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JP2007334325A - 近赤外線吸収フィルター及びその製造方法 - Google Patents

近赤外線吸収フィルター及びその製造方法 Download PDF

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JP2007334325A
JP2007334325A JP2007131796A JP2007131796A JP2007334325A JP 2007334325 A JP2007334325 A JP 2007334325A JP 2007131796 A JP2007131796 A JP 2007131796A JP 2007131796 A JP2007131796 A JP 2007131796A JP 2007334325 A JP2007334325 A JP 2007334325A
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infrared
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JP2007131796A
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English (en)
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Hirotomo Sasaki
博友 佐々木
Shinichi Nakahira
真一 中平
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Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】高い近赤外線遮蔽能と高い透明性を有し、かつ、環境への悪影響が少なく、十分な耐湿性を有する、近赤外線吸収フィルム及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】近赤外線吸収染料とポリマーの水性分散物とを含有する近赤外線吸収組成物を調製する調製工程と、近赤外線吸収組成物を透明支持体上に塗布する塗布工程と、を有する近赤外線吸収フィルターの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外線吸収フィルター及びその製造方法に関し、特に、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイパネル(LCD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED,SED)等のフラットパネルディスプレイ前面に設置される近赤外線吸収フィルム、ビルなど建築物の窓硝子や自動車のウインドウ硝子に設置される熱線吸収フィルムとして好適な近赤外線吸収フィルムに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)では、キセノンなどのガスに高電圧をかけ、プラズマ発光させることで画像を表示する。このとき、励起されたキセノンなどのガス分子がより安定な状態になる際に近赤外線が放出される。この為、PDPからは近赤外線が発生する。この近赤外線は、リモコン装置の誤動作の原因になる為、これを吸収する遮蔽処置が必要である。実際に、PDPを用いたテレビジョン、いわゆるプラズマテレビの前面には、近赤外線吸収フィルムが装着されている。
また、インバータ式蛍光灯からも赤外線が発生していることが知られており、PDPに限らず液晶ディスプレイからも赤外線が発生することが指摘されている。
また、ビルなどの建築物の硝子窓にも熱線吸収フィルムを設置し、室内冷房のためのエネルギーの節約の効果をあげることが提案されている。また、自動車のウインドー硝子に熱線吸収フィルムを貼合わせることも提案されている。
その他、近赤外線吸収組成物やそれを塗設したフィルムには様々な用途で産業上利用されている。
従来、近赤外線を吸収する色素や染料は様々なものが知られていた。
その第1には、特許文献1,2、3に例示されるような有機顔料が挙げられ、PDP用光学フィルターなどに用いられている。PDP用としては、この有機顔料を有機溶剤、バインダー樹脂とともに溶解または分散させて、フィルムに塗布することで近赤外線吸収フィルター機能を有するフィルムにして利用されている。
しかし、この使用態様は、有機溶剤を用いるために、環境への影響が大きいという欠点を有していた。また、製造設備も、防爆設備にする必要があり、高額な設備投資を必要とする方式である。
尚、特許文献3には、アクリルエマルジョン中に近赤外線吸収化合物を数μm以下に微粒化して水系塗料することが可能である旨の記載があるものの、その具体的な方法は開示されていない。
また、第2には、特許文献4、5に例示されるような水溶性染料が挙げられる。この染料を水溶性バインダー、具体的にはゼラチンとともに水に溶解し、フィルムに塗布することで、近赤外線を吸収フィルター機能を有するフィルムにしてPDPに利用することが提案されている。
特開平11−231126号公報 特開2002−138203号公報 特開平10-78509号公報 特開平11−109126号公報 特開2001-228324号公報
背景技術の項に前記した特許文献は、それぞれの目的に対しては改善がなされた技術の開示ではあるが、その一方次のような課題が残されている。
大量の有機溶剤を用いることなくフィルムに塗布可能な水溶性染料に関しては、耐久性、特に高温高湿度下で、近赤外線吸収能が低下する問題などがあり、改善が求められていた。
我々は、これらの水溶性染料について検討したところ、ゼラチンバインダー中では、水溶性の染料が分解し、近赤外線吸収能が低下することがわかった。またゼラチンバインダーを使用した場合には、耐湿熱性が不十分であることがわかった。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、高い近赤外線遮蔽能を有しながら、環境への悪影響が少なく、十分な耐湿熱性を具備する近赤外線吸収フィルム及びその製造方法を提供することにある。
上記課題は、以下の発明により解決された。
本発明者は、検討を重ねた結果、上記課題に対し、ポリマーの水性分散物から得られるポリマー層に水溶性染料を存在させることで、該染料の分解を抑制することができ、耐久性を改善することを見出し、この知見に基いて本発明を完成するに至った。しかもこのポリマーの水性分散物と水溶性染料を水を溶媒として分散させた組成物の塗設には、有機溶剤系塗布用設備と異なり、高額の設備投資を必要としない点、産業上の利点も大きい。更に、有機溶剤の使用を著しく低減、ないし、全く使用することなく製造可能であり、環境への有機溶剤の放出による環境影響を避けることができる。
1.近赤外線吸収染料とポリマーの水性分散物とを含有する近赤外線吸収組成物を調製する調製工程と、前記近赤外線吸収組成物を透明支持体上に塗布する塗布工程と、を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルターの製造方法。
2.前記ポリマーの水性分散物は、分散媒として水を含有することを特徴とする上記1に記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
3.前記分散媒が水を70〜100質量%含有することを特徴とする上記1又は2に記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
4.前記ポリマーの水性分散物中のポリマーが疎水性のポリマーであることを特徴とする上記1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
5.前記ポリマーの水性分散物中のポリマーがアクリル樹脂またはウレタン樹脂を含んでいることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
6.前記近赤外線吸収組成物は実質的に水溶性ポリマーを含有しないことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
7.前記近赤外線吸収染料がメチン染料であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
8.前記近赤外線吸収染料がヘプタメチンシアニン染料であることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
9.前記近赤外線吸収組成物がさらにスピロインダン化合物及び/又はビオローゲン化合物を含有することを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
10.前記近赤外線吸収フィルターのヘイズ値が3%以下であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
11.透明支持体と、前記透明支持体上に、近赤外吸収染料とポリマーの水性分散物を含有する近赤外線吸収組成物を用いて形成された近赤外線吸収層と、を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルター。
12.前記近赤外線吸収層中のポリマーの水性分散物の含有量が、0.2g〜10g/m2以下であることを特徴とする上記11に記載の近赤外線吸収フィルター。
13.前記ポリマーの水性分散物は、ポリマーとしてアクリル樹脂またはウレタン樹脂を含有することを特徴とする上記11または12に記載の近赤外線吸収フィルター。
14.前記近赤外線吸収層は実質的に水溶性ポリマーを含有しないことことを特徴とする上記11〜13記載の近赤外線吸収フィルター。
15.前記近赤外吸収染料がメチン染料であることを特徴とする上記11〜14記載の近赤外線吸収フィルター。
16.前記近赤外線吸収層が、架橋剤で架橋されていることを特徴とする上記11〜15記載の近赤外線吸収フィルター。
17.前記近赤外線吸収層が、架橋剤をポリマーに対して3質量%以上含有することを特徴とする上記16に記載の近赤外線吸収フィルター。
18.前記近赤外線吸収層が、光褪色防止剤を含有することを特徴とする上記11〜17記載の近赤外線吸収フィルター。
19.前記近赤外線吸収層が、スピロインダン化合物及び/又はビオローゲン化合物を含有することを特徴とする上記11〜18記載の近赤外線吸収フィルター。
20.前記近赤外線吸収層の1層当たりの厚みが3μm以下であることを特徴とする上記11〜19記載の近赤外線吸収フィルター。
21.前記透明支持体が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする上記11〜20記載の近赤外線吸収フィルター。
22.前記透明支持体が透明プラスチックフィルムであることを特徴とする上記11〜21のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
23.前記近赤外線吸収フィルターのヘイズ値が3%以下であることを特徴とする上記11〜22記載の近赤外線吸収フィルター。
24.880nmの光の透過率が20%以下であることを特徴とする上記項11〜23のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
25.前記近赤外線吸収層上に、さらにオーバーコート層を有することを特徴とする上記11〜24記載の近赤外線吸収フィルター。
26.金属銀を含む導電性パターンからなる導電性層をさらに有することを特徴とする上記11〜25のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
27.前記金属銀が現像銀であることを特徴とする上記11〜26のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
28.前記透明支持体を挟んで近赤外線吸収層の反対側に、電磁波シールド層、ハードコート層、反射防止層および防眩性層の少なくとも1つを有することを特徴とする上記11〜27記載の近赤外線吸収フィルター。
29.上記11〜28のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターを用いたことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用光学フィルター。
本発明によれば、環境への悪影響が少なく、高い生産性および低コスト性を有する近赤外線吸収フィルターの製造方法を提供することができ、高い透明性を有する近赤外線吸収フィルターを提供できる。
また、本発明の近赤外線吸収フィルターは、高温高湿下で保存後の近赤外線吸収能の低下が抑制されたものであり、ヘイズが小さく、また、高温高湿下で保存後のヘイズ上昇が抑制されたものである。
更に、本発明の近赤外線吸収フィルターは、光による近赤外線吸収能の低下が抑制されたものである。
また、プラズマディスプレイの輝度を著しく損なわずに、その画質を維持または向上させることができる、光学特性に優れた光学フィルターを提供することが出来る。さらに、プラズマディスプレイから発生する健康に害をなす可能性があることを指摘されている電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマディスプレイから放射される800〜1000nm付近の近赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与えず、それらの誤動作を防ぐことができる光学フィルターを提供することができる。
さらにまた、耐久性にも優れた光学フィルターを低コストで提供することが出来る。
また、該近赤外線カットフィルムを有する光学フィルターおよびプラズマディスプレイを提供することができる。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
本発明のフィルターは、近赤外線吸収性(近赤外線遮蔽性)を有する。前述したようにプラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生するので、光学フィルターを用いて、実用上問題無いレベルまで電磁波だけでなく近赤外線もカットする必要があり、波長領域820〜1000nmにおける透過率を25%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下とすることが必要である。
前記したように、有機溶剤を近赤外吸収色素の溶剤として用いて近赤外線吸収層を形成させることは大気及び作業環境規制への適合と防爆性の確保、及び環境への影響を最小化する意味で困難ないし設備投資が必要な問題があった。一方、水系溶媒分散可能の染料とゼラチンに代表される水溶性バインダーを用いて近赤外線吸収層を形成させる形成させる方法は、これらの問題を回避可能であるが、色素の耐久性に劣る問題があった。つまり、いずれを用いても実用に際して支障があった。しかしながら、水系分散媒に分散させたポリマー分散物は、近赤外線吸収性染料を可溶化ないし分散できて、その組成物から得られる近赤外吸収層は、親水性基を有する染料を用いていても上記の色素の耐久性の欠陥が生じないことを見出したことが、本発明の特徴である。
本発明の近赤外線吸収フィルターは、近赤外線吸収染料とポリマーの水性分散物とを含有する近赤外線吸収組成物を調製し、近赤外線吸収組成物を透明支持体上に塗布することで作製できる。
近赤外線吸収層の塗布方法としては、例えばディップコート法、ローラーコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、ダイコート法などを選択できる。これらのコート法は連続加工を行うことができ、バッチ式の蒸着法などに比べて生産性が優れている。また、薄く均一な塗膜を形成できるスピンコート法も採用し得る。
塗布層を担持した支持体(例えば、後述するが、ポリエステル等のプラスチックフィルム)は、逐次二軸延伸前、同時二軸延伸前、一軸延伸後で再延伸前、あるいは二軸延伸後のいずれであってもよい。塗布液を塗布するプラスチック支持体の表面は、あらかじめ紫外線照射処理、コロナ放電処理、グロー放電処理などの表面処理を施しておくことが好ましい。
なお、近赤外線吸収層は2層以上設けてもよい。近赤外線吸収層の膜厚は、1層当たり、近赤外線遮蔽効果を有効に得るために、0.1μm以上が好ましく、成膜時の溶媒が残留しにくい、成膜の操作性が容易であるなどの点から10μm以下が好ましく、特に0.3〜3μmであることが好ましい。
[近赤外線吸収組成物]
近赤外線吸収組成物は近赤外線吸収染料とポリマーの水性分散物とを含有する。また適宜その他の材料を含んでもよい。
(1)近赤外線吸収染料
本発明に適用される近赤外線吸収染料は、ポリマーの水性分散物中に安定に溶解ないし分散し得る染料であって少なくとも820〜1200μmに分光吸収域を有する染料であり、この性質を有する染料であれば適用の対象となり得る。尚、近赤外線吸収化合物としては、顔料として知られるフタロシアニン錯体やジイモニウム塩があり、前述の特許文献にも記載されているが、これらは一般にポリマーの水性分散物中に、安定に溶解や分散することできないので、本発明では用いない。本発明の近赤外線吸収化合物は、「染料」であり、ポリマーの水性分散物中に安定に溶解ないし分散可能であり、近赤外線吸収フイルムを得ることが容易である。また、ポリマーの水性分散物、特にアクリルエマルジョン中に、上記特許文献1及び2に記載のフタロシアニン錯体やジイモニウム塩を分散させて塗布し、近赤外線吸収フィルターの作製した場合、ヘイズが5%以上と高くなるが、本発明の近赤外線吸収染料、特にヘプタメチンシアニン染料を使用した場合には、ヘイズが3%以下となり、高い透明性を有する近赤外線吸収フィルムが得られる。
本発明に用いられる近赤外線吸収染料としては、例えば、シアニン染料、オキソノール染料などのメチン染料が挙げられる。シアニン染料としては、ペンタメチンシアニン染料、へプタメチンシアニン染料、ノナメチンシアニン染料が好ましく、特に、ヘプタメチンシアニン染料が好ましい。シアニン染料の環基としてはチアゾール環、インドレニン環又はベンゾインドレニン環を有するものが好ましい。
オキソノール染料としては、バルビツール酸環を有するバルビツール酸オキソノール染料が好ましい。
また、これら染料は、水溶性基を有することが好ましい。水溶性基としては、カルボキシル基及びその塩、スルホ基及びその塩、などが挙げられる。
さらに、インドレニンシアニン系染料やバルビツール酸オキソノール系染料に代表される水溶性の染料は、有機溶剤に溶かすことなく水溶液にして塗布できる点で、環境影響の観点と、塗布コスト低減の点から好ましい。
また、これら染料は、会合体として利用することが好ましく、特にJ会合体として利用することが好ましい。J会合体とすることで非会合状態においては可視域に吸収極大を有する染料の吸収波長を所望の近赤外線領域に設定することが容易になる。また、染料の耐熱性や耐湿熱性、耐光性などの耐久性を向上させることができる。
また、これらの染料の水溶性を調節し、難溶性とすることによって、あるいは換言するとレーキ染料として利用することも好ましい形態である。これにより染料の耐熱性や耐湿熱性、耐光性などの耐久性を向上させることができ、好ましい。
これらの近赤外線吸収染料としては、特開2001-228324号公報などに記載の染料を利用することができる。
また本発明で好適なシアニン色素としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2007334325
Figure 2007334325
Figure 2007334325
近赤外線吸収層の赤外線吸収染料の量は、赤外線遮蔽効果を有効に得るためには、透明樹脂(バインダー)固形分に対して3質量%以上とすることが好ましく、5質量%以上が好ましい。また、透明樹脂の物性を保つためには、赤外線吸収色素の量を50質量%以下に抑えることが好ましい。
また、例えば、プラズマディスプレイパネルはパネル表面の温度が高く、環境の温度が高いときは特に近赤外線吸収フィルターの温度も上がるため、該染料は、例えば80℃で分解等によって顕著に劣化しない耐熱性を有していることが好適である。また、耐熱性に加えて染料によっては耐光性に乏しいものもある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いたり、紫外線吸収剤を近赤外線吸収染料とともにポリマーの水性分散物に含有させることによって、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化すると近赤外線吸収フィルターの透過特性が変わってしまい、色調が変化したり近赤外線カット能が低下してしまう。さらには、媒体または塗膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性や分散性も重要である。また、本発明においては異なる吸収波長を有する染料2種類以上を一つの媒体または塗膜に含有させても良いし、色素を含有する媒体、塗膜を2つ以上有していても良い。
近赤外線吸収フィルターには、近赤外吸収染料の劣化等を防ぐ目的で紫外線カット性を付与することが好ましい。該染料を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット性は、紫外線吸収剤や紫外線を反射または吸収する無機化合物を含有する層を透明基材上に形成することにより得られる。ポリマーの水性分散物中に含有させることも好ましい。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。
なお、紫外線カット性を有する機能性フィルムは、可視光線領域の吸収が少なく、著しく可視光線透過率が低下したり黄色等の色を呈することがないことが好ましい。
本発明で好ましく利用できる紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号公報等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンゾオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
本発明では、該染料の安定性向上のために、酸化防止剤を用いることが好ましく、酸化防止剤としては各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
(2)ポリマーの水性分散物
本発明のポリマーの水性分散物は、主成分が水である分散媒(本明細書では溶媒と呼ぶこともある)に疎水性のポリマー(合成樹脂)が分散された分散物である。
溶媒中に含まれる水の含量は、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜100質量%がさらに好ましい。水以外の溶媒としては、メタノールやエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフランやブチルセロソルブなど、水に溶解性を有する溶剤が好ましく用いられる。
近赤外線吸収層のポリマーの水性分散物の含有量は、0.2〜10g/m2が好ましい。0.2g/m未満の場合は、近赤外線吸収層の膜強度や支持体との密着が弱くなる場合があり、10g/m2を超えると塗布性やムラ、高温高湿度下でのヘイズ上昇の問題を生じる場合がある。
合成樹脂(ポリマー)としては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の種々のポリマーを使用することができる。但し、水溶性のポリマー(ゼラチン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなど)だけを本発明のバインダーとして用いることはできない。水溶性のポリマーだけをバインダーに用いた場合、高温高湿度下での近赤外線吸収染料が分解する問題がある。近赤外線吸収層に水溶性のポリマーを添加する場合は、同一層に上記ポリマーの水性分散物が存在する必要があり、好ましくは該水性分散物が固形分として0.2〜10g/m2塗布されていることが好ましい。仮に水溶性のポリマーを添加する場合、その量は0.2g/m2以下であることが好ましい。
合成樹脂(ポリマー)層には支持体との密着性を改良する観点から、硬化剤(例えばカルボジイミド化合物)により硬化させることが好ましい。本発明では、良好な作業環境の維持、及び大気汚染防止の観点から、ポリマーもカルボジイミド化合物などの硬化剤も、エマルジョン形態の水分散状態で使用することが好ましい。また、ポリマーは、カルボジイミド化合物などの硬化剤との架橋反応が可能なように、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有する。水酸基及びカルボキシル基が好ましく、特にカルボキシル基が好ましい。ポリマー中の水酸基又はカルボキシル基の含有量は、0.0001〜1当量/kgが好ましく、特に0.001〜1当量/kgが好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル酸、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類、メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体が好ましい。例えば、炭素原子数1〜6のアルキル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙げることができる。上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分とし、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られるポリマーである。
上記ビニル樹脂としては、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチレン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体)を挙げることができる。これらの中で、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくは、エチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。上記ビニル樹脂は、カルボジイミド化合物との架橋反応が可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニルでは、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びアミノ基のいずれかの基を有するモノマーを一部使用することにより架橋可能なポリマーとする。
上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポリヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオール、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリオール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエチレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、あるいはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導されるポリウレタンを挙げることができる。上記ポリウレタン樹脂では、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとの反応後、未反応として残った水酸基をカルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。
上記ポリエステル樹脂としては、一般にポリヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが使用される。上記ポリエステル樹脂では、例えば、ポリオールと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸基、カルボキシル基をカルボジイミド化合物との架橋反応が可能な官能基として利用することができる。勿論、水酸基等の官能基を有する第三成分を添加してもよい。
上記ポリマーの中で、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂が好ましい。
尚、ポリマーの水性分散物の分散状態としては、ポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持つもの等いずれでもよい。なお、本発明のポリマの水性分散物(または単に水分散物と呼ぶ)については「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」等に記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限はなく、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
なお、水分散物としては下記のような市販ポリマーを用いてもよい。
スーパフレックス830、460、870、420、420NS(第一工業製薬製ポリウレタン)、ボンディック1370NS、1320NS、ハイドランHw140SF、WLS201、WLS202、WLS213(大日本インキ化学工業製ポリウレタン)、オレスターUD350、UD500、UD600(三井化学製ポリウレタン)、ネオレッツR972、R966、R9660(楠本化成製ポリウレタン)、ファインテックスEs650、Es2200(大日本インキ化学工業製ポリエステル)、バイロナールMD1100、MD1400、MD1480(東洋紡製ポリエステル)、ジュリマーET325、ET410、AT-613、SEK301(日本純薬製アクリル)、ボンコートAN117、AN226(大日本インキ化学工業製アクリル)、ラックスターDS616、DS807(大日本インキ化学工業製スチレン−ブタジエンゴム)、ニッポールLX110、LX206、LX426、LX433(日本ゼオン製スチレン−ブタジエンゴム)、ニッポールLX513、LX1551、LX550、LX1571(日本ゼオン製アクリロニトリル−ブタジエンゴム)。
本実施の形態の近赤外線吸収層のバインダとして用いるポリマは1種類を単独で用いてもよいし、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
本実施の形態の近赤外線吸収層のバインダとして用いるポリマの分子量には特に制限はないが、通常、重量平均分子量で3000から1000000程度のものが好ましい。重量平均分子量が3000未満のものは塗布層の強度が不十分になる場合があり、1000000を超えるものは塗布面状が悪い場合がある。
本発明の近赤外線吸収組成物に好ましく用いられる硬化剤(又は架橋剤)についてさらに説明する。
本実施の形態の近赤外線吸収層に用いる架橋剤としては特に制限はなく、エポキシ系、カルボジイミド系、メラミン系、イソシアネート系、シクロカーボネート系、ヒドラジン系等の公知の架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤については、例えば文献(「架橋剤ハンドブック」山下晋三ら編集、大成社、昭和56年発行)に記載されている。
これらの架橋剤のうち、エポキシ系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、メラミン系架橋剤、イソシアネート系架橋剤が特に好ましい。
本実施の形態で用いられるエポキシ系架橋剤とは、分子内に2つ以上のエポキシ基を有する化合物である。本実施の形態では、これらの化合物は、特に制限なく使用できる。
エポキシ系架橋剤の例としては、例えばディナコールEX614B、EX521、EX512、EX301、EX313、EX314、EX810、EX811(ナガセケムテックス製)等がある。
本発明でとくに好ましく用いられる硬化剤であるカルボジイミド化合物としては、分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物を使用することが好ましい。
ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成される。ここで分子内にカルボジイミド構造を複数有する化合物の合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能であるが、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。
合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。
有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。
具体的には、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。
また、本発明に用いうるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡社製)などの市販品としても入手可能である。
カルボジイミド系化合物はバインダーに対して1〜200質量%、より好ましくは5〜100質量%の範囲で添加することが好ましい。
このほかの硬化剤(または架橋剤)としては、エポキシ化合物が好ましく利用可能である。
エポキシ化合物としては、前述の市販品に加え、1,4−ビス(2’,3’−エポキシプロピルオキシ)ブタン、1,3,5−トリグリシジルイソシアヌレート、1,3−ジクリシジル−5−(γ−アセトキシ−β−オキシプロピル)イソシヌレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル類、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロ−ルポリグルシジルエーテル、1,3,5−トリグリシジル(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリセロールエーテル類およびトリメチロ−ルプロパンポリグリシジルエーテル類等のエポキシ化合物が好ましい。
また、他の架橋性化合物との併用も可能であり、例えばC.E.K.Mees およびT.H.James著「The Theory of the Photographic Processes」第3版(1966年)、米国特許第3316095号、同3232764号、同3288775号、同2732303号、同3635718号、同3232763号、同2732316号、同2586168号、同3103437号、同3017280号、同2983611号、同2725294号、同2725295号、同3100704号、同3091537号、同3321313号、同3543292号及び同3125449号、並びに英国特許994869号及び同1167207号の各明細書等に記載されている硬化剤などがあげられる。
代表的な例としては、二個以上(好ましくは三個以上)のメチロール基およびアルコキシメチル基の少なくとも一方を含有するメラミン化合物またはそれらの縮重合体であるメラミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂、さらにはムコクロル酸、ムコブロム酸、ムコフェノキシクロル酸、ムコフェノキシプロム酸、ホルムアルデヒド、グリオキザール、モノメチルギリオキザール、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン、2,3−ジヒドロキシ−5−メチル−1,4−ジオキサンサクシンアルデヒド、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン及びグルタルアルデヒド等のアルデヒド系化合物およびその誘導体;ジビニルスルホン−N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセトアミド)、1,3−ビス(ビニルスルホニル)−2−プロパノール、メチレンビスマレイミド、5−アセチル−1,3−ジアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘサヒドロ−s−トリアジン及び1,3,5−トリビニルスルホニル−ヘキサヒドロ−s−トリアジンなどの活性ビニル系化合物;2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(4−スルホアニリノ)−s−トリアジンナトリウム塩、2,4−ジクロロ−6−(2−スルホエチルアミノ)−s−トリアジン及びN,N’−ビス(2−クロロエチルカルバミル)ピペラジン等の活性ハロゲン系化合物;ビス(2,3−エポキシプロピル)メチルプロピルアンモニウム・p−トルエンスルホン酸塩、2,4,6−トリエチレン−s−トリアジン、1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素およびビス−β−エチレンイミノエチルチオエーテル等のエチレンイミン系化合物;1,2−ジ(メタンスルホンオキシ)エタン、1,4−ジ(メタンスルホンオキシ)ブタン及び1,5−ジ(メタンスルホンオキシ)ペンタン等のメタンスルホン酸エステル系化合物;ジシクロヘキシルカルボジイミド及び1−ジシクロヘキシル−3−(3−トリメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物;2,5−ジメチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール系化合物;クロム明ばん及び酢酸クロム等の無機系化合物;N−カルボエトキシ−2−イソプロポキシ−1,2−ジヒドロキノリン及びN−(1−モルホリノカルボキシ)−4−メチルピリジウムクロリド等の脱水縮合型ペプチド試薬;N,N’−アジポイルジオキシジサクシンイミド及びN,N’−テレフタロイルジオキシジサクシンイミド等の活性エステル系化合物:トルエン−2,4−ジイソシアネート及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート類;及びポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン反応物等のエピクロルヒドリン系化合物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
別の有用な硬化剤としては、例えば活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル、N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕など)や活性ハロゲン化合物(ムコクロル酸に代表されるムコハロゲン酸類など)、ハロアミジニウム塩類(1−(1−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム−2−ナフタレンスルホナートなど)を単独または組合せて用いることができる。また、特開昭53−41220号、同53−57257号、同59−162546号、同60−80846号などの各公報に記載の活性ビニル化合物および米国特許3,325,287号明細書に記載の活性ハロゲン化合物も好ましい。
本実施の形態に用いられる架橋剤は、バインダー固形分に対して、1〜100質量%、より好ましくは3〜50質量%の範囲で添加することが好ましく、特に5〜20重量%が好ましい。添加量が1質量%より少ないと上層との接着性が不十分になる場合があり、100質量%を超えると塗布面状が悪化する場合がある。
本発明において、光褪色防止剤を添加することが好ましい。特に近赤外線吸収層に含有させることが好ましい。本発明において光褪色防止剤は、光照射によって近赤外線吸収能が低下することを抑制する化合物を言う。
光褪色防止剤としては、公知のラジカル捕獲剤や一重項酸素クエンチャー、酸化防止剤のほか、ビオローゲン化合物等が挙げられ、光褪色防止剤の例には、ハイドロキノン誘導体(米国特許3935016号、同3982944号の各明細書記載)、ハイドロキノンジエーテル誘導体(米国特許4254216号明細書および特開昭55−21004号公報記載)、フェノール誘導体(特開昭54−145530号公報記載)、スピロインダンまたはメチレンジオキシベンゼンの誘導体(英国特許公開2077455号、同2062888号の各明細書および特開昭61−90155号公報記載)、クロマン、スピロクロマンまたはクマランの誘導体(米国特許3432300号、同3573050号、同3574627号、同3764337号の各明細書および特開昭52−152225号、同53−20327号、同53−17729号、同61−90156号の各公報記載)、ハイドロキノンモノエーテルまたはパラアミノフェノールの誘導体(英国特許1347556号、同2066975号の各明細書および特公昭54−12337号、特開昭55−6321号の各公報記載)およびビスフェノール誘導体(米国特許3700455号明細書および特公昭48−31625号公報記載)、ニトロソ化合物(特開平2−300288号公報記載)、酸化防止剤(欧州特許公開820057A1号明細書記載)、及び、ビオローゲン化合物(特開平11−106376公報記載)が含まれる。
特に、ポリマーの水性分散物中に安定に溶解ないし分散し得る化合物が好適であり、更には、水溶性基を有することがより好ましい。水溶性基としては、カルボキシル基及びその塩、スルホ基及びその塩、アミノ基などが挙げられる。
本発明における光褪色防止剤としては上記の中でも特にビオローゲン化合物が好ましい。
特にビオローゲン化合物は光褪色防止効果に加え、本発明の近赤外線吸収フィルターのヘイズ値を低減する効果があり好ましい。
本発明において、近赤外線吸収フィルターのヘイズ値は5%以下であることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下であることが好ましい。
本発明においてヘイズ値の低減は、上記のビオローゲン化合物の使用や、後述のオーバーコート層の付与により実現可能である。
本発明におけるビオローゲン化合物は下記式で表される。
一般式(III)
Figure 2007334325
式中R31およびR32はそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
一般式(III)において、R31もしくはR32で表されるアルキル基は、炭素原子数1〜18が好ましく、更に炭素数1〜8が好ましく、直鎖、分岐又は環状であってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、イソアミル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−オクチルを挙げることができる。
また、アルケニル基は、炭素数2〜18が好ましく、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばビニル、2−プロペニル、2−メチルプロペニル、1,3−ブタジエニルを挙げることができる。
また、アルキニル基は、炭素数2〜18が好ましく、更に炭素数2〜8が好ましく、例えばエチニル、プロピニル、3,3−ジメチルブチニルを挙げることができる。
また、アリール基は、炭素数6〜18が好ましく、更に炭素数6〜10が好ましく、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルを挙げることができる。
また、ヘテロ環基は、炭素数4〜7の飽和又は不飽和のヘテロ環基が好ましく、含有されるヘテロ原子としては窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、例えば4−ピリジル、2−ピリジル、2−ピラジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、2−イミダゾリル、2−フリル、2−チオフェニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチオキサゾリルを挙げることができる。一般式(III)のR31およびR32は更に置換基を有していてもよい。
一般式(III)中Zはアニオンを表し、nは分子の荷電を中和するのに必要な数を表す。分子内で塩を形成する場合にはn=0である。Zは無機イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオンなど)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホンル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオンなど)が挙げられる。Zは好ましくは、ハロゲンイオンである。なお、上記ビオローゲン化合物は、ビオローゲン化合物単独で添加してもよく、メチン色素の対カチオンとして用いてもよい。
本発明において、前記近赤外線吸収層に接し、透明支持体に接しない、近赤外線吸収層のオーバーコート層を有することが好ましい。オーバーコート層のバインダーは、前述のポリマーの水性分散物を利用することが好ましい。
オーバーコート層の厚みは、0.1μm〜20μmが好ましく、0.3μm〜10μmがより好ましい。
オーバーコート層を有する場合、光褪色など耐久性の点で有利であるので好ましい。これは近赤外線吸収層中の近赤外線吸収染料が水や酸素、紫外線といった外部の影響から保護されるためと考えられる。また、オーバーコート層は本発明の近赤外線フィルターのヘイズ値を低減するためにも好ましく使用できる。
(3)支持体
本発明に用いられる支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、およびガラス板などを用いることができる。
上記プラスチックフィルムおよびプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさおよび価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルム又はトリアセチルセルロース(TAC)であることが好ましい。
ディスプレイ用の近赤外線吸収フィルターでは透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフィルムまたはプラスチック板の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。また、本発明では、前記プラスチックフィルムおよびプラスチック板として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。
本発明におけるプラスチックフィルムおよびプラスチック板は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
本発明における支持体としてガラス板を用いる場合、その種類は特に限定されないが、ディスプレイ用電磁波シールド膜の用途として用いる場合、表面に強化層を設けた強化ガラスを用いることが好ましい。強化ガラスは、強化処理していないガラスに比べて破損を防止できる可能性が高い。さらに、風冷法により得られる強化ガラスは、万一破損してもその破砕破片が小さく、かつ端面も鋭利になることはないため、安全上好ましい。
(4)電磁波シールド層
本発明の近赤外線吸収フィルターは、金属銀を含む導電性パターンを有することが好ましい。この導電性パターンを細線からなる格子状にすることで、ディスプレイ用光学フィルターとして用いた場合などに電磁波シールド機能を付与することができる。
金属銀を含む導電性パターンの形成方法は、銀の微粒子からなるペーストまたはインクをパターン状に印刷することで形成でき、また、ハロゲン化銀乳剤を塗布したフィルムを現像処理して得られる現像銀を利用することで形成することができる。これら銀を含む導電性パターンは、めっき処理を施して導電性を高めることで電磁波シールド能を高めることができる。このような導電性パターンの形成は、以下の特許文献に開示の方法を適宜利用できる。
特開2004-221564、特開2004-221565、特開2006-012935、特開2006-010795、特開2006-228469、特開2006-228473、特開2006-228478、特開2006-228480、特開2006-228836、特開2006-267627、特開2006-269795、特開2006-267635、特開2006-286410、特開2006-283133、特開2006-283137。
(5)その他の機能層
本発明では、必要に応じて近赤外線吸収層にさらに別の機能性を付与してもよい。又は該層とは別に機能性を有する機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレイ用電磁波シールド材用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレアー層またはアンチグレア層(共にぎらつき防止機能を有する)、特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、銀塩含有層と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、あるいは同一面側に設けてもよい。
これらの機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、プラズマディスプレイパネル本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板などの透明基板に貼合してもよい。これらの機能性膜を光学フィルター(または単にフィルター)と呼ぶ。
(反射防止性・防眩性)
透光性電磁波シールド膜には、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能性を付与することが好ましい。
これらの性能により、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうのを防止できる。また、膜表面の可視光線反射率が低くすることにより、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。反射防止性・防眩性を有する機能性フィルムを透光性電磁波シールド膜に貼付した場合の可視光線反射率は、2%以下であることが好ましく、より好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
上記のような機能性フィルムは、適当な透明基材上に反射防止性・防眩性を有する機能層を設けることにより形成することができる。
反射防止層としては、例えば、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、窒化物、硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したもの等で形成することができる。
防眩性層としては、0.1μm〜10μm程度の微少な凹凸の表面状態を有する層から形成することができる。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを塗布、硬化することにより形成することが可能である。
粒子の平均粒径は、1〜40μm程度が好ましい。
また、防眩性層としては、上記の熱硬化型または光硬化型樹脂を塗布した後、所望のグロス値または表面状態を有する型を押しつけ硬化することによっても形成することができる。
防眩性層を設けた場合の透光性電磁波シールド膜のヘイズは0.5%以上20%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩性が不十分であり、ヘイズが大きすぎると透過像鮮明度が低くなる傾向がある。
(ハードコート性)
近赤外線吸収フィルターに耐擦傷性を付加するために、機能性フィルムがハードコート性を有していることも好適である。ハードコート層としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。ハードコート層の厚さは、1〜50μm程度であることが好ましい。ハードコート層上に上記の反射防止層および/または防眩層を形成すると、耐擦傷性・反射防止性および/または防眩性を有する機能性フィルムが得られ好適である。
ハードコート性が付与された透光性電磁波シールド膜の表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともHであることが好ましく、より好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。
本発明において、透明支持体を挟んで近赤外線吸収層の反対側に、電磁波シールド層、ハードコート層、反射防止層および防眩性層の少なくとも1つを有することが好ましい。すなわち、透明支持体の一方の面に、近赤外線吸収層を先ず形成する。その後、透明支持体の他方の面に、電磁波シールド層、ハードコート層、反射防止層および防眩性層の少なくとも1つを形成する。なお、これらの全ての層を形成することが好ましい。
(帯電防止性)
静電気帯電によるホコリの付着や、人体との接触による静電気放電を防止するため、透過性電磁波シールド膜には、帯電防止性が付与されることが好ましい。
帯電防止性を有する機能性フィルムとしては、導電性の高いフィルムを用いることができ、例えば導電性が面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。
導電性の高いフィルムは、透明基材上に帯電防止層を設けることにより形成することができる。帯電防止層に用いる帯電防止剤としては、具体的には、商品名ペレスタット(三洋化成社製)、商品名エレクトロスリッパー(花王社製)等が挙げられる。他に、ITOをはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜で帯電防止層を形成しても良い。上述のハードコート層、反射防止層、防眩層等に、導電性微粒子を含有させる等して帯電防止性を付与してもよい。
(防汚性)
近赤外線吸収フィルターが防汚性を有していると、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるので好適である。
防汚性を有する機能性フィルムは、例えば透明基材上に防汚性を有する化合物を付与することにより得られる。防汚性を有する化合物としては、水および/または油脂に対して非濡性を有する化合物であればよく、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。フッ素化合物として具体的には商品名オプツール(ダイキン社製)等が挙げられ、ケイ素化合物としては、商品名タカタクォンタム(日本油脂社製)等が挙げられる。
(紫外線カット性)
近赤外線吸収フィルターには、後述する色素や透明基材の劣化等を防ぐ目的で紫外線カット性を付与することが好ましい。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、透明基材自体に紫外線吸収剤を含有させる方法や透明基材上に紫外線吸収層を設けることにより形成することができる。
色素を保護するのに必要な紫外線カット能としては、波長380nmより短い紫外線領域の透過率が、20%以下、好ましくは10%以下、更に好ましくは5%以下である。紫外線カット性を有する機能性フィルムは、紫外線吸収剤や紫外線を反射または吸収する無機化合物を含有する層を透明基材上に形成することにより得られる。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系等、従来公知のものを使用でき、その種類・濃度は、分散または溶解させる媒体への分散性・溶解性、吸収波長・吸収係数、媒体の厚さ等から決まり、特に限定されるものではない。
なお、紫外線カット性を有する機能性フィルムは、可視光線領域の吸収が少なく、著しく可視光線透過率が低下したり黄色等の色を呈することがないことが好ましい。
また、機能性フィルムに後述する色素を含有する層が形成されている場合は、その層よりも外側に紫外線カット性を有する層が存在することが望ましい。
(ガスバリア性)
近赤外線吸収フィルターを常温常湿よりも高い温度・湿度環境下で使用すると、水分により後述する色素が劣化したり、貼り合せに用いる接着剤中や貼合界面に水分が凝集して曇ったり、水分による影響で接着剤が相分離して析出して曇ったりすることがあるので、透光性電磁波シールド膜はガスバリア性を有していることが好ましい。
このような色素劣化や曇りを防ぐためには、色素を含有する層や接着剤層への水分の侵入を防ぐことが肝要であり、機能性フィルムの水蒸気透過度が10g/m・day以下、好ましくは5g/m・day以下であることが好適である。
(その他の光学特性)
また、近赤外線吸収フィルターをプラズマディスプレイに用いる場合、その透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが好ましい。これは、プラズマディスプレイの発光特性およびコントラストを維持または向上させるためであり、また、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。
また、プラズマディスプレイに用いる光学フィルターはその透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要求される。これは、プラズマディスプレイの発光特性およびコントラストを維持または向上させる必要があったり、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。さらにまた、カラープラズマディスプレイはその色再現性が不十分と言われており、その原因である蛍光体または放電ガスからの不要発光を選択的に低減することが好ましい。特に赤色表示の発光スペクトルは、波長580nmから700nm程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比較的強い短波長側の発光ピークにより赤色発光がオレンジに近い色純度の良くないものとなってしまう問題がある。これら光学特性は、色素を用いることによって制御できる。つまり、近赤外線カットには近赤外線吸収剤を用い、また、不要発光の低減には不要発光を選択的に吸収する色素を用いて、所望の光学特性とすることが出来、また、光学フィルターの色調も可視領域に適当な吸収のある色素を用いて好適なものとすることができる。
色素を含有させる方法としては、(1)色素を少なくとも1種類以上、透明な樹脂に混錬させた高分子フィルムまたは樹脂板、(2)色素を少なくとも1種類以上、樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚液に分散・溶解させ、キャスティング法により作製した高分子フィルムまたは樹脂板、(3)色素を少なくとも1種類以上を、樹脂バインダーと有機系溶媒に加え、塗料とし、高分子フィルムまたは樹脂板上にコーティングしたもの、(4)色素を少なくとも1種類以上を含有する透明な粘着材、のいずれか一つ以上選択できるが、これらに限定されない。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材または層の表面に塗布した状態を意味する。
上記の色素は可視領域に所望の吸収波長を有する一般の染料または顔料、であって、その種類は特に限定されるものではないが、例えばアントラキノン系、フタロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、イモニウム系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミン系、キサンテン系、ピロメテン系、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物等の一般に市販もされている有機色素があげられる。その種類・濃度は、色素の吸収波長・吸収係数、光学フィルターに要求される透過特性・透過率、そして分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、特に限定されるものではない。
プラズマディスプレイパネルはパネル表面の温度が高く、環境の温度が高いときは特に光学フィルターの温度も上がるため、色素は、例えば80℃で分解等によって顕著に劣化しない耐熱性を有していることが好適である。また、耐熱性に加えて色素によっては耐光性に乏しいものもある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによって、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化すると光学フィルターの透過特性が変わってしまい、色調が変化したり近赤外線カット能が低下してしまう。さらには、媒体または塗膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性や分散性も重要である。また、本発明においては異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つの媒体または塗膜に含有させても良いし、色素を含有する媒体、塗膜を2つ以上有していても良い。
導通部はメッシュパターン層であっても、パターニングされていない、例えば金属箔ベタの層であっても良いが、ディスプレイ本体のアース部との電気的接触を良好とする為には、金属箔ベタ層のようにパターニングされていない導通部であることが好ましい。
導通部が、例えば金属箔ベタのようにパターニングされていない場合、および/または、導通部の機械的強度が十分強い場合は、導通部そのままを電極として使用できて好適である。
導通部の保護のため、および/または、導通部がメッシュパターン層である場合にアース部との電気的接触を良好とするために、導通部に電極を形成することが好ましい場合がある。電極形状は特に限定しないが、導通部をすべて覆うように形成されている事が好適である。
電極に用いる材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使用できる。ペーストの印刷、塗布には従来公知の方法を採用できる。また市販の導電性テープも好適に使用できる。導電性テープは両面ともに導電性を有するものであって、カーボン分散の導電性接着剤を用いた片面接着タイプ、両面接着タイプが好適に使用できる。電極の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数mm程度である。
以上に詳細に説明したように、本発明の赤外線吸収性組成物、及びそれを用いた光学フィルター、ディスプレー装置によりプラズマディスプレイの輝度を著しく損なわずに、その画質を維持または向上させることができる、光学特性に優れた光学フィルターを得ることが出来る。また、プラズマディスプレイから発生する健康に害をなす可能性があることを指摘されている電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマディスプレイから放射される800〜1000nm付近の近赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与えず、それらの誤動作を防ぐことができる光学フィルターを得ることができる。さらにまた、耐候性にも優れた光学フィルターを低コストで提供することが出来る。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
[近赤外線吸収フィルムの作製]
(近赤外線吸収組成物の調製)
第1の近赤外線吸収染料としてヘプタメチン染料(I-1)を2質量部、第2の近赤外線吸収染料としてヘプタメチン染料(I-2)1質量部、第3の近赤外線吸収染料として、オキソノール染料(I-3)及び日本純薬(株)製ポリマーエマルジョン(アクリル樹脂の水分散物);ジュリマーET−410(固形分含有量30%):100質量部(固形分として)とを、混合した近赤外線吸収組成物を調製した。
ヘプタメチン染料(I-1)
Figure 2007334325
ヘプタメチン染料(I-2)
Figure 2007334325
オキソノール染料(I-3)
Figure 2007334325
(近赤外線吸収層の塗布)
富士フィルム製PET樹脂フィルム(厚み96μm)に、上記の近赤外線吸収組成物を、乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗布して近赤外線吸収層を積層し、本発明の試料である近赤外線吸収フィルム(101)を得た。
(比較試料の作成)
上記の近赤外線吸収染料(I-1、I-2、I-3)を、ゼラチン水溶液に溶解し、上記と同様にPET樹脂フィルムに塗布し、比較試料(102)を作成した。
(近赤外線吸収能の評価)
日立(株)製の分光器U−3500を用いて、900nmの波長の透過率を測定した。
本発明の試料(101)及び比較試料(102)の900nmの透過率は15%以下であり、共にPDP用途の近赤外線吸収フィルムとして好適に用いることができる。
(耐湿熱性の評価)
上記試料101と102を80℃、相対湿度90%にて、4日間保存し、900nmの透過率を測定した。本発明の試料101は、透過率は15%以下を維持しており、水溶性染料でありながら安定に近赤外線吸収能を維持していたが、一方、比較試料102の透過率は、50%以下に低下しており、近赤外線吸収能が著しく劣化していた。
また、上記のように揮発性有機溶剤を用いる必要がないので、環境安全性の面でも問題がないことが示された。さらに、赤外線吸収層は、近赤外線吸収組成物を水分散によって調製し、かつ塗布方式で支持体上に設けたことによって現実的な製造コストが達成される。
[実施例2]
富士写真フィルム製2軸延伸PET樹脂フィルム(厚み150μm)に、インドレニンシアニンヘプタメチン染料(I-2)を0.2g/m、硬化剤としてデナコールEX614B(ナガセケムテックス(株)製エポキシ系架橋剤)を、0.16g/m、バインダーとして、日本純薬(株)製ポリマーエマルジョン(アクリル樹脂の水分散物);ジュリマーAT−613(固形分含有量25%)と、ゼラチンを表1の如く配合して塗布し、130℃で3分乾燥させ近赤外線吸収フィルムを得た。
(耐熱性の評価)
上記試料を100℃で4日間保存し、900nmの透過率を測定し、次のように耐熱性を評価した。
×: 透過率60%以上
△: 透過率60〜40%
〇: 透過率40〜20%
◎: 透過率20〜0%
(耐湿熱性の評価)
上記試料を80℃、相対湿度90%にて、4日間保存し、900nmの透過率を測定し、次のように耐湿熱性を評価した。
×: 透過率60%以上
△: 透過率60〜40%
〇: 透過率40〜20%
◎: 透過率20〜0%
結果を表1に示す。
Figure 2007334325
表1より、耐熱性に関してはゼラチン塗布量の影響は見られず、良好な耐熱性を示した。バインダーがゼラチンである場合は、高湿熱条件下、近赤外線吸収能が著しく劣化しやすい。これに対しゼラチン塗布量が0.2g/m以下の場合に、耐湿熱性が著しく改善されることが分かる。
尚、試料2-7のジュリマーAT−613の代わりに、ハイドランHw140SF(大日本インキ化学工業製ウレタン)、オレスターUD350(三井化学製ウレタン)、ネオレッツR966(楠本化成製ウレタン)を用いた場合も、上記2-7と同様の結果が得られた。
[実施例3]
富士フィルム製PET樹脂フィルム(厚み150μm)に、インドレニンシアニンヘプタメチン染料(I-2)を0.2g/m、バインダーとして、日本純薬(株)製ポリマーエマルジョン(アクリル樹脂の水分散物);ジュリマー)ET−410(固形分含有量30%)を固形分として3g/m、硬化剤としてデナコールEX614B(ナガセケムテックス(株)製エポキシ系架橋剤)を表2の如く塗布し、150℃で10分乾燥させ近赤外線吸収フィルムを得た。尚、用いたPETフィルム中には、紫外線吸収剤を含有させた。
(高温高湿経時でのヘイズ上昇の評価)
上記試料を80℃、相対湿度90%にて4日間保存した後、ヘイズ値(%)を日本電色工業製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K 7136に準じて測定し、塗布直後の、上記保存を行う前のヘイズ値(%)を差し引いた値をΔHaze(%)とした。
結果を下表に示す。
×: ΔHaze(%) 5%以上
△: ΔHaze(%) 1〜5%
〇: ΔHaze(%) 1%以下
Figure 2007334325
表2に示した結果は、本発明例の中においても、硬化剤無添加サンプルは、高温高湿に曝されるとヘイズが上昇してしまう欠点があり、硬化剤を添加することでこれを抑制して本発明の効果が増大することが示している。
[実施例4]
富士フィルム製PET樹脂フィルム(厚み96μm)に、インドレニンシアニンヘプタメチン染料(I-2)を0.2g/m、日本純薬(株)製ポリマーエマルジョン(アクリル樹脂の水分散物);ジュリマーET−410(固形分含有量30%)を固形分として0.8g/m、硬化剤としてデナコールEX614B(ナガセケムテックス(株)製エポキシ系架橋剤)を、0.08g/m、とをワイヤーバー(No.24)を用いて塗布し、130℃で3分乾燥させ、表3のオーバーコート層なしの試料を得た。
この試料の塗布面上にオーバーコート層(OC層)としてジュリマーET410を固形分として2g/m、デナコールEX614Bを0.2g/m、塗布し、130℃で3分間乾燥させた。また、表3のようにバインダー樹脂を変更してOC層を設けた。
(近赤外線吸収能の評価)
日立製作所製の分光器U−3500を用いて波長900nmの透過率を測定することにより、近赤外線吸収能を以下のごとく評価した。本実施例の試料はいずれも透過率が15%以下であった。
(ヘイズの評価)
ヘイズ値を、日本電色工業製のヘイズメーターNDH2000を用いて、JIS K 7136に準じて測定した。
(耐光性の評価)
スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターSX75を用い、ブラックパネル温度63℃、湿度50%、150W/mでキセノンランプの光照射を10日間行なった。尚、本発明試料とキセノンランプの間に富士写真フィルム(株)製SC39フィルターを設置した。
光照射後の試料フィルムの900nmの透過率を測定し、次のように耐光性を評価した。
×: 透過率60%以上
△: 透過率60〜40%
〇: 透過率40〜20%
◎: 透過率20〜0%
結果を表3に示す。
Figure 2007334325
表3に示した結果は、本発明例の中においても、OC層を設けることによりヘイズが顕著に低減でき、且つ、極めて意外なことであるが、耐光性が著しく向上することを示している。
[実施例5]
試料4-1と同様に、染料(I-2)、バインダー樹脂を用い、更にスピロインダン化合物を表4に示すように使用して、近赤外線吸収フィルムを作成した。
上記実施例と同様に耐光性を評価した結果を表4に示す。
Figure 2007334325
Figure 2007334325
表4に示した結果は、本発明例において、S-2のような単なるスピロインダン化合物では、耐光性をさらに改善することができないが、水溶性基を有するスピロインダン化合物が耐光性を向上させることを示す。
尚、上記のS-3を用いた場合も、S-1と同様の効果が得られた。
[実施例6]
試料4-1と同様に、染料(I-2)、バインダー樹脂を用い、更にビオローゲン化合物を表5に示すように使用して、近赤外線吸収フィルムを作成した。
上記実施例と同様に耐光性を評価した結果を表5に示す。
Figure 2007334325
Figure 2007334325
表5に示した結果は、本発明例においても、ビオローゲン化合物により、ヘイズが顕著に低減でき、且つ、耐光性が向上することが判る。
また実施例1〜6の染料(I-2)を、特開平11-109126の[0021]〜[0025]に開示された化合物4〜11、12、17、21に代えて、同様に試験を行った。その結果、染料(I-2)と同等の効果が得られた。

Claims (29)

  1. 近赤外線吸収染料とポリマーの水性分散物とを含有する近赤外線吸収組成物を調製する調製工程と、
    前記近赤外線吸収組成物を透明支持体上に塗布する塗布工程と、
    を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  2. 前記ポリマーの水性分散物は、分散媒として水を含有することを特徴とする請求項1に記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  3. 前記分散媒が水を70〜100質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  4. 前記ポリマーの水性分散物中のポリマーが疎水性のポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  5. 前記ポリマーの水性分散物中のポリマーがアクリル樹脂またはウレタン樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  6. 前記近赤外線吸収組成物は実質的に水溶性ポリマーを含有しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  7. 前記近赤外線吸収染料がメチン染料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  8. 前記近赤外線吸収染料がヘプタメチンシアニン染料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  9. 前記近赤外線吸収組成物がさらにスピロインダン化合物及び/又はビオローゲン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  10. 前記近赤外線吸収フィルターのヘイズ値が3%以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターの製造方法。
  11. 透明支持体と、
    前記透明支持体上に、近赤外吸収染料とポリマーの水性分散物を含有する近赤外線吸収組成物を用いて形成された近赤外線吸収層と、
    を有することを特徴とする近赤外線吸収フィルター。
  12. 前記近赤外線吸収層中のポリマーの水性分散物の含有量が、0.2g〜10g/m2以下であることを特徴とする請求項11に記載の近赤外線吸収フィルター。
  13. 前記ポリマーの水性分散物は、ポリマーとしてアクリル樹脂またはウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項11または12に記載の近赤外線吸収フィルター。
  14. 前記近赤外線吸収層は実質的に水溶性ポリマーを含有しないことを特徴とする請求項11〜13記載の近赤外線吸収フィルター。
  15. 前記近赤外吸収染料がメチン染料であることを特徴とする請求項11〜14記載の近赤外線吸収フィルター。
  16. 前記近赤外線吸収層が、架橋剤で架橋されていることを特徴とする請求項11〜15記載の近赤外線吸収フィルター。
  17. 前記近赤外線吸収層が、架橋剤をポリマーに対して3質量%以上含有することを特徴とする請求項16に記載の近赤外線吸収フィルター。
  18. 前記近赤外線吸収層が、光褪色防止剤を含有することを特徴とする請求項11〜17記載の近赤外線吸収フィルター。
  19. 前記近赤外線吸収層が、スピロインダン化合物及び/又はビオローゲン化合物を含有することを特徴とする請求項11〜18記載の近赤外線吸収フィルター。
  20. 前記近赤外線吸収層の1層当たりの厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項11〜19記載の近赤外線吸収フィルター。
  21. 前記透明支持体が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項11〜20記載の近赤外線吸収フィルター。
  22. 前記透明支持体が透明プラスチックフィルムであることを特徴とする請求項11〜21のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
  23. 前記近赤外線吸収フィルターのヘイズ値が3%以下であることを特徴とする請求項11〜22記載の近赤外線吸収フィルター。
  24. 880nmの光の透過率が20%以下であることを特徴とする請求項11〜23のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
  25. 前記近赤外線吸収層上に、さらにオーバーコート層を有することを特徴とする請求項11〜24記載の近赤外線吸収フィルター。
  26. 金属銀を含む導電性パターンからなる導電性層をさらに有することを特徴とする請求項11〜25のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
  27. 前記金属銀が現像銀であることを特徴とする請求項11〜26のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルター。
  28. 前記透明支持体を挟んで近赤外線吸収層の反対側に、電磁波シールド層、ハードコート層、反射防止層および防眩性層の少なくとも1つを有することを特徴とする請求項11〜27記載の近赤外線吸収フィルター。
  29. 請求項11〜28のいずれかに記載の近赤外線吸収フィルターを用いたことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用光学フィルター。
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