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JP2007524659A - ジヒドロネペタラクトンの誘導体および製造方法 - Google Patents

ジヒドロネペタラクトンの誘導体および製造方法 Download PDF

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Abstract

3−置換ジヒドロネペタラクトンは、アルキル置換化合物およびアリール置換化合物を形成するためにネペタラクトンの脱プロトンおよびグリニャール試薬による処理によって製造される。こうして製造された化合物は芳香性であり、特に防虫剤から香料などの芳香化合物に及ぶ広範囲の有用性を有する。

Description

関連出題の相互参照
本出願は、2003年11月26日に出願された米国仮特許出願第60/525,304号明細書の利益を主張する。
本発明は、例えば、物体に望ましい芳香または魅力的な芳香を付与する芳香化合物として有用であり、防虫剤としても有用であるジヒドロネペタラクトンの誘導体に関する。本発明は、ジヒドロネペタラクトンの誘導体を製造する方法であって、天然ネペタラクトンを所望の誘導体に変換する特に好適な方法にも関連する。
ジヒドロネペタラクトン(DHN)は、式II
Figure 2007524659
の構造によって図式的に表すことができるイリドイドモノテルペノイドであり、多くの人が魅力的であると見る、従って、芳香化合物として有用性を有するとして見る芳香を有するとして特許文献1(この特許はすべての目的のために本明細書の一部として全体的に引用して援用する)においてハラハン(Hallahan)によって記載された。ハラハン(Hallahan)は、特許文献2(この特許はすべての目的のために本明細書の一部として全体的に引用して援用する)において、最も市販されている防虫剤において好んで選ばれる防虫剤であったN,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)にDHNが防虫剤として有利に匹敵することも開示した。DHNはネペタラクトンの接触水素添加によって製造してもよい。
DHNの種々の誘導体が知られており、その中には、例えば、式III
Figure 2007524659
の構造によって図式的に表すことができるネペタル酸がある。ネペタル酸は、ネペタカテリア[例えば、非特許文献1参照]の精油から単離してもよい。エイゼンブラウン(Eizenbraun)は、ジカルボン酸開環構造(ネペタリン酸)を製造するために酸化剤および塩基によるネペタル酸の処理も教示している。
ネペタル酸(式III)は、非特許文献2におけるマクエルベイン(McElvain)らの方法による強塩基によるネペタラクトンの処理によっても有利に合成してよい。式IIIの構造は、非特許文献3においてエイゼンブラウン(Eizenbraun)らによって確認された。
非特許文献4で開示されたようなDENのもう1種の誘導体は、式IV
Figure 2007524659
の構造によって表される式IIIの構造のエトキシ置換変種である。上で引用したドーソン(Dawson)によると、式IVの化合物は、R−プレゴンからネペタラクトンを製造するためにその中で提示された合成経路の中間体として製造される。
上で述べた参考文献において、それらの中で開示されたDHNのそれぞれの誘導体は、防虫剤として、あるいは芳香、香気または臭気に関連した目的のために有用であると記載されていない。
式I
Figure 2007524659
の構造において図式的に表されたネペタラクトンは、属ネペタの植物によって分泌された精油の主成分であり、イヌハッカの活性成分である。ネペタラクトンの香気が人によって一般に不快と考えられているけれども、猫はそれを魅力的と感じる。ネペタラクトンは、イヌハッカ油(主としてネペタラクトン)の忌避性の研究が、イヌハッカ油が短期暴露で多くの昆虫種に対して忌避性であることを示したので防虫剤としての役割も果たすかもしれないと見られるが、他の種の多くに対しては忌避性を示さなかった。[非特許文献5]。
ネペタラクトンとDHNが両方共に防虫剤としてある程度の有用性を示した化合物である一方で、二つのうちのDENのみが人に心地よい臭気を呈した。従って、化合物のイリドイドモノテルペノイド族のどのメンバーが特定の特性または有用性を有するのか、または全く有さないのかを予測することは困難である。
しかしながら、防虫剤として有用であるが、その用途の一部が芳香、香気および/または臭気に基づいてもよい他の用途も有する新規化合物を開発することが必要とされ続けている。出願人は、DHNの誘導体であるとともに芳香、香気および/または臭気に基づく他の用途に加えて防虫剤として有用性を有する、未知の化合物を発見した。
米国特許第2003/0191047号明細書 国際公開第03/079786号パンフレット エイゼンブラウン(Eizenbraun)ら、J.Org.Chem.,53(17),3968−3972(1988) J,Am.Chem.Soc.63,1558−1563(1941) J.Org.Chem.,46,3303−3305(1981) ドーソン(Dawson)ら、Bioorganic and Medicinal Chemistry,4(3),351−361(1996) アイスナー・T(Eisner,T)、Science146:1318〜1320(1964)
発明の概要
本発明は、
式V
Figure 2007524659
[式中、Rはアルキルまたはアリールである]
の構造によって図式的に表される化合物を提供する。
本発明は、式Vの化合物を製造する方法であって、ネペタル酸を塩基と、そしてグリニャール試薬とまたはグリニャール試薬のみと接触させることを含んでなる方法を更に提供する。
本発明は、式Vによる異なる化合物の混合物を含む組成物、または式Vの化合物を含む組成物などの、式Vの化合物および添加剤とキャリアの一方または両方を含む様々な組成物も提供する。
本発明は、式Vの化合物を含む物質の芳香付与済み組成物または防虫剤組成物あるいは製造の物品を提供し、従って、式Vの化合物から組成物を形成することにより、または式Vの化合物を物品に導入することにより物質の芳香付与済み組成物または防虫剤組成物あるいは製造の物品を製造する方法を対応して提供する。
特に、本発明は、式Vの化合物を含む、芳香組成物または香料組成物あるいは防虫剤などの、皮膚のための局所処置を更に提供する。
本発明は、式Vの化合物、または式Vの化合物を含む組成物を皮膚または毛皮に被着させることにより皮膚または毛皮を処置する方法を更に提供する。従って、本発明は、式Vの化合物に昆虫をさらすことにより1種もしくはそれ以上の昆虫を忌避する方法も提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、防虫剤として、および化合物の芳香、香気および/または臭気に関連した他の目的のために様々に有用な高度に芳香性の二環式ラクトンの完全に新規のクラスを提供する。
本明細書に記載された化合物は、場合により立体異性、すなわち鏡像異性とジアステレオ異性の両方を示すとして認められるであろう。特定の立体異性体が示されていない限り、構造が式I−Vの構造の立体化学的に曖昧な形で示されようが、他の異性体も可能である時に特定の立体異性体(以下の種々の位置のような)として示されようが、議論は可能なすべての異性体に言及することは理解されるであろう。議論がジアステレオ異性体対の特定の立体異性体に焦点を当ててもよい多くの事例があり(同じ化学品含有率の幾つかの立体異性体の内、群の特定のメンバーが異なる化学特性または生物活性を有する場合など)、これも具体的に気付くであろう。
本発明は、
式V
Figure 2007524659
[式中、Rはアルキルまたはアリールである]
の構造によって図式的に表することができる化合物を提供する。
本発明の実施技術において有用であるアルキル基またはアリール基のタイプに関する制約は原則的にない一方で、商業において実用的な使用を有するR置換基のサイズに関する実用的な問題がある。更に、副反応を避けるためにR置換基に高度に反応性の官能基を導入することを避けることは望ましい場合がある。
合成に付随する実用的な問題に加えて、臭気が重要な要素である最終用途に関して、本発明の化合物のクラスのより高い分子量のメンバーがクラスのより低い分子量のメンバーより低いそれぞれの蒸気圧を同じ条件下で一般に示し、従って状況の種類において、より好ましくない場合があることが認められるであろう。
これらの問題を考慮して、Rに関する代表的な値は、ノルマルC〜C20アルキルまたはs−ブチルまたはネオペンチルなどの分岐のC〜C20アルキルを含んでもよく、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどのノルマルC〜C20アルキルであるか、またはRは、置換または非置換のC〜C20フェニルであってもよく、好ましくは、非置換あるいはメタ置換またはパラ置換のフェニルである。ここで、フェニル上の置換基は、ノルマルC〜C20アルキルまたはアルコキシあるいはハロゲンである。より好ましくは、Rは、メチルまたはエチル、フェニルあるいはパラトリルまたはメタトリルである。
本発明による化合物は、単一立体異性体である化合物および立体異性体の混合物である化合物を含む。組成物は、Rが上述したように組成物を構成する種々の化合物の間で異なる本発明の化合物の混合物から形成してもよい。
本発明のプロセスにおいて、式Vの構造によって図式的に表される化合物は、脱プロトン、その後のグリニャール試薬による処理によってネペタル酸から製造される。
ネペタル酸出発材料は、好ましくは、上述したマクエルベイン(McElvain)の教示によりネペタラクトンから製造される。ネペタラクトン二環式構造は、式VIIa〜VIIdの構造において示したように4つの立体異性体の形のいずれかで存在することが可能である。
Figure 2007524659
ネペタ(イヌハッカ)植物の葉の精油から抽出されたネペタラクトンは、ネペタラクトンが精油の中に大量に存在し、精油から容易に精製できるので好ましい原料源である。これは、天然産物から本発明の化合物への非常に望ましい経路をもたらす。分留は精油からネペタラクトンを精製し、幾つかの立体異性体を互いから分離する両方のために有効な方法であることが見出された。クロマトグラフによる分離も適する。
ネペタラクトンの最初の3つの記載された立体異性体のみがネペタカテリア植物の精油中に存在する。シス、トランスネペタラクトンは、ネペタカテリア植物から単離できる主たる異性体であり、従って、入手可能性のゆえに最も有用である。トランス、シスおよびシス、シスネペタラクトン異性体に富む精油を有する他の植物種は特定されている。
上で引用したマクエルベイン(McElvain)らの方法に従い、本発明のプロセスにおいて用いるために適する出発ネペタル酸は、強塩基によりネペタラクトンを水和してネペタル酸を製造することにより製造される。シス、トランスネペタラクトンの水和において、式VIa〜VIdの構造において図式的に示したようにネペタル酸の4つのジアステレオ異性体を得る可能性が存在する。
Figure 2007524659
式VIで描かれた構造は、C3(ラクトール)およびC4(ラクトールに近いメチル)でジアステレオ異性体対である。エイセンブラウン(Eisenbraun)ら,J.Org.Chem.46,3303−3305(1981)は、この製品混合物から結晶化されるジアステレオ異性体が構造VIaであることを示した。スペクトル証明および溶解された単結晶X線構造によると、環式ラクトール互片変異性体VIaがラクトール炭素に隣接したメチル保持非対称炭素(C4)に関して単一ジアステレオ異性体として存在することが示されている。結晶化は、メチルが赤道構成を占めるようにC4でメチル基の反応性(および従って絶対)立体化学構成を明白に設定している。
トランス、シスネペタラクトンが水和に供される時、開環互変異性体は、ジアステレオ異性体対として得られる。
Figure 2007524659
シス、シス−ネペタラクトンおよびトランス、トランスネペタラクトンも水和によってネペタル酸を製造する際に用いるために適する。
ネペタル酸の製造後、ネペタル酸は、脱プロトン工程において非水性塩基で処理して、カルボン酸塩を形成させる。一実施形態において、例えば、ネペタル酸はアルカリ金属水素化物、好ましくはKHで処理される。この実施形態において、脱プロトン工程の後にグリニャール試薬による処理が続いて、構造式Vによって図式的に表される製品を形成させる。典型的なグリニャール試薬には、通常はエーテルの存在下で、且つ水が完全に存在しない状態で、金属マグネシウムと有機塩化物、臭化物または沃化物の結合によって製造される試薬が挙げられるが、それらに限定されない。
好ましい実施形態において、ネペタル酸は、シス、トランスネペタラクトンから誘導される。その結果は、上述した工程によって作られた製品が、示した反製品の絶対立体化学により構造式VIIIによって図式的に表すことができることである。
Figure 2007524659
反付加製品および共付加製品の両方を形成することができ、2つの製品が形成される相対量は、以下でより詳しく論じるようにグリニャール試薬の選択から生じる立体因子によって主として支配される。
前に論じたように、ネペタル酸は、代替の実施形態において、トランス,シスネペタラクトンから誘導してもよく、よって上で示したジアステレオ異性体対よりなるネペタル酸互変異性体を形成する。結果として、この実施形態において、アルカリ金属水素化物、好ましくはKHによる当該互変異性体対の処理、その後のグリニャール試薬による処理は、式IXa〜IXbの構造によって図式的に表されるジアステレオ異性体混合物の製造をもたらす。
Figure 2007524659
プロセスのこの特定の実施形態がトランス,シスネペタラクトンで出発したけれども、最終製品はシス、トランス構成である。反製品のみをIXで示している。しかし、反付加製品および共付加製品の両方を形成することができ、2つの製品が形成される相対量は、以下でより詳しく論じるようにグリニャール試薬の選択から生じる立体因子によって主として支配される。
リチウムアルミニウム水素化物などの非常に反応性の金属水素化物は、脱プロトン工程で用いるために余りに反応性すぎる場合がある。こうした化学種は望ましくないラクトンを還元する場合があり、従って、より好ましくない。
更に好ましい実施形態において、ネペタル酸は、グリニャール試薬の1を上回る当量、好ましくはグリニャール試薬の少なくとも2当量で処理されて、式VIIIおよびIXの構造でそれぞれ描かれたものなどの製品の形成を遂行する。本発明のプロセスのこの実施形態は、アルカリ金属水素化物などの別個の非水性塩基によるネペタル酸の最初の処理の工程をなくす。2当量の若干過剰のグリニャール試薬の量の使用は、所望の製品への高い転化率を確実なものにする。
アルキル塩化マグネシウム、アルキル臭化マグネシウム、アリール塩化マグネシウムおよびアリール臭化マグネシウムに限定されないが、それらを含むアルデヒドと反応性であるいかなるグリニャール試薬も本明細書で開示されたプロセスにおいて用いるために適する。ジアルキル亜鉛、ジアリール亜鉛およびアルキルリチウムならびにアリールリチウムも含まれる。適するグリニャール試薬上に存在してもよい代表的な置換基には、メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル:、パラトリルおよびメタトリルならびにパラメトキシフェニルを含むパラ置換フェニルおよびメタ置換フェニルが挙げられる。
本発明の実施技術のために適するグリニャール試薬の選択に関する特定の限界はない一方で、幾つかのグリニャール反応は、立体化学の観点から純度が高い製品の生成において他より効果的である。いかなる理論によっても拘束されることを望まない一方で、式VIIIおよびIXの構造で示されたネペタル酸などのネペタル酸の塩基および/またはグリニャール試薬による処理によって製造された反構成異性体および共構成異性体の製造の相対的速度を立体因子が支配することが考えられる。グリニャール試薬の有機ラジカルが大きければ大きいほど、反構成製品を主として形成する傾向が大きくなる。他方、小さい有機ラジカルは立体的に妨害されず、従って、反構成製品は共構成製品よりエネルギー的に選ばれない。
グリニャール試薬上のアルキル基が小さければ小さいほど、付加反応はジステレオ選択性が小さい。メチル、エチルおよびn−プロピルグリニャール試薬はジステレオ選択性を示さず、反付加製品と共付加製品の1:1混合物を形成する。イソプロピルおよびs−ブチルなどの分岐アルキルまたはシクロヘキシルなどの環式アルキルは、同等の直鎖アルキルより低い最終製品収率を提供する。
対照的に、フェニルグリニャール試薬は、反付加製品のために完全にジアステレオ選択性である。特に、p−トリルグリニャール試薬のようにパラ置換フェニルグリニャール試薬は、確立されたメチル保持C4からの優れた1,2−非対称誘導により反製品のみを与える。逆に、オルト置換フェニルグリニャール試薬は、この反応においてよりジアステレオ選択性でなく、よって多少の共製品、従ってジアステレオ異性体混合物をもたらす。支配メカニズムは、所定の反応物がフェルキン−アン法則に従う程度に関連付けてもよい。こうした法則は技術上知られている。
アリールグリニャール試薬はジアステレオ選択性であり、3−置換ジヒドロネペタラクトンを提供し、その絶対立体化学は式VIIIに描かれた実施形態の構造表示に一致する。これは、p−トリル臭化マグネシウムが唯一のジアステレオ異性体(実施例2において単結晶X線およびNMR分析によって実証されるように)を与えた一方で、メチル臭化マグネシウムがジアステレオ異性体の1:1非分離性混合物を与えた(実施例3および4)ことが観察される実施例において例示されている。多くの3−置換ジヒドロネペタラクトンを本発明のプロセスによって製造することが可能である。
本発明の1態様において、メタ−トリルなどのメタ置換フェニルが油であるラクトン製品を与えることが見出されている。こうして形成された油は、パラ−トリルなどのより結晶性の製品を与えたフェニルおよびパラ−トリルから得られたラクトンより、以下で記載する防虫試験において良好に機能した。
上述したプロセスにおいて、塩基および後でグリニャール試薬を添加する工程または1つもしくはそれ以上の増分でグリニャール試薬を添加する工程は、約25℃〜約−78℃の範囲内の温度で行ってもよく、この工程中の分解を防ぐために5℃〜−5℃の範囲内の温度は好ましい。
本発明の化合物は、種々の昆虫種の忌避性のため、または香料組成物中で、あるいは皮膚の局所処置において有効量での使用など、多数の目的のために使用することを目指している。例えば、本明細書の化合物は、人の皮膚または動物の皮膚、毛皮または羽毛、あるいは成長する植物または穀物に局所方式で被着させて、防虫または心地よい臭気または香気を付与してもよい。
防虫剤の望ましい特性には、低い毒性、水浸漬または発汗による損失への抵抗性、臭気が低いか、または無い、あるいは少なくとも心地よい臭気、適用の容易さ、および被着させる宿主の表面上への乾燥不粘着性表面膜の迅速な形成が挙げられる。これらの特性を得るために、局所防虫剤のための配合物は、動物宿主から昆虫を忌避するための有効量の防虫剤に、昆虫感染動物の皮膚、毛皮または羽毛を接触させることにより昆虫感染動物(例えば、ノミによる犬、シラミによる家禽、マダニによる牛、および人)を防虫剤で処置することを可能にするべきである。従って、空気に防虫剤を分散させるか、または液体ミストまたは液体微細ダストとして液体を分散させることは、宿主の所望の表面上に防虫剤が落下するか、または宿主の所望の表面上に防虫剤を集めることを可能にする。同様に、宿主上に液体/半固体/固体防虫剤を直接散布するのは宿主の表面を有効量の防虫剤と接触させる有効な方法である。
本発明により防虫剤を配合する際に、特定の化合物の2種以上の異性体を合わせてブレンドする可能性を含む、組成物中に本明細書の化合物の2種以上を合わせてブレンドすることが望ましい場合がある。本発明の1つもしくはそれ以上の化合物を組み合わせて、スプレーの形を取った適用のための不安定ビヒクルを有する組成物を形成することにより防虫剤を配合することも望ましい場合がある。
本発明の組成物を形成するために有用なキャリアは、皮膚製品または防虫剤製品を配合する際に使用可能な市販されている様々な有機および無機の液体、固体または半固体のキャリアまたはキャリア配合物のいずれか1つであることが可能である。皮膚製品または局所防虫剤を配合する時、皮膚学的に許容できるキャリアを選択することが好ましい。例えば、キャリアは、シリコーン、ワセリン、ローションまたは他の周知された幾つかのキャリア成分の多くを含んでもよい。有機液体キャリアの例には、液体脂肪族炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカンおよびそれらの類似体)および液体芳香族炭化水素が挙げられる。他の液体炭化水素の例には、石炭の蒸留によって、および石油の分留によって得られるケロシン油を含む石油化学原料油の種々のタイプおよびグレードの蒸留によって製造される油が挙げられる。他の石油には、農業スプレーオイルと一般に呼ばれるもの(例えば、石油の蒸留における中留分よりなり、若干のみ揮発性であるいわゆる軽スプレーオイルおよび中スプレーオイル)が挙げられる。こうした油は、通常は高度に精製され、少量のみの不飽和化合物を含有してもよい。更に、こうした油は、一般にパラフィン油であり、従って、水および乳化剤で乳化することが可能であり、より低い濃度に希釈することが可能であり、スプレーとして用いることが可能である。パラフィン油のような、木材パルプのスルフェート温浸から得られるトール油は類似して用いることが可能である。他の有機液体キャリアは、アルファピネン、ジペンテンおよびテルピネオールなどの液体テルペン炭化水素およびテルペンアルコールを含むことが可能である。
他のキャリアには、シリコーン、石油、ラノリン、液体炭化水素、農業スプレーオイル、パラフィン油、トール油、液体テルペン炭化水素およびテルペンアルコール、脂肪族アルコールおよび芳香族アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、鉱油、より高級なアルコール、微細有機固体材料および微細無機固体材料が挙げられる。上述した液体炭化水素に加えて、キャリアは、ジヒドロネペタラクトン化合物を最終使用用途のために水に分散させ、水で希釈するために用いることが可能である従来の乳化剤を含有することが可能である。なお他の液体キャリアは、脂肪族アルコールおよび芳香族アルコール、エステル、アルデヒドおよびケトンなどの有機溶媒を含むことが可能である。脂肪族1価アルコールには、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、s−ブチルアルコールおよびt−ブチルアルコールが挙げられる。適するアルコールには、グリコール(エチレングリコールおよびプロピレングリコールなど)およびピナコールが挙げられる。適する多価アルコールには、グリセロール、アラビトール、エリトリトールおよびソルビトールなどが挙げられる。最後に、適する環式アルコールには、シクロペンチルアルコールおよびシクロヘキシルアルコールが挙げられる。
従来の芳香族エステルおよび脂肪族エステル、アルデヒドおよびケトンはキャリアとして用いることが可能であり、上述したアルコールと組み合わせて時によって使用される。なお他の液体キャリアには、鉱油およびより高級のアルコール(セチルアルコールなど)などの比較的高い沸点の石油製品が挙げられる。更に、従来のまたはいわゆる「安定剤」(例えば、t−ブチルスルフィニルジメチルジチオカーボネート)は、キャリアまたは本発明の組成物を含んでなるキャリアと合わせて、またはキャリアまたは本発明の組成物を含んでなるキャリアの成分として用いることが可能である。
更に、本発明の1つもしくはそれ以上の化合物を組成物中の防虫剤の1つもしくはそれ以上のタイプと組み合わせて、こうした組み合わせから生じうる多少の特定の有益な効果を達成することも望ましい場合がある。こうした目的のために組み合わせ可能な適する他の防虫剤には、DHN、ベンジル、ベンジルベンゾエート、2,3,4,5−ビス(ブチル−2−エン)テトラヒドロフルフラール、ブトキシポリプロピレングリコール、N−ブチルアセトアニリド、ノルマル−ブチル−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロ−1,4−ピロン−2−カルボキシレート、ジブチルアジペート、ジブチルフタレート、ジノルマルブチルスクシネート、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド、ジメチルカルべート、ジメチルフタレート、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジノルマル−プロピルイソシンコメロネート、2−フェニルシクロヘキサノール、p−メタン−3,8−ジオールおよびノルマルプロピルN,N−ジエチルスクシナメートが挙げられるが、それらに限定されない。
式Vの化合物に加えて、防虫剤組成物は1種もしくはそれ以上の精油および/または精油の活性成分も含んでよい。「精油」は、植物の臭気および他の特徴的特性を有する植物から得られる揮発油のあらゆるクラスとして定義される。有用な精油の例には、苦扁桃油、アニス油、メボウキ油、ベイ油、カラウェー油、ジョウズク油、セダー油、セロリ油、カモミレ油、桂皮油、シトロネラ油、チョウジ油、コエンドロ油、クメン油、ジラ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、レモン油、ライム油、ミント油、オランダセリ油、ハッカ油、ペッパー油、ローズ油、スペアミント油(メントール)、オレンジ油、サイム油、ウコン油およびシラタマノキの油が挙げられる。精油中の活性成分の例は、シトロネラール、メチルサリチレート、エチルサリチレート、プロピルサリチレート、シトロネロール、サフロールおよびリモネンである。
本発明の化合物によって忌避される昆虫には、成虫状態(非成虫状態は幼虫および蛹を含む)において頭、胸および腹、3対の脚、およびしばしば(常とは限らない)2対の膜質羽に体を分類することにより特徴付けられる無脊椎動物の大群のいずれかのメンバーを含んでもよい。従って、この定義は、様々なサシ昆虫[例えば、蟻、蜂、ツツガムシ、ノミ、ブユ、アブ、サシバエ、ツノサシバエ(血液イリタン)、蚊、マダニ、スズメバチ]、木質部に穴をあける昆虫(例えば、シロアリ)、害虫(例えば、イエバエ、ゴキブリ、シラミ、ウグイ、ワラジムシ)、およびハウスホールドペスト(例えば、コクヌストモドキ、ダストマイト、蛾、シミ、コクゾウムシ)を含む。昆虫を忌避することが望ましい場合がある宿主は、昆虫によって影響を受けるあらゆる植物または動物(人を含む)を含んでもよい。典型的には、宿主は昆虫受容食料源または昆虫受容環境であると考えられる。
もう1つの実施形態において、化合物は、芳香化合物として、または芳香組成物中で用いてもよく、人または動物の皮膚または髪に局所方式で被着させて、スキンローションおよび香料のように心地よい芳香を付与してもよい。
特に本明細書の化合物に関連した心地よい香気のゆえに、本発明の更なる実施形態は、他の基本目的を目指している製品として用いるための組成物に1つもしくはそれ以上の化合物を配合する実施形態である。これらの製品の芳香および/または防虫性は、本発明の化合物の製品中の存在によって強化される。コロン、ローション、スプレー、クリーム、ジェル、軟膏、バスジェルおよびシャワージェル、泡製品(例えばシェービングフォーム)、メーキャップ、デオドラント、シャンプー、ヘアラッカー/ヘアリンスおよびパーソナルソープ組成物(例えば、ハンドソープおよびバス/シャワーソープ)は、こうした製品の中に含まれる(が、それらに限定されない)。化合物をもちろん単純にこうした製品に導入して、心地よい香気を付与してもよい。技術上実施されるような導入のいかなる手段も満足である。
上で論じた多様な製品の対応する態様は、式Vの化合物またはその立体異性体の混合物を組成物として提供することにより、あるいは式Vの化合物またはその立体異性体の混合物を組成物、皮膚処置または物品に導入することにより、物質の組成物を製作する方法、皮膚のための局所処置または製造の物品である本発明の更なる代替の実施形態である。こうした製品ならびに上述した方法およびプロセスは、芳香化合物または香料として、または芳香組成物または芳香配合物中で、あるいは製造の物品中で、3−置換DHNの使用を例示している。
防虫剤、芳香製品または他のパーソナルケア製品として製造された本発明の化合物を含有する組成物は、パーソナルケア産業で典型的であるように治療的または化粧的に活性な他の添加剤または成分も含有してよい。これらの例には、殺カビ剤、日焼け止め剤、日光遮断剤、ビタミン、なめし剤、植物エキス、抗炎症剤、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、レチノイド、アルファヒドロキシ酸、防腐剤、抗生物質、抗菌剤、抗ヒスタミン剤;、増粘剤、緩衝剤、キレート剤、保存剤、ジェル化剤、安定剤、界面活性剤、緩和剤、着色剤、アロエベラ、ワックスおよび浸透強化剤、ならびにそれらのいずれかの2つもしくはそれ以上の混合物などの添加剤が挙げられる。組成物は、米国特許第2003/0191047号明細書および/または国際公開第03/079786号パンフレットで開示されたような1つもしくはそれ以上のキャリアも含有してよい。
組成物中に含まれる本発明の化合物の量は、最終製品の重量を基準にして一般に約80重量%を超えない。しかし、より多い量は特定の用途において用いてもよく、この量は限定されない。より好ましくは、化合物の適する量は、組成物または物品の重量を基準にして少なくとも約0.001重量%、好ましくは約0.01重量%〜約50重量%まで、より好ましくは約0.01重量%〜約20重量%である。特定の組成物は意図した用途に応じて決まる。
本発明の更なる実施形態において、本明細書の化合物は物品に導入して、防虫剤効果をもたらす。この実施形態内に入ることが考慮されている物品には、衣料などの編織物製品、屋外装置または軍事装置を含む製造品、あるいは木材、または昆虫易損性植物の葉などの天然品が挙げられる。
本発明のもう1つの実施形態において、本明細書の化合物は物品に導入して、幾人かの人に心地よい芳香をもたらすか、または本明細書の化合物は物体の表面に被着させて、物体に臭気を付与する。適用の特定の方式は、対象の表面および必要な臭気強度を付与するために必要な濃度に応じて異なる。
これらの実施形態内に入ることが考慮されている物品には、編織物製品、空気清浄剤、蝋燭、種々の香水入り物品、繊維、シート、紙、ペンキ、インキ、白土、木材、家具(例えば、テラスおよびデッキ用の)、カーペット、衛生製品、プラスチックおよびポリマーなどを含む製造品が挙げられる。
もう1つの実施形態において、本発明の組成物は、害虫のための誘引薬として機能してもよく、罠の中で用いるために非常に適する。
本発明を以下の特定の実施形態の中で更に記載するが、本発明は以下の特定の実施形態によって限定されない。
実施例1〜12;一般手順
標準実験室ガラス器具内で標準実験室開放型換気フード内ですべての反応および操作を行った。ベルジェ(Berje)(ニュージャージー州ブルームフィールド(Bloomfield,NJ))から得られたイヌハッカからの市販イヌハッカ油の蒸気蒸留によってネペタラクトンを得た。すべての無機塩および無水THFを除く有機溶媒をVWRサイエンティフィック(VWR Scientific)から得た。実施例で用いたすべての他の試薬をシグマ・アルドリッチ・ケミカル(Sigma−Aldrich Chemical)(ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,WI))から購入し、受領したままで用いた。PHの決定をマイクロ・エセンシャル・ラボラトリー(Micro Essential Laboratory)製の「pHイドリオン(pHydrion)」紙で行った。3−置換ジヒドロネペタラクトン製品をカラムクロマトグラフィによって精製し、NMR分光分析によって特性分析した。ケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリー(Cambridge Isotope Laboratories)から得られた重水素化溶媒を用いて「ブルカー・DRX・アドバンス(Bruker DRX Advance)」(500MHzH、125MHz13C)でNMRスペクトルを得た。
実施例1〜12で用いたネペタル酸のバッチを以下の手順により製造した。但し、バッチごとに用いた量に多少の相違があった。テトラヒドロフラン(THF)5mL中のシス−トランスネペタラクトンの溶液を水酸化ナトリウム(5mLの水中の1.0g)で処理し、初期に2相混合物および後で黄色溶液をもたらした。1時間後、塩基性溶液を酢酸エチルの新鮮な20mLのアリコートで2回抽出した。この抽出からの水層を1N・HCl滴下によりpH=3に酸性化し、その点で、水層は白色不均質混合物に変わった。こうして形成した水性混合物を酢酸エチルで2回抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると黄色油をもたらし、それを石油エーテル(100mL)で粉末にし、放置して静置すると白色固体に結晶化した。白色固体を濾過し、冷石油エーテル(20mL)で洗浄し、高真空下で乾燥させて、67℃の融点(文献、71℃、J.Org.Chem.Vol.46,No.16,1981,3302−3305)を有するネペタル酸(1.9g、69%)をもたらした。製品の絶対立体化学は単一結晶分析によって実証され、式VIaの構造で描かれた構造表示に一致した。
実施例1
3−フェニル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−フェニルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下で室温(「RT」)に冷却した。10mLの無水THF中の500gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液363mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの更なる10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジにより滴下されたフェニル臭化マグネシウム溶液(THF中の1M溶液の4.1mL)により0℃で処理した。30分後、反応を室温に暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの10mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると122〜124℃の融点を有する白色固形物(520g)をもたらした。エーテルおよびヘキサンを用いてNMR分析により95%を上回る純度に製品を再結晶化させた。製品の絶対立体化学は単一結晶X線分析によって実証され、構造Aによって表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−フェニルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例2
3−p−トリル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.9gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液407mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの更なる10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるp−トリル臭化マグネシウム溶液(THF中の1M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると127〜128℃の融点を有する白色固形物(2.8g、>100%)をもたらした。エーテルおよびヘキサンを用いてNMR分析により95%を上回る純度に製品を再結晶化させた。製品の絶対立体化学は単一結晶X線分析によって実証され、構造Bによって表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例3
3−m−トリル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。30mLの無水THF中の1.4gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液304mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの新鮮な10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるm−トリル臭化マグネシウム溶液(THF中の1M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタン(20mL)の3つの20mLアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると黄色油(1.7g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって製品を精製した。構造Cによって主として表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンの精製された製品0.66gを得た。
実施例4
3−p−クロロフェニル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−クロロフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.9gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液407mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの新鮮な10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるp−クロロフェニル臭化マグネシウム溶液(THF中の1M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると白色固形物(1.82g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって製品を精製した。137〜139℃の融点を有する結晶質固体として290gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、構造Dで表される製品(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−クロロフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例5
3−p−メトキシフェニル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。無水THF(40mL)中の1.9gのネペタル酸(1.9g)の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液407mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの新鮮な10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるp−メトキシフェニル臭化マグネシウム溶液(THF中の0.5M溶液の30mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると白色固形物(0.89g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって製品を精製した。125〜126℃の融点を有する結晶質固体として214mgの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、構造Eで表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)に一致した。
実施例6
3−m−メトキシフェニル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(3−メトキシフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.9gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液407mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの新鮮な10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるm−メトキシフェニル臭化マグネシウム溶液(THF中の1M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタン(20mL)の3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると黄色油(2.0g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって製品を精製した。0.466gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(3−メトキシフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致し、構造Fで表された。
実施例7
3−p−フルオロフェニル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−フルオロフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.9gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液407mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの新鮮な10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるp−メトキシフェニル臭化マグネシウム溶液(THF中の1.0M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると白色固形物(2.04g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって製品を精製した。405mgの精製された製品を154〜156℃の融点を有する結晶質固体として得た。製品のNMR分析は、構造Gで表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−フルオロフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例8
3−(p−フルオロ−m−メチル)−フェニル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.9gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液407mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの10mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの新鮮な10mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるm−メトキシフェニル臭化マグネシウム溶液(THF中の1M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると黄色油(3.2g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって製品を精製した。0.616gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、構造Hで表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(4−フルオロ−3−メチルフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例9
3−メチル−DHN((3S,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF(40mL)中の2.13gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液1.40gをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの20mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの更なる20mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるメチル塩化マグネシウム溶液(THF中の3M溶液の5.8mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの40mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると青白い油(1.88g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって粗反応製品の精製を行った。3−メチル−ジヒドロペンタラクトンジアステレオ異性体はこの方法で分離できなかった。0.682gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、ジアステレオ異性体構造Iによって表される(3S,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例10
3−エチル−DHN((3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−エチル−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3S,4R,4aR,7S,7aR)−3−エチル−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.84gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液441mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの20mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの更なる20mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるエチル塩化マグネシウム溶液(THF中の1.0M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると青白い油(1.21g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって粗反応製品の精製を行った。3−エチル−ジヒドロペンタラクトンジアステレオ異性体はこの方法で分離できなかった。0.253gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、ジアステレオ異性体構造Jによって表される(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−エチル−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3S,4R,4aR,7S,7aR)−3−エチル−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例11
3−n−プロピル−DHN((3S,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−プロピルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−プロピルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた100mLの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。40mLの無水THF中の1.84gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。鉱油中の30%カリウム水素化物の懸濁液441mgをもう1つのフラスコに秤量して入れ、ヘキサンの2つの20mLアリコートで洗浄し、一旦固形物が沈殿するとデカントによって除去した。ヘキサンの更なる20mLアリコートを固形物に添加し、得られた混合物を三口丸底フラスコに一度に添加した。20分後、得られた混合物をシリンジによるn−プロピル塩化マグネシウム溶液(THF中の1.0M溶液の15mL)滴下により0℃で処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの20mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると青白い油(1.26g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって粗反応製品の精製を行った。4−n−プロピル−ジヒドロペンタラクトンジアステレオ異性体はこの方法で分離できなかった。0.713gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、ジアステレオ異性体構造Kによって表される(3S,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−プロピルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−プロピルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例12
3−メチル−DHN((3S,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オン)の製造
Figure 2007524659
オーブンで乾燥させた3リットルの三口丸底フラスコを窒素の定常流れ下でRTに冷却した。800mLの無水THF中の55.3gのネペタル酸の溶液をフラスコに添加し、その後、0℃に冷却した。シリンジによるメチル臭化マグネシウム溶液(エーテル中の3.0Mの200mL)滴下により溶液を処理した。30分後、反応をRTに暖め、30分にわたり攪拌した。混合物を1N・HCl滴下によりpH=3.0に酸性化し、ジクロロメタンの3つの200mLのアリコートで抽出した。組み合わせ有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。真空下で溶媒を除去すると青白い油(51.0g)をもたらした。ヘキサン、その後の酢酸エチルで溶出するシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフによって粗反応製品の精製を行った。3−メチル−ジヒドロペンタラクトンジアステレオ異性体はこの方法で分離できなかった。21.77gの精製された製品を得た。製品のNMR分析は、ジアステレオ異性体構造Lによって表される(3S,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンおよび(3R,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[C]ピラン−1(3H)−オンに一致した。
実施例13〜19
試験管内「グプタ(Gupta)」ボックスとまりアッセイにおいてネッタイシマカに対する防虫性について実施例1〜12の製品を評価した。この方法において、チャンバは5つのウェルを含み、各々のウェルは「バウドルチェ(Baudruche)」(動物の腸)膜によって覆われていた。クエン酸ナトリウム(凝固を防ぐため)およびATP(血液26ml当たり72mgのATP二ナトリウム塩)を含有する牛の血液で各ウェルを満たし、37℃に加熱した。1つの試料または対照を含有するイソプロピルアルコール(IPA)の25μlの体積を各膜に被着させた。特に指示がある場合を除き、濃度はすべてIPA1%であった。対照は原液IPA、未処理膜表面またはDEETの1%溶液で処理された膜表面などのいずれかであった。
5分後、約250匹の4日歳の雌ネッタイシマカをチャンバに導入した。処理ごとに膜を探針するネッタイシマカの数を2分間隔で20分にわたり記録した。各データは3回の反復実験の平均を表す。
実施例13
実施例1、実施例2および実施例5で製造された試料を上述した試験方法により評価した。結果を図1に示している。
Figure 2007524659
実施例14
実施例3、実施例4および実施例7で製造された試料を上述した試験方法により評価した。結果を図2に示している。
Figure 2007524659
実施例15
実施例6、実施例8および実施例9で製造された試料を上述した試験方法により評価した。結果を図3に示している。
Figure 2007524659
実施例16
実施例13〜15の手順に従い、IPA中の実施例9の化合物の0.5%溶液をDEETおよびDHNの0.5%溶液に加えて試験膜上に沈着させた。未処理膜と原液IPAで処理された膜の両方は追加の対照であった。ハラハン(Hallahan)の教示による水素添加によってDHNをトランス,シスネペタラクトンから製造した。結果を図4に示している。
Figure 2007524659
実施例17
実施例13〜15の手順に従い、IPA中の実施例9の化合物の0.1%溶液をDEETおよびDHNの0.1%溶液に加えて試験膜上に沈着させた。未処理膜と原液IPAで処理された膜の両方は追加の対照であった。ハラハン(Hallahan)の教示による水素添加によってDHNをトランス,シスネペタラクトンから製造した。結果を図5に示している。
Figure 2007524659
以下で記載する試験管内「グプタ(Gupta)」ボックスとまりアッセイ手順においてヤブカの探針挙動に及ぼす指示された化合物の効果について指示された対照を基準として本発明の指示された化合物を試験する結果を表している。水平目盛は時間(分)を示し、垂直目盛は蚊のとまった平均数を示している。

Claims (20)

  1. 式V
    Figure 2007524659

    [式中、Rはアルキルまたはアリールである]の構造によって図式的に表される化合物。
  2. RがC〜C20アルキルである請求項1に記載の化合物。
  3. RがC〜C20アリールである請求項1に記載の化合物。
  4. Rがメチル、エチル、プロピル、フェニル、トリル、アルコキシフェニルおよびハロフェニルよりなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
  5. 単一化合物の単一立体異性体である請求項1に記載の化合物。
  6. 単一化合物の立体異性体の混合物である請求項1に記載の化合物。
  7. (3R,4R,4aR,7S,7aR)−4,7−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1(3H)−オン、
    (3R,4R,4aR,7S,7aR)−3−(3−メトキシフェニル)−4,7−ジメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1(3H)−オン、
    (3S,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1(3H)−オン、および、
    (3R,4R,4aR,7S,7aR)−3,4,7−トリメチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピラン−1(3H)−オン
    よりなる群の1つもしくはそれ以上のメンバーから選択される請求項1に記載の化合物。
  8. ネペタル酸を塩基と、そしてグリニャール試薬と接触させることを含んでなる請求項1に記載の化合物を製造する方法。
  9. 塩基が非水性塩基である請求項8に記載の方法。
  10. 塩基がグリニャール試薬である請求項8に記載の方法。
  11. グリニャール試薬がアルキルグリニャール試薬である請求項8に記載の方法。
  12. グリニャール試薬がアリールグリニャール試薬である請求項8に記載の方法。
  13. ネペタラクトンの水和によってネペタル酸を提供する工程を更に含んでなる請求項8に記載の方法。
  14. ネペタル酸をグリニャール試薬と接触させることを含んでなり、ネペタル酸モル当たりのグリニャール試薬の量が1より大きい請求項1に記載の化合物の製造方法。
  15. グリニャール試薬がアルキルグリニャール試薬である請求項14に記載の方法。
  16. グリニャール試薬がアリールグリニャール試薬である請求項14に記載の方法。
  17. ネペタラクトンの水和によってネペタル酸を提供する工程を更に含む請求項14に記載の方法。
  18. 請求項1に記載の化合物を含んでなる物質の組成物。
  19. 昆虫を請求項1に記載の化合物にさらすことを含んでなる、1種もしくはそれ以上の昆虫の忌避方法。
  20. 昆虫がサシバエ、ツツガムシ、ノミ、蚊、マダニおよびシラミよりなる群の1種もしくはそれ以上のメンバーから選択される請求項19に記載の方法。
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