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JP2007332795A - 燃料ポンプ及び燃料供給装置 - Google Patents

燃料ポンプ及び燃料供給装置 Download PDF

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JP2007332795A
JP2007332795A JP2006162543A JP2006162543A JP2007332795A JP 2007332795 A JP2007332795 A JP 2007332795A JP 2006162543 A JP2006162543 A JP 2006162543A JP 2006162543 A JP2006162543 A JP 2006162543A JP 2007332795 A JP2007332795 A JP 2007332795A
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Natsuki Sugiyama
夏樹 杉山
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】始動時においても圧送効率を低下させることなく、昇圧速度を向上させることができる燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】燃料の吸入口11及び吐出口12を有するケーシング13と、吸入口11を開閉可能な調量弁14と、調量弁14を付勢する付勢手段15と、調量弁14に対して吸引力を付与するソレノイド16と、ケーシング13に対して往復運動するプランジャ17と、プランジャ17の往復運動に応じて容積が変化することで吸入口11から燃料を吸入して昇圧すると共に吐出口12から圧送可能な圧力室18と、ソレノイド16により調量弁14に対して吸引力が付与されると共に圧力室18の容積が増大したときに該圧力室18に発生する吸入力に応じて該圧力室18に燃料を吸入可能とする補助吸入手段19を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置に関し、特に、すでに加圧された燃料をさらに加圧して圧送する燃料ポンプと、この燃料ポンプが適用された内燃機関の燃料供給装置に関するものである。
乗用車、トラックなどの車両に搭載される内燃機関では、内燃機関の各気筒の燃焼室内に直接燃料を供給する直噴方式の内燃機関がある。このような内燃機関では、燃料の微粒化を図るため燃料タンク内の燃料を低圧燃料ポンプで汲み上げて加圧し、その燃料を、高圧燃料ポンプによってさらに加圧し、デリバリーパイプを介して燃料噴射弁に圧送するようにしているものがある。そして、このような高圧燃料ポンプでは、例えば、クランクシャフトと連動するカムによってプランジャが往復移動するものがある。この場合、この往復移動は、プランジャが圧力室の容積を増大させる方向へ移動する吸入行程と、同容積を減少させる方向へ移動する圧送行程とからなる。また、このような高圧燃料ポンプでは、圧力室に連通する燃料流入経路にスピル弁が設けられており、このスピル弁が、吸入行程で開かれ、圧送行程で閉じられることにより燃料が吸入、昇圧され、デリバリーパイプへ圧送される。
ところで、上述のようにクランク軸と連動するカムによってプランジャを往復移動させる場合、プランジャの位置はクランク角に応じた位置となる。そして、吸入行程におけるスピル弁の開弁のタイミングや、圧送行程における閉弁のタイミングは、このクランク角に基づいて定められる。しかし、内燃機関の始動時においてクランク角が確定するまでは、プランジャの位置が分からないことから、前述した弁の開閉のタイミングも定めることができない。この間、吸入行程及び圧送行程において、スピル弁を閉弁し続けると低圧燃料ポンプからの燃料がデリバリーパイプに供給されなくなり、反対にスピル弁を開弁し続けると燃圧がフィード圧以上に上がらないという問題があった。
このような問題に対して、例えば、特許文献1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置は、クランク角が確定する前は、プランジャの往復移動に拘わらずスピル弁を微小間隔で開閉動作させて燃圧を上昇させることにより、速やかな昇圧を図っている。(例えば、特許文献1)。
特開2003−41982号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている筒内噴射式内燃機関の燃料供給装置では、吸入行程及び圧送行程を通じてスピル弁を微小間隔で開閉動作させるので、高周波の騒音が発生することがあり、さらに、吸入行程においてもスピル弁が閉まっていることがあり、これにより、吸入行程における燃料の吸入が断続的になり吸入量が低下することから、圧送効率の低下やいわゆる圧送抜けが起こるおそれがあったため、さらなる圧送効率の向上及び昇圧速度の向上が望まれていた。
そこで本発明は、始動時においても圧送効率を低下させることなく、昇圧速度を向上させることができる燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による燃料ポンプは、燃料の吸入口及び吐出口を有するケーシングと、前記吸入口を開閉可能な調量弁と、前記吸入口を開放可能な方向に前記調量弁を付勢する付勢手段と、前記吸入口を閉止可能な方向に前記調量弁に対して吸引力を付与するソレノイドと、前記ケーシングに対して往復運動するプランジャと、前記プランジャの往復運動に応じて容積が変化することで前記吸入口から燃料を吸入して昇圧すると共に前記吐出口から圧送可能な圧力室と、前記ソレノイドにより前記調量弁に対して吸引力が付与されると共に前記圧力室の容積が増大したときに該圧力室に発生する吸入力に応じて該圧力室に燃料を吸入可能とする補助吸入手段を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明による燃料ポンプでは、前記調量弁の内部に設けられ前記吸入口と前記圧力室とを連通する吸入通路と、前記吸入通路上に設けられる収容部と、前記収容部内に移動自在に支持される可動部と、前記吸入通路を閉止可能な方向に前記可動部を付勢すると共に前記圧力室の容積増大の際に前記吸入通路を開放可能とする補助付勢手段とを有することを特徴とする。
請求項3に係る発明による燃料ポンプでは、前記調量弁は、前記付勢手段により付勢される弁本体部と、前記弁本体部に支持され燃料の流動方向に移動自在な可動部を有し、前記補助吸入手段は、前記可動部と、前記吸入口を閉止可能な方向に前記可動部を付勢すると共に前記圧力室の容積増大の際に前記吸入口を開放可能とする補助付勢手段を含んで構成されることを特徴とする。
請求項4に係る発明による燃料ポンプでは、前記補助付勢手段は、付勢力が前記圧力室の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定されることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に係る発明による内燃機関の燃料供給装置は、燃料の吸入口及び吐出口を有するケーシングと、前記吸入口を開閉可能な調量弁と、前記吸入口を開放可能な方向に前記調量弁を付勢する付勢手段と、前記吸入口を閉止可能な方向に前記調量弁に対して吸引力を付与するソレノイドと、内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して前記ケーシングに対して往復運動するプランジャと、前記プランジャの往復運動に応じて容積が変化することで前記吸入口から燃料を吸入して昇圧すると共に前記吐出口から圧送可能な圧力室と、前記ソレノイドにより前記調量弁に対して吸引力が付与されると共に前記圧力室の容積が増大したときに該圧力室に発生する吸入力に応じて該圧力室に燃料を吸入可能とする補助吸入手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて前記ソレノイドへの通電を制御することで燃料の圧送量を調整すると共に前記内燃機関の始動時における所定期間だけ前記ソレノイドに通電して前記調量弁により前記吸入口を閉止可能とし、前記補助吸入手段により前記圧力室に燃料を吸入可能とする制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明による内燃機関の燃料供給装置では、前記所定期間は、前記制御手段が現時点でのクランク角を判別するまでの期間であることを特徴とする。
本発明に係る燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置によれば、ソレノイドにより調量弁に対して吸引力が付与されると共に圧力室の容積が増大したときに該圧力室に発生する吸入力に応じて該圧力室に燃料を吸入可能な補助吸入手段を備えるので、ソレノイドにより調量弁に対して吸入口を閉止可能な方向に吸引力が付与されている場合でも、圧力室の容積が増大し該圧力室に吸入力が発生することで、この吸入力に応じて補助吸入手段によって圧力室に燃料を吸入することができることから、圧送効率を低下させることなく、昇圧速度を向上させることができる。
以下に、本発明に係る燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例1に係る燃料ポンプとしての高圧燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置の始動吸入時を示す概略構成図、図2は、本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプの通常吸入時を示す概略構成図、図3は、本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプの圧送時を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施例に係る燃料供給装置1は、燃料タンク20と、低圧燃料ポンプ30と、燃料ポンプとしての高圧燃料ポンプ10と、複数の燃料噴射弁40と、制御手段としての電子制御ユニット(以下「ECU」という)50を備える。
燃料タンク20は、燃料供給装置1が設けられる内燃機関に供給される燃料を貯留するものである。低圧燃料ポンプ30は、モータにより燃料タンク20内の燃料を低圧、例えば、数百kPa程度まで加圧し、低圧燃料とするものである。低圧燃料ポンプ30は、低圧燃料供給通路61を介して高圧燃料ポンプ10の吸入口11に接続される。低圧燃料ポンプ30で加圧された低圧燃料は、低圧燃料供給通路61を介して高圧燃料ポンプ10に供給される。
高圧燃料ポンプ10は、このすでに加圧された燃料である低圧燃料を高圧、例えば、数MPaから数十MPa程度まで昇圧し、高圧燃料とするものである。さらに、高圧燃料ポンプ10は、吐出口12が高圧燃料供給通路62を介してデリバリーパイプ63の一端に接続される。そして、このデリバリーパイプ63には複数の燃料噴射弁40が接続される。また、高圧燃料供給通路62上にはチェック弁64が設けられる。チェック弁64は、後述する高圧燃料ポンプ10の圧力室18内の低圧燃料の圧力が所定圧力、例えば、数十MPa程度以上となると開弁し、高圧燃料供給通路62に高圧燃料を吐出する。高圧燃料ポンプ10で昇圧された高圧燃料は、チェック弁64、高圧燃料供給通路62及びデリバリーパイプ63を介して、複数の燃料噴射弁40に供給され、この複数の燃料噴射弁40は、デリバリーパイプ63内の高圧燃料を微粒化して内燃機関の各気筒の燃焼室に直接噴射することができる。
また、デリバリーパイプ63の他端には、このデリバリーパイプ63と燃料タンク20とを連通するリターン通路65が接続され、このリターン通路65上にはチェック弁66が設けられる。このチェック弁66は、デリバリーパイプ63内の高圧燃料が所定圧力、例えば、十数MPa程度以上となると開弁し、デリバリーパイプ63内の高圧燃料の過度の圧力上昇を抑制するものである。このチェック弁66が開弁すると、デリバリーパイプ63内の高圧燃料は、リターン通路65を介して燃料タンク20に戻される。
ここで、高圧燃料ポンプ10は、ケーシング13と、調量弁としてのスピル弁14と、付勢手段としてのスプリング15と、ソレノイド16と、プランジャ17と、圧力室18を備える。
ケーシング13は、円筒状に形成され、その一端部に低圧燃料を吸入する吸入口11が形成され、側面部に高圧燃料を吐出する吐出口12が形成される。スピル弁14は、このケーシング13の吸入口11に設けられ、プランジャ17は、ケーシング13の他端部に設けられ、そしてこのプランジャ17と吸入口11との間に圧力室18が設けられる。上述の吐出口12は、この圧力室18に連通するように形成されている。また、ケーシング13の吸入口11が形成される内壁面には、後述するスピル弁14の弁体部14cが当接可能な吸入口11の弁座部11aが形成されている。
スピル弁14は、スプリング15により吸入口11を開放可能な方向に付勢されると共に、ソレノイド16により吸入口11を閉止可能な方向に吸引力を付与されることで吸入口11を開閉可能に構成される。このスピル弁14は、いわゆる、ノーマリオープン型スピル弁であり、これにより、仮にソレノイド16が断線してしまったとしても、吸入口11は開放された状態で維持されるので、全量圧送が継続されてしまうことがなく、燃料供給系の破損を最小限に抑えることができる。
スピル弁14は、さらに具体的には、円柱状に形成される胴体部14a、胴体部14aの一端部に設けられる台座部14b、他端部に設けられる弁体部14cを有する。台座部14bは、外径が胴体部14aよりも大きい円柱状に形成され、弁体部14cは、径が上述の吸入口11の内径よりも大きい円盤状に形成される。スピル弁14は、吸入口11を挟んで圧力室18側に弁体部14cが位置し、低圧燃料供給通路61側に台座部14bが位置するように配置され、この台座部14bと弁体部14cとの間に胴体部14aが位置している。なお、スピル弁14の軸方向は、吸入口11の径方向に対して垂直な方向とほぼ一致している。
スプリング15は、スピル弁14の台座部14bの底面に当接するように設けられ、ソレノイド16は、台座部14bの外周を囲うように設けられる。また、ソレノイド16は、図1に一点鎖線で示すように、ECU50に電気的に接続され、ECU50が送信する制御信号によりその通電が制御されている。ここで、スプリング15によるスピル弁14の付勢方向は、弁体部14cを吸入口11から該吸入口11の径方向に対して垂直に離間する方向(吸入口11を開放する方向)であり、一方、ソレノイド16によるスピル弁14の吸引方向は、前記付勢方向の反対方向、すなわち、弁体部14cを吸入口11に近づける方向(吸入口11を閉止する方向)である。したがって、ソレノイド16が通電されていない場合、図2に示すように、スピル弁14は、スプリング15により弁体部14cが吸入口11の弁座部11aから離間する方向に付勢され、弁体部14cと弁座部11aとの間に隙間が形成され、吸入口11を開放した状態(開弁状態)となり、後述するように吸入口11を燃料が流通可能となる。一方、ソレノイド16が通電されている場合、図3に示すように、スピル弁14は、ソレノイド16により弁体部14cが弁座部11aに近づく方向に吸引され、弁体部14cと弁座部11aとが当接し、吸入口11を閉止した状態(閉弁状態)となり、吸入口11を介した燃料の吸入、流出が遮断される。
プランジャ17は、図1に示すように、外径がケーシング13の内径よりも若干小さい円柱状に形成され、このケーシング13に対して往復運動可能に設けられる。また、プランジャ17は、一端面側に圧力室18を形成すると共に、他端面側に設けられるカム67に押し付けられるように付勢される。カム67は、カムシャフト68に固定されており、このカムシャフト68は、内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して回転する。そして、カム67は、このカムシャフト68と共に回転し、これにより、プランジャ17は、このカム67に押圧されてケーシング13に対して往復運動することとなる。
圧力室18は、プランジャ17の往復運動に応じて容積が変化することで吸入口11から燃料を吸入可能となり、さらに、吸入した燃料を昇圧すると共に吐出口12から圧送可能となる。ここで、プランジャ17の往復移動は、図2に示すように、プランジャ17が圧力室18の容積を増大させる方向へ移動する吸入行程と、図3に示すように、同容積を減少させる方向へ移動する圧送行程とからなる。そして、吸入行程では、プランジャ17がカム67側に移動することで圧力室18の容積が増大し、内部の燃料の圧力(以下「燃圧」)が低下し、燃料を吸入する吸入力が該圧力室内に作用する。一方、圧送行程では、プランジャ17がスピル弁14側に移動することで圧力室18の容積が減少して燃圧が上昇し、燃料を押し出す流体力としての押圧力が該圧力室内に作用する。
ECU50は、図1に示すようにマイクロコンピュータを中心として構成され、燃料供給装置1の各部を制御するものであり、上述のように、ソレノイド16に接続されると共に、クランク角センサ69にも電気的に接続される。クランク角センサ69は、内燃機関のクランクシャフトの回転角度であるクランク角を検出するものであり、ECU50に対してクランク角信号を出力する。ECU50は、この内燃機関の運転状態に応じてソレノイド16への通電を制御する。具体的には、ECU50は、内燃機関の通常運転時には、クランク角センサ69から受信するクランク角信号に基づいて、ソレノイド16に制御信号を送信してこのソレノイド16への通電を制御することで燃料の圧送量を調整する。
ここで、上述したようにプランジャ17の往復運動は、内燃機関のクランクシャフトの回転に連動することから、このプランジャ17の位置は、このクランク角に応じた位置となる。そして、吸入行程、圧送行程の各期間もクランク角との関係から定まることから、通常運転時には、スピル弁14の開閉もこのクランク角に応じて制御される。つまり、通常運転時には、ECU50は、このクランク角に応じて圧送行程での閉弁のタイミング(ソレノイド16への通電のタイミング)、吸入行程での開弁のタイミング(ソレノイド16への通電終了のタイミング)を演算し、このタイミングに応じてソレノイド16に制御信号を送信することで、いわゆるデューティ制御を行う。なお、デューティ制御とは、通電(オン)及び非通電(オフ)からなる1サイクル(時間)における通電時間の割合を変化させることで通電時間を制御し、スピル弁14を開けている期間と、閉めている期間とを変化させる制御である。
図2に示すように、カムシャフト68が回転してカム67によりプランジャ17がカム67側に移動するとき、ECU50は、ソレノイド16を通電しない。このとき、スプリング15の付勢力によりスピル弁14が開弁され、圧力室18の容積が増大することによる吸入力により、吸入口11を介してこの圧力室18内に燃料が吸入される。図3に示すように、プランジャ17がスピル弁14側に移動するとき、ECU50は、ソレノイド16を通電する。このとき、ソレノイド16の吸引力によりスピル弁14が閉弁され、吸入口11を介した燃料の吸入、流出が遮断される。そして、圧力室18の容積が減少することによる押圧力により、この圧力室18内の燃料が加圧され、燃圧が上昇し、チェック弁64の開弁圧力に達すると、このチェック弁64が開弁される。そして、高圧燃料は吐出口12を介して圧送される。なお、このとき、スピル弁14を最適なタイミングで閉じることにより高圧燃料の圧送量を適宜制御することができる。圧送行程中におけるスピル弁14の閉弁時期を早くすることで圧送量は増加し、これとは逆に、閉弁時期を遅くすることで圧送量は減少する。
ところで、内燃機関の始動時において、クランク角センサ69によってクランク角が確定するまでは、ECU50は、スピル弁14の閉弁、開弁のタイミングを演算することができない。この間、吸入行程及び圧送行程において、スピル弁14を閉弁し続けると低圧燃料ポンプ30からの燃料がデリバリーパイプ63に供給されなくなり、反対にスピル弁14を開弁し続けると燃圧を上昇させることができない。
そこで、本実施例に係る高圧燃料ポンプ10は、図1に示すように、ソレノイド16によりスピル弁14に対して吸引力が付与されると共に圧力室18の容積が増大したときに該圧力室18に発生する吸入力に応じて該圧力室18に燃料を吸入可能とする補助吸入手段としての補助吸入部19を備えることで、始動時においても圧送効率を低下させることなく、昇圧速度を向上させている。
補助吸入部19は、スピル弁14の内部に設けられる吸入通路としての補助吸入通路19aと、この補助吸入通路19a内に設けられる可動部としてのフロート19bと、このフロート19bを付勢する補助付勢手段としての補助スプリング19cを有する。
補助吸入通路19aは、スピル弁14の胴体部14aの側面を貫通する貫通部19dを有し、さらにこの貫通部19dのほぼ中央から弁体部14cの表面まで延設される導入部19eを有する。補助吸入通路19aは、貫通部19dの開口が吸入口11に連通し、導入部19eの開口が圧力室18に連通することで、吸入口11と圧力室18とを連通可能とする。また、この補助吸入通路19aの導入部19e上に収容部19fが設けられる。
収容部19fは、補助吸入通路19aの導入部19eの幅広な部分として形成される。フロート19bは、球形状をなし、この収容部19f内に移動自在に支持される。補助スプリング19cは、収容部19f内に設けられ、補助吸入通路19aを閉止可能な方向にフロート19bを付勢する。具体的には、補助スプリング19cは、このフロート19bを燃料の吸入方向上流側、すなわち、収容部19fの収容部入口19g側に付勢してこの収容部入口19gに当接可能とし、補助吸入通路19aを閉止可能とする。つまり、補助スプリング19cによるフロート19bの付勢方向は、上述したスプリング15によるスピル弁14の付勢方向に対して反対の方向である。さらに、補助スプリング19cは、圧力室18の容積増大の際に、補助吸入通路19aを開放可能とする。すなわち、補助スプリング19cは、圧力室18の容積増大の際に、フロート19bをこの収容部入口19gから離間可能とする。
具体的には、この補助スプリング19cは、スピル弁14が閉位置にある状態で、その付勢力が圧力室18の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定される。図1に示すように、ソレノイド16によりスピル弁14に対して吸引力が付与されている場合において、圧力室18の容積が増大する際には、この補助スプリング19cの付勢力が圧力室18の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定されていることから、フロート19bは、この吸入力により補助スプリング19cの付勢力に対抗し、収容部入口19gから離間する。一方、図3に示すように、ソレノイド16によりスピル弁14に対して吸引力が付与されている場合において、圧力室18の容積が減少する際には、フロート19bは、該圧力室18に発生する押圧力と補助スプリング19cの付勢力により収容部入口19gに当接する。言い換えれば、フロート19bが収容部入口19gに当接した状態において、圧力室18の容積が増大することで、フロート19bを境界として上流側と下流側との間に圧力差が発生し、この差圧が吸入力として作用することでフロート19bが収容部入口19gから離間され、圧力室18の容積が減少することで、圧力差が縮小してフロート19bが収容部入口19gに当接される。
上記のように構成される高圧燃料ポンプ10及び燃料供給装置1では、上述したECU50は、図1に示すように、内燃機関の始動時においては、所定期間だけ、すなわち、クランク角センサ69によってクランク角が検出され、現時点でのクランク角が判別されるまでの期間だけ、ソレノイド16を通電してスピル弁14により吸入口11を閉止して、吸入口11を介した燃料の吸入を遮断する。この状態で、圧力室18の容積が増大すると、フロート19bは、収容部入口19gから離間することで補助吸入通路19aを開放して、この補助吸入通路19aを介した燃料の吸入が開始する。そして、図3に示すように、圧力室18の容積が減少すると、フロート19bは、収容部入口19gに当接し、補助吸入通路19aを閉止してこの補助吸入通路19aを介した燃料の吸入を遮断する。つまり、吸入口11を介した燃料の吸入及び補助吸入通路19aを介した燃料の吸入が共に遮断される。そして、圧力室18内の燃料は、プランジャ17の移動に伴って昇圧され、チェック弁64を介して全量圧送される。
ECU50により現時点でのクランク角が確定されると、このECU50は、吸入行程における補助吸入部19を介した燃料の吸入を終了し、上述した通常のデューティ制御に移行し、スピル弁14の開閉をクランク角に応じて制御する。この状態で、図2に示すように、ソレノイド16を非通電としてスピル弁14を開弁し、吸入口11を介した燃料の吸入を行う際には、フロート19bは、補助スプリング19cの付勢力により収容部入口19gに当接した状態を維持するので、吸入口11の径よりも通路径が小さい補助吸入通路19aを介した燃料の吸入は行われず、補助吸入部19が吸入口11を介した燃料の吸入の妨げになることはない。
以上で説明した本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプ10及び燃料供給装置1によれば、燃料の吸入口11及び吐出口12を有するケーシング13と、吸入口11を開閉可能なスピル弁14と、吸入口11を開放可能な方向にスピル弁14を付勢するスプリング15と、吸入口11を閉止可能な方向にスピル弁14に対して吸引力を付与するソレノイド16と、ケーシング13に対して往復運動するプランジャ17と、プランジャ17の往復運動に応じて容積が変化することで吸入口11から燃料を吸入して昇圧すると共に吐出口12から圧送可能な圧力室18と、ソレノイド16によりスピル弁14に対して吸引力が付与されると共に圧力室18の容積が増大したときに該圧力室18に発生する吸入力に応じて該圧力室18に燃料を吸入可能とする補助吸入部19を備える。
したがって、圧力室18は、プランジャ17がケーシング13に対して往復運動することでその容積が変化し、これにより、吸入口11から圧力室18内に燃料を吸入して昇圧すると共に吐出口12から圧送する。スピル弁14は、スプリング15により吸入口11を開放可能な方向に付勢されると共に、ソレノイド16によりこの吸入口11を閉止可能な方向に吸引力が付与され、これにより、燃料を圧力室18に吸入する吸入口11を開閉する。そして、始動時において、補助吸入部19は、ソレノイド16によりスピル弁14に対して吸引力が付与され吸入口11が閉止されると共に圧力室18の容積が増大したときに、該圧力室18に発生する吸入力に応じて該圧力室18に燃料を吸入するので、現時点でのクランク角が確定されていなくとも、このクランク角に拘わらず、プランジャ17の往復運動に基づいて吸入行程において常に燃料を吸入することができ、燃料の吸入量が低下することがないことから、圧送効率を低下させることなく、昇圧速度を向上させることができる。また、いわゆる、圧送抜けも発生しない。さらに、始動時においてクランク角が確定する前に、スピル弁14を一定の微小間隔で画一的に開閉を制御することもないので、騒音の発生も防止することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプ10及び燃料供給装置1によれば、補助吸入部19は、スピル弁14の内部に設けられ吸入口11と圧力室18とを連通する補助吸入通路19aと、補助吸入通路19a上に設けられる収容部19fと、収容部19f内に移動自在に支持されフロート19bと、補助吸入通路19aを閉止可能な方向にフロート19bを付勢すると共に圧力室18の容積増大の際に補助吸入通路19aを開放可能とする補助スプリング19cを有する。
したがって、ソレノイド16によりスピル弁14に対して吸引力が付与されている場合において、圧力室18の容積が増大する際には、フロート19bは、該圧力室18に発生する吸入力により収容部入口19gから離間することで補助吸入通路19aを開放し、圧力室18の容積が減少する際には、該圧力室18に発生する押圧力と補助スプリング19cの付勢力により収容部入口19gに当接し、補助吸入通路19aを閉止するので、始動時の吸入行程において圧力室18に燃料を確実に吸入し、圧送行程において確実に昇圧することができる。また、補助吸入通路19aを閉止する際には、該圧力室18に発生する押圧力と補助スプリング19cの付勢力によりゆっくりフロート19bを収容部入口19gに当接させるので、騒音の発生も防止することができる。また、補助吸入部19を既存のスピル弁に入れ込むようにして構成することができるので、よりコンパクトな構成とすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプ10及び燃料供給装置1によれば、補助スプリング19cは、付勢力が圧力室18の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定される。したがって、補助スプリング19cによりフロート19bを収容部入口19gに当接可能に付勢すると共に、圧力室18の容積増大の際の吸入力が小さくとも、フロート19bを確実に収容部入口19gから離間可能とすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例1に係る燃料供給装置1によれば、内燃機関の運転状態に応じてソレノイド16への通電を制御することで燃料の圧送量を調整すると共に内燃機関の始動時における所定期間だけソレノイド16に通電してスピル弁14により吸入口11を閉止可能とし、補助吸入部19により圧力室18に燃料を吸入可能とするECU50を備える。したがって、所定期間、つまり、ECU50が現時点でのクランク角を判別するまでの期間だけ、ECU50によりソレノイド16を通電し、スピル弁14を閉弁位置に保持しつつ、補助吸入部19により圧力室18に燃料を吸入し、現時点でのクランク角が確定されると、スピル弁14の開閉をクランク角に応じて制御し、補助吸入部19による燃料の吸入を終了する。このとき、フロート19bは、補助スプリング19cの付勢力により収容部入口19gに当接した状態を維持するので、通常運転時において、吸入口11の径よりも通路径が小さい補助吸入通路19aを介した燃料の吸入は行われず、補助吸入部19が吸入口11を介した燃料の吸入の妨げになることはないことから、燃料の圧力損失が少なくなり、通常運転時における圧送効率の低下を防止することができる。
次に、図4は、本発明の実施例2に係る燃料ポンプとしての高圧燃料ポンプの始動吸入時を示す概略構成図、図5は、本発明の実施例2に係る高圧燃料ポンプの通常吸入時を示す概略構成図、図6は、本発明の実施例2に係る高圧燃料ポンプの圧送時を示す概略構成図である。
図4に示すように、実施例2に係る高圧燃料ポンプ210は、実施例1に係る高圧燃料ポンプ10と略同様の構成であるが、前記調量弁としてスピル弁214及び補助吸入手段としての補助吸入部219の構成の点で実施例1に係る高圧燃料ポンプ10とは異なる。その他、上述した実施例と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。なお、この高圧燃料ポンプ210は、実施例1に係る高圧燃料ポンプ10と同様な燃料供給装置1に適用される。
この実施例2に係る高圧燃料ポンプ210では、スピル弁214は、スプリング15により付勢される弁本体部214aと、この弁本体部214aに支持され燃料の流動方向に移動自在な可動部としての可動弁体214bを有し、補助吸入部219は、この可動弁体214bと、吸入口11を閉止可能な方向に可動弁体214bを付勢すると共に圧力室18の容積増大の際に吸入口11を開放可能とする補助付勢手段としての補助スプリング219aを含んで構成される。
弁本体部214aは、外径が異なる2つの円筒が軸方向に重なった形状をなし、内部には内径が一定の補助スプリング収容部214gが形成される。弁本体部214aは、圧力室18側の端面214hが閉鎖されており、さらに、この端面214hに孔214iが形成されている。
可動弁体214bは、柱状に形成される支持部214cと、この支持部214cの一端部に設けられる弁体部214dと、支持部214cの他端部に設けられる補助スプリング当接部214eを有する。弁体部214dは、吸入口11の内径よりも大きい円盤状に形成され、補助スプリング当接部214eは、補助スプリング収容部214gの内径よりも小さい円盤状に形成される。可動弁体214bは、補助スプリング当接部214eが補助スプリング収容部214g内に位置し、弁体部214dが吸入口11を挟んで圧力室18側に位置するように配置され、支持部214cが弁本体部214aの端面214hに形成された孔214iを通って補助スプリング当接部214eと弁体部214dとを連結している。
補助スプリング219aは、補助スプリング収容部214g内において、補助スプリング当接部214eと端面214hとの間に支持部214cに巻き付けられるように設けられる。この補助スプリング219aは、補助スプリング当接部214eと端面214hに当接することで、弁体部214dが吸入口11の弁座部11aに当接可能なように可動弁体214bを付勢する。つまり、補助スプリング219aによる可動弁体214bの付勢方向は、燃料の吸入方向上流側、すなわち、上述したスプリング15によるスピル弁214の付勢方向に対して反対の方向である。また、この補助スプリング219aは、スピル弁214が閉位置にある状態で、その付勢力が圧力室18の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定される。そして、弁本体部214aの開口端面に栓部214fが嵌装されることで、補助スプリング219aは補助スプリング収容部214g内に収容される。スプリング15は、この栓部214fに当接する。
ここで、本実施例の高圧燃料ポンプ210では、可動弁体214bは、スピル弁214の一部を構成すると共に、補助吸入部219の一部も構成する。すなわち、補助吸入部219は、補助スプリング219aと、可動弁体214bを有するものであり、この可動弁体214bは、スピル弁214と補助吸入部219との共通の構成となっている。
上記のように構成される高圧燃料ポンプ210及び燃料供給装置1では、図4に示すように、内燃機関の始動時においては、クランク角が確定されるまでの期間だけ、ソレノイド16を通電してスピル弁214により吸入口11を閉止する。この状態で、圧力室18の容積が増大すると、可動弁体214bは、該圧力室18に発生する吸入力により圧力室18側に移動し、弁体部214dが弁座部11aから離間することで吸入口11を開放する。そして、図6に示すように、圧力室18の容積が減少すると、可動弁体214bは、該圧力室18に発生する押圧力と補助スプリング219aの付勢力により栓部214f側に移動し、弁体部214dが弁座部11aに当接し、吸入口11を閉止する。そして、クランク角が確定されると、補助吸入部219による燃料の吸入を終了し、上述した通常のデューティ制御に移行する。この状態で、図5に示すように、スピル弁214を開弁し、吸入口11を介して圧力室18に燃料を吸入する際には、可動弁体214bは、補助スプリング219aの付勢力により補助スプリング当接部214eが栓部214fに当接した状態を維持するので、通常運転時において、可動弁体214bが吸入口11を介した燃料の吸入の妨げになることはない。
なお、上述した実施例1の高圧燃料ポンプ10及び燃料供給装置1では、内燃機関の始動時のクランク角が確定される前の期間おいては、補助吸入通路19aを介して圧力室18に燃料を吸入している。一方、本実施例の高圧燃料ポンプ210及び燃料供給装置1では、内燃機関の始動時のクランク角確定前の期間及び通常運転時の両方において、吸入口11を介して圧力室18に燃料を吸入しており、この点で相違する。
以上で説明した本発明の実施例2に係る高圧燃料ポンプ210及び燃料供給装置1によれば、スピル弁214は、スプリング15により付勢される弁本体部214aと、この弁本体部214aに支持され燃料の流動方向に移動自在な可動部としての可動弁体214bを有し、補助吸入部219は、この可動弁体214bと、吸入口11を閉止可能な方向に可動弁体214bを付勢すると共に圧力室18の容積増大の際に吸入口11を開放可能とする補助付勢手段としての補助スプリング219aを含んで構成される。
したがって、ソレノイド16によりスピル弁214に対して吸引力が付与されている場合において、圧力室18の容積が増大する際には、可動弁体214bは、該圧力室18に発生する吸入力により圧力室18側に移動し、弁体部214dが弁座部11aから離間することで吸入口11を開放し、圧力室18の容積が減少する際には、可動弁体214bは、該圧力室18に発生する押圧力と補助スプリング219aの付勢力により栓部214f側に移動し、弁体部214dが弁座部11aに当接し、吸入口11を閉止するので、始動時の吸入行程において圧力室18に燃料を確実に吸入し、圧送行程において確実に昇圧することができる。また、吸入口11を閉止する際には、該圧力室18に発生する押圧力と補助スプリング219aの付勢力によりゆっくり弁体部214dを弁座部11aに当接させるので、騒音の発生も防止することができる。
さらに、内燃機関の始動時のクランク角確定前の期間及び通常運転時の両方において、吸入口11を介して圧力室18に燃料を吸入しているので、圧送行程における燃料の遮断箇所が1箇所で済むことから、信頼性を向上することができる。また、内燃機関の始動時のクランク角確定前の期間において、燃料が吸入口11とは別に設けられる狭い通路を通ることもないので、圧力損失を抑制することができる。さらに、スピル弁214の構造がシンプルであり製造も容易であるので、製造効率も向上させることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る高圧燃料ポンプ210及び燃料供給装置1によれば、補助スプリング219aは、付勢力が圧力室18の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定される。したがって、補助スプリング219aにより弁体部214dを弁座部11aに当接可能なように可動弁体214bを付勢すると共に、圧力室18の容積増大の際の吸入力が小さくとも、弁体部214dを確実に弁座部11aから離間可能とすることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係る燃料供給装置1によれば、内燃機関の運転状態に応じてソレノイド16への通電を制御することで燃料の圧送量を調整すると共に内燃機関の始動時における所定期間だけソレノイド16に通電してスピル弁214により吸入口11を閉止可能とし、補助吸入部219により圧力室18に燃料を吸入可能とするECU50を備える。したがって、内燃機関の始動時のクランク角確定前の期間だけ、ソレノイド16を通電してスピル弁214を閉弁位置に保持しつつ、補助吸入部219により圧力室18に燃料を吸入し、クランク角が確定されると、スピル弁214の開閉をクランク角に応じて制御し、補助吸入部219による燃料の吸入を終了する。このとき、可動弁体214bは、補助スプリング219aの付勢力により栓部214fに当接した状態を維持するので、通常運転時において、補助吸入部219が吸入口11を介した燃料の吸入の妨げになることはないことから、燃料の圧力損失が少なくなり、通常運転時における圧送効率の低下を防止することができる。
なお、上述した本発明の実施例に係る高圧燃料ポンプ及び燃料供給装置は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、補助吸入部19、219は、それぞれスピル弁14、214に設けるものとして説明したが、例えば、低圧燃料供給通路61から圧力室18に連通する通路を独立して設け、この通路にチェック弁を設けることで補助吸入手段を構成してもよい。また、以上の説明では、内燃機関のクランクシャフトの回転角度であるクランク角を検出し、通常運転時には、ECU50は、このクランク角に応じて圧送行程での閉弁のタイミング、吸入行程での開弁のタイミング等を演算するものとして説明したが、カム67の回転角度を検出して、この回転角度に応じて演算するようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置は、始動時においても圧送効率を低下させることなく、昇圧速度を向上させることができるものであり、種々の内燃機関に用いて好適である。
本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプ及び内燃機関の燃料供給装置の始動吸入時を示す概略構成図である。 本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプの通常吸入時を示す概略構成図である。 本発明の実施例1に係る高圧燃料ポンプの圧送時を示す概略構成図である。 本発明の実施例2に係る高圧燃料ポンプの始動吸入時を示す概略構成図である。 本発明の実施例2に係る高圧燃料ポンプの通常吸入時を示す概略構成図である。 本発明の実施例2に係る高圧燃料ポンプの圧送時を示す概略構成図である。
符号の説明
1 燃料供給装置(内燃機関の燃料供給装置)
10、210 高圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)
11 吸入口
11a 弁座部
12 吐出口
13 ケーシング
14、214 スピル弁(調量弁)
14c、214d 弁体部
15 スプリング(付勢手段)
16 ソレノイド
17 プランジャ
18 圧力室
19 補助吸入部(補助吸入手段)
19a 補助吸入通路(吸入通路)
19b フロート(可動部)
19c 補助スプリング(補助付勢手段)
19f 収容部
19g 収容部入口
20 燃料タンク
30 低圧燃料ポンプ
40 燃料噴射弁
67 カム
68 カムシャフト
69 クランク角センサ
214a 弁本体部
214b 可動弁体(可動部)
219 補助吸入部
219a 補助スプリング(補助吸入手段)

Claims (6)

  1. 燃料の吸入口及び吐出口を有するケーシングと、
    前記吸入口を開閉可能な調量弁と、
    前記吸入口を開放可能な方向に前記調量弁を付勢する付勢手段と、
    前記吸入口を閉止可能な方向に前記調量弁に対して吸引力を付与するソレノイドと、
    前記ケーシングに対して往復運動するプランジャと、
    前記プランジャの往復運動に応じて容積が変化することで前記吸入口から燃料を吸入して昇圧すると共に前記吐出口から圧送可能な圧力室と、
    前記ソレノイドにより前記調量弁に対して吸引力が付与されると共に前記圧力室の容積が増大したときに該圧力室に発生する吸入力に応じて該圧力室に燃料を吸入可能とする補助吸入手段を備えることを特徴とする、
    燃料ポンプ。
  2. 前記補助吸入手段は、前記調量弁の内部に設けられ前記吸入口と前記圧力室とを連通する吸入通路と、前記吸入通路上に設けられる収容部と、前記収容部内に移動自在に支持される可動部と、前記吸入通路を閉止可能な方向に前記可動部を付勢すると共に前記圧力室の容積増大の際に前記吸入通路を開放可能とする補助付勢手段とを有することを特徴とする、
    請求項1に記載の燃料ポンプ。
  3. 前記調量弁は、前記付勢手段により付勢される弁本体部と、前記弁本体部に支持され燃料の流動方向に移動自在な可動部を有し、
    前記補助吸入手段は、前記可動部と、前記吸入口を閉止可能な方向に前記可動部を付勢すると共に前記圧力室の容積増大の際に前記吸入口を開放可能とする補助付勢手段を含んで構成されることを特徴とする、
    請求項1に記載の燃料ポンプ。
  4. 前記補助付勢手段は、付勢力が前記圧力室の容積増大のときに発生する吸入力よりも小さく設定されることを特徴とする、
    請求項2又は請求項3に記載の燃料ポンプ。
  5. 燃料の吸入口及び吐出口を有するケーシングと、
    前記吸入口を開閉可能な調量弁と、
    前記吸入口を開放可能な方向に前記調量弁を付勢する付勢手段と、
    前記吸入口を閉止可能な方向に前記調量弁に対して吸引力を付与するソレノイドと、
    内燃機関のクランクシャフトの回転に連動して前記ケーシングに対して往復運動するプランジャと、
    前記プランジャの往復運動に応じて容積が変化することで前記吸入口から燃料を吸入して昇圧すると共に前記吐出口から圧送可能な圧力室と、
    前記ソレノイドにより前記調量弁に対して吸引力が付与されると共に前記圧力室の容積が増大したときに該圧力室に発生する吸入力に応じて該圧力室に燃料を吸入可能とする補助吸入手段と、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記ソレノイドへの通電を制御することで燃料の圧送量を調整すると共に前記内燃機関の始動時における所定期間だけ前記ソレノイドに通電して前記調量弁により前記吸入口を閉止可能とし、前記補助吸入手段により前記圧力室に燃料を吸入可能とする制御手段とを備えることを特徴とする、
    内燃機関の燃料供給装置。
  6. 前記所定期間は、前記制御手段が現時点でのクランク角を判別するまでの期間であることを特徴とする、
    請求項5に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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