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JP2008040352A - 液体現像剤、液体現像剤の製造方法、画像形成方法、および画像形成装置 - Google Patents

液体現像剤、液体現像剤の製造方法、画像形成方法、および画像形成装置 Download PDF

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JP2008040352A JP2006217479A JP2006217479A JP2008040352A JP 2008040352 A JP2008040352 A JP 2008040352A JP 2006217479 A JP2006217479 A JP 2006217479A JP 2006217479 A JP2006217479 A JP 2006217479A JP 2008040352 A JP2008040352 A JP 2008040352A
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liquid
toner particles
liquid developer
toner
fatty acid
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JP2006217479A
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Takashi Tejima
孝 手嶋
Takeshi Ikuma
健 井熊
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

【課題】環境に優しく、記録媒体へのトナー粒子の定着強度、トナー画像の転写性、現像性に優れ、かつ形成したトナー画像の解像度が優れた画像を形成することができる液体現像剤、液体現像剤の製造方法、および前記液体現像剤を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、前記トナー粒子は、樹脂材料を含む複数の微粒子の結合体で構成され、前記絶縁性液体は、不飽和脂肪酸のグリセリドを含むことを特徴とする。前記絶縁性液体の粘度は、5〜1000mPa・sであることが好ましく、前記絶縁性液体のヨウ素価は、100〜200であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体現像剤、液体現像剤の製造方法、画像形成方法および画像形成装置に関するものである。
潜像担持体上に形成した静電潜像を現像するために用いられる現像剤には、顔料等の着色剤および結着樹脂を含む材料で構成されるトナーを乾式状態で用いる乾式トナーによる方法と、トナーを電気絶縁性の担体液(絶縁性液体)に分散した液体現像剤(例えば、特許文献1参照)を用いる方法とがある。
乾式トナーを用いる方法は、固体状態のトナーを取り扱うので、取り扱い上の有利さはあるものの、粉体による人体等への悪影響が懸念されるほか、トナーの飛散による汚れ、トナーを分散した際の均一性等に問題がある。また、乾式トナーでは、粒子の凝集が起こり易く、トナー粒子の大きさを十分に小さくするのが困難であり、解像度の高いトナー画像を形成するのが困難であるという問題がある。また、トナー粒子の大きさを比較的小さなものとした場合には、上述したような粉体であることによる問題が更に顕著なものとなる。
一方、液体現像剤を用いる方法では、液体現像剤中におけるトナー粒子の凝集が効果的に防止されるため、微細なトナー粒子を用いることが可能であり、また、結着樹脂として、低軟化点(低軟化温度)のものを用いることができる。その結果、液体現像剤を用いる方法では、細線画像の再現性が良く、階調再現性が良好で、カラーの再現性に優れており、また、高速での画像形成方法としても優れているという特徴を有している。
しかしながら、従来の液体現像剤で用いられてきた絶縁性液体は、石油系の炭化水素を主とするものであるため、画像形成装置等の外に出た場合に、環境に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
ところで、液体現像剤で用いられるトナー粒子の粒度分布が狭いと一般的に定着後の記録媒体に付着した画像解像度、画像濃度が優れているとされる。また、現像剤容器から塗布ローラに液体現像剤をくみ出した場合において、トナー粒子が均一であるためにトナー粒子間に空隙が多くでき、多量の絶縁性液体がトナー粒子間に存在するため、トナー画像の現像、転写が効率的に行われる。
しかしながら、通常、液体現像剤を用いた画像形成を行うと、定着の際にトナー粒子の表面に絶縁性液体が付着している。従来の絶縁性液体を用いて画像形成を行った場合、このトナー粒子の表面に付着した絶縁性液体が定着強度を低下させる。このため、従来の炭化水素系やシリコーン系などの不揮発性鉱物油系の絶縁性液体を用いた場合には、粒度分布の狭いトナー粒子を用いると記録媒体上のトナー粒子に比較的多量の絶縁性液体が付着し、定着強度が低下する問題が顕著に現れていた。
一方で、粒度分布の広いトナー粒子を用いると定着強度の低下を抑制することができる。粒度分布の広いトナー粒子はその平均粒径と比べて微小な粒子を多量に有している。このため、粒度分布の広いトナー粒子を液体現像剤に用いると、記録媒体上のトナー画像にて大きなトナー粒子間の空隙に小さなトナー粒子が入り込み、トナー粒子間の隙間が少なくなるため、絶縁性液体はトナー粒子に少量しか付着しない。結果として、記録媒体上でのトナー粒子に付着した絶縁性液体も少なくなり、定着強度の低下は起こりにくくなる。しかしながら、現像、転写時においても、トナー粒子に絶縁性液体が少量しか付着していないため、トナー画像の現像、転写が効率的に行われず、また、高い解像度、画像濃度のトナー画像の形成も困難であるという問題があった。さらに、繰り返し使用において、粒径が適正なトナーから順次現像されて行く所謂選択現像が顕著に起こる為現像剤の性能が徐々に劣化して行くという課題もあった。
特開平7−152256号公報
本発明の目的は、環境に優しく、形成したトナー画像の定着強度に優れ、かつ転写性および現像性に優れた液体現像剤、液体現像剤の製造方法、および前記液体現像剤を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
前記トナー粒子は、樹脂材料を含む複数の微粒子の結合体で構成され、
前記絶縁性液体は、不飽和脂肪酸のグリセリドを含むことを特徴とする。
これにより、環境に優しく、形成したトナー画像の定着強度に優れ、かつ転写性および現像性に優れた液体現像剤を提供できる。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体の粘度は、5〜1000mPa・sであることが好ましい。
これにより、定着時に適量の絶縁性液体を記録媒体上に供給でき、記録媒体とトナー粒子の定着を特に優れたものにしつつ、鮮明なトナー画像を得ることができる。
本発明の液体現像剤では、前記絶縁性液体のヨウ素価は、100〜200であることが好ましい。
これにより、記録媒体とトナー粒子の定着強度を特に優れたものにすることができる。
本発明の液体現像剤では、前記グリセリドを構成する全脂肪酸成分に対するリノール酸の含有率は、15mol%以上であることが好ましい。
これにより、記録媒体とトナー粒子の定着強度、液体現像剤の保存性を特に優れたものにし、鮮明なトナー画像を得ることができる。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子の平均粒径は、0.7〜3μmであることが好ましい。
これにより、粒度分布の特に狭いトナー粒子を提供でき、解像度が特に優れた鮮明な画像を形成することができる。
本発明の液体現像剤では、前記トナー粒子を構成する微粒子の平均粒径は、0.03〜1.5μmであることが好ましい。
これにより解像度が特に優れた鮮明な画像を形成することができる。
本発明の液体現像剤の製造方法は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を製造する方法であって、
主として、樹脂材料を含む複数の微粒子を結合させて、微粒子の結合体を得る結合工程と、
前記結合体を前記不飽和脂肪酸のグリセリドを含む液体に分散させる分散工程とを有することを特徴とする。
これにより、環境に優しく、形成したトナー画像の定着強度に優れ、かつ転写性および現像性に優れた液体現像剤の製造方法を提供できる。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記結合体は、
前記樹脂材料を含む分散質が微分散した分散液を微粒化してヘッド部から吐出する吐出工程と、
前記分散媒を除去し、前記分散質由来の複数個の微粒子が結合した前記結合体を得る分散媒除去工程とを経て製造されるものであることが好ましい。
これにより、トナー粒子の粒度分布が特に狭く、形成したトナー画像の定着強度および解像度に優れ、かつ転写性および現像性に優れた液体現像剤の製造方法を提供できる。
本発明の液体現像剤の製造方法では、前記結合体は、
乳化重合により調製した樹脂材料を微分散させた樹脂分散液と、
着色剤を微分散させた着色剤分散液とを混合し、
前記樹脂分散液中の分散質と前記着色剤分散液中の分散質とを凝集させることによって製造されるものであることが好ましい。
これにより、高速印刷適性に特に優れた液体現像剤の製造方法を提供できる。
本発明の画像形成方法は、トナー粒子が付着した記録媒体に対して加熱しつつ圧力をかけることにより前記トナー粒子を前記記録媒体に定着させる画像形成方法において、本発明の液体現像剤を用いることを特徴とする。
これにより、環境に優しく、液体現像剤の転写性および現像性が優れ、かつ定着強度が優れたトナー画像が得られる画像形成方法を提供できる。
本発明の画像形成方法では、前記記録媒体への前記トナー粒子の定着時にトナー画像に対して紫外線を照射することが好ましい。
これにより、定着速度、定着強度が特に優れたトナー画像が得られる画像形成方法を提供できる。
本発明の画像形成装置は、トナー粒子が付着した記録媒体に対して加熱しつつ圧力をかけることにより前記トナー粒子を前記記録媒体に定着させる画像形成装置において、本発明の液体現像剤を用いることを特徴とする。
これにより、環境に優しく、液体現像剤の転写性および現像性が優れ、定着強度が優れたトナー画像が得られる画像形成装置を提供できる。
本発明の画像形成装置では、前記記録媒体への前記トナー粒子の定着時にトナー画像に対して紫外線を照射する紫外線照射手段を有することが好ましい。
これにより、定着速度、定着強度が特に優れたトナー画像が得られる画像形成装置を提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
≪液体現像剤≫
まず、本発明の液体現像剤について説明する。本発明の液体現像剤は、絶縁性液体中にトナー粒子が分散したものである。
<絶縁性液体>
絶縁性液体について説明する。本発明において、絶縁性液体は、不飽和脂肪酸グリセリドを含むものである。
不飽和脂肪酸グリセリドについて説明する。不飽和脂肪酸グリセリドは、脂肪酸とグリセリンとのエステル(グリセリド)であり、脂肪酸成分として不飽和脂肪酸を含むものである。
不飽和脂肪酸成分は、トナー粒子の記録媒体への定着強度向上に寄与することができる成分である。より詳しく説明すると、不飽和脂肪酸成分は、酸化されることにより(定着時における定着温度で酸化されることにより)、それ自体が硬化し、トナー粒子の定着強度を向上させる機能を有する成分である。これにより、本発明によれば、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を優れたものとすることができる。また、不飽和脂肪酸グリセリドは、定着時にトナー粒子を可塑化させる効果(可塑剤効果)がある。トナー粒子は定着時に、記録媒体上で熱、圧力をかけられた場合において、トナー粒子表面付近にある不飽和脂肪酸グリセリドによって効果的に可塑化する。可塑化したトナー粒子同士が接触して溶融し合うことで、目的とする画像の色調をより確実に得ることが可能となる。さらに、不飽和脂肪酸グリセリドは環境に優しい成分であるため、画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。加えて、不飽和脂肪酸成分が硬化することにより、定着したトナー画像に対して、水性ボールペンでの追記を容易かつ確実に行うことができる。
グリセリドを構成する不飽和脂肪酸としては、特に限定されないが、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の一価不飽和脂肪酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸等(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等の多価不飽和脂肪酸の不飽和脂肪酸やこれらの誘導体等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、不飽和脂肪酸としてリノール酸を用いた場合、トナー粒子の記録媒体への定着強度が特に優れている。加えて定着時にトナー粒子との親和性が高く、トナー同士の溶融を妨げにくいため、目的とする色調の画像を容易に得ることができる。また、トナー粒子との親和性が高いため、液体現像剤中にトナー粒子が安定して分散でき、液体現像剤の保存性を特に優れたものにすることができる。
不飽和脂肪酸グリセリド全脂肪酸成分に対するリノール酸の含有率は、特に限定されないが、15mol%以上であることが好ましく、25mol%以上であることがより好ましく、45mol%以上であることがさらに好ましい。リノール酸の含有率が前記下限値未満であると、トナー粒子の記録媒体への定着強度が低下する可能性があり、液体現像剤の保存性が劣る場合がある。
このような不飽和脂肪酸グリセリドは、例えば、紅花油、米油、米ぬか油、菜種油、オリーブ油、カノーラ油、大豆油等の植物由来の油脂、牛油等の各種動物由来の油脂等の天然由来の油脂から効率良く得ることができる。
本発明における絶縁性液体中の不飽和脂肪酸グリセリドの含有量は、20〜80wt%であることが好ましく、30〜70wt%であることがより好ましく、40〜60wt%であることがさらに好ましい。不飽和脂肪酸グリセリドの含有量が前記下限値未満であると定着時において不飽和脂肪酸の酸化重合反応起きにくいため、トナー粒子の記録媒体への定着強度が低下する可能性がある。一方、不飽和脂肪酸グリセリドの含有量が前記上限値を超えると定着時において多量の不飽和脂肪酸による酸化重合反応が必要以上に起こりトナー粒子の周囲で固化が起こるため、不飽和脂肪酸成分の種類によってはトナー粒子の記録媒体への定着時にトナー粒子同士の溶融ができず、目的とする色調の画像が得るのが困難になる場合がある。
また、不飽和脂肪酸グリセリド中に飽和脂肪酸成分が含まれていてもよい。飽和脂肪酸成分を含むことにより、液体現像剤の化学的安定性や絶縁性液体の電気絶縁性をさらに高く保つことが可能になる。
このような飽和脂肪酸成分を構成する飽和脂肪酸としては、例えば、酪酸(C4)、カプロン酸(C6)、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミスチリン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキジン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、リグノセリン酸(C24)等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記のような飽和脂肪酸の中でも、分子内の炭素数が、6〜22のものであるのが好ましく、8〜20のものであるのがより好ましく、10〜18のものであるのがさらに好ましい。このような飽和脂肪酸で構成された飽和脂肪酸成分を含むことにより、前述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
また、絶縁性液体中に脂肪酸モノエステルが含まれていてもよい。脂肪酸モノエステルは、脂肪酸と一価のアルコールとのエステルである。
脂肪酸モノエステルは、記録媒体に浸透しやすい成分であるため、トナー粒子の表面付近に付着した脂肪酸モノエステルは、定着時にトナー粒子と記録媒体とが接触した際に、記録媒体に速やかに浸透する。そして、この脂肪酸モノエステルの浸透と共に、定着時の熱で溶融したトナー粒子(トナー粒子を構成する樹脂材料)の一部が記録媒体の内部に浸透し、アンカー効果が働き、定着強度が向上する。さらに、脂肪酸モノエステルの浸透と共に、トナー粒子の表面付近に存在する不飽和脂肪酸グリセリドの一部も浸透し、この状態で酸化重合することにより、トナー粒子はより強固に定着される。また、脂肪酸モノエステルにも不飽和脂肪酸グリセリドと同様の可塑剤効果がある。脂肪酸モノエステルは、不飽和脂肪酸グリセリドよりも低分子量であるため、トナー粒子に浸透しやすく、可塑剤効果がより高い。このため、脂肪酸モノエステルが絶縁性液体に存在する場合、目的とする画像の色調をより確実に得ることが可能となる。加えて、脂肪酸モノエステルは環境に優しい成分であるため、画像形成装置外への絶縁性液体の漏出や、使用済液体現像剤の廃棄等による絶縁性液体の環境への負荷を低減することができる。その結果、環境に優しい液体現像剤を提供することができる。
絶縁性液体における脂肪酸モノエステルの含有率は、5〜55wt%であることが好ましく、10〜50wt%であることがより好ましく、20〜50wt%であることがさらに好ましい。脂肪酸モノエステルの含有率が前記範囲内であると、脂肪酸モノエステルがトナー粒子に付着しやすくなり、また絶縁性液体を好適に記録媒体へ浸透させることが可能となり、結果として特に優れた定着強度が得られる。さらに、トナー粒子が可塑化するのに十分な脂肪酸モノエステルがトナー粒子表面に付着し、結果として目的とする色調の画像がより確実に得られる。
これに対し、脂肪酸モノエステルの含有率が前記下限値未満の場合、脂肪酸エステルを加えても絶縁性液体の記録媒体への浸透効果、トナー粒子への可塑剤効果を十分に得られない場合がある。一方、脂肪酸モノエステルの含有率が前記上限値を超えると、絶縁性液体の粘度が低いものとなり、記録媒体上に形成した画像のトナー粒子した絶縁性液体が少量となり、十分な定着強度を得られにくくなる。また、保存時においても脂肪酸モノエステルがトナー粒子に対して浸透し、トナー粒子を可塑化させ、保存性が劣る場合がある。
本発明の液体現像剤に使用できる脂肪酸モノエステルとしては、特に限定されないが、例えば、オレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等に代表される不飽和脂肪酸のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)モノエステル、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等に代表される飽和脂肪酸のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)モノエステル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、脂肪酸モノエステルとして、脂肪酸成分に不飽和脂肪酸を持った不飽和脂肪酸モノエステルを用いることが好ましい。不飽和脂肪酸成分はトナー粒子の記録媒体への定着性向上に寄与することができる成分である。より詳しく説明すると、不飽和脂肪酸モノエステルは、定着時に酸化重合することにより、それ自体が硬化し、トナー粒子と記録媒体の定着強度を特に向上させることができる。これにより、記録媒体に浸透した不飽和脂肪酸グリセリドだけではなく、不飽和脂肪酸モノエステルも酸化重合に寄与することができるため、上述したアンカー効果を特に効果的にすることができ、特に優れた定着強度を得ることができる。
また、脂肪酸モノエステルの脂肪酸成分は、主として不飽和脂肪酸が好ましいが、一部に飽和脂肪酸を含んでいてもよい。これにより、絶縁性液体の保存性、長期安定性はさらに優れたものとなる。
また、絶縁性液体は、上述した以外の成分を含むものであってもよい。例えば、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソン化学社の商品名)、シエルゾール70、シエルゾール71(シエルゾール;シエルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社の商品名)、低粘度・高粘度流動パラフィン(和光純薬工業)等の鉱物油、飽和脂肪酸グリセリド、中鎖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル、グリセリン、脂肪酸等の脂肪酸グリセリドの分解物、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、液体現像剤(絶縁性液体)中には、不飽和脂肪酸成分の酸化を防止・抑制する機能を有する酸化防止剤が含まれていてもよい。これにより、液体現像剤中における不飽和脂肪酸成分の不本意な酸化を防止することができる。その結果、液体現像剤(絶縁性液体)の経時的な劣化等を防止することができ、長期間にわたって、トナー粒子の分散性、記録媒体に対する定着強度等を、特に優れたものとすることができる。すなわち、液体現像剤の長期安定性(保存性)を特に優れたものとすることができる。
上述したような酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、d−トコフェロール、dl−α−トコフェロール、酢酸−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、α−トコフェロール等のビタミンE、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩類、アスコルビン酸ステアリン酸エステル等のビタミンC、緑茶抽出物、生コーヒー抽出物、セサモール、セサミノール等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上述した中でも、ビタミンEを用いた場合、以下のような効果が得られる。すなわち、ビタミンEは、環境に優しい成分であるとともに、それ自身が酸化されて生じる物質の液体現像剤へ与える影響が小さい成分であるから、液体現像剤をより環境に優しいものとすることができる。また、ビタミンEは、前述したような不飽和脂肪酸成分および飽和脂肪酸成分を含む液体(特に、グリセリド)への分散性が高いことから、酸化防止剤として好適に用いることができる。また、ビタミンEと前述したようなグリセリドとを併用することにより、絶縁性液体とトナー粒子との親和性をさらに向上させることができる。その結果、液体現像剤の保存性、記録媒体に対するトナー粒子の定着強度等が特に優れたものとなる。
また、上述した中でも、ビタミンCを用いた場合、以下のような効果が得られる。すなわち、前述したビタミンEと同様に、ビタミンCは、環境に優しい成分であるとともに、それ自身が酸化されて生じる物質の液体現像剤へ与える影響が小さい成分であるから、液体現像剤をより環境に優しいものとすることができる。また、ビタミンCは、熱分解温度が比較的低いため、液体現像剤の保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、酸化防止剤としての機能を十分に発揮させることができるとともに、定着時においては、酸化防止剤としての機能を低下させ、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進させることができる。
酸化防止剤の熱分解温度は、定着時における定着温度以下であるのが好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等において、絶縁性液体の劣化を効果的に防止するとともに、定着時においては、トナー粒子の表面に付着した絶縁性液体中の酸化防止剤を熱分解させ、不飽和脂肪酸成分を効果的に硬化(酸化重合反応)させることができ、記録媒体に対するトナー粒子の定着強度を十分に優れたものとすることができる。
酸化防止剤の熱分解温度は、具体的には、200℃以下であるのが好ましく、180℃以下であるのがより好ましい。これにより、酸化防止剤としての機能を十分に保持しつつ、トナー粒子の定着強度をより効果的に向上させることができる。
絶縁性液体中における前記酸化防止剤の含有量は、絶縁性液体100重量部に対して、0.01〜15重量部であるのが好ましく、0.1〜7重量部であるのがより好ましく、1〜7重量部であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等における不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化をより確実に防止しつつ、必要時(定着時)においては不飽和脂肪酸成分の硬化(酸化重合反応)を効率良く進行させることができる。
また、液体現像剤中には、上述した不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する酸化重合促進剤(硬化促進剤)が含まれていてもよい。これにより、必要時(定着時)において、不飽和脂肪酸成分を効果的に酸化重合(硬化)させることができる。その結果、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
液体現像剤中に酸化重合促進剤が含まれる場合、当該酸化重合促進剤は、特に限定されないが、保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、実質的に、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応に寄与せず、必要時(定着時)において不飽和脂肪酸成分の酸化重合(硬化)反応に寄与するものであるのが好ましい。これにより、液体現像剤の保存性(長期安定性)を優れたものとしつつ、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
このような酸化重合促進剤としては、例えば、加熱条件下で不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する機能を有し、室温付近では実質的に不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)を促進する機能を有さない物質、すなわち、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応(硬化反応)における活性化エネルギーが比較的高い物質を用いることができる。
このような物質(酸化重合促進剤)としては、例えば、各種の脂肪酸金属塩等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような物質(酸化重合促進剤)を用いることにより、保存時等における液体現像剤の安定性を保持しつつ、定着の際に効果的に不飽和脂肪酸成分の酸化重合を進行させることができる。特に、脂肪酸金属塩は、定着時に酸素を供給することにより、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を促進することができるため、定着時等の加熱時において酸化重合反応を効果的に促進することができる。したがって、保存時等においては酸化重合反応が生じるのをより確実に防止しつつ、定着時等において酸化重合反応をより効果的に促進することができる。また、脂肪酸金属塩は、前述したような不飽和脂肪酸成分および飽和脂肪酸成分を含む液体(特に、グリセリド)への分散性が高いから、絶縁性液体中において均一に分散させることができ、その結果、定着時において、酸化重合反応を全体的に効率良く進行させることができる。
このような脂肪酸金属塩としては、例えば、樹脂酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩等)、オクチル酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩、カルシウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、亜鉛塩、カルシウム塩等)等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、酸化重合促進剤は、カプセル化された状態で、絶縁性液体中に含まれるものであってもよい。これにより、上記と同様に、酸化重合促進剤を、保存時等(画像形成装置のアイドリング時等を含む)においては、実質的に、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応に寄与せず、必要時において不飽和脂肪酸成分の酸化重合(硬化)反応に寄与するものとすることができる。すなわち、液体現像剤の保存時等における酸化重合反応をより確実に防止するとともに、定着時においては、カプセルが定着時の圧力等によって潰れることにより、酸化重合促進剤と不飽和脂肪酸成分とが接触し、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応を確実に進行させることができる。また、このような構成であると、酸化重合促進剤の材料の選択の幅が広がる。言い換えると、反応性の高い酸化重合促進剤(比較的低温で不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応に寄与する酸化重合促進剤)であっても好適に用いることができ、記録媒体へのトナー粒子の定着強度を特に優れたものとすることができる。
絶縁性液体中における酸化重合促進剤の含有量は、絶縁性液体100重量部に対して、0.01〜15重量であるのが好ましく、0.05〜7重量部であるのがより好ましく、0.1〜5重量部であるのがより好ましい。これにより、液体現像剤の保存時等における酸化重合反応を十分に防止しつつ、定着時において不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応をより確実に進行させることができる。
本発明での絶縁性液体のヨウ素価は、100〜200であることが好ましく、100〜180であることがより好ましく、110〜170であることがさらに好ましい。これにより、トナー粒子の記録媒体への定着を優れたものとしつつ、目的とする色調の画像を容易に得ることができる。これに対し、絶縁性液体のヨウ素価が前記下限値未満だと不飽和脂肪酸の酸化重合反応起きにくいため、トナー粒子の記録媒体への定着強度が劣る場合がある。一方、絶縁性液体のヨウ素価が前記上限値を超えると多量の不飽和脂肪酸による酸化重合反応が必要以上に起こりトナー粒子の周囲で固化が起こるため、トナー粒子の記録媒体への定着時にトナー粒子同士の溶融ができず、目的とする色調の画像が得るのが困難になる場合がある。
絶縁性液体の粘度は、特に限定されないが、5〜1000mPa・sであるのが好ましく、50〜800mPa・sであるのがより好ましく、100〜500mPa・sであるのがさらに好ましい。絶縁性液体の粘度が前記範囲内の値であると、液体現像剤が現像剤容器から塗布ローラにくみ出された場合において、適量の絶縁性液体がトナー粒子に付着し、トナー画像の現像性、転写性を特に優れたものにできる。また、記録媒体上にあるトナー粒子に適度の絶縁性液体が付着しているので、形成したトナー画像の定着強度を特に優れたものにできるとともに、可塑剤効果によりトナー粒子同士が溶融し、特に優れた光沢が得られるとともに、目的とする色調の画像を非常に容易に得ることができる。加えて、トナー粒子の凝集、沈降を防止でき、分散性をより高いものとすることができる。このため、後述するような画像形成装置において、塗布ローラに液体現像剤をより均一に供給することができ、また、塗布ローラ等からの液体現像剤の液だれ等をより効果的に防止することができる。
これに対し、絶縁性液体の粘度が前記下限値未満であると、液体現像剤が現像剤容器から塗布ローラにくみ出された場合において、トナー粒子に付着する絶縁性液体が少量となり、トナー画像の転写性、現像性を優れたものにできない場合がある。また、記録媒体上にあるトナー粒子に付着している絶縁性液体が少量であるため、定着時に絶縁性液体の酸化重合反応が十分に起きず、十分な定着強度を得られにくくなる。加えて、後述するような画像形成装置において、塗布ローラ等からの液体現像剤の液だれ等の問題が起こる可能性がある。
一方、絶縁性液体の粘度が前記上限値を超えると、多量の絶縁性液体が記録媒体上にトナー粒子に付着し、定着時にトナー粒子同士の溶融が起きず目的とする色調の画像が得るのが困難になる場合がある。また、トナー粒子の分散性を十分高くできず、後述するような画像形成装置において、塗布ローラに液体現像剤をより均一に供給することができない場合がある。ただし、本明細書における粘度とは25℃において測定した値を指すものとする。
上述したような絶縁性液体の室温(20℃)での電気抵抗は、1×10Ωcm以上であるのが好ましく、1×1011Ωcm以上であるのがより好ましく、1×1013Ωcm以上であるのがさらに好ましい。
また、絶縁性液体の誘電率は、3.5以下であるのが好ましい。
<トナー粒子>
次にトナー粒子について説明する。
[トナー粒子の構成材料]
本発明の液体現像剤を構成するトナー粒子(トナー)は、少なくとも、結着樹脂(樹脂材料)と着色剤とを含むものである。
1.樹脂材料
液体現像剤を構成するトナーは、主成分としての樹脂材料を含む材料で構成されている。
本発明においては、樹脂(バインダー樹脂)は、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体等のスチレン系樹脂でスチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェニール樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂(樹脂材料)の軟化温度は、特に限定されないが、50〜130℃であるのが好ましく、50〜120℃であるのがより好ましく、60〜115℃であるのがさらに好ましい。なお、本明細書で、軟化温度とは、高化式フローテスター(島津製作所製)における測定条件:昇温速度:5℃/min、ダイ穴径1.0mmで規定される軟化開始温度のことを指す。
2.着色剤
また、トナーは、着色剤を含んでいる。着色剤としては、例えば、顔料、染料等を使用することができる。このような顔料、染料としては、例えば、カーボンブラック、スピリットブラック、ランプブラック(C.I.No.77266)、マグネタイト、チタンブラック、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、キノリンイエロー、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、カルコオイルブルー、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、ファイナルイエローグリーンG、ローダミン6G、キナクリドン、ローズベンガル(C.I.No.45432)、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー5:1、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー162、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、金属錯塩染料、シリカ、酸化アルミニウム、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
3.その他の成分
また、トナーは、上記以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、ワックス、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セルシン、パラフィンワックス、マイクロワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トロプシュワックス等の炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、キャンデリラワックス、綿ロウ、木ロウ、ミツロウ、ラノリン、モンタンワックス、脂肪酸エステル等のエステル系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等のアミド系ワックス、ラウロン、ステアロン等のケトン系ワックス、エーテル系ワックス等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフニン酸等が挙げられる。
磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、トナー粒子の構成材料(成分)としては、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム、シリカ、酸化チタン、酸化鉄、脂肪酸、脂肪酸金属塩等を用いてもよい。
[トナー粒子の形状]
本発明での、トナー粒子は、樹脂材料を含む微粒子が複数結合してトナー粒子を構成している。前記トナー粒子は微粒子が複数結合したものであるため、トナー粒子表面に微小の凹凸を有している。このような微小の凹凸を有することにより、より多くの絶縁性液体を粒子表面に保持することができる。このため、現像剤容器から絶縁性液体がくみ出され塗布ローラ等に付着した場合において、トナー粒子表面に多量の絶縁性液体を保持することができ、現像、転写が特に効率よく行われる。
また、トナー粒子が微小の凹凸を有することで、記録媒体上にてトナー粒子同士の接触面積が増える結果、定着時にトナー粒子が溶融し、トナー粒子同士で一体化しやすくなる。このため、形成された画像の定着強度を優れたものにできる。また、トナー粒子に微小の凹凸があると、トナー粒子の体積あたりの表面積が大きく、トナー粒子表面が絶縁性液体に接する面積が大きい。このため、定着時に可塑化効果をもった絶縁性液体が可塑剤としてより効果的に作用し、トナー粒子が特に容易に可塑化する。さらに定着時には絶縁性液体が酸化重合する。トナー定着時に粒子同士の一体化、絶縁性液体の酸化重合反応が起こり、可塑剤効果が発現することで、これらの効果が相乗的に作用する。本発明のトナー粒子は微小の凹凸によって多くの絶縁性液体を粒子表面に保持することができるので、より確実に前述の相乗効果が得られ、優れた定着強度を確実なものにできる。
加えて、トナー粒子同士が溶融して一体化しやすいことから、目的とする色調の画像を容易に得ることが可能になる。さらに、保存時においても、トナー粒子表面の凹凸に多量の絶縁性液体を保持できることから、トナー粒子の絶縁性液体への分散を容易にし、トナー粒子を含む液体現像剤の保存性をも優れたものにできる。
また、本発明のトナー粒子はトナー粒子の平均粒径よりも小さい微粒子が複数結合しているため、トナー粒子間の特性のばらつきが少なくなり、信頼性の高いトナー粒子が得られる。トナー粒子を構成する微粒子は均一なものが好ましく、特性、粒径が均一なトナー粒子を構成できる。しかしながら、微粒子の粒径、特性に多少のばらつきが存在したとしても、多くの微粒子が結合することにより、構成されたトナー粒子間の粒径、特性のばらつきを小さくできる。
ところで、粉砕法によって製造されたトナー粒子は熱処理等の球形化処理を行わない場合には不定形であり、微小な凹凸を有する。しかしながら、粉砕工程によって粒度分布の幅が広いものとなっており、分級処理を行っても粒度分布の幅を十分に狭くするのが困難である。このため、現像剤容器から絶縁性液体がくみ出され塗布ローラ等に付着した場合において、大きなトナー粒子の間に微小な粒子が入り込み、トナー粒子間に絶縁性液体を保持するための空間が僅かにしか生じない。結果として、現像、転写を行うための絶縁性液体が不足し、現像、転写の効率が劣ったものとなる。また、現像、転写が効率的に行われないと、現像ローラ、転写ローラにトナー粒子が残存し、フィルミング、クリーニング不良等の問題が起きやすい。加えて、現像剤容器内にて微小のトナー粒子が凝集体を生じやすく、この凝集体と粗大のトナー粒子がそれぞれ沈降しやすいため、保存性を優れたものとすることができない。
本発明でのトナー粒子の平均粒径は、0.7〜3μmであるのが好ましく、0.8〜2.5μmであるのがより好ましく、0.8〜2μmであるのがさらに好ましい。トナー粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、トナー粒子が適度の個数の微粒子から構成されるため、トナー粒子の粒度分布の幅が特に狭いものとなり、各トナー粒子間での特性のばらつきを小さいものとできる。結果として、液体現像剤全体としての信頼性を特に高いものとしつつ、液体現像剤により形成されるトナー画像の解像度を十分に高いものとすることができる。
これに対し、トナー粒子の平均粒径が前記下限値未満であると、トナー粒子を構成する微粒子の個数が少なくなり、トナー粒子の粒度分布が広くなるため、各トナー粒子間での特性のばらつきが大きくなる可能性がある。結果として、液体現像剤全体としての信頼性を高いものとできず、優れた現像性、転写性が得られない場合がある。一方、トナー粒子の平均粒径が前記上限値を超えると、トナー粒子間の粒径、特性のばらつきは小さくなるが、平均粒径が大きいため、形成されるトナー画像の解像度を十分に高くできない場合がある。また、液体現像剤の保存時において、沈降が起こりやすくなり、液体現像剤の保存性を十分なものとできない場合がある。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、体積基準の平均粒径のことを指すものとする。
上記のような材料で構成された本発明でのトナー粒子を構成する微粒子の平均粒径は、0.03〜1.5μmであるのが好ましく、0.1〜1.3μmであるのがより好ましく、0.2〜1.2μmであるのがさらに好ましい。微粒子の平均粒径が前記範囲内の値であると、多くの微粒子にてトナー粒子を構成できる結果、トナー粒子間での大きさ、特性のばらつきを少ないものとすることができる。また、トナー粒子が小粒径であっても、結合した微粒子の特性が平均化されるため、トナー粒子間の粒径、特性のばらつきが少なくなる。このことから、液体現像剤に小粒径のトナー粒子を用いることができ、形成したトナー画像の解像度が高く、信頼性の高い液体現像剤が提供できる。これに対し、微粒子の平均粒径が前記下限値未満だと、トナー粒子の粒径に対して微粒子の粒径が極端に小さくなるため、トナー粒子が真球に近づき、絶縁性液体を保持するための凹凸が十分に得られない可能性がある。一方、微粒子の平均粒径が前記上限値を超えると、トナー粒子を構成する微粒子の数が少なくなるため、トナー粒子間で粒径、特性のばらつきが出やすくなる場合がある。
また、トナー粒子の平均粒径をD、構成する微粒子の平均粒径をDとしたとき0.04≦D/D≦1.0の関係を満足するのが好ましく、0.07≦D/D≦1.0の関係を満足するのがより好ましく、0.1≦D/D≦1.0の関係を満足するのがさらに好ましい。前記関係を満足することにより、各トナー粒子の粒径、特性のばらつきを小さいものにし、微小な凹凸を得ることができる。微粒子の平均粒径が前記下限値未満だと、構成されたトナー粒子が真球に近づくため、微小な凹凸を得ることができず、前述の微小な凹凸による効果を得ることができなくなる場合がある。微粒子の平均粒径が前記上限値を超えると、トナー粒子を構成する微粒子の数が少なくなるため、トナー粒子間で粒径のばらつきが出やすくなる場合がある。
また、本発明において下記式(I)で表されるトナー粒子の粒度分布の幅Sは1.4以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下がさらに好ましい。
S=〔D(90)−D(10)〕/D(50) ・・・ (I)
(ただし、トナー粒子を小さい粒径から粒度分布の測定をした場合において
累積体積にて全体の体積のX%の地点での粒径をD(X)とする。)
トナー粒子の粒度分布の幅Sが十分に小さいと、各トナー粒子間での粒径のばらつきが少なくなり、現像容器から塗布ローラ等に液体現像剤をくみ出した場合においてトナー粒子間の隙間が大きくなるため、適量の絶縁性液体がトナー粒子に付着し、効率的な転写、現像が可能となる。また、定着時においてトナー粒子間に適度の絶縁性液体が存在していることによって、優れた定着強度を得ることができる。加えて、各トナー粒子間での粒径のばらつきが少ないため、定着時に圧力および熱がトナー粒子に対して均一にかかりやすくなり、トナー粒子が均一に溶融することによって目的とする色調の画像を得ることができる。さらにトナー粒子が均一に溶融することで、トナー画像の平滑性が優れたものとなり、結果としてトナー画像の光沢が高いものとなる。
これに対し、トナー粒子の粒度分布の幅Sが上記上限値より大きいと各トナー粒子間での粒径のばらつきが大きくなり、現像容器から塗布ローラ等に液体現像剤をくみ出した場合において、大きなトナー粒子の間に微小な粒子が入り込み、トナー粒子間の隙間が小さくなるため、トナー粒子に付着する絶縁性液体の量が足りず、効率的な転写、現像が困難になる可能性がある。また、定着時に圧力および熱がトナー粒子に対して均一にかからず、トナー粒子が均一に溶融できないことがあり、目的とする色調の画像を得ることができない可能性がある。さらにトナー画像の平滑性が悪くなり、結果としてトナー画像の光沢が低いものとなる場合がある。加えて、粒径が選択的に現像が徐々に進行し、現像液の特性が次第に劣化して行くことで画像品質が初期状態から変化して行くことになる。
《液体現像剤の製造方法》
次に本発明の液体現像剤の製造方法の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の液体現像剤の製造に用いられる微粒子結合体製造装置の好適な実施形態を模式的に示す縦断面図、図2は、図1に示す微粒子結合体製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。
本発明の液体現像剤は、いかなる方法を用いて製造されたものであってもよいが、主として、樹脂材料を含む微粒子を結合させて、微粒子結合体を得る結合工程と、前記トナー粒子を前記不飽和脂肪酸のグリセリドを含む液体に分散させる分散工程とを有することで、容易に本発明の液体現像剤を得ることができるため好ましい。
本実施形態に係る液体現像剤の製造方法は、分散媒中に前述したようなトナー材料で構成された分散質が分散した分散液を得る分散液調製工程と、分散液をヘッド部から微粒の懸濁液として吐出する吐出工程と、分散媒を除去して分散質を結合させ微粒子結合体を得る分散媒除去工程(結合工程)と、微粒子結合体を絶縁性液体中で分散させる分散工程とを有する。本実施形態では、分散液として、水系液体で構成された水系分散媒に分散質が分散した水系分散液(水系懸濁液)を用いた場合について説明する。水系分散液を用いることにより、環境に優しい方法で液体現像剤を提供することができる。
水系分散液は、いかなる方法で調製されたものであってもよいが、本実施形態では、着色剤と樹脂材料とを含む混練物を用いて調製したものを用いる。
なお、混練物の構成材料(成分)としては、前述したようなトナーを構成する材料の他に、例えば、無機溶媒、有機溶媒等の溶媒として用いられるような材料を用いてもよい。これにより、例えば、混練の効率を向上させることができ、各成分がより均一に混ざり合った混練物を容易に得ることができる。
<混練物>
次に、上記のようなトナー材料を含む原料を混練して、混練物を得る方法の例について説明する。
[混練工程]
混練に供される原料は、前述したようなトナー材料を含むものである。特に、原料が着色剤を含むことにより、本工程で原料中に含まれる空気(特に着色剤が抱き込んだ空気)を効率よく除去することができ、トナー粒子の内部に気泡が混入(残存)するのを効果的に防止することができる。混練に供される原料は、これらの各成分が予め混合されたものであるのが好ましい。
原料の混練には、例えば、連続式の2軸混練押出機、ニーダーやバッチ式の三軸ロール、連続2軸ロール、ホイールミキサー、ブレード型ミキサー等の各種混練機を用いることができる。この中でも、混練機として、2軸混練押出機を用いることが好ましい。これにより、効率よく原料を混練できるとともに、原料中に含まれる空気を取り除くことができる。
混練時の原料温度は、原料の組成等により異なるが、80〜260℃であるのが好ましく、90〜230℃であるのがより好ましい。なお、混練時の原料温度は、均一であっても、部位により異なるものであってもよい。
また、原料の混練時間は、0.5〜12分であるのが好ましく、1〜7分であるのがより好ましい。前記混練時間が、前記下限値未満であると、原料中の各成分を十分均一に混ぜ合わせることが困難となる可能性がある。一方、前記混練時間が、前記上限値を超えると、生産効率が低下し、また、混練機の種類、原料温度、スクリューの回転数等によっては、熱による原料の変性が起こり易くなり、最終的に得られる液体現像剤(トナー)の物性を十分に制御するのが困難になる可能性がある。
また、2つの混練機を用いて混練してもよい。この場合、一方の混練機と、他方の混練機とで、原料の加熱温度、スクリューの回転速度等が異なっていてもよい。
[冷却工程]
混練工程を経て得られた、軟化した状態の混練物は、冷却機により冷却され、固化する。冷却機としては、ベルト式、ロール式(冷却ロール式)の冷却機を用いることができる。また、冷却機を用いずに空冷等により冷却を行ってもよい。このような冷却方法の中でも、冷却機としてベルト式のものを用いると、混練物の冷却の効率を特に優れたものとすることができる。
ところで、混練工程では、原料に剪断力が加わっているため、相分離(特に、マクロ相分離)等が十分防止されているが、混練工程を終えた混練物は、剪断力が加わらなくなるので、混練物の構成材料によっては、長期間放置しておくと再び相分離(マクロ相分離)等を起こしてしまう可能性がある。このため、得られた混練物は、できるだけ早く冷却するのが好ましい。混練工程の終了時(剪断力が加わらなくなった時点)から冷却工程が完了するまでに要する時間(例えば、混練物の温度を60℃以下に冷却するのに要する時間)は、20秒以下であるのが好ましく、3〜12秒であるのがより好ましい。
[粉砕工程]
次に、上述したような冷却工程を経た混練物を粉砕する。このように、混練物を粉砕することにより、後述する水系乳化液を、比較的容易に、より微小な分散質が分散したものとして得ることができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、トナー粒子の大きさをより小さなものとすることができ、高解像度の画像形成に好適に用いることができる。
粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。
粉砕の工程は、複数回(例えば、粗粉砕工程と微粉砕工程との2段階)に分けて行ってもよい。また、このような粉砕工程の後、必要に応じて、分級処理等の処理を行ってもよい。分級処理には、例えば、ふるい、気流式分級機等を用いることができる。
原料に対して上記のような混練を施すことにより、原料中に含まれる空気を効果的に除去することができる。言い換えると、上記のような混練により得られる混練物は、その内部に空気(気泡)をほとんど含まない。これにより、後述する微粒子結合体製造工程において、異形粒子(中空粒子、欠落粒子、融合粒子等)が発生するのを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においては、異形トナー粒子による転写性、クリーニング性等の低下等の問題が発生するのを効果的に防止することができる。
本実施形態では、上記のような混練物を用いて、水系乳化液を調製する。
水系乳化液の調製に混練物を用いることにより、以下のような効果が得られる。すなわち、トナーの構成材料中に、互いに分散または相溶し難い成分を含む場合であっても、混練を施すことにより、得られる混練物中においては、各成分が十分に相溶、微分散した状態とすることができる。特に、顔料(着色剤)は、通常、後述するような溶媒として用いられる液体に対する分散性が低いが、溶媒に分散する前に予め混練が施されることにより、顔料粒子の周囲を樹脂成分等が効果的にコーティングすることとなり、これにより、溶媒への顔料の分散性が向上し(特に溶媒への微分散が可能となり)、最終的に得られるトナーの発色性も良好となる。このようなことから、トナーの構成材料中に、後述する水系乳化液の分散媒(水系分散媒)に対する分散性に劣る成分(以下、「難分散性成分」とも言う。)や水系乳化液の分散媒に含まれる溶媒に対する溶解性に劣る成分(以下、「難溶性成分」とも言う。)が含まれる場合であっても、水系乳化液における分散質の分散性を特に優れたものとすることができ、また、この水系乳化液を用いて調製される水系懸濁液6においても、分散質61の分散性が優れたものとなる。その結果、最終的に得られる液体現像剤においても、各トナー粒子間での組成、特性のばらつきが小さくなり、全体としての特性が特に優れたものとなる。
これに対し、水系乳化液の調製に、混練を施していない原料を用いると、難分散性成分や難溶性成分が凝集して、水系乳化液中や後述する水系懸濁液中で沈降したり、主として難分散性成分や難溶性成分で構成され、他の成分と十分に混ざり合っていない粒径の比較的大きい分散質が水系乳化液(および後述する水系懸濁液)中に存在することとなり(主として難分散性成分および/または難溶性成分で構成された大粒径の分散質と、主として難分散性成分、難溶性成分以外の成分で構成された分散質とが混在することとなり)、後に詳述する微粒子結合体製造工程で得られる微粒子結合体は、各粒子間での組成、大きさ、形状等のばらつきが大きくなる。その結果、微粒子結合体あるいはその解砕物をトナー粒子として液体現像剤に用いた場合、トナー全体(液体現像剤全体)としての特性が低下する。
また、上記のようにして得られる混練物の粉砕物を、後述するような水系乳化液の調製に用いることなく、直接、トナー粒子とする場合、トナー中における構成成分の均一性(分散性)を高めるには限界があった。また、このような方法では、一般に比較的強固な凝集体である(強固な凝集体となり易い)顔料の分散(微分散)は、特に困難となる。これに対し、上記のような混練物を水系乳化液の調製に用いることにより、最終的に得られるトナー粒子は、各成分が十分均一に相溶、分散(微分散)したものとなる。
また、本実施形態で用いるような水系乳化液においては、分散質が液状である(流動性を有し、比較的容易に変形可能である)ため、分散質はその表面張力により、円形度(真球度)の大きい形状になる傾向を示す。したがって、当該水系乳化液を用いて調製される懸濁液(水系懸濁液)も、分散質の形状が比較的円形度(真球度)の大きいものとなり、比較的均一な形状となる。したがって分散質が結合してできた微粒子結合体の微粒子間に比較的大きな隙間ができ、この中に絶縁性液体を保持できる。そのため、定着時において、圧力がかかるとともに絶縁性液体がトナー粒子から染み出し、固化することにより、トナー画像の記録媒体への定着強度を特に強いものとすることができる。
また、分散質が液状である(流動性を有し、比較的容易に変形可能である)乳化液では、乳化液を攪拌すること等により、比較的容易に分散質の大きさの均一性を十分に高いものとすることができる。これに対して、後述する微粒子結合体の製造に用いられる懸濁液として、水系乳化液を経由することなく調製されたものを用いた場合、懸濁液中に含まれる分散質は、円形度の小さいものとなり、特に、各粒子間での形状、粒子径のばらつきが大きいものとなる。また、このような形状のばらつきを抑制するために、後述するような微粒子結合体の形成時または微粒子結合体の形成後に、熱球形化処理を施すことも考えられるが、このような場合(特に、微粒子結合体の形成時に熱球形化を行う場合)、熱球形化処理の条件を比較的過酷なものとしなければ、得られる微粒子結合体の形状のばらつきを十分に小さくするのが困難であり、微粒子結合体の表面に十分な凹凸を得ることが困難になる場合がある。また、微粒子結合体の構成材料の劣化や、微粒子結合体中での各構成成分の相溶化状態、微分散状態の破壊を招き易く、最終的に得られる液体現像剤において、十分な特性を発揮させるのが困難となる。
<水系乳化液調製工程>
次に、上記のような混練物を用いて、水系液体で構成された水系分散媒中に、トナー材料で構成された分散質が分散した水系乳化液を調製する(水系乳化液調製工程)。
水系乳化液の調製方法は、特に限定されないが、本実施形態では、混練物の少なくとも一部が溶解した混練物の溶液を得、当該溶液を水系液体に分散させることにより水系乳化液を調製する。なお、本明細書中において、「乳化液(エマルション、乳濁液、乳状液)」とは、液状の分散媒中に、液状の分散質(分散粒子)が分散した分散液のことを指し、「懸濁液(サスペンション)」とは、液状の分散媒中に、固体状(固形)の分散質(懸濁粒子)が分散した分散液(懸濁コロイドを含む)のことを指す。また、分散液中に、液状の分散質と、固体状の分散質とが併存する場合には、分散液中において、液状の分散質の総体積が、固体状の分散質の総体積よりも大きいものを乳化液とし、分散液中において、固体の分散質の総体積が、液状の分散質の総体積よりも大きいものを懸濁液とする。
以下、水系乳化液の調製方法について詳細に説明する。
[混練物溶液(混練物の溶液)の調製]
本実施形態では、まず、混練物の少なくとも一部が溶解した混練物の溶液を得る。
溶液は、混練物と、混練物の少なくとも一部を溶解し得る溶媒とを混合することにより調製することができる。
溶液の調製に用いる溶媒は、混練物の少なくとも一部を溶解しうるものであればいかなるものであってもよいが、通常、後述する水系液体(水系乳化液の調製の用いる水系液体)との相溶性の低いもの(例えば、25℃における水系液体100gに対する溶解度が10g以下の液体)が用いられる。
このような溶媒としては、例えば、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、2−ヘプタノン等のケトン系溶媒、ペンタノール、n−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、イソプレン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒、フラン、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、クロロホルム等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、アクリル酸エチル等のエステル系溶媒、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
溶液中における溶媒の含有率は、特に限定されないが、5〜75wt%であるのが好ましく、10〜70wt%であるのがより好ましく、15〜65wt%であるのがさらに好ましい。溶媒の含有率が前記下限値未満であると、溶媒に対する混練物の溶解性(溶解度)によっては、混練物を十分に溶解するのが困難になる可能性がある。一方、溶媒の含有率が前記上限値を超えると、後の処理で溶媒を除去するのに要する時間が長くなり、液体現像剤の生産性が低下する。また、溶媒の含有率が高すぎると、前述した混練工程で、十分均一に混ざり合った各成分が相分離してしまう可能性があり、これにより、最終的に得られる液体現像剤における各トナー粒子の特性のばらつきを十分に小さくするのが困難になる可能性がある。
なお、溶液中においては、混練物を構成する成分の少なくとも一部が溶解(膨潤を含む)していればよく、溶液中に、溶解していない不溶分が存在していてもよい。
[水系乳化液の調製]
次に、上記のような溶液を水系液体と混合することにより、水系乳化液を得る。この水系乳化液においては、通常、前述した溶媒と混練物の構成材料とを含む分散質が、水系液体で構成された水系分散媒中に分散している。
本明細書中において、「水系液体」とは、少なくとも水(HO)を含む液体のことを指し、好ましくは、主として水で構成されたものである。水系液体中に占める水の含有率は、50wt%以上であるのが好ましく、80wt%以上であるのが好ましく、90wt%以上であるのが好ましい。なお、水系液体は、水以外の成分を含むものであってもよい。例えば、水系液体は、水との相溶性に優れる成分(例えば、25℃における水100gに対する溶解度が30g以上の物質)を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、ピリジン、ピラジン、ピロール等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、アセトアルデヒド等のアルデヒド系溶媒等が挙げられる。
また、水系乳化液の調製には、例えば、分散質の分散性を向上させる目的で、分散剤等を用いてもよい。分散剤としては、例えば、粘度鉱物、シリカ、燐酸三カルシウム等の無機系分散剤、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール等の非イオン性有機分散剤、トリステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩等)、ジステアリン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、バリウム塩等)、ステアリン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、鉛塩、亜鉛塩等)、リノレン酸金属塩(例えば、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、オクタン酸金属塩(例えば、アルミニウム塩、カルシウム塩、コバルト塩等)、パルミチン酸金属塩(例えば、亜鉛塩等)、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ナフテン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン塩、鉛塩、亜鉛塩等)、レジン酸金属塩(例えば、カルシウム塩、コバルト塩、マンガン鉛塩、亜鉛塩等)、ポリアクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリメタクリル酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリマレイン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、アクリル酸−マレイン酸共重合体金属塩(例えば、ナトリウム塩等)、ポリスチレンスルホン酸金属塩(例えば、ナトリウム塩等)等のアニオン性有機分散剤、4級アンモニウム塩等のカチオン性有機分散剤等が挙げられる。水系乳化液の調製に上記のような分散剤を用いることにより、分散質の分散性が向上するとともに、比較的容易に、水系乳化液中での分散質の形状、大きさのばらつきを特に小さいものとし、また、分散質の形状を略球形状とすることができる。
溶液と水系液体との混合は、少なくとも一方の液体を攪拌しつつ行うのが好ましい。これにより、大きさ、形状のばらつきの小さい分散質が均一に分散した乳化液(水系乳化液)を、容易かつ確実に得ることができる。
溶液と水系液体との混合の具体的な方法としては、例えば、容器内の水系液体中に溶液を加える方法(例えば、滴下する方法)、容器内の溶液中に水系液体を加える方法(例えば、滴下する方法)等が挙げられる。これらの場合、少なくとも、攪拌した状態の液体中に、他方の液体を加えるのが好ましい。これにより、上述した効果は更に顕著に発揮される。
水系乳化液中における分散質の含有率は、特に限定されないが、5〜55wt%であるのが好ましく、10〜50wt%であるのがより好ましい。これにより、水系乳化液中における分散質同士の結合(凝集)をより確実に防止しつつ、トナー粒子(液体現像剤)の生産性を特に優れたものとすることができる。
水系乳化液中における分散質の平均粒径は特に限定されないが、0.03〜1.8μmであるのが好ましく、0.1〜1.6μmあるのがより好ましく、0.2〜1.4μmであるのがさらに好ましい。これにより、水系乳化液中における分散質同士の結合(凝集)をより確実に防止することができるとともに、最終的に得られるトナー粒子の大きさを最適なものとすることができる。
なお、上記の説明では、水系乳化液中において、混練物中の成分が分散質に含まれるものとして説明したが、混練物の構成成分の一部が分散媒中に含まれていてもよい。
また、水系乳化液中には、上記以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、帯電制御剤、磁性粉末等が挙げられる。
前記帯電制御剤としては、例えば、安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、ニグロシン染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩素化ポリエステル、ニトロフミン酸等が挙げられる。
前記磁性粉末としては、例えば、マグネタイト、マグヘマイト、各種フェライト類、酸化第二銅、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物や、Fe、Co、Niのような磁性金属を含む磁性材料で構成されたもの等が挙げられる。
また、水系乳化液中には、上記のような材料のほかに、例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化セリウム等が添加されていてもよい。
<水系懸濁液調製工程>
上記のようにして得られた水系乳化液は、そのまま、後述する微粒子結合体製造工程に供するものであってもよいが、本実施形態においては、(液状の分散質が水系分散媒中に分散した)水系乳化液から、固形状の分散質61が分散媒(水系分散媒)62中に分散した水系懸濁液6を得、当該水系懸濁液6を微粒子結合体製造工程に供する。
以下、水系懸濁液6の調製方法について詳細に説明する。
水系懸濁液6の調製は、水系乳化液から分散質を構成する溶媒を除去することにより行うことができる。
溶媒の除去は、例えば、水系乳化液を加熱(加温)したり、減圧雰囲気下に置くことにより行うことができるが、水系乳化液を減圧下で加熱することにより行うものであるのが好ましい。これにより、分散質61の大きさ、形状のばらつきが特に小さい水系懸濁液6を、比較的容易に得ることができる。また、上記のように溶媒を除去することにより、溶媒の除去とともに、脱気処理を施すことができる。これにより、水系懸濁液6中の気体の溶存量を低減させることができ、微粒子結合体製造装置1の分散媒除去部3において、吐出された水系懸濁液6から分散媒62を除去する際に、当該水系懸濁液6中に気泡等が発生するのを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤中に異形状のトナー粒子(中空粒子、欠落粒子等)が混入するのをより効果的に防止することができる。
水系乳化液を加熱(加温)する場合、加熱温度は、30〜110℃であるのが好ましく、40〜100℃であるのがより好ましい。加熱温度が前記範囲内の値であると、異形状の分散質61の発生を十分に防止しつつ(水系乳化液の分散質の内部から溶媒が急激に気化(沸騰)するのを確実に防止しつつ)、溶媒を速やかに除去することができる。
また、水系乳化液を減圧雰囲気下に置く場合、水系乳化液が置かれる雰囲気の圧力は、0.1〜50kPaであるのが好ましく、0.5〜5kPaであるのがより好ましい。水系乳化液が置かれる雰囲気の圧力が前記範囲内の値であると、異形状の分散質61の発生を十分に防止しつつ(水系乳化液の分散質の内部から溶媒が急激に気化(沸騰)するのを確実に防止しつつ)、溶媒を速やかに除去することができる。
なお、溶媒の除去は、少なくとも分散質が固形状となる程度に行われるものであればよく、水系乳化液中に含まれる実質的に全ての溶媒を除去するものでなくてもよい。
水系懸濁液6中における分散質61の平均粒径は、特に限定されないが、0.05〜1.5μmであるのが好ましく、0.1〜1.3μmであるのがより好ましく、0.20〜1.2μmであるのがさらに好ましい。これにより、分散質同士の結合(凝集)をより確実に防止することができるとともに、最終的に得られるトナー粒子の大きさを最適なものとすることができる。
<微粒子結合体製造工程>
次に、水系懸濁液6(水系分散液)から水系分散媒を除去することにより、水系懸濁液6(水系分散液)中の複数の分散質(微粒子)を結合させた微粒子の結合体を得る(微粒子結合体製造工程)。このようにして得られる微粒子結合体は、液体現像剤のトナー粒子として用いることができる。
水系分散媒の除去は、いかなる方法で行ってもよいが、水系分散媒中に分散質が分散した水系懸濁液(水系分散液)の液滴を間欠的に吐出することにより行う吐出工程に引き続き、水系懸濁液を加熱、減圧により分散媒を除去する分散媒除去工程(結合工程)を含むことが好ましい。吐出工程で、均一な大きさの水系懸濁液の液滴を間欠的に吐出することにより、分散媒除去後の微粒子結合体の大きさを均一にすることが出来る。また、分散媒除去工程(結合工程)で分散媒が除去されることに伴い、液滴内での微粒子(分散質)が凝集し、凹凸のある微粒子結合体を効率よく作ることが出来る。加えて、間欠的に吐出を行うことで、異なる液滴間での分散質の凝集等を効果的に防止しつつ、水系分散媒の除去をより効率良く行うことができる。さらに、水系懸濁液(水系分散液)の液滴を間欠的に吐出して水系分散媒の除去を行うことにより、前述した水系懸濁液の調製において、溶媒の一部が残存している場合であっても、この残存している溶媒を水系分散媒とともに効率良く除去することができる。
特に、本実施形態では、図1、図2に示すような微粒子結合体製造装置(トナー粒子製造装置)を用いて、水系分散媒の除去を行う。
[微粒子結合体製造装置]
図1に示すように、微粒子結合体製造装置1は、上述したような水系懸濁液(水系分散液)6を、液滴として間欠的に吐出するヘッド部2と、ヘッド部2に水系懸濁液6を供給する水系懸濁液供給部(水系分散液供給部)4と、ヘッド部2から吐出された液滴状の水系懸濁液6を搬送しつつ分散媒62を除去し、微粒子結合体9とする分散媒除去部3と、製造された微粒子結合体9を回収する回収部5とを有している。
水系懸濁液供給部4は、ヘッド部2に水系懸濁液6を供給する機能を有するものであればよいが、図示のように、水系懸濁液6を攪拌する攪拌手段41を有するものであってもよい。これにより、例えば、分散質61が分散媒(水系分散媒)62中に分散しにくいものであっても、分散質61が十分均一に分散した状態の水系懸濁液6を、ヘッド部2に供給することができる。
ヘッド部2は、水系懸濁液6を微細な液滴(微粒子)として、吐出する機能を有するものである。図示されるようなヘッド部2を有することにより、吐出する液滴の大きさを均一なものとすることができる。
ヘッド部2は、分散液貯留部21と、圧電素子22と、吐出部23とを有している。
分散液貯留部21には、水系懸濁液6が貯留されている。
分散液貯留部21に貯留された水系懸濁液6は、圧電素子22の圧力パルス(圧電パルス)により、吐出部23から、液滴として分散媒除去部3に吐出される。
吐出部23の形状は、特に限定されないが、略円形状であるのが好ましい。これにより、吐出される水系懸濁液6や、分散媒除去部3内において形成される微粒子結合体9の大きさのばらつきを特に小さいものとできる。
吐出部23が略円形状のものである場合、その直径(ノズル径)は、例えば、5〜500μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのがより好ましい。吐出部23の直径が前記下限値未満であると、目詰まりが発生し易くなり、吐出される液滴の大きさのばらつきが大きくなる場合がある。一方、吐出部23の直径が前記上限値を超えると、分散液貯留部21の負圧と、ノズルの表面張力との力関係によっては、吐出される水系懸濁液6の液滴が気泡を抱き込んでしまう可能性がある。
また、ヘッド部2の吐出部23付近(特に、吐出部23の開口内面や、ヘッド部2の吐出部23が設けられている側の面(図中の下側の面))は、水系懸濁液6に対し撥液性(撥水性)を有するのが好ましい。これにより、水系懸濁液6が吐出部付近に付着するのを効果的に防止することができる。その結果、いわゆる、液切れの悪い状態になったり、水系懸濁液6の吐出不良が発生するのを効果的に防止することができる。また、吐出部付近への水系懸濁液6の付着が効果的に防止されることにより、吐出される液滴の形状の安定性が向上し(各液滴間での形状、大きさのばらつきが小さくなり)、最終的に得られるトナー粒子の形状、大きさのばらつきも小さくなる。
このような撥液性を有する材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂や、シリコーン系材料等が挙げられる。
図2に示すように、圧電素子22は、下部電極(第1の電極)221、圧電体222および上部電極(第2の電極)223が、この順で積層されて構成されている。換言すれば、圧電素子22は、上部電極223と下部電極221との間に、圧電体222が介挿された構成とされている。
この圧電素子22は、振動源として機能するものであり、振動板24は、圧電素子(振動源)22の振動により振動し、分散液貯留部21の内部圧力を瞬間的に高める機能を有するものである。
ヘッド部2は、圧電素子駆動回路(図示せず)から所定の吐出信号が入力されていない状態、すなわち、圧電素子22の下部電極221と上部電極223との間に電圧が印加されていない状態では、圧電体222に変形が生じない。このため、振動板24にも変形が生じず、分散液貯留部21には容積変化が生じない。したがって、吐出部23から水系懸濁液6は吐出されない。
一方、圧電素子駆動回路から所定の吐出信号が入力された状態、すなわち、圧電素子22の下部電極221と上部電極223との間に所定の電圧が印加された状態では、圧電体222に変形が生じる。これにより、振動板24が大きくたわみ(図2中下方にたわみ)、分散液貯留部21の容積の減少(変化)が生じる。このとき、分散液貯留部21内の圧力が瞬間的に高まり、吐出部23から粒状の水系懸濁液6が吐出される。
1回の水系懸濁液6の吐出が終了すると、圧電素子駆動回路は、下部電極221と上部電極223との間への電圧の印加を停止する。これにより、圧電素子22は、ほぼ元の形状に戻り、分散液貯留部21の容積が増大する。なお、このとき、水系懸濁液6には、水系懸濁液供給部4から吐出部23へ向かう圧力(正方向への圧力)が作用している。このため、空気が吐出部23から分散液貯留部21へ入り込むことが防止され、水系懸濁液6の吐出量に見合った量の水系懸濁液6が水系懸濁液供給部4から分散液貯留部21へ供給される。
上記のような電圧の印加を所定の周期で行うことにより、圧電素子22が振動し、粒状の水系懸濁液6が繰り返し吐出される。
このように、水系懸濁液6の吐出(噴射)を、圧電体222の振動による圧力パルスで行うことにより、水系懸濁液6を一滴ずつ間欠的に吐出することができ、また、吐出される水系懸濁液6の液滴の形状が安定する。
その結果、各トナー粒子間での形状、大きさのばらつきを特に小さいものとすることができる。
また、水系懸濁液6の吐出に圧電体の振動を用いることにより、より確実に水系懸濁液を所定間隔で吐出することができる。このため、吐出される液滴同士が、衝突、凝集するのを効果的に防止することができ、異形状の微粒子結合体9の形成をより効果的に防止することができる。
ヘッド部2から分散媒除去部3に吐出される水系懸濁液6の液滴の初速度は、例えば、0.1〜10m/秒であるのが好ましく、2〜8m/秒であるのがより好ましい。水系懸濁液6の初速度が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、水系懸濁液6の初速度が前記上限値を超えると、微粒子結合体9の形状のばらつきが大きいものとなる。
また、ヘッド部2から吐出される水系懸濁液6の粘度は、特に限定されないが、例えば、0.5〜200[mPa・s]であるのが好ましく、1〜25[mPa・s]であるのがより好ましい。水系懸濁液6の粘度が前記下限値未満であると、吐出される水系懸濁液6の大きさを十分に制御するのが困難となり、最終的に得られるトナー粒子のばらつきが大きくなる場合がある。一方、水系懸濁液6の粘度が前記上限値を超えると、形成される粒子の径が大きくなり、水系懸濁液6の吐出速度が遅くなるとともに、水系懸濁液6の吐出に要するエネルギー量も大きくなる傾向を示す。また、水系懸濁液6の粘度が特に大きい場合には、水系懸濁液6を液滴として吐出できなくなる。
また、ヘッド部2から吐出される水系懸濁液6は、予め冷却されたものであってもよい。このように水系懸濁液6を冷却することにより、例えば、吐出部23付近における水系懸濁液6からの分散媒62の不本意な蒸発(揮発)を効果的に防止することができる。その結果、吐出部の開口面積が経時的に小さくなることによる水系懸濁液6の吐出量変化等を効果的に防止することができ、各粒子間での大きさ、形状のばらつきが特に小さいトナーを得ることができる。
また、水系懸濁液6の一滴分の吐出量は、水系懸濁液6中に占める分散質61の含有率等により若干異なるが、0.05〜500plであるのが好ましく、0.5〜50plであるのがより好ましい。水系懸濁液6の一滴分の吐出量をこのような範囲の値にすることにより、形成される微粒子結合体9を適度な粒径のものにすることができる。
また、ヘッド部2から吐出される液滴の平均粒径は、水系懸濁液6中に占める分散質61の含有率等により若干異なるが、1.0〜100μmであるのが好ましく、5〜50μmであるのがより好ましい。液滴の平均粒径をこのような範囲の値にすることにより、形成される微粒子結合体9を適度な粒径のものにすることができる。
圧電素子22の振動数(圧電パルスの周波数)は、特に限定されないが、1kHz〜500MHzであるのが好ましく、5kHz〜200MHzであるのがより好ましい。圧電素子22の振動数が前記下限値未満であると、トナーの生産性が低下する。一方、圧電素子22の振動数が前記上限値を超えると、粒状の水系懸濁液6の吐出が追随できなくなり、水系懸濁液6一滴分の大きさのばらつきが大きくなり、結果として、形成される微粒子結合体9の大きさのばらつきが大きくなる可能性がある。
図示の構成の微粒子結合体製造装置1は、ヘッド部2を複数個有している。そして、これらのヘッド部2から、それぞれ、粒状の水系懸濁液6の液滴が分散媒除去部3に吐出される。
各ヘッド部2は、ほぼ同時に水系懸濁液6の液滴を吐出するものであってもよいが、少なくとも隣り合う2つのヘッド部で、水系懸濁液6の液滴の吐出タイミングが異なるように制御されたものであるのが好ましい。これにより、隣接するヘッド部2から吐出された液滴から微粒子結合体9が形成される前に、液滴同士が衝突し、不本意な凝集が発生するのをより効果的に防止することができる。
また、図1に示すように、微粒子結合体製造装置1は、ガス流供給手段10を有しており、このガス流供給手段10から供給されたガスが、ダクト101を介して、ヘッド部2−ヘッド部2間に設けられた各ガス噴射口7から、ほぼ均一の圧力で噴射される構成となっている。これにより、吐出部23から間欠的に吐出された液滴の間隔を保ち、液滴同士が衝突するのを効果的に防止しつつ、微粒子結合体9を形成することができる。その結果、形成される微粒子結合体9の大きさ、形状のばらつきをより小さくすることができる。
また、ガス流供給手段10から供給されたガスをガス噴射口7から噴射することにより、分散媒除去部3において、ほぼ一方向(図中、下方向)に流れるガス流を形成することができる。このようなガス流が形成されると、分散媒除去部3内で形成された微粒子結合体9をより効率良く搬送することができる。これにより、微粒子結合体9の回収効率が向上し、液体現像剤の生産性が向上する。
また、ガス噴射口7からガスが噴射されることにより、各ヘッド部2から吐出される液滴の間に気流カーテンが形成され、例えば、隣り合うヘッド部から吐出された各液滴間での衝突、凝集をより効果的に防止することが可能となる。
また、ガス流供給手段10には、熱交換器11が取り付けられている。これにより、ガス噴射口7から噴射されるガスの温度を好ましい値に設定することができ、分散媒除去部3に吐出された粒状の水系懸濁液6から分散媒62を効率良く除去することができる。
また、このようなガス流供給手段10を有すると、ガス流の供給量を調整すること等により、吐出部23から吐出された水系懸濁液6からの分散媒62の除去速度等を容易にコントロールすることも可能となる。
ガス噴射口7から噴射されるガスの温度は、水系懸濁液6中に含まれる分散質61、分散媒62の組成等により異なるが、通常、0〜70℃であるのが好ましく、15〜60℃であるのがより好ましい。ガス噴射口7から噴射されるガスの温度がこのような範囲の値であると、得られる微粒子結合体9の形状の均一性、安定性を十分に高いものとしつつ、液滴中に含まれる分散媒62を効率良く除去することができる。
また、ガス噴射口7から噴射されるガスの湿度は、例えば、50%RH以下であるのが好ましく、30%RH以下であるのがより好ましい。ガス噴射口7から噴射されるガスの湿度が50%RH以下であると、後述する分散媒除去部3において、水系懸濁液6に含まれる分散媒62を効率良く除去することが可能となり、微粒子結合体9の生産性がさらに向上する。
分散媒除去部3は、筒状のハウジング31で構成されている。分散媒除去部3内の温度を所定の範囲に保つ目的で、例えば、ハウジング31の内側または外側に熱源、冷却源を設置したり、ハウジング31を、熱媒体または冷却媒体の流路が形成されたジャケットとしてもよい。
また、図示の構成では、ハウジング31内の圧力は、圧力調整手段12により調整される構成となっている。このように、ハウジング31内の圧力を調整することにより、より効率良く微粒子結合体9を形成することができ、結果として、液体現像剤の生産性が向上する。なお、図示の構成では、圧力調整手段12は、接続管121でハウジング31に接続されている。また、接続管121のハウジング31と接続する端部付近には、その内径が拡大した拡径部122が形成されており、さらに、微粒子結合体9等の吸い込みを防止するためのフィルター123が設けられている。
ハウジング31内の圧力は、特に限定されないが、150kPa以下であるのが好ましく、100〜120kPaであるのがより好ましく、100〜110kPaであるのがさらに好ましい。ハウジング31内の圧力が前記範囲内の値であると、例えば、液滴からの急激な分散媒62の除去(沸騰現象)等を効果的に防止することができ、異形状の微粒子結合体9の発生等を十分に防止しつつ、より効率良く微粒子結合体9を製造することができる。なお、ハウジング31内の圧力は、各部位でほぼ一定であってもよいし、各部位で異なるものであってもよい。
また、ハウジング31には、電圧を印加するための電圧印加手段8が接続されている。電圧印加手段8で、ハウジング31の内面側に、微粒子結合体9(水系懸濁液6の液滴)と同じ極性の電圧を印加することにより、これにより、以下のような効果が得られる。
通常、微粒子結合体9等は、正または負に帯電している。このため、微粒子結合体9と異なる極性に帯電した帯電物があると、微粒子結合体9は、当該帯電物に、静電的に引き付けられ付着するという現象が起こる。一方、微粒子結合体9と同じ極性に帯電した帯電物があると、当該帯電物と微粒子結合体9とは、互いに反発しあい、前記帯電物表面に微粒子結合体9が付着するという現象を効果的に防止することができる。したがって、ハウジング31の内面側に、粒状の微粒子結合体9と同じ極性の電圧を印加することにより、ハウジング31の内面に微粒子結合体9が付着するのを効果的に防止することができる。これにより、異形状の微粒子結合体9の発生をより効果的に防止することができるとともに、微粒子結合体9の回収効率も向上する。
また、ハウジング31は、回収部5付近に、図1中の下方向に向けて、その内径が小さくなる縮径部311を有している。このような縮径部311が形成されることにより、微粒子結合体9を効率良く回収することができる。
そして、上記のようにして形成された微粒子結合体9は、回収部5に回収される。
ヘッド部2から吐出された粒状の水系懸濁液6は、分散媒除去部3を搬送されつつ固化することにより、分散質61由来の複数個の微粒子が凝集した微粒子結合体9になる。すなわち、吐出された水系懸濁液6中の分散媒62が除去されるのに伴い、水系懸濁液6中に含まれる分散質61が凝集し、その結果、微粒子結合体9が得られる。なお、分散質61中に前述したような溶媒が含まれる場合には、通常、当該溶媒も分散媒除去部3において除去される。水系懸濁6中に含まれる分散質61の粒径は、通常、得られる微粒子結合体(吐出される粒状の水系懸濁液6)に比べて、十分に小さいものである。したがって、比較的均一な量の水系懸濁液6の液滴を乾燥して得られる微粒子結合体は微粒子が比較的均一な個数集まったものとなり、粒径、特性のばらつきが小さなものとなる。
また、固化部3内において分散媒61が除去されるため、得られる微粒子結合体は通常、吐出部23から吐出される液滴状の水系懸濁液6に比べて小さいものとなる。このため、吐出部23の面積が比較的大きい場合であっても、得られる微粒子結合体9の大きさを比較的小さいものとすることができる。したがって、本発明では、ヘッド部2が、特別な精密加工を施すことにより得られたものでなくても(比較的容易に製造できるものであっても)、十分に微細な微粒子結合体9を得ることができる。また、吐出部23の面積を極端に小さくする必要がないので、比較的容易に、各ヘッド部2から吐出される水系懸濁液6の粒度分布を、十分にシャープなものとすることができる。その結果、得られる微粒子結合4も、各粒子間での粒径のばらつきの小さいもの、すなわち、粒度分布がシャープなものとなる。
また、上記のようにして得られる微粒子結合体9は、水系懸濁液6の分散媒62が除去されることにより得られる粒状物であればよく、例えば、その内部に分散媒の一部が残存していてもよい。
上記のような微粒子結合体9は、そのまま分散工程に供してもよいが、分散処理工程前後に必要に応じて、分級処理、外添処理、乾燥処理等の各種処理を施してもよい。
<分散工程>
分散工程では、上記のようにして得られた微粒子結合体を、液体現像剤を構成する不飽和脂肪酸グリセリドを含んだ絶縁性液体中で分散し、微粒子結合体がトナー粒子として分散した液体現像剤を得る。不飽和脂肪酸グリセリドを含んだ絶縁性液体中で分散を行うことにより、微粒子結合体の凹凸に不飽和脂肪酸グリセリドを効率よく保持させることが出来る。また、絶縁性液体の構成成分の一部にて分散を行った後、残りの構成成分を加えてもよい。例えば、絶縁性液体が不飽和脂肪酸グリセリドと脂肪酸モノエステルで構成されている場合、脂肪酸モノエステルにて分散を行い、分散後に不飽和脂肪酸グリセリドを加えてもよい。
≪液体現像剤≫
上記のような液体現像剤の製造方法により、トナー粒子の粒度分布の幅が特に狭く、形状、特性のばらつきが特に小さい液体現像剤が容易に得られる。また、絶縁性液体に植物由来の油脂を用いているため、安全かつ環境に優しい液体現像剤となる。
このような液体現像剤を用いた場合、現像、転写性、トナー粒子の記録媒体への定着強度に優れ、解像度に優れたトナー画像が得られる。また、このような液体現像剤は、トナー粒子が絶縁性液体中(液体現像剤中)で泳動し易く、高速現像にも有利である。
以上、本発明の液体現像剤の製造方法の好適な実施形態として樹脂と着色材料を含んだ分散質の分散液を吐出させ、吐出液を乾燥させて微粒子結合体を得る方法を説明したが、本発明の液体現像剤の製法は上述の方法に限定されない。
例えば乳化重合により樹脂分散液を調製し、一方で、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を調製し、これらを混合、凝集させて、微粒子が結合した粒子を得る乳化重合凝集法により、微粒子結合体を製造してもよい。凝集を行う工程では、互いに混合された樹脂粒子分散液、着色剤分散液の混合分散液中の樹脂粒子、着色剤粒子等が凝集して微粒子結合体を形成する。微粒子結合体はヘテロ凝集等により形成され、微粒子結合体の安定化、粒度/粒度分布制御を目的として、微粒子結合体とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物を添加することにより形成できる。上述の方法では容易に微粒子結合体を製造することができる。また、比較的低温でのトナー粒子の製造が可能であり、比較的軟化温度の低い樹脂を用いることができる。このため、得られた微粒子結合体は、トナー粒子として用いた場合、高速印刷適性に優れている。
また、微粒子結合体に対して、樹脂のガラス転移点以上の温度条件で熱処理を行い、接合処理を行ってもよい。これにより、微粒子同士の結合をより強くさせることができるとともに、微粒子結合体の凹凸の深さを任意に制御することができる。また、熱処理による接合処理を行った場合、微粒子結合体中の含水量をさらに低下させることができる。
また、この微粒子結合体を絶縁性液体中で解砕し、解砕物がトナー粒子として分散した液体現像剤を得てもよい。絶縁性液体中で解砕しているので、凝集等によって粗大化したトナー粒子が発生するのを防止することができる。また、解砕することで微粒子(分散質)に由来するトナー粒子の表面の凹凸に絶縁性液体を容易に保持させることができ、その結果、トナー粒子の分散性を高いものとすることができる。さらに、微粒子結合体を解砕することによりトナー粒子を得るので、従来の粉砕法や湿式粉砕法と比較して、微粉(目的の大きさの粒子よりも極端に小さい粒子)の発生を効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる液体現像剤の帯電特性等の特性の低下を効果的に防止することができる。
また、絶縁性液体の一部を用いて解砕する場合、解砕した後に、解砕に用いた液体と同じ液体を絶縁性液体として添加するものであってもよいし、また、解砕した後に、解砕に用いた液体とは異なる液体を絶縁性液体として添加するものであってもよい。後者の場合、最終的に得られる液体現像剤の粘度等の特性を容易に調整することができる。すなわち、脂肪酸モノエステル等の粘度の低い絶縁性液体にて解砕を行い、解砕後に不飽和脂肪酸グリセリド等の残りの比較的高粘度の絶縁性液体を加えることで、容易に粘度を調製することができる。また、低粘度の絶縁性液体にて解砕することにより、効率よく微粒子結合体を解砕できる。
≪画像形成方法および画像形成装置≫
次に、上述したような液体現像剤を用いる本発明の画像形成方法および画像形成装置の好適な実施形態について説明する。本発明の画像形成装置は上述したような液体現像剤を用いるものであり、トナー粒子が付着した記録媒体に対して加熱しつつ圧力をかけることによりトナー粒子を記録媒体に定着させる機構を有する。
<第1実施形態>
まず、本発明の画像形成装置の第1実施形態について説明する。
図3は、本発明の画像形成装置の一例を示すものであり、図4は図3に示す画像形成装置が有する定着装置の断面を示す図である。なお、図3では定着装置を省略して画像形成装置を図示した。画像形成装置P1には、円筒状の感光体P2のドラムを有し、エピクロロヒドリンゴム等で構成された帯電器P3によりその表面が均一に帯電された後、レーザーダイオード等によって記録すべき情報に応じた露光P4が行なわれて静電潜像が形成される。
現像器P10は、現像剤容器P11中にその一部が浸漬された塗布ローラP12、現像ローラP13を有している。塗布ローラP12は、例えば、ステンレス等の金属製のグラビアローラであり、現像ローラP13と対向して回転する。また、塗布ローラP12の表面には、液体現像剤塗布層P14が形成され、メータリングブレードP15によってその厚さが一定に保持される。
そして、塗布ローラP12から現像ローラP13に対して液体現像剤が転写される。現像ローラP13は、ステンレス等の金属製のローラ芯体P16上に低硬度シリコーンゴム層を有し、その表面には導電性のPFA(ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体)製の樹脂層が形成されており、感光体P2と等速で回転して液体現像剤を潜像部に転写する。感光体P2へ転写後に現像ローラP13に残った液体現像剤は、現像ローラクリーニングブレードP17によって除去されて現像剤容器P11内へ回収される。
また、感光体から中間転写ローラへのトナー画像の転写の後には、感光体は、除電光P21によって除電されるとともに、感光体上に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP22によって除去される。
同様に、中間転写ローラP18から情報記録媒体P20へ転写後に中間転写ローラP18に残留した転写残りトナーは、ウレタンゴム等で構成されたクリーニングブレードP23によって除去される。
感光体P2上に形成されたトナー像は、中間転写ローラP18に対して転写された後に、二次転写ローラP19に転写電流を通電して、両者の間を通過する紙等の情報記録媒体P20に画像が転写され、紙等の情報記録媒体P20上でのトナー画像は図4に示す定着装置使用して定着が行われる。なお、一色の液体現像剤による画像形成について説明したが、複数色のカラートナーを用いて画像形成する場合には、複数色の現像器を用いて各色の画像を形成してカラー画像を形成することができる。
図4は本発明の画像形成装置が有する定着装置の断面図である。
図4に示すように、定着装置F40は、熱定着ロール(以下、加熱ロールとも言う)F1、加圧ロールF2、耐熱ベルトF3、ベルト張架部材F4、およびクリーニング部材F6を備えている。
熱定着ロールF1は、外径25mm程度、肉厚0.7mm程度のパイプ材をロール基材F1bとして、その外周に厚み0.4mm程度の弾性体F1cを被覆して形成され、ロール基材F1bの内部に、加熱源として1,050W、2本の柱状ハロゲンランプF1aが内蔵されており、図に矢印で示す反時計方向に回転可能になっている。また、加圧ロールF2は、外径25mm程度、肉厚0.7mm程度のパイプ材をロール基材F2bとして、その外周に厚み0. 2mm程度の弾性体F2cを被覆して形成し、熱定着ロールF1と加圧ロールF2の圧接力を10kg以下、ニップ長を10mm程度で構成し、熱定着ロールF1に対向して配置し、図に矢印で示す時計方向に回転可能になっている。
このように、熱定着ロールF1および加圧ロールF2の外径が25mm程度の小径に構成されているため、定着後のシート材F5が熱定着ロールF1または耐熱ベルトF3に巻き付くことがなく、シート材を強制的に剥がすための手段が不要となっている。また、熱定着ロールF1の弾性体F1cの表層には約30μmのPFA層を設けることで、その分剛性が向上する。これにより、各弾性体F1c、2cの厚みは異なるが、両弾性体F1c、2cは略均一な弾性変形をして、いわゆる水平ニップが形成され、また、熱定着ロールF1の周速に対して耐熱ベルトF3またはシート材F5の搬送速度に差異が生じることもないので、極めて安定した画像定着が可能となる。
また、熱定着ロールF1の内部に、加熱源を構成する2本の柱状ハロゲンランプF1a、F1aが内蔵されており、これらの柱状ハロゲンランプF1a、F1aの発熱エレメントはそれぞれ異なった位置に配置されている。そして、各柱状ハロゲンランプF1a、F1aが選択的に点灯されることにより、耐熱ベルトF3が熱定着ロールF1に巻き付いた定着ニップ部位とベルト張架部材F4が熱定着ロールF1に摺接する部位との異なる条件や、幅の広いシート材と幅の狭いシート材との異なる条件下での温度コントロールが容易に行われるようになっている。
耐熱ベルトF3は、加圧ロールF2とベルト張架部材F4の外周に張架されて移動可能とされ、熱定着ロールF1と加圧ロールF2との間に挟圧されるエンドレスの環状のベルトである。この耐熱ベルトF3は0.03mm以上の厚みを有し、その表面(シート材F5が接触する側の面)をPFAで形成し、また、裏面(加圧ロールF2およびベルト張架部材F4と接触する側の面)をポリイミドで形成した2層構成のシームレスチューブで形成されている。耐熱ベルトF3は、これに限定されず、ステンレス管やニッケル電鋳管等の金属管、シリコーン等の耐熱樹脂管等の他の材料で形成することもできる。
ベルト張架部材F4は、熱定着ロールF1と加圧ロールF2との定着ニップ部よりもシート材F5搬送方向上流側に配設されるとともに、加圧ロールF2の回転軸F2aを中心として矢印P方向に揺動可能に配設されている。ベルト張架部材F4は、シート材F5が定着ニップ部を通過しない状態において、耐熱ベルトF3を熱定着ロールF1の接線方向に張架するように構成されている。シート材F5が定着ニップ部に進入する初期位置で定着圧力が大きいと進入がスムーズに行われなくて、シート材F5の先端が折れた状態で定着される場合があるが、このように耐熱ベルトF3を熱定着ロールF1の接線方向に張架する構成にすることで、シート材F5の進入がスムーズに行われるシート材F5の導入口部が形成でき、安定したシート材F5の定着ニップ部への進入が可能となる。
ベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3の内周に嵌挿されて加圧ロールF2と協働して耐熱ベルトF3に張力fを付与する略半月状のベルト摺動部材(耐熱ベルトF3はベルト張架部材F4上を摺動する)である。このベルト張架部材F4は、耐熱ベルトF3が熱定着ロールF1と加圧ロールF2との押圧部接線Lより熱定着ロールF1側に巻き付けてニップを形成する位置に配置される。突壁F4aはベルト張架部材F4の軸方向一端または両端に突設されており、この突壁F4aは、耐熱ベルトF3が軸方向端の一方に寄った場合に、この耐熱ベルトF3がこの突壁F4aに当接することで耐熱ベルトF3の端への寄りを規制するものである。突壁F4aの熱定着ロールF1と反対側の端部とフレームF7との間にスプリングF9が縮設されていて、ベルト張架部材F4の突壁F4aが熱定着ロールF1に軽く押圧され、ベルト張架部材F4が熱定着ロールF1に摺接して位置決めされる。
耐熱ベルトF3を加圧ロールF2とベルト張架部材F4とにより張架して加圧ロールF2で安定して駆動するには、加圧ロールF2と耐熱ベルトF3との摩擦係数をベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3との摩擦係数より大きく設定するとよい。しかし、摩擦係数は、耐熱ベルトF3と加圧ロールF2との間あるいは耐熱ベルトF3とベルト張架部材F4との間への異物の侵入や、耐熱ベルトF3と加圧ロールF2およびベルト張架部材F4との接触部の摩耗などによって不安定になる場合がある。
そこで、加圧ロールF2と耐熱ベルトF3の巻き付け角よりベルト張架部材F4と耐熱ベルトF3の巻き付け角が小さくなるように、また、加圧ロールF2の径よりベルト張架部材F4の径が小さくなるように設定する。これにより、耐熱ベルトF3がベルト張架部材F4を摺動する長さが短くなり、経時変化や外乱などに対する不安定要因から回避でき、耐熱ベルトF3を加圧ロールF2で安定して駆動することができるようになる。
さらに、クリーニング部材F6が加圧ロールF2とベルト張架部材F4との間に配置されており、このクリーニング部材F6は耐熱ベルトF3の内周面に摺接して耐熱ベルトF3の内周面の異物や摩耗粉等をクリーニングするものである。このように異物や摩耗粉等をクリーニングすることで、耐熱ベルトF3をリフレッシュし、前述の摩擦係数の不安定要因を除去している。また、ベルト張架部材F4に凹部F4fが設けられており、この凹部F4fは、耐熱ベルトF3から除去した異物や摩耗粉等の収納に好適である。
ベルト張架部材F4が熱定着ロールF1に軽く押圧される位置がニップ初期位置とされ、また、熱定着ロールF1に加圧ロールF2が押圧する位置がニップ終了位置とされる。そして、シート材F5はニップ初期位置から定着ニップ部に進入して耐熱ベルトF3と熱定着ロールF1との間を通過し、ニップ終了位置から抜け出ることで、シート材F5上に形成された未定着トナー画像F5aが定着され、その後、熱定着ロールF1への加圧ロールF2の押圧部の接線方向Lに排出される。
未定着トナー画像を定着する際の定着温度は、100〜200℃であるのが好ましく、100〜180℃であるのがより好ましい。このような定着温度であると、酸化防止剤として前述したようなものが含まれる場合には、酸化防止剤の分解が容易となり、トナー粒子の定着強度をより効果的に向上させることができる。また、このような定着温度が前記範囲内の値であると、不飽和脂肪酸成分の酸化重合反応をより効果的に進行させることができる。このような傾向は、液体現像剤中に酸化重合促進剤が含まれる場合において、より顕著に発揮される。
また、紫外線照射手段F8のように、上記のようにして排出されたシート材F5のトナー画像F5aが形成されている面に対して、紫外線を照射する装置を設置することが好ましい。
記録媒体上の未定着のトナー画像を熱定着ローラで加熱し、その後紫外線照射することにより、記録媒体に染み込んだ不飽和脂肪酸成分が確実に酸化重合して、定着に寄与することができる。これにより、染み込んだ絶縁性液体中の不飽和脂肪酸成分を熱と紫外線照射により固化させて、アンカー効果を起こし、トナー粒子を記録媒体上に強固に定着させることができる。加えて、不飽和脂肪酸成分の酸化重合を利用することにより、熱定着ローラによって特に高い温度に加熱しなくても、トナー粒子を記録媒体上に強固に定着させることができる。さらに、定着に大きな熱量を必要としないため、前述した定着ニップ部を通過する時間を比較的短いものとしても、紫外線照射によって十分にトナー粒子を記録媒体上に定着させることができる。すなわち、定着に時間がかからないため、印刷速度のさらなる高速化を図ることができる。また、定着に大きい熱量を必要としないため、省エネルギー化も図ることができ、環境に優しいトナー定着を行える。
<第2実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の非接触方式の画像形成装置の一例を示すものである。非接触方式にあっては、現像ローラP13には0.5mm厚のリン青銅板で構成された帯電ブレードP24が設けられる。帯電ブレードP24は液体現像剤層に接触して摩擦帯電させる機能を有すると共に、塗布ローラP12がグラビアロールであるために現像ローラP13上にはグラビアロール表面の凹凸に応じた現像剤層が形成されるので、その凹凸を均一に均す機能を果たすものであり、配置方向としては現像ローラの回転方向に対してカウンタ方向でもトレイル方向のいずれでもよく、また、ブレート形状ではなくローラ形状でもよい。
また、現像ローラP13と感光体P2との間は、200μm〜800μmの間隔が設けられると共に、現像ローラP13と感光体P2との間には直流電圧200〜800Vに重畳される500〜3000Vpp、周波数50〜3000Hzの交流電圧が印加されるのが好ましい。それ以外は、図3を参照しつつ説明した画像形成装置と同様である。
上述のような方法、装置を用いて画像形成を行った場合、未定着トナー画像F5aを定着する際に熱を未定着トナー画像F5aに加えることにより、トナー粒子表面に付着した不飽和脂肪酸グリセリドの酸化重合反応が起こり、トナー間の絶縁性液体の固化反応が起こる結果、定着強度が特に優れ、画像解像度が特に優れたトナー画像が得られる。また、低温、高速で定着した場合においても、不飽和脂肪酸グリセリドの固化反応が行われることで、優れた定着強度を得ることが出来る。また、低温にて定着を行うことで省エネルギー化を図ることができ、環境に優しいトナー定着が行える。さらに、定着に紫外線照射装置を用いた場合、これらの効果はより顕著なものとなる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の液体現像剤は、前述したような方法により製造されたものに限定されず、いかなる方法で製造されたものであってもよい。例えば、絶縁性液体中で、前述したような粉砕物を熱溶融して分散し、これを冷却することにより製造されたものであってもよい。このような場合、絶縁性液体中に酸化防止剤が含まれていると、製造工程においても、不飽和脂肪酸成分の酸化による劣化を防止することができる。なお、このような場合、必要に応じて、冷却した後にさらに酸化防止剤を加えてもよい。
また、微粒子結合体製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮する任意のものと置換、または、その他の構成を追加することもできる。
また、本発明の液体現像剤は、前述したような画像形成装置に適用されるものに限定されない。
また、前述した実施形態では、微粒子結合体製造工程で得られた微粒子結合体を一旦回収した後、分散工程に供するものとして説明したが、微粒子結合体を粉体として回収することなく、直接、分散工程に供してもよい。例えば、図示のような微粒子結合体製造装置1は、絶縁性液体を貯留し、かつ、製造された微粒子結合体が供給される分散部を有するものであってもよい。すなわち、回収部5に貯留しておいた絶縁性液体に、製造された微粒子結合体を直接分散させてもよい。これにより、液体現像剤をより効率良く製造することができるとともに、微粒子結合体間での不本意な凝集等をより効果的に防止することができる。
また、図6に示すように、ヘッド部2に、音響レンズ(凹面レンズ)25が設置されていてもよい。このような音響レンズ25が設置されることにより、例えば、圧電素子22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)を、吐出部23付近の圧力パルス収束部26で収束させることができる。その結果、圧電素子22が発生した振動エネルギーを、水系懸濁液6を吐出させるためのエネルギーとして、効率よく利用することができる。したがって、分散液貯留部21に貯留された水系懸濁液6が比較的高粘度のものであっても、確実に吐出部23から吐出させることができる。また、分散液貯留部21に貯留された水系懸濁液6が凝集力(表面張力)の比較的大きいものであっても、微細な液滴として吐出することが可能となるため、容易かつ確実に、微粒子結合体9の粒径を比較的小さい値にコントロールすることができる。
このように、図示のような構成とすることにより、水系懸濁液6として、より粘度の高い材料や、凝集力の大きい材料を用いた場合であっても、微粒子結合体9を所望の形状、大きさにコントロールすることができるので、材料選択の幅が特に広くなり、所望の特性を有するトナーをさらに容易に得ることができる。
また、図示のような構成とした場合、収束した圧力パルスにより水系懸濁液6を吐出させるため、吐出部23の面積(開口面積)が比較的大きい場合であっても、吐出する水系懸濁液6の大きさを比較的小さいものにすることができる。すなわち、微粒子結合体9の粒径を比較的小さくしたい場合であっても、吐出部23の面積を大きくすることができる。これにより、水系懸濁液6が比較的高粘度のものであっても、吐出部23における目詰まりの発生等をより効果的に防止することができる。
音響レンズとしては、凹面レンズに限定されず、例えば、フレネルレンズ、電子走査レンズ等を用いてもよい。
さらに、図7〜図9に示すように、音響レンズ25と吐出部23との間に、吐出部23に向けて、収斂する形状を有する絞り部材13等を配置してもよい。これにより、圧電素子22が発生した圧力パルス(振動エネルギー)の収束を補助することができ、圧電素子22が発生した圧力パルスをさらに効率よく利用することができる。
また、前述した実施形態では、トナーの構成成分が固形成分として、分散質中に含まれるものとして説明したが、トナーの構成成分の少なくとも一部は、分散媒中に含まれていてもよい。
また、前述した実施形態では圧電パルスによりヘッド部から水系懸濁液(水系分散液)を間欠的に吐出するものとして説明したが、水系懸濁液(水系分散液)の吐出方法(噴射方法)としては、他の方法を用いることもできる。例えば、分散液を吐出(噴射)する方法としては、スプレードライ法や、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法等の方法のほか、「分散液を、ガス流で平滑面に押し付けて薄く引き伸ばして薄層流とし、当該薄層流を前記平滑面から離して微小な液滴として噴射するようなノズルを用いて、分散液を液滴状に噴射する方法(特願2002−321889号明細書に記載されたような方法)」等を用いてもよい。スプレードライ法は、高圧のガスを用いて、液体(分散液)を噴射(噴霧)させることにより、液滴を得る方法である。また、いわゆるバブルジェット(「バブルジェット」は登録商標)法を適用した方法としては、特願2002−169348号明細書に記載された方法等が挙げられる。すなわち、分散液を吐出(噴射)する方法として、「気体の体積変化によりヘッド部から分散液を間欠的に吐出する方法」を適用することができる。
また、微粒子結合体の形成は、水系懸濁液(水系分散液)の吐出により行うものでなくてもよい。例えば、水系懸濁液をろ過することにより、分散質に相当する微粒子の凝集体を濾別し、これを微粒子結合体としてもよい。
また、前述した実施形態では、混練物の粉砕物を用いて水系乳化液の調製を行うものとして説明したが、混練物の粉砕工程等は省略してもよい。
また、水系乳化液、水系懸濁液の調製方法は、前述したような方法に限定されない。例えば、固体状態の分散質が分散した分散液を加熱することにより、分散質を一旦液状として水系乳化液を得、当該水系乳化液を冷却することにより水系懸濁液を得てもよい。
また、前述した実施形態では、水系乳化液を用いて一旦水系懸濁液を得た後、当該水系懸濁液を用いて微粒子結合体を製造するものとして説明したが、水系懸濁液を介することなく、水系乳化液から直接微粒子結合体を得る構成であってもよい。例えば、水系乳化液を液滴状に吐出し、当該液滴から分散媒中の溶媒とともに分散媒を除去することにより微粒子結合体を得てもよい。
また、本発明で用いる不飽和脂肪酸グリセリドは、化学合成(人工合成)されたものであってもよい。
(実施例1)
[微粒子結合体の作製]
まず、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(軟化温度:125℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを用意した。
これらの各成分を20L型のヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー製造用の原料を得た。
次に、この原料(混合物)を、2軸混練押出機を用いて、混練した。
2軸混練押出機のプロセス部における原料の温度が105〜115℃となるように設定した。原料の混錬に要する時間は約4分間であった。
このようにして2軸混練押出機の押出口から押し出された混練物を、冷却機を用いて、冷却した。冷却工程直後の混練物の温度は、約45℃であった。また、混練工程の終了時から冷却工程が終了するのに要した時間は、10秒であった。
上記のようにして冷却された混練物を粗粉砕し、平均粒径:1.5mmの粉末とした。混練物の粗粉砕にはハンマーミルを用いた。
次に、混練物の粗粉砕物:100重量部をトルエン:250重量部に添加し、超音波ホモジナイザー(出力:400μA)を用いて、1時間処理することにより、混練物のポリエステル樹脂が溶解した溶液を得た。なお、このよう溶液中において、顔料は均一に微分散していた。
一方、分散剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:1重量部と、イオン交換水:700重量部とを均一に混合した水系液体を用意した。
前記水系液体をホモミキサー(特殊機化工業社製)で攪拌回転数を調整した。
このような攪拌状態の水系液体中に、上記溶液(混練物のトルエン溶液)を滴下した。これにより、平均粒径が0.3μmの分散質が均一に分散した水系乳化液が得られた。なお、各実施例、比較例でのそれぞれの粒子の平均粒径は体積基準平均粒径であり、これらの分散質、粒子の平均粒径および粒度分布はMastersizer 2000粒子解析装置(Malvern Instruments Ltd.製)にて測定を行った。
その後、温度:100℃、雰囲気圧力:80kPaの条件下で、水系乳化液中のトルエンを除去し、さらに、室温まで冷却した後、所定量の水を加えて濃度調整することにより、固形微粒子が分散した水系懸濁液を得た。得られた水系懸濁液中には、実質的にトルエンは残存していなかった。得られた水系懸濁液の固形分(分散質)濃度は28.8wt%であった。この水系懸濁液にイオン交換水を加え、固形分(分散質)濃度を4.8wt%に調整した。また、懸濁液中に分散している分散質(固形微粒子)の平均粒径は0.2μmであった。
上記のようにして得られた懸濁液を、図1、図2に示す構成の微粒子結合体製造装置の水系懸濁液供給部内に投入した。水系懸濁液供給部内の水系懸濁液を攪拌手段で攪拌しつつ、定量ポンプによりヘッド部に供給し、吐出部から分散媒除去部に吐出(噴射)させた。吐出部は、直径:25μmの円形状をなすものとした。また、ヘッド部としては、吐出部付近に、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)コートによる疎水化処理が施されたものを用いた。なお、水系懸濁液供給部内における水系懸濁液の温度は、25℃になるように調節した。
水系懸濁液の吐出は、ヘッド部内における水系懸濁液温度を25℃、圧電体の振動数を10kHz、吐出部から吐出される水系懸濁液の初速度を3m/秒、ヘッド部から吐出される水系懸濁液の一滴分の吐出量を4.2pl(粒径:22.6μm)に調整した状態で行った。また、水系懸濁液の吐出は、複数個のヘッド部のうち少なくとも隣接しあうヘッド部で、水系懸濁液の吐出タイミングがずれるようにして行った。
また、水系懸濁液の吐出時には、ガス噴射口から温度:25℃、湿度:27%RH、流速:3m/秒の空気を鉛直下方に噴射した。また、ハウジング内の温度(雰囲気温度)は、45℃となるように設定した。また、ハウジング内の圧力は、約1.5kPaであった。分散媒除去部の長さ(搬送方向の長さ)は1.0mであった。
また、分散媒除去部のハウジングには、その内表面側の電位が−200Vとなるように電圧を印加し、内壁に水系懸濁液(微粒子結合体)が付着するのを防止するようにした。
分散媒除去部内において、吐出した水系懸濁液から分散媒が除去され、各分散質に対応する形状、大きさの多数の微粒子結合体(トナー粒子)が形成された。
分散媒除去部で形成された微粒子結合体をサイクロンにて回収し、微粒子結合体を得た。得られた微粒子結合体の平均粒径は1.48μmであった。また、一部を取り出し、走査型電子顕微鏡JSM−7500F(日本電子製)にて微粒子結合体の拡大画像を得た。微粒子結合体中の100個の微粒子の粒径を測定したところ、平均で0.20μmであった。
<絶縁性液体を構成する液体の調製>
絶縁性液体として用いる、主として不飽和脂肪酸グリセリドを含む液体および主として不飽和脂肪酸メチルエステルを含む液体を以下のようにして調製した。
まず、粗大豆油を以下のようにして精製し、精製した大豆油を得た。
はじめに、溶剤として、メタノール、ジエチルエーテル、石油エーテル、アセトン等を用いた低温結晶法により粗大豆油を粗精製した。
次に、粗精製した粗大豆油(第1の粗精製油):300体積部をフラスコに投入し、その後、フラスコ内に沸騰した水:100体積部を注いでフラスコに栓をした。
次に、フラスコを振り、上記の粗大豆油(第1の粗精製油)と沸騰した水とを混合した。
次に、フラスコ内の混合液が、3層に分離するまで、フラスコを静置した。
完全に分離が確認された後、フラスコを冷凍庫に移し、24時間放置した。
その後、凍結していない成分を別のフラスコに移した。
この凍結していない成分に対して、再度、上記と同様の操作を繰り返し、得られた凍結していない成分を取り出し、粗製油脂(第2の粗精製油)を得た。
次に、フラスコ内に、前述のようにして得られた粗製油脂(第2の粗精製油):100体積部と、主として含水ケイ酸アルミニウムで構成された活性白土:35体積部とを混合・撹拌した。
次に得られた混合物を加圧下(0.18MPa)で、48時間保存し、活性白土を完全に沈殿させた。
その後、沈殿物を除去し、精製した大豆油(以下、単に大豆油という。)を得た。なお、大豆油には主にリノール酸を主成分とする脂肪酸グリセリドが含まれており、大豆油中の不飽和脂肪酸グリセリドは98wt%であった。また、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうち53mol%であった。
次に、この大豆油の一部とメタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の大豆油脂肪酸メチルエステルを得た。このようにして得られた脂肪酸モノエステルは、主にオレイン酸メチル、リノール酸メチル、α−リノレン酸メチル等の不飽和脂肪酸モノエステルと、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル等の飽和脂肪酸モノエステルとを主として構成されたものであった。
<液体現像剤の調製>
前述の方法で得られた大豆油脂肪酸メチルエステル:60重量部、大豆油:100重量部の混合液に対して、ポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース11200」):1重量部及びステアリン酸アルミニウム(日本油脂製):0.5重量部を加えた。さらに、攪拌を行いながら前述の方法で得られた微粒子結合体:40重量部を加えて分散させ、絶縁性液体とした。
(実施例2)
粗菜種油を実施例1の大豆油と同様の操作にて精製し、精製した菜種油(以下、単に菜種油という。)を得た。なお、菜種油には主にオレイン酸を主成分とする脂肪酸グリセリドが含まれており、菜種油中の不飽和脂肪酸グリセリドは98wt%であった。また、オレイン酸成分、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうちそれぞれ、52mol%、24mol%であった。
次に、この菜種油の一部とメタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上の菜種油脂肪酸メチルエステルを得た。
以下、絶縁性液体として、大豆油脂肪酸メチルエステルの代わりに、菜種油脂肪酸メチルエステル:60重量部を用い、大豆油の代わりに、菜種油:100重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例3)
粗アマニ油を実施例1の大豆油と同様の操作にて精製し、精製したアマニ油(以下、単にアマニ油という。)を得た。なお、アマニ油には主にα−リノレン酸を主成分とする脂肪酸グリセリドが含まれており、アマニ油中の不飽和脂肪酸グリセリドは98wt%であった。また、α−リノレン酸成分、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうちそれぞれ、18mol%、15mol%であった。
次に、このアマニ油の一部とメタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上のアマニ油脂肪酸メチルエステルを得た。
以下、絶縁性液体として、大豆油脂肪酸メチルエステルの代わりに、アマニ油脂肪酸メチルエステル:60重量部を用い、大豆油の代わりに、アマニ油:80重量部と大豆油:20重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例4)
粗オリーブ油を実施例1の大豆油と同様の操作にて精製し、精製したオリーブ油(以下、単にオリーブ油という。)を得た。なお、オリーブ油には主にオレイン酸を主成分とする脂肪酸グリセリドが含まれており、オリーブ油中の不飽和脂肪酸グリセリドは99wt%であった。また、オレイン酸成分、リノール酸成分は全脂肪酸成分のうちそれぞれ、73mol%、11mol%であった。
次に、このオリーブ油の一部とメタノールとのエステル交換反応を行い、この反応により生じたグリセリンを取り除くことにより、主として脂肪酸モノエステルで構成された液体を得た。さらに、この液体を精製することにより、脂肪酸モノエステルの含有率が99.9wt%以上のオリーブ油脂肪酸メチルエステルを得た。
以下、絶縁性液体として、大豆油脂肪酸メチルエステルの代わりに、オリーブ油脂肪酸メチルエステル:60重量部を用い、大豆油の代わりに、オリーブ油:100重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例5)
絶縁性液体として、大豆油脂肪酸メチルエステル:23重量部、大豆油:137重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例6)
絶縁性液体として、大豆油脂肪酸メチルエステルの量を120重量部とし、大豆油の量を40重量部とした以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(実施例7)
水系懸濁液の吐出工程において、吐出部の開口径の大きなヘッド部を用い、ヘッド部から吐出される水系懸濁液の一滴分の吐出量を9.0pl(液滴の粒径:32.8μm)とした以外は前記実施例1と同様に微粒子結合体、絶縁性液体の調製を行った。
(実施例8)
水系懸濁液の吐出工程において、吐出部の開口径の小さなヘッド部を用い、ヘッド部から吐出される水系懸濁液の一滴分の吐出量を1.8pl(液滴の粒径:9.2μm)とした以外は前記実施例1と同様に微粒子結合体、絶縁性液体の調製を行った
(実施例9)
実施例1においての水系乳化液の調整時に、ホモミキサーの攪拌回転数を調整し、混練物のトルエン溶液を滴下することで平均粒径が1.8μmの分散質が均一に分散した水系乳化液を得た。
以下、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。得られた液体現像剤に存在する微粒子結合体中の微粒子の平均粒径は1.6μmであった。
(実施例10)
実施例1においての水系乳化液の調整時に、ホモミキサーの攪拌回転数を調整し、混練物のトルエン溶液を滴下することで平均粒径が0.08μmの分散質が均一に分散した水系乳化液を得た。
以下、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。得られた液体現像剤に存在する微粒子結合体中の微粒子の平均粒径は0.05μmであった。
(実施例11)
水系懸濁液の吐出工程において、水系懸濁液は、イオン交換水で希釈する前の固形分濃度28.8wt%の水系懸濁液を用いた。ヘッド部から吐出される水系懸濁液の一滴分の吐出量を4pl(液滴の粒径:20.8μm)とし、それ以外は実施例1と同様に微粒子結合体の調製を行った。得られた結合微粒子の平均粒径は8.5μmであった。
前述の方法で得られた微粒子結合体:40重量部、大豆油脂肪酸メチルエステル:60重量部、大豆油:100重量部、ポリアミン脂肪族縮重合体(日本ルーブリゾール社製、商品名「ソルスパース11200」):1重量部及びステアリン酸アルミニウム(日本油脂製):0.5重量部をセラミック製ポット(内容積600ml)に入れ、さらにジルコニアボール(ボール直径:3mm)を体積充填率30%になるようにセラミック製ポットに入れた。卓上ポットミルにて回転速度220rpmで200時間解砕を行い、ポット内の分散液をジルコニアボールと分離して取り出し液体現像剤を得た。
(実施例12)
<ポリエステル樹脂の調製(乳化重合)>
三ツ口フラスコに、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンニ酸、スチレンモノマー、ブチルアクリレートモノマー、ヘキサデカン及びドデカンチオールを80℃ にてよく混合し室温に冷却後、スカンジウムトリフルオロメタンスルホネート[Sc(OSO2CF33]を触媒として添加し溶解させた。
この混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリスドデシル硫酸スカンジウムを溶解したイオン交換水の中へ投入し、超音波にて予備分散した後、さらに超高圧ホモジナイザー(吉田機械興業社製ナノマイザー)を用いて80℃ にて乳化分散を行い、乳化物を得た。
この乳化物を、攪拌機を備えた3Lの加圧型リアクターに投入し、窒素雰囲気下100℃ 、12時間重合を行った。反応液中の微粒子は安定な乳化状態を保ち、その平均粒子径は0.30μmであった。
上記で得られた反応液に、アクリル酸を添加し80℃で1時間攪拌しながら放置し、十分にアクリル酸を樹脂微粒子中に分配させた後、過硫酸アンモニウム水溶液を添加し、窒素雰囲気下再び80℃でさらに5時間重合を行ったところ、微粒子の平均粒子径が0.30μmの安定な樹脂微粒子分散液を得た。この一部を水洗、乾燥した後に軟化温度を測定したところ105℃であった。
<顔料分散液の調整>
シアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3)、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)、イオン交換水を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン製、HJP30006) を用いて約1時間分散してシアン顔料の分散液を調製した。分散されたシアン顔料の平均粒径は、0.15μm 、着色剤粒子濃度は23重量%であった。
<トナー粒子の調製>
上記ラジカル重合性単量体を重合して得られた樹脂微粒子分散液を、上記顔料分散液、イオン交換水を2L の円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturrax により8000rpmでせん断力を加えながら15分間分散混合した。ついで凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液を滴下した。
その後、攪拌装置、温度計を備えたステンレススチール重合釜にて原料分散液を攪拌しながら樹脂粒子、顔料粒子を徐々に加熱凝集し平均粒子径を測定したところ6.4μmであった。その後pHを9.0に上げた後、95℃に昇温し20分間保持し平均粒子径6.0μmの微粒子結合体を得た。その後、十分な水洗を繰り返し、凍結乾燥機で乾燥を行った。
以下、解砕時間を160時間とした以外は実施例11と同様に絶縁性液体中で解砕を行い、液体現像剤を得た。
(比較例1)
絶縁性液体として、大豆油脂肪酸メチルエステル、大豆油の代わりに、流動パラフィン:160重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして液体現像剤を製造した。
(比較例2)
結着樹脂としてのポリエステル樹脂(軟化温度:125℃):80重量部と、着色剤としてのシアン系顔料(大日精化社製、ピグメントブルー15:3):20重量部とを二本ロールで樹脂の軟化点を超える130℃で混練し、1〜10mm角に粗粉砕し、着色チップを得た。
次に、液体窒素にて冷却しながらピンミルで粉砕し、150μmの目開きのメッシュで分級すると、平均粒径42μmの粉砕物が得られた。
次に、この粉砕物:40重量部をイオン交換水:160重量部に混合し、アトライタ(ユニオンプロセス社)で湿式粉砕を行った。得られた水中の粒子の平均粒径は2.0μmであった。
次に、得られた粉砕液:100重量部を、絶縁性液体:80重量部中に、超音波ホモジナイザーを照射しつつ徐々に滴下することにより、混合液を得た。なお、絶縁性液体としては、低粘度流動パラフィンと、界面活性剤(1,2−ヒドロキシステアリン酸メチル):2重量部との混合物を用いた。
次に、得られた混合液から、エバポレーターを用いて、水を除去することにより、液体現像剤を得た。なお、水の除去は、処理温度が70℃、処理圧が10kPaの条件下で行った。
以上の各実施例および各比較例について、液体現像剤の製造条件および物性を表1に示した。なお、表中、不飽和脂肪酸の種類の項目においてオレイン酸をOL、リノール酸をLN、α−リノレン酸をLLと示す。また、表1には下記式(I)で表されるトナー粒子の粒度分布の幅Sも合わせて示した。
S=〔D(90)−D(10)〕/D(50) ・・・ (I)
(ただし、トナー粒子を小さい粒径から粒度分布の測定をした場合において
累積体積にて全体の体積のX%の地点での粒径をD(X)とする。)
Figure 2008040352
[2]評価
上記のようにして得られた各液体現像剤を用いて形成したトナー画像について定着強度、転写効率、現像効率および解像力の評価を行った。
[2.1]定着強度
図3に示すような画像形成装置から定着装置を取り外して、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙(セイコーエプソン社製、上質紙 LPCPPA4)上に形成した。その後、記録紙上に形成された画像について、オーブンによる熱定着を行った。この熱定着は、110℃×40分間という条件で行った。
その後、非オフセット領域を確認した後、記録紙上の定着像を消しゴム(ライオン事務機社製、砂字消し「LION 261−11」)を押圧荷重0.8kgfで2回擦り、画像濃度の残存率をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:画像濃度残存率が95%以上。
◎ :画像濃度残存率が90%以上95%未満。
○ :画像濃度残存率が80%以上90%未満。
△ :画像濃度残存率が70%以上80%未満。
× :画像濃度残存率が70%未満。
[2.2]転写効率
図3に示すような画像形成装置から、二次転写ローラP19および図5のような定着装置を取り外し、中間転写ローラP18に画像形成を行った。感光体P2上の残存トナーおよび中間転写ローラP18上に付着したトナーをそれぞれメンディングテープにより採取した。各メンディングテープ上のトナー画像の画像濃度をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、下記式より転写効率を求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
転写効率(%)=B/(A+B)×100
(A:感光体P2上の残存トナーを採取したメンディングテープ上にあるトナー画像の画像濃度。B:中間転写ローラP18上のトナーを採取したメンディングテープ上にあるトナー画像の画像濃度。)
◎ :転写効率が95%以上。
○ :転写効率が80%以上95%未満。
△ :転写効率が65%以上80%未満。
× :転写効率が65%未満。
[2.3]現像効率
図3に示すような画像形成装置から、中間転写ローラP18、二次転写ローラP19および図5のような定着装置を取り外し、感光体P2に現像を行った。感光体P2上の残存トナーおよび現像ローラP13上に付着したトナーをそれぞれメンディングテープにより採取した。各メンディングテープ上のトナー画像の画像濃度をX−Rite Inc社製「X−Rite model 404」により測定し、下記式より現像効率を求め、以下の4段階の基準に従い評価した。
現像効率(%)=D/(C+D)×100
(C:現像ローラP13の残存トナーを採取したメンディングテープ上にあるトナー画像の画像濃度。D:感光体P2上のトナーを採取したメンディングテープ上にあるトナー画像の画像濃度。)
◎◎:現像効率が95%以上。
◎ :現像効率が85%以上95%未満。
○ :現像効率が75%以上85%未満。
△ :現像効率が65%以上75%未満。
× :現像効率が65%未満。
[2.4]解像力
図3に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙上に形成し、目視にて解像力を調べた。
[2.5]光沢度
図3に示すような画像形成装置を用いて、前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤による所定パターンの画像を記録紙上に形成し、鏡面光沢度をJIS規格による測定法(JIS Z 8741−1997)に従い測定し、以下の4段階の基準に従い評価した。
◎◎:光沢度が60%以上。
◎ :光沢度が50%以上60%未満。
○ :光沢度が40%以上50%未満。
△ :光沢度が30%以上40%未満。
× :光沢度が30%未満。
[2.6]保存性
前記各実施例および前記各比較例で得られた液体現像剤を、温度:15〜25℃の環境下に、8ヵ月間静置した。その後、液体現像剤中のトナーの様子を目視にて確認し、以下の5段階の基準に従い評価した。
◎◎:トナー粒子の浮遊および凝集沈降がまったく認められない。
◎ :トナー粒子の浮遊および凝集沈降がほとんど認められない。
○ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がわずかに認められるが、液体現像剤とし
て問題の無い範囲である。
△ :トナー粒子の浮遊または凝集沈降がはっきりと認められる。
× :トナー粒子の浮遊および凝集沈降が顕著に認められる。
[2.7]高速印刷適性
各実施例および各比較例で得られた液体現像剤を用いて、画像形成装置の定着温度を160℃、定着ロールのニップ時間を0.08秒に設定して紫外線照射手段F8にて紫外線照射を行わずに、画像形成を行い、得られた画像についてムラ、にじみ等の画質等の不良を以下の4段階の基準に従い評価した。(条件1)
◎ :ムラ、にじみ等の画質等に不良はまったく認められない。
○ :ムラ、にじみ等の画質等に不良はわずかに認められる。
△ :ムラ、にじみ等の画質等に不良ははっきりと認められる。
× :ムラ、にじみ等の画質等に不良は顕著に認められる。
また、各実施例および各比較例で得られた液体現像剤を用いて、画像形成装置の定着温度を140℃、定着ロールのニップ時間を0.05秒に設定して紫外線照射手段F8にて紫外線照射を行いながら画像形成を行い、上記と同様にして得られた画像について画質の不良を評価した。(条件2)
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2008040352
表2から明らかなように、本発明の液体現像剤は、トナー画像の転写効率、現像効率に優れており、なおかつ、形成した画像の解像力、光沢度および定着強度、また液体現像剤の保存性に優れていた。これに対し、各比較例の液体現像剤では、満足な結果が得られなかった。
また、各実施例では紫外線照射手段にて紫外線を照射した場合には、短時間かつ低温での定着にて良好な画像品質が得られたのに対し、比較例では良好な画像品質が得られなかった。
さらに、着色剤として、シアン系顔料の代わりに、ピグメントレッド122、ピグメントイエロー180、カーボンブラック(デグサ社製、Printex L)を用いた以外は、上記と同様に液体現像剤の製造、評価を行ったところ、上記と同様の結果が得られた。
本発明の液体現像剤の製造に用いられる微粒子結合体製造装置(トナー粒子製造装置)の好適な実施形態を模式的に示す縦断面図である。 図1に示す微粒子結合体製造装置のヘッド部付近の拡大断面図である。 本発明の接触方式の画像形成装置の一例を示す断面図である。 本発明の画像形成装置が有する定着装置の一例を示す断面図である。 本発明の非接触方式の画像形成装置の一例を示す断面図である。 微粒子結合体製造装置のヘッド部付近の構造の他例を模式的に示す図である。 微粒子結合体製造装置のヘッド部付近の構造の他例を模式的に示す図である。 微粒子結合体製造装置のヘッド部付近の構造の他例を模式的に示す図である。 微粒子結合体製造装置のヘッド部付近の構造の他例を模式的に示す図である。
符号の説明
1…微粒子結合体製造装置 2…ヘッド部 21…分散液貯留部 22…圧電素子 221…下部電極 222…圧電体 223…上部電極 23…吐出部 24…振動板 25…音響レンズ 26…圧力パルス収束部 3…分散媒除去部 31…ハウジング 311…縮径部 4…水系懸濁液供給部(水系分散液供給部) 41…攪拌手段 5…回収部 6…水系懸濁液(水系分散液) 61…分散質 62…分散媒 7…ガス噴射口 8…電圧印加手段 9……微粒子結合体 10…ガス流供給手段 101…ダクト 11…熱交換器 12…圧力調整手段 121…接続管 122…拡径部 123…フィルター 13…絞り部材
P1…画像形成装置 P2…感光体 P3…帯電器 P4…露光 P10…現像器 P11…現像剤容器 P12…塗布ローラ P13…現像ローラ P14…液体現像剤塗布層 P15…メータリングブレード P16…ローラ芯体 P17…現像ローラクリーニングブレード P18…中間転写ローラ P19…二次転写ローラ P20…情報記録媒体 P21…除電光 P22…クリーニングブレード P23…クリーニングブレード P24…帯電ブレード F40…定着装置 F1…熱定着ロール(加熱ロール) F1a…柱状ハロゲンランプ F1b…ロール基材 F1c…弾性体 F2…加圧ロール F2a…回転軸 F2b…ロール基材 F2c…弾性体 F3…耐熱ベルト F4…ベルト張架部材 F4a…突壁 F4f…凹部 F5…シート材 F5a…未定着トナー画像 F6…クリーニング部材 F7…フレーム F8…紫外線照射手段 F9…スプリング

Claims (13)

  1. 絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤であって、
    前記トナー粒子は、樹脂材料を含む複数の微粒子の結合体で構成され、
    前記絶縁性液体は、不飽和脂肪酸のグリセリドを含むことを特徴とする液体現像剤。
  2. 前記絶縁性液体の粘度は、5〜1000mPa・sである請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記絶縁性液体のヨウ素価は、100〜200である請求項1または2に記載の液体現像剤。
  4. 前記グリセリドを構成する全脂肪酸成分に対するリノール酸の含有率は、15mol%以上である請求項1ないし3のいずれかに記載の液体現像剤。
  5. 前記トナー粒子の平均粒径は、0.7〜3μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の液体現像剤。
  6. 前記トナー粒子を構成する微粒子の平均粒径は、0.03〜1.5μmである請求項1ないし5のいずれかに記載の液体現像剤。
  7. 絶縁性液体中にトナー粒子が分散した液体現像剤を製造する方法であって、
    主として、樹脂材料を含む複数の微粒子を結合させて、微粒子の結合体を得る結合工程と、
    前記結合体を前記不飽和脂肪酸のグリセリドを含む液体に分散させる分散工程とを有することを特徴とする液体現像剤の製造方法。
  8. 前記結合体は、
    前記樹脂材料を含む分散質が微分散した分散液を微粒化してヘッド部から吐出する吐出工程と、
    前記分散媒を除去し、前記分散質由来の複数個の微粒子が結合した前記結合体を得る分散媒除去工程とを経て製造されるものである請求項7に記載の液体現像剤の製造方法。
  9. 前記結合体は、
    乳化重合により調製した樹脂材料を微分散させた樹脂分散液と、
    着色剤を微分散させた着色剤分散液とを混合し、
    前記樹脂分散液中の分散質と前記着色剤分散液中の分散質とを凝集させることによって製造されるものである請求項7に記載の液体現像剤の製造方法。
  10. トナー粒子が付着した記録媒体に対して加熱しつつ圧力をかけることにより前記トナー粒子を前記記録媒体に定着させる画像形成方法において、請求項1ないし6のいずれかに記載の液体現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  11. 前記記録媒体への前記トナー粒子の定着時にトナー画像に対して紫外線を照射する請求項10に記載の画像形成方法。
  12. トナー粒子が付着した記録媒体に対して加熱しつつ圧力をかけることにより前記トナー粒子を前記記録媒体に定着させる画像形成装置において、請求項1ないし6のいずれかに記載の液体現像剤を用いることを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記記録媒体への前記トナー粒子の定着時にトナー画像に対して紫外線を照射する紫外線照射手段を有する請求項12に記載の画像形成装置。
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