JP2007501256A - 水溶性薬物を含有する医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、(a)第1温度では完全に飽和であるが、この第1温度より低い第2温度では過飽和である所望量の薬物を含有する過飽和薬物溶液を調製し、(b)前記した第1温度またはそれ以下であるが第2温度を超える温度に維持されている薬物溶液を用いて、第1温度未満であり且つ薬物含有溶液が過飽和状態にある第2温度に維持されている不活性ビーズをコーティングすることを含む医薬組成物中に配合するために水溶性薬物をコーティングしたビーズの作成方法並びに前記ビーズを含む医薬組成物に関する。
Description
本発明は、ペレット上にコーティングされてなる高水溶性薬物(例えば、ベンラファキシン塩酸塩、venlafaxine hydrochloride)を含む医薬組成物の製造方法及び前記方法から製造された医薬組成物に関する。本発明はまた、水溶性薬物の制御放出性製剤に関する。
水溶性薬物を含有する医薬組成物は製薬業界で公知である。例えば、うつ病の治療に使用されている薬物であるベンラファキシン(1−[2−ジメチルアミノ−1−(4−メトキシフェニル)エチル]シクロヘキサノール)は現在錠剤の形態の販売されている。加えて、いずれもShermanらの米国特許第6,274,171号明細書及び同第6,403,120号明細書にはカプセル形態のベンラファキシン塩酸塩の長期放出性製剤が記載されている。ここに記載されているように、ベンラファキシン塩酸塩は製剤化製剤(例えば、結晶セルロー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)と混合し、こうして形成された塑性塊を押出し、球状化し、乾燥して、コーティングされていない薬物含有スフェロイドを得る。制御放出性製剤を得るために、このスフェロイドを制御放出性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)でコーティングする。
上記した特許明細書に記載されている方法では複数のステップが必要である。例えば、押出すための湿った塊を作成するために湿式造粒が必要であり、次いで塊を押出機に通して適正な直径を有する円筒形棒状物を得、次いで棒状物を球状化装置を用いて球状化すると、スフェアが生ずる。その後、生じたスフェアを乾燥し、サイジングし、制御放出性ポリマーをコーティングして、制御放出性製剤を得る。
ここに記載されている方法は幾つかの欠点を有する:
第1は、複数のステップが必要であり、よってかなりの重荷である。ステップは、最低でも湿式造粒、押出し、球状化、乾燥、サイジング及びコーティングである。
第1は、複数のステップが必要であり、よってかなりの重荷である。ステップは、最低でも湿式造粒、押出し、球状化、乾燥、サイジング及びコーティングである。
第2に、この方法では、しばしば均一の直径を有するスフェアを生じず、よってプロセス収率が低くなることがあり得る。
第3に、この方法は球状化のために製剤化助剤(例えば、結晶セルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース)を必要とし、従って高濃度の薬物を担持したビーズ及び/またはビーズを含有するカプセルを製造することが困難である。
第4に、この方法は湿式造粒ステップを必要とするので、非水性溶媒(例えば、エタノール)が必要であり得る。こうした非水性溶媒は危険であり、高価でもあり得る。
しかしながら、本発明者は、上記したステップを全く必要としないベンラファキシ塩酸塩や他の水溶性薬物を含有する医薬組成物を製造するための非常に簡単で且つ非常に効率的な方法を知見した。
本発明者は、水溶性薬物を場合により他の成分を含む過飽和溶液を用い、この過飽和溶液で不活性ビーズをコーティングすることにより従来技術の湿式造粒ステップ、押出しステップ及び球状化ステップを排除することができることを知見した。制御放出性製剤が必要ならば、不活性ビーズをコーティングしている水溶性薬物及び他の成分からなる第1コーティング上にコーティングされた第2コーティング中に制御放出性ポリマーを配合する。
ビーズまたはペレットを薬物でコーティングした薬剤を作成するための別の一般的方法では、結合剤を溶解状態で含有する溶媒中に薬物を分散させ、この溶液で不活性ビーズをコーティングする。このタイプのコーティングを実施するためには流動床コーティング方法が通常使用されている。ビーズを薬物でコーティングするためには、溶媒を除去させて薬物を溶液から沈殿または結晶化させる。薬物が溶液から沈殿しなければ、非常に粘着性のコーティングが形成され、薬物の充填がほぼ不可能となる。結合及び/または粘着性を与える結合剤の存在だけでも状況を悪化させる。更に、薬物が高水溶性であるときには、その薬物は溶液から容易に析出しない。従って、今まで、上記技術を水溶性薬物をビーズまたはペレット上にコーティングするために使用することはなかった。
しかしながら、本発明者はこの問題を解決し、この方法を改変することによりペレットをコーティングする方法を知見した。
本発明は、
(a)第1温度では完全に飽和であるが、第1温度より低い第2温度では過飽和である所望量の薬物を含有する過飽和薬物溶液を調製し、
(b)第1温度またはそれ以下であるが第2温度またはそれ以上である温度に維持されている薬物溶液を用いて、第1温度未満であり且つ薬物含有溶液が過飽和状態にある温度である第2温度に維持されている不活性ビーズをコーティングする
ことを含む医薬組成物中に配合するための水溶性薬物をコーティングしたビーズの作成方法に関する。本発明はまた、水溶性薬物及び水性溶媒を含むコーティング温度で過飽和になる溶液を調製し、この過飽和溶液を不活性ビーズにコーティングし、医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物を含む医薬組成物の製造方法に関する。本発明の別の態様は、こうして製造した医薬組成物に関する。本発明の更なる態様は、水溶性薬物及び水性溶媒を含む室温で過飽和である溶液に関し、前記水溶性薬物は水性溶媒中に完全に溶解している。本発明の更なる態様は、水溶性薬物及び水性溶媒を含む過飽和溶液を調製し、この過飽和溶液を不活性ビーズにコーティングして第1コートを形成し、ビーズ上の第1コートに制御放出性ポリマーからなる第2コートをコーティングし、次いで生じた生成物の医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物の制御放出性製剤の製造方法に関する。更なる態様では、本発明は、水溶性薬物の制御放出性製剤を製造し、この製剤の医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物の制御放出性製剤の製造方法に関する。別の態様は、こうして形成された制御放出性製剤に関する。
(a)第1温度では完全に飽和であるが、第1温度より低い第2温度では過飽和である所望量の薬物を含有する過飽和薬物溶液を調製し、
(b)第1温度またはそれ以下であるが第2温度またはそれ以上である温度に維持されている薬物溶液を用いて、第1温度未満であり且つ薬物含有溶液が過飽和状態にある温度である第2温度に維持されている不活性ビーズをコーティングする
ことを含む医薬組成物中に配合するための水溶性薬物をコーティングしたビーズの作成方法に関する。本発明はまた、水溶性薬物及び水性溶媒を含むコーティング温度で過飽和になる溶液を調製し、この過飽和溶液を不活性ビーズにコーティングし、医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物を含む医薬組成物の製造方法に関する。本発明の別の態様は、こうして製造した医薬組成物に関する。本発明の更なる態様は、水溶性薬物及び水性溶媒を含む室温で過飽和である溶液に関し、前記水溶性薬物は水性溶媒中に完全に溶解している。本発明の更なる態様は、水溶性薬物及び水性溶媒を含む過飽和溶液を調製し、この過飽和溶液を不活性ビーズにコーティングして第1コートを形成し、ビーズ上の第1コートに制御放出性ポリマーからなる第2コートをコーティングし、次いで生じた生成物の医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物の制御放出性製剤の製造方法に関する。更なる態様では、本発明は、水溶性薬物の制御放出性製剤を製造し、この製剤の医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物の制御放出性製剤の製造方法に関する。別の態様は、こうして形成された制御放出性製剤に関する。
本発明の更なる態様は、水溶性薬物を水性溶媒中に含む過飽和溶液を調製し、前記水性溶媒中の薬物の溶解度を低下させる水溶性添加剤と混合し、生じた混合物を不活性ビーズにコーティングし、医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物を含む医薬組成物の製造方法に関する。別の態様は、こうして製造された製品に関する。本発明の更なる態様は、水溶性薬物、水性溶媒及び前記溶媒中の薬物の溶解度を低下させる水溶性添加剤を含み、前記した水溶性薬物及び添加剤は水性溶媒中に完全に溶解している過飽和溶液に関する。本発明の更なる態様は、水溶性薬物を水性溶媒中に含む過飽和溶液を調製し、水性溶媒中の薬物の溶解度を低下させる水溶性添加剤と混合し、この混合物をペレットまたはビーズにコーティングしてその上に第1コートを形成し、前記ビーズ上の第1コートに制御放出性ポリマーからなる第2コートをコーティングし、次いで生じた生成物の医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物の制御放出性製剤の製造方法に関する。本発明の更なる態様は、こうして形成された各種制御放出性医薬組成物に関する。本発明の更なる態様は、水溶性薬物を水性溶媒中に含む過飽和溶液を調製し、水性溶媒中の薬物の溶解度を低下させる水溶性添加剤及び制御放出性ポリマーと混合して、混合物を不活性ビーズ上にコーティングし、生じた生成物の医薬有効量を固体1回量剤形に製剤化することを含む水溶性薬物の制御放出性製剤の製造方法に関する。最後に、本発明の別の態様は、こうして形成された生成物に関する。
上記したように、本発明の製剤は固体1回量剤形の医薬組成物からなる。本明細書中で使用する場合、用語「1回量剤形」は、ヒトを含めた哺乳動物に対する1回量として適当な物理的にばらばらの単位を指し、各単位は本明細書に記載されているように製剤中の担体及び他の成分と共同して所望効果を生ずるように計算された所定量の活性物質を含有する。
「固体」1回量剤形は、投与のために固体に製剤化される1回量剤形、例えば錠剤、カプセル剤、カプセル化ビーズ等を指す。
本明細書中で用語「哺乳動物」を使用する場合、毛髪及び乳腺を有することを特徴とする哺乳動物類の脊椎動物を意味する。その例には、特にイヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヤギ、ウシ、サル、ヒト等が含まれる。本発明の製剤を投与しようとする哺乳動物の好ましい種はヒトである。
本明細書中で使用する場合、用語「制御放出性」は、活性成分、すなわち薬物がその血液レベルが長時間(例えば、4〜24時間またはそれ以上)にわたり治療範囲内であるが毒性レベル以下に維持されるような速度で放出されることを指す。
本明細書中で使用する場合、用語「ビーズ」は、スフェロイド、ペレット、ミクロスフェア、顆粒、粒子、小球体、ノンパレイユ、種子及び製薬業界で同じものを指すために使用されている類似の同義語と同義語である。
本明細書に記載されている手順に従って、水溶性薬物を含む各種医薬組成物が1回量剤形で製造され得る。
本発明で用いる薬物または薬は、室温の水中に溶解し得るものである。本明細書中で使用する場合、用語「水溶性薬物または薬」は、室温(25℃)の水1gあたり約0.200gまたはそれ以上の溶解度を有する薬物または薬を指す。薬物及び薬は、好ましくは25℃の水1gあたり0.300g以上の溶解度、より好ましくは25℃の水1gあた0.400g以上の溶解度、最も好ましくは25℃の水1gあたり0.500g以上の溶解度を有する。水溶性薬物の例には、ベンラファキシン・HCl、酒石酸メトプロロール、ジルチアゼム塩、プソイドエフェドリン塩、フェニルトラキサミン(Phenyltolaxamine)、マレイン酸ブロムフェニラミン、ジフェンヒドラミン等が含まれる。最も好ましい薬物はベンラファキシン・HClである。
本発明の医薬組成物を製造する場合、薬物は水性溶媒に溶解させる。水性溶媒は水、或いは他の水系流体(例えば、緩衝液)、水溶性薬物が溶解し得る水溶性医薬組成物中に通常使用されている他の水性溶媒、または水溶性有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール、アセトン等)であり得る。最も好ましい水性溶媒は水である。
薬物または薬を溶解させるときに使用される水は製薬業界で通常使用されている水である。水道水または湧き水であってもよいが、脱イオン水または蒸留水が好ましい。水が滅菌されていることがより好ましい。本発明の方法によれば水溶性薬物の過飽和溶液を用いるので、過飽和溶液中に含まれる薬物の量は相当量である。過飽和溶液は約70重量%以上くらいの薬物を含有し得る。過飽和溶液は少なくとも約30重量%の薬物、または少なくとも約40重量%の薬物、または少なくとも約50重量%の薬物、または少なくとも約60重量%の薬物を含有し得る。
本発明によれば、水溶性薬物を第1温度で水性溶媒中に溶解させる。水性溶媒は緩衝液等のような水系溶媒であってもよいが、好ましくは水である。薬物を第1温度で水性溶媒中に溶解させる。本明細書中で使用する場合、第1温度は飽和温度である。第1温度は使用したい薬物の量及び薬物の水中溶解度に依存する。水性溶媒は所与の温度である量の薬物しか溶解させ得ないので、その量以上の量が所望されるならば薬物を含有する水性溶媒を高温に加熱する。第1温度は、好ましくは周囲温度を少し下回る温度〜水の沸点を少し下回る温度の範囲(例えば、約15〜約90℃)であるが、より好ましくは約25〜約80℃、更に好ましくは約30〜約60℃、最も好ましくは約35〜約50℃である。本発明によれば、水性溶媒中に溶解させた薬物は第1温度より低い第2温度で過飽和になる。本明細書中で使用する場合、第2温度は過飽和溶液の温度である。本発明の実施態様における第2温度は第1温度より約2〜約15℃低い範囲である。1つの実施態様では、第2温度は第1温度より約2〜約5℃低い。別の実施態様では、第2温度は第1温度より約11〜約15℃低い。第3の実施態様では、第2温度は第1温度より約15℃以上低い。例えば、1実施態様における第2温度は約30℃未満であるが、約0℃以上であり、より好ましくは約20〜約25℃である。別の実施態様では、第2温度は約20℃未満である。第3温度でビーズをコーティングする。第3温度のコーティング温度または生成物温度は第1温度より低いが、第2温度またはそれ以上である。
以下、本発明の方法を例示する。本発明によれば、薬物溶液を水性溶媒(多くの場合、水)中、ほぼ室温(25℃)での飽和濃度よりも高い濃度で調製する。前記溶液は、薬物を溶媒中に懸濁し、完全に溶解するまで加熱するか、またはあらかじめ加熱した溶媒に薬物を添加することにより調製される。溶媒を飽和温度よりもわずかに高い温度に加熱する。本明細書中で使用する場合、用語「飽和温度」は所望量の薬物を水性溶媒中に溶解させるのに必要な最低温度である。すべての薬物を添加した後ここに添加されている添加剤を溶解させる。こうして調製した溶液をコーティングプロセス中冷却する。飽和溶液をゆっくり冷却することが好ましい。十分にゆっくり冷却すれば、加熱溶液中に溶解させた薬物及び他の追加成分は溶液中に溶解状態で留まる。こうすると、溶液の温度は飽和温度以下となり、過飽和溶液が形成される。この溶液を、飽和温度より低い温度に維持されているビーズにスプレーする(ビーズの温度を“生成物温度”と呼ぶ)。この生成物温度は飽和温度よりも低いが、過飽和温度またはそれ以上である。好ましくは、生成物温度はほぼ室温(約20〜約25℃)である。好ましくは、空気ジェットを含み、この空気ジェットから空気流をビーズ上に当てる流動床コーティング機のようなコーティング機を用いて溶液をビーズ上にスプレーする。好ましくは、ビーズを空気ジェットの入口空気を用いてほぼ室温(約20〜約25℃)で冷却する。
束縛するつもりはないが、溶液をビーズにスプレーすると、水の蒸発、噴霧空気及び流入入口空気により溶液が冷却される。スプレー滴が飽和温度以下の温度に維持されているビーズと接触すると、溶液の液滴が更に冷却する。その結果、非常に高度の過飽和が達成され、薬物がビーズの表面上で結晶化/沈殿し、それによりビーズは薬物と一緒に冷却される。この方法により形成されたコートは粘着性でなく、結合剤を含まない薬物充填ビーズが生成される。本発明者は、コーティングを適正な温度で実施するならば、コーティングプロセスを困難乃至不可能とすることなく結合剤を添加することができることも知見した。
使用する温度はこの方法において臨界的である。コーティング温度が飽和温度で生ずるならば、生成物は湿り、粘着性となり、コーティングプロセスが非常に困難乃至不可能となる。なぜならば、ビーズが相互に粘着するならば流動を維持することが非常に困難であるからである。
本明細書中で使用する場合、用語「入口温度」はコーティング機に流れる入口空気の温度である。
「生成物温度」はコーティング操作中の生成物またはビーズの温度である。本明細書中では、生成物温度を「コーティング温度」とも「第3温度」とも呼ぶ。蒸発の溶媒により冷却が生ずるので、この温度は通常、コーティングプロセスを実施している間の入口温度よりもわずかに低い。
本明細書中で使用する場合、「飽和溶液」は溶媒中の薬物の最大溶解度での濃度で薬物を含有する溶液を指す。
「過飽和溶液」は飽和濃度を超える濃度で薬物を含有する溶液である。本明細書中、用語「過飽和溶液」は過飽和温度での薬物の飽和濃度よりも高い濃度を有する溶液を指す。
本明細書中で使用する場合、用語「飽和温度」は所与の薬物濃度で溶液が飽和溶液となる温度である。過飽和溶液の場合、温度を上昇させると薬物の溶解度が上昇し、ある温度で溶液は過飽和を失い、濃度はその温度での飽和濃度に等しくなる。この温度を飽和温度と呼ぶ。飽和溶液でないが、飽和が起こる温度を超える溶液は、飽和になる温度まで冷却され得る。
「高水溶性薬物」は室温で水1gあたり100mg以上の溶解度を有する薬物である。
入口空気温度を室温またはそれ以上に維持することが最も便利である(入口空気の温度を調節するのがより簡単であるので便利である)ので、飽和温度が入口温度よりも有意に高いことが重要である。最も好ましくは、室温での飽和濃度よりも高い濃度を有する薬物溶液は、薬物を熱を用いて溶解することにより調製される。コーティングプロセスは、好ましくは室温に近い入口空気温度で実施する。薬物が熱不安定性(熱感受性)であるならば、室温の溶媒に溶解させて飽和溶液を形成し得、コーティングプロセスを冷却入口空気を用いて室温よりも低い温度で実施する。
こうして作成したビーズに更に、水不溶性材料(例えば、ポリマーまたはワックス)を薬物を制御放出させるのに十分な量で用いて制御放出性コーティングからなる第2コートをコーティングさせ得る。別の実施態様では、薬物充填ビーズに、薬物を制御放出性コーティング中またはその上への薬物の不適合性または移行を防止するために薬物層と制御放出性コートの間に保護コートをコーティングしてもよい。別の実施態様では、保護コートを制御放出性コートの上に設ける。更に別の実施態様では、ビーズに薬物層と制御放出性コートの間に保護コートをコーティングし、保護コートを制御放出性コート上に設ける。この保護コートは医薬組成物中に通常存在している成分から構成される。
上記したように、薬物を含有する過飽和溶液を調製する。この過飽和溶液は、室温での飽和濃度以上の量の水溶性薬物を含む。別段の記載がない限り、用語「飽和濃度」は溶液の室温の水1g中に溶解できる最大量の薬物の重量%である。例えば、ベンラファキシン・HClは、室温の水1gに約0.567gが溶解し得る高水溶性薬物である。要するに、ベンラファキシン・HClの場合、水中の約33%溶液が飽和溶液と見なされる。よって、本発明において使用されるベンラファキシン・HClの過飽和溶液は溶液の少なくとも約33%(w/w)の薬物を含有している。
各薬物はそれに特有の水中飽和濃度を有している。飽和濃度が未知ならば、慣用方法により測定することができる。例えば、既知量の水溶性薬物を所望温度(例えば、室温)の水1gを収容している既知重量の容器に添加する。既知量の水溶性薬物を更に水に添加するにつれて、それ以上の薬物が溶解しないポイントに達する。このポイントで、水性溶媒はそれ以上の薬物を保持することができず、過剰の薬物は容器の底部に落下し、固体として残る。過剰の固体は当業界で公知の方法(例えば、デカンテーション、濾過等)により水から分離する。分離した溶液は所望温度(例えば、室温)での薬物の飽和溶液を含んでいる。溶液中の薬物の量または濃度は当業界で公知の分析技術により測定される。例えば、既知量の薬物を水に添加し、過剰な薬物の量(乾燥重量)を差し引くと、その差が所与の温度で溶液中に溶解し得る薬物の量である。すなわち、飽和濃度は水溶性薬物と水の全量に対する水溶性薬物の重量%である。
上記したように、本発明の医薬組成物を製造する際に使用される薬物の量は室温での薬物の飽和濃度よりも多い。薬物の過飽和溶液は、通常過飽和溶液を調製するための公知の慣用技術により調製する。例えば、所望量の薬物を水性溶媒に添加し、混合物を薬物が完全に溶解する飽和温度よりも高い温度に加熱する。或いは、溶媒を所望濃度の薬物に必要な飽和温度よりも高い温度に加熱し、薬物を添加して溶液を形成する。次いで、加熱した溶液を、第1温度以下に(例えば、室温まで)冷却したとき添加した飽和濃度を超える薬物が溶液中に残るように十分遅い速度で冷却する。その結果、溶液は第1温度よりも低い温度で過飽和になる。薬物が完全に溶解した後に添加剤を添加する。こうして、これらの成分が溶解するために薬物溶液は冷却され、それ故に溶液は過飽和となる。室温での薬物の飽和濃度を超える濃度で水中に存在している過剰の水溶性薬物が溶解するようになる温度を本明細書では「飽和温度」と称する。当業者が理解しているように、溶液に添加する薬物の量が多ければ、飽和温度は高くなる。換言すると、飽和温度は存在する水溶性薬物の量の関数である。過飽和溶液を飽和温度より低い温度に冷却する。この温度(第2温度または過飽和温度)で、過飽和溶液が維持される。過飽和溶液を室温またはそれ以下に維持することが好ましい。
本発明の医薬組成物は、第1温度より低い第2温度(生成物温度)に維持されている不活性ビーズからなるコアに、第1温度(飽和温度)またはそれ以上の温度で調製した薬物及び水性溶媒を含む過飽和溶液をコーティングすることにより製造される。本明細書中で使用する場合、用語「コア」は医薬コーティング技術において使用するのに適していることが当業者に公知の不活性コア、例えば糖または糖アルコール(例:スクロース、ラクトース、マンニトール、キシリトール等)、セルロース(例:結晶セルロース等)、デンプンまたは医薬活性物質と化学的に反応しない自由流動性の非脆砕性顆粒物質からなる顆粒またはビーズを指す。コアが約0.1〜約1.5mmの平均直径を有する糖またはデンプンスフェアであることが好ましい。
コアの不活性物質は不活性担体として作用する。コアは薬物コーティングから物理的に離れている。コアは、球状化するために薬物と最後に混合される製剤化助剤でない。
水溶性薬物及び水性溶媒を含む過飽和溶液に対して下記する追加の水溶性成分を添加してもよい。過飽和溶液は25℃での飽和濃度以上の量の水溶性薬物を含む。飽和温度は生成物中に存在させたい薬物の量に依存する。過飽和溶液中に存在させる水溶性薬物の量は、25℃の水中での水溶性薬物の飽和濃度より1重量%多いくらい〜25℃の水中での薬物の過飽和濃度よりも150重量%多いくらいの範囲であり得る。しかしながら、存在させる薬物の量は飽和濃度よりも少なくとも10%多く、より好ましくは少なくとも20%多く、更に好ましくは少なくとも約50%多く、更に好ましくは少なくとも約100%多い。一方、水溶性薬物の濃度は飽和濃度よりも最高200%多く、より好ましくは25℃の水中の水溶性薬物の飽和濃度の最高2倍である。
過飽和溶液は、水性溶媒中の飽和濃度を超える所望量の薬物を第1コート中に存在させる他の成分と十分に混合することにより調製する。水溶液を水性溶媒の沸点まで(例えば、水性溶媒が水ならば00℃)まで加熱してもよいが、混合物を最高約80℃、より好ましくは最高約60℃、更に好ましくは最高約50℃まで加熱することが好ましい。混合物を約40℃以下くらい(ただし、室温以上)に加熱してもよいし、35℃またはそれ以上まで加熱してもよい。溶液を加熱のために使用する温度よりも低い温度までゆっくり冷却する。過飽和溶液をほぼ室温で維持することが好ましい。この溶液を室温よりも高い温度で維持してもよいし、過飽和温度またはそれに近い温度で維持してもよい。
過飽和溶液それ自体はコアをコーティングするために使用され得る。或いは、こうして調製した過飽和溶液を医薬組成物中に通常使用されている他の所望成分と混合してもよく、生じた生成物をコアにコーティングする。いずれを使用するかに関係なく、コアをコーティングする技術は同じである。すなわち、本明細書に記載されている手順はコアの過飽和溶液でのコーティングを言及しているが、この手順は薬物の過飽和溶液及びコート中に通常存在させる他の医薬成分からなる混合物にも適用されると理解されたい。更に、追加成分の混合物は、コアにコーティングする前に水溶性薬物の過飽和溶液に添加されると理解されたい。
コーティングは、当業界で公知の慣用技術を用いて実施される。例えば、流動床またはパンコーティングにおいてコアは過飽和溶液を用いてコーティングされ得る。他の例には過飽和溶液のコアへのスプレーが含まれる。コーティングを流動床コーティングシステムを用いて実施することが好ましい。更に、ビーズを過飽和溶液または生じる生成物の温度より低い温度に維持する。例えば、ビーズを室温(例えば、生成物温度)未満の温度に維持する。
各種の慣用の流動床コーティング装置、例えば流動床コーティング装置または流動床造粒コーティング装置を用いることができる。本明細書に記載されている方法では、コアのコーティング中に溶媒(例えば、水)が除去されると理解されたい。
束縛されるつもりはないが、小滴への微粒化及び入口空気流のために加えられたエネルギーの結果ビーズが乾燥すると考えられる。更に、溶媒が蒸発するためにビーズが冷却されると考えられる。乾燥と冷却が同時に起こるので、薬物が沈殿し、ビーズ上にコートが形成される。
1つの例では、過飽和溶液をWurster型流動床システムを用いてコア上にコーティングする。Wurster型流動床システムは、底から注入され、コアを流動化し、コーティング中乾燥を行う空気ジェットをスプレーするものである。このシステムでは、流動床コーティング容器は底部に空気入口ノズル及び頂部または上部に空気出口ノズルを含む。前記容器は通常末広中央部膨張セクションを有し、空気分配プレートが容器をまたがっている。分配プレートは上部反応器セクション、下部供給セクションまたは空気または入口プレナムを規定する。分配プレートはプレートを横断して比較的均一に空気を分配するためのオリフィスを含む。
1実施態様では、仕切り様円筒状コーティングカラムが分配プレートの上から反応器セクションに上向きに延びている。コーティングカラムと容器壁間のスペースがダウンフロー床を規定する。コーティングカラムはその間に間隙を規定するように分配プレートの上に位置している。この間隙は、材料がダウンフロー床から間隙を介してカラムに流入できるような大きさを有している。スプレーノズルは供給セクションからコーティングカラムに、分配プレートの下から延びている。スプレーノズルは供給セクションからコーティングカラムに、分配プレートの下から延びている。スプレーノズルはコーティング材料がカラムにスプレーされるように構成されている。
操作の際には、容器にある量のコーティングしようとする不活性コア(例えば、ビーズ)を充填する。不活性コアをダウンフロー床中の分配プレートの上、コーティングカラムの周りに載せる。
空気を容器に、空気入口ノズルを介して入口プレナムに供給する。空気流速はダウンフロー床を流動化するように選択する。典型的な配置では、空気流はコーティングカラムの周囲の領域に初期流動床が形成されるように選択される。初期流動床では、床を横切る圧力低下はビーズに作用する重力に等しい。よって、床は最低限にしか流動化されず、床にボイドまたはチャネルは形成されない。
上記した薬物及び他の所望成分の過飽和溶液をスプレーノズルを介してコーティングカラムに供給する。カラムを通る材料及び空気の上向き流により低圧ゾーンがカラムの底部に生じ、ビーズはダウンフロー床から分配プレートとカラムの間の隙間を通って引き出される。ビーズがカラムに入ると、ビーズはスプレー及び空気流により上向きに加速される。
コーティングカラム及びその上のスペースにおいて、ビーズ及び過飽和溶液を均密に混合することによりビーズはスプレー(湿潤)される。コーティングされたビーズがカラム中で生じ、エネルギーが失われると、ビーズはカラムの上の上向き流から離れて強制的に外に排出される。ビーズは重力により打ち勝つのに十分なエネルギーを失うと、ダウンフロー床に落下する。このプロセスは充填したビーズの全バッチがコーティングされるまで継続される。プロセスが完了すると、ビーズは更なる処理のために容器から取り出される。幾つかの流動床コーティングシステムでは、反応容器の上部域内でビーズは十分に乾燥され、その後にビーズはダウンフローカラムに落下する。
コーティングは、コアに実質的に均一で迅速に接触し、コーティングするように適用される。コーティング組成物がコアの周りに実質的に均一の厚さを有することが好ましい。
ビーズに過飽和溶液をコーティングするためにも使用することができる流動床コーティング装置の別の例は、援用により本明細書に含まれるとする米国特許第6,126,967号明細書に記載されている。
特定のプロセスコントロール、流速及び圧力は通常、特にビーズの粒径及び密度、所望するコーティングの厚さ、送入空気の条件及び乾燥要件により決められる。所与のシステムについての特定プロセスコントロールパラメーターを当業者は認識している。
本発明者は重大な問題を解決した。当業界で公知のように、溶媒の大部分が蒸発した後でしか薬物が沈殿しないので薬物の非常に高い溶解度が独特の問題を生ずる恐れがある。その結果、ビーズは非常に粘性及び粘着性となり、よってコーティングプロセスが不可能でないにしても困難となる。結合剤の添加は問題を悪化させる。しかしながら、上記した方法は粘性及び/または粘着性コーティングをその上に有するビーズを与えない。
束縛されるつもりはないが、流動床コーティング装置における空気流により水溶液の各液滴からの水が過飽和溶液から蒸発し、よって薬物が過飽和溶液中で濃縮されると考えられる。更に、冷却を促進させる。スプレー滴が過飽和溶液を形成する。ビーズは過飽和溶液の温度よりも低い温度に維持する。例えば、過飽和溶液を室温に維持し、ビーズを室温より低い温度とする。水溶性薬物を含むスプレーをコアに当てると、薬物がビーズと接触して結晶化及び/または沈殿する。
上記したように、過飽和溶液は水及び薬物に加えて、医薬組成物中に慣用されている水溶性の他の任意成分を含み得る。これらの他の成分は製薬業界で使用されるコーティング中に通常存在している添加剤である。これらの任意成分には、賦形剤(例えば、可塑剤及び増量剤)、着色剤、保存剤(メチルパラベン)、界面活性剤、人工甘味料、矯味矯臭剤、酸化防止剤等が含まれ、いずれも好ましくは水溶性である。
使用される界面活性剤は非イオン性またはイオン性である。非イオン性界面活性剤が好ましい。更に、使用する界面活性剤は親水性界面活性剤であり得る。更に好ましくは、界面活性剤は親水性非イオン性である。
界面活性剤は有効濃度で存在させる。界面活性剤を存在させる場合、好ましくは医薬組成物の約0.01〜約5重量%、より好ましくは約0.1〜約3重量%の量で存在させる。
適当な親水性界面活性剤は通常少なくとも10のHLB価を有する。公知であるように、界面活性剤は必ず極性または帯電親水性部分と非極性親油性部分を含んでいなければならない。すなわち、界面活性剤は両親媒性でなければならない。非イオン性両親媒性化合物の相対親水性及び親油性を特徴づけるために通常経験的に使用されているパラメーターは親水親油バランス(HLB価)である。界面活性剤のHLB価が低いと、より親油性であり、水溶液中の溶解度がより高い。親水性界面活性剤は通常、HLB価が約10以上の化合物並びにHLBスケールが通常適用されないイオン性、カチオン性または双イオン性化合物であるとみなされている。
本発明において使用される親水性界面活性剤はイオン性または非イオン性であり得る。適当なイオン性界面活性剤にはアルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド及びポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド及びポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチン及び水素化レシチン;リゾレシチン及び水素化リゾレシチン;リン脂質及びその誘導体;リゾリン脂質及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルスルフェートの塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ−及びジ−グリセリドのモノ−及びジ−アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ−及びジ−グリセリド;モノ−及びジ−グリセリドのクエン酸エステル;及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
上記したグループの範囲内で、好ましいイオン性界面活性剤には、例としてレシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質及びその誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキルスルフェートの塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ−及びジ−グリセリドのモノ−及びジ−アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ−及びジ−グリセリド;モノ−及びジ−グリセリドのクエン酸エステル;及びその混合物からなる群から選択される界面活性剤のイオン化形態が含まれる。
より好ましいイオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチル酸エステル、ステアロイル−2−ラクチレート、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロエート、カプリレート、カプレート、ラウレート、ミリステート、パルミテート、オレエート、リシノレエート、リノレエート、リノレネート、ステアレート、ラウリルスルフェート、テトラアセチルスルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン及び塩並びにその混合物のイオン化形態である。好ましいイオン性質界面活性剤はラウリル硫酸ナトリウムである。
好ましい親水性非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えばポリエチレングリコールアルキルエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、例えばポリエチレングリコールアルキルフェノール;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコール脂肪酸モノエステル及びポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ポリオールとグリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸及びステロールからなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換反応生成物;ポリオキシエチレンステロール、その誘導体及び同族体;ポリオキシエチル化ビタミン及びその誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;及びその混合物が含まれる。
より好ましくは、親水性非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオールとトリグリセリド、植物油及び水素化植物油からなる群から選択される少なくとも1つのメンバーとの親水性エステル交換反応生成物からなる群から選択される。好ましいポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトールまたはサッカライドである。
親水性非イオン性界面活性剤の例には、非限定的にPEG−10ラウレート、PEG−12ラウレート、PEG−20ラウレート、PEG−32ラウレート、PEG−32ジラウレート、PEG−12オレエート、PEG−15オレエート、PEG−20オレエート、PEG−20ジオレエート、PEG−32オレエート、PEG−200オレエート、PEG−400オレエート、PEG−15ステアレート、PEG−32ジステアレート、PEG−40ステアレート、PEG−100ステアレート、PEG−20ジラウレート、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−32ジオレエート、PEG−20グリセリルラウレート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−20グリセリルステアレート、PEG−20グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルオレエート、PEG−30グリセリルラウレート、PEG−40グリセリルラウレート、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−60コーン油、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリグリセリル−PEG−10ラウレート、PEG−30コレステロール、PEG−25植物ステロール、PEG−30大豆ステロール、PEG−20トリオレエート、PEG−40ソルビタンオレエート、PEG−80ソルビタンラウレート、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG−100スクシネート、PEG−24コレステロール、ポリグリセリル−10オレエート、ツイーン40、ツイーン60、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート、スクロースモノパルミテート、PEG10〜100ノニルフェノールシリーズ、PEG15〜100オクチルフェノールシリーズ及びポロキサマーが含まれる。
これらの好ましい非イオン性界面活性剤の中で、PEG−20ラウレート、PEG−20オレエート、PEG−35ヒマシ油、PEG−40パーム核油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60コーン油、PEG−25グリセリルトリオレエート、ポリグリセリル−10ラウレート、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−30コレステロール、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、PEG−24コレステロール、スクロースモノステアレート、スクロースモノラウレート及びポロキサマーがより好ましい。PEG−35ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60コーン油、PEG−25グリセリルトリオレエート、PEG−6カプレート/カプリレートグリセリド、PEG−8カプレート/カプリレートグリセリド、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート80、トコフェリルPEG−100スクシネート、PEG−24コレステロール及び親水性ポロキサマーが最も好ましい。
界面活性剤を存在させるとき、界面活性剤は有効濃度で存在させる。存在させるとき、界面活性剤は好ましくは医薬組成物の約0.01〜約5重量%、より好ましくは約0.1〜約3重量%の量で存在させる。
着色剤は上品さを与え、製品を区別するために添加する。製剤に色を与えるための適当な成分には、二酸化チタン及び顔料(例えば、酸化鉄顔料)、食用黄色6号、食用赤色2号、食用青色2号、食用レーキ等が含まれる。
可塑剤は、医薬品のコーティング組成物中に通常使用されている可塑剤から選択され得る。その例には、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリエチルアセチル、トリアセチン、クエン酸トリブチル、ポリエチレングリコール、グリセロール、植物油、鉱油、マルトデキストリン及びその混合物等が含まれる。使用される可塑剤はコーティング中にコーティングの乾燥重量に基づいて約0.01〜約25重量%、より好ましくは約5〜約15重量%の量で存在させ得ると理解されたい。
コーティング層は場合により滑沢剤を含み得る。錠剤に圧縮させる場合には特に滑沢剤を含み得る。適当な滑沢剤の例には、タルク、ステアリン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、グリセリン、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムまたは前記した2つ以上の混合物等が含まれる。存在させる場合、滑沢剤はコーティングの乾燥重量に基づいて約0.01〜約10重量%の量で存在させる。
多くの他の薬物を流動床プロセッサーにより作成する場合、薬物をビーズに固着させ、フィルムを形成するために薬物と一緒に結合剤を必ず存在させなければならない。しかしながら、本発明者は、薬物の水中溶解度が高いために強い粘着性は認められないことを知見した。よって、結合剤は必要でなく、本発明の医薬組成物に結合剤を添加する必要がない。しかしながら、結合剤は必要ではないが、存在させてもよい。水溶性ポリマーのような結合剤はコートを強化する。
ベンラファキシン塩酸塩は、本発明の方法を用いてビーズ上にコーティングされ得る水溶性薬物の例である。ベンラファキシン塩酸塩は高水溶性薬物であり、約0.567gが室温の水1gに溶解し得る。よって、ベンラファキシン・HClの水中飽和溶液は約33%(w/w)である。上記した手順を用いると、ベンラファキシン・HCl濃度が約33%(w/w)以上のコーティングを不活性コア上に作成することができる。実際、上記手順を用いると、ベンラファキシン塩酸塩を約40%(w/w)以上の濃度、更には約50%(w/w)以上の濃度、特に約60重量%以上の高い濃度で含有するコーティングを不活性ビーズ上に作成することができる。
更に、この傾向はベンラファキシン塩酸塩に特異的でない。本明細書に記載されている他の水溶性薬物を含有するコーティングは約33%(w/w)以上、または約40%(w/w)以上、または約50%(w/w)以上、更には約60%(w/w)以上の濃度で薬物を含有し得る。
上記した任意成分以外に、水溶性添加剤を過飽和溶液中に添加し、混合してもよい。こうすると、薬物はより簡単に沈殿する。コーティングプロセス中に水溶性添加剤を含有する過飽和溶液を飽和温度以下の温度で不活性コアと接触させると、コーティングはより高い薬物濃度で実施され得、より多くのコーティングが形成され得る。
医薬組成物が水溶性添加剤を含有することが好ましい。水溶性添加剤により、薬物の水中溶解度が低下する。好ましい水溶性添加剤は水溶性ポリマーである。その例には、ポリエチレングリコール(PEG)及び水溶性溶媒、特に水溶性揮発性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等)等が含まれる。好ましい水溶性添加剤はPEG及びPEGと第2の水溶性ポリマーの組み合わせである。ポリエチレングリコールは液体または固体であり得る。好ましい実施形態では、PEGは約800以上の重合度を有する。別の実施態様ではポリエチレングリコールは約1400以上の重合度を有し、より好ましい実施態様ではPEGは約3000以上、場合により約4000くらいの重合度を有する。
水溶性添加剤は、水溶性薬物の水中溶解度を低下させるのに有効な量で過飽和溶液に添加する。好ましい実施形態では、水溶性添加剤は、乾燥重量基準で約2〜約50%(w/w)、より好ましくは約2〜約40%(w/w)、より好ましくは約5〜約30重量%、更に好ましくは約10〜約25重量%、最も好ましくは約20重量%の濃度で存在させる。
制御放出性製剤も製造することができる。「制御放出性」とは、薬物が胃を通過するまで薬物の放出が遅れること及び/または薬物が徐放性医薬品として長期間にわたり放出されることを意味する。
制御放出性ポリマーを、1つ以上の制御放出性ポリマーからなる第1コート上にフィルムとして存在させてもよい。第2層は、薬物を水性溶媒中に所望速度で放出させるのに十分な量の制御放出性ポリマーを用いて上記した第1層上にコーティングされる。この実施態様では、制御放出性製剤は、上記した不活性コア、水溶性薬物及び場合により水溶性添加剤を含む不活性層及び制御放出性ポリマーからなる外コアを含む。場合により、この製剤は第1及び/または第2コート中に徐放性ポリマー中に通常存在している他の成分を含有していてもよい。コーティング用の制御放出性ポリマーは水性ラテックス分散液または有機溶媒系中溶液であり得る。
場合により、薬物層と制御放出性コートの間に別のコートを存在させてもよい。或いは、制御放出性コートの上にコートを存在させてもよい。別の実施態様では、両コートを医薬組成物中に存在させる。
本発明の制御放出性ポリマーは、活性成分を適当な量で放出されるようにコントロールするポリマーを指す。このポリマーは、制御放出性剤形を製造するために当業界で慣用されている制御放出性ポリマーであり得る。このポリマーの例には、水不溶性ポリマー、水溶性ポリマー、腸溶性ポリマー等及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明で使用するのに適した水不溶性ポリマーには、セルロース誘導体、例えばエチルセルロース;アクリルポリマー、例えばポリアクリルアミド、ポリアクリルデキストリン、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリメチルメタクリレート及びメタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニル;ポリ塩化ビニル;ポリエチレン等及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。好ましく使用される水不溶性ポリマーはエチルセルロースである。
本発明において水不溶性ポリマーを存在させる場合、水不溶性ポリマーは好ましくは医薬組成物の約2〜約30重量%、より好ましくは約4〜約25重量%、最も好ましくは約6〜約20重量%を占める。
本発明において使用するのに適した水溶性ポリマーには、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、キサンタンゴム、ポリビニルピロリドン(PVP)等及びその混合物(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース+キサンタンゴム)が含まれるが、これらに限定されない。本発明において好ましく使用される水溶性ポリマーはヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。より好ましくは、ポリマーはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。水溶性ポリマーを存在させる場合、水溶性ポリマーは好ましくは医薬組成物の約0.01〜約8重量%、より好ましくは約0.1〜約4重量%、最も好ましくは約0.25〜約2重量%の量で存在させる。
本発明において使用するのに適した腸溶性ポリマーには、フタル酸酢酸セルロース、コハク酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンアクリルコポリマー、メタクリルコポリマー、無水マレイン酸コポリマー、シェラック等及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。腸溶性ポリマーを存在させる場合、腸溶性ポリマーは好ましくは医薬組成物の約2〜約30重量%、より好ましくは約4〜約25重量%、最も好ましくは約6〜約20重量%の量で存在させる。
本発明によると、徐放性ポリマーは1つ以上の上記ポリマーからなり得る。例えば、水溶性ポリマーを単独で使用してもよい。本発明の1実施態様では、エチルセルロースを単独で、または別の水水溶性ポリマー、腸溶性ポリマーまたは不溶性ポリマーと一緒に使用する。水不溶性ポリマーは別の水不溶性ポリマー、腸溶性ポリマーまたは水溶性ポリマーと一緒に使用され得る。最後に、腸溶性ポリマーは別の腸溶性ポリマー、水溶性ポリマーまたは水不溶性ポリマーと一緒に使用され得る。水溶性ポリマーも水不溶性ポリマーと一緒に使用され得る。本発明の別の実施態様では、エチルセルロースをヒドロキシプロピルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースと一緒に使用する。更に、腸溶性ポリマーも単独で使用され得る。本発明の更なる実施態様では、シェラックを単独で使用する。更に、2つのポリアクリレートを使用することができる。本発明の更なる実施態様では、アクリル酸とメタクリレートポリマーの組み合わせを使用する。制御放出性ポリマーコーティングは有機溶媒または水性ラテックス系分散液であり得る。
本発明の制御放出性剤形中の放出を制御するフィルム形成性ポリマーの量は、薬物を所望量及び誘導速度で放出されるように効果的にコントロールするのに十分でなければならない。
本発明の制御放出性剤形の放出制御層は更に1つ以上の可塑剤を含み得る。
本発明で使用される可塑剤は、ポリマー分子を内部変性したり溶媒和することにより最終生成物の可撓性及び強靱性を高めることができる任意の有機分子を指す。本発明において使用するのに適した可塑剤にはフタレート、例えばフタル酸ジブチル;アジペート;セバケート、例えばセバシン酸ジブチル;エチレングリコール;ポリエチレングリコール及びその誘導体;トリクレシルホスフェート;ヒマシ油;シトレート、例えばクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル;トリアセチン;アセチル化モノ−、ジ−及びトリ−グリセリド等;及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明において好ましく使用される可塑剤はフタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル及びクエン酸トリエチルからなる群から選択される。
第2コートを存在させる場合、当業界で慣用されている技術(例えば、流動床コーティングまたはパンコーティング)を用いて第2コートを活性成分を含む第1層上にコーティングすることが好ましい。徐放性ポリマーからなる第2コート中の成分は、適当な水性溶媒(例えば、水、水と有機溶媒の混合物、または有機溶媒と水性分散液の混合物)を含むコーティング溶液中に配合される。
適当な有機溶媒は当業界で慣用されているもの、例えばアルコール(例:エタノール、プロパノールまたはイソプロパノール);ケトン(例:アセトン);及びクロロアルカン(例:ジクロロメタン)である。
加工を促進するために、第1コート及び/または第2コートに1つ以上の慣用されている医薬的に許容され得る賦形剤及び添加剤、例えば消泡剤、増量剤、着色剤、フレーバー、パフューム、甘味料、界面活性剤、滑沢剤、安定化剤、粘着防止剤等及びその混合物を添加してもよい。
例えば、成分を均一に分散させるために1つ以上の粘着防止剤をコーティング溶液中に使用することができる。本発明で使用するのに適した粘着防止剤は当業界で慣用されているものであり、その中にはポリマー電解質、縮合シリケート、ポリホスフェート、キシリン誘導体(例:ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛)、タルク、カオリン、ヒュームドシリカ等及びその混合物が含まれるが、これらに限定されない。好ましい粘着防止剤はタルクまたはシリカであり、これらは光バリヤーとしても作用する。
ビーズ、ビーズ上の第1コート及び場合により存在させる第2コートを含む医薬組成物は、当業界で公知の慣用技術により錠剤、カプセル剤または他の所望の固体1回量剤形に製剤化される。錠剤の場合、円形、卵形、両凹面形、半球形(hemopherical)または多角形(例:正方形、長方形、五角形等)のような適当な形状を取り得る。
上記した技術を用いて作成したビーズは十分な球形であり、均一である。ビーズは殆どコーティングされ得るので、高い薬物濃度を有するビーズが容易に作成され得る。こうすると、高用量の薬物の場合に剤形の大きさを縮小させることができる。薬物濃度の高いビーズを作成する場合、比表面積が少ないので制御放出のためにより少ないコーティングしか必要でない。前記方法により形成された滑らかな表面は制御放出性コーティング層の効果を高める。
本明細書に記載されている方法により、均一にコーティングされたビーズが生成される。徐放性製剤を製造する場合、本発明に従って作成した制御放出性コーティングを施した生成物は、放出速度の点でかなり再現性あり、変動はより少ない。
本明細書で使用する場合、複数は単数を指し、その逆もある。用語「制御放出性ポリマー」及び「持続性ポリマー」は同義語であり、互換可能に使用される。更に、用語「層」及び「コート」も同義語であり、互換可能に使用される。
下記非限定的実施例により本発明を更に説明する。
ベンラファキシン・HCl(1.5g)を水(1.0kg)に溶解させた。この薬物を約50℃でわずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。この過飽和薬物溶液を、入口空気温度30℃、生成物温度22〜25℃及び噴霧空気圧3バールの条件下で流動床コーターを用いて糖ビーズ(糖スフェア#20/25,1.5kg)にスプレーした。
約50℃でわずかに加熱しながらベンラファキシン塩酸塩(1.5g)を水(1.2kg)に溶解させた。この薬物溶液にポリエチレングリコール(PEG3350,0.3kg)を溶解させた。この薬物溶液を、入口空気温度30℃、生成物温度22〜25℃及び噴霧空気圧3バールの条件下で流動床コーターを用いて糖ビーズにスプレーした。
重量が1%増加するまで、実施例2の生成物にヒドロキシプロピルメチルセルロース(10%w/w)を用いてシールコートをコーティングした。重量が10%増加するまで、シールコートを施したビーズにエチルセルロース水性分散液(10%w/w)を用いてコーティングし、重量が1%増加する毎にサンプルを取り出した。
生じた生成物を溶出試験にかけた。溶出試験は水900ml中でUSP II装置を用いて実施した。
実施例1または2の手順を用いて、ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、PEG3350(0.225kg)、HPMC(0.075kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
わずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。PEGを薬物溶液に溶解させた。PEG添加後、HPMCを薬物溶液に溶解させた。
実施例1または2の手順を用いて、ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、PEG3350(0.15kg)、HPMC(0.15kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
わずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。PEGを薬物溶液に溶解させた。PEG添加後、HPMCを薬物溶液に溶解させた。
実施例1または2の手順を用いて、ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、PEG3350(0.075kg)、HPMC(0.225kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
わずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。PEGを薬物溶液に溶解させた。PEG添加後、HPMCを薬物溶液に溶解させた。
実施例1または2の手順を用いて、ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、PEG3350(0.075kg)、HPMC(0.075kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
わずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。PEGを薬物溶液に溶解させた。PEG添加後、HPMCを薬物溶液に溶解させた。
実施例1または2の手順を用いて、ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、PEG3350(0.05kg)、HPMC(0.01kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
わずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。PEGを薬物溶液に溶解させた。PEG添加後、HPMCを薬物溶液に溶解させた。
実施例1または2の手順を用いて、ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、PEG3350(0.1kg)、HPMC(0.05kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
わずかに加熱しながら薬物を水に溶解させた。PEGを薬物溶液に溶解させた。PEG添加後、HPMCを薬物溶液に溶解させた。
ベンラファキシン・HCl(1.5kg)、ツイーン80(0.0075kg)、PEG(0.3kg)及び水(1.2kg)の薬物溶液を調製した。
実施例1または2の手順に従って、加熱しながら薬物を水に溶解させ、その後PEG及びツイーンを薬物溶液に溶解させた。
上記した好ましい実施態様は本発明の範囲及び趣旨を説明するために記載されている。本明細書に記載されている実施態様から当業者には他の実施態様が明白であろう。こうした他の実施態様は本発明の範囲内である。従って、本発明は請求の範囲によってしか限定されない。
Claims (72)
- (a)第1温度では完全に飽和であるが、第1温度より低い第2温度では過飽和である所望量の薬物を含有する過飽和薬物溶液を調製し、
(b)第1温度またはそれ以下であるが第2温度またはそれ以上である温度に維持されている薬物溶液を用いて、第1温度未満であり且つ薬物含有溶液が過飽和状態にある温度である第2温度に維持されている不活性ビーズをコーティングする
ことを含む医薬組成物中に配合するための水溶性薬物をコーティングしたビーズの作成方法。 - (a)第1温度では完全に飽和であるが、第1温度より低い第2温度では過飽和である所望量の薬物を含有する過飽和薬物溶液を調製し、
(b)第1温度またはそれ以下であるが第2温度を越える温度に維持されている薬物溶液を用いて、第1温度未満であり且つ薬物含有溶液が過飽和状態にある温度である第2温度に維持されている不活性ビーズをコーティングし、
(c)医薬有効量の前記薬物を固体1回量剤形に製剤化する
ことを含む水溶性薬物を含む固体1回量剤形の医薬組成物の製造方法。 - コーティングを流動床コーティングにより実施する請求項1または2に記載の方法。
- 水性溶媒が水である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 第1温度が約25〜約80℃の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 第1温度が約30〜約60℃の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 第1温度が約35〜約50℃の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 第2温度が第1温度より約2〜約5℃低い請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 第2温度が第1温度より約11〜約15℃低い請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 第2温度が第1温度より約15℃以上低い請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 第2温度が30℃以下、0℃以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 第2温度が約20〜約25℃である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 第2温度が約20℃未満である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性添加剤を過飽和薬物溶液中に存在させる請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性添加剤がポリエチレングリコール、またはポリエチレングリコールとポリエチレングリコール以外の水溶性揮発性溶媒の混合物である請求項14に記載の方法。
- 水溶性揮発性溶媒がエチルアルコール、イソプロピルアルコール、メタノールまたはアセトンである請求項15に記載の方法。
- 水溶性添加剤がポリエチレングリコールである請求項15に記載の方法。
- ポリエチレングリコールが約800以上の重合度を有している請求項15または17に記載の方法。
- ポリエチレングリコールが1400以上の重合度を有している請求項15または17に記載の方法。
- ポリエチレングリコールが約3000以上の重合度を有している請求項15または17に記載の方法。
- 水溶性添加剤が過飽和溶液中に乾燥重量基準で約2〜約50%(w/w)の濃度で存在している請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性添加剤が過飽和溶液中に乾燥重量基準で約5〜約30%(w/w)の濃度で存在している請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性添加剤が過飽和溶液中に乾燥重量基準で約10〜約25%(w/w)の濃度で存在している請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性添加剤が過飽和溶液中に乾燥重量基準で約20%(w/w)の濃度で存在している請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
- 更に、界面活性剤が過飽和溶液中に存在している請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
- 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である請求項25に記載の方法。
- 界面活性剤が乾燥重量基準で0.01〜約5%(w/w)の量で存在している請求項25または26に記載の方法。
- 薬物の水中溶解度が25℃の水1gあたり約200mg以上である請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
- 薬物の水中溶解度が25℃の水1gあたり約300mg以上である請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
- 薬物の水中溶解度が25℃の水1gあたり約400mg以上である請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法。
- 薬物の水中溶解度が25℃の水1gあたり約500mg以上である請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性添加剤が水溶性ポリマーである請求項14〜31のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンゴム、ポリビニルピロリドンまたはその混合物である請求項32に記載の方法。
- 水溶性添加剤がポリエチレングリコールと水溶性ポリマーの混合物である請求項14に記載の方法。
- ビーズが制御放出性ポリマーからなる第2コートを含む請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
- 制御放出性ポリマーが水不溶性ポリマー、水溶性ポリマーまたは腸溶性ポリマーである請求項35に記載の方法。
- 水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、キサンタンゴムまたはその混合物である請求項36に記載の方法。
- 水不溶性ポリマーがエチルセルロース、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニルまたはその混合物である請求項36に記載の方法。
- 腸溶性ポリマーがフタル酸酢酸セルロース、コハク酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンアクリルコポリマー、メタクリルコポリマー、無水マレイン酸コポリマー、シェラックまたはその混合物である請求項36に記載の方法。
- 水溶性薬物がベンラファキシン・HCl、酒石酸メトプロロール、ジルチアゼム塩、プソイドエフェドリン塩、フェニルトラキサミン、マレイン酸ブロムフェニラミンまたはジフェンヒドラミンである請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性薬物がビーズのコーティング上に約40%(w/w)以上の量で存在している請求項1〜40のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性薬物がビーズのコーティング上に約50%(w/w)以上の量で存在している請求項1〜41のいずれか1項に記載の方法。
- ビーズを水不溶性ポリマー及び水系ラテックス分散液でコーティングする請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法。
- 医薬有効量の水溶性薬物、乾燥重量基準で約2〜約50%(w/w)の量で存在するポリエチレングリコール及びそれに対する薬用担体を含む医薬組成物であって、前記水溶性薬物及びポリエチレングリコールがペレット上にコーティングされている前記医薬組成物。
- ポリエチレングリコールが約800以上の重合度を有している請求項43に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールが約1400以上の重合度を有している請求項43に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールが約3000以上の重合度を有している請求項43に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールが乾燥重量基準で約5〜約30%(w/w)の量で存在している請求項44〜47のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールが乾燥重量基準で約10〜約25%(w/w)の量で存在している請求項44〜48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- ポリエチレングリコールが乾燥重量基準で約20%(w/w)の量で存在している請求項44〜49のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 薬物が約40重量%以上の濃度で存在している請求項44〜50のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 薬物が約50重量%以上の濃度で存在している請求項44〜51のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 薬物が約60重量%以上の濃度で存在している請求項44〜52のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 更に、界面活性剤が存在している請求項44〜53のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 界面活性剤が非イオン性界面活性剤である請求項54に記載の医薬組成物。
- 界面活性剤が乾燥重量基準で約0.1〜約1%(w/w)の量で存在している請求項54または55に記載の医薬組成物。
- 更に、制御放出性ポリマーが存在している請求項44〜56のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 制御放出性ポリマーが水不溶性ポリマー、水溶性ポリマーまたは腸溶性ポリマーである請求項57に記載の医薬組成物。
- 水溶性ポリマーがヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンゴム、ポリビニルピロリドンまたはその混合物である請求項58に記載の医薬組成物。
- 水不溶性ポリマーがエチルセルロース、アクリルポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニルまたはその混合物である請求項58に記載の医薬組成物。
- 腸溶性ポリマーがフタル酸酢酸セルロース、コハク酸酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレンアクリルコポリマー、メタクリルコポリマー、無水マレイン酸コポリマー、シェラックまたはその混合物である請求項58に記載の医薬組成物。
- 水溶性薬物がベンラファキシン・HCl、酒石酸メトプロロール、ジルチアゼム塩、プソイドエフェドリン塩、フェニルトラキサミン、マレイン酸ブロムフェニラミンまたはジフェンヒドラミンである請求項44〜61のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜43のいずれか1項に記載の方法により製造した医薬組成物。
- 薬物が少なくとも33重量%の量で存在し、水の量が少なくとも20重量%である水溶性薬物及び水を含む過飽和溶液。
- 薬物が少なくとも33重量%の量で存在し、水の量が少なくとも30重量%である水溶性薬物及び水を含む請求項64に記載の過飽和溶液。
- 薬物が少なくとも40重量%の量で存在する請求項64または65に記載の過飽和溶液。
- 薬物が少なくとも50重量%の量で存在する請求項64、65または66に記載の過飽和溶液。
- 薬物が少なくとも60重量%の量で存在する請求項64〜67のいずれか1項に記載の過飽和溶液。
- 水溶性薬物がベンラファキシン・HCl、酒石酸メトプロロール、ジルチアゼム塩、プソイドエフェドリン塩、フェニルトラキサミン、マレイン酸ブロムフェニラミンまたはジフェンヒドラミンである請求項64〜68のいずれか1項に記載の過飽和溶液。
- 水溶性薬物がベンラファキシン・HClである請求項1〜43のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性薬物がベンラファキシン・HClである請求項44〜63のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 水溶性薬物がベンラファキシン・HClである請求項64〜69のいずれか1項に記載の過飽和溶液。
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