無線通信システムは、当技術分野においてよく知られている。一般に、かかるシステムは、互いの間で無線通信信号を送信し受信する通信局を備える。システムの種類に応じて、通信局は、一般的に2つの種類のWTRU(wireless transmit/receive unit;無線送信/受信ユニット)、すなわち基地局または加入者ユニットのうちの一方であり、この加入者ユニットは、モバイルユニットを含んでいる。
本明細書中で使用している用語、基地局は、それだけには限定されないが、この基地局が関連するネットワークに対する無線アクセスをWTRUに提供する無線環境中における基地局、ノードB、サイト制御装置、アクセスポイントまたは他のインターフェーシングデバイスを含んでいる。
本明細書中で使用している用語、WTRUは、それだけには限定されないが、無線環境中で動作することが可能な、ユーザ装置、モバイル局、固定加入者ユニットまたはモバイル加入者ユニット、ページャ、あるいは他の任意の種類のデバイスを含んでいる。WTRUは、電話、ビデオ電話、ネットワーク接続を有するインターネットレディ電話(Internet ready phone)などのパーソナル通信デバイスを含んでいる。さらに、WTRUは、同様なネットワーク機能を有する無線モデムをもつPDAやノードブックコンピュータなどの携帯型パーソナルコンピューティングデバイスを含んでいる。携帯可能であり、または他の方法で場所を変えることが可能なWTRUは、モバイルユニットと呼ばれる。一般に基地局もまたWTRUである。
一般的に、基地局のネットワークは、各基地局が、適切に構成されたWTRUと同時実行の無線通信を行うことができる場合に実現される。一部のWTRUは、互いの間で直接に、すなわち基地局を経由したネットワークを介して中継されることなしに、無線通信を行うように構成される。これは、一般にピアツーピア無線通信と呼ばれる。WTRUが他のWTRUと通信するように構成される場合には、WTRUは、それ自体、基地局として構成され、基地局として機能することができる。WTRUは、ネットワーク機能もピアツーピア通信機能も共に有する複数のネットワーク中において使用するために構成されることが可能である。
WLAN(Wireless Local Area Network;無線ローカルエリアネットワーク)と呼ばれる1つの種類の無線システムは、同様に装備されたWTRUとのピアツーピア通信を行うこともできるWLANモデムを装備したWTRUと無線通信を行うように構成することが可能である。現在では、WLANモデムは、製造業者によって多数の従来の通信デバイスおよびコンピューティングデバイスに一体化されている。例えば、セルラ電話、携帯型個人情報端末、およびラップトップコンピュータは、1つまたは複数のWLANモデムを付けて構築されている。
一般的にAP(access point;アクセスポイント)と呼ばれる、1つまたは複数のWLAN基地局を有する、普及しているWLAN環境は、IEEE802.11規格に従って構築される。これらのネットワークに対するアクセスは、通常、ユーザ認証手続きを必要とする。かかるシステムについてのプロトコルは、現在、WLAN技術分野において標準化されつつある。かかる1つのプロトコルのフレームワークが、IEEE802規格ファミリである。
BSS(basic service set;基本サービスセット)は、IEEE802.11WLANの基本ビルディングブロックであり、これは、STA(station;局)と一般的に呼ばれるWTRUから構成される。基本的に、互いに通信しあうことが可能なSTAの組は、BSSを形成することが可能である。複数のBSSは、DS(distribution system;ディストリビューションシステム)と呼ばれるアーキテクチャのコンポーネントを介して相互接続されて、ESS(extended service set;拡張サービスセット)を形成する。AP(access point;アクセスポイント)は、DSサービスを提供することによってDSに対するアクセスを実現するSTA(Station;局)であり、一般に複数のSTAによる、DSに対する同時アクセスを可能にする。
802.11規格により、複数の伝送レート(およびレート間の動的スイッチング)を使用してスループットを最適化することができるようになる。より低いレートは、より高いレートに比べて、雑音の多い環境においてより大きな範囲および/またはより良好な動作を可能にする、より堅牢な変調特性を有する。レートが高くなればなるほど、より良好なスループットがもたらされる。所与の任意の受信地域および干渉状態についての可能な最良の(最高の)レートを常に選択することが、最適化の課題になっている。
この802.11規格の様々なバージョンの現在指定済みのレートについて、以下の表1に示している。
802.11gでは、これらのレート6Mbps、9Mbps、12Mbps、18Mbps、24Mbps、36Mbps、48Mbps、および54Mbpsは、OFDM(orthogonal frequency division modulation;直交周波数分割変調)を使用している。このレートの選択は、システムおよびユーザのスループット、範囲、ならびに公正さの観点で、性能に影響を及ぼす可能性がある。
従来から各802.11デバイスには、ただこのデバイスによってしか制御されないレート制御アルゴリズム(Rate Control algorithm)が実装されている。特に、STA中におけるUL(uplink;アップリンク)レート制御と、AP中におけるDL(down link;ダウンリンク)レート制御がある。レートスイッチングについてのアルゴリズムは、これらの規格によっては、仕様が指定されていない。このアルゴリズムについては、このSTA(およびAP)実装形態に任されている。
WLAN技術の急速な出現、ならびに急増する展開およびユーザの数により、ネットワーク容量管理および輻輳回避の観点から新しい課題が創り出されてきている。本発明は、WLANについてのトラフィック予測の実用的な方法を実現し、したがって輻輳の可能性を低減させ、QoS(quality of service;サービス品質)を向上させるものである。
WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit;無線送信/受信ユニット)によって決定されるトラフィック予測の使用を含む通信方法、システムおよびコンポーネントが実現される。本発明は、このWTRUにおけるトラフィックレベルを決定することによって開始される、WTRUとWLAN(Wireless Local Area Network;無線ローカルエリアネットワーク)AP(Access Point;アクセスポイント)との間のWLAN中のトラフィックを予測することによって実装されることが好ましい。このWTRUは、トラフィックレベル予測を含む接続要求(association request)を作成するように構成されることが好ましい。この接続要求は、このトラフィックレベル予測に部分的に基づいてこの要求を評価するように構成されたAPに送信される。このAPは、さらにこの評価に応じてアクションを取るように構成される。かかるアクションは、この接続要求を受け入れ、この接続要求を拒否し、またはこの接続要求を部分的に受け入れる信号の生成および送信を含んでいる。このWTRUは、このAP信号を受信し処理して、これによって、このWTRUの接続要求に応じてこのAPが決定するアクションに従って、このAPに対する通信アクセス権を取得するように構成されることが好ましい。
トラフィック予測は、異なるフェーズにおいて、例えば接続フェーズ、および送信フェーズにおいて、またアップリンクとダウンリンクの両方から、例えばAP(Access Point;アクセスポイント)側とユーザWTRU側の両方から適用することが可能である。この予測されたトラフィック情報を用いて、このAPは、ユーザの入場(admission)についてのさらにインテリジェントな決定を行うことが可能となり、このAPはまた、帯域幅の利用効率を増大させ、衝突を減少させることも可能となる。
このトラフィック予測方法は、MAC(medium access control;メディアアクセス制御)レイヤおよびアプリケーションレイヤにおいて実装して、すべてのIEEE802.11プロトコルに対してこの方法を適用可能にすることが好ましい。
本発明の一態様においては、WTRU(Wireless Transmit/receive unit;無線送信/受信ユニット)は、トラフィック輻輳制御機構を有するWLAN(Wireless Local Area Network;無線ローカルエリアネットワーク)で使用されるように構成される。このWTRUは、トランスミッタ、レシーバ、および関連する処理装置を有する。この処理装置は、トラフィック予測情報を生成するように構成される。このトランスミッタは、このWTRUによって制御エンティティに対して送信される無線通信フレーム中にトラフィック予測情報を埋め込むように構成される。このレシーバは、この制御エンティティに対して送信されるトラフィック予測情報に応答する命令を含む無線通信フレームをこの制御エンティティから受信するように構成される。
このWTRUは、IEEE802.11準拠システム中で使用されるように構成され、このトランスミッタは、接続要求フレーム中にトラフィック予測情報を埋め込むように構成されることが好ましい。このレシーバは、送信される埋め込まれたトラフィック予測情報に基づいて、全面的または部分的に接続を認可しまたは拒否する応答命令を受信するように構成されることが好ましい。このWTRUが、IEEE802.11準拠システム中で動作するように構成されるときには、このトランスミッタは、RTS(request to send;送信要求)フレーム中にトラフィック予測情報を埋め込むように構成されることが好ましく、このレシーバは、この制御エンティティからの管理フレーム中で、コンテンションウィンドウ(contention window)調整命令を受信するように構成される。
このトランスミッタは、コンテンションウィンドウに基づいてデータを送信するように構成することが可能であり、このレシーバは、コンテンションウィンドウ調整命令を含むことができる命令を制御エンティティから受信するように構成することができる。かかる場合においては、このWTRUは、コンテンションウィンドウを調整するためのコンテンションウィンドウ制御機構を有し、トランスミッタは、このコンテンションウィンドウに基づいて、この制御エンティティから受信されるコンテンションウィンドウ調整命令に応答する送信を行うことが好ましい。このコンテンションウィンドウ制御機構は、デフォルトの最小コンテンションウィンドウを設定し、この制御エンティティから受信される、増大した無線通信輻輳を示すコンテンションウィンドウ調整命令に応答して、この最小コンテンションウィンドウを増大させることが好ましい。
本発明の別の態様においては、WTRUは、WLANにおけるトラフィック輻輳制御機構を実装するように構成される。かかるWTRUもまた、トランスミッタ、レシーバ、および関連する処理装置を有する。このレシーバは、他のWTRUが送信する無線通信フレーム中に埋め込まれたトラフィック予測情報を検出するように構成される。この処理装置は、他の通信トラフィックデータと一緒に他のWTRUから受信されたトラフィック予測情報を評価し、応答命令を生成するように構成されることが好ましい。このトランスミッタは、他のWTRUに応答する生成された命令を含む無線通信フレームを送信するように構成されることが好ましい。
かかるWTRUは、1つのアクセスポイントAPとしてIEEE802.11準拠システム中で動作するように構成されることが好ましい。したがって、このレシーバは、他のWTRUから受信される接続要求フレーム中に埋め込まれたトラフィック予測情報を検出するように構成されることが好ましい。この処理装置は、他のWTRUからの接続要求フレーム中で受信されるトラフィック予測情報を評価し、それに基づいて入場認可命令、制限された入場認可命令、または入場拒否命令を生成するように構成されることが好ましい。次いで、このトランスミッタは、この生成された入場命令を他のWTRUに対して送信するように構成される。
このAPのトランスミッタは、複数のWTRUから受信されるトラフィック予測情報に基づいて、この処理装置が生成するデータコンテンションウィンドウ調整命令を、選択されたWTRUに送信するように構成されることが好ましい。このAPの処理装置は、受信されたトラフィック予測情報を評価することに関連して、選択された輻輳レベルが決定されるときに、コンテンションウィンドウサイズを増大させる命令を生成するように構成されることが好ましい。このAPのレシーバは、WTRUから送信されるRTS(Resuest To Sent;送信要求)フレーム中に埋め込まれたトラフィック予測情報を検出するように構成されることが好ましく、このトランスミッタは、管理フレーム中においてコンテンションウィンドウ調整命令を送信するように構成される。
本発明のさらに詳細な理解については、実施例として提供される好ましい実施形態の以下の説明から得ることができ、添付図面を参照して理解することができる。図面中で、同様な要素は、同様な番号によって示されている。
基地局、AP(Access Point;アクセスポイント)、STA(Station;局)、WTRU、およびモバイルユニットという用語は、前述のその一般的な意味で使用される。本発明は、それを介して無線アクセスサービスがWTRUのために提供される1つまたは複数のネットワーク化された基地局を有する無線通信アクセスネットワーク(wireless radio access network)を提供するものである。本発明は、モバイルユニットまたはモバイルSTAに関連して使用されるときに、これらが各基地局または他のAPが提供する地理的範囲の各区域を介して入り、または移動し、あるいはその両方を行うので、特に有用である。このWTRUは、802.11(a)準拠デバイス、802.11(b)準拠デバイス、802.11(g)準拠デバイス、ブルートゥース(Bluetooth)準拠デバイスなどの一体化されまたはインストールされた無線WLANデバイスを有して、互いに通信することが可能である。しかし、提案している本発明は、どのような無線システムにおいても適用可能である。
図1を参照すると、WLANが示されており、ここでWTRUは、NMS(Network Management Station;ネットワーク管理局)16などの他のネットワークインフラストラクチャと接続することが可能なAP54を介して無線通信を行う。AP54は、WTRU18、WTRU20、WTRU22、WTRU24、およびWTRU26と通信を行うように示されている。これらの通信は、AP54を介して協調し、同期化される。かかる構成はまた、WLANコンテキスト内の基本サービスセット(BSS)とも呼ばれる。一般に、このWLANシステムは、上記のレートの表に示される異なるデータレートを有するWTRUをサポートする。場合によっては、APは、802.11(b)準拠WTRUや802.11(g)準拠WTRUなど、複数の種類のWTRUをサポートするように構成される。
本発明者は、トラフィック予測をAPが有利に使用して、無線通信のフローを制御可能であることを確認している。トラフィック予測は、WTRUからの予測されたトラフィックボリュームである。トラフィックボリュームは、この負荷、トラフィック特性、トラフィック存続期間などを含んでいる。負荷レベルの一実施例は、3つのカテゴリ、すなわち高いカテゴリ、中間のカテゴリ、低いカテゴリのうちの1つにサービスを分類することである。トラフィック特性は、例えばバースト的か、または一定かのどちらかとして選択することが可能である。トラフィック存続期間は、例えば、長期間か、または短期間かのどちらかとして指定することが可能である。
このアプリケーションレイヤにおける一実施例として、オンラインゲームをするユーザは、電子メールを定期的にチェックするユーザよりも高いトラフィックボリュームを有することになる。しかし、異なるコンピュータゲームでは、異なったデータ要求特性を有することもある。あるゲームでは、ビデオストリーミングなど比較的連続的な情報ストリームを必要とすることもある。別のゲームでは、散発的に通信すべき比較的大量のデータ、すなわちバーストデータフローを必要とすることもある。ビデオストリーミングオンラインゲームをしようとしているユーザは、高い連続的なトラフィックのトラフィック予測を行うことができる。電子メールをチェックしようとしているユーザは、低い、バースト的なトラフィックのトラフィック予測を行うことができる。
トラフィック予測を、異なる通信レイヤ間において複数の方法で取得することが可能である。送信中に、WTRUは、この送信スループットを秒当たりの合計フレーム数として測定し、この送信スループットをこれに続く時間周期についてのトラフィック予測として使用することが可能である。ユーザが、アプリケーションを起動するときに、このアプリケーション(例えば、ウェブブラウジング、ストリーミングビデオなど)に関連するトラフィックボリュームをトラフィック予測として使用することが可能である。したがって、WTRUの処理装置は、APが検出するために送信される通信フレーム中に埋め込むことが可能な形態で、かかるファクタに基づいてトラフィック予測情報を生成するように構成されることが好ましい。
WLANにおいて、WTRUとAPの間のユーザ通信は、接続フェーズとして最初に決定されるように、全面的にまたは部分的にアクセス権が認可された後に行われる。この接続フェーズにおいて、このAPは、本発明による予測されたトラフィック情報を用いて詳しい情報に基づく決定を行うことが可能である。
現行の802.11規格においては、接続要求は、ネットワークアクセスを要求するが、トラフィックプロファイルを提供することはない。本発明者らは、要求するWTRU18は、このWTRUが送信または受信することができるトラフィックの種類に関する情報を有することが可能であること、およびこの接続フェーズ中にAP54に対してかかる情報を提供することが有利であることを確認している。次いで、AP54は、接続されるRRM(Radio Resource Management;無線リソース管理)入場制御56を使用して、このWTRUが信号で伝えるこの予測されるトラフィックに基づいてこのWTRU18をこのWLANに対してどのようにして入る(admit)ことを許すかを決定する。このプロシージャについては、図2に示し、以下で説明している。
WTRU18が接続要求を開始するときに、このWTRU18は、図2に示す接続要求フレーム15中で、通信するために必要なこの予測されるトラフィックと予想される時間についてAP54に通知するように構成される。このWTRUは、例えば、低レベル、中間レベル、または高レベルなど異なるトラフィックレベルを報告するように構成されることが好ましい。このWTRUはまた、例えばバースト的または連続的などのデータフロー特性をさらに報告するように構成することもできる。例えば、キーボードなどのユーザインターフェースを提供して、ユーザが、アプリケーション、例えば電子メール、ウェブブラウジング、ゲーム、ネットミーティングなどの観点からトラフィック特性を入力できるようにすることが可能である。
このトラフィック予測報告は、このネットワークの実装形態に応じて必須的またはオプション的であるようにすることが可能である。しかし、WTRUが、接続要求においてオプション的にトラフィック予測報告を行う場合には、このAP54のRRM56は、トラフィック予測報告を含まない要求と比べて、かかる要求に対しては選択的に定義された好ましい処理を行うように構成することができる。
AP54がWTRU18からトラフィック予測報告を伴う接続要求15を受信した後に、AP54は、この予測に基づいてインテリジェントな決定を行うことが可能である。これを行うために、AP54は、この受信されるトラフィック予測報告を考慮に入れることによりネットワーク輻輳を回避するようにして、WTRU18に対するアクセス権を承認し、拒否し、またはWTRU18に対する制限されたアクセス権を認可することを決定するように構成されることが好ましい。
本発明によれば、WTRU18とAP54の間のレートネゴシエーション(rate negotiation)は、その接続フェーズにおいて実施することができる。AP54は、AP54がWTRU18に送信する接続応答フレーム17中にアドミションレートを含めることが好ましい。このアドミションレートが要求レートよりも低い場合には、このWTRUは、より低いレートを受け入れることが可能かどうかを決定するように構成されることが好ましい。例えば、このAPは、このAPと通信を行うためにWTRUが使用する異なるタイプのWLANカードについてのトラフィックプロファイルを記憶することが可能である。異なるWTRUがこれらのカードを使用することができるので、このWLANカードは、これらの各サービスを区別する異なるグループに格付けすることが可能である。このAPは、異なるサービスに関してのこのトラフィックプロファイルの履歴レコードに基づいて決定を行うことが可能である。
標準の接続要求フォーマットは、802.11規格ファミリ中で定義される。図3に示すように、標準の接続要求フォーマット30は、MAC(Medium Access Control;メディアアクセス制御)ヘッダ部分32と、CIF(Capability Information Field;機能情報フィールド)36を含むフレーム本体34とを含んでいる。このCIP36は、容量情報についてのフィールド36aと予約フィールド36bとに分割される。WTRUがそのトラフィックプロファイルについてAPに通知するためには、このWTRUは、接続要求フレーム30のCIF36中の「予約フィールド」36bのうちの一部分38を利用することが好ましい。
図4は、このトラフィック予測情報を使用した、この接続フェーズにおけるAPの意志決定プロセスの一実施例を示すものである。この実施例においては、すべてのWTRUは、同じ優先順位を有するものと想定されており、このAPは、高トラフィックユーザを承認するときにはより注意深く設計される。このAPの意志決定は、異なる実装形態においては異なったものになる可能性がある。
図4の実施例においては、APは、好ましくは、標準の接続要求フレーム30のCIF36中の「予約フィールド」36b中で伝えられる低予測レベル、中間予測レベル、または高予測レベルと共に、WTRUからの接続要求を受信する。このAPは、この要求を処理して、この伝えられた予測、AP容量、APトラフィック負荷、および高い場合にはこの負荷がバースト的であるかどうかに基づいてこのWTRUを承認または拒否する。図4は、これらのファクタに基づいて、このWTRUを承認するか拒否するかを選択するための一実施例の判定ツリーを提供している。
本発明はまた、WTRUを、APからの接続を取得した後にも使用することが可能な点で有利である。図5は、このトラフィック予測情報を使用して、効率的な帯域幅の利用を維持する好ましい方法を示している。このAPは、公正さを得るためにこの予測されたトラフィック情報に基づいてこのネットワークに対する異なるユーザのアクセスに優先順位をつける決定を行うように構成されることが好ましい。
図5の実施例において、送信準備/送信可(RTS/CTS)プロシージャを使用して、WTRUからAPへのデータの送信を許可する。このWTRUは、ステップ40においてWTRUが送信するRTSフレーム中のそのトラフィックプロファイルについてこのAPに通知する。それに応じて、ステップ42において、このAPは、データ送信についての存続期間を含むCTS信号を供給する。次いで、ステップ44において、WTRUは、このCTSに従ってデータを送信し、このデータを受信した後に、ステップ46において、このAPは、肯定応答信号(ACK)を送信する。
このアクセスを変化させるメカニズムは、このAPが、(例えば、MAC管理フレームを使用して)このWTRUにこのCW(コンテンションウィンドウ)のサイズを変更し、またはこのバックオフタイマを変更するようにアドバイスし、それによってこのWTRUがこの媒体にアクセスすることが可能な頻度を変更するものとすることが可能である。したがって、トラフィック予測情報を決定し送信するようにこれらのWTRUを構成することに加えて、これらのWTRUは、これらのWTRUのコンテンションウィンドウを調整する命令をAPから受け入れる可変のコンテンションウィンドウ制御機構を用いて構成されることが好ましい。
パケットデータ伝送では、各パケットについてのランダムバックオフタイム(random backoff time)が、一般的に0とCW−1の間で一様に選択され、ここでCWは、そのコンテンションウィンドウ値である。CWは、このパケットについての以前の送信の失敗数に依存する。最初の送信の試みにおいて、CWは、値CWmin、すなわち最小コンテンションウィンドウに設定される。失敗の各送信後に、CWは、一般的に最大値、CWmaxに至るまで倍増される。正常な送信後には、CWは、一般的に次のパケットに対してはCWminにリセットされる。IEEE802.11(b)規格に準拠するシステムでは、CWminおよびCWmaxの値は、802.11bにおいては32および1024として指定される。
固定したCWminを有するWTRUの代わりに、これらのWTRUは、このAPからのトラフィック制御信号に応じてCWminをリセットする機能を有する比較的低いデフォルトのCWminを有することが好ましい。全般的に高いトラフィック状態があるときに、CWminを増大させて、過剰な衝突およびバックオフを回避することが好ましい。他方、全般的なトラフィック状態が低いときには、これらのWTRUは、そのデフォルトのCWmin設定を使用して、どの局も送信しようと試みない不必要なアイドル状態の通信時間(airtime)を回避することが好ましい。
一動作実施例が、図5に示されている。47においてこのAPが輻輳を検出するとき、ステップ48においてこのAPは、1つ(または複数)のある種のWTRUに対して信号を送信して、それらのコンテンションウィンドウ(CW)サイズまたはバックオフタイマを増大させる。これらのWTRUが衝突するときには、ステップ49に示すように、これらのWTRUは、新しいRTS40’を開始することによりもう一度送信しようと試みる前に、長い時間の間、待つことになる。このようにして、輻輳状況が軽減される。
図6は、通常の送信フェーズ中のAPフロー制御の一実施例を示している。図6において、APは、WTRUxからトラフィックプロファイルを有するRTSフレームを受信し、後で使用するためにこのプロファイルを記憶する。このAPが輻輳していない場合、このAPは、WTRUxに対してCTSフレームを用いて応答する。しかし、輻輳があるときには、このAPは、これらのすべてのWTRUについての記憶されたプロファイルを使用し、これらのWTRUとこのAPが通信して、どのWTRUが最大の帯域幅を使用しているかを決定し、このWTRUをWTRUyとして識別する。WTRUxが最大の帯域幅を使用しているWTRUである(すなわち、WTRUx=WTRUyである)場合、このAPは、管理フレームを送信して、WTRUxのコンテンションウィンドウを増大させる。そうでない場合には、このAPは、CTSフレームをWTRUxに送信し、次いで管理フレームを送信して、WTRUyのコンテンションウィンドウを増大させる。このAPフロー制御は、トラフィック予測を伴うRTSを受信する以外の他の手段、例えばタイマによって始動させる(trigger)ことが可能である。
本発明の特徴および要素については、特定の組合せにおける好ましい実施形態中において説明しているが、各特徴または要素については、(これらの好ましい実施形態の他の特徴および要素を伴わずに)単独で、あるいは本発明の他の特徴および要素を伴い、または伴わない様々な組合せの中で使用することが可能である。