JP2007336626A - モータ駆動装置、圧縮機駆動装置及びモータ駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動するモータに適した起動電圧条件を決定し、モータの起動及び駆動を行うことができるモータ駆動装置、このモータ駆動装置及びモータを備えて、圧縮機に適した起動電圧条件で圧縮機の起動及び駆動を行うことができる圧縮機駆動装置、及びモータに適した起動電圧条件でモータの起動及び駆動を行うことができるモータ駆動方法を提供する。
【解決手段】制御回路24は、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値に対応する印加電圧条件を予め記憶しており、電流検出回路23にて検出された電流値に基づいて巻線11u、11v、11wの抵抗値を算出し、抵抗値及び印加電圧条件を基に起動電圧条件を決定し、インバータ回路22を制御してモータ10を起動する。また、決定した起動電圧条件でモータ10を駆動した場合の電流値を電流検出回路23にて検出し、この電流値が所定範囲に収まるように起動電圧条件を補正する。
【選択図】図1
【解決手段】制御回路24は、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値に対応する印加電圧条件を予め記憶しており、電流検出回路23にて検出された電流値に基づいて巻線11u、11v、11wの抵抗値を算出し、抵抗値及び印加電圧条件を基に起動電圧条件を決定し、インバータ回路22を制御してモータ10を起動する。また、決定した起動電圧条件でモータ10を駆動した場合の電流値を電流検出回路23にて検出し、この電流値が所定範囲に収まるように起動電圧条件を補正する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば3相ブラシレスモータのようなモータの起動及び駆動等を行うモータ駆動装置、空気調和機又は冷蔵庫等の機器に搭載された圧縮機を駆動する圧縮機駆動装置、並びにモータの起動及び駆動等を行うモータ駆動方法に関する。
空気調和機又は冷蔵庫等の機器には、空気を圧縮して空気の温度を低下させるための圧縮機が搭載されている。圧縮機はモータからの原動力により圧縮動作を行うようにしてあり、モータには例えば3相のブラシレスモータが用いられる。ブラシレスモータを駆動する場合、モータの回転子の位置を検出して各相の巻線への通電を切り替える必要があるが、回転子の位置を検出する方法として、ホール素子などのセンサを用いて位置を検出する方式と、回転子の回転に伴ってモータの巻線に発生する誘起電圧を基に位置を検出するセンサレス方式とがある。センサレス方式は、ホール素子を用いないため、ホール素子による温度制限を受けることがないなどの利点があり、空気調和機又は冷蔵庫等の圧縮機を動作させるブラシレスモータの駆動方式として広く利用されている。
しかし、センサレス方式でブラシレスモータを駆動する場合、起動時にはモータの回転子が停止した状態から回転子を回転させる必要があり、回転子が停止した状態では誘起電圧が発生しないため、回転子の位置を検出することができない。このため、起動時には予め定められた起動条件でモータの巻線へ通電し、回転子の回転が安定した後で上述のセンサレス方式での駆動に切り替えるようにしてある。
このような方法でブラシレスモータの起動及び駆動を行った場合、起動後のわずかな時間に回転子が不安定な回転を行う期間が存在し、この期間にモータの巻線に大電流が流れる虞がある。モータの巻線に大電流が流れた場合には、モータ又はモータを駆動する回路が搭載された回路基板等が破壊される虞がある。このため、モータを駆動する駆動装置には、モータの巻線に一定以上の電流が流れた場合に、モータの駆動を停止する保護機能が備えられている。よって、起動時にモータの巻線に流れる電流が大きすぎるとモータを起動することができない虞があり、また、モータの巻線に流れる電流が小さすぎると、回転子を十分な速度で回転させることができず、誘起電圧を基に駆動を行う上述のセンサレス方式での駆動に切り替えることができない虞があるため、起動時にモータの巻線へ通電を行う起動条件は、各種の試験又は測定等の結果を基に、確実に回転子を回転させることができる条件を決定する必要がある。
特許文献1においては、ブラシレスモータの電機子巻線の温度に応じた複数の起動パターンを予め記憶しておき、ブラシレスモータの起動に際して、ブラシレスモータの周囲温度を温度センサにより検出し、検出した周囲温度に応じて起動パターンを選択し、選択した起動パターンに従ってインバータ部へ制御信号を出力してブラシレスモータを起動するブラシレスモータの制御方法が提案されている。この制御方法では、ブラシレスモータの電機子巻線の温度変化にかかわらず、過電流による異常停止が発生することがなく、ブラシレスモータを適切に起動することができる。
特許文献2においては、空気調和機において、暖房時には室外交換機の温度を温度センサにより検出し、冷房時には室内交換機の温度又は圧縮機の駆動用のインバータ回路に設けられたヒートシンクの温度を温度センサにより検出し、検出した温度を圧縮機の内部又は外部温度とみなし、この温度に応じて起動電圧及び起動V/F特性を補正しつつ圧縮機を起動する圧縮機の駆動制御方法が提案されている。この駆動制御方法により、圧縮機を安定に起動し、且つ、過電流による素子負担を緩和することができる。
特開平9−312996号公報
特開平11−62843号公報
しかしながら、空気調和機又は冷蔵庫等の圧縮機をブラシレスモータにより駆動する場合、駆動する圧縮機の種類又は特性等により最適なモータの起動条件が異なる。よって、例えば、空気調和機又は冷蔵庫を修理した際に、圧縮機の交換を行った場合、特に種類の異なる圧縮機に交換した場合には、予め決定された起動条件が適切な条件である補償はなく、モータを起動することができない虞がある。モータの交換を行った場合にも適切な起動条件が不明であるため、モータを起動することができない虞がある。また、例えば、製品開発の段階で、新たな圧縮機を製品に組み込んで試験的に動作させる場合、新たな圧縮機での起動条件が不明であるため、モータを起動することができない虞がある。新たなモータを製品に組み込んで試験的に動作させる場合にも、新たなモータの起動条件が不明であるため、モータを起動することができない虞がある。
また、特許文献1に記載のブラシレスモータの制御方法及び特許文献2に記載の圧縮機の駆動制御方法は、ブラシレスモータ又は圧縮機の周囲温度の変化に応じて、適切な起動条件を決定することを目的としたものであり、定常温度での最適な起動条件が決定されていることが前提であり、圧縮機又はモータを交換した場合などの上述の問題を解決し得るものではない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、モータの巻線の抵抗値、インダクタンス若しくは容量等の特性値又は巻線を流れる電流の量若しくは巻線に加わる電圧の量等の電気量に対応するモータの印加電圧条件を予め記憶しておき、モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量と記憶した印加電圧条件とを基に、モータの起動電圧条件を決定して起動する構成とすることにより、駆動するモータに適した起動電圧条件を決定し、モータの起動及び駆動を行うことができるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、起動電圧条件を決定するための特性値として、モータの巻線を流れる電流値から算出された巻線の抵抗値を用いる構成とすることにより、駆動するモータの特性に応じた起動電圧条件を簡単に決定してモータの起動及び駆動を行うことができるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、決定する起動電圧条件を、モータに印加するパルス電圧のデューティ比とすることにより、PWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)方式でモータを起動及び駆動するための条件を決定できるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、起動電圧条件が未決定の場合には起動電圧条件の決定を行い、起動電圧条件が決定されている場合には、起動電圧条件の決定を行わずに記憶した起動電圧条件に基づいてモータの起動及び駆動を行う構成とすることにより、起動電圧条件を一度決定した後は起動電圧条件の決定を行う必要がなく、起動を高速に行うことができるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、起動電圧条件の決定を行う指示を受け付けた場合には、既に起動電圧条件を記憶している場合であっても、起動電圧条件の決定を再度行う構成とすることにより、ユーザ、設計者又は修理者等により適切な起動電圧条件の決定を再度行わせることができるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、外部から入力された起動電圧条件を記憶し、この起動電圧条件に基づいてモータの起動を行う構成とすることにより、ユーザ、設計者又は修理者等が起動電圧条件を試験的に変更してモータの起動及び駆動を行うことができるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、モータを起動した後に、モータの巻線を流れる電流を検出し、電流量が所定範囲外の場合には、起動電圧条件を補正する構成とすることにより、モータが駆動する圧縮機などの負荷に応じて、起動電圧条件が最適なものとなるように補正することができるモータ駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、上述のいずれか1つのモータ駆動装置によりモータを駆動し、モータにより圧縮機を駆動する構成とすることにより、モータ又は圧縮機の特性に適した起動電圧条件を決定し、圧縮機の起動及び駆動を行うことができる圧縮機駆動装置を提供することにある。
また本発明の他の目的とするところは、モータの特性値又は電気量に対応するモータの印加電圧条件を予め記憶しておき、モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量と記憶した印加電圧条件とを基に、モータの起動電圧条件を決定して起動することにより、駆動するモータに適した起動電圧条件を決定し、モータの起動及び駆動を行うことができるモータ駆動方法を提供することにある。
本発明に係るモータ駆動装置は、モータに起動電圧を印加して起動し、前記モータを駆動するモータ駆動装置において、前記モータの特性値又は電気量に対応付けて、前記モータへの印加電圧条件を記憶した記憶手段と、前記モータの特性値又は電気量を検出する検出手段と、該検出手段が検出した特性値又は電気量、及び前記記憶手段が記憶した印加電圧条件を基に、前記モータの起動電圧条件を決定する決定手段と、該決定手段が決定した起動電圧条件に基づいて前記モータに起動電圧を印加し、前記モータを起動する起動手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、モータの巻線の抵抗値、インダクタンス若しくは容量等の特性値、又は巻線を流れる電流の量若しくは巻線に加わる電圧の量等の電気量に対応するモータの印加電圧条件を予め記憶しておく。モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量と記憶した印加電圧条件とを基に、モータに適した起動電圧条件を決定する。決定した起動電圧条件に応じてモータを起動し、モータを駆動する。モータの特性値又は電気量からモータの性能などがわかり、モータを起動した場合に流れる電流の量を推定できるため、モータに大電流が流れることなく且つモータを確実に起動できる印加電圧条件を、モータの特性値又は電気量毎に予め記憶しておくことによって、モータを適切に起動することができる。
また、本発明に係るモータ駆動装置は、前記検出手段が、予め定められた電圧を印加する電圧印加手段と、該電圧印加手段が電圧を印加した場合に、前記モータの巻線を流れる電流を検出する電流検出手段とを有し、前記電圧及び前記電流に基づいて、前記巻線の抵抗値を検出するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、モータを起動する前に、予め定められた電圧をモータに印加し、モータの巻線を流れる電流を検出する。このときの電圧及び電流からモータの巻線の抵抗値を検出することができ、検出した巻線の抵抗値に基づいて起動電圧条件を決定する。巻線の抵抗値を検出することによって、モータの特性を簡単に取得することができる。
また、本発明に係るモータ駆動装置は、前記起動手段が、パルス電圧を印加して前記モータを起動するようにしてあり、前記決定手段は、前記パルス電圧のデューティ比を決定するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、モータをPWM方式で駆動し、モータの特性値又は電気量から決定する起動電圧条件を、モータに印加するパルス電圧のデューティ比とする。モータをPWM方式で駆動する場合には、モータに印加する電圧のパルス幅、即ちデューティ比を調整することによって、モータのトルク又は回転速度等を制御するため、適切なデューティ比を決定することで、モータの起動を適切に行うことができる。
また、本発明に係るモータ駆動装置は、前記決定手段が決定した起動電圧条件を記憶する決定条件記憶手段を備え、前記決定手段は、前記決定条件記憶手段が起動電圧条件を記憶していない場合に起動電圧条件の決定を行うようにしてあり、前記起動手段は、前記決定条件記憶手段が起動電圧条件を記憶している場合には、前記決定条件記憶手段が記憶した起動電圧条件に基づいて前記モータを起動するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、モータの特性値又は電気量及び印加電圧条件から決定した起動電圧条件を記憶する。モータを再度起動するときに、既に起動電圧条件が決定されて記憶されている場合には、記憶した起動電圧条件を読み出して、この起動電圧条件に基づいてモータを起動する。起動電圧条件が記憶されていない場合には、上述のようにモータの特性値又は電気量及び印加電圧条件から起動電圧条件を決定する。起動電圧条件を一度決定した後は、モータ又はモータが駆動する駆動対象の構成が変更されることは少なく、同じ起動電圧条件で起動することができる可能性が高いため、決定した起動電圧条件を記憶しておくことによって、起動時間を短縮できる。
また、本発明に係るモータ駆動装置は、前記決定条件記憶手段が起動電圧条件を記憶している場合に、前記決定手段により起動電圧条件の決定を行う指示を受け付ける受付手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、モータの起動電圧条件の決定をユーザ、設計者又は修理者等が指示し、これを受け付けたモータ駆動装置は、既に起動電圧条件が記憶されている場合であっても、起動電圧条件の決定を再度行う。これにより、例えば、モータ又はモータが駆動する駆動対象の構成を変更した場合に、変更後の構成に最適な起動電圧条件を決定できる。
また、本発明に係るモータ駆動装置は、前記決定条件記憶手段が記憶する起動電圧条件の外部からの入力を受け付ける受付手段を備えることを特徴とする。
本発明においては、モータの起動電圧条件をユーザ、設計者又は修理者等が直接入力し、これを受け付けたモータ駆動装置は入力された起動電圧条件を基にモータを起動する。例えば、モータ又はモータが駆動する駆動対象の構成を変更した場合であっても、最適な起動電圧条件が既に判明している場合、又は設計者が起動電圧条件を変更して装置の評価を行う場合等に起動電圧条件を直接入力することができる。
また、本発明に係るモータ駆動装置は、前記起動手段により起動された前記モータの巻線を流れる電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段が検出した電流の量が所定範囲内であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段が所定範囲外であると判定した場合に、起動電圧条件を補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
本発明においては、決定した起動電圧条件にてモータを起動し、その後にモータの巻線を流れる電流の量を検出する。検出した電流量が所定範囲内であるか否かを調べ、所定範囲外の場合には起動電圧条件を補正する。電流量が所定範囲内となるまで電流量の検出及び起動電圧条件の補正を繰り返し行う。モータの特性が同じであっても、モータが駆動する圧縮機などの駆動対象の特性が異なる場合には、最適な起動電圧条件が異なるため、起動後の電流量に応じて起動電圧条件を補正することによって、駆動対象の特性に適した起動電圧条件を得ることができる。
また、本発明に係る圧縮機駆動装置は、上述のいずれか1つのモータ駆動装置と、該モータ駆動装置により駆動されるモータとを備え、前記モータにより圧縮機を駆動するようにしてあることを特徴とする。
本発明においては、上述のいずれか1つのモータ駆動装置によりモータを駆動し、モータにより圧縮機を駆動する。上述の構成により、モータ又は圧縮機の特性に適した起動電圧条件を決定し、圧縮機の起動を行うことができる。
また、本発明に係るモータ駆動方法は、モータに起動電圧を印加して起動し、前記モータを駆動するモータ駆動方法において、前記モータの特性値又は電気量に対応付けて、前記モータへの印加電圧条件を予め記憶しておき、前記モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量、及び記憶した印加電圧条件を基に、前記モータの起動電圧条件を決定し、決定した起動電圧条件に基づいて前記モータに起動電圧を印加し、前記モータを起動することを特徴とする。
本発明においては、モータの特性値又は電気量に対応するモータの印加電圧条件を予め記憶しておく。モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量と記憶した印加電圧条件とを基に、モータの起動電圧条件を決定する。モータに大電流が流れることなく且つモータを確実に起動できる起動電圧条件を、モータの特性値又は電気量毎に予め記憶しておくことによって、モータを適切に起動することができる。
本発明による場合は、モータの特性値又は電気量に対応するモータの印加電圧条件を予め記憶しておき、モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量と記憶した印加電圧条件とを基に、モータの起動電圧条件を決定して起動する構成とすることにより、モータに過電流が流れて又は電流が不足して起動に失敗するなどの虞がなく、最適な起動電圧条件でモータの起動及び駆動を行うことができる。また、モータの起動電圧条件を自動的に決定するため、ユーザ、設計者又は修理者等が起動電圧条件を設定する必要がない。よって、モータ駆動装置の信頼性及び利便性を向上することができる。
また、本発明による場合は、起動電圧条件を決定するための特性値として、モータの巻線を流れる電流値から算出された巻線の抵抗値を用いる構成とすることにより、巻線の抵抗値からモータの特性を簡単に取得することができ、モータの特性に応じた起動電圧条件の決定を簡単に行うことができる。よって、この機能をモータ駆動装置に搭載することによるコストの増加を抑制することができる。
また、本発明による場合は、モータの特性値又は電気量から決定する起動電圧条件を、モータに印加するパルス電圧のデューティ比とすることにより、PWM方式によるモータの駆動に適した起動電圧条件を決定することができる。
また、本発明による場合は、モータの特性値又は電気量及び印加電圧条件から決定した起動電圧条件を記憶しておき、モータを再度起動するときに、既に起動電圧条件が決定されて記憶されている場合には、記憶した起動電圧条件を読み出して、この起動電圧条件に基づいてモータを起動する構成とすることにより、2度目以降のモータの起動を高速化することができるため、モータ駆動装置の利便性を高めることができる。
また、本発明による場合は、起動電圧条件の決定を行う指示を受け付け、起動電圧条件の決定を再度行う構成とすることにより、モータ又はモータが駆動する駆動対象の構成を変更した場合に、ユーザ、設計者又は修理者等が指示を与えることにより、変更後の構成に最適な起動電圧条件を決定できるため、モータ駆動装置の利便性を高めることができる。
また、本発明による場合は、外部から入力された起動電圧条件を記憶し、この起動電圧条件に基づいてモータの起動を行う構成とすることにより、モータ又はモータが駆動する駆動対象の構成を変更した場合であっても、最適な起動電圧条件が既に判明している場合、又は設計者が起動電圧条件を変更して装置の評価を行う場合等に、ユーザ、設計者又は修理者等が起動電圧条件を直接入力することができるため、モータ駆動装置の利便性を高めることができる。
また、本発明による場合は、決定した起動電圧条件にてモータを起動し、その後にモータの巻線を流れる電流の量を検出し、電流量が所定範囲外の場合には、起動電圧条件を補正する構成とすることにより、モータが駆動する圧縮機などの駆動対象の特性に応じて起動電圧条件を補正することができるため、より確実にモータの起動を行うことができ、モータ駆動装置の信頼性を高めることができる。
また、本発明による場合は、上述のいずれか1つのモータ駆動装置によりモータを駆動し、モータにより圧縮機を駆動する構成とすることにより、モータ又は圧縮機の特性に適した起動電圧条件を決定して圧縮機の起動及び駆動を行うことができるため、圧縮機駆動装置の信頼性を高めることができる。
また、本発明による場合は、モータの特性値又は電気量に対応するモータの印加電圧条件を予め記憶しておき、モータの特性値又は電気量を検出し、検出した特性値又は電気量と記憶した印加電圧条件とを基に、モータの起動電圧条件を決定して起動することにより、最適な起動電圧条件でモータの起動及び駆動を行うことができ、また、モータの起動電圧条件を自動的に決定するため、モータの起動及び駆動の信頼性を向上することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。図1は、本発明に係る圧縮機駆動装置の構成を示すブロック図である。図において1は、モータ10及びこれを回転駆動するモータ駆動回路20を搭載し、モータ10の回転により圧縮機5を駆動する圧縮機駆動装置である。圧縮機駆動装置1は例えば空気調和機の室外機に搭載されるものであり、空気調和機は、圧縮機駆動装置1により圧縮機5を駆動することによって空気の冷却を行い、冷却された空気を室外機から室内機へ循環し、室内へ放出することによって、温度調整を行うようにしてある。
圧縮機5は、気体を吸い込んで吐出する間に、一定の圧力まで気体を圧縮する機械であり、モータ10の回転によりピストン若しくはシリンダー等を往復運動させて、又はローターあるいは羽根車等を回転運動させて、空気の圧縮を行うようにしてある。空気調和機には圧縮機5の他に、凝縮器、膨張弁及び蒸発器等が搭載されており、これらにより冷凍サイクルを構成し、空気の冷却を行うようにしてある。
モータ10は、U相、V相、W相の3相を有するブラシレスモータであり、例えば永久磁石が設けられた回転子と、3つの巻線11u、11v、11wが設けられた固定子とを備えている。モータ10の回転子の一端は圧縮機5に連結され、圧縮機5へモータ10の回転による動力を与えるようにしてある。3つの巻線11u、11v、11wは、それぞれの一端が共通に接続されたスター結線の回路構成をなしており、各巻線の他端がモータ10の3つの入力端子に接続され、モータ駆動回路20から入力端子に電圧が印加されて、モータ10が回転駆動されるようにしてある。
モータ駆動回路20は、コンバータ回路21、インバータ回路22、電流検出回路23及び制御回路24を備えている。コンバータ回路21は、商用交流電源50から与えられる交流電圧を直流電圧に変換するものであり、図示しない整流回路、平滑回路及び力率改善回路等を内部に有している。整流回路は、例えば4つのダイオードをブリッジ接続した回路構成をなしており、商用交流電源50からの交流電圧を脈流と呼ばれる波打った直流電圧に変換する。整流回路の出力は、平滑コンデンサなどで構成された平滑回路により平滑化されて直流電圧としてインバータ回路22へ出力されるが、このような整流回路及び平滑回路により変換された直流電圧は、電流波形がパルス状となり力率が悪いため、これを力率改善回路により改善するようにしてある。
図2は、インバータ回路22の一構成例を示す回路図である。インバータ回路22は、6つのトランジスタQ1〜Q6と、6つの逆流防止用のダイオードD1〜D6とで構成されており、また、端子21a及び21bにはコンバータ回路21から直流電圧が与えられ、端子24a〜24fには制御回路24からの制御信号が与えられている。なお、端子21aにコンバータ回路21の出力電圧の高電位側が供給され、端子21bに低電位側が供給されるようにしてある。
トランジスタQ1及びQ2は端子21a及び21bの間に直列に接続されており、トランジスタQ1及びQ2の間の電位がモータ10の巻線11wへ印加されるようにしてある。トランジスタQ1にはダイオードD1が並列に接続され、トランジスタQ2にはダイオードD2が並列に接続されている。同様に、トランジスタQ3及びQ4は端子21a及び21bの間に直列に接続されており、トランジスタQ3及びQ4の間の電位がモータ10の巻線11vへ印加されるようにしてある。トランジスタQ3にはダイオードD3が並列に接続され、トランジスタQ4にはダイオードD4が並列に接続されている。トランジスタQ5及びQ6は端子21a及び21bの間に直列に接続されており、トランジスタQ5及びQ6の間の電位がモータ10の巻線11uへ印加されるようにしてある。トランジスタQ5にはダイオードD5が並列に接続され、トランジスタQ6にはダイオードD6が並列に接続されている。また、トランジスタQ1〜Q6は、端子24a〜24fから与えられる電圧に応じて、それぞれオン/オフを制御されている。
図示の構成により、インバータ回路22は、端子24a〜24fへ与える電圧を制御することにより、モータ10の3つの巻線11u、11v、11wの任意の2つの巻線に、任意の方向で電圧を印加することができるようにしてある。例えば、トランジスタQ1及びQ4をオンにした場合、端子21a、巻線11w、巻線11v、端子21bの経路が導通し、巻線11w及び11vに電圧が印加される。
なお、図2においてはインバータ回路22の最も簡単な構成を図示してあるが、図示の構成に加えて例えばコンバータ回路21から供給される電圧を昇圧する昇圧回路を備えて、モータ10の巻線11u、11v、11wへ印加する電圧の電圧値を変更できる構成としてもよい。この場合には、モータ10をPAM(Pulse Amplitude Modulation、パルス振幅変調)方式で駆動することができる。
インバータ回路22の端子24a〜24fは、制御回路24に接続されている。制御回路24は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びA/D変換回路等を内部に有しており、予めROMに記憶されたプログラムを読み出してCPUにて処理することにより、インバータ回路22の制御を行うようにしてある。制御回路24は、インバータ回路22を制御するために、インバータ回路22へ6つのパルス信号を出力するようにしてあり、6つのパルス信号はインバータ回路22の端子24a〜24fへ入力され、6つのパルス信号によりインバータ回路22のトランジスタQ1〜Q6のオン/オフが制御されるようにしてある。即ち、制御回路24はPWM方式によりインバータ回路22を制御するようにしてある。
また、制御回路24は、インバータ回路22へ与える6つのパルス信号の出力タイミング及びパルス幅(デューティ比)等を、モータ10の巻線11u、11v、11wに発生する誘起電圧を検出する回路(図示せず)から与えられる誘起電圧の電圧値、及び巻線11u、11v、11wを流れる電流を検出する電流検出回路23から与えられる電流値等の情報を基に決定するようにしてある。誘起電圧を検出することによって、モータ10の回転子の回転位置を検出することができ、回転子の回転位置に応じてモータ10の適切な2つの巻線に適切な方向で電圧を印加するようにインバータ回路22を制御するようにしてある。
電流検出回路23は、コンバータ回路21からインバータ回路22へ直流電圧を供給する経路中に設けられており、2つの供給経路のいずれか一方に設けられる。電流検出回路23は、コンバータ回路21からインバータ回路22への供給経路中に配されたシャント抵抗を有しており、シャント抵抗の両端に加わる電圧を検出することによってモータ10の2つの巻線に流れる電流の電流値を検出するようにしてある。ただし、シャント抵抗の抵抗値はモータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値より十分小さくしてある。電流検出回路23が検出した電流値は制御回路24へ与えられ、制御回路24は電流検出回路23から与えられた電流値と予め定められた閾値とを比較し、閾値を超える大電流が流れた場合にはモータ10の回転を停止させるようにしてある。
制御回路24がインバータ回路22を制御してモータ10を回転駆動するとき、モータ10が安定して回転している場合には、上述のようにモータ10の巻線11u、11v、11wに発生する誘起電圧を検出し、検出結果を基にインバータ回路22の制御を行うことができる。しかし、モータ10が回転していない場合には、巻線11u、11v、11wに誘起電圧が発生せず、制御回路24がインバータ回路22の制御を行うことができない。モータ10の回転が不安定な場合もまた、検出される誘起電圧が不安定なため、インバータ回路22の制御を行うことができない。これは、モータ10の回転開始時、即ち起動時に起こる問題である。
そこで、制御回路24は、起動時にインバータ回路22へ与える6つのパルス信号の出力タイミング及びデューティ比等をRAMに起動電圧条件として記憶しており、モータ10の起動時には、記憶した起動電圧条件を読み出すことによってインバータ回路22の制御を行うようにしてある。また、制御回路24は、RAMに起動電圧条件が記憶されていない場合には、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値を測定し、測定結果を基に最適な起動電圧条件を決定する機能を有している。なお、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値は、モータ10に所定の電圧を印加し、このときに電流検出回路23により検出された電流値から算出することができる。また、制御回路24に備えられるRAMは、フラッシュメモリ又はEEPROM等の不揮発性のRAMであることが望ましい。
図3は、本発明に係るモータ駆動回路20の制御回路24が行うモータ10の起動処理の手順を示すフローチャートである。なお、本フローチャートにおいては、起動電圧条件として制御回路24がインバータ回路22へ与えるパルス信号のデューティ比を決定する構成を示してある。例えば、空気調和機の運転開始ボタンがユーザにより操作され、圧縮機5の駆動を開始する場合、まず、制御回路24は、RAMに既に起動電圧条件が記憶されているか否かを調べる(ステップS1)。起動電圧条件が記憶されていない場合(S1:NO)、インバータ回路22を制御してモータ10に所定の電圧を印加し(ステップS2)、このときにモータ10に流れる電流の電流値を電流検出回路23により検出する(ステップS3)。
モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値をそれぞれRとし、電流検出回路23のシャント抵抗の抵抗値をrとし、ステップS2にてモータ10に印加した電圧の電圧値をVとし、このときに電流検出回路23にて検出された電流の電流値をIとすると、オームの法則により以下の(1)式が成立する。
V = (2×R+r)×I …(1)
抵抗値Rは、以下の(2)式により算出することができる。
R = (1/2)×(V/I−r) …(2)
よって、検出した電流値と印加した電圧値とに基づいて、上記の(2)式によりモータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値を算出する(ステップS4)。
V = (2×R+r)×I …(1)
抵抗値Rは、以下の(2)式により算出することができる。
R = (1/2)×(V/I−r) …(2)
よって、検出した電流値と印加した電圧値とに基づいて、上記の(2)式によりモータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値を算出する(ステップS4)。
制御回路24に備えられたROMには、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値に対応付けて、印加電圧条件としてインバータ回路22へ与えるパルス信号のデューティ比が、印加電圧条件テーブルに記憶してある。図4は、本発明に係るモータ駆動回路20の制御回路24が記憶する印加電圧条件テーブルの一構成例を示す図表である。印加電圧条件テーブルには、巻線の抵抗値0.1[Ω]毎に、0.3[Ω]〜0.9[Ω]までの7つの場合について、パルス信号のデューティ比が対応付けて記憶してある。制御回路24は、ステップS4にて(2)式により抵抗値を算出した後、ROMに記憶された印加電圧条件テーブルを読み出して(ステップS5)、算出した抵抗値を基にパルス信号のデューティ比、即ち起動電圧条件を決定する(ステップS6)。
制御回路24は、ステップS6にて決定した起動電圧条件に基づいて、インバータ回路22を制御し、モータ10を起動するようにしてあるが、モータ10及び圧縮機5により適した起動電圧条件で起動することを可能とするために、ステップS6にて決定した起動電圧条件を補正するようにしてある(ステップS7)。図5は、本発明に係るモータ駆動回路20の制御回路が行う起動電圧条件補正処理の手順を示すフローチャートであり、図3のステップS7にて行われる処理である。
まず、制御回路24は、ステップS6にて決定された起動電圧条件でインバータ回路22を制御し、モータ10に電圧を印加する(ステップS31)。このときにモータ10に流れる電流の電流値Iを電流検出回路23にて検出し(ステップS32)、検出した電流の電流値Iが予め定められた電流の上限値Imaxより小さいか否かを調べる(ステップS33)。電流の電流値Iが上限値Imax以上の場合(S33:NO)、起動電圧条件であるデューティ比を0.2[%]減少して(ステップS34)、ステップS31へ戻る。検出した電流の電流値Iが上限値Imaxより小さい場合(S33:YES)、更に電流の電流値Iが下限値Iminより大きいか否かを調べる(ステップS35)。電流の電流値Iが下限値Imin以下の場合(S35:NO)、起動電圧条件であるデューティ比を0.2[%]増加して(ステップS36)、ステップS31へ戻る。
このように、制御回路24は、ステップS34又はS36でのデューティ比の補正と、モータ10への電圧の印加及び電流検出回路23での電流の電流値Iの検出とを、電流の電流値Iが上限値Imax及び下限値Iminの範囲内となるまで繰り返し行うようにしてある。ステップS35にて検出した電流の電流値Iが下限値Iminより大きい場合、即ち電流の電流値Iが上限値Imax及び下限値Iminの範囲内となった場合(S35:YES)、起動電圧条件補正処理を終了して、図3に示すフローチャートの処理へ戻る。なお、上限値Imax及び下限値Iminは、モータ駆動回路20の設計時に予め決定され、制御回路24内のROMに記憶されている。
起動電圧条件の補正を行った後、制御回路24は内部に備えるRAMに補正した起動電圧条件を記憶する(ステップS8)。これにより、次回の起動時にはRAMに記憶した起動電圧条件を読み出すことによりモータ10を起動することができる。ステップS1にて、RAMに起動電圧条件が記憶されている場合には(S1:YES)、RAMから起動電圧条件を読み出して(ステップS9)、読み出した起動電圧条件に基づいてインバータ回路22を制御し、モータ10へ電圧を印加する(ステップS10)。
ステップS8にて起動電圧条件を記憶した後、又はステップS10にてモータ10へ電圧を印加した後、モータ10が安定して回転するのを待って、モータ10の巻線11u、11v、11wに発生する誘起電圧に基づいた駆動を開始し(ステップS11)、モータ10の起動処理を終了する。
モータ駆動回路20は、空気調和機の運転が開始されたときには、図3のフローチャートに示すように、制御回路24のRAMに起動電圧条件が記憶されていない場合に起動電圧条件を決定するようにしてあり、起動電圧条件を一度決定した後では、決定した起動電圧条件に従ってモータ10を駆動するようにしてある。しかし、ユーザ、設計者又は修理者等が、モータ10又は圧縮機5等の交換を行った場合に、交換したモータ10又は圧縮機5等に最適な起動電圧条件となるよう、起動電圧条件を再決定することができるようにしてある。また、既に最適な起動電圧条件が判明している場合、又は試験的に起動電圧条件を変更して空気調和機の運転を行う場合等に、ユーザ、設計者又は修理者等が任意の起動電圧条件を入力して設定することができるようにしてある。これらは、モータ駆動回路20、圧縮機駆動装置1又は空気調和機の操作ボタン又は操作スイッチ等(図示せず)を操作し、起動電圧条件の再決定を行う指示を与えるか、又は起動電圧条件を入力するかして行うことができるようにしてある。
図6は、本発明に係るモータ駆動回路20の制御回路24が行う起動電圧条件の再決定及び入力受付処理の手順を示すフローチャートである。まず、制御回路24は、操作ボタン又は操作スイッチ等が操作されることによって、起動電圧条件の入力を受け付けたか否かを調べる(ステップS51)。起動電圧条件の入力を受け付けていない場合(S51:NO)、更に起動電圧条件の再決定を行う指示を受け付けたか否かを調べる(ステップS52)。起動電圧条件の再決定を行う指示を受け付けていない場合(S52:NO)、ステップS51へ戻り、起動電圧条件の入力を受け付けるか、又は、起動電圧条件の再決定を行う指示を受け付けるまで待機する。
ステップS52にて、起動電圧条件の再決定を行う指示を受け付けた場合(S52:YES)、インバータ回路22を制御してモータ10に所定の電圧を印加し(ステップS53)、このときにモータ10に流れる電流の電流値を電流検出回路23により検出する(ステップS54)。次いで、検出した電流値と印加した電圧値とに基づいて、上述の(2)式によりモータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値を算出し(ステップS55)、図4に示した印加電圧条件テーブルを読み出して(ステップS56)、算出した抵抗値を基にデューティ比、即ち起動電圧条件を決定する(ステップS57)。更に、制御回路24は、図5に示す起動電圧条件補正処理を行って起動電圧条件を補正し(ステップS58)、補正した起動電圧条件を内部に備えるRAMに記憶する(ステップS59)。
ステップS51にて、起動電圧条件の入力を受け付けた場合(S51:YES)、制御回路24は、受け付けた起動電圧条件を内部に備えるRAMに記憶し(ステップS60)、受け付けた起動電圧条件に従ってモータ10に電圧を印加する(ステップS61)。ステップS59にて起動電圧条件を記憶した後、又はステップS61にてモータ10へ電圧を印加した後、モータ10が安定して回転するのを待って、モータ10の巻線11u、11v、11wに発生する誘起電圧に基づいた駆動を開始し(ステップS62)、処理を終了する。
以上の構成の圧縮機駆動装置1においては、電源の投入時に起動電圧条件が決定されていない場合に、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値を取得して、予め記憶した印加電圧条件テーブルから起動電圧条件を決定すると共に、図5に示した起動電圧条件の補正を行うことによって、モータ10及び圧縮機5に適した起動電圧条件でモータ10を起動することができる。また、決定して補正した起動電圧条件を制御回路24のRAMに記憶しておくことにより、次回の起動時にはRAMから起動電圧条件を読み出すのみでよいため、モータ10の起動時間を短縮することができる。また、起動電圧条件を一度決定した後であっても、再決定を行う指示を受け付けた場合には、起動電圧条件の決定を再度行う構成とすることにより、ユーザ、設計者又は修理者等が圧縮機5又はモータ10の交換などを行った場合に、交換後の圧縮機5又はモータ10に適した起動電圧条件の決定を行うことができる。また、ユーザ、設計者又は修理者等が起動電圧条件を直接入力できる構成とすることにより、モータ10及び圧縮機5に適した起動電圧条件が予め判明している場合には、この起動電圧条件でモータ10を駆動することができ、また、様々な起動電圧条件を入力して試験的にモータ10を駆動することができる。
なお、本実施の形態においては、モータ10を3相のブラシレスモータとしたが、これに限るものではなく、他の種類のモータであっても同様の構成を適用することができる。また、印加電圧条件テーブルに印加電圧条件としてデューティ比を記憶しておく構成としたが、これに限るものではなく、例えばインバータ回路22がPAM方式でモータ10を駆動することができる場合に、印加電圧条件として印加する電圧の電圧値を記憶するなど、その他の値を記憶しておく構成としてもよい。また、モータ10の巻線11u、11v、11wの抵抗値を算出する構成としたが、これに限るものではなく、例えば印加電圧条件テーブルに電流値及びデューティ比を対応付けて記憶しておき、電流検出回路23が検出した電流の電流値から直接的にデューティ比を決定する構成としてもよく、また、印加電圧条件テーブルに電圧値及びデューティ比を対応付けて記憶しておき、電流検出回路23内のシャント抵抗に係る電圧の電圧値から直接的にデューティ比を決定する構成としてもよい。
1 圧縮機駆動装置
10 モータ
11u、11v、11w 巻線
20 モータ駆動回路(モータ駆動装置)
21 コンバータ回路
22 インバータ回路(起動手段、電圧印加手段)
23 電流検出回路(検出手段、電流検出手段)
24 制御回路(記憶手段、決定手段、起動手段、決定条件記憶手段、受付手段、判定手段、補正手段)
10 モータ
11u、11v、11w 巻線
20 モータ駆動回路(モータ駆動装置)
21 コンバータ回路
22 インバータ回路(起動手段、電圧印加手段)
23 電流検出回路(検出手段、電流検出手段)
24 制御回路(記憶手段、決定手段、起動手段、決定条件記憶手段、受付手段、判定手段、補正手段)
Claims (9)
- モータに起動電圧を印加して起動し、前記モータを駆動するモータ駆動装置において、
前記モータの特性値又は電気量に対応付けて、前記モータへの印加電圧条件を記憶した記憶手段と、
前記モータの特性値又は電気量を検出する検出手段と、
該検出手段が検出した特性値又は電気量、及び前記記憶手段が記憶した印加電圧条件を基に、前記モータの起動電圧条件を決定する決定手段と、
該決定手段が決定した起動電圧条件に基づいて前記モータに起動電圧を印加し、前記モータを起動する起動手段と
を備えることを特徴とするモータ駆動装置。 - 前記検出手段は、
予め定められた電圧を印加する電圧印加手段と、
該電圧印加手段が電圧を印加した場合に、前記モータの巻線を流れる電流を検出する電流検出手段と
を有し、
前記電圧及び前記電流に基づいて、前記巻線の抵抗値を検出するようにしてある請求項1に記載のモータ駆動装置。 - 前記起動手段は、パルス電圧を印加して前記モータを起動するようにしてあり、
前記決定手段は、前記パルス電圧のデューティ比を決定するようにしてある請求項1又は請求項2に記載のモータ駆動装置。 - 前記決定手段が決定した起動電圧条件を記憶する決定条件記憶手段を備え、
前記決定手段は、前記決定条件記憶手段が起動電圧条件を記憶していない場合に起動電圧条件の決定を行うようにしてあり、
前記起動手段は、前記決定条件記憶手段が起動電圧条件を記憶している場合には、前記決定条件記憶手段が記憶した起動電圧条件に基づいて前記モータを起動するようにしてある請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のモータ駆動装置。 - 前記決定条件記憶手段が起動電圧条件を記憶している場合に、前記決定手段により起動電圧条件の決定を行う指示を受け付ける受付手段を備える請求項4に記載のモータ駆動装置。
- 前記決定条件記憶手段が記憶する起動電圧条件の外部からの入力を受け付ける受付手段を備える請求項4又は請求項5に記載のモータ駆動装置。
- 前記起動手段により起動された前記モータの巻線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
該電流検出手段が検出した電流の量が所定範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段が所定範囲外であると判定した場合に、起動電圧条件を補正する補正手段と
を備える請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のモータ駆動装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のモータ駆動装置と、
該モータ駆動装置により駆動されるモータと
を備え、
前記モータにより圧縮機を駆動するようにしてあること
を特徴とする圧縮機駆動装置。 - モータに起動電圧を印加して起動し、前記モータを駆動するモータ駆動方法において、
前記モータの特性値又は電気量に対応付けて、前記モータへの印加電圧条件を予め記憶しておき、
前記モータの特性値又は電気量を検出し、
検出した特性値又は電気量、及び記憶した印加電圧条件を基に、前記モータの起動電圧条件を決定し、
決定した起動電圧条件に基づいて前記モータに起動電圧を印加し、前記モータを起動すること
を特徴とするモータ駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006162477A JP2007336626A (ja) | 2006-06-12 | 2006-06-12 | モータ駆動装置、圧縮機駆動装置及びモータ駆動方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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-
2006
- 2006-06-12 JP JP2006162477A patent/JP2007336626A/ja active Pending
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