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JP2008037087A - ガスバリアフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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JP2008037087A JP2006289002A JP2006289002A JP2008037087A JP 2008037087 A JP2008037087 A JP 2008037087A JP 2006289002 A JP2006289002 A JP 2006289002A JP 2006289002 A JP2006289002 A JP 2006289002A JP 2008037087 A JP2008037087 A JP 2008037087A
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Abstract

【課題】優れたガスバリア性を有する非ハロゲン系ガスバリア性コートフィルムを提供する。
【解決手段】基材、エポキシ樹脂硬化物層および樹脂(X)層の少なくとも3層からなるガスバリアフィルムであって、該樹脂(X)がポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ロジン系樹脂、ポリアミド系樹脂および塩素化オレフィン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であり、かつ該エポキシ樹脂硬化物がエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物が硬化して得られ、キシリレンジアミンに由来する骨格構造を特定割合以上含有するものであることを特徴とするガスバリアフィルム
【選択図】 なし

Description

本発明は食品や医薬品などの包装材料に好適に使用される非ハロゲン系ガスバリア性コートフィルム、およびその製造方法に関する。
近年、内容物保存を目的とした包装材料には、透明性、軽量性、経済性等の理由からプラスチックフィルムやシート、あるいはそれらの成形加工品の使用が主流になっている。食品、医薬品、化粧品などの包装に用いられるプラスチックフィルムの要求性能としては、各種ガスに対するバリア性、透明性、耐レトルト処理性、耐屈曲性、柔軟性、ヒートシール性などが挙げられるが、内容物の性能あるいは性質を保持するという目的から、酸素および水蒸気に対する高いバリア性が特に要求されている。
一般に熱可塑性プラスチックフィルムのガスバリア性はそれほど高いものではないことから、これらのフィルムにガスバリア性を付与する手段としては従来、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂をコーティングする手法が主に用いられてきた。しかし、この手法で作製されるPVDCコートフィルムはハロゲン原子を含有しているため焼却時にダイオキシンなどの有害ガスを発生することが問題となっている。
これに代わる技術としてエチレン-酢酸ビニル共重合けん化物(EVOH樹脂)フィルムやポリビニルアルコール(PVA)コーティング、熱可塑性ポリマーフィルムにシリカやアルミナなどを蒸着した無機蒸着フィルムなどが知られているが、EVOH樹脂フィルムやPVAコートフィルムは高湿度下で水分に暴露されたり、煮沸処理やレトルト処理を施すとその酸素バリア性が著しく低下するという問題が、また、無機蒸着フィルムはガスバリア層が硬い無機化合物の蒸着により形成されるため、屈曲によりガスバリア層にクラックやピンホールが発生し、ガスバリア性が著しく低下するという問題がある。さらに、このような真空蒸着フィルムはコーティングやラミネートフィルムに比べ、大掛かりな製造装置を必要とし、製造コストの面では非常に不利である。
一方、非ハロゲン系コーティング技術として、高アミン窒素含有のポリアミン−ポリエポキシドコーティングが知られている(特許文献1および特許文献2参照)。しかしながら、このコート材のガスバリア性は包装用フィルムとしては十分に高いものではなく、また高湿度条件下でバリア性が低下することからさらなる改良が望まれる。
また、近年、ガスバリア性ラミネートフィルムにおいて、ガスバリア機能を有するラミネート用接着剤が提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、該接着剤をコート剤として使用した場合、塗布した後に乾燥するまでに時間がかかり、すぐには巻取りができない、また、乾燥が不十分な場合はブロッキングが発生するという問題があった。
特開平7−91367号公報 特開平7−91368号公報 特開2002−256208号公報
本発明の課題は、上記問題点を解決し、優れたガスバリア性を有する非ハロゲン系ガスバリアフィルムを提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の組成のエポキシ樹脂組成物を基材となる可撓性ポリマーフィルムの上にコートし、引き続きポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ロジン系樹脂、ポリアミド系樹脂および塩素化オレフィン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂をコートすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、基材、エポキシ樹脂硬化物層および樹脂(X)層の少なくとも3層からなるガスバリアフィルムであって、該樹脂(X)がポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ロジン系樹脂、ポリアミド系樹脂および塩素化オレフィン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であり、かつ該エポキシ樹脂硬化物がエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物が硬化して得られ、(1)式に示される骨格構造を40重量%以上含有するものであることを特徴とするガスバリアフィルムに関するものである。
また、本発明は、上記ガスバリアフィルムを製造する際に、基材フィルム上にエポキシ樹脂組成物を塗布、乾燥し、次いで該エポキシ樹脂組成物上に樹脂(X)層を形成した後にフィルムを巻き取ることを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法に関するものである。
Figure 2008037087
本発明によれば、ガスバリア性に加え、非ハロゲン系材料であることから、例えば、食品、医薬品および工業用品等の種々の物品を包装するために有用なガスバリアフィルムを得ることができる。
本発明のガスバリアフィルムは少なくとも、基材、エポキシ樹脂硬化物層および樹脂(X)層の3層からなる。以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明における基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム;ナイロン6、ナイロン6,6、メタキシレンアジパミド(N-MXD6)などのポリアミド系フィルム;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系フィルム;ポリアクリロニトリル系フィルム;ポリ(メタ)アクリル系フィルム;ポリスチレン系フィルム;ポリカーボネート系フィルム;エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)系フィルム;ポリビニルアルコール系フィルム;カートンなどの紙類;アルミや銅などの金属箔が挙げられる。また、これらの基材として用いられる各種材料にポリ塩化ビニリデン(PVDC)樹脂やポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物系樹脂、アクリル系樹脂などの各種ポリマーによるコーティングを施したフィルム;シリカ、アルミナ、アルミなどの各種無機化合物あるいは金属を蒸着させたフィルム;無機フィラーなどを分散させたフィルム;酸素捕捉機能を付与したフィルムなどが使用できる。また、コーティングする各種ポリマーについても無機フィラーを分散させることができる。無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどが挙げられるが、モンモリロナイトなどの層状珪酸塩が好ましく、またその分散方法としては例えば押出混錬法や樹脂溶液への混合分散法など従来公知の方法が使用できる。酸素捕捉機能を付与させる方法としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等を含む組成物を少なくとも一部に使用する方法等が挙げられる。
これらのフィルム材料の厚さとしては10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度が実用的であり、プラスチックフィルムの場合は一軸ないし二軸方向に延伸されているものでもよい。
本発明のガスバリアフィルムにおいて、エポキシ樹脂硬化物層はエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物が硬化して得られるものであり、該エポキシ樹脂硬化物中に上記(1)式の骨格構造が40重量%以上、好ましくは45重量%以上、より好ましくは50重量%以上含有されることを特徴としている。エポキシ樹脂硬化物中に上記(1)式の骨格構造が高いレベルで含有されることにより、高いガスバリア性が発現する。本発明によれば、酸素透過係数1.0ml・mm/m・day・MPa(23℃60%RH)以下の酸素バリア性を有するエポキシ樹脂硬化物を得ることもできる。以下に、エポキシ樹脂組成物の主成分であるエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤について説明する。
本発明におけるエポキシ樹脂は、脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物または複素環式化合物のいずれであってもよいが、高いガスバリア性の発現を考慮した場合には芳香族部位を分子内に含むエポキシ樹脂が好ましく、上記(1)式の骨格構造を分子内に含むエポキシ樹脂がより好ましい。具体例としては、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基および/またはグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。中でもメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。
更に、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂やメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分として使用することがより好ましく、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂を主成分として使用することが特に好ましい。
また、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるために、上記の種々のエポキシ樹脂を適切な割合で混合して使用することもできる。
前記エポキシ樹脂は、アルコール類、フェノール類またはアミン類とエピハロヒドリンの反応により得られる。例えば、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂は、メタキシリレンジアミンにエピクロルヒドリンを付加させることで得られる。メタキシリレンジアミンは4つのアミノ水素を有するので、モノ−、ジ−、トリ−およびテトラグリシジル化合物が生成する。グリシジル基の数はメタキシリレンジアミンとエピクロルヒドリンとの反応比率を変えることで変更することができる。例えば、メタキシリレンジアミンに約4倍モルのエピクロルヒドリンを付加反応させることにより、主として4つのグリシジル基を有するエポキシ樹脂が得られる。
前記エポキシ樹脂は、各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対し過剰のエピハロヒドリンを水酸化ナトリウム等のアルカリ存在下、20〜140℃、好ましくはアルコール類、フェノール類の場合は50〜120℃、アミン類の場合は20〜70℃の温度条件で反応させ、生成するアルカリハロゲン化物を分離することにより合成される。
生成したエポキシ樹脂の数平均分子量は各種アルコール類、フェノール類およびアミン類に対するエピハロヒドリンのモル比により異なるが、約80〜4000であり、約200〜1000であることが好ましく、約200〜500であることがより好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化剤は、脂肪族化合物、脂環式化合物、芳香族化合物、または複素環式化合物のいずれであってもよく、ポリアミン類、フェノール類、酸無水物、またはカルボン酸類などの一般に使用され得るエポキシ樹脂硬化剤を使用することができる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は、ラミネートフィルムの使用用途およびその用途における要求性能に応じて選択することが可能である。
具体的には、ポリアミン類としてはエチレジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン;メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミンなどの芳香環を有する脂肪族アミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソフォロンジアミン、ノルボルナンジアミンなどの脂環式アミン;ジアミノジフェニルメタン、メタフェニレンジアミンなどの芳香族アミンが挙げられる。また、これらを原料とするエポキシ樹脂、ポリアミン類とモノグリシジル化合物との変性反応物、ポリアミン類とエピクロルヒドリンとの変性反応物、ポリアミン類と炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの変性反応物、ポリアミン類と少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応により得られたアミドオリゴマー、ポリアミン類、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物、および一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応により得られたアミドオリゴマーもエポキシ樹脂硬化剤として使用できる。
フェノール類としてはカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの多価フェノール、およびレゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。
また、酸無水物またはカルボン酸類としてはドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物などの脂肪族酸無水物、(メチル)テトラヒドロ無水フタル酸、(メチル)ヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族酸無水物、およびこれらのカルボン酸などが使用できる。
高いガスバリア性の発現を考慮した場合には、芳香族部位を分子内に含むエポキシ樹脂硬化剤が好ましく、上記(1)式の骨格構造を分子内に含むエポキシ樹脂硬化剤がより好ましい。
具体的にはメタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン、およびこれらを原料とするエポキシ樹脂またはモノグリシジル化合物との反応生成物、炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの反応生成物、エピクロロヒドリンとの反応生成物、これらのポリアミン類との反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物、これらのポリアミン類との反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物と、一価のカルボン酸および/またはその誘導体との反応生成物などを使用することがより好ましい。
高いガスバリア性および良好な接着性を考慮した場合には、エポキシ樹脂硬化剤として、下記の(A)および(B)の反応生成物、または(A)、(B)および(C)の反応生成物を用いることが特に好ましい。
(A)メタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミン
(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物
(C)炭素数1〜8の一価カルボン酸および/またはその誘導体
前記(B)ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸などのカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などが挙げられ、特にアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体が好ましい。
また、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、安息香酸などの炭素数1〜8の一価のカルボン酸およびそれらの誘導体、例えばエステル、アミド、酸無水物、酸塩化物などを上記多官能性化合物と併用して開始ポリアミンと反応させてもよい。反応により導入されるアミド基部位は高い凝集力を有しており、エポキシ樹脂硬化剤中に高い割合でアミド基部位が存在することにより、より高い酸素バリア性および良好な接着強度が得られる。
前記 (A)および(B)、または(A)、(B)および(C)の反応モル比は、(A)に含有されるアミノ基の数に対する(B)に含有される反応性官能基の数の比、または(A)に含有されるアミノ基の数に対する(B)および(C)に含有される反応性官能基の合計数の比として、0.3〜0.97の範囲が好ましい。0.3より少ない比率では、エポキシ樹脂硬化剤中に十分な量のアミド基が生成せず、高いレベルのガスバリア性および接着性が発現しない。また、エポキシ樹脂硬化剤中に残存する揮発性分子の割合が高くなり、得られる硬化物からの臭気発生の原因となる。また、エポキシ基とアミノ基の反応により生成する水酸基の硬化反応物中における割合が高くなるため、高湿度環境下での酸素バリア性が著しく低下する要因となる。一方、0.97より高い範囲ではエポキシ樹脂と反応するアミノ基の量が少なくなり優れた耐衝撃性や耐熱性などが発現せず、また各種有機溶剤あるいは水に対する溶解性も低下する。得られる硬化物の高いガスバリア性、高い接着性、臭気発生の抑制および高湿度環境下での高い酸素バリア性を特に考慮する場合には、ポリアミン成分に対する多官能性化合物のモル比が0.6〜0.97の範囲がより好ましい。より高いレベルの接着性の発現を考慮した場合には、本発明におけるエポキシ樹脂硬化剤中に、該硬化剤の全重量を基準として、少なくとも6重量%のアミド基が含有されることが好ましい。
基材に対する高い密着性の発現を考慮した場合には、例えばエポキシ樹脂硬化剤であるメタキシリレンジアミンまたはパラキシリレンジアミンと、該ポリアミンとの反応によりアミド基部位を形成しオリゴマーを形成し得る、少なくとも1つのアシル基を有する多官能性化合物との反応生成物の反応比を、ポリアミン成分に対する多官能性化合物のモル比で0.6〜0.97、好ましくは0.8〜0.97、特に好ましくは0.85〜0.97の範囲とし、反応生成物であるオリゴマーの平均分子量を高くしたエポキシ樹脂硬化剤を使用することが好ましい。
より好ましいエポキシ樹脂硬化剤は、メタキシリレンジアミンと、アクリル酸、メタクリル酸および/またはそれらの誘導体との反応生成物である。ここで、メタキシリレンジアミンに対するアクリル酸、メタクリル酸および/またはそれらの誘導体の反応モル比は0.8〜0.97の範囲が好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化物の主成分であるエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤の配合割合については、一般にエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応によりエポキシ樹脂硬化物を作製する場合の標準的な配合範囲であってよい。具体的には、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数の比が0.5〜5.0の範囲である。0.5より少ない範囲では残存する未反応のエポキシ基が、得られる硬化物のガスバリア性を低下させる原因となり、また5.0より多い範囲では残存する未反応のアミノ基が、得られる硬化物の耐湿熱性を低下させる原因となる。得られる硬化物のガスバリア性および耐湿熱性を特に考慮する場合には、0.8〜3.0の範囲がより好ましく、0.8〜2.0の範囲が特に好ましい。
また、得られる硬化物の高湿度環境下での高い酸素バリア性の発現を考慮した場合には、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するエポキシ樹脂硬化剤中の活性水素数の比が0.8〜1.4の範囲が好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリウレタン系樹脂組成物、ポリアクリル系樹脂組成物、ポリウレア系樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を混合してもよい。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物には各種材料に塗布時の表面の湿潤を助けるために、必要に応じてシリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤を添加しても良い。適切な湿潤剤としては、ビック・ケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK347、BYK348、BYK354、BYK380、BYK381などがある。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂組成物の全重量を基準として0.01重量%〜2.0重量%の範囲が好ましい。
また、本発明におけるエポキシ樹脂硬化物層のガスバリア性、耐衝撃性、耐熱性などの諸性能を向上させるために、エポキシ樹脂組成物の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤を添加しても良い。
フィルムの透明性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂組成物の全重量を基準として0.01重量%〜10.0重量%の範囲が好ましい。
また、本発明におけるエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、酸素捕捉機能を有する化合物等を添加してもよい。酸素捕捉機能を有する化合物としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ビタミンC、ビタミンE、有機燐化合物、没食子酸、ピロガロール等の酸素と反応する低分子有機化合物や、コバルト、マンガン、ニッケル、鉄、銅等の遷移金属化合物等が挙げられる。
さらに、本発明におけるエポキシ樹脂硬化物層の基材に対する接着性を向上させるために、エポキシ樹脂組成物の中にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を添加しても良い。カップリング剤としては、一般に市販されているものが使用できるが、中でもチッソ(株)、東レ・ダウコーニング(株)、信越化学工業(株)等から入手しうるN-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’-ビス[3-トリメトキシシリル]プロピル]エチレンジアミン等のアミノ系シランカップリング剤、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤等の本発明のガスバリア性樹脂組成物と反応しうる有機官能基を有するものが望ましい。これらを添加する場合には、エポキシ樹脂組成物の全重量を基準として0.01重量%〜5.0重量%の範囲が好ましい。なお、基材がシリカ、アルミナなどの各種無機化合物を蒸着させたフィルムの場合は、シランカップリング剤がより好ましい。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化物は好適な基材への密着性能に加え、高いガスバリア性を有する事を特徴としており、低湿度条件から高湿度条件に至る広い範囲において高いガスバリア性を示す。このことから、本発明におけるエポキシ樹脂硬化物を使用したガスバリアフィルムは、PVDCコート層やポリビニルアルコール(PVA)コート層、エチレン‐ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム層、メタキシリレンアジパミドフィルム層、アルミナやシリカなどを蒸着した無機蒸着フィルム層などの一般に使用されているガスバリア性材料を使用することなく非常に高いレベルのガスバリア性が発現する。また、無機蒸着フィルムに顕在化する不意の折り曲げによるガスバリア性の著しい劣化に関し、エポキシ樹脂硬化物をコートすることにより、そのガスバリア性の劣化度合いを著しく向上させることもできる。
また、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコールコートフィルム、無機フィラーを分散させたポリビニルアルコールコートフィルム、メタキシレンアジパミド(N-MXD6)フィルムなどのガスバリア性フィルムは、高湿度条件下では、そのガスバリア性が低下するという欠点があるが、本発明におけるエポキシ樹脂硬化物を使用し、これらのガスバリア性フィルムを含むラミネートフィルムを作製することにより、この欠点を解消することができる。
さらに、本発明におけるエポキシ樹脂硬化物は、靭性、耐湿熱性に優れることから、耐衝撃性、耐煮沸処理性、耐レトルト処理性などに優れたガスバリアフィルムが得られる。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物を各種材料に塗布する場合、エポキシ樹脂組成物の濃度は選択した材料の種類およびモル比、コーティング方法などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶剤および/または水を用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈して塗布液を調製する場合までの様々な状態をとり得る。使用される有機溶剤としては、エポキシ樹脂硬化物との溶解性を有するあらゆる溶剤が使用し得る。例えばトルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトンなどの非水溶性系溶剤、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
溶剤で希釈したエポキシ樹脂組成物(塗布液)は、そのザーンカップ(No.3)粘度が5〜30秒(25℃)の範囲となるような濃度で希釈され得る。ザーンカップ(No.3)粘度が5秒未満では接着剤が被塗物に十分塗布されず、ロールの汚染などの原因となる。またザーンカップ(No.3)粘度が30秒を超えると、エポキシ樹脂組成物がロールに十分移行せず、均一なエポキシ樹脂硬化物層を形成するのは困難となる。たとえばグラビア印刷機ではザーンカップ(No.3)粘度はその使用中に10〜20秒(25℃)であることが好ましい。
本発明における塗布液を調製する際に塗布液の泡立ちを抑えるために、塗布液の中に、シリコンあるいはアクリル系化合物といった消泡剤を添加しても良い。適切な消泡剤としては、ビック・ケミー社から入手しうるBYK019、BYK052、BYK065、BYK066N、BYK067N、BYK070、BYK080、などがあげられるが、特にBYK065が好ましい。また、これら消泡剤を添加する場合には、塗布液中のエポキシ樹脂組成物の全重量を基準として0.01重量%〜3.0重量%の範囲が好ましく、0.02重量%〜2.0重量%がより好ましい。
また、溶剤を使用した場合には、エポキシ樹脂組成物を塗布後の溶剤乾燥温度は20℃から140℃までの様々なものであってよいが、溶剤の沸点に近く、被塗物への影響が及ばない温度が望ましい。乾燥温度が20℃未満ではフィルム中に溶剤が残存し、接着不良や臭気の原因となる。また乾燥温度が140℃を超えると、ポリマーフィルムの軟化などにより、良好な外観のフィルムを得るのが困難となる。例えば接着剤を延伸ポリプロピレンフィルムに塗布する際は、40℃〜120℃が望ましい。
エポキシ樹脂組成物を塗布する際の塗装形式としては、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備やロール塗布やスプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗り、ダイコーティングなどの塗装形式のいずれも使用され得る。印刷機またはロール塗布が好ましい。例えば、グラビアインキをポリマーフィルムに塗布する場合と同様のグラビア印刷機あるいはロールコートおよび設備が適用され得る。
本発明におけるエポキシ樹脂組成物を各種材料等に塗布、乾燥した後のエポキシ樹脂硬化物層の厚さは0.1〜30μm、好ましくは0.2〜10μmが実用的である。0.1μm未満では十分なガスバリア性および接着性が発揮し難く、一方50μmを超えると乾燥性が不良となるばかりでなく、均一な厚みのエポキシ樹脂硬化物層を形成することが困難になる。
本発明における樹脂(X)としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタンウレア樹脂等のポリウレタン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂;ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩素化ポリプロピレン樹脂等の塩素化オレフィン系樹脂、等が挙げられる。樹脂(X)としては、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ロジン系樹脂、ポリアミド系樹脂および塩素化オレフィン系樹脂から選ばれる1種以上が用いられるが、比較的柔軟で接着力があることから、ポリウレタン系樹脂および/または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂が好ましい。これらの樹脂は単独でも混合物としても使用できる。これらの樹脂を水、メタノール、2-プロパノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤に溶解させて、グラビア法、ロールコート法などで塗布することで樹脂(X)からなる層を形成することができる。樹脂(X)からなる層の形成には、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備が同様に適用され得る。ここで、樹脂(X)には体質顔料が含まれていてもよい。
樹脂(X)からなる層の厚さは0.01〜5μm、好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.01〜2μmである。0.01μm未満では均一な塗膜を作製し難く、一方5μmを超えると長時間の乾燥を必要とする。
樹脂(X)として硬化性のものを使用する場合は1液硬化タイプでも2液硬化タイプでも良いが、2液硬化タイプの場合、硬化剤としてポリイソシアネートを使用することが望ましい。具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの芳香族ポリイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)などの脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
また、樹脂(X)からなる層に他の機能性を付与するために、上記樹脂類に添加剤を含ませてもよい。例えば、耐摩擦性の向上、ブロッキング防止、スリップ性、耐熱性向上、帯電防止などのために、ワックス、分散剤、静電防止剤、表面改質剤などが挙げられ、適宜選定して使用できる。
本発明における樹脂(X)からなる層を各種材料に塗布する場合、ある種の適切な有機溶剤および/または水を用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈して塗布液を調製する。使用される有機溶剤としては、樹脂(X)との溶解性を有するあらゆる溶剤が使用し得る。例えばトルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトンなどの非水溶性系溶剤、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなどのアルコール類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
溶剤で希釈した樹脂(X)(塗布液)は、そのザーンカップ(No.3)粘度が5〜30秒(25℃)の範囲となるような濃度で希釈され得る。ザーンカップ(No.3)粘度が5秒未満では接着剤が被塗物に十分塗布されず、ロールの汚染などの原因となる。またザーンカップ(No.3)粘度が30秒を超えると、樹脂(X)がロールに十分移行せず、均一な樹脂(X)層を形成するのは困難となる。たとえばグラビア印刷機ではザーンカップ(No.3)粘度はその使用中に10〜20秒(25℃)であることが好ましい。
また、溶剤を使用した場合には、樹脂(X)を塗布後の溶剤乾燥温度は20℃から140℃までの様々なものであってよいが、溶剤の沸点に近く、被塗物への影響が及ばない温度が望ましい。乾燥温度が20℃未満ではフィルム中に溶剤が残存し、接着不良や臭気の原因となる。また乾燥温度が140℃を超えると、ポリマーフィルムの軟化などにより、良好な外観のフィルムを得るのが困難となる。例えば接着剤を延伸ポリプロピレンフィルムに塗布する際は、40℃〜120℃が望ましい。
樹脂(X)を塗布する際の塗装形式としては、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機等の従来のポリマーフィルムへの印刷に用いられてきた一般的な印刷設備やロール塗布やスプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗り、ダイコーティングなどの塗装形式のいずれも使用され得る。印刷機またはロール塗布が好ましい。例えば、グラビアインキをポリマーフィルムに塗布する場合と同様のグラビア印刷機あるいはロールコートおよび設備が適用され得る。
本発明のガスバリアフィルムを得るためには、各種基材上にエポキシ樹脂組成物を塗布、乾燥させた後、巻き取るまでの間に樹脂(X)を塗布、乾燥して樹脂(X)からなる層を形成させた後に巻き取ることが効果的である。樹脂(X)層を形成せずに巻き取った場合、エポキシ樹脂組成物の乾燥が不十分の場合はブロッキングが発生する問題がある。
本発明の製造方法で得られたフィルムの表面に、必要に応じて、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を施した上で、ポリエステル系、イソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカーコーティング剤、あるいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他のラミネート用接着剤等を使用して、公知の包装材料をラミネートする方法等により製造することができる。ここで、ラミネート方法は特に限定されず、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネーション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、共押し出しインフレーション法、その他の方法等を使用することができる。
次に、積層体を使用して、製袋ないし製函する方法について説明する。例えば、包装用容器として高分子フィルム等からなる軟包装袋を形成する場合、上記のような方法で製造した積層体を使用し、その内層のヒートシール性樹脂層の面を対向させて、それを折り重ねるか、或いはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部をヒートシールしてシール部を設けて袋体を構成することができる。また、その製袋方法としては、積層体を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装用容器を製造することもできる。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、上記の積層体を使用してチューブ容器等を製造することもできる。ここで、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。なお、上記のような包装用容器には、例えば、ワンピースタイプ、ツウーピースタイプ、その他の注出口、あるいは開閉用ジッパー等を任意に取り付けることができる。
また、包装用容器として、紙基材を含む液体充填用紙容器を製造する場合、例えば、積層体として、本発明の製造方法で得られたガスバリアフィルムに紙基材を積層した積層体を製造し、該積層体から所望の紙容器を製造するブランク板を製造後、このブランク板を使用して胴部、底部、頭部等を製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプあるいはゲーベルトップタイプの液体用紙容器等を製造することができる。また、その容器の形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
本発明の製造方法で得られたガスバリアフィルムを使用した容器は、酸素ガス等に対するガスバリア性、耐衝撃性等に優れ、更に、ラミネート加工、印刷加工、製袋ないし製函加工等の後加工適性に優れ、また、バリア性膜としての無機物の剥離を防止し、かつ、その熱的クラックの発生を阻止し、その劣化を防止して、バリア性膜として優れた耐性を発揮し、例えば、食品、医薬品、洗剤、シャンプー、オイル、歯磨き、接着剤、粘着剤等の化学品ないし化粧品、その他等の種々の物品の包装適性、保存適性等に優れているものである。
以下に本発明の実施例を紹介するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<エポキシ樹脂硬化剤a>
反応容器に1モルのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.93モルのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、エポキシ樹脂硬化剤aを得た。エポキシ樹脂硬化剤a中のアミド基の含有率は21重量%であった。
また、酸素透過率、耐屈曲性等の評価方法は以下の通りである。
〈酸素透過率 (ml/m・day・MPa)〉
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社製、OX-TRAN10/50A)を使用して、ガスバリアフィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
〈耐屈曲性 (ml/m・day・MPa)〉
ゲルボーフレックステスター(理学工業社製)を用いて360°のひねりを50回加えたガスバリアフィルムの酸素透過率を23℃、相対湿度60%の条件下で測定した。
<実施例1>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミン部位を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を50重量部およびエポキシ樹脂硬化剤aを146重量部含むメタノール/酢酸エチル=9/1溶液(固形分濃度;35重量%)を作製し、そこにアクリル系湿潤剤(ビック・ケミー社製;BYK381)を0.4重量部、シリコン系消泡剤(ビック・ケミー社製;BYK065)を0.1重量部加えよく攪拌し、ザーンカップ(No.3)粘度14秒(25℃)の塗布液(エポキシ樹脂組成物)を得た。
基材として厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製エステルフィルムE5100)を用い、版深30μmロールを使用して基材に塗布液を塗布し、90℃で30秒乾燥させた後、ポリウレタン樹脂系のメジウム(樹脂(X)に相当、NT−ハイラミック−Rメジウム;大日精化工業(株)製)を酢酸エチル/MEK/IPA=4/4/2の混合溶剤を加えてザーンカップ(No.3)粘度16秒(25℃)に調整して版深30μmロールを使用してエポキシ樹脂組成物塗布面に塗布し、90℃で30秒乾燥後、ガスバリアフィルムを得た。得られたガスバリアフィルムについて、そのガスバリア性、ゲルボーフレックス処理後のガスバリア性を評価した。結果を表1に示す。エポキシ樹脂硬化物層中の(1)式の骨格構造の含有率は62.0重量%であった。また、コート層厚みは2.0μmであり、酸素透過率から計算される酸素透過係数は0.3ml・mm/m・day・MPa(23℃60%RH)であった。
<実施例2>
厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み15μmの延伸6-ナイロンフィルム(東洋紡(株)製ハーデンフィルムN1102)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例3>
ポリウレタン樹脂系のNT−ハイラミック−Rメジウムの代わりに、二液硬化型ポリエステル系プライマー(東洋モートン(株)製AD76−H5/CAT−10L、重量比100部/9.3部)を酢酸エチルにて固形分濃度15重量%に調整したものを使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例4>
ポリウレタン樹脂系のNT−ハイラミック−Rメジウムの代わりに、ポリエステル系コート剤(東洋紡績(株)製バイロン200および日本ポリウレタン工業(株)製コロナートL、配合当量比1(ここで配合当量比はバイロン200のOH当量とコロネートLのNCO当量の比を指す))を酢酸エチルにて固形分濃度10重量%に調整したものを使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例5>
東洋紡績(株)製バイロン200の代わりに東洋紡績(株)製バイロンGK640を使用した以外は実施例4と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1の塗布液(エポキシ樹脂組成物)にチッソ(株)製シランカップリング剤であるサイラエースS330(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)を4.75重量部加えよく攪拌し、ザーンカップ(No.3)粘度14秒(25℃)の塗布液(エポキシ樹脂組成物)とし、更に、厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製テックバリアL)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例7>
厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製テックバリアTZR)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例8>
厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み12μmのアルミナ蒸着ポリエステルフィルム(東レフィルム加工(株)製バリアロックス1011HG)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例9>
厚み12μmのシリカ蒸着ポリエステルフィルム(三菱樹脂(株)製テックバリアL)の代わりに、厚み12μmのアルミナ蒸着ポリエステルフィルム(東レフィルム加工(株)製バリアロックス1011HG)を使用した以外は実施例6と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例10>
厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み12μmのアルミナ蒸着ポリエステルフィルム(東レフィルム加工(株)製バリアロックス1011HG−CR)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例11>
厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み12μmのシリカ−アルミナ二元蒸着ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製エコシアールVE100)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<実施例12>
厚み12μmの延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの代わりに、厚み12μmのシリカ−アルミナ二元蒸着ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製エコシアールVE106)を使用した以外は実施例1と同様の方法でガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリウレタン樹脂系のメジウムを塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてガスバリアフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例2>
エポキシ樹脂組成物の塗布液を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてラミネートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
<比較例3>
エポキシ樹脂組成物の塗布液を塗布しなかったこと以外は実施例7と同様にしてラミネートフィルムを作製した。結果を表1に示す。
Figure 2008037087

Claims (3)

  1. 基材、エポキシ樹脂硬化物層および樹脂(X)層の少なくとも3層からなるガスバリアフィルムであって、該樹脂(X)がポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合系樹脂、ロジン系樹脂、ポリアミド系樹脂および塩素化オレフィン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であり、かつ該エポキシ樹脂硬化物がエポキシ樹脂およびエポキシ樹脂硬化剤を主成分とするエポキシ樹脂組成物が硬化して得られ、(1)式に示される骨格構造を40重量%以上含有するものであることを特徴とするガスバリアフィルム。
    Figure 2008037087
  2. 前記エポキシ樹脂硬化物が酸素透過係数1.0ml・mm/m・day・MPa(23℃60%RH)以下の酸素バリア性を有する請求項1記載のガスバリアフィルム。
  3. 請求項1に記載のガスバリアフィルムを製造する際に、基材フィルム上にエポキシ樹脂組成物を塗布、乾燥し、次いで樹脂(X)を塗布、乾燥して樹脂(X)層を形成することを特徴とするガスバリアフィルムの製造方法。
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