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JP2007265843A - 内燃機関用スパークプラグの製造方法 - Google Patents

内燃機関用スパークプラグの製造方法 Download PDF

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JP2007265843A
JP2007265843A JP2006090468A JP2006090468A JP2007265843A JP 2007265843 A JP2007265843 A JP 2007265843A JP 2006090468 A JP2006090468 A JP 2006090468A JP 2006090468 A JP2006090468 A JP 2006090468A JP 2007265843 A JP2007265843 A JP 2007265843A
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JP2006090468A
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Kazuyoshi Torii
計良 鳥居
Kazumasa Yoshida
和正 吉田
Wataru Matsutani
渉 松谷
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

【課題】混合気の火花放電間隙への流入阻害を抑制し、もって着火性の低下防止を図るとともに、耐久性の向上を図ることのできるスパークプラグの安定した製造を可能とする。
【解決手段】スパークプラグ100は、主体金具1と、絶縁体2と、中心電極3と、接地電極4とを備えている。接地電極4は、断面略矩形状の基部41と、基部41よりも先端側に位置し、直径1.5mm以下の断面円形状の小径部42とを具備する。内層4Bを構成する金属よりなる芯材を、外層4Aを構成する金属よりなり芯材の芯部とほぼ同等形状の凹部を有する有底筒状体の凹部に嵌入し、カップ材を形成する。その後、カップ材を冷間にて細化加工することで接地電極中間体を形成する。接地電極中間体を主体金具中間体の先端面に溶接し、主体金具中間体を保持した状態で接地電極中間体の少なくとも先端側の部位に関し、スウェージングを施す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関に使用されるスパークプラグの製造方法に関するものである。
自動車エンジン等の内燃機関用のスパークプラグは、例えば中心電極と、その外側に設けられた絶縁体と、当該絶縁体の外側に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端面に接合された接地電極とを備える。接地電極は、断面略矩形状をなし、その先端部内側面が前記中心電極の先端面と対向するように配置され、これにより中心電極の先端部及び接地電極の先端部間に火花放電間隙が形成される。
主体金具の外周面には図示しないねじ部が形成されている。スパークプラグは、当該ねじ部においてエンジンのシリンダヘッドに螺着されることで、取り付けられる。ところで、スパークプラグの取付状態において、混合気が接地電極の背面に直接当たるような位置関係になった場合、接地電極が混合気の火花放電間隙への流入を阻害するおそれがある。その結果、火花放電間隙への混合気の到達が困難となり、着火性が低下してしまうおそれがある。
これに対し、2以上の接地電極を有するタイプにおいて、各接地電極を、断面が略円形状の円柱状とするという技術がある(例えば、特許文献1参照)。このように断面を略円形状とすることで、混合気が接地電極の背面に直接当たるような位置関係になった場合であっても、混合気が接地電極の内側に廻り込んで、火花放電間隙に混合気が到達しやすいものとなる。
特開平11−121142号公報
しかしながら、接地電極が主体金具の先端面に接合される都合上、接地電極の断面を円形状にすると、断面が矩形状の場合に比べて、断面積が小さくならざるを得ない。そのため、いわゆる熱引き(放熱性)が悪く、高速運転時等においては電極温度が上昇しやすい。結果として、接地電極の消耗の度合いが大きく、耐久性が低くなってしまうおそれがある。
そこで、接地電極を、ニッケル系合金等よりなる外層と当該外層よりも良熱伝導性金属(例えば銅系金属)よりなる内層とからなる複層構造とすることが考えられる。ところが、接地電極の断面が円形状で、ただでさえ断面積が小さい上に、その先端部の径が1.5mm以下の細いものとしようとした場合には、安定して製造することが非常に困難となる。すなわち、現時点では、そのような細径で複層構造を有する接地電極を安定的に生産する手法が確立されていないというのが実状である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、混合気の火花放電間隙への流入阻害を抑制し、もって着火性の低下防止を図るとともに、耐久性の向上を図ることのできる内燃機関用スパークプラグを安定して製造することを可能とすることにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグの製造方法は、軸線方向に延びる棒状の中心電極と、 前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、基端部が前記主体金具の先端面に接合され、先端部が前記中心電極の先端面と対向するように配置された接地電極とを備え、前記中心電極の先端面及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有し、前記接地電極は、少なくとも自身の先端部外表面をすべて覆う金属製の外層及び当該外層よりも良熱伝導性の金属よりなる内層を備え、
前記接地電極のうち少なくとも前記火花放電間隙の軸線方向における中心よりも先端側においては、直径が1.5mm以下の断面円形状をなす内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
前記内層を構成する金属よりなり前記内層よりも断面積の大きい芯材を、前記外層を構成する金属よりなり前記芯材の外周形状とほぼ同等形状の凹部を有するとともに前記外層よりも厚肉の有底筒状体の前記凹部に嵌入し、複層材を形成する複層材形成工程と、
少なくとも先端部においては前記接地電極の先端部よりも断面積が大きくなるよう前記複層材を冷間にて細化加工することで中間材を形成する中間材形成工程と、
前記中間材の少なくとも先端側の部位に関し、スウェージングを施すことで、直径1.5mm以下の断面円形状とするスウェージング工程とを備えることで、前記接地電極を形成し、これによって前記内燃機関用スパークプラグを製造することを特徴とする。
上記構成1によれば、得られるスパークプラグに関し、接地電極のうち少なくとも火花放電間隙の軸線方向における中心よりも先端側においては、直径が1.5mm以下の断面円形状をなしている。このため、混合気が接地電極の背面に直接当たるような位置関係になった場合であっても、混合気が接地電極の内側に廻り込んで、火花放電間隙に混合気が到達しやすい。結果として、着火性の低下を防止することができる。また、接地電極は、金属製の外層及び当該外層よりも良熱伝導性の金属よりなる内層を備えている。このため、内層において、積極的に放熱が図られ、所謂「熱引き」が良くなる。従って、高速運転時等において接地電極温度が上昇してしまうことによる不具合、つまり、耐酸化性や耐火花摩耗性等の耐久性の低下を抑制できる。
さて、上記のように、少なくとも先端側の直径が1.5mm以下の断面円形状をなし、外層及び当該外層よりも良熱伝導性の金属よりなる内層の複層構造を有する接地電極を得るに際し、本構成1では、まず、内層を構成する金属よりなり前記内層よりも断面積の大きい芯材を、外層を構成する金属よりなり前記芯材の外周形状とほぼ同等形状の凹部を有するとともに外層よりも厚肉の有底筒状体の前記凹部に嵌入し、複層材を形成する。その後、複層材が冷間にて細化加工されることで中間材が形成される。但し、少なくとも先端部においては(最終製品における)前記接地電極の先端部よりも断面積が大きいものとされる。ここで、冷間での細化加工としては、例えば、ダイス等を用いた線引き加工、雌型等を用いた押出成形加工等が挙げられる。そして、得られた中間材の少なくとも先端側の部位に関し、スウェージングが施されることで、直径1.5mm以下の断面円形状とされる。
一般に、金属材を細く、丸く形成する手法としては、例えば、ダイス等を用いた線引き加工、雌型等を用いた押出成形加工、切削加工、放電加工等が挙げられる。しかしながら、複層構造を具備し、かつ、直径1.5mm以下の断面円形状の接地電極を安定して生産するという観点からは、上記いずれの各加工手法も単独で採用することは困難である。例えば、線引き加工や押出成形加工だけでは、直径1.5mm以下にまで細径化することは事実上困難であるし、コストもかかってしまう。また、切削加工や放電加工では、個々の製品毎にばらつきが生じやすく、また、接地電極に対する内層の中心位置もばらつきやすい。その上、加工作業は非効率的でありコスト増を招いてしまう。
これに対し、本構成1では、複層材を形成し、それを細化して中間材を得、得られた中間材の少なくとも先端側の部位に関し、スウェージングを施すことで、直径1.5mm以下の断面円形状とされる。従って、無理なく安定して製造することができる。
また、複層材形成工程に際しては、有底筒状体を用いることとしている。このため、底部を先端側とすれば、得られる複層材は、少なくともその先端部外表面がすべて外層を構成する金属で覆われたものとなる。従って、接地電極の先端面を、内層を露出させることなく外層で構成しようとした場合、前記底部に対応する部位が先端面を構成しうることとなるため、別途先端に蓋体を接合したりする必要がない。結果として、作業工数の著しい低減を図ることができるとともに、接地電極の先端部に前記接合の痕跡が残るといった事態を回避できる。尚、上記効果は、接地電極1本ずつにつきスウェージングを施して直径1.5mm以下の断面円形状とすることと相俟って奏されるものである。すなわち、細径化した1本を複数本に切断して接地電極を得ようとした場合には、接地電極の先端面を、内層を露出させることなく外層で構成しようとすると、依然として別途先端に蓋体を接合したりする必要が生じてしまう。
構成2.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1において、前記中間材形成工程を経た後、前記中間材の基端部を前記主体金具の先端面に接合する接合工程を設け、その後、前記スウェージング工程を実行することを特徴とする。
構成2によれば、中間材形成工程を経た後、中間材の基端部が前記主体金具の先端面に接合される。このため、その後のスウェージング工程に際しては、主体金具を保持した状態で、その先端面に接合された中間材をその先端側からスウェージャーに導入することができる。従って、スウェージングに際し保持するための部位を確保するために、中間材をわざわざ長めに設定しておき、スウェージング後前記保持部を切除したりすることが不要となる。その結果、材料の浪費を最小限に抑えることができ、切除の手間をなくすことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、本実施形態のスパークプラグ100は、主体金具1と、絶縁体2と、中心電極3と、接地電極4とを備えている。また、特に符号を付さないが、絶縁体2の後端側には抵抗体やガラスシール体を介して中心電極3に電気的に接続された接続端子等を備えている。主体金具1は筒状をなしており、その内側に絶縁体2が滑石(タルク)やパッキン等を介して保持されている。絶縁体2の先端部は主体金具1から突出している。また、中心電極3は、先端に設けられた貴金属チップ31を突出させた状態で絶縁体2の内側に設けられている。さらに、接地電極4は、前記主体金具1の先端面に対しその基端面が溶接されているとともに、長手方向中間位置の屈曲部5において中心方向へ屈曲させられている。そして、接地電極4は、その先端部内側面が前記中心電極3の先端面と対向するように配置されている。当該接地電極4の内側面には、前記貴金属チップ31に対向する貴金属チップ32が設けられている。そして、これら貴金属チップ31と貴金属チップ32との間が火花放電間隙33となっている。
前記絶縁体2は、例えばアルミナからなるセラミック焼結体により構成され、その内部には自身の軸方向に沿って中心電極3が配置されるための孔部6が形成されている。また、主体金具1は、低炭素鋼等の金属により円筒状に形成されており、スパークプラグ100のハウジングを構成するとともに、その外周面には、スパークプラグ100を図示しないエンジンのシリンダヘッドに取り付けるためのねじ部7が形成されている。
また、接地電極4の本体部は、外層4A及び内層4Bからなる2層構造となっている。外層4Aは、インコネル600や601(登録商標)等のニッケル合金等で構成されている。これに対し、内層4Bは、ニッケル合金よりも良熱伝導性金属(例えば銅を主体とする金属材料や、前記ニッケル合金よりも熱伝導性に優れる高純度ニッケル等)で構成されている。本実施形態では、当該内層4Bの存在によって、熱引き性(放熱性)の向上が図られている。尚、本実施形態では、中心電極3の本体部もまた、外層及び内層の2層構造を具備している。
また、上記中心電極3側の貴金属チップ31は、例えばイリジウムを主成分とし、10質量%の白金、3質量%のロジウム、及び1質量%のニッケルを含有する貴金属合金により構成されている。さらに、接地電極4側の貴金属チップ32は、例えば白金を主成分とし、20質量%のイリジウム、5質量%のロジウムを含有する貴金属合金により構成されている。但し、これらの素材構成はあくまでも例示であって、何ら限定されるものではない。各貴金属チップ31,32は、主体金具3又は接地電極4に対し、それぞれの接合面外縁部に沿って所定形状(例えば円柱形状)のチップをレーザ溶接、電子ビーム溶接、抵抗溶接等によって固着することにより形成されている。
尚、本実施形態では両電極3,4共に貴金属チップ31,32が設けられているが、接地電極4又は中心電極3の一方にのみ貴金属チップが設けられていてもよい。中心電極3にのみ貴金属チップ31が設けられている場合には、相対向する貴金属チップ31と接地電極4との間で火花放電間隙が形成され、接地電極4にのみ貴金属チップ32が設けられている場合には、相対向する貴金属チップ32と中心電極3との間で火花放電間隙が形成される。これに対し、いずれにも貴金属チップを設けないこととしてもよい。この場合には、中心電極3先端面と接地電極4内側面との間で火花放電間隙が形成される。
さて、図1,2,3に示すように、本実施形態において、前記接地電極4は、主体金具1の先端面に接合され一定の幅を有する基部41と、基部41よりも先端側に位置する断面円形状の小径部42と、前記基部41及び小径部42間に位置し、断面形状が長手方向に沿って徐変するテーパ部43とを具備している。但し、本実施形態における「幅」は、中心電極3と接地電極4とが重なる方向にみたときに、軸線方向(図1の上下方向)と直交する方向における幅を指す。前記基部41は、幅L1が2.7mm、厚さT1が1.3mmの断面矩形状をなしており、その断面における断面積は約3.5mm2となっている。また、小径部42は、直径Dが1.3mmの丸棒状をなし、その中腹に前記屈曲部5を有している。尚、必ずしも上記数値に拘泥されるものではなく、小径部42は、その直径Dが1.5mm以下であればよい。また、本実施形態では、小径部42の最も基部41側の部位γは、火花放電間隙33の軸線方向における中心点αよりも先端側(図1の上側)に位置している。すなわち、接地電極4のうち少なくとも火花放電間隙33の軸線方向における中心点αよりも先端側においては、直径が1.5mm以下の断面円形状をなしているといえる。
次に、上記のように構成されてなるスパークプラグ100の製造方法について、前記接地電極4の製造過程を中心に説明する。まず、主体金具1を予め加工しておく。すなわち、円柱状に形成された金属素材(例えばS15CやS25Cといった鉄系素材やステンレス素材)を冷間鍛造加工により貫通孔を形成し、概形を製造する。その後、切削加工を施すことで外形を整え、主体金具中間体71(図5参照)を得る。
一方で、接地電極中間体61を製造する。本実施形態では、当該接地電極中間体61が「中間材」に相当する。ここで、図4(c)に示すように、接地電極中間体61は、未だ屈曲前の直棒状のものであって、なおかつ、先端側の小径部42及びテーパ部43に相当する部位に関しては、最終製品よりも幾分大きい断面積を有するものである。また、本実施形態における接地電極中間体61は、全長において基部41とほぼ同一の断面形状(断面矩形状)を有するものである。当該接地電極中間体61は、例えば次のようにして得られる。
すなわち、図4(a)に示すように、内層4Bを構成する金属材料よりなる芯材51と、外層4Aを構成する金属材料よりなる有底筒状体52とを用意する。芯材51は、円柱状をなす台座部53と、台座部53の上面中心から上方へ突出するよう一体形成された円柱状の芯部54とからなる。前記芯部54の断面積は、内層4Bの断面積よりも大きく設定されている。一方、有底筒状体52は、前記芯部54と同等サイズの凹部55を有するとともに、その名のとおり底部56を有している。また、凹部55外周の壁は、前記外層4Aよりも厚肉に設定されている。
そして、図4(b)に示すように、有底筒状体52の凹部55に対し、前記芯材51の芯部54を嵌入することにより、カップ材57を形成する。本実施形態では、当該カップ材57が「複層材」に相当する。
次に、カップ材57について冷間にて細化加工を施すことで、図4(c)に示すように、接地電極中間体61を形成する。本実施形態における冷間での細化加工としては、例えば、ダイス等を用いた線引き加工、雌型等を用いた押出成形加工等が挙げられる。尚、同図J−J線を通過する平面で切断して、前記台座部53に相当する部分を除去したものを、接地電極中間体61としてもよい。このように切除することで、最終的に接地電極4が形成されたときに、内層4Bが露出することがなくなる。また、この接地電極中間体6は、その外形形状としては任意の形状に成形すればよく、本実施形態においては矩形断面形状を有する角柱状としている。
続いて、図5(a)に示すように、前記主体金具中間体71の先端面に、接地電極中間体61を抵抗溶接により接合する。尚、例えば同図K−K線を通過する平面で切断して、接地電極中間体61の長さ(図5(b)の長さLH1参照)を整えたり、先端側部分における外層4Aを構成する素材の厚さ(図5(b)の厚さTH1参照)の調節を行ったりしてもよい。前記抵抗溶接に際してはいわゆる「ダレ」が生じるので、その「ダレ」を除去する作業が行われる。
その後、接地電極中間体61に関し、スウェージング加工が施される。ここで、既に、主体金具中間体71の先端面に、接地電極中間体61が溶接されている。このため、スウェージングに際しては、主体金具中間体71を保持した状態で、その先端面に接合された接地電極中間体61をその先端側からスウェージャーの加工部(スウェージングダイス)に導入することができる。従って、スウェージングに際し保持するための部位を確保するために、接地電極中間体をわざわざ長めに設定しておいて、スウェージング後、前記保持部を切除したりすることが不要となる。
そして、上記のようにスウェージングを施すことにより、図6(a)に示すように、接地電極中間体61の先端部が丸く、細径化されることとなり、上述した小径部41に相当する部分、つまり、直径1.5mm以下(ここでは1.3mm)の断面円形状部分が形成される。
上記のスウェージング加工後、主体金具中間体71の所定部位に、ねじ部7が転造によって形成される。これにより、先端部が丸く細径化された接地電極中間体61の溶接された主体金具1が得られる。前記接地電極中間体61の溶接された主体金具1には、亜鉛メッキ或いはニッケルメッキが施される。尚、耐食性向上を図るべく、その表面に、さらにクロメート処理が施されることとしてもよい。
さらに、接地電極中間体61の先端部には、上述した貴金属チップ32が、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。尚、溶接をより確実なものとするべく、当該溶接に先だって溶接部位のメッキ除去が行われたり、或いは、メッキ工程に際し溶接予定部位にマスキングが施されたりする。また、当該チップの溶接を、後述する組付けの後に行うこととしてもよい。
一方、前記主体金具1とは別に、絶縁体2を成形加工しておく。例えば、アルミナを主体としバインダ等を含む原料粉末を用い、成形用素地造粒物を調製し、これを用いてラバープレス成形を行うことで、筒状の成形体が得られる。得られた成形体に対し、研削加工が施され整形される。そして、整形されたものが焼成炉へ投入され焼成されることで、絶縁体2が得られる。
また、前記主体金具1、絶縁体2とは別に、中心電極3を製造しておく。すなわち、Ni系合金が鍛造加工され、その中央部に放熱性向上を図るべく銅芯が設けられる。そして、その先端部には、上述した貴金属チップ31が、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合される。
そして、上記のようにして得られた貴金属チップ31が接合された中心電極3と、図示しない端子金具とが、やはり図示しないガラスシールによって前記絶縁体2の孔部6へ封着固定される。ガラスシールとしては、一般的にホウ珪酸ガラスと金属粉末とが混合されて調整されたものが用いられる。そして先ず中心電極3を絶縁体2の孔部6へ挿通した状態とし、前記調整されたシール材が絶縁体2の孔部6に注入された後、後方から前記端子金具が押圧された状態とした上で、焼成炉内にて焼き固められる。尚、このとき、絶縁体2の後端側の胴部表面には釉薬層が同時に焼成されることとしてもよいし、事前に釉薬層が形成されることとしてもよい。
その後、上記のようにそれぞれ作製された中心電極3及び端子金具を備える絶縁体2と、接地電極中間体61を備える主体金具1とが組付けられる。より詳しくは、比較的薄肉に形成された主体金具1の後端部に対し、冷間加締めや熱間加締めが行われることで、周方向から絶縁体2の一部が主体金具1に取り囲まれるようにして保持される。
そして、最後に、図6(b)に示すように、接地電極中間体61の先端部(小径部42)を屈曲させて屈曲部5を形成することで、中心電極3(の貴金属チップ31)及び接地電極4(の貴金属チップ32)間の前記火花放電間隙33を調整する加工が実施される(但し、図6(b)では、貴金属チップ31,32や、中心電極3等の図示は省略してある)。
このように一連の工程を経ることで、上述した構成を有するスパークプラグ100が製造される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、得られるスパークプラグ100に関し、接地電極4のうち少なくとも火花放電間隙33の軸線方向における中心点αよりも先端側においては、直径Dが1.5mm以下(ここでは1.3mm)の断面円形状をなしている。このため、例えば図3に混合気が接地電極4の背面に直接当たるような位置関係になった場合であっても、混合気が接地電極4の内側に廻り込んで、火花放電間隙33に混合気が到達しやすい。結果として、着火性の低下を防止することができる。
また、接地電極4は、ニッケル合金等で構成された外層4A及び当該外層4Aよりも良熱伝導性金属よりなる内層4Bを備えている。このため、内層4Bにおいて、積極的に放熱が図られ、所謂「熱引き」が良くなる。従って、高速運転時等において接地電極温度が上昇してしまうことによる不具合、つまり、耐酸化性や耐火花摩耗性等の耐久性の低下を抑制できる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、接地電極4は小径部42よりも幅広(断面積の大きい)基部41を備えている。これに対し、接地電極を、長手方向全域にわたって小径部42のみから構成してもよい。また、上記実施形態では、基部41と小径部42との間にテーパ部43を設ける構成としているが、テーパ部を省略した構成としてもよい。つまり、基部と小径部との境界が段状になっていてもよい。また、基部41は、上記実施形態のように一定の幅L1を有していてもよいし、主体金具1側ほど幅広に構成されていてもよい。
(b)上記実施形態では、接地電極中間体61の基端部を主体金具中間体71の先端面に溶接した後に、スウェージングを施すこととしている。これに対し、スウェージングを施した後に、主体金具(又はその中間体)の先端面に溶接してもよい。
(c)上記実施形態では、接地電極4を外層4A、内層4Bからなる2層構造を備えるものとしているが、2層以上であれば3層構造を備えていてもよい。例えば、内層を2層とする考え方を採用し、内層の中心材として銅を主体とする金属材料を用いるとともに、中心材の周囲を被覆する素材として外層を構成するニッケル合金よりも熱伝導性に優れる高純度ニッケルを用いることが例示される。
一実施形態のスパークプラグの構成を示す一部破断正面図である。 図1に対し直交する方向から見たスパークプラグを示す側面図である スパークプラグを先端側からみた状態を示す平面図である。 スパークプラグの製造過程を示す図であって、(a)は芯材及び有底筒状体を示す斜視図であり、(b)はカップ材を示す断面図であり、(c)は接地電極中間体を示す断面図である。 スパークプラグの製造過程を示す図であって、(a)は接地電極中間体を主体金具中間体の先端面に接合した状態を示す部分斜視図であり、(b)は断面図である。 スパークプラグの製造過程を示す図であって、(a)は接地電極中間体にスウェージングを施した状態を示す部分斜視図であり、(b)は屈曲加工状態を示す部分斜視図である。
符号の説明
1…主体金具、2…絶縁体、3…中心電極、4…接地電極、33…火花放電間隙、41…基部、42…小径部、51…芯材、52…有底筒状体、55…凹部、57…カップ材、61…接地電極中間体。

Claims (2)

  1. 軸線方向に延びる棒状の中心電極と、
    前記中心電極の外周に設けられた略円筒状の絶縁体と、
    前記絶縁体の外周に設けられた筒状の主体金具と、
    基端部が前記主体金具の先端面に接合され、先端部が前記中心電極の先端面と対向するように配置された接地電極とを備え、
    前記中心電極の先端面及び前記接地電極の先端部間に火花放電間隙を有し、
    前記接地電極は、少なくとも自身の先端部外表面をすべて覆う金属製の外層及び当該外層よりも良熱伝導性の金属よりなる内層を備え、
    前記接地電極のうち少なくとも前記火花放電間隙の軸線方向における中心よりも先端側においては、直径が1.5mm以下の断面円形状をなす内燃機関用スパークプラグの製造方法であって、
    前記内層を構成する金属よりなり前記内層よりも断面積の大きい芯材を、前記外層を構成する金属よりなり前記芯材の外周形状とほぼ同等形状の凹部を有するとともに前記外層よりも厚肉の有底筒状体の前記凹部に嵌入し、複層材を形成する複層材形成工程と、
    少なくとも先端部においては前記接地電極の先端部よりも断面積が大きくなるよう前記複層材を冷間にて細化加工することで中間材を形成する中間材形成工程と、
    前記中間材の少なくとも先端側の部位に関し、スウェージングを施すことで、直径1.5mm以下の断面円形状とするスウェージング工程とを備えることで、前記接地電極を形成し、これによって前記内燃機関用スパークプラグを製造することを特徴とする内燃機関用スパークプラグの製造方法。
  2. 前記中間材形成工程を経た後、前記中間材の基端部を前記主体金具の先端面に接合する接合工程を設け、その後、前記スウェージング工程を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用スパークプラグの製造方法。
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