JP2008012630A - カーボンナノチューブとポルフィリン含有ペプチドとの複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】カーボンナノチューブに別の機能性分子を結合させるなどして修飾し、複合材料としての物性を改善すること。
【解決手段】カーボンナノチューブと16〜128のアミノ酸残基からなるペプチドとを含む複合体。個々のアミノ酸残基は、リンカーを介して、ポルフィリン又は金属ポルフィリンを含む。カーボンナノチューブは、ポルフィリン又は金属ポルフィリンとπ−π相互作用をしている。半導体性カーボンナノチューブが選択的に複合体を形成する。
【選択図】図7
【解決手段】カーボンナノチューブと16〜128のアミノ酸残基からなるペプチドとを含む複合体。個々のアミノ酸残基は、リンカーを介して、ポルフィリン又は金属ポルフィリンを含む。カーボンナノチューブは、ポルフィリン又は金属ポルフィリンとπ−π相互作用をしている。半導体性カーボンナノチューブが選択的に複合体を形成する。
【選択図】図7
Description
本発明は、カーボンナノチューブとポルフィリン含有ペプチドとの複合体に関する
カーボンナノチューブは、新規な形態の炭素である。一般にカーボンナノチューブには、多層カーボンナノチューブと単層カーボンナノチューブとが存在する。
単層カーボンナノチューブは、通常は六角形及び五角形に配置されたsp2混成炭素原子からなる中空の筒形状の分子である。通常、単層カーボンナノチューブは、約0.5〜約10nm、特に、0.5〜3nmの範囲の直径、及び、通常は約50nmを超える長さを有する。一方、多層カーボンナノチューブは、2層カーボンナノチューブ又は3層カーボンナノチューブの場合もあれば、数百層に及ぶ場合もある。多層カーボンナノチューブの直径は、通常は、単層カーボンナノチューブの直径より大きくなる。
カーボンナノチューブは、それらの優れた電気及び熱伝導度並びに高い引張り強さで知られている。1993年にカーボンナノチューブが発見されて以来、カーボンナノチューブの特性及び応用について、多くの研究がなされてきた。カーボンナノチューブは、例えば超高集積化が可能な分子素子、水素を始めとする各種ガスの吸蔵材料、電界放出ディスプレー(FED)用部材、電極材料、樹脂成形品用添加剤などとしての機能性材料として注目されている。特に単層(single walled)カーボンナノチューブは、次世代の電子デバイスとしての用途が期待されている。
担持型金属触媒上でカーボンナノチューブを調製する方法は、「化学蒸着」すなわち「CVD」として知られている。この方法では、基板上に担持された触媒性金属のナノメートルスケールの粒子上でガス状炭素含有供給原料分子が反応し、カーボンナノチューブを生成する。この手順は、多層カーボンナノチューブを製造するために用いられてきたが、特定の反応条件下では優れた単層カーボンナノチューブを生成することがある。CVD法を用いる小径カーボンナノチューブの合成は、非特許文献1及び特許文献1に記載されている。CVD法によって得られるカーボンナノチューブ材料は、単層カーボンナノチューブ及び小径多層カーボンナノチューブ、並びに、残留触媒金属粒子、触媒担持材料、不定形炭素、及び非管状フラーレンなどを含む。また、カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザー気化法等でも合成することができる。
一方、ポルフィリンは、4つのピロール環がα位で4つのメチン基と交互に結合した大環状化合物及びその誘導体の総称である。金属ポルフィリンは、ポルフィリン環の中心に金属イオンが配置されている物質の総称である。金属ポルフィリンは、生体反応(例えば、光捕集、エネルギー移動、電子移動、分子認識など)で重要な役割を担っている。例えば、赤血球中のヘモグロビンでは、金属ポルフィリンの一種である鉄ポルフィリンが活性部位になっている。金属ポルフィリンは、機能化が容易で安定性も高く、また、酸化還元電位を変化させることが可能であることから、近年様々な分野において機能性材料としての応用が期待されている。
近年、金属ポルフィリンは、超分子(supramolecule)を構築するためのビルディングブロックとして注目されている。このような超分子は、分子ワイヤ、分子スイッチ、分子記憶素子、非線形光学材料、光捕集系などとして研究されている(例えば、非特許文献2)。また、水素結合や金属配位子結合などの非共有相互作用により自己組織的に形成される超分子は、ポルフィリン多量体の形成が比較的容易であり、また、温度や濃度を調整することにより、多量体の構造を制御可能である(例えば、非特許文献3)。例えば、小夫家等はイミダゾリルポルフィリン金属錯体をビルディングブロックとするポルフィリン多量体を提案しており、巨大連鎖構造体(例えば、特許文献2)や大環状構造体(例えば、非特許文献4)を報告している。
また、金属ポルフィリンをビルディングブロックとして含む超分子に光が照射された場合、金属ポルフィリン部分の中心金属が光により励起されることに起因して、様々な光反応が起こる。また、このような超分子では、酸化還元反応も起こる。
非特許文献5は、ポルフィリンを含有するL−リジン誘導体を単量体として、ペプチド合成を繰り返し、L−リジン誘導体の8量体となるペプチドの合成について記載している。非特許文献5では、リンカーを介してポルフィリンと結合しているL−リジン誘導体の単量体をまず合成し、この単量体をカップリングさせ、L−リジン誘導体の2量体を合成する。そして、L−リジン誘導体の2量体をカップリングさせ、4量体を合成する。次に、L−リジン誘導体の4量体をカップリングさせ、8量体を合成する。これらのカップリング反応は、何れもペプチド合成でもある。
特許文献3は、カーボンナノチューブの精製方法に関し、この精製方法は、テンプレート化合物が溶解された溶液中にカーボンナノチューブを添加し、特定のカーボンナノチューブを溶液中に抽出させる工程と、抽出したカーボンナノチューブを回収する工程を有する。そして、テンプレート化合物として、複数の金属ポルフィリンがスペーサー部位を介して結合している化合物を記載する。また、特許文献4は、ナノカーボン及びポルフィリン誘導体を添加することにより、熱可塑性樹脂の成形性を改良する旨を記載する。ナノカーボンとしては、フラーレン、カーボンナノチューブなどが挙げられている。更に、特許文献5は、カーボンナノチューブ複合体に関し、ポルフィリンを含有していてもよい4官能性イミンポリマーでカーボンナノチューブを修飾することを記載している。
カーボンナノチューブは、電子材料として有望視されている。また、カーボンナノチューブに別の機能性分子を結合させるなどして修飾し、複合材料としての利用法を模索することが検討されている。そこで、本発明は、カーボンナノチューブを複数のポルフィリンを含むペプチドで修飾し、新たな複合材料を提供することを目的とする。
本発明は、カーボンナノチューブと、ペプチドと、を含む複合体であって、
前記ペプチドは、式、Pr1−[C(=O)−CH(R)−NH]n−Pr2で示され、
式中、Pr1は、C末端保護基であり、
Pr2は、N末端保護基であり、
nは、16〜128の整数であり、
Rは、式−(CH2)m−NH−C(O)−(CH2)l−O−Ar1−PORで示される基であり、
mは、2〜6の整数であり、
lは、1〜6の整数であり、
Ar1は、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環であり(ただし、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
PORは、下記式(1)で示されるポルフィリン又は下記式(2)で示される金属ポルフィリンであり、
式中、Ar1は、上記の通りであり;
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C1〜C40アリーロキシ基、C1〜C40アシル基、C1〜C40アシロキシ基、C1〜C40アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、又は、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であり、
ただし、R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、一体となって、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成してもよく(ただし、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
式中、Ar1、並びに、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、上記の通りであり;
Mは、Cr、Mo、W、Mn、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Zn及びSnからなる群から選ばれた中心金属であり;
金属ポルフィリンの中心金属(M)には、1つ、又は、同一若しくは異なる、2つの配位子(L1)が軸配位していてもよく、ただし、配位子(L1)は、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12の何れかと一体となっていてもよく;
前記カーボンナノチューブは、式(1)で示されるポルフィリン又は式(2)で示される金属ポルフィリンと相互作用をしている、複合体を提供する。
前記ペプチドは、式、Pr1−[C(=O)−CH(R)−NH]n−Pr2で示され、
式中、Pr1は、C末端保護基であり、
Pr2は、N末端保護基であり、
nは、16〜128の整数であり、
Rは、式−(CH2)m−NH−C(O)−(CH2)l−O−Ar1−PORで示される基であり、
mは、2〜6の整数であり、
lは、1〜6の整数であり、
Ar1は、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環であり(ただし、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
PORは、下記式(1)で示されるポルフィリン又は下記式(2)で示される金属ポルフィリンであり、
式中、Ar1は、上記の通りであり;
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C1〜C40アリーロキシ基、C1〜C40アシル基、C1〜C40アシロキシ基、C1〜C40アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、又は、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であり、
ただし、R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、一体となって、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成してもよく(ただし、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
式中、Ar1、並びに、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、上記の通りであり;
Mは、Cr、Mo、W、Mn、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Zn及びSnからなる群から選ばれた中心金属であり;
金属ポルフィリンの中心金属(M)には、1つ、又は、同一若しくは異なる、2つの配位子(L1)が軸配位していてもよく、ただし、配位子(L1)は、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12の何れかと一体となっていてもよく;
前記カーボンナノチューブは、式(1)で示されるポルフィリン又は式(2)で示される金属ポルフィリンと相互作用をしている、複合体を提供する。
本発明において、Ar1は、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環であり(ただし、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C20アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であることが好ましい。
また、R2、R3及びR4は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であることが好ましい。
R2、R3及びR4は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環であり(ただし、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C20アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であることが好ましい。
更に、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C6炭化水素基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アリーロキシ基、C1〜C6アシル基、C1〜C6アシロキシ基、C1〜C6アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C6アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C6アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C6アルキル基)、又は、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C6アルキル基)であることが好ましい。
更にまた、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C3炭化水素基、C1〜C3アルコキシ基、C1〜C3アシル基、C1〜C3アシロキシ基、C1〜C3アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C3アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C3アルキル基)であることが好ましい。
また、R2、R3及びR4が同一の基であり、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が同一の基であることが好ましい。
更に、前記カーボンナノチューブが半導体性であることが好ましい。また、個々の複合体が1本の前記カーボンナノチューブを含むことが好ましい。
本発明の複合体は、カーボンナノチューブとペプチドとを含み、ペプチドを構成する個々のアミノ酸残基は、リンカーを介して、ポルフィリン又は金属ポルフィリンを含む。
本発明では、ペプチドを容易に合成するため、同一のアミノ酸残基がペプチドを構成することが好ましい。しかし、アミノ酸残基のリンカー又はポルフィリン若しくは金属ポルフィリンの構造は異なっていても良い。
本発明では、ペプチドは、16〜128のアミノ酸残基を含み、16〜64のアミノ酸残基を含むことが好ましく、16〜32のアミノ酸残基を含むことが更になお好ましい。アミノ酸残基が16未満の場合には、複合体を形成することが困難だからである。一方、アミノ酸残基が128を超える場合には、ペプチド合成の収率が悪化することが想定されるからである。
本発明の複合体では、カーボンナノチューブは、ポルフィリン又は金属ポルフィリンと相互作用をしている。典型的には、ポルフィリン又は金属ポルフィリン中のポルフィリンの共役π電子系とカーボンナノチューブの共役π電子系とが相互作用しており、ポルフィリンがカーボンナノチューブの表面の近傍にほぼ平行に位置している。典型的には、ペプチド鎖の全て又は一部がカーボンナノチューブの周りに巻きついており、ペプチド鎖のほとんど全てがカーボンナノチューブの周りに巻きついていることが多い。
例えば、ペプチドが16アミノ酸残基を有する場合には、16のポルフィリンの全てがカーボンナノチューブと相互作用をしている必要はなく、ペプチドとカーボンナノチューブとが複合体を形成するのに十分な程度に相互作用をしていれば足りる。
カーボンナノチューブを合成した直後は、通常は、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、不定形炭素、及び非管状フラーレンなどが混合している状態になっている。この混合状態では、通常は、複数の単層カーボンナノチューブ及び複数の多層カーボンナノチューブが、複雑に絡み合っている。また、この混合物を精製した後であっても、多数の単層カーボンナノチューブが複雑に絡み合っていることが多い。
これに対して、本発明の複合体では、典型的には、個々の複合体が1本のカーボンナノチューブを含み、複数のカーボンナノチューブないし複数の複合体が互いに絡み合っていない。
本発明の複合体では、カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであることが好ましい。単層カーボンナノチューブは、0.5〜50nmの直径であることが好ましく、0.5〜10nmの直径であることが更に好ましく、特に、0.5〜3nmの直径であってもよい。
本発明の複合体では、カーボンナノチューブは、50nmを超える長さを有することが好ましく、100nmを超える長さを有することが更に好ましい。また、カーボンナノチューブは、500nmを超える長さを有していてもよいし、数μmの長さであってもよい。
本発明の複合体では、ペプチドは、式、Pr1−[C(=O)−CH(R)−NH]n−Pr2で示される。
Pr1は、C末端保護基であり、ペプチド化学でC末端の保護基として通常、用いられている保護基を、本発明でも同様に用いることができる。C1〜C40アルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどのアルキルオキシ基;プロピレニルオキシなどのアルケニルオキシ基;ベンジルオキシ基などを用いることができる。
Pr2は、N末端保護基であり、ペプチド化学でN末端の保護基として通常、用いられている保護基を、本発明でも同様に用いることができる。例えば、t−ブチロキシカルボニル基のようなアルコキシカルボニル基を用いることができる。また、アルコキシカルボニル基のアルコキシ基は置換されていてもよく、例えば、フルオニルメトキシカルボニル基を用いてもよい。なお、t−ブチロキシカルボニル基、フルオニルメトキシカルボニル基は、ペプチド固相合成で、アミノ基の保護として用いられている。
Rは、式−(CH2)m−NH−C(O)−(CH2)l−O−Ar1−PORで示される基である。
mは、2〜6の整数であり、3〜6の整数であることが好ましく、3〜5の整数であることが更に好ましい。例えば、アミノ酸残基として、リジンを用いた場合には、mは4となる。
lは、1〜6の整数であり、2〜6の整数であることが更に好ましく、2〜5の整数であることが更になお好ましい。
Ar1は、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環である。即ち、Ar1には、5〜10員単環式芳香族炭素環;1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員単環式芳香族複素環;5〜10員炭素環と縮合した5〜10員芳香族炭素環;1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合した5〜10員芳香族炭素環;5〜10員炭素環と縮合した、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環;1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合した1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環が含まれる。
Ar1は、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環が好ましい。
1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む、5〜8員複素芳香族環としては、フラン、チオフェン、ピロール、2H−ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール(oxazole)、イソキサゾール(isoxazole)、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、イミダゾール、ピラゾール、アゼピンなどが挙げられる。
5〜10員炭素環と縮合している5〜10員炭素芳香族環には、例えば、ナフタレン、インデン、ペンタレン、アズレン、ヘプタレン等の2環式縮合炭素環、及び、例えば、アントラセン、インダセン、フェナントレン等の3環式縮合炭素環が含まれる。
5〜10員炭素環と縮合している5〜10員炭素芳香族環には、例えば、ナフタレン、インデン、ペンタレン、アズレン、ヘプタレン等の2環式縮合炭素環、及び、例えば、アントラセン、インダセン、フェナントレン等の3環式縮合炭素環が含まれる。
「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合した5〜10員芳香族炭素環」、「5〜10員炭素環と縮合した、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環」、並びに、「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合した1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環」には、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン(indolizine)、クロメン(chromene)、ベンゾピラン(benzopyran)、キノリン(quinoline)、イソキノリン(isoquinoline)、ベンズイミダゾール、インダゾール、ナフチリジン(naphthyridine)、キノキサリン(quinoxaline)、キナゾリン(quinazoline)、プリン(purine)、インドリン(indoline)、イソインドリン(isoindoline)、クロマン(chroman)等の2環式縮合複素環、ザンセン(xanthene)、アクリジン(acridine)、フェナントロリン(phenanthroline)、チアントレン(thianthrene)、フェノキサチイン(phenoxathiin)、フェノキサジン(phenoxazine)等の3環式縮合複素環が含まれる。
Ar1であってもよい5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい。
本明細書において、C1〜C40炭化水素基には、C1〜C40アルキル基;C2〜C40アルケニル基;C3〜C40アルカンジエニル基;C2〜C40アルキニル基;アルキル基(例えば、C1〜C20アルキル基)、アルケニル基(例えば、C2〜C20アルケニル基)、アルカンジエニル基(例えば、C2〜C20アルカンジエニル基)、アルキニル基(例えば、C2〜C20アルキニル基)、シクロアルキル基(例えば、C5〜C10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C5〜C20アリール基)などで置換されてもよいシクロアルキル基(特に、C5〜C10シクロアルキル基);アルキル基(例えば、C1〜C20アルキル基)、アルケニル基(例えば、C2〜C20アルケニル基)、アルカンジエニル基(例えば、C2〜C20アルカンジエニル基)、アルキニル基(例えば、C2〜C20アルキニル基)、シクロアルキル基(例えば、C5〜C10シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C5〜C20アリール基)などで置換されてもよいアリール基(特に、C5〜C20アリール基);C7〜C40アラルキル基(例えば、ベンジル基)などが含まれる。C1〜C40炭化水素基は、C1〜C20炭化水素基が好ましく、C1〜C10炭化水素基が更に好ましい。
本明細書において、アリール基には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが含まれる。
C1〜C40アルコキシ基は、C1〜C20アルコキシ基が好ましく、C1〜C10アルコキシ基が更に好ましい。
C1〜C40アリーロキシ基は、C6〜C20アリーロキシ基が好ましく、C6〜C10アリーロキシ基が更に好ましい。
C1〜C40アシル基は、C1〜C20アシル基が好ましく、C1〜C10アシル基が更に好ましい。
C1〜C40アシロキシ基は、C1〜C20アシロキシ基が好ましく、C1〜C10アシロキシ基が更に好ましい。
C1〜C40アルコシキシカルボニル基は、C1〜C20アルコシキシカルボニル基が好ましく、C1〜C10アルコシキシカルボニル基が更に好ましい。
本明細書では、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、及び、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)において、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基が好ましく、C1〜C10アルキル基が更に好ましい。
本明細書において、ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
PORは、下記式(1)で示されるポルフィリン又は下記式(2)で示される金属ポルフィリンであり、
式中、Ar1は、上記の通りであり;
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C1〜C40アリーロキシ基、C1〜C40アシル基、C1〜C40アシロキシ基、C1〜C40アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、又は、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であり、
ただし、R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、一体となって、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成してもよく(ただし、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
式中、Ar1、並びに、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、上記の通りであり;
Mは、Cr、Mo、W、Mn、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Zn及びSnからなる群から選ばれた中心金属であり;
金属ポルフィリンの中心金属(M)には、1つ、又は、同一若しくは異なる、2つの配位子(L1)が軸配位していてもよく、ただし、配位子(L1)は、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12の何れかと一体となっていてもよい。
式中、Ar1は、上記の通りであり;
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C1〜C40アリーロキシ基、C1〜C40アシル基、C1〜C40アシロキシ基、C1〜C40アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、又は、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であり、
ただし、R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、一体となって、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成してもよく(ただし、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
式中、Ar1、並びに、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、上記の通りであり;
Mは、Cr、Mo、W、Mn、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Zn及びSnからなる群から選ばれた中心金属であり;
金属ポルフィリンの中心金属(M)には、1つ、又は、同一若しくは異なる、2つの配位子(L1)が軸配位していてもよく、ただし、配位子(L1)は、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12の何れかと一体となっていてもよい。
「5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」には、単環式5〜10員炭素環;1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む単環式5〜10員複素環;5〜10員炭素環と縮合している5〜10員炭素環;5〜10員炭素環と縮合している1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環;1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合している1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環が含まれる。
本明細書において、5〜10員炭素環は、5〜10員脂肪族炭素環であってもよいし、5〜10員芳香族炭素環であってもよい。例えば、5〜10員炭素環は、5〜10員シクロアルキル環でもよいし、フェニル基のようなアリール基でもよい。また、「5〜10員炭素環」は、5〜8員炭素環が好ましく、5〜7員炭素環が更に好ましい。
本明細書において、5〜10員複素環は、5〜10員脂肪族複素環であってもよいし、5〜10員芳香族複素環であってもよい。1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む、5〜10員複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、2H−ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール(oxazole)、イソキサゾール(isoxazole)、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、イミダゾール、ピラゾール、ピロリジン(pyrrolidine)、イミダゾリジン(imidazolidine)、ピラゾリジン(pyrazolidine)、ピペリジン(piperidine)、ピペラジン(piperazine)、ピロリン(pyrroline)、イミダゾリン(imidazoline)、ピラゾリン(pyrazoline)、モルフォリン(morpholine)、アゼピン、アゾシンなどが挙げられる。「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」は、飽和環であってもよいし、不飽和環であってもよい。
「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」は、「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員複素環」が好ましく、「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜7員複素環」が更に好ましい。
また、「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」は、「1〜2個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」が好ましく、「1〜2個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員複素環」が更に好ましく、「1〜2個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜7員複素環」が更になお好ましい。
「5〜10員炭素環」は、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい。同様に、「1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」は、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい。
5〜10員炭素環と縮合している5〜10員炭素環、即ち、縮合炭素環には、例えば、ナフタレン、インデン、ペンタレン、アズレン、ヘプタレン等の2環式縮合炭素環、及び、例えば、アントラセン、インダセン、フェナントレン等の3環式縮合炭素環が含まれる。
縮合複素環には、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン(indolizine)、クロメン(chromene)、ベンゾピラン(benzopyran)、キノリン(quinoline)、イソキノリン(isoquinoline)、ベンズイミダゾール、インダゾール、ナフチリジン(naphthyridine)、キノキサリン(quinoxaline)、キナゾリン(quinazoline)、プリン(purine)、インドリン(indoline)、イソインドリン(isoindoline)、クロマン(chroman)等の2環式縮合複素環、ザンセン(xanthene)、アクリジン(acridine)、フェナントロリン(phenanthroline)、チアントレン(thianthrene)、フェノキサチイン(phenoxathiin)、フェノキサジン(phenoxazine)等の3環式縮合複素環が含まれる。
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11又はR12である、「5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環」は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい。
R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、一体となって、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成してもよく、5〜7員炭素環、又は、1〜2個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜7員複素環を形成してもよく、5〜7員炭素環、又は、1〜2個の酸素原子若しくは窒素原子を含む5〜7員複素環を形成してもよく、5〜6員炭素環、又は、1個の酸素原子若しくは窒素原子を含む5〜6員複素環を形成してもよい。
R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、又は、R11及びR12の何れかの組合せが、一体となって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成した場合には、この環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい。
以下、本発明の複合体の製造方法について述べる。
(式中、Pr1、Pr2、m、l、Ar1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、上記の通りである)
(式中、Pr1、Pr2、m、l、Ar1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、及びR12は、上記の通りである)
アミノ酸誘導体(3)のアミノ基と、ポルフィリン誘導体(4)のカルボキシル基とを縮合させ、ポルフィリンを含有するアミノ酸誘導体(5)を生成する。
ポルフィリン誘導体(4)の合成方法は、例えば、Solladie,N.;Hamel,A.;Gross,M.Tetrahedron Lett.2000,41,6075−6078に報告されている。また、ポルフィリン誘導体(4)の合成スキームについては、例えば、特開2005−314235号公報、特開2005−289967号公報に記載されているポルフィリンの製造方法も参考となる。
アミノ酸誘導体(3)とポルフィリン誘導体(4)との縮合反応では、縮合剤を用いることが好ましい。縮合剤としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩などのカルボジイミド、BOP試薬等を用いることができる。
また、縮合剤と共に、特に、カルボジイミドと共に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールなどの縮合助剤を用いてもよい。
例えば、アミノ酸誘導体(3)、ポルフィリン誘導体(4)、カルボジイミド1〜2当量、及び、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1〜2当量を、適当な有機溶媒(DMF、ジクロロメタン、N−メチルピロリドンなど)に溶解し、0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃、更に好ましくは、室温で撹拌することにより、ポルフィリンを含有するアミノ酸誘導体(5)が得られる。反応終了後、水、次いで、飽和重曹水などで洗浄し、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールなどを除去する。
ポルフィリンを含有するアミノ酸誘導体(5)からC末端保護基Pr1を除去し、カルボキシル基末端を有する、ポルフィリンを含有するアミノ酸誘導体単量体を生成する。一方、ポルフィリンを含有するアミノ酸誘導体(5)からN末端保護基Pr2を除去し、アミノ基末端を有する、ポルフィリンを含有するアミノ酸誘導体単量体を生成する。次いで、カルボキシル基末端を有する単量体と、アミノ基末端を有する単量体を、上記と同様の条件下で、縮合させ、2量体を生成する。この2量体同士を同様に縮合し、4量体を生成する。次に、この4量体同士を縮合し、8量体を生成する。更に、8量体同士を縮合し、16量体を生成する。更にまた、16量体同士を縮合し、32量体を生成する。32量体同士を縮合し、64量体を生成する。64量体同士を縮合し、128量体を生成する。また、16量体と8量体を縮合すれば、24量体を生成することができる。このように、縮合する組合せを調整することにより、16量体から128量体まで合成することができる。あるいは、ペプチド固相合成法により、所望のペプチドを合成することもできる。
なお、ポルフィリンを含有するL−リジン誘導体の8量体を合成する方法は、Solladie,N.;Hamel,A.;Gross,M.Tetrahedron Lett.2000,41,6075−6078に報告されている。
また、このペプチド中のポルフィリンに、公知の方法で、金属イオンを導入することができる。
次に、カーボンナノチューブ及びペプチドから、複合体を形成する。まず、ペプチド及びカーボンナノチューブを十分な量の有機溶媒に添加する。有機溶媒は、ペプチドを溶解する有機溶媒を用い、極性有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、へキサン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトニトリル、ジエチルエーテルなどを用いることができる。
次いで、ペプチド及びカーボンナノチューブを含む有機溶媒に超音波を照射し、カーボンナノチューブを有機溶媒に懸濁させる。例えば、10〜500ワットの超音波を、1〜1時間、照射する。
この懸濁液を50〜200℃、好ましくは、60〜150℃にて、5時間〜3日間、5時間〜24時間、加熱する。加熱後、有機溶媒を室温にまで冷却し、撹拌する。加熱工程、及び、加熱後の室温にて撹拌工程とからなるサイクルを繰り返すことが好ましい。
得られた液を遠心分離器で遠心分離し、沈殿物を除去する。遠心分離は、例えば、1000G〜50000G(Gは、重力加速度である)であることが好ましく、5000〜50000Gであることが更に好ましい。複合体は、上澄み液中に含まれている。
所望により、沈殿物に対して、再度、超音波を照射し、再度、懸濁し、再度、遠心分離してもよい。
参考例1
ペプチド合成
L−リジン誘導体の8量体であるペプチドのカルボキシル基と、L−リジン誘導体の8量体であるペプチドのアミノ基とを縮合し、図7に示される、L−リジン誘導体の16量体であるペプチドを合成した。得られたペプチドは、式CH2=CH−CH2―O−[C(=O)−CH(R1)−NH]16−C(=O)O−C(CH3)3(式中、R1は、−(CH2)4−NH−C(O)−(CH2)3−O−(p−C6H4)−POR1(ただし、POR1は、図7中に示されるポルフィリン、即ち、3つのメソ位に3,5−ジーt−ブチルフェニル基が導入されているポルフィリンである。)で示される。なお、L−リジン誘導体の8量体は、Solladie,N.;Hamel,A.;Gross,M.Tetrahedron Lett.2000,41,6075−6078に記載されている方法で合成した。
ペプチド合成
L−リジン誘導体の8量体であるペプチドのカルボキシル基と、L−リジン誘導体の8量体であるペプチドのアミノ基とを縮合し、図7に示される、L−リジン誘導体の16量体であるペプチドを合成した。得られたペプチドは、式CH2=CH−CH2―O−[C(=O)−CH(R1)−NH]16−C(=O)O−C(CH3)3(式中、R1は、−(CH2)4−NH−C(O)−(CH2)3−O−(p−C6H4)−POR1(ただし、POR1は、図7中に示されるポルフィリン、即ち、3つのメソ位に3,5−ジーt−ブチルフェニル基が導入されているポルフィリンである。)で示される。なお、L−リジン誘導体の8量体は、Solladie,N.;Hamel,A.;Gross,M.Tetrahedron Lett.2000,41,6075−6078に記載されている方法で合成した。
式CH2=CH−CH2―O−[C(=O)−CH(R1)−NH]8−H(式中、R1は、−(CH2)4−NH−C(O)−(CH2)3−O−(p−C6H4)−POR1(ただし、POR1は、図7中に示されるポルフィリンである。))と、HO−[C(=O)−CH(R1)−NH]16−C(=O)O−C(CH3)3(式中、R1は、−(CH2)4−NH−C(O)−(CH2)3−O−(p−C6H4)−POR1(ただし、POR1は、図7中に示されるポルフィリンである。))とは、ジクロロメタン中において、1.5当量のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下、室温にて、42時間、反応させた。次いで、カラムクロマトグラフィーで分離し、16量体のペプチドを得た(収率37%)。
MALDI−TOF質量分析(実験値:m/z=18777.81、[M+H]+についての計算値:18777.54).
参考例2
参考例1で得られた16量体のペプチドを、酢酸亜鉛(II)・2水和物と、クロロホルム(5体積部)とメタノール(1体積部)との混合溶媒中で10時間、リフラックスすることにより、亜鉛イオンがポルフィリンの中心金属として導入された16量体のペプチドを得た(収率:87%)。
参考例1で得られた16量体のペプチドを、酢酸亜鉛(II)・2水和物と、クロロホルム(5体積部)とメタノール(1体積部)との混合溶媒中で10時間、リフラックスすることにより、亜鉛イオンがポルフィリンの中心金属として導入された16量体のペプチドを得た(収率:87%)。
実施例1
複合体の合成
カーボン・ナノテクノロジーズ(米国、テキサス州ヒューストン)から単層カーボンナノチューブを購入した。購入した単層カーボンナノチューブを、Chiang,I.W.;Brinson,B.E.;Huang,A.Y.;Willis,P.A.;Bronikowski,M.J.;Margrave,J.L.;Smalley,R.E.;Hauge,R.H.J.Phys.Chem. B 2001,105,8297に記載されている方法により精製した。
複合体の合成
カーボン・ナノテクノロジーズ(米国、テキサス州ヒューストン)から単層カーボンナノチューブを購入した。購入した単層カーボンナノチューブを、Chiang,I.W.;Brinson,B.E.;Huang,A.Y.;Willis,P.A.;Bronikowski,M.J.;Margrave,J.L.;Smalley,R.E.;Hauge,R.H.J.Phys.Chem. B 2001,105,8297に記載されている方法により精製した。
参考例1で得られた、ポルフィリンを含有する16量体からなるペプチド(1.58mg、5.2x10−5モル)及び精製した単層カーボンナノチューブ(0.5mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中で、70ワット、15分間、超音波を照射することにより、懸濁した。この懸濁液を100℃にて10時間、加熱し、次いで、室温にて一晩、撹拌した。100℃での加熱工程、及び、加熱後の室温にて撹拌工程とからなる、24時間のサイクルを繰り返した。得られた混合物を17900G(Gは、重力加速度である)で30分間、遠心分離し、沈殿物を得た。この沈殿物を、N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中で、70ワット、15分間、超音波を照射することにより、再度、懸濁した。得られた懸濁液を7940G(Gは、重力加速度である)で30分間、遠心分離し、未反応の単層カーボンナノチューブを分離するとともに、着色透明な上澄み液を得た。この上澄み液中に、単層カーボンナノチューブと、ポルフィリンを含有する16量体からなるペプチドとの複合体が含まれている。
複合体が生成する過程は、上澄み液の色の変化により、モニターすることができる。反応が進行するにつれて、濃赤色から淡赤色に顕著に変化する。図3に、上澄み液の写真を示す。
複合体の生成は、紫外−可視−近赤外(UV−Vis−NIR)分光分析吸収スペクトルにより確認した。この吸収スペクトルを図4に示す。
複合体の吸収スペクトルは、遊離の16量体ペプチド(参考例1で得られたペプチド)と比べて、ポルフィリンのSoretバンドは、幅が拡がり、10nm赤側にシフトしている。これは、ポルフィリンの共役π電子系と単層カーボンナノチューブの共役π電子系とが相互作用していること、即ち、ポルフィリンが単層カーボンナノチューブの表面に位置していることを示す。
図1に、得られた複合体の透過型電子顕微鏡写真を示す。図1では、複合体の単層カーボンナノチューブの直径は、2nm未満である。
図2は、得られた複合体のラマン分光分析スペクトルである。188cm−1での顕著なピークは、複合体中の単層カーボンナノチューブが半導体性であることを示すものである。即ち、半導体性カーボンナノチューブが選択的に複合体を形成することが示された。
図5は、得られた複合体の過度(transient)吸収スペクトルである。まず、複合体をDMFに溶解した。次いで、440nm及び427nmの波長のレーザーをこの溶液に照射し、6マイクロ秒後の過度吸収スペクトルを測定した。
図6は、過度吸収スペクトルにおける480nmの吸収ピークが、1次反応式に従って減衰することを示す。
比較例1
ポルフィリンを含有する8量体からなるペプチドと、単層カーボンナノチューブとを、実施例1と同様の条件で反応させた。即ち、このペプチドは、式CH2=CH−CH2―O−[C(=O)−CH(R1)−NH]8−C(=O)O−C(CH3)3(式中、R1は、−(CH2)4−NH−C(O)−(CH2)3−O−(p−C6H4)−POR1(ただし、POR1は、図7中に示されるポルフィリン、即ち、3つのメソ位に3,5−ジーt−ブチルフェニル基が導入されているポルフィリンである。)で示される。しかし、複合体は形成されず、懸濁液では、色変化も観察されなかった。
ポルフィリンを含有する8量体からなるペプチドと、単層カーボンナノチューブとを、実施例1と同様の条件で反応させた。即ち、このペプチドは、式CH2=CH−CH2―O−[C(=O)−CH(R1)−NH]8−C(=O)O−C(CH3)3(式中、R1は、−(CH2)4−NH−C(O)−(CH2)3−O−(p−C6H4)−POR1(ただし、POR1は、図7中に示されるポルフィリン、即ち、3つのメソ位に3,5−ジーt−ブチルフェニル基が導入されているポルフィリンである。)で示される。しかし、複合体は形成されず、懸濁液では、色変化も観察されなかった。
本発明の複合体は、微細であり、優れた電子特性及び光学特性を有するため、様々な光・電子デバイスに適用することができる。例えば、複合体を1本ずつ制御することで、ナノメートルサイズの光・電子デバイス、ナノ電極として利用すること、薄膜として利用することにより光応答性導電フィルムとして利用することが考えられるなど、その応用範囲は非常に広い。
Claims (10)
- カーボンナノチューブと、ペプチドと、を含む複合体であって、
前記ペプチドは、式、Pr1−[C(=O)−CH(R)−NH]n−Pr2で示され、
式中、Pr1は、C末端保護基であり、
Pr2は、N末端保護基であり、
nは、16〜128の整数であり、
Rは、式−(CH2)m−NH−C(O)−(CH2)l−O−Ar1−PORで示される基であり、
mは、2〜6の整数であり、
lは、1〜6の整数であり、
Ar1は、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環であり(ただし、5〜10員芳香族炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
PORは、下記式(1)で示されるポルフィリン又は下記式(2)で示される金属ポルフィリンであり、
式中、Ar1は、上記の通りであり;
R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、C1〜C40アルコキシ基、C1〜C40アリーロキシ基、C1〜C40アシル基、C1〜C40アシロキシ基、C1〜C40アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、又は、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)であり、
ただし、R5及びR6、R7及びR8、R9及びR10、並びに、R11及びR12は、一体となって、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環を形成してもよく(ただし、5〜10員炭素環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい);
式中、Ar1、並びに、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、上記の通りであり;
Mは、Cr、Mo、W、Mn、W、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Zn及びSnからなる群から選ばれた中心金属であり;
金属ポルフィリンの中心金属(M)には、1つ、又は、同一若しくは異なる、2つの配位子(L1)が軸配位していてもよく、ただし、配位子(L1)は、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12の何れかと一体となっていてもよく;
前記カーボンナノチューブは、式(1)で示されるポルフィリン又は式(2)で示される金属ポルフィリンと相互作用をしている、複合体。 - Ar1は、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環であり(ただし、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C20アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)である、請求項1に記載の複合体。
- R2、R3及びR4は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環と縮合していてもよい、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環(ただし、5〜10員炭素環、若しくは、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜10員複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C40炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C40アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C40アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C40アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C40アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)である請求項1又は2に記載の複合体。
- R2、R3及びR4は、それぞれ、独立に、同一又は異なって、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環であり(ただし、ベンゼン環、又は、1〜3個の酸素原子、窒素原子若しくは硫黄原子を含む5〜8員芳香族複素環は、置換基を有していてもよいC1〜C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アリーロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルキルチオ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシル基、置換基を有していてもよいC1〜C20アシロキシ基、置換基を有していてもよいC1〜C20アルコキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C20アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C20アルキル基)、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONH2)、式−SO3Hで示される基で置換されていてもよい)である、請求項1又は2に記載の複合体。
- R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C6炭化水素基、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アリーロキシ基、C1〜C6アシル基、C1〜C6アシロキシ基、C1〜C6アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C6アルキル基)、式−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C6アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C6アルキル基)、又は、式−C(O)−NR21R22で示される基(式中、R21及びR22は、独立に、同一又は異なって、C1〜C6アルキル基)である、請求項1〜4の何れかに記載の複合体。
- R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が、それぞれ、独立に、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基(−NH2)、カルバモイル基(−CONH2)、置換基を有していてもよいC1〜C3炭化水素基、C1〜C3アルコキシ基、C1〜C3アシル基、C1〜C3アシロキシ基、C1〜C3アルコシキシカルボニル基、式−NHR21で示される基(式中、R21は、C1〜C3アルキル基)、式−C(O)−NHR21で示される基(式中、R21は、同一又は異なって、C1〜C3アルキル基)である、請求項1〜4の何れかに記載の複合体。
- R2、R3及びR4が同一の基であり、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11及びR12が同一の基である請求項1〜4の何れかに記載の複合体。
- 前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである、請求項1〜7の何れかに記載の複合体。
- 前記カーボンナノチューブが半導体性である、請求項1〜8の何れかに記載の複合体。
- 個々の複合体が1本の前記カーボンナノチューブを含む請求項1〜9の何れかに記載の複合体。
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KR101015409B1 (ko) * | 2008-08-18 | 2011-02-22 | 금오공과대학교 산학협력단 | 단일벽 탄소 나노튜브-포르피린 복합체 및 그 제조방법 |
CN111595932A (zh) * | 2020-04-29 | 2020-08-28 | 中国石油天然气股份有限公司 | 一种分离和分析凝析油中痕量金属卟啉的方法 |
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2006
- 2006-07-06 JP JP2006186773A patent/JP2008012630A/ja active Pending
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