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JP2007323868A - リチウム電池からの電極構成金属回収方法 - Google Patents

リチウム電池からの電極構成金属回収方法 Download PDF

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JP2007323868A JP2006150788A JP2006150788A JP2007323868A JP 2007323868 A JP2007323868 A JP 2007323868A JP 2006150788 A JP2006150788 A JP 2006150788A JP 2006150788 A JP2006150788 A JP 2006150788A JP 2007323868 A JP2007323868 A JP 2007323868A
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Abstract

【課題】リチウム電池から遷移金属を高収率、高純度で回収することができるリチウム電池からの電極構成金属回収方法を提供する。
【解決手段】1種又は2種以上の遷移金属及びカーボンを含む正極を備えるリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、前記正極と蓚酸とを混合して前記正極から前記遷移金属と不純物金属とカーボンとを含む被処理材Aを分離する被処理材分離工程と、前記被処理材Aと王水とを混合し加熱して前記遷移金属と前記不純物金属とを溶出させて、前記遷移金属と前記不純物金属とを含む被処理材Bと前記カーボンとを分離するカーボン分離工程と、前記被処理材Bと酸性溶液とを混合し、硫化剤を導入して硫化物として前記遷移金属を溶出させて前記遷移金属と前記不純物金属とを分離する不純物金属分離工程と、を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム電池の電極構成金属回収方法に関する。
近年、地球環境保全、資源の有効活用等の見地から工業製品のリサイクルが世界規模で要望されており、リチウム電池にも同様の要望がある。特にリチウム電池は正極にニッケル、コバルト等の遷移金属を使用しているため、使用済みリチウム電池から貴重なニッケル、コバルト等の遷移金属を回収することは、経済的にも価値があり、種々の回収方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、リチウムイオン二次電池用正極活物質または正極活物質の製造工程にて発生した活物質廃材を塩酸、硫酸及び王水の少なくとも1種の酸で溶解して金属溶解液を調整する溶解工程を備える電極構成金属を回収する方法が提案されている。
また、例えば、特許文献2には、リチウムイオン電池廃材を無機酸にて浸出し、不純物を除去して得た精製溶液に蓚酸を添加しpHを6〜10に調整してコバルト水酸化物又はコバルト炭酸塩を沈殿物として取得するリチウムイオン二次電池廃材からのコバルト化合物の回収方法が提案されている。
一方、リチウム電池ではないが、例えば、特許文献3には、ニッケル、コバルト溶解液に硫化アルカリもしくは硫化水素を添加して、溶液中の銅、カドミウムを硫化物として除去する廃ニッケル−水素二次電池からの有価物回収方法が提案されている。
特開2002−198103号公報 特開平11−6020号公報 特開平9−82371号公報
しかし、特許文献1〜3の方法では、多くの不純物金属(例えばFe,Al,Cu等)やカーボン等が存在する中からニッケル、コバルト等の遷移金属を高収率、高純度で回収する点において改善の余地がある。
本発明は、リチウム電池から遷移金属を高収率、高純度で回収することができるリチウム電池からの電極構成金属回収方法を提供する。
本発明は、1種又は2種以上の遷移金属及びカーボンを含む正極を備えるリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、前記正極と蓚酸とを混合して前記正極から前記遷移金属と不純物金属とカーボンとを含む被処理材Aを分離する被処理材分離工程と、前記被処理材Aと王水とを混合し加熱して前記遷移金属と前記不純物金属とを溶出させて、前記遷移金属と前記不純物金属とを含む被処理材Bと前記カーボンとを分離するカーボン分離工程と、前記被処理材Bと酸性溶液とを混合し、硫化剤を導入して硫化物として前記遷移金属を溶出させて前記遷移金属と前記不純物金属とを分離する不純物金属分離工程と、を含む。
また、前記リチウム電池からの電極構成金属回収方法において、前記カーボン分離工程後に、前記被処理材Bとアルカリ性溶液とを混合するアルカリ混合工程を含むことが好ましい。
また、前記リチウム電池からの電極構成金属回収方法において、前記アルカリ混合工程後に、前記被処理材Bと前記アルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液とをさらに混合する強アルカリ混合工程を含むことが好ましい。
また、前記リチウム電池からの電極構成金属回収方法において、前記不純物金属分離工程後に、前記遷移金属と前記アルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液とを混合する強アルカリ混合工程を含むことが好ましい。
また、前記リチウム電池からの電極構成金属回収方法において、前記被処理材分離工程後に、前記被処理材Aを加熱して灰化する灰化処理工程を含むことが好ましい。
本発明に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法では、リチウム電池から遷移金属を高収率、高純度で回収することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明の実施形態に係るリチウム二次電池の電極構成金属回収方法は、(a)正極と蓚酸とを混合して正極から遷移金属と不純物金属とカーボンとを含む被処理材Aを分離する被処理材分離工程と、(b)被処理材Aと王水とを混合し加熱して遷移金属と不純物金属とを溶出させて、遷移金属と不純物金属とを含む被処理材Bとカーボンとを分離するカーボン分離工程と、(c)被処理材Bとアルカリ性溶液とを混合するアルカリ混合工程と、(d)被処理材Bと酸性溶液とを混合し、硫化剤を導入して硫化物として遷移金属を溶出させて遷移金属と不純物金属とを分離する不純物金属分離工程と、(e)遷移金属とアルカリ混合工程に用いられるアルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液とを混合する強アルカリ混合工程と、を含むものである。
<(a)被処理材分離工程>
正極と蓚酸とを混合することにより、正極から遷移金属と不純物金属とカーボンとを含む被処理材Aを分離させることができる。正極から分離した遷移金属及び不純物金属は炭酸塩又は蓚酸塩として沈殿し、また、カーボンは蓚酸に不溶であるため、そのままの状態で沈殿物として残る。
リチウム電池は、正極、負極、セパレータ、電解液、電池ケース等の構成材料を有する。従って、正極と蓚酸とを混合する場合、正極以外の構成材料をなるべく取り除いた状態であることが好ましい。リチウム電池から正極を取り出すには、一般的に使用済みリチウム電池を真空加熱処理(加熱温度300℃〜800℃)し、電解液を構成する電解質及び有機溶媒を分解又は揮発させた後、電池ケースを切断して電極(正極及び負極)を取り出し、電極から正極を分別する。
一般的に正極は、正極集電体としてのアルミニウム箔に正極材料と導電材としてのカーボンとを付着させたものである。正極材料は、一種又二種以上の遷移金属を含むものであり、その遷移金属とリチウムとの複合酸化物である。そのような複合酸化物としての正極材料は、例えば一般式LiA1−Xで表すことができる。A,Bは遷移金属を表すものであって、例えば、Ni,Co,Mn,Fe,Nb等から選択される金属元素である。本実施形態において、A,Bは、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)であることが好適である。なお、X=0〜1の範囲である。
不純物金属とは、リチウム電池から回収することを目的としていない金属を指す。例えば、正極材料中の遷移金属としてNi又はCoの少なくとも一方の回収を目的とする場合、リチウム電池から正極を分別する際に混入するCu(例えば負極集電体),Fe(例えば電池ケース),Al(例えば電池ケース、正極集電体)や、正極材料にもともと含有されているLi等が不純物金属となる。また、正極材料中の遷移金属としてNiのみの回収を目的とする場合、上記Coは不純物金属となる。
カーボンとは、リチウム電池から正極を分別する際に混入するものや、正極材料にもともと含有されているものであり、例えば、負極材料のグラファイトカーボン、導電材としてのカーボンブラック等が挙げられる。
蓚酸の濃度、添加時間、温度等は、特に制限されるものではない。
上記被処理材分離工程後に、被処理材Aを加熱して灰化する灰化処理工程を含むことが好ましい。
灰化処理は、600℃〜800℃の範囲で、30〜100分被処理材Aを加熱して灰化させるものがよい。これにより大部分のカーボンを完全に分解することができるため、その後のカーボン分離工程において、被処理材Aからカーボンを容易に分離させることができる。
<(b)カーボン分離工程>
被処理材Aと王水を混合し加熱することによって、遷移金属及び不純物金属をイオン化させ溶出させることができるため、遷移金属と不純物金属とを含む被処理材Bとカーボン(グラファイトカーボン及びカーボンブラック)とを分離させることができる。従来、上記被処理材分離工程後、塩酸により被処理材Aから大半の不純物金属を除去し、硫酸により遷移金属を溶解させ、カーボンを分離していた。しかし、硫酸による溶解(又は加熱溶解)はカーボンに対し脱水素引き抜き反応を起こすため、カーボンを完全に分解することが困難である。また、硫酸濃度を高くし粘性が高い状態で加熱処理した場合、カーボンの粒子表面が少しずつ溶解(分解)又は物理的衝撃(加熱による溶液の煮沸のため)によりカーボン粒子が微細化する。このため、ろ紙やフィルタによってカーボンを分離することは困難となり、溶出した遷移金属等のろ液中にカーボンが不純物として混入する。しかし、王水は、硫酸に比べ沸点及び粘性が低く、また、カーボンの脱水素反応を引き起こすことがないため、カーボン粒子の溶解又は微細化を引き起こすことがないため、被処理材Bとカーボンとを分離することができる。
王水は、塩酸と硝酸の混合溶液であれば特に制限されるものではない。一般的に用いられる塩酸と硝酸の体積混合比が3:1の王水を使用してもよいし、塩酸と硝酸の体積混合比が1〜1.5:2.5〜3.0の逆王水を使用することもできる。上記述べたようにリチウム電池から正極を取り出す際に、リチウム電池は真空加熱炉で加熱されるが、この加熱(例えば400℃)によって、正極材料の一部が難溶性の炭化物や複雑組成の化合物を形成する。従来の硫酸を使用した場合には、上記難溶性の炭化物や複雑組成の化合物を溶解させることはできず、難溶性塩類が生成されるため、難溶性塩類に含まれる遷移金属はカーボンと共に被処理材Bと分離する。しかし、王水又は逆王水ではこれらを好適に溶解させることができる。
王水による加熱処理は、特に制限されるものではないが、例えば50℃〜100℃の範囲で、被処理材Aから気泡がほとんど発生しなくなるまで加熱することが好ましい。被処理材Aから発生する気泡は、上記蓚酸により沈殿した遷移金属及び不純物金属の炭酸塩から発生するものであるから、気泡の消滅によって、遷移金属及び不純物金属がイオン化して溶出されたことを示す。
<(c)アルカリ混合工程>
被処理材B(遷移金属と不純物金属とを含む)とアルカリ性溶液とを混合する工程を含むことが好ましい。被処理材Bは、遷移金属と不純物金属とを含むものである。例えば、不純物金属が、鉄、銅、アルミニウム等を含む場合に、アルカリ性溶液を加えることによって、鉄、銅、アルミニウムを含む不純物を水酸化物として沈殿させることができ、遷移金属を安定なアンミン錯体として溶出させることができる。アルカリ混合工程は、特に鉄を効果的に水酸化物として沈殿させることができる。
アルカリ性溶液の添加は、カーボンを分離した被処理材BのpHが約5.0〜6.0の弱酸性となるまで行われるものが良い。pHが5.0より低いと水酸化物沈殿不生成となる場合があり、pHが6.0より高いと水酸化物沈殿が析出し、吸着される場合がある。アルカリ性溶液の濃度は、5〜15重量%の範囲であることが好ましい。15重量%より高いと、遷移金属の一部を水酸化物とて沈殿させてしまう場合がある。アルカリ性溶液の種類は、例えば10重量%のNHOH水溶液、塩化アンモニウムにアンモニアを溶解させたもの等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
<(d)不純物金属分離工程>
被処理材Bと酸性溶液とを混合し、硫化剤を導入することによって、被処理材Bから遷移金属を溶出させ、不純物金属を分離させることができる。
酸性溶液は、特に制限されるものではなく、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等を使用することができる。好ましくは、1N〜4Nの希硫酸を使用することがよい。濃硫酸等の濃度の高い硫酸を使用することも可能であるが、遷移金属(遷移金属の硫化物)が析出しやすく、不純物金属と分離することが困難となり遷移金属の回収率が低下する場合がある。また、酸性溶液の添加は、被処理材BのpHが1.5〜3.0となるまで行われる(調整される)ことが好ましい。pHが3.0より高いと、硫化剤を導入しても遷移金属を溶出させ、不純物金属を分離させることが困難となる場合がある。
硫化剤は、遷移金属を硫化物として溶出させることができるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、硫化水素ガス、硫化アルカリ(硫化ナトリウム、硫化カリウム等)等の酸性溶液から発生する硫化水素ガス等を使用することができる。好ましくは、硫化水素ガスを使用することがよい。硫化ガスを導入することにより、不純物金属を硫化物として沈殿させ、遷移金属を硫酸溶液(ろ液)として分離させることができる。特に銅を効果的に硫化銅として沈殿させることができる。
硫化ガスの導入時間、ガス濃度、ガス流量は特に制限されるものではないが、硫化ガスの導入時間は5分〜30分、ガス濃度は5〜20%(in Air)、ガス流量は2〜8L/minの範囲であることが好ましい。
従来、不純物金属を分離させるためには水酸化ナトリウム水溶液を加えることによって、不純物金属を水酸化物として沈殿させていた。この場合、反応温度やpH設定等の調整によっては、不純物金属を水酸化物として析出させることが困難となり(不純物金属の水酸化物の溶解度が大きくなるため)、不純物金属を分離させることが困難となる一方で、遷移金属の水酸化物沈殿の生成を伴いやすい。本実施形態では、(c)のアルカリ混合工程、(d)の不純物金属分離工程、特に不純物金属分離工程を有することにより、不純物金属と共に遷移金属を水酸化物として沈殿させることを防止することができ、不純物金属のみを水酸化物として容易に沈殿させることができる。
<(e)強アルカリ混合工程>
遷移金属と上記工程(c)に使用したアルカリ性溶液(例えば、アンモニア水溶液)より強アルカリ性のアルカリ性溶液とを混合する工程を含むことが好ましい。これによって、遷移金属を水酸化物として沈殿させることができる。また、上記(d)不純物金属分離工程で分離できない不純物金属が存在している場合、それを水酸化物の溶液として溶出させることができる。例えば、特にLi、Al等を効果的に水酸化物の溶液として溶出させることができる。
上記強アルカリ性のアルカリ性溶液との混合は、遷移金属のpHが約9.5〜12となるまで行われるものが良い。pHが9.5より低いと遷移金属を水酸化物として沈殿させることが困難となる場合があり、pHが12より高いと遷移金属の水酸化物沈殿と共に不純物金属も水酸化物として沈殿する場合がある。
強アルカリ性溶液は、上記アルカリ混合工程により用いられるアルカリ性溶液より強アルカリ性を有すれば、特に制限されるものではない。強アルカリ性のアルカリ性溶液とは、例えば、濃度が10〜20重量%の範囲である水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法の一例を示すフロー図である。ここで、リチウム電池は、LiNi1−XCoの複合酸化物を正極材料とする使用済みリチウムイオン二次電池を例とする。なお、X=0〜1である。
ステップS10では、使用済みリチウムイオン二次電池を用意し、ステップS12では、リチウムイオン二次電池から正極を取り出す(分別する)。ステップS14では、正極を蓚酸溶液中に添加し、正極から遷移金属、不純物金属、及びカーボンを含む被処理材Aを分離させ、ステップS16では、蓚酸添加溶液をろ過分離し(S14,S16:(a)被処理材分離工程)、分離した被処理材A(残渣)とろ液とを得る。ここで、不純物金属を例えば、Cu(負極集電体から混入),Al(正極集電体から混入)、Fe(使用済みリチウムイオンに持電池の外装等から混入)、Li(正極材料から混入)として、以下説明する。また、ろ液は例えば、正極中のAl(アルミ集電体)、Li(正極材料中のLi及び電解液中のLi等)、Ni(回収する遷移金属の一部のNi)等を含むものである。ステップS22では、被処理材Aを水洗し、一部ろ液として取り除けなかった不純物、例えばリチウム等をろ液として除去する。ステップS26では、遷移金属(Ni,Co)、不純物金属(Cu,Fe,Al,(一部残存するLi)等)、及びカーボンを加熱して灰化する灰化処理を行い、カーボンを分解する。ステップS28では、灰化処理した遷移金属、不純物金属、及びカーボンに王水を添加し、遷移金属及び不純物金属を溶出させ、ステップS30では、王水添加溶液をろ過分離し(S28,S30:(b)カーボン分離工程)、溶出させた遷移金属及び不純物金属を含む被処理材Bをろ液として、カーボンを残渣として得る。ステップS36では、ろ液にアルカリ性溶液、例えばアンモニア水溶液を添加し、不純物金属(Fe(一部のCu及びAl)等)を水酸化物として沈殿させ、ステップS38では、アンモニア水溶液添加溶液をろ過分離し(S36,S38:(c)アルカリ混合工程)、遷移金属(アンミン錯体)及び不純物金属(Cu,Al,(Li)等)をろ液として、不純物金属(Fe(一部のAl及びCu)等)の水酸化物を残渣として得る。ステップS44では、酸性溶液、例えば4Nの希硫酸によってろ液のpHを調整し、ステップS46では、pH調整したろ液に硫化ガス、例えば硫化水素ガスを導入して、不純物金属(Cu等)を硫化物として沈殿させ、ステップS48では、硫化水素ガス導入後の溶液をろ過分離し(S44〜S48:(e)不純物金属分離工程)、遷移金属及び不純物金属(Al,(Li)等)をろ液として、不純物金属(Cu等)の硫化物を残渣として得る。ステップS54では、ろ液にステップS36で用いたアルカリ性水溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液を添加して、遷移金属を水酸化物として沈殿させ、ステップS56では、水酸化ナトリウム添加溶液をろ過分離し(S54,S56:強アルカリ混合工程)、不純物金属(Al,Li等)をろ液として、遷移金属の水酸化物を残渣として回収する。
以上、本発明の実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法では、高純度の遷移金属を高回収率で回収することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法について説明する。
本発明の他の実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法は、(1)正極と蓚酸とを混合して正極から遷移金属と不純物金属とカーボンとを含む被処理材Aを分離する被処理材分離工程と、(2)被処理材Aと王水とを混合し加熱して遷移金属と不純物金属とを溶出させて、遷移金属と不純物金属とを含む被処理材Bをとカーボンとを分離するカーボン分離工程と、(3)被処理材Bとアルカリ性溶液とを混合するアルカリ混合工程と、(4)被処理材Bとアルカリ混合工程に用いられるアルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液とを混合する強アルカリ混合工程と(5)被処理材Bと酸性溶液とを混合し、硫化剤を導入して硫化物として遷移金属を溶出させて遷移金属と不純物金属とを分離する不純物金属分離工程と、を含むものである。
(1)〜(3)の工程は、上記説明した(a)〜(c)の工程と同様である。
(4)の強アルカリ混合工程は、上記説明した(e)の強アルカリ混合工程と同様であるが、(5)の不純物金属分離工程前に、強アルカリ性のアルカリ性溶液を混合するものである。これによって、強アルカリ状態において水酸化物溶液として溶出しやすい不純物金属(例えばAl、Li)を先に溶出させることができる。一方、遷移金属を水酸化物沈殿として得ることができる。
(5)の工程は、上記説明した(d)の工程と同様である。但し、酸性溶液との混合は、pH調整だけでなく、上記水酸化物沈殿として得られる遷移金属を溶解させるために行う。また、硫化剤の導入によって、最終的に得られる遷移金属は硫化物溶液として得られるため、その後、硫化物溶液を濃縮する場合もある。
図2は、他の実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法の一例を示すフロー図である。ここで、リチウム電池は、LiNi1−XCoの複合酸化物を正極材料とするリチウムイオン二次電池を例とする。なお、X=0〜1である。
ステップS100では、使用済みリチウムイオン二次電池を用意し、ステップS102では、リチウムイオン二次電池から正極を取り出す(分別する)。ステップS104では、正極を蓚酸溶液中に添加し、正極から遷移金属、不純物金属、及びカーボンを含む被処理材Aを分離させ、ステップS106では、蓚酸添加溶液をろ過分離し(S104,S106:(1)被処理材分離工程)、分離した被処理材A(残渣)とろ液とを得る。ここで、不純物金属は上記と同様(Cu,Al,Fe,Li)であるとして以下説明する。また、ろ液も、上記述べたものと同様である。ステップS112では、被処理材Aを水洗し、一部ろ液として取り除けなかった不純物、例えばリチウム等を除去する。ステップS116では、遷移金属(Ni,Co)、不純物金属(Cu,Fe,Al,(一部残存するLi))、及びカーボンに王水を添加し、遷移金属及び不純物金属を溶出させる。また、王水を添加する前に、上記ステップS26と同様に灰化処理を行っても良いが本発明の他の実施形態では省略する。ステップS118では、王水添加溶液をろ過分離し(S116,S118:(2)カーボン分離工程)、溶出させた遷移金属及び不純物金属を含む被処理材Bをろ液として、カーボンを残渣として得る。ステップS124では、ろ液にアルカリ性溶液、例えばアンモニア水溶液を添加し、不純物金属(Fe,(一部のCu及びAl)等)を水酸化物として沈殿させ、ステップS126では、アンモニア水溶液添加溶液をろ過分離し(S124、S126:(3)アルカリ混合工程)、遷移金属(アンミン錯体)及び不純物金属(Cu、Al,(Li)等)をろ液として、不純物金属(Fe(一部のAl及びCu)等)の水酸化物を残渣として得る。ステップS132では、ろ液にステップS124で用いたアルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液、例えば水酸化ナトリウム水溶液を添加して、遷移金属及び不純物金属(Cu等)を水酸化物として沈殿させ、ステップS134では、水酸化ナトリウム添加溶液をろ過分離し(S132、S134:(4)強アルカリ混合工程)、不純物金属(Al、Li等)の水酸化物溶液をろ液として、遷移金属及び不純物金属(Cu等)の水酸化物を残渣として得る。S140では、酸性溶液、例えば4Nの希硫酸を添加し、残渣を溶解させると共にpHを調整し、ステップS142では、pH調整した残渣が溶解されている溶液に硫化ガス、例えば硫化水素ガスを導入して、不純物金属(Cu等)を硫化物として沈殿させ、ステップS144では、硫化水素ガス導入後の溶液をろ過分離し(S140〜S144:(5)不純物金属分離工程)、遷移金属をろ液として、不純物金属(Cu等)の硫化物を残渣として得る。ステップ150では、ろ液を濃縮し、遷移金属を硫化物として回収する。
以上、本発明の他の実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法でも、高純度の遷移金属を高回収率で回収することができる。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:リチウム電池からの電極構成金属回収方法>
使用済みリチウムイオン二次電池を10個用意し(S10)、正極を分別した(S12)。次に、正極を5重量%の蓚酸浴中に浸漬させた(S14)。これにより、遷移金属、不純物金属、及びカーボンを正極から分離させ(S16)、遷移金属及び不純物金属の炭酸塩及びカーボンを約100g回収した。これを被処理材Aとし、被処理材A約100gを灰化処理した(S26)。灰化処理は、750℃で60分行った。次に、灰化後の被処理材Aに逆王水(塩酸1溶と硝酸3溶)200mlを徐々に加えて100℃で加熱溶解させ(S28)、80mlになるまで濃縮した(この際、被処理材Aから気泡が発生しているか確認し、気泡が発生している場合はさらに加熱する)。濃縮液を放冷後、蒸留水約200mlを加えて振り混ぜ、樹脂性容器中にろ過し(S30)、ろ紙上を蒸留水約50mlで2〜3回洗浄した。ろ紙はアドバンテック製No.5A、Φ400mmを使用した。以下すべてのろ過分離も同様のろ紙を使用した。次に、ろ液に濃度10重量%のアンモニア水溶液を添加し、pH計及びスターラを用いてろ液をpH5.0±2となるように調整し(S36)、不純物金属の一部を水酸化物として沈殿させ、ろ過分離し(S38)、ろ紙上を蒸留水約50mlで2〜3回洗浄し残渣を回収した。次に、ろ液に4Nの希硫酸を添加して、pH2.0±0.1となるように調整し(S44)、ガス濃度15%の硫化水素ガスを2〜3L/minで15分導入した(S46)後、不純物金属の一部を硫化物として沈殿させ、ろ過分離し(S48)、ろ紙上を蒸留水約50mlで2〜3回洗浄し残渣を回収した。次に、ろ液にアンモニア水溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液として濃度10重量%の水酸化ナトリウム水溶液添加して(S54)、遷移金属(Ni,Co)を水酸化物として沈殿させ、ろ過分離し(S56)、ろ紙上を蒸留水50mlで2〜3回洗浄し残渣及びろ液を回収した。
<実施例2,3:リチウム電池からの電極構成金属回収方法>
実施例2は、上記S36において、ろ液に濃度10重量%のアンモニア水溶液を添加し、ろ液をpH5.5±0.2となるようにした(S36)ものであり、それ以外は上記実施例1と同様の方法で行った。さらに、実施例3は、上記S36において、ろ液に濃度10重量%のアンモニア水溶液を添加し、ろ液をpH6.0±0.2となるようにした(S36)ものであり、それ以外は上記実施例1と同様の方法で行った。
実施例1〜3において、アンモニア水溶液添加(S36)後に得られた残渣(図1に示すI)、硫化水素ガス導入(S46)後に得られた残渣(図1に示すII)、水酸化ナトリウム水溶液添加(S54)後に得られたろ液(図1に示すIII)及び最終的に回収された遷移金属の残渣(図1に示すIV)のICP発光分光分析(島津社製のICPS2000型)の結果を表1〜3に示す。
Figure 2007323868
Figure 2007323868
Figure 2007323868
表1〜3でわかるように、アンモニア水溶液を添加することによって、不純物金属を効果的に除去することができたが、pHを高くするにつれてNiの残渣量も増加(表には示さないがCoの残渣も増加)した。また、硫化水素ガスを導入することによりアンモニア水溶液の添加では取り除くことが困難な不純物金属(例えばCu)を除去することができた。さらに、水酸化ナトリウム水溶液を添加することによってろ液中に残る微量の不純物金属(例えばAl又は表には示さないがLi等)を除去することができたが、pHを高くするにつれてNiの残渣量も増加(表には示さないがCoの残渣量も増加)した。以上のことから、アンモニア水溶液を添加してpHを5.0〜5.5に調整した実施例1及び2は、各工程におけるNi及びCoの残渣量を抑える事ができたため、最終的に得られる遷移金属(Ni及びCo)の回収率は95%を超えるものであった。一方、pHを6.0に調整した実施例3は、各工程におけるNi及びCoの残渣量が多くなり、最終的に得られる遷移金属(Ni及びCo)の回収率は他の実施例には劣るが、最終的に回収された中に存在する不純物金属は、他の実施例より少なく高い純度の遷移金属(Ni及びCo)を回収することができた。結果として、回収率及び純度の両方の点を考慮すると、アンモニア水溶液を添加してpHを5.5に調整した実施例2が最適条件である。回収率(収率)は、(実際の収量mg/理論収量mg)×100で求めた。
<実施例4:リチウム電池からの電極構成金属回収方法>
使用済みリチウムイオン二次電池を10個用意し(S100)、正極を分別した(S102)。次に、正極を5重量%の蓚酸浴中に浸漬させた(S104)。これにより、遷移金属、不純物金属、及びカーボンを正極から分離させ(S106)、遷移金属及び不純物金属の炭酸塩及びカーボンを約100g回収した。これを被処理材Aとし、王水(塩酸3溶と硝酸1溶)400mlを徐々に加えて100℃で加熱溶解させ(S116)、80mlになるまで濃縮した(この際、被処理材Aから気泡が発生しているか確認し、気泡が発生している場合はさらに加熱する)。濃縮液を放冷後、蒸留水約200mlを加えて振り混ぜ、樹脂性容器中にろ過し(S118)、ろ紙上を蒸留水約50mlで2〜3回洗浄したろ過後の残渣を回収した。ろ紙はアドバンテック製No.5A、Φ400mmを使用した。以下すべてのろ過分離も同様のろ紙を使用した。次に、ろ液に濃度10重量%のアンモニア水溶液を添加し、pH計及びスターラを用いてろ液をpH6.0±0.1となるよう調整し(S124)、不純物金属の一部を水酸化物として沈殿させ、ろ過分離し(S126)、ろ紙上を蒸留水約50mlで2〜3回洗浄し残渣を回収した。次に、ろ液にアンモニア水溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液として濃度10重量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pH11.5±0.2に調整し(S132)、遷移金属を水酸化物として沈殿させ、不純物金属の一部を溶出させろ過分離し(S134)、ろ紙上をpH10〜11の水酸化ナトリウム水溶液約50mlで2〜3回洗浄し、引き続き蒸留水約50mlで2〜3回洗浄したろ液を回収した。次に、沈殿物を蒸留水約400mlを入れた樹脂製ビーカに移しいれた後、4Nの希硫酸を徐々に添加して、沈殿物を溶解させながらpH1.5〜2.5となるように調整し(S140)、pH調整した溶液にガス濃度10%の硫化水素ガスを2〜3L/minで15分導入し(S142)、不純物金属の一部を硫化物として沈殿させた。その後、空気を2〜3L/minで30分導入し、その溶液をろ過分離し(S144)、ろ紙上を蒸留水約50mlで1〜2回洗浄し残渣を回収した。次に、ろ液を約100mlになるまで濃縮し(S150)、遷移金属(Ni,Co)を回収した。
実施例4において、アンモニア水溶液添加(S124)後に得られた残渣(図2に示すVI)、水酸化ナトリウム水溶液添加(S132)後に得られたろ液(図2に示すVII)、硫化水素ガス導入(S142)後に得られた残渣(図2に示すVIII)及び最終的に回収された遷移金属(Ni,Co)の濃縮液(図2に示すIX)の原子吸光分析(島津社製のAA6700F型)の結果と王水添加後の残渣(図2に示すV)の結果を表4に示す。王水添加後の残渣量は、残渣を乾燥灰化して求めた灼熱減量である。
Figure 2007323868
実施例4の方法から、王水を添加することにより、試料中に含まれるほとんど全てのカーボンを取り除くことができた。また、実施例4では、水酸化ナトリウム水溶液の添加をアンモニア水溶液の添加後に行っているが、実施例1〜3と同様に不純物金属を効果的に除去することができた。さらに、硫化水素ガスを導入することにより上記では分離することができなかった不純物金属を分離することができた。これにより、最終的に得られる遷移金属(Ni及びCo)の回収率は90%を超えるものであった。
<王水添加による効果>
(実施例5)
使用済みリチウムイオン二次電池を5個用意し(S100)、正極を分別した(S102)。次に、正極を5重量%の蓚酸浴中に浸漬させた(S104)。これにより、遷移金属、不純物金属、及びカーボンを正極から分離させ(S106)、遷移金属及び不純物金属の炭酸塩及びカーボンを約50g回収した。これを被処理材Aとし、王水(塩酸3溶と硝酸1溶)300mlを徐々に加えて100℃で加熱溶解させ(S116)、80mlになるまで濃縮した(この際、被処理材Aから気泡が発生しているか確認し、気泡が発生している場合はさらに加熱する)。濃縮液を放冷後、蒸留水約200mlを加えて振り混ぜ、樹脂性容器中にろ過し(S118)、蒸留水約50mlで2〜3回洗浄し残渣(図2に示すV)を回収した。これを実施例5とした。
上記実施例5の王水300ml添加に代えて、塩酸300ml、硝酸300ml、硫酸300mlを添加したものを比較例1,2,3とした。
実施例5及び比較例1〜3によって得られた残渣を蛍光X線分析(島津社製のXRF−1700型)により求めた結果を表5に示す。
Figure 2007323868
表5の結果から、王水を添加した実施例5は、他の酸を添加した比較例1,2,3より残渣量が少ないことがわかった。残渣量が少ないほど、添加する酸により被処理材A中のカーボン以外のものをイオン化し溶出したことを示しているため、王水を添加した実施例5は、比較例1〜3より最終的に得られる遷移金属の収率を高めることができる。
<王水及び逆王水の添加量による効果>
使用済みリチウムイオン二次電池を5個用意し(S10)、正極を分別した(S12)。次に、正極を5重量%の蓚酸浴中に浸漬させた(S14)。これにより、遷移金属、不純物金属、及びカーボンを正極から分離させ(S16)、遷移金属及び不純物金属の炭酸塩及びカーボンを約50g回収した。これを被処理材Aとし、被処理材A約50gを灰化処理した(S26)。灰化処理は、750℃で60分行った。次に、灰化後の被処理材Aに王水(塩酸3溶と硝酸1溶)100mlを徐々に加えて100℃で加熱溶解させ(S28)、80mlになるまで濃縮した(この際、被処理材Aから気泡が発生しているか確認し、気泡が発生している場合はさらに加熱する)。濃縮液を放冷後、蒸留水約200mlを加えて振り混ぜ、樹脂性容器中にろ過し(S30)、ろ紙上を蒸留水約50mlで2〜3回洗浄し残渣を回収した(図1に示すX)。これを実施例6とした。また、実施例7,8,9は、実施例6の王水(塩酸3溶と硝酸1溶)100mlに代えて、王水を140ml,180ml,220ml徐々に加えたものであり、その他実施例6と同様の方法で行った。さらに、実施例10,11,12は実施例6の王水100mlに代えて、逆王水(塩酸1溶と硝酸3溶)を100ml,180ml,220mlを徐々に加えたものであり、その他実施例6と同様の方法で行った。実施例6〜12によって得られた沈殿物を蛍光X分析(島津社製のXRF−1700型)により求めた結果を表6に示す。
Figure 2007323868
残渣量が全体的に少ないのは灰化処理を行ったためであるが、王水又は逆王水を220ml添加した実施例9及び実施例12は残渣量を1%以下にすることができた。残渣量が低いほど、被処理材A中のカーボン以外のものをイオン化し溶出したことを示している。また、実施例9及び実施例12は、残渣中のNi及びCoの量も最も低い結果となった。さらに、僅かではあるが王水を添加するより逆王水を添加するほうが残渣量を少なくすることができ、実施例12が最も残渣量を抑え、残渣中のNi及びCoの量を抑える事ができるとわかった。
本実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法の一例を示すフロー図である。 他の実施形態に係るリチウム電池からの電極構成金属回収方法の一例を示すフロー図である。

Claims (5)

  1. 1種又は2種以上の遷移金属及びカーボンを含む正極を備えるリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、
    前記正極と蓚酸とを混合して前記正極から前記遷移金属と不純物金属とカーボンとを含む被処理材Aを分離する被処理材分離工程と、
    前記被処理材Aと王水とを混合し加熱して前記遷移金属と前記不純物金属とを溶出させて、前記遷移金属と前記不純物金属とを含む被処理材Bと前記カーボンとを分離するカーボン分離工程と、
    前記被処理材Bと酸性溶液とを混合し、硫化剤を導入して硫化物として前記遷移金属を溶出させて前記遷移金属と前記不純物金属とを分離する不純物金属分離工程と、
    を含むことを特徴とするリチウム電池からの電極構成金属回収方法。
  2. 請求項1記載のリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、前記カーボン分離工程後に、前記被処理材Bとアルカリ性溶液とを混合するアルカリ混合工程を含むことを特徴とするリチウム電池からの電極構成金属回収方法。
  3. 請求項2記載のリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、前記アルカリ混合工程後に、前記被処理材Bと前記アルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液とをさらに混合する強アルカリ混合工程を含むことを特徴とするリチウム電池からの電極構成金属回収方法。
  4. 請求項2記載のリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、前記不純物金属分離工程後に、前記遷移金属と前記アルカリ性溶液より強アルカリ性のアルカリ性溶液とを混合する強アルカリ混合工程を含むことを特徴とするリチウム電池からの電極構成金属回収方法。
  5. 請求項1記載のリチウム電池からの電極構成金属回収方法であって、前記被処理材分離工程後に、前記被処理材Aを加熱して灰化する灰化処理工程を含むことを特徴とするリチウム電池からの電極構成金属回収方法。
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