JP2007314774A - アクリル系樹脂発泡粒子、発泡性アクリル系樹脂粒子及びアクリル系樹脂発泡粒子成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のアクリル系樹脂発泡粒子は、アクリル系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であって、粒子表面に網目模様状の連続した凸条を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
(1)アクリル系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であって、粒子表面に網目模様状の連続した凸条を有することを特徴とするアクリル系樹脂発泡粒子、
(2)凸条に囲まれた網目の平均サイズが4〜40μm/個である上記(1)に記載のアクリル系樹脂発泡粒子、
(3)基材樹脂がメタクリル酸エステルと芳香族ビニル化合物との共重合体である上記(1)又は(2)に記載のアクリル系樹脂発泡粒子、
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル系樹脂発泡粒子を製造するための発泡剤を含有する発泡性アクリル系樹脂粒子であって、流動パラフィン及び/又は高級脂肪酸エステル及び/又はオレフィンを基材樹脂100重量部に対して0.1〜3重量部添加してなることを特徴とする発泡性アクリル系樹脂粒子、
(5)沸点80℃以下の有機系物理発泡剤を発泡剤として含有する上記(4)に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子、
(6)発泡剤がペンタンである上記(5)に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子、
(7)上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアクリル系樹脂発泡粒子を型内に充填し、型内の発泡粒子を加熱し、相互に融着させ、冷却後に型内より取り出すことを特徴とするアクリル系樹脂発泡粒子成形体の製造方法、
(8)型内成形時における型内空間の最小寸法が少なくとも15cmであることを特徴とする上記(7)に記載のアクリル系樹脂発泡粒子成形体の製造方法、
を要旨とする。
本発明の発泡粒子は、発泡粒子の表面を電子顕微鏡写真により観察すると、発泡粒子表面に網目模様状の連続した凸条を有しており、この発泡粒子より得られた成形体の表面を電子顕微鏡写真により観察しても発泡粒子表面に存在していた網目模様状の連続した凸条に起因すると見られる凸条が残存している。本発明発泡粒子を用いて成形体を製造する際に冷却時間が短くて済む理由は、発泡粒子表面に網目模様状の連続した凸条が成形時の未だ高温下にある成形体内部の膨張力を抑えるためではないかと推測される。
更に、予備発泡前の発泡性粒子の表面を同様に観察すると、発泡性粒子の表面にも微細な窪みが無数に形成され、発泡性粒子の断面を観察すると、表面から5μm内側の位置との間に少なくとも気泡の一部が存在し、各気泡は気泡を形成する内壁間の最大寸法が約1〜10μmである独立気泡又は表面に開口部を有する開放気泡(これら気泡を以下「表面気泡」という)が多数形成されている。これは、発泡性粒子表面に形成された窪みがある程度深いことを示唆している。
更に、従来から発泡性粒子には可塑剤としてキシレンが添加されており、この発泡性粒子は表面に窪みを有していたが、それを発泡させて得られる発泡粒子表面には、多少の凸部は形成されるものの、網目模様状の連続した凸条を形成させることができなかった。これを考察したところ、発泡性粒子の段階においてキシレン添加品では窪みは存在してはいたものの、流動パラフィン添加品に比べ表面の窪みの数が非常に少ない。また、キシレン品では発泡性粒子の断面を観察したところ、表面気泡はほとんど見られないことを見出した。この事実も、発泡性粒子表面に形成された窪みの数が、本発明で有用な発泡性粒子の表面に形成された窪み数と比べ、非常に少ないことを示唆している。
図2は流動パラフィン添加の発泡性粒子(以下の実施例1のもの)の断面を撮影した拡大倍率200倍の電子顕微鏡写真であり、図3はその拡大倍率1000倍の電子顕微鏡写真であり、図4はその発泡性粒子の表面を撮影した拡大倍率3000倍の電子顕微鏡写真である。また、図5は実施例1で得られた発泡粒子表面を撮影した拡大倍率500倍の電子顕微鏡写真である。
一方、図6はキシレン添加の発泡性粒子(以下の比較例1のもの)の断面を撮影した拡大倍率200倍の電子顕微鏡写真であり、図7はその拡大倍率1000倍の電子顕微鏡写真であり、図8はその発泡性粒子の表面を撮影した拡大倍率3000倍の電子顕微鏡写真である。また図9は、比較例1で得られた発泡粒子表面を撮影した拡大倍率500倍の電子顕微鏡写真である。
これらの対比より、流動パラフィン添加の発泡性粒子は、キシレン添加の発泡性粒子に比べ、表面の窪みが小さいうえ、数もかなり多いこと及び表面気泡が数多く存在していることが分かる。因みに、両断面を観察すると、図2、図3、図6、図7共に内部に多数のボイド(気泡)が形成されているが、本発明の例を示す図2、図3のものの方がボイドの大きさが小さく、数も多い。発泡性粒子内部に形成されているボイドは大きさが小さく、数が多いと、得られる発泡粒子の平均気泡径を小さくする効果を与えている可能性がある。
得られる発泡粒子の平均気泡径は、従来周知の気泡調節剤の種類及び添加量で調節することができる。また、使用される発泡剤の種類や量によっても得られる発泡粒子の平均気泡径は影響を受ける。基材樹脂と相溶性の低い発泡剤を使用するほど気泡径は小さくなる傾向にある。炭素数3〜5の炭化水素を発泡剤とする場合は、炭素数が少ないものほど発泡粒子の平均気泡径は小さくなる傾向にある。
発泡粒子の嵩密度が低いと発泡粒子を成形して得られる発泡成形体の強度が不足し、逆に嵩密度が高いと不経済であるため、本発明の発泡粒子の嵩密度は、10〜100kg/m3であることが好ましい。また、発泡粒子の嵩密度が10〜100kg/m3となるように発泡粒子を製造すると、発泡粒子表面に網目模様状の連続した凸条を容易に形成させることができる。
上記発泡性アクリル系樹脂粒子を加熱発泡させる方法としては、例えば、撹拌装置の付いた円筒形の予備発泡機を用いて、スチームなどで加熱し発泡させる方法がある。本発明の発泡粒子から成形体を得るには、アクリル系樹脂発泡粒子を型内に充填し、型内の発泡粒子を加熱し、相互に融着させ、冷却後に型内より取り出す、いわゆる型内成形方法を採用すればよい。特に、本発明の発泡粒子を使用すると、型内成形時の冷却時間が飛躍的に少なく済む。このようなメリットは、厚みの薄い(厚み1cm〜15cm未満の)成形体を得る場合でもこのメリットを享受できることは当然であるが、より厚みの厚い(厚み15cm以上の)成形体を得る場合はこのメリットはいっそう大きなものとなる。得られる成形体としては、厚みが15cm〜100cmのものが適しており、20cm〜70cmのものが好ましい。また、大型の成形体としては、EPS土木工法に使用されるポリスチレン発泡成形体が長さ2m又は1m、幅1m、厚み50cmサイズであることから、これを製造するための成形装置が世の中に普及している。本発明では、このような成形装置及び本発明の発泡粒子を使用して長さ2m又は1m、幅1m、厚み50cmサイズの成形体を、中心部の発泡粒子まで融着を高めて製造しても成形工程後段の冷却時間はわずかな時間で済む。
実施例1
撹拌装置の付いた内容積が1m3のオートクレーブに、脱イオン水430kg、懸濁剤として第3リン酸カルシウム(太平化学産業社製)0.4kg、界面活性剤としてドデシルジフェニルエーテルスルホン酸二ナトリウム(花王社製:ペレックスSSH 50%水溶液)70g、電解質として酢酸ナトリウム0.65kgを投入した。次いで、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.5kg(日本油脂社製:ナイパーBW、水希釈粉体品)及び、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.4kg(日本油脂社製:パーブチルE)、網目形成剤として流動パラフィン(松村石油研究所社製:モレスコホワイトP60 平均炭素数20個)3.1kg、連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマー(日本油脂社製:ノフマーMSD)0.6kgを、メタクリル酸メチル233kg、スチレン56kg、α−メチルスチレン22kgに溶解させ、110rpmで撹拌しながらオートクレーブに投入した。オートクレーブ内を窒素置換した後、昇温を開始し、1時間半かけて80℃まで昇温した。80℃に昇温する途中、60℃に到達した時に、懸濁助剤として過硫酸カリウムの0.02%水溶液を0.8kg添加した。80℃に到達した後、更に115℃まで6時間かけて昇温し、そのまま115℃にて5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。80℃から115℃へ昇温する途中、110℃に到達した時に、発泡剤としてペンタン(n−ペンタン80%とイソペンタン20%の混合物)37kgを約60分かけてオートクレーブ内に添加した。発泡剤を添加後、撹拌速度を90rpmに下げた。冷却後、内容物を取り出し、硝酸を添加し発泡性アクリル系樹脂粒子の表面に付着した第3リン酸カルシウムを溶解させた後、遠心分離機で脱水・洗浄し、気流乾燥装置で表面に付着した水分を除去し、平均粒径が約0.8mmの発泡性アクリル系樹脂粒子を得た。得られた発泡性アクリル系樹脂粒子を篩いにかけて直径が0.5〜1.2mmの粒子を分取した。この発泡性アクリル系樹脂粒子100重量部に対して、帯電防止剤であるN,N―ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン0.015重量部を添加し、さらにステアリン酸亜鉛0.2重量部、グリセリンモノステアレート0.1重量部の混合物で被覆した。得られた発泡性アクリル系樹脂粒子12.5kgを加圧バッチ発泡機(ダイセン工業社製:DYH850)内で、発泡機内圧力が0.01MPa(ゲージ圧)になるようにスチームを供給し、そのスチーム圧力を約80秒間維持しつつ加熱して、嵩密度が約20kg/m3のアクリル系樹脂の発泡粒子を得た。
窪み密度:
ステアリン酸亜鉛やグリセリンモノステアレートで被覆していない発泡性アクリル系樹脂粒子の表面を、走査型電子顕微鏡(観察倍率3000倍)により撮影し、電子顕微鏡写真(倍率3000倍)上の、一辺20μmの正方形の内側に存在する窪みの個数を数え、これを1mm2当たりの個数に換算して求めた。この測定においては、一辺20μmの正方形を形成する任意の接触している2辺上に位置する窪みの数はカウントし、同正方形を形成する残りの2辺上に位置する窪みの数はカウントしないこととした。同様に少なくとも異なる表面の5箇所について計測し、その相加平均値を窪み密度として求めた。
得られた発泡性アクリル系樹脂粒子をジメチルホルムアミドに溶解させ、ガスクロマトグラフィーにより、添加した発泡剤成分の含有量を測定し、各成分の含有量(重量%)を合計して求めた。
得られた発泡性アクリル系樹脂粒子をテトラヒドロフランに溶解させ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンで校正して数平均分子量、重量平均分子量、およびZ平均分子量を求めた。
発泡粒子を1Lのメスシリンダー内に、1Lの標線位置まで充填し、その発泡粒子の重量:WP(g)を0.1gの位まで秤量し、この発泡粒子の重量WPから以下の式により発泡粒子の嵩密度(kg/m3)を求めた。
発泡粒子の嵩密度(kg/m3)
={WP(g)×0.001(kg/g)}/{1(L)×0.001(L/m3)}
ブロック成形体の成形工程において、スチーム加熱および水冷を行った後、金型キャビティの減圧開始から面圧が0.00MPa(ゲージ圧)に到達するまでに要した時間(分)を計測した。
得られたブロック成形体の、金型の縦2.0mに沿った長さ(mm)を測定し、この測定値を成形品寸法とし、金型寸法(2.0m)に対する収縮率(%)を以下式より求めた。
寸法収縮率(%)=(金型寸法−成形品寸法)÷金型寸法×100
得られたブロック成形体をニクロム線により、厚さ方向に5cmずつ10枚の板にスライスした。表面側から数えて5枚目の板を割って破断面の100個以上の発泡粒子について、発泡粒子自体が破断している数と、発泡粒子と発泡粒子との界面で剥離した数とを、目視により計測し、測定した全発泡粒子数に対する、発泡粒子自体が破断した数の割合を内部融着率(%)とした。通常、この内部融着率は50%以上であれば許容範囲内である。
JIS K 7221に準拠して3点曲げ試験を行なった。すなわち、ブロック成形体をニクロム線により、300mm×75mm×25mmの大きさの試験片に切り出し、3点曲げ試験(スパン200mm)を行って最大曲げ応力(MPa)を測定した。同様の試験を5点の試験片について行い、平均して曲げ強さ(MPa)を求めた。
網目形成剤として流動パラフィン(松村石油研究所社:モレスコホワイトP150 平均炭素数25個)3.1kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表1にあわせて示す。また、実施例2で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図10(拡大倍率3000倍)及び図11(拡大倍率1000倍)並びに図12(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤として流動パラフィン(松村石油研究所社製:モレスコホワイトP350P 平均炭素数33個)3.1kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表1にあわせて示す。また、実施例3で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図13(拡大倍率3000倍)及び図14(拡大倍率1000倍)並びに図15(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤としてグリセリントリステアレート(日本油脂社製:極度硬化牛脂)3.7kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表2に示す。また、実施例4で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図16(拡大倍率3000倍)及び図17(拡大倍率1000倍)並びに図18(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤として、炭素数20〜28の混合物からなるα−オレフィン混合物(三菱化学社製:商品名「ダイアレン208」)3.1kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表2にあわせて示す。また、実施例5で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図19(拡大倍率3000倍)及び図20(拡大倍率1000倍)並びに図21(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤として、流動パラフィン(松村石油研究所社製:モレスコホワイトP60 平均炭素数20個)2.5kg、発泡助剤(可塑剤)としてシクロヘキサン0.9kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表2にあわせて示す。実施例6で得られた発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を図22(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤に代えて発泡助剤(可塑剤)であるキシレン3.7kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。また、比較例1で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図8(拡大倍率3000倍)及び図7(拡大倍率1000倍)並びに図9(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤に代えて発泡助剤(可塑剤)であるとしてD−リモネン3.1kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。また、比較例2で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図23(拡大倍率3000倍)及び図24(拡大倍率1000倍)並びに図25(拡大倍率500倍)に示す。
網目形成剤に代えて発泡助剤(可塑剤)であるフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)3.1kgを用いた以外は実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。また、比較例3で得られた発泡性アクリル系樹脂粒子の表面及び断面並びに発泡粒子の表面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図26(拡大倍率3000倍)及び図27(拡大倍率1000倍)並びに図28(拡大倍率500倍)に示す。
撹拌装置の付いた内容積が1m3のオートクレーブに、脱イオン水364kg、懸濁剤として第3リン酸カルシウム(太平化学産業社製)0.4kg、界面活性剤としてαオレフィンスルホン酸ナトリウム(ライオン社製:リポラン440 37%水溶液)50g、電解質として酢酸ナトリウム0.56kgを投入した。次いで、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.2kg(日本油脂社製:パーブチルO)及び、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート0.6kg(日本油脂社製:パーブチルE)、実施例1で網目形成剤として使用されたものと同じ流動パラフィン(松村石油研究所社製:モレスコホワイトP60 平均炭素数20個)3.6kg、気泡調整剤としてポリエチレンワックス(東洋ペトロライト社製:ポリワックス1000)0.4kgをスチレン370kgに溶解させ、110rpmで撹拌しながらオートクレーブに投入した。オートクレーブ内を窒素置換した後、昇温を開始し、1時間半かけて90℃まで昇温した。90℃に到達した後、更に100℃まで5時間かけて昇温し、さらに115℃まで1時間半かけて昇温し115℃にて5時間保持した後、30℃まで約6時間かけて冷却した。90℃から100℃へ昇温する途中、90℃に到達4時間目に、発泡剤としてペンタン(n−ペンタン80%とイソペンタン20%の混合物)10kg及びブタン(n−ブタン70%とイソブタン30%の混合物)21kgを約60分かけてオートクレーブ内に添加した。発泡剤を添加後、撹拌速度を90rpmに下げた。冷却後、内容物を取り出し、硝酸を添加し発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に付着した第3リン酸カルシウムを溶解させた後、遠心分離機で脱水・洗浄し、気流乾燥装置で表面に付着した水分を除去し、平均粒径が約0.8mmの発泡性スチレン樹脂粒子を得、実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。また、比較例4で得られた発泡性スチレン樹脂粒子の表面及び断面を走査型電子顕微鏡により撮影した写真を、それぞれ、図29(拡大倍率3000倍)及び図30(拡大倍率1000倍)に示す。
また、実施例1〜3より、網目形成剤として使用される流動パラフィンの炭素数により、得られる発泡粒子の網目の大きさを調整できることが理解される。
これに対し、比較例1〜3は、従来から発泡性アクリル系樹脂粒子に使用される可塑剤として有用な化合物を添加した例を示すものであるが、そのような化合物の添加では発泡性アクリル系樹脂粒子には、ほとんど表面気泡が形成されず、それより得られる発泡粒子の表面には網目模様状の連続した凸条が形成されないことが判る。そして、その発泡粒子を使用して型内成形して厚みの厚いブロック成形体を、内部の融着が高くなるように十分に加熱して成形すると、実施例1〜6と比較(内部融着率50%で比較)し、非常に長い放冷(減圧冷却)時間を必要とすることが判る。
また、比較例4より、本発明で網目形成剤として有用な流動パラフィンを発泡性ポリスチレン粒子に適用しても、本発明の効果が得られないことも判る。
2 網目
Claims (8)
- アクリル系樹脂を基材樹脂とする発泡粒子であって、粒子表面に網目模様状の連続した凸条を有することを特徴とするアクリル系樹脂発泡粒子。
- 凸条に囲まれた網目の平均サイズが4〜40μm/個である請求項1に記載のアクリル系樹脂発泡粒子。
- 基材樹脂がメタクリル酸エステル系モノマーと芳香族ビニル化合物との共重合体である請求項1又は2に記載のアクリル系樹脂発泡粒子。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系樹脂発泡粒子を製造するための発泡剤を含有する発泡性アクリル系樹脂粒子であって、流動パラフィン及び/又は高級脂肪酸エステル及び/又はオレフィンを基材樹脂100重量部に対して0.1〜3重量部添加してなることを特徴とする発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 沸点80℃以下の有機系物理発泡剤を発泡剤として含有する請求項4に記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 発泡剤がペンタンである請求項5記載の発泡性アクリル系樹脂粒子。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル系樹脂発泡粒子を型内に充填し、型内の発泡粒子を加熱し、相互に融着させ、冷却後に型内より取り出すことを特徴とするアクリル系樹脂発泡粒子成形体の製造方法。
- 型内成形時における型内空間の最小寸法が少なくとも15cmであることを特徴とする請求項7に記載のアクリル系樹脂発泡粒子成形体の製造方法。
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