[go: up one dir, main page]

JP2007240606A - 像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体 - Google Patents

像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体 Download PDF

Info

Publication number
JP2007240606A
JP2007240606A JP2006059539A JP2006059539A JP2007240606A JP 2007240606 A JP2007240606 A JP 2007240606A JP 2006059539 A JP2006059539 A JP 2006059539A JP 2006059539 A JP2006059539 A JP 2006059539A JP 2007240606 A JP2007240606 A JP 2007240606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
heating
recording material
substrate
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006059539A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Hashimoto
英樹 橋本
Yoshiaki Sato
慶明 佐藤
Masatake Usui
正武 臼井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2006059539A priority Critical patent/JP2007240606A/ja
Publication of JP2007240606A publication Critical patent/JP2007240606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】記録材が通過しない領域の昇温を緩和でき、その記録材のスループットを向上できる像加熱装置及びその装置に用いられる加熱体の提供。
【解決手段】基板101と、前記基板に設けられた第1及び第2の発熱体1,2と、を有する加熱体100を有し、加熱体からの熱により、画像を担持する記録材Pを加熱する像加熱装置である。前記第1の発熱体は、前記基板の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられている。前記第2の発熱体は、前記基板の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられている。そして、前記第1の発熱体と前記第2の発熱体は記録材搬送方向Xの中央の仮想線Yに対して略線対称である。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成装置に搭載されている加熱定着装置として用いれば好適な像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体に関する。
電子写真方式のプリンタや複写機に搭載する像加熱装置(定着装置)として、セラミックス製の基板上に発熱体を有するヒータと、このヒータに接触しつつ移動する可撓性部材と、可撓性部材を介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有するものがある。特許文献1、2にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー画像を担持する記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送されつつ加熱され、これにより記録材上の画像は記録材に加熱定着される。この定着装置は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温するのに要する時間が短いというメリットを有する。したがって、この定着装置を搭載するプリンタは、プリンタ指令の入力後、一枚目の画像を出力するまでの時間(FPOT:first printout time)を短くできる。またこのタイプの定着装置は、プリント指令を待つ待機中の消費電力が少ないというメリットもある。
ところで、可撓性部材を用いた定着装置を搭載するプリンタで小サイズの記録材を大サイズの記録材と同じプリント間隔で連続プリントすると、ヒータの記録材が通過しない領域(非通紙領域)が過度に昇温(いわゆる非通紙部昇温)することが知られている。ヒータの非通紙領域が過昇温すると、ヒータを保持するホルダや加圧ローラが熱により損傷する場合がある。
そこで、上記定着装置を搭載するプリンタは、小サイズの記録材を連続プリントする場合、大サイズの記録材に連続プリントする場合よりもプリント間隔を広げる制御を行いヒータの非通紙領域の過昇温を抑えている。
しかしながら、プリント間隔を広げる制御は単位時間当りの出力枚数いわゆるスループットを減らすものであり、単位時間当たりの出力枚数を大サイズの記録材の場合と同等或いは若干少ない程度に抑えることが望まれる。
特開2000−173752号公報 特開2001-100558号公報
本発明は、上記従来技術をさらに発展させたものである。本発明の目的は、記録材が通過しない領域の昇温を緩和でき、その記録材のスループットを向上できる像加熱装置及びその装置に用いられる加熱体を提供することにある。
本発明に係る像加熱装置の代表的な構成は、基板と、前記基板に設けられた第1及び第2の発熱体と、を有する加熱体を有し、加熱体からの熱により、画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置において、
前記第1の発熱体は、前記基板の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられており、前記第2の発熱体は、前記基板の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられており、且つ前記第1の発熱体と前記第2の発熱体は記録材搬送方向中央の仮想線に対して略線対称であることを特徴とする像加熱装置である。
本発明に係る加熱体の代表的な構成は、基板と、前記基板に設けられた第1及び第2の発熱体と、を有し、前記第1及び第2の発熱体からの熱により、画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置に用いられる加熱体において、
前記第1の発熱体は、前記基板の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられており、前記第2の発熱体は、前記基板の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられており、且つ前記第1の発熱体と前記第2の発熱体は前記基板の短手方向中央の仮想線に対して略線対称であることを特徴とする加熱体である。
本発明によれば、記録材が通過しない領域の昇温を緩和でき、その記録材のスループットを向上できる像加熱装置及びその装置に用いられる加熱体の提供を実現できる。
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
(1)画像形成装置例
図7は本発明に係る像定着装置を加熱定着装置として搭載できる画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、電子写真方式を用いた、タンデム型のカラーLBP(カラーレーザービームプリンタ)である。
Y,M,C,Bkはそれぞれイエロー成分、マゼンタ成分、シアン成分、ブラック成分の各色のトナー画像を形成する第1〜第4の4つの作像ステーションであり、画像形成装置本体内に下から上に順に並列配置されている。
作像ステーションY,M,C,Bkは、それぞれ、ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)1a,1b,1c,1dと、帯電手段たる帯電ローラ2a,2b,2c,2dを有している。さらに、レーザービーム露光手段(以下、スキャナーと記す)3a,3b,3c,3dと、現像手段たる現像器4a,4b,4c,4dと、クリーニング手段たるクリーニングブレード6a,6b,6c,6d等を有している。
そして、各ステーションY〜Bkにおいて、感光ドラム1a〜1dと、帯電ローラ2a〜2dと、現像器4a〜4dと、クリーニングブレード6a〜6d等をひとつの容器にまとめた、いわゆるプロセスカートリッジCa,Cb,Cc,Cdを使用している。カートリッジCaの現像器4aにはイエロー(Y)トナーが充填されている。カートリッジCbの現像器4bにはマゼンタ(M)トナーが充填されている。カートリッジCcの現像器4cにはシアン(C)トナーが充填されている。カートリッジCdの現像器4dにはブラック(Bk)トナーが充填されている。
9aは記録材Pの担持搬送部材としてのエンドレスの静電吸着搬送ベルトである。搬送ベルト9aは、各ステーションY〜Bkの感光ドラム側(プリンタ前面側)において各ステーションY〜Bkに亘らせて縦方向に配設してある。9b,9c,9d,9eは搬送ベルト9aを懸回張架させた、それぞれ駆動ローラ、2本の固定ローラ、及びテンションローラである。搬送ベルト9aは駆動ローラ9bにより図示矢印方向(時計方向)に感光ドラム1a〜1dの回転周速度に対応した周速度で回転駆動される。
5a,5b,5c,5dは第1〜第4の4つの転写ローラであり、それぞれ、搬送ベルト9aを介して各ステーションY〜Bkの感光ドラム1a〜1dに圧接している。
各ステーションY〜Bkにおいて、感光ドラム1a〜1dが図示矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。この感光ドラム1a〜1dの外周面(表面)にスキャナー3a〜3dより、画像データに基づいた走査光が、帯電ローラ2a〜2dにより一様に帯電された感光ドラム1a〜1d表面を露光する。これにより、感光体ドラム1a〜1d表面に画像データに対応する静電潜像が形成される。不図示のバイアス電源より現像器4a〜4dの現像ローラに印加される現像バイアスを、帯電電位と潜像(露後部)電位の間の適切な値に設定することで、負の極性に帯電されたトナーが、感光ドラム1a〜1d表面の静電潜像に選択的に付着される。これによって、静電潜像が各色のトナーにより現像される。
一方、画像形成装置本体下方に配設した給送カセット8aには記録材(転写シート)Pが収納されている。記録材Pは、カセット8aに設けた固定基準(搬送基準)としてのリブまたは壁に任意の一辺を突き当て、この一辺と反対側の他辺を可動式のリブに突き当てた状態に収納してある。画像形成時には給送ローラ8bが回転してカセット8a内の最上部の記録材Pを給送する。このとき記録材Pはリブまたは壁を搬送基準としてレジストローラ対8cに給送される(片側基準搬送)。その記録材Pは先端がレジストローラ対8cに突き当たって一旦停止され、ループ形成した後に搬送ベルト9aの回転と画像書出し位置の同期をとって、ローラ対8cにより搬送ベルト9cへと給送されていく。
感光ドラム1a〜1d表面に現像された負極性の各色のトナー画像は、搬送ベルト9aにより搬送された記録材Pに対し転写ローラ5a〜5dから正極性の電荷を搬送ベルト9aを介して記録材Pに印加されることによって、記録材P面上に重畳転写される。
各ステーションY〜Bkにおいて記録材Pへのトナー画像転写後の感光ドラム1a〜1d表面はクリーニングブレード6a〜6dによって転写残トナー等の残存付着物が除去され、繰り返して作像に供される。
各感光ドラム1a〜1dからトナー画像の重畳転写を受けて搬送ベルト9aの上端に搬送された記録材Pは、駆動ローラ9b部において搬送ベルト9a面から分離されて、定着装置(定着器)10に送り込まれる。そして定着装置10においてトナー画像が加熱定着された後、排出ローラ13によって排出トレー14に排出される。
以上が片面印字モードにおける装置の動作である。両面印字モード時には、記録材Pの後端が排出両面ガイド15を抜けるところまで排出ローラ13によって記録材Pを搬送する。その後、排出ローラ13を逆転することによって記録材Pを両面時搬送パスに導くようになっている。具体的には、排出ローラ13の逆転により、記録材Pの後端が排出両面ガイド15の上面に沿って搬送される。記録材Pは更に通風ダクト11の下部に設けられたガイドリブ11aと操作パネル12の下部に設けられたガイドリ12aに沿って搬送され、両面ローラ14に送り込まれる。更に、記録材Pは、下流の両面ローラ16,17を経た後、Uターンガイド18に沿って搬送され、ローラ対8cにより搬送ベルト9aの回転と画像書出し位置の同期をとって搬送ベルト9cへと給送されていく。以後の動作は片面印字モードの場合と全く同様である。
(2)定着装置10
図8は本実施例における定着装置10の概略構成模型図である。本例の定着装置10は、定着スリーブ加熱方式、加圧用回転体駆動方式(テンションレスタイプ)の装置である。
1)装置10の全体的構成
20は記録材の画像面に接する加熱部材としての定着スリーブ(第一の定着部材)である。この定着スリーブ20はスリーブ状部材に弾性層を設けてなる円筒状(エンドレススリーブ状)の部材である。図10に定着スリーブ20の層構成模型図を表す。スリーブ20は、例えば、SUSを厚み約50μmの円筒状に形成したエンドレスベルトを基層20aとし、その外周面に弾性層20bとして厚み約300μmのシリコーンゴム層をリングコート法により形成している。そして、その弾性層20bの上に離型層20cとして厚み約30μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。シリコーンゴム層には、極力熱伝導率の高い材質を用い、スリーブ20の熱容量を小さくすることが、温度立ち上げの観点からは望ましい。本実施例においては、熱伝導率が約1.0×10−3cal/sec・cm・Kと、シリコーンゴムとしては、熱伝導率が高い部類に属する材質を用いた。スリーブ20表面にフッ素樹脂層を設けることで、表面の離型性を向上し、スリーブ20表面にトナーが一旦付着し、再度記録材に移動することで発生するオフセット現象を防止することができる。また、スリーブ20表面のフッ素樹脂層を、PFAチューブとすることで、より簡便に、均一なフッ素樹脂層を形成することが可能となる。
22は加圧部材としての弾性加圧ローラ(第二の定着部材)であり、上記のスリーブ20とニップ部(定着ニップ部、加熱ニップ部)Nを形成する。この加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金22aに、弾性層22bとして射出成形により厚み約3mmのシリコーンゴム層22bを形成し、その上に離型層22cとして厚み約70μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。
100は加熱体としての定着ヒータである。ヒータ100は後述の3)項で説明するような裏面加熱型のセラミックヒータである。17は横断面略半円弧状樋型の耐熱性、剛性を有するスリーブガイドである。ヒータ100はこのスリーブガイド17の下面に該ホルダの長手(定着スリーブ回転方向に直交する方向)に沿って配設してある。スリーブ20はこのスリーブガイド17にルーズに外嵌させてある。スリーブガイド17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成し、ヒータ100を保持し、定着スリーブ20をガイドする役割を果たす。
加圧ローラ22は芯金22aの両端部を装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してある。この加圧ローラ22の上側に、前記のヒータ100、スリーブガイド17、スリーブ20等から成る加熱アセンブリをヒータ100側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置している。そして、スリーブガイド17の両端部を不図示の加圧機構により片側98N(10kgf)、総圧196N(20kgf)の力で加圧ローラ22の軸線方向に附勢している。これにより、ヒータ100の下向き面をスリーブ20を介して加圧ローラ22の弾性層に該弾性層の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、加熱定着に必要な所定幅(定着スリーブ回転方向の寸法)のニップ部Nを形成させてある。加圧機構は、圧解除機構を有し、ジャム処理時等に、加圧を解除し、記録材Pの除去が容易な構成となっている。
18と19は第一と第二の温度検知手段としてのメインサーミスタとサブサーミスタの2つのサーミスタである。図9は、定着スリーブ20、ヒータ100、メインサーミスタ18、サブサーミスタ19の位置関係を表す斜視模型図である。
メインサーミスタ18は、定着スリーブ20内面部分(定着スリーブ20長手端部付近)に弾性的に接触させて配設してある。このメインサーミスタ18は、スリーブガイド17に固定支持させたステンレス製のアーム18aの先端にサーミスタ素子18bが取り付けてある。そして、スリーブガイド17の上方において定着スリーブ20内面に当接させたサーミスタ素子18bによりスリーブ20内面の温度を検知する。
サブサーミスタ19は、熱源であるヒータ100の裏面に接触して配設してあり、ヒータ100裏面の温度を検知する。各サーミスタ18,19の配設位置については次の3)項にて詳しく説明する。
各サーミスタ18,19は画像形成装置の制御手段としての制御回路(CPU)27(図8)に接続されている。制御回路27は、各サーミスタ18,19の出力をもとに、定着装置10の温調制御内容を決定し、ヒータ駆動回路28によってヒータ100への通電を制御する。
図8において、23と26は装置フレーム24に組付けた入り口ガイドと定着排紙ローラである。入り口ガイド23は、駆動ローラ9b部において搬送ベルト9a面から分離された記録材Pが、ニップ部Nに正確にガイドされるよう、記録材Pを導く役割を果たす。
上記の各部材20,22,23,26,100は、それぞれ、記録材Pの面において記録材搬送方向Xと直交する方向に細長い部材である。
2)定着動作の説明
加圧ローラ22は駆動手段Mにより矢印の反時計方向に所定の周速度で回転される。この加圧ローラ22の回転による該加圧ローラ22の外面とスリーブ20との、ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状のスリーブ20に回転力が作用する。その回転力によりスリーブ20は内面側がヒータ100の下向き面に密着して摺動しながらスリーブガイド17の外回りを矢印の時計方向に従動回転する。ヒータ100に通電がなされ、ヒータ100が昇温して所定の定着温度(目標温度)に立ち上がり温調された状態において、ニップ部Nに未定着トナー画像tを担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って案内されて導入される。ニップ部Nに導入された記録材Pはトナー画像担持面側がスリーブ20の外面に密着してスリーブ20と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ100の熱がスリーブ20を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー画像tが記録材P上に加熱、加圧されて溶融定着される。ニップ部Nを通過した記録材Pはスリーブ20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
3)ヒータ100の説明
図1はヒータ100の一例を表す図であり、発熱体パターンが形成された面よりヒータ100を見た図である。また、図1においてはヒータ100の長手方向におけるサーミスタ18,19の配設位置も表している。図2はヒータ100の短手方向(幅方向)の断面、及び、ヒータ100と定着スリーブと加圧ローラ22の関係を表す図である。
ヒータ100は、ヒータ基板101と、この第1の発熱体1と、第2の発熱体2と、接続部電極102,103と、絶縁コート層104と、摺動面保護層105と、を有する。
ヒータ基板101は記録材搬送方向Xと直交する方向に細長い部材である。ヒータ基板101としては、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性のセラミックや、SUS等の金属板にガラスコートを施す等の手段により絶縁層を設けたものを用いることが出来る。本実施例においては、窒化アルミを用いた。
ヒータ基板101の片面には、第1の発熱体1と第2の発熱体2が形成してある。第1及び第2の発熱体1,2ついては、導電ペーストを基板101面上に塗布したり、ニクロム線等を基板101面上に接着等既知の方法で固定したものを用いても良い。また、発熱体1,2は、基板101面上に直接形成される必要は無く、例えば、基板101への熱の拡散を防止するためのグレーズ層を介しても良い。また、発熱体1,2は記録材Pの画像面に対して、基板101上の表、裏のいずれの面に形成されても構わない。実施例においては、基板101において記録材Pの画像面に対し反対の面に、銀、パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一に、厚み20μmの膜状に塗布した後に焼成を行うことにより、発熱体1,2を形成した。
電極102,103は、ヒータ駆動回路28によって指定された量の電力を定着装置10や画像形成装置の電源より、それぞれ発熱体1,2に電力を供給するための接点として機能するものである。本実施例においては、銀ペーストを、発熱体1,2と同様、スクリーン印刷法により均一に、厚み20μmの膜状に塗布した後に焼成を行うことにより、基板101面の長手両端部に形成した。
また、絶縁コート層104は、発熱体1,2を保護する形状に形成される。絶縁コート層104は、ガラスや樹脂等の絶縁物により形成され、発熱体1,2や電極102,103の絶縁耐圧を確保するために設けられる。本実施例においては、絶縁ガラスによるコート層を80μmの厚みでスクリーン印刷を行うことにより設けている。
定着スリーブ20と接触する摺動面保護層105は、定着スリーブ20の摺動性を向上させるとともに、定着スリーブ20との摺擦によるヒータ100の摺動面の削れを保護、防止することを目的として設けられている。保護層105は、例えばポリイミド(PI)などの耐熱性、及び低摩擦である材料が用いられる。本実施例では厚み3〜10μmのワニス状のポリイミド前駆体を塗布し、焼成させてポリイミドを形成させている。
3は第1の発熱体1と第2の発熱体2との間の境界部を示している。
第1の発熱体1及び第2の発熱体2についてさらに詳しく説明する。
第1の発熱体1及び第2の発熱体2は、それぞれ、通電することにより発生する熱の発熱域が基板101の長手方向に二つに分割されている。本実施例では、第1の発熱体1及び第2の発熱体2は、それぞれ、記録材搬送方向上流側の第1の発熱部1a,2aと、記録材搬送方向下流側の第2の発熱部1b,2bと、を有する。そして、第1の発熱体1及び第2の発熱体2は、それぞれ、第1の発熱部1a,2aと第2の発熱部1b,2bとを接続部1c,2cによって電気的に直列に接続されている。接続部1c,2cは記録材搬送方向Xと平行に形成されている。
第1の発熱体1は、第1及び第2の発熱部1a,1bの発熱域が、搬送基準位置Oに沿う片側搬送基準で小サイズの記録材Pが搬送される領域に対応するように各発熱部1a,1bの基板101長手方向の長さを設定している。第2の発熱体2は、第1及び第2の発熱部2a,2bの発熱域が、第1の発熱体1の発熱域外において搬送基準位置Oに沿う片側搬送基準で大サイズの記録材Pが搬送される領域に対応するように各発熱部2a,2bの基板101長手方向の長さを設定している。これにより、小サイズの記録材Pを片側搬送基準で搬送する場合において、基板101長手方向の記録材幅に対応した第1の発熱体1のみを使用し、非通紙領域に対応する第2の発熱体2の発熱域を発熱させないことによって、非通紙部昇温が緩和できる。
そのため、画像形成装置に使用可能な全ての記録材に対して同一の発熱体を使用するヒータを用いる場合には不可避であった、小サイズの記録材搬送時の非通紙部昇温を防止するためのスループットダウンを行う必要がなくなり、スループットの確保が可能となる。また、ヒータ100の非通紙領域の発熱は、記録材Pの未定着トナー画像tを加熱して定着させるという定着装置10の機能に対し不要である。そのため、非通紙領域に対応する第2の発熱体2の発熱域を発熱させないことは、非通紙領域を熱するのに使用されていた電力を削減することとなり、消費電力の低減が成される。
第1及び第2の発熱体1,2において、記録材搬送方向上流側の第1の発熱部1a,2aは、記録材搬送方向Xに対して略同一の位置に設けてある。また、記録材搬送方向下流側の第2の発熱部1b,2bは、記録材搬送方向Xに対して略同一の位置に設けてある。また、第1の発熱体1において、記録材搬送方向上流側の第1の発熱部1aの位置と、記録材搬送方向下流側の第2の発熱部1bの位置関係は、いずれも基板の長手方向に平行であって、記録材搬送方向Xに対して略同一の位置に設けてある。また、第2の発熱体2において、記録材搬送方向上流側の第1の発熱部2aの位置と、記録材搬送方向下流側の第2の発熱部2bの位置関係は、いずれも基板の長手方向に平行であって、記録材搬送方向Xに対して略同一の位置に設けてある。以上により、発熱体形状は、基板の長手方向に対して平行であり、且つ基板短手方向、もしくは記録材搬送方向の中央である図示する仮想線Yを対称軸として上流側の発熱部と下流側の発熱部とが、線対称となる。
第1及び第2の発熱体1,2の各発熱部1a,1b、2a,2bを上記のように配置することによって、いずれの発熱体1,2においても記録材搬送方向Xに対しては発熱域が同等とすることができる。これによって、いずれの発熱体1,2を使用してもトナー溶融からニップ圧で定着されるまでの時間が変わらない。従って、定着性およびグロスなどの画像特性に差異は生じない。
電極102は、基板101上の長手方向片側端部において第1の発熱体1の発熱部1a,1bと個々に接続する2つ電極102a,102bを有する。この電極102a,102bを介してAC電圧が発熱体1に印加される。電極103は、基板101上の、電極102とは異なる側の長手方向片側端部において第2の発熱体2の発熱部2a,2bと個々に接続する2つ電極103a,103bを有する。この電極103a,103bを介してAC電圧が発熱体1に印加される。これにより、ヒータ100の長手方向両端に給電用のコネクタ(不図示)が接続されるが、一つの発熱体1,2に対しては一つのコネクタより通電する形態を採ることができる。
また、記録材Pの搬送が片側搬送基準であるため、2種類のサイズの記録材に対応する場合に、小サイズ記録材に対応した第1の発熱体1の隣の片側に、大サイズ記録材対応の第2の発熱体2を設ければよく、発熱域は基板101長手方向に二ヶ所に分割すればよい。そのため、基板101長手方向における発熱域の箇所を少なくでき、導電パターンおよび発熱体パターンをより簡易な形状とすることができる。また、これにより各発熱体1,2への配線もより簡易にすることができる。
図1に即し、本実施例における発熱体パターンの長手方向位置について説明する。図示した()内の値は搬送基準位置O(0mm)からの長手方向位置を示している。図示した搬送基準位置Oを記録材搬送の基準とし、全てのサイズの記録材を幅方向の一辺がその位置に沿って移動するように搬送する。
ここで、本発明の請求項1及び7に記載の「所定位置」とは、例えば図1に示した位置である。この位置を加熱体100の短手方向、すなわち記録材搬送方向Xに切った境界線3を境として概ね第1の発熱体1を包含する側の領域を第1のエリア、概ね第2の発熱体2を包含する側の領域を第2のエリアとする。本実施例では、第1の発熱体1たる小サイズ記録材用の発熱体1はB5サイズ(幅:185mm)に対応し、最大通紙幅がLTRサイズ(幅:216mm)に対応するように発熱体パターンを設定している。そして、搬送基準位置Oから(190.5mm)の位置を所定位置としている。
発熱体1は、B5サイズ記録材を長手方向搬送領域、及び両端を3mmずつ長くなるよう、(−3mm)の位置から(188mm)の位置までを発熱域とした。発熱体2の発熱域は、A4サイズ(210mm)及び最大通紙幅たるLTRサイズ(216mm)に対応している。そして、搬送基準位置Oより(193mm)の位置から(219mm)の位置までの領域を発熱域とした。
メインサーミスタ18は最小通紙幅(最小通紙領域)内に配し、如何なるサイズの記録材Pをニップ部Nで搬送した場合においても、非通紙部昇温の影響を受けることなく、記録材に与える温度を温調できるように構成されている。そのため、搬送基準位置Oから最小通紙幅である封筒サイズまでの間に配すればよく、本実施例では最小サイズ記録材の長手方向搬送領域の中央となるよう、搬送基準位置Oから(49mm)の位置に設けた。
サブサーミスタ19は非通紙部昇温を検知するため、最大通紙幅の域内であって、最小通紙幅の域外である領域に配することが必要である。本実施例では、発熱体1の折り返し部側端部となる接続部1cと対応する位置に配してある。
表1に、図1に示した本実施例の加熱体100と、従来の2つのタイプの加熱体を具備させた画像形成装置において、小サイズ記録材通紙時の非通紙部昇温、及び小サイズ記録材印刷時と大サイズ記録材印刷時とのグロス差について検討した結果を示す。従来の2つのタイプの加熱体のうち、1つは単一回路の給電タイプである図11に示した加熱体900であり、他の1つは図12に示した複数回路の給電タイプである加熱体1000である。図12に示す加熱体1000もまた、小サイズ記録材用発熱体の長手方向発熱域をB5サイズに対応するよう構成している。
小サイズ記録材通紙時の非通紙部昇温は、メインサーミスタ18の温調温度が197℃、プロセススピードが181mm/secの条件で、封筒幅の普通紙(幅105mm)を連続10枚通紙した際に、非通紙部となるヒータ裏面温度をサブサーミスタ19にて測定した。加熱体100、及び加熱体1000では、小サイズ記録材用発熱体を用いている。加熱体900の非通紙部昇温は300℃を超え、スリーブガイド17が端部において溶融した。このように加熱体900ではスループットダウンにより、部材の冷却を行うとともにプロセススピードを遅くして、定着温度を低減させる必要がある。
一方、加熱体100、及び加熱体1000の非通紙部昇温は240℃程度であった。これは部材にダメージのない程度の昇温であり、加熱体100、及び加熱体1000はスループットダウンを不要とすることができた。
次に小サイズ記録材通紙時のグロスと、大サイズ記録材通紙時のグロスとの差を検討した。メインサーミスタ18の温調温度が177℃、プロセススピードが60mm/secの条件でイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのベタ画像を、B5サイズ、及びLTRサイズの坪量120g/m2の光沢紙(hp glossy photo & imaging gloss paper)に印刷し、検討した。
なお、グロス値は、日本電色技術センター製 グロスメータ(PG−3D)にて、入射角75°のプローブを用いて計測した。加熱体100、及び加熱体900においては、封筒幅サイズ紙とLTRサイズ紙との間で、定着画像のグロスはほとんど変わらなかった。
ところが、加熱体1000においては、LTRサイズ紙では加熱体100及び加熱体900とほぼ同等のグロスが得られたが、封筒幅サイズにおいてはグロスが3割ほども低い画像であった。
このように本実施例の加熱体100は非通紙部昇温が緩和され、スループットダウンを不要とすることが可能であるとともに、加熱体1000で見られた、記録材サイズにより定着画像の画質が損なわれる問題も回避することができた。以上より、上記で述べた本実施例の効果が示された。
すなわち、本実施例の加熱体100において、第1の発熱体1は基板101の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられている。第2の発熱体2は、基板101の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられている。そして、第1の発熱体1と第2の発熱体2は記録材搬送方向中央の仮想線に対して略線対称である。
そのため、定着装置10を記録材Pのサイズに拘らず記録材Pの一辺が固定基準に沿って移動するように記録材を搬送する画像形成装置に搭載した際には、小サイズの記録材搬送時においてもその記録材幅に対応した第1の発熱体1のみを使用する。つまり、小サイズの記録材搬送時において非通紙領域に対応する第2の発熱体2の発熱域を発熱させないことによって、非通紙部昇温が緩和でき、スループットが確保できる。
さらに、いずれの発熱体1,2を使用してもトナー溶融からニップ圧で定着されるまでの時間が変わらず、従って、定着性およびグロスなどの画像特性に差異は生じることを免れることができる。
さらに、このような効果を両立して提供できるヒータ100を得る際、片側基準搬送の定着装置10及び画像形成装置に搭載するのであれば、N個の記録材サイズに対応させるためには、長手方向に発熱域をN個に分割すればよい。ところが、記録材の中心と記録材の搬送幅中心を合わせて記録材を搬送する中央基準搬送の定着装置では、N個の記録材サイズに対応させるために長手方向に発熱域を2N−1個に分割することとなる。したがって、中央基準搬送に比べ、ヒータの発熱域を分割する数を少なくすることができる。すなわち、前述の効果を提供するヒータ100の発熱体パターンは片側搬送機においてより簡易な形状で実現でき、そのため、より低コストで作成可能となる。
以上より、単純なヒータパターンでかつ、非通紙部昇温を低減することを可能とする片側基準搬送を行う画像形成装置において好適なヒータを有する定着装置を提供することができる。
次に本発明に係る加熱体の他の例を説明する。
実施例1と同じ部材、部分については同じ符号を付し、再度の説明は省略する。
本実施例の加熱体は、実施例1で説明した加熱体100に対し、発熱体の折り返し部の形状を適切に設定した点が異なっている。この点以外は実施例1と同じである。
本実施例の加熱体は、大サイズ記録材の定着画像の、記録材幅方向における定着性、グロスなどの画像均一性を、実施例1に比べてより高めることを目的としている。そのため、発熱体1、発熱体2、及び発熱体1と発熱体2との間の境界部3との間において記録材Pに与える熱量の均一性を高めるよう工夫が成されている。
図3及び図4に、それぞれ本実施例の加熱体300,400を示す。加熱体300,400において、発熱体1,2の幅、厚みは均一であり、一つの発熱体からの発熱量は均一である。
図3に示す本実施例の第1の形態たる加熱体300においては、第1の発熱体1、及び第2の発熱体2ともに記録材搬送方向上流側の発熱部1a,2aと、記録材搬送方向下流側の発熱部1b,2bの長さが異なる。また、記録材搬送方向上流側の発熱部1a,2aと、記録材搬送方向下流側の発熱部1b,2bを繋ぐ接続部1c,2cを発熱部とし、その発熱部を記録材搬送方向Xに対し、傾けて形成させている。これにより、発熱体1の発熱域と発熱体2の発熱域の長手方向におけるギャップを小さくすることができる。
そして、図4に示す本実施例の第2の形態たる加熱体400においては、第1の発熱体1の発熱部1a,1b、第2の発熱体2の発熱部2a,2b、発熱体1と発熱体2との間の境界部3について以下の関係式が成り立つようにした。すなわち、記録材搬送方向Xにおいて、上流側の発熱部1a、下流側の発熱部1b、上流側の発熱部2a、下流側の発熱部2b、境界部3のそれぞれの長さまたは幅l1a、1b、l2a、2b、lについて以下の関係式が成り立つように設定した。
1a 1b
2a 2b
1a+l2a 1b+l2b
|l1a−1b|≧l
第1及び第2の発熱体1,2bのそれぞれの発熱部1a,1b、2a,2bにおいて、電極102,103側端部の位置は記録材搬送方向Xの上流側と下流側で同一の位置に設定されている。これにより、発熱体1の基板101長手方向における発熱域と、発熱体2の基板101長手方向における発熱域とが、オーバーラップする領域を有するように設定することができる。
ここで、本実施例では、請求項1及び7に記載の「所定位置」を境界とした第1のエリア内に第1の発熱体1の発熱域が包含しきれず、第2のエリア内に第2の発熱体2の発熱域が包含しきれないこととなる。しかしながら、実質的には発熱体1の発熱域と第1のエリアとが、等価な範囲を示すことから、本発明の範疇に含まれる。
本実施例の加熱体400を備える定着装置10を搭載した画像形成装置を用い、大サイズ記録材としてLTRサイズ記録材(幅:216mm)を印刷させた。すると、実施例1の発熱体100を用いた場合に比べ、発熱体1と発熱体2との間の境界部3の領域においてよりグロス、定着性などの画像特性がより均一な定着画像を得ることができた。
以上により、上記で述べた本実施例の効果が示された。
すなわち、本実施例の加熱体300,400の形態においても、第1の発熱体1は基板101の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられている。第2の発熱体2は、基板101の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられている。そして、第1の発熱体1と第2の発熱体2は記録材搬送方向中央の仮想線に対して略線対称である。したがって、実施例1と同様な作用、効果を得ることができる。
また、本実施例の加熱体300,400は、第1の発熱体1、及び第2の発熱体2について、記録材搬送方向上流側の発熱部1a,2aと記録材搬送方向下流側の発熱部1b,2bとを繋ぐ発熱部1c,2cが記録材搬送方向Xに対し傾けて形成した形態である。及び、第1の発熱体1の基板101長手方向における発熱域の一部と、第2の発熱体2の基板101長手方向における発熱域の一部とが、オーバーラップするような構成である。これにより、実施例1の加熱体100に比べて大サイズ記録材の定着画像の記録材幅方向における定着性、グロスなどの画像均一性をより高めることが可能となる。
次に本発明に係る加熱体の他の例を説明する。
実施例1と同じ部材、部分については同じ符号を付し、再度の説明は省略する。
本実施例の加熱体は、実施例2で説明した加熱体300,400に対し、発熱体の折り返し部の抵抗率を適切に設定した点が異なっている。この点以外は実施例1と同じである。
本実施例の加熱体は、画像均一性を実施例2の加熱体に比べて更に高めるために、発熱体1、発熱体2、及び発熱体1と発熱体2との間の境界部3との間において記録材Pに与える熱量の均一性を、実施例2に比べて更に高めるよう工夫が成されている。
そのため、本実施例では、実施例2で示した、折り返し部(発熱部1c,2c)を記録材搬送方向Xに対し傾けて、発熱体1の基板101長手方向における発熱域と、発熱体2の基板101長手方向における発熱域とが重なり合うように発熱体1,2を形成している。それに加えて、更に、発熱体1,2の折り返し部の部分抵抗を多くし、発熱量を多くさせている。
図5及び図6に、それぞれ本実施例の加熱体500,600を示す。
加熱体500,600において、発熱体1,2の厚みは均一であり、発熱体1,2の部分抵抗は発熱体幅で決定される。部分抵抗Rと発熱体幅wとは
R∝1/w
の関係がある。
発熱体1,2での部分消費電力Wは、電流値Iが一定であるから
W=IR∝1/w
である。すなわち、発熱体1,2での部分消費電力Wは、発熱体幅wに反比例する関係にある。ここで部分発熱量が部分消費電力Wに比例すると仮定すれば、部分発熱量は発熱体幅wに反比例することが導かれる。
以上の式に基づいて、発熱体幅を狭く絞られた絞り部では発熱体の抵抗が大きくなり、同じ値の電流が流れた際の発熱量も大きくなる。
図5に示す本実施例の第1の形態たる加熱体500においては、このような絞り部を発熱体1及び発熱体2の、記録材搬送方向上流側の発熱部1a,2aと記録材搬送方向下流側の発熱部1b,2bとを繋ぐ発熱部1c,2cにそれぞれ設けた。発熱体1と発熱体2との間の境界部3の長手方向幅は5mmとしている。発熱体幅は、絞り部(発熱部1c,2c)以外をw=2mmとし、これに対し絞り部ではw=w×(2/3)=1.33mmと設定した。これにより絞り部の部分発熱量は、発熱体幅wに反比例することから、絞り部以外に比べ1.5倍となる。
また、図6に示す本実施例の第2の形態たる加熱体600においては、上記の絞り部を発熱体1及び発熱体2の、記録材搬送方向上流側の発熱部1a,2aと記録材搬送方向下流側の発熱部1b,2bとを繋ぐ接続部1c,2cにそれぞれ設けた。ここで、絞り部(接続部1c,2c)は非発熱部である導電パターンとした。但し、絞り部は発熱部としても問題ない。発熱体1と発熱体2との間の境界部3の長手方向幅は5mm、発熱体幅は第1の形態と同様、絞り部以外をw=2mm、絞り部をw=w×(2/3)=1.33mmと設定し、絞り部を発熱体1及び発熱体2の接続部側端部5mmに設けた。
以上の加熱体構成をとることにより、折り返し部近傍で多く発熱された熱量が、発熱体1と発熱体2との間の境界部3へ基板101長手方向に、基板101上、定着スリーブ20内などを経て伝播される。これにより、発熱体1と発熱体2との間の境界部3の熱量不足を補うことができる。
本実施例の発熱体500又は600を備える定着装置10を搭載した画像形成装置を用い、大サイズ記録材としてLTRサイズ記録材(幅:216mm)を印刷させた。すると、実施例2の加熱体400を用いた場合に比べ、さらにグロス、定着性などの画像特性がより均一な定着画像を得ることができた。
以上により、上記で述べた本実施例の効果が示された。
すなわち、本実施例の加熱体500,600の形態においても、第1の発熱体1は基板101の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられている。第2の発熱体2は、基板101の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられている。そして、第1の発熱体1と第2の発熱体2は記録材搬送方向中央の仮想線に対して略線対称である。したがって、実施例1と同様な作用、効果を得ることができる。
また、本実施例の加熱体500,600は、第1の発熱体1及び第2の発熱体2のうち、少なくとも一方の発熱体の発熱体幅が他の位置の発熱体幅に比べ細められている構成とする。つまり、少なくとも一方の発熱体の発熱体幅が、接続部1c,2c、第1の発熱部1の接続部側端部、第2の発熱部2の接続部側端部のうち少なくともいずれか1箇所以上、他の位置の発熱体幅に比べ細められている部分が存在する構成とする。これによって、実施例1の加熱体100に比べて大サイズ記録材の定着画像の記録材幅方向における定着性、グロスなどの画像均一性をより高めることが可能となる。
本実施例では、発熱体境界部と発熱体との間での画像均一性が得られるような発熱体パターンについて言及したが、さらに発熱体の発熱域内で発熱量に分布を持たせてもよい。例えば、発熱体の長手両端部近傍において絞り部を設けるケースである。長手端部においては基板を通じて長手端部方向へと加熱体で発生した熱が逃げるため、その放熱分を補うために、端部の発熱量を増加させるというものである。これにより記録材端部における定着性、グロス不足を低減することができる。
本実施例では、二つの発熱体の対応するサイズとして、B5サイズとLTRサイズとしたが、この大きさに限定される必要はない。また、発熱体を2つ用いる場合に言及して述べたが、二つに限定される必要はなく、三つ以上の発熱体を用い、三つ以上のサイズに対応するように設定しても良い。
〔その他〕
1)各実施例において、発熱体1,2は、第1の発熱部1a,2aと、第2の発熱部1b,2bと、これらの発熱部を接続する接続部1c,2cを有する構成である必要はなく、例えば各発熱体1,2が単一の発熱部からなる構成であっても良い。
2)各実施例では、加熱体をスリーブ定着方式の定着装置に適用する場合について説明したが、加熱体はこれに限られずフィルム定着方式の定着装置に適用できる。また、板状ヒータで加熱された熱を熱源として記録材上に画像を定着させる方式の定着装置であればよい。例えば定着ローラと、定着ローラに懸架された定着スリーブと、定着ローラに対向して配され定着ローラとの間で加圧する加圧ローラとからなるスリーブ定着方式であって、定着スリーブを本発明の加熱体が加熱する構成であっても良いし、定着ローラを板状ヒータで加熱する方式であってもよい。
3)実施例では、静電転写搬送ベルトに吸着、搬送される記録材に直接トナー像を転写する、いわゆるETB方式の画像形成装置に定着装置10を搭載した例を説明した。しかし定着装置10はこれに限らず中間転写ベルトに各色のトナーを転写させた後に、記録材に転写させるいわゆるITB方式の画像形成装置に搭載してもよい。また、モノクロレーザープリンタに定着装置10を搭載しても良い。また、定着装置10はレーザープリンタに限らず、複写機に搭載してもよい。要は未定着トナー像を加熱して、定着画像を得る画像形成装置において、定着装置として機能する装置として搭載されていればよい。
実施例1に係るヒータの一例を表す図であり、発熱体パターンが形成された面よりヒータを見た図である。 ヒータの短手方向の断面、及び、ヒータと定着スリーブと加圧ローラの関係を表す図である。 実施例2に係るヒータの一例を表す図であり、発熱体パターンが形成された面よりヒータを見た図である。 実施例2に係るヒータの一例を表す図であり、発熱体パターンが形成された面よりヒータを見た図である。 実施例3に係るヒータの一例を表す図であり、発熱体パターンが形成された面よりヒータを見た図である。 実施例3に係るヒータの一例を表す図であり、発熱体パターンが形成された面よりヒータを見た図である。 画像形成装置の一例の概略構成図である。 定着装置の概略構成模型図である。 定着装置における定着スリーブ、ヒータ、メインサーミスタ、サブサーミスタの位置関係を表す斜視模型図である。 定着スリーブの層構成を表した図である。 従来例1の加熱体(ヒータ)の平面図である。 従来例2の加熱体(ヒータ)の平面図である。
符号の説明
1:小サイズ記録材に対応した発熱体、1a,1b:発熱部、1c:接続部、
2:大サイズ記録材に対応した発熱体、2a,2b:発熱部、2c:接続部、
3:発熱体間の境界部、100,300,400,500,600:ヒータ(加熱体)、
101:基板、102,103:電極、104:絶縁保護層、105:摺動保護層

Claims (12)

  1. 基板と、前記基板に設けられた第1及び第2の発熱体と、を有する加熱体を有し、加熱体からの熱により、画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置において、
    前記第1の発熱体は、前記基板の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられており、前記第2の発熱体は、前記基板の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられており、且つ前記第1の発熱体と前記第2の発熱体は記録材搬送方向中央の仮想線に対して略線対称であることを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記装置は記録材のサイズに拘らず記録材の一辺が固定基準に沿って移動するように記録材を搬送する画像形成装置に搭載されるものであり、小サイズ記録材搬送時には第1の発熱体のみを通電し、大サイズの記録材搬送時には第1の発熱体及び第2の発熱体を通電し発熱させることを特徴とする請求項1記載の像加熱装置。
  3. 前記第1の発熱体、及び第2の発熱体はそれぞれ第1の発熱部と前記第1の発熱部よりも搬送方向下流側の第2の発熱部と、前記第1の発熱部と第2の発熱部とを繋ぐ接続部とを有し、前記接続部が記録材搬送方向に対し傾けて形成された加熱体を有する請求項1記載の像加熱装置。
  4. 第1の発熱体の基板長手方向における発熱域の一部と、第2の発熱体の基板長手方向における発熱域の一部とが、オーバーラップするように発熱体を形成させた請求項3記載の像加熱装置
  5. 第1の発熱体及び第2の発熱体のうち少なくとも一方は、接続部の発熱体幅が、他の位置の発熱体幅に比べ細められている請求項1記載の像加熱装置。
  6. 第1の発熱体及び第2の発熱体のうち少なくとも一方は、第1の発熱部または第2の発熱部の接続部側端部の発熱体幅が、他の位置の発熱体幅に比べ細められている請求項1記載の像加熱装置。
  7. 基板と、前記基板に設けられた第1及び第2の発熱体と、を有し、前記第1及び第2の発熱体からの熱により、画像を担持する記録材を加熱する像加熱装置に用いられる加熱体において、
    前記第1の発熱体は、前記基板の一方の端部から所定位置までの第1のエリアに設けられており、前記第2の発熱体は、前記基板の他方の端部から所定位置までの第2のエリアに設けられており、且つ前記第1の発熱体と前記第2の発熱体は前記基板の短手方向中央の仮想線に対して略線対称であることを特徴とする加熱体。
  8. 前記像加熱装置は記録材のサイズに拘らず記録材の一辺が固定基準に沿って移動するように記録材を搬送する画像形成装置に搭載されるものであり、小サイズの記録材搬送時には第1の発熱体のみを通電し、大サイズの記録材搬送時には第1の発熱体および第2の発熱体を通電し発熱させることを特徴とする請求項7記載の加熱体。
  9. 前記第1の発熱体、及び第2の発熱体はそれぞれ第1の発熱部と前記第1の発熱部に並列して配された第2の発熱部と、前記第1の発熱部と第2の発熱部とを繋ぐ接続部とを有し、前記接続部が記録材搬送方向に対し傾けて形成されたことを特徴とする請求項7記載の加熱体。
  10. 第1の発熱体の基板長手方向における発熱域の一部と、第2の発熱体の基板長手方向における発熱域の一部とが、オーバーラップするように発熱体を形成させた請求項9記載の加熱体。
  11. 第1の発熱体及び第2の発熱体のうち少なくとも一方は、接続部の発熱体幅が、他の位置の発熱体幅に比べ細められている請求項7記載の加熱体。
  12. 第1の発熱体及び第2の発熱体のうち少なくとも一方は、第1の発熱部または第2の発熱部の接続部側端部の発熱体幅が、他の位置の発熱体幅に比べ細められている請求項7記載の加熱体。
JP2006059539A 2006-03-06 2006-03-06 像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体 Pending JP2007240606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006059539A JP2007240606A (ja) 2006-03-06 2006-03-06 像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006059539A JP2007240606A (ja) 2006-03-06 2006-03-06 像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007240606A true JP2007240606A (ja) 2007-09-20

Family

ID=38586253

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006059539A Pending JP2007240606A (ja) 2006-03-06 2006-03-06 像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007240606A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016065915A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 東芝テック株式会社 定着装置および画像形成装置
US9618886B2 (en) 2014-12-26 2017-04-11 Ricoh Company, Ltd. NIP formation assembly, fixing device, and image forming apparatus
US9618887B2 (en) 2015-01-30 2017-04-11 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus
JP2018045247A (ja) * 2017-11-15 2018-03-22 東芝テック株式会社 定着装置および画像形成装置
US10197959B2 (en) 2014-09-24 2019-02-05 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
JP2019074754A (ja) * 2018-12-20 2019-05-16 東芝テック株式会社 加熱部材および画像形成装置
JP2020129124A (ja) * 2020-04-21 2020-08-27 東芝テック株式会社 加熱部材、定着装置および画像形成装置
JP2020187319A (ja) * 2019-05-17 2020-11-19 東芝ライテック株式会社 ヒータ、および画像形成装置
KR20210031378A (ko) 2019-09-11 2021-03-19 도시바 라이텍쿠 가부시키가이샤 히터 및 화상 형성 장치
KR20220141222A (ko) 2021-04-12 2022-10-19 도시바 라이텍쿠 가부시키가이샤 히터 및 화상 형성 장치
JP2023072316A (ja) * 2021-11-12 2023-05-24 東芝ライテック株式会社 ヒータ、および画像形成装置
US12346045B2 (en) 2022-06-23 2025-07-01 Toshiba Lighting & Technology Corporation Heater and image forming apparatus

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016065915A (ja) * 2014-09-24 2016-04-28 東芝テック株式会社 定着装置および画像形成装置
US10067450B2 (en) 2014-09-24 2018-09-04 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
US10197959B2 (en) 2014-09-24 2019-02-05 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
US10698350B2 (en) 2014-09-24 2020-06-30 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
US11754951B2 (en) 2014-09-24 2023-09-12 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
US11294314B2 (en) 2014-09-24 2022-04-05 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
US10955782B2 (en) 2014-09-24 2021-03-23 Toshiba Tec Kabushiki Kaisha Fixing device and image forming apparatus
US9618886B2 (en) 2014-12-26 2017-04-11 Ricoh Company, Ltd. NIP formation assembly, fixing device, and image forming apparatus
US9618887B2 (en) 2015-01-30 2017-04-11 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus
JP2018045247A (ja) * 2017-11-15 2018-03-22 東芝テック株式会社 定着装置および画像形成装置
JP2019074754A (ja) * 2018-12-20 2019-05-16 東芝テック株式会社 加熱部材および画像形成装置
JP2020187319A (ja) * 2019-05-17 2020-11-19 東芝ライテック株式会社 ヒータ、および画像形成装置
US11106166B2 (en) 2019-09-11 2021-08-31 Toshiba Lighting & Technology Corporation Heater and image forming apparatus
KR20210031378A (ko) 2019-09-11 2021-03-19 도시바 라이텍쿠 가부시키가이샤 히터 및 화상 형성 장치
JP2020129124A (ja) * 2020-04-21 2020-08-27 東芝テック株式会社 加熱部材、定着装置および画像形成装置
KR20220141222A (ko) 2021-04-12 2022-10-19 도시바 라이텍쿠 가부시키가이샤 히터 및 화상 형성 장치
EP4075202A1 (en) 2021-04-12 2022-10-19 Toshiba Lighting & Technology Corporation Heater, and image forming apparatus
JP2023072316A (ja) * 2021-11-12 2023-05-24 東芝ライテック株式会社 ヒータ、および画像形成装置
US12346045B2 (en) 2022-06-23 2025-07-01 Toshiba Lighting & Technology Corporation Heater and image forming apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007240606A (ja) 像加熱装置及びこの装置に用いられる加熱体
JP7087501B2 (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置
US8112024B2 (en) Heat fixing apparatus
JP4795039B2 (ja) 定着装置
US20090230114A1 (en) Image heating apparatus and heater used for the image heating apparatus
JP7395292B2 (ja) 画像形成装置
JP2011033671A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5455493B2 (ja) 画像形成装置
JP2018013612A (ja) 画像形成装置および定着装置
JP6249836B2 (ja) 定着装置
JP2019105836A (ja) 加熱装置、定着装置及び画像形成装置
JP5709549B2 (ja) 画像加熱装置及び画像形成装置
JP7188020B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2019184980A (ja) 画像形成装置
JP7122173B2 (ja) 加熱器および定着装置並びに画像形成装置
JP5489939B2 (ja) 定着ヒータ、定着装置及び画像形成装置
JP2020008646A (ja) 画像加熱装置
JP5322791B2 (ja) 像加熱装置及びこの像加熱装置に用いられる可撓性スリーブ
US10921735B2 (en) Fixing device and image forming apparatus having a plurality of heaters
JP7336262B2 (ja) 画像形成装置
JP7276700B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2013037159A (ja) 画像加熱装置
JP2019020482A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2024148303A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2022011466A (ja) 加熱装置、定着装置および画像形成装置