JP2008038099A - 自動車用ウォーターパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時の要求特性である耐加水分解性、耐熱性及び耐塩化カルシウム性を全て満たし、成形時の要求特性である成形性も確保する。さらには、単層構造を可能にしてコルゲート成形性、耐圧性、曲げ加工性及び形状保持性を確保する。
【解決手段】ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなり;ポリアミド系樹脂(I)が特定のポリアミド9Tであり;ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;(I)と(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;で成形された自動車用ウォーターパイプである。
【選択図】図1
【解決手段】ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなり;ポリアミド系樹脂(I)が特定のポリアミド9Tであり;ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;(I)と(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;で成形された自動車用ウォーターパイプである。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車用の不凍液が通るウォーターパイプに関するものである。
自動車には、不凍液を回す内燃機関のウォータージャケット、不凍液を冷却するラジエータ、不凍液を圧送するウォーターポンプ、不凍液の過冷防止用のサーモスタット、不凍液の熱で車室を加温するヒータコア等からなる不凍液の循環装置が設けられており、これら各部は不凍液が通るウォーターパイプ (インレットパイプ及びアウトレットパイプを含む)により接続されている。
自動車用ウォーターパイプ には使用時の要求特性が多く、特に次の特性が重視されている。
1.耐加水分解性:冷却水として通常使用される不凍液(ロングライフクーラントが代表的)に対する耐性。
2.耐熱性:ヒータコアや内燃機関の近傍に配管されるため、高温に対する耐性。
3.耐塩化カルシウム性:道路に散布される融雪剤として通常使用される塩化カルシウムに対する耐性。
1.耐加水分解性:冷却水として通常使用される不凍液(ロングライフクーラントが代表的)に対する耐性。
2.耐熱性:ヒータコアや内燃機関の近傍に配管されるため、高温に対する耐性。
3.耐塩化カルシウム性:道路に散布される融雪剤として通常使用される塩化カルシウムに対する耐性。
従来は、一つの材料で上記の特性を全て満たすことができなかったため、次に例示するように、個々の特性に優れた複数の材料を用いて積層した複数層構造のウォーターパイプが主流であった。
(例1)耐加水分解性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)で形成した内管と、耐熱性に優れたポリアミド6で形成した外皮と、PPSとポリアミド6とのブレンド材で形成した中間層とからなる3層構造のウォーターパイプ
(例2)耐加水分解性に優れたPPSで形成した内管と、耐熱性、耐塩化カルシウム性に優れたポリアミド66で形成した外皮と、PPSとポリアミドとのブレンド材で形成した中間層とからなる3層構造のウォーターパイプ(特許文献1)
(例1)耐加水分解性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)で形成した内管と、耐熱性に優れたポリアミド6で形成した外皮と、PPSとポリアミド6とのブレンド材で形成した中間層とからなる3層構造のウォーターパイプ
(例2)耐加水分解性に優れたPPSで形成した内管と、耐熱性、耐塩化カルシウム性に優れたポリアミド66で形成した外皮と、PPSとポリアミドとのブレンド材で形成した中間層とからなる3層構造のウォーターパイプ(特許文献1)
しかし、昨今のウォーターパイプは、他の部品とのレイアウトの問題から、複雑な形状設計となり、曲げ加工性の容易な、蛇腹状に波付けされたコルゲートパイプが必要とされるようになった。しかし、上記の複数層構造のウォーターパイプを仮にコルゲート成形すると、蛇腹部で均一な肉厚が確保しにくく、層間接着力が低下し、耐圧性が低下するという問題があるため、事実上コルゲート成形することができなかった。また、上記の複数層構造のウォーターパイプを曲げ加工すると、曲げ加工時の加熱温度が複数層の材料のうち低融点の材料に支配されてしまうため、曲げ加工後に残留歪が残り、製品の保管・輸送中に形状が保持できず変化してしまうという問題もあった。
また、特許文献1には、40〜99重量%のポリアミド66と1〜60重量%の芳香族ポリアミド樹脂とからなるポリアミド樹脂を100重量部、及び耐衝撃材を3〜40重量部含有する樹脂組成物で、単層体又は積層体の最外層を成形したウォーターパイプ等の樹脂成形品が開示されている。この樹脂組成物で単層に成形するウォーターパイプは、コルゲート成形や複雑な曲げ加工ができるので、設計の自由度が大きく、また、耐塩化カルシウム性及び耐衝撃性にも優れる。しかし、耐加水分解性については十分とはいえなかった。
また、特許文献2には、耐熱性、低吸水性等に優れたポリアミド9T(ノナンジアミン(炭素数9)とテレフタル酸の共縮重合反応で合成されるポリアミド)をベースにし、自動車部品等の各種成形品の材料として開発された次の熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。
「ポリアミド系樹脂(I)、エラストマー(II)および架橋剤から主としてなる熱可塑性重合体組成物であって;
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が100:0〜20:80であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)とエラストマー(II)との質量比が、99:1〜1:99であり; 及び
エラストマー(II)が溶融条件下で動的に架橋されていることを特徴とする熱可塑性重合体組成物。」
「ポリアミド系樹脂(I)、エラストマー(II)および架橋剤から主としてなる熱可塑性重合体組成物であって;
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が100:0〜20:80であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)とエラストマー(II)との質量比が、99:1〜1:99であり; 及び
エラストマー(II)が溶融条件下で動的に架橋されていることを特徴とする熱可塑性重合体組成物。」
本発明者らは、この特許文献2の熱可塑性重合体組成物をウォーターパイプに用いることを検討したが、この熱可塑性重合体組成物で単層に成形するウォーターパイプは、耐塩化カルシウム性及び耐衝撃性は満たすが、耐加水分解性、流動性及び成形性については十分とはいえなかった。
特開2005−306950号公報
特開2004−217698号公報
そこで、本発明の課題は、使用時の要求特性である耐加水分解性、耐熱性及び耐塩化カルシウム性を全て満たすことができるだけでなく、成形時の要求特性である成形性を確保することもできる自動車用ウォーターパイプを提供することにある。さらには、単層構造を可能にしてコルゲート成形性、耐圧性、曲げ加工性及び形状保持性を確保することもできる自動車用ウォーターパイプを提供することにある。
本発明に係る自動車用ウォーターパイプは、
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなる熱可塑性重合体組成物であって;
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;
ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;
で成形されたことを特徴とする。
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなる熱可塑性重合体組成物であって;
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;
ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;
で成形されたことを特徴とする。
上記のようにして得られる自動車用ウォーターパイプには、次の作用がある。
(a)ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり; ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物; の材料特性により、使用時の要求特性である耐熱性、耐塩化カルシウム性及び耐衝撃性を満たす。
(b)また、ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つポリアミド系樹脂(I)の末端カルボキシル基量が10μモル/g以下である; 熱可塑性重合体組成物の材料特性により、耐加水分解性に優れるため、使用時の要求特性を満たす。
(c)また、ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%である; ポリオレフィンを含むことにより、機械的性質が向上し、耐衝撃性を満たす。また、酸変性されていないポリオレフィンを含む結果として酸変性量が0.2〜0.5質量%であることにより、粘性が低くなり、成形時の要求特性である成形性を確保することができる。ここで仮に、ポリオレフィン(II)が酸変性品のみよりなる場合には、耐衝撃性は満たすものの、粘性が高いため流動性・成形性が低くなり、その酸変性品の酸変性量を低く(例えば同じく0.2〜0.5質量%に)したとしても、粘性はさほど低くならない。この作用の差異は、初めて見出したものである(後述する表1、図2参照)。
(a)ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり; ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物; の材料特性により、使用時の要求特性である耐熱性、耐塩化カルシウム性及び耐衝撃性を満たす。
(b)また、ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つポリアミド系樹脂(I)の末端カルボキシル基量が10μモル/g以下である; 熱可塑性重合体組成物の材料特性により、耐加水分解性に優れるため、使用時の要求特性を満たす。
(c)また、ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%である; ポリオレフィンを含むことにより、機械的性質が向上し、耐衝撃性を満たす。また、酸変性されていないポリオレフィンを含む結果として酸変性量が0.2〜0.5質量%であることにより、粘性が低くなり、成形時の要求特性である成形性を確保することができる。ここで仮に、ポリオレフィン(II)が酸変性品のみよりなる場合には、耐衝撃性は満たすものの、粘性が高いため流動性・成形性が低くなり、その酸変性品の酸変性量を低く(例えば同じく0.2〜0.5質量%に)したとしても、粘性はさほど低くならない。この作用の差異は、初めて見出したものである(後述する表1、図2参照)。
本発明に係る自動車用ウォーターパイプによれば、材料特性により使用時の要求特性である耐加水分解性、耐熱性及び耐塩化カルシウム性を全て満たすことができるだけでなく、成形時の要求特性である成形性を確保することもできる。さらには、単層構造を可能にしてコルゲート成形性、耐圧性、曲げ加工性及び形状保持性を確保することもできる。
本発明に係る自動車用ウォーターパイプは、
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなる熱可塑性重合体組成物であって、
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;
ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;
で成形されたことを特徴とする。
上記熱可塑性重合体組成物における、ポリアミド系樹脂(I)およびポリオレフィン(II)の合計の占める割合としては、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなる熱可塑性重合体組成物であって、
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;
ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;
で成形されたことを特徴とする。
上記熱可塑性重合体組成物における、ポリアミド系樹脂(I)およびポリオレフィン(II)の合計の占める割合としては、好ましくは60質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。
1.ポリアミド系樹脂(I)
このポリアミド系樹脂(I)は、熱可塑性重合体組成物に、優れた耐加水分解性、耐熱性及び耐塩化カルシウム性を付与し、その他、低吸水性、耐油性、耐薬品性、耐屈性等を付与するものである。
このポリアミド系樹脂(I)は、熱可塑性重合体組成物に、優れた耐加水分解性、耐熱性及び耐塩化カルシウム性を付与し、その他、低吸水性、耐油性、耐薬品性、耐屈性等を付与するものである。
1−1.ジカルボン酸単位(Ia)
ポリアミド系樹脂(I)を構成するジカルボン酸単位(Ia)は、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有する。テレフタル酸単位が60モル%未満の場合には、熱可塑性重合体組成物の耐熱性が低下するので好ましくない。
ポリアミド系樹脂(I)を構成するジカルボン酸単位(Ia)は、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有する。テレフタル酸単位が60モル%未満の場合には、熱可塑性重合体組成物の耐熱性が低下するので好ましくない。
ポリアミド系樹脂(I)が含み得るテレフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、あるいはこれらの任意の混合物等から誘導される単位を挙げることができる。これらのうち芳香族ジカルボン酸から誘導される単位が好ましく使用される。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸から誘導される単位を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
1−2.ジアミン単位(Ib)
また、ポリアミド系樹脂(I)を構成するジアミン単位(Ib)は、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有する。1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位が60モル%を下回ると、熱可塑性重合体組成物の耐熱性、成形性、低吸水性などの特性が不十分となるので好ましくない。
また、ポリアミド系樹脂(I)を構成するジアミン単位(Ib)は、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有する。1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位が60モル%を下回ると、熱可塑性重合体組成物の耐熱性、成形性、低吸水性などの特性が不十分となるので好ましくない。
また、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比は、60:40〜50:50である。1,9−ノナンジアミン単位の含有率が上記の比率より大きくなると、融点が高くなるため、押出し成形等により成形品を作製する場合に成形温度を高く設定する必要がある。さらには、結晶化速度が大きくなるため、押出し成形が困難となる場合がある。また力学物性においては、ポリアミド系樹脂の引張り伸び及び、耐衝撃性等が低下する場合がある。一方、1,9−ノナンジアミン単位の含有率が上記の比率より少なくなると、結晶性が低下し、耐熱性が低下するので好ましくない。
1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位以外の他のジアミン単位としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミン、あるいはこれらの任意の混合物等から誘導される単位を挙げることができる。
1−3.末端基
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量は60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下である。ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g未満の場合は、耐加水分解性が不十分となるので好ましくない。また、末端カルボキシル基量が10μモル/gを超えると、耐加水分解性が不足する傾向となる。
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量は60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下である。ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g未満の場合は、耐加水分解性が不十分となるので好ましくない。また、末端カルボキシル基量が10μモル/gを超えると、耐加水分解性が不足する傾向となる。
1−4.製法
本発明で用いられるポリアミド系樹脂(I)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法などの方法により重合可能である。以下に、ポリアミド系樹脂(I)の重合法の一例を示す。
本発明で用いられるポリアミド系樹脂(I)は、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あるいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法などの方法により重合可能である。以下に、ポリアミド系樹脂(I)の重合法の一例を示す。
本発明者らの研究によれば、触媒および必要に応じて末端封止剤を、最初にジアミンおよびジカルボン酸に一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、いったん200〜250℃の温度において濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは押出機を用いて溶融重合を行うことにより、容易にポリアミド系樹脂(I)を得ることができる。プレポリマーの極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gの範囲内であると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さな、各種性能や成形性に優れたポリアミド系樹脂(I)が得られる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を有効に押さえることができるので好ましい。重合の最終段階を押出機により行う場合、重合温度が370℃以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の無いポリアミド系樹脂(I)が得られるので好ましい。
また、本発明で用いられるポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量および末端カルボキシル基量の調整は、重合において使用されるジアミンやジカルボン酸などの原料の仕込み量や重合反応の追い込みの程度を調整することにより行うことができ、例えば、使用する原料に含まれる全てのカルボキシル基のモル数を(X)、全てのアミノ基のモル数を(Y)とした際に、これらが以下の関係を満たすように原料を使用することにより、末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であるポリアミド系樹脂(I)を得ることができる。
1.0≦[(Y−X)/Y]×100≦6.0
1.0≦[(Y−X)/Y]×100≦6.0
ポリアミド系樹脂(I)を製造するに際して、例えば、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはその塩またはそのエステル、具体的にはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなどの金属塩やアンモニウム塩、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添加することができる。
1−5.粘度
本発明に用いられるポリアミド系樹脂(I)は、機械的性質、成形性などの点から濃硫酸中30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が、0.6〜2.0dl/gであるのが好ましく、0.7〜1.9dl/gであるのがより好ましく、0.8〜1.8dl/gであるのがさらに好ましい。
本発明に用いられるポリアミド系樹脂(I)は、機械的性質、成形性などの点から濃硫酸中30℃の条件下で測定した極限粘度[η]が、0.6〜2.0dl/gであるのが好ましく、0.7〜1.9dl/gであるのがより好ましく、0.8〜1.8dl/gであるのがさらに好ましい。
2.ポリオレフィン(II)
本発明に用いられるポリオレフィン(II)は、熱可塑性重合体組成物に柔軟性及び耐衝撃性を付与する。
本発明に用いられるポリオレフィン(II)は、熱可塑性重合体組成物に柔軟性及び耐衝撃性を付与する。
2−1.ポリオレフィン
本発明におけるポリオレフィン(II)としては、例えばブチルゴム、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・ブテン共重合体(EBR)、エチレン・オクテン共重合体(EOR)等のエチレン系エラストマー、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン等を挙げることができる。これらの中でも本発明においてとりわけ好ましく用いられるのは、EPR、EBRである。ポリオレフィン(II)は1種でもよいし、2種類以上併用することも可能である。
本発明におけるポリオレフィン(II)としては、例えばブチルゴム、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・ブテン共重合体(EBR)、エチレン・オクテン共重合体(EOR)等のエチレン系エラストマー、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン等を挙げることができる。これらの中でも本発明においてとりわけ好ましく用いられるのは、EPR、EBRである。ポリオレフィン(II)は1種でもよいし、2種類以上併用することも可能である。
ポリオレフィン(II)の分子量は特に制限されないが、ポリオレフィン(II)全体の数平均分子量が12,500〜2,000,000、好ましくは50,000〜1,000,000の範囲内にあることが、得られる熱可塑性重合体組成物の力学的特性、成形加工性などの点から好適である。なお、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン検量線から求めた値をいう。
2−2.酸変性
ポリオレフィン(II)は、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%である。前述のとおり、酸変性されたポリオレフィンを含むことにより、機械的性質が向上し、要求される耐衝撃性を満たす。また、酸変性されていないポリオレフィンを含む結果として酸変性量が0.2〜0.5質量%であることにより、粘性が低くなり、成形時の要求特性である成形性を確保することができる。ここで仮に、ポリオレフィン(II)が酸変性品のみよりなる場合、ないし未酸変性品を混ぜたとしてもその質量比が20質量%未満の場合には、要求される耐衝撃性は満たすものの、粘性が高いため成形性が低くなり、たとえポリオレフィン(II)全体の酸変性量が低いとしても、粘性はさほど低くならないのである。
ポリオレフィン(II)は、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%である。前述のとおり、酸変性されたポリオレフィンを含むことにより、機械的性質が向上し、要求される耐衝撃性を満たす。また、酸変性されていないポリオレフィンを含む結果として酸変性量が0.2〜0.5質量%であることにより、粘性が低くなり、成形時の要求特性である成形性を確保することができる。ここで仮に、ポリオレフィン(II)が酸変性品のみよりなる場合、ないし未酸変性品を混ぜたとしてもその質量比が20質量%未満の場合には、要求される耐衝撃性は満たすものの、粘性が高いため成形性が低くなり、たとえポリオレフィン(II)全体の酸変性量が低いとしても、粘性はさほど低くならないのである。
酸変性処理用の酸としては、特に限定されないが、例えばマレイン酸、イタコン酸等のジカルボン酸やその無水物等を挙げることができる。
なお、本明細書においてポリオレフィンの酸変性量とは、酸変性された後のポリオレフィンの全質量に対する、酸変性に使用した酸変性処理用の酸の質量を意味する。
なお、本明細書においてポリオレフィンの酸変性量とは、酸変性された後のポリオレフィンの全質量に対する、酸変性に使用した酸変性処理用の酸の質量を意味する。
上記2−1及び2−2より、ポリオレフィン(II)が、酸変性されたEPR及び酸変性されたEBRの何れか一方又は両方と、酸変性されていないEPR及び酸変性されていないEBRの何れか一方又は両方との混合物であることが好ましい。
2−3.配合比
熱可塑性重合体組成物におけるポリオレフィン(II)の配合量は、ポリアミド系樹脂(I):ポリオレフィン(II)の質量比が90:10〜70:30である。この範囲を外れると、ポリアミド系樹脂(I)またはポリオレフィン(II)の性能が発現しにくくなるので好ましくない。具体的には、ポリオレフィン(II)が、この範囲より少ないと成形性、耐衝撃性が充分満足されない。また、この範囲より多くなると、機械的強度、特に高温下での強度が悪くなり好ましくない。
熱可塑性重合体組成物におけるポリオレフィン(II)の配合量は、ポリアミド系樹脂(I):ポリオレフィン(II)の質量比が90:10〜70:30である。この範囲を外れると、ポリアミド系樹脂(I)またはポリオレフィン(II)の性能が発現しにくくなるので好ましくない。具体的には、ポリオレフィン(II)が、この範囲より少ないと成形性、耐衝撃性が充分満足されない。また、この範囲より多くなると、機械的強度、特に高温下での強度が悪くなり好ましくない。
2−4.製法
以上、説明したポリオレフィン(II)は、例えば、アニオン重合やカチオン重合などのイオン重合法、ラジカル重合法などの公知の重合方法により製造することができる。
以上、説明したポリオレフィン(II)は、例えば、アニオン重合やカチオン重合などのイオン重合法、ラジカル重合法などの公知の重合方法により製造することができる。
3.その他の配合物
3−1.ゴム用軟化剤
熱可塑性重合体組成物には、必要に応じて、熱可塑性重合体組成物の柔軟性を向上させるために、公知の鉱物油系あるいは合成樹脂系のゴム系軟化剤をさらに配合してもよい。ゴム用軟化剤の配合量は、ポリオレフィン(II)100質量部に対して200質量部以下であるのが好ましい。ゴム用軟化剤としては、パラフィン系オイルが好適に用いられる。パラフィン系オイルの40℃における動粘度は、20×10−6〜800×10−6m2/秒であるのが好ましく、50×10−6〜600×10−6m2/秒であるのがより好ましい。また、流動点は、−40〜0℃であるのが好ましく、−30〜0℃であるのがより好ましい。さらに、引火点は、200〜400℃であるのが好ましく、250〜350℃であるのがより好ましい。パラフィン系オイルは、熱可塑性重合体組成物の製造の際に、ポリオレフィン(II)に含浸させてから溶融混練してもよいし、溶融混練の途中から添加してもよいし、含浸と途中添加を併用してもよい。
3−1.ゴム用軟化剤
熱可塑性重合体組成物には、必要に応じて、熱可塑性重合体組成物の柔軟性を向上させるために、公知の鉱物油系あるいは合成樹脂系のゴム系軟化剤をさらに配合してもよい。ゴム用軟化剤の配合量は、ポリオレフィン(II)100質量部に対して200質量部以下であるのが好ましい。ゴム用軟化剤としては、パラフィン系オイルが好適に用いられる。パラフィン系オイルの40℃における動粘度は、20×10−6〜800×10−6m2/秒であるのが好ましく、50×10−6〜600×10−6m2/秒であるのがより好ましい。また、流動点は、−40〜0℃であるのが好ましく、−30〜0℃であるのがより好ましい。さらに、引火点は、200〜400℃であるのが好ましく、250〜350℃であるのがより好ましい。パラフィン系オイルは、熱可塑性重合体組成物の製造の際に、ポリオレフィン(II)に含浸させてから溶融混練してもよいし、溶融混練の途中から添加してもよいし、含浸と途中添加を併用してもよい。
3−2.他の熱可塑性樹脂
熱可塑性重合体組成物は、さらに他の熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂等を挙げることができる。なお、熱可塑性樹脂の含有量は、得られる熱可塑性重合体組成物の耐油性、力学物性が損なわれない範囲が好ましく、ポリオレフィン(II)100質量部に対して0〜200質量部程度であるのが好ましい。
熱可塑性重合体組成物は、さらに他の熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸メチルやポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂等を挙げることができる。なお、熱可塑性樹脂の含有量は、得られる熱可塑性重合体組成物の耐油性、力学物性が損なわれない範囲が好ましく、ポリオレフィン(II)100質量部に対して0〜200質量部程度であるのが好ましい。
3−3.無機充填剤
熱可塑性重合体組成物は、無機充填剤を含有することができる。該無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ワラステナイト、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム等を使用することができる。なお、無機充填剤の含有量は、得られる熱可塑性重合体組成物の性能が損なわれない範囲が好ましく、ポリオレフィン(II)100質量部に対して0〜50質量部程度であるのが好ましい。
熱可塑性重合体組成物は、無機充填剤を含有することができる。該無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、ワラステナイト、クレー、合成珪素、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウム等を使用することができる。なお、無機充填剤の含有量は、得られる熱可塑性重合体組成物の性能が損なわれない範囲が好ましく、ポリオレフィン(II)100質量部に対して0〜50質量部程度であるのが好ましい。
3−4.滑剤等
熱可塑性重合体組成物には、その目的を損なわない範囲で、前記した成分以外に滑剤、離型剤、光安定剤、着色剤(顔料)、難燃剤、難燃助剤、耐熱剤、耐候剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、等を適宜添加しても良い。
熱可塑性重合体組成物には、その目的を損なわない範囲で、前記した成分以外に滑剤、離型剤、光安定剤、着色剤(顔料)、難燃剤、難燃助剤、耐熱剤、耐候剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、等を適宜添加しても良い。
4.調製方法
熱可塑性重合体組成物は、例えば以下に説明するように調製することができる。即ち、まず、ポリアミド系樹脂(I)、ポリオレフィン(II)、更に必要に応じてゴム用軟化剤等の各種添加剤とを混合し、押出機のホッパーに投入する。さらに、2台以上の押出機を使用し、段階的に順次溶融混練してもよい。
熱可塑性重合体組成物は、例えば以下に説明するように調製することができる。即ち、まず、ポリアミド系樹脂(I)、ポリオレフィン(II)、更に必要に応じてゴム用軟化剤等の各種添加剤とを混合し、押出機のホッパーに投入する。さらに、2台以上の押出機を使用し、段階的に順次溶融混練してもよい。
溶融混練温度は、ポリアミド系樹脂(I)、及びポリオレフィン(II)が溶融する範囲内で適宜選択され、通常270〜330℃であるのが好ましく、290〜320℃であるのがより好ましい。溶融混練時間は約30秒〜5分間であるのが好ましい。
5.ウォーターパイプ
本発明に係る自動車用ウォーターパイプは、上記の熱可塑性重合体組成物を用い、例えば、押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等の成形法により成形、加工することができる。
本発明に係る自動車用ウォーターパイプは、上記の熱可塑性重合体組成物を用い、例えば、押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等の成形法により成形、加工することができる。
5−1.層構造
自動車用ウォーターパイプは、前記熱可塑性重合体組成物で単層構造に成形されたものであることが好ましく、成形後の曲げ加工による長さ方向の曲げ点を含む場合に特に好ましい。単層構造であると、曲げ加工後の時間経過にともなう曲げ点の角度変化(バックリング)が小さいからである。この曲げ加工の中心線での曲げ半径は、ウォーターパイプの外径の1.5倍以上であることが好ましい。これが1.5倍未満であるとパイプ曲げ部内側が大きく圧縮され、材料が内面へはみ出すことで閉塞し、必要な流量が確保できなくなる場合がある。また、曲げ角度は5〜180°であることが好ましい。これが5°未満であるとストレート形状で対応可能な範疇であり、180°を超えると一部分のパイプ曲げ部内側が大きく圧縮され、材料が内面へはみ出すことで閉塞し、必要な流量が確保できなくなる場合がある。
自動車用ウォーターパイプは、前記熱可塑性重合体組成物で単層構造に成形されたものであることが好ましく、成形後の曲げ加工による長さ方向の曲げ点を含む場合に特に好ましい。単層構造であると、曲げ加工後の時間経過にともなう曲げ点の角度変化(バックリング)が小さいからである。この曲げ加工の中心線での曲げ半径は、ウォーターパイプの外径の1.5倍以上であることが好ましい。これが1.5倍未満であるとパイプ曲げ部内側が大きく圧縮され、材料が内面へはみ出すことで閉塞し、必要な流量が確保できなくなる場合がある。また、曲げ角度は5〜180°であることが好ましい。これが5°未満であるとストレート形状で対応可能な範疇であり、180°を超えると一部分のパイプ曲げ部内側が大きく圧縮され、材料が内面へはみ出すことで閉塞し、必要な流量が確保できなくなる場合がある。
5−2.パイプ形状
パイプ形状は、特に限定されず、例えば波打ちのないストレート形状(非蛇腹形状)でもよいし、蛇腹形状(コルゲートパイプ)でもよい。
パイプ形状は、特に限定されず、例えば波打ちのないストレート形状(非蛇腹形状)でもよいし、蛇腹形状(コルゲートパイプ)でもよい。
次の表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜13の熱可塑性重合体組成物を調製し、試験片を成形して諸性質を調べるとともに、図1(a)に示す非蛇腹形状パイプと(b)に示す蛇腹形状パイプを成形して成形性と形状保持性を調べた。
・実施例1〜5は、本発明で特定されるポリアミド9T(PA9T)とポリオレフィンとを配合した組成物である。
・比較例1はポリアミド6(PA6)、比較例2はポリアミド66(PA66)、比較例3はポリフェニレンサルファイド(PPS)、比較例4はポリアミド9T(PA9T)である。
・その他の比較例5〜13はポリアミド9T(PA9T)とポリオレフィンとを配合した組成物であるが、PA9T又はポリオレフィンのいずれか一方又は両方が本発明で特定されるものとは相違するものである。
・実施例1〜5は、本発明で特定されるポリアミド9T(PA9T)とポリオレフィンとを配合した組成物である。
・比較例1はポリアミド6(PA6)、比較例2はポリアミド66(PA66)、比較例3はポリフェニレンサルファイド(PPS)、比較例4はポリアミド9T(PA9T)である。
・その他の比較例5〜13はポリアミド9T(PA9T)とポリオレフィンとを配合した組成物であるが、PA9T又はポリオレフィンのいずれか一方又は両方が本発明で特定されるものとは相違するものである。
表1における各配合物の詳細を記す。
・PA6には、東レ株式会社の商品名「アミランCM1056」を用いた。
・PA66には、宇部興産株式会社の商品名「ウベナイロン2026B」を用いた。
・PPSには、東レ株式会社の商品名「トレリナA670X01」を用いた。
・PA9Tには、次の製造例1〜4により製造されたものを用いた。
・PA6には、東レ株式会社の商品名「アミランCM1056」を用いた。
・PA66には、宇部興産株式会社の商品名「ウベナイロン2026B」を用いた。
・PPSには、東レ株式会社の商品名「トレリナA670X01」を用いた。
・PA9Tには、次の製造例1〜4により製造されたものを用いた。
[製造例1]PA9T(末端アミノ基量:8μモル/g、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比(N/I):60/40)の製造
テレフタル酸10178g(61.3モル)、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=60/40(モル比)]9746g(61.6モル)、安息香酸75.2g(0.62モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物20g(原料総質量に対して0.1質量)および蒸留水5Lを、内容積40Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。この混合物を100℃で30分間撹拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧した。そのまま2時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させて極限粘度が[η]が0.15dl/gのプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の粒径まで粉砕した。これを230℃、13Pa(0.01mg)にて10時間固相重合し、融点が276℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が8μモル/g、末端カルボキシル基量が50μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
なお、PA9Tの末端アミノ基量はPA9T1gをフェノール35mLに加熱溶解した後メタノール3mLを添加して調製した試料溶液を用いて、チモールブルーを指示薬とし、0.1規定のHCl水溶液を使用して滴定を行うことにより測定した。また、PA9Tの末端カルボキシル基量はPA9T1gをm−クレゾール60mLに加熱溶解した後冷却して調製した試料溶液を用いて、0.1規定のKOHのメタノール溶液を使用して電位差滴定を行うことにより測定した。
テレフタル酸10178g(61.3モル)、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=60/40(モル比)]9746g(61.6モル)、安息香酸75.2g(0.62モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物20g(原料総質量に対して0.1質量)および蒸留水5Lを、内容積40Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。この混合物を100℃で30分間撹拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧した。そのまま2時間反応を続けた後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させて極限粘度が[η]が0.15dl/gのプレポリマーを得た。
得られたプレポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の粒径まで粉砕した。これを230℃、13Pa(0.01mg)にて10時間固相重合し、融点が276℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が8μモル/g、末端カルボキシル基量が50μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
なお、PA9Tの末端アミノ基量はPA9T1gをフェノール35mLに加熱溶解した後メタノール3mLを添加して調製した試料溶液を用いて、チモールブルーを指示薬とし、0.1規定のHCl水溶液を使用して滴定を行うことにより測定した。また、PA9Tの末端カルボキシル基量はPA9T1gをm−クレゾール60mLに加熱溶解した後冷却して調製した試料溶液を用いて、0.1規定のKOHのメタノール溶液を使用して電位差滴定を行うことにより測定した。
[製造例2]PA9T(末端アミノ基量:80μモル/g、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比(N/I):60/40)の製造
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物の使用量を9746g(61.6モル)から9990g(63.1モル)に代えた以外は、製造例1と同様の操作により、融点が276℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が80μモル/g、末端カルボキシル基量が5μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物の使用量を9746g(61.6モル)から9990g(63.1モル)に代えた以外は、製造例1と同様の操作により、融点が276℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が80μモル/g、末端カルボキシル基量が5μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
[製造例3]PA9T(末端アミノ基量:8μモル/g、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比(N/I):50/50)の製造
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=60/40(モル比)]9746g(61.6モル)を、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=50/50(モル比)]9746g(61.6モル)に代えた以外は、製造例1と同様の操作により、融点が267℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が8μモル/g、末端カルボキシル基量が50μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=60/40(モル比)]9746g(61.6モル)を、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=50/50(モル比)]9746g(61.6モル)に代えた以外は、製造例1と同様の操作により、融点が267℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が8μモル/g、末端カルボキシル基量が50μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
[製造例4]PA9T(末端アミノ基量:80モル/g、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比(N/I):50/50)の製造
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=60/40(モル比)]9746g(61.6モル)を、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=50/50(モル比)]9990g(63.1モル)に代えた以外は、製造例1と同様の操作により、融点が267℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が80μモル/g、末端カルボキシル基量が5μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=60/40(モル比)]9746g(61.6モル)を、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[1,9−ノナンジアミン/2−メチル−1,8−オクタンジアミン=50/50(モル比)]9990g(63.1モル)に代えた以外は、製造例1と同様の操作により、融点が267℃、極限粘度[η]が1.4dl/g、末端アミノ基量が80μモル/g、末端カルボキシル基量が5μモル/g、末端封止率が90%であるポリアミド系樹脂(PA9T)を得た。
・ポリオレフィンは、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)としてはJSR社の商品名「T7761P」(酸変性量0.8質量%)、「T7741P](酸変性量0.5質量%)、「T7712SP」(酸変性量0.3質量%)、「EP961SP」(未変性)を用い、エチレン・ブテン共重合体(EBR)としては、三井化学社の商品名「MH7020」(酸変性量1.0質量%)を用いた。このように、EPRについては酸変性量が0.8質量%、0.5質量%、0.3質量%のものと未変性のものとを用意し、EBRについては酸変性量が1.0質量%のものを用意して配合した。
実施例1〜4及び比較例1〜12で得られた組成物のペレットを用いて、成形品(試験片)をつくり、それらの物性を測定して表1に記した。これらの物性のうち測定法の説明が必要なものについて、以下に説明する。
(1)比重
長さ31mm、幅6.35mm、厚み1.6mmの試験片を用いて、ASTM−D792に準じて比重を測定した。
長さ31mm、幅6.35mm、厚み1.6mmの試験片を用いて、ASTM−D792に準じて比重を測定した。
(2)吸水率の測定
JIS1号ダンベルを射出成形し、23℃の水に24時間浸漬した後、取り出して吸水による重量変化率を測定した。
JIS1号ダンベルを射出成形し、23℃の水に24時間浸漬した後、取り出して吸水による重量変化率を測定した。
(3)融点、ガラス転移温度
融点は示差走査熱量計を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/分)気流中、昇温速度10℃/分で測定した。ガラス転移温度は、ベースラインに不連続的部分が現れる領域の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
融点は示差走査熱量計を使用し、試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/分)気流中、昇温速度10℃/分で測定した。ガラス転移温度は、ベースラインに不連続的部分が現れる領域の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(4)線膨張係数
厚さ3mmの平板を射出成形により作製し、これを切削して得た試験片(長さ10mm、幅5mm、厚さ3mm)を用いて、JIS−K7197に準じて線膨張係数を測定した。
厚さ3mmの平板を射出成形により作製し、これを切削して得た試験片(長さ10mm、幅5mm、厚さ3mm)を用いて、JIS−K7197に準じて線膨張係数を測定した。
(5)引張り強さ・引張り伸びの測定:
JIS1号ダンベルを射出成形し、JIS−K7113に準じて5mm/分の条件下で引張り強さおよび引張り伸びを測定した。引張り強さの温度条件は23℃とし、引張り伸びの温度条件は23℃、120℃とした。
JIS1号ダンベルを射出成形し、JIS−K7113に準じて5mm/分の条件下で引張り強さおよび引張り伸びを測定した。引張り強さの温度条件は23℃とし、引張り伸びの温度条件は23℃、120℃とした。
(6)曲げ強さ・曲げ弾性率の測定
長さ128mm、巾12.7mm、厚み6.2mmの試験片を射出成形し、ASTM−D790に準じて曲げ強さ、曲げ弾性率を測定した。温度条件は23℃、120℃とした。
長さ128mm、巾12.7mm、厚み6.2mmの試験片を射出成形し、ASTM−D790に準じて曲げ強さ、曲げ弾性率を測定した。温度条件は23℃、120℃とした。
(7)ノッチ付きアイゾット衝撃値の測定
長さ62mm、巾12.7mm、厚み3.2mmの試験片を射出成形し、ノッチカッターでノッチを付け、ASTM−D256に従ってノッチ付アイゾット衝撃強度を測定した。温度条件は23℃、−30℃、−40℃とした。なお、試験片が破壊されない場合は「NB」とした。
長さ62mm、巾12.7mm、厚み3.2mmの試験片を射出成形し、ノッチカッターでノッチを付け、ASTM−D256に従ってノッチ付アイゾット衝撃強度を測定した。温度条件は23℃、−30℃、−40℃とした。なお、試験片が破壊されない場合は「NB」とした。
(8)荷重たわみ温度(DTUL)の測定
長さ128mm、巾12.7mm、厚み6.2mmの試験片を射出成形し、ASTM−D648に準じて荷重たわみ温度を測定した。
長さ128mm、巾12.7mm、厚み6.2mmの試験片を射出成形し、ASTM−D648に準じて荷重たわみ温度を測定した。
(9)耐加水分解性の測定
オートクレーブ中で、JIS1号ダンベルを水中、150℃、500時間浸漬させた。取り出した試験片の引張り強さ(S1)をJIS−K7113に準じて測定した。また、試験片の重量平均分子量をGPC法により算出した(M1)。試験前の試験片の引張り強さ(S0)、重量平均分子量(M0)もそれぞれ測定し、以下の式に従って、引張り強さ保持率、分子量保持率を算出した。
引張強さ保持率(%)=(S1/S0)×100
分子量保持率(%)=(M1/M0)×100
オートクレーブ中で、JIS1号ダンベルを水中、150℃、500時間浸漬させた。取り出した試験片の引張り強さ(S1)をJIS−K7113に準じて測定した。また、試験片の重量平均分子量をGPC法により算出した(M1)。試験前の試験片の引張り強さ(S0)、重量平均分子量(M0)もそれぞれ測定し、以下の式に従って、引張り強さ保持率、分子量保持率を算出した。
引張強さ保持率(%)=(S1/S0)×100
分子量保持率(%)=(M1/M0)×100
(10)耐塩化カルシウム性の測定
JIS1号ダンベルを射出成形し、前処理として100℃の熱水に22時間浸漬した後、取り出した。10%塩化カルシウム水溶液をガーゼに染み込ませて試験片に貼り付け、オーブンにて80℃で2時間加熱した。その後、試験片をオーブンから取り出し、常温にてクラックを確認した。以上を1サイクルとし、これを100サイクルまで繰り返した。
JIS1号ダンベルを射出成形し、前処理として100℃の熱水に22時間浸漬した後、取り出した。10%塩化カルシウム水溶液をガーゼに染み込ませて試験片に貼り付け、オーブンにて80℃で2時間加熱した。その後、試験片をオーブンから取り出し、常温にてクラックを確認した。以上を1サイクルとし、これを100サイクルまで繰り返した。
(11)メルトフローレート(MFR)
測定温度320℃、5000g荷重とし、ASTM−D1238に準ずる方法で測定した。実施例2〜5と比較例9、11、12、13の各MFRについては、図2にグラフ化して表した。なお、図2中において実施例は「実」と略し、比較例は「比」と略している。
測定温度320℃、5000g荷重とし、ASTM−D1238に準ずる方法で測定した。実施例2〜5と比較例9、11、12、13の各MFRについては、図2にグラフ化して表した。なお、図2中において実施例は「実」と略し、比較例は「比」と略している。
(12)製品成形性
図1(b)に示す内径16mm、肉厚1.0mm、蛇腹振幅2mm、蛇腹ピッチ5.5mm、長さ200mmの蛇腹形状のパイプを、φ50押出機にて、シリンダー温度を材料供給側から出口側に向って順次270〜320℃、ダイス温度を320℃に設定し、回転速度を50rpmにてコルゲート成形を実施した。その結果、樹脂圧力が10〜50MPaの範囲で押出機に大きな負荷を与えることなく成形できたものを「○」と評価し、50MPaを超え大きな負荷が生じたものを「×」と評価した。
図1(b)に示す内径16mm、肉厚1.0mm、蛇腹振幅2mm、蛇腹ピッチ5.5mm、長さ200mmの蛇腹形状のパイプを、φ50押出機にて、シリンダー温度を材料供給側から出口側に向って順次270〜320℃、ダイス温度を320℃に設定し、回転速度を50rpmにてコルゲート成形を実施した。その結果、樹脂圧力が10〜50MPaの範囲で押出機に大きな負荷を与えることなく成形できたものを「○」と評価し、50MPaを超え大きな負荷が生じたものを「×」と評価した。
(13)製品形状保持性
比較例1、比較例2、実施例1、前記背景技術の項で説明した従来の(例1)ポリアミド6外皮の3層構造、従来の(例2)ポリアミド66外皮の3層構造、の5種類について、図1(a)に示す内径16mm、肉厚2.0mm、長さ200mmの非蛇腹形状のパイプを成形し、それぞれ熱可塑性重合体組成物の融点より30℃低い温度に加熱し、図3に示すようにパイプの長さ方向の中間部をパイプ中心半径30mm、曲げ角度45°に曲げ加工し、室温にて冷却放置、その後、温度50℃、湿度95%RHの環境に90時間放置(製品輸送時の最悪状態を想定したもの)した後、前記の曲げ角度45°が何度戻るか(曲げ角度変化率)を調べた。例えば、前記の曲げ角度45°が15°戻って30°となった場合、曲げ角度変化率は(45°−30°)/45°×100=33.3%と求められる。その結果を図4に示す。また、比較例1、比較例2、実施例1、の3種類については、上記(12)で成形した蛇腹形状のパイプ(図1(b))についても、同様に加熱、曲げ加工した製品を恒温恒湿下に放置し、曲げ角度の変化率を調べた。その結果を図5に示す。
比較例1、比較例2、実施例1、前記背景技術の項で説明した従来の(例1)ポリアミド6外皮の3層構造、従来の(例2)ポリアミド66外皮の3層構造、の5種類について、図1(a)に示す内径16mm、肉厚2.0mm、長さ200mmの非蛇腹形状のパイプを成形し、それぞれ熱可塑性重合体組成物の融点より30℃低い温度に加熱し、図3に示すようにパイプの長さ方向の中間部をパイプ中心半径30mm、曲げ角度45°に曲げ加工し、室温にて冷却放置、その後、温度50℃、湿度95%RHの環境に90時間放置(製品輸送時の最悪状態を想定したもの)した後、前記の曲げ角度45°が何度戻るか(曲げ角度変化率)を調べた。例えば、前記の曲げ角度45°が15°戻って30°となった場合、曲げ角度変化率は(45°−30°)/45°×100=33.3%と求められる。その結果を図4に示す。また、比較例1、比較例2、実施例1、の3種類については、上記(12)で成形した蛇腹形状のパイプ(図1(b))についても、同様に加熱、曲げ加工した製品を恒温恒湿下に放置し、曲げ角度の変化率を調べた。その結果を図5に示す。
表1及び図2、図4、図5の結果から、次のことが分かる。
・比較例1(PA6)及び比較例2(PA66)は、特に低吸水性、線膨張係数、耐加水分解性、耐塩化カルシウム性に劣るため、単層のウォーターパイプとしては成立しえない。また、形状保持性が低く、曲げ角度変化率が大きいという欠点がある(図4、図5)。
・比較例3(PPS)は、特に引張り伸び、高温での曲げ弾性率、低温でのノッチ付きアイゾット衝撃値に劣るため、単層のウォーターパイプとしては成立しえない。また、コルゲート成形はできるが、それを曲げ加工することができない。
・比較例4(PA9T)は、ポリオレフィンの配合がないことから、特に引張り伸び、ノッチ付きアイゾット衝撃値に劣るため、単層のウォーターパイプとしては成立しえない。
・比較例1(PA6)及び比較例2(PA66)は、特に低吸水性、線膨張係数、耐加水分解性、耐塩化カルシウム性に劣るため、単層のウォーターパイプとしては成立しえない。また、形状保持性が低く、曲げ角度変化率が大きいという欠点がある(図4、図5)。
・比較例3(PPS)は、特に引張り伸び、高温での曲げ弾性率、低温でのノッチ付きアイゾット衝撃値に劣るため、単層のウォーターパイプとしては成立しえない。また、コルゲート成形はできるが、それを曲げ加工することができない。
・比較例4(PA9T)は、ポリオレフィンの配合がないことから、特に引張り伸び、ノッチ付きアイゾット衝撃値に劣るため、単層のウォーターパイプとしては成立しえない。
・比較例5〜13(PA9T+ポリオレフィン)は、PA9T又はポリオレフィンのいずれか一方又は両方が本発明で特定されるものとは相違することから、次の通り、一部の特性が劣る。
比較例5及び比較例8は、PA9Tの末端アミノ基量が少ないことから耐加水分解性に劣る。
比較例6は、ポリオレフィン(EPR)の酸変性量が多く、未変性ポリオレフィンの配合もないことから、MFRが小さく、流動性に劣り、蛇腹形状のパイプを成形することができない。
比較例7は、比較例6に対しポリオレフィンの種類をEBRに変えたものであるが、同様にMFRが小さく、流動性に劣る。
比較例5及び比較例8は、PA9Tの末端アミノ基量が少ないことから耐加水分解性に劣る。
比較例6は、ポリオレフィン(EPR)の酸変性量が多く、未変性ポリオレフィンの配合もないことから、MFRが小さく、流動性に劣り、蛇腹形状のパイプを成形することができない。
比較例7は、比較例6に対しポリオレフィンの種類をEBRに変えたものであるが、同様にMFRが小さく、流動性に劣る。
比較例9は、ポリオレフィン(EPR)の酸変性量が多く、未変性ポリオレフィンの配合もないことから、MFRが小さく、流動性に劣り、蛇腹形状のパイプを成形することができない。
比較例10は、比較例9に対しポリオレフィンの種類をEBRに変えたものであるが、同様にMFRが小さく、流動性に劣る。
比較例11は、比較例9に対しEPRを酸変性量の少ないものに変えたものであるが、未変性ポリオレフィンの配合がないことから、同様にMFRが小さく、流動性に劣る(図2)。
比較例12は、比較例9に対しEPRをより酸変性量の少ないものに変えたものであるが、未変性ポリオレフィンの配合がないことから、同様にMFRが小さく、流動性に劣る(図2)。このように、ポリオレフィンが酸変性品のみよりなる場合には、その酸変性量を低く(例えば同じく0.2〜0.5質量%に)したとしても、粘性は低くならず、流動性・成形性は低いままであることが分かる。
比較例13は、比較例9に対し未変性のポリオレフィン(EPR)を一部配合したものであるが、未変性EPRの配合量が少ない(酸変性EPRと未変性EPRとの質量比が75:25)ことから、同様にMFRが小さく、流動性に劣る。
比較例10は、比較例9に対しポリオレフィンの種類をEBRに変えたものであるが、同様にMFRが小さく、流動性に劣る。
比較例11は、比較例9に対しEPRを酸変性量の少ないものに変えたものであるが、未変性ポリオレフィンの配合がないことから、同様にMFRが小さく、流動性に劣る(図2)。
比較例12は、比較例9に対しEPRをより酸変性量の少ないものに変えたものであるが、未変性ポリオレフィンの配合がないことから、同様にMFRが小さく、流動性に劣る(図2)。このように、ポリオレフィンが酸変性品のみよりなる場合には、その酸変性量を低く(例えば同じく0.2〜0.5質量%に)したとしても、粘性は低くならず、流動性・成形性は低いままであることが分かる。
比較例13は、比較例9に対し未変性のポリオレフィン(EPR)を一部配合したものであるが、未変性EPRの配合量が少ない(酸変性EPRと未変性EPRとの質量比が75:25)ことから、同様にMFRが小さく、流動性に劣る。
・これに対し、実施例1〜5は、特定量の末端アミノ基を有するPA9Tと未変性ポリオレフィンを特定量混ぜたポリオレフィンとの配合により、低吸水性、線膨張係数、引張り特性、曲げ特性、衝撃特性、耐加水分解性、耐塩化カルシウム性、MFR(図2)、製品成形性、形状保持性(図4、図5)のいずれも優れていることがわかる。よって、例えば図1(c)に示すような、複雑形状の自動車用ウォーターパイプ1を成形加工することができる。このウォーターパイプ1は、実施例の熱可塑性重合体組成物で単層構造に成形されたものであり、波打ちのないストレート形状部(非蛇腹形状部)2と、蛇腹形状部3(コルゲート部)とを含んでおり、さらに成形後の曲げ加工による長さ方向の曲げ点4を含んでいる。この曲げ加工の中心線での曲げ半径は、ウォーターパイプの外径の1.5倍以上であり、曲げ角度は5〜180°である。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 自動車用ウォーターパイプ
2 ストレート形状部
3 蛇腹形状部
4 曲げ点
2 ストレート形状部
3 蛇腹形状部
4 曲げ点
Claims (3)
- ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)とから主としてなる熱可塑性重合体組成物であって;
ポリアミド系樹脂(I)が、テレフタル酸単位を60〜100モル%含有するジカルボン酸単位(Ia)と、1,9−ノナンジアミン単位及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を60〜100モル%含有し、且つ1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位とのモル比が60:40〜50:50であるジアミン単位(Ib)とからなるポリアミド系樹脂であり;
ポリアミド系樹脂(I)の末端アミノ基量が60μモル/g以上であり、且つ末端カルボキシル基量が10μモル/g以下であり;
ポリオレフィン(II)が、酸変性されたポリオレフィンと酸変性されていないポリオレフィンとを質量比80:20〜20:80で含む結果、酸変性量が0.2〜0.5質量%であり;
ポリアミド系樹脂(I)とポリオレフィン(II)との質量比が90:10〜70:30である熱可塑性重合体組成物;
で成形された自動車用ウォーターパイプ。 - ポリオレフィン(II)が、酸変性されたエチレン・プロピレン共重合体及び酸変性されたエチレン・ブテン共重合体の何れか一方又は両方と、酸変性されていないエチレン・プロピレン共重合体及び酸変性されていないエチレン・ブテン共重合体の何れか一方又は両方との混合物である請求項1記載の自動車用ウォーターパイプ。
- 自動車用ウォーターパイプが、前記熱可塑性重合体組成物で単層構造に成形され、該成形後の曲げ加工による長さ方向の曲げ点を含む請求項1又は2記載の自動車用ウォーターパイプ。
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