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JP2008024751A - 固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合方法 - Google Patents

固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合方法 Download PDF

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JP2008024751A
JP2008024751A JP2006195733A JP2006195733A JP2008024751A JP 2008024751 A JP2008024751 A JP 2008024751A JP 2006195733 A JP2006195733 A JP 2006195733A JP 2006195733 A JP2006195733 A JP 2006195733A JP 2008024751 A JP2008024751 A JP 2008024751A
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Japan
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dicarboxylate
group
methyl
olefin polymerization
diisobutyl
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Application number
JP2006195733A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Matsunaga
和久 松永
Takashi Jinnai
貴司 陣内
Tetsunori Shinozaki
篠崎  哲徳
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】分子量分布が広いオレフィン重合体を単段重合でも得られるオレフィン重合用触媒を提供すること。
【解決手段】チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび固体状チタン触媒成分と、有機金属化合物触媒成分と下記式で特定される脂環式化合物とを含むオレフィン重合用触媒。

【選択図】なし

Description

本発明は、炭素原子数3以上のα-オレフィンの重合に好ましく用いられるオレフィン重合用触媒に関する。更に本発明は、上記オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法に関する。
従来から、エチレン、α-オレフィンの単独重合体あるいはエチレン・α-オレフィン共重合体などのオレフィン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合物を含む触媒が知られている。(以下、「単独重合」と「共重合」とをまとめて「重合」と記載する場合もある。)
このようなオレフィン重合用触媒としては、チーグラー-ナッタ触媒と称される、四塩化チタンや三塩化チタンを含む触媒や、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と有機金属化合物とからなる触媒等が広く知られている。
後者の触媒は、エチレンの他、プロピレン、ブテン-1などのα-オレフィンの重合に高い活性を示す。また、得られるα-オレフィン重合体は高い立体規則性を有することがある。
これらの触媒の中でも、特に、フタル酸エステルを典型的な例とするカルボン酸エステルから選択される電子供与体が担持された固体状チタン触媒成分と、助触媒成分としてのアルミニウム-アルキル化合物と、少なくとも一つのSi-OR(式中、Rは炭化水素基である)を有するケイ素化合物とからなる触媒を用いた場合に、優れた重合活性と立体特異性が発現されることが特開昭57-63310号公報(特許文献1)等で報告されている。
上記の触媒を用いて得られた重合体は、チーグラー-ナッタ触媒で得られる重合体に比して分子量分布が狭いことが多い。分子量分布が狭い重合体は、「溶融流動性が低い」、「溶融張力が低い」、「成形性に劣る」、「剛性がやや低い」等の傾向があることが知られている。一方で、生産性向上、コストダウン等の観点から、たとえば延伸フィルムの生産性向上を目的とした高速延伸技術などの様々な高速成形技術が進化している。
上記の様な比較的狭分子量分布の重合体をたとえば高速延伸しようとすると、溶融張力不足からフィルムのネックインやバタツキなどがより顕著となり、生産性向上が困難になるケースがある。よって、より高い溶融張力を有する重合体が市場から求められている。
このような問題を解決させるために、分子量の異なる重合体を多段重合で製造して重合体の分子量分布を広げる方法(特開平5-170843号公報(特許文献2)等)や、複数種の電子供与体を含む触媒(特開平3-7703号公報(特許文献3))や、固体状チタン触媒成分に含まれる電子供与体に不斉炭素を有するコハク酸エステルを使用した触媒(国際公開第01/057099号パンフレット(特許文献4)、国際公開第00/63261号パンフレット(特許文献5)、国際公開第02/30998号パンフレット(特許文献6))等の数多くの報告がある。
特開昭57-63310号公報 特開平5-170843号公報 特開平3-7703号公報 国際公開第01/057099号パンフレット 国際公開第00/63261号パンフレット 国際公開第02/30998号パンフレット 特開2001−114811号公報 特開2003−40918号公報
しかしながら、上記の触媒は、オレフィン重合体の分子量分布を広くする効果が不充分であったり、本発明者らの検討によると、低分子量成分を増加させることによって分子量分布を広げる触媒であった。一方、これらの触媒はオレフィン重合体の溶融張力の向上が充分とは言えないと言う市場の評価があり、更に、市場からはコストダウンの観点等から、より簡略なプロセスで広分子量分布化したオレフィン重合体を製造可能とする触媒の登場が待ち望まれていた。
また、オレフィン重合体製造業者には、固体状チタン触媒成分変更による生産時のリスクよりも、従来のオレフィン重合用触媒と他の成分との組み合せにより広分子量分布化が可能なオレフィン重合用触媒の方が低いとする場合がある。
従って、本発明は、分子量分布が広く、溶融張力が高く、高速延伸、高速成形により適したオレフィン重合体を簡便に製造可能なオレフィン重合用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、炭素、酸素、水素を含み、脂環式構造を有する特定の化合物と有機金属化合物触媒成分と、固体状チタン触媒成分とを含むオレフィン重合用触媒が分子量分布の広いオレフィン重合体を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明のオレフィン重合触媒は、
チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび必要に応じて電子供与体を含むことを特徴とする固体状チタン触媒成分(I)と、
周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分(II)と
下記式で特定される脂環式化合物(III)
とを含むオレフィン重合用触媒。
〔式(1)において、nは5〜10の整数である。
は、少なくとも炭素、酸素、水素を含む置換基である。
2およびR3はそれぞれ独立にR基またはRであり、R2およびR3のうちの少なくとも1つはR基である。
環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中には二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、R基が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。〕。
前記式(1)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべては単結合であることが好ましい。
前記式(1)において、前記環状骨格は6個の炭素原子からなることが好ましい。
本発明のオレフィン重合方法は、前記オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンの重合を行うことを特徴としている。
本発明の固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒、およびオレフィンの重合方法は、立体規則性が高く、広い分子量分布を有するオレフィン重合体を、高活性で製造するのに適している。
また、本発明の固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒、オレフィンの重合方法を用いれば、たとえば高速延伸性、高速成形性などの成形性に加え、剛性にも優れたオレフィン重合体が製造可能になると期待できる。
以下、本発明に係るオレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法についてさらに詳細に説明する。
本発明のオレフィン重合用触媒は、固体状チタン触媒成分(I)と有機金属化合物触媒成分(II)と特定の脂環式化合物とを含んでいる。まず、前記各成分について記載する。
[固体状チタン触媒成分(I)]
本発明に用いられる固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび必要に応じて電子供与体を含むことを特徴としている。この固体状チタン触媒成分(I)は公知の固体状チタン触媒成分を制限無く用いることが出来る。このような固体状チタン触媒成分の製造方法の例は以下の通りである。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)の調製には、マグネシウム化合物およびチタン化合物が用いられる例が多い。
<マグネシウム化合物>
このようなマグネシウム化合物としては、具体的には、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩
などの公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
これらのマグネシウム化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらのマグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
これらの中ではハロゲンを含有するマグネシウム化合物が好ましく。ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムが好ましく用いられる。他に、エトキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウムも好ましく用いられる。また、該マグネシウム化合物は、他の物質から誘導されたもの、たとえばグリニャール試薬のような有機マグネシウム化合物とハロゲン化チタンやハロゲン化珪素、ハロゲン化アルコールなどとを接触させて得られるものであってもよい。
<チタン化合物>
チタン化合物としては、たとえば一般式;

Ti(OR)g4-g

(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3、Ti(O-n-C49)Cl3、Ti(OC25)Br3、Ti(O-isoC49)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC25)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O-n-C49)3Cl、Ti(OC25)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC25)4、Ti(OC49)4、Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタン
などを挙げることができる。
これらの中で好ましいものは、テトラハロゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の様なマグネシウム化合物およびチタン化合物としては、たとえば前記特許文献1、特許文献2などに詳細に記載されている化合物も挙げることができる。
本発明で用いられる固体状チタン触媒成分(I)の調製の好ましい方法具体例しては、下記(P-1)〜(P-4)の方法を挙げることができる。
(P-1) マグネシウム化合物およびアルコールなどの電子供与体成分(a)からなる固体状付加物と、後述する電子供与体成分(b)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させる方法。
(P-2) マグネシウム化合物および電子供与体成分(a)からなる固体状付加物と、電子供与体成分(b)と、液状状態のチタン化合物とを、複数回に分けて接触させる方法。
(P-3) マグネシウム化合物および電子供与体成分(a)からなる固体状付加物と、電子供与体成分(b)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させ、且つ複数回に分けて接触させる方法。
(P-4) マグネシウム化合物および電子供与体成分(a)からなる液状状態のマグネシウム化合物と、液状状態のチタン化合物と、電子供与体成分(b)とを接触させる方法。
好ましい反応温度は、−30℃〜150℃、より好ましくは−25℃〜130℃、更に好ましくは−25〜120℃の範囲である。
また上記の固体状チタン触媒成分の製造には、必要に応じて公知の媒体の存在下に行うことも出来る。上記の媒体としては、やや極性を有するトルエンなどの芳香族炭化水素やヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの公知の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素化合物が挙げられるが、これらの中では脂肪族炭化水素が好ましい例として挙げられる。
上記の範囲で反応を行うと、広い分子量分布の重合体を得られる効果と、活性や得られる重合体の立体規則性をより高いレベルで両立することが出来る。
(電子供与体成分(a))
上記の固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物の形成に用いられる電子供与体成分(a)としては、室温〜300℃程度の温度範囲で上記のマグネシウム化合物を可溶化できる公知の化合物が好ましく、たとえばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸およびこれらの混合物などが好ましい。これらの化合物としては、たとえば前記特許文献1や特許文献2に詳細に記載されている化合物を挙げることができる。
上記のマグネシウム化合物可溶化能を有するアルコールとして、より具体的には
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、2-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノールのような脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールのような脂環族アルコール;
ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール;
n-ブチルセルソルブなどのアルコキシ基を有する脂肪族アルコール
などを挙げることができる。
カルボン酸としては、カプリル酸、2-エチルヘキサノイック酸などの炭素数7以上の有機カルボン酸類を挙げることができる。アルデヒドとしては、カプリックアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒドなどの炭素数7以上のアルデヒド類を挙げることができる。
アミンとしては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、2-エチルヘキシルアミンなどの炭素数6以上のアミン類を挙げることができる。
上記の電子供与体成分(a)としては、上記のアルコール類が好ましく、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、デカノールなどが好ましい。
上記の固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物を調製する際のマグネシウム化合物および電子供与体成分(a)の使用量については、その種類、接触条件などによっても異なるが、マグネシウム化合物は、該成分(a)の単位容積あたり、0.1〜20モル/リットル、好ましくは、0.5〜5モル/リットルの量で用いられる。また、必要に応じて上記固体状付加物に対して不活性な媒体を併用することもできる。上記の媒体としては、ヘプタン、オクタン、デカンなどの公知の炭化水素化合物が好ましい例として挙げられる。
得られる固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物のマグネシウムと電子供与体成分(a)との組成比は、用いる化合物の種類によって異なるので一概には規定できないが、マグネシウム化合物中のマグネシウム1モルに対して、電子供与体成分(a)は、好ましくは2モル以上、より好ましくは2.3モル以上、更に好ましくは2.7モル以上、5モル以下の範囲である。
<芳香族カルボン酸エステルおよび/または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物>
本発明に用いられる固体状チタン触媒成分(I)に必要に応じて用いられる電子供与体の特に好ましい例としては、芳香族カルボン酸エステルおよび/または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物(以下「電子供与体成分(b)」ともいう。)を含んでいてもよい。
この電子供与体成分(b)としては、従来オレフィン重合用触媒に好ましく用いられている公知の芳香族カルボン酸エステルやポリエーテル化合物、たとえば上記特許文献2や特開2001-354714号公報などに記載された化合物を制限無く用いることができる。
この芳香族カルボン酸エステルとしては、具体的には安息香酸エステルやトルイル酸エステルなどの芳香族カルボン酸モノエステルの他、フタル酸エステル類等の芳香族多価カルボン酸エステルが挙げられる。これらの中でも芳香族多価カルボン酸エステルが好ましく、フタル酸エステル類がより好ましい。このフタル酸エステル類としては、フタル酸エチル、フタル酸n-ブチル、フタル酸イソブチル、フタル酸ヘキシル、フタル酸へプチル等のフタル酸アルキルエステルが好ましく、フタル酸ジイソブチルが特に好ましい。
また前記ポリエーテル化合物としては、より具体的には以下の式(3)で表わされる化合物が挙げられる。
なお、上記式(3)において、mは1≦m≦10の整数、より好ましくは3≦m≦10の整数であり、R11〜R36は、それぞれ独立に、水素原子、あるいは炭素、水素、酸素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基である。
mが2以上である場合、複数個存在するR11およびR12は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。任意のR11〜R36、好ましくはR11およびR12は共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよい。
この様な化合物の一部の具体例としては、
2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-クミル-1,3-ジメトキシプロパン
等の1置換ジアルコキシプロパン類、
2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2,2-ジイソブチル-1,3-ジブトキシプロパン、
2,2-ジ-s-ブチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2,2-ジネオペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-シクロヘキシルメチル-1,3-ジメトキシプロパン
等の2置換ジアルコキシプロパン類
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジシクロヘキシル-1,4-ジエトキシブタン、
2,3-ジイソプロピル-1,4-ジエトキシブタン
2,4-ジフェニル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,5-ジフェニル-1,5-ジメトキシヘキサン、
2,4-ジイソプロピル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソブチル-1,5-ジメトキシペンタン、
2,4-ジイソアミル-1,5-ジメトキシペンタン
等のジアルコキシアルカン類、
2-メチル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-エトキシメチル-1,3-ジエトキシプロパン、
2-シクロヘキシル-2-メトキシメチル-1,3-ジメトキシプロパン
等のトリアルコキシアルカン類、
等を例示することができる。
これらのうち、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパンが好ましい。
これらの化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、後述する脂環式化合物(III)も電子供与体成分(b)として用いることが出来る。
本発明で用いられる固体状チタン触媒成分(I)において、ハロゲン/チタン(原子比)(すなわち、ハロゲン原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2〜100、好ましくは4〜90であることが望ましく、
電子供与体成分(a)や電子供与体成分(b)は、電子供与体成分(a)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましく、電子供与体成分(b)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましい。
マグネシウム/チタン(原子比)(すなわち、マグネシウム原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2〜100、好ましくは4〜50であることが望ましい。
また、電子供与体成分(a)、電子供与体成分(b)の含有量は、好ましくは電子供与体成分(b)100重量%に対して20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
固体状チタン触媒成分(I)のより詳細な調製条件として、電子供与体成分(b)を使用する以外は、たとえばEP585869A1(欧州特許出願公開第0585869号明細書)や前記特許文献2等に記載の条件を好ましく用いることができる。
次に、周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分(II)について説明する。
<有機金属化合物触媒成分(II)>
前記有機金属化合物触媒成分(II)としては、第13族金属を含む化合物、たとえば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物などを用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物触媒成分(II)としては具体的には、前記EP585869A1等の公知の文献に記載された有機金属化合物触媒成分を好ましい例として挙げることができる。
次に、脂環式化合物(III)について説明する。
<脂環式化合物(III)>
前記脂環式化合物(III)は、下記式(1)で表される。
〔式(1)において、nは、5〜10の整数、好ましくは5〜7の整数であり、特に好ましくは6である。またCaは、炭素原子を表わす。
複数個あるR1は、それぞれ独立に、少なくとも炭素、酸素、水素を含む置換基である。このような置換基としては、カルボン酸エステル基やオキシカルボニルアルキル基、アルコキシ基等が挙げられるが、好ましくはカルボン酸エステル基、オキシカルボニルアルキル基である。
2およびR3はそれぞれ独立にR1またはRであり、R2およびR3のうちの少なくとも1つはR1基である。
環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
複数個あるRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であるが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
水素原子以外のRとしては、これらの中でも炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましく、この炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基、オクチル基などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも脂肪族炭化水素基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基が好ましい。
またRは、互いに結合して環を形成していてもよく、Rが互いに結合して形成される環の骨格中には二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、R1基が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
このような環の骨格としては、ノルボルナン骨格、テトラシクロドデセン骨格などが挙げられる。
また複数個あるRは、カルボン酸エステル基、アルコキシ基、シロキシ基、アルデヒド基やアセチル基などのカルボニル構造含有基であってもよく、これらの置換基には、炭化水素基1個以上を含んでいることが好ましい。
このような脂環式化合物(III)としては、下記のような環状エステル化合物が挙げられる。
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸2−エチルヘキシル
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、

シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、

シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、

シクロオクタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロデカン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、

3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、

4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、

5-シクロオクテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
等の環状構造に置換基を持たない化合物。
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸2−エチルヘキシル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3-メチル6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3-メチル6-n−プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル6-ペンチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジヘキシルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル5-ペンチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル5-n−プロピルシクロペンタン1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジヘキシルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル7-ペンチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル7-n−プロピルシクロヘプタン1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチルシクロオクタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロデカン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ビニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸イソブチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸イソブチル、
3,6-ジシクロヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸エチル、
ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
テトラシクロドデカン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチル
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
4-メチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチル4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチル4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル
3,4-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジ2−エチルヘキシル、
3,6-ジメチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジヘキシル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル6-ペンチル4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチル3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチル3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチル3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチル3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,5-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,5-ジメチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジヘキシル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル5-ペンチル3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチル4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチル4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチル4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチル4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,7-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,7-ジメチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジヘキシル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル7-ペンチル4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル5-シクロオクテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル6-シクロデセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ビニル-4シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸イソブチル、
3,6-ジフェニル-4シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸イソブチル、
3,6-ジシクロヘキシル-4シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸エチル、
2-ノルボルネン-5,6-ジカルボン酸ジイソブチル、
2-テトラシクロドデセン-7,8-ジカルボン酸ジイソブチル
などが挙げられる。
上記の化合物の中では、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸2−エチルヘキシル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジヘプチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル
3,6−ジメチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジメチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−エチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3−メチル−6−n−プロピルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジn−ヘキシル、
3,6−ジエチルシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジn−オクチル
がさらに好ましい。その理由は、触媒性能の高さだけでなく、これらの化合物がDiels Alder 反応を利用して比較的安価に製造できる点にある。
これらの化合物は、単独で用いてもよく2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、脂環構造にオキシカルボニルアルキル基を有する化合物も例示することが出来る。具体的には
シクロヘキシル1,2-ジアセテート、
シクロヘキシル1,2-ジプロピオネート、
シクロヘキシル1,2-ジブタネート、
シクロヘキシル1,2-ジヘキサネート、
シクロヘキシル1,2-ジオクタネート、
シクロヘキシル1,2-ジデカネート、
シクロヘキシル1,2-ジベンゾエート、
シクロヘキシル1,2-ジトルエート、
シクロヘキシル1,3-ジアセテート、
シクロヘキシル1,3-ジプロピオネート、
シクロヘキシル1,3-ジブタネート、
シクロヘキシル1,3-ジヘキサネート、
シクロヘキシル1,3-ジオクタネート、
シクロヘキシル1,3-ジデカネート、
シクロヘキシル1,3-ジベンゾエート、
シクロヘキシル1,3-ジトルエート、
シクロペンチル1,2-ジアセテート、
シクロペンチル1,2-ジブタネート、
シクロペンチル-1,2-ジベンゾエート、
シクロペンチル1,2-ジトルエート、
シクロヘプチル1,2-ジアセテート、
シクロヘプチル1,2-ジブタネート、
シクロヘプチル1,2-ジベンゾエート、
シクロヘプチル1,2-ジトルエート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジアセテート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジプロピオネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジブタネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジヘキサネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジオクタネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジデカネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジベンゾエート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジトルエート、
4-メチルシクロヘキシル1,3-ジアセテート、
4-n−プロピルシクロヘキシル1,3-ジブタネート、
4-メチルシクロヘキシル1,3-ジベンゾエート、
4-n−プロピルシクロヘキシル1,3-ジトルエート、
3-メチルシクロペンチル1,2-ジアセテート、
3-n-プロピルシクロペンチル1,2-ジブタネート、
3-メチルシクロペンチル1,2-ジベンゾエート、
3-n-プロピルシクロペンチル1,2-ジトルエート、
3-メチルシクロヘプチル1,2-ジアセテート、
3-n-プロピルシクロヘプチル1,2-ジブタネート、
3-メチルシクロヘプチル1,2-ジベンゾエート、
3-n-プロピルシクロヘプチル1,2-ジトルエート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル1,2-ジアセテート、
3-メチル6-プロピルシクロヘキシル1,2-ジブタネート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル1,2-ジベンゾエート、
3-メチル6-プロピルシクロヘキシル1,2-ジトルエート、
3,5-ジメチルシクロペンチル1,2-ジアセテート、
3-メチル5-プロピルシクロペンチル1,2-ジブタネート、
3,7-ジメチルシクロヘプチル1,2-ジベンゾエート、
3-メチル7-プロピルシクロヘプチル1,2-ジトルエート、
4-シクロヘキセニル1,2-ジアセテート、
3-メチル4-シクロヘキセニル1,2-ジブタネート、
4-シクロヘキセニル1,2-ジベンゾエート、
3-n-プロピル4-シクロヘキセニル1,2-ジトルエート、
4-シクロヘプテニル1,2-ジアセテート、
3-メチル4-シクロヘプテニル1,2-ジブタネート、
4-シクロヘプテニル1,2-ジベンゾエート、
3-n-プロピル4-シクロヘプテニル1,2-ジトルエート、
などが挙げられる。
更に上記の様なジカルボネートだけでなく、
・ オキシカルボニルメチル,2-オキシカルボニルブチル3,6-ジメチルシクロヘキサン、1-オキシカルボニルメチル2-オキシカルボニルブチルシクロヘキサン、
1-オキシカルボニルメチル2-オキシカルボニルフェニルシクロヘキサン、
1-オキシカルボニルメチル2-オキシカルボニルフェニル3-メチル6-プロピルシクロヘキサン
の様な非対称な化合物も挙げることが出来る。
これらの中でも、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジアセテート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジプロピオネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジブタネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジヘキサネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジオクタネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジデカネート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジベンゾエート、
3-メチルシクロヘキシル1,2-ジトルエート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル1,2-ジアセテート、
3-メチル6-プロピルシクロヘキシル1,2-ジブタネート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル1,2-ジベンゾエート、
3-メチル6-プロピルシクロヘキシル1,2-ジトルエート、
等が挙げられる。
上記のような構造を持つ化合物には、式1における複数のR1基に由来するシス、トランス等の異性体が存在する。どの構造であっても本発明の目的に合致する効果を有するが、よりトランス体の含有率が高い方が好ましい。
本発明のオレフィン重合体の製造方法では、分子量分布の広い重合体が得られる。この理由は現時点で不明であるが、下記のような原因が推定される。
環状炭化水素構造は、イス型、舟型など多彩な立体構造を形成することが知られている。更に、環状構造に置換基を有すると、取りうる立体構造のバリエーションは更に増大する。また、複数のエステル基(R1基)を繋ぐC−C結合が単結合であれば、取りうる立体構造のバリエーションが広がる。この多彩な立体構造を取りうることが、固体状チタン触媒成分(I)上に多彩な活性種を形成することに繋がる。その結果、固体状チタン触媒成分(I)を用いてオレフィンの重合を行うと、多様な分子量のオレフィン重合体を一度に製造することができる、即ち分子量分布の広いオレフィン重合体を製造することができる。
また、本発明の目的を損なわない限り、上記脂環式化合物(III)と前記電子供与体成分(a)や電子供与体成分(b)の他、公知の電子供与体成分(c)とを組み合わせて用いてもよい。
このような電子供与体成分(c)として好ましくは、有機ケイ素化合物が挙げられる。この有機ケイ素化合物としては、たとえば下記一般式(4)で表される化合物を例示できる。

nSi(OR’)4-n ・・・(4)

(式中、RおよびR’は炭化水素基であり、nは0<n<4の整数である。)
上記のような一般式(4)で示される有機ケイ素化合物としては、具体的には、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランなどが用いられる。
このうちビニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランが好ましく用いられる。
また、国際公開第2004/016662号パンフレットに記載されている下記式(5)で表されるシラン化合物も前記有機ケイ素化合物の好ましい例である。

Si(ORa3(NRbc) ・・・(5)

式(5)中、Raは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Raとしては、炭素数1〜6の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜6の炭化水素基が挙げられる。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
式(5)中、Rbは、炭素数1〜12の炭化水素基または水素であり、Rbとしては、炭素数1〜12の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基または水素などが挙げられる。具体例としては水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
式(5)中、Rcは、炭素数1〜12の炭化水素基であり、Rcとしては、炭素数1〜12の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基または水素などが挙げられる。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
上記式(5)で表される化合物の具体例としては、
ジメチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリメトキシシラン、
ジエチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリn−プロポキシシラン、
ジn−プロピルアミノトリエトキシシラン、
メチルn−プロピルアミノトリエトキシシラン、
t-ブチルアミノトリエトキシシラン、
エチルn−プロピルアミノトリエトキシシラン、
エチルiso−プロピルアミノトリエトキシシラン、
メチルエチルアミノトリエトキシシラン
が挙げられる。
また、前記有機ケイ素化合物の他の例としては、下記式(6)で表される化合物が挙げられる。

RNSi(ORa3 ・・・(6)

式(6)中、RNは、環状アミノ基であり、この環状アミノ基として、例えば、パーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ基、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ基、オクタメチレンイミノ基等が挙げられる。上記式(6)で表される化合物として具体的には、
(パーヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、
(パーヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、
(1,2,3,4−テトラヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、
(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、
オクタメチレンイミノトリエトキシシラン
等が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
また、電子供与体成分(c)として他に有用な化合物としては、前記または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物(前記電子供与体成分(b))の例として記載したポリエーテル化合物も好ましい例として挙げられる。
これらのポリエーテル化合物の中でも、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパンが好ましい。
これらの化合物は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明のオレフィン重合用触媒は、上記のような各成分以外にも必要に応じてオレフィン重合に有用な他の成分を含んでいてもよい。この他の成分としては、たとえば、シリカなどの担体、帯電防止剤等、粒子凝集剤、保存安定剤などが挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒は、固体状チタン触媒成分(I)。有機金属化合物触媒成分(II)および脂環式化合物(III)を含んでいる。
本発明のオレフィン重合用触媒の調製方法は公知の方法を使用することが出来る他、特に制限は無い。例えば固体状チタン触媒成分(I)、有機金属化合物触媒成分(II)、脂環式化合物(III)を接触させてオレフィン重合用触媒とした後、オレフィンと接触させてオレフィンを重合させても良い。また、オレフィンの存在下に固体状チタン触媒成分(I)、有機金属化合物触媒成分(II)、脂環式化合物(III)を接触させて、オレフィン重合触媒の形成とオレフィンの重合を一括して行う方法を挙げることが出来る。
固体状チタン触媒成分(I)、有機金属化合物触媒成分(II)、脂環式化合物(III)の接触順序にも特に制限はないが、
a.固体状チタン触媒成分(I)、有機金属化合物触媒成分(II)、脂環式化合物(III)を同時に接触させる方法、
b.有機金属化合物触媒成分(II)、脂環式化合物(III)とを接触させた後、固体状チタン触媒成分(I)を接触させる方法、
c.固体状チタン触媒成分(I)、有機金属化合物触媒成分(II)とを接触させた後、脂環式化合物(III)を接触させる方法
を好ましい例としてあげることが出来る。
本発明のオレフィン重合用触媒の調製には、好ましくは不活性炭化水素など、後述するオレフィンの重合方法や予備重合触媒の調製で例示する媒体の存在下に行うことが好ましい。
[オレフィンの重合方法]
本発明に係るオレフィン重合方法は、本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合を行うことを特徴としている。本発明において、「重合」には、ホモ重合の他、ランダム共重合、ブロック共重合などの共重合の意味が含まれることがある。
本発明のオレフィン重合方法では、本発明のオレフィン重合用触媒の存在下にα-オレフィンを予備重合(prepolymerization)させて得られる予備重合触媒の存在下で、本重合(polymerization)を行うことも可能である。この予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り0.1〜1000g好ましくは0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの量でα-オレフィンを予備重合させることにより行われる。
予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも高い濃度の触媒を用いることができる。
予備重合における前記固体状チタン触媒成分(I)の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常約0.001〜200ミリモル、好ましくは約0.01〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲とすることが望ましい。
予備重合における前記有機金属化合物触媒成分(II)の量は、固体状チタン触媒成分(I)1g当り0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500gの重合体が生成するような量であればよく、固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、通常約0.1〜300モル、好ましくは約0.5〜100モル、特に好ましくは1〜50モルの量であることが望ましい。
予備重合では、必要に応じて前記脂環式化合物(III)や電子供与体成分(c)等を用いることもできる。これらの成分は、前記固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、0.1〜50モル、好ましくは0.5〜30モル、さらに好ましくは1〜10モルの量で用いられる。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことができる。
この場合、用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、シクロオクタン、メチルシクロオクタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、
あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
これらの不活性炭化水素媒体のうちでは、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。このように、不活性炭化水素媒体を用いる場合、予備重合はバッチ式で行うことが好ましい。
一方、オレフィン自体を溶媒として予備重合を行うこともできるし、また実質的に溶媒のない状態で予備重合することもできる。この場合には、予備重合を連続的に行うのが好ましい。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても、異なっていてもよく、具体的には、プロピレンであることが好ましい。
予備重合の際の温度は、通常約-20〜+100℃、好ましくは約-20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+40℃の範囲であることが望ましい。
次に、前記の予備重合を経由した後に、あるいは予備重合を経由することなく実施される本重合(polymerization)について説明する。
本重合(polymerization)において使用することができる(すなわち、重合される)オレフィンとしては、炭素原子数が3〜20のα-オレフィン、たとえば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの直鎖状オレフィンや、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン等の分岐状オレフィンを挙げることができ、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテンが好ましい。また、剛性の高い樹脂において分子量分布の広い重合体のメリットが発現し易い観点から、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンが特に好ましい。
これらのα-オレフィンと共に、エチレンやスチレン、アリルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン等の脂環族ビニル化合物を用いることもできる。更に、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、イソプレン、ブタジエンなどのジエン類などの共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有する化合物をエチレン、α-オレフィンとともに重合原料として用いることもできる。これらの化合物を1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。(以下、上記のエチレンあるいは「炭素原子数が3〜20のα-オレフィン」と共に用いられるオレフィンを「他のオレフィン」ともいう。)
上記他のオレフィンの中では、エチレンや芳香族ビニル化合物が好ましい。また、オレフィンの総量100重量%のうち、少量、たとえば10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量であれば、エチレン等の他のオレフィンが併用されてもよい。
本発明では、予備重合および本重合は、バルク重合法、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。
本重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、上述の予備重合時に用いられる不活性炭化水素を用いることもできるし、反応温度において液体であるオレフィンを用いることもできる。
本発明の重合方法における本重合においては、前記固体状チタン触媒成分(I)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは約0.005〜0.1ミリモルの量で用いられる。また、前記有機金属化合物触媒成分(II)は、重合系中の予備重合触媒成分中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられる。前記脂環式化合物(III)は、前記有機金属化合物触媒成分(II)に対して、0.001〜50モル、好ましくは0.01〜30モル、特に好ましくは0.05〜20モルの量で用いられる。
本重合を水素の存在下に行えば、得られる重合体の分子量を調節することができ、メルトフローレートの大きい重合体が得られる。
本発明における本重合において、オレフィンの重合温度は、通常、約20〜200℃、好ましくは約30〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。圧力は、通常、常圧〜100kgf/cm2(9.8MPa)、好ましくは約2〜50kgf/cm2(0.20〜4.9MPa)に設定される。本発明の重合方法においては、重合を、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて二段以上に分けて行うこともできる。このような多段重合を行えば、オレフィン重合体の分子量分布を更に広げることが可能である。
このようにして得られたオレフィンの重合体は、単独重合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体などのいずれであってもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合、特にプロピレンの重合を行うと、デカン不溶成分含有率が70%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である立体規則性の高いプロピレン系重合体が得られる。
さらに本発明のオレフィン重合方法によれば、多段重合を行わなくても、少ない段数の重合、例えば単段重合でも、分子量分布の広いポリオレフィン、特にポリプロピレンを得ることができる。本発明のオレフィン重合方法においては、特に、メルトフローレート(MFR)が同等である従来のオレフィン重合体よりも、分子量の高い成分の比率が従来に比して高く、かつ(特にベタ成分と呼ばれる)分子量の低い成分の比率が低いオレフィン重合体が得られる場合が多いことが特徴である。この特徴は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により確認することができ、Mw/Mn値およびMz/Mw値の両方が高い重合体を得ることができる。
本発明のオレフィン重合方法を用いると、上記の同様の重合条件でMw/Mn値が6〜30、好ましくは7〜20のオレフィン重合体を得ることができる。また好ましくはMz/Mw値が4〜15、より好ましくは4.5〜10のオレフィン重合体を得ることができる。特に、本発明のオレフィンの重合方法によれば、Mz/Mw値の高い重合体が得られることが多い。
Mw/Mn値が高いポリプロピレンは、成形性や剛性に優れることが当該業者では常識とされている。一方、Mz/Mw値が高いことは、分子量の高い成分の含有比率が高いことを表しており、得られるポリプロピレンの溶融張力が高く、成形性に優れる可能性が高いことが予想される。
本発明のオレフィンの重合方法を用いれば、多段重合を行わなくても分子量分布の広い重合体を得ることができるので、重合体製造装置をよりシンプルにする事ができる可能性がある。また、従来の多段重合法に適用すると、より溶融張力や成形性に優れた重合体を得ることができることが予想される。
分子量分布の広い重合体を得る他の方法としては、分子量の異なる重合体を溶解混合や、溶融混練する方法もあるが、これらの方法により得られる重合体は、作業が比較的煩雑な割には、溶融張力や成形性の向上が充分でない場合がある。これは分子量の異なる重合体は基本的に混ざり難い為と推定されている。一方、本発明のオレフィンの重合方法で得られる重合体は、触媒レベル、即ちナノレベルで、極めて広い範囲の分子量の異なる重合体が混合しているので、溶融張力が高く、成形性に優れていることが予想される。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、プロピレン重合体の嵩比重、メルトフローレート、デカン可溶(不溶)成分量、分子量分布は下記の方法によって測定した。
(1)嵩比重:
JIS K-6721に従って測定した。
(2)メルトフローレート(MFR):
ASTM D1238Eに準拠し、測定温度はプロピレン重合体の場合、230℃、4−メチル1−ペンテン重合体の場合260℃とした。
(3)デカン可溶(不溶)成分量:
ガラス製の測定容器にプロピレン重合体約3グラム(10-4グラムの単位まで測定した。また、この重量を、下式においてb(グラム)と表した。)、デカン500ml、およびデカンに可溶な耐熱安定剤を少量装入し、窒素雰囲気下、スターラーで攪拌しながら2時間で150℃に昇温してプロピレン重合体を溶解させ、150℃で2時間保持した後、8時間掛けて23℃まで徐冷した。得られたプロピレン重合体の析出物を含む液を、磐田ガラス社製25G-4規格のグラスフィルターにて減圧濾過した。濾液の100mlを採取し、これを減圧乾燥してデカン可溶成分の一部を得、この重量を10-4グラムの単位まで測定した(この重量を、下式においてa(グラム)と表した。)この操作の後、デカン可溶成分量を下記式によって決定した。

デカン可溶成分含有率=100 × (500 × a) / (100 × b)
デカン不溶成分含有率=100 - 100 × (500 × a) / (100 × b)
(4)分子量分布:
液体クロマトグラフ : Waters製 ALC/GPC 150-C plus型(示唆屈折計検出器一体型)
カラム : 東ソー株式会社製 GMH6-HT×2本およびGMH6-HTL×2本を直列接続した。

移動相媒体 : o-ジクロロベンゼン
流速 : 1.0ml/分
測定温度 : 140℃
検量線の作成方法 : 標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度 : 0.10%(w/w)
サンプル溶液量 : 500μl
の条件で測定し、得られたクロマトグラムを公知の方法によって解析することでMw/Mn値およびMz/Mw値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
(固体状チタン触媒成分(A)の調製)
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名レオドールSP-S20(花王(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いでこの懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め-10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n-ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
デカン30mlで懸濁状にした上記固体状付加物をマグネシウム原子に換算して46.2ミリモルを-20℃に保持した四塩化チタン200ml中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところで、フタル酸ジイソブチルを、固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.15モルの割合の量で添加し、40分間で120℃まで昇温した。温度を120℃で90分間攪拌しながら保持した。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘプタンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって固体状チタン触媒成分(A)を得た。
(予備重合)
200ミリリットルの攪拌機付きガラス製四つ口反応器に窒素雰囲気下、精製ヘキサン50ミリリットル、トリエチルアルミニウム1.5ミリモル、固体状チタン触媒(A)をチタン原子換算で0.5ミリモル添加した後、1.6リットル・時間の速度でプロピレンを1時間反応器に供給した。温度は20℃に保持した。
プロピレンの供給が終了したところで反応器内を窒素置換し、上澄み液の除去および精製ヘキサンの添加から成る洗浄操作を2回行った後精製デカンにて再懸濁し、触媒瓶に全量移液して予備重合触媒成分(B)を得た。
(重合)
充分に窒素置換した内容積1リットルの重合器に、室温で400mlの精製ヘプタンを装入し、40℃、プロピレン雰囲気下でトリエチルアルミニウム0.8ミリモル、trans-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル0.16ミリモルおよび予備触媒成分(B)をチタン原子換算で0.08ミリモルを加えた。次いで60℃に昇温して水素0.1NLを添加し70℃に昇温した後、1時間プロピレン重合を行った。重合中の圧力はゲージ圧で0.5MPaに保持した。重合終了後、精製した固体を含むスラリーを濾過し、80℃で一晩減圧乾燥した。結果を表1に示した。
(比較例1)
(重合)
トリエチルアルミニウムを0.4ミリモル、trans-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチルの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.08ミリモル用いた以外は、実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
(固体状チタン触媒成分(C)の調製)
実施例1と同様、デカン30mlで懸濁状にした上記固体状付加物をマグネシウム原子に換算して46.2ミリモルを-20℃に保持した四塩化チタン200ml中に攪拌下、全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところで、trans-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチルを固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.175モルの割合の量で添加し、20分間で100℃まで昇温した。温度を100℃で90分間攪拌しながら保持した。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を200mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して100℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持した。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘプタンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって固体状チタン触媒成分(C)を得た。
(予備重合)
固体状チタン触媒成分(A)の代わりに固体状チタン触媒成分(C)を用いた以外は実施例1と同様にしてプロピレンの予備重合を行い、予備重合触媒成分(D)を得た。
(本重合)
予備重合触媒成分(B)の代わりに予備重合触媒成分(D)を用いた以外は実施例1と同様にしてプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
(比較例2)
(重合)
予備重合触媒成分(B)の代わりに予備重合触媒成分(D)を用いた以外は比較例1と同様にしてプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
本発明のオレフィン重合用触媒、オレフィンの重合方法を利用して得られるポリプロピレンは分子量分布の広い重合体であることがわかる。特に、ほぼ同じMFR値のPP同士を比較した場合、分子量の高い成分の含有率が高いことを示すMz/Mw値が高いことが特徴的である。

Claims (4)

  1. チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび必要に応じて電子供与体を含むことを特徴とする固体状チタン触媒成分(I)と、
    周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分(II)と
    下記式で特定される脂環式化合物(III)
    とを含むオレフィン重合用触媒。
    〔式(1)において、nは5〜10の整数である。
    は、少なくとも炭素、酸素、水素を含む置換基である。
    2およびR3はそれぞれ独立にR基またはRであり、R2およびR3のうちの少なくとも1つはR基である。
    環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
    複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。
    Rが互いに結合して形成される環の骨格中には二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、Rが結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。〕。
  2. 前記式(1)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべてが単結合であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  3. 前記式(1)において、前記環状骨格が6個の炭素原子からなることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 請求項1に記載のオレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンの重合を行うことを特徴とするオレフィン重合方法。
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