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JP2007245588A - デバイス用基板の製造方法 - Google Patents

デバイス用基板の製造方法 Download PDF

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JP2007245588A
JP2007245588A JP2006073446A JP2006073446A JP2007245588A JP 2007245588 A JP2007245588 A JP 2007245588A JP 2006073446 A JP2006073446 A JP 2006073446A JP 2006073446 A JP2006073446 A JP 2006073446A JP 2007245588 A JP2007245588 A JP 2007245588A
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Abstract

【課題】ベース基板にサポート基板を接合した状態でベース基板表面を良好に加工又は処理することができ且つサポート基板を比較的容易に剥離させることができるデバイス用基板の製造方法を提供する。
【解決手段】ベース基板130に貫通部を形成すると共に複数の微小貫通孔131を形成し、ベース基板の一方側の表面に接着剤140を塗布すると共にこの接着剤によってサポート基板150をベース基板に接合してベース基板の表面を前記サポート基板で覆い、ベース基板とサポート基板との接合領域の外側に流れ出した接着剤をアッシングにより除去し、ベース基板の他方側の表面に所定加工又は処理を施し、接着剤に剥離液を浸透させてベース基板からサポート基板を剥離させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、貫通部を有するベース基板の一方面に所定加工又は処理を施したデバイス用基板の製造方法に関し、特に、ノズル開口から液滴を吐出する液体噴射ヘッド等のデバイス、例えば、インクジェット式記録ヘッドを構成する基板に用いられるデバイス用基板の製造方法に関する。
液体噴射ヘッドの代表的な例であるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、この流路形成基板の一方面側に形成される圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側の面に接着されて圧電素子を保護するための圧電素子保持部を有する保護基板とを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、この保護基板には、圧力発生室にインクを供給するためのリザーバを構成するリザーバ部が、保護基板を厚さ方向に貫通して設けられている。また、保護基板上には接続配線が所定パターンで形成され、この接続配線上に圧電素子を駆動するための駆動ICが実装されている。
このような保護基板は、例えば、比較的厚さの薄いシリコン単結晶基板で形成されている。実際には、この保護基板は、シリコンウェハからなる保護基板用ウェハに複数一体的に形成されている。このため、保護基板(保護基板用ウェハ)の製造過程における取扱いが困難であるという問題がある。例えば、保護基板の搬送時や、保護基板表面の加工時あるいは処理時等に保護基板に割れや欠け等が生じてしまう虞がある。
そして、このような問題を解消するために、例えば、保護基板の一方面側に、例えば、ガラス基板等のサポート基板を接着剤によって接合し、このサポート基板によって保護基板の剛性を確保した状態で、保護基板の加工等を行うようにする方法が一般的に採用されている。
ここで、サポート基板を接合するための接着剤としては、例えば、所定の剥離液によって剥離させるタイプのものが用いられる。この剥離液によって剥離させるタイプの接着剤は、接着力が強く熱や耐薬品性に優れているため、例えば、保護基板等のデバイス用基板の製造に好適に用いられている。しかしながら、剥離液によって剥離させるタイプの接着剤を用いると、製造過程においてサポート基板が剥離することはないものの、サポート基板を意図的に剥離させるのも容易でないという問題があった。
このような問題を解決するための方法としては、例えば、サポート基板に複数の貫通孔を形成すると共にこれら複数の貫通孔に剥離液を供給し、剥離液が接着剤に浸透し易くなるようにする方法がある。しかしながら、このような方法を採用すると、その後の工程に悪影響を与えるという問題や、使用する装置が制限されてしまう等の問題がある。例えば、保護基板にサポート基板を接合した接合体の状態では、各貫通孔内に接着剤(レジン)が存在するため、この接合体を、真空装置等を用いて加工あるいは処理しようとすると、貫通孔内の接着剤によって真空装置のチャンバ内が汚染されてしまうという問題がある。また、例えば、サポート基板に貫通孔が形成されていると、リザーバを有する保護基板等、貫通部が形成された基板は、真空吸着により接合体を保持する装置には使用することができないという問題もある。
特開2005−335140号公報
本発明はこのような事情に鑑み、ベース基板にサポート基板を接合した状態でベース基板表面を良好に加工又は処理することができ且つサポート基板を比較的容易に剥離させることができるデバイス用基板の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、厚さ方向に貫通する貫通部を有するベース基板の表面に所定加工又は処理を施したデバイス用基板の製造方法であって、前記ベース基板に前記貫通部を形成すると共に複数の微小貫通孔を形成する基板加工工程と、前記ベース基板の一方側の表面に接着剤を塗布すると共にこの接着剤によってサポート基板を前記ベース基板に接合し当該ベース基板の表面を前記サポート基板で覆う接合工程と、前記ベース基板と前記サポート基板との接合領域の外側に流れ出した接着剤をアッシングにより除去する除去工程と、前記ベース基板の他方側の表面に前記所定加工又は処理を施す表面処理工程と、前記接着剤に剥離液を浸透させて前記ベース基板から前記サポート基板を剥離させる剥離工程とを有することを特徴とするデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第1の態様では、ベース基板にサポート基板を接合した状態で、各貫通部内及び微小貫通孔内の接着剤が除去されるため、その後の工程で、接着剤が悪影響を及ぼすことがない。また、ベース基板の一方面側がサポート基板によって覆われて貫通部及び微小貫通孔の一方の開口が封止される。したがって、真空吸着装置によってベース基板を保持することもできる。
本発明の第2の態様は、前記接合工程では、スリットコート法によって前記ベース基板表面に前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第2の態様では、ベース基板の表面のみに接着剤を良好に塗布することができる。
本発明の第3の態様は、前記微小貫通孔の前記ベース基板の前記他方側の開口の直径が10μm以上であることを特徴とする第1又は2の態様のデバイス基板の製造方法にある。
かかる第3の態様では、微小貫通孔内に比較的容易に剥離液が入り込むため、サポート基板をより容易にベース基板から剥離させることができる。
本発明の第4の態様は、前記微小貫通孔の前記ベース基板の前記他方側の開口が前記一方側の開口よりも大きいことを特徴とする第1〜3の何れかの態様のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第4の態様では、ベース基板に塗布した接着剤がこの貫通孔内にも若干流れ込むことで、ベース基板とサポート基板との接着性が向上する。
本発明の第5の態様は、前記微小貫通孔が、前記ベース基板の前記他方側の開口部に、他の部分よりも内径の大きい大径部を有することを特徴とする第4の態様のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第5の態様では、大径部を設けることでベース基板に塗布した接着剤が貫通孔内に流れ込みやすくなる。
本発明の第6の態様は、前記除去工程では、前記ベース基板及び前記サポート基板の外周部に流れ出した接着剤と共に、前記貫通部内に流れ込んだ接着剤を除去することを特徴とする第1〜5の何れかの態様のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第6の態様では、ベース基板とサポート基板との接合領域の外側に流れ出した接着剤が確実に除去される。
本発明の第7の態様は、前記剥離工程では、前記微小貫通孔内に前記剥離液を供給して当該剥離液を前記接着剤に浸透させることを特徴とする第1〜6の何れかの態様のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第7の態様では、微小貫通孔内に剥離液を確実に供給することで、サポート基板をより容易にベース基板から剥離させることができる。
本発明の第8の態様は、前記表面処理工程では、前記所定処理として前記ベース基板上に配線パターンを形成し、前記基板加工工程では、前記ベース基板の前記配線パターンが形成されない領域に前記微小貫通孔を形成することを特徴とする第1〜7の何れかの態様のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第8の態様では、ベース基板に多数の微小貫通孔を形成しても、配線パターンを良好に形成することができる。
本発明の第9の態様は、前記ベース基板がシリコン基板からなることを特徴とする第1〜8の何れかの態様のデバイス用基板の製造方法にある。
かかる第9の態様では、ベース基板がシリコン基板からなる場合であっても、ベース基板に割れを発生させることなくデバイス用基板を良好に形成することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
まず、本発明の製造方法によって製造したデバイス用基板である保護基板を用いたインクジェット式記録ヘッドの構造について説明する。図1は、インクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は、図1の平面図及びそのA−A′断面図である。
図示するように、流路形成基板10は、例えば、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μm程度の弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が並設され、その長手方向外側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
この流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられた保護膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤等によって固着されている。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、二酸化シリコンからなる弾性膜50が設けられ、さらにこの弾性膜50上には、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなる絶縁体膜55が積層形成されている。また、絶縁体膜55上には、例えば、白金(Pt)及びイリジウム(Ir)等からなる下電極膜60と、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層70と、例えば、金(Au)、白金(Pt)又はイリジウム(Ir)等からなる上電極膜80とが積層されて圧電素子300が形成されている。圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、例えば、金(Au)等で形成されるリード電極90の一端が接続されている。このリード電極90は上電極膜80上から絶縁体膜55上まで延設されて、後述する駆動回路に電気的に接続されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、デバイス用基板である保護基板30が接合されている。すなわち、表面に後述する駆動配線が形成された保護基板30が接着剤35によって流路形成基板10の表面(圧電素子300が形成される面と同一の面)に接合されている。この保護基板30には、並設された複数の圧電素子300に対向する領域に、これら圧電素子300を保護するための空間である圧電素子保持部31が設けられている。この圧電素子保持部31は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。また、保護基板30には、流路形成基板10の連通部13に対向する領域に、保護基板30の厚さ方向に貫通する貫通部であるリザーバ部32が設けられている。そして、このリザーバ部32部は流路形成基板10の連通部13と連通し、これらリザーバ部32及び連通部13によって各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100が形成されている。さらにこの保護基板30には、圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域に、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通部である接続孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90は、この接続孔33内まで延設されている。
さらに、保護基板30上には、詳しくは後述するが、配線パターンである駆動配線210が設けられており、この駆動配線210上には、圧電素子300を駆動するための駆動回路220が実装されている。この駆動回路220としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路220とリード電極90とが、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線230を介して電気的に接続されている。
なお、このような保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いた。
さらに、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。固定板42は、金属等の硬質の材料で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
なお、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路220からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55及び圧電素子300を撓み変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以下、このようなインクジェット式記録ヘッドの製造方法について図3〜図7を参照して説明する。まずは、本実施形態に係るデバイス用基板、すなわち、表面に駆動配線が設けられた保護基板の製造方法について、図3〜図5を参照して説明する。
本実施形態では、まず、図3(a)に示すように、ベース基板に相当する保護基板用ウェハ130を異方性エッチングすることにより、保護基板用ウェハ130の各保護基板30となる領域に、圧電素子保持部31、リザーバ部32、接続孔33をそれぞれ形成する。なお、保護基板用ウェハ130は、例えば、厚さが400μm程度である面方位(110)のシリコンウェハであり、本実施形態では、図4に示すように、この保護基板用ウェハ130に複数の保護基板30を一体的に形成している。そして、この保護基板用ウェハ130に圧電素子保持部31等を形成する際に、同時に複数の微小貫通孔131を形成する(基板加工工程)。この微小貫通孔131は、後述する剥離液を保護基板用ウェハ130とサポート基板150との間に供給することを目的として形成されている。これらの微小貫通孔131は、基本的には、保護基板用ウェハ130の何れの位置に設けてもよいが、本実施形態では保護基板30上に駆動配線210が形成されるため、この駆動配線210以外の領域に形成する必要がある。例えば、本実形態では、保護基板用ウェハ130の各保護基板30よりも外側の領域、すなわち、保護基板用ウェハ130の外周部(図4においてハッチングを施した領域)に、複数の微小貫通孔131を形成している。このように保護基板用ウェハ130の各保護基板30よりも外側の領域に複数の微小貫通孔131を形成し、各保護基板30が形成される領域には微小貫通孔131を形成しないようにすることで、保護基板30の剛性は保護基板30に微小貫通孔131が形成されている場合よりも大きくなる。したがって、保護基板用ウェハ130を分割して保護基板30とし、その後保護基板30と流路形成基板10との接合体にノズルプレート20を接合する際に、この接合体の割れが発生しにくくなる。
ここで、微小貫通孔131の開口形状は、特に限定されず、円形であっても矩形であってもよいが、保護基板用ウェハ130の圧電素子保持部31側の開口、すなわち後述するサポート基板との接合面側の開口が、もう一方の面に開口する開口よりも大きいことが好ましい。例えば、本実施形態に係る微小貫通孔131は、上記接合面側に開口する大径部132と、もう一方の面に開口し大径部132よりも内径の小さい小径部133とで構成されている。一方、小径部133の開口、すなわち、保護基板用ウェハ130のサポート基板150が接合される面とは反対側の面の微小貫通孔131の開口の大きさは、特に限定されないが、直径が10μm以上であることが好ましい。さらに、微小貫通孔131の大径部132は、その内面が、保護基板用ウェハ130の表面に対して傾斜する面で構成されていることが好ましい。
このような微小貫通孔131の形成方法は、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、圧電素子保持部31等と共に、面方位(110)のシリコンウェハである保護基板用ウェハ130を異方性エッチングすることによって形成している。このため、本実施形態に係る微小貫通孔131の大径部132の内面は(110)面に対して所定角度で傾斜する(111)面等で構成されている。また、小径部133は、例えば、異方性エッチングとレーザ加工とを併用することで、開口の直径が数十μm程度と比較的小さくなるように形成している。なお、このような微小貫通孔131の数は、特に限定されないが、製造過程において保護基板用ウェハ130に割れや変形が生じない程度に、できるだけ多く形成することが望ましい。
次に、図3(b)に示すように、この保護基板用ウェハ130の圧電素子保持部31側の表面に接着剤140を塗布する(接合工程)。このとき、接着剤140は、微小貫通孔131の内部にも塗布されていてもよいが、保護基板用ウェハ130の表面にのみ塗布されていればよい。すなわち、保護基板用ウェハ130のリザーバ部32等の貫通部内にはできるだけ流れ出さないように接着剤140を塗布することが好ましい。なお、接着剤140の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スリットコート方式の塗布装置を用いることで、比較的容易に保護基板用ウェハ130の表面のみに接着剤140を塗布することができる。
次いで、図3(c)に示すように、保護基板用ウェハ130の表面に接着剤140によってサポート基板150を接合する(接合工程)。例えば、本実施形態では、これら保護基板用ウェハ130とサポート基板150とを真空中で熱圧着することによって接合している。このように保護基板用ウェハ130の表面に接着剤140を塗布して保護基板用ウェハ130とサポート基板150とを接合することにより、接着剤140の使用量を大幅に削減することができる。すなわち、本実施形態に係る保護基板用ウェハ130には、リザーバ部32等の貫通部が設けられていると共に、多数の微小貫通孔131が設けられているため、それ以外の領域に接着剤140が塗布される。したがって、塗布される接着剤140の量が大幅に削減されることになる。また、適量の接着剤140で両者を良好に接合することができ、両者の接着性も大幅に向上する。なお、接着剤140の使用量は、従来のようにサポート基板150の全面に接着剤140を塗布する場合と比較して、約1/5程度に抑えられる。さらに、接着剤140の使用量が削減されることで、プライマの管理時間も抑えられるため、生産性も大幅に向上する。
ここで、サポート基板150とは、保護基板用ウェハ130の剛性を確保するためのものである。上述したように保護基板用ウェハ130は、厚さが約400μm程度のシリコンウェハであり比較的剛性が低く脆い。すなわち、保護基板用ウェハ130のみでは、例えば、割れや変形が生じやすく取り扱いが困難である。このため、サポート基板150を保護基板用ウェハ130に接合することで、保護基板用ウェハ130の剛性を確保している。また、このサポート基板150は、保護基板用ウェハ130の表面を覆い、リザーバ部32等の貫通部を封止する役割も果たしている。すなわち、サポート基板150は、厚さ方向に貫通する穴が形成されていない基板である必要がある。また、サポート基板150は、保護基板(保護基板用ウェハ)と線膨張係数が近い材料であることが好ましく、例えば、ガラス基板、シリコン基板等からなることが好ましい。なお、本実施形態に係るサポート基板150は、シリコン基板(シリコンウェハ)からなる。
次に、図3(d)に示すように、保護基板用ウェハ130の外周部、あるいはリザーバ部32等の貫通部内等に流れ出した接着剤140をアッシングにより除去する(除去工程)。保護基板用ウェハ130にサポート基板150を接合する際に両基板を加圧すると、余分な接着剤140が保護基板用ウェハの外周部や、リザーバ部32等の貫通部内等に流れ出してしまう。このため、本発明では、これら保護基板用ウェハ130の外周部や、貫通部等の内部に流れ出した接着剤140をアッシングにより除去するようにしている。上述したように本発明では、保護基板用ウェハ130に接着剤140を塗布してサポート基板150を接合するようにしているため、貫通部等の内部に流れ出した接着剤140を確実に除去することができる。すなわち、接着剤140の使用量が大幅に抑えられているため、リザーバ部32内等に流れ出す接着剤140の量も大幅に抑えられる。したがって、このようにリザーバ部32内等に流れ出した接着剤140をアッシングによって確実に除去することができる。なお、例えば、サポート基板の全面に接着剤を塗布してサポート基板と保護基板用ウェハとを接合した場合、リザーバ部内等に流れ出す接着剤の量が極めて多くなってしまうため、流れ出した接着剤をアッシングにより完全に除去するのは難しい。
次に、図5(a)に示すように、例えば、スパッタリング法により保護基板用ウェハ130の表面の全面に、例えば、金(Au)等からなる金属層211を形成し、次いで、この金属層211上にレジストを塗布、露光及び現像することによってレジスト膜(図示なし)を形成し、このレジスト膜を介して金属層211をパターニングすることによって、保護基板用ウェハ130の各保護基板30に対応する領域に、所定パターンの駆動配線210をそれぞれ形成する。すなわち、保護基板用ウェハ130の表面に所定処理を施す(表面処理工程)。
このように駆動配線210を形成する際には、上述したようにリザーバ部32内等に流れ出した接着剤140はほぼ完全に除去されている。このため、例えば、金属層211を形成する際に保護基板用ウェハ130とサポート基板150との接合体を真空装置のチャンバ内に挿入しても、接着剤140によってチャンバ内が汚染されることがない。したがって、金属層211を保護基板用ウェハ130上に良好に形成することができる。また、保護基板用ウェハ130とサポート基板150との密着性が向上しているため、保護基板用ウェハ130の反りの発生が抑えられる。このため、上記レジストの露光に用いられるマスクを高精度に形成することで、駆動配線210の高密度化も可能となる。さらに、保護基板用ウェハ130の反りの発生が防止されることで、反りに伴う保護基板用ウェハ130へのクラックの発生、駆動配線210の断線等の問題が生じることもない。
また、上述したよう保護基板用ウェハ130の裏面、すなわち、駆動配線210とは反対側の面がサポート基板150によって覆われ、リザーバ部32等の貫通部がこのサポート基板150によって封止されている。このため、保護基板用ウェハ130(実際にはサポート基板150)を真空吸着して保持することができ、保護基板用ウェハ130を所定位置に確実に固定した状態で保護基板用ウェハ130の表面に所定処理又は加工を施すことができる。また、スパッタリング法によって保護基板用ウェハ130の表面に金属層211を形成する際、保護基板用ウェハ130の裏面側への回り込みが防止され、異物等の発生が大幅に低減される。さらに、保護基板用ウェハ130の裏面側には金属層が形成されることがなく、その後の工程で裏面側の金属層を除去する必要もない。したがって、歩留まりが向上し大幅なコストダウンを図ることもできる。
さらに、このように保護基板用ウェハ130にサポート基板150を接合しておくことで、例えば、樹脂フィルム等からなる保護膜による保護基板用ウェハ130の保護は不要となり、製造工程の簡素化を図ることもできる。また、本発明の製造方法は、既存の装置を用いて実施することができるため、設備投資を必要とすることもない。
なお、このように保護基板用ウェハ130上に駆動配線210を形成した後は、図5(b)に示すように、保護基板用ウェハ130とサポート基板150との接合体を、所定の剥離液250に浸漬させて一定時間放置する(剥離工程)。これにより剥離液250が接着剤140に浸透しサポート基板150が保護基板用ウェハ130から剥離される(図5(c))。ここで、保護基板用ウェハ130には、リザーバ部32等の貫通部が設けられていると共に、多数の微小貫通孔131が設けられているため、これらリザーバ部32等の貫通部内、さらには微小貫通孔131内にも剥離液250が入り込んで接着剤140に浸透する。これにより、剥離液250が比較的短時間で接着剤140に浸透してサポート基板150が保護基板用ウェハ130から剥離される。
なお、本実施形態では、保護基板用ウェハ130の保護基板30となる領域には微小貫通孔131を形成していないが、この領域にはリザーバ部32や接続孔33が形成されているので、サポート基板150と保護基板用ウェハ130との間の接着剤140に、これらリザーバ部32や接続孔33から十分に剥離液を供給することができる。
また、本発明の製造方法においては、接着剤140として特殊な材料を用いる必要はなく、また剥離液としても危険な薬液を用いる必要はない。したがって、環境に悪影響を及ぼすこともない。さらに、接着剤140としてレジストと同等の成分であるものを使用すれば、レジストを回収するための経路を利用して、廃液(剥離液)の回収を行うことができるという利点もある。さらに、保護基板用ウェハ130から剥離させたサポート基板150は、再利用が可能であるため製造コストの削減を図ることもできる。
その後は、図6(a)に示すように、駆動配線210を形成した保護基板用ウェハ130を、所定の薄膜プロセスによって圧電素子300が形成された流路形成基板用ウェハ110に接合する。なお、この流路形成基板用ウェハ110は、保護基板用ウェハ130と同様にシリコンウェハであり、複数の流路形成基板10が一体的に形成される。
次いで、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の保護基板用ウェハ130が接着された面とは反対側の面を加工することにより、流路形成基板用ウェハ110を所定の厚さにする。本実施形態では、例えば、裏面研磨装置(バックグラインダ)等によって流路形成基板用ウェハ110をある程度の厚さ、本実施形態では、約100μm程度の厚さとなるまで研削する。その後、さらにフッ硝酸等からなるエッチング液を用いてウェットエッチングして流路形成基板用ウェハ110を所定の厚さに形成する。次いで、図6(c)に示すように、流路形成基板用ウェハ110の加工した面に保護膜51を新たに形成し、図示しないレジスト等を介して所定形状にパターニングする。なお、保護膜51の材料としては、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)等が好適に用いられる。
そして、図7(a)に示すように、流路形成基板用ウェハ110を保護膜51をマスクとして、KOH、TMH等のアルカリ溶液によってエッチングすることにより圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14を形成する。次いで、図7(b)に示すように、流路形成基板用ウェハ110及び保護基板用ウェハ130を同時に分割することで、外周の余分な領域を除去すると共に、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10及び保護基板30を形成する。その後は、流路形成基板10の圧力発生室12等が開口する面側にノズル開口21の設けられたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板30上にコンプライアンス基板40を接合することで、インクジェット式記録ヘッドが製造される。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施形態では、表面処理工程として、保護基板用ウェハ上に駆動配線を形成する場合を例示したが、本発明は、駆動配線の形成に限定されず、保護基板用ウェハ(デバイス用基板)自体を加工、例えば、バックグラインダ等で保護基板用ウェハを所定の厚さに形成する場合等にも有効である。また、上述の実施形態では、保護基板用ウェハの外周部のみ、すなわち、保護基板用ウェハの保護基板が形成される領域外にのみ、微小貫通孔を形成するようにしたが、これに限定されず、勿論、微小貫通孔は、保護基板自体に設けられていてもよい。ただし、保護基板上に駆動配線が設けられる場合には、この駆動配線が形成されない領域に微小貫通孔を形成する必要がある。
また、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドを例示して本発明を説明したが、本発明は、液体噴射ヘッドを構成するデバイス用基板の製造方法だけでなく、貫通部を有するベース基板の表面に所定加工又は処理が施されたデバイス用基板であれば、例えば、半導体デバイス用基板等、あらゆるデバイス用基板に適用が可能である。
実施形態1に係る記録ヘッドの一例を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図及び断面図である。 実施形態1に係る保護基板の製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る保護基板用ウェハの概略を示す平面図である。 実施形態1に係る保護基板の製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 20 ノズルプレート、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 40 コンプライアンス基板、 110 流路形成基板用ウェハ、 130 保護基板用ウェハ、 131 微小貫通孔、 132 大径部、 133 小径部、 140 サポート基板、 150 接着剤、 210 駆動配線、 220 駆動回路、 250 剥離液、 300 圧電素子

Claims (9)

  1. 厚さ方向に貫通する貫通部を有するベース基板の表面に所定加工又は処理を施したデバイス用基板の製造方法であって、
    前記ベース基板に前記貫通部を形成すると共に複数の微小貫通孔を形成する基板加工工程と、前記ベース基板の一方側の表面に接着剤を塗布すると共にこの接着剤によってサポート基板を前記ベース基板に接合し当該ベース基板の表面を前記サポート基板で覆う接合工程と、前記ベース基板と前記サポート基板との接合領域の外側に流れ出した接着剤をアッシングにより除去する除去工程と、前記ベース基板の他方側の表面に前記所定加工又は処理を施す表面処理工程と、前記接着剤に剥離液を浸透させて前記ベース基板から前記サポート基板を剥離させる剥離工程とを有することを特徴とするデバイス用基板の製造方法。
  2. 前記接合工程では、スリットコート法によって前記ベース基板表面に前記接着剤を塗布することを特徴とする請求項1に記載のデバイス用基板の製造方法。
  3. 前記微小貫通孔の前記ベース基板の前記他方側の開口の直径が10μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のデバイス基板の製造方法。
  4. 前記微小貫通孔の前記ベース基板の前記他方側の開口が前記一方側の開口よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のデバイス用基板の製造方法。
  5. 前記微小貫通孔が、前記ベース基板の前記他方側の開口部に、他の部分よりも内径の大きい大径部を有することを特徴とする請求項4に記載のデバイス用基板の製造方法。
  6. 前記除去工程では、前記ベース基板及び前記サポート基板の外周部に流れ出した接着剤と共に、前記貫通部内に流れ込んだ接着剤を除去することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のデバイス用基板の製造方法。
  7. 前記剥離工程では、前記微小貫通孔内に前記剥離液を供給して当該剥離液を前記接着剤に浸透させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のデバイス用基板の製造方法。
  8. 前記表面処理工程では、前記所定処理として前記ベース基板上に配線パターンを形成し、前記基板加工工程では、前記ベース基板の前記配線パターンが形成されない領域に前記微小貫通孔を形成することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のデバイス用基板の製造方法。
  9. 前記ベース基板がシリコン基板からなることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のデバイス用基板の製造方法。
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JP2016180798A (ja) * 2015-03-23 2016-10-13 アルバック成膜株式会社 マスクブランクス、フォトマスク、その製造方法
JP2019031049A (ja) * 2017-08-09 2019-02-28 キヤノン株式会社 基板および半導体デバイスの製造方法

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