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JP2007308774A - 薄膜形成装置、及び薄膜形成方法 - Google Patents

薄膜形成装置、及び薄膜形成方法 Download PDF

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JP2007308774A JP2006140059A JP2006140059A JP2007308774A JP 2007308774 A JP2007308774 A JP 2007308774A JP 2006140059 A JP2006140059 A JP 2006140059A JP 2006140059 A JP2006140059 A JP 2006140059A JP 2007308774 A JP2007308774 A JP 2007308774A
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久良 矢元
Shinichi Youzen
伸一 腰前
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Universal Technics Co Ltd
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Abstract

【課題】安全かつ安価に薄膜を形成可能な薄膜形成装置、及び薄膜形成方法を提供する。
【解決手段】薄膜形成装置1は、反応室2内に載置された基板21上にシリコンと炭素とを含む薄膜を形成する。有機シラン化合物を含有する原料ガスを前記反応室2へ供給する原料ガス供給手段と、前記反応室2内において、CVD法によって前記被薄膜形成対象物上に前記薄膜を形成するCVD部3とを備える。前記原料ガス供給手段は、CVD用気化器4と気化機構40とを備え、薄膜を形成する。また、炭化水素を供給する炭化水素供給機構を備え、前記有機シラン化合物と前記炭化水素を含有する原料ガスを用い、所望のシリコン原子と炭素原子の組成比からなる前記薄膜を形成することができる。
【選択図】図1

Description

薄膜形成装置、及び薄膜形成方法に関し、特に、シリコンと炭素とを含む薄膜を形成する薄膜形成装置および薄膜形成方法に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話など、携帯型情報機器の高性能化が進んでおり、これらの携帯型情報機器の電源としてはリチウムイオン電池などの二次電池が用いられている。このリチウムイオン電池は、負極に炭素系の黒鉛やカーボンが、正極にリチウム含有物質が採用されている。ところが、負極に採用されている炭素系の黒鉛やカーボンは、理論容量密度が340Ah/kg程度であり、リチウム金属の理論容量密度(3800Ah/kg)に比べて著しく小さく、高容量化が望まれている。
これに対し、米国エネルギー省(Department of energy)サンディア国立研究所(Sandia National Laboratories)は、黒鉛負極に適量のシリコン物質を加えることで、リチウムイオン電池の電池容量を2倍に増加させた。これにより、リチウムイオン電池の駆動時間の長期化、電池サイズの小型化を可能とし、黒鉛のみからなる負極に比べ、パフォーマンスを4倍アップさせ得ることが予想されている。
従来、このような高品質、高純度のシリコンと炭素とを含む薄膜を形成するには、水素雰囲気下で、シラン(SiH)ガスとメタン(CH)ガスの混合ガスに高周波電圧を印加して該混合ガスをプラズマ化し、基板上にシリコンと炭素の混合物質を堆積させる方法が知られている(例えば特許文献1)。この場合、シリコンと炭素の組成比は、シランとメタンのガス流量比で制御される。因みに、シランガスは、ボンベに高圧(約100気圧)で充填して保管され、反応室へ供給される。
特開平9−199304号公報
しかしながら、シランガスは、発火性を有するので、大気中に漏洩した場合直ちに発火し、火災事故を招く。そのため、シランガスは、取り扱いが難しく、更に、漏洩防止対策、火災事故対策、排気対策に多額の費用を要するものである。一方、メタンガスは、発火性を有しないものの、大気中に漏洩すると急速に拡散し、火元と接触することにより爆発的に燃焼するという特性を有するものである。従って、メタンガスも取り扱いに注意を要する危険なガスである。以上のように、従来の方法で、高品質、高純度のシリコンと炭素とを含む薄膜を形成するには、危険なガスを使用しなければならず、また、事故を回避するための多額の費用がかかるという問題があった。
そこで本発明は上記した問題点に鑑み、シリコンと炭素とを含む混合物質を安全かつ安価に形成する薄膜形成装置及び薄膜形成方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の薄膜形成装置は、反応室内に載置された被薄膜形成対象物上にシリコンと炭素とを含む薄膜を形成する薄膜形成装置において、有機シラン化合物を含有する原料ガスを前記反応室へ供給する原料ガス供給手段と、前記反応室内において、CVD法によって前記被薄膜形成対象物上に前記薄膜を形成するCVD部とを備えることを特徴とする。
請求項2記載の薄膜形成装置は、前記原料ガス供給手段は、炭化水素を供給する炭化水素供給機構を備え、前記有機シラン化合物と前記炭化水素を含有する原料ガスを用い、所望のシリコン原子と炭素原子の組成比からなる前記薄膜を形成することを特徴とする。
請求項3記載の薄膜形成装置は、前記原料ガス供給手段は、前記原料ガスを、キャリアガスと共に前記反応室に供給するCVD用気化器を備え、前記CVD用気化器は、流入口から流出口に向けてキャリアガスが流れるキャリアガス流路と、前記キャリアガス流路に前記有機シラン化合物を含有する原料溶液を供給する原料溶液流路と、前記キャリアガス流路の流出口に設けられ、前記原料溶液流路から供給された前記原料溶液を気化する気化部とを備え、前記キャリアガス流路は、前記キャリアガスが供給されるキャリアガス供給管と、該キャリアガス供給管から前記キャリアガスが供給され、前記原料溶液を微粒子状又は霧状にしてキャリアガス中に分散させて前記気化部に供給するオリフィス管とを備え、前記気化部は、前記キャリアガス中に分散させた前記原料溶液を加熱して気化する加熱手段を備えていることを特徴とする。
請求項4記載の薄膜形成装置は、前記反応室内にプラズマを印加するプラズマ発生装置を備え、前記プラズマ発生装置は、前記プラズマの周波数を制御する周波数制御手段を有し、前記原料ガスを励起するプラズマの周波数を制御することにより、所望のシリコン及び炭素の組成からなる前記薄膜を形成することを特徴とする。
請求項5記載の薄膜形成装置は、前記プラズマ発生装置は、印加電力を制御する電力制御手段と、前記反応室内の温度を制御する温度制御手段とを備え、前記印加電力と、前記反応室内の温度を制御することにより、所望の結晶性を有する薄膜を形成することを特徴とする。
請求項6記載の薄膜形成装置は、前記被薄膜形成対象物が被成膜テープでなり、前記反応室内に、前記被成膜テープを正方向及び逆方向に走行させる走行装置を設けたことを特徴とする。
請求項7記載の薄膜形成方法は、反応室内に載置された被薄膜形成対象物上にシリコンと炭素とを含む薄膜を形成する薄膜形成方法において、有機シラン化合物を含有する原料ガスを前記反応室内へ供給する原料ガス供給ステップと、前記反応室内においてCVD法によって前記被薄膜形成対象物上に前記薄膜を形成する薄膜形成ステップとを備えることを特徴とする。
請求項8記載の薄膜形成方法は、前記原料ガス供給ステップは、前記有機シラン化合物の種類を選択する選択ステップを備え、前記薄膜のシリコン原子と炭素原子の組成比を変化させることを特徴とする。
請求項9記載の薄膜形成方法は、前記原料ガス供給ステップは、炭化水素を加える炭化水素供給ステップを備え、所望の組成比からなる薄膜を形成することを特徴とする。
請求項10記載の薄膜形成方法は、前記原料ガス供給ステップは、キャリアガス流路の流入口から流出口に向けてキャリアガスを流すことにより、前記反応室にキャリアガスを供給するキャリアガス供給ステップと、前記キャリアガス流路に前記有機シラン化合物を含有する原料溶液を供給する原料溶液供給ステップと、前記原料溶液を、前記キャリアガス流路で微粒子状又は霧状にしてキャリアガス中に分散させて、前記キャリアガス流路の流出口に設けられた気化部に供給する気化部供給ステップと、前記気化部で前記原料溶液を前記気化室の加熱手段により加熱して気化する気化ステップとを備えたことを特徴とする。
請求項11記載の薄膜形成方法は、前記反応室内にプラズマを印加するプラズマ発生ステップと、前記プラズマの周波数を制御する周波数制御ステップとを備え、前記原料ガスを励起するプラズマの周波数を制御することにより、所望のシリコン及び炭素の組成からなる前記薄膜を形成することを特徴とする。
請求項12記載の薄膜形成方法は、前記プラズマを印加する印加電力を制御する電力制御ステップと、前記反応室内の温度を制御する温度制御ステップとを備え、前記印加電力と、前記反応室内の温度を制御することにより、所望の結晶性を有する薄膜を形成することを特徴とする。
請求項13記載の薄膜形成方法は、前記反応室内において、前記被薄膜形成対象物としての被成膜テープを正方向及び逆方向に走行させる走行ステップを備えることを特徴とする。
請求項14記載のリチウムイオン電池用負極材料は、有機シラン化合物を含有した原料ガスを用い、CVD法によって被薄膜形成対象物上に形成されたシリコンと炭素とを含む薄膜を有することを特徴とする。
請求項15記載の薄膜トランジスタ用チャネル層は、有機シラン化合物を含有した原料ガスを用い、CVD法によって被薄膜形成対象物上に形成されたシリコンと炭素とを含む薄膜を有することを特徴とする。
請求項16記載の太陽電池用発電層は、有機シラン化合物を含有した原料ガスを用い、CVD法によって被薄膜形成対象物上に形成されたシリコンと炭素とを含む薄膜を有することを特徴とする。
請求項1及び7記載の発明によれば、反応室内において被薄膜形成対象物上にシリコンと炭素とを含む薄膜を安全かつ安価に成膜できる薄膜形成装置を実現できる。
請求項2及び9記載の発明によれば、有機シラン化合物のみで形成した場合に得られる薄膜の組成比以上の炭素原子を含む薄膜を形成することができる。
請求項3及び10記載の発明によれば、高速のキャリアガス流によって有機シラン化合物を含有した原料溶液を瞬間的に霧化させて、加熱手段の熱で当該原料溶液を容易に気化させ易いようにしていることにより、気化させ難い当該原料溶液であっても気化室において容易に気化できる。これにより、有機シラン化合物を材料としてシリコンと炭素とを含む薄膜を形成することができる。
請求項4及び11記載の発明によれば、プラズマCVD法により、所望のシリコン及び炭素の組成からなる薄膜を形成することができる。
請求項5及び12記載の発明によれば、所望の組成比だけでなく、所望の結晶性を備える薄膜を形成することができる。
請求項6及び13記載の発明によれば、薄膜を形成した成膜テープを得ることができる。
請求項8記載の発明によれば、所望のシリコン原子と炭素原子の組成比からなる薄膜を形成することができる。
請求項14記載の発明によれば、容量密度の高い負極材料を得ることができるので、リチウムイオン電池の駆動時間の長期化、電池サイズを小型化することができる。
請求項15記載の発明によれば、薄膜トランジスタのパフォーマンスを向上することができる。
請求項16記載の発明によれば、太陽電池のパフォーマンスを向上することができる。
(1)第1の実施の形態
以下、本発明の詳細を図示実施例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る薄膜形成装置を示す構成図である。本薄膜形成装置は、比較的小型用のものである。
(1−1)全体構成
図1において、1は全体として薄膜形成装置としての熱CVD装置を示し、反応室2の横方向から原料ガス供給手段により有機シラン化合物を含む原料ガスを供給して、シリコンと炭素とを含む薄膜を形成する一連の動作を実行し得るように構成されている。
有機シラン化合物は、樹脂、接着剤、土壌改良剤などに大量に用いられる安全かつ安価な材料であり、種々のものが考えられるが、例えば、テトラエチルシラン、トリエチルシラン、ビニルトリメチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、テトラメチルシランの中から選択することができる。
実際上、本発明の薄膜形成方法を行なう熱CVD装置1は、CVD部3と、このCVD部3に搭載されたCVD用気化器4とから構成され、成膜動作時、CVD用気化器4からCVD部3の反応室2にキャリアガスが常に供給され得るようになされている。
因みに、キャリアガスは、水素ガス(H)、ヘリウムガス(He)、或いはアルゴンガス(Ar)、若しくはこれらの混合ガスが用いられる。
このCVD部3の反応室2にはガス導入口5に反応室側バルブ6を介してガス供給路7が連通されている。ガス供給路7には、反応室側バルブ6の上流の位置に分岐部8を有し、この分岐部8にベント側バルブ9が設けられている。
ベント側バルブ9には排気管10が接続されており、かくしてガス供給路7は、ベント側バルブ9、排気管10及び排気バルブ11を介して排気用真空ポンプ12と連通し得るように構成されている。
因みに、反応室2は、ガス導入口5を有する蓋部13と、反応室2を支持する反応室支持部14と、反応室本体15とで構成されており、反応室本体15の外面等に設けられたヒータ(図示せず)によって、反応室内部16が所定温度、この場合150℃に維持される。
基板ステージ用ヒータ24は、温度センサ30により検出した温度に基づいて制御ユニット31を介して加熱制御され、基板ステージ23を所定の温度に加熱し得るように構成されている。因みに、この基板ステージ用ヒータ24にはヒータ配線32が引き回され接続されている。なお、反応室支持部14には、反応室内部16の圧力を測る圧力計14aが設けられている。この基板21は、この基板ステージ用ヒータ24によって600〜1100℃の範囲に加熱されるのが好ましい。
また反応室支持部14には排気用真空ポンプ12まで延びた排気管33が連通しており、この排気管33の途中にはトラップ34が設けられている。これによりCVD用気化器4から反応室内部16へ供給されたキャリアガスや原料ガスは、排気管33を通過してトラップ34に導かれた後、当該トラップ34において排気ガス内の特定有害物質を除去し、排気バルブ11等を経由して排気用真空ポンプ12から排気され得るようになされている。
かかる構成に加えて反応室2にはガス導入口5に反応室側バルブ6を介してCVD用気化器4が連結されている。ここで本願発明の熱CVD装置1では、基板21上に薄膜を形成する成膜動作時、当該反応室側バルブ6が常に開状態となっているとともに、ベント側バルブ9が常に閉状態となっている。
これにより反応室2には、成膜動作時、CVD用気化器4から常にキャリアガスが供給され得る。なお反応室2に供給されたキャリアガスは常に排気管33を介して排気用真空ポンプ12から排気され得るようになされている。
また、反応室2には、CVD用気化器4によって気化された原料ガスが供給され得るようになされている。
これにより反応室内部16では、基板21上に原料ガスを均一に吹き付け、ヒータ等の加熱装置により加熱することで化学反応を起こさせ、所望の膜厚でなる薄膜を基板21上に形成し得るようになされている。
このようにして熱CVD装置1では、有機シラン化合物を含有する原料溶液を気化し、この原料ガスを反応室内部16に供給してゆくことで、基板21上に所望の膜厚でなるシリコンと炭素からなる薄膜を形成し得るようになされている。
(1−2)原料ガス供給手段の構成
次に原料ガス供給手段の構成について説明する。原料ガス供給手段は、CVD用気化器、原料溶液供給機構を備える。CVD用気化器4は、気化機構40を備える。この場合、CVD用気化器4は、気化機構40によってキャリアガスを常に反応室2へ供給するとともに、原料溶液供給機構41から供給された有機シラン化合物を含有した原料溶液のほぼ全てを気化機構40で確実に気化して反応室2に供給し得るように構成されている。
(1−2−1)気化機構の構成
ここで先ず初めに気化機構40について説明する。図2に示すように、気化機構40は、アルゴン、水素、ヘリウム等の各種キャリアガスを反応室2内部に供給するキャリアガス流路42が、キャリアガス供給管43、オリフィス管44により形成され、オリフィス管44の先端(すなわちキャリアガス流路42の流出口53)に気化部45が形成されている。
実際上、この気化機構40は、キャリアガスを供給する供給機構(図示せず)にキャリアガス供給管43の基端(すなわちキャリアガス流路42の流入口)が連結されているとともに、キャリアガス供給管43の先端50がオリフィス管44の基端51に連結され、これによりキャリアガス供給管43からオリフィス管44に高速のキャリアガスを供給し得るように構成されている。
因みに、キャリアガス供給管43の基端と供給機構との間には、キャリアガス供給バルブ及びマスフローコントローラ(図示せず)が設けられている。またキャリアガス供給管43には、圧力計としての圧力トランスデューサ52が取り付けられている。
なお、圧力トランスデューサ52は、キャリアガス供給管43内のキャリアガスの圧力及びその変動を正確に測定し、記録しながら常時モニタする。圧力トランスデューサ52は、キャリアガスの圧力レベルに応じた信号レベルを有する出力信号を制御部(図示せず)に送信する。
かくして図示しない表示部に、キャリアガスの圧力結果を出力信号に基づいて表示してオペレータにモニタさせ得るようになされている。これによりオペレータは、圧力結果に基づいてキャリアガス流路42の目詰まりをモニタできる。
ここでキャリアガス供給管43は、その内径がオリフィス管44の内径よりも大きく選定され、キャリアガス供給管43からオリフィス管44に供給されるキャリアガスの流速を一段と速くさせ得るように構成されている。
オリフィス管44は、鉛直向きに配置され、その先端53に台形円錐状でなる凸状部54が設けられているとともに、この凸状部54の頂部に細孔55が設けられている。このようにオリフィス管44では、先端に凸状部54を設けたことにより、細孔55の先端たる噴霧口56の外周周辺に傾斜面54aを形成し、これにより残留物が噴霧口56に溜まり難くなり、噴霧口56の目詰まりを抑止し得るようになされている。
因みに、この実施の形態の場合、凸状部54の頂角θは、45°〜135°、特に30°〜45°の鋭角に形成することが好ましく、この場合、例えば析出した有機シラン化合物によって噴霧口56が詰まることを防止できる。
噴霧口56の細孔55は、その内径がオリフィス管44の内径よりも小さく選定され、当該オリフィス管44から細孔55に供給されるキャリアガスの流速がさらに一段と速くなるように構成されている。ここで細孔55の先端は、オリフィス管44の凸状部54が気化部45の基端57に挿入されていることにより、気化部45の内部空間58に突出するように配置され得る。
かかる構成に加えてオリフィス管44には、基端51から凸状部54までの間に複数(この場合、例えば5つ)の接続管60a〜60eが連通しており、この接続管60a〜60eにそれぞれ後述する原料溶液供給機構41が設けられている。これによりオリフィス管44は、有機シラン化合物を含有した原料溶液が原料溶液供給機構41から例えば接続管60aを介して供給され得るように構成されている。
この場合、オリフィス管44は、接続管60aから供給された有機シラン化合物を含有した原料溶液に高速で流れるキャリアガスをあて、当該原料溶液を微粒子状又は霧状にさせてキャリアガス中に分散させ、この状態のまま細孔55を介して気化部45内に高速(230m/秒〜350m/秒)で噴霧するように構成されている。
この実施の形態の場合、オリフィス管44は、内径が例えばΦ1.0mm程度に選定されているとともに、鉛直向きに延びる長手方向の長さが100mm程度に選定され、さらに細孔55の内径がΦ0.2〜0.7mm程度に選定されており、基端51から細孔55にゆくに従って縮径しており、その内部でキャリアガスを高速にさせ得るようになされている。
ここでオリフィス管44に連結した気化部45は、管状でなり、当該オリフィス管44と同様に鉛直向きに配置され、図2に示したように、その内径がオリフィス管44の内径より顕著に大きく選定されていることにより、当該気化部45内の圧力がオリフィス管44内の圧力よりも小さくなるように形成されている。
このように気化部45では、オリフィス管44との間で大きな圧力差が設けられていることにより、有機シラン化合物を含有した原料溶液並びにキャリアガスがオリフィス管44から高速(例えば230m/秒〜350m/秒)で噴出し、内部空間58において膨張させ得るようになされている。
実際上、この実施の形態の場合、気化部45内の圧力が例えば10Torr程度に選定されているのに対し、オリフィス管44内の圧力が例えば500〜1000Torr程度に選定され、気化部45とオリフィス管44との間に大きな圧力差が設けられている。
因みに、流量制御後のキャリアガスの圧力は、キャリアガスの流量、原料溶液流量及び細孔55の寸法によって増減するが、最終的には噴霧口56の寸法を選定してキャリアガスの圧力を制御し、500〜1000Torrにすることが好ましい。
これに加えて気化部45の外周には、基端57及び先端(すなわち反応室2との接続部分)の間に加熱手段としてのヒータ62が取り付けられており、このヒータ62は、図示しない温度制御手段によって気化部45が50〜150℃程度に加熱される。なお、この実施の形態の場合、気化部45の基端57がほぼ半球形状に形成されていることにより、ヒータ62によって当該基端57側を均一に加熱することができるようになされている。
かくして気化部45では、オリフィス管44内で高速のキャリアガス流によって分散され霧化した有機シラン化合物を含有した原料溶液を、ヒータ62によって瞬時に加熱して瞬間的に気化するように構成されている。このとき、有機シラン化合物を含有した原料溶液がオリフィス管44内に排出されたときから気化部45内に噴霧されるまでの時間は極めて短時間(好ましくは0.1〜0.002秒以内)であることが好ましい。有機シラン化合物を含有した原料溶液は、高速のキャリアガス流によって、オリフィス管44内で分散させた直後に微細になり、瞬時に気化部45内で気化する。また、溶媒のみが気化する現象は抑制される。
因みに有機シラン化合物を含有した原料溶液並びにキャリアガスを高速で気化部45に噴霧することによって、霧の寸法が微細化(霧の直径が1μm以下)し、蒸発面積の増大と蒸発速度の増大を図ることができる。なお霧の寸法が1桁減少すると、蒸発面積は1桁増大する。
なお噴霧口56から噴出した霧が気化部45の内壁に衝突しないように、噴霧口56の角度と気化部45の寸法を設計することが好ましい。霧が気化部45の内壁に衝突すると、壁面に付着し、蒸発面積が桁違いに減少して、蒸発速度が低下するからである。また、霧が長時間気化部45壁に付着していると、熱分解して蒸発しない化合物に変化する例もあるからである。
またこの場合、気化部45は、その内部が減圧されていることにより原料溶液に含まれる有機シラン化合物の昇華温度を低下させることができ、その結果ヒータ62からの熱で有機シラン化合物を含有した原料溶液を容易に気化させ得るようになされている。
このようにして気化部45は、有機シラン化合物を含有した原料溶液を気化して原料ガスを生成する。そして気化部45は、この原料ガスを反応室2に供給し、この反応室2でCVD法によって薄膜を形成させ得るようになされている。
なお、気化部45の基端57は、オリフィス管44との間に断熱材63を有し、この断熱材63によって気化部45からの熱がオリフィス管44に伝達され難くなるように構成されている。因みに気化部45の基端57はOリング64によって気密封止されている。またオリフィス管44と気化部45とを連結する締結部材65にも断熱材66が設けられている。
因みに、細孔55から噴霧された霧が気化部45の内壁を濡らさないことが好ましい。理由は、霧に比べて、濡れ壁では蒸発面積が桁違いに減少するからである。つまり、気化部45の内壁が全く汚れない構造が好ましい。また、気化部45の内壁の汚れが簡単に評価できるように、気化部45壁は鏡面仕上げをすることが好ましい。
(1−2−2)原料溶液供給機構の構成
次に上述した気化機構40に設けられた原料溶液供給機構41について以下説明する。なお、接続管60a〜60eはそれぞれ原料溶液供給機構41に接続されており、接続管毎に原料溶液の種類を選択することが可能であるが、その構成は同一である。本実施の形態では、オリフィス管44に対して有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給する場合を例にとり、接続管60aに設けられた原料溶液供給機構41についてのみ説明する。
因みに、接続管60a〜60eは、互いに開口部が対向しないようにオリフィス管44に配置されていることにより、例えば接続管60aの開口部からオリフィス管44に供給される有機シラン化合物を含有した原料溶液が、他の接続管60b〜60eの開口部に流入され得ることを確実に防止し得るようになされている。
この場合、原料溶液供給機構41では、原料溶液用タンク70に貯えられた有機シラン化合物を含有した原料溶液を、所定の原料溶液流路71を経由させることにより、液体マスフローコントローラ(LMFC)72、ブロックバルブ73を順次介してオリフィス管44に供給するように構成されている。なお、この液体マスフローコントローラ72は、原料溶液流路71を流れる有機シラン化合物を含有した原料溶液の流量を制御するようになされている。因みに、常温でガス状態の有機シラン化合物、例えば、上記テトラメチルシラン(沸点26.7℃)を使用する場合には、上記液体マスフローコントローラ72を気体マスフローコントローラとするべきことはいうまでもない。
ブロックバルブ73は、第1〜第4の切換バルブ75a〜75dからなり、これら第1〜第4の切換バルブ75a〜75dが図示しない制御部で統括的に制御されている。
実際上、有機シラン化合物を含有した原料溶液をオリフィス管44に供給する場合、ブロックバルブ73は、第1の切換バルブ75aのみを開状態として他の第2〜第4の切換バルブ75b〜75dを閉状態とする。
これにより、オリフィス管44では、高速に流れるキャリアガスに対し、有機シラン化合物を含有した原料溶液が供給され、この高速に流れるキャリアガスによって当該原料溶液を微粒子状又は霧状にさせてキャリアガス中に分散させ、これを気化部45に供給し得るようになされている。
また、かかる構成に加えて原料溶液供給機構41では、ブロックバルブ73からオリフィス管44に有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給していないとき、溶媒用タンク77に貯えられた溶媒を、所定の溶媒流路78を経由させることにより、液体マスフローコントローラ(LMFC)79、接続管60aを順次介してオリフィス管44に供給するように構成されている。
この場合、制御部は、第1の切換バルブ75a、第3の切換バルブ75c及び第4の切換バルブ75dを閉状態とするとともに、第2の切換バルブ75bのみ開状態とすることにより、接続管60aを通過させてオリフィス管44に溶媒を供給し得るようになされている。かくして接続管60aからオリフィス管44に溶媒だけを流すことにより接続管60aに目詰まりした固形物を除去することができるようになされている。
これに対して、制御部は、第1の切換バルブ75a、第2の切換バルブ75b及び第4の切換バルブ75dを閉状態とするとともに、第3の切換バルブ75cのみを開状態とすることにより、ブロックバルブ73を介してベント管81に溶媒を供給して廃棄し得るようになされている。
なお、制御部は、第1の切換バルブ75a、第2の切換バルブ75b及び第3の切換バルブ75cを閉状態とするとともに、第4の切換バルブ75dを開状態とすることにより、ブロックバルブ73を介してベント管81に有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給して廃棄し得ることもできるように構成されている。
以上の構成において、CVD部3では、オリフィス管44において反応室2に向けて常に高速で流れるキャリアガス流に、有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給することにより、当該原料溶液を微粒子状又は霧状にさせてキャリアガス中に分散させ、そのまま気化部45で気化しこの原料ガスを反応室2に供給する。
かくして、気化機構40では、高速のキャリアガス流によって有機シラン化合物を含有した原料溶液を瞬間的に霧化させて、ヒータ62の熱で当該原料溶液を容易に気化させ易いようにしていることにより、気化させ難い有機シラン化合物を含有した原料溶液であっても気化部45において容易に気化できる。
また気化機構40では、キャリアガス供給管43において加圧されたキャリアガスを高速にしてオリフィス管44に導入するため(例えばキャリアガスは500〜1000Torrで、200ml/min〜2L/min)、オリフィス管44において有機シラン化合物を含有した原料溶液の温度上昇を抑制することができる。
従って、この気化機構40では、オリフィス管44において有機シラン化合物を含有した原料溶液中の溶剤のみが蒸発気化することを抑制できるので、オリフィス管44において当該原料溶液が高濃度化することを防止でき、かくして粘度の上昇を抑制できるとともに、有機シラン化合物が析出することを防止できる。
さらに、気化機構40では、キャリアガス中に分散した有機シラン化合物を含有した原料溶液を気化部45で瞬時に気化させることができるので、細孔55や細孔55付近に当該原料溶液中の溶剤のみが気化することを抑止できるため、細孔55の目詰まりを抑止できる。かくしてCVD用気化器4の連続使用時間を長くすることができる。
(1−3)動作及び効果
以上の構成において、CVD用気化器4では、オリフィス管44において反応室2に向けて常に高速で流れるキャリアガス流に、原料溶液用タンク70から供給されてくる有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給することにより、当該原料溶液を微粒子状又は霧状にさせてキャリアガス中に分散させ、そのまま気化部45で気化し原料ガスとして反応室2に供給する。
そして、熱CVD装置1では、基板ステージを備えた反応室と、該基板ステージを加熱する基板ステージ用ヒータと、該反応室に形成された原料ガスを導入するガス導入口と、前記反応室に連通され該反応室を真空引きする真空ポンプとを備えるCVD部3において薄膜を形成する時、反応室側バルブ6を開状態とするとともに、ベント側バルブ9を閉状態とすることにより、原料ガスを反応室2に供給し、当該原料ガスをガス噴出孔19を介して基板21上に均一に吹き付ける。これにより反応室内部16において原料ガスは基板ステージ用ヒータ24等で加熱され、基板21上で化学反応を起こさせる。
その後、熱CVD装置1では、所定のタイミングで反応室側バルブ6を閉状態とするとともに、ベント側バルブ9を開状態とすることにより、反応室内部16への原料ガスの供給を停止し、所望の膜厚でなる薄膜を形成する。
また、熱CVD装置1では、上述した薄膜を形成する薄膜形成動作をし終えると、所定時間経過後、再び反応室側バルブ6及びベント側バルブ9の開閉動作(すなわち薄膜形成動作)を行なうことにより、新たに所望の膜厚でなる薄膜を基板21上に形成するように構成されている。
このようにして熱CVD装置1では、安全かつ安価な有機シラン化合物を含有する原料溶液を気化した原料ガスを用いることとしたことにより、薄膜を安全かつ安価に形成することができる。
また、有機シラン化合物は、テトラエチルシラン、トリエチルシラン、ビニルトリメチルシラン、フェニルシラン、ジフェニルシラン、テトラメチルシランの中から選択されることとしたことにより、シリコン原子を90〜40atomic%、炭素原子を10〜60atomic%含む薄膜を形成することができる。
また、熱CVD装置1では、薄膜形成動作を複数回繰り返す成膜動作を行なうことにより、反応室2に原料ガスを間欠的に供給して所定の膜厚の薄膜を形成し、高密度及び高品質の薄膜を基板21上に形成し得るように構成されている。
CVD用気化器4において用いた気化機構40では、オリフィス管44内で有機シラン化合物を含有した原料溶液を微粒子状又は霧状にしてキャリアガス中に分散させ、熱で当該原料溶液全てを容易に気化させ易いようにし、またオリフィス管44において当該原料溶液の温度上昇を抑制し原料化合物、この場合有機シラン化合物が析出することもないので、オリフィス管44に供給された当該原料溶液全てを正確に気化でき、かくして反応室2内に原料ガスを確実に供給できる。
(2)第2の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図3において、薄膜形成装置としてのプラズマCVD装置100は、上述した第1の実施の形態とはCVD部101の構成が異なるものである。
実際上、このCVD部101は、反応室2にRF(RadioFrequency)プラズマ発生装置が設けられており、当該RFプラズマ発生装置によって反応室2内でプラズマを発生させ得るようになされている。
この場合、反応室2の上方にRF印加電極103が設けられており、RF印加電極103は、抵抗材料、例えばアルミニウム、ステンレス、グラファイトなどからなり、外部のノイズカットフィルタ104、制御装置106を介して同じく外部のRF電源105に電気的に接続されている。これによりプラズマCVD装置100では反応室2内にプラズマを発生させ、基板21上で化学反応を起こさせて薄膜を形成できるように構成されている。制御装置106は、図示しないが、周波数制御手段、電力制御手段とを備え、所望の周波数及び印加電力を有するプラズマを発生し得るように構成されている。周波数は、種々考えられるが、例えば、380kHz〜13.56MHzの範囲で制御し得る。
尚、本実施の形態では、基板21は、この基板ステージ用ヒータ24によって200〜1000℃の範囲に加熱されるのが好ましい。したがって、上述した第1の実施の形態に比べ低い温度で前記薄膜を形成することができる。
(3)第3の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図4において、薄膜形成装置としてのガスシャワー式熱CVD装置109は、上述した第1の実施の形態とはCVD部110の構成が異なるものである。
このCVD部110には、反応室内部16にシャワープレート111が設けられており、このシャワープレート111は、ガス導入口5からの原料ガスを受け入れる内部空間112を有し、下面に複数のガス噴出孔113が設けられている。また反応室本体15は、所定位置に扉部20を有し、この扉部20を介して反応室内部16から被薄膜形成対象物としての基板21を出し入れ可能に構成されている。
また反応室本体15には、還元性ガス供給口22が設けられており、当該還元性ガス供給口22を介して還元性ガスが反応室内部16に供給され得るようになされている。反応室内部16には、上部に設けられたシャワープレート111に対向して、下部に基板ステージ23及び基板ステージ23の内部に基板ステージ用ヒータ24が設けられている。
シャワープレート111は、内部空間112に供給された原料ガスをガス噴出孔113により拡散させ、基板ステージ23に載置された基板21上に原料ガスを均一に吹き付け得るようになされている。なお、25は還元性ガス供給路で、例えば還元性ガスとして水素(H)をシャワープレート111の内部空間18に供給し得るようになされている。
シャワープレート111の上面部には、シャワープレートヒータ26及び温度センサ27が設けられており、温度センサ27により検出した温度に基づき制御ユニット28を介してシャワープレートヒータ26を加熱制御し、反応室内部16等を所定の温度に加熱し得るように構成されている。なお、このシャワープレートヒータ26にはヒータ配線29が引き回され接続されている。
このようなガスシャワー式熱CVD装置109でも、CVD用気化器4を搭載していることから、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(4)第4の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図5において、120は薄膜形成装置としてのガスシャワー式プラズマCVD装置を示し、上述した第1の実施の形態とはCVD部121の構成が異なるものであり、プラズマ方式で、かつシャワープレート17を備えた構成を有する。
実際上、このCVD部121には、シャワープレート17の上部に絶縁材122を介してRF(Radio Frequency)電極123が形成され、その上部にシャワープレートヒータ26が設けられている。なお124はノイズカットフィルタであり、制御ユニット28にRF電圧が侵入するのを防止するためのものである。RF電極123はRF電源124に電気的に接続されている。このようなガスシャワー式プラズマCVD装置120でも、CVD用気化器4を搭載していることから、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。尚、本実施の形態では、基板21は、この基板ステージ用ヒータ24によって200〜1000℃の範囲に加熱されるのが好ましい。したがって、上述した第1の実施の形態に比べ低い温度で薄膜を形成することができる。
(5)第5の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図6において、125は薄膜形成装置としてのリール式熱CVD部126に上述したCVD用気化器4が設けられた構成を有する。
このリール式熱CVD装置125は、リール式熱CVD部126に、被薄膜形成対象物としての被成膜テープ127を水平方向へ走行させる走行装置128と、該走行装置128によって走行する被成膜テープ127を加熱するヒータ129とを備える。
因みに、このリール式熱CVD装置125は、ガス導入口5に対向して被成膜テープ127を走行させ得る走行装置128としての第1の巻取りローラ128a及び第2の巻取りローラ128bが配置されている。また、第1の巻取りローラ128aは、モータ128cに連結されており、該モータ128cの駆動力により被成膜テープ127を巻取り、水平方向Rに走行させる。
また、被成膜テープ127は種々のものが考えられるが、例えば、ポリイミド等の樹脂のほか、銀や銅等の金属でもよい。この被成膜テープ127は、反応室内部16を走行する被成膜テープ127の下側に配置されたヒータ129により加熱される。
また、ベント管81の途中にはトラップ34が設けられている。これによりブロックバルブ73から廃棄された原料ガスは、ベント管81を通過してトラップ34に導かれた後、当該トラップ34において排気ガス内の特定有害物質を除去し、排気用真空ポンプ12から排気され得るようになされている。
以上の構成により、リール式熱CVD装置125では、ヒータ129上を走行させることで被成膜テープ127を加熱すると共に、上部に設けられたガス導入口5から供給される原料ガスをヒータ129で加熱して、被成膜テープ127上で化学反応を起させる。このようにして、リール式熱CVD装置125は、被成膜テープ127上に連続的に薄膜を形成することができる。
また、リール式熱CVD装置125は、ヒータ129により走行する被成膜テープ127を加熱することとしたから、被成膜テープ127を高温にすることができると共に、被成膜テープ127の温度を精度良く設定することができるので、被成膜テープ127に所望の薄膜を効率的に形成することができる。
また、このようなリール式熱CVD装置125でも、本願発明のCVD用気化器4を搭載していることにより、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
因みに、走行装置128は、被成膜テープ127を逆方向Fに走行させるように構成してもよいことはもちろんである。
(6)第6の実施の形態
図7において、130は薄膜形成装置としてのローラ式プラズマCVD装置を示し、ローラ式CVD部131に上述したCVD用気化器4が複数設けられた構成を有する。
このローラ式プラズマCVD装置130は、ローラ式CVD部131に複数のプラズマ発生装置132a〜132eが設けられており、被成膜テープ133を正方向Fに走行させたり、或いは当該正方向Fとは逆方向Rに走行させる走行装置を備えることにより、各プラズマ発生装置132a〜132eにおいて薄膜を形成し得るようになされている。
実際上、このローラ式プラズマCVD装置130では、各プラズマ発生装置132a〜132e毎に本願発明のCVD用気化器4が設けられており、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
因みに、このローラ式プラズマCVD装置130は、反応室134内に成膜ローラ135を挟んで走行装置としての第1の巻き取りローラ136及び第2の巻き取りローラ137が配置されている。また、成膜ローラ135の一方側には第1の送りローラ138及び第1のテンションコントロールローラ139が配置されているとともに、成膜ローラ135の他方側には第2の送りローラ140及び第2のテンションコントロールローラ141が配置されている。なお、成膜ローラ135は、直径が例えば300〜20000mmと大径であり、幅が例えば2mである。
これによりローラ式プラズマCVD装置130では、第1の巻き取りローラ136から第1の送りローラ138、第1のテンションコントロールローラ139、成膜ローラ135、第2のテンションコントロールローラ141及び第2の送りローラ140を経由して第2の巻き取りローラ137に被薄膜形成対象物としての被成膜テープ133を走行させる走行経路が形成され、被成膜テープ133がその走行経路に沿って第1の巻き取りローラ136から第2の巻き取りローラ137に向かう方向(正方向F)に走行し得るとともに、その逆方向Rたる第2の巻き取りローラ137から第1の巻き取りローラ136に向かう方向に走行し得る。
この場合、各プラズマ発生装置132a〜132eは、成膜ローラ135上の各エリアに対応して設けられており、被成膜テープ133のそのエリア上に位置する部分にCVD用気化器4を動作させて薄膜を形成することができる。また、各プラズマ発生装置132a〜132e及びCVD用気化器4はそれぞれ個別に各種CVD条件を設定できるように制御され、形成する薄膜も個別に設定できるようにされており、個別に成膜動作をさせたり、成膜動作を停止させたりする制御も個別に行なえ得るように構成されている。
なお、それぞれ隣接するプラズマ発生装置132a〜132e間には原料ガスの干渉を防止するため仕切板145が配置されている。なお146は排気管、147は防着板、148はガスシャワー電極、149はRF電源である。本実施例では、成膜ローラ135がアースされ、ガスシャワー電極148がRF電源149の端子に接続されており、プラズマ発生装置132a〜132eの電位が高くなっている。
かくしてこのようなローラ式プラズマCVD装置130では、被成膜テープ133を正方向Fに走行させたり、或いは逆方向Rに走行させる動作を交互に繰り返し、薄膜を比較的効率的に形成できる。
(7)第7の実施の形態
図7との対応部分に同一符号を付して示す図8において、160は薄膜形成装置としてのローラ式プラズマCVD装置を示し、このローラ式プラズマCVD装置160は、上述した第6の実施の形態とは成膜ローラ135の電位が高くなっている点で相違する。すなわち、ローラ式プラズマCVD装置160では、1つのRF電源161の一端が成膜ローラ135に接続され、各プラズマ発生装置132a〜132eのガスシャワー電極148がアースされている点で異なる。このようなローラ式プラズマCVD装置160でも、本願発明のCVD用気化器4が設けられていることから、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(8)第8の実施の形態
図7との対応部分に同一符号を付して示す図9において、170は薄膜形成装置としてのローラ式熱CVD装置を示し、このローラ式熱CVD装置170は、上述した第6の実施の形態とはプラズマ発生装置132a〜132eに替えて加熱電極171a〜171eが設けられている点で相違する。このようなローラ式熱CVD装置170でも、各加熱電極171a〜171e毎に本願発明のCVD用気化器4が設けられていることから、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(9)他の実施の形態
なお本願発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、接続管60aに設けられた原料溶液供給機構から有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給するようにした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、原料溶液として炭化水素を加えてもよい。すなわち、接続管60b〜60dのいずれかに炭化水素供給機構を設け、接続管60aに設けられた原料溶液供給機構から有機シラン化合物を含有した原料溶液を供給すると共に、接続管60b〜60dのいずれかから炭化水素を同時に又は時間を空けて順次気化機構に供給して、有機シラン化合物と炭化水素とを混合し、当該原料溶液を気化して原料ガスを生成することとしてもよい。このように構成することにより、CVD装置では、原料ガスに含まれる炭素原子の量を増やすことができるので、薄膜の組成比を、シリコン原子が90〜5atomic%、炭素原子が10〜95atomic%とすることもできる。従って、本発明に係るCVD装置では、形成される薄膜の組成比を種々選択して薄膜を形成することができる。
また、上記したCVD装置では、シリコンと炭素とを含む薄膜を形成することにより、容量密度の高いリチウムイオン電池の負極材料を形成することができる。図10に示すように、リチウムイオン電池200は、有底筒状の負極缶201の内部に、被膜状の正極用滑動物質を有する正極材202と、被膜状の負極用活物質を有する負極材203とが用いられて形成された巻回電極体が挿入されると共に、非水電解液が充填され、この状態で負極缶の開口部に正極キャップ204が嵌合されて構成される。この負極材203にシリコンと炭素とを含む薄膜を形成することにより、リチウムイオン電池の容量密度を向上させることができる。
また、上記したCVD装置では、シリコンと炭素とを含む薄膜を太陽電池用発電層に形成することにより、太陽電池のパフォーマンスを向上することができる。図11に示すように、太陽電池210は、反射防止膜211、p型層212、発電層213、n型層214、裏面電極215が基板216上に積層されてなり、該発電層213にシリコンと炭素とを含む薄膜が形成されている。これにより、太陽電池210は、発電層213のエネルギーギャップを大きくすることができる。このように構成された太陽電池210では、光に対応したエネルギーギャップを持つ発電層213を形成することにより、短波長域の光のエネルギーを効率よく利用することができる。例えば、太陽電池は、光の入射側からエネルギーギャップの大きい順に素子を複数積層することにより、短波長の光を入射側に近い素子で発電し、長波長の光を入射側から遠い素子で発電することができる。従って、シリコンと炭素とを含む薄膜は、上記のように太陽電池に採用されることにより、各波長域の光を効率的に利用して発電をさせることができるので、太陽電池の効率を向上することができる。
また、上記したCVD装置では、シリコンと炭素とを含む薄膜を薄膜トランジスタ用チャネル層に形成することにより、薄膜トランジスタのパフォーマンスを向上ことができる。図12に示すように、薄膜トランジスタ220は、半導体221の表面上にソース電極222、ドレイン電極223、絶縁膜224、ゲート電極225が形成されてなり、チャネル層226にシリコンと炭素とを含む薄膜が形成されている。これによりシリコンと炭素とを含む薄膜は、チャネル層226のエネルギーギャップを大きくすることができるので、薄膜トランジスタ220のリーク電流を減少させることができる。
また、本発明のCVD装置で形成される薄膜は、薄膜形成温度を高温化、RF印加電力を高密度化して形成し、薄膜形成後において、高温でアニール処理を施すことにより、結晶性を改善することができる。従って、本発明のCVD装置では、グレンサイズの大きいシリコン膜や、結晶粒径の大きいSiC結晶、ダイヤモンド結晶を形成することができる。
(10)実施例
有機シラン化合物を用いて、プラズマCVD法により、シリコンと炭素の薄膜を形成した。有機シラン化合物は、トリメチルビニルシラン(以下TMVS、融点≦0℃、沸点55〜57℃)、テトラエチルシラン(以下4ES、融点≦0℃、沸点154〜155℃)、トリエチルシラン(以下3ES、沸点107〜108℃)、フェニルシラン(以下PhS、沸点119〜121℃)、テトラメチルシラン(以下4MS、融点≦0℃、沸点26.7℃)を用い、その構造式を化1〜5に示す。
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
また、表1〜6は、プラズマCVD法により薄膜を形成したときの、有機シラン化合物の種類、プラズマの周波数及びRF印加電力など、各試料における成膜条件を示したものである。尚、下記表においてTSとはRF電極と基板との距離である。
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
Figure 2007308774
表7に、上記条件に基づいて形成された薄膜の組成をオージェ電子分光分析(AES)
を用いて評価した結果を示す。
Figure 2007308774
この表7から明らかなように、有機シラン化合物の種類、及びプラズマの周波数により、シリコン原子を90〜40atomic%、炭素原子を10〜60atomic%含む薄膜を形成することができることが分かった。すなわち、有機シラン化合物の種類を変えることにより、薄膜におけるシリコン原子の組成比を90〜40atomic%の範囲で変更し得ることが分かった。尚、シリコン原子の組成比を40atomic%以下に下げるには、種々の方法が考えられるが、例えば、原料溶液に炭化水素を加え、炭素の組成比を増加させることにより、シリコン原子の組成比を下げる方法が考えられる。また、薄膜の堆積速度は、100nm/min程度であった。さらに、膜表面は、鏡面状態のものが多く得られた。
次に、上記表3に示す試料6を用いて、AES(オージェ電子分光分析)を行った結果を図13、図14に示す。図13は、薄膜組成の定性分析を行なった結果を示し、薄膜が炭素、シリコン、酸素から構成されている事が分かる。図14は、スパッタしながら薄膜の深さ方向に元素分析を行った分析結果である。因みに、図14の横軸は、スパッタ時間(単位:分)、縦軸は、組成比(単位:atomic%)を示す。この図から、薄膜が、シリコンと炭素をそれぞれ約70atomic%(図中A)、約30atomic%(図中B)含んでいること、及びシリコンと炭素の組成比が薄膜の深さ方向に対して安定していること、酸素は薄膜表面近傍にのみ存在することが分かった(図中C)。
以上のように、本実施の形態におけるCVD装置では、有機シラン化合物を原料として、シリコンと炭素の薄膜を形成することができると共に、薄膜に含まれるシリコン原子量を制御でき、さらに深さ方向に対して安定した組成からなる薄膜を形成できることが分かった。
第1の実施の形態による熱CVD装置の全体構成を示す概略図である。 CVD用気化器の詳細構成を示す概略図である。 第2の実施の形態によるプラズマCVD装置の全体構成を示す概略図である。 第3の実施の形態によるガスシャワー式熱CVD装置の全体構成を示す概略図である。 第4の実施の形態によるガスシャワー式プラズマCVD装置の全体構成を示す概略図である。 第5の実施の形態によるリール式熱CVD装置の全体構成を示す概略図である。 第6の実施の形態によるローラ式プラズマCVD装置の全体構成を示す概略図である。 第8の実施の形態によるローラ式プラズマCVD装置の全体構成を示す概略図である。 第10の実施の形態によるローラ式熱CVD装置の全体構成を示す概略図である。 リチウムイオン電池の構成を示す図である。 太陽電池の構成を示す図である。 薄膜トランジスタの構成を示す図である。 AES定性分析結果を示す図である。 AES分析による薄膜の深さ方向の定量分析を行った結果を示す図である。
符号の説明
1 熱CVD装置(薄膜形成装置)
2 反応室
3 CVD部
4 CVD用気化器(原料ガス供給手段)
21 基板(被薄膜形成対象物)
41 原料溶液供給機構(原料ガス供給手段)
42 キャリアガス流路
43 キャリアガス供給管
44 オリフィス管
45 気化部
60a〜60e 接続管
62 ヒータ(加熱手段)
71 原料溶液流路
72 ブロックバルブ(流量調節手段)
78 溶媒流路
103 RF印加電極(プラズマ発生装置)
105 RF電源(プラズマ発生装置)
106 制御装置(周波数制御手段、電力制御手段)
127 被成膜テープ
128 走行装置

Claims (16)

  1. 反応室内に載置された被薄膜形成対象物上にシリコンと炭素とを含む薄膜を形成する薄膜形成装置において、
    有機シラン化合物を含有する原料ガスを前記反応室へ供給する原料ガス供給手段と、
    前記反応室内において、CVD法によって前記被薄膜形成対象物上に前記薄膜を形成するCVD部とを備える
    ことを特徴とする薄膜形成装置。
  2. 前記原料ガス供給手段は、
    炭化水素を供給する炭化水素供給機構を備え、
    前記有機シラン化合物と前記炭化水素を含有する原料ガスを用い、
    所望のシリコン原子と炭素原子の組成比からなる前記薄膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜形成装置。
  3. 前記原料ガス供給手段は、
    前記原料ガスを、キャリアガスと共に前記反応室に供給するCVD用気化器を備え、
    前記CVD用気化器は、
    流入口から流出口に向けてキャリアガスが流れるキャリアガス流路と、
    前記キャリアガス流路に前記有機シラン化合物を含有する原料溶液を供給する原料溶液流路と、
    前記キャリアガス流路の流出口に設けられ、前記原料溶液流路から供給された前記原料溶液を気化する気化部とを備え、
    前記キャリアガス流路は、
    前記キャリアガスが供給されるキャリアガス供給管と、
    該キャリアガス供給管から前記キャリアガスが供給され、前記原料溶液を微粒子状又は霧状にしてキャリアガス中に分散させて前記気化部に供給するオリフィス管とを備え、
    前記気化部は、前記キャリアガス中に分散させた前記原料溶液を加熱して気化する加熱手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜形成装置。
  4. 前記反応室内にプラズマを印加するプラズマ発生装置を備え、
    前記プラズマ発生装置は、前記プラズマの周波数を制御する周波数制御手段を有し、
    前記原料ガスを励起するプラズマの周波数を制御することにより、所望のシリコン及び炭素の組成からなる前記薄膜を形成することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の薄膜形成装置。
  5. 前記プラズマ発生装置は、
    印加電力を制御する電力制御手段と、
    前記反応室内の温度を制御する温度制御手段とを備え、
    前記印加電力と、前記反応室内の温度を制御することにより、所望の結晶性を有する薄膜を形成する
    ことを特徴とする請求項4に記載の薄膜形成装置。
  6. 前記被薄膜形成対象物が被成膜テープでなり、
    前記反応室内に、前記被成膜テープを正方向及び逆方向に走行させる走行装置を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に薄膜形成装置。
  7. 反応室内に載置された被薄膜形成対象物上にシリコンと炭素とを含む薄膜を形成する薄膜形成方法において、
    有機シラン化合物を含有する原料ガスを前記反応室内へ供給する原料ガス供給ステップと、
    前記反応室内においてCVD法によって前記被薄膜形成対象物上に前記薄膜を形成する薄膜形成ステップとを備える
    ことを特徴とする薄膜形成方法。
  8. 前記原料ガス供給ステップは、
    前記有機シラン化合物の種類を選択する選択ステップを備え、
    前記薄膜のシリコン原子と炭素原子の組成比を変化させることを特徴とする請求項7記載の薄膜形成方法。
  9. 前記原料ガス供給ステップは、
    炭化水素を供給する炭化水素供給ステップを備え、
    所望の組成比からなる薄膜を形成することを特徴とする請求項7又は8記載の薄膜形成方法。
  10. 前記原料ガス供給ステップは、
    キャリアガス流路の流入口から流出口に向けてキャリアガスを流すことにより、前記反応室にキャリアガスを供給するキャリアガス供給ステップと、
    前記キャリアガス流路に前記有機シラン化合物を含有する原料溶液を供給する原料溶液供給ステップと、
    前記原料溶液を、前記キャリアガス流路で微粒子状又は霧状にしてキャリアガス中に分散させて、前記キャリアガス流路の流出口に設けられた気化部に供給する気化部供給ステップと、
    前記気化部で前記原料溶液を前記気化室の加熱手段により加熱して気化する気化ステップとを備えた
    ことを特徴とする請求項7〜9のうちいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  11. 前記反応室内にプラズマを印加するプラズマ発生ステップと、
    前記プラズマの周波数を制御する周波数制御ステップとを備え、
    前記原料ガスを励起するプラズマの周波数を制御することにより、所望のシリコン及び炭素の組成からなる前記薄膜を形成することを特徴とする請求項7〜10のうちいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
  12. 前記プラズマを印加する印加電力を制御する電力制御ステップと、
    前記反応室内の温度を制御する温度制御ステップとを備え、
    前記印加電力と、前記反応室内の温度を制御することにより、所望の結晶性を有する薄膜を形成する
    ことを特徴とする請求項11記載の薄膜形成方法。
  13. 前記反応室内において、前記被薄膜形成対象物としての被成膜テープを正方向及び逆方向に走行させる走行ステップを備える
    ことを特徴とする請求項7〜12のうちいずれか1項に薄膜形成装置。
  14. 有機シラン化合物を含有した原料ガスを用い、CVD法によって被薄膜形成対象物上に形成されたシリコンと炭素とを含む薄膜を有することを特徴とするリチウムイオン電池用負極材料。
  15. 有機シラン化合物を含有した原料ガスを用い、CVD法によって被薄膜形成対象物上に形成されたシリコンと炭素とを含む薄膜を有することを特徴とする薄膜トランジスタ用チャネル層。
  16. 有機シラン化合物を含有した原料ガスを用い、CVD法によって被薄膜形成対象物上に形成されたシリコンと炭素とを含む薄膜を有することを特徴とする太陽電池用発電層。
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