JP2007335413A - 燃料電池システムおよび水素生成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】改質器に原料を供給した際の水蒸気改質の改質効率を維持する。
【解決手段】システム起動時では、蒸発・混合部50で生成されて改質器60に供給される原料ガス(混合ガス)の温度は低い。こうした場合は、この混合ガスの温度が所定の温度(例えば、約300℃)に達するまでは、蒸発・混合部50と改質器60との間の開閉弁51を閉弁状態に維持し、所定温度に達した後に、この開閉弁51を開弁(フルオープン)する。よって、システム起動時において、高い温度の原料ガスを改質器60に供給するので、この熱により改質器60を昇温させると共に、この熱を吸熱反応である水蒸気改質の反応に供与する。
【選択図】 図1
【解決手段】システム起動時では、蒸発・混合部50で生成されて改質器60に供給される原料ガス(混合ガス)の温度は低い。こうした場合は、この混合ガスの温度が所定の温度(例えば、約300℃)に達するまでは、蒸発・混合部50と改質器60との間の開閉弁51を閉弁状態に維持し、所定温度に達した後に、この開閉弁51を開弁(フルオープン)する。よって、システム起動時において、高い温度の原料ガスを改質器60に供給するので、この熱により改質器60を昇温させると共に、この熱を吸熱反応である水蒸気改質の反応に供与する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水素リッチなガスの導入を受けて発電する燃料電池を有する燃料電池システムと所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置に関する。
水素と酸素の電気化学反応によって発電する燃料電池は、内燃機関等とは異なり、排ガス中に二酸化炭素や窒素酸化物等の有害物質を含まない。よって、こうした燃料電池は、クリーンなエネルギ源として多用されつつあり、一般に、酸素供給には空気が、水素供給には、例えば、炭化水素系などの原料を改質して生成した水素リッチガスが用いられる。
改質器での原料の改質には、水蒸気改質および部分酸化反応が用いられることが多い。水蒸気改質とはガス状の原料と水蒸気から水素を生成する吸熱反応である。部分酸化反応とはガス状の原料と酸素から水素を生成する発熱反応である。改質器には、これらの反応に適した改質触媒が担持されている。改質器での熱的均衡を保ちながら反応を進めるため、吸熱反応である水蒸気改質と発熱反応である部分酸化反応を併用するオートサーマル方式が採られる場合もある。
改質器での改質触媒による水蒸気改質は、その熱的性質(吸熱反応)から、反応の速やかな進行には外部からの熱供与を必要とする。ところが、例えば、水素生成装置の起動時等にあっては、改質器に供給される原料ガス自体の温度が低い場合もあり得る。このような場合、改質器が外気等により冷えていると、原料ガスの有する熱量は、冷えた改質器に奪われて、水蒸気改質のために十分供与されないことがある。このため、改質触媒の活性が低下して水蒸気改質の進行が緩慢となり、改質器に供給された原料が、未改質のまま改質器を通過して、改質効率を低下させてしまうようなことが起き得る。こうなると、改質器下流の燃料電池では、水素リッチなガスの供給が滞り、発電性能の低下やエミッションの低下を来す虞がある。
また、原料ガスは改質器による熱奪取によって凝縮し、その凝縮原料が改質器のガス通路を部分的に閉塞したり、改質触媒を覆ったりするようなことも起き得る。こうした原料凝縮は、外気に近い改質器外縁の方が改質器中央部より起きやすい。よって、改質器外縁では、ガス通路を通過する原料ガスも少なくなると共に、当該原料ガスが改質触媒と接触する機会も少なくなることから、改質器外縁からは、改質触媒により水蒸気改質を受けないままの未改質の原料ガスが流れ出る事態が起き得る。こうなると、改質器が呈する改質効率は低下し、上記したような不具合を起こす虞がある。
なお、こうした不具合を解消するためは、改質器をヒータによりプレヒートすることが有効ではあるものの、ヒータ発熱を要する分だけ、エネルギーロスを招くので、現実的ではない。
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、改質器に原料を供給した際の水蒸気改質の改質効率を維持することを目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:燃料電池システム]
水素リッチなガスの導入を受けて発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
所定の原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成して前記燃料電池に導く改質部と、
前記原料をガス状態として原料ガスを前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記改質部による原料の改質を燃料電池システム起動の際に実行するに際して、前記原料ガスの温度が前記改質部での前記原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止することを要旨とする。
水素リッチなガスの導入を受けて発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
所定の原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成して前記燃料電池に導く改質部と、
前記原料をガス状態として原料ガスを前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記改質部による原料の改質を燃料電池システム起動の際に実行するに際して、前記原料ガスの温度が前記改質部での前記原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止することを要旨とする。
[適用2:水素生成装置]
所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、
前記原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部と、
前記原料をガス状態として原料ガスを前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記改質部による原料の改質を前記水素生成装置の起動時において実行するに際して、前記原料ガスの温度が前記改質部での前記原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止することを要旨とする。
所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、
前記原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部と、
前記原料をガス状態として原料ガスを前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記改質部による原料の改質を前記水素生成装置の起動時において実行するに際して、前記原料ガスの温度が前記改質部での前記原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止することを要旨とする。
上記した燃料電池システム並びに水素生成装置は、原料の改質触媒による原料改質を経て水素リッチガスを生成する改質部に、供給部から、原料をガス状態にした原料ガスとして供給する。この原料としては、ガソリンなどの液体炭化水素、メタノールなどのアルコール、アルデヒド類、または天然ガスなど、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を適用することができる。また、改質反応に必要な、酸素や水蒸気或いはこの両者を併せて供給するものとしてもよい。
供給部から改質部への原料ガスの供給は制御部で制御され、改質部による原料の改質を燃料電池システム起動時もしくは水素生成装置の起動時において実行するに際しては、原料ガスの温度が改質部での原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、改質部への原料ガスの供給を禁止する。従って、原料の改質触媒による原料改質を経て水素リッチガスを生成する改質部には、この所定の温度、即ち改質部での原料ガス凝縮を抑制する温度に達した原料ガスしか供給されないようにできる。
このため、燃料電池システム起動時もしくは水素生成装置の起動時にあっても、改質部への供給原料ガスは、その有する熱を改質部自体の昇温はもとより、改質部での水蒸気改質の反応のために供与する。よって、改質触媒の活性低下の抑制と凝縮の抑制を並行実行でき、供給された原料ガスを改質して下流に送り出すことができる。この結果、原料ガスが未改質のまま改質部を通過するようなことを抑制できるので、改質部への原料供給の当初から、改質効率を維持することができる。そして、改質部から燃料電池に改質済みの水素リッチガスを供給するものであれば、燃料電池の発電性能の低下やエミッションの低下を防止できる。
このように制御部での原料ガスの供給制御を行うに際し、供給部から改質部に到るまでに管路の開閉バルブを備え、このバルブを前料ガスの供給禁止の間に亘って閉弁制御するようにすることもできる。こうすれば、バルブの開閉制御という簡単な制御で、所定温度に達した原料ガスしか改質部に供給しないようにできる。
また、原料ガスの供給禁止期間の経過後にバルブを開放して原料ガスの供給を開始するに当たり、バルブ開度が漸増するよう開弁制御するようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。
原料ガス供給の禁止の期間にあっては、供給部での原料のガス化が進行しているので、この禁止期間の終期では、原料ガスのガス圧が高まっている状況が起き得る。従って、上記のようにバルブ開度を漸増制御することで、禁止期間経過直後のバルブ開弁時に、不用意に多量の原料ガスが供給されてしまうようなことを回避できると共に、改質部への原料ガス供給の当初から定量のガス供給を行うことができる。このため、改質部での水蒸気改質の進行にとっても都合がよい。
また、供給部が供給する原料ガスを、原料ガスの供給禁止の間に亘って供給部に環流させるようにすることもできる。こうすれば、原料ガス環流により、原料ガスを無駄なくその後の改質に供することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は実施例としての燃料電池システム100の概略構成を示す説明図である。
図示するように、この実施例の燃料電池システム100は、燃料電池90に供給される水素と酸素の電気化学反応によって発電する。酸素には、ブロワ92によって供給される圧縮空気が利用される。水素は、以下に示す水素生成装置により、原料の改質によって生成される。原料としては、ガソリンなどの液体炭化水素、メタノールなどのアルコール、アルデヒド類、または天然ガスなど、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を選択することができる。
原料タンク20に貯蔵された原料、および水タンク30に貯蔵された水、および空気は、それぞれ蒸発・混合部50で気化・昇温および混合されて、混合ガスの状態で改質器60に供給される。各供給量は、バルブ21、31、40によって制御される。蒸発・混合部50と改質器60との間には、開閉弁51が設けられている。開閉弁51は、管路を開閉することによって、蒸発・混合部50で生成された混合気の供給を停止したり、その供給を開始したりする。開閉弁51は、管路面積を調整可能な流量調整バルブとしての機能も有する。
原料と水、および空気の混合ガスは、改質器60において改質され、水素リッチな改質ガスを生成する。改質器60は、原料の種類および反応の種類に応じた改質触媒を備えて水蒸気改質を進行させると共に、原料に対する水蒸気・空気の比によっては、部分酸化反応或いは完全酸化反応も起こし得る。
改質器60での反応によって、生成される改質ガス中には、一酸化炭素が含まれる。改質器60の下流側には、一酸化炭素と水蒸気から水素を生成するシフト部70、および一酸化炭素を選択的に酸化するためのCO浄化部80が設けられている。原料としてガソリンを用いる場合には、シフト部70を設けることが好ましいが、アルコール等を原料とする場合には、省略しても構わない。このように、シフト部70は、原料の種類等に応じて任意に採否が選択可能である。CO浄化部80についても、システム構成に応じて採否が選択可能である。
燃料電池システム100の運転は、制御ユニット10によって制御される。制御ユニット10は、内部にCPU、メモリ等を備えたマイクロコンピュータとして構成されている。制御ユニット10は、先に説明したバルブ21、31、40の開度制御、並びに開閉弁51の開閉制御を実行し、改質器60への原料、水、空気の混合ガス供給の停止並びに開始を行うと共に、改質器60へのガス供給量を制御する。空気量の制御は、酸化反応に利用される酸素量の制御と同等である。かかる制御を実現するために、制御ユニット10には、改質器60の内部の温度を検出する温度センサ61の検出値が入力される。この温度センサ61の入力は、定常運転時等における蒸発・混合部50への原料等の供給制御等に用いられる。また、蒸発・混合部50のガス排出部近傍には、蒸発・混合部50の生成ガス温度を検出してこれを制御ユニット10に出力するガス温度センサ52が備え付けられている。なお、図の煩雑化を回避するため、制御ユニット10への他の入出力は図示を省略した。
次に、本実施例の燃料電池システム100が行う起動時制御処理について説明する。図2は起動時制御処理を示すフローチャート、図3はこの起動時制御処理の内容を説明するための説明図である。この起動時制御処理は、燃料電池システム100の運転開始操作に応じて制御ユニット10が実行する処理である。
この処理が開始されると、制御ユニット10は、まず、内部レジスタの初期化や開閉弁51の閉弁処理等の図示しない初期処理を実行した後、蒸発・混合部50を原料の蒸発・混合に備えて加熱する(ステップS100)。この加熱は、図示しないバーナを点火して蒸発・混合部50を原料蒸発に適った温度とする。なお、この加熱は、装置停止等の操作がなされるまで継続される。
次いで、原料、水蒸気、および空気の改質原料を一定量だけ供給する(ステップS110)。これら原料、水蒸気、および空気の定量供給に当たっては、燃料電池システム100が定常運転(例えば、アイドル運転時)をしているときに連続供給される供給量を所定時間だけ供給する。こうして供給された原料は、蒸発・混合部50にて蒸発されて、水蒸気および空気と混合する。この場合、上記の初期処理により開閉弁51は閉弁されているので、蒸発混合した混合ガスは、蒸発・混合部50に留まり、引き続き加熱を受ける。なお、このステップS110における原料供給量は、原料の種類等に応じて種々設定することが可能であり、例えば、その比にあっても、水蒸気(b)/原料(a)=約1.0、酸素(c)/原料(a)=約0.9となるよう供給することができる。
次に、制御ユニット10は、ガス温度センサ52から蒸発・混合部50の生成ガス(混合ガス)の温度を入力し、当該ガス温度が所定の温度(例えば、約300℃)に達したか否かを判定し(ステップS120)、肯定判定するまで待機する。この場合、ステップS120での判定基準となる温度は、用いる原料や改質器60の規模等に応じて種々設定でき、制御ユニット10のメモリに予め記憶されている。勿論、この基準温度を可変設定するようにすることもできる。
蒸発・混合部50の混合ガスは、上記したように加熱を継続して受けていることから、その温度は上昇する。よって、ステップS120で否定判定されていても、ガス温度の昇温に伴い、ステップS120での判定は、肯定判定に転ずる。こうなると、制御ユニット10は、開閉弁51を開弁(フルオープン)する(ステップS130)と共に、原料、水蒸気、および空気の改質原料を例えば上記のアイドル時に倣って一定量ずつ定常的に供給し(ステップS140)、本起動ルーチンを終了する。その後は、この原料等の定常供給が継続され、燃料電池90の運転状況等に併せた原料供給が行われる。なお、ステップS140での原料供給再開後では、混合ガスに若干の温度低下は起き得るものの、それ以前の加熱継続により温度低下の程度は、所定温度(約300℃)に比せば十分に小さく、現実的な問題とはならない。
こうした起動制御を行うことで、改質器60への混合ガスの供給は次のようになる。図3に示すように、蒸発・混合部50に供給された一定量の原料等は加熱に伴って蒸発し、蒸発・混合部50にてそのガス温を上昇させる。このガス温が所定温度となると開閉弁51は全開するので、この所定温度の原料ガス(混合ガス)は、バルブ開の時から、改質器60に供給される。
このため、燃料電池システム100の起動時において改質器60に供給される原料ガス(混合ガス)は、高い温度であるためにガス自体の熱を改質器60の昇温はもとより、改質器60における吸熱反応である水蒸気改質の反応に供与する。よって、改質触媒の活性低下を抑制できると共に、改質器60におけるガス凝縮をも抑制できる。従って、この実施例の燃料電池システム100によれば、改質器60からは、供給された原料ガスを未改質のままその下流のシフト部70やCO浄化部80、延いては燃料電池90に供給するような事態を回避できる。この結果、装置起動時の改質器60への原料供給の当初から、改質効率を維持することができる。そして、燃料電池90には、好適な水蒸気改質を受けて改質済みの水素リッチガスを、起動時から、供給することができるので、燃料電池90の発電性能の低下やエミッションの低下を有効に防止できる。
また、本実施例の燃料電池システム100では、ガス温度センサ52によるガス温検出と、その結果に応じた開閉弁51の開弁制御を行えばよい。よって、バルブ制御という簡単な制御で、所定温度に達した原料ガスしか改質器60に供給しないようにできる。
また、本実施例では、起動当初の原料供給を一定量の供給としてガス化を図り、そのガスの温度を高めるようにした。よって、加熱のために加えるエネルギを、定量の原料のガス化に用いた以降においては、ガス温度昇温に有効に用いることができる。このため、ステップS120での肯定判断に要するまでの時間を短縮でき、その分、システムとしての起動性を高めることができる。
なお、加熱エネルギは、図3に示すように、定量となるようにしたが、図中に点線で示すように、起動当初において多量のエネルギを加えるようにすることもできる。こうすれば、ガスは速やかに昇温するので、システムの起動性向上に有益である。
ここで、上記した燃料電池システムの機器構成の変形例について説明する。図4はこの変形例の概略構成を示す説明図である。
図示するように、この変形例の燃料電池システム100Aは、開閉弁51に替えて切替弁53を有する。この切替弁53は、一方の流路を改質器60の側とし、他方の流路を蒸発・混合部50への環流流路54とする。そして、制御ユニット10は、切替弁53を切替制御して、蒸発・混合部50からのガスの供給先を、改質器60と環流流路54のいずれかに切り替える。
こうした切替弁53の弁制御は、次のようになされる。つまり、制御ユニット10は、図2におけるステップS100と同時に、或いはこれに先立ち、切替弁53をガス供給先が環流流路54となる側に切替制御する。そして、ステップS120で肯定判断すると、ステップS130で、ガス供給先が改質器60となるように切替弁53を切替制御する。このようにしても、改質器60へは、高温となった原料ガス(混合ガス)しか供給させないので、上記した実施例と同様の効果を奏することができる。また、この変形例では、原料ガス温度が低い場合には、その間に亘って、原料ガスを改質器60に環流させるので、原料ガスを無駄なくその後の改質に供することができる。
次に、起動時制御処理の変形例について説明する。図5はこの変形例の起動時制御処理を示すフローチャート、図6は変形例の起動時制御処理の内容を説明するための説明図である。この変形例では、開閉弁51の弁制御をバルブ開度調整を含めて行う点に特徴がある。
図5に示すように、この変形例の起動時制御処理では、図2で説明したように、開閉弁51の閉弁を含む初期処理に続き、蒸発・混合部50の加熱(ステップS100)、並びに原料等の供給を行う(ステップS110A)。この場合の原料等供給は、原料と水蒸気とを定量ずつ継続供給することで行われる。例えば、システムのアイドル運転時に連続供給される定常供給量と同じ量、若しくはこの定常供給量より少なくした量で、原料と水蒸気を継続供給する。この際の原料と水蒸気の供給量比にあっても、既述したように、原料の種類等に応じて種々設定することが可能である。なお、この変形例では、空気は開閉弁51開弁制御後のステップS130Aで供給される。空気供給については後述する。
こうして継続供給された原料は、蒸発・混合部50にて蒸発し、同じく継続供給されて蒸発した水蒸気と混合する。よって、蒸発・混合部50では、蒸発混合後の混合ガス量が増え、継続して加熱を受けることと相まって、その内部圧力が高まる。
次に、制御ユニット10は、既述したように、ガス温度センサ52からのガス温度が所定の温度(例えば、約300℃)に達したか否かを判定し(ステップS120)、肯定判定するまで待機する。そして、ステップS120での判定が肯定判定に転ずると、制御ユニット10は、開閉弁51の開弁制御と空気の供給制御とを開始し(ステップS130A)、本起動ルーチンを終了する。なお、その後は、既述したように原料等の定常供給が継続される。このステップS130Aでは、次のように弁制御・供給制御を行う。
空気は、上記のステップS110Aで供給を始めた原料と水蒸気の供給量に適った量で継続供給される。これにより、その後の改質器60での水蒸気改質に酸素の過剰な過不足を招かず、改質を好適に進行させることが可能となる。なお、こうした空気供給により混合ガスの温度低下を起こすものの、既述したように現実的な問題とはならない。また、空気供給時には、蒸発・混合部50の内圧が高まっていることから、空気は、少なくとも供給当初にあっては、コンプレッサ等により加圧供給される。
開閉弁51は、上記のように蒸発・混合部50での内圧上昇を考慮して、そのバルブ開度の調整を受けつつ開弁制御される。例えば、原料等の供給量と加熱開始からの経過時間等により内圧上昇程度は把握できるので、これらに基づいて開閉弁51を開弁制御する。こうすれば、開閉弁51の開弁時に、原料を含む混合ガスが過剰な量で改質器60に供給されるような事態を回避でき、改質器60への混合ガス供給量を、開弁当初から速やかにほぼ一律の供給量に維持することができる。よって、改質器60下流の燃料電池90にあっても、安定した発電反応を起こすことができる。
この変形例の起動制御によれば、図6に示すように、蒸発・混合部50に継続供給された原料は、加熱に伴って蒸発し、水蒸気と混合した状態でガス温を上昇させる。また、この温度上昇と同時に、内圧上昇も起こす。ガス温が所定温度となると、開度調整を伴う開閉弁51の開弁制御と空気供給が行われるので、この所定温度の原料ガス(混合ガス)と空気は、混合状態でバルブ開弁に伴って改質器60に供給され、原料・水蒸気・空気は、バルブ開弁当初から、ほぼ一律の供給量で速やかに改質器60に流れ込む。
このため、この変形例にあっても、システム起動時において改質器60に供給される原料ガス(混合ガス)を当初から高い温度とすることができ、その有する熱を改質器60の昇温と吸熱反応としての水蒸気改質の反応に供与する。よって、この変形例によっても、改質触媒の活性低下の抑制とガス凝縮の抑制を図ることができるので、装置起動時の改質器60への原料供給の当初から、改質効率を維持することができる。また、システム起動時の燃料電池90の発電性能の低下やエミッションの低下をも、有効に防止できる。
また、この変形例の起動時制御処理によれば、開閉弁51の開弁時の開度調整により、改質器60には不用意に多量の原料ガスが供給されてしまうような事態を起こさず、この改質器60へは、原料ガス供給の当初から定量のガス供給を速やかに行うことができる。このため、改質器60での水蒸気改質の進行にとっても好適であり、燃料電池90の発電の安定化をもたらすことができる。
次に、他の実施例について説明する。図7は他の実施例の燃料電池システム200の概略構成を示す説明図である。なお、上記した実施例と同一の作用を果たす機器については、同一の符号を付すこととする。
図示するように、この燃料電池システム200は、燃料電池90に供給する水素リッチガスの生成のため、上記実施例と同様に、蒸発・混合部50、改質器60、シフト部70およびCO浄化部80を有する。蒸発・混合部50は、図示しない原料タンクの原料と図示しない水タンクの水の供給を受けこれらを加熱蒸発させる蒸発部150と、蒸発させたガス状の原料・水に空気を混入させてこれらを混合させ、原料・水・空気(酸素)の混合ガスを改質器60に導く混合導入部152とを有する。
改質器60の上流側では、混合導入部152の外周壁に亘って外気導入孔154が複数形成され、これら導入孔をその並びに沿って環状に取り囲んで閉塞・隆起するよう、外気導入隆起部156が設置されている。この外気導入隆起部156は、ブロウ158からの外気通気を受けると、外気導入孔154を経て、改質器60にその上流側から外気を導き入れる。
図8は外気導入孔154からの外気導入の様子を模式的に示す説明図であり、図9は同じく外気導入の様子を平面視で模式的に説明する説明図である。これら図面に示すように、それぞれの外気導入孔154から導入された外気は、その上流側から混合ガスが混合導入部152に導かれて流れていることから、改質器60の外縁に入り込む。このようにして導入される外気の量は、ブロワ158を運転制御することによって変更される。
燃料電池システム200の運転は、マイクロコンピュータとして構成された制御ユニット210より制御される。制御ユニット210は、上記した実施例と同様に、原料等の供給のためのバルブを制御して、改質器60へのガス供給量を制御する。この他、制御ユニット210は、温度センサ61から改質器外縁の温度やガス温度センサ52からの混合ガス温度を入力し、これらを後述の起動・低温時外気制御処理に用いる。
次に、この実施例の燃料電池システム200が行う起動時外気制御処理について説明する。図10は起動時外気制御処理を示すフローチャートである。この起動時外気制御処理は、燃料電池システム200の運転開始操作がなされたときに実行される。
図10に示すように、この実施例の起動時外気制御処理では、蒸発部150を原料の蒸発・混合に備えて加熱する(ステップS300)。この加熱は、図示しないバーナを点火して蒸発部150を原料蒸発に適った温度とするものであり、装置停止等の操作がなされるまで継続される。
次いで、原料、水蒸気、および空気の改質原料の供給を行う(ステップS310)。この場合の原料等供給は、既述したステップS110Aと同様、上記の各改質原料を定量ずつ継続供給することで行われ、システムのアイドル運転時と同量若しくはこれより少なくした量での継続供給がなされる。この際の原料と水蒸気の供給量比にあっても、既述したように、原料の種類等に応じて種々設定することが可能である。
こうして継続供給された原料は、蒸発部150にて蒸発し、同じく継続供給されて蒸発した水蒸気と混合する。そして、これらの蒸気は、継続供給された空気と混じり合い、混合導入部152にて混合された混合ガスは、改質器60に供給される。
ところで、今、本起動時外気制御ルーチンが長期の停止後のシステム起動に伴うもので有れば、蒸発部150は加熱されたばかりであるために、生成された混合ガスの温度は低いことが予想される。また、改質器60にあっても、その温度は低いことが予想される。ところが、システムが一旦停止された後、比較的短時間の内にシステム起動がなされたような場合は、蒸発部150はその余熱で十分高温であり、改質器60にあっても改質触媒の活性が低下しない程度の温度であると予想される。よって、こうした場合のシステム起動では、蒸発部150からの混合ガスは、十分高温のまま、高温の改質器60に供給されると予想される。
従って、こうした起動状況を区別するため、ステップS310での原料供給に続いて、制御ユニット210は、ガス温度センサ52から混合ガス温度を入力し、当該ガス温度が所定の温度(例えば、約300℃)に達したか否かを判定する(ステップS320)。ここで、肯定判定すれば、混合ガスは高温であり、改質器60にあっても高い温度であるために、混合ガスをそのまま改質器60に供給しても、吸熱反応である水蒸気改質の反応を支障なく起こすことができる。よって、ステップS320での肯定判断に続いては、その後に何の処理も行うことなく本ルーチンを終了し、定常のシステム運転に移行する。
しかし、ステップS320で否定判定した場合は、既述したように混合ガスの温度は低く、改質器60も冷えていることから、ガスの熱による改質器60の昇温や改質触媒の活性化は、不十分となることが予想される。よって、このように低ガス温度の場合は、次のようにして改質器60の昇温並びに改質触媒の活性化を図ることとした。
つまり、ステップS320での否定判定に続いては、ブロワ158を駆動して外気を改質器60の外縁に導入する(ステップS330)。こうすると、改質器60の外縁では、混合導入部152から導かれる混合ガス中の原料に対して酸素過多の状況で、混合ガスが流れ込む。よって、改質器60の外縁では、原料(ガス)の酸化反応(部分酸化反応)が律速進行し、改質器60は、その外縁で盛んに発熱する。この熱は、改質器外縁はもとより、改質器60の中央部分をも昇温させるので、この熱により、改質器中央部分にあっても、触媒活性は高まり、吸熱反応である原料ガスの水蒸気改質は好適に進行する。この結果、混合ガスが低い温度で供給されても、未改質のまま混合ガス(原料ガス)が改質器60から下流に送り出されるような事態を抑制でき、改質器60への混合ガス(原料ガス)供給の当初から、改質効率を維持することができる。また、改質器外縁での発熱により、改質器60全体が昇温するので、低温の混合ガスの凝縮も効果的に抑制できる。
このようにして外気導入を図るステップS330に続いては、温度センサ61からの改質器温度を入力し、当該温度が所定の温度(例えば、約300℃)に達したか否かを判定し(ステップS340)、肯定判定するまで待機する。そして、改質器60が上記したように昇温し、その温度が所定の温度に達してステップS340での判定が肯定判定に転ずると、制御ユニット210は、それ以降の昇温のための外気導入は不要であるとして、ブロワ158を停止し外気導入を停止(ステップS350)、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、この実施例の燃料電池システム200にあっても、装置起動時における改質器60への原料供給の際に、速やかに触媒活性を高めて水蒸気改質反応を起こし、改質効率を維持することができる。また、システム起動時の燃料電池90の発電性能の低下やエミッションの低下をも、有効に防止できる。
次に、定常運転中に何らかの原因で改質器60が急冷されその温度が下がった場合について説明する。図11は改質器60の温度が低温推移した場合の低温時制御処理を示すフローチャートである。この低温時制御処理は、燃料電池システム200が定常運転を継続している間に所定時間ごとに繰り返し実行される。
本ルーチンが開始されると、まず、温度センサ61からの改質器温度を入力し、当該温度が所定の温度(例えば、約300℃)を維持しているか否かを判定する(ステップS400)。ここで、肯定判定すれば、改質器60の冷却は起きていないので水蒸気改質の反応に支障はないとして、何の処理も行うことなく本ルーチンを一旦終了する。
しかし、ステップS400で否定判定すれば、改質器60の冷却が起きたために水蒸気改質の反応進行に支障が起き得るとして、改質器60の昇温並びに改質触媒の活性化を図るべく、ブロワ158を駆動して外気を改質器60の外縁に導入する(ステップS410)。これにより、既述したように改質器外縁での酸化反応(部分酸化反応)を律速進行させ、改質器60の昇温を図る。そして、温度センサ61からの改質器温度と所定温度(例えば、約300℃)とを比較し(ステップS420)、改質器60が昇温するまで外気導入を継続する。次いで、ステップS420で肯定判定すれば、それ以降の昇温のための外気導入は不要であるとして、ブロワ158を停止し外気導入を停止(ステップS430)、本ルーチンを終了する。
従って、定常運転中に改質器60が急冷されその温度が下がった場合であっても、改質器外縁への外気導入を通して、速やかに改質器60の昇温を図り、改質効率の不用意な低下を回避することができる。また、改質器60の急冷に基づく燃料電池90の発電性能の低下やエミッションの低下をも、有効に防止できる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、上記の実施例では、起動時外気制御を行う際に、温度センサ61の改質器温度に基づいて改質器外縁への外気導入を停止するようにしたが、次のようにすることもできる。既述したように、システムの起動時においては、蒸発部150で生成されて改質器60に供給される混合ガスはその温度が低く、改質器60の温度も低いことが予想される。よって、システム起動からの経過時間と改質器60の昇温推移との関係を、シュミレーションや実験等で予め把握し、改質器60が十分昇温するまでの時間(昇温時間)を定める。そして、システム起動時からの経過時間がこの昇温時間に達するまでの間に亘って、改質器60の外縁に外気を導入するようにすることもできる。こうすれば、センサ入力が不要であると共に、経過時間計測という簡単な手法で、上記したような改質性能の維持を図ることができる。なお、システム停止とシステム起動が短時間の内になされる場合には上記したように外気導入は不要なので、システム停止からの経過時間を計測して、その時間が短ければ、外気導入を行わないようにもできる。
また、所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置の運転制御方法であって、
前記原料の改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部に前記原料をガス状態で供給するに当たり、前記水素生成装置の起動時においては、前記原料ガスの温度が所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止するようにもできる。 また、所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、
前記原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部と、
該改質部に前記原料をガス状態で供給する供給部と、
前記供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記水素生成装置の起動時においては、前記原料ガスの温度が所定温度に達するまで、前記原料ガスの供給を禁止するようにもできる。
前記原料の改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部に前記原料をガス状態で供給するに当たり、前記水素生成装置の起動時においては、前記原料ガスの温度が所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止するようにもできる。 また、所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、
前記原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部と、
該改質部に前記原料をガス状態で供給する供給部と、
前記供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記水素生成装置の起動時においては、前記原料ガスの温度が所定温度に達するまで、前記原料ガスの供給を禁止するようにもできる。
水素生成装置は、原料の改質触媒による原料改質を経て水素リッチガスを生成する改質部に、供給部から、原料をガス状態で供給する。この原料としては、ガソリンなどの液体炭化水素、メタノールなどのアルコール、アルデヒド類、または天然ガスなど、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化水素系燃料を適用することができる。また、改質反応に必要な、酸素や水蒸気或いはこの両者を併せて供給するものとしてもよい。
供給部から改質部への原料ガスの供給は制御部で制御され、水素生成装置の起動時においては、原料ガスの温度が所定温度に達するまで、改質部への原料ガスの供給を禁止する。従って、原料の改質触媒による原料改質を経て水素リッチガスを生成する改質部には、所定の温度に達した原料ガスしか供給されないようにできる。
このため、水素生成装置の起動時にあっても、改質部への供給原料ガスは、その有する熱を改質部自体の昇温はもとより、改質部での水蒸気改質の反応のために供与する。よって、改質触媒の活性低下の抑制と凝集の抑制を並行実行でき、供給された原料ガスを改質して下流に送り出すことができる。この結果、原料ガスが未改質のまま改質部を通過するようなことを抑制できるので、改質部への原料供給の当初から、改質効率を維持することができる。そして、改質部から燃料電池に改質済みの水素リッチガスを供給するものであれば、燃料電池の発電性能の低下やエミッションの低下を防止できる。
このように制御部での原料ガスの供給制御を行うに際し、供給部から改質部に到るまでに管路の開閉バルブを備え、このバルブを前料ガスの供給禁止の間に亘って閉弁制御するようにすることもできる。こうすれば、バルブの開閉制御という簡単な制御で、所定温度に達した原料ガスしか改質部に供給しないようにできる。
また、原料ガスの供給禁止期間の経過後にバルブを開放して原料ガスの供給を開始するに当たり、バルブ開度が漸増するよう開弁制御するようにすることもできる。こうすれば、次の利点がある。
原料ガス供給の禁止の期間にあっては、供給部での原料のガス化が進行しているので、この禁止期間の終期では、原料ガスのガス圧が高まっている状況が起き得る。従って、上記のようにバルブ開度を漸増制御することで、禁止期間経過直後のバルブ開弁時に、不用意に多量の原料ガスが供給されてしまうようなことを回避できると共に、改質部への原料ガス供給の当初から定量のガス供給を行うことができる。このため、改質部での水蒸気改質の進行にとっても都合がよい。
また、供給部が供給する原料ガスを、原料ガスの供給禁止の間に亘って供給部に環流させるようにすることもできる。こうすれば、原料ガス環流により、原料ガスを無駄なくその後の改質に供することができる。
また、別の水素生成装置は、原料の供給の流れに着目すると、その上流から、供給部と原料ガス導入部と改質部を有する。つまり、原料の改質触媒による原料改質を経て水素リッチガスを生成する改質部には、供給部からの原料ガスが原料ガス導入部により導かれる。なお、この水素生成装置にあっても、上記した原料とでき、酸素や水蒸気或いはこの両者を併せて供給するものとしてもよい。
この他、酸素導入部と酸素導入制御部とを有する水素生成装置は、この制御部により、酸素導入部から改質部への酸素含有ガスの導入を制御する。こうした制御は、改質部への供給部からの原料ガスの供給に際して行われ、改質部外縁の温度が所定温度を下回る状況下では、改質部外縁に、酸素含有ガスを導入するようにする。これにより、上記状況下にあっては、改質部外縁では、酸素含有ガスが原料ガスに混じった状態となり、この改質部外縁以外の部位に比して、原料ガスに対する酸素量が多くなる。このため、改質部外縁では、豊富な酸素により原料(ガス)の酸化反応(部分酸化反応)が律速進行し、これに伴って発熱も盛んとなる。供給原料ガスが酸素や水蒸気或いはこの両者を含有するものであっても同様である。
上記したように、改質部外縁での酸化反応に伴う熱は改質部自体の昇温に供与されるので、外縁以外では、この熱を受ける。よって、外縁以外の改質部は、この熱を吸熱できることから、吸熱反応である原料ガスの水蒸気改質を好適に進行させる。このため、供給された原料ガスを未改質のまま下流に送り出すようなことを抑制でき、改質部への原料供給の当初から、改質効率を維持することができる。また、改質部外縁での発熱により、当該外縁はもとより外縁以外にあっても改質器が昇温するので、上記したようなガスの凝集も抑制できる。
なお、改質部外縁の温度が所定温度を下回る状況は、水素生成装置の起動時に起きやすいことから、装置起動時における改質性能を高めることができ、改質部から水素リッチガスの供給を受ける燃料電池の起動時における発電性能の低下やエミッションの低下を防止できる。
こうした酸素含有ガスの導入制御に際し、水素生成装置を起動してから所定時間が経過する間にあっては、改質部外縁の温度が所定温度を下回る状況下にあると擬制して、改質部外縁に酸素含有ガスを導入するようにすることも好適である。こうすれば、経過時間計測という簡単な手法で、上記したような改質性能の維持を図ることができる。
上記した水素発生装置の他、水素リッチなガスの導入を受けて発電する燃料電池を有する燃料電池装置に適用することもできる。即ち、こうした燃料電池装置であって、
所定の原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成して前記燃料電池に導く改質部と、
前記原料をガス状態として前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部からの前記原料ガスを、前記改質部に導く原料ガス導入部と、
前記改質部の外縁に酸素含有ガスを導入する酸素導入部と、
該酸素導入部による前記酸素含有ガスの導入を制御する酸素導入制御部とを有し、
該酸素導入制御部は、前記燃料電池が低負荷状態の運転状態にある状況下において、前記改質部外縁への前記酸素含有ガスの導入を図ることを特徴とする。
所定の原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成して前記燃料電池に導く改質部と、
前記原料をガス状態として前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部からの前記原料ガスを、前記改質部に導く原料ガス導入部と、
前記改質部の外縁に酸素含有ガスを導入する酸素導入部と、
該酸素導入部による前記酸素含有ガスの導入を制御する酸素導入制御部とを有し、
該酸素導入制御部は、前記燃料電池が低負荷状態の運転状態にある状況下において、前記改質部外縁への前記酸素含有ガスの導入を図ることを特徴とする。
こうした燃料電池装置では、起動時における燃料電池の発電性能の低下やエミッションの低下を防止できる。
10...制御ユニット
20...原料タンク
21...バルブ
30...水タンク
50...蒸発・混合部
51...開閉弁
52...ガス温度センサ
53...切替弁
54...環流流路
60...改質器
61...温度センサ
70...シフト部
90...燃料電池
92...ブロワ
100,100A...燃料電池システム
150...蒸発部
152...混合導入部
154...外気導入孔
156...外気導入隆起部
158...ブロワ
200...燃料電池システム
210...制御ユニット
20...原料タンク
21...バルブ
30...水タンク
50...蒸発・混合部
51...開閉弁
52...ガス温度センサ
53...切替弁
54...環流流路
60...改質器
61...温度センサ
70...シフト部
90...燃料電池
92...ブロワ
100,100A...燃料電池システム
150...蒸発部
152...混合導入部
154...外気導入孔
156...外気導入隆起部
158...ブロワ
200...燃料電池システム
210...制御ユニット
Claims (6)
- 水素リッチなガスの導入を受けて発電する燃料電池を有する燃料電池システムであって、
所定の原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成して前記燃料電池に導く改質部と、
前記原料をガス状態として原料ガスを前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記改質部による原料の改質を燃料電池システム起動時に実行するに際して、前記原料ガスの温度が前記改質部での前記原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止する燃料電池システム。 - 所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、
前記原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部と、
前記原料をガス状態として原料ガスを前記改質部に対して供給する供給部と、
該供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記改質部による原料の改質を前記水素生成装置の起動時において実行するに際して、前記原料ガスの温度が前記改質部での前記原料ガスの凝縮を抑制する所定温度に達するまで、前記改質部への前記原料ガスの供給を禁止する水素生成装置。 - 請求項2記載の水素生成装置であって、
前記制御部は、
前記供給部から前記改質部に到る前記原料ガスの管路を開閉するバルブを備え、該バルブを前記原料ガスの供給禁止の間に亘って閉弁制御する水素生成装置。 - 請求項3記載の水素生成装置であって、
前記制御部は、
前記原料ガスの供給禁止期間の経過後に、前記バルブをバルブ開度が漸増するよう開弁制御する水素生成装置。 - 請求項2記載の水素生成装置であって、
前記制御部は、
前記供給部が供給する前記原料ガスを、前記原料ガスの供給禁止の間に亘って前記供給部に環流させる水素生成装置。 - 所定の原料から水素リッチなガスを生成する水素生成装置であって、
前記原料を改質する改質触媒を有し、該改質触媒による前記原料の改質を経て前記水素リッチガスを生成する改質部と、
該改質部に前記原料をガス状態で供給する供給部と、
前記供給部から前記改質部への前記原料ガスの供給を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記水素生成装置の起動時においては、前記原料ガスの温度が所定温度に達するまで前記原料ガスの供給を禁止すると共に、前記供給部が供給する前記原料ガスを、前記原料ガスの供給禁止の間に亘って前記供給部に環流させる水素生成装置。
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