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JP2008023417A - 浄水処理装置及び浄水処理方法 - Google Patents

浄水処理装置及び浄水処理方法 Download PDF

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JP2008023417A
JP2008023417A JP2006195824A JP2006195824A JP2008023417A JP 2008023417 A JP2008023417 A JP 2008023417A JP 2006195824 A JP2006195824 A JP 2006195824A JP 2006195824 A JP2006195824 A JP 2006195824A JP 2008023417 A JP2008023417 A JP 2008023417A
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Keizo Murata
圭三 村田
Tsuyoshi Onozato
剛志 小野里
Daisuke Shimakura
大輔 島倉
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Sumitomo Heavy Industries Environment Co Ltd
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Abstract

【課題】原水や凝集剤に由来するマンガン及びニッケルの含有量を、十分効率的に低減可能な浄水処理装置及び浄水処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明の浄水処理装置10は、表流水及び地下水から選ばれる水源から取水される原水を含み、且つマンガン及びニッケルの少なくとも一方を含有する被処理水を、浄水処理するためのものであって、被処理水にアルカリ剤を添加して当該被処理水のpHが高くなるように調整するアルカリ剤混和槽(pH調整手段)5と、アルカリ剤が添加された被処理水を固液分離する脱水機(固液分離手段)6と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、表流水及び地下水の浄水処理装置及び浄水処理方法に関する。
水道水などに使用される上水の原水は、表流水や地下水から取水される。浄水処理施設では、被処理水に対して化学物質の除去や消毒などの処理が行われる。これらの処理を経て、種々の基準を満たす上水が需要地へと供給される。なお、表流水とは、河川、湖沼の水のように地表面にある陸水を意味する。
表流水及び地下水は、マンガンを含有する場合が多く、マンガンの効率的除去は重要な処理技術の一つであるといえる。マンガンが十分に除去されず、イオン(Mn2+)の形でマンガンが溶解している水を水道管で移送すると、残留塩素によってMn2+が酸化され、MnOが水道管の内壁に付着する。内壁に付着したMnOは、Mn2+を酸化させる触媒として作用するため、MnOの付着を加速させる。MnOの付着は、水道水へのスケールの混入や水道管の閉塞といった問題が生じる可能性がある。また、水道水に含まれるマンガンは、臭味や着色(黒水)の原因となる。
また、浄水処理設備においては、原水に含まれる浮遊物質の凝集を促進させるため、凝集剤が一般に使用される。代表的な凝集剤の一つに、鉄系凝集剤がある。鉄系凝集剤には、不純物としてマンガンやニッケルが含まれている。
水源によって異なるが、表流水のマンガン濃度は0.1mg/L程度、地下水のマンガン濃度は数mg/Lにも達する場合がある。基準値として、WHO飲料水水質ガイドラインには、マンガン濃度0.1mg/L以下、日本国の水質基準に関する省令には、マンガン濃度0.05mg/L以下、とそれぞれ定められている。
浄水処理設備におけるマンガンの除去方法としては、次亜塩素酸ナトリウム等によりマンガンを酸化し、MnOの形にして不溶化させた後、これを分離除去する方法が知られている。また、マンガン砂と呼ばれるろ材に通水する方法も知られている(非特許文献1参照)。
「浄水技術ガイドライン(2000年度版)」、(財)水道技術研究センター、平成12年12月、p.33−36
ところで、浄水処理設備においては、取水した原水のすべてが上水として利用可能になるわけではない。原水の一部は、排水として浄化処理設備から排出される。浄化処理設備からの排水に対しては、上水に対する上記水質基準と比較し、上限が高い基準値が設定されている。例えば、水質汚濁防止法に基づく排水規制では、排水基準としてマンガン濃度10mg/L以下と定められている。
非特許文献1に記載された方法は、上水に含まれるマンガンの除去方法として、現在広く行われているものである。しかし、この方法は、マンガンの除去率が高く、確実に水質基準を満たす浄水処理を行うことができるが、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤を必要とするため、浄水処理設備から排出される排水に含まれるマンガンの除去方法としては、作業性及び経済性の点から非効率的であるといえる。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、効率的に排水基準を満たす処理を行うことができる浄水処理装置及び浄水処理方法を提供することを目的とする。
本発明の浄水処理装置は、表流水及び地下水から選ばれる水源から取水される原水を含み、且つマンガン及びニッケルの少なくとも一方を含有する被処理水を、浄水処理するためのものであって、被処理水にアルカリ剤を添加して当該被処理水のpHが高くなるように調整するpH調整手段と、アルカリ剤が添加された被処理水を固液分離する第1の固液分離手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被処理水に対してアルカリ剤を添加してpHを上昇させた後、被処理水を固液分離処理することで、マンガン及びニッケルの含有量が十分に低減された分離液を得ることができる。つまり、分離された固形物とともにマンガン及びニッケルを十分に分離除去することができる。
被処理水のpHを上昇させることにより、マンガン及びニッケルが固形物とともに除去される機構については、完全に解明されたわけではない。しかし、本発明者らは、被処理水のpHを上昇させることにより、被処理水に含まれる浮遊物質(以下、「SS」という。)へのイオン性のマンガン及びニッケルの吸着が促進されるためと考えている。SSとして、具体的には、無機物又は有機物からなる粒状物質、藻類などが挙げられる。なお、被処理水には、浄化工程で発生した酸化型のマンガン及びニッケルも含まれるが、これらもイオン性のものと同様、除去することができる。
本発明の浄水処理装置は、pH調整手段よりも上流側の被処理水に凝集剤を添加し、これらを混和する凝集剤混和手段を更に備えることが好ましい。被処理水に凝集剤を添加すると、固液分離処理におけるSSの回収率を十分に高くすることができる。SSが固形物として多く回収されるため、固形物と共にマンガン及びニッケルをより効率的に分離除去することが可能となる。なお、本発明でいう上流側とは、浄水処理装置における各手段又は被処理水の相対的な位置を表すものであって、原水が供給される部分により近い側を意味する。
また、本発明の浄水処理装置は、凝集剤が添加された被処理水を固液分離する第2の固液分離手段を更に備え、第2の固液分離手段で分離された分離汚泥がpH調整手段に供給される構成であることが好ましい。
SS濃度が高められた分離汚泥を被処理水としてpH調整手段に供給し、これに対してpH調整及び固液分離処理を行うことで、より効率的なマンガン及びニッケルの分離除去が可能となる。第2の固液分離手段でSSが濃縮されており、後段のpH調整手段及び第1の固液分離手段において処理すべき水量が低減されるためである。これに加え、マンガン及びニッケルの高い除去率が達成される。SSが高濃度で存在する分離汚泥においては、SSとマンガン及びニッケルとの接触効率が高く、これらの金属がSSに吸着されやすいためと考えられる。
また、本発明の浄水処理装置は、第1の固液分離手段からの分離液の少なくとも一部を、当該浄水処理装置の上流側に返送する返送路を更に備えることが好ましい。浄水処理装置がこのような返送路を備えるものであると、当該装置から系外へと排出される排水の量を低減することができる。また、マンガン及びニッケルの含有量が十分に低減している返送水が返送されるため、当該装置系内の水のマンガン及びニッケルの濃度を十分に低い値に維持することが可能である。
本発明の浄水処理方法は、表流水及び地下水から選ばれる水源から取水される原水を含み、且つマンガン及びニッケルの少なくとも一方を含有する被処理水を、浄水処理するためのものであって、被処理水にアルカリ剤を添加して当該被処理水のpHを高めるpH調整工程と、pH調整後の被処理水を固液分離処理する固液分離工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被処理水に対してアルカリ剤を添加してpHを上昇させた後、被処理水を固液分離することで、マンガン及びニッケルの含有量が十分に低減された分離液を得ることができる。つまり、分離された固形物とともにマンガン及びニッケルを十分に分離除去することができる。
本発明によれば、原水や凝集剤に由来するマンガン及びニッケルの含有量を、十分効率的に低減可能な浄水処理装置及び浄水処理方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る浄水処理装置の第1実施形態を示す概略構成図である。図1に示す浄水処理装置10は、着水井1、凝集剤混和槽(凝集剤混和手段)2、沈殿槽(第2の固液分離手段)3、ろ過装置4、アルカリ剤混和槽(pH調整手段)5及び脱水機(第1の固液分離手段)6を備えている。
着水井1は、河川や地下水などの水源から直接又は取水場を経て供給される原水の水位動揺を安定させるための槽である。
凝集剤混和槽2は、被処理水と凝集剤とを混和するための槽である。
沈殿槽3は、凝集剤混和槽2からの被処理水を、分離汚泥と分離液とに分離するための槽である。沈殿槽3の底部にはSS濃度が高められた分離汚泥を排出するためのラインL1が接続されている。一方、分離液は、いわゆる上澄み液であり、SSの含有量が十分に低減されている。沈殿槽3は、分離液をろ過装置4に供給するためのラインL2を備えている。なお、本明細書において「ライン」とは、管路を意味するものとする。
ろ過装置4は、沈殿槽3で沈殿しなかったSSを除去するための装置である。ろ過装置4の内部には微細なSSを付着させる砂層(図示せず)が設けられている。ろ過装置4は、ろ過水を排出するためのラインL3を備えている。なお、ろ過装置4としては、砂層を備えるものに限られず、例えば、アンスラサイトや活性炭等の炭化物や繊維ろ材を用いたろ過装置、酢酸セルロース等の有機高分子膜やセラミック等の無機性膜からなる膜ろ過装置などを採用してもよい。
浄水処理装置10のろ過装置4は、その内部に砂層を備えている。沈殿槽3からの分離液に含まれるSSは、砂層によって吸着除去されるが、この吸着能を維持するために、定期的に砂層の逆洗が一般に行われている。
ろ過装置4は、通常の運転時と水の流れが逆方向となるように、ラインL3から水を供給する送水ポンプ(図示せず)を備えている。ろ過装置4には、除去されたSSを含有する逆洗排水を排出するラインL15が接続されている。
逆洗排水は、ラインL15を通じて排水槽15に供給されるようになっている。排水槽15は、ろ過装置4からの逆洗排水を、排水槽汚泥と排水槽処理液とに分離するための槽である。排水槽汚泥は、ラインL16を通じて後述の排泥槽11に供給されるようになっている。一方、排水槽処理液は、返送ライン(返送路)L6に接続されたラインL17を通じて、返送水に添加できるようになっている。
逆洗処理手段は、送水ポンプ、排水槽15及びこれらを接続するラインにより構成されている。
排泥槽11は、沈殿槽3からの分離汚泥及び排水槽15からの排水槽汚泥を、排泥槽汚泥と排泥槽処理液とに分離するための槽である。排泥槽汚泥は、ラインL11を通じて後述の汚泥濃縮槽12に供給されるようになっている。一方、排泥槽処理液は、返送ラインL6に接続されたラインL12を通じて、返送水に添加できるようになっている。
汚泥濃縮槽12は、排泥槽11からの排泥槽汚泥を、濃縮汚泥と汚泥濃縮槽処理液とに分離するための槽である。濃縮汚泥は、ラインL13を通じてアルカリ剤混和槽5に供給されるようになっている。一方、汚泥濃縮槽処理液は、返送ラインL6に接続されたラインL14を通じて、返送水に添加できるようになっている。濃縮手段は、排泥槽11、汚泥濃縮槽12及びこれらを接続するラインにより構成されている。なお、排泥槽11で十分に汚泥の濃縮を行うことで、汚泥濃縮槽12を省略することもできる。
なお、ろ過装置4の後段には、ろ過装置4からのろ過水に塩素を注入して消毒処理を行う塩素添加装置を設置することができる。
アルカリ剤混和槽5は、ラインL1を通じて供給される分離汚泥のpH調整を行う槽である。アルカリ剤混和槽5は、図示していないがアルカリ剤供給装置を備え、pH測定器を設けることが好ましい。また、アルカリ剤混和槽5は、添加されたアルカリ剤と分離汚泥とを十分に混和するため、攪拌機(図示せず)を設けることが好ましい。pH測定器の測定結果に基づき、分離汚泥のpHが所定値となるようにアルカリ剤の供給量を制御するようにすれば、より正確にpH調整を行うことができる。なお、アルカリ剤混和槽5に無機凝集剤や高分子凝集剤を添加することで、より速く低含水率の脱水を行うことができる。
脱水機6は、アルカリ剤混和槽5からの分離汚泥の固液分離処理を行うためのものである。脱水機6からは、分離汚泥に含まれる固形物(脱水汚泥)が取り除かれた脱水分離液が排出される。脱水機6には、ラインL4及びラインL5が接続されている。これらのラインは、それぞれ脱水汚泥及び脱水分離液を排出するためのものである。
脱水機6としては、あらゆる脱水機が適用可能であり、例えば、フィルタープレス脱水機、真空脱水機などが挙げられる。これらの脱水機は1種を単独もしくは複数で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラインL5には、脱水分離液の少なくとも一部を着水井1に返送するための返送ライン(返送路)L6が接続されている。返送ラインL6で返送される水は、返送水と称されるものである。返送水は、着水井1において原水と混合され、再び被処理水の一部として凝集剤混和槽2に供給される。
次に、浄水処理装置10を用いた被処理水の浄化処理方法について説明する。
着水井1において原水と返送水とを混合し、この混合水(被処理水)を凝集剤混和槽2に導入する。凝集剤混和槽2において、被処理水に対して所定量の凝集剤を添加する。凝集剤の添加は、凝集剤混和槽2内の被処理水を攪拌しながら行うことが好ましい(凝集剤混和工程)。
凝集剤の添加量は、被処理水の濁度又はSS濃度に応じて設定すればよい
凝集剤としては、例えば、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリシリカ鉄凝集剤(PSI)などの鉄系凝集剤、ポリ塩化アルミニウム(PAC)凝集剤などのアルミニウム系凝集剤が挙げられる。これらの凝集剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の鉄系凝集剤は不純物としてマンガン及びニッケルを含有している。このため、添加する無機凝集剤の種類によっては、無機凝集剤の添加に伴い、被処理水のマンガン及びニッケルの濃度の上昇してしまう場合がある。
更に、マンガン及びニッケルに限らず、他の金属の濃度が無機凝集剤の添加により上昇する場合がある。例えば、アルミニウム系凝集剤を添加すると、被処理水のアルミニウム濃度が上昇する場合がある。神経性疾患との因果関係が懸念されているため、日本国の水質基準に関する省令には、アルミニウム濃度0.2mg/L以下と定められている。
凝集剤混和槽2で凝集剤が添加された被処理水を沈殿槽3に導入する。沈殿槽3において、被処理水に含まれるSSを沈降させ、沈殿槽3の底部に汚泥を沈殿させる。これにより、SS濃度が高められた分離汚泥を得る(汚泥濃縮工程)。沈殿槽3の底部に接続されたラインL1から沈殿した汚泥を分離汚泥として排出する。
ラインL1を通じ、分離汚泥をアルカリ剤混和槽5に導入する。アルカリ剤混和槽5において、分離汚泥に対してアルカリ剤を添加する。アルカリ剤混和槽5内の分離汚泥を攪拌しながら、所定の値となるように分離汚泥のpHを調整する(pH調整工程)。pHの調整は、アルカリ剤混和槽5のpH測定器及びアルカリ剤供給装置によって自動的に行うことができる。なお、pH測定器の測定値を確認しながら、手動でアルカリ剤を添加してもよい。
アルカリ剤混和槽5内の分離汚泥のpHは、7.0以上に調整することが好ましく、8.0以上に調整することがより好ましい。このpHが7.0未満であると、マンガン及びニッケルの除去が不十分となる傾向がある。なお、分離汚泥にアルミニウムが含まれている場合、分離汚泥のpHは、7.0〜9.0に調整することが好ましく、7.5〜8.5に調整することがより好ましい。アルミニウムの溶解度が低いpH領域は、4.0〜9.0程度の範囲に限られているためである。分離汚泥のpHを9.0よりも高い値に調整すると、不溶物の状態となっているアルミニウムが溶出し、アルミニウムの効率的な除去が困難となる。
pHを7以上に上昇させると、脱水性が低下するという問題が生じる場合がある。この場合は、水酸化カルシウム懸濁液をアルカリ剤として用いることで、この問題を改善できる。また、アルカリ剤混和槽5では、脱水性を高めるために無機凝集剤や高分子凝集剤を添加してもよい。
アルカリ剤混和槽5においてpHを調整した分離汚泥を脱水機6に導入する。脱水機6における脱水処理によって、分離汚泥を脱水汚泥と脱水分離液とに分離する(固液分離工程)。脱水機6に接続されたラインL4から脱水汚泥を排出する。ここで排出される脱水汚泥とともに、マンガン等を排出することができる。
このとき、マンガン等は脱水汚泥に吸着しているものと考えられる。これにより、マンガン等の含有量が十分に低減した脱水分離液を得ることができる。脱水分離液を公用水域に放流する場合は、排水基準値である、マンガン濃度10mg/L以下、鉄濃度10mg/L以下に低減する必要がある。一方、脱水分離液を着水井1へと返送する場合には、浄水工程の負荷をできる限り低減するためにも、マンガン、ニッケルの除去率を高める運転を行うことが好ましい。これらの物質の除去率は、被処理液のpH、SS濃度等に依存し、pH、SS濃度を調整することで、高いマンガン、ニッケル等の除去が達成される。
脱水機6からの脱水汚泥は、場外にて産廃処分、あるいは乾燥処理を行い、農地還元やセメント材料として、有効利用することができる。
沈殿槽3で分離した分離液を、ラインL2を通じてろ過装置4に導入する。分離液をろ過装置4内部の砂層を通過させ、SS濃度が更に低減されたろ過水を得る。なお、ろ過装置からのろ過水に対して塩素を添加して消毒処理を行ってもよい。
本実施形態に係る浄水処理装置によれば、分離汚泥に含まれるマンガン等の除去処理を十分に効率的に行うことができる。すなわち、アルカリ剤混和槽5におけるpH調整及び脱水機6における固液分離処理という、極めて簡便的な処理によって、マンガン等の除去を行うことができる。
本実施形態では、従来の方法と比較し、酸化剤の使用量を十分に低減できるという利点がある。これは、マンガン等の除去処理を経ていない返送水が混合された被処理水を浄化処理する場合と比較し、本実施形態によれば、マンガン等の濃度十分に低減されたろ過水を得ることができるためである。
浄水処理装置10によれば、逆洗処理により生じる逆洗排水を再利用することができ、当該装置から系外へと排出される排水の量を低減することができる。
また、SS濃度を高めることが可能な排泥槽11及び汚泥濃縮槽12を備えているため、濃縮汚泥のSS濃度をマンガン等の除去処理に好適な値に調整することが容易である。
更に、浄水処理装置10は、アルカリ剤混和槽5において濃縮汚泥と脱水助剤とを混和可能である。これにより、脱水機6における優れた脱水性(高い脱水速度、高いSS除去率、脱水汚泥の低い含水率)が実現可能となる。
以上、本発明に係る浄水処理装置及び方法の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような形態であってもよい。例えば、凝集剤混和槽は、凝集剤とともにその他の薬剤を被処理水に対して添加可能な構成としてもよい。その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、消臭剤などが挙げられる。これらの薬剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記実施形態では、凝集剤やアルカリ剤を混和する手段として、混和槽を採用しているが、これらの薬剤と液体とを混和可能なものであれば、混和槽に限定されるものではない。
以下に実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<浄水汚泥処理試験>
(実施例1)
浄水処理設備(鹿行浄水場)の濃縮槽から2006年1月24日に汚泥(以下、「浄水汚泥」という。)を採取した。この浄水汚泥に対し、浄水汚泥のTS(蒸発残留物)1kg当たりのMn2+含有量が1000mg、Ni2+含有量が100mgとなるようにMnSO・5HO及びNiSO・6HOを添加した。これらの金属塩を所定量含有せしめることで、塩化第二鉄を使用した場合のマンガン及びニッケルの含有量を模擬する被処理水を調製した。なお、被処理水は、3日以上静置した、還元雰囲気下にある汚泥である。浄水汚泥及び被処理水に対して行った種々の測定の結果を表1に示す。表1中のDS濃度及びVTS濃度は、溶解性物質濃度及び揮発性蒸発残留物をそれぞれ示す。
Figure 2008023417
上記の被処理水200mlを別の容器に移し、これにアルカリ剤として水酸化ナトリウムを添加して10分間攪拌し、pHが7となるようにpH調整を行った。
pH調整後、被処理水をろ過し、固液分離を行った。なお、ろ紙として微細沈殿用(No.5C)のものを使用した。ろ液のMn、Ni、Al及びFe濃度についてICP質量分析装置を用いて測定した。測定結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して攪拌し、pHが8となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して攪拌し、pHが9となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表2に示す。
(実施例4)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して攪拌し、pHが10となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表2に示す。
(実施例5)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して攪拌し、pHが11となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlを、pH調整をすることなく、ろ過したことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表3に示す。
(比較例2)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、硫酸を添加して攪拌し、pHが6となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表3に示す。
(比較例3)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、硫酸を添加して攪拌し、pHが5となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表3に示す。測定結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1で用いた被処理水と同様にして調製した被処理水200mlに、硫酸を添加して攪拌し、pHが4となるようにpH調整を行ったことの他は、実施例1と同様にして被処理水を処理した。測定結果を表3に示す。測定結果を表2に示す。
Figure 2008023417
Figure 2008023417
<浄水汚泥処理試験(曝気処理あり)>
(実施例6〜10及び比較例5〜8)
被処理水に含まれる物質の酸化状態の相違による影響を調べるため、水酸化ナトリウムもしくは硫酸による被処理水のpH調整の前に、12時間の曝気処理を被処理水に対して行った。曝気処理を行ったことの他は、実施例1〜5及び比較例1〜4の処理と同様にして被処理水を処理した。曝気処理を行う前の被処理水は、上記の実施例1と同様の方法で調製したものを用いた。なお、実施例1〜5及び比較例1〜4での処理に曝気処理を加えた例が、それぞれ実施例6〜10及び比較例5〜8に該当する。
Figure 2008023417
Figure 2008023417
<脱水助剤添加試験>
代表的な脱水助剤である、ポリ塩化アルミニウム(PAC)及び塩化第二鉄(FeCl)が添加された被処理水に含まれるマンガン等の除去処理を行った。脱水性を向上させるための脱水助剤成分の影響を確認するのが本試験の目的である。
具体的には、下記のようにして脱水助剤を添加し、上記の浄水汚泥処理試験を行った。すなわち、脱水助剤としてPAC又はFeClを使用し、これを被処理水に所定量添加したことの他は、上述の浄水汚泥処理試験(曝気処理なし)と同様に各処理を行った。なお、脱水助剤添加前の被処理水のTS物質1kg当たり10gとなるようにPAC又はFeClを添加した。
図2〜5に上記の浄水汚泥処理試験(曝気処理なし)及び脱水助剤添加試験の結果をグラフに示した。図2〜5は横軸に被処理水のpH、縦軸にろ液のMn、Ni、Al及びFe濃度をそれぞれプロットしたグラフである。
本発明に係る浄水処理装置の好適な実施形態を示す概略構成図である。 ろ液のマンガン濃度と被処理水のpHとの関係を示すグラフである。 ろ液のニッケル濃度と被処理水のpHとの関係を示すグラフである。 ろ液のアルミニウム濃度と被処理水のpHとの関係を示すグラフである。 ろ液の鉄濃度と被処理水のpHとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1…着水井、2…凝集剤混和槽(凝集剤混和手段)、3…沈殿槽(第2の固液分離手段)、4…ろ過装置、5…アルカリ剤混和槽(pH調整手段)、6…脱水機(第1の固液分離手段)、L6…返送ライン(返送路)、10…浄水処理装置。

Claims (5)

  1. 表流水及び地下水から選ばれる水源から取水される原水を含み、且つマンガン及びニッケルの少なくとも一方を含有する被処理水を、浄水処理する浄水処理装置であって、
    前記被処理水にアルカリ剤を添加して当該被処理水のpHが高くなるように調整するpH調整手段と、
    前記アルカリ剤が添加された被処理水を固液分離する第1の固液分離手段と、
    を備えることを特徴とする浄水処理装置。
  2. 前記pH調整手段よりも上流側の被処理水に凝集剤を添加し、これらを混和する凝集剤混和手段を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の浄水処理装置。
  3. 前記凝集剤が添加された被処理水を固液分離する第2の固液分離手段を更に備え、前記第2の固液分離手段で分離された分離汚泥が前記pH調整手段に供給される構成であることを特徴とする、請求項2に記載の浄水処理装置。
  4. 前記第1の固液分離手段からの分離液の少なくとも一部を、当該浄水処理装置の上流側に返送する返送路を更に備えることを特徴とする、請求項3に記載の浄水処理装置。
  5. 表流水及び地下水から選ばれる水源から取水される原水を含み、且つマンガン及びニッケルの少なくとも一方を含有する被処理水を、浄水処理する方法であって、
    前記被処理水にアルカリ剤を添加して当該被処理水のpHを高めるpH調整工程と、
    pH調整後の被処理水を固液分離処理する固液分離工程と、
    を備えることを特徴とする浄水処理方法。
JP2006195824A 2006-07-18 2006-07-18 浄水処理装置及び浄水処理方法 Pending JP2008023417A (ja)

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