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JP2007249307A - コミュニケーションスタイル分析方法および装置 - Google Patents

コミュニケーションスタイル分析方法および装置 Download PDF

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JP2007249307A
JP2007249307A JP2006068393A JP2006068393A JP2007249307A JP 2007249307 A JP2007249307 A JP 2007249307A JP 2006068393 A JP2006068393 A JP 2006068393A JP 2006068393 A JP2006068393 A JP 2006068393A JP 2007249307 A JP2007249307 A JP 2007249307A
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Abstract

【課題】きめ細かにコミュニケーションを分析してそのスタイルを解析する
【解決手段】グループ間関係量算出部910は、タグ位置ログ分析装置220、送受信ログ分析装置420、通話ログ分析装置620、アクセスログ分析装置820により生成されたタグ位置検出、電子メール、通話、および文書共有のそれぞれの固有のネットワーク図情報から、各メンバがどのグループに所属するかを示す組織情報を利用して、グループを要素とするグループネットワークの隣接行列の情報を生成する。分離指標算出部920は、タグ位置検出、電子メール、通話、文書共有の固有のグループネットワーク隣接行列から、タグ位置検出、電子メール、通話、文書共有の固有の分離指標を算出する。分離指標表示部930は、タグ位置検出、電子メール、通話、文書共有ごとに座標軸を設定した座標空間に分離指標の組をプロットする。
【選択図】図10

Description

この発明は、組織中のグループのコミュニケーションスタイルを分析する技術に関する。
従来、組織活動の特徴を調査するために、組織のメンバ間の社内メールを使っての連絡や口頭での報告など、さまざまな形態での交信を記録し分析する手法が利用されてきた。例えば、非特許文献1に見られるソーシャル・ネットワーク分析と呼ばれる手法では、組織のメンバ間のネットワークを、ネットワーク図で表現する。これにより、人事上の組織図では表現されないメンバの役割やメンバ間の依存関係を知ることができる。しかしながら、ネットワーク分析は、分析者が組織のメンバにインタビューやアンケートを行なうことによって進められるため、時間がかかる。さらに、分析のためには分析者の経験が必要となる。
近年では、インターネットの発達により多くの交信が電子メールで行なわれるようになってきている。電子メールは、メールサーバと呼ばれる電子メールの送受信を管理するコンピュータを通して行なわれる。メールサーバには通信記録(電子メールログ)が残されており、これらを利用することでネットワーク分析も容易に行うことができる。
非特許文献2には、この電子メールログを使ったネットワーク分析の手法が提案されている。ネットワーク分析は、誰と誰がコミュニケーションを取ったことがあるかをグラフで表し、そのグラフの構造を調べることによって組織のコミュニケーションを分析しようとするものである。コミュニケーションの参加者はノードで、その間のコミュニケーションはリンクで表される。そして、コミュニケーションの回数はリンクの太さで表される。
ネットワーク分析で重要な指標は、入次数と出次数、2点間の距離、中心媒介性である。これらを用いて、メンバの役割を分析することができる。例えば、図1に示すように、これらの指標を用いて縁結び役、辺境のスペシャリスト、情報仲介屋、外部橋渡し役等の役割のメンバを弁別できる。なお、ノードに向かうリンクの数は入次数、ノードから出るリンクを出次数と呼ぶ。また2点間の距離は、あるノードから別のノードまで、直接電子メールをやりとりしたノードをたどり、いくつのノードでたどりつけるかのその人数である。さらに、媒介中心性とは、あるノードを取り除いた時に情報が伝わる度合いを表している。
また、非特許文献3は、ネットワークの分割においては、最適な分割を行う指標として分離指標Qを提案している。分離指標Qについてはこの発明との関連で後に触れる。ただし、この文献は、コミュニケーション分析については何等記載も示唆もない。
また特許文献1では、利用者のメッセージのやりとりの履歴情報を保存しておいて、電子メールのメッセージを返信した相手数、返信を受けた相手数、投稿したメッセージの総量(長さ)、投稿したスレッドの数からグループ活動上の役割に対する利用者の適合度を求めている。
特開2003−216785号公報 ローレンス・プルサック、ロブ・クロス、西尚久訳『ソーシャル・ネットワーク:組織活力の源泉』DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー、2002年10月号、p.96−107 安田雪著、「ネットワーク分析」、新曜社、1997年発行 Mixing pattern in network,Physical Review E Vol.64,026126(2003)
このように、電子データの利用により、大量のデータであっても分析が可能となる。しかしながら、これまでの分析手法は、単一のチャンネルのコミュニケーション手段の分析であったために、組織の特性に応じた分析ができないという欠点があった。
例えば、タグ位置ログでは、同じセンサによって記録されたバッジのユーザが、直接対話を行っていたと仮定して分析を行うことができる。この分析からは、組織においてのコミュニケーションを知ることができる。しかしながら、組織のおかれた環境によっては、直接対話より、電子メールや、電話によるコミュニケーションが重要である場合がある。どのようなチャンネルの通信手段が使われているかは、組織に依存する。すなわち、単一のコミュニケーションでは、組織が置かれた状況によるコミュニケーションチャンネルの選択を考慮できないといった問題があった。
図2に示すように、コミュニケーションチャネルに応じた特性があり、どのようなコミュニケーションをどのように使用するかにかかわらず、きめ細かにコミュニケーションを通じて組織を分析できるようにすることが望まれる。
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、組織でのコミュニケーションを、直接の対話、電子メールによる送信、電話、文書共有の視点から分析を行い、組織が置かれた状況によるコミュニケーションチャンネルの選択を考慮した分析手法を提供することを目的としている。
この発明の原理的な構成例では、上述の目的を達成するために、組織でのコミュニケーションを、緊急度、確実性、個人/多数向け、記録性という観点から分類し、タグ位置ログ、電子メールログ、電話送受信ログ、電子ファイルシステムアクセスログにより、組織のコミュニケーション代表させる。これらのログから、コミュニケーション指標を計算し、4種類のコミュニケーション指標を軸とする空間上にプロットすることで、コミュニケーションを分析する。
より具体的な例では、直接対話、電子メール、電話、文書共有の視点から、組織のコミュニケーションのスタイルを分析する。センサ位置検出ログ、電子メール送受信ログ、電話送受信ログ、電子文書ファイリングシステムアクセスログのそれぞれから組織内のグループ内と外のコミュニケーションを度合いを示す分析指標Qを求める。4つの指標に対し、分析に目的の応じて選んだ、分析指標グラフ上にプロットする。これを、典型的組織のプロット位置と比較することで、コミュニケーションのスタイルを分析する。さらに、活動の各フェーズでの座標位置を求めておくことで、活動とのずれを求めることができる。これにより、単一チャンネルのコミュニケーション分析では、得ることができなかった、各組織のコミュニケーションスタイルを分析することができる。
ここで、さきの非特許文献3の分離指標Qについて説明しておく。分離指標Qは図3に示すように求められる。非特許文献3では、分離指標を用いて隠れたコミュニティ(グループ)を発見する。図3のとおり算出される分離指標が大きくなるようにメンバを分けて新たなコミュニティを選定することで隠れたコミュニティを発見できる。図4の例では、元の1つのコミュニティをコミュニティA、Bに分けたときにQが最大になるので、これにより、コミュニティをA、Bに分割する。
これに対してこの発明では、コミュニティ(グループ)は組織情報等に基づいて既知である。そして、グループの内部のコミュニケーションの量やグループ間のコミュニケーションの量により分離指標Qが変動することを利用して組織全体のコミュニケーションスタイルを分析する。図5に示すように組織内のコミュニケーションがすべてグループ内で閉じている場合には分離指標Qは1となる。他方、すべてがグループ間のコミュニケーションの場合には分離指標Qは−1になる。こうして図6に示すように既知のグループ情報を用いて分離指標Qを算出し、組織のコミュニケーションスタイルを分析する。
図7は電子ファイルシステムによるコミュニケーションについて営業部門の組織と研究部門の組織について分離指標を求めたものである。営業部門の分離指標Qは0.4744と比較的大きく、各コミュニティは内部のコミュニケーションが多いことを示している。これに対して、研究部門の分離指標Qは0.0361と比較的小さく、各コミュニティは外部とのコミュニケーションも多いことを示している。ただし、これは電子ファイルシステムのファイル共有によるコミュニケーションであり、より、積極的なコミュニケーションである電子メール、電話、直接対話については、異なった結果が生じると考えられる。
この発明では、複数のコミュニケーション種別の観点から分離指標を分析してきめ細かにコミュニケーションスタイルを分析することが可能となる。図8に示すように、例えば電子ファイルシステムのアクセスログ、行動ログ(対話ログ。例えば位置情報を利用)および電子メールのログを用いて、対応するコミュニケーションの分離指標をそれぞれ算出し、これをそれぞれの種類の分離指標の値で決定される空間内に表示することにより、そのコミュニケーションスタイルの特徴を容易に理解できる。図8の例では、X部のアクティビティおよびY部のアクティビティから分離指標の座標値を算出し、これを典型例としての総務部スタイルや営業部スタイルと併せて表示して、どのような種類のコミュニケーションスタイルなのかを容易に把握できる。
また、図9に示すように、例えばグループの活動フェーズごとに分析を行なっても良い。図9の例では、分析対象オブジェクトを行なっているメンバからなるグループ(コミュニティ)について複合的な分離指標を算出・表示してその変化を容易に把握して、各フェーズの問題点等を把握したり、以降のフェーズを修正したりすることができる。
組織内での、個人の行動を記録する位置検出システムログ、電子メールの送受信ログ、電子文書ファイリングシステムへのアクセスログ、電話の交信記録を分析して組織のコミュニケーションスタイルを分析する際には、つぎのような処理を行なう。
(1)位置検出システムのログのユーザがいた場所の情報から、ネットワーク図(作図情報まで用意する必要はなくネットワーク情報を取得できれば良い。以下についても同様である)を作成する。
(2)電子メールの送受信ログの送受信関係から、ネットワーク図を作成する。
(3)電子文書ファイリングシステムのログから、ある文書にアクセスしたユーザと、同じ文書にアクセスしたユーザを関連付け、ネットワーク図を作成する。
(4)電話の交信記録から、送受信記録によりネットワーク図を作成する。
(5)ステップ(1)からステップ(4)の、ネットワーク図から、ネットワーク分析手法で、グループ情報を参照して、分析指標を計算する。
(6)ステップ(5)で得られた分析指標を、4次元座標にプロットする。
(7)ステップ(6)でプロット位置と、典型的プロットの位置を比較し、分析する。
(8)典型的プロット位置を業務活動ごとに求め、フェーズごとに分析する。
この発明をさらに説明する。なお、理解を容易にする目的で実施例の対応する部分の符号を付した。これは、この発明の技術的範囲を実施例に限定する趣旨ではないことに留意されたい。
この発明によれば、上述の目的を達成するために、コミュニケーションスタイル分析装置に:組織のメンバと所属グループとの関係を示す組織情報を記憶する記憶手段(組織情報記憶部911)と;所定の組織のメンバの間で行なわれる少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して、上記組織情報を参照して、グループの間の関係量をそれぞれ生成する生成手段(関係量算出部910)と;上記少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して生成されたグループの間の関係量に基づいて、同一グループ内のメンバ同士のコミュニケーションの量と、当該グループ内部のメンバと当該グループ外のメンバとの間のコミュニケーションの量との割合を示す指標を、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類の各々について算出する算出手段(分離指標算出部920)と;上記少なくとも2つのコミュニケーション種類について各々算出した少なくとも2つの上記指標を対比して表示する表示手段(分離指標表示部930)とを設けている。
コミュニケーションスタイル分析装置は、典型的には、ネットワークに分散配置されたコンピュータや各種検知機器を組み合わせて構成されるが、これに限定されず、例えば、コミュニケーションのログ等をスタンドアローンのコンピュータで加工してコミュニケーションスタイルの分析を行なうこともできる。
上記手段をなす各機能は典型的にはコンピュータのCPU、メモリ、バス、IO装置等のハードウェア資源と、OS、基本入出力システム、アプリケーション等のソフトウェア資源とを協働させて構成される。
表示手段は、典型的には、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類について算出した上記指標を座標成分として座標表示する表示手段であり、座標表示には表示装置を用いて非永久的に表示するものと、印刷装置を用いて永久的に表示するものとを含む。また、表示手段は、表形式を用いて指標を対比して表示しても良いし、その他、種々の態様で指標を対比して表示してもよい。
この発明のコミュニケーションスタイル分析装置はその本質を具備する範囲で組織分析装置、コミュニケーション分析装置等として実現可能である。
この構成においては、グループ内のメンバ同士のコミュニケーションの量と、当該グループ内部のメンバと当該グループ外のメンバとの間のコミュニケーションの量との割合を示す指標を、コミュニケーション種別ごとに取得して、多様な観点からコミュニケーションスタイルを分析できる。
この構成において、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類は、典型的には、直接対話、電子メール、通話、および文書共有である。
また、上記対話によるコミュニケーションについての関係量は、典型的には、個人の行動を記録する位置検出システムのログを用いて算出する。位置検出システムは、RFIDタグを用いたもの、赤外線IDバッジを用いたもの、移動体通信の移動局の位置情報を用いたもの、GPSを用いたもの等を採用できるが、これに限定されない。
また、上記電子メールによるコミュニケーションについての関係量は、典型的には、電子メールの送受信ログを用いて算出する。
また、上記文書共有によるコミュニケーションについての関係量は、典型的には、電子文書ファイリングシステムへのアクセスログを用いて算出する。
また、上記電話によるコミュニケーションについての関係量は、典型的には、電話の交信記録を用いて算出する。
また、上記指標は、例えば、eはグループの間の関係量を要素とする隣接行列、Treは対角要素の和、||e2||は隣接行列eの2乗からなる行列のすべての要素として、
で算出される。この指標は、分離指標とも呼ばれ、複数のグループについて、グループ内のコミュニケーションと、グループ間のコミュニケーションの割合を示す指標である。2つ以上のグループがある場合にも求めることができる。「1」に近いと、グループ内のコミュニケーションが多く、「−1」に近いとグループ間のコミュニケーションが多いことを示している。
また、上記指標を上記グループの活動の各フェーズの期間ごとに算出して、期間ごとに算出した上記指標を座標表示してもよい。この場合、期間ごとの典型的な指標の値を併せて表示して比較可能にしても良い。また、算出した指標と、典型的な指標との乖離を各フェーズまたは全体について例えば距離を用いて算出して、乖離が大きい場合等に表示を行なうようにしても良い。
なお、この発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、そのような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることはもちろんである。またそのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品もこの発明の技術的な範囲に含まれることも当然である。
この発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され以下実施例を用いて詳述される。
この発明によれば、組織が置かれた状況によらず、きめ細かにコミュニケーションを分析してそのスタイルを解析することができる。
以下、この発明の実施例について説明する。
図1は、この発明の実施例のコミュニケーションスタイル分析装置1000を全体として示している。この実施例のコミュニケーションスタイル分析装置1000は、典型的には、通信ネットワーク上に分散配置される、コンピュータ、その他の機器を組み合わせて構成される。図では、コミュニケーションスタイル分析装置1000の機能ブロックを用いてその構成を示しているが、これら機能ブロックは、典型的には、コンピュータのCPU、メモリ、バス等のハードウェア資源およびOS、BIOS、アプリケーションソフトウェア等のソフトウェア資源を協働させて実現される。コミュニケーションスタイル分析装置1000を分散配置されたまたはスタンドアローンのコンピュータ1001(図では集合的に1つしか示さないが、複数あってもよい)に実装するためには、コンピュータプログラム1002を当該コンピュータにインストールする。
図1において、コミュニケーションスタイル分析装置1000は、タグ位置検出システム100、電子メールサーバ300、電話交換機500、電子文書ファイリングシステム700およびスタイル分析システム900等を含んで構成されている。スタイル分析システム900は、タグ位置ログ記憶装置210、タグ位置ログ分析装置220、送受信ログ記憶装置410、送受信ログ分析装置420、通話ログ記憶装置610、通話ログ分析装置620、アクセスログ記憶装置810、アクセスログ分析装置820、グループ間関係量算出部910、分離指標算出部920、分離指標表示部930等を含んで構成されている。
タグ位置検出システム100は、例えば、各場所に設置したRFIDセンサによりユーザが保持するRFIDタグを検知してユーザの所在を検知するものである。タグ位置検出システム100は、図11に示すようなタグ位置検出ログ(タグ位置検出情報)を検出する。図11の例ではタグ位置検出情報は、レコードごとに検出時刻、タグIDおよびセンサIDを含むが、これに限定されない。所在の継続時間(開始時刻、終了時刻)を検出しても良い。タグ位置検出情報はタグ位置ログ記憶装置210に記憶管理される。タグ位置ログ分析装置220はタグ位置ログ記憶装置210に記憶されているタグ位置検出ログを用いてタグ位置検出固有のネットワーク図情報(ユーザの節の間に関係の辺があるかどうかを示す情報。図15)を生成する。タグ位置ログ分析装置220の分析動作については図15および図16を参照して後に説明する。タグ位置検出システム100は、典型的にはサーバコンピュータを含み、ネットワークに分散して配置されたセンサ情報入力装置からタグ位置検出情報を収集する。
電子メールサーバ300は、SMPTおよびPOP3プロトコルにより電子メールの送受信を行なうものである。電子メールサーバ300が出力するログ情報の一部またはすべてのフィールドを図12に示すような電子メールログとして送受信ログ記憶装置410に記憶管理する。図12の例では電子メールログは、レコードごとに、時刻、発信ユーザ、および受信ユーザを含むが、これに限定されない。送受信ログ分析装置420は、送受信ログ記憶装置410に記憶されている電子メールログを用いて電子メール固有のネットワーク図情報を生成する。送受信ログ分析装置420の分析動作については図17を参照して後に説明する。なお、図17は通話ログ分析装置620の分析動作をも説明する。
電話交換機500は、典型的には、構内交換機であり、その電話送受信ログが電話送受信ログ記憶装置510に記憶管理される。電話送受信ログは例えば図13に示すように、会話時刻(発信時刻)、発信ユーザおよび受信ユーザのフィールドを含む。電話送受信ログ分析装置520は、電話送受信ログ記憶装置510に記憶されている電話送受信ログを用いて通話固有のネットワーク図情報を生成する(図17参照)。
電子文書ファイリングシステム700は、通常の文書共有システムであり、そのアクセスログがアクセスログ記憶装置810に記憶管理される。アクセスログは例えば図14に示すようなものであり、アクセス時刻、ユーザIDおよび文書IDを含む。アクセスログ分析装置820は、アクセスログ記憶装置810に記憶されているアクセスログを用いて文書共有固有のネットワーク図情報を生成する。アクセスログ分析装置820の分析動作については図18を参照して後に説明する。
スタイル分析システム900のグループ間関係量算出部910は、タグ位置ログ分析装置220、送受信ログ分析装置420、通話ログ分析装置620、およびアクセスログ分析装置820のそれぞれにより生成されたタグ位置検出固有のネットワーク図情報(節と辺の情報)、電子メール固有のネットワーク図情報、通話固有のネットワーク図情報、および文書共有固有のネットワーク図情報から、グループを要素とするグループネットワークの隣接行列(ユーザのネットワークではない)の情報を生成する。隣接行列は、グループの間の辺の数を要素とするものである(図19にグループが3つの場合の隣接行列の例を示している)。
グループネットワークの隣接行列の関係量の計算には、ユーザ間の辺(一定量のコミュニケーション)がどのグループとどのグループの間でなされたかを判別する必要があり、グループ間関係量算出部910は、各メンバがどのグループに所属するかを示す組織情報を組織情報記憶部911から取得する。なお、関係量算出部910は隣接行列の各要素の関係量に応じて各隣接行列を正規化する。
スタイル分析システム900の分離指標算出部920は、タグ位置検出固有のグループネットワーク隣接行列、電子メール固有のグループネットワーク隣接行列、通話固有のグループネットワーク隣接行列、および文書共有固有のグループネットワーク隣接行列から、それぞれ、タグ位置検出固有の分離指標、電子メール固有の分離指標、通話固有の分離指標、および文書共有固有の分離指標を算出する。分離指標は、隣接行列eから図19に示すように算出される。図で、「Tr」は、行列の対角要素の和であり、「|| ||」は、行列の全要素の和である。グループ内のコミュニケーションが閉じている場合には分離指標Qは1.0であり、グループ内外のコミュニケーションがあると、これより小さくなり、グループから外部へのコミュニケーションのみの場合には−1.0である。図19に3つのグループの間の分離指標の計算例を示す。
分離指標表示部930は、例えば、図20に示すように、直接対話(タグ位置情報)、電子メール、電話(通話)、および電子ファイル(文書共有)に固有の分離指標を座標空間の各座標軸に設定して、対象組織の分離指標の組を表示する。図20の例では、X部の組織と、Y部の組織について各分離指標を算出して座標空間中にプロットしている。座標休館中には典型的な総務部スタイル、営業部スタイル等をプロットしておき、組織の特性を、総務部スタイル、営業部スタイル等の典型例との比較で把握することもできる。また、対象プロジェクトのフェーズ例えば企画、設計、試作、評価、量産等の各期間後とに分離指標の組を算出して図21に示すようにその遷移を座標空間中にプロットしてもよい。この場合も各フェーズの典型例と比較するようにしても良い。
図15および図16は、タグ位置検出ログからネットワーク図情報(節の間の辺の有無)を算出する動作例を示している。この例では、図16に示すように、2人のユーザが同時にいた時間の累積値(予め指定した期間での累積値)が予め設定した閾値以上の場合には当該2人の間に関係があるとしてネットワーク図を設定して、グループの間の辺の数によりグループの隣接表列の関係量を計算する。
図16は、タグ位置ログ分析装置220がタグ位置検出ログから各ユーザ間の同時滞在時間の累積値を算出する動作例を示している。タグ位置ログ分析装置220の動作例はつぎのとおりである。この例では、基本的には、各ユーザ対について同時に同じ場所にいるときにはフラグCが1で、一方のユーザが別の場所に移動して両者が合流したときに開始時刻TSをセットし、一方のユーザが別の場所に移動して両者が分かれたときに終了時刻として開始時刻との差分を順次累積していく。累積時間が所定の閾値をこえるときに当該対のユーザの間に辺を設定する。設定期間におけるタグ位置ログを参照して各ユーザ対について同様の処理を行ない、ネットワーク図情報を生成する。
[ステップS10]:分析対象のユーザ(UA,UB)を設定する。
[ステップS11]:タグ位置ログ記憶装置210から分析対象機関のタグ位置検出ログを取り出す。
[ステップS12]:(K←1)に設定する。
[ステップS13]:K番目のログを取り出す。
[ステップS14]:U(K)←ユーザID、S(K)←センサID、T(K)←検知時刻の代入を行なう。
[ステップS15]:U(K)=UAの判別を行なう。肯定的ならステップS16へ進む。否定的ならステップS17へ進む。
[ステップS16]:S(K)=SAの判別を行なう。肯定的ならステップS19へ進み、否定的ならステップS21へ進む。
[ステップS17]:U(K)=UBの判別を行なう。肯定的ならステップS18へ進み、否定的ならステップS25へ進む。
[ステップS18]:S(K)=SBの判別を行なう。肯定的ならステップS19へ進み、否定的ならステップS21へ進む。
[ステップS19]:SA=SBの判別を行なう。肯定的ならステップS20へ進み、否定的ならステップS25へ進む。
[ステップS20]:C←1の代入を行なう。ステップS25へ進む。
[ステップS21]:SA=SBの判別を行なう。肯定的ならステップS23へ進み、否定的ならステップS22へ進む。
[ステップS22]:TS←T(K)の代入を行なう。ステップS25へ進む。
[ステップS23]:C=1の判別を行なう。肯定的ならステップS24へ進み、否定的ならステップS25へ進む。
[ステップS24]:Ttotal=Ttotal+(T(K)−TS)、TS←T(K)、C←0の代入を行なう。
[ステップS25]:K番目のログは最後のログか判別する。最後であれば処理を終了して他のユーザ対について処理を繰り返し、最後のユーザ対であれば最終的に処理を終了する。そうでなければ、ステップS26へ進む。
[ステップS26]:K←K+1を代入してステップS13に戻り処理を繰り返す。
以上のステップS10〜S26の処理により各ユーザ対の同時間滞在時間の累積時間を求めることができる。この後、所定の閾値を超える場合に、当該ユーザ対が関係ありとしてその節の対の間に辺を設定する。
図17は、電子メールまたは通話からネットワーク図情報を算出する動作例を示している。図では、電子メールログまたは電話受信ログを便宜上共通にアクセスログと表示している。この例ではアクセスログの個数(電子メールの個数、通話の回数)で関係(辺の有無)を設定する。すなわち、当該会館において所定の対のユーザの間のアクセスログの個数が閾値を超えたときにその節の間に辺を設定して、ネットワーク図情報を取得する。
[ステップS30]:アクセスログ記憶装置(送受信ログ記憶装置410または通話ログ記憶装置610)から分析対象期間のログを取り出す。ステップS31へ進む。
[ステップS31]:K←1の設定を行なう。
[ステップS32]:K番目のログを取り出す。
[ステップS33]:U1←発信ユーザID、U2←受信ユーザIDの代入を行なう。
[ステップS34]:A(U1,U2)←A(U1,U2)+1の増分を行なう。
[ステップS35]:K番目のログは最後のログか判別し、最後であれば処理を終了し、そうでなければ、ステップS36へ進む。
[ステップS36]:ステップS32へ戻り処理を繰り返す。
以上のステップS30〜S36の処理により各ユーザ対のアクセス頻度を求めることができる。この後、所定の閾値を超える場合に、当該ユーザ対が関係ありとしてその節の対の間に辺を設定する。
図18は、電子文書ファイリングシステム700へのアクセスからネットワーク図情報を算出する動作例を示している。電子文書ファイリングシステム700へのアクセスログごとに、先行する共有関係のアクセスログを抽出してユーザ間の関係に累積していく。所定の対のユーザの間の累積値が閾値を超えたときにその節の間に辺を設定して、ネットワーク図情報を取得する。
[ステップS40]:アクセスログ記憶装置810から分析対象期間のログを取り出す。ステップS41へ進む。
[ステップS41]:K←1に設定する。ステップS42へ進む。
[ステップS42]:K番目のログを取り出す。ステップS43へ進む。
[ステップS43]:U1←ユーザID、D2←ドキュメントIDの代入を行なう。ステップS44へ進む。
[ステップS44]:N←1に設定する。ステップS45を進む。
[ステップS45]:K+N番目のログを取り出す。ステップS46へ進む。
[ステップS46]:U2←ユーザID、D2←ドキュメントIDの代入を行なう。ステップS47へ進む。
[ステップS47]:U1=U2の判別を行なう。肯定的であればステップS50へ進み、否定的であればステップS48へ進む。
[ステップS48]:D1=D2の判別を行なう。肯定的であればステップS49へ進み、否定的であればステップS50へ進む。
[ステップS49]:A(U1,U2)←A(U1,U2)+1の増分を行なう。ステップS50へ進む。
[ステップS50]:N←N+1の増分を行なう。ステップS51へ進む。
[ステップS51]:K+N番目のログは最後のログか判別し、肯定的であればステップS52へ進み、そうでなければステップS45へ戻り処理を繰り返す。
[ステップS52]:K←K+1の増分を行ない、ステップS53へ進む。
[ステップS53]:K番目のログは最後のログか判別し、肯定的であれば処理を終了し、そうでなければステップS42へ戻り処理を繰り返す。
以上のステップS40〜S53の処理により各ユーザ対のファイル共有の件数を求めることができる。この後、共有の件数が所定の閾値を超える場合に、当該ユーザ対が関係ありとしてその節の対の間に辺を設定する。
以上のようにして取得したコミュニケーションチャネルごとのネットワーク図情報からグループ隣接行列を求め、分離指標を算出し表示することについては図19、図20および図21を参照してすでに説明した。
以上で実施例の説明を終了する。
なお、この発明は上述の実施例に限定されるものではなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。例えば、上述の例では、ネットワーク図の辺にコミュニケーション量(ユーザ間の関係量)をそのまま割り当て、これをグループ間ごとに累積してグループ隣接行列を算出するようにしても良い。また、上述例では4つのコミュニケーションチャネルを用いたが、2つまたは3つのコミュニケーションチャネルの分離指標を用いても良い。5つ以上のコミュニケーションチャネルについての分離指標を用いても良い。コミュニケーションチャネルとしては実施例のものに限定されない。また、分離指標としても、所定のグループについて、当該グループ内のメンバ同士のコミュニケーションの量と、当該グループ内部のメンバと当該グループ外のメンバとの間のコミュニケーションの量との割合を示すものであれば、どのようなものでもよい。
従来のネットワーク分析を説明する図である。 コミュニケーションチャネルごとの特徴を説明する図である。 従来のNewmanの分離指標を説明する図である。 従来のNewmanの分離指標を用いて隠れたコミュニティを検出する従来の手法を説明する図である。 Newmanの分離指標の意義を説明する図である。 この発明における分離指標の利用を説明する図である。 この発明における分離指標の利用例を説明する図である。 この発明における分離指標の利用・表示例を説明する図である。 この発明の分離指標をプロジェクトのフェーズ管理に用いる例を説明する図である。 この発明の実施例の構成を全体として示す実施例である。 上述実施例のタグ位置検出ログの例を説明する図である。 上述実施例の電子メールログの例を説明する図である。 上述実施例の電話送受信ログの例を説明する図である。 上述実施例の電子文書ファイルアクセスログの例を説明する図である。 上述実施例のタグ位置ログ分析装置の動作を説明する図である。 上述実施例のタグ位置ログ分析装置の動作を説明するフローチャートである。 上述実施例の送受信ログ分析装置および通話ログ分析装置の動作を説明する説明図およびフローチャートである。 上述実施例のアクセスログ分析装置の動作を説明する説明図およびフローチャートである。 上述実施例の分離指標の算出例を説明する図である。 上述実施例の分離指標の表示例を説明する図である。 上述実施例の分離指標の他の表示例を説明する図である。
符号の説明
100 タグ位置検出システム
210 タグ位置ログ記憶装置
220 タグ位置ログ分析装置
220 タグ位置ログ分析装置
300 電子メールサーバ
410 送受信ログ記憶装置
420 送受信ログ分析装置
500 電話交換機
510 電話送受信ログ記憶装置
520 電話送受信ログ分析装置
610 通話ログ記憶装置
620 通話ログ分析装置
700 電子文書ファイリングシステム
810 アクセスログ記憶装置
820 アクセスログ分析装置
900 スタイル分析システム
910 グループ間関係量算出部
911 組織情報記憶部
920 分離指標算出部
930 分離指標表示部
1000 コミュニケーションスタイル分析装置
1001 コンピュータ
1002 コンピュータプログラム

Claims (13)

  1. 組織のメンバと所属グループとの関係を示す組織情報を記憶する記憶手段と、
    所定の組織のメンバの間で行なわれる少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して、上記組織情報を参照して、グループの間の関係量をそれぞれ生成する生成手段と、
    上記少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して生成されたグループの間の関係量に基づいて、同一グループ内のメンバ同士のコミュニケーションの量と、当該グループ内部のメンバと当該グループ外のメンバとの間のコミュニケーションの量との割合を示す指標を、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類の各々について算出する算出手段と、
    上記少なくとも2つのコミュニケーション種類について各々算出した少なくとも2つの上記指標を対比して表示する表示手段とを有することを特徴とするコミュニケーションスタイル分析装置。
  2. 上記表示手段は、上記指標の各々をそれぞれ異なる座標成分に対応させて座標表示する請求項1記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  3. 上記表示手段は、上記指標の各々を対比して表形式に表示する請求項1記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  4. 上記少なくとも2つのコミュニケーション種類は、直接対話、電子メール、通話、および文書共有である請求項1、2または3記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  5. 上記対話によるコミュニケーションについての関係量は、個人の行動を記録する位置検出システムのログを用いて算出する請求項1、2、3または4記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  6. 上記電子メールによるコミュニケーションについての関係量は、電子メールの送受信ログを用いて算出する請求項1、2、3、4または5記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  7. 上記文書共有によるコミュニケーションについての関係量は、電子文書ファイリングシステムへのアクセスログを用いて算出する請求項1、2、3、4、5または6記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  8. 上記電話によるコミュニケーションについての関係量は、電話の交信記録を用いて算出する請求項1、2、3、4、5、6または7記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  9. 上記指標は、eはグループの間の関係量を要素とする隣接行列、Treは対角要素の和、||e2||は隣接行列eの2乗からなる行列のすべての要素として、
    で算出される請求項1〜8のいずれかに記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  10. 上記指標を上記グループの活動の各フェーズの期間ごとに算出して、期間ごとに算出した上記指標を座標表示する請求項1〜9のいずれかに記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  11. 期間ごとの典型的な指標の値を併せて表示する請求項10記載のコミュニケーションスタイル分析装置。
  12. 生成手段が、所定の組織のメンバの間で行なわれる少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して、記憶手段に記憶されている組織情報を参照して、グループの間の関係量をそれぞれ生成するステップと、
    算出手段が、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して生成されたグループの間の関係量に基づいて、同一グループ内のメンバ同士のコミュニケーションの量と、当該グループ内部のメンバと当該グループ外のメンバとの間のコミュニケーションの量との割合を示す指標を、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類の各々について算出するステップと、
    表示手段が、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類について各々算出した少なくとも2つの上記指標を対比して表示するステップとを有することを特徴とするコミュニケーションスタイル分析方法。
  13. 生成手段が、所定の組織のメンバの間で行なわれる少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して、記憶手段に記憶されている組織情報を参照して、グループの間の関係量をそれぞれ生成するステップと、
    算出手段が、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類に関して生成されたグループの間の関係量に基づいて、同一グループ内のメンバ同士のコミュニケーションの量と、当該グループ内部のメンバと当該グループ外のメンバとの間のコミュニケーションの量との割合を示す指標を、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類の各々について算出するステップと、
    表示手段が、上記少なくとも2つのコミュニケーション種類について各々算出した少なくとも2つの上記指標を対比して表示するステップとをコンピュータに実行させるために用いられることを特徴とするコミュニケーションスタイル分析用コンピュータプログラム。
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