JP2007254814A - Fe−Ni系軟磁性合金粉末、圧粉体、コイル封入圧粉磁芯 - Google Patents
Fe−Ni系軟磁性合金粉末、圧粉体、コイル封入圧粉磁芯 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】磁束密度が大きく、電気抵抗が大きく、しかも硬度の低いFe−Ni系軟磁性合金粉末、圧粉体、コイル封入圧粉磁芯を提供することを目的とする。
【解決手段】コイル封入圧粉磁芯用の圧粉体を形成するためのFe−Ni系軟磁性合金粉末を、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有するものとし、前記の添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であるものとする。これにより、磁束密度や電気抵抗を下げることなく、硬度を低下させ、Fe−Ni系軟磁性合金粉末の成形性を向上させる。なお、軟磁性合金粉末の平均粒径は50μm以下とするのが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】コイル封入圧粉磁芯用の圧粉体を形成するためのFe−Ni系軟磁性合金粉末を、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有するものとし、前記の添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であるものとする。これにより、磁束密度や電気抵抗を下げることなく、硬度を低下させ、Fe−Ni系軟磁性合金粉末の成形性を向上させる。なお、軟磁性合金粉末の平均粒径は50μm以下とするのが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、主に電源のインダクタ若しくはチョークコイルとして用いられるコイル封入圧粉磁芯、およびそれに用いるFe−Ni系軟磁性合金粉末、圧粉体に関する。
近年、電気、電子機器の小型化が進み、小型(低背)で大電流に対応したコイル用の圧粉磁芯が要求されている。
電気、電子機器の小型化のためには、磁束密度が大きく(すなわち直流重畳特性がよい)、電気抵抗が大きい(すなわちコアロスが小さい)ことが、圧粉磁芯の材料に望まれる。
電気、電子機器の小型化のためには、磁束密度が大きく(すなわち直流重畳特性がよい)、電気抵抗が大きい(すなわちコアロスが小さい)ことが、圧粉磁芯の材料に望まれる。
上記のような条件を満足する圧粉磁芯の材料として、軟磁性金属であるFe−Si−Al合金、Fe−Ni合金、Fe−Si合金が多く用いられている。
このうち、Fe−Ni合金、Fe−Si合金は、一般に、高磁界まで透磁率が十分に大きいとはいえない。また、Fe−Si−Al合金は、合金自体としての透磁率は大きいものの、コイル封入圧粉磁芯としての透磁率は低い。Fe−Si−Al合金は、硬度が高いため、コイル封入圧粉磁芯として高い密度を得ることが困難なためである。また、Fe−Si−Al合金は、軟磁性金属としては磁束密度が小さいために、直流重畳特性が悪い。
このうち、Fe−Ni合金、Fe−Si合金は、一般に、高磁界まで透磁率が十分に大きいとはいえない。また、Fe−Si−Al合金は、合金自体としての透磁率は大きいものの、コイル封入圧粉磁芯としての透磁率は低い。Fe−Si−Al合金は、硬度が高いため、コイル封入圧粉磁芯として高い密度を得ることが困難なためである。また、Fe−Si−Al合金は、軟磁性金属としては磁束密度が小さいために、直流重畳特性が悪い。
そこで、これらの合金材料に対し、様々な改善が試みられている。
例えば、Fe−Ni系合金においては、特許文献1に記載の技術では、Ni量を45〜68wt%とし、さらにSi、Ge、Snを添加することで、低ロス化、高透磁率化を図ろうとしている。
また、特許文献2に記載の技術では、Fe−Ni合金にAl,Cr,Mo,Ti,Zn,Nbを添加することで、電気抵抗率を高めようとしている。
例えば、Fe−Ni系合金においては、特許文献1に記載の技術では、Ni量を45〜68wt%とし、さらにSi、Ge、Snを添加することで、低ロス化、高透磁率化を図ろうとしている。
また、特許文献2に記載の技術では、Fe−Ni合金にAl,Cr,Mo,Ti,Zn,Nbを添加することで、電気抵抗率を高めようとしている。
ところで、電気、電子機器の小型化を目的としてコアの小型化(低背)をさらに推進するため、コイルと圧粉磁芯が一体的に加圧成形されたコイルが提案されている。この構造のインダクタを、本明細書では、「コイル封入圧粉磁芯」と呼ぶことにする。
コイル封入圧粉磁芯の構造を持つインダクタとしては、製造時に基盤への自動挿入が可能な表面実装型(SMD)の要求がある。SMDに対応する場合も、圧粉磁芯はコイルとの一体成形品、すなわちコイル封入圧粉磁芯が望ましい。予め成形された磁芯をコイルに貼り合せるタイプの圧粉磁芯に比べてインダクタンスを大きくすることができるためである。ここで、コイル封入圧粉磁芯を得るためには、一体成形が必須工程となる。この一体成形において、成形圧は低いことが望まれる。一体成形中にコイルに過大な圧力が加わると、コイルの潰れ、ショート、断線といった不具合が発生するおそれがあるためである。したがって、コイル封入圧粉磁芯に用いられる材料は、その成形性の観点から、硬度が低いことが望ましい。
コイル封入圧粉磁芯の構造を持つインダクタとしては、製造時に基盤への自動挿入が可能な表面実装型(SMD)の要求がある。SMDに対応する場合も、圧粉磁芯はコイルとの一体成形品、すなわちコイル封入圧粉磁芯が望ましい。予め成形された磁芯をコイルに貼り合せるタイプの圧粉磁芯に比べてインダクタンスを大きくすることができるためである。ここで、コイル封入圧粉磁芯を得るためには、一体成形が必須工程となる。この一体成形において、成形圧は低いことが望まれる。一体成形中にコイルに過大な圧力が加わると、コイルの潰れ、ショート、断線といった不具合が発生するおそれがあるためである。したがって、コイル封入圧粉磁芯に用いられる材料は、その成形性の観点から、硬度が低いことが望ましい。
しかしながら、電源用のインダクタもしくはチョークコイル用の圧粉磁芯に用いられる軟磁性合金粉末として、磁束密度が大きく、電気抵抗が大きく、しかも硬度が低い、という条件を満足するものは、未だ提供されていないのが現状である。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、磁束密度が大きく、電気抵抗が大きく、しかも硬度の低いFe−Ni系軟磁性合金粉末、圧粉体、コイル封入圧粉磁芯を提供することを目的とする。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、磁束密度が大きく、電気抵抗が大きく、しかも硬度の低いFe−Ni系軟磁性合金粉末、圧粉体、コイル封入圧粉磁芯を提供することを目的とする。
上記のような目的を達成するために本発明者らが鋭意検討した結果、圧粉磁芯用原料粉としてのFe−Ni系軟磁性合金粉末において、Ni量を41wt%以上45wt%未満とし、さらにAl,Si,Mn,Mo,Cr,Cuの元素のうち少なくとも1種類以上を含むものとすることで、上記条件を満足できることを見出した。
そこでなされた本発明のFe−Ni系軟磁性合金粉末は、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
上記のような組成とすることで、Niを45wt%以上、あるいは41wt%未満とした場合に比較し、磁束密度や電気抵抗が大きく、しかも硬度が低い、という条件を満足したものとすることができる。これにより、Fe−Ni系軟磁性合金粉末の成形性を向上させることができる。
なお、軟磁性合金粉末の平均粒径は50μm以下とするのが好ましい。
また、軟磁性合金粉末は水アトマイズ法によって得るのが好ましい。
上記のような組成とすることで、Niを45wt%以上、あるいは41wt%未満とした場合に比較し、磁束密度や電気抵抗が大きく、しかも硬度が低い、という条件を満足したものとすることができる。これにより、Fe−Ni系軟磁性合金粉末の成形性を向上させることができる。
なお、軟磁性合金粉末の平均粒径は50μm以下とするのが好ましい。
また、軟磁性合金粉末は水アトマイズ法によって得るのが好ましい。
上記のような本発明のFe−Ni系軟磁性合金粉末を用い、圧粉体を形成することができる。すなわちこの圧粉体は、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であるFe−Ni系軟磁性合金粉末から形成されていることを特徴とする。
さらに、このような圧粉体を用い、コイル封入圧粉磁芯を形成することもできる。
すなわち、そのコイル封入圧粉磁芯は、絶縁材をコーティングした軟磁性合金粉末からなる圧粉体と、圧粉体中に埋め込まれ、周囲が絶縁被覆された導体が巻回されたコイルと、を備え、軟磁性合金粉末は、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
すなわち、そのコイル封入圧粉磁芯は、絶縁材をコーティングした軟磁性合金粉末からなる圧粉体と、圧粉体中に埋め込まれ、周囲が絶縁被覆された導体が巻回されたコイルと、を備え、軟磁性合金粉末は、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明によれば、磁束密度が大きく、電気抵抗が大きく、しかも硬度の低い圧粉磁芯用原料粉を得ることができ、圧粉磁芯材料の成形性を高めてコイルと圧粉磁芯が一体的に加圧成形されたコイル封入圧粉磁芯の製造を容易とし、コイルの小型化、高性能化を図ることが可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は本実施の形態におけるコイル封入圧粉磁芯の平面図である。また、図2はコイル封入圧粉磁芯の側面図である。
図1及び図2に示すように、コイル封入圧粉磁芯は、コイル1と圧粉体10とが一体化された構成を有している。
図1は本実施の形態におけるコイル封入圧粉磁芯の平面図である。また、図2はコイル封入圧粉磁芯の側面図である。
図1及び図2に示すように、コイル封入圧粉磁芯は、コイル1と圧粉体10とが一体化された構成を有している。
コイル1は扁平状の導体2が巻回されて積層されている巻回部3と、その巻回部3より各々引き出した引出端部4a,4bとからなる空芯コイルである。
コイル1は導体2をエッジワイズ巻きで、例えば2.5ターン巻回したものであり、導体2の引出端部4a,4bはコイル1の本体部分より逆フォーミングで各々引き出された構造となっている。つまり、コイル1は継ぎ目なしに一体に形成されている。
コイル1は導体2をエッジワイズ巻きで、例えば2.5ターン巻回したものであり、導体2の引出端部4a,4bはコイル1の本体部分より逆フォーミングで各々引き出された構造となっている。つまり、コイル1は継ぎ目なしに一体に形成されている。
コイル1を形成する導体2の断面は扁平状となっている。ここで、扁平状の断面としては、例えば矩形、台形、楕円形の断面が挙げられるが、矩形状の断面を有する導体2としては、絶縁被覆銅線である平角線がある。平角線を導体2として用いる場合には、その断面寸法を縦0.1〜1mm×横0.5〜5mm程度とすることができる。導体2の絶縁被覆は、通常、エナメル被覆とすることができるが、エナメル被覆の厚さは略3μm程度とする。
扁平状の導体2を巻回してコイル1を形成した場合には、図2に示したようにコイル1を構成する巻線の各層間を極めて密に接触させることができる。したがって、断面が円形の導体を用いる場合よりも低背化に有利であるのみならず、体積当たりの電流容量を向上させることができる。また、巻回数が同等で断面が円形状である導体を巻回してコイル1を形成した場合に比べて、電線占有率を大幅に向上させることができる。よって、扁平状の導体2を巻回して作製したコイル1は、大電流用のコイル封入圧粉磁芯を作製する上で好適である。
圧粉体10は、コイル1の引出端部4a,4bを除き当該コイル1の周囲を覆っている。また、詳細な説明については後述するが、本実施の形態では、コイル1の引出端部4a,4bが端子部100として機能するため、コイル1はいわゆる端子一体型構造となっている。
圧粉体10について説明すると、圧粉体10は、軟磁性合金粉末に絶縁材を添加、混合し、しかる後所定の条件で加圧することにより作製される。そのために、圧粉体10において、軟磁性合金粉末は絶縁材でコーティングされる。また、絶縁材を添加した軟磁性合金粉末を乾燥した後、さらに乾燥後の磁性粉末に潤滑剤を添加、混合することが好ましい。
本発明は、圧粉体10に用いる軟磁性金属として、Fe−Ni系軟磁性合金を用いる。
Fe−Ni系軟磁性合金は、Ni:41wt%以上45wt%未満、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuの元素のうち少なくとも1種類以上の添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有することが好ましい。
Fe−Ni系軟磁性合金の電気抵抗を大きくするには、Ni量は45wt%未満が好ましい。ただし41wt%未満では飽和磁束密度が小さくなりすぎ、またキュリー温度が低くなるために好ましくない。したがって、Ni量の好ましい範囲は、41wt%以上45wt%未満であり、さらには、42wt%以上44wt%未満とするのがより好ましい。
Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuの元素のうち少なくとも1種類以上の添加物Aの量は、多いほど電気抵抗が大きくなるが、5wt%を超えると、硬くなりすぎ成形性に問題を生じる。また1wt%未満では電気抵抗を大きくする効果が乏しい。したがって、添加物Aの量の好ましい範囲は、1wt%以上5wt%以下であり、さらには、2wt%以上4wt%未満とするのがより好ましい。
Fe−Ni系軟磁性合金は、Ni:41wt%以上45wt%未満、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuの元素のうち少なくとも1種類以上の添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有することが好ましい。
Fe−Ni系軟磁性合金の電気抵抗を大きくするには、Ni量は45wt%未満が好ましい。ただし41wt%未満では飽和磁束密度が小さくなりすぎ、またキュリー温度が低くなるために好ましくない。したがって、Ni量の好ましい範囲は、41wt%以上45wt%未満であり、さらには、42wt%以上44wt%未満とするのがより好ましい。
Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuの元素のうち少なくとも1種類以上の添加物Aの量は、多いほど電気抵抗が大きくなるが、5wt%を超えると、硬くなりすぎ成形性に問題を生じる。また1wt%未満では電気抵抗を大きくする効果が乏しい。したがって、添加物Aの量の好ましい範囲は、1wt%以上5wt%以下であり、さらには、2wt%以上4wt%未満とするのがより好ましい。
圧粉体10を構成する軟磁性合金粉末の形状は特に制限はないが、高い磁界域までインダクタンスを維持するために、球状又は楕円状とすることが好ましい。しかし、球状粉の場合は圧粉磁芯の強度が小さくなるという欠点があり、楕円状粉が望ましい。
このような軟磁性合金粉末は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法等によって得ることができる。また、軟磁性合金粉末の平均粒径は、好ましくは50μm以下、より好ましくは3〜35μm、さらに好ましくは5〜30μmである。平均粒径が小さすぎると保磁力が大きくなってしまい、また、取り扱いが難しくなる。一方、平均粒径が大きすぎると渦電流損失が大きくなってしまう。
このような軟磁性合金粉末は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法等によって得ることができる。また、軟磁性合金粉末の平均粒径は、好ましくは50μm以下、より好ましくは3〜35μm、さらに好ましくは5〜30μmである。平均粒径が小さすぎると保磁力が大きくなってしまい、また、取り扱いが難しくなる。一方、平均粒径が大きすぎると渦電流損失が大きくなってしまう。
圧粉体10を構成する軟磁性合金粉末は、絶縁材によってその表面がコーティングされる。絶縁材は、必要とされる磁芯の特性に応じて適宜選択されるものであるが、例えば各種有機高分子樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、水ガラス等を絶縁材として用いることができ、さらにこれらの樹脂と無機物を組み合わせて使用してもよい。必要とされる磁芯の特性に応じて絶縁材の添加量は異なるが、1〜10wt%程度添加することができる。絶縁材の添加量が10wt%を超えると透磁率が低下し、損失が大きくなる傾向にある。一方、絶縁材の添加量が1wt%未満の場合には、絶縁不良の可能性がでてくる。絶縁材の好ましい添加量は、1.5〜5wt%である。
潤滑剤は、その添加量を0.1〜1wt%程度とすることができ、望ましい潤滑剤の添加量は0.2〜0.8wt%、さらに望ましい潤滑剤の添加量は0.3〜0.8wt%である。潤滑剤の添加量が0.1wt%未満の場合には、成形後の脱型がしにくく、成形クラックが生じやすい。一方、潤滑剤の添加量が1wt%を超えると、密度の低下を招き、透磁率が減少してしまう。潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛及びステアリン酸ストロンチウム等から適宜選択すればよい。いわゆるスプリングバックが小さいという点から、潤滑剤としてステアリン酸アルミニウムを用いることが好ましい。
また、軟磁性合金粉末には所定量の架橋剤を添加することができる。架橋剤を添加することにより、圧粉体10の磁気特性を劣化させることなく、強度を増加させることができる。架橋剤の好ましい添加量は、シリコーン樹脂等の絶縁材に対して10〜40wt%である。架橋剤としては、有機チタン系のものを用いることができる。
本実施の形態に係るコイル封入圧粉磁芯の製造方法について図3〜図4を用いて説明する。
図3は、本実施の形態によるコイル封入圧粉磁芯の製造工程を示すフローチャートである。なお、扁平状の導体2を巻回したコイル1は予め作製しておくものとする。
まず、Fe−Ni系軟磁性合金からなる軟磁性合金粉末及び絶縁材をそれぞれ秤量する(ステップS201)。なお、架橋剤を添加する場合には、ステップS201において秤量しておく。秤量後、軟磁性合金粉末と絶縁材を混合する(ステップS202)。また、架橋剤を添加する場合には、ステップS202において軟磁性合金粉末と絶縁材と架橋剤を混合する。混合は加圧ニーダ等を用い、好ましくは室温で20〜60分間混合する。得られた混合物を、好ましくは100〜300℃程度で20〜60分間乾燥する(ステップS203)。次いで、乾燥した混合物を解砕し、圧粉磁芯用軟磁性合金粉末を得る(ステップS204)。続くステップS205では、圧粉磁芯用軟磁性合金粉末に潤滑剤を添加する。潤滑剤を添加した後、10〜40分間混合することが望ましい。
図3は、本実施の形態によるコイル封入圧粉磁芯の製造工程を示すフローチャートである。なお、扁平状の導体2を巻回したコイル1は予め作製しておくものとする。
まず、Fe−Ni系軟磁性合金からなる軟磁性合金粉末及び絶縁材をそれぞれ秤量する(ステップS201)。なお、架橋剤を添加する場合には、ステップS201において秤量しておく。秤量後、軟磁性合金粉末と絶縁材を混合する(ステップS202)。また、架橋剤を添加する場合には、ステップS202において軟磁性合金粉末と絶縁材と架橋剤を混合する。混合は加圧ニーダ等を用い、好ましくは室温で20〜60分間混合する。得られた混合物を、好ましくは100〜300℃程度で20〜60分間乾燥する(ステップS203)。次いで、乾燥した混合物を解砕し、圧粉磁芯用軟磁性合金粉末を得る(ステップS204)。続くステップS205では、圧粉磁芯用軟磁性合金粉末に潤滑剤を添加する。潤滑剤を添加した後、10〜40分間混合することが望ましい。
潤滑剤が添加された後、成形工程に進む(ステップS206)。
本実施の形態では、絶縁材をコーティングした軟磁性合金粉末からなる磁性粉末中に、コイル1を埋め込んでコイル封入圧粉磁芯を製造するに際し、図4(A)に示すように、型枠5及び下パンチ7により形成される成形型内に軟磁性合金粉末20を充填する。次いで、図4(B)に示すように、成形型内において、軟磁性合金粉末20の上にコイル1を載置するコイル配置工程と、図4(C)に示すように、コイル1が埋まるように軟磁性合金粉末20を成形型中に再び充填するコイル埋め込み工程と、図4(D)に示すように、上パンチ6が下降することにより、軟磁性合金粉末20とコイル1とが積層された方向に圧力を加えて圧縮成形し、下部コア11及び上部コア12を形成する圧縮成形工程とを設ける。
本実施の形態では、絶縁材をコーティングした軟磁性合金粉末からなる磁性粉末中に、コイル1を埋め込んでコイル封入圧粉磁芯を製造するに際し、図4(A)に示すように、型枠5及び下パンチ7により形成される成形型内に軟磁性合金粉末20を充填する。次いで、図4(B)に示すように、成形型内において、軟磁性合金粉末20の上にコイル1を載置するコイル配置工程と、図4(C)に示すように、コイル1が埋まるように軟磁性合金粉末20を成形型中に再び充填するコイル埋め込み工程と、図4(D)に示すように、上パンチ6が下降することにより、軟磁性合金粉末20とコイル1とが積層された方向に圧力を加えて圧縮成形し、下部コア11及び上部コア12を形成する圧縮成形工程とを設ける。
圧縮成形工程における成形条件は特に限定されず、軟磁性合金粉末20の形状及び寸法や、コイル封入圧粉磁芯の形状、寸法及び密度などに応じて適宜決定すればよいが、通常、最大圧力は100〜1000MPa程度、好ましくは100〜600MPa程度とし、最大圧力に保持する時間は0.1秒間〜1分間程度とする。成形圧力が低すぎると、十分な特性及び機械的強度が得られにくい。一方、成形圧力が高すぎると、コイル1がショートしやすくなる。
下部コア11、上部コア12の厚さは特に限定されないが、通常、コイル封入圧粉磁芯中においてコイル1がほぼ中央に位置するように、粉の充填量を決定することが好ましい。
下部コア11、上部コア12の厚さは特に限定されないが、通常、コイル封入圧粉磁芯中においてコイル1がほぼ中央に位置するように、粉の充填量を決定することが好ましい。
コイル配置工程では、図4(B)に示すようにコイル1を型枠5に固定することが好ましい。これにより、コイル埋め込み工程及び圧縮成形工程においてコイル1が動きにくくなり、コイル封入圧粉磁芯内におけるコイル1の位置のばらつきを低減できる。図示例では、上部型枠5Aと下部型枠5Bとからなる2分割された型枠5を用い、上部型枠5Aと下部型枠5Bとの間にコイル1の端部を挟むことにより固定している。
また、コイル配置工程では、図4(B)に示すように、コイル1の軸方向が圧縮成形工程における加圧方向とほぼ一致するようにコイル1を配置することが好ましい。これにより、圧縮成形工程においてコイル1が歪みにくくなり、性能劣化を抑えることができる。
さて、上述したステップS206における成形工程の後、キュア工程(熱硬化処理工程)に進む(ステップS207)。キュア工程では、成形工程(ステップS206)で得られた成形体を150〜300℃の下で15〜45分間保持する。これにより、成形体中に含まれる、絶縁体としての樹脂が硬化する。
キュア工程後、防錆処理工程に進む(ステップS208)。防錆処理は、例えばエポキシ樹脂等をコイル1と圧粉体10とからなる成形体にスプレーコートすることによって行う。スプレーコートによる膜厚は、15μm程度である。防錆処理を施した後、120〜200℃で15〜45分間熱処理を行うことが望ましい。
キュア工程後、防錆処理工程に進む(ステップS208)。防錆処理は、例えばエポキシ樹脂等をコイル1と圧粉体10とからなる成形体にスプレーコートすることによって行う。スプレーコートによる膜厚は、15μm程度である。防錆処理を施した後、120〜200℃で15〜45分間熱処理を行うことが望ましい。
水アトマイズ法により、表1に示す組成のFe−Ni系軟磁性合金粉末を作製した。
絶縁材:シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン(株)製 SR2414LV)
潤滑剤:ステアリン酸アルミニウム(堺化学製 SA−1000)
絶縁材:シリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン(株)製 SR2414LV)
潤滑剤:ステアリン酸アルミニウム(堺化学製 SA−1000)
各軟磁性合金粉末に対し、絶縁材としてシリコーン樹脂(東レダウコーニングシリコーン(株)製:SR2414LV)を2.7wt%添加し、これらを加圧ニーダにより室温で30分間混合した。ついで、空気中において110℃で30分間乾燥した。乾燥後の磁性粉末に、潤滑剤としてステアリン酸アルミニウム(堺化学製:SA−1000)を0.3wt%添加し、Vミキサーにより15分間混合した。
続いて、図4に示す手順により成形を行い、外径:17mm、内径:10mm、厚さ:5mmの圧粉磁芯を作製した。なお、成形圧は490MPaとした。加圧後の成形体を240℃で30分間熱処理することにより、絶縁材としてのシリコーン樹脂を硬化させた。
続いて、図4に示す手順により成形を行い、外径:17mm、内径:10mm、厚さ:5mmの圧粉磁芯を作製した。なお、成形圧は490MPaとした。加圧後の成形体を240℃で30分間熱処理することにより、絶縁材としてのシリコーン樹脂を硬化させた。
得られた圧粉磁芯について、1MHzの条件下での直流重畳特性μdc、1MHz、25mTの条件下でのコアロス(Pcv)を測定した。その結果を表1に示す。
以上の結果より、圧粉磁芯用のFe−Ni系軟磁性合金粉末として、Niを41wt%以上45wt%未満、添加物AとしてAl,Siを1wt%以上5wt%未満含む実施例1〜4においては、Ni量が前記の範囲外である比較例1、2に比較して、Fe−Ni系軟磁性合金粉末の電気抵抗を同等以上に大きくすることができる。これによってこの圧粉磁芯を用いたコイル封入圧粉磁芯における渦電流損失を小さく、高周波におけるコアロスが小さいものとすることができる。さらに、磁束密度も、Ni量を47wt%とした場合と同等レベルに確保することができる。また、これと同時に、圧粉磁芯の硬度を抑えることができるため、成形密度が大きく、直流重畳特性も優れるため、コイル封入圧粉磁芯の小型化に適したものとなる。
このようにして、磁束密度および電気抵抗が大きく、しかも硬度の低い圧粉磁芯用原料粉を得ることができるので、圧粉磁芯材料の成形性を高めてコイルと圧粉磁芯が一体的に加圧成形されたコイル封入圧粉磁芯を容易かつ確実に製造することが可能となり、コイルの小型化、高性能化を図ることが可能となる。
1…コイル、2…導体、10…圧粉体、20…軟磁性合金粉末
Claims (5)
- Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、前記添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であることを特徴とするFe−Ni系軟磁性合金粉末。
- 前記軟磁性合金粉末の平均粒径が50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のFe−Ni系軟磁性合金粉末。
- 前記軟磁性合金粉末が水アトマイズ法によって得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のFe−Ni系軟磁性合金粉末。
- Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、前記添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であるFe−Ni系軟磁性合金粉末から形成されていることを特徴とする圧粉体。
- 絶縁材をコーティングした軟磁性合金粉末からなる圧粉体と、
前記圧粉体中に埋め込まれ、周囲が絶縁被覆された導体が巻回されたコイルと、を備え、
前記軟磁性合金粉末は、Ni:41wt%以上45wt%未満、添加物A:1wt%以上5wt%以下、残部:Feおよび不可避的不純物の組成を有し、前記添加物Aは、Al,Si,Mn,Mo,Cr,Cuのうち少なくとも1種であることを特徴とするコイル封入圧粉磁芯。
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