JP2007310368A - ホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法およびそれを用いたレ−ザ加工光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ガウシアンビームをある範囲で強度均一分布にする強度変換レンズL1とそれを位相の揃った平行ビームに変換する位相補正レンズL2とからなるレンズ型ホモジナイザにおいてディセンタが僅かでもあるとビームが非平行になりある程度の距離伝搬するとパワーが不均一になる。位相補正レンズL2のすぐ間近に被加工物を置くことができないので、ディセンタがあると、均一パワー分布で被加工物の加工ができない。
【解決手段】 位相補正レンズL2の下流側に転写レンズ系Tを設け位相補正レンズL2直後の源像Uを下流側のある位置に設定された像面Iに均一パワーの転写像Jを形成する。レ−ザ加工装置とする場合は、像面Iの位置にマスクを置き、マスクの後に走査装置を設け、結像レンズによってビームを集光して被照射物へ照射する。
【選択図】図18
Description
この発明は、ホモジナイザによって均一パワー分布にした整形ビームは伝搬すると不均一パワー分布になるが、前方の対象物へ照射する位置で再び均一パワーにさせる方法に関する。炭酸ガスレ−ザ、YAGレ−ザなどの強いレ−ザビームによって金属、プラスチック、セラミックなどの被加工物に穿孔、溶接、熱処理などの熱加工をすることがある。材料を急速加熱することによって穿孔、溶接などの処理をするのだからパワーの大きいパルスレ−ザが使われることが多い。炭酸ガスレ−ザの場合は通常の石英レンズの吸収が大きく使えないのでZnSeのレンズが用いられる。
レ−ザビームのパワー分布は中央部で強く周辺部で弱い不均一の分布になっている。理想的にはガウス分布になっている。そのような不均一のパワー分布のビームで穴を開けると真ん中の部分は貫通穴になるが周辺部は浅い窪みにしかならないということがある。穴の直径が先へ行くにしたがって狭くなるというような場合もある。それでは役に立たない。直径が一定の穴を開けるためにはパワー分布が均一であることが必要である。熱処理する場合でも被加工物面でパワーが均一である方が良いということがある。そのように空間的な不均一分布を持つレ−ザビームをある空間の範囲で均一のパワー密度に変換する素子をホモジナイザという。
レーザビームのパワー空間分布は様々の場合がある。理想的な分布であって取扱いが容易なのはパワー密度がガウス分布するビームである。レーザビームは簡単のためガウス分布していると仮定する。この明細書においてパワー密度がガウス分布するレ−ザビームのことを簡単にガウシアンビームということがある。均一パワービームのことをパワー密度分布グラフの形状が山高帽に似ていることからトップハット(tophat)ということがある。
ガウシアンビームを均一パワー密度分布のビームに整形するホモジナイザには大別して3種類のものがある。
一つはカライドスコープ、セグメントミラーなど正方形微小格子によって光を分割屈折あるいは分割反射して重ね合わせある焦点位置に均一パワー密度のビームを形成するものである。これによって生成された均一ビームは焦点位置だけで均一であるが位相関係は乱れておりそれより前後の位置では不均一である。焦点より前方へ伝搬すると著しく不均一の分布になる。
二番目の均一化のための光学部品は回折型光学部品(DOE)である。多数の微小な画素の厚みを段階的に変化させ光の回折によって均一パワービームを焦点の位置に形成する。これもある焦点位置では均一パワー密度分布になるがその前後では不均一であり焦点位置よりも遠く伝搬させると波形が乱れ不均一になる。
特許文献1、2、3は回折型光学部品によってガウシアンビームを均一パワー分布に変換して対象物に均一パワービームを照射するようにしている。回折型光学部品を用いて均一パワー分布にするものは、ビーム強度が焦点位置だけで均一でありその前後では不均一である。位相は乱れておりもはや回復することはできない。特許文献3は焦点位置にビームの周辺部を遮光するアパーチャマスクを置き周辺部の不均一部分を除去している。そのようにすると伝搬に伴う不均一性の増加が一層著しくなる。
パワー密度均一化手段のもう一つはレンズによるものである。レンズ曲面の屈折作用によってガウシアンビームから均一パワー密度のビームを作りだす。これは乱れた位相関係をある程度復元できる。より優れた手法である。本発明はこのカテゴリ−に属するので詳しく述べる。
特許文献4は、二つの非球面レンズを前後に並べて屈折によってガウシアンビームを均一パワー密度のビーム(トップハット)にする光学系を提案している。これは解析的に正確な曲面関数を計算することができ有用で重要な発明である。
図14にレンズホモジナイザの概略を示す。最初のレンズL1はガウシアンビームをある位置で均一分布にするもので強度変換レンズという。レ−ザビームが入射する入射面は平坦で出射面は中央で凹型、周辺部で凸型になっている。ガウシアンビーム中央部の高い密度の光を分散させるために中央では凹型になっているのである。ガウシアンビームの周辺部の薄い密度の光を集合させるため周辺部は凸型になっている。強度変換レンズL1は半径Rのガウシアンビームをある位置において半径Rのトップハットビームに変換する非球面レンズである。
焦点位置fでパワーが均一になったといってもビームの位相は乱れているし方向もまちまちである。そこで位相を揃え平行ビームに直すための非球面レンズL2が均一になる位置に設けられる。それは位相補正レンズL2という。位相補正レンズL2を用いることができるというのがレンズ方式の大きな利点である。
レンズ方式の場合位相乱れはあるが規則正しい乱れなので位相補正レンズL2によって回復することができる。位相補正レンズL2は強度変換レンズL1と相補的な形状をした非球面レンズである。入射側が曲面に出射側が平坦面になっている。中央部では光線が(L1で広げられたので)外側を向いているからそれを平行に直すため凸型になっている。周辺部では(L1で縮められたので)光線が内側を向いているから凹型になっている。
図14において、光線K3は光軸に沿うもので一直線である。レーザビームの中心付近のビームK4,K2はパワー密度が高いので強度変換レンズL1によって外方へ広げられる。発散するビームである。ビームK5は丁度半径Rのものでありこれは中立である。だから直進する。それより外の光線K1は中心に向けて集められる。
半径Rのガウシアンビームを強度変換レンズL1で半径Rで均一パワーにし、位相補正レンズL2で半径Rで均一で平行なビームとする。半径Rの輪のことを額輪と呼ぶ。ガウシアンビームの半径rは中央部のパワー密度を1として、exp(−2)にパワーが低下した位置を半径と定義する。強度変換レンズL1で一定密度分布になったビームはI(r)=I0(r≦R),I(r)=0(r>R)という密度分布をとるトップハット型ビームである。しかしここでは位相が乱れビームは非平行である。位相補正レンズL2で位相を元へ戻し平行性も回復させる。だから位相補正レンズL2の後は、強度分布はI(r)=I0(r≦R),I(r)=0(r>R)のトップハットであるしビームは位相が揃いしかも平行である。
特許文献1のレンズは強度変換レンズL1と位相補正レンズL2を組み合わせたもので理想的なものであるが、これはガウシアンビームの大きさ(半径R)、強度変換レンズL1の大きさ(額輪の半径R),位相補正レンズL2の大きさ(額輪の半径R)が同一であるという条件がある。初めのガウシアンビームと同じ大きさのトップハットビームを作りだすものである。解析的に正確な解が求まるのは半径が共通だという好都合の条件があるからである。特許文献4(Kreuzer)は優れた光学系であるがビームの大きさを縮小したり拡大したりすることはできない。少し工夫をして強度変換レンズL1でビーム縮小しながら均一ビームを作り出すことができる。それを位相補正レンズL2で位相を揃えるようにすることもできる。
特許文献5は、拡大縮小が可能なホモジナイザを二枚の非球面レンズで構成している。一枚目のレンズはある半径R1内で一様強度I0にその外側で強度0に強度変換する強度変換レンズである。その後に設けられるレンズは一様強度にしたものを一定位相で平行なビームに直すものであり位相補正レンズである。位相補正レンズの後ではI(r)=I0(r≦R1),I(r)=0(r>R1)ガウシアンビームの半径Rと、均一ビームの半径R1が必ずしも同一でなくてもよい(R1≠R)。これは特許文献4よりも自由度の高いものである。しかし特許文献4のような半径の同一性がないのでもはや解析的な計算ができない。それで波動光学的な近似計算によってレンズ面の曲面形状を計算しなければならない。近似計算であり必ずしも最適解が得られるとは限らない。近似であるから位相補正レンズの後でも厳密には均一ではなく平行になっていない部分もある。
特許文献6は炭酸ガスレ−ザのガウシアンビームを強度変換レンズL1で均一分布にし位相補正レンズで平行で位相の揃ったビームに変換するレンズ型のホモジナイザを用いてトップハットビームを生成しても所定位置で均一パワー分布になるだけでその先方へさらに伝搬させると位相、分布が乱れてしまうということを問題にする。理想的な強度変換レンズと位相補正レンズを製造できていれば位相補正レンズの後は平行で位相の揃ったビームになるはずである。その後どれだけ長い距離を伝搬しても強度分布は乱れないはずである。
特許文献6は実はそうではなくて色々な要因が重なって所定の位置以外では不均一非平行のビームになる、と述べている。その要因は次のようである。もともとの炭酸ガスレ−ザのビーム強度分布が理想的なガウシアンビームからずれている。強度変換レンズ、位相補正レンズの曲面が近似計算で決められている。そのような誤差のために、所定位置では一瞬均一になるがそれより以後では不均一になる。実は誤差があるということだけでなく誤差がなくてもそのような伝搬による乱れが発生する。それは位相補正レンズで生成するトップハット(I(r)=I0(r≦R),I(r)=0(r>R))というようなr=Rで非連続特異性のある波形の場合、位相補正レンズより後で回折現象が甚だしく起こりそれがためにビームの平行、位相整合性が著しく乱れるのだということが分かってきた、と特許文献6は述べている。
位相補正レンズ以後のビーム伝搬ということがなぜ重要かというと、次のようなことである。位相補正レンズの直後ではビーム均一性が優れているのであるが位相補正レンズ直後に被加工物を置くことはできない。被加工物の搬送のための空間が必要である。レーザビームを当てると被加工物から火花が出るのでレンズがすぐ近くにあるとレンズに蒸発物が付着し劣化する。そのためにレンズよりもかなり前方に被加工物を置く必要がある。だから位相補正レンズからかなり自由空間をビームが伝搬した後のパワー分布が均一であるということが望まれる。
特許文献6は、トップハットビームは数多くの並列同等ガウシアンビームの重ね合わせと考える。トップハットの肩が鋭利であればあるほどガウシアンビームの数が増える。複数並列ガウシアンビームは等間隔に分布するので強い回折現象を引き起こす。回折のため伝搬距離が増えるとパワー不均一が甚だしくなる。回折角は格子間隔が狭いほど大きい。r=R(トップハットの肩)での特異性が強いほど多数の細いガウシアンビームが必要になる。つまりr=Rでの特異性が大きいと回折も大きく伝搬による乱れが大きくなる。
それで特許文献6は、レンズ型ホモジナイザにおいて位相補正レンズの後で急峻な特異点を持つトップハット分布にせずに、r=Rで連続性を持つスーパーガウシアン関数にしている。スーパーガウシアンというのはexp(−2(s/ω)m)という形の関数である。mはスーパーガウシアンの係数で特にm=5〜50が良いと特許文献3は述べている。ここでホモジナイザはトップハット型でなくスーパーガウシアン型の分布関数なのでr=Rでの特異性が消滅する。そのために所定位置(焦点位置)以後伝搬しても平行性の乱れ、位相の乱れ、分布の乱れが少なくなる。
非球面レンズを組み合わせたホモジナイザは強度変換レンズL1と位相補正レンズL2の位置が少しでもずれると、位相補正レンズL2から離れた位置で強度分布が著しく不均一になる。何れも非球面レンズであって、均一化されたビームのr=Rでの特異性が強い。そのためレンズの位置・方向のずれ(xy方向、z方向、傾き)があると位相補正レンズL2を出た後におけるパワー均一性、ビーム平行性、位相同一性が乱される。位相補正レンズL2を出た直後ではそれは大したずれではない。しかし位相補正レンズL2からビームがさらに前方に伝搬するとそのようなずれは拡大されて行く。図15にビームがずれてゆく様子をしめす。数十mm〜数百mm伝搬したビームは、パワー不均一、非平行、位相不一致という欠点を持つようになる。レンズずれによるビームの品質劣化がビームの伝搬によって増大するのである。
そのようなレンズ位置・方向誤差によるビーム乱れは特許文献6のように強度変換レンズでのパワー分布をトップハットでなくスーパーガウシアンにするという手法では解決できない。
図1は二枚レンズのレンズ型ホモジナイザの構成図である。一枚目が強度変換レンズL1であり、二枚目が位相補正レンズL2である。入射レ−ザビームB1はガウシアンビームである。それが強度変換レンズL1によって位相補正レンズL2前面で強度が一様になるようなトップハット分布のビームB2に変換される。位相補正レンズL2はそれを位相の揃った平行でパワー均一分布のビームB3に変換する。ガウシアンビームの直径(D1)と均一化されたビームの直径(D2)が異なる(D1≠D2)。これはビームをL1で絞っているので強度変換レンズL1が凸レンズの機能を兼ねている。しかしそうではなくてD1=D2であっても問題は同じことである。
第三のビームB3は均一パワー分布で位相が揃っておりしかも平行であるというのが理想である。しかし実際にはなかなかそうはならない。幾分かの不均一性がある。また平行性も不完全である。さらに位相が完全に揃っていない。そのために位相補正レンズL2からさらに伝搬すると不均一性が増大する。
位相補正レンズL2よりさらに前方でのビームB3の乱れを問題にするので、位相補正レンズL2の直後の点をz=0の点として、位相補正レンズL2の前方にとった距離をzで表現する。
図2は位相補正レンズL2の出射直後(z=0)の強度分布を示すグラフである。横軸はある直径上の座標xを表す。ビーム強度は円筒対称なのでx方向もy方向も同じである。縦軸は最大値を1にしたパワー密度である。x=0が中央点で右左に±0.5mm程度までパワー分布は1であり、±0.55mmから急激にパワー密度が低下し±0.64mmで0に落ちる。位相補正レンズL2の直後では、直径が約1mmの円形ビームできれいなトップハット型の分布になっている。図2はある直径に沿った分布であるが先述のようにそのほかの直径に沿った座標ではかっても同じような均一分布をしている。
図3はレンズの関係が理想的に正確な場合の位相補正レンズL2より前方50mm(z=50mm)でのパワー分布を示すグラフである。前方というのは下流側ということである。xが−0.5mm〜+0.5mmでほぼ一様なパワー分布を持っている。エッジに近づくとパワーが脈動し、x±0.52mm程度で最大となりそれよりxが増えるとパワーが減少し±0.65mm程度で0に落ちている。それは位相補正レンズL2で位相の揃った平行のビームになっているのでその後の伝搬によってビームが広がらず均一性が保持されるからである。それは理想的な場合を示している。
ところが強度変換レンズL1も位相補正レンズL2も複雑な形状をした非球面レンズであるから少しでもディセンタ(軸ずれ;xy方向のずれ)や傾き(θ)などがあると大きい誤差を引き起こす。
図4は、強度変換レンズL1と位相補正レンズL2の間に10μmのディセンタが発生したときの位相補正レンズL2の後方50mm(z=50mm)でのビームパワー密度を表すグラフである。ディセンタというのは、前後のレンズの中心軸線がずれることである。平行性は維持しているが軸線と直交方向に軸がずれていることをいう。x=−0.5mmの辺りでパワー密度が大きく増大している。x=−0.5mm〜−0.3mmでパワーの脈動が大きい。x=−0.3mm〜+0.45mmまでほぼパワー密度は0.6程度であり一様であるがx=+0.5mmではすでに減衰が始まっている。左右が非対称になっており直径方向z=−0.5mm〜+0.5mmで一様とはいえない。
そのような非均一性がたった10μmのディセンタで引き起こされる。それは強度変換レンズL1による均一化ビームを位相補正レンズL2がうまく平行ビームに変換できないということを意味する。パワー分布は均一であるがビームの角度が軸線平行でなく非平行になっている。非平行だからそこからある程度の距離伝搬するとパワーは著しく不均一になる。僅かなディセンタだからパワー密度は均一であるが方向が狂うのである。
前後のレンズの軸合わせの精度を±10μm程度にするのは難しい。そのような僅かなディセンタでもそこから50mm伝搬すると、図4のような著しいパワー不均一が発生する。
ここはディセンタのある例を示すがその他に、レンズの傾き、レンズの厚みの誤差、などの誤差がある。僅かな誤差であっても、位相補正レンズL2の先において50mm〜100mm伝搬するだけで大きいパワー不均一性が引き起こされる。それではホモジナイザとして機能しない。
本発明は、強度変換レンズL1と位相補正レンズL2を組み合わせたレンズ型ホモジナイザに続けて転写レンズ系Tを設ける。転写レンズTは位相補正レンズL2後面での像Uを拡大・維持・縮小して像面Iの位置に正しく転写像Jとして形成するようにする。転写像Jは源像Uの転写位置にあるから源像Uのパワー分布が均一であれば均一パワーとなる。また強度変換レンズL1、位相補正レンズL2の位置ズレがある場合もある。そのため位相補正レンズからでたビームが全体的に発散ビーム或いは収束ビームである場合もある。その場合は、発散ビームを平行ビームに直すように転写レンズ系を構成する。
転写レンズTの下流側の転写位置に被加工物を置くようにすれば強度変換レンズL1・位相補正レンズL2の位置・方向の誤差があっても伝搬後のビームの乱れを打ち消し非均一を少なくして被加工物に照射することができる。転写レンズTは像の拡大縮小をしないものでも良いが、拡大縮小をさせても良い。拡大率をMとする。M=1でも良いが、0.1≦M≦10でも良いということである。
転写レンズ系Tを定義しなければならない。図5は本発明の光学系の概略図である。それは四つのレンズL1、L2、L3、L4からなっている。前二つのレンズは強度変換レンズL1と位相補正レンズL2である。それらはホモジナイザHを構成する。更に前方(下流側)にある二枚のレンズL3、L4が転写レンズ系Tを構成する。転写レンズ系Tは二枚に限らず一枚、三枚、四枚、五枚…であっても良い。レーザビームB1はガウシアンビームである。それがホモジナイザHの強度変換レンズL1によって均一化ビームB2となる。位相補正レンズL2によって平行で均一で位相の揃ったビームB3となる。それが転写レンズL3で収束・発散ビームB4となり、L4でほぼ平行のビームB5となる。
ここでは転写レンズ系Tが二枚レンズL3、L4の場合を説明する。その後一枚レンズ系、三枚以上のレンズ系についても述べる。
図8、9、10によって符号を説明する。位相補正レンズL2の後面のビームを源像Uとする。レンズL2、L3、L4,像面Iの中心点をO2、O3、O4、O5とする。レンズL3、L4の焦点距離をf1、f2とする。位相補正レンズL2から出た平行ビームがL3によって収束する点を収束点Cとする。位相補正レンズL2と第3レンズL3の距離をaとする(O2O3=a)。第4レンズL4と像面Iの距離をbとする。ここまでは分かりやすい定義である。これからの符号の説明は通常の光学から少しずれるので注意すべきである。位相補正レンズL2の後面の源像UのレンズL3による像がK点にできるとする。K点にできた像をさらにレンズL4が像面Iの像Jとして結像するとする。
つまり源像UがKからJと転写されるとする。源像Uといってもそれは結像したものではない。位相補正レンズL2から出たビームは平行であるから無限遠にビーム源となる像がある。それがL3の焦点Cに集光する。Cにできるものは光学的な像である。ところがK点の像はUの像であり光学的にまとまりのある像とはいえない。
レンズL3から中間像Kまでの距離をdとする。中間像KからレンズL4までの距離をeとする。a、d、f1はレンズの公式によって関係付けられる。e、b、f2もレンズの公式によって関係付けられる。
位相補正レンズL2から出たビームは理想的にはL2直後では平行で位相の揃った均一パワー分布のビームである。しかし実際にはレンズの位置設定の誤差があって、位相補正レンズL2を出たあと平行にならない成分がある。位相補正レンズL2の直後でパワーは均一であるが、方向に乱れがあるという場合がある。これを補正して像面で均一パワー分布にすること、これが転写レンズTのひとつの役割である。これについて説明する。さらに位相補正レンズを出たあと平行にならず拡大ビームとなる場合もある。その場合は焦点距離の和がレンズ間隔wより狭い(f1+f2<w)転写レンズ系で拡大ビームを平行になおす。位相補正レンズをでたあと縮小ビームとなることもある。その場合は焦点距離f1、f2の和よりレンズ間隔Wが狭い(f1+f2>w)転写レンズ系で縮小ビームを平行ビームになおす。
図8は転写レンズ系TのレンズL3・L4間距離wを焦点距離f1、f2の和に等しくしL4の焦点距離よりも近くに像面Iを置いたものをしめす。w=f1+f2である。このような配置であって、a=f1、b=f2のときをテレセントリックという。このようにL4のすぐ近くに像面Iがあると、原像Uを像面Iに転写できない(a,d,e,bが転写条件を満足しない)。位相補正レンズL2の直後のビームがパワー均一分布であるが非平行成分をふくむというようなビーム乱れの場合は、これでは修正できない。図8のようなw=f1+f2はこの場合役に立たない。
図9は転写レンズ系TのレンズL3・L4間距離wを焦点距離f1、f2の和より狭くし、L4の焦点距離よりも近くに像面Iを置いたものをしめす。w<f1+f2である。このようにL4の近くに像面Iがあると、原像Uを像面Iに転写できない。位相補正レンズL2の直後のビームがパワー均一分布であるが非平行成分をふくむというようなビーム乱れの場合はこのレンズ系では修正できない。だからそのようなばあい、図9のようなw<f1+f2は役に立たない。
しかし位相補正レンズL2を出たビームの乱れはそのようなランダム非平行の場合だけではない。位相補正レンズを出たビームが平行でなく、縮小ビームである場合とか拡大ビームであるという場合もある。
位相補正レンズL2を出たビームが拡大ビームだという場合は、図16のような転写レンズ系を用いることができる。凸レンズL3とL4の組み合わせであるが、焦点距離の和f1+f2よりもレンズ間隔wが広い。f1+f2<w。拡大ビームがいったんC点で収束しそれがL4によって平行ビームに直される。像面Iには平行なビームとして入射する。これは均一化ビームである。
位相補正レンズを出たビームが縮小ビームだという場合は、図17のような転写レンズ系を用いる。凸レンズL3とL4の組み合わせであるが、焦点距離の和よりもレンズ間隔wが狭い。f1+f2<w。縮小ビームがいったんC点で収束しそれがL4によって平行ビームに直される。像面Iには平行なビームとして入射する。
上に述べたものは、強度変換レンズL1で均一化でき、位相補正レンズで位相をそろえようとしたところが僅かにずれがあり、平行ビームにならなかったというような場合である。レンズL2・L3間の距離a発散或いは収束の度合いによってきまる。
図16において、発散ビームの発散角を2βとし、ビームの直径を2Rとしたとき、L3・Cの間隔は
L3・C=f1(R+aβ)/{R+β(a−f1)) (1)
によって与えられる。これはf1より大きい。w>f1+f2である。
L3・C=f1(R+aβ)/{R+β(a−f1)) (1)
によって与えられる。これはf1より大きい。w>f1+f2である。
図17において、収束ビームの収束角を2γとし、ビームの直径を2Rとしたとき、L3・Cの間隔は
L3・C=f1(R―aγ)/(R+γ(f1―a) (2)
によって与えられる。これはf1より小さい。w<f1+f2である。このように、転写レンズ系の焦点距離の和f1+f2よりレンズ間距離wを大きくし或いは小さくすることによって位相補正レンズから発散、収束ビームがでているばあいは転写レンズ系で平行ビームに直すことが出来る。
L3・C=f1(R―aγ)/(R+γ(f1―a) (2)
によって与えられる。これはf1より小さい。w<f1+f2である。このように、転写レンズ系の焦点距離の和f1+f2よりレンズ間距離wを大きくし或いは小さくすることによって位相補正レンズから発散、収束ビームがでているばあいは転写レンズ系で平行ビームに直すことが出来る。
強度変換レンズと位相補正レンズの誤差はそのようなものだけではない。位相補正レンズL2の後面でパワー分布は均一であるが、方向が乱れているという場合もありうる。そのような場合は位相補正レンズL2の後面を正しく像面Iに転写しなければならない。それは図8のw=f1+f2のような転写系では不可能である。また図9のw<f1+f2のような転写系でも不可能である。UのL3による像はC点よりL4側にある。それはL4の前焦点よりL4側にある。だからO4によって平行ビームにすることができない。
残る可能性はw>f1+f2ということになる(図10)。つまりレンズL3、L4をf1+f2よりも遠ざけることである。gだけ遠くへずらせるとする。O3O4=f1+f2+gとするのである。gは正の定数である。平行ビームB3の収束点はCである。ここから発散ビームとなりレンズL4で絞られてレンズL4の右側S2点に倒立の実像を形成する。レンズL4とビーム像S2の距離をsとする。
s=f2(g+f2)/g (3)
である。ビーム像sはビームの結像のことであり、転写像Jとは違う。ビーム像Sと転写像Jを区別しなければならない。源像Uの転写はまた別の問題となる。L3で点Kに実像を作り、これがL4で実像をI面のJ像として形成する、というのが目的になる。I面のJ像はビーム像S2よりまだ下流側に存在する。それは必ずs<bとなるからである。図10において、UL3の距離a(O2O3)、L3Kの距離d(O3K)、KL4の距離e(KO4)、L4Iの距離b(O4O5)はレンズの公式を満足しなければならない。
s=f2(g+f2)/g (3)
である。ビーム像sはビームの結像のことであり、転写像Jとは違う。ビーム像Sと転写像Jを区別しなければならない。源像Uの転写はまた別の問題となる。L3で点Kに実像を作り、これがL4で実像をI面のJ像として形成する、というのが目的になる。I面のJ像はビーム像S2よりまだ下流側に存在する。それは必ずs<bとなるからである。図10において、UL3の距離a(O2O3)、L3Kの距離d(O3K)、KL4の距離e(KO4)、L4Iの距離b(O4O5)はレンズの公式を満足しなければならない。
1/a+1/d=1/f1 (4)
1/e+1/b=1/f2 (5)
d+e=f1+f2+g (6)
1/e+1/b=1/f2 (5)
d+e=f1+f2+g (6)
レンズL2L3間の距離aを与えると、(4)によって中間像点dが決まる。(6)によってdの値からeが決まる。それが決まると(5)によって像面Iでの転写像Jの位置が決まる。だからレンズL3L4間距離f1+f2+gを決め、L2L3距離aを決めると像面Iの位置が上の式から決まる。J点では源像Uと同じく均一パワー分布が成り立っている。ビームの向きは平行でないがJ点に対象物をおいて加工することによって均一パワー加工が可能になる。
図10はL3L4間のC点で一旦集光させたものであるが、そうでなく凸凹レンズの組み合わせで中間の集光点がなくて凹レンズでほぼ平行のビームにするという二枚レンズ組も考えられる。
図10はL3L4間のC点で一旦集光させたものであるが、そうでなく凸凹レンズの組み合わせで中間の集光点がなくて凹レンズでほぼ平行のビームにするという二枚レンズ組も考えられる。
図11にそれを示す。L3が凸(f1正)、L4が凹(f2が負)その場合もO3O4=f1+f2(f2が負であることに注意)とするとB5が平行ビームになりUを転写できない。この場合もO3O4=f1+f2+gとしてL4後のビームB5を集光させる。集光点S2の先に像面Iを置けば転写像Jがそこにできる。同じような式が成り立つ。
1/a+1/d=1/f1 (7)
1/e+1/b=1/f2 (8)
d+e=f1+f2+g (9)
1/e+1/b=1/f2 (8)
d+e=f1+f2+g (9)
中間像KはL4より右側にある。ビーム像S2もL4より右側にある。像面はS2より下流側にある。(7)のf1、a、dは正であるが、(8)のf2は負、eも負でbは正である。ビーム像S2までの距離sはs=−f2(f2+g)/gである。これは正の値であるが、必ずb>sとなるので像面は、集光点S2より下流側にできる。
初めのレンズL3が凹で、次のレンズL4が凸ということも可能である。図12にそれを示す。これもレンズ中間に集光点Cがない。ビームは拡大する。その場合もL4の凸レンズで集光させる(S2点)。その先に像面Iを置きそこへ均一パワー分布の像Jを形成するのである。両方とも凹凹レンズという組み合わせは禁止される。
以上に述べたものは二枚レンズであるが、一枚レンズでも均一パワーにすることは可能である。図13にそれを示す。集光点Cの後ろに像面Iを置けば像Jが形成される。JはUの転写像でありUが均一パワーであるからJ面でも均一パワーである。一枚レンズの場合はより簡単な転写の式となる。
1/a+1/d=1/f1 (10)
三枚レンズ(L3、L4、L5)の場合でも同じように転写系を構成することができる。凸凸凹、凸凸凸、凸凹凹などのレンズの組み合わせが可能である。その場合も最終のビームが平行ビームになる条件をまず定める。それよりレンズ間距離を少し増やしてビームを平行でなく収束ビームに変える。収束点より先に像面Iを置き均一パワー像Jを形成することができる。
本発明はホモジナイザHの下流側に転写レンズ系Tを設け、位相補正レンズL2の後面の均一分布の源像Uを下流側の像面Iに転写する。転写したのであるからそのまま縮小、拡大、等倍されるのである。源像Uが均一パワーであれば下流側の像面Iにできた転写像Jも均一パワーである。これによってレンズから離隔した位置で再び均一パワーを復元することができる。転写像Jの位置に被加工物を置くようにする。そのようにして加工すれば被加工物を均一パワーレーザビームで加工できるようになる。
[実施例1(ビームホモジナイザと転写レンズ系)]
YAGレーザの直径2mmのガウシアンビームを石英からなる強度変換レンズL1と位相補正レンズL2を含むホモジナイザHで1mm径で均一になるようにした。さらにそのあとに凸凸レンズよりなる転写レンズ系Tを設けた。転写レンズTは石英である。
位相補正レンズL2出射直後のパワー分布は図2に示す通りである。図2に示すように源像Uは直径1mmのビーム径の中では均一パワー分布となっている。図6はL1、L2間にディセンタのない場合の、転写レンズ出射後50mmの位置での強度分布である。直径1mm程度で均一パワーとなっている。10μmのディセンタがあった場合の転写レンズ出射後50mmでの強度分布を図7に示す。10μmのディセンタがあるにも拘らず1mmの直径の範囲で均一パワーとなっている。それは本発明が優れたものであることを意味する。
YAGレーザの直径2mmのガウシアンビームを石英からなる強度変換レンズL1と位相補正レンズL2を含むホモジナイザHで1mm径で均一になるようにした。さらにそのあとに凸凸レンズよりなる転写レンズ系Tを設けた。転写レンズTは石英である。
位相補正レンズL2出射直後のパワー分布は図2に示す通りである。図2に示すように源像Uは直径1mmのビーム径の中では均一パワー分布となっている。図6はL1、L2間にディセンタのない場合の、転写レンズ出射後50mmの位置での強度分布である。直径1mm程度で均一パワーとなっている。10μmのディセンタがあった場合の転写レンズ出射後50mmでの強度分布を図7に示す。10μmのディセンタがあるにも拘らず1mmの直径の範囲で均一パワーとなっている。それは本発明が優れたものであることを意味する。
[実施例2(レーザ加工装置への応用;加工装置の全体;図18)]
図18にガウシアン分布するレーザビームを適当な径に拡大しホモジナイザで均一分布にし、転写レンズ系によってビーム径を適当な直径に直しマスクでビーム形状を決めガルバノミラーで走査し結像レンズで縮小して対象物を微小なスポット状に照射するようにしたレーザ加工光学系の全体を示す。
このレーザ加工光学系は、レーザ装置1、ズーム光学系2、ビームホモジナイザ3、転写レンズ系4、転写光学系5を含む。これまで述べた光学系はビームホモジナイザと転写レンズ系だけであるが、実際にはレーザビームを拡大するズーム光学系がホモジナイザの前にあり、転写レンズ系の後には、均一化したビームを対象物に当てる転写光学系5を最後に有する。転写光学系5はビームの外側を除去しビーム形状を決定するマスク6と、マスク6からの光を走査するガルバノミラーとマスクの像を結像する結像レンズ7と、ビームの集光面となる像面8よりなる。像面8は実際には被加工物である。レ−ザ光を被加工物の上に集光して、被加工物に対し切断、穴あけ、溶接、熱処理などの処理を行なうのである。
この例では、転写光学系は、ビームを左右に走査する一次元ガルバノミラーM、或いは左右上下に二次元走査するガルバノミラーM1、M2を有する(図18では、ミラーの表記を模式的に略している。実際は3次元的に配置され、光路が立体的に折り返される)。マスク6の穴でビームの断面形状を決める。所望の断面形状を持つビームを先述の一次元あるいは二次元ガルバノミラーで走査して像面の多数の点に同等の形状、パワーのビームが入射するようにする。例えば二次元走査して被加工物の面に多数の穴を短時間で明けるようにできる。一次元走査して被加工物をある線に沿って切断することができる。また一次元走査して二つの被加工物を溶接することもできる。微小なスポットを像面に形成することが必要な場合、入射レーザビームの直径よりもずっと小さく絞る必要がある。そのために結像レンズは高い比率でビームを縮小しなければならない。ここでは転写レンズ系があるので、これによってビーム径を小さくすることができ、その後の結像レンズに要求される縮小比を緩和することができる。
(1)レーザ装置
種別:YAGレーザ
波長:1.064μm
モード:シングル
発振形式:パルス
レーザ加工の被加工物は金属、プラスチック、セラミックなど様々である。加工目的は溶接、切断、熱処理、穴あけなどである。レーザは被加工物の性質や加工目的に応じた大出力、中出力のものを用いる。YAGレーザやその高調波(波長1.064μm、532nm、355nmなど)や炭酸ガスレ−ザ(10.6μm)を用いることもできる。連続発振(CW)レーザを用いることもある。パルス発振するレーザを用いることもできる。ここではYAGのパルスレーザを用いている。レーザビームはガウシアンパワー分布をしている。ビーム径はパワーが中心の1/e2に低下する両側部分の距離として決める。ここで、YAGレ−ザのビーム径はφ1mm〜2mmである。レーザ光は平行ビームである。
(2)ズーム光学系
倍率:1〜2倍
強度変換レンズと位相補正レンズからなるホモジナイザは適当なガウシアン入射ビーム径が決まっている。ホモジナイザに均一化する前にビームをホモジナイザの寸法に対応した十分な広がりに変換する必要がある。それを行なうのがズーム光学系2である。平行ビームを直径の異なる平行ビームに変えたものである。前焦点が合致するように置いた凹凸レンズの組み合わせ、或いは後前焦点が合致するように置いた凸凸レンズの組み合わせによってビーム直径を変倍できる。ここでは1〜2倍程度にビーム径を拡大する。YAGの波長が1.064μmなので、レンズは光学ガラス、石英で作ることができる。
(3)ビームホモジナイザ
入射ビーム径: φ2mm(1/e2径)
出射ビーム径: φ1mm(均一強度径)
第1レンズ(L1)第1面形状: 平面
第1レンズ(L1)第2面形状: 非球面
第2レンズ(L2)第1面形状: 非球面
第2レンズ(L2)第2面形状: 平面
第1レンズL1ー第2レンズL2間距離: 50mm
レンズの組み合わせによってガウシアン分布ビームを均一分布ビーム(トップハット)に変換する。図1に示すような2枚レンズからなる。第1レンズL1は強度変換レンズである。第2レンズL2は位相補正レンズである。L1、L2の面形状によって、入射ビーム径と出射ビーム径を等しくすることもできる。このように出射ビームを小さくすることもできる。ホモジナイザのレンズも光学ガラスや石英で作る事ができる。
(4)転写レンズ系
転写倍率: 1/2
第1レンズ焦点距離: 100mm
第2レンズ焦点距離: 50mm
ビームホモジナイザ・第1レンズ間距離:100mm
第1・第2レンズ間距離: 150mm
第2レンズ・マスク間距離: 50mm
これが本発明でこれまで述べてきたものである。ホモジナイザから出たビームをさらに適当な直径に変換する。これは焦点距離の和(f1+f2)だけ離隔させて置いた凸凸レンズの組み合わせである。倍率はf2/f1で決まる。ここでは1/2となっている。マスク径よりもホモジナイザの出力ビーム径を2倍にできる。ホモジナイザのパターン精度に余裕ができる。ホモジナイザがディセンタしてもホモジナイザ出力の不均一性が強く増加しない。転写レンズ系がディセンタによる強度分布乱れを減らす作用がある。またビーム径を減らして後に結像レンズでの縮小比を緩和している。ここではホモジナイザの第2レンズL2から出た1mmφの均一化ビームをマスク面に0.5mmφのビームとして投影する。
ここではf1/f2を大きくすることによってホモジナイザのディセンタの影響を抑えているが、これまでに述べたような転写レンズ系を用いても良い。
(5)転写光学系
マスク開口径: φ0.5mm
転写倍率: 1/10
結像レンズ種別: fθレンズ
焦点距離: 100mm
走査範囲: 25mm×25mm
入射瞳径: φ10mm
マスク・ガルバノミラー間距離: 855mm
X−Yガルバノミラー間距離: 30mm
ガルバノミラー・fθレンズ間距離: 30mm
fθレンズ・像面間距離: 100mm
スポットサイズ: φ0.05mm
マスク面に至るビームの均一化半径はφ0.5mmであるが周辺ノイズがあるのでマスクでそれを除去する。開口部直径を均一化直径と同じとしているが、均一化半径より小さくすることもある。
マスク通過後のビームをそのまま直進させ、像面(対象物)に照射することもできる。或いは一つのガルバノミラーで一次元走査することもできる。さらに直交方向に二つのガルバノミラーを組み合わせて、XY二方向に主走査、副走査することもできる。パルスレーザ光であれば走査することによって被加工物上に一定間隔にスポット照射できる。
そのままではスポットが大きくなりすぎるので結像レンズ7で像面8にマスクの像を結像する。結像レンズが通常のftanθレンズだと、一定角速度で走査すると、スポットの間隔がsec2θとなる。スポット分布が中心で密、周辺で粗になる。
そこで走査ビームを像面で等間隔に照射するには、fθレンズを用いる。これは像面で中心からビームの角度に比例した距離にビームを結像させる。だから結像レンズとしてfθレンズを使っている。fθは3枚〜5枚程度のレンズを組み合わせて構成することができる。多少の収差を許容するなら1枚レンズで作ることもできる。ここでは、スポットでの所望のビーム径が0.05mmである。マスク開口部の直径が0.5mmだから1/10に縮小投影しなければならない。これによって結像レンズの倍率が決まる。ここでは結像レンズの倍率を1/10にしている。先ほどの転写レンズ系でビーム径をすでに1/2に縮小しているから、ここではスポットをφ0.05mmにするのに結像レンズでの縮小比は1/10で良いのである。もしも転写レンズ系がなければ、結像レンズで1/20に絞る必要がある。すると焦点深度が浅くなる。fθ性も低下する。ところがここでは1/10の縮小比で済む。それは転写レンズ系4を設けた利点の一つである。なお、マスクはスポットの形状精度(真円度など)の向上、均一強度のエッジの立ち上がりの急峻性向上、マスク変更による加工形状やサイズの変更を目的に使用されるが、マスクを用いないで転写レンズの出力(実施例では0.5mmφの均一化ビーム)をそのまま結像レンズで像面に結像しても良い。この場合も、本願発明の効果は失われない。
図18にガウシアン分布するレーザビームを適当な径に拡大しホモジナイザで均一分布にし、転写レンズ系によってビーム径を適当な直径に直しマスクでビーム形状を決めガルバノミラーで走査し結像レンズで縮小して対象物を微小なスポット状に照射するようにしたレーザ加工光学系の全体を示す。
このレーザ加工光学系は、レーザ装置1、ズーム光学系2、ビームホモジナイザ3、転写レンズ系4、転写光学系5を含む。これまで述べた光学系はビームホモジナイザと転写レンズ系だけであるが、実際にはレーザビームを拡大するズーム光学系がホモジナイザの前にあり、転写レンズ系の後には、均一化したビームを対象物に当てる転写光学系5を最後に有する。転写光学系5はビームの外側を除去しビーム形状を決定するマスク6と、マスク6からの光を走査するガルバノミラーとマスクの像を結像する結像レンズ7と、ビームの集光面となる像面8よりなる。像面8は実際には被加工物である。レ−ザ光を被加工物の上に集光して、被加工物に対し切断、穴あけ、溶接、熱処理などの処理を行なうのである。
この例では、転写光学系は、ビームを左右に走査する一次元ガルバノミラーM、或いは左右上下に二次元走査するガルバノミラーM1、M2を有する(図18では、ミラーの表記を模式的に略している。実際は3次元的に配置され、光路が立体的に折り返される)。マスク6の穴でビームの断面形状を決める。所望の断面形状を持つビームを先述の一次元あるいは二次元ガルバノミラーで走査して像面の多数の点に同等の形状、パワーのビームが入射するようにする。例えば二次元走査して被加工物の面に多数の穴を短時間で明けるようにできる。一次元走査して被加工物をある線に沿って切断することができる。また一次元走査して二つの被加工物を溶接することもできる。微小なスポットを像面に形成することが必要な場合、入射レーザビームの直径よりもずっと小さく絞る必要がある。そのために結像レンズは高い比率でビームを縮小しなければならない。ここでは転写レンズ系があるので、これによってビーム径を小さくすることができ、その後の結像レンズに要求される縮小比を緩和することができる。
(1)レーザ装置
種別:YAGレーザ
波長:1.064μm
モード:シングル
発振形式:パルス
レーザ加工の被加工物は金属、プラスチック、セラミックなど様々である。加工目的は溶接、切断、熱処理、穴あけなどである。レーザは被加工物の性質や加工目的に応じた大出力、中出力のものを用いる。YAGレーザやその高調波(波長1.064μm、532nm、355nmなど)や炭酸ガスレ−ザ(10.6μm)を用いることもできる。連続発振(CW)レーザを用いることもある。パルス発振するレーザを用いることもできる。ここではYAGのパルスレーザを用いている。レーザビームはガウシアンパワー分布をしている。ビーム径はパワーが中心の1/e2に低下する両側部分の距離として決める。ここで、YAGレ−ザのビーム径はφ1mm〜2mmである。レーザ光は平行ビームである。
(2)ズーム光学系
倍率:1〜2倍
強度変換レンズと位相補正レンズからなるホモジナイザは適当なガウシアン入射ビーム径が決まっている。ホモジナイザに均一化する前にビームをホモジナイザの寸法に対応した十分な広がりに変換する必要がある。それを行なうのがズーム光学系2である。平行ビームを直径の異なる平行ビームに変えたものである。前焦点が合致するように置いた凹凸レンズの組み合わせ、或いは後前焦点が合致するように置いた凸凸レンズの組み合わせによってビーム直径を変倍できる。ここでは1〜2倍程度にビーム径を拡大する。YAGの波長が1.064μmなので、レンズは光学ガラス、石英で作ることができる。
(3)ビームホモジナイザ
入射ビーム径: φ2mm(1/e2径)
出射ビーム径: φ1mm(均一強度径)
第1レンズ(L1)第1面形状: 平面
第1レンズ(L1)第2面形状: 非球面
第2レンズ(L2)第1面形状: 非球面
第2レンズ(L2)第2面形状: 平面
第1レンズL1ー第2レンズL2間距離: 50mm
レンズの組み合わせによってガウシアン分布ビームを均一分布ビーム(トップハット)に変換する。図1に示すような2枚レンズからなる。第1レンズL1は強度変換レンズである。第2レンズL2は位相補正レンズである。L1、L2の面形状によって、入射ビーム径と出射ビーム径を等しくすることもできる。このように出射ビームを小さくすることもできる。ホモジナイザのレンズも光学ガラスや石英で作る事ができる。
(4)転写レンズ系
転写倍率: 1/2
第1レンズ焦点距離: 100mm
第2レンズ焦点距離: 50mm
ビームホモジナイザ・第1レンズ間距離:100mm
第1・第2レンズ間距離: 150mm
第2レンズ・マスク間距離: 50mm
これが本発明でこれまで述べてきたものである。ホモジナイザから出たビームをさらに適当な直径に変換する。これは焦点距離の和(f1+f2)だけ離隔させて置いた凸凸レンズの組み合わせである。倍率はf2/f1で決まる。ここでは1/2となっている。マスク径よりもホモジナイザの出力ビーム径を2倍にできる。ホモジナイザのパターン精度に余裕ができる。ホモジナイザがディセンタしてもホモジナイザ出力の不均一性が強く増加しない。転写レンズ系がディセンタによる強度分布乱れを減らす作用がある。またビーム径を減らして後に結像レンズでの縮小比を緩和している。ここではホモジナイザの第2レンズL2から出た1mmφの均一化ビームをマスク面に0.5mmφのビームとして投影する。
ここではf1/f2を大きくすることによってホモジナイザのディセンタの影響を抑えているが、これまでに述べたような転写レンズ系を用いても良い。
(5)転写光学系
マスク開口径: φ0.5mm
転写倍率: 1/10
結像レンズ種別: fθレンズ
焦点距離: 100mm
走査範囲: 25mm×25mm
入射瞳径: φ10mm
マスク・ガルバノミラー間距離: 855mm
X−Yガルバノミラー間距離: 30mm
ガルバノミラー・fθレンズ間距離: 30mm
fθレンズ・像面間距離: 100mm
スポットサイズ: φ0.05mm
マスク面に至るビームの均一化半径はφ0.5mmであるが周辺ノイズがあるのでマスクでそれを除去する。開口部直径を均一化直径と同じとしているが、均一化半径より小さくすることもある。
マスク通過後のビームをそのまま直進させ、像面(対象物)に照射することもできる。或いは一つのガルバノミラーで一次元走査することもできる。さらに直交方向に二つのガルバノミラーを組み合わせて、XY二方向に主走査、副走査することもできる。パルスレーザ光であれば走査することによって被加工物上に一定間隔にスポット照射できる。
そのままではスポットが大きくなりすぎるので結像レンズ7で像面8にマスクの像を結像する。結像レンズが通常のftanθレンズだと、一定角速度で走査すると、スポットの間隔がsec2θとなる。スポット分布が中心で密、周辺で粗になる。
そこで走査ビームを像面で等間隔に照射するには、fθレンズを用いる。これは像面で中心からビームの角度に比例した距離にビームを結像させる。だから結像レンズとしてfθレンズを使っている。fθは3枚〜5枚程度のレンズを組み合わせて構成することができる。多少の収差を許容するなら1枚レンズで作ることもできる。ここでは、スポットでの所望のビーム径が0.05mmである。マスク開口部の直径が0.5mmだから1/10に縮小投影しなければならない。これによって結像レンズの倍率が決まる。ここでは結像レンズの倍率を1/10にしている。先ほどの転写レンズ系でビーム径をすでに1/2に縮小しているから、ここではスポットをφ0.05mmにするのに結像レンズでの縮小比は1/10で良いのである。もしも転写レンズ系がなければ、結像レンズで1/20に絞る必要がある。すると焦点深度が浅くなる。fθ性も低下する。ところがここでは1/10の縮小比で済む。それは転写レンズ系4を設けた利点の一つである。なお、マスクはスポットの形状精度(真円度など)の向上、均一強度のエッジの立ち上がりの急峻性向上、マスク変更による加工形状やサイズの変更を目的に使用されるが、マスクを用いないで転写レンズの出力(実施例では0.5mmφの均一化ビーム)をそのまま結像レンズで像面に結像しても良い。この場合も、本願発明の効果は失われない。
1レーザ装置
2ズーム光学系
3ビームホモジナイザ
4転写レンズ系
5転写光学系
6マスク
7結像レンズ
8像面(被加工物)
L1 強度変換レンズ
L2 位相補正レンズ
L3 転写レンズ(第3レンズ)
L4 転写レンズ(第4レンズ)
f1 L3の焦点距離
f2 L4の焦点距離
U 位相補正レンズ直後の源像
C 集光点 (収束点、焦点)
K 中間像点
I 像面
J 転写像
S2 ビーム像 (集光点)
H ホモジナイザ
T 転写レンズ系
a 位相補正レンズとL3の距離
d L3と中間像の距離
e 中間像とL4の距離
b L4と像面Iの距離
w L3とL4の距離
2ズーム光学系
3ビームホモジナイザ
4転写レンズ系
5転写光学系
6マスク
7結像レンズ
8像面(被加工物)
L1 強度変換レンズ
L2 位相補正レンズ
L3 転写レンズ(第3レンズ)
L4 転写レンズ(第4レンズ)
f1 L3の焦点距離
f2 L4の焦点距離
U 位相補正レンズ直後の源像
C 集光点 (収束点、焦点)
K 中間像点
I 像面
J 転写像
S2 ビーム像 (集光点)
H ホモジナイザ
T 転写レンズ系
a 位相補正レンズとL3の距離
d L3と中間像の距離
e 中間像とL4の距離
b L4と像面Iの距離
w L3とL4の距離
Claims (17)
- 強度変換レンズL1と位相補正レンズL2から構成されほぼ均一パワー分布ほぼ平行のビームを生成するホモジナイザHにおいて、強度変換レンズL1と位相補正レンズL2の位置ずれによるパワー分布不均一を抑制するため、ホモジナイザHの下流側に位相補正レンズL2出射直後の源像Uの像を下流側に形成する転写レンズ系Tを設け転写レンズ系Tの下流側の像面位置Iに均一パワー分布を形成することを特徴とするホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広くして(f1+f2<w)レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凹の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広くして(f1+f2<w)レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凹凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広くして(f1+f2<w)レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 転写レンズ系Tが凸の1枚レンズよりなり転写レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 転写レンズ系Tが3枚以上のレンズよりなり、最終の転写レンズから平行ビームが出るという条件よりレンズ間距離wを増やし最終のレンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 位相補正レンズL2から出たビームが発散ビームであって、転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広く(f1+f2<w)し、転写レンズの中間に集光点Cを形成し、転写レンズの後方に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- 位相補正レンズL2から出たビームが収束ビームであって転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より狭く(f1+f2>w)し、転写レンズの中間に集光点Cを形成し、転写レンズの後方に像面Iを置きその上に均一パワーの転写像Jを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のホモジナイザを用いた整形ビームの伝搬方法。
- レーザビームを発生するレーザ装置と、レーザビームの直径を変化させるズーム光学系と、強度変換レンズL1と位相補正レンズL2からなりズーム光学系を出たレーザビームを均一パワー分布の平行ビームに変換するビームホモジナイザと、強度変換レンズL1と位相補正レンズL2の位置ずれによるパワー不均一を抑制するためビームホモジナイザの下流側に設けられ均一パワービームを生成する転写レンズ系と、転写レンズ系から出た均一パワービームを結像し対象物に照射するための転写光学系とよりなることを特徴とするレーザ加工光学系。
- 転写光学系は、ビームを走査するための一つ或いは二つのガルバノミラーとfθレンズよりなることを特徴とする請求項9に記載のレーザ加工光学系。
- 転写レンズ系は凸凸の2枚レンズよりなり、レンズ間距離wが焦点距離f1、f2の和に等しく(f1+f2=w)し、転写レンズの中間に集光点Cを形成し、ビームホモジナイザの均一ビーム径を大きくしておき、f1/f2>1として、ビームホモジナイザで生成された大きいビーム径を縮小して出力するものであることを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
- 転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凹の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広くして(f1+f2<w)レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に均一パワーのビームを投影するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
- 転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凹凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広くして(f1+f2<w)レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に均一パワーのビームを投影するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
- 転写レンズ系Tが凸の1枚レンズよりなり転写レンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に均一パワーのビームを投影するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
- 転写レンズが3枚以上のレンズよりなり、最終の転写レンズから平行ビームが出るという条件よりレンズ間距離wを増やし最終のレンズの下流側に集光点S2を形成しそのさらに下流側に均一パワーのビームを投影するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
- 位相補正レンズL2から出たビームが発散ビームであって、転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より広く(f1+f2<w)し、転写レンズの中間に集光点Cを形成し、転写レンズの後方に均一パワーのビームを投影するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
- 位相補正レンズL2から出たビームが収束ビームであって、転写レンズ系Tが焦点距離f1、f2の凸凸の2枚レンズよりなりレンズ間距離wを焦点距離の和(f1+f2)より狭く(f1+f2>w)し、転写レンズの中間に集光点Cを形成し、転写レンズの後方に均一パワーのビームを投影するようにしたことを特徴とする請求項9又は10に記載のレーザ加工光学系。
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