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JP2008042137A - 静電チャック装置 - Google Patents

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JP2008042137A
JP2008042137A JP2006218445A JP2006218445A JP2008042137A JP 2008042137 A JP2008042137 A JP 2008042137A JP 2006218445 A JP2006218445 A JP 2006218445A JP 2006218445 A JP2006218445 A JP 2006218445A JP 2008042137 A JP2008042137 A JP 2008042137A
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Shinji Himori
慎司 桧森
Shoichiro Matsuyama
昇一郎 松山
Atsushi Matsuura
淳 松浦
Hiroshi Inazumachi
浩 稲妻地
Yukio Miura
幸夫 三浦
Keigo Maki
恵吾 牧
Mamoru Kosakai
守 小坂井
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Tokyo Electron Ltd
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

【課題】プラズマ処理装置に適用した場合に、プラズマ中の電界強度の面内均一性が向上し、板状試料に対して面内均一性の高いプラズマ処理を行うことができる静電チャック装置を提供する。
【解決手段】本発明の静電チャック装置21は、上面31aを板状試料Wを載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極25を内蔵した基体26及び静電吸着用内部電極25に直流電圧を印加する給電用端子27とからなる静電チャック部22と、静電チャック部22に固定されて一体化され高周波発生用電極となる金属ベース部23とを備え、静電吸着用内部電極25の体積固有抵抗を1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電チャック装置に関し、さらに詳しくは、電極に高周波を印加してプラズマを生成し、このプラズマにより半導体ウエハ、金属ウエハ、ガラス板等の板状試料にプラズマ処理を施す高周波放電方式のプラズマ処理装置に用いて好適な静電チャック装置に関するものである。
従来、IC、LSI、VLSI等の半導体デバイス、あるいは液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(Flat Panel Display : FPD)等の製造プロセスにおけるエッチング、堆積、酸化、スパッタリング等の処理では、処理ガスに比較的低温で良好な反応を行わせるためにプラズマが多く利用されている。一般に、プラズマ処理装置は、プラズマを生成する方式として、グロー放電または高周波放電を利用する方式と、マイクロ波を利用する方式とに大別される。
図9は、従来の高周波放電方式のプラズマ処理装置に搭載される静電チャック装置の一例を示す断面図であり、この静電チャック装置1は、真空容器を兼ねるチャンバー(図示略)の下部に設けられ、静電チャック部2と、この静電チャック部2の底面に固定されて一体化された金属ベース部3とにより構成されている。
静電チャック部2は、上面を半導体ウエハ等の板状試料Wを載置して静電吸着する載置面4aとするとともに静電吸着用内部電極5を内蔵した基体4と、この静電吸着用内部電極5に直流電圧を印加する給電用端子6とにより構成され,この給電用端子6には高圧の直流電圧を印加する高圧直流電源7が接続されている。また、金属ベース部3は高周波発生用電極(下部電極)を兼ねるもので、高周波電圧発生用電源8に接続され、その内部に水や有機溶媒等の冷却用媒体を循環させる流路9が形成されている。そして、チャンバーは接地されている。
この静電チャック装置1では、板状試料Wを載置面4aに載置し、高圧直流電源7により給電用端子6を介して静電吸着用内部電極5に直流電圧を印加することにより板状試料Wを静電吸着する。次いで、チャンバー内を真空にして処理ガスを導入し、高周波電圧発生用電源8により金属ベース部3(下部電極)と上部電極(図示略)との間に高周波電力を印加してチャンバー内に高周波電界を発生させる。高周波としては、一般に十数MHz以下の領域の周波数が用いられる。
この高周波電界により電子が加速され、この電子と処理ガスとの衝突電離によりプラズマが発生し、このプラズマにより各種処理を行うことができる。
ところで、近年、プラズマ処理においては、プラズマ中のイオンエネルギーが低くかつ電子密度が高い「低エネルギー高密度プラズマ」を用いた処理に対する要求が大きくなってきている。この低エネルギー高密度プラズマを用いた処理では、プラズマを発生させる高周波電力の周波数が従来と比べて、例えば100MHzと非常に高くなる場合がある。このように、印加する電力の周波数を上昇させると、電界強度は、静電チャック部2の中央、即ち板状試料Wの中央に相当する領域で強くなる一方、その周縁部では弱くなる傾向がある。このため、電界強度の分布が不均一になると、発生するプラズマの電子密度も不均一となってしまい、板状試料Wの面内における位置により処理速度等が異なってくるため、面内均一性の良好な処理結果が得られないという問題が生じていた。
このような問題を解消するために、図10に示すプラズマ処理装置が提案されている(特許文献1)。
このプラズマ処理装置11は、プラズマ処理の面内均一性を向上させるために、高周波電力を印加する下部電極(金属ベース部)12の上部電極13と対向する側の表面の中央部にセラミックス等の誘電体層14を埋設して電界強度分布を均一にしたものである。なお、図中、15は高周波発生用電源、PZはプラズマ、Eは電界強度、Wは板状試料である。
このプラズマ処理装置11では、高周波発生用電源15により下部電極12に高周波電力を印加すると、表皮効果により下部電極12の表面を伝播して上部に達した高周波電流は、板状試料Wの表面に沿って中央に向かいつつ、一部が下部電極12側に漏れ、その後、下部電極12の内部を外側へ向かって流れる。この過程で高周波電流は、誘電体層14が設けられている部分では、誘電体層14が設けられていない部分と比べてより深く潜めることによりTMモードの空洞円筒共振を発生させる。その結果、板状試料Wの面上からプラズマに供給する中央部分の電界強度が弱くなり、板状試料Wの面内の電界が均一になる。
ところで、プラズマ処理は、真空に近い減圧下にて行われる場合が多く、このような場合には、板状試料Wの固定に図11に示すような静電チャック装置が用いられることが多い。
この静電チャック装置16は、誘電体層17に導電性の静電吸着用内部電極18を内蔵した構造であり、例えばアルミナ等を溶射して形成された2つの誘電体層にて導電性の静電吸着用内部電極を挟持したものである。
この静電チャック装置16では、高圧直流電源7により静電吸着用内部電極18に高圧直流電力を印加して誘電体層17の表面に生じる静電吸着力を利用することにより,板状試料Wを静電吸着し固定している。
特開2004−363552号公報 (第15頁段落0084〜0085、図19)
ところで、上述した従来のプラズマ処理装置11では、下部電極12の上に静電チヤック装置16を設置して板状試料Wのプラズマ処理を行うと、高周波電流が静電チャック装置16の静電吸着用内部電極18を通過することができず、静電吸着用内部電極18で外側へ向かう流れが生じてしまうこととなる。
言い換えると、静電チャック装置16内に静電吸着用内部電極18が存在するために、プラズマPZからは誘電体層14が見えなくなってしまい、この誘電体層14が埋設された領域のプラズマの電位を低くするための効果が発揮できなくなってしまうこととなる。この結果、板状試料Wの中央部の上方のプラズマの電位が高く、周縁部の電位が低い状態となり、板状試料Wの中央部と周縁部とで処理速度が異なってしまうため、エッチング等のプラズマ処理における面内不均一の要因となっていた。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、プラズマ処理装置に適用した場合に、プラズマ中の電界強度の面内均一性が向上し、板状試料に対して面内均一性の高いプラズマ処理を行うことができる静電チャック装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、静電吸着用内部電極の体積固有抵抗を1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下とすれば、上記の課題を効率的に解決し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の請求項1記載の静電チャック装置は、一主面を板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した基体と、この静電吸着用内部電極に直流電圧を印加する給電用端子とを備えた静電チャック部と、この静電チャック部の基体の他の主面に固定されて一体化され、高周波発生用電極となる金属ベース部とを備え、前記静電吸着用内部電極の体積固有抵抗は、1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項2記載の静電チャック装置は、請求項1記載の静電チャック装置において、前記金属ベース部の前記静電チャック部側の主面に凹部が形成され、この凹部内に誘電体板が固定され、この誘電体板と前記静電チャック部とは、絶縁性の接着・接合剤層を介して接着・接合されていることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の静電チャック装置は、請求項2記載の静電チャック装置において、前記誘電体板の厚みは、中央部から周縁部に向かって薄くなっていることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の静電チャック装置は、請求項1記載の静電チャック装置において、前記金属ベース部の前記静電チャック部側の主面に凹部が形成され、この凹部に前記静電チャック部の前記基体が固定されていることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の静電チャック装置は、請求項4記載の静電チャック装置において、前記静電チャック部の前記基体の厚みは、中央部から周縁部に向かって薄くなっていることを特徴とする。
本発明の請求項1の静電チャック装置によれば、静電吸着用内部電極の体積固有抵抗を1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下としたので、金属ベース部に高周波電力を印加した場合に、高周波電流が静電吸着用内部電極を通過することができ、静電チャック部の表面の電界強度を均一化することができる。したがって、プラズマ密度を均一化することができる。
本発明の請求項2の静電チャック装置によれば、金属ベース部の静電チャック部側の主面に凹部を形成し、この凹部内に誘電体板を固定し、この誘電体板と静電チャック部とを絶縁性の接着・接合剤層を介して接着・接合したので、高周波電流が接着・接合剤層を通過することができる。したがって、凹部内に誘電体板を固定したことで、静電チャック部の中央部における電界強度を低下させることができ、金属ベース部に高周波電圧を印加した場合の静電チャック部の表面の電界強度をより均一化することができる。その結果、プラズマ密度をより均一化することができる。
本発明の請求項3の静電チャック装置によれば、誘電体板の厚みを、中央部から周縁部に向かって薄くなるようにしたので、静電チャック部の中央部における電界強度をより一層低下させることができ、金属ベース部に高周波電圧を印加した場合の静電チャック部の表面の電界強度をより一層均一化することができる。その結果、プラズマ密度をより一層均一化することができる。
本発明の請求項4の静電チャック装置によれば、金属ベース部の静電チャック部側の主面に凹部を形成し、この凹部に静電チャック部の基体を固定したので、静電チャック部と金属ベース部との間の接着・接合層を無くすことができ、板状試料と金属ベース部との間の熱伝導性を向上させることができる。
また、金属ベース部の凹部に静電チャック部の基体を固定するので、金属ベース部と静電チャック部との間の位置決め及び固定が容易となる。
本発明の請求項5の静電チャック装置によれば、静電チャック部の基体の厚みを、中央部から周縁部に向かって薄くなるようにしたので、静電チャック部の中央部における電界強度をより一層低下させることができ、金属ベース部に高周波電圧を印加した場合の静電チャック部の表面の電界強度をより一層均一化することができる。その結果、プラズマ密度をより一層均一化することができる。
本発明の静電チャック装置を実施するための最良の形態について説明する。
なお、以下の各実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態の静電チャック装置を示す断面図であり、この静電チャック装置21は、静電チャック部22と、金属ベース部23と、誘電体板24とにより構成されている。
静電チャック部22は、上面(一主面)を板状試料Wを載置する載置面とし静電吸着用内部電極25を内蔵した円板状の基体26と、この静電吸着用内部電極25に直流電圧を印加する給電用端子27とにより構成されている。
基体26は、上面31aが半導体ウエハ、金属ウエハ、ガラス板等の板状試料Wを載置するための載置面とされた円板状の載置板31と、この載置板31の下面(他の一主面)側に対向配置された円板状の支持板32と、載置板31と支持板32との間に挟持された面状の静電吸着用内部電極25と、この内部電極25の外周側にこれを囲む様に設けられた環状の絶縁材層33とを主体として構成されている。
この静電吸着用内部電極25の、静電チャック装置の使用温度下における体積固有抵抗は、1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下、好ましくは1.0×10Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下とされている。
一方、金属ベース部23には、その内部に水や有機溶媒等の冷却用媒体を循環させる流路28が形成され、上記の載置面に載置される板状試料Wの温度を所望の温度に維持することができるように構成されている。この金属ベース部23は高周波発生用電極を兼ねている。
この金属ベース部23の静電チャック部22側の表面(主面)には、円形状の凹部34が形成され、この凹部34内には絶縁性の接着・接合剤層35あるいは導電性の接着・接合剤層を介して誘電体板24が接着・固定され、この誘電体板24と静電チャック部22の支持板32とは、絶縁性の接着・接合剤層35を介して接着・接合されている。
なお、誘電体板24と静電チャック部22の支持板32とを、導電性の接着・接合剤層を介して接着・接合すると、この導電性の接着・接合剤層により高周波電流の通過が阻害されるために、高周波電流が導電性の接着・接合剤層を伝わって外縁部方向に向かって流れることとなり、プラズマの均一化を図ることができない。
また、支持板32及び金属ベース部23の中央部近傍には、給電用端子挿入孔36が形成され、この給電用端子挿入孔36には、静電吸着用内部電極25に直流電圧を印加するための給電用端子27が円筒状の碍子37を介して挿入されている。この給電用端子27の上端部は静電吸着用内部電極25に電気的に接続されている。
また、載置板31、支持板32、静電吸着用内部電極25及び金属ベース部23には、これらを貫通する冷却ガス導入孔38が形成され、この冷却ガス導入孔38により載置板31と板状試料Wの下面との隙間にHe等の冷却ガスが供給されるようになっている。
この載置板31の上面31aは、1枚の板状試料Wを搭載し、この板状試料Wを静電吸着力により静電吸着する静電吸着面とされ、この上面(静電吸着面)31aには、この上面31aに沿う断面が略円形状の円柱状の突起部が複数個設けられ(図示略)、これらの突起部各々の頂面は、上面31aに平行とされている。
また、この上面31aの周縁部には、He等の冷却ガスが漏れないように、この周縁部に沿って連続し、かつ突起部の高さと同じ高さの壁部(図示略)が、この上面31aの周縁部を一巡するように形成されている。
このように構成された静電チャック装置21は、プラズマエッチング装置等のプラズマ処理装置のチャンバー内に搭載され、載置面である上面31aに板状試料Wを載置し、静電吸着用内部電極25に給電用端子27を介して所定の直流電圧を印加することにより、静電気力を利用して板状試料Wを吸着固定しつつ、高周波発生用電極を兼ねる金属ベース部23と上部電極との間に高周波電圧を印加して載置板31上にプラズマを発生させることにより、板状試料Wに各種のプラズマ処理を施すことができるように構成されている。
次に、この静電チャック装置の各構成要素についてさらに詳しく説明する。
「載置板及び支持板」
載置板31及び支持板32は、ともに、セラミックスからなるものである。
このセラミックスとしては、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)、窒化ケイ素(Si)、酸化ジルコニウム(ZrO)、サイアロン、窒化ホウ素(BN)、炭化ケイ素(SiC)から選択された1種からなるセラミックス、あるいは2種以上を含む複合セラミックスが好ましい。
また、これらを構成する材料は、単一であっても混合物であってもよいが、熱膨張係数が可能な限り静電吸着用内部電極25の熱膨張係数に近似したもので、しかも焼結し易いものが好ましい。また、載置板31の上面31a側は静電吸着面となるから、特に誘電率が高い材質であって、静電吸着する板状試料Wに対して不純物とならないものを選択することが好ましい。
以上のことを考慮すれば、載置板31及び支持板32は、実質的に1重量%〜20重量%の炭化ケイ素を含み、残部を酸化アルミニウムとする炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体が好ましい。
この炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体として、酸化アルミニウム(Al)と、表面を酸化ケイ素(SiO)で被覆した炭化ケイ素(SiC)とからなる複合焼結体とし、炭化ケイ素(SiC)の含有率を複合焼結体全体に対して5重量%以上かつ15重量%以下とすると、室温(25℃)における体積固有抵抗は、1.0×1014Ω・cm以上となり、クーロン型の静電チャック装置の載置板31として好適である。さらに、耐磨耗性に優れ、ウエハの汚染やパーティクルの発生の原因とならず、しかも、耐プラズマ性が向上したものとなっている。
また、この炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体として、酸化アルミニウム(Al)と炭化ケイ素(SiC)とからなる複合焼結体とし、炭化ケイ素(SiC)の含有率を複合焼結体全体に対して5重量%以上かつ15重量%以下とすると、室温(25℃)における体積固有抵抗は、1.0×10Ω・cm以上かつ1.0×1012Ω・cm以下となり、ジョンソン・ラーベック型の静電チャック装置の載置板31として好適である。さらに、耐磨耗性に優れ、ウエハの汚染やパーティクルの発生の原因とならず、しかも、耐プラズマ性が向上したものとなっている。
また、この炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体における炭化ケイ素粒子の平均粒子径は0.2μm以下が好ましい。
炭化ケイ素粒子の平均粒子径が0.2μmを超えると、プラズマ照射時の電場が炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体中の炭化ケイ素粒子の部分に集中し、炭化ケイ素粒子の周辺が損傷を受け易くなるからである。
また、この炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体における酸化アルミニウム粒子の平均粒子径は2μm以下が好ましい。
酸化アルミニウム粒子の平均粒子径が2μmを超えると、炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体がプラズマエッチングされ、スパッタ痕が形成され易くなり、表面粗さが粗くなるからである。
「静電吸着用内部電極」
静電吸着用内部電極25は、厚みが10μm〜50μm程度の平板状のセラミックスが用いられ、静電チャック装置の使用温度下における体積固有抵抗は、1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下が好ましく、より好ましくは1.0×10Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下である。
ここで、体積固有抵抗の範囲を上記のように限定した理由は、体積固有抵抗が1.0×10−1Ω・cmを下回ると、金属ベース部23に高周波電圧を印加した場合に、高周波電流が静電吸着用内部電極25を通過することができず、したがって、静電チャック部22の表面の電界強度を均一化することができず、その結果、プラズマの均一化を図ることができないからであり、一方、体積固有抵抗が1.0×10Ω・cmを越えると、静電吸着用内部電極25が実質的に絶縁体となり、静電吸着用の内部電極としての機能を発現することができず、静電吸着力が発現しないか、もしくは静電吸着力の応答性が低下して所要の静電吸着力の発現までに長時間を要することになるからである。
静電吸着用内部電極25を構成するセラミックスとしては、次のような各種の複合焼結体が挙げられる。
(1)酸化アルミニウム等の絶縁性セラミックスに、炭化ケイ素(SiC)等の半導体セラミックスを添加した複合焼結体。
(2)酸化アルミニウム等の絶縁性セラミックスに、窒化タンタル(TaN)、炭化タンタル(TaC)、炭化モリブデン(MoC)等の導電性セラミックスを添加した複合焼結体。
(3)酸化アルミニウム等の絶縁性セラミックスに、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)等の高融点金属を添加した複合焼結体。
(4)酸化アルミニウム等の絶縁性セラミックスに、炭素(C)等の導電材料を添加した複合焼結体。
これらの材料は、導電性成分の添加量を制御することにより体積固有抵抗を1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下の範囲内に容易に制御することができる。また、載置板31及び支持板32をともにセラミックスで形成した場合には、静電吸着用内部電極25の熱膨張係数も載置板31及び支持板32と近似したものとなるので、静電吸着用内部電極25を形成する材料として好適である。
この静電吸着用内部電極25の形状や大きさは、適宜調整が可能である。また、静電吸着用内部電極25の全領域が1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下の範囲内の体積固有抵抗を有する材料で形成されている必要はなく、静電吸着用内部電極25の全領域の50%以上、好ましくは70%以上の領域が1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下の範囲内の体積固有抵抗を有する材料で形成されていればよい。
「絶縁材層」
絶縁材層33は、載置板31と支持板32とを接合一体化するためのものであり、また、静電吸着用内部電極25をプラズマや腐食性ガスから保護するためのものである。この絶縁材層33を構成する材料としては、載置板31及び支持板32と主成分が同一の絶縁性材料が好ましく、例えば、載置板31及び支持板32が炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体により構成されている場合には、酸化アルミニウム(Al)とするのが好ましい。
「誘電体板」
誘電体板24は、金属ベース部23に埋め込まれることにより静電チャック部22の中央部の電界強度を低下させるためのものであり、金属ベース部23に高周波電力を印加した場合に静電チャック部22の表面の電界強度がさらに均一化する。これにより、プラズマ密度がさらに均一化される。
このような誘電体板24としては、絶縁性に優れ、かつ、熱伝導性が良好なセラミックスが好ましく、例えば、酸化アルミニウム(Al)焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体等を挙げることができる。
この誘電体板24の厚みは、2mm以上かつ15mm以下が好ましく、より好ましくは4mm以上かつ8mm以下である。
この誘電体板24の厚みが2mmを下回ると、静電チャック部22の中央部における電界強度を低下させるのに充分な効果が得られず、一方、誘電体板24の厚みが15mmを越えると、金属ベース部23から板状試料Wへの熱伝導性が低下し、板状試料Wを所望の一定の温度に維持することが困難になる。
誘電体板24の厚みは、中央部から周縁部に向かって薄くなっていることが好ましい。誘電体板24の厚みを中央部から周縁部に向かって薄くしたことにより、静電チャック部22の中央部における電界強度を低下させる効果がより一層高まり、金属ベース部23に高周波電力を印加した場合に静電チャック部22の表面の電界強度をより一層均一化する。これにより、プラズマ密度がより一層均一化される。
誘電体板24の厚みを中央部から周縁部に向かって薄くするに際しては、例えば、図2に示すように同心円状に段階的に薄くして断面階段状としてもよく、あるいは、図3に示すように同心円状に漸次薄くして円錐状としてもよい。
この誘電体板24と静電チャック部22の支持板32とを接着・接合する絶縁性の接着・接合剤層35としては、絶縁性に優れるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、シリコーン系接着剤に絶縁性セラミックスである窒化アルミニウム(AlN)粉末やアルミナ(Al)粉末を添加したものが好適に用いられる。
ここで、絶縁性の接着・接合剤層35を用いた理由は、導電性の接着・接合剤層を介して誘電体板24と支持板32とを接着・接合すると、高周波電流が導電性の接着・接合剤層を通過することができず、導電性の接着・接合剤層を伝わって外縁部方向に向かって流れることとなり、プラズマの均一化を図ることができなくなるからである。
ここでは、誘電体板24を凹部34内に、絶縁性の接着・接合剤層35あるいは導電性の接着・接合剤層を介して接着・固定した構成としたが、誘電体板24と凹部34との接着・接合部分を相補形状とし、誘電体板24と凹部34とを嵌合する構成としてもよい。
「静電チャック装置の製造方法」
本実施形態の静電チャック装置の製造方法について説明する。
ここでは、載置板31及び支持板32を、実質的に1重量%〜20重量%の炭化ケイ素を含む炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体を用いて製造する場合を例にとり説明する。
用いる炭化ケイ素(SiC)の原料粉末としては、平均粒子径が0.1μm以下の炭化ケイ素粉末を用いることが好ましい。
その理由は、炭化ケイ素(SiC)粉末の平均粒子径が0.1μmを越えると、得られた炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体は、炭化ケイ素粒子の平均粒子径が0.2μmを超えることとなり、載置板31及び支持板32の強度向上の効果が小さくなるからである。
また、この炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体からなる載置板31は、プラズマに曝されたときに電場が炭化ケイ素(SiC)粒子の部分に集中して大きな損傷を受け易くなり、プラズマ耐性が低く、プラズマ損傷後の静電吸着力が低下する虞があるからである。
この炭化ケイ素(SiC)粉末としては、プラズマCVD法により得られた粉末が好ましく、特に、非酸化性雰囲気のプラズマ中に、シラン化合物またはハロゲン化ケイ素と炭化水素の原料ガスを導入し、反応系の圧力を1×10Pa(1気圧)から1.33×10Pa(0.1Torr)の範囲で制御しつつ気相反応させることにより得られた平均粒子径が0.1μm以下の超微粉末が、焼結性に優れ、高純度であり、粒子形状が球状であるために成形時の分散性が良好であるので、好ましい。
一方、酸化アルミニウム(Al)の原料粉末としては、平均粒子径が1μm以下の酸化アルミニウム(Al)粉末を用いることが好ましい。
その理由は、平均粒子径が1μmを越える酸化アルミニウム(Al)粉末を用いて得られた炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体においては、複合焼結体中の酸化アルミニウム(Al)粒子の平均粒子径が2μmを越えるために、載置板31の板状試料を載置する側の上面31aがプラズマによりエッチングされ易くなるために、スパッタ痕が形成されることとなり、この上面31aの表面粗さが粗くなり、静電チャック装置21の静電吸着力が低下する虞があるからである。
なお、使用する酸化アルミニウム(Al)粉末としては、平均粒子径が1μm以下かつ高純度のものであればよく、特段限定されない。
次いで、上記の炭化ケイ素(SiC)粉末と酸化アルミニウム(Al)粉末とを、所望の体積固有抵抗値が得られる比率となるよう、秤量、混合する。
次いで、得られた混合粉を、金型を用いて所定形状に成形し、その後、得られた成形体を、例えば、ホットプレス(HP)を用いて、加圧しながら焼成し、炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体を得る。
ホットプレス(HP)の条件としては、加圧力は、特に制限されるものではないが、炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体を得る場合には、例えば、5〜40MPaが好ましい。加圧力が5MPaを下回ると、充分な焼結密度の複合焼結体が得られず、一方、加圧力が40MPaを超えると、黒鉛等からなる治具が変形損耗するからである。
また、焼成する際の温度としては、1650〜1850℃が好ましい。焼成温度が1650℃未満であると、充分緻密な炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体を得ることができず、一方、1850℃を超えると、焼成過程にて焼結体の分解や粒成長が生じ易くなるからである。
また、焼成時の雰囲気としては、炭化ケイ素の酸化を防止するという観点で、アルゴン雰囲気、窒素雰囲気等の不活性雰囲気が好ましい。
この様にして得られた2枚の炭化ケイ素−酸化アルミニウム複合焼結体のうち、一方の複合焼結体の所定位置に給電用端子挿入孔36を機械加工により形成し、支持板32とする。
また、静電吸着用内部電極を形成するための塗布剤として、酸化アルミニウム(Al)等の絶縁性セラミックス粉末に、炭化モリブデン(MoC)等の導電性材料粉末を、静電チャック装置の使用温度下における体積固有抵抗が1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下となるような割合で添加してペースト化された塗布剤を作製し、この塗布剤を支持板32の静電吸着用内部電極を形成する領域内に塗布して導電層を形成し、この導電層を形成した領域の外側の領域に、酸化アルミニウム(Al)等の絶縁性セラミックス粉末を含むペースト化された塗布剤を塗布し、絶縁層を形成する。
次いで、支持板32の給電用端子挿入孔36に円筒状の碍子37を介して給電用端子27を挿入し、この支持板32の導電層及び絶縁層が形成されている面と、載置板31とを重ね合わせ、次いで、これら載置板31及び支持板32を、例えば、1600℃以上に加熱しながら加圧し、上記の導電層により静電吸着用内部電極25を形成するとともに、絶縁層により接合層となる絶縁材層33を形成し、載置板31及び支持板32を静電吸着用内部電極25及び絶縁材層33を介して接合する。そして、載置面となる載置板31の上面31aをRa(中心線平均粗さ)が0.3μm以下となるように研磨し、静電チャック部22とする。
一方、アルミニウム(Al)板を用いて、表面に円形状の凹部34が形成され内部に冷却用媒体を循環させる流路28が形成された金属ベース部23を作製する。また、酸化アルミニウム(Al)粉末を成形、焼成して酸化アルミニウム焼結体からなる誘電体板24を作製する。
次いで、金属ベース部23の凹部34の内面全面に絶縁性の接着・接合剤を塗布し、次いで、この絶縁性の接着・接合剤上に誘電体板24を接着・接合し、この誘電体板24を含む金属ベース部23上に絶縁性の接着・接合剤を塗布し、この絶縁性の接着・接合剤上に静電チャック部22を接着・接合する。
この接着・接合過程で、誘電体板24は、金属ベース部23の凹部34内に絶縁性の接着・接合剤層35を介して接着・固定され、静電チャック部22の支持板32は、金属ベース部23及び誘電体板24に絶縁性の接着・接合剤層35を介して接着・固定される。
以上により、本実施形態の静電チャック装置を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の静電チャック装置によれば、静電吸着用内部電極25を載置板31及び支持板32により挟持し、この静電吸着用内部電極25の静電チャック装置の使用温度下における体積固有抵抗を1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下としたので、金属ベース部23に高周波電圧を印加した場合に、高周波電流が静電吸着用内部電極25を通過することができ、静電チャック部22の表面の電界強度を均一化することができ、大面積の板状試料であっても、均一なプラズマ処理を施すことができる。
また、金属ベース部23の静電チャック部22側の面に凹部34を形成し、この凹部34内に誘電体板24を固定し、この誘電体板24と静電チャック部22の支持板32とを絶縁性の接着・接合剤層35を介して接着・接合したので、金属ベース部23と静電チャック部22との間の絶縁性をさらに高めることができる。また、誘電体板24の埋め込みにより、静電チャック部22の中央部における電界強度を低下させる効果が高まるので、金属ベース部23に高周波電圧を印加した場合の静電チャック部の表面における電界強度をさらに均一化することができ、その結果、プラズマ密度をさらに均一化することができる。
また、誘電体板24の厚みを中央部から周縁部に向かって薄くしたので、静電チャック部22の中央部における電界強度を低下させる効果がより一層高まり、金属ベース部23に高周波電圧を印加した場合の静電チャック部の表面における電界強度をより一層均一化することができ、その結果、プラズマ密度をより一層均一化することができる。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態の静電チャック装置を示す断面図であり、本実施形態の静電チャック装置41が第1の実施形態の静電チャック装置21と異なる点は、金属ベース部23の静電チャック部22側の表面(主面)に、静電チャック部22の基体26の下部と同一形状でありかつ深さが静電チャック部22の高さと比べて浅い凹部42を形成し、この凹部42に静電チャック部22の基体26の下部の少なくとも一部を嵌め込み固定した点である。
ここでは、静電チャック部22の基体26の下部の少なくとも一部を凹部42に嵌め込み固定したが、第1の実施形態の静電チャック装置21と同様、絶縁性の接着・接合剤層を介して接着・接合してもよい。
静電チャック部22を構成する基体26の厚みは、中央部から周縁部に向かって薄くなっていることが好ましい。
この基体26の厚みを中央部から周縁部に向かって薄くしたことにより、静電チャック部22の中央部における電界強度を低下させる効果がより一層高まり、金属ベース部23に高周波電圧を印加した場合の静電チャック部22の表面における電界強度をより一層均一化することができる。この結果、プラズマ密度をより一層均一化することができる。
この基体26の厚みを中央部から周縁部に向かって薄くするに際しては、例えば、図5に示すように同心円状に段階的に薄くして断面階段状としてもよく、あるいは、図6に示すように同心円状に漸次薄くして円錐状としてもよい。
本実施形態の静電チャック装置41においても、第1の実施形態の静電チャック装置21と全く同様の効果を奏することができる。
特に、静電チャック部22の基体26の下部の少なくとも一部を凹部42に嵌め込み固定したので、静電チャック部22と金属ベース部23との間の位置決め及び固定を容易に行うことができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例」
図1に示す静電チャック装置を、上記の製造方法に基づいて作製した。ただし、載置板31及び支持板32は共に、室温(25℃)における体積固有抵抗が1.0×1015Ω・cm、厚みが0.5mm、直径が298mmの炭化珪素−酸化アルミニウム複合焼結体で形成した。また、静電吸着用内部電極25は、円板状であり、30vol%の炭化モリブデン(MoC)と残部が酸化アルミニウムである、室温(25℃)における体積固有抵抗が5.0×10−1Ω・cm、厚みが12μmの炭化モリブデン−酸化アルミニウム複合焼結体で形成した。ただし、誘電体板24は図3に示す形状であり、直径が239mm、中心部の厚みが6mmの酸化アルミニウム焼結体で形成した。
一方、金属アルミニウムにより、中央部に直径が240mm、中心部の深さが6.1mmの凹部34を有し、内部に流路28が形成された金属ベース部23を作製した。
そして、凹部34内に誘電体板24を、窒化アルミニウム(AlN)フィラーを含むシリコーン系接着剤からなる絶縁性の接着・接合剤で接着・接合して固定し、さらに、この誘電体板24と静電チャック部22の支持板32とを同様の絶縁性の接着・接合剤で接着・接合し、実施例の静電チャック装置を得た。
「評価」
実施例の静電チャック装置のプラズマ均一性を下記のようにして評価した。また、給電用端子に直流2500Vを印加したときの静電吸着力の経時変化(静電吸着力の応答性)を室温(25℃)で評価した。プラズマ均一性の評価結果を図7に、静電吸着力の経時変化を図8に、それぞれ示す。
(プラズマ均一性の評価方法)
実施例の静電チャック装置をプラズマエッチング装置に搭載し、板状試料としては、静電チャック装置の載置面に直径300mm(12インチ)のレジスト膜が成膜されたウエハーを用い、このウエハーを載置面に載置し、直流2500V印加による静電吸着により固定しつつ、プラズマを発生させ、レジスト膜のアッシング処理を25℃の温度下にて行った。処理容器内の圧力は圧力0.7Pa(5mTorr)のOガス(100sccmで供給)、プラズマ発生用の高周波電力は周波数100MHz、2kWとし、また、冷却ガス導入孔38より静電チャック装置の載置体板21とシリコンウエハーとの隙間に所定の圧力(15torr)のHeガスを流し、金属ベース部材23の流路28に20℃の冷却水を流した。
そして、上記ウエハーの中心部から外周部にかけてのレジスト膜の膜厚を測定し、エッチング量を算出した。
「比較例1」
静電吸着用内部電極25を、35vol%の炭化モリブデン(MoC)と残部が酸化アルミニウムである、室温(25℃)における体積固有抵抗が5.0×10−2Ω・cm、厚みが10μmの炭化モリブデン−酸化アルミニウム複合焼結体で形成した他は、実施例と同様にして比較例1の静電チャック装置を得た。
この比較例1の静電チャック装置のプラズマ均一性と、静電吸着力の経時変化(静電吸着力の応答性)を実施例に準じて評価した。評価結果を図7、図8に示す。
「比較例2」
静電吸着用内部電極25を、25vol%の炭化モリブデン(MoC)と残部が酸化アルミニウムである、室温(25℃)における体積固有抵抗が1.0×10Ω・cm、厚みが10μmの炭化モリブデン−酸化アルミニウム複合焼結体で形成した他は、実施例と同様にして比較例2の静電チャック装置を得た。
この比較例2の静電チャック装置のプラズマ均一性と、静電吸着力の経時変化(静電吸着力の応答性)を実施例に準じて評価した。評価結果を図7、図8に示す。
これらの評価結果によれば、実施例の静電チャック装置では、エッチング量がウエハーの中心部と外周部ではほぼ同一であることからプラズマ均一性に優れ、静電吸着力も電圧印加後直ちに飽和しており静電吸着応答性も良好であることが分かった。
これに対して、比較例1の静電チャック装置では、静電吸着応答性は良好であるものの、エッチング量がウエハーの中心部で大きく、外周部で小さいことからプラズマ均一性に劣ることが分かった。
また、比較例2の静電チャック装置では、エッチング量がウエハーの中心部と外周部ではほぼ同一であることからプラズマ均一性に優れるものの、静電吸着力が発現していないものであった。
本発明の第1の実施形態の静電チャック装置を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の静電チャック装置の誘電体板の変形例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態の静電チャック装置の誘電体板の他の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の静電チャック装置を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の静電チャック装置の静電チャック部の基体の変形例を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態の静電チャック装置の静電チャック部の基体の他の変形例を示す断面図である。 実施例及び比較例1、2のプラズマ均一性の測定結果を示す図である。 実施例及び比較例1、2の静電吸着力の経時変化の測定結果を示す図である。 従来の静電チャック装置の一例を示す断面図である。 従来のプラズマ処理装置の一例を示す断面図である。 従来の静電チャック装置が搭載されたプラズマ処理装置の一例を示す断面図である。
符号の説明
21 静電チャック装置
22 静電チャック部
23 金属ベース部
24 誘電体板
25 静電吸着用内部電極
26 基体
27 給電用端子
28 流路
31 載置板
31a 上面
32 支持板
33 絶縁材層
34 凹部
35 絶縁性の接着・接合剤層
36 給電用端子挿入孔
37 碍子
38 冷却ガス導入孔
41 静電チャック装置
42 凹部
W 板状試料

Claims (5)

  1. 一主面を板状試料を載置する載置面とするとともに静電吸着用内部電極を内蔵した基体と、この静電吸着用内部電極に直流電圧を印加する給電用端子とを備えた静電チャック部と、
    この静電チャック部の基体の他の主面に固定されて一体化され、高周波発生用電極となる金属ベース部とを備え、
    前記静電吸着用内部電極の体積固有抵抗は、1.0×10−1Ω・cm以上かつ1.0×10Ω・cm以下であることを特徴とする静電チャック装置。
  2. 前記金属ベース部の前記静電チャック部側の主面に凹部が形成され、この凹部内に誘電体板が固定され、この誘電体板と前記静電チャック部とは、絶縁性の接着・接合剤層を介して接着・接合されていることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
  3. 前記誘電体板の厚みは、中央部から周縁部に向かって薄くなっていることを特徴とする請求項2記載の静電チャック装置。
  4. 前記金属ベース部の前記静電チャック部側の主面に凹部が形成され、この凹部に前記静電チャック部の前記基体が固定されていることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
  5. 前記静電チャック部の前記基体の厚みは、中央部から周縁部に向かって薄くなっていることを特徴とする請求項4記載の静電チャック装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010073752A (ja) * 2008-09-16 2010-04-02 Tokyo Electron Ltd プラズマ処理装置および基板載置台
JP2012248693A (ja) * 2011-05-27 2012-12-13 Tohoku Univ 静電チャック装置
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JP2020053707A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 日本特殊陶業株式会社 半導体製造用部品
CN114026681A (zh) * 2019-06-28 2022-02-08 日本碍子株式会社 晶片载置台

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