも用いることができる。有機半導体の溶媒への溶解性や基板への塗布性の点から、より好ましくは共役系高分子が用いられる。本発明のFET素子の半導体層には、CNTを0.01〜3重量%含むことによって半導体特性の向上を得ることができる。0.01重量%より少ない場合は添加効果が小さく、電極を金属膜からCNT膜に置き換えたことによる効果がごくわずかしか得られない。3重量%より多い場合は、CNTのパーコレーションのしきい値を超え、電導度が高くなるために半導体ではなく導電体の様相を呈する。より好ましくは0.1〜1重量%である。
本発明の半導体層で用いるCNTは、FET素子の電極間の短絡を防ぐために、素子電極間の距離よりも短いCNTを使用することが望ましい。またCNTは一般には紐状で生成されるので、短繊維状で使用するためにカット、あるいはフィルターを用いて長い成分のCNTを除去して、素子電極間の距離よりも短いCNTを得ることができる。短繊維へのカットには、硝酸、硫酸などによる酸処理とともに超音波処理が有効であり、またフィルターによる分離を併用することは純度を向上させる上でもさらに好ましい。なお、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも本発明により好ましく使用される。このような短繊維状CNTは基板上に鉄、コバルトなどの触媒金属を形成し、その表面にCVD法により700〜900℃で炭素化合物を熱分解してCNTを気相成長させることによって基板表面に垂直方向に配向した形状で得られる。このようにして作製された短繊維状CNTを基板から剥ぎ取るなどの方法で取り出すことができる。また、短繊維状CNTはポーラスシリコンのようなポーラスな支持体や、アルミナの陽極酸化膜上に触媒金属を担持させ、その表面にCNTをCVD法にて成長させることもできる。触媒金属を分子内に含む鉄フタロシアニンのような分子を原料とし、アルゴン/水素のガス流中でCVDを行うことによって基板上にCNTを作製する方法でも配向した短繊維状のCNTを作製することができる。さらには、SiC単結晶表面にエピタキシャル成長法によって配向した短繊維状CNTを得ることもできる。溶液の塗布より得られた分散体が半導体として利用される場合には、CNTの平均長さは電極間距離によるが、好ましくは2μm以下、より好ましくは0.5μm以下で使用される。
本発明では、CNT分散液、あるいはCNTを含有する重合体コンポジット溶液をフィルターによって濾過する工程を設けることが好ましい。フィルター孔径よりも小さいCNTを濾液から得ることで、ソース電極とドレイン電極間の距離よりも小さくしたカーボンナノチューブを効率よく得られることができる。
濾過に用いるフィルターは、チャネル長よりも小さい孔径を有するフィルターであれば、メンブレンフィルター、セルロース濾紙、ガラス繊維濾紙など何れの種類のフィルターも用いることができる。中でもメンブレンフィルターは、濾紙内部で吸着されるCNTの量を減らすことができるので、濾液から収率よくCNTを回収できるので好ましく用いることができる。
濾過に用いるフィルターの孔径は、チャネル長よりも小さければよく、例えばチャネル長が20μmの場合は、孔径10μmのフィルターを用いることで電極間の短絡を確実に防ぐことができる。実際には孔径0.5〜10μmのフィルターを好ましく用いることができ、チャネル長に応じて使い分けることができる。
FET素子の半導体層の膜厚は特に限定されないが、中でも好ましくは5nm以上200nm以下がよい。この範囲以内で良好なオンオフ比が得られる。この範囲以上に膜厚が大きいとゲート電圧によって制御できないソース・ドレイン間電流が増加してしまい、FET素子のオンオフ比を低下させる。またこの範囲以下ではキャリア移動度が減少してしまう問題がある。
作製したFET素子に対して、減圧下または不活性雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。
本発明の電極および半導体層に用いられる共役系重合体の種類は特に限定されないが、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリフラン、ポリインドール系のポリマーが挙げられる。中でも半導体特性の優れたものとしてポリチオフェン系重合体、またはポリチオフェン系ユニットを含む共重合体を用いることが好ましい。ポリチオフェン系重合体とはポリチオフェン構造の骨格を持つ重合体に側鎖が付いた構造を有するポリアルキルチオフェンである。具体例としては、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリ−3−ブチルチオフェン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリ−3−オクチルチオフェン、ポリ−3−ドデシルチオフェン等のポリ−3−アルキルチオフェン、ポリ(3,3”−ジアルキルターチオフェン)、ポリ[5,5’−ビス(3−アルキル−2−チエニル−2,2’−ジチオフェン)、ポリ[2,5−ビス(2−チエニル)−3,4−ジアルキルチオフェン]、(アルキル基の炭素数は特に制限はないが好ましくは1〜16)、ポリ−3−メトキシチオフェン、ポリ−3−エトキシチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシチオフェン等のポリ−3−アルコキシチオフェン(アルコキシ基の炭素数はとくに制限はないが好ましくは1〜12)、ポリ−3−メトキシ−4−メチルチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシ−4−メチルチオフェン等のポリ−3−アルコキシ−4−アルキルチオフェン(アルコキシ基およびアルキル基の炭素数は特に制限はないが好ましくは1〜12)、ポリ−3−チオヘキシルチオフェンやポリ−3−チオドデシルチオフェン等のポリ−3−チオアルキルチオフェン(アルキル基の炭素数は特に制限はないが好ましくは1〜12)、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェンが挙げられ、1種もしくは2種以上を用いることができる。中でも、ポリ−3−アルキルチオフェン、ポリ(3,3”−ジアルキルターチオフェン)、ポリ[5,5’−ビス(3−アルキル−2−チエニル−2,2’−ジチオフェン)、ポリ−3−アルコキシチオフェンが好ましい。またポリチオフェン系ユニットを含む共重合体とは、チオフェンユニットが並んだ間にアリーレンユニット、チエニルチアゾールユニット、フルオレンユニット、カルバゾールユニットや、フタロシアニンユニット、または上記のユニットの誘導体をはさんだポリマー等が挙げられ、共役系の連続するものであれば好ましく用いることができる。ここでいう重合体とは、分子量800〜100000程度のものを指し、モノマーユニットが4〜20個並んだオリゴマー程度の分子量のものも含まれる。
本発明において用いられる上記のポリチオフェン系重合体の側鎖の結合様式は、レジオレギュラーな構造を有するものが好ましく、少なくとも80%以上のレジオレギュラリティーを有するものが好ましく用いられる。レジオレギュラリティーとは、複数並んだモノマーユニットにおいて、側鎖の方向がどれだけ一方向に規則正しく並んで連結しているかを表す指標である。レジオレギュラリティーは核磁気共鳴分光装置(NMR)によって定量することが可能であり、レジオレギュラーの割合が高いほど良好な半導体特性を得ることができる。本発明では以上のように共役系重合体の主鎖の立体構造や側鎖置換基の配列を制御してもよい。
本発明では、ソース電極やドレイン電極などの電極に用いられる重合体コンポジットに、側鎖に光架橋性成分を有する共役系重合体を含むことができる。光架橋前には溶媒に可溶であった重合体は、光架橋によって溶媒に不溶化することができるので、フォトリソグラフィー法を適用したパターン形成が可能となる。フォトリソグラフィー法は、重合体膜の所望の部分にのみ光を照射し、照射部分と未照射部分との溶媒への溶解性の差を作り、現像工程を経て所望のパターンを形成する方法である。本発明の電極に用いられる重合体においては、光照射によって重合体が架橋されるため、照射部分が不溶化に、未照射部分が可溶なまま残存するので、所望部分に光照射し、不要部分を現像液等に浸漬するなどして除去すると、所望のパターンを得ることができる。
さらに、重合体の光照射された部分は、架橋によって耐溶剤性が向上する。重合体が架橋することにより膜の緻密化が促進されているので、電極膜は、溶媒による膨潤や浸食に対して耐性が向上する。したがって、電極の上層に半導体層や保護層などを積層しようとする場合、溶媒を含む塗液を塗布しても何ら問題なく形成することができる。
光架橋性の側鎖を有する共役系重合体の主鎖骨格としては、溶媒への溶解性と、ある程度の導電性を示す共役系重合体であればいずれも好ましく用いることができ、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリ−p−フェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリフラン、ポリインドール系のポリマーが挙げられる。中でもポリチオフェン系重合体を用いることが好ましく、成形性、膜安定性、トランジスタ特性に優れた電極が得られる。光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体とは、チオフェン環が2位、5位で結合して主鎖骨格を形成し、チオフェン環の3位、4位の両方、あるいはいずれかに光架橋性の側鎖を有する重合体である。ただし、溶解性、光架橋性などを維持できる範囲で、置換基のないチオフェンユニット、あるいはアルキル基やアルコキシ基を側鎖に有するチオフェンユニットなど、光架橋性の側鎖を持たないチオフェンユニットを含んでもよい。
光架橋性の官能基は、光二量化によって付加反応が進行する官能基であることが好ましい。重合開始剤などの添加物を用いずに付加反応を進行させることができ、重合開始剤や、重合開始剤の副生成物の存在による不純物の混在を防ぐことができる。トランジスタの半導体特性は半導体層中の不純物含有量に大きく影響されるので、電極層から半導体層への不純物の拡散を防ぐために、不純物の混入は極力避けることが好ましい。
光二量化反応を起こす官能基としては、光二量化反応を起こす官能基であれば好ましく用いられ、例えば桂皮酸エステル基、カルコン基、スチリルピリジニウム基、α−フェニルマレイミド基、アンスリル基、クマリン基などが挙げられる。官能基の光感度や熱安定性とのバランスを考慮すると桂皮酸エステル基がより好ましく用いられる。
これらの光二量化反応を起こす官能基は、重合体の主鎖のユニットに直接結合していてもよいし、重合体の側鎖に設けたアルキル基やアルコキシ基などの基に結合していてもよい。これらアルキル基やアルコキシ基の炭素数は1〜22程度が好ましい。炭素数が22より大きいと、架橋性に影響はないがトランジスタ特性が低下することがある。炭素数を上述の範囲にすることで、架橋性とトランジスタ特性を両立することができる。
光架橋性を示す側鎖は、重合体の各モノマーユニット全てに挿入されていてもよいし、側鎖をもたないユニットが含まれていてもよいが、好ましくは全モノマーユニットのうち、ユニットのモル数に換算して20分の1以上のユニットに光架橋性示す側鎖が含まれていることである。こうすることで光架橋性の官能基同士が反応する確率が高まり、充分に架橋させることができる。
ポリチオフェン系重合体の主鎖にはチオフェンユニット以外の共役系重合体が含まれていてもよい。ただし、ポリチオフェンユニットの比率として、チオフェンユニットのモル数に換算して10分の1以上含んでいることが好ましく、6分の1以上がより好ましく、膜の成形性や膜安定性、導電性に優れた電極層を得ることができる。チオフェン以外のユニットとしては、アリーレンユニット、チエニルチアゾールユニット、チアゾールユニット、チエノチオフェンユニット、チエニルチエノチオフェンユニット、フルオレンユニット、カルバゾールユニットや、フタロシアニンユニット、ポルフィリンユニット、ビニレンユニット、フェニレンユニット、ナフチレンユニット、または上記のユニットの誘導体が挙げられ、共役系の連続するものであればいずれも好ましく用いることができる。
光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体の分子量は、数平均分子量で800〜200000であることが好ましい。また分子量800〜3000程度のオリゴマーであってもよい。ここでも、数平均分子量および重量平均分子量はGPCで測定し、ポリスチレンの標準試料に換算して求めることができる。上記の分子量の共役系重合体を用いることで、膜の成形性や膜安定性、導電性に優れた電極層を得ることができる。
本発明の電極に用いられる重合体コンポジットには、側鎖に光架橋性成分を有する共役系重合体を含むことができるが、フォトリソグラフィー法によりパターン形成する場合は、共役系重合体全重量のうち光架橋成分を持つ重合体は50重量%以上であることが好ましい。より好ましくは70重量%以上であり、さらにファインなパターンを形成することができる。
側鎖に光架橋性成分を有する共役系重合体は、重合体コンポジット中に含まれるCNTの分散性に優れているが、より分散性の優れている重合体としてポリ−3−ヘキシルチオフェンなどの光架橋性の側鎖を持たない共役系重合体を共に用いることが好ましい。光架橋性の側鎖を持つ重合体と持たない重合体を共に用いて重合体コンポジットを調製する場合は、初めに光架橋性の側鎖を持たない共役系重合体中にCNTを分散し、その後、光架橋性の側鎖を有する共役系重合体を添加する方法があり、パターン形成性、膜安定性、導電性に優れた電極層を得ることができる。
本発明の半導体層および電極に用いる共役系重合体は、合成過程で使用した原料や副生成物などの不純物をできるだけ除去しておくことが好ましい。その精製方法は特に限定されないが、再沈殿法、ソクスレー抽出法、濾過法、イオン交換法、キレート法等を用いることができる。中でも重合中に使用したモノマーやその副生成物、重合中に失活したダイマー等の不純物を除去する場合には再沈殿法やソクスレー抽出法が好ましく用いられ、金属成分の除去には再沈殿法やキレート法、イオン交換法が好ましく用いられる。これらの方法のうち、1種を単独で用いるか、あるいは複数を組み合わせてもよい。
本発明の電極、半導体層に用いられるCNTは、アーク放電法、化学気相成長法(以下CVD法とする)、レーザー・アブレーション法等によって作製されるが、本発明に使用されるCNTはいずれの方法によって得られたものであってもよい。また、CNTには1枚の炭素膜(グラッフェン・シート)が円筒状に巻かれた単層CNT(以下SWCNTと言う)と、2枚のグラッフェン・シートが同心円状に巻かれた2層CNT(以下DWCNTと言う)と、複数のグラッフェン・シートが同心円状に巻かれた多層CNT(以下MWCNTと言う)とがあり、本発明においてSWCNT、DWCNT、MWCNTをそれぞれ単体で、もしくは複数を同時に使用できる。特に、SWCNTとDWCNTと直径が15nm以下のMWCNTは導電性および半導体特性において優れた性質を持つので好ましく用いることができるが、中でも特にSWCNTまたはDWCNTを用いることが好ましい。
上記の方法でSWCNT、DWCNTやMWCNTを作製する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生産物として生成され、またニッケル、鉄、コバルト、イットリウムなどの触媒金属も残存するので、これらの不純物を除去し精製する必要がある。不純物の除去には、硝酸、硫酸などによる酸処理とともに超音波処理が有効であり、またフィルターによる分離を併用することは純度を向上させる点でさらに好ましい。本発明で用いられるCNTの直径は特に限定されないが、0.8nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは15nm以下である。
CNTを共役系重合体を含む溶媒中に分散する方法としては、CNTと共役系高分子を溶媒に混合した後、超音波照射して分散する方法、CNTを溶媒中で予め超音波照射下で予備分散した後、共役系重合体を添加し分散させる方法、溶融した共役系重合体の中にCNTを添加して分散させる方法等がある。本発明においては、何れの方法も用いることができるが、中でもCNTと共役系高分子を溶媒に混合した後、超音波照射を行う方法が好ましい。超音波照射は、超音波洗浄機あるいは超音波ホモジナイザーなどを用いて行うことができる。短時間で高効率に分散を行う場合には超音波ホモジナイザーが好ましく用いられる。
CNTを共役系重合体を含む溶媒中に分散する場合、CNTに対する共役系重合体の量は0.5〜10倍程度であることが好ましい。より好ましくは1〜2倍である。この範囲にあることで高い分散性を維持しつつ、余剰の共役系重合体が少ない状態が得られ、良好なCNT分散液を得ることができる。
超音波の照射出力は、超音波ホモジナイザーなどを用いて直接照射装置する場合は100〜500Wであることが好ましい。バッチ式で分散処理を行う場合は100〜500Wが好ましく、さらに好ましくは100〜300Wが良く、連続フロー式で分散処理を行う場合は200〜750W、さらに200〜500Wが好ましい。この範囲にあることで、分散液の超音波照射による液温上昇を適度に制御しながら良好なCNT分散液を得ることができる。また、超音波洗浄機などを用いて間接照射する場合の超音波の出力は、10〜1000Wが好ましい。通常市販されている超音波洗浄機は、超音波の出力と洗浄槽の大きさがほぼ比例するように設計されているので、CNT分散液の処理量にあわせて出力と洗浄槽の大きさを選定すれば良く、出力約100W/洗浄槽約2リットルから、出力300W/洗浄槽10リットル程度のものを用いることが好ましい。超音波の周波数は20〜100kHzであることが好ましい。なお、超音波の照射を終了する直前に共役系重合体を、上述の配合比の範囲内で追加してもよく、こうすることでCNTの再凝集を抑制し分散安定性を向上させることができる。
本発明の電極、半導体層に用いられる重合体コンポジットは、所定量よりもはるかに少ない量の共役系重合体と、所定量のCNTを溶媒中に入れ、超音波照射等によって分散しておき、この分散液中に所定量の共役系重合体を添加し、超音波照射、あるいは加熱撹拌することによって重合体コンポジット溶液として調製する。また得られた重合体コンポジット溶液から溶媒を除去、あるいは塗布することによって重合体コンポジット膜を得ることができる。あるいは、所定量の共役系重合体とCNTと溶媒とを直接混合し、この混合液に超音波照射して重合体コンポジット溶液を調製し、この溶液から溶媒を除去、あるいは塗布することによって重合体コンポジット膜を得ることもできる。
以上のように、共役系重合体存在下で超音波照射する等してCNTを分散させると、CNTの凝集は解かれて、材質中により細かく均一に分散することができるので、ナノサイズ効果や添加効果を顕著に得ることができる。また、分散状態を安定化できるというメリットも得られる。
重合体コンポジット中のCNTの分散性は、重合体コンポジット溶液を基板上に塗布し、塗布されたCNT膜を原子間力顕微鏡(AFM)を用いることで評価できる。たとえばCNT分散液を希釈せずにそのまま塗布して膜中のCNTの太さや形状を観察したり、膜表面の凹凸を観察することで均一性や表面粗さRaを評価することができる。また、CNTの太さや形状については、CNTの分散液をさらに2〜20倍に希釈して基板上に塗布し、CNT同士の重なりを少なくした状態で観察して評価することができる。AFMによるCNT観察では装置の特性上、CNTの幅方向の太さは実際のCNT太さよりも大きく観察されてしまうが、高さ方向の値は実際の数値を表すので、高さの値をCNTの太さとして評価することができる。このようにして、CNTがどの程度、凝集が解かれているかを評価することができる。具体的にはCNTが1〜10本程度の束にまで解かれていることが好ましい。
本発明の電極、半導体層に用いられる重合体コンポジットを溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール、トルエン、キシレン、o−クロロフェノール、アセトン、酢酸エチル、エチレングリコール、クロロホルム、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられるが、これらに限定されず必要に応じて溶媒を選ぶことができる。
本発明の電極、半導体層に用いられる重合体コンポジット中のCNTの溶媒に対する濃度は、0.001〜30g/lの範囲が好ましい。直径が15nm以下のMWCNTやDWCNT、SWCNTを用いる場合は、CNT濃度は0.001〜1g/lの範囲がより好ましい。一方、共役系重合体の溶媒に対する濃度は0.001〜30g/lの範囲が好ましい。この範囲にあることで高い分散性が維持でき、良好なCNT分散液を得ることができる。
本発明のFET素子の電極あるいは半導体層を塗布して形成する場合、キャスト法、スピンコート法、ディップ法、バーコーター法、滴下法、スプレー法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、鋳型塗布法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法など一般的な方法を用いることができる。塗膜厚み制御や配向制御など、得ようとする塗膜特性に応じて塗布方法を選択すればよい。
本発明のFET素子の電極、あるいは半導体層のパターン形成は、インクジェット技術やスクリーン印刷技術で直接パターンを形成することができる。また、フォトレジストを用いたリフトオフ法、電極成分や半導体層成分に感光性を付与してフォトリソグラフィーを用いる方法、膜をパターンエッチングする方法、フォトレジストを用いて基板表面に親水性面と撥水性面を形成してパターン形成する方法、全面塗布したのちに除去部分を拭き取りや掻き取りによってパターン形成する方法など、何れの方法も用いることができる。また、パターン形成後に50〜200℃の熱処理を施すことによって、膜の緻密性が向上し、耐溶剤性を向上させることもできる。熱処理はホットプレート、ヒーターオーブン、熱風オーブン、IRオーブンなど何れも使用することができる。
本発明の電極に光架橋性の共役系重合体を用いた場合には、フォトリソグラフィー法を用いて電極パターン形成をすることができる。光の照射には、フォトマスクを介して露光する方法が好ましく用いられる。フォトマスクには所望のパターン部分を透明に形成しておき、光照射時に重合体膜の上に設置して用いる。照射される光の波長は、感光基が付加反応を起こす波長を照射すればよく、紫外光から可視光領域の波長を好ましく用いることができる。光照射装置は市販のものを用いることができ、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。光源は、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯、紫外線ランプなどが使用できる。
光未照射部分の除去は現像工程によって行われる。現像に用いる溶剤は重合体が可溶な溶剤であればよく、有機溶剤が用いられる。また、その溶解力が失われない範囲で水を添加しても用いられる。
本発明のFET素子の絶縁層にはSiO膜やアルミナ等の無機材料、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリビニルクロライド、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリパラキシレン、等の高分子材料、あるいは無機材料粉末と高分子材料の混合物なども用いることができる。製膜は、スパッタリング、蒸着、スピンコート法、キャスト法、ディップ法、バーコーター法、滴下法、スプレー法、ブレードコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、鋳型塗布法、印刷転写法、浸漬引き上げ法、インクジェット法等により膜を形成することができる。
FET素子の基板としてはガラスやシリコンウエハ、フィルム、樹脂基板などが挙げられ、フィルムや樹脂基板としてはポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン等の有機材料が使用可能である。また、FET素子の性能を上げる目的で、シランカップリング剤に代表されるような表面改質剤で基板の表面処理を行ってもよい。
FET素子の半導体層の膜厚は特に限定されないが、中でも好ましくは5nm以上200nm以下がよい。この範囲以内で良好なオンオフ比が得られる。この範囲以上に膜厚が大きいとゲート電圧によって制御できないソース・ドレイン間電流が増加してしまい、FET素子のオンオフ比を低下させる。またこの範囲以下ではキャリア移動度が減少してしまう問題がある。
作製したFET素子に対して、減圧下または不活性雰囲気下(窒素やアルゴン雰囲気下)でアニーリング処理を行ってもよい。
このようにして作製されたFET素子は、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流をゲート電圧を変化させることによって制御することができ、その特性から下記の(1)式を用いて移動度を算出することができる。
μ=(δId/δVg)L・D/(W・ε・ε・Vsd) (1)
ただしIdはソース・ドレイン間の電流、Vsdはソース・ドレイン間の電圧、Vgはゲート電圧、Dは絶縁層の厚み、Lはチャネル長、Wはチャネル幅、εは絶縁層の比誘電率(ここではSiOの3.9を使用)、εは真空の誘電率(8.85×10−12F/m)である。
また、あるマイナスのゲート電圧におけるId(オン電流)の値と、あるプラスのゲート電圧におけるId(オフ電流)の値の比からオンオフ比を求めることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
はじめにCNT分散液を作製した。CNTは単層カーボンナノチューブ(サイエンスラボラトリーズ社製、純度95%)を精製せずにそのまま用いた。共役系重合体のポリ−3−ヘキシルチオフェン(以下、P3HTと略す。)(アルドリッチ社製、レジオレギュラー)は、再沈澱法により精製してから使用した。再沈澱は、P3HT20mgにクロロホルム5mlを加えて溶解させ、孔径0.45μmのメンブレンフィルターによってろ過を行い、ろ液をメタノール15mlと0.1規定塩酸15mlの混合液の中に滴下し、沈澱したP3HTをろ別によって孔径0.45μmのメンブレンフィルター上に捕集し、真空乾燥により溶媒を除去し、この操作を2回繰り返して精製した。
CNT1.5mgと精製したP3HT1.5mgと、クロロホルム30mlを50mlのサンプル管に入れ、CNT混合液を調製し、超音波ホモジナイザー(東京理化器械(株)製VCX−502、出力250W、直接照射)を用いて超音波照射した。このとき、超音波照射用のプローブには直径13mmのチタン合金製のものを用い、プローブ表面を予め目の細かいサンドペーパーで研磨しておき、表面粗さRaが1μm以下になるようにして使用した。超音波照射を30分行った時点で一度照射を停止し、P3HTを1.5mg追加し、さらに1分間超音波照射して、CNT分散液A(溶媒に対するCNTの濃度0.05g/l、溶媒に対するP3HTの濃度0.1g/l、P3HTに対するCNTの重量比:50重量%)を得た。
CNT分散液A(CNT濃度0.05g/l)にクロロホルムを加えて10分の1の濃度に希釈し、1cm角のシリコンウエハ上にスピンコートし、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。CNT分散液A中のCNTは均一に分散しており、CNTの直径は1〜10nmであった。このことから、もともと太さ数十nmのバンドルであった単層CNTが、1〜10本程度にまで解かれていることがわかった。
次いで15mlのCNT分散液Aをメンブレンフィルター(孔径0.45μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いて濾過を行い、フィルター上にCNTを捕集した。なお、ろ液は透明なオレンジ色を呈したことから、ろ液には余剰のP3HTのみが存在し、CNTは含まれていないことがわかった。次いで、捕集したCNTをフィルターごと15mlのクロロホルム中に浸漬し、超音波洗浄機を用いて5分間超音波照射することでCNT分散液Bを得た(溶媒に対するCNTの濃度0.05g/l、溶媒に対するP3HTの濃度約0.05g/l、P3HTに対するCNT量が100重量%)。
CNT分散液Bを上記と同様の方法でAFM観察した。CNTは均一に分散しており、CNTの直径が1〜10nmであったことから、ろ過と再分散の工程を加えてもCNTは凝集せず、CNTの太さに変化はなかった。ここで、CNT分散液B中のCNTにP3HTが付着しているかどうかを調べた。分散液B5mlをメンブレンフィルターを用いてろ過を行い、フィルター上にCNTを捕集した。捕集したCNTを、溶媒が乾かないうちに素早くシリコンウエハ上に転写し、乾燥したCNTを得た。このCNTを、X線光電子分光法(XPS)を用いて元素分析したところP3HTに含まれる硫黄元素が検出された。したがってCNT分散液B中のCNTにはP3HTが付着していることがわかった。
次いで、電界効果型トランジスタを以下の要領で作製した。このFET素子の構造を図1に示した。
FET素子の基板にはSiO膜3(膜厚300nm)付きのアンチモンドープシリコンウエハ1(抵抗率0.02Ωcm以下)を用いた。ここで、シリコンウエハは基板であると同時に、ゲート電極2であり、熱酸化膜は絶縁層となる。
ソース電極およびドレイン電極は、SiO膜上に次のようにして形成した。0.1mlのCNT分散液Bを2cm角のシリコンウエハ上の全面に滴下し、シリコンウエハを傾けて余剰の液を除去し、基板上に付着して残ったCNT分散液Bを乾燥して電極用重合体コンポジット膜を得た。次いでウエハ中央部に3×10mmの膜が残るようにウエハ周縁部の膜をウエスで拭き取り、3×10mmの膜の中央部を、先端の曲率半径が約200μmの金属製針を用いて掻き取ることによって3×5mmと3×5mmの2つの部分に分けた。針によって掻き取られた線の幅は光学顕微鏡で測定したところ30μmであった。線によって分けられた膜をそれぞれソース電極5、ドレイン電極6とした。次いで、電極用重合体コンポジット膜付きのウエハを150℃のホットプレート上で30分間熱処理を行った。得られた膜(ソース電極、ドレイン電極)の厚みはAFMを用いて測定したところ30nmであった。また、電極用重合体コンポジット膜の表面粗さ(Ra)は4nmであり、非常に平滑であった。得られた膜の表面形状を観察したAFM像を図2に示した。このようにしてチャネル長さ30μm、チャネル幅3mm、厚み30nmの電極用重合体コンポジット膜によるソース電極、ドレイン電極を形成した。
次に、半導体層4を形成するためのCNTを有する重合体コンポジット溶液の調製を行った。CNT濃度が0.05g/lのCNT分散液Aにクロロホルムを加えて0.02g/lに希釈し、メンブレンフィルター(孔径10μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いてろ過を行い、長さ10μm以上のCNTを除去した。ろ液には大半のCNTが含まれていた。得られたろ液をCNT分散液Cとした。CNT分散液C0.6mlと、クロロホルム0.4mlと、P3HT3mgを容積10mlのサンプル管に入れ、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2、出力120W、間接照射)を用いて30分間超音波撹拌することにより、半導体層用重合体コンポジット溶液(溶媒に対するP3HTの濃度3g/l、溶媒に対するCNTの濃度約0.012g/l、P3HTに対するCNTの重量濃度が0.4重量%)を得た。
次いで、半導体層用重合体コンポジット溶液0.01mlを上述のソース電極、ドレイン電極により形成されたチャネルの上に滴下し、スピンコート法(回転速度1000rpm、0.3秒)で膜厚25nmの薄膜を形成した。このとき、ソース電極、ドレイン電極はいずれも、重合体コンポジット溶液に含まれるクロロホルムによる溶出や浸食はしておらず、もとの形状を維持していることが光学顕微鏡観察から確認された。ソース電極、ドレイン電極に銀線と銀ペーストを用いてリード線を取りつけた後、110℃の真空乾燥機中に2時間静置し、50℃以下になるまで徐冷して乾燥機から取り出した。こうしてFET素子を作製した。
得られたFET素子を測定ボックスに移動させ、真空にして18時間静置した後、電流電圧特性を測定し、FET特性を調べた。測定装置にはケースレーインスツルメンツ社製半導体特性評価システム4200−SCSを用い、測定ボックスは1torr以下の減圧状態を保持しておいた。
FET素子のゲート電圧(Vg)を変えたときのソース・ドレイン間電流(Isd)−ソース・ドレイン間電圧(Vsd)特性を測定し、Vg=0〜−50Vに変化させたときのVsd=−5VにおけるIsdの値の変化から移動度を求めたところ、移動度は1.1×10−2cm/V・secと非常に高く、良好な値が得られた。また、Vg=−50VのときのVsd=−5VにおけるIsdの値と、Vg=+50VのときのVsd=−5VにおけるIsdの値の比からオンオフ比を求めたところ、2.0×10という良好な値が得られた。
FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が1.2×10−2cm/V・sec、オンオフ比が1.2×10であり、特性はほとんど変化していなかった。
実施例2
ソース電極、ドレイン電極に用いる膜の塗布液をCNT分散液B(P3HTに対するCNTの重量比が100重量%)からCNT分散液A(P3HTに対するCNT量が50重量%)に換えた以外は実施例1と同様の操作を行ってFET素子を作製した。電極形状は、電極厚みが30nm、チャネル長さ30μm、チャネル幅3mmであり、電極表面粗さ(Ra)は4.5nmであった。作製したFET素子の特性を調べたところ、移動度が9.0×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.2×10であり、それぞれ良好な値が得られた。
FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が9.0×10−3cm/V・sec、オンオフ比が2.0×10であり、特性はほとんど変化していなかった。
実施例3
ソース電極、ドレイン電極に用いる膜の塗布液を、CNT分散液Bから、P3HTに対するCNTの量が10重量%の重合体コンポジット溶液に換え、塗布方法をスピンコート法に換えた以外は実施例1と同様の操作を行ってFET素子を作製した。
重合体コンポジット溶液の調製は次のように行った。CNT9mgと精製したP3HT9mgと、クロロホルム30mlを50mlのサンプル管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いて超音波照射し、超音波照射を30分行った時点で一度照射を停止し、P3HTを9mg追加し、さらに1分間超音波照射して、CNT分散液D(CNT濃度0.3g/l)を得た。次いで、CNT分散液D1mlに、P3HT2.4mgを加え、超音波洗浄機で30分間超音波照射し、P3HTを濃度3g/l、CNT濃度0.3g/l(P3HTに対するCNT量が10重量%)の重合体コンポジット溶液を調製した。
次いで、重合体コンポジット溶液0.1mlを基板上に滴下し、1000rpmの回転速度で0.3秒間回転させてスピンコートし、膜厚30nmの電極用の重合体コンポジット膜を得た。次いで、実施例1と同様の方法でソース電極、ドレイン電極パターンを形成し、厚み30nm、チャネル長さ30μm、チャネル幅3mm、電極表面粗さRa=2.1nmの電極膜を得た。次いで、実施例1と同様の操作を行って半導体層を形成し、FET素子を作製した。FET特性を調べたところ、移動度が4.5×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.5×10という良好な値が得られた。
FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が4.6×10−3cm/V・sec、オンオフ比が2.2×10であり、特性はほとんど変化していなかった。
実施例4
基板をシリコンウエハからポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、絶縁膜をSiO膜から、ポリビニルフェノール(PVP)に、ゲート電極をアンチモンドープシリコンからCNT分散液Aによる電極に換えた以外は実施例1と同様の操作を行ってFET素子を作製した。
PETフィルムは、東レ(株)製のポリエステルフィルム(商品名”ルミラーS10”、厚み100μm)を2cm角に切断して使用し、PVPはアルドリッチ社製のものを用い、架橋剤と溶媒を混合、溶解して使用した。架橋剤はポリ(メラミン−co−ホルムアルデヒド)メタクリレート(アルドリッチ社製)を用い、溶媒はテトラヒドロフラン(THF)を用いた。架橋剤の量はPVPに対して25重量%とし、溶媒量はPVP濃度が40g/Lになるように調製した。
はじめに、PETフィルム上全面にCNT分散液D0.1mlを滴下し、1000rpm、10秒の条件でスピンコートした。基板中央に1mm×20mmの形状になるように溶剤を含んだウエスで周囲を拭き取って、厚み20nmのCNTが分散したP3HT膜を形成し、ゲート電極とした。
次に、上述の架橋剤を含むPVP溶液をゲート電極付きのPETフィルム上に0.1mL滴下し、3000rpm、30秒の条件でスピンコートした。次いで、オーブンで120℃、3分間の熱処理を行い、厚み300nmの絶縁層を形成した。
こうして形成した絶縁層上に、実施例1と同様の方法でソース電極、ドレイン電極、半導体層を形成しFET素子を作製した。なお、ソース電極、ドレイン電極形成時の熱処理方法のみ変更し、ホットプレートを用いずにオーブン(120℃、3分)を用いた。こうして、全て有機材料からなるFET素子を作製した。
得られたFET素子の電極は、厚み30nm、チャネル長さ30μm、チャネル幅3mm、電極表面粗さ(Ra)は4.2nmであり、FET特性は、移動度が3.2×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.2×10という値が得られた。
FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が4.0×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.0×10であり、特性はほとんど変化していなかった。
比較例1
ソース電極、ドレイン電極を、ポリチオフェン系導電性ポリマーのポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸塩の混合物(以下、PEDOT・PSSと略す。)(ナガセケムテックス社製Denatron G−115S)の膜に換えた以外は実施例1と同様にFET素子を作製した。PEDOT・PSS電極は次のようにして形成した。
熱酸化膜付きシリコンウエハ上に、ポジ型レジスト溶液を滴下し、スピンコーターを用いて塗布した後、90℃のホットプレートで乾燥し、レジスト膜を形成した。次いで露光機を用いて、フォトマスクを介した紫外線照射を行い、次いでレジスト膜の付いたウエハをアルカリ水溶液に浸漬し、紫外線照射部を除去し、櫛形電極が抜けた形状になっているレジスト膜を得た。次いでレジスト膜基板上にPEDOT・PSSの水/アルコール分散液をスピンコートし、90℃で30秒間乾燥させた後、ウエハごとアセトン中に浸漬し、超音波洗浄機で超音波照射することによって、レジスト上の余分なPEDOT・PSSを除去した。次いでホットプレート上で150℃10分の熱処理を行った。このようにして、ウエハ上にチャネル幅が0.5cm、チャネル長さが20μmのPEDOT・PSSの櫛形電極を形成した。この電極の表面粗さ(Ra)は20nmと、凹凸が大きかった。また電極の厚みは薄いところでは20nm、厚いところでは90nmと厚みにムラがあり、厚みを平均すると約40nmであった。
次いで、実施例1と同様の操作により半導体層を形成しFET素子を作製した。FET特性を調べたところ、移動度が1.1×10−3cm/V・sec、オンオフ比が5.5×10であり、特性が低かった。
FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が5.2×10−3cm/V・sec、オンオフ比が6.4×10であり、特性が大きく変化していた。
実施例5
上述の実施例1で調製したCNT分散液B15mlを、もう一度メンブレンフィルター(孔径0.45μm、直径25mm)を用いて濾過を行い、フィルター上にCNTを捕集した。次いで捕集したCNTをフィルターごと15mlのクロロホルム中に浸漬し、超音波洗浄機中で1分間超音波照射することでCNT分散液Eを得た(溶媒に対するCNTの濃度0.05g/l)。CNT分散液Eを、メンブレンフィルターを用いて濾過を行ったところ、ろ液はほぼ無色透明で、CNTは全てフィルター上に捕集されていた。フィルター上のCNTを充分乾燥した後、このCNTの元素分析を行った。その結果、P3HTに由来する硫黄元素が検出され、炭素との比率から、P3HTに対するCNTの重量比を求めた。P3HTに対するCNTの重量比は900重量%であった。
次いで、ソース電極、ドレイン電極に用いる膜の塗布液をCNT分散液B(P3HTに対するCNTの重量比が100重量%)からCNT分散液E(P3HTに対するCNT量が900重量%)に換えた以外は実施例1と同様の操作を行ってFET素子を作製した。電極形状は、電極厚みが30nm、チャネル長さ30μm、チャネル幅3mmであり、電極表面粗さ(Ra)は10nmであった。作製したFET素子の特性を調べたところ、移動度が7.5×10−3cm/V・sec、オンオフ比が4.5×10であった。
FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が7.1×10−3cm/V・sec、オンオフ比が4.6×10であった。
実施例6
下記式(1)で表される光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体aを合成した。合成方法を下記に示した。
Figure 2008047855
まず、2−(3−チエニル)エタノール5gとN−ブロモスクシンイミド(NBS)20.8gを、ジメチルホルムアミド(DMF)150ml中、窒素気流下室温で10時間撹拌した。クロロホルム100ml、純水100mlをこの順に加えて生成物をクロロホルムに抽出し、副生成物とジメチルホルムアミドを純水側に溶解して除去した。次いでクロロホルム溶液に硫酸マグネシウムを加えて水分を除去した後、クロロホルムを留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒はクロロホルム:メタノール=10:1(重量比))により精製し、2−(2,5−ジブロモ−3−チエニル)−エタノール(収量8.9g、収率80%)を得た。
次いで、2−(2,5−ジブロモ−3−チエニル)−エタノール8.9gをジエチルエーテル25mlに溶解し、ピリジン2.5gを加えて氷冷しながら撹拌した。ここに、シンナモイルクロライド5.4gをジエチルエーテル20mlに溶解した液をゆっくり滴下して加え、氷冷下で1時間、室温で7時間撹拌した。酢酸エチル100ml、純水100mlをこの順に加えて生成物を酢酸エチルに抽出し、副生成物とピリジンを純水側に溶解して除去した。次いで酢酸エチル溶液に硫酸ナトリウムを加えて水分を除去した後、酢酸エチルとジエチルエーテルを留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒はクロロホルム:n−ヘキサン=2:1(重量比))により精製し、モノマーであるシンナモイル−2−(2,5−ジブロモ−3−チエニル)−エチルエステル(収量12.9g、収率77%)を得た。
次いで、ビス−(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(Ni(COD))0.26gと2,2’−ビピリジン(bpy)0.15gをジメチルホルムアミド3mlに溶解し、この液に、モノマー0.6gをジメチルホルムアミド2mlに溶解した液をゆっくり滴下した。窒素気流下100℃で96時間還流し、室温まで冷却した後、エバポレーターを用いて溶液量が10mlになるまでジメチルホルムアミドを留去した。得られた重合体溶液を、メタノールと0.1規定塩酸の1:1の混合液中に滴下し、析出した固体を孔径1μmのメンブレンフィルターを用いて捕集した。この固体をソックスレー抽出器に移し、メタノール200mlを用いて3時間、次いでヘキサン200mlを用いて2時間還流して、各溶媒に可溶な成分を除去した。次いでクロロホルム200mlを用いて固体を溶解して回収し、エバポレーターを用いて溶液量が2mlになるまで留去した。このクロロホルム溶液をメタノール中に滴下し、析出した固体を孔径0.45μmのメンブレンフィルターを用いて捕集し、真空乾燥してポリチオフェン系重合体aを得た。一般式(1)で表される重合体aのnは30であった。
得られた重合体は黄色の顆粒状であった。得られた重合体の分子量を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(TOSOH(株)製高速GPC装置HLC−8220GPC、送液溶媒:クロロホルム、絶対検量線法)によって求めたところ、数平均分子量が7700、重量平均分子量が16000であった。次に、1H−NMR(日本電子(株)製、超伝導FTNMR「EX−270」、試料溶解溶媒:重クロロホルム)を用いて分析した結果は次の通りであった。
1H−NMR(CDCl(d=ppm)):2.95(s,2H),4.36(s,2H),6.37-6.42(d,1H),7.13(s,1H), 7.32(s,3H),7.41(s,2H),7.62-7.68(d,1H) 。
次いで上述の方法で得られたポリチオフェン系重合体a0.6mgと、CNT分散液A(CNT濃度:0.05mg/ml、P3HT濃度:0.1mg/ml)2.4mlとを混合し、超音波洗浄機で5分間振動撹拌して重合体コンポジット溶液を調製した。このとき光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体aの共役系重合体全量に対する比率は71重量%で、共役系重合体に対するCNTの比率は14重量%である。
次いで得られた重合体コンポジット溶液を2cm角のSiO膜(膜厚300nm)付きのアンチモンドープシリコンウエハ基板上にキャスト塗布を5回行って電極膜を形成した。次いで電極膜の上に、チャネル長100μm、チャネル幅5mmのくし形パターンがくりぬかれた形状のステンレスマスクを重ね、マスクの上部にUVランプ(アズワン(株)製ハンディUVランプSLUV−4、波長254nm、強度614μW/cm、照射距離2cm)を設置し、紫外線を2分間照射し、光架橋を行った。次いで、基板をクロロホルムに浸漬し、超音波洗浄機で30秒間超音波照射し、未露光部を溶解除去した。こうしてチャネル長100μm、チャネル幅5mmのくし形パターンの重合体コンポジットからなる電極を形成した。得られた電極をAFMを用いて観察したところ、膜厚は20nm、表面粗さ(Ra)は8nmであった。
次いで、実施例1と同様の操作を行って半導体層(P3HTとCNTを有し、P3HTに対するCNTの重量濃度が0.4重量%、膜厚25nm)を得た。その後、実施例1と同様にリード線を取り付け、熱処理を行い、FET特性を測定した。FET特性は、移動度が6.6×10−3cm/V・sec、オンオフ比が4.2×10であった。FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が7.1×10−3cm/V・sec、オンオフ比が4.8×10であった。
実施例7
上述の実施例5で得られたポリチオフェン系重合体a0.24mgと、CNT分散液A(CNT濃度:0.05mg/ml、P3HT濃度:0.1mg/ml)2.4mlとを混合し、超音波洗浄機で5分間振動撹拌して重合体コンポジット溶液を調製した。このとき光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体aの共役系重合体全量に対する比率は50重量%で、共役系重合体に対するCNTの比率は25重量%である。
次いで得られた重合体コンポジット溶液を実施例5と同様の操作を行って、チャネル長100μm、チャネル幅5mmのくし形パターンの重合体コンポジットからなる電極を形成した。ただしキャスト塗布の回数のみ5回から10回に増やして塗布した。得られた電極をAFMを用いて観察したところ、膜厚は20nm、表面粗さ(Ra)は9nmであった。
次いで、実施例1と同様の操作を行って半導体層(P3HTとCNTを有し、P3HTに対するCNTの重量濃度が0.4重量%、膜厚25nm)を得た。その後、実施例1と同様にリード線を取り付け、熱処理を行い、FET特性を測定した。FET特性は、移動度が7.9×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.1×10であった。FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が8.0×10−3cm/V・sec、オンオフ比が2.1×10であった。
実施例8
上述の実施例6に記述した方法を用いて、2cm角のSiO膜(膜厚300nm)付きのアンチモンドープシリコンウエハ基板上に、光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体aの共役系重合体全量とCNTを含むFET用の電極を形成した。電極形状は、実施例6と同様にチャネル長100μm、チャネル幅5mmのくし形パターンとした。
次いで、実施例1で用いたCNT分散液Aにクロロホルムを加えて0.005g/lに希釈し、メンブレンフィルター(孔径10μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いてろ過を行い、得られたろ液をCNT分散液Fとした。CNT分散液F0.6mlと、クロロホルム0.4mlと、P3HT3mgを容積10mlのサンプル管に入れ、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2、出力120W、間接照射)を用いて30分間超音波撹拌することにより、半導体層用重合体コンポジット溶液(溶媒に対するP3HTの濃度3g/l、溶媒に対するCNTの濃度0.003g/l、P3HTに対するCNTの重量濃度が0.1重量%)を得た。次いで、半導体層用重合体コンポジット溶液を上述の電極上にスピンコートし、膜厚25nmの薄膜を得た。
その後、実施例1と同様にリード線を取り付け、熱処理を行い、FET特性を測定した。FET特性は、移動度が2.2×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.2×10であった。FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が2.4×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.9×10であった。
実施例9
上述の実施例6に記述した方法を用いて、2cm角のSiO膜(膜厚300nm)付きのアンチモンドープシリコンウエハ基板上に、光架橋性の側鎖を有するポリチオフェン系重合体aの共役系重合体全量とCNTを含むFET用の電極を形成した。電極形状は、実施例6と同様にチャネル長100μm、チャネル幅5mmのくし形パターンとした。
次いで、実施例1で用いたCNT分散液A(溶媒に対するCNTの濃度0.05g/l)をそのままメンブレンフィルター(孔径10μm、直径25mm、ミリポア社製オムニポアメンブレン)を用いてろ過を行い、得られたろ液をCNT分散液Gとした。CNT分散液G0.6mlと、クロロホルム0.4mlと、P3HT3mgを容積10mlのサンプル管に入れ、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2、出力120W、間接照射)を用いて30分間超音波撹拌することにより、半導体層用重合体コンポジット溶液(溶媒に対するP3HTの濃度3g/l、溶媒に対するCNTの濃度0.03g/l、P3HTに対するCNTの重量濃度が1重量%)を得た。次いで、半導体層用重合体コンポジット溶液を上述の電極上にスピンコートし、膜厚25nmの薄膜を得た。
その後、実施例1と同様にリード線を取り付け、熱処理を行い、FET特性を測定した。FET特性は、移動度が9.6×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.1×10であった。FET素子を真空保管し、30日後に再度FET特性を測定したところ、移動度が9.4×10−3cm/V・sec、オンオフ比が1.0×10であった。
本発明の有機FETは、塗布法などの低コストプロセスを用いることができ、かつ経時的な特性変化の小さな素子を提供することができ、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用の薄膜トランジスタに用いられる。
本発明の電界効果型トランジスタの模式断面図 本発明の電界効果型トランジスタの電極の表面形状を観察した原子間力顕微鏡像
符号の説明
1 シリコンウエハ
2 ゲート電極(シリコンウエハ)
3 SiO
4 半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極

Claims (7)

  1. ソース電極および/またはドレイン電極が共役系重合体とカーボンナノチューブを有する重合体コンポジットで形成され、半導体層は共役系重合体中にカーボンナノチューブを0.01〜3重量%含む重合体コンポジットで形成されている電界効果型トランジスタ。
  2. ソース電極および/またはドレイン電極に用いられる重合体コンポジットが、共役系重合体に対して10重量%以上、10000重量%以下のカーボンナノチューブを有する請求項1記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 電極および/または半導体層の重合体コンポジットに用いられる共役系重合体がポリチオフェン系重合体である請求項1記載の電界効果型トランジスタ。
  4. 電極および/または半導体層の重合体コンポジットに用いられるカーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである請求項1記載の電界効果型トランジスタ。
  5. ソース電極および/またはドレイン電極に用いられる重合体コンポジットが光架橋性の側鎖を有する共役系重合体を有する請求項2記載の電界効果型トランジスタ。
  6. 光架橋性の側鎖を有する共役系重合体が、ポリチオフェン系共役系重合体である請求項5記載の電界効果型トランジスタ。
  7. 光架橋性成分が光二量化により付加反応する官能基である請求項6記載の電界効果型トランジスタ。
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