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JP2007313015A - 手首血圧計 - Google Patents

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JP2007313015A
JP2007313015A JP2006145739A JP2006145739A JP2007313015A JP 2007313015 A JP2007313015 A JP 2007313015A JP 2006145739 A JP2006145739 A JP 2006145739A JP 2006145739 A JP2006145739 A JP 2006145739A JP 2007313015 A JP2007313015 A JP 2007313015A
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Yoshiharu Shibata
喜晴 柴田
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Japan Precision Instruments Inc
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Abstract

【課題】簡単な構成を付加するだけで、カフを心臓の高さに容易に合わせることができる、使い勝手のよい、コンパクト且つ低コストな手首血圧計を提供する。
【解決手段】カフ8を装着した手首Mtの高さを心臓の高さに合わせるために、前腕の傾斜角度θが適正角度範囲内にあるかどうかを検出する傾斜検出手段20を具備した手首血圧計1において、前記傾斜検出手段を、傾斜を検出する方向に延在したレール30と、レール上を転動するボール25と、ボールを収容する窓部22a付きのケース22と、で構成した。レール上に設けた2つの第1斜面の交差部に、傾斜角度が適正角度範囲内にある時にボールが安定的に位置決めされる凹部31を形成し、凹部の両側の2つの第1斜面を、基準面に対して同じ角度だけ傾斜させ、第1斜面の各外側に凸部32を介して第2斜面を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、血圧測定時に手首に装着したカフを心臓の高さに合わせるための手段を有した手首血圧計に関するものである。
上腕で血圧を測定するときには問題とならないが、手首で血圧を測定するときには、血圧を測定している手首の高さを心臓の高さとほぼ一致させておかなければならない。そうしないと、水頭圧差の影響が測定結果に表れてしまい、正確な測定が行えないからである。
従来、この種の手首血圧計で血圧を測定する場合は、まず、手首にカフを装着した後、例えば、テーブルの上に肘を着いて、前腕を徐々に起こしていき、目で見て感覚的にカフの高さが心臓の高さに合ったところで腕を止めて、その位置で血圧測定をスタートさせていた。
しかし、目で見て感覚的に高さを合わせる方法では、測定の度毎に高さにずれが出てしまい、測定値にばらつきが生じるおそれがあった。
それを改善するものとして、特許文献1や特許文献2に、カフに装着部分の傾斜角度を検出する手段を設け、この検出手段で前腕の傾斜角度を検出し、それにより、肘を曲げた際の手首の高さを推定するようにした手首血圧計が提案されている。
すなわち、図16に示すように、手首血圧計200によって正しい姿勢で血圧を測定する場合、被測定者Mは、例えばイスに座り、前方に上腕Mjから前腕Mzを伸ばした状態で、前のテーブルTの上に肘Mhを着き、肘Mhを曲げていき、手首血圧計200を装着した手首Mtの高さを、心臓H1の高さにまで上げる。そして、そこで前腕Mzを止めて測定を開始する。
その場合、肘Mhまでの姿勢が一定に決まっている場合は、前腕Mzの長さLとその傾斜角度θで、肘Mhから手首Mtまでの高さH2が決まる。前腕Mzの長さLとしては一般的な平均値を当てはめることが可能であるから、おおまかには、肘Mhの曲げ角度、つまり、前腕Mzの傾斜角度θを、ある適正角度範囲内に収めれば、手首Mtの高さを心臓H1の高さに合わせることができると言える。そこで、この種の手首血圧計に、前腕Mzの傾斜角度θ、すなわち、カフの装着部位の傾斜角度を検出するための検出手段を設けているのである。
特開平7−289527号公報 特開平8−580号公報
ところで、特許文献1に記載された手首血圧計の傾斜検出手段は、振り子の原理で常に一定の姿勢を保つ基準部材と前腕と共に傾斜する指示部材とに発光部と受光部を設け、発光部からの光の受光部による受信状態により、電気的に位置合わせを行うというものであるため、構造が複雑になると共に、コスト的にも高くなるという問題があった。
また、特許文献2に記載された手首血圧計の傾斜検出手段は、前腕と共に傾斜する窓部から振り子のマークの位置を見ることで、傾斜の度合を検出するものであるため、傾斜が微妙にずれるだけでも、振り子と窓部の位置関係が動いてしまい、前腕の傾斜角度が適正角度範囲内にあるかどうかを瞬時に判断しにくいという問題があった。また、振り子となる部材を回動自在に支持しておくために装置が大型化しやすく、コンパクトな手首血圧計には適用しにくいという問題もあった。
本発明は、上記事情を考慮し、簡単な構成を付加するだけで、カフを心臓の高さに容易に合わせることができる、使い勝手のよい、コンパクト且つ低コストな手首血圧計を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、カフを装着した手首の高さを被測定者の心臓の高さに合わせるために、肘を曲げて手首を持ち上げた際の前腕の傾斜角度が適正角度範囲内にあるかどうかを検出する傾斜検出手段を、前記カフまたはその近傍の部材に配設した手首血圧計において、前記傾斜検出手段を、前記カフまたはその近傍の部材に固定的に設けられることで、傾斜を検出する方向に延在したレールと、自重により前記レール上を転動するボールと、該ボールを、脱落防止しつつ、前記レール上を転動できるように収容し、且つ、前記ボールの位置を外部から視認可能とする窓部を有したケースと、で構成し、前記レール上に、該レールの延在方向に隣接する2つの互いに傾斜角度の異なる第1斜面を設け、該2つの第1斜面の交差部に、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内にある時に前記ボールが安定位置決めされる凹部を形成し、前記凹部の両側の前記2つの第1斜面を、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内の中心角度に保たれた時に水平となる基準面に対して、同じ角度α1(ただし、α1>0°)だけ傾斜させて設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の手首血圧計であって、前記凹部の両側の前記2つの第1斜面の各外側に、該各第1斜面との交差部にそれぞれ凸部を形成する第2斜面を形成して、該第2斜面の前記基準面に対する傾斜角度をγ1(ただし、α1>γ1>0°)に設定し、各第2斜面の外側に、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内から外れた時に前記ボールが安定位置決めされる移動限を確保したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載の手首血圧計であって、前記前腕の傾斜角度の適正角度範囲を、お互いに重複しない第1の適正角度範囲と第2の適正角度範囲の2種類設定し、これら2種類の適正角度範囲に対応させて、前記凹部を第1と第2の2つ設けると共に、前記基準面を第1と第2の2つ設定し、前記第1の凹部を形成する2つの第1斜面と前記第2の凹部を形成する2つの第1斜面とを4つ連続して設けることで、中央の2つの第1斜面の交差部に凸部を設け、前記第1の凹部を形成する2つの第1斜面の前記第1の基準面に対する傾斜角度を前記α1に設定すると共に、前記第2の凹部を形成する2つの第1斜面の前記第2の基準面に対する傾斜角度をα2(ただし、α2>0°であり、且つ、α1=α2を含む)に設定したことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の手首血圧計であって、前記2つ並んだ第1の凹部および第2の凹部のうちの第1の凹部を形成する外側の第1斜面の更に外側と、前記第2の凹部を形成する外側の第1斜面の更に外側とに、該各外側の第1斜面との交差部にそれぞれ凸部を形成する第2斜面を形成し、前記第1の凹部側の第2斜面の前記第1の基準面に対する傾斜角度を前記γ1(ただし、α1>γ1>0°)に設定すると共に、前記第2の凹部側の第2斜面の前記第2の基準面に対する傾斜角度をγ2(ただし、α2>γ2>0°)に設定し、各第2斜面の更に外側に、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内から外れた時に、前記ボールが安定位置決めされる移動限を確保したことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の手首血圧計であって、前記カフまたはその近傍に、被測定者の視線に対する角度によって見える内容の変化する表示体を配設し、前記前腕の傾斜角度を前記第1の適正角度範囲内に設定したときに、前記表示体を見る被測定者の目に第1の内容の表示が見えるようにすると共に、前記前腕の傾斜角度を前記第2の適正角度範囲内に設定したときに、前記表示体を見る被測定者の目に前記第1の内容と異なる第2の内容の表示が見えるようにし、前記表示体に前記第1の内容が見え、且つ、前記第1の凹部にボールが位置することが確認されたとき、前記前腕の傾斜角度が前記第1の適正角度範囲内に設定されていると見なし、前記表示体に前記第2の内容が見え、且つ、前記第2の凹部にボールが位置することが確認されたとき、前記前腕の傾斜角度が前記第2の適正角度範囲内に設定されていると見なすことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の手首血圧計であって、前記表示体として、レンチキュラーシートを前記カフまたはその近傍の部材に貼り付けたことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の手首血圧計であって、前記レンチキュラーシートは、前記前腕の傾斜角度が前記第1の適正角度範囲内にあるときと前記第2の適正角度範囲内にあるときとの被測定者の視線に対する角度の違いから、絵柄を変化させて見せるものであることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載の手首血圧計であって、前記傾斜検出手段のケースの窓部に並べて前記レンチキュラーシートを貼り付け、前記第1の凹部にボールが位置する傾斜角度のとき、そのボールに対応した前記レンチキュラーシート上の位置に特定のマークが見え、また、前記第2の凹部にボールが位置する傾斜角度のとき、そのボールに対応した前記レンチキュラーシート上の位置に特定のマークが見えるようにしたことを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の手首血圧計であって、前記傾斜検出手段のケース内に、互いに直交する2方向にレール面を向けて第1のレールと第2のレールの2つの前記レールを形成し、前記ケースの上下の向きを縦にするか横にするかで、前記ボールを前記第1のレールと第2のレールで選択的に利用可能としたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項9に記載の手首血圧計であって、前記カフと一体に設けられた血圧計本体の外装ケースの血圧結果表示部を備えた上面と側面の交わる角部に面取部を設けて、その面取部に前記傾斜検出手段を配置し、該傾斜検出手段のケース内の内壁のうち、前記外装ケースの上面側の内壁に前記第2のレールを形成し、側面側の内壁に前記第1のレールを形成し、前記外装ケースの上面を上方に向けて血圧計本体を傾斜させたとき、前記第1のレール上に前記ボールが位置し、前記外装ケースの側面を上方に向けて血圧計本体を傾斜させたとき、前記第2のレール上に前記ボールが位置することを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10に記載の手首血圧計であって、左手装着用の血圧計である場合に、前記傾斜検出手段が、前記外装ケースの上面と左側の側面の交わる左側角部に配設され、右手装着用の血圧計である場合に、前記傾斜検出手段が、前記外装ケースの上面と右側の側面の交わる右側の角部に配設されていることを特徴とする。
請求項1の発明では、傾斜検出手段を配設した部材が傾斜し、傾斜検出手段の基準面が水平となった場合、ボールはレール上の凹部に位置して動かない。前記基準面の角度θkが、−α1<θk<+α1の範囲にある間は、ボールは動かず、止まったままとなる。
従って、手首にカフを装着して、肘を曲げ、前腕を持ち上げる場合の前腕の傾斜角度θの許容範囲(心臓の高さとほぼ等しい高さとなるときの前腕の傾斜角度の範囲)を予め実験などにより求めておき、それに対応した基準面の角度θkの許容範囲に基づいて、α1の値を設定しておくことにより、基準面の角度θkが、−α1<θk<+α1の範囲にある場合は、手首の高さが適正であると見なせることになる。また、基準面の角度θkがα1を超えると、ボールは凹部から転がって出て行くので、そのことをもって、前腕の傾斜角度θが適正角度範囲にないことを知ることができる。
このように、ボールが凹部に止まっているかどうかで、傾斜角度が適正角度範囲にあるがどうかを見極めることができるので、特許文献2に記載の従来例のように、動く部材(指示部材)が目盛りの範囲に入っているかどうかで傾斜を検出する場合と比べて、瞬時に迷いなく適正か否かを判断することができる。従って、使い勝手が良く、カフを心臓の高さに容易に合わせることができて、正確な血圧測定が行える。
また、傾斜検出手段は、内部にレールを形成したケースの中にボールを入れただけの構成であるから、構造が簡単であり、スペースもとらない。従って、低コストでコンパクトに手首血圧計に組み込むことができる。
請求項2の発明によれば、凹部を形成する第1斜面の外側に角度の緩い第2斜面を設け、その第2斜面の外側にボールの移動限を確保したので、傾斜角度が増加するときと減少するときのボールの凹部への戻り動作にヒステリシスを持たせることができる。従って、傾斜角度が適正範囲内にあるか、それ以外にあるかの区別が、ボールの位置を見て一層しやすくなり、より使い勝手が良くなる。
請求項3の発明によれば、適正状態でボールが安定する凹部を2つ並べて設けたので、2種類の適正角度範囲について前腕の傾斜角度を吟味することができる。これは、肘を着くテーブルの高さが高い場合と低い場合で、最適な手首高さとなる前腕の傾斜角度が異なることに対応させたものである。
例えば、低いテーブルの場合は、肘の位置が下がるので、同じ手首高さにするためには、前腕の傾斜角度を大きくしなくてはならない。反対に、高いテーブルの場合は、肘の位置が上がるので、同じ手首高さにするためには、前腕の傾斜角度を小さくしなくてはならない。
本発明では、この違いに対応させて、適正角度範囲を2種類設けているのである。従って、前者の場合は、低いテーブル用の凹部にボールが止まっていることで、カフが適正高さにあると判断することができるし、また、後者の場合は、高いテーブル用の凹部にボールが止まっていることで、カフが適正高さにあると判断することができる。
請求項4の発明によれば、2つの凹部の外側に角度の緩い第2斜面を設け、その第2斜面の外側にボールの移動限を確保したので、傾斜角度が増加するときと減少するときのボールの凹部への戻り動作にヒステリシスを持たせることができる。従って、傾斜角度が適正範囲内にあるか、それ以外にあるかの区別が、ボールの位置を見て一層しやすくなり、より使い勝手が良くなる。
請求項5の発明によれば、被測定者の目から表示体上に見える内容によって前腕の傾斜角度を推定することができる。従って、その推定結果とボール式の傾斜検出手段の検出結果と組み合わせて判断することにより、表示体に第1の内容が見え、且つ、第1の凹部にボールが位置することが確認されたときに、前腕の傾斜角度が第1の適正角度範囲内に設定されていると見なすことができる。また、表示体に第2の内容が見え、且つ、第2の凹部にボールが位置することが確認されたとき、前腕の傾斜角度が第2の適正角度範囲内に設定されていると見なすことができる。つまり、2種類の傾斜検出結果に基づいて判断することにより、信頼度の高い傾斜検出を行うことができる。
請求項6の発明によれば、表示体として、レンチキュラーシートを用いるので、低コストで極めて容易に傾斜角度の推定が可能であり、重量が増すようなこともない。
請求項7の発明によれば、被測定者から見えるレンチキュラーシートの絵柄の変化により、傾斜角度の違いを推定させることができるので、適正位置にあるかどうかの判断がしやすい。
請求項8の発明によれば、第1、第2の2つの凹部とレンチキュラーシート上に表れるマークの位置を対応させたので、例えば、テーブルが高い場合と低い場合の適正角度範囲の違いによる2つの凹部の使い分けを、分かりやすく示すことができる。
請求項9の発明によれば、傾斜検出手段のケースの向きによって、ボールの位置を見るレールを使い分けることができ、直交する2面の各面内での傾斜検出を1つの傾斜検出手段によって行うことができる。例えば、前腕を前に突き出し、手首の内面を上方に向けて、肘を曲げていき、手首の高さを心臓の高さに持って行く姿勢と、前腕を胸の前にあてがい、手首の内面を胸側に向けて、胸の前で肘を曲げながら、手首の高さを心臓の高さに持って行く姿勢とでは、手首に装着したカフの向きが違ってくる。
即ち、前者の姿勢では、手首の内面が上を向き、後者の姿勢では、手首の外側の側面が上を向く。従って、手首の内面側の向きに傾斜検出手段の第1のレールのレール面を向けている場合には、前者の姿勢を取ることで、第1のレールが上向きになることによって、ボールが第1のレール上に位置することになり、その第1のレール上のボールの位置で、前腕の傾斜を検出することができる。また、手首の外側の側面の向きに傾斜検出手段の第2のレールのレール面を向けている場合には、後者の姿勢を取ることで、第2のレールが上向きになることによって、ボールが第2のレール上に位置することになり、その第2のレール上のボールの位置で、前腕の傾斜を検出することができる。
このように、手首の向きによらず、第1、第2のレールを使い分けることによって、傾斜角度が適正であるかどうかを判断することができる。また、この発明では、2つのレールに対し1個のボールを共用するので、無駄な構成を省略することができ、コンパクト化を図ることができるメリットもある。
請求項10の発明によれば、血圧計本体の外装ケースの角部に面取部を設けて、そこに傾斜検出手段を配置したので、無理のないデザインで、2つのレールを有する傾斜検出手段を手首血圧計に組み込むことができる。また、傾斜検出手段のケース内の内壁のうち、外装ケースの上面側の内壁に第2のレールを形成し、側面側の内壁に第1のレールを形成し、外装ケースの上面を上方に向けて血圧計本体を傾斜させたとき、第1のレール上にボールが位置し、外装ケースの側面を上方に向けて血圧計本体を傾斜させたとき、第2のレール上にボールが位置するようにしたので、第1のレールと第2のレールによって、異なる手首の向きで前腕を持ち上げた場合の傾斜検出を行うことができる。
請求項11の発明によれば、傾斜検出手段を外側の角部に配置したので、どちらの方向で前腕を持ち上げる場合にも、ボールの位置を見やすくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、全部の実施形態に共通する事項について、図1、図2を代表例として参照しながら述べると、本発明の手首血圧計1は、カフ8を装着した手首Mtの高さを被測定者Mの心臓H1(図16参照)の高さに合わせるために、肘Mhを曲げて手首Mtを持ち上げた際の前腕Mzの傾斜角度θが適正角度範囲内にあるかどうかを検出する傾斜検出手段20を、前記カフ8またはその近傍の部材に配設したものである。
また、その傾斜検出手段20を、カフ8またはその近傍の部材に固定的に設けられることで、傾斜を検出する方向に延在したレール30と、自重により前記レール30上を転動するボール25と、該ボール25を、脱落防止しつつ、前記レール30上を転動できるように収容し、且つ、ボール25の位置を外部から視認可能とする窓部22aを有したケース22と、で構成している。
<第1実施形態>
図1〜図8は第1実施形態の手首血圧計1を説明するための図で、図1は手首血圧計1の外観図、図2は同手首血圧計1を手首に装着した状態を示す図1のII−II矢視断面図、図3は図2の傾斜検出手段20を構成するレール30とその上を転動するボール25との関係を取り出して示す拡大側面図、図4は前腕Mzの傾斜角度の違いによるボールの動きを示す側面図、図5の(a)〜(e)は前腕の傾斜角度の違いによるボールの位置の変化を示す側面図である。
また、図6〜図8はレールの斜面のタイプの別による、前腕の傾斜角度とボールの位置との関係を説明するための図で、各(a)はレールの形状を示す側面図、各(b)は前腕の傾斜角度が増加していく場合と減少していく場合の傾斜角度とボールの位置の関係を示す特性図である。ここで、図6は第1実施形態のレールのタイプ、図7はその比較例として示すレールのタイプ、図8は更に別の比較例として示すレールのタイプの説明図である。
この手首血圧計1は、被測定者Mの手首Mtに装着されるカフ8に、血圧計本体10を一体に取り付けたものである。血圧計本体10の外装ケース11の内部には、いずれも図示しないが、カフ8の加減圧を行う加減圧手段と、カフ8の圧力変化に基づいて血圧測定を行う血圧測定手段と、各種制御を司る制御手段と、が設けられている。また、外装ケース11の上面には、測定した血圧値を表示するための表示部12と、血圧測定のための指示操作を行うスイッチの操作ボタン13とが設けられている。
そして、外装ケース11の上面に、血圧測定結果の表示部12と並べて、傾斜検出手段(傾斜センサ)20が設けられている。
傾斜検出手段20は、図2に示すように、外装ケース11の内部に埋め込まれたもので、内部にボール収容空間21を有するケース22と、ケース22の内部に収容されたプラスチック製のボール25(鋼球でも可)と、ケース22の内底部に設けられたレール30と、からなる。
レール30は、前腕Mzの傾斜を検出する方向、つまり、ここでは手首にカフ8を巻き付けた際の手先側と手元側を結ぶ線に沿って延在している。ボール25は、自重により、このレール30上を自由に転動するように収納され、ケース22は、このボール25を、脱落防止しつつ、レール30上を転動できるように収容している。また、ケース22の上面には、中のボール25の位置を外部から視認可能とする窓部22aが設けられている。この窓部22aは、外装ケース11の透明部分により覆われている。
図2、図3に示すように、レール30上には、レール30の延在方向に隣接する2つの互いに傾斜角度の異なる第1斜面31aが設けられており、これら2つの第1斜面31aの交差部に、前腕Mzの傾斜角度θが適正角度範囲内にある時にボール25が安定的に位置決めされる凹部31が形成されている。
この場合、前腕Mzの傾斜角度θが適正角度範囲内の中心角度に保たれた時に水平となる面が基準面Kとして設定され、凹部31の両側の2つの第1斜面31aが、前記基準面Kに対して、同じ角度α1(ただし、α1>0°)だけ傾斜させて設けられている。本例では、α1=10°に設定されている。
また、凹部31の両側の2つの第1斜面31aの各外側には、各第1斜面31aとの交差部にそれぞれ凸部32を形成する第2斜面32aが形成されており、第2斜面32aの前記基準面Kに対する傾斜角度が、γ1(ただし、α1>γ1>0°)に設定されている。本例では、γ1=α1×(1/2)=5°に設定されている。
また、各第2斜面32aの外側には、前腕Mzの傾斜角度θが適正角度範囲内から外れた時に、ボール25が安定的に位置決めされる移動限32H、32Lが確保されている。これらの位置は、エラー時のボール25の位置であり、32Hは、傾斜角度θが大きい側(手首Mtの位置が高すぎる側)のエラー位置、32Lは、傾斜角度θが小さい側(手首Mtの位置が低すぎる側)のエラー位置である。
本実施形態の手首血圧計1は、このような構成の傾斜検出手段20を備えているので、手首Mtに手首血圧計1を装着して、テーブルT上に肘Mhを着いて、前腕Mzを持ち上げていった場合、図4に示すように、その前腕Mzの傾斜角度θに応じて、レール30上でボール25の位置が動く。そして、そのボール25の位置を、窓部22aを通して被測定者Mが見ることによって、前腕Mzの傾斜角度θが、手首Mtの高さを心臓の高さに合わせることのできる適正角度範囲にあるか否かを確認することができる。
この場合、傾斜検出手段20の基準面Kが水平(基準面Kの傾斜角度θk=0°)となったとき、ボール25は、レール30上の凹部31に位置して動かず、基準面Kの角度θkが「−α1<θk<+α1」の範囲にある間は、ボール25は動かずに止まったままとなる。
α1の値は、前腕Mzの傾斜角度θの許容範囲に基づいて定めてあるので、凹部31にボール25が位置しているときは、基準面Kの角度θkが「−α1<θk<+α1」の範囲にあるということで、手首Mtの高さが適正であると見なせることになる。また、基準面Kの角度θkがα1を超えると、ボール25は凹部31から出て移動限32H、32Lまで転がって行くので、そのことをもって、前腕Mzの傾斜角度θが適正角度範囲にないことを知ることができる。
つまり、図4、図5に示すように、前腕Mzの傾斜角度θが大きすぎる場合は、ボール25が角度高エラー位置32Hに転がり、前腕Mzの傾斜角度θが小さすぎる場合は、ボール25が角度低エラー位置32Lに転がり、前腕Mzの傾斜角度θが適正角度範囲にある場合は、ボール25が中央の凹部31に止まる。このボール25の位置を見ることによって、前腕Mzの傾斜角度θが適正か否かを見分けることができる。
このように、ボール25が凹部31に止まっているかどうかで、傾斜角度θが適正角度範囲にあるがどうかを見極めることができるので、特許文献2に記載の従来例のように、動く部材(指示部材)が目盛りの範囲に入っているかどうかで傾斜を検出する場合と比べて、瞬時に迷いなく適正か否かを判断することができる。従って、使い勝手が良く、カフ8を心臓の高さに容易に合わせることができ、正確な血圧測定が行える。
また、前述した傾斜検出手段20は、内部にレール30を形成したケース22の中にボール25を入れただけの構成であるから、構造が簡単であり、スペースもとらない。従って、低コストでコンパクトに手首血圧計1に組み込むことができる。
また、本実施形態では、凹部31を形成する第1斜面31aの外側に、角度の緩い(第1斜面の傾斜角度10°の半分の5°としてある)第2斜面32aを設けているので、図6に示すように、傾斜角度θ(図6は基準面Kの角度θkであらわしてある)が増加するときと減少するときのボール25の凹部31への戻り動作にヒステリシス(R2の範囲)を持たせることができる。従って、傾斜角度が適正範囲内にあるか、それ以外にあるかの区別が、ボールの位置を見て一層しやすくなり、より使い勝手が良くなる。なお、ヒステリシスの影響を受けない範囲R1では、傾斜角度の変化の方向に関係なく、ボール25は凹部31内に止まっている。また、各第2斜面32aの外側にボールの移動限32H、32Lを確保しているので、エラー時の確認が容易である。
なお、本実施形態では、図6(a)に示すように、凹部31を形成する第1斜面31aの外側に角度の緩い第2斜面32aを設けた場合を示したが、採用可能性のある他の例として、図7(a)に示すように、第2斜面32aに相当する部分の傾斜角度γ1を、第1斜面31の傾斜角度α1と等しく設定した例を挙げることができる。この場合は、図7(b)に示すように、傾斜角度の変化の方向に関係なく、同じ経路でボール25の位置が変化し、ヒステリシスのない特性となる。そして、R1で示す範囲が傾斜角度の許容範囲となる。
また、第2斜面32aの傾斜角度γ1を小さくしていくと、究極は、図8(a)に示すように、γ1=0°となる可能性があるが、この場合は、図8(b)に示すように、ヒステリシスが大きくなりすぎて、凹部31内にてボール25の安定する範囲が、傾斜角度の変化の方向により重ならなくなるので、傾斜角度の確認手段としては使えない。
<第2実施形態>
図9は本発明の第2実施形態の手首血圧計51の外観構成を示す斜視図、図10(a)〜(c)は同血圧計51における血圧計本体60の3面図、図11は同実施形態の手首血圧計51の使用姿勢を示す図で、(a)は腕を前に伸ばして曲げる場合、(b)は腕を胸の前にあてがって曲げる場合を示す図である。
この実施形態の手首血圧計51は、主として左手に装着する血圧計であり、血圧計本体60の長方形箱形の外装ケース11の上面11a(血圧測定結果表示部12や操作ボタン13などが設けられた面)と左側の側面11bの交わる左側角部の前側に、傾斜検出手段70が配設されている。すなわち、血圧計本体60の外装ケース11の上面11aと左側側面11bの交わる角部の前側に面取部11mが設けられており、その面取部11mに傾斜検出手段70が配設され、傾斜検出手段70の上面の窓部22aが、湾曲した透明板により覆われている。
そして、この手首血圧計51の傾斜検出手段70においては、ボール25を収容するケース22内に、互いに直交する2方向にレール面(ボールの転動する面)を向けて、第1のレール80Aと第2のレール80Bの2つのレールが形成され、血圧計本体60の上下の向きを、図11(a)に示すように縦にするか、(b)に示すように横にするかで、ボール25を第1のレール80Aと第2のレール80Bで選択的に利用できるようになっている。
具体的には、傾斜検出手段70のケース22内の内壁のうち、外装ケース11の上面11a側の内壁に第2のレール80Bが形成され、左の側面11b側の内壁に第1のレール80Aが形成され、図11(a)のように、外装ケース11の上面11aを上方に向けて血圧計本体60を傾斜させたとき、第1のレール80A上にボール25が位置し、(b)のように、外装ケース11の左の側面11bを上方に向けて血圧計本体60を傾斜させたとき、第2のレール80B上にボール25が位置するようになっている。
このように、傾斜検出手段70のケース22の向き(あるいは、血圧計本体60の向き)に応じて、ボール25の位置を見るレール80A、80Bを使い分けることができるので、直交する2面の各面内での傾斜検出を、1つの傾斜検出手段70によって行うことができる。
例えば、図11(a)のように、前腕Mzを前に突き出し、手首Mtの内面を上方に向けて、肘Mhを曲げていき、手首Mtの高さを心臓の高さに持って行く姿勢と、(b)のように、前腕Mzを胸の前にあてがい、手首Mtの内面を胸側に向けて、胸の前で肘Mhを曲げながら、手首Mtの高さを心臓の高さに持って行く姿勢と、の両方の場合に、それぞれのレール80A、80Bを自動的に使い分けることによって、傾斜検出を行うことができる。
即ち、前者の姿勢では、手首Mtの内面が上を向き、後者の姿勢では、手首Mtの外側の側面が上を向く。従って、上面11aを手首Mtの内面側の向きに向けて、血圧計本体60を手首Mtに装着している場合には、図11(a)の姿勢を取ることで、第1のレール80Aが上向きになることによって、ボール25が第1のレール80A上に位置することになり、その第1のレール80A上のボール25の位置で、前腕Mzの傾斜を検出することができる。また、図11(b)の姿勢を取ることで、第2のレール80Bが上向きになることによって、ボール25が第2のレール80B上に位置することになり、その第2のレール80B上のボール25の位置で、前腕Mzの傾斜を検出することができる。
このように、手首Mtの向きによらず、第1、第2のレール80A、80Bを使い分けることによって、傾斜角度が適正であるかどうかを判断することができる。また、この実施形態では、2つのレール80A、80Bに対して1個のボール25を共用するので、無駄な構成を省略することができ、コンパクト化を図ることができるメリットも得られる。
また、この実施形態では、血圧計本体60の外装ケース11の角部に面取部11mを設けて、そこに傾斜検出手段70を配置しているので、無理のないデザインで、2つのレール80A、80Bを有する傾斜検出手段70を手首血圧計51に組み込むことができる。また、傾斜検出手段70を外装ケース11の外側の角部に配置しているので、図11のどちらの姿勢で前腕Mzを持ち上げる場合にも、ボール25の位置を見やすくすることができる。
なお、主に右手に装着する血圧計の場合は、傾斜検出手段70を外装ケース11の右側の角部に配設するのがよい。
<第3実施形態>
図12は、本発明の第3実施形態の手首血圧計における傾斜検出手段70Bのレール90とボール25の関係を示す図、図13(a)〜(j)は、同レール90の傾斜に応じたボール25の動きを示す図である。また、図14、図15は、次の第4実施形態の説明用の図であるが、共通の課題として、テーブルの高さの違いによって、前腕Mzの適正な傾斜角度が異なることを示す図である。
本実施形態の手首血圧計では、前腕の傾斜角度の適正角度範囲を、お互いに重複しない第1の適正角度範囲と第2の適正角度範囲の2種類設定している。これは、図14、図15に例を示すように、肘Mhを着くテーブルTの高さが高い場合と低い場合で、最適な手首Mtの高さとなる前腕Mzの傾斜角度θ(θ1、θ2)が異なることに対応させたものである。
例えば、図14に示すように、低いテーブルT1の場合は、肘Mhの位置が下がるので、同じ手首Mtの高さにするためには、前腕Mzの傾斜角度θを大きい角度θ1にしなくてはならない。反対に、図15に示すように、高いテーブルT2の場合は、肘Mhの位置が上がるので、同じ手首Mtの高さにするためには、前腕Mzの傾斜角度θを小さい角度θ2(θ2<θ1)にしなくてはならない。本実施形態では、この違いに対応させて、適正角度範囲を2種類設けているのである。
これら2種類の適正角度範囲に対応させて、図12に示すように、レール90上には、第1の凹部91(安定スポットAとも言う)と第2の凹部92(安定スポットBとも言う)の2つを設けている。また、第1の基準面K1と第2の基準面K2の2つを設定している。
ここで、第1の基準面K1は、前腕Mzを、小さい方の第1の適正角度(図15のθ2)範囲の中心角に設定した場合に水平となる面、また、第2の基準面K2は、前腕Mzを、大きい方の第2の適正角度(図14のθ1)範囲の中心角に設定した場合に水平となる面である。
また、第1の凹部91(A)は、前腕Mzを、小さい方の第1の適正角度(図15のθ2)範囲に保った場合にボール25が止まる位置、また、第2の凹部92は、前腕Mzを、大きい方の第2の適正角度(図14のθ1)範囲に保った場合にボール25が止まる位置である。
第1の凹部91を形成する2つの第1斜面91aと第2の凹部92を形成する2つの第1斜面92aとが4つ連続して設けられることで、中央の2つの第1斜面91a、92aの交差部に凸部93が設けられている。
また、第1の凹部91を形成する2つの第1斜面91aの第1の基準面K1に対する傾斜角度がα1に設定され、第2の凹部92を形成する2つの第1斜面92aの第2の基準面K2に対する傾斜角度がα2に設定されている。ただし、α1>0°、α2>0°であり、ここでは、α1=α2=20°に設定されている。
また、2つ並んだ第1の凹部91および第2の凹部92のうちの第1の凹部91を形成する外側の第1斜面91aの更に外側と、第2の凹部92を形成する外側の第1斜面92aの更に外側とに、該各外側の第1斜面91a、92aとの交差部にそれぞれ凸部94を形成する第2斜面94aが形成され、第1の凹部91側の第2斜面94aの第1の基準面K1に対する傾斜角度がγ1(ただし、α1>γ1>0°)に設定されると共に、第2の凹部92側の第2斜面94aの第2の基準面K2に対する傾斜角度がγ2(ただし、α2>γ2>0°)に設定されている。そして、各第2斜面94aの更に外側に、前腕Mzの傾斜角度が適正角度範囲内から外れた時に、ボール26が安定的に位置決めされる移動限32H、32Lが確保されている。
このような2つの凹部91、92を有したレール90を備える場合、レール90の傾斜角度(手首に装着された血圧計本体の傾斜角度または前腕の傾斜角度に相当)の増減に応じて、図13に示すように、ボール25の位置が動くことにより、2種類の適正角度範囲について前腕Mzの傾斜角度を吟味することができる。
例えば、図14に示すように、低いテーブルT1の場合は、低いテーブル用の凹部92(B)にボール25が止まっていることで、手首が適正高さにあると判断することができるし、また、図15に示すように、高いテーブルT2の場合は、高いテーブル用の凹部91(A)にボール25が止まっていることで、手首が適正高さにあると判断することができる。
また、この場合も、2つの凹部91、92の外側に角度の緩い第2斜面94aを設けているので、傾斜角度が増加するときと減少するときのボールの凹部91、92への戻り動作にヒステリシスを持たせることができる。従って、傾斜角度が適正範囲内にあるか、それ以外にあるかの区別が、ボール25の位置を見て一層しやすくなり、より使い勝手が良くなる。また、各第2斜面94aの外側にボールの移動限32H、32Lを確保しているので、エラー時の確認が容易である。
<第4実施形態>
図14、図15の各(a)は第4実施形態の手首血圧計51Bを使用している状態を示す側面図、各(b)はその一部である傾斜検出部の正面図である。
この実施形態の手首血圧計51Bは、第3実施形態の手首血圧計に、新たに表示体100を付加したものである。
具体的には、血圧計本体60Bの外装ケース11の上面に、傾斜検出手段70Bのケース22の窓部22aと並べて、被測定者Mの視線Sに対する角度δによって見える内容の変化するレンチキュラーシート(表示体)100を貼り付けている。ここで、傾斜検出手段70Bの構成は第3実施形態と全く同じであるから、説明は省略する。
レンチキュラーシート100は、前腕Mzの傾斜角度を第1の適正角度(図15のθ2)の範囲内に設定したときに、レンチキュラーシート100を見る被測定者Mの目に、第1の内容の表示が見えるようにすると共に、前腕Mzの傾斜角度を第2の適正角度(図14のθ2)の範囲内に設定したときに、レンチキュラーシート100を見る被測定者Mの目に、第1の内容と異なる第2の内容の表示が見えるようにしてある。
ここでは、レンチキュラーシート100は、前腕Mzの傾斜角度が第1の適正角度範囲内にあるときと第2の適正角度範囲内にあるときとの被測定者Mの視線に対する角度δの違いから、絵柄を変化させて見せるものであり、2つのマーク101、102の点滅状態の違いとして見せるようになっている。すなわち、第1の適正角度にあるとき、一方のマーク101が点灯し、他方のマーク102が消灯しているように見え、第2の適正角度にあるとき、一方のマーク101が消灯し、他方のマーク102が点灯しているように見える。
これら2つのマーク101、102は、赤い丸ボタン状のものであり、傾斜検出手段70Bの第1の凹部91と第2の凹部92の位置に対応して配置されている。そして、図15に示すように、第1の凹部91にボール25が位置する傾斜角度θ2のとき、そのボール25に対応したレンチキュラーシート100上の位置に、上の赤いマーク101が見え(下のマーク102は見えない)、また、図14に示すように、第2の凹部92にボール25が位置する傾斜角度θ1のとき、そのボール25に対応したレンチキュラーシート100上の位置に、下の赤いマーク102が見え(上のマーク101は見えない)るようになっている。
従って、図15に示すように、被測定者Mの目から、レンチキュラーシート100上に第1の内容が見え(上のマーク101が見え、下のマーク102が見えない)、且つ、第1の凹部91(A)にボール25が位置することが確認されたとき、前腕Mzの傾斜角度が第1の適正角度θ2の範囲内に設定されていると見なすことができる。また、図14に示すように、被測定者Mの目から、レンチキュラーシート100上に第2の内容が見え(上のマーク101が見えず、下のマーク102が見える)、且つ、第2の凹部92(B)にボール25が位置することが確認されたとき、前腕Mzの傾斜角度が第2の適正角度θ1の範囲内に設定されていると見なすことができる。
このように、被測定者Mの目からレンチキュラーシート100上に見える内容によって前腕Mzの傾斜角度を推定することができるので、その推定結果とボール式の傾斜検出手段70Bの検出結果と組み合わせて判断することにより、信頼度の高い傾斜検出を行うことができる。また、第1、第2の2つの凹部91、92とレンチキュラーシート100上に表れるマーク101、102の位置を対応させているので、テーブルが高い場合と低い場合の適正角度範囲の違いによる2つの凹部91、92の使い分けを、分かりやすく示すことができる。
また、表示体としてレンチキュラーシート100を用いているので、低コストで極めて容易に傾斜角度の推定が可能であり、重量が増すようなこともない。また、絵柄の変化により傾斜角度の推定が可能であるから、適正位置にあるかどうかの判断がしやすい。
なお、上記実施形態では、レンチキュラーシート100を傾斜検出手段70Bの窓部22aのそばに並べて配置した場合を示したが、見る角度に応じて遮光状態と透明状態が切り替わる機能を持ったレンチキュラーシートや視野角調整シート等の表示体を、傾斜検出手段70Bの窓部22aの上に貼り付け、表示体を通して中のボール25が見えるようにすることもできる。
例えば、第1の適正角度範囲にあるときは、表示体を通して第1の凹部91の位置だけ中が見え、第2の凹部92の位置は中が見えないようにする。また、第2の適正角度範囲にあるときは、表示体を通して第2の凹部92の位置だけ中が見え、第1の凹部91の位置は中が見えないようにする。その他の角度範囲にあるときは、全部が見えないようにする。そうすることにより、表示体を通して見える位置にボール25があるときだけ、適正角度範囲にあると判断することができるようになる。
また、この例は、2つの凹部91、92を有する傾斜検出手段70Bの窓部22aに表示体を貼り付ける場合であったが、図1、図2に示すように、1つの凹部を有する傾斜検出手段20の窓部22aに同様の表示体を貼り付けてもよい。
本発明の第1実施形態の手首血圧計の外観図である。 同手首血圧計を手首に装着した状態を示す図1のII−II矢視断面図でる。 図2の傾斜検出手段を構成するレールとその上を転動するボールとの関係を取り出して示す拡大側面図である。 同傾斜検出手段における前腕の傾斜角度の違いによるボールの動きを示す側面図でる。 (a)〜(e)は前腕の傾斜角度の違いによるボールの位置の変化を示す側面図である。 レールの斜面のタイプによる前腕の傾斜角度とボールの位置との関係を説明するための図であり、(a)はレールの形状を示す側面図、(b)は前腕の傾斜角度が増加していく場合と減少していく場合の傾斜角度とボールの位置の関係を示す特性図である。 別のレールのタイプの図6と同様の図である。 更に別のレールのタイプの図6と同様の図である。 本発明の第2実施形態の手首血圧計の外観構成を示す斜視図である。 (a)〜(c)は同血圧計における血圧計本体の3面図である。 同手首血圧計の使用姿勢を示す図で、(a)は腕を前に伸ばして曲げる場合、(b)は腕を胸の前にあてがって曲げる場合を示す図である。 本発明の第3実施形態の手首血圧計における傾斜検出手段のレールとボールの関係を示す側面図である。 (a)〜(j)は、同レールの傾斜に応じたボールの動きを示す図である。 (a)は本発明の第4実施形態の手首血圧計の低いテーブル上での使用状態を示す側面図、(b)はその一部である傾斜検出部の正面図である。 (a)は同手首血圧計の高いテーブル上での使用状態を示す側面図、(b)はその一部である傾斜検出部の正面図である。 従来一般の手首血圧計の高さの合わせ方の説明図である。
符号の説明
1,51,51B 手首血圧計
8 カフ
10,60,60B 血圧計本体
11 外装ケース
11a 上面
11b 側面
11m 面取部
12 血圧測定結果の表示部
13 操作ボタン
20,70,70B 傾斜検出手段
21 ボール収容空間
22 ケース
22a 窓部
25 ボール
30 レール
31 凹部
31a 第1斜面
32 凸部
32a 第2斜面
32L,32H 移動限
80A 第1のレール
80B 第2のレール
90 レール
91 第1の凹部
91a 第1斜面
92 第2の凹部
92a 斜面
93 凸部
94 凸部
94a 第2斜面
100 レンチキュラーシート(表示体)
101,102 マーク
M 被測定者
Mh 肘
Mz 前腕
Mt 手首
T,T1,T2 テーブル
θ 傾斜角度
θk 基準面の傾斜角度
K 基準面
K1 第1の基準面
K2 第2の基準面

Claims (11)

  1. カフを装着した手首の高さを被測定者の心臓の高さに合わせるために、肘を曲げて手首を持ち上げた際の前腕の傾斜角度が適正角度範囲内にあるかどうかを検出する傾斜検出手段を、前記カフまたはその近傍の部材に配設した手首血圧計において、
    前記傾斜検出手段を、
    前記カフまたはその近傍の部材に固定的に設けられることで、傾斜を検出する方向に延在したレールと、
    自重により前記レール上を転動するボールと、
    該ボールを、脱落防止しつつ、前記レール上を転動できるように収容し、且つ、前記ボールの位置を外部から視認可能とする窓部を有したケースと、で構成し、
    前記レール上に、該レールの延在方向に隣接する2つの互いに傾斜角度の異なる第1斜面を設け、該2つの第1斜面の交差部に、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内にある時に前記ボールが安定位置決めされる凹部を形成し、
    前記凹部の両側の前記2つの第1斜面を、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内の中心角度に保たれた時に水平となる基準面に対して、同じ角度α1(ただし、α1>0°)だけ傾斜させて設けたことを特徴とする手首血圧計。
  2. 請求項1に記載の手首血圧計であって、
    前記凹部の両側の前記2つの第1斜面の各外側に、該各第1斜面との交差部にそれぞれ凸部を形成する第2斜面を形成して、該第2斜面の前記基準面に対する傾斜角度をγ1(ただし、α1>γ1>0°)に設定し、各第2斜面の外側に、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内から外れた時に前記ボールが安定位置決めされる移動限を確保したことを特徴とする手首血圧計。
  3. 請求項1に記載の手首血圧計であって、
    前記前腕の傾斜角度の適正角度範囲を、お互いに重複しない第1の適正角度範囲と第2の適正角度範囲の2種類設定し、これら2種類の適正角度範囲に対応させて、前記凹部を第1と第2の2つ設けると共に、前記基準面を第1と第2の2つ設定し、前記第1の凹部を形成する2つの第1斜面と前記第2の凹部を形成する2つの第1斜面とを4つ連続して設けることで、中央の2つの第1斜面の交差部に凸部を設け、前記第1の凹部を形成する2つの第1斜面の前記第1の基準面に対する傾斜角度を前記α1に設定すると共に、前記第2の凹部を形成する2つの第1斜面の前記第2の基準面に対する傾斜角度をα2(ただし、α2>0°であり、且つ、α1=α2を含む)に設定したことを特徴とする手首血圧計。
  4. 請求項3に記載の手首血圧計であって、
    前記2つ並んだ第1の凹部および第2の凹部のうちの第1の凹部を形成する外側の第1斜面の更に外側と、前記第2の凹部を形成する外側の第1斜面の更に外側とに、該各外側の第1斜面との交差部にそれぞれ凸部を形成する第2斜面を形成し、前記第1の凹部側の第2斜面の前記第1の基準面に対する傾斜角度を前記γ1(ただし、α1>γ1>0°)に設定すると共に、前記第2の凹部側の第2斜面の前記第2の基準面に対する傾斜角度をγ2(ただし、α2>γ2>0°)に設定し、各第2斜面の更に外側に、前記前腕の傾斜角度が適正角度範囲内から外れた時に、前記ボールが安定位置決めされる移動限を確保したことを特徴とする手首血圧計。
  5. 請求項3または4に記載の手首血圧計であって、
    前記カフまたはその近傍に、被測定者の視線に対する角度によって見える内容の変化する表示体を配設し、前記前腕の傾斜角度を前記第1の適正角度範囲内に設定したときに、前記表示体を見る被測定者の目に第1の内容の表示が見えるようにすると共に、前記前腕の傾斜角度を前記第2の適正角度範囲内に設定したときに、前記表示体を見る被測定者の目に前記第1の内容と異なる第2の内容の表示が見えるようにし、前記表示体に前記第1の内容が見え、且つ、前記第1の凹部にボールが位置することが確認されたとき、前記前腕の傾斜角度が前記第1の適正角度範囲内に設定されていると見なし、前記表示体に前記第2の内容が見え、且つ、前記第2の凹部にボールが位置することが確認されたとき、前記前腕の傾斜角度が前記第2の適正角度範囲内に設定されていると見なすことを特徴とする手首血圧計。
  6. 請求項5に記載の手首血圧計であって、
    前記表示体として、レンチキュラーシートを前記カフまたはその近傍の部材に貼り付けたことを特徴とする手首血圧計。
  7. 請求項6に記載の手首血圧計であって、
    前記レンチキュラーシートは、前記前腕の傾斜角度が前記第1の適正角度範囲内にあるときと前記第2の適正角度範囲内にあるときとの被測定者の視線に対する角度の違いから、絵柄を変化させて見せるものであることを特徴とする手首血圧計。
  8. 請求項7に記載の手首血圧計であって、
    前記傾斜検出手段のケースの窓部に並べて前記レンチキュラーシートを貼り付け、前記第1の凹部にボールが位置する傾斜角度のとき、そのボールに対応した前記レンチキュラーシート上の位置に特定のマークが見え、また、前記第2の凹部にボールが位置する傾斜角度のとき、そのボールに対応した前記レンチキュラーシート上の位置に特定のマークが見えるようにしたことを特徴とする手首血圧計。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の手首血圧計であって、
    前記傾斜検出手段のケース内に、互いに直交する2方向にレール面を向けて第1のレールと第2のレールの2つの前記レールを形成し、前記ケースの上下の向きを縦にするか横にするかで、前記ボールを前記第1のレールと第2のレールで選択的に利用可能としたことを特徴とする手首血圧計。
  10. 請求項9に記載の手首血圧計であって、
    前記カフと一体に設けられた血圧計本体の外装ケースの血圧結果表示部を備えた上面と側面の交わる角部に面取部を設けて、その面取部に前記傾斜検出手段を配置し、該傾斜検出手段のケース内の内壁のうち、前記外装ケースの上面側の内壁に前記第2のレールを形成し、側面側の内壁に前記第1のレールを形成し、前記外装ケースの上面を上方に向けて血圧計本体を傾斜させたとき、前記第1のレール上に前記ボールが位置し、前記外装ケースの側面を上方に向けて血圧計本体を傾斜させたとき、前記第2のレール上に前記ボールが位置することを特徴とする手首血圧計。
  11. 請求項10に記載の手首血圧計であって、
    左手装着用の血圧計である場合に、前記傾斜検出手段が、前記外装ケースの上面と左側の側面の交わる左側角部に配設され、右手装着用の血圧計である場合に、前記傾斜検出手段が、前記外装ケースの上面と右側の側面の交わる右側の角部に配設されていることを特徴とする手首血圧計。
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