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JP2007279692A - 偏光分離素子とその製造方法 - Google Patents

偏光分離素子とその製造方法 Download PDF

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JP2007279692A JP2007031608A JP2007031608A JP2007279692A JP 2007279692 A JP2007279692 A JP 2007279692A JP 2007031608 A JP2007031608 A JP 2007031608A JP 2007031608 A JP2007031608 A JP 2007031608A JP 2007279692 A JP2007279692 A JP 2007279692A
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Abstract

【課題】プリズムとの境界面において、偏光分離膜が剥離したり、或いはクラックが発生したりすることがない偏光ビームスプリッタを提供する。
【解決手段】2つの直角三角柱形状のプリズム2、3の傾斜面同士を、偏光分離膜10を挟んで接合した偏光ビームスプリッタ1であって、偏光分離膜10を、圧縮応力を有するSiO2膜12とランタンチタネート膜11とを交互に積層した第1の偏光分離膜層膜10aと、引張応力を有するMgF2膜13とランタンチタネート膜11とを交互に積層した第2の偏光分離膜層10bとにより形成した。
【選択図】図2

Description

本発明は偏光分離素子とその製造方法に関わり、特に光ディスク記録再生装置の光ピックアップに好適なものである。
図7は、光ディスクや光磁気ディスクの記録再生装置の光ピックアップに用いられている従来の偏光ビームスプリッタ(偏光分離素子)の構造及び使用方法の説明図である。
この図7(a)に示す偏光ビームスプリッタ100は、2つの三角柱状のプリズム101、102を、偏光分離膜110を挟んで接合することにより立方体に構成したものであり、例えば所定の偏光成分(P偏光光)を透過する一方で、それ以外の偏光成分(S偏光光)を反射する機能を備えている。このため、このように構成される偏光分離素子100を光ピックアップに適用した場合は、図7(b)に示すように光源であるレーザダイオード121からのレーザ光のうち、P偏光光の偏光成分は偏光分離膜110を透過した後、1/4波長板122により円偏光に変換されて光ディスク123のディスク面に照射される。光ディスク123のディスク面で反射された光は、円偏光の回転方向が入射時とは反対の回転となるので1/4波長板122によりS偏光に変換されるため、偏光分離膜110にて反射されて受光素子124にて受光される。
なお、先行文献として、特許文献1には分割した後の煩雑な鏡面加工を行わずに、鏡面加工が施された光学デバイスの製造方法に関する技術が開示され、特許文献2には光の利用効率を高めるようにした光学素子が開示されている。
また特許文献3には透明基板に積層された誘電体の薄膜の応力による基板の反り幅をより低減することで光学的歪を防止した光学多層膜フィルタと光学多層膜フィルタの製造方法が開示され、特許文献4には誘電体多層膜の膜数を40層以上にしても従来の光学多層フィルタに比べ膜の応力や反りを小さくできる光学多層膜フィルタが開示されている。
特開2000−143264号公報 特許第3486516号 特開2005−43755号公報 特開平7−209516号公報
ところで、近年、光ディスク等の記録再生装置に用いられる光ピックアップは、780nm帯のCDや660nm帯のDVDに加えて405nmの青紫色レーザーを用いたBlu−ray DiscやHD DVDに代表されるブルーレーザーディスクといった複数種類の異なる光ディスクに対応するものが求められている。このため、光ピックアップに用いられる偏光ビームスプリッタにおいても波長の広帯域化が求められていた。広帯域化に対応した偏光分離膜110としては図8に示すものがある。
図8に示す偏光分離膜110はプリズム102となるガラス平板113上に高屈折率材料であるLa(ランタン)とAl(アルミニウム)との混合酸化物から成るランタンアルミネート膜111と、低屈折率材料であるMgF2膜112とを交互に複数積層して構成するようにしたものがある。
しかしながら、上記したような偏光分離膜110が形成された偏光ビームスプリッタ100においては、図9に示すようにプリズム102と偏光分離膜110との境界面において偏光分離膜が剥離したり、或いは偏光分離膜にクラックが発生して光学特性が劣化するという問題点があった。
そこで、本願発明者は上述した問題点が発生する要因を把握するために鋭意検討を行った結果、MgF2膜112の膜応力によって上記したよな問題が発生していることが分かった。
図10は、上記した偏光分離膜110の膜応力の作用を示した図である。
図10において、F1はプリズム102となるガラス平板113の弾性率による膜を引っ張る力或いは膜を押す力を表している。なお、F1はガラス平板113のガラス材料により固有のものである。また本明細書ではF1のことをガラス弾性力と呼ぶこととする。
またF2はランタンアルミネート膜111の膜応力、F3はMgF2膜112の膜応力、F0は総合応力を夫々表している。なお、膜応力の方向及び大きさは蒸着条件に大きく左右されるため、ここでの膜応力F2、F3の方向及び大きさは、実際にランタンアルミネート膜111及びMgF2膜を成膜して求めたものである。尚、成膜方法としては、電子ビーム(以下、EBと称す)成膜やスパッタ成膜、更にはイオンプレーティング法やイオンアシスト法等のアシスト成膜などがあり、偏光分離素子の要求仕様等に基づいて設計者が適宜、成膜方法を選定する。
また、イオンアシスト法の特徴として、成膜する材料をイオンで加速させてガラス平板の表面に成膜させることにより、膜材料をガラス平板との密着性を向上させることができる。
この場合、ランタンアルミネート膜111の膜応力F2はガラス平板113に対して引張方向に作用し、MgF2膜112の膜応力F3もガラス平板113に対して引張方向に作用する。また、膜応力F2と膜応力F3の大きさを比較した場合、例えばランタンアルミネート膜111の膜応力F2は約0.15GPaであるのに対してMgF2膜112の膜応力F3は約0.31GPaであり、合計するとガラス平板113に対して引張方向に約0.46GPaの膜応力が作用することとなる。この結果、ガラス平板113の弾性力F1を加味したとしても、膜の総合応力F0がガラス平板113に対して引張方向に作用してガラス平板113と偏光分離膜110との境界面において偏光分離膜110の剥離やクラックが発生することがわかった。
そこで、本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、ガラス平板との境界面において偏光分離膜が剥離したり、或いはクラックが発生したりすることがない偏光分離素子とその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は2つの直角三角柱形状のプリズムの傾斜面同士を、偏光分離膜を挟んで接合した偏光分離素子であって、偏光分離膜は、圧縮応力を有する第1の低屈折率材料から成る第1の低屈折率膜と高屈折率材料から成る高屈折率膜とを交互に積層した第1の偏光分離膜層と、引張応力を有する第2の低屈折率材料から成る第2の低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層した第2の偏光分離膜層とを備えるようにした。このような本発明においては、偏光分離膜を、圧縮応力を有する第1の低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層した第1の偏光分離膜層と、引張応力を有する第2の低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層した第2の偏光分離膜層とにより形成したことで、プリズムに対して引張方向に作用する第1の偏光分離膜層の膜応力をプリズムに対して圧縮方向に作用する第2の偏光分離膜層の膜応力によりキャンセルできるので、プリズムと偏光分離膜との境界面において偏光分離膜が剥離したり、或いは偏光分離膜にクラックが発生したりすることがない。これにより、偏光分離素子の光学特性の劣化を防止することができる。
また第1の低屈折率膜をSiO2膜、第2の低屈折率膜をMgF2膜により形成すると、MgF2膜の引張応力をSiO2膜の圧縮応力によりをキャンセルできるので、プリズムと偏光分離膜との境界面において偏光分離膜が剥離したり、偏光分離膜にクラックが発生したりすることがない。これにより偏光分離素子の光学特性の劣化を確実に防止することができる。
また本発明は2つの直角三角柱形状のプリズムの傾斜面同士を、偏光分離膜を挟んで接合した偏光分離素子の製造方法であって、圧縮応力を有する第1の低屈折率材料から成る第1の低屈折率膜と高屈折率材料から成る高屈折率膜とを交互に積層した第1の偏光分離膜層と、引張応力を有する第2の低屈折率材料から成る第2の低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層した第2の偏光分離膜層とを備えた偏光分離膜を上面に有した複数枚の矩形ガラス平板を、接着剤を介して積層すると共に、各ガラス平板の端縁を結ぶ平面とガラス板面との間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、積層体形成工程において一体化された積層体を、略45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程と、切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、切断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、分断工程により得られた仮止め積層体の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程と、仮止め積層体を切断面と直交する方向に等間隔に切断することにより、複数の偏光分離素子が仮止め材を介して直列に連結された偏光分離素子の連結体を形成する工程と、偏光分離素子連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々の立方体状の偏光分離素子に分離する分離工程とから成る。このような本発明の製造方法によれば、プリズムと偏光分離膜との境界面において偏光分離膜が剥離したり、或いは偏光分離膜にクラックが生じたりしないため、偏光分離素子の歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する、。
図1は本発明の実施形態に係る偏光分離素子の構造を示した図である。
この図1に示す本実施形態の偏光ビームスプリッタ(偏光分離素子)1は、2つの三角柱状のプリズム2、3を、偏光分離膜10を挟んで接合することにより立方体に構成したものであり、例えば所定の偏光成分(P偏光光)を透過する一方で、それ以外の偏光成分(S偏光光)を反射する機能を備えている。
偏光分離膜10は、S偏光光とP偏光光のいずれか一方を選択的に透過させ、他方を選択的に反射する性質を有する膜である。なお、偏光分離膜10については後述する。
そして、このように構成される偏光ビームスプリッタ1においては偏光分離膜10を以下のように形成した点に特徴がある。
図2は本実施形態に係る偏光ビームスプリッタの偏光分離膜の構造を模式的に示した図である。
この図2に示す本実施形態の偏光ビームスプリッタ1の偏光分離膜10は、プリズム3となるガラス平板14上に、高屈折率材料であるLa(ランタン)とTi(チタン)との混合酸化物から成るランタンチタネート膜(高屈折率膜)11と、第1の低屈折率材料である二酸化シリコン(SiO2)から成るSiO2膜(第1の低屈折率膜)12とを交互に複数層積層した第1の偏光分離膜層10aを形成する。また第2の低屈折率材料であるフッ化マグネシウム(MgF2)から成るMgF2膜(第2の低屈折率膜)13とランタンチタネート膜(高屈折率膜)11とを交互に複数積層した第2の偏光分離膜層10bを形成する。
なお、本実施形態では、高屈折率膜11として、ランタンチタネート膜を例に挙げて説明するが、例えばLaとAl(アルミニウム)との混合酸化物から成るランタンアルミネート膜等の各種高屈折率膜を用いることも可能である。また、第1の低屈折率膜12として、SiO2膜を例に挙げて説明するが、例えばTa25膜、TiO2膜、Nb25膜、Al23膜、等の各種低屈折率膜を用いることも可能である。
図3は、偏光分離膜10の膜応力の作用を示した図である。この図3において、F1はプリズム3となるガラス平板14のガラス弾性力、F2はランタンチタネート膜11の膜応力、F3はMgF2膜13の膜応力、F4はSiO2膜12の膜応力、F0は総合応力を夫々表している。なお、膜応力の方向及び大きさは、蒸着条件に大きく左右されるため、膜応力F2、F3、F4の方向及び大きさは、実際にガラス平板14にランタンチタネート膜11、SiO2膜12、及びMgF2膜13をEB成膜やスパッタ成膜、アシスト成膜等により成膜して求めたものである。
この場合、ランタンチタネート膜11の膜応力F2、及びSiO2膜12の膜応力F4は、ガラス平板14に対して圧縮方向に作用するのに対して、MgF2膜13の膜応力F3は、ガラス平板14に対して引張方向に作用する。
また、膜応力F2と膜応力F4の大きさを比較した場合、例えばランタンチタネート膜11の膜応力F2は、0.05GPaであるのに対して、SiO2膜12の膜応力F4は、0.3GPaとなる。またMgF2膜13の膜応力F3は0.31GPaとなる。従って、これらの膜応力F2、F3、F4を比較した場合、MgF2膜13の膜応力F3とSiO2膜12の膜応力F4とは、ほぼ同じ大きさであるのに対して、ランタンチタネート膜11の膜応力F2は、MgF2膜13の膜応力F3、及びSiO2膜12の膜応力F4に比べて充分小さく無視できる程度の応力とされる。
そこで、本実施形態では、ガラス平板14に対して引張応力を有するMgF2膜13とランタンチタネート膜11とからなる第2の偏光分離膜層10bと共に、ガラス平板14に対して圧縮応力を有するSiO2膜12とランタンチタネート膜11とからなる第1の偏光分離膜層10aを形成することで、MgF2膜13の引張方向の膜応力F3は、SiO2膜12の圧縮方向の膜応力F4によってキャンセルされるので、SiO2膜12の膜層数をMgF2膜13の膜層数とほぼ同じに設定するか、或いはMgF2膜13の膜層数をSiO2膜12の膜層数より増やすようにした。
これにより、本実施形態の偏光分離膜10の総合応力F0を均衡状態に保つ、もしくはガラス平板14に対して圧縮方向に作用させることができるので、ガラス平板14と偏光分離膜10との境界面において偏光分離膜10の剥離やクラックの発生を防止することができる。
なお、第2の偏光分離膜層10bにおけるMgF2膜13の膜層数、及び第1の偏光分離膜層10aにおけるSiO2膜12の膜層数は、要求される光学特性、MgF2膜13とSiO2膜12との膜応力、及びプリズム3となるガラス平板14のガラス弾性力等を考慮して適宜設定すれば良い。
また、偏光分離膜10における第1の偏光分離膜層10aと第2の偏光分離膜層10bの作製順序は、ガラス平板14と偏光分離膜層との境界面における密着性をより確実にするため、圧縮応力を有する膜材料から成る第1の偏光分離膜層10aをガラス平板14側に形成するほうが好ましい。
次に、本実施形態の偏光ビームスプリッタの製造方法を説明する。
図4(a)乃至(d)、及び図5(a)乃至図5(g)は本実施形態の偏光ビームスプリッタの製造方法を説明するための工程図であり、各分図の左図は正面縦断面図、右図は右側面図である。また、図6は図4、図5に対応する製造工程のフロー図である。
図4(a)は、本実施形態の製造方法に使用するガラス平板の構成を示す正面図、及び右側面図であり、このガラス平板(平板状光学部材)50は均一厚みの矩形状の板ガラス51の上面に偏光分離膜52を形成すると共に、下面にマッチング膜(ML膜)53を形成した構成を備えている。本実施形態の製造方法では、このように全く同一の構成を備えたガラス平板50を複数枚使用する。図6(1)(2)は図4(a)に対応しており、上下両面をポリッシュにより鏡面加工した板ガラス51の上下両面に対して夫々図6(2)に示すように偏光分離膜52とマッチング膜53を形成する工程を示している。
そして、本実施形態では、この偏光分離膜52を成膜する際に、イオンアシスト法により図2に示した構成の偏光分離膜を形成するようにしている。即ち、高屈折率材料であるランタンチタネート膜(高屈折率膜)11と、第1の低屈折率材料であるSiO2から成るSiO2膜(第1の低屈折率膜)12とを交互に複数層積層した第1の偏光分離膜層10aを形成すると共に、第2の低屈折率材料であるMgF2から成るMgF2膜(第2の低屈折率膜)13とランタンチタネート膜(高屈折率膜)11とを交互に複数積層した第2の偏光分離膜層10bを形成する。なお、マッチング膜53とは、複数のガラス平板50を接着剤を用いて接着する際に、接着剤とガラス材の屈折率の違いにより発生する光の反射、つまりガラス平板を透過する光の損失を防止するための膜である。
図4(b)は積層体形成工程を示す図であり、治具60を用いて略45度の傾斜角度でガラス平板を積層する状態を示している。即ち、治具60は、水平な板状のベース60aと、このベース60aから45度の傾斜角度で上方に傾斜して固定された傾斜側壁60b等とから成り、偏光分離膜52を上向きにしたガラス平板50をベース60aに順次積層する。この際に、各ガラス平板50の一端縁を傾斜側壁60bに沿って整列させることにより、各ガラス平板50が面方向に等距離ずつずれた階段状の積層体61となる。換言すれば、正面形状が略平行四辺形の積層体となる。なお、積層前に各ガラス平板間にはUV硬化型接着剤62を塗布しておき、積層体を加圧して接着剤を均一に展開させた状態で図示しない紫外線光源から紫外線を積層体に照射し、接着剤62を硬化させて積層体を貼り合わせる。図6(3)は積層体形成及び接着工程を示している。このように積層体形成工程は、同一構成の複数枚の矩形ガラス平板50を、UV接着剤62を介して積層すると共に、各ガラス平板の端縁を結ぶ平面とガラス平板面との間の形成角度が45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する工程であり、接着工程は各ガラス平板間を接着固定する工程である。
図4(c)は上記接着工程において一体化された積層体61を、上記45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体65に切断する切断工程を示しており、図6(4)(5)に対応している。図4(b)において作成された積層体61を治具60から取り出して図4(c)の固定板64に積層体の背面側の側面を剥離可能な接着剤等により仮固定し、この仮固定状態において点線で示す切断ライン63に沿ってワイヤーソーにより積層体61を等間隔で切断する。図4(d)は積層体61を切断することにより得られた積層分割体65を示している。各切断ライン63は、積層体を構成する各ガラス平板50の位置ずれ角度である45度と平行な線(或は面)であり、各切断ライン間の間隔は最終的に製造しようとする偏光ビームスプリッタの寸法、形状に応じて設定する。
次に、図5(a)に示すように個々の積層分割体65の上下両面(切断面)を鏡面加工すると共に、鏡面加工後の各面に反射膜をコーティングする。図5(a)に示した積層分割体65は、両端部が鋭角状に突出しているため、上記鏡面加工時にこの部分が破損してガラス屑が発生し、このガラス屑が研磨装置の研磨部材に入り込み、研磨対象である積層分割体を損傷させる虞がある。そのため、予め鏡面加工前に切断線55に沿って切除しておいてもよい。切断に際しては、図6(5)に示した如く固定治具66の固定部66aに重ねた積層分割体65を固定した上で、各積層分割体65の鋭角状の端部を一括して切断する。その後、図6(6)に示したように両面を鏡面加工した後で、図6(7)に示した如く両面に反射防止膜を形成する。なお、積層分割体65は、ガラス平板50を接着剤62を用いて接合した積層体を切断したものであるため、偏光分離膜52、板ガラス51、マッチング膜53、接着剤62、・・・・の順番で積層された構造を有する。続いて、図5(b)の仮止め工程に示すように各積層分割体65を整合状態で積層し、積層分割体間に予めパラフィン68を塗布しておくことにより仮止めする。なお、必要に応じて、積層分割体65を積層したものの前後両面に平板状のガラス板から成る補強板をUV硬化型接着剤により固定して積層分割体65が分離しないようにする。
図5(c)はパラフィン68にて仮止めされた複数の積層分割体65を、上記切断工程における切断面63と直交する切断面70に沿ってワイヤーソーにより切断して仮止め積層体71を形成する分断工程であり、図5(d)は切断による分断後の状態を示している。
図6(8)(9)はこの工程に対応した図である。この図に示すように切断に際しては補助板67も同時に切断されるので、各仮止め積層体71の両端部には補助板67の一部が固定されている。つまり、分断工程は、パラフィン68にて仮止めされた複数の積層分割体65を、上記切断工程における切断面と直交する切断面70にて切断して仮止め積層体71を形成する工程であり、切断ライン70に沿った切断後に形成された各仮止め積層体71はパラフィン68を介して複数の完成された偏光ビームスプリッタ1を棒状に連結した構成となっている。図5(e)は上記分断工程により得られた仮止め積層体71の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程であり、鏡面加工後に反射防止膜を加工面に蒸着形成する。反射防止膜の塗布を受けた各仮止め積層体71は点線で示す切断ライン72からワイヤーソーにより切断される。この切断ライン72は、切断ライン70により形成された切断面と直交する方向の切断ラインである。図5(f)は切断ライン72に沿って切断分離した後の偏光ビームスプリッタであるビームスプリッタ連結体75を示している。このビームスプリッタ連結体75の状態では、依然としてパラフィン68によって個々の偏光ビームスプリッタ1が接続された状態にある。図6(10)(11)(12)はこの工程を示している。
次に、図5(g)は(f)の状態となった個々の仮止め積層体71をホットプレート上に載置して加熱することによってパラフィンを溶解させて、個々の偏光ビームスプリッタ1(図6(13)に分離する分離工程である。このようにすれば、図1に示した偏光ビームスプリッタ1の歩留まりを向上させることができる。また、この場合は平板状のガラスを複数枚使用して偏光ビームスプリッタを製造する際に、個片に分割された偏光ビームスプリッタに対して鏡面加工を行う必要がなくなるため、生産性が高く、実用性の高い偏光ビームスプリッタの製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る偏光ビームスプリッタの構造を示した図。 本実施形態に係る偏光ビームスプリッタの偏光分離膜の構造を模式的に示した図。 本実施形態の偏光分離膜における膜応力の作用を示した図。 本実施形態に係る偏光ビームスプリッタの製造方法を説明するための工程図。 本実施形態に係る偏光ビームスプリッタの製造方法を説明するための工程図。 図4に対応する製造工程のフロー図。 従来の偏光ビームスプリッタの構造及び使用方法の説明図。 図7に示した偏光ビームスプリッタの偏光分離膜の構造を模式的に示した図。 従来の偏光ビームスプリッタの問題点を説明する説明図。 従来の偏光分離膜における膜応力の作用を示した図。
符号の説明
1…偏光ビームスプリッタ、2,3…プリズム、10…偏光分離膜、11…高屈折率膜(ランタンチタネート膜)、12…第1の低屈折率膜(SiO2膜)、13…第2の低屈折率膜(MgF2膜)、14…ガラス平板、50…ガラス平板、51…板ガラス、52…偏光分離膜、53…マッチング膜、60…治具、61…積層体、62…UV硬化型接着剤、64…固定板、65…積層分割体、66…固定治具、67…補助板、68…パラフィ
ン、71…積層体、75…ビームスプリッタ連結体。

Claims (3)

  1. 2つの直角三角柱形状のプリズムの傾斜面同士を、偏光分離膜を挟んで接合した偏光分離素子であって、
    前記偏光分離膜は、圧縮応力を有する第1の低屈折率材料から成る第1の低屈折率膜と高屈折率材料から成る高屈折率膜とを交互に積層した第1の偏光分離膜層と、引張応力を有する第2の低屈折率材料から成る第2の低屈折率膜と前記高屈折率膜とを交互に積層した第2の偏光分離膜層と、を備えていることを特徴とする偏光分離素子。
  2. 前記第1の低屈折率膜がSiO2膜、前記第2の低屈折率膜がMgF2膜であることを特徴とする請求項1に記載の偏光分離素子。
  3. 2つの直角三角柱形状のプリズムの傾斜面同士を、偏光分離膜を挟んで接合した偏光分離素子の製造方法であって、
    圧縮応力を有する第1の低屈折率材料から成る第1の低屈折率膜と高屈折率材料から成る高屈折率膜とを交互に積層した第1の偏光分離膜層と、引張応力を有する第2の低屈折率材料から成る第2の低屈折率膜と前記高屈折率膜とを交互に積層した第2の偏光分離膜層とを備えた偏光分離膜を上面に有した複数枚の矩形ガラス平板を、接着剤を介して積層すると共に、各ガラス平板の端縁を結ぶ平面とガラス板面との間の形成角度が略45度の傾斜角度となるように各ガラス平板の面方向位置を順次ずらして階段状に積層する積層体形成工程と、
    前記積層体形成工程において一体化された積層体を、前記略45度の傾斜角度に沿った所定ピッチの複数の平行な切断面にて複数の積層分割体に切断する切断工程と、
    前記切断工程により形成された各積層分割体の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程と、
    前記切断工程により分割された複数の積層分割体の鏡面同士が対向するように整合状態で積層して、各積層分割体間を仮止め材にて仮止めする仮止め工程と、
    仮止め材にて仮止めされた複数の積層分割体を、前記切断工程における切断面と直交する切断面にて切断して仮止め積層体を形成する分断工程と、
    前記分断工程により得られた仮止め積層体の切断面を鏡面加工する鏡面加工工程と、
    前記仮止め積層体を前記切断面と直交する方向に等間隔に切断することにより、複数の偏光分離素子が仮止め材を介して直列に連結された偏光分離素子の連結体を形成する工程と、
    前記偏光分離素子連結体を構成する仮止め材を溶解除去して個々の立方体状の偏光分離素子に分離する分離工程と、から成ることを特徴とする偏光分離素子の製造方法。
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