JP2007500667A5 - - Google Patents
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【書類名】明細書
【発明の名称】水素含有雰囲気下で昇華成長させることによる炭化珪素結晶中の窒素含有量の低下
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
本発明は、炭化珪素結晶中の窒素含有量を制御することに関するものであり、また詳しくは、炭化珪素の昇華成長中の窒素の混入を低下させることに関する。
【0002】
炭化珪素(SiC)は、高温、高電圧、高周波及び高出力の電子デバイスにとって魅力的な電気的及び物理的な特性の組み合わせを有する半導体材料である。これらの特性としては、3.0電子ボルト(eV)のバンドギャップ(6H型ポリタイプに関して)、1センチメートルあたり4メガボルト(MV/cm)の電界絶縁破壊、4.9W/cmKの熱伝導率及び2×107センチメートル/秒(cm/s)の電子ドリフト速度が挙げられる。また、炭化珪素は、ドーピングによって導電性にしたり又は様々な処理技術によって半絶縁性にしたりできるので特に有用である。これらの特性により、炭化珪素は、様々な電子用途で選択される材料である。
【0003】
しかしながら、電子デバイス用の炭化珪素を製造する際に繰り返される問題は、結晶内の元素不純物の制御である。炭化珪素結晶を成長させる際の窒素含有量は、得られる結晶の潜在的用途が窒素含有量によって制限されるので、特に重要である。炭化珪素中へ窒素が混入すると、結晶の色及び結晶の導電性を含む炭化珪素結晶の物性が変化する。これらの物理的変化により、得られる結晶を使用できる用途が制限される。
【0004】
例えば、結晶中の窒素は導電性を付与することができ、そして、その導電性は、多様な電子用途で炭化珪素が適当な特性を有するように制御されなければならない。炭化珪素で作製される様々なデバイスは、正確な電気的応答、例えば電流スイッチング、信号増幅、電力伝達等を提供するために異なる程度の導電性を必要とする。実際には、必要とされる電気的応答を有する炭化珪素結晶は、高度に導電性の結晶から高度に抵抗性(半絶縁)の結晶にまでわたることがある。
【0005】
また、窒素含有量は、光の吸収特性及び透過特性にも影響を及ぼし、而して炭化珪素結晶の色にも影響を及ぼす。この変色は、特定の用途、例えば宝石の成形加工及び発光ダイオードのルミネセンスにおける結晶の有用性に悪影響を及ぼすことがある。
【0006】
而して、研究者は、成長している炭化珪素結晶中に昇華グロースチャンバの雰囲気から移動してくる窒素の量を制御しようとする課題に常に取り組んでいる。例えば、本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第5,718,760号(Carterらに与えられた)には、炭化珪素昇華システムの雰囲気中の窒素濃度を減少させる方法が開示されている。Carter‘760特許は、アルゴンのような不活性ガスでグロースチャンバを裏込めし、次いで、極めて低い圧力まで前記チャンバを排気することによって、窒素を減少させている。
【0007】
結晶成長システムにおける周囲窒素を減少させるための別の技術は、装置それ自体の窒素含有量を最少にする技術である。本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第5,119,540号(Kongらに与えられた)では、結晶成長システムにおける望ましくない窒素の全てではないが殆どが、装置それ自体から漏出してくる窒素ガスであることが開示されている。例えば、グラファイト製の装置は、極めて高温では、クラックするか、又は窒素が漏出するピンホールを発生するので、グラファイト製の装置にトラップされた窒素は、雰囲気中に漏出する場合がある。Kong‘540特許は、窒素濃度が低い材料から作製された製造装置を用いることによって、炭化珪素結晶中への窒素の混入を防止している。而して、Kongの‘540特許は、窒素含有量が低い極めて純粋な装置構成材によって、有害なレベルの窒素で汚染されていない炭化珪素結晶が得られることを教示している。Kong‘540特許は、化学気相堆積システムにおける窒素の最少化を示しているが、本明細書で考察される昇華システムにも同様に関連がある。
【0008】
窒素の濃度を減らすことに加えて、研究者は、炭化珪素結晶中の不可避の窒素含有量による効果も低下させる。例えば、Carter‘760特許は、昇華チャンバ中の背景窒素によって結晶色が望ましくない色となり得ることを認めている。而して、‘760特許は、対応するp型ドーパントで窒素含有量を補償して、窒素の望ましくない効果を最小にするか又は排除する方法を開示している。p型ドーパント及び窒素は、互いに補償し、そしてCarter‘760発明の好ましくは無色の炭化珪素結晶における望ましくない色中心を防止する。
【0009】
また、窒素補償技術は、無作為の窒素ドーピングが炭化珪素結晶の導伝性を支配するのを防止するためにも用いられてきた。本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第6,218,680号(Carterらにも与えられた)は、昇華によって成長させた炭化珪素結晶の窒素含有量を補償する更なる方法を開示している。Carterは、硼素を使用して固有の窒素を補償できることを指摘している。また、Carter‘680は、開示されている昇華プロセスにおいて温度勾配を用いて、炭化珪素結晶中に点欠陥を創出している。Carter‘680技術では、炭化珪素結晶中の望ましくない窒素濃度と、対応するアクセプタードーパント、例えば硼素とをペアにしている。その時、Carter‘680は、過剰なドーパントと、温度によって誘発された点欠陥とをペアにして、所望の半絶縁結晶を生成させている。
【0010】
また、他の研究でも、昇華によって成長させた炭化珪素結晶では無作為の窒素の混入が起こることが認められている。この研究では、開始当初からの窒素の混入を防止する代わりに、望ましくない窒素濃度の効果を最小にする手段に重点を置いている傾向がある。Barrettらに与えられた米国特許第5,611,955号は、その点について説明している。Barrett‘955は、半導体材料中にパナジウムのような元素を注入して、禁制帯エネルギーギャップ(forbidden energy gap)内において深いエネルギー状態(deep energy states)を創出する手段を示している。Barrett‘955の方法は、窒素をトラップし、そして窒素からの電子移動性を妨害することによって、炭化珪素結晶中の窒素含有量を説明している。而して、Barrettは、結晶中に窒素が存在するのを防止する代わりに、窒素の効果を調整することによって、半絶縁性炭化珪素基板を得ている。
【0011】
2つのCarterカーター特許(本明細書で説明され且つ特許請求される発明と共通の譲受人を有する)に記載されている技術は、炭化珪素結晶における窒素混入の効果を最小にするという前記2つの技術のそれぞれの目的にとって有用である。Barrett‘955特許は、更なる元素のドーピングを要求しており、対象の炭化珪素結晶において予測不可能な電気的応答を引き起こすことができる。而して、初期昇華の時点で炭化珪素結晶中への窒素の混入を広範に制御する方法に対するニーズが絶えずある。結晶の初期成長から窒素含有量を制御することによって、補償技術及び関連するプロセス工程を最少限にとどめることができる。窒素の混入を制御すると、特別な目的のために様々な程度の窒素含有量を有する結晶を含むより多様なタイプの結晶を開発できる。
【0012】
発明の概要
本発明者は、昇華グロースチャンバ中に水素含有雰囲気を提供することによって成長炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する昇華プロセスを介して炭化珪素結晶を生成させる方法を開発した。上記したように、炭化珪素の標準的な昇華成長は、アルゴン雰囲気下でしばしば起こる。本明細書で説明される炭化珪素の昇華成長に関する改良の一つは、グロースチャンバ中のアルゴン雰囲気を水素含有雰囲気で置換することである。水素雰囲気によって、成長結晶の窒素含有量の制御及び選択的調整が可能になる。
【0013】
詳細な説明
本発明は、昇華によって成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する方法であり、その方法によって得られる炭化珪素結晶は制御された窒素濃度を有する。本発明の第一の態様では、炭化珪素結晶の成長に使用される昇華グロースチャンバ中に水素雰囲気を導入する。これまでの標準的な昇華システムでは、炭化珪素結晶を成長させる際にはアルゴン雰囲気を使用している。本発明者は、水素雰囲気は、成長炭化珪素結晶の窒素含有量を制御するには、他の雰囲気ガスに比べて有用であることを発見した。
【0014】
本発明の方法は、炭化珪素原料粉末及び炭化珪素種結晶を昇華グロースチャンバに導入することを含む。原料粉末は、その名称が意味しているように、炭化珪素の種結晶によって提供される成長面上で炭化珪素結晶を成長させるために、グロースチャンバ中に炭化珪素種の原料を提供する。米国再発行特許第34,861号には、粉末形態の固体炭化珪素は、一つの好ましい原料物質であることが記載されている。第一の態様の方法は、炭化珪素原料粉末を加熱して、水素雰囲気のグロースチャンバ中で昇華させることを含む。本発明の昇華グロースチャンバの水素雰囲気は、約0.1〜50トルの圧力及び毎分約10〜1000標準立方センチメートル(sccm)の流量で水素ガスをグロースチャンバ中に導入することによって確立する。
【0015】
昇華プロセスでは、グロースチャンバ内の異なる領域において異なる温度制御が必要である。炭化珪素原料粉末を第一温度まで加熱し、その一方で、炭化珪素の種結晶を、原料粉末の温度に近い第二温度まで加熱し且つその温度に保つ。而して、種結晶の温度は、原料粉末の温度に比べて低く、また炭化珪素が昇華する温度に比べても低い。種結晶の温度が低いと、原料粉末からの昇華種の種結晶上での凝縮が促進される。種結晶は、所望の寸法で炭化珪素結晶を製造するための成長面を提供する。
【0016】
種結晶は、好ましくは、得られる成長結晶で望まれるポリタイプにしたがって、炭化珪素の3C型、4H型、6H型及び15R型から選択されるポリタイプを有する。
本発明は、種結晶の成長面と原料粉末との間に熱勾配を維持する。再発行特許第34,861号には、原料粉末と種結晶との間に熱勾配を維持するための様々な手段が記載されている。熱勾配は、例えば、種結晶と原料粉末との間に所望の幾何学的な距離及び温度差を確立することによって達成できる。又は、温度勾配は、炭化珪素粉末が昇華し炭化珪素結晶が成長するグロースチャンバ内の各領域の温度を個別に制御することによって、確立できる。
【0017】
典型的には、炭化珪素原料粉末は、約2000℃〜2500℃の温度に維持する。種結晶は、原料粉末の温度よりも約50℃〜350℃低い温度に維持する。本発明の方法は、炭化珪素結晶成長の所望の量が種結晶で起こるまで、炭化珪素原料粉末を加熱し続けることを含む。
【0018】
グロースチャンバの雰囲気の水素濃度を制御することによって、本発明の方法は、成長炭化珪素結晶に混入する窒素の量を制御するのに役立つ。水素原子は、成長結晶の表面における窒素原子の混入を実質的に遮断するか、減少させるか又は妨害する。本発明者は特定の理論に束縛されたくないが、結晶中の窒素を制御する際の水素の効果は主に2つのメカニズムで説明できる。水素が存在することによって引き起こされる第一のあり得るメカニズムは、窒素原子がSiC結晶格子中に存在できる炭素空格子点の数の減少である。
炭素空格子点のこの減少は、SiC昇華原料から発出する分子種の珪素対炭素比に関する水素の効果に起因する炭素富化方向への結晶組成の変動に由来している。[このメカニズムは、SiC−H2システムの熱力学を論じているいくつかの論文で理論的観点から説明されている(例えば:Lilov,et al,J.Crystal Growth 32(1976)170 Studies of Growth Processes in Silicon Carbide Epitaxial Layers from the Vapor Phase;及びRabeck,et al.,J.Electrochem.Soc.144(1997)1024 Thermodynamic Considerations of the Role of Hydrogen in Sublimation Growth of Silicon Carbideを参照されたい)]。窒素は炭素空格子点において炭素副格子上に組み込まれるので、組み込まれる窒素の量は、炭素空格子点の濃度が低下するときには、減少する。
【0019】
第二のあり得るメカニズムは、炭化珪素成長面が、水素原子によって直接に不動態化され、それによって窒素の混入が防止又は妨害される不動態化メカニズムである。
而して、本発明の方法は、別の態様では、昇華グロースチャンバ中の成長炭化珪素結晶を不動態化して、結晶中に混入できる窒素を制御する方法として適切に説明される。本発明方法の第二の態様は、水素を含む雰囲気ガスをグロースチャンバ中に導入し、次いで、水素雰囲気グロースチャンバ中で炭化珪素原料粉末を加熱して昇華させることを含む。水素雰囲気グロースチャンバ中で、原料粉末を加熱し、それと同時に、炭化珪素の種結晶を、原料粉末の温度を下回る第二の温度まで加熱し且つその温度に維持する。種結晶の温度は、原料粉末から昇華された種が種結晶上で凝縮する程度に充分に低い。加熱、昇華及び凝縮の工程は、所望の量の炭化珪素結晶成長が種結晶上で起こるまで、続けられる。窒素の混入に対して成長炭化珪素結晶を不動態化して、成長炭化珪素結晶中へと混入する窒素の量を制御するのに充分な水素の雰囲気濃度をグロースチャンバで維持する。
【0020】
本発明者は特定の理論に束縛されたくないが、昇華成長される炭化珪素結晶の分野における研究は、グロースチャンバの雰囲気中の水素原子が炭化珪素結晶中の不対電子の数を減少させることを示唆している。Williamsに与えられた米国特許第5,151,384号は、段落番号2、38〜70行目において、珪素化合物に関する水素不動態化の電子対形成を説明し且つ特許請求している。この種の不対電子の減少は、炭化珪素結晶が成長するときに炭化珪素結晶と結合する可能性のある窒素原子数の減少に対応している。水素雰囲気が窒素混入を抑制する物理的メカニズムに関しては他の説明もある。一つの説明は、炭化珪素結晶の水素不動態化とは、本質的には、結晶成長面上に水素原子の層を存在させることであって、その層によって結晶成長面を窒素の混入から保護するというものである。例えば、米国特許第5,709,745号(段落番号26、18〜24行目);米国特許第6,113,451号(段落番号8、38〜44行目);及び米国特許第6,201,342号(段落番号8、33〜39行目)を参照されたい。
【0021】
最後に、1993年3月12日に出願された欧州特許出願第0561462 A2号(段落番号10、42〜48行目)では、炭化珪素結晶粒界の間のすきまを満たし、そこへの窒素を混入させない水素不動態化が説明されている。本発明者は、水素不動態化に関するこれらの説明の特定の一つに依拠しない。本明細書で開示され且つ特許請求される方法は、水素原子と成長炭化珪素結晶との間のこれらの物理的及び化学的な相互作用の組み合わせによって、窒素含有量を制御することに成功している。
【0022】
グロースチャンバへの水素流量を、約0.1〜50トルの圧力下で、約80〜1000sccmに制御することによって、グロースチャンバ中に充分な水素濃度を提供して、所望の結晶を生成させる。前記方法では、1立方センチメートルあたり(cm−3)約2×1015個未満の窒素原子を有する炭化珪素結晶を製造できることが判明した。好ましい実行法では、水素雰囲気によって、約1×1015cm−3個未満の窒素原子を有する炭化珪素結晶が生成される。
【0023】
上記したように、水素雰囲気は、水素を直接流すことによって、グロースチャンバ内に確立できる。別法として、メタンのような炭化水素種を、純粋な水素の代わりにグロースチャンバに導入してもよい。炭化水素種は、昇華中に使用される高い成長温度でクラックする傾向があるので、成長結晶における窒素減少に関して同様の効果がある。クラックした炭化水素種は、主として、水素を生成し、次いで、その水素は、グロースチャンバ中の純粋な水素雰囲気と同じ効果を有すると考えられる。いずれの炭化水素も、原料粉末、種結晶、成長結晶、成長プロセス又は装置に干渉せずに水素を供給するならば、この目的に貢献できる。
【0024】
図1及び図2には、本明細書で説明され且つ特許請求される発明が、混入する窒素を制御しながらの昇華によって、炭化珪素結晶を成長させる分野で有意な進歩に寄与することが例示されている。図1は、通常のアルゴン雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している。図2は、本発明にしたがう水素雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している。
【0025】
背景技術の考察は、図1及び図2に例示されている利点を理解するのに役立つ。前記の図は、炭化珪素結晶のフォトルミネセンススペクトルをプロットしており、特定の波長におけるルミネセンス強度ピークを示している。ルミネセンスのこれらのピークは、考察している炭化珪素結晶の窒素含有量に比例している。Ivanov et al.,Nitrogen Doping Concentration as determined by Photoluminescence in 4H− and 6H−SiC, Journal of Applied Physics,vol.80,no.6,September 15,1996,pp.3504−3508を参照されたい。結晶中の窒素濃度は、中性窒素中心における電子及び正孔の再結合中に生じる電子及び正孔のルミネセンスによって測定できる。
【0026】
電子正孔再結合の研究では、炭化珪素は、間接バンドギャップ半導体として公知である。電子移動に精通している当業者には公知のように、最高価電子帯及び最低伝導帯が同じ運動量状態を有するとき、直接遷移が半導体で起こる。これは、遷移によって生成されたエネルギーが主として且つ効率的に光子の状態をとる(すなわち、熱ではなく光を生成する)ことができるように、結晶内運動量は、電子と正孔との再結合中に容易に保存されることを意味している。最低伝導帯及び最大価電子帯が同じ運動量状態を有していないときは、結晶内運動量を保存するためにフォノン(すなわち振動エネルギーの量子)が必要とされ、その場合の遷移は「間接的」と呼ばれる。第三の粒子、すなわちフォノンの必要性は、間接的な発光性遷移を起こり難くし、それにより結晶の発光効率は低下する。
【0027】
炭化珪素の間接バンドギャップは、正孔及び電子の直接再結合を妨げる。他の粒子から独立している自由励起子の直接非フォノン促進再結合は禁止される。炭化珪素の電子と正孔の再結合では、再結合される電子と正孔との間の運動量の差を説明するためには、既に考察したフォノンの形成が必要である。Ivanovらは、運動量の必要とされる保存を説明するために、電子・正孔励起子は、フォノンに結合することができるか又は結晶中の不純物に結合することができると報告した。Ivanovらによる前掲書pp.3504−3508を参照されたい。再結合のルミネセンス強度は、電子・正孔ペアがフォノンに結合されるか又は窒素のような不純物に結合されるかどうかに左右される。而して、Ivanovらは、 結晶中の不純物の濃度は、不純物とペアになっている電子・正孔再結合のルミネセンス強度と、フォノンと対になっている電子・正孔再結合のルミネセンス強度とを比較することによって、決定できることを示している。
【0028】
本明細書の図1及び図2は、これらの概念を例示しており、また本発明の窒素制御法が成功していることを示している。図は、4H型炭化珪素結晶に関して、相対的ルミネセンス強度対波長をプロットしている。ルミネセンス強度のピークは、Qoで示してあり、結晶中の不純物である窒素原子に結合される電子・正孔再結合の強度に対応している。図中のルミネセンスの低い強度ピークは、フォノンに結合した再結合に対応しており、本明細書の目的にとって最も重要なものはI75と印されている再結合である。I75は、最も強い強度のフォノンで促進された再結合であって、その非対称な線形によって識別できる(Ivanov、前掲書pp.3505)。当業者には公知のように、Qo対I75の比は一定であり、それを用いて、対象の炭化珪素結晶の窒素含有量を外挿することができる(Ivanov、前掲書pp.3508)。
【0029】
図1には、従来のアルゴン雰囲気下での昇華によって成長させた4H型炭化珪素結晶に関するルミネセンス強度がプロットしてある。而して、図1は、昇華によって成長させた炭化珪素における従来技術を示している。得られた炭化珪素結晶の外挿された窒素含有量は窒素原子約3×1015cm−3個である。
【0030】
図2は、本明細書で開示した本発明によって水素雰囲気下で成長させた結晶に対応するルミネセンスデータを示している。スペクトルから分かるように、Qo対I75の比は0.6であり、結晶中の窒素濃度は1立方センチメートルあたり窒素原子3×1014cm−3個である。図2のデータは、昇華グロースチャンバ中に水素雰囲気が存在することによって、結晶中の窒素含有量が約一桁減少することを示している。而して、図2は、グロースチャンバ雰囲気中の水素濃度を用いて、グロースチャンバ中で成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御できることを示している。
【0031】
本明細書では、本発明の典型的な態様を開示し、また、特定の用語を使用したが、それらは一般的且つ説明的な意味で使用したのであって、限定目的で使用したのでない。本発明の範囲は請求の範囲に記載してある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術の通常のアルゴン雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している図である。
【図2】本発明にしたがう水素雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している図である。
【発明の名称】水素含有雰囲気下で昇華成長させることによる炭化珪素結晶中の窒素含有量の低下
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
本発明は、炭化珪素結晶中の窒素含有量を制御することに関するものであり、また詳しくは、炭化珪素の昇華成長中の窒素の混入を低下させることに関する。
【0002】
炭化珪素(SiC)は、高温、高電圧、高周波及び高出力の電子デバイスにとって魅力的な電気的及び物理的な特性の組み合わせを有する半導体材料である。これらの特性としては、3.0電子ボルト(eV)のバンドギャップ(6H型ポリタイプに関して)、1センチメートルあたり4メガボルト(MV/cm)の電界絶縁破壊、4.9W/cmKの熱伝導率及び2×107センチメートル/秒(cm/s)の電子ドリフト速度が挙げられる。また、炭化珪素は、ドーピングによって導電性にしたり又は様々な処理技術によって半絶縁性にしたりできるので特に有用である。これらの特性により、炭化珪素は、様々な電子用途で選択される材料である。
【0003】
しかしながら、電子デバイス用の炭化珪素を製造する際に繰り返される問題は、結晶内の元素不純物の制御である。炭化珪素結晶を成長させる際の窒素含有量は、得られる結晶の潜在的用途が窒素含有量によって制限されるので、特に重要である。炭化珪素中へ窒素が混入すると、結晶の色及び結晶の導電性を含む炭化珪素結晶の物性が変化する。これらの物理的変化により、得られる結晶を使用できる用途が制限される。
【0004】
例えば、結晶中の窒素は導電性を付与することができ、そして、その導電性は、多様な電子用途で炭化珪素が適当な特性を有するように制御されなければならない。炭化珪素で作製される様々なデバイスは、正確な電気的応答、例えば電流スイッチング、信号増幅、電力伝達等を提供するために異なる程度の導電性を必要とする。実際には、必要とされる電気的応答を有する炭化珪素結晶は、高度に導電性の結晶から高度に抵抗性(半絶縁)の結晶にまでわたることがある。
【0005】
また、窒素含有量は、光の吸収特性及び透過特性にも影響を及ぼし、而して炭化珪素結晶の色にも影響を及ぼす。この変色は、特定の用途、例えば宝石の成形加工及び発光ダイオードのルミネセンスにおける結晶の有用性に悪影響を及ぼすことがある。
【0006】
而して、研究者は、成長している炭化珪素結晶中に昇華グロースチャンバの雰囲気から移動してくる窒素の量を制御しようとする課題に常に取り組んでいる。例えば、本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第5,718,760号(Carterらに与えられた)には、炭化珪素昇華システムの雰囲気中の窒素濃度を減少させる方法が開示されている。Carter‘760特許は、アルゴンのような不活性ガスでグロースチャンバを裏込めし、次いで、極めて低い圧力まで前記チャンバを排気することによって、窒素を減少させている。
【0007】
結晶成長システムにおける周囲窒素を減少させるための別の技術は、装置それ自体の窒素含有量を最少にする技術である。本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第5,119,540号(Kongらに与えられた)では、結晶成長システムにおける望ましくない窒素の全てではないが殆どが、装置それ自体から漏出してくる窒素ガスであることが開示されている。例えば、グラファイト製の装置は、極めて高温では、クラックするか、又は窒素が漏出するピンホールを発生するので、グラファイト製の装置にトラップされた窒素は、雰囲気中に漏出する場合がある。Kong‘540特許は、窒素濃度が低い材料から作製された製造装置を用いることによって、炭化珪素結晶中への窒素の混入を防止している。而して、Kongの‘540特許は、窒素含有量が低い極めて純粋な装置構成材によって、有害なレベルの窒素で汚染されていない炭化珪素結晶が得られることを教示している。Kong‘540特許は、化学気相堆積システムにおける窒素の最少化を示しているが、本明細書で考察される昇華システムにも同様に関連がある。
【0008】
窒素の濃度を減らすことに加えて、研究者は、炭化珪素結晶中の不可避の窒素含有量による効果も低下させる。例えば、Carter‘760特許は、昇華チャンバ中の背景窒素によって結晶色が望ましくない色となり得ることを認めている。而して、‘760特許は、対応するp型ドーパントで窒素含有量を補償して、窒素の望ましくない効果を最小にするか又は排除する方法を開示している。p型ドーパント及び窒素は、互いに補償し、そしてCarter‘760発明の好ましくは無色の炭化珪素結晶における望ましくない色中心を防止する。
【0009】
また、窒素補償技術は、無作為の窒素ドーピングが炭化珪素結晶の導伝性を支配するのを防止するためにも用いられてきた。本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第6,218,680号(Carterらにも与えられた)は、昇華によって成長させた炭化珪素結晶の窒素含有量を補償する更なる方法を開示している。Carterは、硼素を使用して固有の窒素を補償できることを指摘している。また、Carter‘680は、開示されている昇華プロセスにおいて温度勾配を用いて、炭化珪素結晶中に点欠陥を創出している。Carter‘680技術では、炭化珪素結晶中の望ましくない窒素濃度と、対応するアクセプタードーパント、例えば硼素とをペアにしている。その時、Carter‘680は、過剰なドーパントと、温度によって誘発された点欠陥とをペアにして、所望の半絶縁結晶を生成させている。
【0010】
また、他の研究でも、昇華によって成長させた炭化珪素結晶では無作為の窒素の混入が起こることが認められている。この研究では、開始当初からの窒素の混入を防止する代わりに、望ましくない窒素濃度の効果を最小にする手段に重点を置いている傾向がある。Barrettらに与えられた米国特許第5,611,955号は、その点について説明している。Barrett‘955は、半導体材料中にパナジウムのような元素を注入して、禁制帯エネルギーギャップ(forbidden energy gap)内において深いエネルギー状態(deep energy states)を創出する手段を示している。Barrett‘955の方法は、窒素をトラップし、そして窒素からの電子移動性を妨害することによって、炭化珪素結晶中の窒素含有量を説明している。而して、Barrettは、結晶中に窒素が存在するのを防止する代わりに、窒素の効果を調整することによって、半絶縁性炭化珪素基板を得ている。
【0011】
2つのCarterカーター特許(本明細書で説明され且つ特許請求される発明と共通の譲受人を有する)に記載されている技術は、炭化珪素結晶における窒素混入の効果を最小にするという前記2つの技術のそれぞれの目的にとって有用である。Barrett‘955特許は、更なる元素のドーピングを要求しており、対象の炭化珪素結晶において予測不可能な電気的応答を引き起こすことができる。而して、初期昇華の時点で炭化珪素結晶中への窒素の混入を広範に制御する方法に対するニーズが絶えずある。結晶の初期成長から窒素含有量を制御することによって、補償技術及び関連するプロセス工程を最少限にとどめることができる。窒素の混入を制御すると、特別な目的のために様々な程度の窒素含有量を有する結晶を含むより多様なタイプの結晶を開発できる。
【0012】
発明の概要
本発明者は、昇華グロースチャンバ中に水素含有雰囲気を提供することによって成長炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する昇華プロセスを介して炭化珪素結晶を生成させる方法を開発した。上記したように、炭化珪素の標準的な昇華成長は、アルゴン雰囲気下でしばしば起こる。本明細書で説明される炭化珪素の昇華成長に関する改良の一つは、グロースチャンバ中のアルゴン雰囲気を水素含有雰囲気で置換することである。水素雰囲気によって、成長結晶の窒素含有量の制御及び選択的調整が可能になる。
【0013】
詳細な説明
本発明は、昇華によって成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する方法であり、その方法によって得られる炭化珪素結晶は制御された窒素濃度を有する。本発明の第一の態様では、炭化珪素結晶の成長に使用される昇華グロースチャンバ中に水素雰囲気を導入する。これまでの標準的な昇華システムでは、炭化珪素結晶を成長させる際にはアルゴン雰囲気を使用している。本発明者は、水素雰囲気は、成長炭化珪素結晶の窒素含有量を制御するには、他の雰囲気ガスに比べて有用であることを発見した。
【0014】
本発明の方法は、炭化珪素原料粉末及び炭化珪素種結晶を昇華グロースチャンバに導入することを含む。原料粉末は、その名称が意味しているように、炭化珪素の種結晶によって提供される成長面上で炭化珪素結晶を成長させるために、グロースチャンバ中に炭化珪素種の原料を提供する。米国再発行特許第34,861号には、粉末形態の固体炭化珪素は、一つの好ましい原料物質であることが記載されている。第一の態様の方法は、炭化珪素原料粉末を加熱して、水素雰囲気のグロースチャンバ中で昇華させることを含む。本発明の昇華グロースチャンバの水素雰囲気は、約0.1〜50トルの圧力及び毎分約10〜1000標準立方センチメートル(sccm)の流量で水素ガスをグロースチャンバ中に導入することによって確立する。
【0015】
昇華プロセスでは、グロースチャンバ内の異なる領域において異なる温度制御が必要である。炭化珪素原料粉末を第一温度まで加熱し、その一方で、炭化珪素の種結晶を、原料粉末の温度に近い第二温度まで加熱し且つその温度に保つ。而して、種結晶の温度は、原料粉末の温度に比べて低く、また炭化珪素が昇華する温度に比べても低い。種結晶の温度が低いと、原料粉末からの昇華種の種結晶上での凝縮が促進される。種結晶は、所望の寸法で炭化珪素結晶を製造するための成長面を提供する。
【0016】
種結晶は、好ましくは、得られる成長結晶で望まれるポリタイプにしたがって、炭化珪素の3C型、4H型、6H型及び15R型から選択されるポリタイプを有する。
本発明は、種結晶の成長面と原料粉末との間に熱勾配を維持する。再発行特許第34,861号には、原料粉末と種結晶との間に熱勾配を維持するための様々な手段が記載されている。熱勾配は、例えば、種結晶と原料粉末との間に所望の幾何学的な距離及び温度差を確立することによって達成できる。又は、温度勾配は、炭化珪素粉末が昇華し炭化珪素結晶が成長するグロースチャンバ内の各領域の温度を個別に制御することによって、確立できる。
【0017】
典型的には、炭化珪素原料粉末は、約2000℃〜2500℃の温度に維持する。種結晶は、原料粉末の温度よりも約50℃〜350℃低い温度に維持する。本発明の方法は、炭化珪素結晶成長の所望の量が種結晶で起こるまで、炭化珪素原料粉末を加熱し続けることを含む。
【0018】
グロースチャンバの雰囲気の水素濃度を制御することによって、本発明の方法は、成長炭化珪素結晶に混入する窒素の量を制御するのに役立つ。水素原子は、成長結晶の表面における窒素原子の混入を実質的に遮断するか、減少させるか又は妨害する。本発明者は特定の理論に束縛されたくないが、結晶中の窒素を制御する際の水素の効果は主に2つのメカニズムで説明できる。水素が存在することによって引き起こされる第一のあり得るメカニズムは、窒素原子がSiC結晶格子中に存在できる炭素空格子点の数の減少である。
炭素空格子点のこの減少は、SiC昇華原料から発出する分子種の珪素対炭素比に関する水素の効果に起因する炭素富化方向への結晶組成の変動に由来している。[このメカニズムは、SiC−H2システムの熱力学を論じているいくつかの論文で理論的観点から説明されている(例えば:Lilov,et al,J.Crystal Growth 32(1976)170 Studies of Growth Processes in Silicon Carbide Epitaxial Layers from the Vapor Phase;及びRabeck,et al.,J.Electrochem.Soc.144(1997)1024 Thermodynamic Considerations of the Role of Hydrogen in Sublimation Growth of Silicon Carbideを参照されたい)]。窒素は炭素空格子点において炭素副格子上に組み込まれるので、組み込まれる窒素の量は、炭素空格子点の濃度が低下するときには、減少する。
【0019】
第二のあり得るメカニズムは、炭化珪素成長面が、水素原子によって直接に不動態化され、それによって窒素の混入が防止又は妨害される不動態化メカニズムである。
而して、本発明の方法は、別の態様では、昇華グロースチャンバ中の成長炭化珪素結晶を不動態化して、結晶中に混入できる窒素を制御する方法として適切に説明される。本発明方法の第二の態様は、水素を含む雰囲気ガスをグロースチャンバ中に導入し、次いで、水素雰囲気グロースチャンバ中で炭化珪素原料粉末を加熱して昇華させることを含む。水素雰囲気グロースチャンバ中で、原料粉末を加熱し、それと同時に、炭化珪素の種結晶を、原料粉末の温度を下回る第二の温度まで加熱し且つその温度に維持する。種結晶の温度は、原料粉末から昇華された種が種結晶上で凝縮する程度に充分に低い。加熱、昇華及び凝縮の工程は、所望の量の炭化珪素結晶成長が種結晶上で起こるまで、続けられる。窒素の混入に対して成長炭化珪素結晶を不動態化して、成長炭化珪素結晶中へと混入する窒素の量を制御するのに充分な水素の雰囲気濃度をグロースチャンバで維持する。
【0020】
本発明者は特定の理論に束縛されたくないが、昇華成長される炭化珪素結晶の分野における研究は、グロースチャンバの雰囲気中の水素原子が炭化珪素結晶中の不対電子の数を減少させることを示唆している。Williamsに与えられた米国特許第5,151,384号は、段落番号2、38〜70行目において、珪素化合物に関する水素不動態化の電子対形成を説明し且つ特許請求している。この種の不対電子の減少は、炭化珪素結晶が成長するときに炭化珪素結晶と結合する可能性のある窒素原子数の減少に対応している。水素雰囲気が窒素混入を抑制する物理的メカニズムに関しては他の説明もある。一つの説明は、炭化珪素結晶の水素不動態化とは、本質的には、結晶成長面上に水素原子の層を存在させることであって、その層によって結晶成長面を窒素の混入から保護するというものである。例えば、米国特許第5,709,745号(段落番号26、18〜24行目);米国特許第6,113,451号(段落番号8、38〜44行目);及び米国特許第6,201,342号(段落番号8、33〜39行目)を参照されたい。
【0021】
最後に、1993年3月12日に出願された欧州特許出願第0561462 A2号(段落番号10、42〜48行目)では、炭化珪素結晶粒界の間のすきまを満たし、そこへの窒素を混入させない水素不動態化が説明されている。本発明者は、水素不動態化に関するこれらの説明の特定の一つに依拠しない。本明細書で開示され且つ特許請求される方法は、水素原子と成長炭化珪素結晶との間のこれらの物理的及び化学的な相互作用の組み合わせによって、窒素含有量を制御することに成功している。
【0022】
グロースチャンバへの水素流量を、約0.1〜50トルの圧力下で、約80〜1000sccmに制御することによって、グロースチャンバ中に充分な水素濃度を提供して、所望の結晶を生成させる。前記方法では、1立方センチメートルあたり(cm−3)約2×1015個未満の窒素原子を有する炭化珪素結晶を製造できることが判明した。好ましい実行法では、水素雰囲気によって、約1×1015cm−3個未満の窒素原子を有する炭化珪素結晶が生成される。
【0023】
上記したように、水素雰囲気は、水素を直接流すことによって、グロースチャンバ内に確立できる。別法として、メタンのような炭化水素種を、純粋な水素の代わりにグロースチャンバに導入してもよい。炭化水素種は、昇華中に使用される高い成長温度でクラックする傾向があるので、成長結晶における窒素減少に関して同様の効果がある。クラックした炭化水素種は、主として、水素を生成し、次いで、その水素は、グロースチャンバ中の純粋な水素雰囲気と同じ効果を有すると考えられる。いずれの炭化水素も、原料粉末、種結晶、成長結晶、成長プロセス又は装置に干渉せずに水素を供給するならば、この目的に貢献できる。
【0024】
図1及び図2には、本明細書で説明され且つ特許請求される発明が、混入する窒素を制御しながらの昇華によって、炭化珪素結晶を成長させる分野で有意な進歩に寄与することが例示されている。図1は、通常のアルゴン雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している。図2は、本発明にしたがう水素雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している。
【0025】
背景技術の考察は、図1及び図2に例示されている利点を理解するのに役立つ。前記の図は、炭化珪素結晶のフォトルミネセンススペクトルをプロットしており、特定の波長におけるルミネセンス強度ピークを示している。ルミネセンスのこれらのピークは、考察している炭化珪素結晶の窒素含有量に比例している。Ivanov et al.,Nitrogen Doping Concentration as determined by Photoluminescence in 4H− and 6H−SiC, Journal of Applied Physics,vol.80,no.6,September 15,1996,pp.3504−3508を参照されたい。結晶中の窒素濃度は、中性窒素中心における電子及び正孔の再結合中に生じる電子及び正孔のルミネセンスによって測定できる。
【0026】
電子正孔再結合の研究では、炭化珪素は、間接バンドギャップ半導体として公知である。電子移動に精通している当業者には公知のように、最高価電子帯及び最低伝導帯が同じ運動量状態を有するとき、直接遷移が半導体で起こる。これは、遷移によって生成されたエネルギーが主として且つ効率的に光子の状態をとる(すなわち、熱ではなく光を生成する)ことができるように、結晶内運動量は、電子と正孔との再結合中に容易に保存されることを意味している。最低伝導帯及び最大価電子帯が同じ運動量状態を有していないときは、結晶内運動量を保存するためにフォノン(すなわち振動エネルギーの量子)が必要とされ、その場合の遷移は「間接的」と呼ばれる。第三の粒子、すなわちフォノンの必要性は、間接的な発光性遷移を起こり難くし、それにより結晶の発光効率は低下する。
【0027】
炭化珪素の間接バンドギャップは、正孔及び電子の直接再結合を妨げる。他の粒子から独立している自由励起子の直接非フォノン促進再結合は禁止される。炭化珪素の電子と正孔の再結合では、再結合される電子と正孔との間の運動量の差を説明するためには、既に考察したフォノンの形成が必要である。Ivanovらは、運動量の必要とされる保存を説明するために、電子・正孔励起子は、フォノンに結合することができるか又は結晶中の不純物に結合することができると報告した。Ivanovらによる前掲書pp.3504−3508を参照されたい。再結合のルミネセンス強度は、電子・正孔ペアがフォノンに結合されるか又は窒素のような不純物に結合されるかどうかに左右される。而して、Ivanovらは、 結晶中の不純物の濃度は、不純物とペアになっている電子・正孔再結合のルミネセンス強度と、フォノンと対になっている電子・正孔再結合のルミネセンス強度とを比較することによって、決定できることを示している。
【0028】
本明細書の図1及び図2は、これらの概念を例示しており、また本発明の窒素制御法が成功していることを示している。図は、4H型炭化珪素結晶に関して、相対的ルミネセンス強度対波長をプロットしている。ルミネセンス強度のピークは、Qoで示してあり、結晶中の不純物である窒素原子に結合される電子・正孔再結合の強度に対応している。図中のルミネセンスの低い強度ピークは、フォノンに結合した再結合に対応しており、本明細書の目的にとって最も重要なものはI75と印されている再結合である。I75は、最も強い強度のフォノンで促進された再結合であって、その非対称な線形によって識別できる(Ivanov、前掲書pp.3505)。当業者には公知のように、Qo対I75の比は一定であり、それを用いて、対象の炭化珪素結晶の窒素含有量を外挿することができる(Ivanov、前掲書pp.3508)。
【0029】
図1には、従来のアルゴン雰囲気下での昇華によって成長させた4H型炭化珪素結晶に関するルミネセンス強度がプロットしてある。而して、図1は、昇華によって成長させた炭化珪素における従来技術を示している。得られた炭化珪素結晶の外挿された窒素含有量は窒素原子約3×1015cm−3個である。
【0030】
図2は、本明細書で開示した本発明によって水素雰囲気下で成長させた結晶に対応するルミネセンスデータを示している。スペクトルから分かるように、Qo対I75の比は0.6であり、結晶中の窒素濃度は1立方センチメートルあたり窒素原子3×1014cm−3個である。図2のデータは、昇華グロースチャンバ中に水素雰囲気が存在することによって、結晶中の窒素含有量が約一桁減少することを示している。而して、図2は、グロースチャンバ雰囲気中の水素濃度を用いて、グロースチャンバ中で成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御できることを示している。
【0031】
本明細書では、本発明の典型的な態様を開示し、また、特定の用語を使用したが、それらは一般的且つ説明的な意味で使用したのであって、限定目的で使用したのでない。本発明の範囲は請求の範囲に記載してある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術の通常のアルゴン雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している図である。
【図2】本発明にしたがう水素雰囲気下で成長させた4H型炭化珪素結晶に対応する低温フォトルミネセンススペクトルを示している図である。
Claims (8)
- 以下の工程、すなわち、
(i)0.1〜50トル(1.3×10 1 〜6.6×10 3 Pa)の圧力及び毎分10〜1000標準立方センチメートルの流量で、昇華グロースチャンバ中に雰囲気ガスを導入する工程、ここで該雰囲気ガスは水素を含む、
(ii)該水素雰囲気グロースチャンバ中で炭化珪素原料粉末を加熱して昇華させ、一方、該水素雰囲気グロースチャンバ中で、炭化珪素種結晶を、該原料粉末の温度を下回る第二の温度まで加熱し且つ維持して、該第二の温度で、該原料粉末からの昇華種を該種結晶上で凝縮させる工程、及び
(iii)炭化珪素結晶成長の所望の量が該種結晶で起こるまで、該炭化珪素原料粉末を加熱し続け、一方、該グロースチャンバの該雰囲気中の水素濃度を制御することによって、該成長炭化珪素結晶中に混入される窒素の量を減少させる工程
を含む、昇華によって成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する方法。 - 混入された窒素の量を減少させる工程が、窒素の混入に対して成長炭化珪素結晶を不動態化するのに充分な濃度にグロースチャンバ中の水素雰囲気の濃度を維持し、それによって該成長炭化珪素結晶中に混入される窒素の量を減少させることを含む請求項1記載の昇華によって成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する方法。
- 以下の工程、すなわち、
(i)炭化珪素原料粉末を加熱して昇華させ、一方、炭化珪素種結晶を、該原料粉末の温度を下回る温度まで加熱し且つ維持して、該温度で、該原料粉末から昇華された化学種を該種結晶上で凝縮させて、炭化珪素結晶の成長面を連続的に広げる工程、及び
(ii)0.1〜50トル(1.3×10 1 〜6.6×10 3 Pa)の圧力及び毎分10〜1000標準立方センチメートルの流量で雰囲気ガスをグロースチャンバ中に導入して、得られる炭化珪素結晶中への該雰囲気からの窒素混入を制御することによる、水素原子で該炭化珪素成長面を不動態化する工程、ここで該雰囲気ガスは水素を含む、
を含む、該グロースチャンバにおける昇華によって成長される炭化珪素結晶の窒素含有量を制御する方法。 - 該グロースチャンバに炭化水素種を導入して、該水素雰囲気を確立する工程を含む請求項1又は請求項2又は請求項3記載の方法。
- 該炭化珪素原料粉末を2000℃〜2500℃の温度に維持し、そして、該種結晶を、該原料粉末の温度よりも50℃〜350℃低い温度に維持する工程を含む請求項1又は請求項2又は請求項3記載の方法。
- 炭化珪素の3C、4H、6H及び15R型のポリタイプからなる群から選択されるポリタイプを有する種結晶を加熱する工程を含む請求項1又は請求項2又は請求項3記載の方法。
- 水素で不動態化されており、1立方センチメートルあたり窒素原子が2×1015個未満の窒素濃度を有する請求項1又は請求項2又は請求項3記載の方法によって生成される半絶縁性炭化珪素結晶。
- 水素で不動態化されており、1立方センチメートルあたり窒素原子が1×1015個未満の窒素濃度とを有する請求項1又は請求項2又は請求項3記載の方法によって生成される半絶縁性炭化珪素結晶。
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