JP2007281049A - 積層素子、圧電素子、及びインクジェット式記録ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電素子において、成膜中及び/又は成膜後に圧電膜にかかる応力を効果的に緩和する。
【解決手段】圧電素子1は、基板10上に下部電極30と圧電膜40と上部電極50とが順次積層されてなり、基板10と圧電膜40との間に、基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体21からなる柱状構造膜20を備えたものである。柱状構造膜20は、成膜中及び/又は成膜後の圧電膜40にかかる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。電極とは別に柱状構造膜20を設ける代わりに、下部電極30を柱状構造膜構造としてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】圧電素子1は、基板10上に下部電極30と圧電膜40と上部電極50とが順次積層されてなり、基板10と圧電膜40との間に、基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体21からなる柱状構造膜20を備えたものである。柱状構造膜20は、成膜中及び/又は成膜後の圧電膜40にかかる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。電極とは別に柱状構造膜20を設ける代わりに、下部電極30を柱状構造膜構造としてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、応力緩和層を備えた積層素子、インクジェット式記録ヘッド等に用いられる圧電素子、及びインクジェット式記録ヘッドに関するものである。
電界印加強度の増減に伴って伸縮する圧電性を有する圧電膜と、圧電膜に対して電界を印加する電極とを備えた圧電素子が、インクジェット式記録ヘッドに搭載されるアクチュエータ等として使用されている。圧電材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等のペロブスカイト型複合酸化物が知られている。
圧電素子においては、基板材料と圧電膜材料との熱膨張係数差が大きい場合、成膜又は成膜後のアニール等の工程において圧電膜に応力がかかって、圧電膜に微小なクラックが発生したり、圧電膜が基板から剥離する恐れがある。また、クラックや剥離が発生しなくても、基板と圧電膜との密着性が低くなる恐れがある。基板と圧電膜との密着性が低いと、インクジェット式記録ヘッドなどの用途では、長期駆動後にクラックや剥離が発生する恐れがあり、好ましくない。
上記問題は、エアロゾルデポジション法等により比較的厚い圧電膜を成膜する場合に起こりやすいと考えられる。これは、厚い圧電膜では、圧電膜にかかる応力に圧電膜が柔軟に追随することができないためと考えられる。
かかる問題を解決するために、特許文献1には、基板と圧電膜との間に、圧電膜材料よりもヤング率の小さな材料からなる応力緩和層、若しくは圧電膜材料とは熱膨張係数の異なる材料からなる応力緩和層を設けることが提案されている。
特許文献2には、基板と圧電膜との間に、多孔質又は非晶質の金属酸化膜からなる応力緩和層を設けることが提案されている。
特開2004-128492号公報
特開平11-204849号公報
特許文献2には、基板と圧電膜との間に、多孔質又は非晶質の金属酸化膜からなる応力緩和層を設けることが提案されている。
特許文献1に記載の応力緩和層では、圧電膜の組成や圧電膜材料の熱膨張係数等の特性に応じて、応力緩和層の組成等を設計する必要があり、圧電膜の組成等の設計変更に対して柔軟な対応ができない。
特許文献2には、多孔質又は非晶質の金属酸化膜からなる応力緩和層について詳細な記載がなされていない。特許文献2の段落0022に、応力緩和層が「緻密な膜に生じた応力を打ち消す又は吸収する多孔質または非晶質の膜」であることが記載され、MgO等の材料が例示されている程度である。特許文献2には、上記応力緩和層の応力緩和メカニズム等については記載されておらず、どのような応力緩和層を形成すれば、応力緩和効果が効果的に得られるのかなど、不明である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、成膜中及び/又は成膜後に圧電膜にかかる応力を効果的に緩和することができ、しかも圧電膜の組成等の設計変更にも柔軟に対応することが可能な圧電素子を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、上記圧電素子を備えたインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、上記圧電素子を備えたインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することを目的とするものである。
本発明はまた、圧電素子に限らず、応力を緩和したい膜にかかる応力を効果的に緩和することができ、しかも応力緩和対象の膜の組成等の設計変更にも柔軟に対応することが可能な積層素子を提供することを目的とするものである。
本発明の積層素子は、基板上に、該基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜と、非柱状構造膜とが順次積層されてなり、
前記柱状構造膜が、成膜中及び/又は成膜後の前記非柱状構造膜にかかる応力を緩和する応力緩和層であることを特徴とするものである。
前記柱状構造膜が、成膜中及び/又は成膜後の前記非柱状構造膜にかかる応力を緩和する応力緩和層であることを特徴とするものである。
本発明の積層素子において、応力緩和層である柱状構造膜と応力緩和対象である非柱状構造膜との間には、他の層が介在してもよい。
本発明の積層素子は、前記基板の構成材料の熱膨張係数と前記非柱状構造膜の構成材料の熱膨張係数との差が4.0×10−6/℃以上である場合に有効である。
本明細書において、「基板の構成材料の熱膨張係数」は、基板の構成材料からなるバルク体について測定される一般的な熱膨張係数を意味するものとする。同様に、「非柱状構造膜の構成材料の熱膨張係数」は、非柱状構造膜の構成材料からなるバルク体について測定される一般的な熱膨張係数を意味するものとする。なお、薄膜自体の熱膨張係数は正確な測定が困難であるため、本発明の積層素子では、バルク材料の熱膨張係数でもって、基板と非柱状構造膜との熱膨張係数差を規定してある。
圧力pが一定(Δp=0)の条件下で温度Tを変化させると、バルク体の体積Vは変化する。温度が微少量ΔTだけ増加したときの体積変化分ΔVは、ΔV/V(ここで、Vはもとの体積)に比例し、ある材料からなるバルク体の熱膨張係数αは、一般に下記式で表される。
Δp=0の条件下で、α=(ΔV/V)/ΔT
圧力pが一定(Δp=0)の条件下で温度Tを変化させると、バルク体の体積Vは変化する。温度が微少量ΔTだけ増加したときの体積変化分ΔVは、ΔV/V(ここで、Vはもとの体積)に比例し、ある材料からなるバルク体の熱膨張係数αは、一般に下記式で表される。
Δp=0の条件下で、α=(ΔV/V)/ΔT
本発明の第1の圧電素子は、基板上に下部電極と圧電膜と上部電極とが順次積層されてなり、前記下部電極と前記上部電極とにより前記圧電膜に対して電界が印加される圧電素子において、
前記基板と前記圧電膜との間に、前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を備えたことを特徴とするものである。
前記基板と前記圧電膜との間に、前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を備えたことを特徴とするものである。
本発明の第2の圧電素子は、基板上に下部電極と圧電膜と上部電極とが順次積層されてなり、前記下部電極と前記上部電極とにより前記圧電膜に対して電界が印加される圧電素子において、
前記下部電極が、前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であることを特徴とするものである。
前記下部電極が、前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であることを特徴とするものである。
本発明の第1、第2の圧電素子において、前記柱状構造膜は、成膜中及び/又は成膜後の前記圧電膜にかかる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。
前記柱状構造膜をなす前記多数の柱状体の平均柱径は20〜200nmであることが好ましい。
本明細書において、「多数の柱状体の平均柱径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面写真を撮像して任意の10個の柱状体の径を求め、これらの平均値により求めるものとする。
本明細書において、「多数の柱状体の平均柱径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて断面写真を撮像して任意の10個の柱状体の径を求め、これらの平均値により求めるものとする。
前記柱状構造膜には、前記多数の柱状体の間に、該柱状体と略同方向に延びる空孔が形成されていることが好ましい。
前記柱状構造膜をなす前記多数の柱状体は、前記基板面に対して斜め方向に延びていることが好ましい。
前記柱状構造膜をなす前記多数の柱状体は、前記基板面に対して斜め方向に延びていることが好ましい。
前記圧電膜の組成は特に制限なく、下記一般式で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物を主成分とするものが挙げられる。
一般式ABO3
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,Nb,La,Li,Sr,Bi,Na,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Cd,Fe,Ti,Ta,Mg,Mo,Ni,Nb,Zr,Zn,W,及びYbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素原子)
本明細書において、「主成分」は含量90質量%以上の成分と定義する。
前記圧電膜は、上記一般式で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物を95質量%以上含むものであることが好ましく、99質量%以上含むものであることが特に好ましい。
一般式ABO3
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,Nb,La,Li,Sr,Bi,Na,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Cd,Fe,Ti,Ta,Mg,Mo,Ni,Nb,Zr,Zn,W,及びYbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素原子)
本明細書において、「主成分」は含量90質量%以上の成分と定義する。
前記圧電膜は、上記一般式で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物を95質量%以上含むものであることが好ましく、99質量%以上含むものであることが特に好ましい。
本発明のインクジェット式記録ヘッドは、上記の本発明の第1又は第2の圧電素子と、インクが貯留されるインク室及び該インク室から外部に前記インクが吐出されるインク吐出口を有するインク貯留吐出部材とを備えたことを特徴とするものである。
本発明のインクジェット式記録装置は、上記の本発明のインクジェット式記録ヘッドを備えたことを特徴とするものである。
本発明の積層素子では、応力緩和層として、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を設け、その上に応力緩和対象である非柱状構造膜を設ける構成としている。
かかる構成では、柱状構造膜からなる応力緩和層の存在によって、成膜中及び/又は成膜後に応力緩和対象である非柱状構造膜にかかる応力を効果的に緩和することができる。この効果は応力緩和対象である非柱状構造膜の組成や膜材料の熱膨張係数等の特性に関係なく得られるので、応力緩和対象である非柱状構造膜の組成等の設計変更に応じて、応力緩和層の組成等を設計する必要がない。したがって、本発明の素子構造では、応力緩和対象である非柱状構造膜の組成等の設計変更に柔軟に対応することができる。
本発明の積層素子は、圧電素子等に好ましく適用することができる。
本発明の積層素子は、圧電素子等に好ましく適用することができる。
本発明の圧電素子は、基板と圧電膜との間に、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を設ける構成としている。かかる構成では、柱状構造膜が応力緩和層として機能することができる。本発明によれば、成膜中及び/又は成膜後に圧電膜にかかる応力を効果的に緩和することができ、しかも圧電膜の組成等の設計変更にも柔軟に対応することが可能な圧電素子を提供することができる。
「圧電素子の第1実施形態、インクジェット式記録ヘッド」
図1を参照して、本発明に係る圧電素子(積層素子)の第1実施形態、及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッドの構造について説明する。図1(a)はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向断面図)であり、図1(b)は部分拡大断面図である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
図1を参照して、本発明に係る圧電素子(積層素子)の第1実施形態、及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッドの構造について説明する。図1(a)はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向断面図)であり、図1(b)は部分拡大断面図である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
本実施形態の圧電素子(積層素子)1は、基板10上に、基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体21からなる柱状構造膜20(柱状体21については図1(b)を参照)が形成され、その上に下部電極30と圧電膜(応力緩和対象である非柱状構造膜)40と上部電極50とが順次積層された素子である。圧電膜40は圧電性を有する無機化合物からなり、下部電極30と上部電極50とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。
基板10としては特に制限なく、シリコン、ガラス、ステンレス(SUS)、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、アルミナ、サファイヤ、シリコンカーバイド等の基板が挙げられる。基板10としては、シリコン基板の表面にSiO2酸化膜が形成されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
基板10上の略全面に、柱状構造膜20が形成されている。本実施形態において、柱状構造膜20は斜方蒸着法により成膜された膜であり、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21は、基板10の基板面に対して斜め方向に延びている。また、柱状構造膜20には、多数の柱状体21の間に、柱状体21と略同方向に延びる多数の空孔22が形成されている。空孔22の形状は特に制限なく、三角柱状等の角柱状や、円柱状、及び楕円柱状等が挙げられる。図には柱状体21と空孔22とを模式的に示してある。
柱状構造膜20の材料は特に制限なく、上記膜構造が得られる任意の材料が使用できる。柱状構造膜20の材料としては、Ti、Zr、Ta、La、Ni、Al、Ir、Ru、及びPt等の金属の酸化物又は窒化物又は酸窒化物、あるいはこれらの複合酸化物、複合窒化物等が挙げられる。
柱状構造膜20は、結晶性を有しても有していなくてもよい。
柱状構造膜20は、結晶性を有しても有していなくてもよい。
本実施形態では、上記膜構造の柱状構造膜20が、基板材料と圧電膜材料との熱膨張係数差等に起因して、成膜中及び/又は成膜後の圧電膜40にかかる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。
柱状構造膜20においては、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21同士の結合力が比較的弱く、部分的に応力がかかると、その部分にある複数の柱状体21が互いに滑り合って、応力を吸収緩和すると考えられる。なお、多数の柱状体21同士の結合力が比較的弱いとは言っても、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21は、全体的にある程度の結合力で結合しているので、応力がかかっても、柱状構造膜20自体の全体的な膜構造は維持される。
特に、多数の柱状体21の間に、柱状体21と略同方向に延びる空孔22が形成されていると、柱状体21同士の動きがより滑らかに起こり、応力緩和効果がより効果的に発現する。また、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21を、基板10の基板面に対して斜め方向に成長させると、多数の柱状体21の間に、柱状体21と略同方向に延びる空孔22が形成されやすくなり、応力緩和効果が効果的に発現する。
上記のように、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21が、基板10の基板面に対して斜め方向に成長し、多数の柱状体21の間に、柱状体21と略同方向に延びる空孔22が形成されることが特に好ましいが、柱状構造膜20は基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体21からなる膜構造を有するものであれば、応力緩和効果が得られる。したがって、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21は、基板10の基板面に対して垂直方向に成長していても構わない。また、空孔22はなくても構わない。
柱状構造膜20をなす多数の柱状体21の平均柱径は特に制限なく、20〜200nmが好ましい。柱状体21の平均柱径が過小では、柱状構造膜20の膜構造が連続膜と変わらなくなって、応力緩和効果が充分に発現しなくなり、過大では柱状構造膜20の表面凹凸が大きくなったり、柱状構造膜20自身にクラックが生じたりする恐れがある。
柱状体21の成長方向は特に制限なく、基板10の基板面の法線方向から0°以上90°未満の角度方向であることが好ましく、5°以上45°以下の角度方向であることが特に好ましい。
空孔22の平均径は特に制限なく、過大では柱状構造膜20の表面凹凸が大きくなるため、柱状構造膜20の膜厚以下であることが好ましい。
柱状構造膜20の厚みは特に制限なく、過小では柱状構造膜20による応力緩和効果が充分に発現せず、過大では柱状構造膜20の表面凹凸が大きくなったり、柱状構造膜20自身にクラックが生じたりする恐れがあるので、0.1〜5.0μmであることが好ましい。
柱状構造膜20が形成された基板10上の略全面に下部電極30が形成されており、この下部電極30上に図示手前側から奥側に延びるライン状の凸部41がストライプ状に配列したパターンの圧電膜40が形成され、各凸部41の上に上部電極50が形成されている。下部電極30と上部電極50の厚みは特に制限なく、例えば200nm程度である。本実施形態において、下部電極30、圧電膜40、及び上部電極50は、非柱状構造膜である。
下部電極30の主成分としては特に制限なく、Pt、Ir、IrO2、RuO2、LaNiO3、及びSrRuO3等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。
上部電極50の主成分としては特に制限なく、下部電極30で例示した材料、Al、Ta、Cr、Cu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。
圧電膜40のパターンは図示するものに限定されず、適宜設計される。また、圧電膜40は連続膜でも構わない。但し、圧電膜40は、連続膜ではなく、互いに分離した複数の凸部41からなるパターンで形成することで、個々の凸部41の伸縮がスムーズに起こるので、より大きな変位量が得られ、好ましい。
圧電膜40は、スパッタ法,MOCVD法,及びパルスレーザデポジッション法等の気相法、あるいはゾルゲル法及び有機金属分解法等の化学溶液堆積法(CSD)、あるいはエアロゾルデポジション法等の公知の薄膜形成方法により、成膜できる。圧電膜40には、成膜後に必要に応じてアニール処理が施される。
圧電膜40の組成は特に制限なく、下記一般式で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物を主成分とするものが挙げられる。
一般式ABO3
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,Nb,La,Li,Sr,Bi,Na,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Cd,Fe,Ti,Ta,Mg,Mo,Ni,Nb,Zr,Zn,W,及びYbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素原子)
一般式ABO3
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,Nb,La,Li,Sr,Bi,Na,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Cd,Fe,Ti,Ta,Mg,Mo,Ni,Nb,Zr,Zn,W,及びYbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素原子)
上記一般式で表されるペロブスカイト型酸化物としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(例えばPb(Zr0.52Ti0.48)O3)、PNN−PZT(一般式Pb(Ni,Nb)O3−PbZrO3−PbTiO3で表される3成分系チタン酸ジルコン酸鉛)等が挙げられる。例示したペロブスカイト型酸化物はいずれも、電界無印加時において自発分極性を有する強誘電体である。
圧電膜40は、上記一般式で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物を90質量%以上含むものであることが好ましく、95質量%以上含むものであることがより好ましく、99質量%以上含むものであることが特に好ましい。
圧電膜40の膜厚は特に制限なく、通常1μm以上である。
「背景技術」の項において、従来の圧電素子では、基板材料と圧電膜材料との熱膨張係数差が大きい場合、成膜又は成膜後のアニール等の工程において圧電膜に応力がかかって、圧電膜に微小なクラックが発生したり、圧電膜が基板から剥離したり、あるいは基板と圧電膜との密着性が低くなる恐れがあることを述べた。また、これらの問題はエアロゾルデポジション法等により比較的厚い圧電膜を成膜する場合に起こりやすいことを述べた。
本実施形態では、柱状構造膜20が応力緩和層として機能するので、エアロゾルデポジション法等により比較的厚い圧電膜40を成膜する場合にも、柱状構造膜20によって成膜中及び/又は成膜後の圧電膜40にかかる応力を緩和することができ、圧電膜40に微小なクラックが発生することを抑制することができる。
すなわち、本実施形態は、圧電膜40の厚みが比較的厚い場合に有効である。具体的には、本実施形態は、圧電膜40の厚みが2.0〜30.0μmと比較的厚い場合に有効である。また、本実施形態は、圧電膜40が比較的厚くなるエアロゾルデポジション法等により成膜する場合に有効である。
本発明者は、上記従来の問題は、具体的には基板材料と圧電膜材料との熱膨張係数差が4.0×10−6/℃以上の場合に、顕著に起こることを見出している。本実施形態では、基板材料と圧電膜料との熱膨張係数差が大きい場合にも、柱状構造膜20によって成膜中及び/又は成膜後の圧電膜40にかかる応力を緩和することができ、クラックの発生、及び圧電膜40の基板10から剥離を抑制することができる。本実施形態では、基板10と圧電膜40との密着性の低下も抑制することができるので、長期駆動後のクラックや剥離の発生も抑制することができる。したがって、本実施形態の圧電素子1は、長期信頼性にも優れたものとなる。
すなわち、本実施形態は、基板材料と圧電膜材料との熱膨張係数差が大きい場合、具体的には基板材料と圧電膜材料との熱膨張係数差が4.0×10−6/℃以上の場合に、有効である。
例えば、Siの熱膨張係数は4.0×10−6/℃であり、PZTの熱膨張係数は7.0〜9.0×10−6/℃、PNN−PZTの熱膨張係数は10.0×10−6/℃である。したがって、本実施形態は、基板10としてSi基板を用い、PNN−PZT膜からなる圧電膜40を成膜する場合などに有効である。
インクジェット式記録ヘッド2は、概略、上記構成の圧電素子1の基板10の下面に、振動板60を介して、インクが貯留されるインク室71及びインク室71から外部にインクが吐出されるインク吐出口72を有するインクノズル(インク貯留吐出部材)70が取り付けられたものである。インク室71は、圧電膜40の凸部41の数及びパターンに対応して、複数設けられている。
インクジェット式記録ヘッド2では、圧電素子1の凸部41に印加する電界強度を凸部41ごとに増減させてこれを伸縮させ、これによってインク室71からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
インクジェット式記録ヘッド2では、基板10とは独立した部材の振動板60及びインクノズル70を取り付ける代わりに、基板10の一部を振動板60及びインクノズル70に加工してもよい。例えば、基板10がSOI基板等の積層基板からなる場合には、基板10を下面側からエッチングしてインク室71を形成し、基板自体の加工により振動板60とインクノズル70とを形成することができる。
本実施形態の圧電素子1及びインクジェット式記録ヘッド2は、以上のように構成されている。
本実施形態の圧電素子(積層素子)1では、応力緩和層として、基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体21からなる柱状構造膜20を設け、その上に応力緩和対象である圧電膜(非柱状構造膜)40を設ける構成としている。
かかる構成では、柱状構造膜20からなる応力緩和層の存在によって、成膜中及び/又は成膜後に圧電膜40にかかる応力を効果的に緩和することができる。この効果は圧電膜40の組成や膜材料の熱膨張係数等の特性に関係なく得られるので、圧電膜40の組成等の設計変更に応じて、応力緩和層である柱状構造膜20の組成等を設計する必要がない。したがって、本実施形態の素子構造では、圧電膜40の組成等の設計変更にも柔軟に対応することができる。
また、本実施形態においては、柱状構造膜20をなす多数の柱状体21同士の結合力が比較的弱く、部分的に応力がかかると、その部分にある複数の柱状体21が互いに滑り合うため、柱状構造膜20の存在によって、圧電膜40に電界を印加した際の圧電膜40の伸縮がよりスムーズに起こり、圧電性がより効果的に発現することも期待される。
「圧電素子の第2実施形態」
図2を参照して、本発明に係る圧電素子(積層素子)の第2実施形態及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッドの構造について説明する。図2(a)は第1実施形態の図1(a)に対応する要部断面図、図2(b)は部分拡大断面図である。第1実施形態と同じ構成要素については、同じ参照符号を付して説明は省略する。
図2を参照して、本発明に係る圧電素子(積層素子)の第2実施形態及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッドの構造について説明する。図2(a)は第1実施形態の図1(a)に対応する要部断面図、図2(b)は部分拡大断面図である。第1実施形態と同じ構成要素については、同じ参照符号を付して説明は省略する。
本実施形態の圧電素子(積層素子)3は、第1実施形態と同様に、基板10上に下部電極31と圧電膜(非柱状構造膜)40と上部電極50とが順次積層された素子である。本実施形態のインクジェット式記録ヘッド4は、この圧電素子3にインク貯留吐出部材70が取り付けられたものである。
本実施形態の圧電素子3には柱状構造膜20はなく、下部電極31が基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体32からなる柱状構造膜(柱状体32については図2(b)を参照)となっている。
下部電極31は第1実施形態の柱状構造膜20と同様の膜構造を有している。すなわち、下部電極31は斜方蒸着法により成膜された膜であり、下部電極31をなす多数の柱状体32は、基板10の基板面に対して斜め方向に延びている。また、下部電極32には、多数の柱状体32の間に、柱状体32と略同方向に延びる多数の空孔33が形成されている。空孔33の形状は特に制限なく、三角柱状等の角柱状や、円柱状、及び楕円柱状等が挙げられる。図には柱状体32と空孔33とを模式的に示してある。
本実施形態では、下部電極31が成膜中及び/又は成膜後の圧電膜40にかかる応力を緩和する応力緩和層として機能することができる。第1実施形態の柱状構造膜20と同様に、下部電極31をなす多数の柱状体32同士の結合力が比較的弱く、部分的に応力がかかると、その部分にある複数の柱状体32が互いに滑り合って、応力を吸収緩和すると考えられる。
本実施形態においても、下部電極31をなす多数の柱状体32が、基板10の基板面に対して斜め方向に成長し、多数の柱状体32の間に、柱状体32と略同方向に延びる空孔33が形成されることが特に好ましいが、下部電極31は基板10の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体32からなる膜構造を有するものであれば、応力緩和効果が得られる。したがって、下部電極31をなす多数の柱状体32は、基板10の基板面に対して垂直方向に成長していても構わない。また、空孔33はなくても構わない。
下部電極31をなす多数の柱状体32の平均柱径、柱状体32の成長方向、空孔33の平均径、及び下部電極31の厚みの好適な範囲は、第1実施形態の柱状構造膜20と同様である。
下部電極31の構成材料は特に制限なく、Pt、Ir、IrO2、RuO2、LaNiO3、及びSrRuO3等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。
本実施形態の圧電素子3及びインクジェット式記録ヘッド4は、以上のように構成されている。
本実施形態のように、下部電極31を応力緩和層として機能する柱状構造膜により構成しても、第1実施形態と同様の効果が得られる。かかる構成では、電極と応力緩和層として機能する柱状構造膜とを別に成膜する必要がないので、第1実施形態よりもプロセスが簡易になる。
本実施形態のように、下部電極31を応力緩和層として機能する柱状構造膜により構成しても、第1実施形態と同様の効果が得られる。かかる構成では、電極と応力緩和層として機能する柱状構造膜とを別に成膜する必要がないので、第1実施形態よりもプロセスが簡易になる。
本実施形態においても、柱状構造膜からなる下部電極31をなす多数の柱状体32同士の結合力が比較的弱く、部分的に応力がかかると、その部分にある複数の柱状体32が互いに滑り合うため、柱状構造膜からなる下部電極31の存在によって、圧電膜40に電界を印加した際の圧電膜40の伸縮がよりスムーズに起こり、圧電性がより効果的に発現することも期待される。
「積層素子」
本発明に係る実施形態として圧電素子を挙げて説明したが、圧電素子に限らず、応力緩和層として機能する柱状構造膜を備えた任意の積層素子が新規であり、本発明に含まれる。
本発明に係る実施形態として圧電素子を挙げて説明したが、圧電素子に限らず、応力緩和層として機能する柱状構造膜を備えた任意の積層素子が新規であり、本発明に含まれる。
すなわち、本発明の積層素子は、基板上に、該基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜と、非柱状構造膜とが順次積層されてなり、
前記柱状構造膜が、成膜中及び/又は成膜後の前記非柱状構造膜にかかる応力を緩和する応力緩和層であることを特徴とするものである。
前記柱状構造膜が、成膜中及び/又は成膜後の前記非柱状構造膜にかかる応力を緩和する応力緩和層であることを特徴とするものである。
本発明の積層素子は、基板の構成材料と応力緩和対象である非柱状構造膜との熱膨張係数差が4.0×10−6/℃以上である場合に、有効である。
本発明の積層素子では、柱状構造膜からなる応力緩和層の存在によって、成膜中及び/又は成膜後に応力緩和対象である非柱状構造膜にかかる応力を効果的に緩和することができる。この効果は応力緩和対象である非柱状構造膜の組成や膜材料の熱膨張係数等の特性に関係なく得られるので、応力緩和対象である非柱状構造膜の組成等の設計変更に応じて、応力緩和層の組成等を設計する必要がない。したがって、本発明の素子構造では、応力緩和対象である非柱状構造膜の組成等の設計変更にも柔軟に対応することができる。
「インクジェット式記録装置」
図3及び図4を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド2を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図3は装置全体図であり、図4は部分上面図である。
図3及び図4を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド2を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図3は装置全体図であり、図4は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)2K,2C,2M,2Yを有する印字部102と、各ヘッド2K,2C,2M,2Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド2K,2C,2M,2Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド2である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図3のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図3上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図3の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図4を参照)。各印字ヘッド2K,2C,2M,2Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド2K,2C,2M,2Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド2K,2C,2M,2Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
(設計変更)
本発明は上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明は上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能である。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
100μm厚の短冊状Si基板上に、スパッタ装置を用いてZrを斜方蒸着して、300nm厚のZr膜を成膜した。成膜条件は、基板温度を室温、基板の蒸着源に対する傾斜角(=基板面の法線方向と基板から見た蒸着源方向とのなす角)を40°、基板と蒸着源との距離を100mm、成膜雰囲気を0.9PaのAr雰囲気、投入電力を150Wとした。
100μm厚の短冊状Si基板上に、スパッタ装置を用いてZrを斜方蒸着して、300nm厚のZr膜を成膜した。成膜条件は、基板温度を室温、基板の蒸着源に対する傾斜角(=基板面の法線方向と基板から見た蒸着源方向とのなす角)を40°、基板と蒸着源との距離を100mm、成膜雰囲気を0.9PaのAr雰囲気、投入電力を150Wとした。
上記Zr膜上に、同じ装置を用いてPtを正面蒸着し、400nm厚のPt膜を成膜した。成膜条件は、基板温度を室温、基板と蒸着源との距離を100mm、成膜雰囲気を0.9PaのAr雰囲気、投入電力を150Wとした。
以上のようにして、Si基板上にZr膜とPt膜とが順次積層された本発明の積層素子を得た。得られた素子の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察したところ、Zr膜は、基板面に対して斜め方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であった。柱状体の平均柱径は約60nm、柱状体の成長方向は基板の法線方向から約20°の角度方向であった。多数の柱状体の間の空孔はSEM観察では明確には観察されなかった。Pt膜は、空孔等のない緻密な非柱状構造膜であった。
(比較例1)
Zr膜についても正面蒸着を行った以外は実施例1と同様にして、Si基板上にZr膜とPt膜とが順次積層された比較用の積層素子を得た。実施例1と同様にSEM観察を行ったところ、Zr膜は空孔等のない緻密な非柱状構造膜であった。
Zr膜についても正面蒸着を行った以外は実施例1と同様にして、Si基板上にZr膜とPt膜とが順次積層された比較用の積層素子を得た。実施例1と同様にSEM観察を行ったところ、Zr膜は空孔等のない緻密な非柱状構造膜であった。
<実施例1と比較例1の評価>
実施例1と比較例1において得られた積層素子に対して各々、大気雰囲気下500℃10分間のアニールを実施した。アニール前後についてそれぞれ、短冊状のSi基板を一端固定して、その歪み量を測定した。測定された歪み量からSi基板上に成膜された薄膜(=Zr/Pt積層膜)の内部応力を算出した。
内部応力は、「薄膜光学ハンドブック」、講談社、真下正夫、吉田政次、p214−215に基づいて、算出した。図5に、この文献に記載されている内部応力の測定方法の説明図を挙げておく。この文献には、薄膜形成により短冊状基板がδ歪んだとき、薄膜にかかる内部応力は下記式で表されることが記載されている。
σ=Et2δ/{3(1−v)dl2}
(式中、lは基板の長さ、tは基板の厚さ、dは薄膜の厚さである。Eは基板のヤング率、vは基板のポアソン比である。)
実施例1と比較例1において得られた積層素子に対して各々、大気雰囲気下500℃10分間のアニールを実施した。アニール前後についてそれぞれ、短冊状のSi基板を一端固定して、その歪み量を測定した。測定された歪み量からSi基板上に成膜された薄膜(=Zr/Pt積層膜)の内部応力を算出した。
内部応力は、「薄膜光学ハンドブック」、講談社、真下正夫、吉田政次、p214−215に基づいて、算出した。図5に、この文献に記載されている内部応力の測定方法の説明図を挙げておく。この文献には、薄膜形成により短冊状基板がδ歪んだとき、薄膜にかかる内部応力は下記式で表されることが記載されている。
σ=Et2δ/{3(1−v)dl2}
(式中、lは基板の長さ、tは基板の厚さ、dは薄膜の厚さである。Eは基板のヤング率、vは基板のポアソン比である。)
<結果>
結果を表1に示す。表中、歪み方向は、Si基板がSi基板上に成膜された薄膜側に歪んだ場合(図5を参照)に「下方向」、Si基板がこれとは逆方向に歪んだ場合に「上方向」としてある。歪み方向が「下方向」の場合、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は圧縮応力となり、歪み方向が「上方向」の場合、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は引張応力となる。
結果を表1に示す。表中、歪み方向は、Si基板がSi基板上に成膜された薄膜側に歪んだ場合(図5を参照)に「下方向」、Si基板がこれとは逆方向に歪んだ場合に「上方向」としてある。歪み方向が「下方向」の場合、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は圧縮応力となり、歪み方向が「上方向」の場合、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は引張応力となる。
実施例1と比較例1のいずれについても、アニール前の歪み方向は下方向であり、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は圧縮応力であり、アニールによって歪み方向は逆方向となり、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は引張応力となった。しかしながら、Zr膜を柱状構造膜とした実施例1では、アニール前後のいずれについても、比較例1に比して歪み量が著しく小さく、Si基板上に成膜された薄膜にかかる内部応力は著しく小さかった。この結果から、柱状構造膜が高い応力緩和機能を有することが示された。
(実施例2)
Si基板上に、EB蒸着装置を用いてTiO2を斜方蒸着して、200nm厚のTiO2膜を成膜した。成膜条件は、基板温度を室温、基板の蒸着源に対する傾斜角(=基板面の法線方向と基板から見た蒸着源方向とのなす角を40°、基板と蒸着源との距離を100mm、成膜雰囲気を0.9PaのAr雰囲気、投入電力を150Wとした。
Si基板上に、EB蒸着装置を用いてTiO2を斜方蒸着して、200nm厚のTiO2膜を成膜した。成膜条件は、基板温度を室温、基板の蒸着源に対する傾斜角(=基板面の法線方向と基板から見た蒸着源方向とのなす角を40°、基板と蒸着源との距離を100mm、成膜雰囲気を0.9PaのAr雰囲気、投入電力を150Wとした。
上記TiO2膜上に、スパッタ装置を用いてPtを正面蒸着し、100nm厚のPt下部電極を成膜した。成膜条件は、基板温度を室温、基板と蒸着源との距離を100mm、成膜雰囲気を0.9PaのAr雰囲気、投入電力を150Wとした。
上記Pt下部電極上に、エアロゾルデポジション法により、成膜温度600℃の条件で10.0μm厚のPZT圧電膜(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)を成膜し、成膜後に800℃3時間の焼成を行った。
最後に、上記PZT膜上に、下部電極と同じ条件で100nm厚のPt上部電極を成膜して、本発明の圧電素子を得た。
得られた素子の断面をSEMにより観察したところ、TiO2膜は、基板面に対して斜め方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であった。柱状体の平均柱径は約100nm、柱状体の成長方向は基板の法線方向から約20°の角度方向であった。多数の柱状体の間に僅かではあるが空孔が観察され、その平均径は10nm以下と推定された。Pt下部電極、PZT膜、及びPt上部電極はいずれも、空孔等のない緻密な非柱状構造膜であった。光学顕微鏡で観察したところ、素子にクラック等の発生はなかった。
(比較例2)
TiO2膜の成膜条件を変える以外は実施例2と同様にして、比較用の圧電素子を得た。比較例2では、Si基板上に、スパッタ装置を用いて基板温度600℃の条件でTiO2を正面蒸着して、200nm厚のTiO2膜を成膜した。基板と蒸着源との距離、及び成膜雰囲気は、実施例2と同様とした。実施例2と同様にSEM観察を行ったところ、TiO2膜は空孔等のない緻密な等方性の多結晶膜(非柱状構造膜)であった。得られた圧電素子には肉眼でも分かるクラックが発生していた。
TiO2膜の成膜条件を変える以外は実施例2と同様にして、比較用の圧電素子を得た。比較例2では、Si基板上に、スパッタ装置を用いて基板温度600℃の条件でTiO2を正面蒸着して、200nm厚のTiO2膜を成膜した。基板と蒸着源との距離、及び成膜雰囲気は、実施例2と同様とした。実施例2と同様にSEM観察を行ったところ、TiO2膜は空孔等のない緻密な等方性の多結晶膜(非柱状構造膜)であった。得られた圧電素子には肉眼でも分かるクラックが発生していた。
実施例2と比較例2との比較から、柱状構造膜のTiO2膜が応力緩和層として良好に機能し、エアロゾルデポジション法により比較的厚いPZT圧電膜を成膜する場合にもクラックの発生を抑制できることが明らかとなった。
(実施例3)
Si基板上に10nm厚のTi密着層を成膜した後、Ptを斜方蒸着して、100nm厚のPt下部電極を成膜した。次いで、このPt下部電極上に、エアロゾルデポジション法により、成膜温度600℃の条件で10.0μm厚のPZT圧電膜(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)を成膜し、成膜後に800℃3時間の焼成を行った。最後に、上記PZT膜上に、実施例2の上部電極と同じ条件で100nm厚のPt上部電極を成膜して、本発明の圧電素子を得た。
Si基板上に10nm厚のTi密着層を成膜した後、Ptを斜方蒸着して、100nm厚のPt下部電極を成膜した。次いで、このPt下部電極上に、エアロゾルデポジション法により、成膜温度600℃の条件で10.0μm厚のPZT圧電膜(Pb(Zr0.52Ti0.48)O3)を成膜し、成膜後に800℃3時間の焼成を行った。最後に、上記PZT膜上に、実施例2の上部電極と同じ条件で100nm厚のPt上部電極を成膜して、本発明の圧電素子を得た。
実施例2と同様にSEM観察を行ったところ、Pt下部電極は、基板面に対して斜め方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であった。柱状体の平均柱径は約150nm、柱状体の成長方向は基板の法線方向から約15°の角度方向であった。多数の柱状体の間に僅かではあるが空孔が観察され、その平均径は10nm以下と推定された。PZT膜及びPt上部電極は、空孔等のない緻密な非柱状構造膜であった。光学顕微鏡で観察したところ、素子にクラック等の発生はなかった。
本発明の積層素子は、インクジェット式記録ヘッド、強誘電体メモリ(FRAM)、及び圧力センサ等に用いられる圧電素子等に好ましく適用できる。
1、3 圧電素子(積層素子)
2、4 インクジェット式記録ヘッド
10 基板
20 柱状構造膜(応力緩和層)
21 柱状体
22 空孔
30 下部電極
31 柱状構造膜(応力緩和層)からなる下部電極
32 柱状体
33 空孔
40 圧電膜(非柱状構造膜)
50 上部電極
70 インクノズル(インク貯留吐出部材)
71 インク室
72 インク吐出口
100 インクジェット式記録装置
2、4 インクジェット式記録ヘッド
10 基板
20 柱状構造膜(応力緩和層)
21 柱状体
22 空孔
30 下部電極
31 柱状構造膜(応力緩和層)からなる下部電極
32 柱状体
33 空孔
40 圧電膜(非柱状構造膜)
50 上部電極
70 インクノズル(インク貯留吐出部材)
71 インク室
72 インク吐出口
100 インクジェット式記録装置
Claims (15)
- 基板上に、該基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜と、非柱状構造膜とが順次積層されてなり、
前記柱状構造膜が、成膜中及び/又は成膜後の前記非柱状構造膜にかかる応力を緩和する応力緩和層であることを特徴とする積層素子。 - 前記基板の構成材料の熱膨張係数と前記非柱状構造膜の構成材料の熱膨張係数との差が、4.0×10−6/℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層素子。
- 基板上に下部電極と圧電膜と上部電極とが順次積層されてなり、前記下部電極と前記上部電極とにより前記圧電膜に対して電界が印加される圧電素子において、
前記基板と前記圧電膜との間に、前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜を備えたことを特徴とする圧電素子。 - 基板上に下部電極と圧電膜と上部電極とが順次積層されてなり、前記下部電極と前記上部電極とにより前記圧電膜に対して電界が印加される圧電素子において、
前記下部電極が、前記基板の基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜であることを特徴とする圧電素子。 - 前記柱状構造膜が、成膜中及び/又は成膜後の前記圧電膜にかかる応力を緩和する応力緩和層であることを特徴とする請求項3又は4に記載の圧電素子。
- 前記柱状構造膜をなす前記多数の柱状体の平均柱径が20〜200nmであることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の圧電素子。
- 前記柱状構造膜には、前記多数の柱状体の間に、該柱状体と略同方向に延びる空孔が形成されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の圧電素子。
- 前記柱状構造膜をなす前記多数の柱状体は、前記基板面に対して斜め方向に延びていることを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の圧電素子。
- 前記柱状構造膜は、斜方蒸着法により成膜されたものであることを特徴とする請求項8に記載の圧電素子。
- 前記柱状構造膜の厚みが0.1〜5.0μmであることを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の圧電素子。
- 前記圧電膜の厚みが2.0〜30.0μmであることを特徴とする請求項3〜10のいずれかに記載の圧電素子。
- 前記圧電膜がエアロゾルデポジション法により成膜されたものであることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の圧電素子。
- 前記圧電膜が、下記一般式で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項3〜12のいずれかに記載の圧電素子。
一般式ABO3
(式中、A:Aサイトの元素であり、Pb,Ba,Nb,La,Li,Sr,Bi,Na,及びKからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Cd,Fe,Ti,Ta,Mg,Mo,Ni,Nb,Zr,Zn,W,及びYbからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素原子) - 請求項3〜13のいずれかに記載の圧電素子と、
インクが貯留されるインク室及び該インク室から外部に前記インクが吐出されるインク吐出口を有するインク貯留吐出部材とを備えたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。 - 請求項14に記載のインクジェット式記録ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
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