JP2007249030A - 偏光変換フィルム及びその製造方法、偏光素子、並びに液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スメクチック液晶層を用いて、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果が高く、生産性に優れる偏光変換フィルム及びその製造方法、該偏光変換フィルムを用いることにより光透過率を高めた偏光素子、並びに前記偏光変換フィルムを用いることにより輝度が向上した液晶表示装置の提供。
【解決手段】入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなる偏光変換フィルム及びその製造方法である。前記偏光分離層が支持体を有し、該支持体がセルロースエステルを含む態様、などが好ましい。
前記偏光変換フィルムを備えてなる偏光素子及び液晶表示装置である。
【選択図】なし
【解決手段】入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなる偏光変換フィルム及びその製造方法である。前記偏光分離層が支持体を有し、該支持体がセルロースエステルを含む態様、などが好ましい。
前記偏光変換フィルムを備えてなる偏光素子及び液晶表示装置である。
【選択図】なし
Description
本発明は、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができる偏光変換フィルム及びその製造方法、該偏光変換フィルムを用いた偏光素子、並びに液晶表示装置に関する。
偏光素子は、太陽光のような自然光やランプのような光源からの光を透過させると、直線偏光、円偏光、楕円偏光など種々の偏光状態の光を生成することができ、電界制御複屈折モード、あるいはツイストネマチックモードなど主要な液晶表示装置の重要部材として極めて広範囲に使用されている(非特許文献1参照)。
前記液晶表示装置に用いられる偏光素子としては、一般にヨウ素系や染料系の二色性偏光素子が多く使われている。該二色性偏光素子は、電場ベクトルが直交する2つの偏光成分のうち、一方のみを吸収して透過させず、もう一方の偏光成分を透過させることによって直線偏光を生成させる。ただし、光吸収を利用することによって直線偏光を生成するので、偏光度が100%に近い場合は、原理的に光透過率の上限は50%となる。
したがって、前記二色性偏光素子が用いられる実際の液晶表示装置では、光源の半分以下の光しか利用できず、ディスプレイ輝度が低いという問題がある。
そのため、光源の光利用効率を向上すべく、光源からの光に偏光変換を施す手段がいくつか提案されている(特許文献1〜3参照)。
また、透過型液晶表示装置への用途では、以下の1.異方性反射方式及び2.異方性散乱方式の輝度向上フィルムが、既に工業化され広く使用されている。
したがって、前記二色性偏光素子が用いられる実際の液晶表示装置では、光源の半分以下の光しか利用できず、ディスプレイ輝度が低いという問題がある。
そのため、光源の光利用効率を向上すべく、光源からの光に偏光変換を施す手段がいくつか提案されている(特許文献1〜3参照)。
また、透過型液晶表示装置への用途では、以下の1.異方性反射方式及び2.異方性散乱方式の輝度向上フィルムが、既に工業化され広く使用されている。
1.異方性反射方式
例えば、一軸延伸フィルムと未延伸フィルムとを多重に積層して、延伸方向の屈折率差を大きくすることにより反射率及び透過率の異方性を有する偏光素子と、通常の二色性偏光素子とを積層してバックライト側の偏光素子として用いることによりバックライトの光利用効率を高める方式である(特許文献4〜6参照)。この方式では、偏光度を大きくするため、積層数を数十層以上にする必要があり生産性を増大しにくい問題があるが、正面輝度向上効果が大きい。
また、ピッチ長の異なるコレステリック液晶を垂直配向した状態で積層し、1/4波長板と組み合わせる方式も提案されている(特許文献7及び8参照)。
例えば、一軸延伸フィルムと未延伸フィルムとを多重に積層して、延伸方向の屈折率差を大きくすることにより反射率及び透過率の異方性を有する偏光素子と、通常の二色性偏光素子とを積層してバックライト側の偏光素子として用いることによりバックライトの光利用効率を高める方式である(特許文献4〜6参照)。この方式では、偏光度を大きくするため、積層数を数十層以上にする必要があり生産性を増大しにくい問題があるが、正面輝度向上効果が大きい。
また、ピッチ長の異なるコレステリック液晶を垂直配向した状態で積層し、1/4波長板と組み合わせる方式も提案されている(特許文献7及び8参照)。
2.異方性散乱方式
正の固有複屈折性ポリマーと負の固有複屈折性ポリマーとをブレンドして一軸延伸することで異方性散乱体を作製し、通常の二色性偏光素子と組み合わせて用いることによりバックライトの光利用効率を高める方式である(特許文献9〜14参照)。この方式は、輝度の視野角依存性が小さい特徴を有しているが、正面輝度向上度は前述の異方性反射方式よりも小さい。
正の固有複屈折性ポリマーと負の固有複屈折性ポリマーとをブレンドして一軸延伸することで異方性散乱体を作製し、通常の二色性偏光素子と組み合わせて用いることによりバックライトの光利用効率を高める方式である(特許文献9〜14参照)。この方式は、輝度の視野角依存性が小さい特徴を有しているが、正面輝度向上度は前述の異方性反射方式よりも小さい。
一方、反射型液晶表示装置は、バックライトが不要で消費電力が小さいために、情報携帯末端、携帯型ゲーム機や携帯電話のような携帯装置のディスプレイとして利用されており、今後、急速に市場拡大していくと予想されている。
前記反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル、及び偏光フィルムがこの順に積層されている基本構造を有する。前記液晶セルの表示モードについては、TN(Twisted Nematic)、STN(Supper Twisted Nematic)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、HPDLC(Holographic Polymer Dispersed Liquid Crystal)のような様々な表示モードが提案されている。これらの中でも、TNモード及びSTNモードの反射型液晶表示装置が、既に実用化され広範囲に使用されている。
しかし、前記反射型液晶表示装置は、外光が弱くなると、反射輝度が低下し、使用できなくなる。このため、外光の反射光を利用して反射表示を行うとともに、バックライトの透過光を利用して透過表示を行う半透過型液晶表示装置が提案され、主に携帯端末モジュール用として利用されている。
前記反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル、及び偏光フィルムがこの順に積層されている基本構造を有する。前記液晶セルの表示モードについては、TN(Twisted Nematic)、STN(Supper Twisted Nematic)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)、HPDLC(Holographic Polymer Dispersed Liquid Crystal)のような様々な表示モードが提案されている。これらの中でも、TNモード及びSTNモードの反射型液晶表示装置が、既に実用化され広範囲に使用されている。
しかし、前記反射型液晶表示装置は、外光が弱くなると、反射輝度が低下し、使用できなくなる。このため、外光の反射光を利用して反射表示を行うとともに、バックライトの透過光を利用して透過表示を行う半透過型液晶表示装置が提案され、主に携帯端末モジュール用として利用されている。
ここで、上述の異方性反射方式及び異方性散乱方式の輝度向上フィルムでは、入射する光の一部が入射側に反射又は散乱される。透過型液晶表示装置においては、その光をバックライト部分で反射し再利用することができるので、全体として光の利用効率を高め輝度を向上させることができるが、反射型液晶表示装置及び反射モード時の半透過型液晶表示装置においては、光の入射側に反射又は散乱した光は、大気中に出射され再利用できないため、原理的に輝度向上できない。
偏光成分の方向を制御する層の間に偏光回転層を配置する偏光素子により、偏光していないビームを同一の偏光方向を有する偏光したビームにほぼ完全に変換することができる方法が提案されてはいるが(特許文献15参照)、この偏光素子は、画像投射装置用の小面積の素子であり、液晶表示装置などのディスプレイ用として大面積の素子として製造するのは困難である。
また、プリズム及び複屈折性を有する複屈折層若しくは複屈折回折格子を用いた偏光分離層と、複屈折化合物に棒状液晶を用いて一定角度で傾斜配向させた偏光変換層とを用いた輝度向上フィルムが提案されている(特許文献16及び17参照)が、これらの方法では、偏光変換の効率は十分ではなく、フィルム面に対してほぼ一定角度で傾斜配向させるには時間がかかり、生産性が十分ではない。
一方、回折素子乃至光学素子としてスメクチック液晶層を用いた提案がされている(特許文献18〜22参照)。
しかし、これらの提案では、偏光変換層との組み合わせについての記載はなく、輝度向上の観点からは不十分であった。
しかし、これらの提案では、偏光変換層との組み合わせについての記載はなく、輝度向上の観点からは不十分であった。
このため、スメクチック液晶層を用いて、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果が高く、生産性に優れる偏光変換フィルム及びその製造方法、該偏光変換フィルムを用いることにより光透過率を高めた偏光素子、並びに前記偏光変換フィルムを用いることにより輝度が向上した液晶表示装置は未だ提案されておらず、更なる改良開発が望まれているのが現状である。
佐藤進著「液晶とその応用」産業図書刊、96〜115頁
特開昭63−121821号公報
特開平5−224175号公報
特開平5−232433号公報
国際公開第95/17691号パンフレット
国際公開第95/17692号パンフレット
国際公開第95/17699号パンフレット
欧州特許第606940号明細書
特開平8−271731号公報
国際公開第97/32223号パンフレット
国際公開第97/32224号パンフレット
国際公開第97/32225号パンフレット
国際公開第97/32226号パンフレット
特開平9−274108号公報
特開平11−174231号公報
特表平10−505435号公報
特開2004−77899号公報
特開2004−77900号公報
特開2000―89015号公報
特開2000―89216号公報
特開2000―239402号公報
特開2000―310780号公報
特開2000―310781号公報
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明はスメクチック液晶層を用いて、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果が高く、生産性に優れる偏光変換フィルム及びその製造方法、該偏光変換フィルムを用いることにより光透過率を高めた偏光素子、並びに前記偏光変換フィルムを用いることにより輝度が向上した液晶表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなることを特徴とする偏光変換フィルムである。
<2> 偏光分離層が支持体を有し、該支持体が、セルロースエステルを含む前記<1>に記載の偏光変換フィルムである。
<3> セルロースエステルが、セルロースアセテートである前記<2>に記載の偏光変換フィルムである。
<4> フォーカルコニック配向のらせん軸方位と偏光変換フィルムとのなす角が、0〜10°である前記<1>から<3>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<5> 偏光分離層が、入射光を該偏光分離層のフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層において電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離し、一方の直線偏光を直進させ、他方の直線偏光を回折させ、かつ、偏光変換層が、該偏光変換層の表面に対して傾斜して入射する直線偏光の偏光状態のみを変換する前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<6> 偏光変換層が、フィルム面に対して傾斜配向したディスコティック液晶性化合物を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<7> ディスコティック液晶性化合物が、ハイブリッド配向している前記<6>に記載の偏光変換フィルムである。
<8> ディスコティック液晶性化合物の遅相軸が、偏光分離層を直進して透過する直線偏光の電場ベクトルに対し平行及び垂直のいずれかで、該偏光分離層を屈折して透過する直線偏光の電場ベクトルに対し平行及び垂直のいずれでもない前記<6>から<7>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<1> 入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなることを特徴とする偏光変換フィルムである。
<2> 偏光分離層が支持体を有し、該支持体が、セルロースエステルを含む前記<1>に記載の偏光変換フィルムである。
<3> セルロースエステルが、セルロースアセテートである前記<2>に記載の偏光変換フィルムである。
<4> フォーカルコニック配向のらせん軸方位と偏光変換フィルムとのなす角が、0〜10°である前記<1>から<3>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<5> 偏光分離層が、入射光を該偏光分離層のフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層において電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離し、一方の直線偏光を直進させ、他方の直線偏光を回折させ、かつ、偏光変換層が、該偏光変換層の表面に対して傾斜して入射する直線偏光の偏光状態のみを変換する前記<1>から<4>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<6> 偏光変換層が、フィルム面に対して傾斜配向したディスコティック液晶性化合物を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<7> ディスコティック液晶性化合物が、ハイブリッド配向している前記<6>に記載の偏光変換フィルムである。
<8> ディスコティック液晶性化合物の遅相軸が、偏光分離層を直進して透過する直線偏光の電場ベクトルに対し平行及び垂直のいずれかで、該偏光分離層を屈折して透過する直線偏光の電場ベクトルに対し平行及び垂直のいずれでもない前記<6>から<7>のいずれかに記載の偏光変換フィルムである。
<9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の偏光変換フィルムにおける偏光分離層及び偏光変換層をロール状の形態で連続的に生産することを特徴とする偏光変換フィルムの製造方法である。
<10> 前記<1>から<8>のいずれかに記載の偏光変換フィルムを備えてなることを特徴とする偏光素子である。
<11> 電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光の一方を吸収し、他方を実質的に透過する光吸収型偏光素子と、偏光変換フィルムとからなり、前記光吸収型偏光素子の偏光透過軸と前記偏光変換フィルムの偏光透過軸とが略平行に配置された前記<10>に記載の偏光素子である。
<11> 電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光の一方を吸収し、他方を実質的に透過する光吸収型偏光素子と、偏光変換フィルムとからなり、前記光吸収型偏光素子の偏光透過軸と前記偏光変換フィルムの偏光透過軸とが略平行に配置された前記<10>に記載の偏光素子である。
<12> 前記<10>から<11>のいずれかに記載の偏光素子を備えてなることを特徴とする液晶表示装置である。
<13> 反射板、液晶セル、1/4波長板、及び偏光素子がこの順に積層されてなる反射型液晶表示装置である前記<12>に記載の液晶表示装置である。
<14> バックライトを備え、該バックライト側に偏光素子を配置した前記<12>から<13>のいずれかに記載の液晶表示装置である。
<15> 円偏光板及び反射型としても透過型としても使用可能な液晶表示素子を有してなる半透過型液晶表示装置である前記<14>に記載の液晶表示装置である。
<13> 反射板、液晶セル、1/4波長板、及び偏光素子がこの順に積層されてなる反射型液晶表示装置である前記<12>に記載の液晶表示装置である。
<14> バックライトを備え、該バックライト側に偏光素子を配置した前記<12>から<13>のいずれかに記載の液晶表示装置である。
<15> 円偏光板及び反射型としても透過型としても使用可能な液晶表示素子を有してなる半透過型液晶表示装置である前記<14>に記載の液晶表示装置である。
本発明の光学補償フィルムは、入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなることにより、入射光を全体として、偏光分離層で分離された直線偏光のうち、偏光変換層で変換されない直線偏光の偏光方向(偏光変換フィルムの「偏光透過軸」)にほぼ揃った光として出射させることができる。
したがって、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果を高めることができる。
したがって、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果を高めることができる。
本発明の偏光変換フィルムの製造方法は、前記本発明における偏光分離層及び偏光変換層をロール状の形態で連続的に生産することにより、大面積の素子として高生産に製造できる。
本発明の偏光素子は、前記本発明の偏光変換フィルムを備えてなるので、光透過率を高めることができる。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光素子を備えてなるので、輝度を向上させることができる。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、スメクチック液晶層を用いて、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果が高く、生産性に優れる偏光変換フィルム及びその製造方法、該偏光変換フィルムを用いることにより光透過率を高めた偏光素子、並びに前記偏光変換フィルムを用いることにより輝度が向上した液晶表示装置を提供することができる。
(偏光変換フィルム)
本発明の偏光変換フィルムは、入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなる。
本発明の偏光変換フィルムは、入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなる。
図1に、本発明の偏光変換フィルムでの偏光変換の仕組みの概略を示す。
非偏光の入射光Lが偏光分離層1に入射すると、該偏光分離層のフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層(図示せず)にて、電場ベクトル(偏光方向)が互いに直交する2つの直線偏光(偏光方向a、b)に分離角θで分離する。
この際、詳しくは後述するが、フォーカルコニック配向したスメクチック液晶層の光を回折させる現象を利用して、一方(偏光L1;偏光方向a)を直進させ、他方(偏光L2;偏光方向b)を回折させることができる。
分離した2つの直線偏光L1、L2は、偏光変換層2に入射する。前記偏光変換層2は、フィルム面に対し傾斜配向(傾斜角φ)した複屈折性化合物mを有し偏光分離層1で屈折し偏光変換層2に傾斜して入射してきた偏光L2に作用し、その偏光状態を変換する。負屈折化合物mの固有複屈折の大きさや傾斜角φを調整することにより、偏光L2の偏光方向を方向bから方向a’(≒a)に回転させることが可能であり、偏光方向aにほぼ揃った直線偏光の光を取り出すことができる。
非偏光の入射光Lが偏光分離層1に入射すると、該偏光分離層のフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層(図示せず)にて、電場ベクトル(偏光方向)が互いに直交する2つの直線偏光(偏光方向a、b)に分離角θで分離する。
この際、詳しくは後述するが、フォーカルコニック配向したスメクチック液晶層の光を回折させる現象を利用して、一方(偏光L1;偏光方向a)を直進させ、他方(偏光L2;偏光方向b)を回折させることができる。
分離した2つの直線偏光L1、L2は、偏光変換層2に入射する。前記偏光変換層2は、フィルム面に対し傾斜配向(傾斜角φ)した複屈折性化合物mを有し偏光分離層1で屈折し偏光変換層2に傾斜して入射してきた偏光L2に作用し、その偏光状態を変換する。負屈折化合物mの固有複屈折の大きさや傾斜角φを調整することにより、偏光L2の偏光方向を方向bから方向a’(≒a)に回転させることが可能であり、偏光方向aにほぼ揃った直線偏光の光を取り出すことができる。
以下、本発明の偏光変換フィルムの各層について、詳しく説明する。
<偏光分離層>
−スメクチック液晶−
前記スメクチック液晶とは、棒状分子等の液晶物質が、一次元結晶かつ二次元液体とも言うべき、層構造を有する液晶である。
前記スメクチック液晶は、この層構造内における秩序等から、スメクチックA相(SmA相)、スメクチックB相(SmB相)、スメクチックC相(SmC相)、スメクチックE相(SmE)、スメクチックF相(SmF相)、スメクチックG相(SmG相)、スメクチックH相(SmH相)、スメクチックI相(SmI相)、スメクチックJ相(SmJ相)、スメクチックK相(SmK相)、スメクチックL相(SmL相)等に分類できる。これらのスメクチック相の中には、相中の各層の配向ベクトルが少しずつある角度でねじられていき、全体としてみると配向ベクトルがある一定のフォーカルコニック配向を呈するものがある。
<偏光分離層>
−スメクチック液晶−
前記スメクチック液晶とは、棒状分子等の液晶物質が、一次元結晶かつ二次元液体とも言うべき、層構造を有する液晶である。
前記スメクチック液晶は、この層構造内における秩序等から、スメクチックA相(SmA相)、スメクチックB相(SmB相)、スメクチックC相(SmC相)、スメクチックE相(SmE)、スメクチックF相(SmF相)、スメクチックG相(SmG相)、スメクチックH相(SmH相)、スメクチックI相(SmI相)、スメクチックJ相(SmJ相)、スメクチックK相(SmK相)、スメクチックL相(SmL相)等に分類できる。これらのスメクチック相の中には、相中の各層の配向ベクトルが少しずつある角度でねじられていき、全体としてみると配向ベクトルがある一定のフォーカルコニック配向を呈するものがある。
前記フォーカルコニック配向を形成したスメクチック液晶は、複屈折性、旋光性、偏光分離特性、回折特性、選択反射特性といった様々の光学的性質を示す。
例えば、前記フォーカルコニック配向の配向を有するフィルムを、フォーカルコニック配向が基板面に平行になるように、基板上に形成した場合、基板面に入射した光を回折させることができる。
より具体的には、Jpn.J.Appl.Phys.21巻、224頁(1982年)では、2枚のガラス基板で作製した数百μmギャップの液晶セル中に、キラルスメクチックC液晶物質をらせん軸が基板に平行となるように配向させたものでHe−Neレーザー光を回折させている。このとき、同じ次数の回折光が正と負とで2本観察されるが、その回折角度は等しくなる。
例えば、前記フォーカルコニック配向の配向を有するフィルムを、フォーカルコニック配向が基板面に平行になるように、基板上に形成した場合、基板面に入射した光を回折させることができる。
より具体的には、Jpn.J.Appl.Phys.21巻、224頁(1982年)では、2枚のガラス基板で作製した数百μmギャップの液晶セル中に、キラルスメクチックC液晶物質をらせん軸が基板に平行となるように配向させたものでHe−Neレーザー光を回折させている。このとき、同じ次数の回折光が正と負とで2本観察されるが、その回折角度は等しくなる。
この光を回折させる現象を利用して、偏光分離を行うことができる。基盤面に対して均一にラビングを施した後、キラルスメクチック液晶をフォーカルコニック配向させると、ラビング方向とややずれて配向する。このとき、前記フォーカルコニック配向のらせん軸方位と偏光変換フィルムとのなす角が0〜10°であることが好ましく、0〜5°であることがより好ましい。
入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分解すると、フォーカルコニック配向のらせん軸方位に平行である直線成分は直進し、らせん軸に垂直な直線成分は回折し分離することができる。
前記回折の大きさは、フォーカルコニック配向の、1回転分におけるらせん軸方向の距離であるらせんピッチに依存する。このらせんピッチは、特に制限はないが、0.2〜20μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。前記らせんピッチは、温度などの配向条件を調節したり、光学活性部位の光学純度、光学活性物質の配合割合等を調節することなどにより、容易に調整できる。
前記スメクチック液晶としては、前記フォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相を相系列中に有し、その配向が固定化できるものであれば特に制限はなく、例えば、各種の低分子液晶物質、高分子液晶物質、又はこれらの混合物等を用いることができる。
本発明で液晶材料とは、最終的に得られる組成物が所望の液晶性を呈するものであればよく、単独又は複数種の低分子乃至高分子液晶物質と、単独又は複数種の低分子乃至高分子の非液晶性物質とからなる組成物であってもよい。
また、前記液晶材料中には、本発明の効果を損ねない範囲で、例えば、界面活性剤、重合開始剤、重合禁止剤、増感剤、安定剤、触媒、染料、顔料、紫外線吸収剤、密着性向上剤等の各種添加剤などを配合することもできる。
前記液晶材料中の液晶物質の含有割合は、通常30〜100質量%であり、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。
本発明で液晶材料とは、最終的に得られる組成物が所望の液晶性を呈するものであればよく、単独又は複数種の低分子乃至高分子液晶物質と、単独又は複数種の低分子乃至高分子の非液晶性物質とからなる組成物であってもよい。
また、前記液晶材料中には、本発明の効果を損ねない範囲で、例えば、界面活性剤、重合開始剤、重合禁止剤、増感剤、安定剤、触媒、染料、顔料、紫外線吸収剤、密着性向上剤等の各種添加剤などを配合することもできる。
前記液晶材料中の液晶物質の含有割合は、通常30〜100質量%であり、50〜100質量%が好ましく、70〜100質量%がより好ましい。
前記低分子液晶物質としては、例えば、シッフ塩基系化合物、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、エステル系化合物、チオエステル系化合物、スチルベン系化合物、トラン系化合物、アゾキシ系化合物、アゾ系化合物、フェニルシクロヘキサン系化合物、ピリミジン系化合物、シクロヘキシルシクロヘキサン系化合物、又はこれらの組成物等が挙げられる。
前記高分子液晶物質としては、例えば、各種の主鎖型高分子液晶物質、側鎖型高分子液晶物質、又はこれらの組成物等が挙げられる。
前記主鎖型高分子液晶物質としては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリカーボネート系、ポリイミド系、ポリウレタン系、ポリベンズイミダゾール系、ポリベンズオキサゾール系、ポリベンズチアゾール系、ポリアゾメチン系、ポリエステルアミド系、ポリエステルカーボネート系、ポリエステルイミド系等のもの、又はこれらの組成物、などが挙げられる。
前記主鎖型高分子液晶物質としては、液晶性を与えるメソゲン基とポリメチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリシロキサン等の屈曲鎖とが交互に結合した半芳香族ポリエステル系高分子液晶物質や、屈曲鎖のない全芳香族ポリエステル系高分子液晶物質が特に好ましい。
前記主鎖型高分子液晶物質としては、液晶性を与えるメソゲン基とポリメチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリシロキサン等の屈曲鎖とが交互に結合した半芳香族ポリエステル系高分子液晶物質や、屈曲鎖のない全芳香族ポリエステル系高分子液晶物質が特に好ましい。
前記側鎖型高分子液晶物質としては、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリビニル系、ポリシロキサン系、ポリエーテル系、ポリマロネート系、ポリエステル系等の直鎖状又は環状構造の骨格鎖を有する物質に側鎖としてメソゲン基が結合したもの、又はこれらの組成物などが挙げられる。
前記側鎖型高分子液晶物質としては、骨格鎖に屈曲鎖からなるスペーサーを介して液晶性を与えるメソゲン基が結合したものが好ましい。また、主鎖、側鎖両方にメソゲンを有する分子構造のものも好ましい。
前記側鎖型高分子液晶物質としては、骨格鎖に屈曲鎖からなるスペーサーを介して液晶性を与えるメソゲン基が結合したものが好ましい。また、主鎖、側鎖両方にメソゲンを有する分子構造のものも好ましい。
前記液晶材料としては、上述の低分子液晶物質乃至高分子液晶物質に、カイラル剤を配合又は光学活性単位を導入したものが、所望のらせん構造を有するスメクチック液晶相を呈する上で好ましい。
具体的には、スメクチックC相、スメクチックI相、スメクチックF相等を呈する液晶物質に、カイラル剤を配合するか、又は光学活性単位を当該液晶物質に導入することにより、キラルスメクチックC相、キラルスメクチックI相、キラルスメックチックF相等の、よりらせん構造を呈しやすいキラルスメクチック相を呈しうる液晶物質とすることができる。このようなカイラル剤の配合量、光学活性単位の導入量、光学純度、配向させる際の温度条件等を適宜調節することによって、らせんピッチを調節することができる。また、フィルムの特性、例えば、回折素子として用いる場合には回折角度を、選択反射素子として用いる場合には、選択反射波長を、それぞれ調節することができる。
具体的には、スメクチックC相、スメクチックI相、スメクチックF相等を呈する液晶物質に、カイラル剤を配合するか、又は光学活性単位を当該液晶物質に導入することにより、キラルスメクチックC相、キラルスメクチックI相、キラルスメックチックF相等の、よりらせん構造を呈しやすいキラルスメクチック相を呈しうる液晶物質とすることができる。このようなカイラル剤の配合量、光学活性単位の導入量、光学純度、配向させる際の温度条件等を適宜調節することによって、らせんピッチを調節することができる。また、フィルムの特性、例えば、回折素子として用いる場合には回折角度を、選択反射素子として用いる場合には、選択反射波長を、それぞれ調節することができる。
前記フォーカルコニック配向が右らせんになるか左らせんになるかは、使用するカイラル剤や光学活性単位の掌性に依存するので、どちらの掌性のものを選択するかにより、右らせん、左らせんいずれの構造のものも作製することができる。
前記フォーカルコニック配向が固定化された液晶フィルムとしては、具体的には、(A)らせん構造を有するスメクチック液晶相を呈する液晶材料を、ガラス転移温度以上の温度においてらせん構造で配向させた後、冷却してガラス状態とし、当該液晶相の配向を固定化してなるフィルム、(B)フォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相を呈する液晶材料を、当該液晶材料が前記液晶相を呈する温度においてらせん構造で配向させた後、当該配向を保持したまま重合し、前記液晶相の配向を固定化してなるフィルム、などを挙げることができる。
前記(A)のフィルムを形成する液晶材料としては、前記高分子液晶物質を主成分とする液晶材料等の、ガラス転移温度以上の温度において所望のフォーカルコニック配向を形成し、冷却することによってガラス状態となりうる液晶材料を用いることができる。通常上記のような性質を有する高分子液晶物質を主成分とする液晶材料が好適に用いられる。
また、前記(B)のフィルムを形成する液晶材料としては、紫外光、可視光、電子線、熱等によって反応しうる置換基を有する物質を含むものを用いることができる。
前記置換基としては、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、シンナモイル基、アリル基、アセチレニル基、クロトニル基、アジリジニル基、エポキシ基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボン酸基、アシル基、ハロカルボニル基、アルデヒド基、スルホン酸基、シラノール基等が挙げられる。これらのうち多重結合を有する基やエポキシ基、アジリジニル基等が好ましく、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、シンナモイル基等がより好ましい。これら置換基は、前記液晶物質、非液晶物質、及び添加剤の1種以上のいずれに含まれていてもよく、2種以上の物質の場合、同種乃至異種の置換基が含まれていてもよい。また、1種類の物質中に同種乃至異種の置換基が2つ以上含まれていてもよい。
前記置換基としては、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、ビニルエーテル基、シンナモイル基、アリル基、アセチレニル基、クロトニル基、アジリジニル基、エポキシ基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、カルボン酸基、アシル基、ハロカルボニル基、アルデヒド基、スルホン酸基、シラノール基等が挙げられる。これらのうち多重結合を有する基やエポキシ基、アジリジニル基等が好ましく、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、ビニルエーテル基、エポキシ基、シンナモイル基等がより好ましい。これら置換基は、前記液晶物質、非液晶物質、及び添加剤の1種以上のいずれに含まれていてもよく、2種以上の物質の場合、同種乃至異種の置換基が含まれていてもよい。また、1種類の物質中に同種乃至異種の置換基が2つ以上含まれていてもよい。
前記偏光分離層の全光線透過率は、通常40%以上であり、60%以上が好ましく、80%以上が特に好ましい。前記全光線透過率が40%より低い場合、得られる光学素子としての効果、例えば回折効果が低下する虞がある。
前記偏光分離層の製造方法としては、特に制限はないが、液晶材料を2つの界面の間に展開し、前記液晶材料を、らせん軸方位が前記界面に対して傾いたフォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相に配向させた後、該液晶相の配向を固定化することにより形成させることができる。
前記配向を固定化する方法としては、フォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相を呈する液晶材料を、ガラス転移温度以上の温度においてフォーカルコニック配向させた後、該配向を保持したまま重合する方法が好ましい。
前記配向を固定化する方法としては、フォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相を呈する液晶材料を、ガラス転移温度以上の温度においてフォーカルコニック配向させた後、該配向を保持したまま重合する方法が好ましい。
前記溶液中の前記液晶材料の濃度は、用いる液晶材料の種類や溶解性、製造する液晶フィルムの膜厚等に応じて適宜調節することができるが、通常3〜50質量%であり、5〜30質量%が好ましい。
前記展開した液晶材料を、らせん軸方位が界面に対し傾いているフォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相に配向させる方法としては、特に制限はないが、前記液晶材料が、らせん構造を有するスメクチック液晶相をとり得る温度において展開を行った場合、展開と同時に所望の液晶相が得られる場合がある。また、展開された液晶材料を、一度フォーカルコニック配向を有するスメクチック液晶相よりも高い温度で発現する相、例えば、スメクチックA相、キラルネマチック相、等方相等から、らせん構造を有するスメクチック液晶相が発現する温度に冷却することで配向させ、らせん軸方位が界面に対して傾いているらせん構造を有するスメクチック液晶相とすることもできる。ただし、いずれの場合であっても、液晶材料のガラス転移点以上の温度において配向させることが好ましい。
前記液晶性化合物が、光を用いてラジカル重合される場合には、光重合開始剤が好適に用いられる。
前記光重合開始剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、(4−(メチルフェニルチオ)フェニル)フェニルメタノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、エチルアントラキノンなどのアントラキノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals. Inc.製のIrgacure184、Irgacure369、Irgacure500、Irgacure651、Irgacure784、Irgacure819、Irgacure907、Irgacure1000、Irgacure1300、Irgacure1700、Irgacure1800、Irgacure1850、Irgacure2959、Darocur 1173, Darocur 4265などが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量は、重合性の液晶性化合物の総量に対して0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、(4−(メチルフェニルチオ)フェニル)フェニルメタノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、エチルアントラキノンなどのアントラキノン系光重合開始剤、Ciba Specialty Chemicals. Inc.製のIrgacure184、Irgacure369、Irgacure500、Irgacure651、Irgacure784、Irgacure819、Irgacure907、Irgacure1000、Irgacure1300、Irgacure1700、Irgacure1800、Irgacure1850、Irgacure2959、Darocur 1173, Darocur 4265などが挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量は、重合性の液晶性化合物の総量に対して0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
また、前記光重合性開始剤には、分光増感剤や、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等の光重合促進剤を添加することも好ましい。
前記分光増感剤や光重合促進剤を添加する場合の添加量は、光重合開始剤の10質量%以上300質量%未満が好ましく、20質量%以上200質量%未満がより好ましい。
前記分光増感剤や光重合促進剤を添加する場合の添加量は、光重合開始剤の10質量%以上300質量%未満が好ましく、20質量%以上200質量%未満がより好ましい。
塗布方法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)などが好適に用いられる。
前記塗布方法としては、2層以上を同時に塗布する方法であってもよく、このような同時塗布の方法としては、例えば、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)を参照することができる。
前記塗布方法としては、2層以上を同時に塗布する方法であってもよく、このような同時塗布の方法としては、例えば、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)を参照することができる。
前記複屈折層を構成する液晶性化合物は、配向膜、光照射、電場印加、磁場印加などのうち少なくとも1つの手段を用いて一軸配向させることが好ましい。
(1)配向膜
前記配向膜を用いて液晶性化合物を一軸配向させる場合は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等のポリマーを配向膜として使用することが好ましい。
これらの配向膜は、塗設後、ラビング又は直線偏光照射により配向性を付与することが好ましい。前記配向膜の膜厚は、0.01μm以上5μm以下が好ましい。
前記配向膜を用いて液晶性化合物を一軸配向させる場合は、例えば、ポリイミド、ポリビニルアルコール等のポリマーを配向膜として使用することが好ましい。
これらの配向膜は、塗設後、ラビング又は直線偏光照射により配向性を付与することが好ましい。前記配向膜の膜厚は、0.01μm以上5μm以下が好ましい。
(2)光配向法
光照射で液晶性化合物を一軸配向させる場合は、光化学反応性基を含有する化合物を、液晶性化合物及び光学等方性バインダーの少なくともいずれかに添加することが好ましい。
前記光化学反応性基は、光エネルギーを吸収して励起した状態を経由して、例えば、光分解、光架橋、光重合、光酸化還元、光転移、光異性化等を行う官能基を意味し、これらの中でも光架橋及び光異性化の少なくともいずれかを行う官能基を特に好適に用いることができる。
光照射で液晶性化合物を一軸配向させる場合は、光化学反応性基を含有する化合物を、液晶性化合物及び光学等方性バインダーの少なくともいずれかに添加することが好ましい。
前記光化学反応性基は、光エネルギーを吸収して励起した状態を経由して、例えば、光分解、光架橋、光重合、光酸化還元、光転移、光異性化等を行う官能基を意味し、これらの中でも光架橋及び光異性化の少なくともいずれかを行う官能基を特に好適に用いることができる。
前記光架橋を行なう官能基(以下、「光架橋性官能基」と称することもある。)は、光照射により分子内の結合が切断されたり、結合の一部が開裂することによって生成したラジカルなどの活性分子が互いに結合したり(光二量化)、他の分子をラジカル化して結合反応をする官能基である。
前記光架橋性官能基としては、例えば、シンナモイル基、シンナミリデン基、ジアゾ基、アジド基、アクリロイル基、カルコン基、クマリン基などが挙げられるが、これらの中でも、シンナモイル基、シンナミリデン基、カルコン基、クマリン基などの光二量化性官能基が特に好ましい。
前記光架橋性官能基としては、例えば、シンナモイル基、シンナミリデン基、ジアゾ基、アジド基、アクリロイル基、カルコン基、クマリン基などが挙げられるが、これらの中でも、シンナモイル基、シンナミリデン基、カルコン基、クマリン基などの光二量化性官能基が特に好ましい。
前記光異性化反応を行う官能基としては、例えば、光照射によりシス−トランス異性化するアゾベンゼン基(K.Ichimura et.al,Langmuir.Vol.4,2;K.Ichimura et.al,Appl.Phys.Lett.Vol.63,No.4,Page449(1993);N.Ishizuki,Langmuir.Vol.9,Page3298(1993);N.Ishizuki,Langmuir.Vol.9,Page857(1993))、ヒドラゾノ−β−ケトエステル基(S.Yamamura et.al,Liquid Crystal,Vol.13,No.2,page189(1993))、スチルベン基(市村國宏他、高分子論文集、第47巻、10号、771頁(1990))、スピロピラン基(K.Ichimura et.al,Chemistry Letters,Page1063(1992);K.Ichimura et.al,Thin Solid Films,Vol.235,Page101(1993))などが挙げられる。これらの中でも、アゾベンゼン基、スチルベン基が好ましい。
前記光化学反応性基を含有する化合物(以下、「光化学反応性化合物」と称することもある。)の添加量は、液晶性化合物1g当り0.001〜1gが好ましく、0.01〜0.1gがより好ましい。
前記光化学反応性化合物の好ましい具体例としては、特に制限はないが、例えば、以下に示す化合物(WP−1)〜(WP−4)が挙げられる。
光配向は、直線偏光照射又は斜め非偏光照射が好適に行われる。前記照射に用いる照射光の波長は、用いる光化学反応性化合物が光学吸収を有する波長領域を好適に用いることができるが、190nm以上500nm未満であることが好ましく、250nm以上450nm未満であることがより好ましい。
前記照射に用いる光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、クセノンランプ、クセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプなどが好適に挙げられる。
直線偏光を用いて光配向させる場合は、前記光源から出射された紫外線は偏光素子を通過させて直線偏光とすることが好ましい。
前記偏光素子としては、グランテーラー型プリズムやグラントムソン型プリズムなどのプリズム系素子、ブリュースター角を利用した反射型偏光素子などが好ましい。
前記照射光の量は、1〜2000mJ/cm2であることが好ましく、5〜1000mJ/cm2であることがより好ましい。
短時間で光学的異方性を発現させるため、加熱しながら直線偏光を照射することも好適に行われる。
前記直線偏光照射時の基板の温度範囲は、0℃以上200℃未満が好ましく、10℃以上150℃未満がより好ましい。
また、斜め非偏光照射を用いて光配向させる場合、Polym.Mater.Sci.Eng.,66,p263(1992)に記載されているような方法を好適に用いることができる。
前記照射に用いる光源としては、例えば、超高圧水銀ランプ、フラッシュ水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、Deep UVランプ、クセノンランプ、クセノンフラッシュランプ、メタルハライドランプなどが好適に挙げられる。
直線偏光を用いて光配向させる場合は、前記光源から出射された紫外線は偏光素子を通過させて直線偏光とすることが好ましい。
前記偏光素子としては、グランテーラー型プリズムやグラントムソン型プリズムなどのプリズム系素子、ブリュースター角を利用した反射型偏光素子などが好ましい。
前記照射光の量は、1〜2000mJ/cm2であることが好ましく、5〜1000mJ/cm2であることがより好ましい。
短時間で光学的異方性を発現させるため、加熱しながら直線偏光を照射することも好適に行われる。
前記直線偏光照射時の基板の温度範囲は、0℃以上200℃未満が好ましく、10℃以上150℃未満がより好ましい。
また、斜め非偏光照射を用いて光配向させる場合、Polym.Mater.Sci.Eng.,66,p263(1992)に記載されているような方法を好適に用いることができる。
(3)電場配向法
前記液晶性化合物を塗布したフィルムを電極間に挿入し、1V以上50kV未満の電圧を印加することで液晶性化合物を一軸配向することができる。また、電圧印加は前記液晶性化合物が液晶相を形成する温度範囲で行い、配向状態で紫外線照射して配向状態を固定化することが好適に行われる。
前記液晶性化合物を塗布したフィルムを電極間に挿入し、1V以上50kV未満の電圧を印加することで液晶性化合物を一軸配向することができる。また、電圧印加は前記液晶性化合物が液晶相を形成する温度範囲で行い、配向状態で紫外線照射して配向状態を固定化することが好適に行われる。
(4)磁場配向法
前記液晶性化合物を塗布したフィルムを、電磁コイルを備えた磁場配向装置の磁極間に挿入し、0.2T以上10T未満の磁場を印加することで液晶性化合物を一軸配向することができる。また、磁場印加は液晶性化合物が液晶相を形成する温度範囲で行い、配向状態で紫外線照射して配向状態を固定化することが好適に行われる。
前記液晶性化合物を塗布したフィルムを、電磁コイルを備えた磁場配向装置の磁極間に挿入し、0.2T以上10T未満の磁場を印加することで液晶性化合物を一軸配向することができる。また、磁場印加は液晶性化合物が液晶相を形成する温度範囲で行い、配向状態で紫外線照射して配向状態を固定化することが好適に行われる。
上述の(1)〜(4)のうち少なくとも1つの手段を用いて前記液晶性化合物を一軸配向させることが好ましい。
前記液晶性化合物を配向させた後は、紫外線を照射して配向状態を固定化することが好ましい。
紫外線照射重合の照射光波長、照射光量、光源、照射時の基板温度は、前述の光配向法の場合と同様である。前記光配向法を用いる場合、光配向に使用する照射光波長と、重合性の液晶性化合物を光重合させるための照射光波長とが異なっている方が好ましい。
前記液晶性化合物を配向させた後は、紫外線を照射して配向状態を固定化することが好ましい。
紫外線照射重合の照射光波長、照射光量、光源、照射時の基板温度は、前述の光配向法の場合と同様である。前記光配向法を用いる場合、光配向に使用する照射光波長と、重合性の液晶性化合物を光重合させるための照射光波長とが異なっている方が好ましい。
−支持体−
前記偏光分離層は支持体を有してもよい。前記支持体上に、液晶性化合物を塗布して偏光分離層を形成することにより、自己支持性のある層を作製できる。前記支持体には、スメクチック液晶層を一層のみ形成してもよいし、前記支持体の一方の面に二層以上のスメクチック液晶層を順次積層してもよいし、両方の面にスメクチック液晶層を形成してもよい。
前記偏光分離層は支持体を有してもよい。前記支持体上に、液晶性化合物を塗布して偏光分離層を形成することにより、自己支持性のある層を作製できる。前記支持体には、スメクチック液晶層を一層のみ形成してもよいし、前記支持体の一方の面に二層以上のスメクチック液晶層を順次積層してもよいし、両方の面にスメクチック液晶層を形成してもよい。
前記支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。前記支持体は、更に、光学異方性が小さいことが好ましい。
前記支持体は、光透過率が80%以上であること(透明支持体)が好ましい。また、波長分散を小さくする観点から、波長400nmにおける面内レターデーションRe(400)と、波長700nmにおける面内レターデーションRe(700)との比、Re(400)/Re(700)が、1.2未満であることが好ましい。
前記支持体は、光透過率が80%以上であること(透明支持体)が好ましい。また、波長分散を小さくする観点から、波長400nmにおける面内レターデーションRe(400)と、波長700nmにおける面内レターデーションRe(700)との比、Re(400)/Re(700)が、1.2未満であることが好ましい。
また、前記支持体としては、光学異方性のある支持体を用いてもよい。前記光学異方性のある支持体としては、具体的には、面内レターデーション(Re)が0〜20nmで、厚み方向のレターデーション(Rth)が−100nm〜100nmであることが好ましく、Reが0〜10nmで、Rthが−100nm〜20nmであることがより好ましい。
前記支持体に用いられるポリマーとしては、例えば、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、環状ポリオレフィンが挙げられる。この中でも、セルロースエステルが好ましく、セルロースアセテートがより好ましい。
前記環状ポリオレフィンとしては、特公平2−9619号公報に記載のテトラシクロドデセン類の開環重合体、又はテトラシクロドデセン類とノルボルネン類との開環共重合体を水素添加反応させて得られた重合体を構成成分とするポリマーが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンの市販品としては、アートン(JSR製)や、ゼオネックス、ゼオノア(日本ゼオン製)のシリーズが挙げられる。前記ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
前記環状ポリオレフィンとしては、特公平2−9619号公報に記載のテトラシクロドデセン類の開環重合体、又はテトラシクロドデセン類とノルボルネン類との開環共重合体を水素添加反応させて得られた重合体を構成成分とするポリマーが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンの市販品としては、アートン(JSR製)や、ゼオネックス、ゼオノア(日本ゼオン製)のシリーズが挙げられる。前記ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
前記支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。
前記支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、支持体に表面処理(例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。また、前記支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
前記支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面との貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nmの無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を、支持体の片側に塗布、又は支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
前記支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは位相差層)との接着を改善するため、支持体に表面処理(例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を実施してもよい。また、前記支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
前記支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面との貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nmの無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を、支持体の片側に塗布、又は支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
前記支持体を用いた場合の好ましい態様としては、支持体の長手方向に対してスメクチック液晶層の遅相軸が平行でも直交でもない方向にある態様が挙げられる。
具体的には、前記支持体の長手方向とスメクチック液晶層の遅相軸とのなす角が5〜85°であることが好ましい。
前記遅相軸の角度はラビングの角度で調整できる。前記支持体の長手方向に対してスメクチック液晶層の遅相軸を平行でも直交でもない角度にすることで(例えば、支持体上に配向膜を形成し、該配向膜の表面を長手方向に対して5〜85°の方向にラビング処理することで)、例えば、楕円偏光板の製造において、長尺状の偏光膜とロールトゥロールによる貼り合せが可能になり、貼り合せの軸角度の精度が高く、生産性の高い楕円偏光板の製造が可能になる。
具体的には、前記支持体の長手方向とスメクチック液晶層の遅相軸とのなす角が5〜85°であることが好ましい。
前記遅相軸の角度はラビングの角度で調整できる。前記支持体の長手方向に対してスメクチック液晶層の遅相軸を平行でも直交でもない角度にすることで(例えば、支持体上に配向膜を形成し、該配向膜の表面を長手方向に対して5〜85°の方向にラビング処理することで)、例えば、楕円偏光板の製造において、長尺状の偏光膜とロールトゥロールによる貼り合せが可能になり、貼り合せの軸角度の精度が高く、生産性の高い楕円偏光板の製造が可能になる。
−ポリマーフィルム−
前記偏光分離層は、光学特性を制御するために、液晶性化合物を含有するスメクチック液晶層だけでなく、ポリマーフィルムを含んでもよい。
前記ポリマーフィルムは、複屈折性を発現し得るポリマーから形成する。複屈折ポリマーフィルムとしては、複屈折特性の制御性、透明性、耐熱性に優れるものや、光弾性が小さいものが好ましい。この場合、用いる高分子材料としては、均一な一軸配向もしくは二軸配向が達成できる高分子であれば特に制限はないが、従来公知のもので溶液流延法や押出し成形方式で製膜できるもの好ましい。
具体的には、例えば、ノルボルネン系高分子、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリサルフォン等の芳香族系高分子、ポリプロピレン等のポリオレフィン、セルロースアシレート、又はこれらポリマーの2種乃至3種以上を混合したポリマー、などが挙げられる。
前記偏光分離層は、光学特性を制御するために、液晶性化合物を含有するスメクチック液晶層だけでなく、ポリマーフィルムを含んでもよい。
前記ポリマーフィルムは、複屈折性を発現し得るポリマーから形成する。複屈折ポリマーフィルムとしては、複屈折特性の制御性、透明性、耐熱性に優れるものや、光弾性が小さいものが好ましい。この場合、用いる高分子材料としては、均一な一軸配向もしくは二軸配向が達成できる高分子であれば特に制限はないが、従来公知のもので溶液流延法や押出し成形方式で製膜できるもの好ましい。
具体的には、例えば、ノルボルネン系高分子、ポリカーボネート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリサルフォン等の芳香族系高分子、ポリプロピレン等のポリオレフィン、セルロースアシレート、又はこれらポリマーの2種乃至3種以上を混合したポリマー、などが挙げられる。
前記ポリマーフィルムの光学異方性は、一軸又は二軸延伸により得ることが好ましい。前記一軸延伸は、2つ以上のロールの周速差を利用した縦一軸延伸、又はポリマーフィルムの両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸が好ましい。
また、前記ポリマーフィルムを縦方向及び横方向に延伸することにより、二軸性の光学異方性を発現させてもよい。なお、二枚以上のポリマーフィルムを用いて、二枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。
前記ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。
前記ポリマーフィルムの厚さは、20〜400nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。
また、前記ポリマーフィルムを縦方向及び横方向に延伸することにより、二軸性の光学異方性を発現させてもよい。なお、二枚以上のポリマーフィルムを用いて、二枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。
前記ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。
前記ポリマーフィルムの厚さは、20〜400nmであることが好ましく、30〜100nmであることがより好ましい。
前記ポリマーフィルムにおいて、Rthが負の値となる光学特性を有するフィルムは、熱収縮性のフィルムを貼り合わせて加熱しながら所定の張力を加えて高分子フィルムを膜の厚さ方向に延伸する方法(特開2000−206328号公報、特開2000−304925号公報)や、ビニルカルバゾール系高分子を塗布して乾燥させる方法(特開2001−091746号公報)で容易に形成できる。
<偏光変換層>
前記偏光変換層は、図1に示すように、偏光分離層で分離された電場ベクトル(偏光方向)が互いに直交する2種の直線偏光のうち、直進する直線偏光(偏光L1)、すなわちフォーカルコニック配向のらせん軸方位と平行方向(一般に複屈折層の進相軸)が偏光方向となる直線偏光の偏光状態は変更せず、傾斜して進行する偏光(偏光L2)、すなわちフォーカルコニック配向のらせん軸方位と平行でない方向(一般に複屈折層の遅相軸)が偏光方向となる直線偏光の偏光状態を(bからa’偏光方向を)変換する機能を有する。
前記偏光変換層は、図1に示すように、偏光分離層で分離された電場ベクトル(偏光方向)が互いに直交する2種の直線偏光のうち、直進する直線偏光(偏光L1)、すなわちフォーカルコニック配向のらせん軸方位と平行方向(一般に複屈折層の進相軸)が偏光方向となる直線偏光の偏光状態は変更せず、傾斜して進行する偏光(偏光L2)、すなわちフォーカルコニック配向のらせん軸方位と平行でない方向(一般に複屈折層の遅相軸)が偏光方向となる直線偏光の偏光状態を(bからa’偏光方向を)変換する機能を有する。
前記偏光変換層は、複屈折性化合物を主成分として含む。該複屈折性化合物としては、液晶性化合物が好ましい。前記複屈折性化合物は、前記偏光L2の偏光状態を変換するために、フィルム面に対して傾斜配向していることが必要であるが、偏光分離層で屈折せずに直進して透過してくる光の進行方向に対して傾斜していればよい。
また、前記複屈折性化合物の遅相軸が、前記偏光L1の偏光方向に対しては平行及び垂直のいずれかで、前記偏光L2に対しては平行でも垂直でもないように傾斜させることが好ましい。
前記複屈折性化合物としての液晶性化合物は、フィルム平面に対してほぼ一定角度で傾斜させることが好ましく、ハイブリッド配向して傾斜させることも好ましい。
前記液晶性化合物の固有複屈折、フィルム面からの傾斜角φや配向状態、偏光変換層の層厚等を調整することにより、前記偏光L2が前記偏光L1の偏光状態と一致するように変換することができる。前記傾斜角φは、例えば、30〜80°であることが好ましい。
また、前記複屈折性化合物の遅相軸が、前記偏光L1の偏光方向に対しては平行及び垂直のいずれかで、前記偏光L2に対しては平行でも垂直でもないように傾斜させることが好ましい。
前記複屈折性化合物としての液晶性化合物は、フィルム平面に対してほぼ一定角度で傾斜させることが好ましく、ハイブリッド配向して傾斜させることも好ましい。
前記液晶性化合物の固有複屈折、フィルム面からの傾斜角φや配向状態、偏光変換層の層厚等を調整することにより、前記偏光L2が前記偏光L1の偏光状態と一致するように変換することができる。前記傾斜角φは、例えば、30〜80°であることが好ましい。
ここで、液晶性化合物が、フィルム面に対して傾斜配向していることは、例えば、フィルムをμm単位で薄片に切断した断面を偏光顕微鏡で観察することにより測定することができる。
また、「ハイブリッド配向」とは、前記ディスコティック液晶性化合物における液晶分子長軸と前記フィルム面とのなす角度が、液晶層の厚み方向で連続的に変化している配向を意味し、前記傾斜配向と同様な方法により測定することができる。
また、「ハイブリッド配向」とは、前記ディスコティック液晶性化合物における液晶分子長軸と前記フィルム面とのなす角度が、液晶層の厚み方向で連続的に変化している配向を意味し、前記傾斜配向と同様な方法により測定することができる。
本発明で用いられるディスコティック液晶性化合物としては、様々な文献(C.Destrade et.al.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,vol.71,page 111(1981);日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節(1994);B.Kohne et.al.,Angew.Chem.Soc.Chem.Comm.,page 1794(1985);J.Zhang et.al.,J.Am.Chem.Soc.,vol.116,page 2655(1994))に記載されているものを用いることができる。また、前記ディスコティック液晶性化合物の重合については、特開平8−27284号公報に記載されている。
液晶性化合物の配向状態は、期間、温度、湿度、機械的変形などに対し、安定に維持するのが困難な場合が多い。したがって、配向状態を長期間にわたって維持するためには、重合性の液晶性化合物を使用し、配向状態で重合させ、架橋網目構造を形成させることが好ましい。
前記重合性基としては、例えば、ディスコティック液晶性化合物の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させた構造が考えられるが、円盤状コアに前記重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に連結基を有する構造が好ましい。すなわち、前記重合性基を有するディスコティック液晶性化合物としては、下記式で表わされる化合物であることが好ましい。
〔式〕
D(−L−P)n
ただし、前記式中、Dは円盤状コアを表し、Lは2価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは4〜12の整数を表す。
前記式中の円盤状コア(D)、2価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例としては、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)が挙げられ、同公報に記載の内容を好適に用いることができる。なお、前記ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がより好ましい。
〔式〕
D(−L−P)n
ただし、前記式中、Dは円盤状コアを表し、Lは2価の連結基を表し、Pは重合性基を表し、nは4〜12の整数を表す。
前記式中の円盤状コア(D)、2価の連結基(L)及び重合性基(P)の好ましい具体例としては、それぞれ、特開2001−4837号公報に記載の(D1)〜(D15)、(L1)〜(L25)、(P1)〜(P18)が挙げられ、同公報に記載の内容を好適に用いることができる。なお、前記ディスコティック液晶性化合物のディスコティックネマチック液晶相−固相転移温度は、70〜300℃が好ましく、70〜170℃がより好ましい。
このような液晶性化合物としては、棒状の液晶性化合物も好ましい。前記棒状液晶性化合物及びその組成物としては、例えば、季刊化学総説 第22巻 液晶の化学(1994年)日本化学会編の第4章、第7章,第10章、並びに液晶デバイスハンドブック 日本学術振興会第142委員会編の第3章に記載された化合物及び組成物が挙げられる。これらの中でも特に、ネマチック相を示す棒状の液晶性化合物が好ましい。
前記重合性の液晶性化合物の重合手段としては、熱重合、光重合のいずれを使用することもできるが、本発明では紫外線を用いた光重合が好適に用いられる。
前記重合性基としては、エチレン性不飽和基であることが好ましく、該エチレン性不飽和基は、液晶性化合物当り少なくとも1個導入されていることが好ましい。
前記液晶性化合物としては、耐熱性及び配向の均一性の点から、棒状液晶分子の両末端に光重合性基を有する二官能重合性液晶化合物が、特に好適に用いられる。
前記液晶性化合物の好ましい具体例としては、特に制限はないが、例えば、以下に示す化合物(N1)〜(N47)が挙げられる。
前記重合性基としては、エチレン性不飽和基であることが好ましく、該エチレン性不飽和基は、液晶性化合物当り少なくとも1個導入されていることが好ましい。
前記液晶性化合物としては、耐熱性及び配向の均一性の点から、棒状液晶分子の両末端に光重合性基を有する二官能重合性液晶化合物が、特に好適に用いられる。
前記液晶性化合物の好ましい具体例としては、特に制限はないが、例えば、以下に示す化合物(N1)〜(N47)が挙げられる。
前記液晶性化合物の傾斜配向手段としては、光配向、電場配向、磁場配向等が挙げられ、それぞれ光照射の方向、電極や磁極を傾斜させ、斜め方向に電場又は磁場を印加し、配向状態でUV光照射、又は急冷などを行うことで配向状態を固定することが好適に行われる。なお、これらの具体的な内容については、既に偏光分離層の項で述べた通りである。前記傾斜配向において、配向膜を使用する場合は、チルト角の大きな配向膜を使用して液晶を傾斜配向させてもよい。
前記偏光変換層の層厚は、0.1〜100μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
前記偏光変換層の層厚は、0.1〜100μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
前記偏光変換層は、例えば、複屈折性化合物としてのディスコティック液晶性化合物、光重合性開始剤等を添加した液を偏光分離層(複屈折層)上に塗布後、乾燥し、更に配向させ、光照射により配向固定させて製造することができる。
以上説明してきた偏光分離層と偏光変換層とを、それぞれ長尺ロール形態として連続生産、又は大面積シートとして枚葉生産することにより、本発明の偏光変換フィルムは高生産に製造することができる。
(偏光素子)
本発明の偏光素子は、前記本発明の偏光変換フィルムを備えてなる。前記偏光変換フィルムは、光吸収型素子と組み合わせて用いることが好ましい。
この場合、前記偏光素子は、電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光の一方を吸収し、他方を実質的に透過する光吸収型偏光素子と、前記本発明の偏光変換フィルムとからなり、前記光吸収型偏光素子の偏光透過軸と前記偏光変換フィルムの偏光透過軸とが略平行に配置されていることが好ましい。
前記光吸収型偏光素子としては、例えば、5倍以上に延伸したポリビニルアルコールフィルム中にI3 −やI5 −及び有機二色性色素の少なくともいずれかを高度に一軸配向させ、ホウ酸で架橋したものをセルローストリアセテートのような保護フィルムでサンドイッチしたものが一般に用いられる。
前記光吸収型偏光素子は、以下の式で表される偏光度が99%以上であることが好ましい。前記光吸収型偏光素子の400〜700nmにおける平均光線透過率は40%以上であることが好ましい。
本発明の偏光素子は、前記本発明の偏光変換フィルムを備えてなる。前記偏光変換フィルムは、光吸収型素子と組み合わせて用いることが好ましい。
この場合、前記偏光素子は、電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光の一方を吸収し、他方を実質的に透過する光吸収型偏光素子と、前記本発明の偏光変換フィルムとからなり、前記光吸収型偏光素子の偏光透過軸と前記偏光変換フィルムの偏光透過軸とが略平行に配置されていることが好ましい。
前記光吸収型偏光素子としては、例えば、5倍以上に延伸したポリビニルアルコールフィルム中にI3 −やI5 −及び有機二色性色素の少なくともいずれかを高度に一軸配向させ、ホウ酸で架橋したものをセルローストリアセテートのような保護フィルムでサンドイッチしたものが一般に用いられる。
前記光吸収型偏光素子は、以下の式で表される偏光度が99%以上であることが好ましい。前記光吸収型偏光素子の400〜700nmにおける平均光線透過率は40%以上であることが好ましい。
本発明の偏光変換フィルムとの組み合わせとしては、前記偏光変換フィルムを光吸収型偏光素子と別々の偏光素子として用いてもよいし、光吸収型偏光素子の保護フィルムの一方を置換して光吸収型素子に一体化して用いてもよい。
前記本発明の偏光変換フィルム及び偏光素子は、液晶表示装置などのディスプレイ用として用いることができ、例えば、LCD用偏光板(例えば、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensatory Bend)、ROCB(Reflective Optically Compensatory Bend)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)、IPS(In−Plane Switching)、VA(Vertically Aligned)等の、透過型液晶モード、反射型液晶モード、半透過型液晶モード)などに好適に用いられる。また、例えば、1/4波長板、1/2波長板等の位相差フィルム、視野角拡大フィルム、防眩性フィルム、ハードコートフィルムなどの各種光学部材と組み合わせて用いる場合にも好適に用いられる。特に、反射型液晶表示素子及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果が高く、好適に用いられる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光素子を備えてなる。前記液晶表示装置としては、特に制限はないが、例えば、バックライトを備え、該バックライト側に本発明の偏光素子を配置することが好ましい。
また、前記液晶表示装置は、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置のいずれかがが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光素子を備えてなる。前記液晶表示装置としては、特に制限はないが、例えば、バックライトを備え、該バックライト側に本発明の偏光素子を配置することが好ましい。
また、前記液晶表示装置は、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置のいずれかがが好ましい。
前記反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル、1/4波長板、及び偏光素子がこの順に積層されてなる。
より具体的には、液晶セルの前面に偏光素子と1/4波長板とからなる円偏光板を有し、かつ、前記液晶セルの背面に反射板を有し、前面側から取り込んだ光を反射板で反射させるとともに、液晶セルで偏光状態を変調して表示を行うものである。光を取り込む際に偏光板を透過させるため、従来の透過率が40%程度の偏光素子では、光の利用効率が低くなってしまうが、本発明の偏光素子を用いることで、光の利用効率を上げ、液晶表示装置としての輝度を向上させることができる。
液晶表示装置に取り込む光としては、特に制限はなく、外光でもよいが、円偏光板の更に前面に、光源と導光板とからなるフロントライトを設け、このフロントライトから光を取り込むのが好ましい。
前記フロントライトとしては、例えば、SID’95 Digest p.37に記載のマイクロプリズム構造のフロントライト、特開平11−218757号公報に記載の傾斜型フロントライト、特開2001−23424号公報に記載のプリズム連続型フロントライト、特開平11−184387号公報に記載の体積ホログラム型フロントライト等が挙げられる。
より具体的には、液晶セルの前面に偏光素子と1/4波長板とからなる円偏光板を有し、かつ、前記液晶セルの背面に反射板を有し、前面側から取り込んだ光を反射板で反射させるとともに、液晶セルで偏光状態を変調して表示を行うものである。光を取り込む際に偏光板を透過させるため、従来の透過率が40%程度の偏光素子では、光の利用効率が低くなってしまうが、本発明の偏光素子を用いることで、光の利用効率を上げ、液晶表示装置としての輝度を向上させることができる。
液晶表示装置に取り込む光としては、特に制限はなく、外光でもよいが、円偏光板の更に前面に、光源と導光板とからなるフロントライトを設け、このフロントライトから光を取り込むのが好ましい。
前記フロントライトとしては、例えば、SID’95 Digest p.37に記載のマイクロプリズム構造のフロントライト、特開平11−218757号公報に記載の傾斜型フロントライト、特開2001−23424号公報に記載のプリズム連続型フロントライト、特開平11−184387号公報に記載の体積ホログラム型フロントライト等が挙げられる。
前記半透過型液晶表示装置は、円偏光板及び反射型としても透過型としても使用可能な液晶表示素子を有してなる。
より具体的には、液晶セルの背面側にも円偏光板とバックライトとを設け、外光を取り込み反射型としても、バックライトからの光を利用した透過型としても用いることができる半透過型液晶表示装置であることがより好ましい。
前記半透過型液晶表示装置も、上記反射型液晶表示装置と同じく、本発明の偏光素子を用いることで、光の利用効率を上げ、表示装置としての輝度を向上させることができる。
より具体的には、液晶セルの背面側にも円偏光板とバックライトとを設け、外光を取り込み反射型としても、バックライトからの光を利用した透過型としても用いることができる半透過型液晶表示装置であることがより好ましい。
前記半透過型液晶表示装置も、上記反射型液晶表示装置と同じく、本発明の偏光素子を用いることで、光の利用効率を上げ、表示装置としての輝度を向上させることができる。
前記液晶表示装置において、円偏光板を構成するために偏光素子と組み合わされる1/4波長板としては、特開平5−27118号及び同5−27119号の各公報に記載された、レターデーションが大きい複屈折性フィルムと、レターデーションが小さい複屈折性フィルムとを、それらの光軸が直交するように積層させた位相差板、特開平10−68816号公報に記載された、特定波長において1/4波長となっているポリマーフィルムと、それと同一材料からなり同じ波長において1/2波長となっているポリマーフィルムとを積層させて、広い波長領域で1/4波長が得られる位相差板、特開平10−90521号公報に記載された、二枚のポリマーフィルムを積層することにより広い波長領域で1/4波長を達成できる位相差板、国際公開第00/26705号パンフレットに記載された変性ポリカーボネートフィルムを用いた広い波長領域で1/4波長を達成できる位相差板、国際公開第00/65384号パンフレットに記載されたセルロースアセテートフィルムを用いた広い波長領域で1/4波長を達成できる位相差板等を使用することができる。
前記1/4波長板の遅相軸は、液晶材料や配向方向、視野角特性などを考慮して決定されるが、偏光板の透過軸(又は吸収軸)と45°の角度で配置されることが好ましい。また、1/4波長板の光の波長に対する、位相遅れの公差を補償するために、偏光板と1/4波長板との間に1/2波長板を配置してもよい。
前記1/4波長板の遅相軸は、液晶材料や配向方向、視野角特性などを考慮して決定されるが、偏光板の透過軸(又は吸収軸)と45°の角度で配置されることが好ましい。また、1/4波長板の光の波長に対する、位相遅れの公差を補償するために、偏光板と1/4波長板との間に1/2波長板を配置してもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)偏光分離層の作製
下記の2官能性低分子液晶(1)と単官能性キラル液晶(2)とラセミ体の単官能性液晶(3)との10:80:10(重量比)混合物の15質量%、光重合開始剤としてのイルガキュアー907(商品名、チバ・スペシャリティーケミカルズ製)0.2質量%、増感剤としてのカヤキュアーDETX(商品名、日本化薬製)0.02質量%、及び界面活性剤としてのメガファックF−144D(商品名、大日本インキ製)0.05質量%を含むγ−ブチロラクトン溶液を調製した。セルロースアセテートフィルムに配向膜(ポリビニルアルコール)の希釈液を塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。ラビング処理を施した後、#2.0のワイヤーバーで前記γ−ブチロラクトン溶液を連続的に塗布し、60℃で溶媒を除去した。
次いで、恒温槽中で100℃で3分間熱処理し、スメクチックA相で配向させた後、キラルスメクチックC相に配向する温度である60℃まで5℃/分で降温し、更に60℃で3分熱処理した。その際、窒素置換して、酸素濃度を3%以下にした。その後、60℃のまま120W/cmの高圧水銀灯を有する紫外線照射装置を用いて800mJ/cm2の照射エネルギーで光重合させることにより、当該液晶材料の配向を固定化した。
こうして得られた偏光分離層としてのセルロースアセテートフィルム基板上のフィルムは、らせん構造を有するキラルスメクチックC相で固定化された均一な膜厚(1.2μm)のスメクチック液晶層であった。偏光顕微鏡観察及び膜断面の電子顕微鏡観察より、該フィルムに形成されたフォーカルコニック配向のらせんピッチは約1.3μmであることが判った。らせん軸は基板面に対し約3度傾いており、その角度は膜厚方向で一定であった。また、膜面内におけるらせん軸の方向はラビング軸と一致せず、反時計回りに約10度ずれていた。
(実施例1)
(1)偏光分離層の作製
下記の2官能性低分子液晶(1)と単官能性キラル液晶(2)とラセミ体の単官能性液晶(3)との10:80:10(重量比)混合物の15質量%、光重合開始剤としてのイルガキュアー907(商品名、チバ・スペシャリティーケミカルズ製)0.2質量%、増感剤としてのカヤキュアーDETX(商品名、日本化薬製)0.02質量%、及び界面活性剤としてのメガファックF−144D(商品名、大日本インキ製)0.05質量%を含むγ−ブチロラクトン溶液を調製した。セルロースアセテートフィルムに配向膜(ポリビニルアルコール)の希釈液を塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。ラビング処理を施した後、#2.0のワイヤーバーで前記γ−ブチロラクトン溶液を連続的に塗布し、60℃で溶媒を除去した。
次いで、恒温槽中で100℃で3分間熱処理し、スメクチックA相で配向させた後、キラルスメクチックC相に配向する温度である60℃まで5℃/分で降温し、更に60℃で3分熱処理した。その際、窒素置換して、酸素濃度を3%以下にした。その後、60℃のまま120W/cmの高圧水銀灯を有する紫外線照射装置を用いて800mJ/cm2の照射エネルギーで光重合させることにより、当該液晶材料の配向を固定化した。
こうして得られた偏光分離層としてのセルロースアセテートフィルム基板上のフィルムは、らせん構造を有するキラルスメクチックC相で固定化された均一な膜厚(1.2μm)のスメクチック液晶層であった。偏光顕微鏡観察及び膜断面の電子顕微鏡観察より、該フィルムに形成されたフォーカルコニック配向のらせんピッチは約1.3μmであることが判った。らせん軸は基板面に対し約3度傾いており、その角度は膜厚方向で一定であった。また、膜面内におけるらせん軸の方向はラビング軸と一致せず、反時計回りに約10度ずれていた。
前記フィルム(スメクチック液晶層)の全光線透過率を測定したところ、93%であった。また、このときの回折角は約30度であった。
(2)偏光変換層の作製
(1)で作製した偏光分離層の上に配向膜(ポリビニルアルコール)の希釈液を塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。次いで、偏光分離層のフォーカルコニック配向のらせん軸方向に平行にラビング処理を実施した。この後、下記の組成の偏光変換層用塗布液を、バーコーターにより乾燥後の膜厚15μmとなるように連続的に塗布、乾燥した。この後、該乾燥したフィルムをプリズム表面に対して60°傾斜した電極間に挿入し、120℃で500Vの電圧印加を5分間行った。前記電圧印加を3分間行った時点で、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最大波長365nm)を用いて、照度200mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線をフィルムに照射して傾斜配向状態を保ったまま硬化させ、偏光変換フィルムを作製した。液晶分子は、フィルムをμm単位で薄片に切断した断面を偏光顕微鏡で観察することにより測定したところ、偏光分離層のプリズムの稜線に平行で、フィルム面に対しては、約60°傾斜した状態で配向していた。
[偏光変換層用塗布液組成]
下記のディスコティック液晶性化合物・・・91.0質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.0質量部
上記の増感剤・・・1.0質量部
上記の光重合開始剤・・・3.0質量部
上記の水平配向促進剤・・・1.0質量部
メチルエチルケトン・・・195.0質量部
(1)で作製した偏光分離層の上に配向膜(ポリビニルアルコール)の希釈液を塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。次いで、偏光分離層のフォーカルコニック配向のらせん軸方向に平行にラビング処理を実施した。この後、下記の組成の偏光変換層用塗布液を、バーコーターにより乾燥後の膜厚15μmとなるように連続的に塗布、乾燥した。この後、該乾燥したフィルムをプリズム表面に対して60°傾斜した電極間に挿入し、120℃で500Vの電圧印加を5分間行った。前記電圧印加を3分間行った時点で、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最大波長365nm)を用いて、照度200mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線をフィルムに照射して傾斜配向状態を保ったまま硬化させ、偏光変換フィルムを作製した。液晶分子は、フィルムをμm単位で薄片に切断した断面を偏光顕微鏡で観察することにより測定したところ、偏光分離層のプリズムの稜線に平行で、フィルム面に対しては、約60°傾斜した状態で配向していた。
[偏光変換層用塗布液組成]
下記のディスコティック液晶性化合物・・・91.0質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.0質量部
上記の増感剤・・・1.0質量部
上記の光重合開始剤・・・3.0質量部
上記の水平配向促進剤・・・1.0質量部
メチルエチルケトン・・・195.0質量部
(3)反射型液晶表示装置の作製
市販の反射型液晶表示装置(カラーザウルスMI−310、シャープ(株)製)の偏光板にアクリル系粘着剤を用い、作製した偏光変換フィルムを偏光板の透過軸と偏光変換フィルムの偏光透過軸とが平行となるように貼り付けた。なお、前記反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル、1/4波長板、及び偏光素子がこの順に積層されている。
作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価を行ったところ、白表示、黒表示、及び中間調のいずれにおいても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
次に、測定機(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度を測定した。結果を表1に示す。なお、表1の結果は、後述する比較例の反射輝度を1.00としたときの相対値で示す。
市販の反射型液晶表示装置(カラーザウルスMI−310、シャープ(株)製)の偏光板にアクリル系粘着剤を用い、作製した偏光変換フィルムを偏光板の透過軸と偏光変換フィルムの偏光透過軸とが平行となるように貼り付けた。なお、前記反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル、1/4波長板、及び偏光素子がこの順に積層されている。
作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価を行ったところ、白表示、黒表示、及び中間調のいずれにおいても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
次に、測定機(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度を測定した。結果を表1に示す。なお、表1の結果は、後述する比較例の反射輝度を1.00としたときの相対値で示す。
(4)半透過型液晶表示装置の作製
図2に示される半透過型液晶表示装置141を作製し、作製した偏光変換フィルムを前面側偏光板108の上側及び背面側偏光板110の下側にそれぞれアクリル系粘着剤を用いて貼合した。なお、図2中、103は前面側基板、104は背面側基板、105は液晶部、106は前面電極、107は背面電極、112はバックライト、113は二端子素子、122は信号電極、124は絶縁層、125は二端子素子内の上部電極、142はカラーフィルタをそれぞれ示す。
図2に示される半透過型液晶表示装置141を作製し、作製した偏光変換フィルムを前面側偏光板108の上側及び背面側偏光板110の下側にそれぞれアクリル系粘着剤を用いて貼合した。なお、図2中、103は前面側基板、104は背面側基板、105は液晶部、106は前面電極、107は背面電極、112はバックライト、113は二端子素子、122は信号電極、124は絶縁層、125は二端子素子内の上部電極、142はカラーフィルタをそれぞれ示す。
(5)半透過型液晶表示装置の評価
作製した半透過型液晶表示装置につき、下記の評価を行った。
[1]反射モード時の表示品位
ミノルタ(株)製の分光測色計CM−2002を用いて液晶表示装置の白色表示の反射率と黒色表示の反射率とを測定し、コントラスト比を算出した。結果を表2に示す。
[2]透過モード時の表示品位
TOPCOM(株)製の輝度計BM−5Aを用いてバックライト点灯時における液晶表示装置の白色表示の輝度と黒色表示の輝度とを測定し、コントラスト比を算出した。結果を表2に示す。
作製した半透過型液晶表示装置につき、下記の評価を行った。
[1]反射モード時の表示品位
ミノルタ(株)製の分光測色計CM−2002を用いて液晶表示装置の白色表示の反射率と黒色表示の反射率とを測定し、コントラスト比を算出した。結果を表2に示す。
[2]透過モード時の表示品位
TOPCOM(株)製の輝度計BM−5Aを用いてバックライト点灯時における液晶表示装置の白色表示の輝度と黒色表示の輝度とを測定し、コントラスト比を算出した。結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1の(1)で作製した偏光分離層(複屈折層)の上に配向膜(ポリビニルアルコール)の希釈液を塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。次いで、偏光分離層のフォーカルコニック配向のらせん軸方向に平行にラビング処理を実施した。この後、下記の組成の塗布液を、バーコーターにより乾燥後の膜厚15μmとなるように連続的に塗布、乾燥した。この後、120℃で5分間熟成を行い、更に160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最大波長365nm)を用いて、照度200mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線をフィルムに照射して傾斜配向状態を保ったまま硬化させ、偏光変換フィルムを作製した。液晶分子は、実施例1と同様の方法により測定したところ、偏光分離層のプリズムの稜線に平行で、ディスコティック液晶性化合物はハイブリッド配向をしており、平均傾斜角約60度傾斜した状態で配向していた。
[偏光変換層用塗布液組成]
上記のディスコティック液晶性化合物・・・91.0質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.0質量部
上記の増感剤・・・1.0質量部
上記の光重合開始剤・・・3.0質量部
メチルエチルケトン・・・193.0質量部
実施例1の(1)で作製した偏光分離層(複屈折層)の上に配向膜(ポリビニルアルコール)の希釈液を塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。次いで、偏光分離層のフォーカルコニック配向のらせん軸方向に平行にラビング処理を実施した。この後、下記の組成の塗布液を、バーコーターにより乾燥後の膜厚15μmとなるように連続的に塗布、乾燥した。この後、120℃で5分間熟成を行い、更に160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製、波長範囲200〜500nm、最大波長365nm)を用いて、照度200mW/cm2、照射量600mJ/cm2の紫外線をフィルムに照射して傾斜配向状態を保ったまま硬化させ、偏光変換フィルムを作製した。液晶分子は、実施例1と同様の方法により測定したところ、偏光分離層のプリズムの稜線に平行で、ディスコティック液晶性化合物はハイブリッド配向をしており、平均傾斜角約60度傾斜した状態で配向していた。
[偏光変換層用塗布液組成]
上記のディスコティック液晶性化合物・・・91.0質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学(株)製)・・・9.0質量部
上記の増感剤・・・1.0質量部
上記の光重合開始剤・・・3.0質量部
メチルエチルケトン・・・193.0質量部
作製した偏光変換フィルムを用いて、実施例1と同様にして、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置を作製し評価を行なった。結果を表1及び表2に示す。
また、作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価を行ったところ、白表示、黒表示、及び中間調のいずれにおいても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
また、作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価を行ったところ、白表示、黒表示、及び中間調のいずれにおいても、色味がなく、ニュートラルグレイが表示されていることが確認できた。
(比較例1)
実施例1で作製した偏光分離層の代わりに、特開2000−89015号公報実施例1に記載の液晶性ポリエステルフィルムを偏光分離層として用いて偏光変換フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置を作製し評価を行なった。結果を表1及び表2に示す。
実施例1で作製した偏光分離層の代わりに、特開2000−89015号公報実施例1に記載の液晶性ポリエステルフィルムを偏光分離層として用いて偏光変換フィルムを作製した以外は、実施例1と同様にして、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置を作製し評価を行なった。結果を表1及び表2に示す。
(比較例2)
偏光変換フィルムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置により評価を行なった。結果を表1及び表2に示す。
偏光変換フィルムを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置により評価を行なった。結果を表1及び表2に示す。
また、前記液晶表示装置の正面からのコントラスト比は、実施例1が23で、実施例2が22であり、コントラスト比3となる視野角は、実施例1及び2いずれも上下120゜以上、左右120゜以上であった。
表1及び表2の結果から、本発明の偏光変換フィルムによれば、簡単な構成で、反射モード時、透過モード時のいずれでも、輝度を向上させることができることが判った。なお、比較例1では、前述のように支持体が異なるため、実施例に比して輝度が向上しなかった。
本発明の偏光変換フィルム及び偏光素子は、液晶表示装置などのディスプレイ用として、光利用効率を高めることができ、特に、反射型液晶表示素子及び半透過型液晶表示素子において輝度向上効果が高く、好適に用いられる。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光素子を備えてなるので、特に、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置として好適に用いられる。
本発明の液晶表示装置は、前記本発明の偏光素子を備えてなるので、特に、反射型液晶表示装置及び半透過型液晶表示装置として好適に用いられる。
1・・・偏光分離層
2・・・偏光変換層
103・・・前面側基板
104・・・背面側基板
105・・・液晶部
106・・・前面電極
107・・・背面電極
108・・・前面側円偏光板
110・・・背面側円偏光板
112・・・バックライト
113・・・二端子素子
122・・・信号電極
124・・・絶縁層
125・・・二端子素子内の上部電極
141・・・半透過型液晶表示装置
142・・・カラーフィルタ
a・・・偏光分離層を直進する直線偏光の偏光方向
b・・・偏光分離層で屈折する直線偏光の偏光方向
L・・・入射光
L1・・・偏光分離層で直進する直線偏光
L2・・・偏光分離層で屈折する直線偏光
m・・・複屈折性化合物
ne・・・遅相軸の方向(固有複屈折が正の場合)
θ・・・偏光分離角
φ・・・複屈折性化合物の傾斜角
2・・・偏光変換層
103・・・前面側基板
104・・・背面側基板
105・・・液晶部
106・・・前面電極
107・・・背面電極
108・・・前面側円偏光板
110・・・背面側円偏光板
112・・・バックライト
113・・・二端子素子
122・・・信号電極
124・・・絶縁層
125・・・二端子素子内の上部電極
141・・・半透過型液晶表示装置
142・・・カラーフィルタ
a・・・偏光分離層を直進する直線偏光の偏光方向
b・・・偏光分離層で屈折する直線偏光の偏光方向
L・・・入射光
L1・・・偏光分離層で直進する直線偏光
L2・・・偏光分離層で屈折する直線偏光
m・・・複屈折性化合物
ne・・・遅相軸の方向(固有複屈折が正の場合)
θ・・・偏光分離角
φ・・・複屈折性化合物の傾斜角
Claims (15)
- 入射光を電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離する偏光分離層と、該直線偏光の偏光状態を変換する偏光変換層とからなり、前記偏光分離層がフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層からなることを特徴とする偏光変換フィルム。
- 偏光分離層が支持体を有し、該支持体がセルロースエステルを含む請求項1に記載の偏光変換フィルム。
- セルロースエステルが、セルロースアセテートである請求項2に記載の偏光変換フィルム。
- フォーカルコニック配向のらせん軸方位と偏光変換フィルムとのなす角が、0〜10°である請求項1から3のいずれかに記載の偏光変換フィルム。
- 偏光分離層が、入射光を該偏光分離層のフォーカルコニック配向したスメクチック液晶層において電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光に分離し、一方の直線偏光を直進させ、他方の直線偏光を回折させ、かつ、偏光変換層が、該偏光変換層の表面に対して傾斜して入射する直線偏光の偏光状態のみを変換する請求項1から4のいずれかに記載の偏光変換フィルム。
- 偏光変換層が、フィルム面に対して傾斜配向したディスコティック液晶性化合物を含む請求項1から5のいずれかに記載の偏光変換フィルム。
- ディスコティック液晶性化合物が、ハイブリッド配向している請求項6に記載の偏光変換フィルム。
- ディスコティック液晶性化合物の遅相軸が、偏光分離層を直進して透過する直線偏光の電場ベクトルに対し平行及び垂直のいずれかで、該偏光分離層を屈折して透過する直線偏光の電場ベクトルに対し平行及び垂直のいずれでもない請求項6から7のいずれかに記載の偏光変換フィルム。
- 請求項1から8のいずれかに記載の偏光変換フィルムにおける偏光分離層及び偏光変換層をロール状の形態で連続的に生産することを特徴とする偏光変換フィルムの製造方法。
- 請求項1から8のいずれかに記載の偏光変換フィルムを備えてなることを特徴とする偏光素子。
- 電場ベクトルが互いに直交する2つの直線偏光の一方を吸収し、他方を実質的に透過する光吸収型偏光素子と、偏光変換フィルムとからなり、前記光吸収型偏光素子の偏光透過軸と前記偏光変換フィルムの偏光透過軸とが略平行に配置された請求項10に記載の偏光素子。
- 請求項10から11のいずれかに記載の偏光素子を備えてなることを特徴とする液晶表示装置。
- 反射板、液晶セル、1/4波長板、及び偏光素子がこの順に積層されてなる反射型液晶表示装置である請求項12に記載の液晶表示装置。
- バックライトを備え、該バックライト側に偏光素子を配置した請求項12から13のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 円偏光板及び反射型としても透過型としても使用可能な液晶表示素子を有してなる半透過型液晶表示装置である請求項14に記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006075160A JP2007249030A (ja) | 2006-03-17 | 2006-03-17 | 偏光変換フィルム及びその製造方法、偏光素子、並びに液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006075160A JP2007249030A (ja) | 2006-03-17 | 2006-03-17 | 偏光変換フィルム及びその製造方法、偏光素子、並びに液晶表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007249030A true JP2007249030A (ja) | 2007-09-27 |
Family
ID=38593367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006075160A Pending JP2007249030A (ja) | 2006-03-17 | 2006-03-17 | 偏光変換フィルム及びその製造方法、偏光素子、並びに液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007249030A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103048721A (zh) * | 2011-10-12 | 2013-04-17 | 住友化学株式会社 | 偏振光膜、圆偏振光板及它们的制造方法 |
CN106959274A (zh) * | 2017-05-12 | 2017-07-18 | 燕山大学 | 一种基于布儒斯特定律的溶液浓度监测方法及装置 |
-
2006
- 2006-03-17 JP JP2006075160A patent/JP2007249030A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103048721A (zh) * | 2011-10-12 | 2013-04-17 | 住友化学株式会社 | 偏振光膜、圆偏振光板及它们的制造方法 |
CN106959274A (zh) * | 2017-05-12 | 2017-07-18 | 燕山大学 | 一种基于布儒斯特定律的溶液浓度监测方法及装置 |
CN106959274B (zh) * | 2017-05-12 | 2023-06-06 | 燕山大学 | 一种基于布儒斯特定律的溶液浓度监测方法及装置 |
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